JP2008301955A - 生体組織接合装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】生体組織の種類にかかわらず、十分な接合力を得ることを可能とする。
【解決手段】接合されるべき生体組織を挟んで加圧するとともに、挟まれた生体組織にエネルギを供給して生体組織内のコラーゲンを溶融させるエネルギ供給手段5と、生体組織に対してコラーゲンを供給するコラーゲン供給手段14とを備え、該コラーゲン供給手段14が、エネルギ供給手段5の生体組織への密着面にコラーゲンを吐出する吐出口を備える生体組織接合装置1を提供する。
【選択図】 図1
【解決手段】接合されるべき生体組織を挟んで加圧するとともに、挟まれた生体組織にエネルギを供給して生体組織内のコラーゲンを溶融させるエネルギ供給手段5と、生体組織に対してコラーゲンを供給するコラーゲン供給手段14とを備え、該コラーゲン供給手段14が、エネルギ供給手段5の生体組織への密着面にコラーゲンを吐出する吐出口を備える生体組織接合装置1を提供する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、生体組織接合装置に関するものである。
従来、接合されるべき一対の生体組織を重ね合わせた状態に挟んで、超音波エネルギを付与することにより、生体組織を接合する接合装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、特許文献1の接合装置によれば、生体組織を挟んで超音波エネルギを供給するだけで生体組織を接合することができるが、生体組織の個体差により、十分な接合力を得ることができず、接合された生体組織の安定した接合状態を維持することが困難であったり、接合後の生体組織が硬化し、柔軟性が低下したりしてしまうという不都合が生じることがあった。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、生体組織の種類にかかわらず、十分な接合力を得ることができる生体組織接合装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、接合されるべき生体組織を挟んで加圧するとともに、挟まれた生体組織にエネルギを供給して生体組織内のコラーゲンを溶融させるエネルギ供給手段と、生体組織に対してコラーゲンを供給するコラーゲン供給手段とを備え、該コラーゲン供給手段が、前記エネルギ供給手段の前記生体組織への密着面にコラーゲンを吐出する吐出口を備える生体組織接合装置を提供する。
本発明は、接合されるべき生体組織を挟んで加圧するとともに、挟まれた生体組織にエネルギを供給して生体組織内のコラーゲンを溶融させるエネルギ供給手段と、生体組織に対してコラーゲンを供給するコラーゲン供給手段とを備え、該コラーゲン供給手段が、前記エネルギ供給手段の前記生体組織への密着面にコラーゲンを吐出する吐出口を備える生体組織接合装置を提供する。
本発明によれば、エネルギ供給手段により、接合されるべき生体組織を挟んで加圧した状態でエネルギを供給することにより、生体組織内のコラーゲンを溶融させて染み出させ、接合されるべき生体組織間の隙間に浸透させて、これを接着剤として利用して生体組織を接着し接合することができる。この場合に、生体組織に含有されるコラーゲン量が少ない場合には、コラーゲン供給手段を作動させて、生体組織への密着面に設けられた徒手継ぐ力コラーゲンを吐出させることにより、不足しているコラーゲン量を補充して、安定した接合状態を達成することが可能となる。
上記発明においては、前記コラーゲン供給手段が、前記コラーゲンの供給量を調節するコラーゲン供給量制御部を備えることとしてもよい。
このようにすることで、コラーゲン供給量制御部の作動により、コラーゲンの供給量が調節されるので、接合される生体組織の種類に応じてコラーゲンの含有量が異なる場合においても、過不足なくコラーゲンを供給して、安定した接合状態を達成することができる。
このようにすることで、コラーゲン供給量制御部の作動により、コラーゲンの供給量が調節されるので、接合される生体組織の種類に応じてコラーゲンの含有量が異なる場合においても、過不足なくコラーゲンを供給して、安定した接合状態を達成することができる。
また、上記発明においては、生体組織に対してエラスチンを供給するエラスチン供給手段を備え、該エラスチン供給手段が、前記エネルギ供給手段の前記生体組織への密着面にエラスチンを吐出する吐出口を備えることとしてもよい。
このようにすることで、エラスチン供給手段の作動により、生体組織への密着面に設けられた吐出口からエラスチンが吐出されるので、エネルギの供給により生体組織からエラスチンが染み出してしまうことによる生体組織の硬化を抑制して、生体組織の弾性を維持することが可能となる。
