JP2010186167A - 洗浄方法及び洗浄装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ペリクルを剥がすことなく簡便かつ確実に熱分解性の汚染物質を除去すること。
【解決手段】本発明の一態様に係る洗浄装置は、ペリクル24が取り付けられたマスク基板21のパターン面に付着した熱分解性の汚染物質に対して、ペリクル24を介して波長8〜11μmのレーザ光を照射する炭酸ガスレーザ12を備え、照射されたレーザ光によりマスク基板21を加熱し、汚染物質を熱分解して除去する。炭酸ガスレーザ12は、パルスレーザ光を照射する。
【選択図】図4

Description

本発明は洗浄方法及び洗浄装置に関し、特に、ペリクルをつけたままでマスク基板上の汚染物質を除去する洗浄方法及び洗浄装置に関する。
ArFエキシマレーザ光等を用いた高エネルギー露光方法においてフォトマスクが使用された場合、マスクのパターン面にヘイズといわれる汚染物質が発生することが知られている。ヘイズの1つに成長性異物とも言われている硫酸アンモニウム結晶の発生がある。また、有機化合物によるヘイズの発生も知られている。
硫酸アンモニウム結晶は、フォトマスクの使用中にペリクル閉空間内に存在した硫酸アンモニアが高エネルギー露光光下に長時間曝露されたことによって反応生成物として結晶成長することにより発生すると考えられているが、成長性結晶を含めてヘイズの発生メカニズムの詳細は解明されていない。そのため、ヘイズを発生させない根本的対策はいまだ知られていない。
マスク上に発生した異物がフォトマスクの露光保証領域内で1つでも略100nm以上の大きさになった場合は、マスクの転写品質が劣化して許容できないことが多い。このため、ウエハを露光する前にマスクの検査が行われている。マスク上の異物の大きさと数について判定基準を設け、基準を超えた異物が見つかった場合は、一旦マスクのパターン面を保護するために設けられているペリクルを剥がして、ウエット洗浄等で異物を除去した後、改めてペリクルを貼り付け直してからウエハ露光を行っている。
露光工程において、ペリクルを剥がすことなく、簡便に異物を除去することができれば、ペリクルの貼り直しに要するコストが低減できるばかりでなく、処理時間の長いウエット洗浄が不要となり、工程管理上も大きな効果が期待できる。そのため、ペリクルを剥がすことなく、短時間で汚染物質を除去する簡便な洗浄方法が期待されている。
特許文献1では、ペリクルをつけたままで硫酸アンモニウムなどの汚染物質を除去する洗浄方法が開示されている。特許文献1では、ガス状の極性有機化合物で汚染物質を一旦置換して除去した後、当該マスクを露光工程で使用する前に、汚染物質を置換した極性有機化合物を分解・除去する方法である。しかしながら、本方式を採用した装置の販売は行われていない。
また、非特許文献1には、ペリクル付マスクで発生した異物である硫酸アンモニウムを、ペリクルを剥がすことなく除去する装置について記載されているが、その技術的詳細は開示されていない。非特許文献2には、パルスレーザを照射して基板を加熱することにより膨張させ、基板上に付着した異物を弾き飛ばすレーザクリーニング方法が記載されている。
特開2008−51986号公報 特開2004−226717号公報 特公平6−95510号公報 特開2006−114650号公報 特開2009−244686号公報
M. David Levenson, 'Rave "Rhazers" reticle haze', Solid State Technology, July 18, 2008 Andrew C. Tam et al., "Laser-cleaning Techniques for removal of surface particulates", J. Appl. Phys. 71 (7), April 1, 1992
本発明者が検討したところ、上述の硫酸アンモニウム結晶は、過熱することにより分解する熱分解性を有していることが分かった。従来、汚染物質の熱分解性を利用して、当該汚染物質を除去する方法は提案されていない。
特許文献2〜5には、マスクに付着した異物を除去する方法が記載されている。特許文献2には、ペリクルを装着した状態で、欠陥に対してレーザービームを照射して、欠陥を熱分解して消失させる方法が記載されている。レーザービームの波長は、欠陥材料に対して吸収率が高いものが用いられている。
特許文献5には、基板にペリクル膜が貼付された状態で、異物は吸収し、かつ、ペリクル膜及び基板は吸収しない波長の光を異物に照射して異物を除去する方法が記載されている。特許文献5では、ペリクル膜及び基板が吸収しない波長3.2μm付近の赤外線がフォトマスク上の異物に照射される。
しかしながら、基板上に付着する異物は極めて小さく、形状も一定ではない。異物の照射される赤外線を受光する面積が小さい場合には、異物を熱分解させるほどの吸収が発生せず、異物を完全に除去することができないという問題がある。
