JP2011101744A - 生体組織処置装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】生体組織の種類にかかわらず、十分な接合力を迅速に得ることができ、かつ、接着材の硬化により塗布不能となる不都合の発生を防止する。
【解決手段】接合されるべき生体組織を挟んで加圧するとともに、挟まれた生体組織にエネルギを供給して生体組織内に含まれるタンパク質を溶融させるエネルギ供給手段5と、生体組織に対して接着材を供給する接着材供給手段とを備え、該接着材供給手段が、エネルギ供給手段5の生体組織への密着面5aに開口する吐出口11,12に接着材を供給する供給経路が設けられた供給部材32を備え、エネルギ供給手段5が装置本体9に固定され、供給部材32が、装置本体9に対して着脱可能に設けられている生体組織処置装置を提供する。
【選択図】図13
【解決手段】接合されるべき生体組織を挟んで加圧するとともに、挟まれた生体組織にエネルギを供給して生体組織内に含まれるタンパク質を溶融させるエネルギ供給手段5と、生体組織に対して接着材を供給する接着材供給手段とを備え、該接着材供給手段が、エネルギ供給手段5の生体組織への密着面5aに開口する吐出口11,12に接着材を供給する供給経路が設けられた供給部材32を備え、エネルギ供給手段5が装置本体9に固定され、供給部材32が、装置本体9に対して着脱可能に設けられている生体組織処置装置を提供する。
【選択図】図13
Description
本発明は、生体組織処置装置に関するものである。
従来、接合されるべき一対の生体組織を重ね合わせた状態に挟んで、超音波エネルギを付与することにより、生体組織を接合する接合装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、開腹手術あるいは内視鏡下手術における外科手術として、電気メスよりも低温で生体組織を凝固、切断、止血することができ、止血と切開とを同時に行う超音波切開装置が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
また、腹腔鏡あるいは内視鏡観察下での手術において、止血や組織の接合、封止等の外科処置を行うために、生体接着剤等の生体材料を投与する装置が知られている(例えば、特許文献3,4参照。)。
また、腹腔鏡あるいは内視鏡観察下での手術において、止血や組織の接合、封止等の外科処置を行うために、生体接着剤等の生体材料を投与する装置が知られている(例えば、特許文献3,4参照。)。
しかしながら、特許文献1の接合装置によれば、生体組織を挟んで超音波エネルギを供給するだけで生体組織を接合することができるが、生体組織の個体差により、十分な接合力を得ることができず、接合された生体組織の安定した接合状態を維持することが困難であるという不都合がある。
また、特許文献2の装置では、超音波による凝固では局所的にしか温度が上昇しないため、効率的な止血ができず、切開可能な部位は血管径の小さい部位に限定されるという不都合がある。
さらに、特許文献3,4のように生体接着剤を塗布するだけでは、接合部における接着剤の硬化に時間がかかり、迅速な処置を行うことができないという不都合がある。
また、特許文献2の装置では、超音波による凝固では局所的にしか温度が上昇しないため、効率的な止血ができず、切開可能な部位は血管径の小さい部位に限定されるという不都合がある。
さらに、特許文献3,4のように生体接着剤を塗布するだけでは、接合部における接着剤の硬化に時間がかかり、迅速な処置を行うことができないという不都合がある。
また、接着材を塗布することにより接合部を接着する作業を繰り返し行う場合には、接着材が、供給経路内において徐々に硬化して、十分な量の接着材を塗布できなくなってしまう不都合がある。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、生体組織の種類にかかわらず、十分な接合力を迅速に得ることができ、かつ、接着材の硬化により塗布不能となる不都合の発生を防止することができる生体組織処置装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、接合されるべき生体組織を挟んで加圧するとともに、挟まれた生体組織にエネルギを供給して生体組織内に含まれるタンパク質を溶融させるエネルギ供給手段と、生体組織に対して接着材を供給する接着材供給手段とを備え、該接着材供給手段が、前記エネルギ供給手段の前記生体組織への密着面に開口する吐出口に接着材を供給する供給経路が設けられた供給部材を備え、前記エネルギ供給手段が装置本体に固定され、前記供給部材が、前記装置本体に対して着脱可能に設けられている生体組織処置装置を提供する。