このようにすることで、エラスチン供給手段の作動により、生体組織への密着面に設けられた吐出口からエラスチンが吐出されるので、エネルギの供給により生体組織からエラスチンが染み出してしまうことによる生体組織の硬化を抑制して、生体組織の弾性を維持することが可能となる。
また、上記発明においては、前記エラスチン供給手段が、前記エラスチンの供給量を調節するエラスチン供給量制御部を備えることちしてもよい。
このようにすることで、エラスチン供給量制御部の作動により、エラスチンの供給量が調節されるので、接合される生体組織の種類に応じてエラスチンの含有量が異なる場合においても、過不足なくエラスチンを供給して、生体組織の弾性を維持することができる。
このようにすることで、エラスチン供給量制御部の作動により、エラスチンの供給量が調節されるので、接合される生体組織の種類に応じてエラスチンの含有量が異なる場合においても、過不足なくエラスチンを供給して、生体組織の弾性を維持することができる。
また、上記発明においては、前記エネルギ供給手段が、接合すべき生体組織を挟むように配置されて、該生体組織に通電する電極を備えることとしてもよい。
このようにすることで、電極により接合すべき生体組織を挟んで通電することにより、生体組織の接合すべき領域に簡易にエネルギを付与して、コラーゲンを溶融させ、接合することができる。
このようにすることで、電極により接合すべき生体組織を挟んで通電することにより、生体組織の接合すべき領域に簡易にエネルギを付与して、コラーゲンを溶融させ、接合することができる。
また、上記発明においては、前記エネルギ供給手段が、接合すべき生体組織を挟むように配置されて、生体組織に超音波を供給する超音波振動子を備えることとしてもよい。
このようにすることで、超音波振動子により接合すべき生体組織を挟んで超音波振動を付与することにより、生体組織の接合すべき領域に簡易にエネルギを付与して、コラーゲンを溶融させ、接合することができる。
このようにすることで、超音波振動子により接合すべき生体組織を挟んで超音波振動を付与することにより、生体組織の接合すべき領域に簡易にエネルギを付与して、コラーゲンを溶融させ、接合することができる。
本発明によれば、生体組織の種類にかかわらず、十分な接合力を得ることができるという効果を奏する。
以下、本発明の一実施形態に係る生体組織接合装置1について、図1〜図12を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る生体組織接合装置1は、図1に示されるように、生体組織として、例えば、図6〜図11に示されるように、管状の生体組織である腸管2,3を吻合するための装置であって、後述する筒状の吻合用部材4を介在させて突き合わせ状態に配置された一対の腸管2,3の接合端部2a,3aに跨るように腸管2,3を半径方向外方から挟み込む一対の電極5を備える装置本体6と、該装置本体6が接続される制御ユニット7と、該制御ユニット7に接続されたスイッチ8とを備えている。
本実施形態に係る生体組織接合装置1は、図1に示されるように、生体組織として、例えば、図6〜図11に示されるように、管状の生体組織である腸管2,3を吻合するための装置であって、後述する筒状の吻合用部材4を介在させて突き合わせ状態に配置された一対の腸管2,3の接合端部2a,3aに跨るように腸管2,3を半径方向外方から挟み込む一対の電極5を備える装置本体6と、該装置本体6が接続される制御ユニット7と、該制御ユニット7に接続されたスイッチ8とを備えている。
装置本体6は、先端に備えた電極5を、開腹部から体内に挿入するための細長いロッド9と、該ロッド9の基端側に配置され、電極5を開閉するためのハンドル10とを備えている。
電極5は、ロッド9の先端にロッド9の長手軸に直交する軸線回りに、相互に反対方向に揺動可能に取り付けられ、ロッド9の基端側に設けられたハンドル10に図示しないリンク機構により連結されている。したがって、ロッド9の基端側においてハンドル10を図1に実線および鎖線で示される範囲で操作することにより、ロッド9の先端側に設けられた電極5を開閉動作させることができるようになっている。
電極5は、ロッド9の先端にロッド9の長手軸に直交する軸線回りに、相互に反対方向に揺動可能に取り付けられ、ロッド9の基端側に設けられたハンドル10に図示しないリンク機構により連結されている。したがって、ロッド9の基端側においてハンドル10を図1に実線および鎖線で示される範囲で操作することにより、ロッド9の先端側に設けられた電極5を開閉動作させることができるようになっている。
