JP2009273559A - 止血装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】出血箇所の周辺組織への熱の影響を最小限に抑え、かつ周辺組織への電流の影響が生じない止血装置を提供する。
【解決手段】止血装置は、中空管の形状を有する止血用器具10と、止血用器具10の内部空間に吸引管20を介して連結され、止血用器具10の内部空間に吸引圧を印加する吸引装置30と、を有する。吸引装置30を作動させて止血用器具10の内部空間に吸引圧を印加し、止血用器具10の先端を出血箇所に押し当てると、出血箇所の組織が止血用器具10の先端から内部に吸引圧によって吸い込まれた状態となり、出血箇所の組織が摘み上げられたのと同じような作用によって出血が一時的に止血される。
【選択図】図1
【解決手段】止血装置は、中空管の形状を有する止血用器具10と、止血用器具10の内部空間に吸引管20を介して連結され、止血用器具10の内部空間に吸引圧を印加する吸引装置30と、を有する。吸引装置30を作動させて止血用器具10の内部空間に吸引圧を印加し、止血用器具10の先端を出血箇所に押し当てると、出血箇所の組織が止血用器具10の先端から内部に吸引圧によって吸い込まれた状態となり、出血箇所の組織が摘み上げられたのと同じような作用によって出血が一時的に止血される。
【選択図】図1
Description
本発明は、患者の出血箇所を止血する止血装置に関する。
従来、脳や神経等の重要な組織の周辺の手術を行う脳神経外科や整形外科の手術時には、出血箇所の止血に電気メス(バイポーラ等)が一般的に用いられている。電気メスは、出血箇所の組織に局所的に電流を流すことによって組織を加熱して凝固させ、出血箇所からの出血を停止させる。
なお、上記のような電気メスを用いた止血処置は医療現場で一般に行われる医療技術であり、これを記載した先行技術文献は特に存在していない。
しかしながら、電気メスを用いて止血処置を行う際には、止血を行うべき箇所の周辺の組織へ不意に熱損傷を与えてしまうおそれがある。また、神経に近い部位を止血する場合には、電気メスから流れた電流が神経を刺激して、手術中に患者が急に動いてしまうおそれがある。
そこで本発明は、出血箇所の周辺組織への熱の影響を最小限に抑え、かつ周辺組織への電流の影響が生じない止血装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の止血装置は、中空管で構成された止血用器具と、前記止血用器具の内部空間に連結され、該内部空間に吸引圧を印加する吸引手段と、を有する。
本発明によれば、出血箇所の周辺組織への熱の影響を最小限に抑え、かつ周辺組織への電流の影響が生じない止血装置を提供することができる。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態に係る止血装置を示す図であり、図1(a)はその止血装置の概略構成図、図1(b)は図1(a)に示した止血用器具及び吸引管の断面図である。
図1は本発明の第1の実施形態に係る止血装置を示す図であり、図1(a)はその止血装置の概略構成図、図1(b)は図1(a)に示した止血用器具及び吸引管の断面図である。
図1に示す止血装置は、細長い中空管の形状を有する止血用器具10と、止血用器具10の後端に取り付けられた吸引管20と、吸引管20を介して止血用器具10に吸引圧を印加する吸引装置30とを有している。そのため、この止血装置は、吸引装置30を作動させると吸引管20を介して止血用器具10の内部空間に吸引圧が印加されるようになっている。
次に、図1及び図2を参照して、本実施形態の止血装置を用いて患者の出血箇所を止血する方法について説明する。
まず、吸引装置30を作動させて、止血用器具10の内部空間に吸引圧を印加させた状態にする。そして、止血用器具10の先端を患者の出血箇所(図2に示す例では、神経に近接する部位)に押し当てる。
すると、患者の出血箇所の組織が、止血用器具10の先端からその内部に吸引圧によって吸い込まれた状態となる。吸引装置30からは一定の吸引圧がかけられているので、止血用器具10を患者の組織から引き離したり、吸引装置30の動作を停止させたりしない限り、止血用器具10の内部に組織が吸い込まれた状態が維持される。止血用器具10の内部に組織が吸い込まれた状態では、出血箇所の組織が摘み上げられたのと同じような作用によって、出血箇所からの出血が一時的に止血される。本実施形態の止血装置によれば、このようにして患者の出血箇所からの出血を容易に止血することができる。
