JPH09225019A - 生体組織接着剤 - Google Patents
生体組織接着剤Info
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- JPH09225019A JPH09225019A JP8036045A JP3604596A JPH09225019A JP H09225019 A JPH09225019 A JP H09225019A JP 8036045 A JP8036045 A JP 8036045A JP 3604596 A JP3604596 A JP 3604596A JP H09225019 A JPH09225019 A JP H09225019A
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- polypeptide
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- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】構造が単純な容易に製造の出来る接着性ポリペ
プチドを使用し、高含水状態の部位での利用を可能にす
る生体組織接着剤を提供する事。 【解決手段】リジン残基、チロシン残基及び/又はドー
パ残基、前記のアミノ酸残基以外のアミノ酸残基からな
る接着性ポリペプチドと、天然及び/又は非天然の水溶
性高分子から構成され、溶液粘度が37℃で100〜3
0000センチポイズに調整された生体組織接着剤。該
接着性ポリペプチドはアミノ酸残基2〜5個の繰り返し
単位を10〜100回繰り返したものであり、リジン残
基が20〜50mol%、チロシン残基及び/又はドー
パ残基が20〜50mol%、前記のアミノ酸残基以外
のアミノ酸残基が60〜0mol%である。
プチドを使用し、高含水状態の部位での利用を可能にす
る生体組織接着剤を提供する事。 【解決手段】リジン残基、チロシン残基及び/又はドー
パ残基、前記のアミノ酸残基以外のアミノ酸残基からな
る接着性ポリペプチドと、天然及び/又は非天然の水溶
性高分子から構成され、溶液粘度が37℃で100〜3
0000センチポイズに調整された生体組織接着剤。該
接着性ポリペプチドはアミノ酸残基2〜5個の繰り返し
単位を10〜100回繰り返したものであり、リジン残
基が20〜50mol%、チロシン残基及び/又はドー
パ残基が20〜50mol%、前記のアミノ酸残基以外
のアミノ酸残基が60〜0mol%である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は生体適合性に優れた
接着性ポリペプチドと天然又は非天然水溶性高分子から
なる生体組織接着剤に関する。
接着性ポリペプチドと天然又は非天然水溶性高分子から
なる生体組織接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】医療用に用いられている接着剤には生分
解性のフィブリン糊、及びシアノアクリレート系接着剤
がある。フィブリン糊はその組織治癒を妨害しない事か
ら外科手術等多くの分野で使用されている。しかしなが
ら、フィブリン糊の問題点としては接着強度が低いた
め、適用範囲が限定されており、又、安全性は高いが人
由来フィブリンを使用しているため未知感染症の危険を
常に含んでいる。又、牛由来のトロンビンを使用してい
るため、抗原抗体反応を引き起こす事もある。シアノア
クリレート系接着剤については接着強度は高いものの、
組織適合性が極めて悪く、炎症性細胞が顕著に現れる事
が知られている。又、このポリマーは生体内で分解し、
毒性の強いホルマリンが発生するため、極めて限定され
た用途にしか使用できないのが現状である。
解性のフィブリン糊、及びシアノアクリレート系接着剤
がある。フィブリン糊はその組織治癒を妨害しない事か
ら外科手術等多くの分野で使用されている。しかしなが
ら、フィブリン糊の問題点としては接着強度が低いた
め、適用範囲が限定されており、又、安全性は高いが人
由来フィブリンを使用しているため未知感染症の危険を
常に含んでいる。又、牛由来のトロンビンを使用してい
るため、抗原抗体反応を引き起こす事もある。シアノア
クリレート系接着剤については接着強度は高いものの、
組織適合性が極めて悪く、炎症性細胞が顕著に現れる事
が知られている。又、このポリマーは生体内で分解し、
毒性の強いホルマリンが発生するため、極めて限定され
た用途にしか使用できないのが現状である。
【0003】上記のような感染の危険を回避し良好な組
織適合性を得るため、水棲動物が出す接着性蛋白を生体
接着剤として医療用途に使用しようとする試みがある。
特開昭61−85400には約20〜約40%のプロリ
ン残基と約10〜40%のリジン残基と約10〜40%
のチロシン残基を主成分とした約100から155のア
ミノ酸配列からなる生物接着剤に変換しうるタンパク質
が開示されている。この技術は基本的には組み替えDN
Aを用い大腸菌にムラサキイガイ由来の接着性タンパク
質前駆体であるポリデカペプチドを産生させようとする
ものである。又、特開平3−294292にはムラサキ
イガイのフェノール腺から得られる-Ala-Gly-(Tyr又はD
opa)-Gly-Gly-(Val-又はLeu又はIle)-(Lys又はHO-Lys)-
で示される1つの繰り返し単位がヘプタペプチドでこの
