JP2008298832A - 波長変換装置、マスク検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光学部材に生じるダメージを抑制するとともに、屈折率の揺らぎの発生を抑制することができる波長変換装置を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様に係る波長変換装置は、入射する光の波長変換を行うセシウムを含むCLBO結晶114と、CLBO結晶114の波長変換された光が出射する出射面に接する雰囲気を、空気と略同等の屈折率を有し、かつ、窒素濃度が空気よりも低い気体とする気体供給手段を備えたものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体製造工程で利用されるフォトマスク(以下、単にマスクと呼ぶ。)における欠陥を検出する際に利用されるマスク検査装置に関する。
一般にパターン付きマスクの欠陥検査法には、マスクパターンと設計データとの比較検査法(一般にDie−to−database比較法と呼ばれる。)と、2つのチップにおけるパターン比較検査法(一般にDie−to−die比較法と呼ばれる。)の2通りの方法が広く知られている。これらの検査方法では、いずれもマスクのパターン像を顕微鏡で検出している。その際に光学的顕微鏡を用いる場合は、マスクパターンを光で照明する必要がある。その光源(すなわちマスク検査光源)には、ランプを用いる場合とレーザを用いる場合とに大別される。レーザを用いるマスク検査装置では、連続のレーザ光が発生する連続レーザが一般に用いられている。例えば、波長257nmの連続レーザ光(これは、アルゴンレーザにおける最大出力ラインである波長514nmの第二高調波である)を用いたマスク検査装置が市販されている。検出感度の点から検査光源のさらなる短波長化が望まれている。なお、このような波長257nmの連続レーザ光を用いた従来のマスク検査装置に関しては、例えば、非特許文献1あるいは非特許文献2に示されている。
半導体の微細化が進むにつれて、マスク上のパターンは微細化することから、欠陥検出感度向上のために、マスク検査装置の光源にも短波長化が求められている。次世代のマスク検査光源としては、例えば、波長488nmのアルゴンレーザの第二高調波と波長1064nmのファイバーレーザとの和周波数である198.5nmの紫外レーザ光を発生させて、これをマスク検査光源として用いたマスク検査装置が開発されている。このようなマスク検査装置は、例えば、特許文献1あるいは非特許文献3に示されている。
一方、パターン無しマスクの欠陥検査には、連続レーザ光を光源として用いて、マスク上でレーザ光を集光しながらスキャンする構成の装置が実用化されている。光源としては、波長488nmのアルゴンレーザが広く用いられており、特にブランクス検査装置として広く普及している。これに関しては、例えば、非特許文献4に示されている。
最近のブランクス検査装置では感度向上のため、波長266nmのレーザ装置を用いる場合もあり、波長266nmのレーザ光は、一般的は波長1064nmの固体レーザからのレーザ光を波長変換することで発生させている。なお、波長266nmのレーザ光を用いたブランクス検査装置としては、非特許文献5に示されている。
ところで、マスク検査装置で使用される光源は、波長変換型の紫外レーザの場合、以下に説明する新たな問題があった。波長198.5nmの紫外レーザや、波長266nmの紫外レーザでは、CLBO結晶(セシウムリチウムボレート結晶、化学式:CsLiB10)と呼ばれる非線形光学結晶が波長変換に用いられる場合がある。CLBO結晶が空気中で使用されると、結晶中のCsと空気中の窒素とが反応し、結晶表面に窒化物が生じることがある。これによって、CLBO結晶の表面にダメージが生じやすくなることが指摘されている。
そこで、この窒化物の発生を抑制するために、CLOB結晶を、炭酸ガス等の濃度を高めて窒素濃度を低減させた混合ガス中に配置することが提案されている。これに関しては、特許文献2に示されている。
特開2006−73970号公報 特開2004−220051号公報 Proceedings of SPIE Vol. 5446, pp.265−278,2004. 東芝レビュー、第58巻、第7号、第58〜61頁、2003年 Proceedings of SPIE Vol. 5592, pp.43,2005. Proceedings of SPIE Vol. 5256, pp.556−565,2003. SEMI Technology Symposium,2−14〜2−18,SEMICON Japan2006.
