JP5720413B2 - 燃料電池及び燃料電池の製造方法 - Google Patents

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本発明は、燃料電池及び燃料電池の製造方法に関するものである。
燃料電池に用いられる膜・電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)に関する技術としては、例えば、特許文献1に開示されたものが知られている。特許文献1に開示された技術では、電解質膜の前駆体に触媒ペーストを塗布した後、加水分解を行なって、MEAを製造している。
しかし、この技術では、燃料電池の発電時に、電解質膜が膨張と収縮を繰り返すため、電解質膜と触媒電極層の界面や、触媒電極層と拡散層の界面において剥離が生じる可能性があり、燃料電池の発電性能が低下するといった問題があった。
特開2009−289463号公報 特開2004−504689号公報 特開2003−178773号公報 特開2010−140653号公報 特開2006−059672号公報
本発明は、上述した従来の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、燃料電池の発電性能の劣化を抑制することのできる技術を提供することを目的とする。
本発明は、上述した目的を達成するために、以下の形態または適用例を取ることが可能である。
(1)燃料電池であって、電解質膜と、前記電解質膜の一方の面に形成されたアノードと、前記電解質膜の他方の面に形成されたカソードと、前記電解質膜と前記アノードの両方の層に跨がって局所的に存在し、前記アノードに対向して配置され、前記電解質膜を複数の領域に区分けするフッ素系樹脂で形成されたアノード側補強部材と、前記電解質膜と前記カソードの両方の層に跨がって局所的に存在し、前記カソードに対向して配置され、前記電解質膜を複数の領域に区分けするフッ素系樹脂で形成されたカソード側補強部材と、を備え、前記アノード側補強部材および前記カソード側補強部材は、空孔率が50%以上95%以下である、燃料電池。
この態様によれば、電解質膜、アノードおよびカソードに発生する応力による影響を効果的に緩和することができる。
[適用例1]
燃料電池であって、
電解質膜と、
前記電解質膜の表面に形成された触媒電極層と、
前記電解質膜と前記触媒電極層の両方の層に跨って局所的に存在し、前記電解質膜を複数の領域に区分けする補強部材と
を備える、燃料電池。
この構成によれば、電解質膜は、補強部材によって区分けされるため、膨張、収縮する領域が狭く区切られることになり、膨張、収縮によって発生する応力による影響は、補強部材によって緩和される。したがって、電解質膜と触媒電極層の界面や、触媒電極層と拡散層の界面における剥離を抑制することができ、燃料電池の発電性能の劣化を抑制することができる。
[適用例2]
適用例1に記載の燃料電池であって、
前記補強部材は、格子状の部材である、燃料電池。
この構成によれば、補強部材は、電解質膜及び触媒電極層に発生する応力による影響を効果的に緩和することができる。
[適用例3]
適用例1または適用例2に記載の燃料電池であって、さらに、
前記触媒電極層における電極反応に用いられる反応ガスを拡散させる拡散層を備え、
前記補強部材は、前記電解質膜と前記触媒電極層と前記拡散層とに跨って局所的に存在する、燃料電池。
この構成によれば、補強部材は、拡散層に発生する応力による影響を緩和することができるので、触媒電極層と拡散層の界面における剥離をさらに抑制することができる。
[適用例4]
燃料電池の製造方法であって、
(a)加水分解によりイオン伝導性を付与可能な電解質樹脂膜を準備する工程と、
(b)前記電解質樹脂膜を複数の領域に区分けすることが可能な補強部材を、前記電解質樹脂膜に対して、出代を残して含浸させる工程と、
(c)前記電解質樹脂膜の表面であって前記補強部材の前記出代によって区分けされた領域に、触媒が担持された導電性材料を配置して触媒電極層を形成する工程と、
(d)加水分解によって前記電解質樹脂膜にイオン伝導性を付与する工程と