一対の電極5の対向面5a、すなわち、接合されるべき腸管2,3の外面に密着させられる面には、図2に示されるように、後述するコラーゲンおよびエラスチンをそれぞれ吐出する複数の吐出口11,12が開口している。コラーゲンを吐出する吐出口11とエラスチンを吐出する吐出口12とは交互に配置されていて、コラーゲンおよびエラスチンを電極5の対向面5aから均一な分布で吐出させることができるようになっている。
また、ロッド9の基端側には、図1に示されるように、コラーゲンおよびエラスチンをそれぞれ収容するシリンジ状のタンク13が備えられ、モータ14により駆動されるようになっている(図1には一方のタンク13のみが示されている。)。タンク13と前記電極5の吐出口11,12とは、ロッド9内に配置されたチューブ15によって接続され、タンク13から押し出されたコラーゲンおよびエラスチンはチューブ15を介して電極5の吐出口11,12からそれぞれ吐出させられるようになっている。
前記制御ユニット7は、図3に示されるように、接合すべき生体組織の種類に応じて、吐出するコラーゲンおよびエラスチンの吐出量を設定する吐出量設定部16と、該吐出量設定部16により設定された吐出量に応じた吐出指令信号をモータ14に対して出力する吐出指令部17と、接合に先立って電極5間に微弱電圧を加え、流れる電流を検出することにより、接合すべき生体組織の抵抗値を測定する抵抗値測定部18と、該抵抗値測定部18により測定された抵抗値に応じて、生体組織内に含有されているコラーゲンおよびエラスチンを溶融させる電圧値を算出する電圧値算出部19と、該電圧値算出部19により算出された電圧を電極5間に加える電圧印加部20と、これらを制御する制御部21とを備えている。
前記スイッチ8は、例えば、フットスイッチであって、電極5によって生体組織が挟まれて接合の準備が整った状態で押下されることにより、前記制御ユニット7に備えられた制御部21にトリガ入力を付与するようになっている。制御部21は、スイッチ8からのトリガが入力されると、上述した抵抗値検出、電圧値算出、コラーゲンおよびエラスチンの吐出および電圧の印加の各作業を順次行わせるようになっている。
前記吻合用部材4は、図4に示されるように、筒状部材であって、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンを複合し、あるいはカーボン粒子をドーピングしたポリ乳酸系ポリマーにより構成されている。
吻合用部材4は、ポリ乳酸系ポリマーにより構成されることによって、図5(a),(b)に示されるように、外力Fにより半径方向に潰されて、その内部開口を閉塞し内面を密着させても破断しない柔軟性を有している。また、吻合用部材4は、ポリ乳酸系ポリマーにより構成されることにより、コラーゲンの融点より高い温度に加熱されても変性しない耐熱性を有している。
吻合用部材4は、ポリ乳酸系ポリマーにより構成されることによって、図5(a),(b)に示されるように、外力Fにより半径方向に潰されて、その内部開口を閉塞し内面を密着させても破断しない柔軟性を有している。また、吻合用部材4は、ポリ乳酸系ポリマーにより構成されることにより、コラーゲンの融点より高い温度に加熱されても変性しない耐熱性を有している。
また、吻合用部材4は、ポリ乳酸系ポリマーにより構成されることにより、外力Fにより潰れた状態でコラーゲンの融点より高い温度に加熱された後に外力Fを解放すると、閉塞していた内部開口を開通させるように復元することができる弾性を有している。
さらに、吻合用部材4は、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンを複合し、あるいはカーボン粒子をドーピングすることにより、導電性を有している。本実施形態においては、例えば、吻合しようとする生体組織よりも十分に低い抵抗値となるように十分に高い導電性を有している。
さらに、吻合用部材4は、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンを複合し、あるいはカーボン粒子をドーピングすることにより、導電性を有している。本実施形態においては、例えば、吻合しようとする生体組織よりも十分に低い抵抗値となるように十分に高い導電性を有している。
このように構成された本実施形態に係る生体組織接合装置1の作用について、以下に説明する。
本実施形態に係る生体組織接合装置1を用いて、生体組織として、例えば、管状の生体組織である腸管2,3を吻合する場合について説明する。
まず、制御ユニット7の吐出量設定部16により、生体組織毎に予め定められているコラーゲンおよびエラスチンの供給量を設定する。供給量の設定は、生体組織を選択させることによって行ってもよいし、コラーゲンおよびエラスチンの供給量を直接入力させることにしてもよい。
