JPH09192139A - 超音波プローブ - Google Patents

超音波プローブ

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JPH09192139A
JPH09192139A JP8005658A JP565896A JPH09192139A JP H09192139 A JPH09192139 A JP H09192139A JP 8005658 A JP8005658 A JP 8005658A JP 565896 A JP565896 A JP 565896A JP H09192139 A JPH09192139 A JP H09192139A
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JP8005658A
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Shin Hara
慎 原
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は超音波治療用の複数の超音波振動子を
備えた挿入部を患者の腹腔内に低侵襲に挿入可能な超音
波プローブを提供することを最も主要な特徴とする。 【解決手段】挿入部2の外径寸法と同径程度の外径寸法
に閉塞される閉塞状態と、拡開状態とに開閉可能な3つ
の超音波発振部7を設け、各超音波発振部7に超音波振
動子9を収納させ、各超音波発振部7を閉塞状態と拡開
状態との間で開閉操作し、各超音波発振部7の拡開状態
で各超音波振動子9から照射された超音波を治療部位に
向けて集束させて治療部位を治療するようにしたもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は患者の体腔内で超音
波を病変部に向けて照射して病変部を焼灼する体腔内治
療用の超音波プローブに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、超音波振動子を備えた超音波発
生体を患者の体外に配設し、この超音波発生体の超音波
振動子からの超音波を患者の体内の腫瘍等の患部組織に
集束照射して焼灼する超音波加温治療装置等が従来から
広く使われている。
【0003】この超音波発生体には例えば、多数の圧電
素子からなる超音波振動子が装着されている。そして、
この治療装置の使用時には患者の体内の腎臓、肝臓、胆
嚢、胆管等に生じた腫瘍等の病変部に相対する人体表面
に超音波発生体がセットされる。この状態で、超音波発
生体内の超音波振動子に超音波発生回路から連続パルス
状もしくはトーンバースト状の電圧を印加して超音波振
動を発生させ、この超音波振動子からの超音波振動によ
って体内の病変部を加熱治療するようになっている。
【0004】また、この種の超音波治療装置では、病変
部を加熱する必要上、従来広く知られている断層像観察
用の医療用超音波診断装置と比較して高出力な超音波を
発生する必要がある。したがって、超音波振動子の駆動
中はこの超音波振動子の表面の温度が上昇し、超音波振
動子の接触部位を焼灼する恐れがある。これを回避する
ために、従来の超音波治療装置では複数の超音波振動子
を取付け板上に並べて取付けることによって、個々の超
音波振動子から発生する超音波の出力を小さくする工夫
がなされている。
【0005】この種の治療装置の先行例としては例えば
特開昭62−114553号公報あるいは特開平2−8
8050号公報などが挙げられる。ここで、特開昭62
−114553号公報には複数の超音波振動子のうちの
一部を患者の体内の病変部の方向に向けた状態で設置
し、残りの他の超音波振動子は病変部の周辺部位の方向
に向けた状態で設置することにより、焼灼する病変部と
その周辺部位との温度差を少なくして効果的に病変部を
加熱する構成にしたものが示されている。
【0006】さらに、特開平2−88050号公報には
並設された多数の超音波振動子のそれぞれの中心軸が1
点で交わるように設定することによって各超音波振動子
からの超音波によるエネルギーを効果的に集束させる構
成にしたものが示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、医用
硬性鏡(以下腹腔鏡と呼ぶ)や、ハサミ、クリップ、鉗
子等の様々な処置具を患者の腹腔内に挿入し、患者の腹
腔内の病変部等の患部に対して腹腔鏡下で処置を行う手
術方法が広まりつつある。この方法では、トラカールと
呼ばれる硬性のパイプを患者の腹腔内に挿入し、このト
ラカールを通して腹腔内にガスを供給する。これによ
り、腹腔内にガスを充満して、観察および処置を行うた
めの空間を確保し、この状態で、腹腔鏡下で病変部の切
除や、切除した部位の結糸等の処置を行うようになって
いる。
【0008】このように腹腔鏡下で処置を行う手術方法
では、従来の外科手術の様に病変部に相対する人体表面
を開腹することなく低侵襲で患者の体内の病変部の処置
が行え、かつ体外から離れた患者の体内の深部臓器の治
療も効果的に行えるという利点をもつ。
【0009】そして、先に述べた超音波を用いた超音波
加温治療装置を腹腔鏡下で用いることにより、深部臓器
に対しても臓器を切開する事無く病変部を加温治療する
ことが可能となる。
【0010】しかしながら、特開昭62−114553
号公報、あるいは特開平2−88050号公報に示した
ような複数の超音波振動子を取付け板上に並べて取付け
た構成の従来の超音波治療装置は構成が複雑で、超音波
発生体(探触子)全体が大型になるので、トラカールの
ような細い管内に超音波発生体を挿入し、このトラカー
ルの管内を通して超音波発生体を患者の体内に挿入する