本実施形態の止血装置は吸引圧を利用して止血を行うので、出血箇所の組織に電気や熱等が加えられない。そのため、止血を行うべき箇所の周辺の組織へ不意に熱損傷を与えてしまったり、電気メスから流れた電流が神経を刺激して手術中に患者が急に動いてしまったりするおそれがない。
さらに、この止血装置で出血箇所からの出血を一時的に止血している間に、出血箇所を縫合するための縫合器具や、止血または組織への癒着や融着を目的として出血箇所に貼り付ける生体材料を用意することが可能である。これにより、それらを用意している間に生じうる出血を少なくすることができる。
[第1の変形例]
図3は、図1に示した第1の実施形態の止血用器具の第1の変形例を示す図である。
図3は、図1に示した第1の実施形態の止血用器具の第1の変形例を示す図である。
図3(a)に示す例では、止血用器具10の先端の縁が滑らかな丸みを帯びた丸み形状10aに形成されている。図示した例では丸み形状10aは止血用器具10の壁部材の厚みと同じ直径を有するR形状であるが、丸み形状10aは滑らかな丸みを帯びているのであればこの形状に限られない。
図3(a)に示す止血用器具10によれば、止血用器具10の先端の縁が滑らかな丸みを帯びた丸み形状10aになっているので、止血用器具10の先端を患者の出血箇所の組織に押し当てたときに、止血用器具10の先端で組織を傷つけるおそれがない。さらに、止血用器具10の内部に吸い込まれた組織が当接する止血用器具10の先端が丸みを帯びていることから、内部に吸い込まれた組織が止血用器具10の先端の縁で傷つけられることも防ぐことができる。
一方、図3(b)に示す例では、止血用器具10の先端に、止血用器具10の壁部材の厚みよりも厚みが小さい凸部10bが形成されている。凸部10bは止血用器具10の先端の周方向に沿って形成されている。図示した例では、凸部10bは止血用器具10の壁部の厚み方向の中央部に段差を有するように配置されているが、凸部10bの配置位置及び形状はこれに限られない。
図3(b)に示す止血用器具10によれば、止血用器具10の先端に凸部10bが形成されていることにより、止血用器具10の先端を患者の出血箇所の組織に押し当てたときに凸部10bが組織に食い込み、患者の出血箇所の組織に対する止血用器具10の位置ずれが生じにくくなる。さらに、凸部10bが組織に食い込むことによって止血用器具10の先端が組織により密着するため、出血箇所の組織をより良好に止血用器具10内に吸引することができる。
[第2の変形例]
図4は、図1に示した第1の実施形態の止血用器具の第2の変形例を示す図である。本変形例では、止血用器具10の側部に穴10cが形成されている。本例の止血用器具10によれば、吸引装置30から吸引圧が印加されている止血用器具10の穴10cの開度を操作者の指等で調節することにより、止血用器具10内への組織の吸引力を変えることができる。具体的には、穴10cの開度を大きくすることによって吸引力を小さくし、開度を小さくすることによって吸引力を大きくすることができる。これにより、吸引装置30のスイッチ等を操作して吸引力を調節する場合に比べて、より容易かつ迅速に吸引圧を調節できるので、止血用器具10の操作性を高めることができる。
図4は、図1に示した第1の実施形態の止血用器具の第2の変形例を示す図である。本変形例では、止血用器具10の側部に穴10cが形成されている。本例の止血用器具10によれば、吸引装置30から吸引圧が印加されている止血用器具10の穴10cの開度を操作者の指等で調節することにより、止血用器具10内への組織の吸引力を変えることができる。具体的には、穴10cの開度を大きくすることによって吸引力を小さくし、開度を小さくすることによって吸引力を大きくすることができる。これにより、吸引装置30のスイッチ等を操作して吸引力を調節する場合に比べて、より容易かつ迅速に吸引圧を調節できるので、止血用器具10の操作性を高めることができる。
[第3の変形例]
図5は、図1に示した第1の実施形態の止血用器具の第3の変形例を示す図である。本変形例では、止血用器具10の内部空間内に薬液を注入するための薬剤注入ポート11が止血用器具10の側部に設けられている。薬剤注入ポート11の開口部には着脱可能な蓋部材(不図示)が備えられている。止血用器具10内に薬液を注入する場合には、蓋部材を薬剤注入ポート11の開口部から取り外し、シリンジ等から薬剤注入ポート11内に止血剤等の薬液を注入する。一方、薬液注入以外の時には薬剤注入ポート11の開口部に蓋部材を取り付けておくことにより、止血用器具10内の吸引圧が低下してしまうことを防ぐことができる。