本発明は、接合されるべき生体組織を挟んで加圧するとともに、挟まれた生体組織にエネルギを供給して生体組織内に含まれるタンパク質を溶融させるエネルギ供給手段と、生体組織に対して接着材を供給する接着材供給手段とを備え、該接着材供給手段が、前記エネルギ供給手段の前記生体組織への密着面に開口する吐出口に接着材を供給する供給経路が設けられた供給部材を備え、前記エネルギ供給手段が装置本体に固定され、前記供給部材が、前記装置本体に対して着脱可能に設けられている生体組織処置装置を提供する。
本発明によれば、エネルギ供給手段により、接合されるべき生体組織を挟んで加圧した状態でエネルギを供給することにより、生体組織内に含まれるタンパク質を溶融させて染み出させ、接合されるべき生体組織間の隙間に浸透させて、これを接着材として利用して生体組織を接着し接合することができる。生体組織に含有されるタンパク質が少ない場合には、接着材供給手段を作動させて、生体組織への密着面に設けられた吐出口から接着材を吐出させることにより、生体組織に含まれるタンパク質のみによる接着力を補って、安定した接合状態を達成することが可能となる。
この場合において、吐出口への接着材の供給は供給部材に設けられた供給経路を介して行われるが、上記エネルギ供給手段および接着材供給手段による生体組織の接着作業を複数回繰り返すうちに、供給経路内の接着材が硬化して詰まりが発生する可能性がある。このような場合に、本発明においては、着脱可能に設けられた供給部材を装置本体から取り外してこれを交換することにより、接着材の吐出量の低下を防止して、安定した接着を行うことができる。エネルギ供給手段は装置本体に固定されているので、交換せずに再利用することができる。
上記発明においては、前記供給部材が、可撓性を有するチューブであり、前記装置本体に、前記チューブを半径方向に押し潰しつつ該チューブ内の接着材に送りをかけるペリスタルティックポンプが設けられていてもよい。
このようにすることで、接着材供給手段の一部を構成するペリスタルティックポンプは再利用することができ、消耗品を供給部材のみに抑えて、ランニングコストの低減を図ることができる。
このようにすることで、接着材供給手段の一部を構成するペリスタルティックポンプは再利用することができ、消耗品を供給部材のみに抑えて、ランニングコストの低減を図ることができる。
また、上記発明においては、前記接着材供給手段が、密閉された容器内に接着材を封入してなる柔軟な接着材容器を備え、前記供給部材に設けられた前記供給経路の一端に、前記接着材容器に穿刺することにより、前記供給経路を前記接着材容器内に接続する針部材が設けられていてもよい。
このようにすることで、接着材供給手段の一部を構成する接着材容器と供給部材との交換周期を一致させずに済み、別々に交換でき、接着材の残留を防止することができる。また、針部材によって接着材容器に穿刺することにより、供給経路を接着材容器内に無菌的に接続することができ、吐出口から吐出される接着材への塵埃等の混入を抑制することができる。
また、上記発明においては、前記接着材容器を圧縮する圧縮手段を備えていてもよい。
このようにすることで、圧縮手段の作動により接着材容器の圧縮を調節して、吐出口からの接着材の吐出量を調節することができる。
このようにすることで、圧縮手段の作動により接着材容器の圧縮を調節して、吐出口からの接着材の吐出量を調節することができる。
また、上記発明においては、前記接着材供給手段が、前記供給部材を着脱可能に接続する吐出口を有し該吐出口を介して前記供給経路内に接着材を供給可能なシリンジを備えていてもよい。
このようにすることで、シリンジによって供給経路への接着材の供給量を調節して、吐出口からの接着材の吐出量を調節することができる。
このようにすることで、シリンジによって供給経路への接着材の供給量を調節して、吐出口からの接着材の吐出量を調節することができる。
また、上記発明においては、前記シリンジを加圧する加圧手段を備えていてもよい。
このようにすることで、加圧手段の作動によりシリンジの加圧を調節して、吐出口からの接着材の吐出量を調節することができる。
このようにすることで、加圧手段の作動によりシリンジの加圧を調節して、吐出口からの接着材の吐出量を調節することができる。
