JP2008300325A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】セパレータと多孔体流路との間の伝熱性を改善する。
【解決手段】燃料電池は、電解質膜と一対の電極からなる膜電極接合体と、膜電極接合体の第1の側に配置されたセパレータと、セパレータと膜電極接合体との間に配置され、セパレータと接触すると共に、反応ガスが流動する多孔体と、を備える。セパレータまたは多孔体は、セパレータと多孔体との接触面に水を保持するための物理構造部を有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、燃料電池に関する。特に燃料電池の温度管理に関する。
燃料電池、例えば、固体高分子型燃料電池は、電解質膜を挟んで対峙する2つの電極(燃料極と酸素極)にそれぞれ反応ガス(水素を含有する燃料ガスと酸素を含有する酸化ガス)を供給して電気化学反応を引き起こすことにより、物質の持つ化学エネルギを直接電気エネルギに変換する。かかる燃料電池の主要な構造として、略平板状の電解質膜を含む膜電極接合体とセパレータとを交互に積層して、積層方向に締結する、いわゆるスタック構造のものが知られている。
燃料電池における電気化学反応は発熱反応であるため、燃料電池の運転中における温度管理が一つの重要な技術テーマとなっている。例えば、セパレータと多孔流路(例えば、拡散層)との接触面に、炭化水素ガスから分解・析出した炭素組織を成長させる技術が知られている(特許文献1)。上記技術では、セパレータと拡散層との間の伝熱性を向上し、膜電極接合体において生成された熱がセパレータに伝わり安くしている。この結果、燃料電池の冷却性能が向上する。
特開2001−35505号公報 特開2000−260441号公報 特開2004−186116号公報 特開2002−313367号公報 特開2006−164947号公報 特開2006−134582号公報
しかしながら、上記従来技術では、外部からの衝撃や構成部品の熱膨張により、セパレータと多孔流路との間を繋ぐ炭素組織が剥離するおそれがあった。したがって、一旦、炭素組織が剥離すると、セパレータと多孔流路との間の伝熱性が悪化し、燃料電池の冷却性能が劣化するおそれがあった。このように、燃料電池の冷却性能を向上するため、燃料電池内部の伝熱性の向上が求められていた。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、セパレータと多孔体流路との間の伝熱性を改善することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するために以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例]燃料電池であって、電解質膜と一対の電極からなる膜電極接合体と、前記膜電極接合体の第1の側に配置されたセパレータと、前記セパレータと前記膜電極接合体との間に配置され、前記セパレータと接触すると共に、反応ガスが流動する多孔体と、を備え、前記セパレータまたは前記多孔体は、前記セパレータと前記多孔体との接触面に水を保持するための物理構造部を有する、燃料電池。
適用例に係る燃料電池によれば、セパレータと多孔体との接触界面に水を保持することにより、かかる界面の熱抵抗を低減できる。この結果、膜電極接合体からセパレータへ向かう伝熱性を向上し、膜電極接合体を冷却する性能を向上することができる。
適用例に係る燃料電池において、前記多孔体には、所定の流動方向に前記反応ガスが流動し、前記物理構造部は、前記セパレータにおける前記多孔体との接触面に形成され、前記反応ガスの流動方向に連続しない凹部であり、前記凹部の少なくとも一方向の巾は、前記多孔体の最大孔径より小さくても良い。また、前記凹部の少なくとも一方向の巾は、前記多孔体の平均孔径より小さくても良い。こうすれば、凹部の吸引力によりセパレータと多孔体との接触界面に水を保持することができる。
適用例に係る燃料電池において、前記凹部は、孔径が前記多孔体の最大孔径より小さい非貫通の孔であっても良い。また、前記凹部は、溝巾が前記多孔体の最大孔径より小さく、前記反応ガスの流動方向に対して平行でない方向に延びる溝であっても良い。また、前記溝は、前記反応ガスの流動方向に対して略垂直であっても良い。こうすれば、反応ガスの流動によって、凹部に滞留する水が押し流されることを抑制することができる。