本発明はこのような事情を背景としてなされたものであり、硫酸アンモニウム等の熱分解性の汚染物質を、ペリクルを剥がすことなく簡便かつ確実に除去する洗浄方法及び洗浄装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に係る洗浄方法は、ペリクルが取り付けられたマスク基板のパターン面に付着した熱分解性の汚染物質に対して、前記ペリクルを介してレーザ光源から波長8〜11μmのレーザ光を照射するステップと、照射された前記レーザ光により前記基板を加熱し、前記汚染物質を熱分解して除去するステップとを有する。これにより、ペリクルを剥がすことなく、簡便かつ確実に熱分解性の汚染物質を基板から除去することができる。
本発明の第2の態様に係る洗浄方法は、上記の洗浄方法であって、前記レーザ光源は、炭酸ガスレーザであることを特徴とする。本発明は、このような場合に特に有効である。
本発明の第3の態様に係る洗浄方法は、上記の洗浄方法であって、前記レーザ光は、パルスレーザ光であることを特徴とする。これにより、汚染物質が付着した基板におけるレーザ照射部を瞬間的に温度上昇させて加熱することができ、確実に熱分解性の汚染物質を基板から除去することが可能となる。
本発明の第4の態様に係る洗浄装置は、上記いずれかに記載の洗浄方法により、ペリクルが取り付けられたマスク基板から熱分解性の汚染物質を除去するものである。これにより、ペリクルを剥がすことなく、簡便かつ確実に熱分解性の汚染物質を基板から除去することができる。
本発明によれば、ペリクルを剥がすことなく簡便かつ確実に熱分解性の汚染物質を除去することができる洗浄方法及び洗浄装置を提供することができる。
実施の形態1に係る洗浄装置の構成を模式的に示す図である。 実施の形態2に係る洗浄装置の構成を模式的に示す図である。 実施の形態3に係る洗浄装置の構成の一部を説明する図である。 実施の形態4に係る洗浄装置の構成を模式的に示す図である。 石英の熱吸収係数の波長依存性を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明は、本発明の好適な例を示すものであって、本発明の範囲が以下に限定されるものではない。以下の説明において、同一の符号が付されたものを実質的に同様の内容を示している。
本発明に係る洗浄装置は、マスク基板のパターン面に発生する硫酸アンモニウム等の熱分解性を有する汚染物質を除去するものである。従来は、この汚染物質が検出された段階で、ウエット洗浄工程を設けることが一般的であった。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、除去すべき汚染物質の化学的特性に熱分解性があることを見出した。この熱分解性を積極的に利用した洗浄方法は知られていない。本発明は、汚染物質の熱分解性を利用することにより、従来のウエット洗浄方法と比較すると、単純な設備構造で基板表面の汚染物質を除去するものである。
実施の形態1.
本発明の実施の形態1に係る洗浄装置及び洗浄方法について、図1を参照して説明する。図1は、本実施の形態に係る洗浄装置100の構成を示す図である。本実施の形態に係る洗浄装置100における洗浄処理対象は、ペリクル24付きのマスク20である。洗浄装置100は、マスク基板21のパターン面に付着した熱分解性の汚染物質を分離・除去する洗浄処理を行う。
まず、洗浄処理対象となるマスク20の構成について説明する。マスク20は、半導体等の露光工程で使用されるフォトマスクである。マスク20は、マスク基板21、ペリクルフレーム23、ペリクル24を有する。マスク基板21上には、露光時に転写されるパターン22が形成されている。このパターン22は、石英などの透明基板上に形成されている。パターン22は、クロムからなる遮光パターンの他、モリブデンシリサイドからなるハーフトーンや石英を掘り込んだ位相シフトパターンなどである。
マスク基板21のパターン面には、枠状のペリクルフレーム23が装着されている。ペリクルフレーム23は、マスク基板21のパターン22が形成されている領域を囲むように取り付けられている。ペリクルフレーム23のパターン面側と反対側には、ペリクル24が設けられている。ペリクルフレーム23を介してマスク基板21にペリクル24が装着される。
従って、パターン面上の空間がマスク基板21、ペリクルフレーム23、及びペリクル24で囲まれている。これにより、外部から飛来する異物がパターン面に付着するのを防ぐことができる。
マスク基板21、ペリクルフレーム23、及びペリクル24で囲まれた空間をペリクル空間とする。洗浄装置100は、ペリクル24を装着した状態でマスク基板21上の汚染物質を分離・除去する洗浄処理を行う。具体的には、パルスレーザを照射することによって、パターン面上の汚染物質をマスク基板21から取り除く。
なお、汚染物質は熱分解性を有するものであり、例えば、硫酸アンモニウムが挙げられる。このような汚染物質にレーザ光を照射して、当該汚染物質又はマスク基板21を加熱することにより、汚染物質が分解され、マスク基板21の表面から取り除くことができる。これにより、露光時に汚染物質が問題となるのを防ぐことができ、マスク20の寿命を延ばすことができる。