本発明に係る生体組織処置装置によれば、生体組織の種類にかかわらず、十分な接合力を迅速に得ることができ、かつ、接着材の硬化により塗布不能となる不都合の発生を防止することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る生体組織処置装置1について、図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る生体組織処置装置1は、生体組織接合装置(以下、生体組織接合装置1とも言う。)であって、図1に示されるように、生体組織として、例えば、図6〜図11に示されるように、管状の生体組織である腸管2,3を吻合するための装置であって、後述する筒状の吻合用部材4を介在させて突き合わせ状態に配置された一対の腸管2,3の接合端部2a,3aに跨るように腸管2,3を半径方向外方から挟み込む一対の電極5を備える装置本体6と、該装置本体6が接続される制御ユニット7と、該制御ユニット7に接続されたスイッチ8とを備えている。
本実施形態に係る生体組織処置装置1は、生体組織接合装置(以下、生体組織接合装置1とも言う。)であって、図1に示されるように、生体組織として、例えば、図6〜図11に示されるように、管状の生体組織である腸管2,3を吻合するための装置であって、後述する筒状の吻合用部材4を介在させて突き合わせ状態に配置された一対の腸管2,3の接合端部2a,3aに跨るように腸管2,3を半径方向外方から挟み込む一対の電極5を備える装置本体6と、該装置本体6が接続される制御ユニット7と、該制御ユニット7に接続されたスイッチ8とを備えている。
装置本体6は、先端に備えた電極5を、開腹部から体内に挿入するための細長いロッド9と、該ロッド9の基端側に配置され、電極5を開閉するためのハンドル10とを備えている。
電極5は、ロッド9の先端にロッド9の長手軸に直交する軸線回りに、相互に反対方向に揺動可能に取り付けられ、ロッド9の基端側に設けられたハンドル10に図示しないリンク機構により連結されている。したがって、ロッド9の基端側においてハンドル10を図1に実線および鎖線で示される範囲で操作することにより、ロッド9の先端側に設けられた電極5を開閉動作させることができるようになっている。
電極5は、ロッド9の先端にロッド9の長手軸に直交する軸線回りに、相互に反対方向に揺動可能に取り付けられ、ロッド9の基端側に設けられたハンドル10に図示しないリンク機構により連結されている。したがって、ロッド9の基端側においてハンドル10を図1に実線および鎖線で示される範囲で操作することにより、ロッド9の先端側に設けられた電極5を開閉動作させることができるようになっている。
一対の電極5の対向面(密着面)5a、すなわち、接合されるべき腸管2,3の外面に密着させられる面には、図2に示されるように、後述するコラーゲン(接着材)およびエラスチン(接着材)をそれぞれ吐出する複数の吐出口11,12が開口している。コラーゲンを吐出する吐出口11とエラスチンを吐出する吐出口12とは交互に配置されていて、コラーゲンおよびエラスチンを電極5の対向面5aから均一な分布で吐出させることができるようになっている。
また、ロッド9の基端側には、図1に示されるように、コラーゲンおよびエラスチンをそれぞれ収容するシリンジ状のタンク13が備えられ、モータ14により駆動されるようになっている(図1には一方のタンク13のみが示されている。)。タンク13と前記電極5の吐出口11,12とは、ロッド9内に配置されたチューブ15によって接続され、タンク13から押し出されたコラーゲンおよびエラスチンはチューブ15を介して電極5の吐出口11,12からそれぞれ吐出させられるようになっている。
前記制御ユニット7は、図3に示されるように、接合すべき生体組織の種類に応じて、吐出するコラーゲンおよびエラスチンの吐出量を設定する吐出量設定部16と、該吐出量設定部16により設定された吐出量に応じた吐出指令信号をモータ14に対して出力する吐出指令部17と、接合に先立って電極5間に微弱電圧を加え、流れる電流を検出することにより、接合すべき生体組織の抵抗値を測定する抵抗値測定部18と、該抵抗値測定部18により測定された抵抗値に応じて、生体組織内に含有されているタンパク質であるコラーゲンおよびエラスチンを溶融させる電圧値を算出する電圧値算出部19と、該電圧値算出部19により算出された電圧を電極5間に加える電圧印加部20と、これらを制御する制御部21とを備えている。
