JP2004113254A - 超音波切開凝固装置 - Google Patents

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石橋 義治
Motoji Haratou
原頭 基司
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野村 哲
Katsuhiko Fujimoto
藤本 克彦
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Abstract

【課題】超音波の照射による治療を可能にするとともに、凝固、切開能力の向上により手術時間の短縮を実現し、かつ、治療対象を拡大することが可能な超音波切開凝固装置を提供する
【解決手段】超音波を発振する超音波振動子11と、超音波振動子11を駆動するための電源を供給する電源装置30と、生体の複腔内に挿入され、超音波振動子11が発振した超音波に基づき振動し生体の被処置部を凝固ならびに切開するための振動部22および被処置部を振動部22との間で把持し固定するための把持部23を含むブレード21とを備え、更に、強力超音波を発振する照射用超音波振動子50と、生体に対してこの強力超音波を照射する超音波照射面50aとを振動部22に設けた。
【選択図】   図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波を利用して生体組織を凝固、切開する超音波切開凝固装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
外科切除術においては、古くは金属製のメスにより患者の皮膚を切開し患部を切除する手法が用いられていたが、皮膚や患部を切開、切除する際の出血量が多く患者に大きな身体的負担がかかっていた。これに対し、電気メスが開発されたことで出血量の問題はある程度解消された。また、その後開発された超音波外科吸引装置により、臓器の患部近傍の血管等の脈管を温存しつつ患部を破砕し吸引することが可能となり、大きな血管や重要な脈管を誤って損傷するリスクの低減が達成された。しかし、開腹を前提とする方法であったため患者の身体的負担は未だ大きく、完治するまでの期間は長くならざるを得なかった。
【0003】
近年、このような状況を打破する手法として腹腔鏡下手術が開発され、現在広く実施されている。腹腔鏡下手術とは、開腹を行う代わりに患者の腹部に複数の穴を開け、腹腔内部を観察するための腹腔鏡を含む各種手術器具をこの穴から挿入して手術を行う手法である。これにより、患者への侵襲度は大幅に低減されることとなった。
【0004】
このような腹腔鏡下手術には超音波切開凝固装置を用いた手法が広く普及している。超音波切開凝固装置は、その先端部にブレードと呼ばれる部材が設けられており、このブレードで生体組織を挟み込んだ状態でブレードに振動を加え摩擦熱により生体組織を凝固するとともに切開を誘引するための装置である。超音波切開凝固装置によれば、止血と切開とを1つの装置で一連のステップとして行うことが可能なうえ、処置中に電気メスのケースのように煙を発生しないため腹腔鏡下手術において良好な視界を確保することを可能とする。
【0005】
超音波切開凝固装置の一例として、下記の特許文献1に開示されたものがある。この超音波切開凝固装置には超音波発振源が発振した超音波をブレードに伝達するための超音波振動伝達部のブレード近傍に発熱部が設けられており、発熱部で発生された熱を伝達してブレード温度の調整を行うことで処置の迅速化、延いては手術時間の短縮化を図るものである。
【0006】
一方、癌治療の分野でも、最小侵襲治療(Minimary Invasive Treatment:MIT)と称される治療法が注目を浴びている。例えば、腫瘍組織と正常組織との熱感受性の違いを利用し、患部を42.5℃以上に加温、維持することで腫瘍組織のみを選択的に壊死させるハイパーサーミア療法がある。また、臓器深部の腫瘍に対しては、例えば、深達度の高い超音波エネルギを使用した治療法や、ピエゾ素子を含む超音波照射装置により超音波を照射し集束させ病巣部を加熱してやることで熱変性壊死を起こさせる治療法がある。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−85420号公報(段落〔0022〕、〔0032〕、第3図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、超音波切開凝固装置が使用される腹腔鏡下手術においては、超音波照射装置による治療も併用されることが多々ある。このようなケースでは、超音波切開凝固装置および超音波照射装置をそれぞれ備えておく必要があった。また、装置を切り替える際には装置を交換しなくてはならないため、手術工程が面倒になるとともに手術時間が長くなってしまうという問題があった。