適用例に係る燃料電池において、前記物理構造は、前記多孔体における前記セパレータとの接触面近傍に設けられた小孔径部であり、前記小孔径部の孔径は、前記多孔体における他の部分における最大孔径より小さくても良い。こうすれば、凹部の吸引力によりセパレータと多孔体との接触界面に水を保持することができる。ここで、前記小孔径部の孔径は、前記多孔体における他の部分における平均孔径より小さくても良い。
適用例に係る燃料電池において、前記セパレータは、内部に冷却媒体が流動する冷却媒体流路を有しても良い。こうすれば、冷却媒体により、膜電極接合体を冷却することができる。
本発明は、上記適用例のほか、種々の形態にて実現され得る。例えば、本発明は、上記適用例に係る燃料電池を含む燃料電池システム、上記適用例に係る燃料電池を搭載した車両などの装置発明として実現される。
以下、本発明の実施態様に係る燃料電池について、図面を参照しつつ、実施例に基づいて説明する。
A.第1実施例:
・燃料電池の構成
燃料電池システムは、燃料電池スタックと、燃料ガス供給部と、酸化ガス供給部と、冷却媒体循環部と、各部を制御するコントローラと、を備えている。燃料ガス供給部は、水素を含む燃料ガス(本実施例では、純水素)を燃料電池スタックに供給する機能を有している。酸化ガス供給部は、酸素を含む酸化ガス(本実施例では、空気)を燃料電池スタックに供給する機能を有している。冷却媒体循環部は、燃料電池スタック内部に水、不凍水などの冷却媒体を循環させる機能を有している。燃料ガスと酸化ガスは、反応ガスとも呼ばれる。
図1は、第1実施例における燃料電池スタック100の部分断面図である。図2は、多孔体の拡大断面図である。図示するように、燃料電池スタック100は、複数の膜電極接合体50と、複数のセパレータ30と、複数のカソード側多孔体80と、複数のアノード側多孔体90と、とが積層された構造を有している。
膜電極接合体50は、電解質膜51を含んでおり、電解質膜51の一方の面(図1:右側)には、カソード(触媒電極層)52とガス拡散層54とがこの順に形成されており、電解質膜51の他方の面(図1:左側)には、アノード(触媒電極層)53とガス拡散層55とがこの順に形成されている。電解質膜51としては、フッ素系樹脂などの固体高分子材料で形成された膜を用いることができる。また、カソード52およびアノード53としては、カーボン粒子に白金などの触媒を担持させた触媒層を用いることができる。ガス拡散層54,55は、カーボン繊維を用いて作製されたカーボンペーパ、カーボンフェルト、カーボンクロスで形成され、ガス透過性および導電性を有する。
各膜電極接合体50のカソード側(図1:右側)には、カソード側多孔体80が配置され、カソード側多孔体80を挟んでセパレータ30が配置されている。各膜電極接合体50のアノード側には、アノード側多孔体90が配置され、アノード側多孔体90を挟んでセパレータ30が配置されている。
カソード側多孔体80、および、アノード側多孔体90は、金属(例えば、チタン、ニッケル、ステンレス)を用いて形成された板状部材であり、ガス透過性と、導電性とを有している。カソード側多孔体80およびアノード側多孔体90は、図2に示すように、骨格部Bを有している。骨格部Bにより、カソード側多孔体80およびアノード側多孔体90の内部に空孔部Vが区画形成されている。図2に示すように、隣り合う空孔部Vは、互いに連通し、この結果、カソード側多孔体80およびアノード側多孔体90の内部には、ガスが流動することができる。以下では、図の煩雑を避けるため、多孔体を示す図として、後述する図3に示すように、模式的に空孔部Vを円で示し、骨格部Bをハッチングにより示した簡略な図を用いる。カソード側多孔体80およびアノード側多孔体90は、例えば、厚さ200〜500μm程度とされる。
セパレータ30は、カソードプレート31と、中間プレート32と、アノードプレート33とを重ね合わせた構造を有している。各プレート31〜33は、緻密で導電性を有する材料、例えば、ステンレスなどの金属を用いて形成されている。中間プレート32に形成されたスリットと、カソードプレート31の中間プレート32側の面と、アノードプレート33の中間プレート32側の面とによって、セパレータ30の内部には、複数の冷却媒体流路60が形成されている。カソードプレート31およびアノードプレート33は、例えば、厚さ100〜300μm程度とされ、中間プレート32は、厚さ200〜600μm程度とされる。