次に、洗浄装置100の構成について説明する。洗浄装置100は、マスク20のパターン面を観察して汚染物質(欠陥)を検査する検査機能とともに、汚染物質を分解・除去する洗浄機能とを併せ持っている。洗浄装置100は、観察用光源1、レンズ2、4、8、ミラー3、5、9、対物レンズ6、ステージ7、光検出器10、エキシマレーザ11を備えている。
洗浄装置100は、観察用光源1からの照明光をマスク20に照射するための照明光学系と、光検出器10により観察を行うための拡大投影光学系とを備える。照明光学系は、レンズ2、4、ミラー3、5、対物レンズ6を備える。拡大投影光学系は、レンズ8、ミラー9を備える。
観察用光源1は、マスク基板21上の汚染物質を観察する際に、マスク基板21を照明するための光源である。観察用光源1としては、Hg−Xeのランプ光源を用いることができる。なお、観察用光源1は、これに限定されるものではなく、ArFエキシマレーザ、KrFエキシマレーザ、波長変換型紫外固体レーザなどの紫外レーザ光源であってもよい。観察用光源1として紫外光を出射するものを用いることにより、欠陥修正及び観察の空間分解能を向上することができる。
まず、洗浄装置100における検査時の照明に関して説明する。観察用光源1から出射された照明光は、レンズ2、ミラー3、レンズ4を透過し、対物レンズ6によりマスク基板21に集光される。照明された観察領域の光学像の情報を含む反射光は、対物レンズ6を透過し、ミラー5により反射される。そして、レンズ8を透過し、ミラー9で反射されて、光検出器10に照射される。
エキシマレーザ11は、観察用光源1を用いて検出された汚染物質を除去するために必要なエネルギーを供給する光源である。エキシマレーザ11としては、マスク基板21の材料、パターン22材料又はマスク基板21上の汚染物質に対する吸収係数の高い波長の光を出射するものであることが好ましい。
例えば、汚染物質がクロムからなる遮光パターンや、モリブデンシリサイドからなるハーフトーンパターン上に発生している場合、これらに対する吸収係数が高い紫外域のパルスレーザ光を出射するKrFエキシマレーザを用いることができる。これにより、汚染物質を短時間で加熱することができ、当該汚染物質を分解・除去することができる。
なお、エキシマレーザ11としては、KrFエキシマレーザに限定されるものでは泣く、他のエキシマレーザを用いてもよい。エキシマレーザ11として、パルスレーザ光源でかつ、マスク材料の光学吸収係数の大きいものであれば、本洗浄方法に適用できる、例えば、ArFエキシマレーザの193nm光もマスクの膜材料に大きな吸収係数をもっている。
本実施の形態においては、観察用光源1としてHg−Xeランプを、エキシマレーザ11としてKrFエキシマレーザを用いており、観察用光源1、エキシマレーザ11から出射される光の波長はともに248nmである。このため、レンズ等の他の光学系を共有することができる。すなわち、観察用光源1を用いてマスク基板21を観察し、汚染物質が検出された場合には、そのままエキシマレーザ11からのパルスレーザ光によって汚染物質の熱分解処理を行うことができる。
次に、洗浄装置100におけるマスク20の洗浄時の照明に関して説明する。マスク20上の汚染物質を除去する場合には、エキシマレーザ11から出射された光は、ミラー3により反射され下方へ進む。その後ミラー3を反射した光は、レンズ4、ミラー5を透過し、対物レンズ6によりマスク基板21に集光される。
ステージ7には、マスク20が載置される。マスク基板21のパターン面と反対側の面がステージ7に当接する。ステージ7はXYステージであり、ステージ7を駆動すると、マスク20が対物レンズ6に対して相対的に移動する。すなわち、マスク20がステージ7とともに、パターン面に沿った方向に移動する。そして、観察用光源1又はエキシマレーザ11からの光の照射位置を汚染物質が付着した箇所に位置合わせをすることができる。従って、レーザ光の集光位置に汚染物質を移動させることで、汚染物質を短時間で分解・除去できる。
なお、ステージ7には、当該ステージ7を制御する図示しない制御手段が設けられている。制御手段は、観察用光源1を用いて検出した汚染物質の座標データを読み込み、その場所を再現することができる。
上述したように、汚染物質は熱分解性を有するものである。熱分解性を有する物質の一例である硫酸アンモニウム結晶について説明する。硫酸アンモニウム結晶は、120℃以上でその一部がアンモニアと硫酸に分解し、357℃で分解しつつ、融解する性質がある。また、硫酸は322℃で沸騰する。従って、硫酸アンモニウムを120℃以上に加熱すれば、固体結晶の一部が次第に気体となり、結晶の大きさが小さくなる。
ここで、マスクに付着した硫酸アンモニウム結晶を熱分解してマスク表面から除去する実施例について説明する。熱エネルギーの供給方法は、ペリクル膜越しにエネルギー供給ができる光照射をし、硫酸アンモニウムが付着しているマスク材料にエネルギーを吸収させることで、硫酸アンモニウムを熱分解して除去する方法を採用した。なお、光エネルギーを直接、硫酸アンモニウムに吸収させる方法であってもよい。