ことが難かしい問題がある。そのため、特開昭62−1
14553号公報、あるいは特開平2−88050号公
報に示したような複数の超音波振動子を取付け板上に並
べて取付けた構成の従来の超音波治療装置を腹腔鏡下で
用いることは困難であった。
【0011】本発明は上記事情に着目してなされたもの
で、その目的は、超音波治療用の複数の超音波振動子か
らの強力な超音波出力によって効果的に超音波治療する
ことができ、かつ挿入部を患者の腹腔内に低侵襲に挿入
することができる超音波プローブを提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は体内に挿入され
る挿入部に超音波振動子が配設され、この超音波振動子
からの超音波照射によって治療部位を治療する超音波プ
ローブにおいて、前記挿入部の外径寸法と同径程度の外
径寸法に閉塞される閉塞状態と、前記挿入部の外径寸法
より大径に拡開される拡開状態とに開閉可能な複数の超
音波発振部を設け、前記各超音波発振部にそれぞれ前記
超音波振動子を収納させるとともに、前記各超音波発振
部を前記閉塞状態と前記拡開状態との間で開閉操作する
開閉操作手段を設け、かつ前記各超音波発振部の拡開状
態で前記各超音波発振部の超音波振動子から照射された
超音波を治療部位に向けて集束させて前記治療部位を治
療する超音波集束手段を設けたものである。
【0013】そして、超音波治療時には体内の治療部位
近傍で複数の超音波発振部を開操作し、各超音波発振部
の拡開状態で各超音波発振部の超音波振動子から照射さ
れた超音波を治療部位に向けて集束させることにより、
高出力な超音波を発生させて体内の治療部位を効果的に
治療する。さらに、複数の超音波発振部を閉操作した状
態で挿入部を体内に出し入れ操作することにより、高出
力な超音波を発生させる超音波プローブの挿入部を患者
の腹腔内に低侵襲に挿入させるようにしたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態
を図1乃至図6を参照して説明する。図1は本実施の形
態における超音波治療用の超音波プローブ1のシステム
全体の概略構成を示すものである。この超音波プローブ
1には患者の体内に挿入される硬性の挿入部2と、この
挿入部2の基端部に連結された操作部3とが設けられて
いる。さらに、操作部3には接続ケーブル4の一端部が
連結されている。この接続ケーブル4の他端部はコネク
タ部5に連結されている。
【0015】また、図2(A)に示すように挿入部2に
は例えば金属パイプによって形成された細長い硬性の挿
入パイプ6が設けられている。この挿入パイプ6の先端
部には複数、例えば本実施の形態では図3(A)に示す
ように3つの超音波発振部7が設けられている。各超音
波発振部7には超音波振動子ハウジング8とこのハウジ
ング8に収納された超音波振動子9とが設けられてい
る。
【0016】また、各超音波振動子ハウジング8の基端
部は図3(B)に示すようにヒンジ10を介して挿入パ
イプ6の先端部外周面に開閉可能に連結されている。さ
らに、ハウジング7の外表面側には図3(B),図3
(C)に示すように開操作ワイヤ11の先端部が、また
ハウジング7の内表面側には閉操作ワイヤ12の先端部
がそれぞれ接着剤等により機械的に固定されている。
【0017】ここで、開操作ワイヤ11および閉操作ワ
イヤ12は挿入パイプ6内に挿通されている。そして、
開操作ワイヤ11の先端部は挿入パイプ6の先端部に形
成されたワイヤ挿通穴13から外部側に延出され、この
延出端部がハウジング7の外表面側に固定されている。
【0018】また、図2(B)に示すように操作部3に
は各超音波振動子ハウジング8を開閉操作する操作ノブ
(開閉操作手段)14が設けられている。この操作ノブ
14の内部には支軸15を中心に回転自在に軸支された
ドラム部16が設けられている。このドラム部16には
図4(A),(B)に示すように開操作ワイヤ11との
接続点17および閉操作ワイヤ12との接続点18がそ
れぞれ設けられている。
【0019】そして、操作ノブ14の回転操作にともな
い閉操作ワイヤ12が引張り操作された場合には図3
(A),(B)に示すように3つの超音波振動子ハウジ
ング8が閉操作されるようになっている。このように3
つの超音波振動子ハウジング8が閉じた閉塞状態では3
つの超音波発振部7は挿入部2の挿入パイプ6の外径寸
法と同径程度の外径寸法に収束されるようになってい
る。
【0020】また、操作ノブ14の回転操作にともない
開操作ワイヤ11が引張り操作された場合には図5
(A),(B)に示すように3つの超音波振動子ハウジ
ング8が開操作されるようになっている。このように3
つの超音波振動子ハウジング8が開いた拡開状態では3
つの超音波発振部7はそれぞれプローブ1の挿入部2の
軸心方向に対して外側に略90度程度、花びらの如く拡
開されるようになっている。
【0021】また、超音波振動子9は圧電素子19の両
面に電極20および21が配設されて形成されている。
さらに、各超音波振動子ハウジング8内に収納された超
音波振動子9の外面には音響レンズ(超音波集束手段)
22が配設されている。この音響レンズ22の焦点fは
図5(B)に示すように3つの超音波発振部7が外側に
90度拡開された際に、プローブ1の挿入部2の軸心上
に所定の焦点距離Lで位置するように予め設定されてい
る。
【0022】また、挿入パイプ6内には超音波振動子9
用の同軸ケーブル23が挿通されている。この同軸ケー
ブル23の先端部では図3(C)に示すようにその芯線
24が超音波振動子9の一方の電極20に接続され、そ
のブレード線25が超音波振動子9の他方の電極21に
接続されている。さらに、同軸ケーブル23の基端部は