カソードプレート31の外側の表面は、カソード側多孔体80と接触している。図3は、第1実施例におけるカソードプレート31とカソード側多孔体80の接触面の近傍の拡大図である。図4は、第1実施例におけるカソードプレート31におけるカソード側多孔体80との接触面の拡大図である。図2には、図1と同じ方向から見た図であり、図1において符合SF1で示す領域に対応している。図3は、図1における左側からカソードプレート31の表面を見た図を示している。
カソードプレート31におけるカソード側多孔体80との接触面には、カソード側多孔体80と接触する領域の全体に亘って、複数の非貫通の細孔310が形成されている。各細孔の径r1は、少なくともカソード側多孔体80の空孔部Vの径(気孔径)の最大値(最大気孔径)より小さく設定され、好ましくはカソード側多孔体80の気孔径の平均値(平均気孔径)より小さく設定され、さらに好ましくは、カソード側多孔体80の概ね全ての空孔部Vの径より小さくなるように十分小さく設定される。例えば、カソード側多孔体80の平均気孔径が50μm程度である場合、径r1は、5〜20μm程度に設定される。隣り合う細孔310間の距離hは、隣り合う細孔310間の平坦部FPが、カソード側多孔体80と接触した時に変形しない程度の距離に設定されるのが好ましい。
細孔310の形成は、エッチング、針状体による突き刺し加工、アルミナ粒子などの微少粒子を衝突させる衝突加工、などを用いて行われる。
なお、図示は省略するが、アノードプレート33におけるアノード側多孔体90との接触面にも、アノード側多孔体90と接触する領域の全体に亘って同様の複数の細孔が形成されている。例えば、図1における符合SF2で示す部分を拡大すると、図3と同様の構成となっている。
・燃料電池の動作:
図5は、第1実施例の燃料電池スタックの動作を説明する説明図である。燃料ガス供給部から燃料ガスが、酸化ガス供給部から酸化ガスが、それぞれ、燃料電池スタック100に供給されると、燃料電池スタック100では電気化学反応に基づく発電が行われる。
燃料ガスは、図5において破線の矢印で示すように、アノード側多孔体90の一方の端部(図5の例では下側)に供給され、アノード側多孔体90の内部を他方の端部(図5の例では上側)に向かって流動し、他方の端部から排出される。燃料ガスの一部は、アノード側多孔体90の内部からガス拡散層55の内部に流入し、アノード53に到達する。アノード53に到達した燃料ガスは、アノード53においてアノード反応に供される。
酸化ガスは、図5に実線の矢印で示すように、カソード側多孔体80の一方の端部(図5の例では上側)に供給され、カソード側多孔体80の内部を他方の端部(図5の例では下側)に向かって流動し、他方の端部から排出される。酸化ガスの一部は、カソード側多孔体80の内部流路からガス拡散層54の内部に流入し、カソード52に到達する。カソード52に到達した酸化ガスは、カソード52においてカソード反応に供される。カソード反応では熱と水が生成される。
以上の説明から解るように、アノード側多孔体90とガス拡散層55とが、燃料ガスが流動する燃料ガス流路として機能し、カソード側多孔体80とガス拡散層54とが、酸化ガスが流動する酸化ガス流路として機能する。
本実施例では、燃料ガス流路における燃料ガスの流動方向は、酸化ガス流路層における酸化ガスの流動方向と反対となっている。
冷却媒体は、燃料電池スタック100において発電が行われている間、冷却媒体循環部から燃料電池スタック100に供給される。供給された冷却媒体は、セパレータ30内部の冷却媒体流路60を流動する。
カソード反応は、上述したように発熱反応であるので、その反応熱により膜電極接合体50の近傍は、最も温度が高くなる。一方、セパレータ30は、内部に冷却媒体が流動しているため、最も温度が低くなる。この結果、膜電極接合体50とセパレータ30との温度勾配によって、膜電極接合体50からセパレータ30に向かって熱の流れ(熱流)が発生する。図5において、白抜きの右向きの矢印および左向きの矢印は、膜電極接合体50からセパレータ30に向かう熱流を概念的に示している。このような熱流がセパレータ30において冷却媒体流路60を流れる冷却媒体に吸収されることにより、膜電極接合体50の冷却が行われる。したがって、このような熱流の伝熱経路、すなわち、膜電極接合体50からセパレータ30の内部に至る経路の熱抵抗が低いほど、熱流による伝熱量が増加するため、膜電極接合体50を冷却する性能が向上する。