単位の繰り返し数が1〜1000である接着性ポリペプ
チド及びイガイからの抽出方法が開示されており、歯科
医療用途への利用についても開示されている。
織適合性を得るため、水棲動物が出す接着性蛋白を生体
接着剤として医療用途に使用しようとする試みがある。
特開昭61−85400には約20〜約40%のプロリ
ン残基と約10〜40%のリジン残基と約10〜40%
のチロシン残基を主成分とした約100から155のア
ミノ酸配列からなる生物接着剤に変換しうるタンパク質
が開示されている。この技術は基本的には組み替えDN
Aを用い大腸菌にムラサキイガイ由来の接着性タンパク
質前駆体であるポリデカペプチドを産生させようとする
ものである。又、特開平3−294292にはムラサキ
イガイのフェノール腺から得られる-Ala-Gly-(Tyr又はD
opa)-Gly-Gly-(Val-又はLeu又はIle)-(Lys又はHO-Lys)-
で示される1つの繰り返し単位がヘプタペプチドでこの
単位の繰り返し数が1〜1000である接着性ポリペプ
チド及びイガイからの抽出方法が開示されており、歯科
医療用途への利用についても開示されている。
【0004】これらの医歯科用途に使用可能な水棲動物
由来のペプチドは、10前後のアミノ酸残基を1つの繰
り返し単位とし、これが数回から数10回ほど繰り返し
た構造を有している事から、化学合成は困難を極め、従
って前記公知例は遺伝子操作による生合成を、或いは生
体からの抽出法を採用しており、いずれの方法によって
も、現状の技術に於いては極めて高価なものとなる事は
避けられず、汎用用途への展開は困難な状況にあった。
更にこれらのポリペプチドは分子量が比較的小さいた
め、水溶液としたときに粘度が極めて低く、医療用接着
剤として用いた場合、適用部位が生体組織であり高含水
状態(出血部位、体液滲出部位等)に有る事から、実際
に使用すると硬化接着する前に拡散流失してしまうとい
う問題があり実用的ではなかった。
由来のペプチドは、10前後のアミノ酸残基を1つの繰
り返し単位とし、これが数回から数10回ほど繰り返し
た構造を有している事から、化学合成は困難を極め、従
って前記公知例は遺伝子操作による生合成を、或いは生
体からの抽出法を採用しており、いずれの方法によって
も、現状の技術に於いては極めて高価なものとなる事は
避けられず、汎用用途への展開は困難な状況にあった。
更にこれらのポリペプチドは分子量が比較的小さいた
め、水溶液としたときに粘度が極めて低く、医療用接着
剤として用いた場合、適用部位が生体組織であり高含水
状態(出血部位、体液滲出部位等)に有る事から、実際
に使用すると硬化接着する前に拡散流失してしまうとい
う問題があり実用的ではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような現状を鑑
み、本発明は容易に製造の出来る接着性ポリペプチドを
使用し高含水状態の部位での利用を可能にする生体組織
接着剤を提供する事にある。
み、本発明は容易に製造の出来る接着性ポリペプチドを
使用し高含水状態の部位での利用を可能にする生体組織
接着剤を提供する事にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】水棲生物由来のペプチド
接着剤の化学構造は10前後のアミノ酸残基が1つの繰
り返し単位とし、これが更に数個から数10回繰り返し
たペプチドである。例えばムラサキイガイの接着性ペプ
チドの化学構造は−(Ala-Lys-Pro-Ser-Tyr-Hyp-Hyp-Th
r-Dopa-Lys)−からなるデカペプチドが80回繰り返し
たものである。又、カルフォルニアイガイでは−(Ile-T
hr-Tyr-Hyp-Hyp-Thr-Dopa-Lys-hyp-Lys)−からなるデカ
ペプチドの繰り返し構造を有している。更に、イシサン
ゴ類では−(Val-Gly-Gly-Dopa-Gly-Dopa-Gly-Ala-Lys)
−からなるノナペプチドの繰り返し構造を有している。
このように水棲動物の接着性ペプチドは動物間によって
その化学構造が大きく異なっており、接着性発現にはシ
ークエンスにかなりの自由度がある。しかしこれらの構
造を比較するとキーとなるアミノ酸が認められる。即
ち、Lys、Dopa、Tyr等が接着性発現には必須と考えられ
る。本発明者らはこの化学構造における非特異性と、接
着性発現アミノ酸の存在とを考慮し、最も単純化した化
学構造とする事で本発明を構成する接着性ポリペプチド
に至った。更に該接着性ポリペプチド単独では水溶液と
したときに粘性が極めて低く、上述の如く高含水の部位
への適用は不可能である事から、天然又は非天然の水溶
性高分子との混合溶液とする事で接着性能を妨げる事な
く溶液粘度を充分に上げる事で本発明に至った。即ち (1)リジン残基20〜50mol%、チロシン残基及
び/又はドーパ残基20〜50mol%、前記のアミノ
酸残基以外のアミノ酸残基 60〜0mol%からなる
接着性ポリペプチドと、天然及び/又は非天然の水溶性
高分子からなる生体組織接着剤。
接着剤の化学構造は10前後のアミノ酸残基が1つの繰
り返し単位とし、これが更に数個から数10回繰り返し
たペプチドである。例えばムラサキイガイの接着性ペプ
チドの化学構造は−(Ala-Lys-Pro-Ser-Tyr-Hyp-Hyp-Th
r-Dopa-Lys)−からなるデカペプチドが80回繰り返し