特許文献2に記載の波長変換装置では、CLBO結晶を密閉空間内に配置し、当該密閉空間を窒素濃度を低減させた混合気体で満たしている。図4に示すように、特許文献2に記載の従来の波長変換装置10では、密閉空間12内にCLBO結晶11が配置されている。また、密閉空間12の側面には、レーザ光を透過させるためのウインドー13が設けられており、密閉空間内に満たした混合気体が外部に漏れないような構成となっている。このような構成の波長変換装置10では、ウインドー13の表面が曇って、レーザ光が減衰したり、ウインドー13表面にダメージが生じたりするおそれがある。
しかしながら、CLBO結晶を密閉空間内に配置せずにこの手法を適用すると、混合ガスが外部に広がる際に生じる屈折率の揺らぎが発生してしまう。特許文献2では、この屈折率の揺らぎに関しては、全く考慮されていなかった。特に、マスク検査装置において、CLBO結晶を密閉空間内に配置せずに使用する場合、複雑で高精度の光学系を用いた装置内に混合ガスが流れ込む。マスク検査装置では、レーザ光を発生させた状態で光学系を調整する必要があるため、調整者の安全性の観点から、光学系は空気で満たされている。この混合ガスの屈折率が空気の屈折率と大きく異なると、屈折率の揺らぎが生じて、レーザ光が屈折し、検査性能に悪影響を及ぼすことが懸念される。従って、光学系に流れ込むおそれのあるガスが、空気の屈折率と異なることが大きな問題になっていた。
特に、欠陥検査装置の場合、検出される欠陥が大量に発生するという問題が生じることがあった。上述の混合ガスを注入することでかえって欠陥が増加するということは、真の欠陥ではなく、屈折率の揺らぎに起因して検査用のレーザ光の光路が変動し、疑似欠陥が生じたと考えられる。
本発明は、このような事情を背景としてなされたものであり、本発明の目的は、光学部材に生じるダメージを抑制するとともに、屈折率の揺らぎの発生を抑制することができる波長変換装置及びマスク検査装置を提供することである。
本発明の第1の態様に係る波長変換装置は、入射する光の波長変換を行うセシウムを含む非線形光学結晶と、前記非線形光学結晶の波長変換された光が出射する出射面に接する雰囲気を、空気と略同等の屈折率を有し、かつ、窒素濃度が空気よりも低い気体とする気体供給手段を備えたものである。これにより、光学部材に生じるダメージを抑制するとともに、屈折率の揺らぎの発生を抑制することができる。
本発明の第2の態様に係る波長変換装置は、上記の波長変換装置において、前記気体は、窒素を含まないものである。これにより、光学部材に生じるダメージをさらに抑制することができる。
本発明の第3の態様に係る波長変換装置は、上記の波長変換装置において、前記気体は、酸素と、二酸化炭素とを含み、バッファガスとしてアルゴン又はヘリウムを有する混合ガスであるものである。これにより、光学系の調整を行う際に、作業者が酸欠になることを抑制することができる。
本発明の第4の態様に係る波長変換装置は、上記の波長変換装置において、前記気体における酸素の混合比は、10〜20%であることを特徴とするものである。これにより、光学系の調整を行う際に、作業者が酸欠になることを防止することができる。
本発明の第5の態様に係る波長変換装置は、上記の波長変換装置において、前記気体供給手段は、前記非線形光学結晶の出射面に向かって前記気体を噴出するノズルを備えるものである。これにより、非線形光学結晶の出射面に向かって噴出する気体の流量を少なくすることができる。
本発明の第6の態様に係るマスク検査装置は、上記のいずれかに記載の波長変換装置を備えるものである。これにより、光学部材に生じるダメージを抑制することができる。また、屈折率の揺らぎの発生を抑制することができ、検査中に検査用のレーザ光の光路が変動することがないため、擬似欠陥の発生を抑制することができる。
本発明によれば、光学部材にダメージを生じさせることなく、屈折率の揺らぎの発生を抑制した波長変換装置及びマスク検査装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明は、本発明の好適な実施の形態を示すものであって、本発明の範囲が以下の実施例の形態に限定されるものではない。以下の説明において、同一の符号が付されたものを実質的に同様の内容を示している。
実施の形態1.