ここで、燃料電池の発電中には、カソード反応により水が生成される。また、個体高分子型の燃料電池では、電解質膜51を湿潤に保つ必要があるため、燃料ガスや酸化ガスに水分を加えて(加湿)供給する場合もある。このため、カソード側多孔体80の内部には、液体の水が存在している。本実施例では、図3において符合Wで示すように、カソード側多孔体80内部の水は、細孔310の吸引力により、カソードプレート31とカソード側多孔体80の接触界面に集まり易くなる。
細孔310の吸引力は、毛細管現象により生じる。毛細管現象による吸引力ΔPは、ΔP≒K/r(Kは係数、rは毛細管の径)で表される。すなわち、毛細管現象による吸引力ΔPは、毛細管の径が小さいほど大きくなる。本実施例では、カソードプレート31に形成された細孔310の径r1は、カソード側多孔体80の気孔径より小さくされているため、細孔310の吸引力は、カソード側多孔体80の空孔部Vの吸引力より大きくなる。この結果、細孔310は、上述のようにカソード側多孔体80内部の水をカソードプレート31の表面近傍に吸い寄せ、保持することができる。
ここで、熱抵抗率(m・K/W(熱伝導率の逆数))の大きさは、金属<<液体の水<<空気である。したがって、カソード側多孔体80は、実際には、図2に示すように、細く、網の目状の骨格部Bを有している。カソード側多孔体80の内部では、熱抵抗率の低い金属の骨格部Bが上述した熱流を伝える主たる伝熱媒体として機能する。一方で、カソード側多孔体80の骨格部Bとカソードプレート31との接触界面では、骨格部Bとカソードプレート31との接触界面における物理的な接触は、点接触であったり、緻密な接触でないおそれがある。そうすると、このような接触界面では、骨格部Bとカソードプレート31との接触部の熱抵抗が大きくなり、このような接触界面が、膜電極接合体50からセパレータ30への伝熱のボトルネックとなるおそれがある。
本実施例では、カソード側多孔体80の骨格部Bとカソードプレート31との接触界面に、空気よりはるかに熱抵抗率の小さい液体の水を保持することにより、水がカソードプレート31とカソード側多孔体80との接触界面において、上述した熱流を伝える伝熱媒体として機能する。この結果、このような接触界面の熱抵抗を低減することができ、膜電極接合体50を冷却する性能が向上する。
カソード反応による生成水の一部は、電解質膜51を透過してアノード側に移動するので、アノード側多孔体90の内部にも液体の水が存在している。したがって、上述したカソード側多孔体80とカソードプレート31との接触界面と同様のメカニズムにより、アノード側多孔体90とアノードプレート33との接触界面においても熱抵抗が低減され、膜電極接合体50を冷却する性能が向上する。
B.第2実施例:
図6および図7を参照して、第2実施例について説明する。図6は、第2実施例におけるカソードプレート31aにおけるカソード側多孔体80との接触面の拡大図である。図7は、比較例におけるカソードプレート31aにおけるカソード側多孔体80との接触面の拡大図である。
第2実施例における燃料電池は、カソードプレートおよびアノードプレートの表面の構成が、第1実施例における燃料電池と異なる。第2実施例における燃料電池のその他の構成は、図1に示す第1実施例における燃料電池の構成と同一であるので、以下の説明では、同一の構成要素については、図1に示す符合を用いることとし、その説明を省略する。
第2実施例のカソードプレート31aにおけるカソード側多孔体80との接触面には、カソード側多孔体80と接触する領域の全体に亘って、複数の溝310aが形成されている。各溝310aの巾S1は、少なくともカソード側多孔体80の最大気孔径より小さく設定され、好ましくはカソード側多孔体80の平均気孔径より小さく設定され、さらに好ましくは、カソード側多孔体80の概ね全ての空孔部Vの径より小さくなるように十分小さく設定される。例えば、カソード側多孔体80の平均気孔径が50μm程度である場合、溝310aの巾S1は、5〜20μm程度に設定される。隣り合う溝310a間の距離mは、隣り合う溝310a間の平坦部が、カソード側多孔体80と接触した時に変形しない程度の距離に設定されるのが好ましい。
複数の溝310aは、接触するカソード側多孔体80内部における酸化ガスの流動方向(図6:白抜きの矢印)に対して、略垂直に形成されている。なお、図6におけるA−A断面は、図3と同様になっている。溝310aの形成は、エッチング、針状体によるけがき加工などを用いて行われる。
なお、図示は省略するが、第2実施例のアノードプレート33aにおけるアノード側多孔体90との接触面にも、アノード側多孔体90と接触する領域の全体に亘って同様の複数の溝が形成されている。