を備える、燃料電池の製造方法。
加水分解が行なわれる前の電解質樹脂膜は熱可塑性である。したがって、この方法によれば、補強部材を電解質膜に容易に含浸させることができるため、電解質膜を複数の領域に区分けすることができ、発電性能が劣化しにくい燃料電池を容易に製造することができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能である。例えば、燃料電池、燃料電池の製造方法、燃料電池の製造装置等の形態で実現することができる。
本発明の一実施例における燃料電池の概略構成を説明する説明図である。 補強部材の構成を示す説明図である。 燃料電池の製造工程の手順の一部を示す工程図である。 燃料電池の製造工程の様子を示す説明図である。 燃料電池の製造工程の様子を示す説明図である。 第2実施例における燃料電池の構成を示す説明図である。 第2実施例における燃料電池の製造工程の様子を示す説明図である。 第2実施例における燃料電池の製造工程の様子を示す説明図である。 燃料電池のセル温度とセル電圧との関係を示すグラフである。 燃料電池のセル温度と燃料電池の内部抵抗との関係を示すグラフである。 冷熱サイクル数とセル電圧との関係を示すグラフである。
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
A1.燃料電池の構成:
A2.燃料電池の製造方法:
B.第2実施例:
C.実験例:
D.変形例:
A.第1実施例:
A1.燃料電池の構成:
図1は、本発明の一実施例における燃料電池10の概略構成を説明する説明図である。燃料電池10は、固体高分子型燃料電池であり、複数の単セル14が積層されたスタック構造を有している。単セル14は、燃料電池10における発電を行う単位モジュールであり、水素ガスと空気に含まれる酸素との電気化学反応により発電を行う。各単セル14は、発電体20と、発電体20を挟持する一対のセパレータ30(アノード側セパレータ30anおよびカソード側セパレータ30ca)とを備えている。
発電体20は、電解質膜21と、電解質膜21の両側の表面に形成された触媒電極層22(アノード22anおよびカソード22ca)と、触媒電極層22の両側に配置された一対のガス拡散層24(アノード側拡散層24anおよびカソード側拡散層24ca)とを備えている。
発電体20は、さらに、電解質膜21と触媒電極層22の両方の層に跨って局所的に存在し、電解質膜21を複数の領域に区分けする格子状の補強部材40(アノード側補強部材40an及びカソード側補強部材40ca)を備えている。さらに、本実施例では、アノード側補強部材40anは、電解質膜21とアノード22anとアノード側拡散層24anとに跨って局所的に存在している。補強部材40の詳細については後述する。
電解質膜21は、固体高分子材料としてのフッ素系スルホン酸ポリマーにより形成された高分子電解質膜であり、湿潤状態において良好なプロトン伝導性を有する。具体的には、本実施例では、電解質膜21として、ナフィオン膜(NRE212、ナフィオンは登録商標)が用いられている。なお、電解質膜21としては、ナフィオン(登録商標)に限定されず、例えば、アシプレックス(登録商標)やフレミオン(登録商標)等の他のフッ素系スルホン酸膜を用いることとしてもよい。また、電解質膜21として、フッ素系ホスホン酸膜、フッ素系カルボン酸膜、フッ素炭化水素系グラフト膜、炭化水素系グラフト膜、芳香族膜等が用いられてもよいし、PTFE、ポリイミド等の補強材を含む機械的特性を強化した複合高分子膜が用いられてもよい。
触媒電極層22(アノード22anおよびカソード22ca)は、電解質膜21の両側の表面に、補強部材40によって区分けされて形成されており、発電時には、一方がアノード電極として機能し、他方がカソード電極として機能する。触媒電極層22は、例えば、電気化学反応を進行する触媒金属(本実施例では白金)を担持したカーボン粒子(触媒担持担体)と、プロトン伝導性を有する高分子電解質(本実施例ではフッ素系樹脂)とを含んでいる。導電性の触媒担持担体としては、カーボン粒子の他に、例えば、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバーなどの炭素材料のほか、炭化ケイ素などに代表される炭素化合物等を用いることができる。また、触媒金属としては、白金の他に、例えば、白金合金、パラジウム、ロジウム、金、銀、オスミウム、イリジウム等を用いることができる。