本発明の実施の形態1に係るマスク検査装置について、図1を参照して説明する。図1は、本実施の形態に係るマスク検査装置100の構成を示す図である。図1に示すように、本実施の形態に係るマスク検査装置100は、ビームスプリッタ101、λ/4波長板102、対物レンズ103、結像レンズ108、二次元光検出器109、DUVレーザ装置110、ガスボンベ120、配管121を備えている。また、DUVレーザ装置110は、励起レーザ111、高反射ミラー112、ダイクロイックミラー113、CLBO結晶114を備えている。
なお、図1においては、マスク基板105のパターン面107上にペリクル106が設けられたマスク104を検査対象とする。マスク104のパターン面107は、合成石英から成るマスク基板105の片面に形成されている。パターン面107は、ペリクル106でカバーされており、パターン面107にパーティクルが付着しないようになっている。
まず、マスク検査装置100の全体的な動作について説明する。マスク検査装置100では、光源として、波長266nmのレーザ光L101を発生させるDUVレーザ装置110が用いられている。レーザ光L101は、水平方向(図では紙面に垂直な方向の偏光となっている。レーザ光L101は、偏光ビームスプリッタ101に当たって反射し、レーザ光L102のように下方に進み、λ/4波長版102を通って円偏光となる。このレーザ光L103は、対物レンズ103に入射して、レーザ光L104のように集光しながら、マスク104のパターン面107を照射する。レーザ光L104が照射される部分の中心付近が観察領域である。
観察領域から反射された上向きのレーザ光L104は、対物レンズ103を通って、再びλ/4波長板104を通過する。これにより、上方に進むレーザ光L102の偏光方向は、下方に進む場合と直交することになる。このため、レーザ光L102は、偏光ビームスプリッタ101を透過して、レーザ光L105のように進む。そして、レーザ光L105は、結像レンズ108によって、二次元光検出器109に当たる。以上のように、マスク104におけるパターン面107の観察領域が、二次元光検出器109へ拡大投影される。なお、二次元光検出器109としては、TDI素子やCCD素子が適する。以上は、観察領域を照明するために、レーザ光L104を対物レンズ103側から入射させる、反射照明と呼ばれる照明法である。
なお、これとは反対に、パターン面107を照明するレーザ光を、対物レンズ103とは反対側から照明する照明法がある。この照明法は、透過照明と呼ばれる。通常、マスク検査装置では両方の照明が備えられているが、図1においては透過照明の図示を省略した。
本実施の形態に係るDUVレーザ装置110は、波長532nmのレーザ光L100を発生させる励起レーザ111を備えている。励起レーザ111から出射されたレーザ光L100は、高反射ミラー112とダイクロイックミラー113とで組まれた外部共振器内に進む。外部共振器の内部には、高反射ミラー112とダイクロイックミラー113との間に配置されたCLBO結晶114が設けられている。CLBO結晶114は、CsLiB10の化学式で表され、セシウムを含む非線形光学結晶である。
レーザ光L100はCLBO結晶114に当たり、第二高調波である波長266nmのレーザ光L101が発生する。ダイクロイックミラー113は、波長532nmのレーザ光に対しては90%以上の高い反射率を有しているが、波長266nmのレーザ光に対しては90%以上の高い透過率を有している。このため、波長266nmのレーザ光L101がDUVレーザ装置110から取り出される。
なお、図1においては、DUVレーザ装置110で用いられている第二高調波の発生手段として、高反射ミラー112とダイクロイックミラー113とで構成した外部共振器が描かれているが、4枚のミラーで構成するボウタイ型と呼ばれる外部共振器を用いることも可能である。
本実施の形態に係るマスク検査装置100には、ガスボンベ120が設けられている。ガスボンベ120には、空気と略同等の屈折率を有し、かつ、窒素濃度が空気よりも低い気体が充填されている。従って、この気体の窒素濃度は、空気の窒素濃度の約75(重量)%よりも低い値となる。DUVレーザ装置110の上部には、配管121が取り付けられており、ガスボンベ120に充填されている気体は、配管121を介して、図1中A1と示してあるように放出されている。この気体の放出量は、毎分10cm程度と微量であるが、常時放出されている。従って、DUVレーザ装置110内部は、ガスボンベ120から放出された気体でパージされている。すなわち、DUVレーザ装置110内は、上記の気体で満たされることになる。このため、CLBO結晶114の光出射面に接する雰囲気は、ガスボンベ120から放出された気体となっている。すなわち、CLBO結晶114は、空気と略同等の屈折率を有し、かつ、窒素濃度が空気よりも低い気体雰囲気中に配置される。