図1に示したコネクタ部5に接続されている。
【0023】また、挿入部2の挿入パイプ6の先端開口
面には、超音波断層像を撮影するためのフェーズドアレ
ー型振動子26が設けられる。このフェーズドアレー型
振動子26には超音波ケーブル群27の先端部が接続さ
れている。この超音波ケーブル群27の基端部は図1に
示したコネクタ部5に接続されている。
【0024】また、超音波プローブ1のコネクタ部5は
図1に示す超音波処理装置28に接続されている。この
超音波処理装置28には制御部29が内蔵されている。
この制御部29には超音波治療用の超音波振動子9の駆
動用の第1の駆動部30と、観察用のフェーズドアレー
型振動子26の駆動用の第2の駆動部31と、DSC3
2と、超音波処理装置28の外部のキーボード33とが
それぞれ接続されている。
【0025】さらに、第1の駆動部30は第1の信号線
接続部34に接続されている。そして、この第1の信号
線接続部34は、コネクタ部5を介して同軸ケーブル2
3に接続されて超音波振動子9に駆動信号を供給する。
【0026】また、第2の駆動部31には遅延回路35
が接続されている。さらに、遅延回路35には受信回路
36およびコネクタ部5との第2の信号線接続部37が
接続されている。そして、この第2の信号線接続部37
は、コネクタ部5を介して超音波ケーブル群27に接続
され、フェーズドアレー型振動子26に駆動信号を供給
する。
【0027】また、受信回路36はDSC32に接続さ
れている。このDSC32には超音波処理装置28の外
部のモニタ38が接続されている。そして、フェーズド
アレー型振動子26によって検出された超音波断層像が
このモニタ38に表示されるようになっている。
【0028】次に、上記構成の本実施の形態の超音波治
療用の超音波プローブ1を使用して患者の体腔内に存在
する病変部39を超音波治療で焼灼する実際の使用方法
について説明する。図6は本実施の形態の超音波プロー
ブ1を患者の体腔内の病変部39の超音波治療に適用し
ている様子を模式的に示したものである。そして、超音
波プローブ1を用いた病変部39の焼灼の手順は次の通
りである。
【0029】本実施の形態の超音波プローブ1の使用時
には予め患者の体内の病変部39の近傍と対応する部位
の体腔壁40にメス等によって2箇所に穴を開け、それ
ぞれトラカール41、42を挿入する。
【0030】続いて、トラカール41、42を通して体
腔を広げるためのガスを注入する。この状態で、一方の
トラカール41内に硬性鏡43を挿入する。そして、病
変部39が存在する臓器44を硬性鏡43にて観察し、
その位置を確認する。
【0031】次に、図4(A)に示すように3つの超音
波発振部7を閉じた状態で、他方のトラカール42内に
超音波プローブ1の挿入部2を挿入する。そして、挿入
部2の先端部が体腔壁40と体腔内の臓器44との間の
空間内に挿入された状態で、図4(A)の矢印に示すよ
うに操作ノブ14を手元側の方向に向けて回動操作して
開操作ワイヤ11を引っ張ることにより、3つの超音波
発振部7を拡開操作する。続いて、開いた3つの超音波
発振部7を臓器44に押し当てた状態にセットする。
【0032】この状態で、フェーズドアレー型振動子2
6を用いて、超音波画像下で臓器44内の病変部39を
観察する。このときモニタ38に表示される超音波断層
像の撮影の原理を次に説明する。
【0033】まず、超音波処理装置28のキーボード3
3から観察用の超音波走査を開始するコマンドを入力す
ると、制御部29から出力される制御信号が第2の駆動
部31および遅延回路35を介してフェーズドアレー型
振動子26に供給される。このとき、制御部29より、
第2の駆動部31に焦点位置等の情報を含んだ信号が送
られる。さらに、第2の駆動部31ではフェーズドアレ
ー型振動子26の各素子を駆動するための電気信号を増
幅して遅延回路35に出力する。また、遅延回路35で
は、焦点位置等によってフェーズドアレー型振動子26
を駆動するタイミングを制御する。
【0034】そして、このときフェーズドアレー型振動
子26に供給される制御信号によってフェーズドアレー
型振動子26の動作が制御され、超音波画像信号として
フェーズドアレー型振動子26からエコービームを発生
する。なお、図6中で、参照符号SCはこのときフェー
ズドアレー型振動子26から出力されるエコービームの
照射範囲を示すものである。
【0035】このとき、臓器44内の病変部39にて反
射されたエコーはフェーズドアレー型振動子26に入射
されて電気信号に変換された後、遅延回路35を経由し
て受信回路36に入力される。この入力信号は受信回路
36で増幅された後、ビデオ信号としてDSC32に送
信され、モニタ38に超音波の断層像45が出力され
る。
【0036】また、キーボード33から制御部29に超
音波治療用のコマンドが入力されると、この制御部29
からDSC32に治療用の超音波照射位置を示すカーソ
ル46を表示するビデオ信号が出力され、モニタ38上
にカーソル46が表示される。続いて、モニタ38上の
カーソル46に合わせて超音波プローブ1を位置調整す
ることにより、臓器44内の病変部39の焼灼位置をモ
ニタ38上のカーソル46に合わせてセットする。
【0037】この状態で、キーボード33から治療用の
強力な超音波を照射する治療用超音波の照射用コマンド
を入力すると、制御部29にて照射時間等が決定された
後、第1の駆動部30に制御信号が送られる。この制御
信号は第1の駆動部30で増幅された後、3つの超音波
発振部7の各超音波振動子9に供給される。そして、3
つの超音波発振部7の各超音波振動子9から臓器44内
の病変部39に向けて超音波がそれぞれ照射される。こ