なお、燃料電池の発電時において、アノード側では電気化学反応が起こりやすいため、本実施例では、アノード22anの層の厚さは、カソード22caの層の厚さよりも薄くなっている。ただし、アノード22anの厚さと、カソード22caの層の厚さとを同じ厚さにしてもよい。
ガス拡散層24(アノード側拡散層24anおよびカソード側拡散層24ca)は、電極反応に用いられる反応ガス(アノードガスおよびカソードガス)を電解質膜21の面方向に沿って拡散させる層である。本実施例では、ガス拡散層24として、カーボンペーパーが用いられている。なお、ガス拡散層24としては、カーボンペーパーの他に、例えば、カーボンクロス等の他のカーボン多孔質体、金属メッシュや発泡金属等の金属多孔質体を用いることができる。
なお、ガス拡散層24の表面には、撥水層を形成することとしてもよい。撥水層は、ガス拡散層24よりも微細な気孔を有するいわゆるMPL(Micro Porous Layer)である。撥水層は、ガス拡散層24の表面に撥水ペーストを塗布して焼成することによって形成することができる。
セパレータ30(アノード側セパレータ30anおよびカソード側セパレータ30ca)は、ガス遮断性および電子伝導性を有する部材によって形成されている。本実施例では、セパレータ30は、カーボンを圧縮してガス不透過とした緻密質カーボンによって形成されている。なお、セパレータ30は、緻密質カーボン等のカーボン製部材の他に、プレス成形されたステンレス鋼などの金属部材によって形成することができる。
セパレータ30は、表面にガスや液体が流通する流路を形成する凹凸形状を有している。具体的には、アノード側セパレータ30anは、アノード側拡散層24anとの間に、ガスや液体が流通可能なアノードガス流路AGCを有している。カソード側セパレータ30caは、カソード側拡散層24caとの間に、ガスや液体が流通可能なカソードガス流路CGCを有している。
図2は、補強部材40の構成を示す説明図である。図2(A)は、補強部材40の斜視図であり、図2(B)は、図2(A)における矢印A方向から補強部材40を示す図である。補強部材40は、複数の棒状部材が格子状に形成されており、電解質膜21及び電解質膜21の表面に形成された触媒電極層22を格子状に区分けしている。棒状部材同士が交差する部分は、熱圧着により一体構造となっている。すなわち、図2(B)に示すように、交差する棒状部材同士は、同一の平面に位置している。
補強部材40は、本実施例では、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)によって形成されている。なお、補強部材40は、PTFEに限られず、耐酸性または耐アルカリ性の素材で形成することができ、例えば、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)やPVDF(ポリフッ化ビニリデン)等の他のフッ素系樹脂で形成することができる。
補強部材40の空孔率は、50%以上95%以下であることが好ましい。この空孔率の範囲とすれば、発電領域を確保しつつ、電解質膜を適切に補強することができる。本明細書において、空孔率とは、補強部材の全体の平面の面積に占める、棒状部材に区切られて形成された空孔の面積の割合である。なお、本実施例では、補強部材40の格子を形成する棒状部材の直径は、20μmであり、棒状部材の中心間の距離は、100μmである。したがって、本実施例では、補強部材40の空孔率は、64%となっている。