このように、CLBO結晶114の両端面には、窒素濃度が空気よりも低い気体が接触することとなる。このため、CLBO結晶の両端面に窒素を含む有機化合物である硫酸アンモニウムや硝酸アンモニウムが生成することがなく、ダメージが生じにくくなっている。また、それだけでなく、DUVレーザ装置110内が上記の気体で満たされるため、高反射ミラー112とダイクロイックミラー113において、レーザ光が当たる部分でもダメージが生じにくくなっている。これにより、長期間安定に紫外のレーザ光を発生することができる。さらに、CLOB結晶114が配置される雰囲気の気体の屈折率が空気の屈折率と略同等になるため、装置外部から空気が侵入して混合しても、屈折率の揺らぎが生じない。このため、検査に用いるレーザ光の光路が変動することがない。これにより、屈折率の揺らぎに起因して検査用のレーザ光の光路が変動し、疑似欠陥が生じるのを防止することができる。
また、DUVレーザ装置110内に放出された混合ガスは、レーザ光L101が取り出される穴からA2のように漏れ出し、マスク検査装置100の内部に充満する。すなわち、窒素濃度が空気の窒素濃度よりも低い気体がマスク検査装置100の内部にも充満することになる。このため、紫外のレーザ光L104が照射されるマスク104のペリクル106やパターン面107にも、窒素を含む有機化合物である硫酸アンモニウムや硝酸アンモニウムが生成することもない。従って、いわゆるヘイズや成長性欠陥も生じにくくなる。なお、DUVレーザ装置110、マスク検査装置100内に供給される気体は、窒素を含まないことが好ましい。これにより、各光学部材へのダメージをより抑制することが可能となる。
また、ガスボンベ120に充填される気体は、酸素と、二酸化炭素とを含む混合ガスであることが好ましい。また、混合ガスにおける酸素の混合比は、10〜20(重量)%である。さらに、混合ガスにおける二酸化炭素の濃度は、空気における二酸化炭素の濃度よりも高くなっている。このように、パージに用いる混合ガスの酸素の混合比が10〜20%であるため、装置の光学系を作業者が調製する際に、その混合ガスを吸っても酸欠になることがない。また、特に、二酸化炭素の濃度を空気における二酸化炭素の濃度よりも高くすることによって、空気中の酸素濃度に比べて低くなっても酸欠になることもない。
なお、これに関しては、イナージェン消火設備で用いられる混合ガスで実証されている。すなわち、二酸化炭素濃度が高くなると、人間の呼吸効率が高まるため、10%近い低酸素濃度下でも、酸欠にならないことが証明されている。
本実施の形態においては、ガスボンベ120に充填された気体を、酸素と、炭酸ガス、アルゴンガスの混合ガスとする。混合ガスの混合比は、以下の式を満たすものである。
1.000272×MO2+1.00045×MCO2+1.000284×MAr
=1.000292±0.0003
なお、1.000272は酸素の屈折率、1.00045は二酸化炭素の屈折率、1.000284はアルゴンの屈折率、1.000292は空気の屈折率である。また、MO2は酸素の混合比、MCO2は二酸化炭素の混合比、MArはアルゴンの混合比である。また、この混合ガスの窒素濃度は、空気の窒素濃度よりも低い。
従って、酸素、炭酸ガス、アルゴンガスの混合比は、図2に示すグラフのようになる。酸素の混合比を10〜20%とすると、例えば、以下の表に示すような混合比を採用することが可能である。
Figure 2008298832
本実施の形態においては、ガスボンベ120には、酸素が約20%、炭酸ガスが約6%、バッファとしてアルゴンガスから構成される混合ガスが充填されている。このように、マスク検査装置100に供給される混合ガスが、窒素を含まないことから、各光学系のダメージを抑制することができる。また、特に二酸化炭素が6%前後と、空気中の二酸化炭素濃度よりも2桁も高いことから、酸素濃度が10%近くと、空気中の酸素濃度に比べて低くなっても、酸欠になることもない。なお、アルゴンの代わりに、ヘリウム等の他の希ガスを用いることも可能である。
なお、本実施形態では分かりやすく説明するために、図1にガスボンベ120が描かれているが、ガスボンベ120の代わりに、マスク検査装置100が設置されているクリーンルームのハウスラインによって、前述した混合ガスを供給してもよい。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係るマスク検査装置に用いられるDUVレーザ装置200の構成について図3を参照して説明する。図3に示すように、DUV装置200は、励起レーザ201、高反射ミラー202、ダイクロイックミラー203、CLBO結晶204を有している。本実施の形態に係るDUVレーザ装置200は、図1に示すDUVレーザ装置110と略同等の内部構成であるが、以下に説明するように、パージシステムの構成が異なっている。