たものである。又、カルフォルニアイガイでは−(Ile-T
hr-Tyr-Hyp-Hyp-Thr-Dopa-Lys-hyp-Lys)−からなるデカ
ペプチドの繰り返し構造を有している。更に、イシサン
ゴ類では−(Val-Gly-Gly-Dopa-Gly-Dopa-Gly-Ala-Lys)
−からなるノナペプチドの繰り返し構造を有している。
このように水棲動物の接着性ペプチドは動物間によって
その化学構造が大きく異なっており、接着性発現にはシ
ークエンスにかなりの自由度がある。しかしこれらの構
造を比較するとキーとなるアミノ酸が認められる。即
ち、Lys、Dopa、Tyr等が接着性発現には必須と考えられ
る。本発明者らはこの化学構造における非特異性と、接
着性発現アミノ酸の存在とを考慮し、最も単純化した化
学構造とする事で本発明を構成する接着性ポリペプチド
に至った。更に該接着性ポリペプチド単独では水溶液と
したときに粘性が極めて低く、上述の如く高含水の部位
への適用は不可能である事から、天然又は非天然の水溶
性高分子との混合溶液とする事で接着性能を妨げる事な
く溶液粘度を充分に上げる事で本発明に至った。即ち (1)リジン残基20〜50mol%、チロシン残基及
び/又はドーパ残基20〜50mol%、前記のアミノ
酸残基以外のアミノ酸残基 60〜0mol%からなる
接着性ポリペプチドと、天然及び/又は非天然の水溶性
高分子からなる生体組織接着剤。
【0007】(2)溶液粘度が37℃で100〜300
00センチポイズに調整され、前記接着性ポリペプチド
と前記水溶性高分子の組成比が1:0.5以上である
(1)に記載の生体組織接着剤。
00センチポイズに調整され、前記接着性ポリペプチド
と前記水溶性高分子の組成比が1:0.5以上である
(1)に記載の生体組織接着剤。
【0008】(3)前記接着性ポリペプチドが、リジン
残基、チロシン残基及び/又はドーパ残基、前記のアミ
ノ酸残基以外のアミノ酸残基2〜5個の繰り返し単位を
10〜100回繰り返した(1)及び(2)に記載の生
体組織接着剤。
残基、チロシン残基及び/又はドーパ残基、前記のアミ
ノ酸残基以外のアミノ酸残基2〜5個の繰り返し単位を
10〜100回繰り返した(1)及び(2)に記載の生
体組織接着剤。
【0009】(4)前記天然及び/又は非天然の水溶性
高分子がゼラチン、コラーゲン、エラスチン等の蛋白
質、アルギン酸、キトサン、ヒアルロン酸、コンドロイ
チン硫酸、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルセルロース等の多糖類、ポリ
ビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリビニ
ルピロリドン、ポリビニルアクリルアミド、ポリビニル
アセトアミド、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸等の
合成高分子である(1)乃至(3)に記載の生体組織接
着剤。
高分子がゼラチン、コラーゲン、エラスチン等の蛋白
質、アルギン酸、キトサン、ヒアルロン酸、コンドロイ
チン硫酸、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルセルロース等の多糖類、ポリ
ビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリビニ
ルピロリドン、ポリビニルアクリルアミド、ポリビニル
アセトアミド、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸等の
合成高分子である(1)乃至(3)に記載の生体組織接
着剤。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、発明の実施の形態を説明
する。
する。
【0011】本発明の構成成分である接着性ポリペプチ
ドは繰り返し単位を構成するアミノ酸数が2〜3個で済
む事から、化学合成法によって容易に大量に合成する事
が出来る。この時固相法でも液相法でも可能であるが大
量合成の観点からは液相法が好適である。又、構成アミ
ノ酸数が少ない事から遺伝子操作を用い大腸菌等の微生
物に産生させる事も比較的容易である。
ドは繰り返し単位を構成するアミノ酸数が2〜3個で済
む事から、化学合成法によって容易に大量に合成する事
が出来る。この時固相法でも液相法でも可能であるが大
量合成の観点からは液相法が好適である。又、構成アミ
ノ酸数が少ない事から遺伝子操作を用い大腸菌等の微生
物に産生させる事も比較的容易である。
【0012】本発明に使用する接着性ポリペプチドは、
リジン残基が20〜50mol%、チロシン及び/又は
ドーパが20〜50mol%、前記のアミノ酸以外のア
ミノ酸が60〜0mol%であることが望ましい。リジ
ン残基、チロシン及び/又はドーパが20mol%以下
であると、接着強度が低下し、接着速度に要する時間も
長くなり好ましくない。又、50mol%以上である
と、やはり機械的強度が低くなり、この場合も好ましく
ない。前記のアミノ酸以外のアミノ酸としては、グリシ
ン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシンなどが
挙げられるが、これらのアミノ酸から複数種のアミノ酸
を使用する事は何らかまわない。フェノール性水酸基を