のとき、3つの超音波発振部7の各超音波振動子9から
照射される超音波が臓器44内の病変部39に集中的に
照射されることによって治療用の強力な超音波が発生
し、病変部39が焼灼される。
【0038】また、開いた3つの超音波発振部7を閉じ
る場合には図4(B)の矢印に示すように操作ノブ14
を先端側に向けて回動操作して、閉操作ワイヤ12を引
っ張る。これにより、挿入部2の先端部の3つの超音波
発振部7が図4(A)に示すように閉操作され、3つの
超音波発振部7は挿入部2の挿入パイプ6の外径寸法と
同径程度の外径寸法に収束される。
【0039】そこで、上記構成のものにあっては次の効
果を奏する。すなわち、挿入部2の先端部の3つの超音
波発振部7を図4(A)に示すように閉操作した状態で
トラカール42から超音波プローブ1を体腔内に挿入で
きるため、高出力な超音波を発生させる超音波プローブ
1の挿入部2を患者の腹腔内に低侵襲に挿入させること
ができる。
【0040】さらに、患者の体腔内に存在する病変部3
9を焼灼する超音波治療時には挿入部2の先端部の3つ
の超音波発振部7を図4(B)に示すように開操作した
状態で使用するようにしたので、超音波治療時に使用さ
れる超音波振動子9の表面積を大きくすることができ
る。そのため、超音波治療用の超音波プローブ1に装着
される超音波治療用の3つの超音波発振部7の各超音波
振動子9の表面温度を格別に上昇させることなく高出力
な超音波を病変部39に照射することができるので、病
変部39のみを効果的に焼灼することができる。
【0041】なお、本実施の形態は、超音波内視鏡等に
も適用できることはいうまでもない。この場合には、図
2(A)の挿入部2に内視鏡機能を付加した構成とな
る。また、挿入部2を柔軟な材質とする事により、経口
及び経肛門的な使用にも応用可能である。
【0042】さらに、図2(A)のヒンジ10に角度セ
ンサを付けて、超音波プローブ1の使用中はヒンジ10
の曲がり角度を超音波処理装置28の制御部29に入力
し、その情報から3個の超音波発振部7の焦点位置を計
算して、モニタ38に出力されるカーソル46の位置を
超音波発振部7の折れ曲がり角度に合わせて表示する構
成にしてもよい。この場合には、超音波発振部7の開き
具合によって焼灼する位置を可変にする一方、モニタ3
8を観測しながら焼灼する位置を確認できる。
【0043】さらに、本実施の形態では3つの超音波発
振部7の各超音波振動子9は単板振動子であったが、ア
ニュラアレー型振動子に変更したり、或いはリニア式の
電子走査型振動子に変更するとともに、本実施の形態の
音響レンズ22の形状を、超音波の走査面に垂直な方向
にエコーを絞るものに変更する構成にしてもよい。これ
らの場合には、臓器44の表面からの病変部39の深さ
に応じて超音波の焦点位置を電気的に変更することがで
きる。
【0044】また、本実施の形態では挿入部2の先端部
に3つの超音波発振部7を設けたものを示したが、挿入
部2の先端部に2つの超音波発振部7を設けても良い
し、超音波発振部7を4個以上設けても良い。
【0045】また、図7および図8(A),(B)は本
発明の第2の実施の形態を示すものである。本実施の形
態は次に説明する構成要素以外は第1の実施の形態と同
様であるため、第1の実施の形態と同一部分には同一の
符号を付してその説明を省略する。
【0046】すなわち、本実施の形態では図7に示すよ
うに超音波処理装置28内の第1の駆動部30と第1の
信号線接続部34との間に挿入部2の先端部の3つの超
音波発振部7の各超音波振動子9を交互に駆動する駆動
選択回路51を設けたものでる。この駆動選択回路51
は3つの超音波振動子9のうちの1つは常に病変部39
に超音波を照射する状態で3つの超音波振動子9の駆動
状態を交互に切り換えるものである。
【0047】次に、上記構成の本実施の形態の作用につ
いて説明する。本実施の形態では治療用の強力な超音波
を照射する場合には、キーボード33から治療用の強力
な超音波を照射するコマンドを入力すると、制御部29
にて照射時間等が決定された後、第1の駆動部30に制
御信号が送られる。この制御信号は第1の駆動部30で
増幅された後、駆動選択回路51に入力される。そし
て、この駆動選択回路51から出力される駆動信号によ
って3つの超音波振動子9(図8(A)に示す第1の振
動子9a,第2の振動子9b,第3の振動子9c)が図
8(A)に示すように交互に切り換え駆動される。
【0048】例えば、第1の駆動部30から制御信号が
出力された場合にはまず第1の振動子9aの駆動が開始
され、この第1の振動子9aが適宜の設定時間駆動され
る。この第1の振動子9aが駆動されている間は、残り
の2つの振動子9b,9cは駆動しない状態で保持され
る。
【0049】次に、第1の振動子9aの駆動が停止した
時点で、第2の振動子9bの駆動が開始され、この第2
の振動子9bが同様に適宜の設定時間駆動される。この
第2の振動子9bが駆動されている間は、残りの2つの
振動子9a,9cは駆動しない状態で保持される。
【0050】さらに、第2の振動子9bの駆動が停止し
た時点で、第3の振動子9cの駆動が開始され、この第
3の振動子9cが同様に適宜の設定時間駆動される。こ
の第3の振動子9cが駆動されている間は、残りの2つ
の振動子9a,9bは駆動しない状態で保持される。
【0051】そして、これらの行程を繰り返し、第1の
駆動部30から制御信号がOFFになった時点で駆動中
の振動子9a〜9cのうちのいずれか1つの振動子の駆
動が停止される。
【0052】また、超音波治療中は図8(B)に示すよ
うに3つの超音波発振部7の各超音波振動子9(第1の
振動子9a,第2の振動子9b,第3の振動子9c)の