以上説明したように、本実施例の燃料電池10では、補強部材40が、電解質膜21と触媒電極層22の両方の層に跨って局所的に存在するため、電解質膜21は、補強部材40によって複数の領域に区分けされる。したがって、電解質膜21が膨張、収縮する領域が狭く区切られることになり、膨張、収縮によって発生した応力は、補強部材40によって面方向及び膜厚保方向に対して分散され、吸収される。この結果、電解質膜21と触媒電極層22の界面や、触媒電極層22とガス拡散層24の界面における剥離を抑制することができ、燃料電池10の発電性能の劣化を抑制することができる。
特に、本実施例では、補強部材40は、格子状であるため、製造が容易であるとともに、電解質膜21及び触媒電極層22に発生する応力を効果的に吸収することができる。また、強度の高い補強部材40を用いることにより、発電時における電解質膜21の寸法変化を抑制することができる。
さらに、本実施例では、アノード側補強部材40anは、電解質膜21とアノード22anとアノード側拡散層24anとに跨って局所的に存在しているので(図1)、アノード側拡散層24anに発生する応力もアノード側補強部材40anによって分散され、吸収されるので、アノード22anとアノード側拡散層24anの界面における剥離をさらに抑制することができる。
A2.燃料電池の製造方法:
図3は、燃料電池の製造工程の手順の一部を示す工程図である。図4及び図5は、燃料電池の製造工程の様子を示す説明図である。なお、図4及び図5では、理解の容易のため、補強部材40については、端面を示している。
工程S100では、電解質膜21の前駆体である電解質膜前駆体21fを準備する。本明細書において、「電解質膜の前駆体」とは、加水分解によってプロトン伝導性が付与される前の、電解質膜となる前段階の電解質樹脂膜を意味する。
電解質膜前駆体21fとしては、加水分解によりプロトン伝導性を付与可能な電解質樹脂膜を用いることができ、例えば、−SO2F基を有するフッ素系樹脂、より具体的には、パーフロロスルホニルフロイドなどを用いることができる。また、電解質膜前駆体21fとしては、他に、スチレン樹脂、ポリイミド、ポリアミドなどの薄膜を用いるものとしてもよい。
工程S110では、電解質膜前駆体21fの両面に、補強部材40an、40caを接合する(図4(A))。工程S120では、補強部材40an、40caが接合された電解質膜前駆体21fを、160℃〜270℃の温度範囲で加熱しつつ、面方向に対して加圧する(図4(B))。すると、電解質膜前駆体21fは熱可塑性であるため、補強部材40an、40caが電解質膜前駆体21fに含浸し、一体となる。このとき、補強部材40an、40caの全てが電解質膜前駆体21fに含浸しないように、すなわち、所定の長さの出代が残るように、電解質膜前駆体21fへの含浸量を制御している。なお、本明細書において、出代とは、電解質膜前駆体21fに含浸後の補強部材40のうち、電解質膜前駆体21fの表面から突き出た部分を意味する。
工程S130では、電解質膜前駆体21fの両面に、ダイコータ50を用いて触媒インクを塗布し、2つの電極前駆体22caf,22anfを形成する(図4(C)、図5(A))。具体的には、電解質膜前駆体21fの表面であって補強部材40の出代によって格子状に区分けされたそれぞれの領域に、触媒インクを塗布する。ここで、本明細書において、「触媒インク」とは、水溶性溶媒または有機溶媒に触媒担持カーボンと電解質ポリマーとを分散させた混合溶液を意味する。本実施例では、触媒インクとして、フッ素系の溶媒に、触媒担持カーボンと、電解質膜前駆体21fに含まれるのと同種の電解質ポリマーとを分散させたものを用いる。
なお、上述したように、燃料電池の発電時において、アノード側では電気化学反応が起こりやすいため、電極前駆体22anfの層の厚さは薄い方が好ましく、カソード側では電気化学反応が起こりにくいため、電極前駆体22cafの層の厚さは厚い方が好ましい。ただし、電極前駆体22anfの層の厚さと、電極前駆体22cafの層の厚さとを同じ厚さにしてもよい。本実施例では、アノード側では、電極前駆体22anfが形成された後であっても、補強部材40の出代が残されている。