【0009】
また、従来の超音波切開凝固装置では、処置に十数秒程度の時間を要し、手術が長時間化する別の誘因となっていた。また、比較的細い血管の凝固には対応可能であったが、太い血管に対しては、付与された摩擦熱が血流によって持ち去られてしまうため熱変性を起こすことが困難であった。さらに、生体組織の表層付近に存在する病巣部に処置を施すことは可能であったが、深部に位置するものには対応できなかった。
【0010】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたもので、切開および凝固による治療に加えて超音波の照射による治療を可能にするとともに、凝固、切開能力を向上することが可能な超音波切開凝固装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の本発明は、超音波を発振する超音波振動子と、前記超音波振動子を駆動するための電源を供給する電源供給手段と、前記超音波振動子が発振した超音波に基づき振動し生体の被処置部を凝固ならびに切開するための処置部材と、前記被処置部を前記処置部との間で把持し固定するための把持部材とからなり生体の腹腔内に挿入される処置手段と、を有する超音波切開凝固装置であって、前記被処置部を凝固させるための超音波を生体に対して照射する超音波照射手段を前記処置手段に設けたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項2に記載の本発明は、請求項1記載の超音波切開凝固装置であって、前記超音波照射手段が生体に対して照射する前記超音波は強力超音波であることを特徴とする。
【0013】
また、請求項3に記載の本発明は、請求項1または請求項2に記載の超音波切開凝固装置であって、前記超音波照射手段が生体に対して前記超音波を照射する方向は変更可能であることを特徴とする。
【0014】
また、請求項4に記載の本発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の超音波切開凝固装置であって、前記超音波照射手段は、前記処置手段の前記処置部材に設けられていることを特徴とする。
【0015】
また、請求項5に記載の本発明は、請求項4記載の超音波切開凝固装置であって、前記処置部材は、前記超音波照射手段が前記超音波を照射する方向を変更するために回動可能とされていることを特徴とする。
【0016】
また、請求項6に記載の本発明は、請求項4または請求項5に記載の超音波切開凝固装置であって、前記超音波照射手段は前記電源供給手段からの電源の供給により駆動され、前記超音波振動子のみを駆動するか、前記超音波照射手段のみを駆動するか、または前記超音波振動子および前記超音波照射手段の双方を駆動するか駆動態様を切り替える切替手段をさらに有することを特徴とする。
【0017】
また、請求項7に記載の本発明は、請求項1または請求項2に記載の超音波切開凝固装置であって、前記超音波照射手段は、前記処置手段の前記把持部材に設けられていることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態の一例について図面を参照しながら説明する。
【0019】
〔第1の実施の形態〕
(超音波切開凝固装置の全体構成)
図1は本発明の第1の実施形態である超音波切開凝固装置1の全体構成を示す概略図である。この超音波切開凝固装置1は、本体10、挿入部20および電源装置30に大別される。なお、図1中の本体10の部分は透視図で示されている。挿入部20はトロカールを介して腹腔内に挿入される部分で、その基端部を図示しない連結部材を介して本体10と着脱可能に連結されている。また、挿入部20の先端部には振動部22および把持部23からなるブレード21が配置されている。本体10には超音波を発振する超音波振動子11が格納されている。電源装置30は、上記超音波振動子を駆動するための電源を供給する電源供給手段である。