有するチロシン及び/又はドーパの導入に当たっては合
成のし易さ、ポリペプチドの保存安定性からチロシンが
望ましい。
リジン残基が20〜50mol%、チロシン及び/又は
ドーパが20〜50mol%、前記のアミノ酸以外のア
ミノ酸が60〜0mol%であることが望ましい。リジ
ン残基、チロシン及び/又はドーパが20mol%以下
であると、接着強度が低下し、接着速度に要する時間も
長くなり好ましくない。又、50mol%以上である
と、やはり機械的強度が低くなり、この場合も好ましく
ない。前記のアミノ酸以外のアミノ酸としては、グリシ
ン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシンなどが
挙げられるが、これらのアミノ酸から複数種のアミノ酸
を使用する事は何らかまわない。フェノール性水酸基を
有するチロシン及び/又はドーパの導入に当たっては合
成のし易さ、ポリペプチドの保存安定性からチロシンが
望ましい。
【0013】前記ポリペプチドは、リジン、チロシン及
び/又はドーパ、前記のアミノ酸以外のアミノ酸からな
る2〜5残基シークエンスを1つの繰り返し単位とし、
該繰り返し単位が10〜100回、より好ましくは15
から70回繰り返している事が望ましい。繰り返し単位
中のアミノ酸残基数が6以上になると化学合成上極めて
操作が煩雑になり実用的でなくなる。又、繰り返し単位
数が10以下では接着強度が発現しにくく、又、100
以上では化学合成において困難となる。
び/又はドーパ、前記のアミノ酸以外のアミノ酸からな
る2〜5残基シークエンスを1つの繰り返し単位とし、
該繰り返し単位が10〜100回、より好ましくは15
から70回繰り返している事が望ましい。繰り返し単位
中のアミノ酸残基数が6以上になると化学合成上極めて
操作が煩雑になり実用的でなくなる。又、繰り返し単位
数が10以下では接着強度が発現しにくく、又、100
以上では化学合成において困難となる。
【0014】本発明の生体組織接着剤に接着性を発現さ
せるに当たって、チロシン等フェノール性残基を構成単
位として有するペプチドを使用した場合にはフェノール
性水酸基を酸化、キノン化する酸化触媒を添加する事が
必要である。これには通常チロシナーゼのような酸化酵
素を用いる。この場合、その適用量としては該接着性ポ
リペプチド1mgに対し0.017〜680ユニット、
より好ましくは0.034〜340ユニットの範囲で使
用する事が望まれる。更に、化学的に酸化する事も可能
である。具体的には過酸化水素、過硫酸塩、過塩素酸化
合物、有機過酸化物等の過酸化物質を用いる事により目
的が達成できる。これらの酸化触媒は使用直前までは該
接着性ポリペプチドとは別途保存され、使用時に混合さ
れる。
せるに当たって、チロシン等フェノール性残基を構成単
位として有するペプチドを使用した場合にはフェノール
性水酸基を酸化、キノン化する酸化触媒を添加する事が
必要である。これには通常チロシナーゼのような酸化酵
素を用いる。この場合、その適用量としては該接着性ポ
リペプチド1mgに対し0.017〜680ユニット、
より好ましくは0.034〜340ユニットの範囲で使
用する事が望まれる。更に、化学的に酸化する事も可能
である。具体的には過酸化水素、過硫酸塩、過塩素酸化
合物、有機過酸化物等の過酸化物質を用いる事により目
的が達成できる。これらの酸化触媒は使用直前までは該
接着性ポリペプチドとは別途保存され、使用時に混合さ
れる。
【0015】前記ポリペプチド単独では水溶液としたと
きに分子量が小さい事から高粘性を発現できず、医療用
の接着剤とするときには天然及び/又は非天然の水溶性
高分子の添加による増粘が必須である。本発明において
使用できる天然及び/又は非天然の水溶性高分子として
は、ゼラチン、コラーゲン、エラスチン等の蛋白質、ア
ルギン酸、キトサン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫
酸、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース等の多糖類、ポリビニル
アルコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロ
リドン、ポリビニルアクリルアミド、ポリビニルアセト
アミド、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸等の合成高
分子が挙げられる。中でも生分解性であり、抗原性の低
いゼラチン、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸、
コンドロイチン硫酸等が望ましい。
きに分子量が小さい事から高粘性を発現できず、医療用
の接着剤とするときには天然及び/又は非天然の水溶性
高分子の添加による増粘が必須である。本発明において
使用できる天然及び/又は非天然の水溶性高分子として
は、ゼラチン、コラーゲン、エラスチン等の蛋白質、ア
ルギン酸、キトサン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫
酸、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース等の多糖類、ポリビニル
アルコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロ
リドン、ポリビニルアクリルアミド、ポリビニルアセト
アミド、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸等の合成高
分子が挙げられる。中でも生分解性であり、抗原性の低
いゼラチン、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸、
コンドロイチン硫酸等が望ましい。
【0016】本発明における接着性ポリペプチド及び水
溶性高分子は、水溶液混合物として実際に使用される
が、そのトータル濃度としては5から50wt%が望ま
しいが、該水溶液混合物の粘度で最適濃度に決定され
る。即ち本発明においては37℃での回転粘度計を用い
た溶液粘度で100センチポイズから50000センチ
ポイズ、より好ましくは300から10000センチポ
イズに有る事が高含水の組織に適用するには好適であ
る。50000センチポイズ以上では粘度が高すぎ操作
性が悪く、又、100センチポイズ以下では粘度が低く
目的部位での使用に耐えない。該水溶性高分子の添加量
は、目的とする粘度及び使用する水溶性高分子の種類に
よって適宜選択されるが、0.01から20wt%、よ
り好ましくは0.05から10wt%である。尚、本発
明において接着性ポリペプチドと水溶性高分子の組成比
は1:5から1:0.01の範囲に有る事が望ましい。
水溶性高分子が多くなると接着性が低下し、望ましくな
い。
溶性高分子は、水溶液混合物として実際に使用される
が、そのトータル濃度としては5から50wt%が望ま
しいが、該水溶液混合物の粘度で最適濃度に決定され
る。即ち本発明においては37℃での回転粘度計を用い
た溶液粘度で100センチポイズから50000センチ
ポイズ、より好ましくは300から10000センチポ
イズに有る事が高含水の組織に適用するには好適であ
る。50000センチポイズ以上では粘度が高すぎ操作
性が悪く、又、100センチポイズ以下では粘度が低く
目的部位での使用に耐えない。該水溶性高分子の添加量
は、目的とする粘度及び使用する水溶性高分子の種類に
よって適宜選択されるが、0.01から20wt%、よ
り好ましくは0.05から10wt%である。尚、本発
明において接着性ポリペプチドと水溶性高分子の組成比
は1:5から1:0.01の範囲に有る事が望ましい。
水溶性高分子が多くなると接着性が低下し、望ましくな
い。
【0017】本発明の生体組織接着剤の使用方法として
は、固体(粉末)混合物の状態で保存し、使用直前に水
及び必要によっては硬化触媒とを添加混合し水溶液とし
て用いる方法、予め接着性ポリペプチドと水溶性高分子
の混合溶液とを調整しておき必要によっては硬化触媒を
添加混合する方法が挙げられるが、これに限定されるも
のではない。必要によっては粉末のまま、硬化触媒と共
に適用部位に振りかけ用いる事もできる。又、本発明に
おいては接着性ポリペプチドと水溶性高分子とを混合す
る事で増粘させ目的とする粘度を獲得したが、該水溶性
高分子に共有結合的に該接着性ポリペプチドを固定して
もかまわない。即ちこれらの水溶性高分子は水酸基やカ
ルボキシル基等の反応性基を有しており、該接着性ポリ
ペプチドは末端或いは側鎖にアミノ基或いはカルボキシ
ル基を有しているのでこれらを用いる事で容易に固定で
きる。
は、固体(粉末)混合物の状態で保存し、使用直前に水
及び必要によっては硬化触媒とを添加混合し水溶液とし
て用いる方法、予め接着性ポリペプチドと水溶性高分子
の混合溶液とを調整しておき必要によっては硬化触媒を
添加混合する方法が挙げられるが、これに限定されるも
のではない。必要によっては粉末のまま、硬化触媒と共
に適用部位に振りかけ用いる事もできる。又、本発明に
おいては接着性ポリペプチドと水溶性高分子とを混合す
る事で増粘させ目的とする粘度を獲得したが、該水溶性
高分子に共有結合的に該接着性ポリペプチドを固定して
もかまわない。即ちこれらの水溶性高分子は水酸基やカ
ルボキシル基等の反応性基を有しており、該接着性ポリ
ペプチドは末端或いは側鎖にアミノ基或いはカルボキシ
ル基を有しているのでこれらを用いる事で容易に固定で
きる。
【0018】本発明の生体組織接着剤は水存在下で接着
力を発現出来るので生体組織、歯等を対象とした医療用
途への使用が好適である。又、抗原又は抗体の担体への
接着、細胞培養等に使用できる。更に、工業用途に使用
も可能である。
力を発現出来るので生体組織、歯等を対象とした医療用
途への使用が好適である。又、抗原又は抗体の担体への
接着、細胞培養等に使用できる。更に、工業用途に使用
も可能である。
【0019】以下に本発明を実施例に基づき具体的に説
明する。
明する。
【0020】まず、本発明の接着性ポリトリペプチドの
合成について述べる。
合成について述べる。
【0021】3残基を1つの繰り返し単位とする代表的
な接着性のペプチドの合成スキームは以下の通りであ
る。
な接着性のペプチドの合成スキームは以下の通りであ
る。
【0022】
【表1】
【0023】次に、-(Gly-Tyr-Lys)n-の具体的合成法に
ついて示す。
ついて示す。
【0024】(1)主鎖アミノ基の保護(Nps基) 例としてNps-Lys(Z)-OHの合成を示す。
【0025】
【化1】
【0026】Lys(Z)(60mmol,16.8g)のジオキサン溶液
(100ml)に2N NaOH(36ml)を加え溶液状態としNps-Cl(1.