マスクは、外径152nm角で厚さ6.3mmの合成石英板上に略100nm程度の厚みを持った遮光膜、ハーフトーン膜、或いは石英の掘り込みによるパターンが形成されている構造である。膜材料は、クロム或いはモリブデンシリサイドなどである。洗浄を行う光源としては、これらの材料に対して大きな光吸収係数を持つDeepUV光を用い使用した。
試薬特級の硫酸アンモニウム結晶を0.1wt%水溶液として、その水滴をマスク基板21に付着させた後、水を蒸発させることで直径50nmから1μm程度の硫酸アンモニウムの粒状結晶を作成した。これを、露光工程で発生する成長性異物である硫酸アンモニウムの洗浄方法を評価するための試料とした。
まず、光源として、DeepUV光の連続光を出射するHg−Xeランプを使用した場合について説明する。クロム膜状に略100nmの硫酸アンモニウムが付着したマスクに、Hg−Xeランプによる波長248nmの光を照射したところ、3時間で硫酸アンモニウム結晶は消失した。これは、光を吸収したクロム膜の温度上昇によって、硫酸アンモニウムが熱分解温度以上に加熱された次第に分解・気化したためであると考えられる。
しかしながら、硫酸アンモニウムを消滅させるために長い時間を必要とする欠点を持つ。例えば、異物を10個消滅さえるには、1日以上の時間を必要とする。すなわち、実用的な洗浄方法とはなりえないことが判明した。
そこで、この長時間処理を改善する照射方法として、Hg−Xeランプの代わりに、エネルギー密度の高いパルスレーザ光を照射するエキシマレーザを用いて硫酸アンモニウムを熱分解させることを試みた。エネルギー密度の高いパルスレーザの場合、1秒程度の照射でほとんどの硫酸アンモニウムの結晶は気化して消滅した。
このように、本発明では、DeepUV光を出射するパルスレーザを採用して熱分解性の汚染物質を短時間で確実に分解・除去することが可能である。このため、マスク欠陥となる恐れがなく、露光工程に問題となることはない。
クロム膜上の略1μm以下の硫酸アンモニウム結晶は、パルスレーザ光の照射を1回(1ショット)すれば一瞬にして消滅する。この方法であれば、100個程度の異物を除去する場合でも、レーザ照射に要する時間は数分以内であり、十分実用的な洗浄方法である。
なお、照射するレーザ光のエネルギー密度が強すぎると、マスクに損傷が発生する。このため、マスク上の膜にダメージが生じない範囲で高いエネルギー密度のレーザ光を照射することが望ましい。
クロム膜のダメージ発生は、膜表面のCr層が化学反応を起こしたためと推定できる。Cr層は、1000℃以上では酸素と反応して昇華性のCrOになる。実施例で使用したCr膜は、HOYA社製のAR8であり、波長248nmでの反射率は18%である。膜が全て金属クロムであるとして膜温度を試算すると、目視でダメージが観測されなかった51mJ/cmのときでも1340℃であり、クロム膜表面のCr層は変質していると考えられる。
洗浄処理による部分的な反射率の変化はできる限り少ないほうがよい。従って、反射率の均一性は5%以内が望ましく、1%以下に抑えることがさらに望ましい。例えば、分光反射率測定により、クロム膜の反射率を測定することができる。
ハーフトーン膜は、露光波長での光の透過率や光の位相が許容値以上変化すると、マスクの転写品質が劣化する。このため、洗浄処理においては、光学特性の変化の少ない処理方法が望まれている。洗浄処理における光学特性の許容値は、一般的にはITRS(International Technology Roadmap for Semiconductors)のマスク品質ロードマップに記載されている半導体製品の技術世代ごとの数値が基準として使われている。
ITRSによると、ハーフピッチ65nm製品向けのハーフトーンマスクの場合の光学特性の変化の許容値は、位相変化は3°、透過率変化は0.24%以下である。10回洗浄処理を行ってもハーフトーンマスクの光学特性の変化が許容されるには、1回の洗浄処理で許容される光学特性の変化は、位相変化が0.3°以内、透過率変化が0.024%以内となることが望ましい。
なお、光学特性の許容範囲はマスクごとに個別に指定されている。このため、光学特性の許容範囲は、マスク仕様書やロードマップから技術世代ごとに設定できる。マスク材料の耐光性は、マスク基板のメーカごとに異なる上、製造プロセスに依存した耐光性を示す場合もある。このため、照射エネルギーの許容上限はマスク個別に設定してもよい。
ここで、ハーフトーン膜としてHOYA社製のMA6の場合について、その耐光性をパルスレーザのエネルギー密度と、照射するパルスのショット数をパラメータとして評価した。エネルギー密度が44mJ/cm以上では上記の許容値を超えてしまうが、34mJ/cmであれば、100ショットでも許容値を超えないことが分かった。