図2に示すように、CLBO結晶204の両端面(光入射面及び光出射面)の近傍に、実施の形態1において説明した混合ガスを噴出させる配管205が設けられている。配管205は、ノズル状に先端が細く小さい開口になっている。この結果、混合ガスの流量が毎分10cm程度でも、配管205から噴き出る混合ガスの流速は早くなる。従って、混合ガスの流量が少なくても、CLBO結晶204の両端面をパージする効果が大きい。このため、混合ガスの流量を少なくすることができ、混合ガスを充填しておくガスボンベ120の寿命を長くすることができる。あるいは、容量の小さいガスボンベを用いることも可能になった。
また、CLBO結晶204の両端面のパージに用いられる配管205とは別に、DUVレーザ装置200の略中央部には、配管206が設けられている。配管206は、DUVレーザ装置200内部に第2のパージガスとして、ドライエアを供給するために設けられている。これは、CLBO結晶204以外の光学部品の表面にパーティクルが付着しないようにするためであり、ドライエアの流量は、毎分約300cmと上記の混合ガスよりも大量に流している。これによって、DUVレーザ装置200の内部ではクリーン度を極めて高くすることができる。
以上のように、本発明によれば、光源として用いるレーザ装置でCLBO結晶を用いていても、これにダメージが生じにくくなった。また、検査中に検査用のレーザ光の光路が変動することがないため、擬似欠陥が生じることがなくなった。さらに、DUVレーザ装置内を高いクリーン度に保つことができ、しかも、混合ガスの使用量を大幅に低減することができる。
なお、上記の実施の形態においては、波長変換を行う非線形光学結晶としてCLBO結晶を用いたが、これ以外にもCBO結晶(セシウムボレート結晶、化学式CsB)等を用いることができる。また、セシウムを含まないBBO結晶(βバリウムボレート結晶、化学式:β−BaB)、LBO結晶(リチウムボレート結晶、化学式:LiB)等であっても、セシウム以外の元素が窒素と反応して窒化化合物を形成する可能性もあるので、本発明の混合ガスを使用することができる。
また、上述の説明では、パターン付きマスクの検査を行うマスク検査装置について説明したが、これに限定されるものではない。本発明が対象とするマスク検査装置は、検査対象としてのマスクの種類によって構成が異なるが、パターンを形成したパターンつきマスクだけではなく、レジストを塗布しただけのパターンなしマスクや、あるいは、マスク基板(マスクブランクス)やウエハを検査対象とするブランクス検査装置でもよい。さらに、ウエハを検査対象とするウエハ検査装置でもよい。
実施の形態に係るマスク検査装置の構成を示す図である。 実施の形態に係るマスク検査装置に強雨給される混合ガスの混合比を説明するためのグラフである。 実施の形態に係るDUVレーザ装置の構成を示す図である。 従来の波長変換装置の構成を示す図である。
符号の説明
100 マスク検査装置
101 ビームスプリッタ
102 λ/4波長板
103 対物レンズ
104 マスク
105 マスク基板
106 ペリクル
107 パターン面
108 結像レンズ
109 二次元光検出器
110 DUVレーザ装置
111 励起レーザ
112 高反射ミラー
113 ダイクロイックミラー
114 CLBO結晶
120 ガスボンベ
121 配管
200 DUVレーザ装置
201 励起レーザ
202 高反射ミラー
203 ダイクロイックミラー
204 CLBO結晶

Claims (6)

  1. 入射する光の波長変換を行うセシウムを含む非線形光学結晶と、
    前記非線形光学結晶の波長変換された光が出射する出射面に接する雰囲気を、空気と略同等の屈折率を有し、かつ、窒素濃度が空気よりも低い気体とする気体供給手段を備えた波長変換装置。
  2. 前記気体は、窒素を含まない請求項1に記載の波長変換装置。
  3. 前記気体は、酸素と、二酸化炭素とを含み、バッファガスとしてアルゴン又はヘリウムを有する混合ガスである請求項1又は2に記載の波長変換装置。
  4. 前記気体における酸素の混合比は、10〜20%であることを特徴とする請求項3に記載の波長変換装置。
  5. 前記気体供給手段は、前記非線形光学結晶の出射面に向かって前記気体を噴出するノズルを備える請求項1〜4のいずれか1項に記載の波長変換装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の波長変換装置を備えるマスク検査装置。
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