工程S140では、電極前駆体22anf,22cafが形成された電解質膜前駆体21fに対して加水分解処理を行う。加水分解処理の具体的な内容は、以下の通りである。
(1)電極前駆体22anf,22cafが形成された電解質膜前駆体21fを、アルカリ溶液(NaOH溶液)に浸漬させ、電解質膜前駆体21fおよび電極前駆体22anf,22cafの電解質樹脂が有する−SO2F基を−SO3Na基に変性させる。
(2)電極前駆体22anf,22cafおよび電解質膜前駆体21fを水洗した後、酸性溶液(H2SO4溶液、及び、H2NO3溶液)に浸漬させて、前段階で変性された−SO3Na基を、さらに、−SO3H基へと変性させる。
この工程によって、電解質膜前駆体21fおよび電極前駆体22anf,22cafに含まれる電解質樹脂にはプロトン伝導性が付与される。即ち、電解質膜前駆体21fはイオン交換膜である電解質膜21となり、電極前駆体22anf,22cafはそれぞれアノード22anおよびカソード22caとなる。
工程S150では、触媒電極層22が形成された電解質膜21の両面に、ガス拡散層24を接合する(図5(B))。工程S160では、100℃〜160℃の温度範囲で加熱しつつ、面方向に対して加圧する(図5(C))。
このように、本実施例の燃料電池の製造方法によれば、補強部材40を電解質膜21に容易に含浸させることができるため、発電性能が劣化しにくい燃料電池を容易に製造することができる。
B.第2実施例:
図6は、第2実施例における燃料電池10Bの構成を示す説明図である。図1に示した第1実施例との違いは、補強部材が電解質膜21の一方の面(本実施例ではカソード側)にのみ設けられているという点だけであり、他の構成は第1実施例と同じである。
図7及び図8は、第2実施例における燃料電池10Bの製造工程の様子を示す説明図である。図4及び図5に示した第1実施例との違いは、補強部材40を電解質膜21の一方の面(本実施例ではカソード側)にのみ接合させ、含浸させるという点だけであり、他の工程は第1実施例と同じである。
このように、電解質膜21の一方の面にのみ補強部材40を設けることとしても、第1実施例と同様に、燃料電池の発電性能の劣化を抑制することが可能である。
C.実験例:
図9は、燃料電池のセル温度とセル電圧との関係を示すグラフである。図10は、燃料電池のセル温度と燃料電池の内部抵抗との関係を示すグラフである。この実験例では、カソード側を無加湿状態として、セル温度、セル電圧及び内部抵抗を測定した。この図9及び図10のグラフには、補強部材40を利用した実施例の燃料電池における実験結果と、補強部材40を利用していない従来の燃料電池における実験結果が示されている。なお、この実験例では、実施例の燃料電池として、電解質膜21の両側に補強部材40を接合した燃料電池(第1実施例)を用いた。
この図9及び図10によれば、補強部材40を利用した燃料電池の方が、補強部材40を利用していない燃料電池よりも、内部抵抗の増加が小さく、セル電圧の低下が小さいことが理解できる。この理由は、補強部材40を利用すれば、温度変化による電解質膜21の寸法変化を抑制することができるので、触媒電極層22とガス拡散層24との間に隙間が発生してしまうことを抑制することができるためである。
図11は、冷熱サイクル数とセル電圧との関係を示すグラフである。この実験例では、−20℃から80℃までの温度範囲で冷熱サイクルを繰り返しながら、出力電流を0.8A/cm2として、セル電圧を測定した。図11のグラフには、補強部材40を利用した実施例の燃料電池における実験結果と、補強部材40を利用していない従来の燃料電池における実験結果が示されている。なお、この実験例では、実施例の燃料電池として、電解質膜21の両側に補強部材40を接合した燃料電池(第1実施例)を用いた。
この図11によれば、補強部材40を利用した燃料電池の方が、補強部材40を利用していない燃料電池よりも、冷熱サイクル数が大きくなった場合におけるセル電圧の低下が小さいことが理解できる。この理由は、補強部材40を利用すれば、電解質膜21の膨張と収縮を抑制することができるため、触媒電極層22の割れや、触媒電極層22とガス拡散層24の界面における剥離を抑制し、燃料電池の発電性能の低下を抑制することができるためである。また、補強部材40を利用すれば、電解質膜21と触媒電極層22の界面における接合強度を維持することができるため、冷熱変化による燃料電池の発電性能の低下を抑制することができる。