モリブデンシリコン膜上の硫酸アンモニウムにパルスレーザを照射した結果について説明する。硫酸アンモニウムが付着したモリブデンシリコン膜の30μmφ領域にパルス幅10nsのレーザ光を100Hzで100ショット、すなわち、1秒間に100ショット、34mJ/cmのエネルギー密度で照射した。これを10個の試料について行った。
10個の試料のうち1つ以外は、1回目の照射で消滅することが確認された。10個の試料のうちの残りの1つは、略1μmの大きな硫酸アンモニウム結晶が形成されたものであった。この試料上の硫酸アンモニウム結晶は、1回目の照射で略1/3の大きさに縮小し、2回目の照射で消滅することが確認された。
このように、エネルギー密度の高いパルスレーザを用いることにより、エネルギー密度の低いランプ光源を用いて熱分解性の汚染物質の熱分解により消滅させるよりも短時間で、分解・除去できる。
パルスレーザの照射による膜の温度変化は、非常に短時間な現象である。パルス幅10nsレーザ光を吸収した膜の温度は10nsで最高温度となり、400nsでほぼ1/10の温度となる。100Hz周期の発振では10ms間隔のエネルギー照射であり、次のパルスが入射したときには初期の温度となっていると考えられる。
クロム膜が34mJ/cmのエネルギー密度で照射されると、膜温度は一瞬であるが略890℃になると推定できる。結晶への熱伝導量が、熱分解性の汚染物質を全て気化させるための十分な場合、結晶は1ショットで消滅する。
なお、汚染物質の付着状況によっては、マスクと結晶の接触している界面近傍の一部分だけが気化する場合もある。気化する程度までの熱伝導量がなかった場合でも、伝導熱により357℃以上になると硫酸アンモニウムは溶解する。溶解した硫酸アンモニウム結晶は急激な温度低下により再び結晶化するが、一旦溶解したことにより膜表面との接触面積が増加する。これにより、次のパルスレーザによる熱伝導効率が向上する。
膜に付着している硫酸アンモニウム結晶が熱伝導により550℃以上になると、当該硫酸アンモニウム結晶は完全に熱分解して、アンモニアガスと硫酸ガスの気体に分解される。これらの現象は、1ms以内に終了する現象である。
本実施例で使用したレーザの周期は10msであり、連続してパルス照射することで、1回だけの照射では除去できなかった結晶も、10回ないし数10回の照射で確実にマスクにダメージを与えることなく除去することができた。また、照射結果を観察して、結晶が残っていれば、再度照射して完全に硫酸アンモニウムを除去することができた。検出した異物を順次除去するには、照射パルス数は2秒以下をめどに設定し、照射結果を確認して、消滅していなかった場合再度照射することができる。
また、一定期間ごとに、或いは、マスク検査で除去すべき汚染物質の存在が判明した場合、汚染物質の存在が予測された場合に、レーザ光によってマスク全面を走査して、汚染物質の成長を一定限度内に押さえ込むことも可能である。この場合には、レーザ光を数十μmの小さなスポットビームとして汚染物質を1つ1つ照射するのではなく、大きなビーム径でマスク全面を照査することが効率的である。例えば、ビーム径を1mm程度にして走査することでマスク1枚を1時間程度の処理時間で洗浄処理を行うことができる。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る洗浄装置及び洗浄方法について、図1を参照して説明する。図2は、本実施の形態に係る洗浄装置200の構成を示す図である。図2に示すように、本実施の形態では、実施の形態1で説明した構成要素のほかに、炭酸ガスレーザ12、レンズ13、レンズ14、対物レンズ15をさらに備える。なお、図2において、図1と同一の構成要素には同一の符号を付し説明を省略する。
実施の形態1では、クロム等からなる遮光膜、モリブデンシリサイド等からなるハーフトーン膜に対して大きな吸収係数を有するエキシマレーザ11を用いた。しかし、マスク基板21である石英基板に対しては、このレーザ光の吸収係数は大きくない。従って、熱分解性異物の付着箇所が石英基板である場合には、エキシマレーザ11の代わりに石英基板に対する熱吸収係数が大きい炭酸ガスレーザ12を用いる。
マスク20を載置するステージ7は、図2の矢印方向に移動可能となっている。観察用光源1を用いてマスク検査を行い、石英基板上に汚染物質が発見された場合、ステージ7は炭酸ガスレーザ12から出射されるレーザ光が照射される位置に移動する。
炭酸ガスレーザ12からの遠赤外光は、レンズ13、14を透過し、対物レンズ15によりマスク基板21のパターン面上の汚染物質に集光される。炭酸ガスレーザ12の遠関外光は石英基板に対する吸収が大きいため、石英部分に付着した硫酸アンモニウムを短時間で確実に熱分解させることができる。
なお、炭酸ガスレーザ12の遠赤外光は、石英基板に対する吸収が大きいだけでなく、20のパターン22の膜材料に対する吸収も大きい。このため、エキシマレーザ11を設けず、熱分解性を有する汚染物質の発生箇所が石英基板である場合、パターン上である場合のいずれも炭酸ガスレーザ12を用いても構わない。
実施の形態3.