一回当たりの駆動時間(超音波照射時間)は各超音波振
動子9(第1の振動子9a,第2の振動子9b,第3の
振動子9c)の表面温度が設定温度tk よりも低温状態
で保持されるように決定されている。この設定温度tk
は臓器44の表面が焼灼される焼灼温度に設定されてい
る。
【0053】そこで、本実施の形態でも第1の実施の形
態と同様の効果が得られるとともに、これに加えて、本
実施の形態では特に超音波処理装置28内の駆動選択回
路51によって3つの超音波発振部7の各超音波振動子
9を交互に駆動するようにしたので、図8(B)に示す
ように3つの超音波発振部7の各超音波振動子9(第1
の振動子9a,第2の振動子9b,第3の振動子9c)
がそれぞれ連続駆動される場合に比べて各超音波振動子
9の表面の温度上昇を抑えることができる。そのため、
超音波治療中は3つの超音波発振部7の各超音波振動子
9(第1の振動子9a,第2の振動子9b,第3の振動
子9c)の表面温度によって臓器44の表面が高温度に
加熱されることを防止することができる。
【0054】さらに、超音波治療中は3つの超音波発振
部7の各超音波振動子9(第1の振動子9a,第2の振
動子9b,第3の振動子9c)のうちの1つは常に病変
部39に治療用の超音波を照射する状態で保持されるた
め、病変部39の温度を下げること無く、治療用の超音
波を連続照射することができる。
【0055】また、図9および図10は本発明の第3の
実施の形態を示すものである。本実施の形態は次に説明
する構成要素以外は第1の実施の形態と同様であるた
め、第1の実施の形態と同一部分には同一の符号を付し
てその説明を省略する。
【0056】すなわち、本実施の形態では図9に示すよ
うに超音波処理装置28内の超音波治療用の超音波振動
子9の駆動用の第1の駆動部30および観察用のフェー
ズドアレー型振動子26の駆動用の第2の駆動部31
と、制御部29との間に第1,第2の駆動部30,31
の駆動状態を切換える駆動選択回路61を設けたもので
る。
【0057】次に、上記構成の本実施の形態の作用につ
いて説明する。本実施の形態では超音波プローブ1の使
用中、観察用のフェーズドアレー型振動子26による超
音波断層像の撮影の途中で、超音波治療用の超音波振動
子9による超音波治療が同時に行われる場合に駆動選択
回路61によって第1,第2の駆動部30,31の駆動
状態が次のように交互に切換えられる。
【0058】例えば、キーボード33からのコマンド入
力にもとづいて観察用のフェーズドアレー型振動子26
による超音波断層像の撮影が図10の(a)に示す開始
時間T0 から終了時間T1 まで行われている途中で、超
音波治療用の超音波振動子9による超音波治療が図10
の(b)に示す開始時間T2 から終了時間T3 まで同時
に行われる場合には各々のエコー信号は制御部29から
駆動選択回路61に送られる。このとき、駆動選択回路
61では、図10の(c)に示したタイミングで第2の
駆動部31を駆動し、超音波画像信号を送り、図10の
(d)に示したタイミングで第1の駆動部30を駆動
し、治療用の超音波駆動信号を送る。
【0059】すなわち、観察用のフェーズドアレー型振
動子26による超音波断層像の撮影と、超音波治療用の
超音波振動子9からの強力な超音波の照射による超音波
治療とを同時に行っている場合には、断層像撮影用のエ
コーが送信されている間は超音波振動子9からの強力超
音波のエコー送信が中止される一方、超音波振動子9か
らの強力超音波のエコーが送信されている間は観察用の
フェーズドアレー型振動子26による断層像撮影用のエ
コー送信が中止される。
【0060】そこで、本実施の形態でも第1の実施の形
態と同様の効果が得られるとともに、これに加えて、本
実施の形態では特に超音波処理装置28内の駆動選択回
路61によって超音波治療用の超音波振動子9の駆動用
の第1の駆動部30と、観察用のフェーズドアレー型振
動子26の駆動用の第2の駆動部31との駆動状態を切
換えるようにしたので、病変部39の焼灼用のビーム
(超音波出力)と、断層像撮影用のビーム(超音波出
力)とが干渉して、モニタ38上に表示される超音波画
像上にノイズが発生することを防ぐことができる。
【0061】また、図11(A),(B)乃至図15は
本発明の第4の実施の形態を示すものである。図11
(A)は本実施の形態における超音波プローブ71のシ
ステム全体の概略構成を示すものである。この超音波プ
ローブ71には患者の体内に挿入される硬性の挿入部7
2と、この挿入部72の基端部に連結された操作部73
とが設けられている。さらに、操作部73には接続ケー
ブル74の一端部が連結されている。この接続ケーブル
74の他端部はコネクタ部75に連結されている。
【0062】また、挿入部72には例えば金属パイプに
よって形成された細長い硬性の挿入パイプ76が設けら
れている。この挿入パイプ76の先端部には図11
(B)に示すように1個の断層像撮影用の超音波発振部
77と、治療用の強力な超音波を出力する2個の治療用
の超音波発振部78とが設けられている。ここで、2個
の治療用の超音波発振部78は超音波発振部77の両側
にそれぞれヒンジ79を介して外側に回動可能に連結さ
れている。
【0063】また、ヒンジ79には図13(A),
(B)に示すように治療用の超音波発振部78に固定さ
れる第1の固定部80と、この第1の固定部80に一体
的に固定されたヒンジ軸81と、断層像撮影用の超音波
発振部77に固定され、ヒンジ軸81に回動自在に連結
された第2の固定部82とが設けられている。
【0064】さらに、2つのヒンジ79の各ヒンジ軸8
1は挿入パイプ76内に配設された操作軸83,84の
各先端部に固定されている。これらの操作軸83,84
