JP2008298210A - 圧油供給制御装置および建設機械 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】圧油供給制御装置100は、一方のパイロットラインの第1のパイロット圧と他方のパイロットラインの第2のパイロット圧との差が第1の制御差圧となるように油圧ポンプ21の吐出量を制御するロードセンシング弁23、第1および第3のパイロット圧間の差に応じて作動油を第1の油圧アクチュエータ31に優先分配するプライオリティ弁5、第1のパイロット圧と第3のパイロット圧とを切り換えて他方のパイロットラインに第2のパイロット圧として導くパイロット圧切換弁6を備え、プライオリティ弁5は第1および第3のパイロット圧間の差が、第1の制御差圧より大きな第2の制御差圧となるように作動油分配量を制御する。
【選択図】図1
Description
このような構成とすることで、アクチュエータの動作状況および要求特性に応じた作動油の分配を可能にするとともに、油圧ポンプの吐出量を状況に応じ適切な量ととすることで油圧ロスを低減している。
また、特に作業機の操作に応じて油圧ポンプを制御するための信号配管が多数必要となるなど、油圧回路が複雑となり、配管レイアウトの自由度が低下していた。
さらに、第1の油圧アクチュエータが動作しない場合であっても、油圧ポンプからは、前述した最低流量の作動油がスタンバイ流量として供給されるため、第1の油圧アクチュエータの初期応答性を確保することができる。また、このスタンバイ流量は最低の流量であるため、アンロードされドレンされる作動油の流量を低減することができ、これにより油圧ロスを低減することができる。
〔1−1〕ダンプトラック1の全体構成
本発明の第1実施形態に係るダンプトラック(建設機械)1を模式的に示す図1において、ダンプトラック1は、作動油タンク1A、ポンプ供給量制御部2、ステアリング制御部3、作業機駆動制御部4、プライオリティ弁5、パイロット圧切換弁6、およびコントローラ7を備えている。
作動油タンク1Aは、ステアリング制御部3および作業機駆動制御部4に供給する作動油を収容しており、ステアリング制御部3の油圧回路と作業機駆動制御部4の油圧回路とが、この作動油タンク1Aを共用する回路構成となっている。
油圧ポンプ21は、図示しないエンジンを動力源として駆動される可変容量式のポンプである。この油圧ポンプ21は、ステアリング制御部3および作業機駆動制御部4で共用され、ポンプ容量調節部22の調節によりポンプ容量が変化する。ポンプ容量調節部22は、ピストン221およびチャンバ222を備えており、チャンバ222に流入した作動油量に応じてピストン221が動作し、油圧ポンプ21の容量を変化させる。
ステアリングシリンダ31は、油圧ポンプ21から供給される作動油の流量およびステアリングバルブ32の弁位置に応じて、図示しないステアリング機構を動作させる。ステアリングバルブ32は、ステアリングハンドル34の回転角度や回転速度に応じて弁位置の切り換えが可能であり、ステアリングバルブ32には、油圧ポンプ21から流れ込む作動油の流量を絞る可変絞り321が設けられている。このステアリングバルブ32とメータリング用ロータ33とにより、全油圧式のセルフメータリングパワーステアリングユニットが構成されている。
ボディ41は、土砂等を積み込むための荷台であり、ダンプトラック1の図示しない車体フレームに対して起伏自在に支承されている。ボディ41および車体フレーム間はホイストシリンダ42で連結され、ホイストシリンダ42の両端部分がボディ41および車体フレームにそれぞれ回動自在に支持されている。ホイストシリンダ42への油圧回路上には、オープンセンタ型のホイストバルブ43が設けられ、ボディ制御用電磁弁44によって、ボディ41の下げ、浮き、保持、および上げの弁位置に切り換えられる。ホイストバルブ43の弁位置の切り換えによりホイストシリンダ42が伸縮駆動し、ボディ41が車体フレームに対して起伏動作する。この際、支承軸P部分に設けられたポテンショメータ等の角度検出器45が、支承軸P回りのボディ41の回転角度を検出し、コントローラ7へ出力する。コントローラ7は、ボディ41の回転角度およびボディ操作レバー46の入力状態に基づいて、ボディ制御用電磁弁44への制御指令の生成および出力を行う。
以上のような構成のダンプトラック1において、圧油供給制御装置100は、ロードセンシング弁23、プライオリティ弁5、パイロット圧切換弁6、およびコントローラ7を備えて構成される。
次に、図2を参照して、コントローラ7による圧油供給の制御構造について説明する。
コントローラ7は、操作入力状態判定手段71、作業機動作状態判定手段72、記憶手段73、および制御指令生成手段74を備えている。
操作入力状態判定手段71は、ボディ操作レバー46からの操作入力信号に基づき、ボディ操作レバー46がどのような入力状態にあるかを判定する。すなわち、操作入力状態判定手段71は、ボディ操作レバー46の入力状態が、ボディ41の上げ、下げ、浮き、および保持のどの状態にあるかを判定する。