本実施形態に係る生体組織接合装置1を用いて、生体組織として、例えば、管状の生体組織である腸管2,3を吻合する場合について説明する。
まず、制御ユニット7の吐出量設定部16により、生体組織毎に予め定められているコラーゲンおよびエラスチンの供給量を設定する。供給量の設定は、生体組織を選択させることによって行ってもよいし、コラーゲンおよびエラスチンの供給量を直接入力させることにしてもよい。
次に、図6に示されるように、吻合すべき一対の腸管2,3の接合端部2a,3aの開口に、本実施形態に係る吻合用部材4を挿入し、図7に示されるように、一対の腸管2,3の接合端部2a,3aを突き合わせた状態とする。この状態で、図7に示されるように、接合端部2a,3a近傍の半径方向外方に、本実施形態に係る生体組織接合装置1の装置本体6の先端に配置された一対の電極5を近接させ、ハンドル10を操作することによって、図8に示されるように外力Fで腸管2,3および吻合用部材4を半径方向に挟み込む。
吻合用部材4は、柔軟性を有しているので、図8に示されるように、外力Fによってその内部開口が閉塞され内面が密着するまで潰れることができる。この状態で、制御ユニット7に接続されているフットスイッチ8を押下することにより、制御部21の作動によって、最初に抵抗値測定部18が作動させられて、電極5間に挟まれた腸管2,3の抵抗値が測定され、電圧値算出部19の作動により、印加される電圧の値が算出される。そして、制御部21は電圧印加部20を作動させて、電圧値算出部19により算出された電圧を電極5間に加える。
吻合用部材4は導電性を有しているので、電極5間には、腸管2,3および吻合用部材4を貫通して電流Iが流れ、腸管2,3の抵抗値の大きさと電流Iの大きさの2乗との積に比例した発熱量で発熱するようになる。
この場合において、本実施形態に係る吻合用部材4は、腸管2,3の抵抗値よりも十分に小さい抵抗値となるように高い導電性を有しているので、通電により吻合用部材4において発生する熱量は小さく、エネルギが無駄に浪費されることがない。また、吻合用部材4は、コラーゲンの溶融温度より高い耐熱性を有しているので、コラーゲンが溶融する温度まで加熱させられても変性せずにその性質を維持することができる。
そして、腸管2,3における発熱により、コラーゲンの溶融温度より若干高い温度となるように、電圧値算出部19により電極5間に加える電圧を調節しておくことにより、腸管2,3内に含有されている細胞外基質であるコラーゲンおよびエラスチンを溶融させて流動し易くすることができる。そして、発熱により流動するコラーゲンは、腸管2,3と吻合用部材4との隙間に浸透するようになる。この現象は、図10に示されるように、吻合用部材4の全周にわたって発生するので、流動するコラーゲンが吻合用部材4の外周面全周に浸透する。
この場合において、本実施形態に係る生体組織接合装置1によれば、電極5間への電圧の印加に先立って、吐出指令部17からモータ14に吐出指令信号が出力され、生体組織の種類に応じた吐出量え、コラーゲンおよびエラスチンが生体組織に向けて吐出される。したがって、生体組織内に含有されるコラーゲンおよびエラスチンが少ない場合においても、接合に必要十分なコラーゲンを補充し、あるいは、エラスチンが流出することによる生体組織の硬化を抑制することができる。
その結果、コラーゲンの供給により、安定した接合力を発生することができ、接合後の生体組織における柔軟性を維持することができるという利点がある。
その結果、コラーゲンの供給により、安定した接合力を発生することができ、接合後の生体組織における柔軟性を維持することができるという利点がある。
この状態から、電極5に加えていた電圧を停止し、図11に示されるように、電極5に加えていた外力Fを解除する。吻合用部材4は弾性を有しているので、外力Fが解除されると、半径方向外方に広がるように復元し、閉塞されていた内部開口が開通する。
すなわち、吻合用部材4の外周面においては、腸管2,3と吻合用部材4との間には、コラーゲンが浸透しているので、それが接着剤となって腸管2,3と吻合用部材4とが接着されている。一方、吻合用部材4の内面においては、接着剤となるコラーゲンは存在していないので、密着していた内面どうしは接着されず、外力Fが解除されると吻合用部材4の弾性によって離間し、開口するようになる。
これにより、図12に示されるように、電極5により挟まれていた、腸管2,3の接合端部近傍の領域Aと、その半径方向内方に配置されている吻合用部材4とが全周にわたって接着された状態で、一対の腸管2,3の接合端部2a,3aが突き合わせ状態に接合され、一体化させられる。
すなわち、本実施形態に係る生体組織接合装置1によれば、一対の電極5によって所定の外力Fにより挟みつつ電圧を加えるだけで、一対の管状の生体組織である腸管2,3を、一度に簡単に吻合することができる。