の各基端部は操作部73の内部に延出されている。そし
て、操作軸83,84の回転とともに2つのヒンジ79
の各ヒンジ軸81が一緒に回転し、治療用の超音波発振
部78をヒンジ軸81を中心に回動させて超音波発振部
77の両側に開閉させるようになっている。
【0065】また、操作部73の内部には図14に示す
ように治療用の超音波発振部78をヒンジ軸81を中心
に回動させて開閉操作する開閉操作機構85が設けられ
ている。この開閉操作機構85には操作部73の内部に
前後に離間対向配置された一対の軸受け部材86,87
が設けられている。これらの軸受け部材86,87間に
は操作軸83,84の各基端部が回動自在に軸支されて
いるとともに、第1,第2の回転軸88,89が回動自
在に軸支されている。
【0066】また、第1の回転軸88には第1の歯車9
0と、治療用の超音波発振部78の開閉操作用の操作ダ
イヤル(開閉操作手段)91とが固定されている。ここ
で、操作ダイヤル91は第1の歯車90よりも挿入方向
側に配置されている。さらに、図12(B)に示すよう
に操作部73のケーシング92には操作ダイヤル91の
一部を外部に露出させる開口部93が形成されている。
そして、使用者が操作ダイヤル91を回転操作できるよ
うになっている。
【0067】また、一方の操作軸83には第1の歯車9
0に噛合する第2の歯車94が固定されている。さら
に、他方の操作軸84には第3の歯車95が固定されて
いる。また、第2の回転軸89には第1の歯車90の回
転を第3の歯車95に伝達する第4の歯車96が固定さ
れている。なお、第2の歯車94、第3の歯車95およ
び第4の歯車96は同一のピッチに設定されている。そ
して、第1の歯車90の回転はこの第4の歯車96を介
して第3の歯車95に伝達され、第3の歯車95は第2
の歯車94とは逆方向に回転駆動されるようになってい
る。
【0068】次に、操作部73の操作ダイヤル91を回
転操作した際の開閉操作機構85の歯車機構の動作につ
いて説明する。以下の説明中の回転方向は超音波プロー
ブ71を挿入部72の先端側から見たときの方向を示
す。
【0069】まず、治療用の2つの超音波発振部78を
開操作する場合には操作ダイヤル91を反時計回り方向
に回転操作する。この操作ダイヤル91の回転にともな
い第1の歯車90を介して第2の歯車94および第4の
歯車96が時計回り方向に同一ピッチで回転する。この
とき、第4の歯車96の回転に連動して第3の歯車95
は反時計回り方向に第2の歯車94と同一ピッチで回転
する。その結果、図13(A)の矢印の方向に同一速度
で操作軸83,84が回転し、治療用の2つの超音波発
振部78が図13(B)に示すように開操作される。
【0070】また、治療用の2つの超音波発振部78を
閉じる場合は、操作ダイヤル91を時計回り方向に回転
操作する。これにより、この操作ダイヤル91の回転が
2つの超音波発振部78を開く場合と同様の伝達経路を
経て操作軸83,84に伝達される。このとき、操作軸
83,84は2つの超音波発振部78を開く場合と逆方
向に回転し、治療用の2つの超音波発振部78が図13
(A)に示すように閉操作される。
【0071】また、第1の回転軸88の基端部側は軸受
け部材87を貫通して後方に延出され、その軸端にエン
コーダ97が設けられている。このエンコーダ97には
エンコーダケーブル98の一端部が連結されている。こ
のエンコーダケーブル98の他端部は接続ケーブル74
内を通してコネクタ部75に延出されている。
【0072】また、治療用の2つの超音波発振部78に
はリニア走査型超音波振動子99が設けられている。こ
れらのリニア走査型超音波振動子99には挿入パイプ7
6内に配設された超音波ケーブル100の先端部がそれ
ぞれ接続されている。これらの超音波ケーブル100の
基端部は操作部73および接続ケーブル74内を通して
コネクタ部75に延出されている。
【0073】さらに、断層像撮影用の超音波発振部77
には図示しない観察用のリニア走査型振動子が設けられ
ている。このリニア走査型振動子には同様に、挿入パイ
プ76内に配設された図示しない超音波ケーブルの先端
部が接続されている。この超音波ケーブルの基端部は操
作部73および接続ケーブル74内を通してコネクタ部
75に延出されている。
【0074】また、超音波プローブ71のコネクタ部7
5は第1の実施の形態の超音波処理装置28と略同様の
構成の超音波処理装置101に接続されている。なお、
本実施の形態の超音波処理装置101における第1の実
施の形態と同一部分には同一の符号を付してその説明を
省略する。ここで、本実施の形態の超音波処理装置10
1にはコネクタ部5側に接続される第1の信号線接続部
34と第1の駆動部30との間に遅延回路102が介設
されている。
【0075】次に、本実施の形態の超音波プローブ71
を使用して患者の体腔内に存在する病変部39を超音波
治療で焼灼する実際の使用方法について説明する。図1
5は本実施の形態の超音波プローブ71を患者の体腔内
の病変部39の超音波治療に適用している様子を模式的
に示したものである。そして、超音波プローブ71を用
いた病変部39の焼灼の手順は次の通りである。
【0076】本実施の形態の超音波プローブ71の使用
時には予め患者の体内の病変部39の近傍と対応する部
位の体腔壁40にメス等によって2箇所に穴を開け、そ
れぞれトラカール41、42を挿入する。
【0077】続いて、トラカール41、42を通して体
腔を広げるためのガスを注入する。この状態で、一方の
トラカール41内に硬性鏡43を挿入する。そして、病
変部39が存在する臓器44を硬性鏡43にて観察し、
その位置を確認する。
【0078】次に、図13(A)に示すように超音波発