前記スイッチ8は、例えば、フットスイッチであって、電極5によって生体組織が挟まれて接合の準備が整った状態で押下されることにより、前記制御ユニット7に備えられた制御部21にトリガ入力を付与するようになっている。制御部21は、スイッチ8からのトリガが入力されると、上述した抵抗値検出、電圧値算出、コラーゲンおよびエラスチンの吐出および電圧の印加の各作業を順次行わせるようになっている。
前記吻合用部材4は、図4に示されるように、筒状部材であって、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンを複合し、あるいはカーボン粒子をドーピングしたポリ乳酸系ポリマーにより構成されている。
吻合用部材4は、ポリ乳酸系ポリマーにより構成されることによって、図5(a),(b)に示されるように、外力Fにより半径方向に潰されて、その内部開口を閉塞し内面を密着させても破断しない柔軟性を有している。また、吻合用部材4は、ポリ乳酸系ポリマーにより構成されることにより、コラーゲンの融点より高い温度に加熱されても変性しない耐熱性を有している。
吻合用部材4は、ポリ乳酸系ポリマーにより構成されることによって、図5(a),(b)に示されるように、外力Fにより半径方向に潰されて、その内部開口を閉塞し内面を密着させても破断しない柔軟性を有している。また、吻合用部材4は、ポリ乳酸系ポリマーにより構成されることにより、コラーゲンの融点より高い温度に加熱されても変性しない耐熱性を有している。
また、吻合用部材4は、ポリ乳酸系ポリマーにより構成されることにより、外力Fにより潰れた状態でコラーゲンの融点より高い温度に加熱された後に外力Fを解放すると、閉塞していた内部開口を開通させるように復元することができる弾性を有している。
さらに、吻合用部材4は、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンを複合し、あるいはカーボン粒子をドーピングすることにより、導電性を有している。本実施形態においては、例えば、吻合しようとする生体組織よりも十分に低い抵抗値となるように十分に高い導電性を有している。
さらに、吻合用部材4は、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェンを複合し、あるいはカーボン粒子をドーピングすることにより、導電性を有している。本実施形態においては、例えば、吻合しようとする生体組織よりも十分に低い抵抗値となるように十分に高い導電性を有している。
このように構成された本実施形態に係る生体組織接合装置1の作用について、以下に説明する。
本実施形態に係る生体組織接合装置1を用いて、生体組織として、例えば、管状の生体組織である腸管2,3を吻合する場合について説明する。
まず、制御ユニット7の吐出量設定部16により、生体組織毎に予め定められているコラーゲンおよびエラスチンの供給量を設定する。供給量の設定は、生体組織を選択させることによって行ってもよいし、コラーゲンおよびエラスチンの供給量を直接入力させることにしてもよい。
本実施形態に係る生体組織接合装置1を用いて、生体組織として、例えば、管状の生体組織である腸管2,3を吻合する場合について説明する。
まず、制御ユニット7の吐出量設定部16により、生体組織毎に予め定められているコラーゲンおよびエラスチンの供給量を設定する。供給量の設定は、生体組織を選択させることによって行ってもよいし、コラーゲンおよびエラスチンの供給量を直接入力させることにしてもよい。
次に、図6に示されるように、吻合すべき一対の腸管2,3の接合端部2a,3aの開口に、本実施形態に係る吻合用部材4を挿入し、図7に示されるように、一対の腸管2,3の接合端部2a,3aを突き合わせた状態とする。この状態で、図7に示されるように、接合端部2a,3a近傍の半径方向外方に、本実施形態に係る生体組織接合装置1の装置本体6の先端に配置された一対の電極5を近接させ、ハンドル10を操作することによって、図8に示されるように外力Fで腸管2,3および吻合用部材4を半径方向に挟み込む。
吻合用部材4は、柔軟性を有しているので、図8に示されるように、外力Fによってその内部開口が閉塞され内面が密着するまで潰れることができる。この状態で、制御ユニット7に接続されているフットスイッチ8を押下することにより、制御部21の作動によって、最初に抵抗値測定部18が作動させられて、電極5間に挟まれた腸管2,3の抵抗値が測定され、電圧値算出部19の作動により、印加される電圧の値が算出される。そして、制御部21は電圧印加部20を作動させて、電圧値算出部19により算出された電圧を電極5間に加える。