【0020】
本体10に格納された超音波振動子11は、電気的な信号を機械的な振動に変換する素子からなる、例えばランジュバン型の超音波振動子である。この超音波振動子11は、通常使用されるものならばその材質は問わないが、セラミックス製が好んで使用されている。なお、超音波振動子11の近傍には、通常のように、超音波振動子11を冷却するための循環冷却水等による図示しない放熱機構が設けられている。
【0021】
また、本体10には、超音波振動子11が発振した超音波の振動振幅を増幅するテーパー形状のホーン12が内蔵されている。本体10にはさらに、ブレード21の把持部23を操作するための操作ハンドル13と、ブレード21の振動部22を操作するための操作部16とが設けられている。本体10のコネクタ部17には電源コード40が接続されている。操作ハンドル13は、本体10に固着された固定ハンドル14と図示しない軸支ピンにより本体10に回動可能に接続された可動ハンドル15とにより構成される。術者は、一般に、固定ハンドル14に親指を、可動ハンドル15に人差し指および中指をそれぞれ挿入して上記軸支ピンを中心に可動ハンドル15を回動させることで把持部23を操作する。また、操作部16は、本体10および挿入部20内に構成され振動部22の基端部に接続された図示しないバーニャダイアルに接続されている。
【0022】
挿入部20の内部には、ホーン12により増幅された超音波振動をブレード21の振動部22に伝達するための振動伝達部材と、操作ハンドル13からの操作を把持部23に伝達する第1の操作伝達部材とが内蔵されている。
【0023】
続いて、図2および図3を参照してブレード21の構成について説明する。まず、図2はブレード21の概略構成を示す図である。ブレード21は、生体の病巣部等の被処置部に対して凝固・切開処置を施す処置手段で、被処置部に対する処置を実際に行う振動部(処置部材)22と、被処置部を把持し固定するための把持部(把持部材)23とから構成される。超音波切開凝固装置1を使用する際には、把持部23により被処置部を固定した状態で処置できるので、被処置部を確実に治療することが可能となる。
【0024】
振動部22は、上記振動伝達部材を介して伝達される超音波振動に惹起されて挿入部20の長軸方向(図2に示すX方向。)に振動し、被処置部を摩擦熱により熱変性させることで凝固・切開処置を行う。
【0025】
また、把持部23は、挿入部20の先端部に支軸24を中心に回動可能に設けられている。操作ハンドル13からの操作は、第1の操作伝達部材を経由して把持部23に伝達され上記回動を実現する。これにより把持部23は、振動部22に対して開閉動作可能とされ、振動部22との間で被処置部を掴んだり放したりできるようになっている。なお、把持部23の振動部22に対向する側の面の外周部に設けられたノコギリ歯状の部分は、処置時に生体の被処置部を確実に把持し固定するとともに、凝固処置後に被処置部を引きちぎる際に使用される固定歯23aである。
【0026】
また、振動部22は、操作部16からの操作に基づき動作する上記のようにバーニャダイアルによって図2に示すX方向を軸として回動する構成となっている。従って、振動部22の回動動作を微細に調整することが可能となる。これにより、詳細は後述するが、照射用超音波振動子50の超音波照射面50aの向きを変更することが可能となる。
【0027】
次に、振動部22の構成について説明する。図3はブレード21の振動部22の構成を示したもので、図3(a)は側面からの概略透視図、図3(b)は振動部22の把持部23に対向する側の面(以下、「処置面」と呼称する。)22aの構成を示す概略図である。振動部22の処置面22a側に設けられた凹部には照射用超音波振動子50が嵌め込まれており、処置面22aには照射用超音波振動子50が発振した超音波を照射する超音波照射面50a(超音波照射手段)が設けられている。照射用超音波振動子50は、本体10および挿入部20の内部を挿通して設けられた電源伝達部材51を介して電源装置30からの電源供給を受けて駆動する。
【0028】