振部77の両側の2つの超音波発振部78を閉じた状態
で、他方のトラカール42内に超音波プローブ71の挿
入部72を挿入する。そして、挿入部72の先端部が体
腔壁40と体腔内の臓器44との間の空間内に挿入され
た状態で、操作部73の操作ダイヤル91を反時計回り
方向に回転操作して超音波発振部77の両側の2つの超
音波発振部78を図13(B)に示すように拡開操作す
る。続いて、超音波発振部77の両側の2つの超音波発
振部78を開いたままの状態で臓器44に押し当てる。
【0079】この状態で、超音波発振部77のリニア走
査型振動子を用いて、超音波画像下で臓器44内の病変
部39を観察する。このとき、超音波処理装置28のキ
ーボード24から観察用の超音波走査を開始するコマン
ドを入力すると、制御部29から出力される制御信号が
第2の駆動部31および遅延回路35を介してリニア走
査型振動子に供給される。このとき、制御部29より、
第2の駆動部31に焦点位置等の情報を含んだ信号が送
られる。さらに、第2の駆動部31ではリニア走査型振
動子を駆動するための電気信号を増幅して遅延回路35
に出力する。また、遅延回路35では、焦点位置等によ
ってリニア走査型振動子を駆動するタイミングを制御す
る。
【0080】そして、このときリニア走査型振動子に供
給される制御信号によってリニア走査型振動子の動作が
制御され、超音波画像信号としてリニア走査型振動子か
らエコービームを発生する。
【0081】このとき、臓器44内の病変部39にて反
射されたエコーはリニア走査型振動子に入射されて電気
信号に変換された後、遅延回路35を経由して受信回路
36に入力される。この入力信号は受信回路36で増幅
された後、ビデオ信号としてDSC32に送信され、モ
ニタ38に超音波の断層像45が出力される。
【0082】また、キーボード33から制御部29に超
音波治療用のコマンドが入力されると、この制御部29
からDSC32に治療用の超音波照射位置を示すカーソ
ル46を表示するビデオ信号が出力され、モニタ38上
にカーソル46が表示される。続いて、モニタ38上の
カーソル46に合わせて超音波プローブ71を位置調整
することにより、臓器44内の病変部39の焼灼位置を
モニタ38上のカーソル46に合わせてセットする。
【0083】この状態で、キーボード33から治療用の
強力な超音波を照射する治療用超音波の照射用コマンド
を入力すると、制御部29にて照射時間等が決定される
と同時に、操作部73の内部のエンコーダ97により、
操作軸83,84の回転角度が検出される。これによ
り、治療用の2つの超音波発振部78の開き角度が算出
されて2つの超音波発振部78から出力される超音波の
焦点位置が決定され、制御部29から第1の駆動部30
に制御信号が送られる。この制御信号は第1の駆動部3
0で増幅された後、遅延回路102を経て2つの超音波
発振部78の各リニア走査型超音波振動子99に供給さ
れる。このとき、制御部29にて決定した焦点位置に超
音波ビームを集束するように各超音波発振部78に送信
する信号に遅延回路102にて遅延を掛けた状態で制御
信号が各リニア走査型超音波振動子99に供給される。
【0084】そして、2つの超音波発振部78の各リニ
ア走査型超音波振動子99から病変部39に向けて治療
用の強力な超音波が照射される。このとき、2つの超音
波発振部78の各超音波振動子99から照射される超音
波が臓器44内の病変部39に集中的に照射されること
によって治療用の強力な超音波が発生し、病変部39が
焼灼される。
【0085】また、超音波発振部77の両側に開いた2
つの超音波発振部78を閉じる場合には操作部73の操
作ダイヤル91を時計回り方向に回転操作して超音波発
振部77の両側の2つの超音波発振部78を図13
(A)に示すように閉操作され、超音波発振部77の両
側の2つの超音波発振部78は挿入部72の挿入パイプ
76の外径寸法と同径程度の外径寸法に収束される。
【0086】そこで、上記構成のものにあっては挿入部
72の先端部の断層像撮影用の超音波発振部77の両側
の治療用の2つの超音波発振部78を図13(A)に示
すように閉操作した状態でトラカール42から超音波プ
ローブ71を体腔内に挿入できるため、高出力な超音波
を発生させる超音波プローブ71の挿入部72を患者の
腹腔内に低侵襲に挿入させることができる。
【0087】さらに、患者の体腔内に存在する病変部3
9を焼灼する超音波治療時には挿入部72の先端部の断
層像撮影用の超音波発振部77の両側の治療用の2つの
超音波発振部78を図13(B)に示すように開操作し
た状態で使用するようにしたので、超音波治療時に使用
される超音波振動子99の表面積を大きくすることがで
きる。そのため、超音波治療用の超音波プローブ71に
装着される超音波治療用の2つの超音波発振部78の各
超音波振動子99の表面温度を格別に上昇させることな
く高出力な超音波を病変部39に照射することができる
ので、第1の実施の形態と同様に病変部39のみを効果
的に焼灼することができる。
【0088】なお、本実施の形態も第1の実施の形態と
同様に、超音波内視鏡等に適用してもよい。また、挿入
部72の先端部側に湾曲機構を設ける構成にしてもよ
い。この場合には、操作軸83,84の途中で湾曲機構
に当たる部分をフレキシブルシャフト等にすることによ
って実現可能である。
【0089】さらに、本実施の形態を第2の実施の形態
(図7および図8(A),(B)参照)あるいは第3の
実施の形態(図9および図10参照)と組み合わせて超
音波治療用の2つの超音波発振部78の表面温度によっ
て臓器44の表面が高温度に加熱されることを防止する
こともできる。