吻合用部材4は導電性を有しているので、電極5間には、図9に示されるように、腸管2,3および吻合用部材4を貫通して電流Iが流れ、腸管2,3の抵抗値の大きさと電流Iの大きさの2乗との積に比例した発熱量で発熱するようになる。
この場合において、本実施形態に係る吻合用部材4は、腸管2,3の抵抗値よりも十分に小さい抵抗値となるように高い導電性を有しているので、通電により吻合用部材4において発生する熱量は小さく、エネルギが無駄に浪費されることがない。また、吻合用部材4は、コラーゲンの溶融温度より高い耐熱性を有しているので、コラーゲンが溶融する温度まで加熱させられても変性せずにその性質を維持することができる。
そして、腸管2,3における発熱により、コラーゲンの溶融温度より若干高い温度となるように、電圧値算出部19により電極5間に加える電圧を調節しておくことにより、腸管2,3内に含有されている細胞外基質であるコラーゲンおよびエラスチンを溶融させて流動し易くすることができる。そして、発熱により流動するコラーゲンは、腸管2,3と吻合用部材4との隙間に浸透するようになる。この現象は、図10に示されるように、吻合用部材4の全周にわたって発生するので、流動するコラーゲンが吻合用部材4の外周面全周に浸透する。
この場合において、本実施形態に係る生体組織接合装置1によれば、電極5間への電圧の印加に先立って、吐出指令部17からモータ14に吐出指令信号が出力され、生体組織の種類に応じた吐出量で、コラーゲンおよびエラスチンが生体組織に向けて吐出される。したがって、生体組織内に含有されるコラーゲンおよびエラスチンが少ない場合においても、接合に必要十分なコラーゲンを補充し、あるいは、エラスチンが流出することによる生体組織の硬化を抑制することができる。
その結果、コラーゲンの供給により、安定した接合力を発生することができ、接合後の生体組織における柔軟性を維持することができるという利点がある。
その結果、コラーゲンの供給により、安定した接合力を発生することができ、接合後の生体組織における柔軟性を維持することができるという利点がある。
この状態から、電極5に加えていた電圧を停止し、図11に示されるように、電極5に加えていた外力Fを解除する。吻合用部材4は弾性を有しているので、外力Fが解除されると、半径方向外方に広がるように復元し、閉塞されていた内部開口が開通する。
すなわち、吻合用部材4の外周面においては、腸管2,3と吻合用部材4との間には、コラーゲンが浸透しているので、それが接着剤となって腸管2,3と吻合用部材4とが接着されている。一方、吻合用部材4の内面においては、接着剤となるコラーゲンは存在していないので、密着していた内面どうしは接着されず、外力Fが解除されると吻合用部材4の弾性によって離間し、開口するようになる。
これにより、図12に示されるように、電極5により挟まれていた、腸管2,3の接合端部近傍の領域Aと、その半径方向内方に配置されている吻合用部材4とが全周にわたって接着された状態で、一対の腸管2,3の接合端部2a,3aが突き合わせ状態に接合され、一体化させられる。
すなわち、本実施形態に係る生体組織接合装置1によれば、一対の電極5によって所定の外力Fにより挟みつつ電圧を加えるだけで、一対の管状の生体組織である腸管2,3を、一度に簡単に吻合することができる。
すなわち、本実施形態に係る生体組織接合装置1によれば、一対の電極5によって所定の外力Fにより挟みつつ電圧を加えるだけで、一対の管状の生体組織である腸管2,3を、一度に簡単に吻合することができる。
その結果、縫合による従来の吻合や、周方向に複数回にわたって超音波を加えることによる吻合と比較して、その作業を大幅に簡易化することができるという利点がある。特に、エネルギ治療器を取り回すための空間の少ない内視鏡的手術において、腸管2,3を半径方向に1回挟むだけのスペースを確保すれば足りるので、その吻合作業の繁雑さを大幅に低減することができるという利点がある。
また、本実施形態に係る生体組織接合装置1によれば、電極5の対向面5aに設けた吐出口11,12からコラーゲンおよびエラスチンを吐出させるので、接合に必要な領域を電極5により挟んだ状態で必要な領域のみにコラーゲンおよびエラスチンを供給することができる。すなわち、事前に接合領域に塗布したり噴霧したりする方法とは異なり、コラーゲンやエラスチンが周囲の組織に垂れたり付着したりする不都合の発生を防止することができる。