2eq,72mmol,13.7g)と2N NaOH(30ml)を徐々に加え
室温で6時間攪拌した。反応終了確認後、水(300ml)で
希釈し1N H2SO4で酸性として酢酸エチルにて抽出、有
機層を無水硫酸ナトリウム上にて乾燥後、溶媒を減圧下
留去し粗Nps-Lys(Z)-OHを得た。精製は酢酸エチル/n-
へキサンにて再沈殿する事により行った。
(100ml)に2N NaOH(36ml)を加え溶液状態としNps-Cl(1.
2eq,72mmol,13.7g)と2N NaOH(30ml)を徐々に加え
室温で6時間攪拌した。反応終了確認後、水(300ml)で
希釈し1N H2SO4で酸性として酢酸エチルにて抽出、有
機層を無水硫酸ナトリウム上にて乾燥後、溶媒を減圧下
留去し粗Nps-Lys(Z)-OHを得た。精製は酢酸エチル/n-
へキサンにて再沈殿する事により行った。
【0027】(2)主鎖カルボキシルの保護(活性エス
テル基) Nps-Lys(Z)-ONpの合成を示す。
テル基) Nps-Lys(Z)-ONpの合成を示す。
【0028】
【化2】
【0029】(1)で合成したNps-Lys(Z)-OHの酢酸エ
チル(50ml)溶液にDCC(1.2eq、72mmol,14.9g)を氷冷下
に加え20分攪拌後、p-ニトロフェノール(1eq,60mmo
l、8.4g)を加える。反応終了確認後、精製したDCureaを
濾別し、溶液を1wt%炭酸水素ナトリウム水溶液、水、1
0%クエン酸、水にて各3回洗浄し後、無水硫酸ナトリ
ウム上にて乾燥後、溶媒を減圧下溜去し粗Nps‐Lys(Z)-
Onpを得た。精製は酢酸工チル/n-ヘキサン系にて再沈殿
する事により行った。
チル(50ml)溶液にDCC(1.2eq、72mmol,14.9g)を氷冷下
に加え20分攪拌後、p-ニトロフェノール(1eq,60mmo
l、8.4g)を加える。反応終了確認後、精製したDCureaを
濾別し、溶液を1wt%炭酸水素ナトリウム水溶液、水、1
0%クエン酸、水にて各3回洗浄し後、無水硫酸ナトリ
ウム上にて乾燥後、溶媒を減圧下溜去し粗Nps‐Lys(Z)-
Onpを得た。精製は酢酸工チル/n-ヘキサン系にて再沈殿
する事により行った。
【0030】(3)アミノ基保護基の脱保護 HCl:NH2-Lys(Z)-ONpの合成を示す。
【0031】
【化3】
【0032】Nps-Lys(Z)-ONp(55mmol,30.7g)のジオキ
サン(70ml)溶液に4N HCl/ジオキサン(2eq,110mmol,2
7.5ml)を加え室温で2時間撹伴した。反応終了確認後、
濃縮し残査にエーテルを加え結晶化した。メタノール/
エーテル系によって再結晶し精製HCl:NH2-Lys(Z)-Onpを
得た。
サン(70ml)溶液に4N HCl/ジオキサン(2eq,110mmol,2
7.5ml)を加え室温で2時間撹伴した。反応終了確認後、
濃縮し残査にエーテルを加え結晶化した。メタノール/
エーテル系によって再結晶し精製HCl:NH2-Lys(Z)-Onpを
得た。
【0033】(4)ペプチド鎖の延長 Nps-Tyr(Bzl)-Lys(Z)-ONpの合成を示す。
【0034】
【化4】
【0035】Nps-Tyr(Bzl)-OH(44mmol,18.7g)のクロロ
ホルム(100ml)溶液にDCC(1.2eq,52.8mmol,10.9g)を
氷冷下加え20分撹絆後、TEA(1eq,44mmol、6.1ml)で
処理し脱塩したH2N-Lys(Z)-ONpのクロロホルム溶液(150
ml)を加える。反応終了確認後、生成したDCUreaを濾
別、溶液を2%炭酸水素ナトリウム水溶液、水、10%クエ
ン酸、水にて各3回洗浄し、無水硫酸ナトリウム上にて
乾燥した。ついで減圧下溶液を濃縮し残査にn-へキサ
ンを加え結晶化し粗Nps-Tyr(Bzl)-Lys(Z)-Onpを得た。
再結晶はクロロホルム/n-へキサンにて行った。
ホルム(100ml)溶液にDCC(1.2eq,52.8mmol,10.9g)を
氷冷下加え20分撹絆後、TEA(1eq,44mmol、6.1ml)で
処理し脱塩したH2N-Lys(Z)-ONpのクロロホルム溶液(150
ml)を加える。反応終了確認後、生成したDCUreaを濾
別、溶液を2%炭酸水素ナトリウム水溶液、水、10%クエ
ン酸、水にて各3回洗浄し、無水硫酸ナトリウム上にて
乾燥した。ついで減圧下溶液を濃縮し残査にn-へキサ
ンを加え結晶化し粗Nps-Tyr(Bzl)-Lys(Z)-Onpを得た。
再結晶はクロロホルム/n-へキサンにて行った。
【0036】(5)活性エステル重合 −(Gly-Tyr(Bzl)-Lys(Z))n−を示す。
【0037】
【化5】
【0038】HCl:H2N-Gly-Tyr(Bzl)-Lys(Z)-ONp(3.5mmo
l,2.6g)をDMFに溶かし氷冷下TEA (1.1eq,3.9mmol,
0.53ml)を加え激しく7日間室温で攪拌した後、蒸留水
で洗浄し淡黄色の結晶を得た。結晶をエーテルで洗浄し
p-ニトロフェノールが無くなるまで洗浄した。p-ニトロ
フェノールの有無はUV測定(317nm)により判断した。
l,2.6g)をDMFに溶かし氷冷下TEA (1.1eq,3.9mmol,
0.53ml)を加え激しく7日間室温で攪拌した後、蒸留水
で洗浄し淡黄色の結晶を得た。結晶をエーテルで洗浄し
p-ニトロフェノールが無くなるまで洗浄した。p-ニトロ