第2実施例にかかる燃料電池によれば、毛細管現象による溝310aの吸引力により、カソードプレート31aとカソード側多孔体80との接触界面に液体の水が集まり易くなる。この結果、カソードプレート31aとカソード側多孔体80との接触界面における熱抵抗が低減され、膜電極接合体50を冷却する性能が向上する。
第2実施例において、溝310aは、カソード側多孔体80内部における酸化ガスの流動方向に対して、略垂直に形成されているので、酸化ガスの流れの力(せん断力)によって、溝310aの近傍に滞留する水が酸化ガスの下流に流されてしまうことを抑制することができる。
例えば、図7に示す比較例に係るカソードプレート31bのように、表面に形成された溝310bが、酸化ガスの流動方向に平行であると、溝310b内部の水が酸化ガスの流れにと共に下流に排出され易い。第2実施例では、かかる不都合を抑制することができる。
C.第3実施例:
図8を参照して、第3実施例について説明する。図8は、第3実施例におけるカソードプレート31cとカソード側多孔体80cの接触面の近傍の拡大図である。
第3実施例における燃料電池は、カソードプレートおよびアノードプレートの表面の構成と、カソード側多孔体およびアノード側多孔体の構成が、第1実施例における燃料電池と異なる。第3実施例における燃料電池のその他の構成は、図1に示す第1実施例における燃料電池の構成と同一であるので、以下の説明では、同一の構成要素については、図1に示す符合を用いることとし、その説明を省略する。
第3実施例のカソードプレート31cにおけるカソード側多孔体80cとの接触面(図8)およびアノードプレート33cにおけるアノード側多孔体90cとの接触面(図示省略)には、第1実施例における細孔310や第2実施例における溝310bは形成されておらず、図8に示すように、完全に平坦である。
第3実施例のカソード側多孔体80cは、図8に示すように、カソードプレート31cとの接触面を含む小孔径部SVと、小孔径部SVより膜電極接合体50側の部分である大孔径部LVとを有する。小孔径部SVの空孔部V1の平均気孔径は、溝310aの巾S1は、少なくとも大孔径部LVの空孔部V2の最大気孔径より小さく設定され、好ましくは大孔径部LVの空孔部V2の平均気孔径より小さく設定され、さらに好ましくは、大孔径部LVの概ね全ての空孔部V2の径より小さくなるように十分小さく設定される。例えば、大孔径部LVの空孔部V2の平均気孔径は50μm程度に設定され、小孔径部SVの平均気孔径は5〜20μm程度に設定される。また、小孔径部SVは、カソードプレート31cの近傍の僅かな領域に形成されるのが好ましい。例えば、カソード側多孔体80cの全体の厚さが200〜600μm程度であるのに対して、小孔径部SVは厚さ30〜100μm程度にされる。
カソード側多孔体80cにおいて、小孔径部SVと大孔径部LVとは、それぞれ別体ではなく、一体に成形されることが好ましい。小孔径部SVと大孔径部LVを別体で成形し、これらを重ね合わせてカソード側多孔体80cを作製すると、小孔径部SVと大孔径部LVとの間に接触界面ができるため、接触界面において熱抵抗が増大するおそれがあるためである。
図9を参照して、カソード側多孔体80cの製造方法の一例を説明する。図9は、カソード側多孔体80cの製造工程を示すフローチャートである。
まず、小孔径部SVに対応する第1の発泡樹脂と大孔径部LVに対応する第2の発泡樹脂を重ね合わせて、カソード側多孔体80c全体のための発泡体を準備する(ステップS102)。発泡樹脂は、例えば、発泡ウレタンが用いられる。発泡樹脂の気孔径が、最終的に製造される多孔体の気孔径を決定するので、小孔径部SVに対応する第1の発泡樹脂は、大孔径部LVに対応する第2の発泡樹脂よりも気孔径が小さいものが用いられる。
次に、準備された発泡体の表面(発泡体の骨格の表面)に、導電性の被膜を形成する(ステップS104)。具体的には、カーボン粉末あるいは金属粉末を含有した導電性塗料を発泡体骨格の表面に塗布する。あるいは、無電解メッキにより金属を発泡体骨格の表面にコーティングする。
次に、導電性被膜の表面にカソード側多孔体80cの骨格となる金属を電析(電気メッキ)する。(ステップS106)。メッキ厚さは、カソード側多孔体80cの骨格の厚さとなる。
骨格となる金属を電析させた後、加熱処理により、樹脂材料(発泡樹脂)を分解して除去する(ステップS108)。この結果、電析させた金属を骨格部とする多孔体が形成される。