また、吻合用部材4によれば、腸管2,3の内壁にコラーゲンによって接着されるので、摩擦のみによって固定していた従来の吻合用部材と比較して、その吻合状態を安定して維持することができるという利点がある。さらに、吻合用部材4によれば、生体分解性の高いポリ乳酸系ポリマーにより構成されているので、吻合手術後は、経時的に分解されて消滅するようになる。すなわち、吻合された領域Aが相互に接合して治癒する頃には、本実施形態に係る吻合用部材4が消滅することにより、体内に異物を残さなくて済むという利点もある。
なお、本実施形態に係る生体組織処置装置1により接合する生体組織としては、腸管2,3に限定されるものではなく、他の消化管、血管あるいは尿管等の任意の管状の生体組織や皮膚等の平坦な生体組織に適用することができる。
また、本実施形態の説明においては、筒状の吻合用部材4を介在させた状態で腸管2,3を接合させることとしたが、これに代えて、吻合用部材4の形態に制限はなく、また、吻合用部材4を用いることなく接合させることとしてもよい。
また、本実施形態の説明においては、筒状の吻合用部材4を介在させた状態で腸管2,3を接合させることとしたが、これに代えて、吻合用部材4の形態に制限はなく、また、吻合用部材4を用いることなく接合させることとしてもよい。
また、本実施形態においては、生体組織に供給するエネルギとして電極5により電気エネルギを供給することとしたが、これに代えて、超音波振動子を接触させることにより超音波振動を供給することにしてもよい。
また、本実施形態においては、図13に示されるように、装置本体6の電極には、各吐出口11,12に対向する位置に貫通孔31を設けておき、該貫通孔31に着脱可能に挿入したチューブ32の先端の吐出口11,12から接着材を吐出させることにしてもよい。貫通孔31とチューブ32とにより、電極5の対向面5aから接着材を吐出させる接着材供給手段が構成される。このように構成することで、チューブ32内において接着材が硬化して詰まりが発生した場合であっても、チューブ32を取り外して新規なチューブ32に交換することで、詰まりを解消して、接着材を安定して吐出させることができるという利点がある。
電極5へのチューブ32の着脱方法は、任意の方法でよく、図13に示されるように電極5を貫通する貫通孔31に挿入してもよいし、図14に示されるように、ロッド9および電極5の外面を這わせて配管し、要所を固定部材(図示略)で固定することにしてもよい。図14に示す例では、一方の電極に溝33を設けてチューブ32の先端を収容し、吐出口11,12から吐出された接着材が溝33から溢れて対向面5a側に向かうように構成されている。
また、チューブ32は、接着材を収容するタンク13の供給口に着脱することにしてもよいが、図15に示されるように、チューブ32の他端に注射針部材34を設けておき、輸血バッグのように接着材Bを収容して密封された接着材容器35の穿刺部36に穿刺することで、接着材容器35内の接着材Bをチューブ32を介して吐出口11,12に供給するようにしてもよい。
この場合に、図16に示されるように、シリンジ状のタンク13に代えて、接着材容器35を圧縮するエアシリンダのような圧縮装置37を備えることが好ましい。圧縮装置37によって接着材容器35を圧縮する押圧力Gを調節することにより、チューブ32を介した接着材Bの吐出量を調節することができる。
また、チューブ32および該チューブ32に設けた注射針部材34により穿刺可能な接着材容器35を採用する場合には、チューブ32を柔軟な弾性材料により構成し、チューブ32の長手方向の途中位置を半径方向に押し潰しつつ内部の接着材Bに送りをかけるペリスタルティックポンプ38を採用してもよい。
この場合には、図17に示されるように、ロッド9の途中位置にペリスタルティックポンプ38を固定しておき、ペリスタルティックポンプ38との間にチューブ32を挟むように開閉可能な押圧部材39を設けておくことが好ましい。
この場合には、図17に示されるように、ロッド9の途中位置にペリスタルティックポンプ38を固定しておき、ペリスタルティックポンプ38との間にチューブ32を挟むように開閉可能な押圧部材39を設けておくことが好ましい。
図17に鎖線で示されるように、示されるように押圧部材39を開いた状態で、ペリスタルティックポンプ38を横切るようにチューブ32を配置し、図17に実線で示されるように押圧部材39を閉じることにより、チューブ32を半径方向に圧縮することができる。この状態で、ペリスタルティックポンプ38を駆動することにより、チューブ32内の接着材Bに送りをかけることができる。