なお、照射用超音波振動子50は、集束型、平板型および拡散型のどの種類でも適用でき、治療対象や治療深さ等を鑑みてその用途に応じて選択することができる。そのため、例えば、照射用超音波振動子50を振動部22に着脱可能に取り付けた構成や、ホーン12、振動伝達部材および振動部材22を交換可能なユニット構成とするなどできる。また、照射用超音波振動子50として電子制御のフェーズドアレイ型振動子を採用してもよい。この場合には、照射用超音波振動子50を交換することなく、集束型、平板型および拡散型の機能を実現することができる。他方、微小な超音波ビームを機械的若しくは電気的にスキャンさせる構成としてもよい。また、照射用超音波振動子50の表面に超音波伝播媒質を設けて照射効率の向上を図るなど所望の変形を加えることができる。また、照射用超音波振動子50の近傍には、超音波振動子11の場合と同様に、図示しない放熱機構が設けられている。
【0029】
続いて、電源装置30の内部構成について説明する。図4は、超音波切開凝固装置1の電気的構成の概略を示すブロック図である。電源装置30は、発振部31、ドライバアンプ32、切替部33、制御部34、入力部35、インピーダンス整合回路36および37を含んで構成されている。発振部31は、異なる周波数を有する2つの高周波を同時に発振可能な2周波発振の高周波発振器である。ドライバアンプ32は、発振部31が発振した高周波信号を増幅する増幅器である。切替部33は、ドライバアンプ32により増幅された(異なる周波数を有する2種類の)高周波信号の出力を切り替えるものである。制御部34は、発振部31、ドライバアンプ32および切替部33にそれぞれ接続され、操作者による入力部35からの入力操作に基づいて高周波信号の周波数と、超音波出力を決定する電気出力とを制御する。特に、高周波信号の周波数は後述の所定の周波数帯の範囲において様々な値を取るように入力操作できる。インピーダンス整合回路36および37は、出力される電源の電気エネルギをそれぞれ超音波振動子11および照射用超音波振動子50に効率的に伝達するためにインピーダンスの整合を行うための回路である。なお、入力部35は、操作性を考慮して、超音波切開凝固装置1の本体10に設けた構成としてもよい。
【0030】
発振部31が発振する高周波としては、超音波振動子11駆動用の10〜300kHz程度の周波数帯(主に40〜50kHz)が使用され、また、照射用超音波振動子50駆動用には1〜20MHz程度、主として1.5MHz程度の周波数帯が使用される。従って、照射用超音波振動子50から発振される超音波は強力超音波である。
【0031】
発振部31により発振された高周波信号は、ドライバアンプ32により増幅されたのち切替部33に送られる。切替部33は、入力手段35からの入力操作により電源として出力される高周波の切替動作を行う切替手段である。この際、入力部35からの入力操作に基づく制御部34の制御により、超音波振動子11駆動用の高周波のみ出力する第1のモードと、照射用超音波振動子50駆動用の高周波のみ出力する第2のモードと、超音波振動子11駆動用および照射用超音波振動子50駆動用の双方の高周波を出力する第3のモードとの3つの出力モードからの選択が可能とされる。
【0032】
通常の超音波切開凝固装置としての治療を行う場合、つまり超音波振動子11のみを駆動させる場合は、入力部35を操作して第1のモードを選択する。切替部33からインピーダンス整合回路36に送出された超音波振動子11駆動用の高周波は、インピーダンスを整合されたのち、電源コード40を介して超音波振動子11に供給され、超音波振動子11を駆動する。超音波振動子11が発振した超音波は、ホーン12により増幅され、上記振動伝達部材を伝って振動部22を振動させる。これにより、通常の超音波切開凝固装置としての治療が実現される。
【0033】
また、照射用超音波振動子50のみを駆動させる場合は、入力部35を操作して第2のモードを選択する。切替部33からインピーダンス整合回路37に送出された照射用超音波振動子50駆動用の高周波は、インピーダンスを整合されたのち、電源コード40および電源伝達部材51を介して照射用超音波振動子50に供給され、照射用超音波振動子50を駆動する。照射用超音波振動子50が発振した超音波は、超音波照射面50aから生体に照射されて治療が実施される。また、この際、被処置部の発熱効率を高めるために、把持部23の振動部22に対向する面に吸収発熱体や超音波の反射体を設けてもよい。なお、この際、治療対象や治療深さ等に応じた種類の照射用超音波振動子が選択されていることは言うまでもない。
【0034】