D.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
D1.変形例1:
上記実施例では、補強部材40は、正方形の空孔を有する格子状の部材であったが、補強部材40は、長方形やひし形、六角形等の他の形状の空孔を有する格子状の部材であってもよく、また、連子形状であってもよい。すなわち、補強部材40は、電解質膜21を複数の領域に区分けすることが可能な形状であればよい。
D2.変形例2:
上記実施例では、補強部材40の棒状部材の断面は円形であったが、補強部材40の棒状部材の断面は楕円形や多角形であってもよい。特に、補強部材40の棒状部材の断面を、電解質膜21の膜厚方向が長軸である楕円形とすれば、補強部材40の強度を確保しつつ、発電領域を広く確保することができる。
D3.変形例3:
上記第1実施例では、アノード側補強部材40anのみがアノード側拡散層24anにまで跨って存在していたが、カソード側補強部材40caがカソード側拡散層24caにまで跨って存在していてもよい。
D4.変形例4:
上記第2実施例では、カソード側補強部材40caのみが設けられていたが、アノード側補強部材40anのみが設けられていてもよい。
10…燃料電池
10B…燃料電池
14…単セル
20…発電体
21…電解質膜
21f…電解質膜前駆体
22…触媒電極層
22ca…カソード
22an…アノード
22caf…電極前駆体
22anf…電極前駆体
24…ガス拡散層
24ca…カソード側拡散層
24an…アノード側拡散層
30…セパレータ
30ca…カソード側セパレータ
30an…アノード側セパレータ
40…補強部材
40ca…カソード側補強部材
40an…アノード側補強部材
50…ダイコータ
AGC…アノードガス流路
CGC…カソードガス流路

Claims (4)

  1. 燃料電池であって、
    電解質膜と、
    前記電解質膜の一方の面に形成されたアノードと、
    前記電解質膜の他方の面に形成されたカソードと、
    前記電解質膜と前記アノードの両方の層に跨がって局所的に存在し、前記アノードに対向して配置され、前記電解質膜を複数の領域に区分けするフッ素系樹脂で形成されたアノード側補強部材と、
    前記電解質膜と前記カソードの両方の層に跨がって局所的に存在し、前記カソードに対向して配置され、前記電解質膜を複数の領域に区分けするフッ素系樹脂で形成されたカソード側補強部材と、を備え、
    前記アノード側補強部材および前記カソード側補強部材は、空孔率が50%以上95%以下である、燃料電池。
  2. 請求項1に記載の燃料電池であって、
    前記アノード側補強部材および前記カソード側補強部材は、格子状の部材である、燃料電池。
  3. 請求項1または請求項2に記載の燃料電池であって、さらに、
    前記アノードにおける電極反応に用いられる反応ガスを拡散させるアノード側拡散層を備え、
    前記アノード側補強部材は、前記電解質膜と前記アノードと前記アノード側拡散層とに跨って局所的に存在する、燃料電池。
  4. 燃料電池の製造方法であって、
    (a)加水分解によりイオン伝導性を付与可能な電解質樹脂膜を準備する工程と、
    (b)前記電解質樹脂膜を複数の領域に区分けすることが可能な補強部材を、前記電解質樹脂膜に対して、出代を残して含浸させる工程と、
    (c)前記電解質樹脂膜の表面であって前記補強部材の前記出代によって区分けされた領域に、触媒が担持された導電性材料を配置して触媒電極層を形成する工程と、
    (d)加水分解によって前記電解質樹脂膜にイオン伝導性を付与する工程と
    を備える、燃料電池の製造方法。
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