本発明の実施の形態3に係る洗浄装置及び洗浄方法について、図3を参照して説明する。図3は、本実施の形態に係る洗浄装置300の構成の一部を示す図である。上述したように、パルスレーザの照射エネルギーの許容限界はマスク材料の高温化による膜材料の化学反応の発生に起因する。
本実施の形態では、パルスレーザを汚染物質に照射する前にペリクル空間を膜材料が反応を起こしにくい雰囲気にして、照射エネルギーの上限をさらに大きくする。パルスレーザの照射エネルギーの許容値が大きければ、大きな汚染物質を除去する場合でも一度の照射で除去できることとなり、作業効率を向上させることができる。
図3に示すように、本実施の形態に係る洗浄装置300は、供給手段30、供給管31、排気管32、排気手段33を備えている。また、ここでは、ペリクルフレーム23の側壁には、供給口25、排気口26が設けられている。供給口25、排気口26は、ペリクルフレーム23の側壁を貫通している。すなわち、供給口25及び排気口26は、ペリクル空間外からペリクル空間内に到達している。
ペリクル空間は、供給口25及び排気口26を除いて、閉じた空間となる。供給口25からペリクル空間内に気体が供給される。また、排気口26からは、ペリクル空間内の気体が排気される。供給口25には、供給管31を接続するためのジョイントやフィッティング等が設けられている。また、排気口26には、排気管32を接続するためのジョイントやフィッティング等が設けられている。すなわち、ジョイントなどの接続手段によって、ペリクルフレーム23に各配管が接続されている。
供給管31には、雰囲気置換部としての供給手段30が接続されている。供給手段30は、供給管31を通じて、ペリクル空間内に酸素を含まない不活性気体が導入される。酸素を含まない不活性気体の例としては、NやAr等をあげることができる。これにより、マスク基板21のパターン面とペリクル24とで囲まれたペリクル空間内を、不活性雰囲気にすることができる。
クロム膜のダメージは、クロムの融点や沸点ほどの高温には達しないで発生している。例えクロムの融点以下の温度であってもクロム膜が高温になると、膜表面のCr層が空気中の酸素によって変質するためである。また、モリブデンシリサイド膜の光学特性の変化も化学的に不安定な膜材料の一部が高温になったことで空気中の酸素と化学反応を起こすためであると考えられる。よって、ペリクル空間内を、酸素を含まない不活性な雰囲気とすることによって、膜材料は化学反応を起こしにくくなる。これにより、パルスレーザの許容照射量を大きくすることができ、除去作業の作業効率の向上が可能となる。
なお、熱化学反応によるマスクのパターン膜材料へのダメージは、雰囲気に含まれている酸素のみに起因するのではなく、膜中に含まれている酸素や窒素などが他の膜材料と反応することにより結合状態が変わって発生する場合もある。実際に、露光中にハーフトーン膜の内部で膜成分の化学反応が発生し、ハーフトーンマスクの光学特性が次第に変化する場合がある。特に、膜材料の酸化反応はダメージとなる場合が多い。
このため、ペリクル空間内に酸素を含まない不活性気体の代わりに、還元性気体を導入してもよい。還元性気体の例としては、一酸化炭素やメタンガス等が挙げられる。ArやNにHを混合した混合気体のような還元性気体を含む不活性気体であってもよい。これにより、ペリクル空間内を還元性雰囲気に置換することができる。これにより、パルスレーザの許容照射量を大きくすることができ、除去作業の作業効率の向上が可能となる。
また、雰囲気との反応による膜材料の酸化を防止することができるだけでなく、膜中の酸化性物質を除去する効果が期待でき、ハーフトーン膜の寿命を長くすることができる。本実施の形態に係る洗浄方法は、特に、マスクを全面走査して汚染物質の除去作業を行うときに適用することで、ハーフトーン膜全体の耐光性を向上させることができ、マスク寿命を長くすることができる。
排気管32には、ペリクル空間の気体を排出する排気手段33が設けられている。排気手段33としては、例えば、真空ポンプなどを用いることができる。排気手段33は、排気管32を通じて、ペリクル空間内の気体をペリクル空間外に排出する。このように、汚染物質を排気口26から吸引することで、マスク基板21から離脱した汚染物質は、気体の流れによってペリクル空間の外側に排出される。これにより汚染物質が成長して異物となるのを防ぐことができ、マスク20の長寿命化を実現することができる。