また、超音波振動子11および照射用超音波振動子50の双方を駆動する場合は、入力部35を操作して第3のモードを選択する。切替部33からインピーダンス整合回路36および37に送出された超音波振動子11駆動用および照射用超音波振動子50駆動用の高周波は、それぞれインピーダンスを整合されたのち、超音波振動子11駆動用の高周波は電源コード40を介して超音波振動子11に供給され、一方、照射用超音波振動子50駆動用の高周波は電源コード40および電源伝達部材51を介して照射用超音波振動子50に供給される。これにより、超音波振動子11および照射用超音波振動子50は同時に駆動される。
【0035】
(超音波切開凝固装置の作用)
上記のような構成を備えた本実施形態の超音波切開凝固装置1によれば、(上記第1の出力モードを選択した場合の)振動部22の振動運動を誘因とする摩擦熱を利用した切開、凝固という従来の超音波切開凝固装置による治療方法に加えて、振動部22を回動させて処置面22aを把持部23とは反対の方向に向けるとともに第2の出力モードを選択すれば、超音波照射面50aが照射する超音波による生体組織の熱変性を利用した治療を行うことが可能となる。従って、振動に誘導される摩擦熱による治療と超音波の照射に基づく熱変性による治療との2種類の治療を1つの装置で行えるため、装置を取り替える煩わしさに苛まれることなく迅速な処置を施すことができ、手術時間の短縮を実現することが可能となる。
【0036】
なお、超音波の照射による治療において、集束型の照射用超音波振動子50を使用すれば、臓器内部のある領域に超音波の焦域を形成することができ、超音波の焦点領域内の限局した領域のみを発熱させて熱変性壊死させることが可能となる。このような構成とすることにより、複腔鏡下手術の適応範囲が拡大され、例えば早期発見癌の治療などに威力を発揮する。
【0037】
また、平板型や拡大型の照射用超音波振動子50を使用すれば、接触させた生体組織の表層部のみを熱凝固させることが可能となる。このとき、入力部35からの操作によって、照射される超音波の周波数を変化させることで生体組織への浸透度を変化させることができるので、所望の深さまで熱変性を起こさせることが可能となる。なお、超音波の周波数に応じて適切な照射用超音波振動子50に取り換えて治療を行うことで効率的な超音波照射が可能となることは言うまでもない。
【0038】
また、超音波照射面50aから出力されるのは強力超音波であるから、凝固能力が向上する。このとき、処置面22aを把持部23に対抗させた状態で第3の出力モードを選択し、処置面22aと把持部23とで被処置部を挟みこむようにすれば、比較的太い血管の血流途絶が可能となり治療対象の拡大を図ることができるとともに、周波数や集速度を調整することで所望の凝固深さを達成することができる。更には、振動部22を振動させながら強力超音波による凝固が行われるため、生体組織に焦げが生じた場合でも振動部22にこびり付くことが少ない。また、更なる手術時間短縮に寄与するものでもある。一方、照射による治療の効果・効率も高まることとなる。
【0039】
なお、超音波照射面22aからの超音波の照射方向が変更でき、かつ、超音波振動子11と照射用超音波振動子50とは単一の電源装置30からの電源供給により切替動作する構成なので、速やかな出力モードの切替、即ち速やかな治療方法の切り替えが可能となる。
【0040】
〔第2の実施の形態〕
ところで、超音波切開凝固装置1のブレードの振動部22には照射用超音波振動子50が1つだけ設けられているが、本発明の別の実施形態として複数個の照射用超音波振動子を有する構成を採用してもよい。例えば、振動部122を側面から見た際の構成を示す概略透視図である図5に示すように、振動部122に2つの照射用超音波振動子150、160を備え付けて、振動部122の図示しない把持部に対向する面およびそれと反対側の面にそれぞれ超音波出力面150a、160aを配置し、上記両面を処置面とした構成とすることもできる。なお、電源伝達部材151および161は、それぞれ照射用超音波振動子150および160に図示しない電源装置からの電源を伝達するためのものである。このようにすれば、振動部122を回動させる機構を設ける必要がなくなる。また、照射用超音波振動子150および160を同時駆動可能に電源装置を構成することもでき、必要があれば、振動による治療と照射による治療とを同時に行えるようにしてもよい。
【0041】