図5は、図1に示した第1の実施形態の止血用器具の第3の変形例を示す図である。本変形例では、止血用器具10の内部空間内に薬液を注入するための薬剤注入ポート11が止血用器具10の側部に設けられている。薬剤注入ポート11の開口部には着脱可能な蓋部材(不図示)が備えられている。止血用器具10内に薬液を注入する場合には、蓋部材を薬剤注入ポート11の開口部から取り外し、シリンジ等から薬剤注入ポート11内に止血剤等の薬液を注入する。一方、薬液注入以外の時には薬剤注入ポート11の開口部に蓋部材を取り付けておくことにより、止血用器具10内の吸引圧が低下してしまうことを防ぐことができる。
本変形例の止血用器具10によれば、出血箇所の組織を止血用器具10内に吸引して一時的に止血した状態で、薬剤注入ポート11を介して出血箇所に止血剤等の薬液を塗布することができるので、出血箇所の止血処置を迅速に行うことができる。
(第2の実施形態)
図6は本発明の第2の実施形態に係る止血装置を示す図である。図6に示す止血装置も、第1の実施形態と同様に、細長い中空管の形状を有する止血用器具10と、止血用器具10に取り付けられた吸引管(不図示)と、吸引管を介して止血用器具10に吸引圧を印加する吸引装置(不図示)とを有している。ただし、本実施形態の止血用器具10はその側部に吸引口12が形成されており、吸引管(不図示)は吸引口12に接続される。また、止血用器具10の少なくとも先端部分は、熱伝導率が低い断熱部材で構成されている。断熱部材の素材としては、例えば、多孔質ジルコニア等のセラミック、多孔質炭素材料等の炭素繊維、シリコーンゴム等を用いることができる。
図6は本発明の第2の実施形態に係る止血装置を示す図である。図6に示す止血装置も、第1の実施形態と同様に、細長い中空管の形状を有する止血用器具10と、止血用器具10に取り付けられた吸引管(不図示)と、吸引管を介して止血用器具10に吸引圧を印加する吸引装置(不図示)とを有している。ただし、本実施形態の止血用器具10はその側部に吸引口12が形成されており、吸引管(不図示)は吸引口12に接続される。また、止血用器具10の少なくとも先端部分は、熱伝導率が低い断熱部材で構成されている。断熱部材の素材としては、例えば、多孔質ジルコニア等のセラミック、多孔質炭素材料等の炭素繊維、シリコーンゴム等を用いることができる。
さらに、本実施形態の止血装置は、止血用器具10内に挿通される処置具40を備えている。図6に示す処置具40は、超音波振動を発生させる振動素子41をその内部に有している。振動素子41には不図示の電気配線が接続されており、その電気配線を介して振動素子41にその駆動電源が供給されるようになっている。
本実施形態の止血装置による止血処置は以下のように行われる。すなわち、止血用器具10の側部の吸引口12から吸引を行い、患者の出血箇所の組織を止血用器具10内に吸い込んで一時的に止血を行った状態で処置具40を止血用器具10内に挿入し、止血用器具10を振動素子41によって超音波振動させてその先端を出血箇所の組織に押し当てる。これにより、出血箇所の組織に加えられた超音波エネルギーによって組織の表面が凝固し、出血箇所が止血される。このように、本実施形態の止血装置によれば、出血箇所の組織を止血用器具10内に吸引して一時的に止血した状態で、出血箇所の止血処置を迅速に行うことができる。
なお、本実施形態の止血装置では、患者の出血箇所の組織を止血用器具10内に吸い込んだ状態で、その組織に処置具40が押し当てられるように構成されている。つまり、止血用器具10によって囲まれた組織に対してのみ処置具40が押し当てられるため、それ以外の箇所に不意に処置具40が押し当てられて周辺組織を損傷させてしまうおそれを低減することができる。さらに、止血用器具10の少なくとも先端部分を断熱部材で構成したことにより、出血箇所の組織に与えられた熱が止血用器具10を介して周辺組織に及ぶことを防ぐことができる。
[第1の変形例]
図7は、図6に示した第2の実施形態の止血用器具の第1の変形例を示す図である。図7に示す変形例では、振動素子41に代えてヒータ42が処置具40の先端に設けられている。ヒータ42には不図示の電気配線が接続されており、その電気配線を介してヒータ42にその駆動電源が供給されるようになっている。本変形例のその他の構成は、図6を参照して説明した止血装置と同様である。