すなわち、本実施形態に係る生体組織接合装置1によれば、一対の電極5によって所定の外力Fにより挟みつつ電圧を加えるだけで、一対の管状の生体組織である腸管2,3を、一度に簡単に吻合することができる。
その結果、縫合による従来の吻合や、周方向に複数回にわたって超音波を加えることによる吻合と比較して、その作業を大幅に簡易化することができるという利点がある。特に、エネルギ治療器を取り回すための空間の少ない内視鏡的手術において、腸管2,3を半径方向に1回挟むだけのスペースを確保すれば足りるので、その吻合作業の繁雑さを大幅に低減することができるという利点がある。
また、本実施形態に係る生体組織接合装置1によれば、電極5の対向面5aに設けた吐出口11,12からコラーゲンおよびエラスチンを吐出させるので、接合に必要な領域を電極5により挟んだ状態で必要な領域のみにコラーゲンおよびエラスチンを供給することができる。すなわち、事前に接合領域に塗布したり噴霧したりする方法とは異なり、コラーゲンやエラスチンが周囲の組織に垂れたり付着したりする不都合の発生を防止することができる。
また、吻合用部材4によれば、腸管2,3の内壁にコラーゲンによって接着されるので、摩擦のみによって固定していた従来の吻合用部材と比較して、その吻合状態を安定して維持することができるという利点がある。さらに、吻合用部材4によれば、生体分解性の高いポリ乳酸系ポリマーにより構成されているので、吻合手術後は、経時的に分解されて消滅するようになる。すなわち、吻合された領域Aが相互に接合して治癒する頃には、本実施形態に係る吻合用部材4が消滅することにより、体内に異物を残さなくて済むという利点もある。
なお、本実施形態に係る生体組織接合装置1により接合する生体組織としては、腸管2,3に限定されるものではなく、他の消化管、血管あるいは尿管等の任意の管状の生体組織や皮膚等の平坦な生体組織に適用することができる。
また、本実施形態の説明においては、筒状の吻合用部材4を介在させた状態で腸管2,3を接合させることとしたが、これに代えて、吻合用部材4の形態に制限はなく、また、吻合用部材4を用いることなく接合させることとしてもよい。
また、本実施形態の説明においては、筒状の吻合用部材4を介在させた状態で腸管2,3を接合させることとしたが、これに代えて、吻合用部材4の形態に制限はなく、また、吻合用部材4を用いることなく接合させることとしてもよい。
また、本実施形態においては、生体組織に供給するエネルギとして電極5により電気エネルギを供給することとしたが、これに代えて、超音波振動子を接触させることにより超音波振動を供給することにしてもよい。
1 生体組織接合装置
2,3 腸管(生体組織)
5 電極(エネルギ供給手段)
5a 対向面(密着面)
11,12 吐出口
14 タンク(コラーゲン供給手段、エラスチン供給手段)
16 吐出量設定部(コラーゲン供給量制御部、エラスチン供給量制御部)
2,3 腸管(生体組織)
5 電極(エネルギ供給手段)
5a 対向面(密着面)
11,12 吐出口
14 タンク(コラーゲン供給手段、エラスチン供給手段)
16 吐出量設定部(コラーゲン供給量制御部、エラスチン供給量制御部)
Claims (6)
- 接合されるべき生体組織を挟んで加圧するとともに、挟まれた生体組織にエネルギを供給して生体組織内のコラーゲンを溶融させるエネルギ供給手段と、
生体組織に対してコラーゲンを供給するコラーゲン供給手段とを備え、
該コラーゲン供給手段が、前記エネルギ供給手段の前記生体組織への密着面にコラーゲンを吐出する吐出口を備える生体組織接合装置。 - 前記コラーゲン供給手段が、前記コラーゲンの供給量を調節するコラーゲン供給量制御部を備える請求項1に記載の生体組織接合装置。
- 生体組織に対してエラスチンを供給するエラスチン供給手段を備え、
該エラスチン供給手段が、前記エネルギ供給手段の前記生体組織への密着面にエラスチンを吐出する吐出口を備える請求項1または請求項2に記載の生体組織接合装置。 - 前記エラスチン供給手段が、前記エラスチンの供給量を調節するエラスチン供給量制御部を備える請求項3に記載の生体組織接合装置。
- 前記エネルギ供給手段が、接合すべき生体組織を挟むように配置されて、該生体組織に通電する電極を備える請求項1から請求項4のいずれかに記載の生体組織接合装置。
- 前記エネルギ供給手段が、接合すべき生体組織を挟むように配置されて、生体組織に超音波を供給する超音波振動子を備える請求項1から請求項4のいずれかに記載の生体組織接合装置。
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