フェノールの有無はUV測定(317nm)により判断した。
【0039】(6)最終脱保護 −(Gly-Tyr-Lys(HBr))n−の合成を示す。
【0040】
【化6】
【0041】(5)で合成した−(Gly-Tyr-Lys(HBr))n
−(1.6g,2.71mmol)のTFA溶液(16ml)に3.1N HBr/A
cOH(20eq,54mmol,17.5ml))とチオアニソール(6e
q,16.2mmol,1.9mmol)を加え50℃で5時間、その後
室温にて2日間反応を続ける。脱保護を確認後エーテル
で十分洗浄し乾燥し、−(Gly-Tyr-Lys(HBr))n−を得
た。同様にして得られた各種ポリペプチドの化学構造式
と重合度を表2に示す。
−(1.6g,2.71mmol)のTFA溶液(16ml)に3.1N HBr/A
cOH(20eq,54mmol,17.5ml))とチオアニソール(6e
q,16.2mmol,1.9mmol)を加え50℃で5時間、その後
室温にて2日間反応を続ける。脱保護を確認後エーテル
で十分洗浄し乾燥し、−(Gly-Tyr-Lys(HBr))n−を得
た。同様にして得られた各種ポリペプチドの化学構造式
と重合度を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】
(実施例1〜6)接着試験用組織としてヒトの皮膚に近
似していると言われる豚皮を用い、本発明の生体組織接
着剤の接着性を評価した。屠殺直後にデルマトームにて
厚さ0.5mmとなるように切り取り冷凍保存した豚皮
を解凍後、18×18mmに裁断し真皮側を接着面とし
た。この豚皮の表皮側をアクリル製の治具に接着固定し
たものを2組用意し、真皮側に該接着剤の20wt%水溶
液(チロシナーゼ3.6ユニット含有)を塗布し張り合わ
せ、14時間37℃水中に放置後引っ張りせん断力を測
定し接着強度とした。
似していると言われる豚皮を用い、本発明の生体組織接
着剤の接着性を評価した。屠殺直後にデルマトームにて
厚さ0.5mmとなるように切り取り冷凍保存した豚皮
を解凍後、18×18mmに裁断し真皮側を接着面とし
た。この豚皮の表皮側をアクリル製の治具に接着固定し
たものを2組用意し、真皮側に該接着剤の20wt%水溶
液(チロシナーゼ3.6ユニット含有)を塗布し張り合わ
せ、14時間37℃水中に放置後引っ張りせん断力を測
定し接着強度とした。
【0044】結果を表3に示す。
【0045】
【表3】
【0046】ポリペプチドの略号は表2参照 チロシナーゼ添加量:基質(ポリペプチド)1mgに対し。
【0047】(比較例1)フィブリン糊(帝国臓器製テ
ィシール)をマニュアル通りの方法で調整し、豚皮を張
り合わせた後は実施例と同様にして接着強度を測定した
ところ、接着強度は210g/cm2であった。
ィシール)をマニュアル通りの方法で調整し、豚皮を張
り合わせた後は実施例と同様にして接着強度を測定した
ところ、接着強度は210g/cm2であった。
【0048】(実施例7)実施例6と同じ接着剤組成物
を用い、豚皮膚切開創(深さ2cm、長さ5cm)へ適
用した。接着剤塗布30分後に目視にて切開面の接着を
確認した。次いで補助的に切開創を縫合し治癒過程を追
跡した。3週間後剖検したところ、切開部は良好に治癒
しており、炎症等の異物反応は認められなかった。
を用い、豚皮膚切開創(深さ2cm、長さ5cm)へ適
用した。接着剤塗布30分後に目視にて切開面の接着を
確認した。次いで補助的に切開創を縫合し治癒過程を追
跡した。3週間後剖検したところ、切開部は良好に治癒
しており、炎症等の異物反応は認められなかった。
【0049】(比較例2〜4)ポリペプチドA,B,C
の水溶性高分子を添加しないときの20wt%水溶液粘
度はそれぞれ23センチポイズ、41センチポイズ、3
0センチポイズであった。これらの接着性ポリペプチド
を実施例7と同様に豚皮膚切開創(深さ2cm、長さ5
cm)へ適用した場合、接着硬化前にポリペプチドが流
出してしまい、接着する事ができなかった。
の水溶性高分子を添加しないときの20wt%水溶液粘
度はそれぞれ23センチポイズ、41センチポイズ、3
0センチポイズであった。これらの接着性ポリペプチド
を実施例7と同様に豚皮膚切開創(深さ2cm、長さ5
cm)へ適用した場合、接着硬化前にポリペプチドが流
出してしまい、接着する事ができなかった。
【0050】
【発明の効果】上述のように豚皮を使った接着性試験に
於いて、このポリペプチドはフィブリン糊に比較し、2
倍以上の接着性を示した。
於いて、このポリペプチドはフィブリン糊に比較し、2
倍以上の接着性を示した。
Claims (4)
- 【請求項1】リジン残基20〜50mol%、チロシン
残基及び/又はドーパ残基20〜50mol%、前記の
アミノ酸残基以外のアミノ酸残基 60〜0mol%か
らなる接着性ポリペプチドと、天然及び/又は非天然の
水溶性高分子からなる生体組織接着剤。 - 【請求項2】溶液粘度が37℃で100〜30000セ
ンチポイズに調整され、前記接着性ポリペプチドと前記
水溶性高分子の組成比が1:0.5以上である請求項1
に記載の生体組織接着剤。 - 【請求項3】前記接着性ポリペプチドが、リジン残基、
チロシン残基及び/又はドーパ残基、前記のアミノ酸残
基以外のアミノ酸残基2〜5個の繰り返し単位を10〜
100回繰り返した請求項1及び2に記載の生体組織接
着剤。 - 【請求項4】前記天然及び/又は非天然の水溶性高分子