図7は、図6に示した第2の実施形態の止血用器具の第1の変形例を示す図である。図7に示す変形例では、振動素子41に代えてヒータ42が処置具40の先端に設けられている。ヒータ42には不図示の電気配線が接続されており、その電気配線を介してヒータ42にその駆動電源が供給されるようになっている。本変形例のその他の構成は、図6を参照して説明した止血装置と同様である。
本変形例の止血装置による止血処置は以下のように行われる。すなわち、止血用器具10の側部の吸引口12から吸引を行い、患者の出血箇所の組織を止血用器具10内に吸い込んで一時的に止血を行った状態で、ヒータ42によって加熱された処置具40を止血用器具10内に挿入してその先端を出血箇所の組織に押し当てる。これにより、出血箇所の組織に加えられた熱エネルギーによって組織の表面が凝固し、出血箇所が止血される。このように、本実施形態の止血装置によれば、出血箇所の組織を止血用器具10内に吸引して一時的に止血した状態で、出血箇所の止血処置を迅速に行うことができる。
本変形例の止血装置においても、患者の出血箇所の組織を止血用器具10内に吸い込んだ状態で、その組織に処置具40が押し当てられるように構成されている。つまり、止血用器具10によって囲まれた組織に対してのみ処置具40が押し当てられるため、それ以外の箇所に不意に処置具40が押し当てられて周辺組織を損傷させてしまうおそれを低減することができる。さらに、止血用器具10の少なくとも先端部分は断熱部材で構成されているので、出血箇所の組織に与えられた熱が止血用器具10を介して周辺組織に及ぶことを防ぐことができる。
[第2の変形例]
図8は、図6に示した第2の実施形態の止血用器具の第2の変形例を示す図である。図8に示す変形例では、振動素子41に代えて、レーザ光を照射するレーザ照射部43が処置具40の先端に設けられている。本変形例のその他の構成は、図6を参照して説明した止血装置と同様である。
図8は、図6に示した第2の実施形態の止血用器具の第2の変形例を示す図である。図8に示す変形例では、振動素子41に代えて、レーザ光を照射するレーザ照射部43が処置具40の先端に設けられている。本変形例のその他の構成は、図6を参照して説明した止血装置と同様である。
本変形例の止血装置によれば、止血用器具10の側部の吸引口12から吸引を行い、患者の出血箇所の組織を止血用器具10内に吸い込んで一時的に止血を行った状態で、処置具40を止血用器具10内に挿入してその先端のレーザ照射部43から出血箇所の組織に向けてレーザ光を照射する。これにより、出血箇所の組織が加熱されてその表面が凝固し、出血箇所が止血される。このように、本実施形態の止血装置によれば、出血箇所の組織を止血用器具10内に吸引して一時的に止血した状態で、出血箇所の止血処置を迅速に行うことができる。
本変形例の止血装置においても、患者の出血箇所の組織を止血用器具10内に吸い込んだ状態で、その組織にレーザ照射部43からレーザ光が照射されるように構成されている。つまり、止血用器具10によって囲まれた組織に対してのみレーザ光が照射されるため、それ以外の箇所に不意にレーザ光が照射されて周辺組織を損傷させてしまうおそれを低減することができる。さらに、止血用器具10の少なくとも先端部分は断熱部材で構成されているので、出血箇所の組織にレーザ光よって与えられた熱が止血用器具10を介して周辺組織に及ぶことを防ぐことができる。
図9は、図8に示した止血用器具の更なる変形例を示す図である。図9に示す変形例では、止血用器具10に設けた吸引口12(図8)を用いて吸引を行うことに代えて、止血用器具10の側部に形成した孔を通して止血用器具10の内部に挿通した吸引チューブ21によって吸引を行うように構成されている。吸引チューブ21は吸引装置(不図示)に接続されている。また、吸引チューブ21は止血用器具10の内壁に沿って配置されていることが好ましい。
本変形例によれば、出血箇所から出血した血液を止血用器具10内に溜まる前に吸引して除去できるため、出血箇所の組織を露出させた状態にすることができることから、処置具40による止血処置を容易かつ良好に行うことができるという、更に有利な作用効果を得ることができる。さらに、吸引チューブ21の、止血用器具10の内部に挿通される部分の側壁に複数の吸引孔21aが形成されており、これによって血液の吸引効率の向上が図られている。