本実施の形態においては、排気口26はペリクルフレーム23の供給口25が設けられている側壁とは反対側の側壁に形成されている。すなわち、枠状のペリクルフレーム23の対向する2辺の一方に排気口26が形成され、他方に供給口25が形成されている。従って、供給手段30よる供給及び排気手段33による排気を行うと、ペリクル空間内には、パターン面に沿った方向に気体の流れが形成される。これにより、ペリクル空間内の気体を置換することができる。
すなわち、ペリクル空間内に最初から存在していた気体が排気され、供給手段30から供給された気体がペリクル空間内に充満する。なお、排気口26と供給口25とは対向する位置に設けることが好ましい。さらに、平面方向において、マスク基板21の中心に対して点対称な位置に設けてもよい。これにより、付着箇所によらず汚染物質を確実に除去することができる。もちろん、供給口25、排気口26をそれぞれ複数設けてもよい。
なお、供給口25、排気口26、供給管31、排気管32にフィルタ等を設けることで、新たな汚染物質が付着するのを防ぐことができる。また、供給管31、排気管32の途中に、排気、給気量を調整するための可変バルブ等を設けてもよい。また、ペリクル24が過度に膨らんだり、撓んだりする事を防ぐため、供給手段30、排気手段33の動作を制御して、排気量、及び供給量を制御してもよい。
以上説明したように、本発明によれば、パルスレーザ光を照射することによって硫酸アンモニウム等の熱分解性を有する汚染物質を加熱し、分解・除去することができる。なお、照射エネルギーの許容上限は、反射及び吸収特性がマスク材料ごとに異なるので、照射部位ごとに適切なエネルギー設定が必要である。このため、マスク材料ごとに夫々別のレーザ光源を用いて熱分解を行ってもよい。
なお、除去対象となる異物は硫酸アンモニウムに限定されるものではない。マスクにダメージを与えない範囲のエネルギー密度のレーザ照射と雰囲気の気体成分を適当に変更することによって、熱分解、光分解或いは雰囲気物質と化学反応を起こして気化する成分を持つ物質であれば、本除去方法を適用できる。
KrF光子エネルギーはC−F結合の結合エネルギーとは略同程度であり、ArF光子エネルギーはC=C結合の結合エネルギーよりも大きい。通常の有機化合物は、エキシマ光の吸収係数が大きく、エキシマ光を照射されると構成物質の化学結合の切断や酸素を取り込んだ酸化分解などの光分解反応が発生する。すなわち、ヘイズとして結晶性異物の硫酸アンモニウムなどのほかにペリクル内部に発生した有機化合物系のヘイズもエキシマ光を照射することで除去できる。
有機化合物系ヘイズをエキシマ光照射で除去するためには、特段マスクを高温に加熱する必要はなく、照射エネルギー密度も高くする必要はないため、マスクにダメージは発生しない。有機物を効率よく光分解させるためには、ペリクル内部の雰囲気を大気雰囲気或いは酸素を含んだ酸化雰囲気にしておくことが好ましい。
従って、実施の形態3において、不活性雰囲気又は還元性雰囲気に加え、大気雰囲気、酸化雰囲気に切り替えることができることが好ましい。このように、エキシマ光用いた場合、熱分解による成長性結晶ヘイズの除去と、光分解による有機化合物ヘイズの除去が連続して実施でき、特に効率よくヘイズを除去することが可能である。
実施形態1、2、3で記載した、波長などの数値は好適な一例であり、特に記載した数値に限定されるものではない。また、上記の実施形態1、2、3を適宜組み合わせて使用してもよい。また、上記の洗浄方法を半導体製造工程に組み込むことで、生産性を向上させることができる。すなわち、透明基板上にパターン22を形成して、マスク基板21を製造する。そのマスク基板21にペリクルフレーム23を介してペリクル24を装着する。そして、マスク20に対して、上記のように、汚染物質に対する処理を行う。
汚染物質の除去を行う場合、マスク基板21の汚染物質が付着した箇所に光を照射して、汚染物質をマスク基板21から離脱させる。これにより、汚染物質を確実に除去することができる。さらに、汚染物質が除去されたマスク20を用いて露光を行う。これにより、汚染物質が確実に除去されたマスク20を用いた露光が行われる。よって、半導体などのパターン基板の生産性を向上することができる。
実施の形態4.