また、シリンダ状のタンク13を採用する場合には、図18に示されるように、接着材(図に示す例では、2種類の接着材)Bをそれぞれ分離した状態に収容する収容部40a,40bと、該収容部40a,40b内の接着材Bを押し出すピストン41と、該ピストン41に押圧力Gを付与するエアシリンダのような加圧装置42とを設けることにしてもよい。各収容部40a,40bに接続する供給口43にそれぞれのチューブ32を接続して、加圧装置42を作動させることにより、接着材Bを電極5の吐出口11,12から吐出させることができ、加圧装置42の押圧力Gを調節することにより、吐出量を調節することができる。
この場合に収容部40a,40bを透明材料により構成し、その外面に目盛(図示略)を設けることが好ましい。このようにすることで、接着材Bの供給量を外部から目視観察することができる。
また、図19(a)および図19(b)に示されるように、ロッド9に対して揺動可能に設けられ、電源に接続された第1の電極部材5Aと、接着材Bの供給経路(図示略)および吐出口11,12を設けた第2の電極部材5Bとを着脱可能に構成し、第2の電極部材5Bをディスポーザブルな部品として交換することとしてもよい。
図19中において、符号44は、ロッド9に第2の電極部材5Bを着脱可能に固定する弾性片からなる係合部であり、符号45は係合部44を収容する溝部である。
図19中において、符号44は、ロッド9に第2の電極部材5Bを着脱可能に固定する弾性片からなる係合部であり、符号45は係合部44を収容する溝部である。
B 接着材(コラーゲン、エラスチン)
1 生体組織処置装置
2,3 腸管(生体組織)
5 電極(エネルギ供給手段)
5a 対向面(密着面)
5B 第2の電極部材(供給部材)
9 ロッド(装置本体)
11,12 吐出口
13 タンク(シリンジ、接着材供給手段)
16 吐出量設定部
32 チューブ(供給部材)
34 注射針部材(針部材)
35 接着材容器
37 圧縮装置(圧縮手段)
38 ペリスタルティックポンプ
42 加圧装置(加圧手段)
43 供給口
1 生体組織処置装置
2,3 腸管(生体組織)
5 電極(エネルギ供給手段)
5a 対向面(密着面)
5B 第2の電極部材(供給部材)
9 ロッド(装置本体)
11,12 吐出口
13 タンク(シリンジ、接着材供給手段)
16 吐出量設定部
32 チューブ(供給部材)
34 注射針部材(針部材)
35 接着材容器
37 圧縮装置(圧縮手段)
38 ペリスタルティックポンプ
42 加圧装置(加圧手段)
43 供給口
Claims (6)
- 接合されるべき生体組織を挟んで加圧するとともに、挟まれた生体組織にエネルギを供給して生体組織内に含まれるタンパク質を溶融させるエネルギ供給手段と、生体組織に対して接着材を供給する接着材供給手段とを備え、
該接着材供給手段が、前記エネルギ供給手段の前記生体組織への密着面に開口する吐出口に接着材を供給する供給経路が設けられた供給部材を備え、
前記エネルギ供給手段が装置本体に固定され、
前記供給部材が、前記装置本体に対して着脱可能に設けられている生体組織処置装置。 - 前記供給部材が、可撓性を有するチューブであり、
前記装置本体に、前記チューブを半径方向に押し潰しつつ該チューブ内の接着材に送りをかけるペリスタルティックポンプが設けられている請求項1に記載の生体組織処置装置。 - 前記接着材供給手段が、密閉された容器内に接着材を封入してなる柔軟な接着材容器を備え、
前記供給部材に設けられた前記供給経路の一端に、前記接着材容器に穿刺することにより、前記供給経路を前記接着材容器内に接続する針部材が設けられている請求項1または請求項2に記載の生体組織処置装置。 - 前記接着材容器を圧縮する圧縮手段を備える請求項3に記載の生体組織処置装置。
- 前記接着材供給手段が、前記供給部材を着脱可能に接続する供給口を有し該供給口を介して前記供給経路内に接着材を供給可能なシリンジを備える請求項1または請求項2に記載の生体組織処置装置。
- 前記シリンジを加圧する加圧手段を備える請求項5に記載の生体組織処置装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2009-11-11 JP JP2009258169A patent/JP2011101744A/ja active Pending
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