加熱処理が終了すると、形成された多孔体に対して圧延・切削加工を行うことにより、最終的に、カソード側多孔体80cが製造される(ステップS110)。
以上説明した製造方法によれば、大孔径部LVと小孔径部SVが一体に成型されたカソード側多孔体80cを製造することができる。
なお、図示および説明を省略するが、第3実施例のアノード側多孔体90cも、カソード側多孔体80cと同様に、大孔径部LVと小孔径部SVを有する構造を有している。例えば、第3実施例における燃料電池において、図1における符合SF2で示す領域を拡大すると、図8と同様の構成となっている。
第3実施例にかかる燃料電池では、カソード側多孔体80cにおいて、小孔径部SVの気孔径は、大孔径部LVの気孔径より小さくされているため、小孔径部SVの吸引力は、大孔径部LVの吸引力より大きくなる。したがって、図8において符合Wで示すように、カソード側多孔体80cとカソードプレート31cとの接触界面に液体の水が集まり、保持され易くなる。この結果、カソード側多孔体80cとカソードプレート31cとの接触界面における熱抵抗が低減され、膜電極接合体50を冷却する性能が向上する。
カソード側多孔体80cとカソードプレート31cとの接触界面と同様のメカニズムにより、アノード側多孔体90cとアノードプレート33cとの接触界面においても、液体の水が集まり、保持され易くなる。この結果、アノード側多孔体90cとアノードプレート33cとの接触界面における熱抵抗が低減され、膜電極接合体50を冷却する性能が向上する。
D.変形例:
・第1変形例:
上記第1〜第3実施例では、熱抵抗を低減するための物理構造を設けること、具体的には、セパレータ30の表面に細孔310や溝310aを設けることや、反応ガス流路として機能する多孔体80c、90cに小孔径部SVを設けることを、アノード側とカソード側の両方に対して行っているが、いずれか一方だけに対して行っても良い。例えば、生成水はカソード52において生成されるので、一般的に、カソード側多孔体の内部の方が、アノード側多孔体の内部より水の量が多い。このため、より効果が高いと考えられるカソード側だけに熱抵抗を低減するための物理構造を設けても良い。
・第2変形例:
上記第1または第2実施例の構成と、上記第3実施例の構成とを組み合わせても良い。具体的に、カソード側の構成例について説明すると、第3実施例に示したカソード側多孔体80cと、第1実施例に示したカソードプレート31を組み合わせても良い。かかる場合には、カソードプレート31の表面に形成される細孔310の径r1を、カソード側多孔体80cにおける小孔径部SVの気孔径より、さらに小さく設定すれば良い。例えば、カソード側多孔体80cにおける大孔径部LVの平均気孔径を50μm、小孔径部SVの平均気孔径を20μm、カソードプレート31の細孔310の径r1を10μmにそれぞれ設定しても良い。こうすれば、カソード側多孔体80cの内部の水は、小孔径部SVの吸引力により小孔径部SV内部に集められ、小孔径部SVに集められた水は、小孔径部SVの吸引力よりさらに強い細孔310の吸引力によって、カソードプレート31の表面近くに集められる。したがって、よりカソードプレートとカソード側多孔体との接触界面に、水が集まり易くなる。この結果、カソード側多孔体80cとカソードプレート31cとの接触界面における熱抵抗が低減され、膜電極接合体50を冷却する性能が向上する。
・第3変形例:
上記第2実施例では、溝310aが延びる方向は、反応ガスの流動方向に対して略垂直にされているが、他の角度を適宜採用しても構わない。例えば、溝310aが延びる方向は、反応ガスの流動方向に対して平行でなく、反応ガスの流動により溝310aに滞留する水が押し流されることを低減するように、ある程度の角度をなしていれば良い。
また、上記第1実施例では、細孔310は、カソードプレート31の表面と平行な断面の形状が円形となっているが、例えば、他の形状を適宜採用可能である。例えば、細孔310の形状は、長方形、楕円形、などであっても良く、細孔310の形状の少なくとも一方向の巾が実施例における径r1に設定されていれば良い。
一般的には、カソードプレート31やアノードプレート33に形成される細孔や溝は、反応ガスの流動により細孔または溝に滞留する水が押し流されにくいように、反応ガスの流動方向に連続していないことが好ましい。
・第4変形例:
上記実施例では、膜電極接合体50の各部材、各多孔体80、90、セパレータ30の各部材の材料を特定しているが、これらの材料に限定されるものではなく、適正な種々の材料を用いることができる。例えば、カソード側多孔体80およびアノード側多孔体90を、金属多孔体を用いて形成するとしているが、例えばカーボン多孔体といった他の材料を用いて形成することも可能である。