本発明の実施の形態4に係る洗浄装置及び洗浄方法について、図4を参照して説明する。図4は、本実施の形態に係る洗浄装置300の構成を示す図である。図4に示すように、本実施の形態では、実施の形態2で説明した、炭酸ガスレーザ12、レンズ13、レンズ14、対物レンズ15を備える。なお、図3において、図1、4と同一の構成要素には同一の符号を付し説明を省略する。
本実施の形態では、石英からなるマスク基板21に対する熱吸収係数が大きい炭酸ガスレーザ12を用いる。図5に石英の熱吸収係数の波長依存性を示す("Optical constants of silica glass from extreme ultraviolet to far infrared at near room temperature" APPLIED OPTICS Vol. 46, No. 33)。
図5に示すように、石英は、波長9μm付近に吸収係数のピークを有する。このため、本実施の形態では、マスク基板21を加熱するために、波長8〜11μmのレーザ光を照射する。本発明者らは、炭酸ガスレーザを用いた実験によって、波長8〜11μmのレーザ光を照射してもペリクルにダメージが全く生じないことを実証した。
炭酸ガスレーザ12からの波長8〜11μmのレーザ光は、レンズ13、14を透過し、対物レンズ15によりマスク基板21のパターン面上の汚染物質に集光される。炭酸ガスレーザ12から照射されるレーザ光は石英基板に対する吸収が大きいため、石英部分を効率よく加熱し、付着した硫酸アンモニウムを短時間で確実に熱分解させることができる。
炭酸ガスレーザは、10μm帯の発振ラインの他に、9μm帯に発振ラインを有するものがある。炭酸ガスレーザ12としては、9μm帯に発振ラインを有するものを用いることが好ましい。9μm帯のみでレーザ発振する炭酸ガスレーザ12を用いることで、ペリクル24の吸収ピークを避けることができる。
また、上述のように、炭酸ガスレーザ12からのレーザ光は、パルスレーザであることが好ましい。エネルギー密度の高いパルスレーザ光を照射することで、熱伝導度が比較的高い石英からなるマスク基板21であっても、レーザ照射部を瞬間的に温度上昇させて加熱することができ、熱分解性の汚染物質を確実に分解・除去することが可能である。
炭酸ガスレーザ12としては、TEA(Transversely Excited Atmospheric:横方向大気圧励起)COレーザを用いることができる。TEACOレーザは、パルス幅が数十nsであり、エネルギー密度の高いパルスレーザ光を照射することができる。なお、炭酸ガスレーザ12としては、これに限定されるものではなく、パルス幅が数十μsのRF励起のQスイッチCOレーザを用いてもよい。また、連続動作の炭酸ガスレーザを用いても構わない。
特許文献5では、ペリクル膜及び基板が吸収しない波長3.2μm付近の赤外線がフォトマスク上の異物に照射される。このため、異物の照射される赤外線を受光する面積が小さい場合には、異物を熱分解させるほどの吸収が発生せず、異物を完全に除去することができないという問題があった。また、波長3.2μm付近の赤外線は石英からなるマスク基板21を透過し、マスク基板21自身を加熱することができない。
さらに、特許文献5では、異物が吸収する波長の赤外線を照射しているものの、異なる種類の異物が複数存在している場合には、それぞれ吸収する波長が異なるため、効率よく除去することができない。
しかしながら、本発明によれば、8〜11μmの波長のレーザ光を汚染物質に照射しているため、マスク基板21を効率よく加熱することができ、マスク基板21からの熱で汚染物質の形状等に関わらず汚染物質を確実に分解・除去することができる。また、吸収波長が異なる複数の汚染物質が存在する場合でも、マスク基板21からの加熱で、汚染物質を分解することができる。
なお、本実施形態に係る洗浄装置はペリクルが装着されていないマスクに対しても利用することができる。また、マスク以外の基板に付着した汚染物質に対して、処理を行ってもよい。例えば、シリコン基板、化合物半導体基板、FPD製造用基板、太陽電池製造用基板を洗浄処理することが可能である。
1 観察用光源
2、4、8、13、14 レンズ
3、5、9 ミラー
6、15 対物レンズ
7 ステージ
10 光検出器
11 エキシマレーザ
12 炭酸ガスレーザ
20 マスク
21 マスク基板
22 パターン
23 ペリクルフレーム
24 ペリクル
25 供給口
26 排気口
30 供給手段
31 供給管
32 排気管
33 排気手段
100、200、300 洗浄装置

Claims (4)

  1. ペリクルが取り付けられたマスク基板のパターン面に付着した熱分解性の汚染物質に対して、前記ペリクルを介してレーザ光源から波長8〜11μmのレーザ光を照射するステップと、
    照射された前記レーザ光により前記基板を加熱し、前記汚染物質を熱分解して除去するステップと、
    を有する洗浄方法。
  2. 前記レーザ光源は、炭酸ガスレーザであることを特徴とする請求項1に記載の洗浄方法。
  3. 前記レーザ光は、パルスレーザ光であることを特徴とする請求項1又は2に記載の洗浄方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の洗浄方法により、ペリクルが取り付けられたマスク基板から熱分解性の汚染物質を除去する洗浄装置。
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