〔第3の実施の形態〕
図6は、本発明のさらに別の実施の形態である超音波切開凝固装置の把持部123を示したもので、図6(a)は側面から見た際の構成を示す概略透視図、図6(b)は図示しない振動部に対向する側の面(以下、「下面」と呼称する。)の構成を示す概略図である。図6(a)に示すように把持部123には照射用超音波振動子170が嵌め込まれており、また図6(b)に示すようにその下面には照射用超音波振動子が発振した超音波を出力するための超音波出力面(超音波出力部)が設けられている。このような構成でも、生体の被処置部を把持したままこの被処置部に対して超音波を照射できるので、図示しない振動部とともに動作させることで凝固を促進することが可能となる。
【0042】
なお、ブレードの振動部および把持部の双方に照射用超音波振動子を備えた超音波切開凝固装置を構成するなど、更なる変形を加えることは容易である。
【0043】
〔第4の実施の形態〕
図7には、本発明に係る第4の実施の形態の超音波切開凝固装置の振動部222の概略構成が示されている。なお、以下において、振動部222の図示しない把持部側の面を上面222aと、それと対向する側の面を下面222bと呼ぶこととする。振動部222には、超音波を出力する照射用超音波振動子250と、この照射用超音波振動子250に図示しない電源装置からの電源を伝達するための電源伝達部材251とが含まれて構成されている。照射用超音波振動子250の周囲には超音波を伝播する伝播媒体を充填するための中空の充填部が形成されており、照射用超音波振動子250の上面222a側に第1の充填部201が、下面222b側には第2の充填部202とが配設されている。また、充填媒体としてはオイル等も使用できるが、ここでは水を使用するものとする。
【0044】
まず、両充填部201および202に水が充填されていない場合、照射用超音波振動子250が出力した超音波は、上面222a側および下面222b側双方に同じ割合で放射されようとするが、伝播媒体がないために被処置部までは伝播しない。一方、充填部201のみが水で充填されている場合には、ブレードに挟み込まれた被処置部に対しては超音波が照射されるが、下面222b側に位置する被処置部には照射されない。他方、充填部202のみが水で充填されている場合には、逆に、下面222b側に位置する被処置部には超音波が照射されるが、ブレードに挟み込まれた被処置部に対しては超音波が照射されない。
【0045】
従って、ブレードに挟み込まれた被処置部を治療する場合には充填部201のみを水で充填して上面222aを超音波照射面とし、そうでない被処置部の治療を行う場合には充填部202のみを水で充填して下面222bを超音波照射面とすることによって、振動部222を回動させることなく超音波照射面の向きを変更することが可能となる。
【0046】
なお、水を充填しない側の充填部に空気や窒素等を充填することで、超音波の照射効率を向上させることができる。また、振動部22に図示しないマイクロ超音波プローブを取り付ければ、手術中の超音波イメージングが可能となる。
【0047】
上述した各実施形態の超音波切開凝固装置では、ブレードの振動部および/または把持部に設けられた照射用超音波発振子は立方体形状を有し、超音波照射面は長方形状を有しているが、本発明の超音波切開凝固装置はこれに限定されるものではない。例えば円形の超音波照射面を形成するなど、その用途に応じて様々な構成を採用することができる。
【0048】
以上に詳述された具体的構成はあくまでも本発明の実施の形態としての一例であって、これらを以って本発明の主旨が判断されるべきではない。
【0049】
【発明の効果】
本願請求項1記載の超音波切開凝固装置によれば、超音波振動を利用して切開および凝固を行う治療に加えて超音波の照射による熱変性を利用した治療を行えるため、装置を取り替える煩わしさに苛まれることなく迅速な処置を施すことができ、手術時間の短縮を実現することが可能となる。
【0050】
また、請求項2記載の超音波切開凝固装置によれば、超音波照射手段から強力超音波を照射することが可能であるから、凝固能力および切開能力の向上を図ることができ、更なる手術時間短縮に寄与する。
【0051】