なお、図9では1本の吸引チューブ21を止血用器具10の内部に挿通した例を示したが、複数の吸引チューブ21を止血用器具10の内部に挿通してもよい。また、図9では先端にレーザ照射部43を備えた処置具40を用いた場合を例に挙げて示したが、処置具40の先端部の径や形状を適宜変更することにより、図6,7,10に示す構成の処置具40を用いた場合であっても本変形例の吸引チューブ21を適用することが可能である。
[第3の変形例]
図10は、図6に示した第2の実施形態における止血用器具の第3の変形例を示す図である。図10に示す変形例では、処置具40の先端には生体材料44を保持する面が形成されており、止血または組織への癒着や融着を目的として出血箇所の組織に貼り付ける生体材料44が処置具40の先端に保持されている。処置具40の先端面には生体材料44を脱落しないように保持するのに必要な程度の生体糊が塗布されており、生体材料44の患者の出血箇所に接合される面にはそのほぼ全面にわたって生体糊が塗布されている。本変形例のその他の構成は、振動素子41を備えていない点を除いて、図6を参照して説明した止血装置と同様である。
図10は、図6に示した第2の実施形態における止血用器具の第3の変形例を示す図である。図10に示す変形例では、処置具40の先端には生体材料44を保持する面が形成されており、止血または組織への癒着や融着を目的として出血箇所の組織に貼り付ける生体材料44が処置具40の先端に保持されている。処置具40の先端面には生体材料44を脱落しないように保持するのに必要な程度の生体糊が塗布されており、生体材料44の患者の出血箇所に接合される面にはそのほぼ全面にわたって生体糊が塗布されている。本変形例のその他の構成は、振動素子41を備えていない点を除いて、図6を参照して説明した止血装置と同様である。
本変形例の止血装置による止血処置は以下のように行われる。すなわち、止血用器具10の側部の吸引口12から吸引を行い、患者の出血箇所の組織を止血用器具10内に吸い込んで一時的に止血を行った状態で、先端に生体材料44を保持した処置具40を止血用器具10内に挿入してその先端を出血箇所の組織に押し当てる。これにより、生体材料44を出血箇所の組織に貼り付けることができる。上述したように、生体材料44の出血箇所の組織に接合される面における生体糊の塗布面積は、その反対側の処置具40の先端面における生体糊の塗布面積よりも大きい。したがって、出血箇所の組織に対する生体材料44の接合力は処置具40の先端面に対する接合力よりも大きいので、処置具40によって生体材料44を出血箇所の組織に押し付けてから引き離すことにより、生体材料44をその組織に貼り付けることができる。なお、生体材料44は、出血箇所において増殖する細胞と一体となって出血箇所の組織を修復する機能を有している。このように、本実施形態の止血装置によれば、出血箇所の組織を止血用器具10内に吸引して一時的に止血した状態で、出血箇所の止血処置を迅速に行うことができる。
図10では処置具40に振動素子やヒータを備えていない例を挙げて説明したが、処置具40はこれらの振動素子やヒータを備えていてもよい。その場合には、処置具40によって出血箇所の組織に生体材料44を押し付けた状態で振動素子やヒータを駆動させて生体材料44に熱エネルギーを加えることによって、組織に対する生体材料44の癒着性を向上させることができる。
(第3の実施形態)
図11は本発明の第3の実施形態に係る止血装置を示す図である。図11(a)は止血用器具及び内管の先端部を含む部分の断面図、図11(b)は止血用器具及び内管の先端部を示す斜視図、図11(c)は止血用器具及び内管の後端部を含む部分の断面図である。
図11は本発明の第3の実施形態に係る止血装置を示す図である。図11(a)は止血用器具及び内管の先端部を含む部分の断面図、図11(b)は止血用器具及び内管の先端部を示す斜視図、図11(c)は止血用器具及び内管の後端部を含む部分の断面図である。
図11に示す止血装置は、細長い中空管の形状を有する外管としての止血用器具10と、止血用器具10の後端に取り付けられた吸引管接続部60と、吸引管接続部60に接続された吸引管20と、吸引管20を介して止血用器具10に吸引圧を印加する吸引装置(不図示)とを有している。止血装置は、止血用器具10の内径よりも外径が小さい中空管の形状を有する内管50をさらに備えている。内管50は止血用器具10内に挿通され、吸引管接続部60の上壁を通って吸引管接続部60の上方まで延びている。