がゼラチン、コラーゲン、エラスチン等の蛋白質、アル
ギン酸、キトサン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫
酸、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース等の多糖類、ポリビニル
アルコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロ
リドン、ポリビニルアクリルアミド、ポリビニルアセト
アミド、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸等の合成高
分子である請求項1乃至3に記載の生体組織接着剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8036045A JPH09225019A (ja) | 1996-02-23 | 1996-02-23 | 生体組織接着剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8036045A JPH09225019A (ja) | 1996-02-23 | 1996-02-23 | 生体組織接着剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09225019A true JPH09225019A (ja) | 1997-09-02 |
Family
ID=12458750
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8036045A Pending JPH09225019A (ja) | 1996-02-23 | 1996-02-23 | 生体組織接着剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09225019A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008301955A (ja) * | 2007-06-06 | 2008-12-18 | Olympus Corp | 生体組織接合装置 |
JP2012526155A (ja) * | 2009-08-25 | 2012-10-25 | ポステック アカデミー−インダストリー ファンデーション | イガイ接着蛋白質またはその変異体に陰イオン性高分子が含まれたコアセルベート |
US8460288B2 (en) | 2009-10-28 | 2013-06-11 | Olympus Corporation | Biological-tissue joining apparatus |
KR101298976B1 (ko) * | 2011-03-31 | 2013-08-23 | 주식회사 제이알 | 천연 접착제 |
CN115612014A (zh) * | 2022-02-10 | 2023-01-17 | 西安交通大学 | 一种遇水即粘的生物组织粘接剂及其制备方法 |
-
1996
- 1996-02-23 JP JP8036045A patent/JPH09225019A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008301955A (ja) * | 2007-06-06 | 2008-12-18 | Olympus Corp | 生体組織接合装置 |
JP2012526155A (ja) * | 2009-08-25 | 2012-10-25 | ポステック アカデミー−インダストリー ファンデーション | イガイ接着蛋白質またはその変異体に陰イオン性高分子が含まれたコアセルベート |
US8673986B2 (en) | 2009-08-25 | 2014-03-18 | Postech Academy-Industry Foundation | Coacervate having an ionic polymer mixed with the adhesive protein of a mussel or of a species of the variome thereof |
US8460288B2 (en) | 2009-10-28 | 2013-06-11 | Olympus Corporation | Biological-tissue joining apparatus |
KR101298976B1 (ko) * | 2011-03-31 | 2013-08-23 | 주식회사 제이알 | 천연 접착제 |
CN115612014A (zh) * | 2022-02-10 | 2023-01-17 | 西安交通大学 | 一种遇水即粘的生物组织粘接剂及其制备方法 |
CN115612014B (zh) * | 2022-02-10 | 2024-02-13 | 西安交通大学 | 一种遇水即粘的生物组织粘接剂及其制备方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040524 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20051004 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060214 |