同じく請求項2記載の超音波切開凝固装置によれば、太い血管を含む生体組織や比較的深部にある疾患部位に対して処置を施すことができるため、治療対象の拡大を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の超音波切開凝固装置の全体構成を示す概略図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の超音波切開凝固装置のブレードの構成を示す概略図である。
【図3】図3(a)は振動部を側面から見た場合の構成を示す概略透視図、図3(b)は振動部の処置面の構成を示す概略図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態の超音波切開凝固装置の電気的構成の概略を示すブロック図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態の超音波切開凝固装置の振動部の構成を示す概略図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態の超音波切開凝固装置の把持部の構成を示す図で、図6(a)は把持部を側面から見た場合の構成を示す概略透視図、図6(b)は把持部の下面の構成を示す概略図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態の超音波切開凝固装置の振動部を側面から見た場合の構成を示す概略透視図である。
【符号の説明】
1 超音波切開凝固装置
11 超音波振動子
21 ブレード
22 振動部
23 把持部
30 電源装置
50 照射用超音波振動子

Claims (7)

  1. 超音波を発振する超音波振動子と、
    前記超音波振動子を駆動するための電源を供給する電源供給手段と、
    生体の腹腔内に挿入され、前記超音波振動子が発振した超音波に基づき振動し生体の被処置部を凝固ならびに切開するための処置部材と、前記被処置部を前記処置部との間で把持し固定するための把持部材とからなる処置手段と、
    を有する超音波切開凝固装置であって、
    前記被処置部に対する超音波照射により治療を施す超音波照射手段を前記処置手段に設けたことを特徴とする超音波切開凝固装置。
  2. 前記超音波照射手段が生体に対して照射する前記超音波は強力超音波であることを特徴とする請求項1記載の超音波切開凝固装置。
  3. 前記超音波照射手段が生体に対して前記超音波を照射する方向は変更可能であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波切開凝固装置。
  4. 前記超音波照射手段は、前記処置手段の前記処置部材に設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の超音波切開凝固装置。
  5. 前記処置部材は、前記超音波照射手段が前記超音波を照射する方向を変更するために回動可能とされていることを特徴とする請求項4記載の超音波切開凝固装置。
  6. 前記超音波照射手段は前記電源供給手段からの電源の供給により駆動され、
    前記超音波振動子のみを駆動するか、前記超音波照射手段のみを駆動するか、または前記超音波振動子および前記超音波照射手段の双方を駆動するか駆動態様を切り替える切替手段をさらに有することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の超音波切開凝固装置。
  7. 前記超音波照射手段は、前記処置手段の前記把持部材に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の超音波切開凝固装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009247892A (ja) * 2008-04-04 2009-10-29 Tyco Healthcare Group Lp 超音波針駆動装置
JP2009273559A (ja) * 2008-05-13 2009-11-26 Tokyo Iken Kk 止血装置
JP2014200315A (ja) * 2013-04-01 2014-10-27 オリンパス株式会社 超音波処置装置
JP2015043879A (ja) * 2013-08-28 2015-03-12 オリンパス株式会社 外科用治療装置および外科用治療システム

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