本実施形態では、止血用器具10の内壁面と内管50の外壁面との間に形成される隙間空間を介して、吸引管20による吸引が行われる。図11(a)に示すように内管50は止血用器具10の先端付近まで延びており、したがって止血用器具10と内管50との間に形成されている隙間空間も止血用器具10の先端付近まで延びている。そのため、止血用器具10と内管50との間に形成された隙間空間を介して止血用器具10の内部空間に吸引圧を印加し、止血用器具10の先端において出血箇所から出血した血液を止血用器具10内に溜まる前に吸引して除去することができる。
さらに、本実施形態の止血装置によれば、図6〜図10等に示した処置具40を内管50を通して挿入することにより、各処置具40による上述した止血処置を行うことができる。本実施形態では止血用器具10の先端において出血箇所から出血した血液を上記のように止血用器具10と内管50との間の隙間空間を介して吸引できるため、出血箇所の組織を露出させた状態にすることができることから、処置具40による止血処置を容易かつ良好に行うことができる。
なお、内管50の内径とほぼ同径の外径を有する処置具40を内管50内に挿通することにより内管50は実質的に塞がれた状態になるので、止血用器具10と内管50との間の隙間空間に吸引圧を良好に印加することが可能である。一方、内管50内に処置具40を挿通しないときには、内管50の後端を不図示のキャップ部材を用いて塞ぐことにより、隙間空間に吸引圧を良好に印加することができる。
(その他)
上記では、本発明の止血装置について各実施形態およびそれらの変形例を用いて説明したが、本発明の止血装置はそれらの構成に限定されるものではない。また、上記の各実施形態およびそれらの変形例に係る構成は、可能な限りにおいて互いに組み合わせることができる。
上記では、本発明の止血装置について各実施形態およびそれらの変形例を用いて説明したが、本発明の止血装置はそれらの構成に限定されるものではない。また、上記の各実施形態およびそれらの変形例に係る構成は、可能な限りにおいて互いに組み合わせることができる。
10 止血用器具
20 吸引管
30 吸引装置
20 吸引管
30 吸引装置
Claims (14)
- 中空管の形状を有する止血用器具と、
前記止血用器具の内部空間に連結され、該内部空間に吸引圧を印加する吸引手段と、
を有する止血装置。 - 前記止血用器具の先端の縁は滑らかな丸みを帯びた形状に形成されている、請求項1に記載の止血装置。
- 前記止血用器具の先端には、前記止血用器具の壁部の厚みよりも厚みが小さい凸部が形成されている、請求項1に記載の止血装置。
- 前記止血用器具の側部に穴が形成されている、請求項1から3のいずれか1項に記載の止血装置。
- 前記止血用器具の内部空間に薬液を注入するための薬液注入ポートが前記止血用器具に設けられている、請求項1から4のいずれか1項に記載の止血装置。
- 前記止血用器具の内部空間内に挿通される処置具をさらに有している、請求項1から5のいずれか1項に記載の止血装置。
- 前記処置具の先端には生体材料を保持する面が形成されている、請求項6に記載の止血装置。
- 前記処置具には超音波振動を発生させる振動素子が設けられている、請求項6または7に記載の止血装置。
- 前記処置具の先端部分にはヒータが設けられている、請求項6または7に記載の止血装置。
- 前記処置具の先端部分にはレーザ光を照射するレーザ照射部が設けられている、請求項6に記載の止血装置。
- 前記止血用器具の少なくとも先端部分は断熱部材で構成されている、請求項8から10のいずれか1項に記載の止血装置。
- 前記止血用器具の内径よりも外径が小さい内管が前記止血用器具内に挿通されており、前記止血用器具と前記内管との間に形成された隙間空間を介して前記止血用器具の内部空間に吸引圧を印加するように構成されている、請求項1から11のいずれか1項に記載の止血装置。
- 前記吸引手段は、前記止血用器具の側部に形成された孔を通じて前記止血用器具の内部に挿通された吸引チューブを有している、請求項1から11のいずれか1項に記載の止血装置。
- 前記吸引チューブは前記止血用器具の先端部近傍まで延びており、前記吸引チューブの前記止血用器具の内部に挿通された部分の側部には吸引孔が形成されている、請求項13に記載の止血装置。
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2008
- 2008-05-13 JP JP2008125836A patent/JP2009273559A/ja active Pending
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