・第5変形例:
上記実施例では、固体高分子型の燃料電池スタックが利用されているが、他のタイプの燃料電池スタックが利用されても良い。例えば、液体の水が存在可能な温度および圧力条件下において、運転可能な燃料電池に本発明を適用しても良い。
以上、本発明の実施例および変形例について説明したが、本発明はこれらの実施例および変形例になんら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の態様での実施が可能である。例えば、当業者に自明な範囲で、上記実施例および変形例に示した具体的な形状、寸法、材料などを適宜変更して採用可能である。
第1実施例における燃料電池スタックの部分断面図。 多孔体の拡大断面図。 第1実施例におけるカソードプレートとカソード側多孔体の接触面の近傍の拡大図。 第1実施例におけるカソードプレートにおけるカソード側多孔体との接触面の拡大図。 第1実施例の燃料電池スタックの動作を説明する説明図。 第2実施例におけるカソードプレートにおけるカソード側多孔体との接触面の拡大図。 比較例におけるカソードプレートにおけるカソード側多孔体との接触面の拡大図。 第3実施例におけるカソードプレートとカソード側多孔体の接触面の近傍の拡大図。 カソード側多孔体の製造工程を示すフローチャートである。
符号の説明
30…セパレータ
31、31a、31b、31c…カソードプレート
32…中間プレート
33、33a…アノードプレート
50…膜電極接合体
51…電解質膜
52…カソード
53…アノード
54…ガス拡散層
55…ガス拡散層
60…冷却媒体流路
80、80c…カソード側多孔体
100…燃料電池スタック
310…細孔
310a…溝
SV…小孔径部
LV…大孔径部

Claims (9)

  1. 燃料電池であって、
    電解質膜と一対の電極からなる膜電極接合体と、
    前記膜電極接合体の第1の側に配置されたセパレータと、
    前記セパレータと前記膜電極接合体との間に配置され、前記セパレータと接触すると共に、反応ガスが流動する多孔体と、
    を備え、
    前記セパレータまたは前記多孔体は、前記セパレータと前記多孔体との接触面に水を保持するための物理構造部を有する、燃料電池。
  2. 請求項1に記載の燃料電池において、
    前記多孔体には、所定の流動方向に前記反応ガスが流動し、
    前記物理構造部は、前記セパレータにおける前記多孔体との接触面に形成され、前記反応ガスの流動方向に連続しない凹部であり、
    前記凹部の少なくとも一方向の巾は、前記多孔体の最大孔径より小さい、燃料電池。
  3. 請求項2に記載の燃料電池において、
    前記凹部は、孔径が前記多孔体の最大孔径より小さい非貫通の孔である燃料電池。
  4. 請求項2に記載の燃料電池において、
    前記凹部は、溝巾が前記多孔体の最大孔径より小さく、前記反応ガスの流動方向に対して平行でない方向に延びる溝である燃料電池。
  5. 請求項4に記載の燃料電池において、
    前記溝は、前記反応ガスの流動方向に対して略垂直である燃料電池。
  6. 請求項2ないし請求項5のいずれかに記載の燃料電池において、
    前記凹部の少なくとも一方向の巾は、前記多孔体の平均孔径より小さい
  7. 請求項1に記載の燃料電池において、
    前記物理構造は、前記多孔体における前記セパレータとの接触面近傍に設けられた小孔径部であり、
    前記小孔径部の孔径は、前記多孔体における他の部分における最大孔径より小さい燃料電池。
  8. 請求項7に記載の燃料電池において、
    前記小孔径部の孔径は、前記多孔体における他の部分における平均孔径より小さい燃料電池。
  9. 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の燃料電池において、
    前記セパレータは、内部に冷却媒体が流動する冷却媒体流路を有する、燃料電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010035815A1 (ja) * 2008-09-26 2010-04-01 日産自動車株式会社 燃料電池用ガス拡散層

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