【0090】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々
変形実施できることは勿論である。
【0091】次に、本出願の他の特徴的な技術事項を下
記の通り付記する。
【0092】記 (付記項1) 複数の超音波振動子を有する強力超音波
発生体を挿入部の先端に設け、腹腔鏡下で体内の腫瘍等
の治療部位に向けて強力超音波を集束させて、治療する
術中超音波治療用プローブにおいて、強力超音波振動子
が納められた複数の超音波振動子ハウジングを挿入部と
同程度の外径空間から展開および収納可能な超音波振動
子ハウジングの展開および収納手段を有し、強力超音波
照射時には、複数の超音波振動子ハウジングが病変部に
相対する臓器に対して接触可能なように展開させること
を特徴とする術中超音波治療用プローブ。
【0093】(付記項2) 強力超音波振動子が納めら
れた複数の超音波振動子ハウジングが、プローブの挿入
軸に対して垂直な方向に、展開および収納できる付記項
1の術中超音波治療用プローブ。
【0094】(付記項3) 強力超音波振動子が納めら
れた2つの超音波振動子ハウジングが、1つの断層像観
察用超音波振動子の挿入軸方向の両側面を基準に、展開
および収納可能に設けられたことを特徴とする付記項1
の術中超音波治療用プローブ。
【0095】
【発明の効果】本発明によれば、挿入部の外径寸法と同
径程度の外径寸法に閉塞される閉塞状態と、挿入部の外
径寸法より大径に拡開される拡開状態とに開閉可能な複
数の超音波発振部を設け、各超音波発振部にそれぞれ超
音波振動子を収納させるとともに、各超音波発振部を閉
塞状態と拡開状態との間で開閉操作する開閉操作手段を
設け、かつ各超音波発振部の拡開状態で各超音波発振部
の超音波振動子から照射された超音波を治療部位に向け
て集束させて前記治療部位を治療する超音波集束手段を
設けたので、超音波治療用の複数の超音波振動子からの
強力な超音波出力によって効果的に超音波治療すること
ができ、かつ挿入部を患者の腹腔内に低侵襲に挿入する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態における超音波プ
ローブのシステム全体の概略構成図。
【図2】 (A)は第1の実施の形態における超音波プ
ローブの挿入部の先端部を示す側面図、(B)は同超音
波プローブの操作部を示す側面図。
【図3】 (A)は第1の実施の形態における超音波プ
ローブの先端部の正面図、(B)は同縦断面図、(C)
は同実施の形態の超音波プローブの超音波振動子ハウジ
ングの連結部を示す要部の縦断面図。
【図4】 (A)は第1の実施の形態における超音波プ
ローブの超音波振動子ハウジングを閉塞状態で保持させ
た状態を示す側面図、(B)は同実施の形態の超音波プ
ローブの超音波振動子ハウジングを拡開した状態を示す
側面図。
【図5】 (A)は第1の実施の形態における超音波プ
ローブの超音波振動子ハウジングを拡開した状態を示す
正面図、(B)は同縦断面図。
【図6】 第1の実施の形態における超音波プローブの
使用状態を示す斜視図。
【図7】 本発明の第2の実施の形態における超音波プ
ローブのシステム全体の概略構成図。
【図8】 (A)は3つの第2の実施の形態の超音波振
動子の駆動状態と治療用の超音波出力とを示す特性図、
(B)は同実施の形態の3つの超音波振動子の表面温度
状態と1つの超音波振動子を連続駆動した場合の表面温
度状態とを示す特性図。
【図9】 本発明の第3の実施の形態の超音波プローブ
のシステム全体の概略構成図。
【図10】 第3の実施の形態の超音波プローブの使用
中の観察用の超音波振動子および超音波治療用の超音波
振動子の動作状態を説明するための説明図。
【図11】 (A)は本発明の第4の実施の形態の超音
波プローブのシステム全体の概略構成図、(B)は超音
波プローブの使用状態を示す要部の縦断面図。
【図12】 (A)は第4の実施の形態における超音波
プローブの挿入部の先端部を示す側面図、(B)は同超
音波プローブの操作部を示す側面図。
【図13】 (A)は第4の実施の形態における超音波
プローブの超音波発振部を閉塞状態で保持させた状態を
示す斜視図、(B)は同実施の形態の超音波プローブの
超音波発振部を拡開した状態を示す斜視図。
【図14】 第4の実施の形態の超音波プローブの操作
部の内部構成を示す斜視図。
【図15】 第4の実施の形態の超音波プローブの使用
状態を示す斜視図。
【符号の説明】
2,72 挿入部 7,78 超音波発振部 9,99 超音波振動子 14 操作ノブ(開閉操作手段) 22 音響レンズ(超音波集束手段) 91 操作ダイヤル(開閉操作手段)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 体内に挿入される挿入部に超音波振動子
    が配設され、この超音波振動子からの超音波照射によっ
    て治療部位を治療する超音波プローブにおいて、前記挿
    入部の外径寸法と同径程度の外径寸法に閉塞される閉塞
    状態と、前記挿入部の外径寸法より大径に拡開される拡
    開状態とに開閉可能な複数の超音波発振部を設け、前記
    各超音波発振部にそれぞれ前記超音波振動子を収納させ
    るとともに、前記各超音波発振部を前記閉塞状態と前記
    拡開状態との間で開閉操作する開閉操作手段を設け、か
    つ前記各超音波発振部の拡開状態で前記各超音波発振部
    の超音波振動子から照射された超音波を治療部位に向け
    て集束させて前記治療部位を治療する超音波集束手段を
    設けたことを特徴とする超音波プローブ。
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