作業機動作状態判定手段72は、作業機の動作状態を判定する手段であり、本実施形態では、ボディ41の回転角度信号に基づいて、ボディ41が着座状態または起立状態の何れの状態にあるかを判定する。
次に、図1、図3、および図4に基づき、圧油供給制御装置100の作用について説明する。
〔1−3−1〕ステアリング制御部3および作業機駆動制御部4とも動作しない場合
ここでは、ステアリング制御部3および作業機駆動制御部4とも動作しない場合、つまり、オペレータがステアリング操作を行っておらず、また、ボディ操作レバー46の位置が浮きまたは保持の入力状態にある場合の圧油供給制御装置100の作用について説明する。
ここでは、ステアリング制御部3のみの単独動作時、つまり、オペレータがステアリング操作を行っているが、ボディ操作レバー46の位置が浮きまたは保持の入力状態にあり、ボディ41が着座している場合の圧油供給制御装置100の作用について説明する。
この場合、図1において、パイロット圧切換弁6は、プライオリティ弁5へのパイロットライン5bと、ロードセンシング弁23のパイロットライン23bとを接続する弁位置になっている。
ここで、可変絞り321の絞り量は、ロードセンシング弁23のパイロット圧間の差圧ΔP1がロードセンシング弁23のセット圧P1となるように制御される。すなわち、ステアリングシリンダ31に供給すべき作動油の流量はステアリングハンドル34の回転速度に応じて変化するため、可変絞り321の絞り量は、ステアリングハンドル34の回転速度に応じて制御される。
ここでは、作業機駆動制御部4のみの単独動作時、つまり、オペレータがステアリング操作を行っておらず、ボディ操作レバー46の位置が上げまたは下げの入力状態にある場合の圧油供給制御装置100の作用について説明する。
なお、説明を簡略化するため、ボディ操作レバー46の位置が上げの入力状態にある場合の圧油供給制御装置100の作用について説明する。
ここで、ダンプトラック1のボディ41のような作業機は作動頻度が低く、作動時であっても通常は高速で動作されるため、油圧ポンプ21からの作動油の供給量が最大流量で行われても、油圧ロスがほとんど生じない。
ここでは、ステアリング制御部3および作業機駆動制御部4とも動作している場合、つまり、オペレータがステアリング操作を行っており、また、ボディ操作レバー46の位置が上げまたは下げの入力状態にあり、ボディ41が着座していない場合の圧油供給制御装置100の作用について説明する。
なお、説明を簡略化するため、ボディ41の起立動作中にステアリング操作を行った場合の圧油供給制御装置100の作用について説明する。
次に、図5に基づき、本発明の第2実施形態について説明する。
前述した第1実施形態において、圧油供給制御装置100は、パイロット圧切換弁6の弁位置の切り換えによって、油圧ポンプ21の吐出圧PPをロードセンシング弁23の両パイロットライン23a,23bに導くように構成されていた。
これに対し、図5に示す第2実施形態において、圧油供給制御装置100は、パイロット圧切換弁6の切り換えにより、ステアリングシリンダ31の負荷圧をロードセンシング弁23の両パイロットライン23a,23bに導くように構成されている点が相違する。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
前記各実施形態では、ステアリング制御部3および作業機駆動制御部4間での作動油の供給制御を行っていたがこれに限られず、複数の油圧アクチュエータ間で油圧ポンプ21を共用する場合の圧油供給制御を行うものであれば、本発明に該当する。
すなわち、ボディ41を上げる場合のみパイロット圧切換弁6を切り換える場合には、表2の切換マップを用いることができる。また、ボディ41が上げまたは下げの状態であるかにかわらずボディ41の動作時に油圧ポンプ21の流量を最大とし、ダンプトラック1の走行時の状態であるボディ41が浮きまたは保持の状態で油圧ポンプ21の流量を最小とする場合には、表3の切換マップを用いることができる。
Claims (10)
- 油圧ポンプが共用された第1の油圧アクチュエータおよび第2の油圧アクチュエータへの圧油の供給を制御する圧油供給制御装置であって、
一方のパイロットラインに導かれる第1のパイロット圧と他方のパイロットラインに導かれる第2のパイロット圧との差に応じて、前記油圧ポンプの吐出量を変化させるロードセンシング弁と、
前記第1のパイロット圧と第3のパイロット圧との差に応じて、前記油圧ポンプから吐出される作動油を前記第1の油圧アクチュエータに優先的に分配するプライオリティ弁と、
前記ロードセンシング弁の両パイロットラインを連通する弁位置を有するパイロット圧切換弁とを備え、
前記パイロット圧切換弁は、前記第1のパイロット圧と第3のパイロット圧とを切り換えて前記他方のパイロットラインに前記第2のパイロット圧として導き、
前記ロードセンシング弁は、前記第1のパイロット圧と前記パイロット圧切換弁により切り換えられた前記第2のパイロット圧との差が第1の制御差圧となるように前記油圧ポンプの吐出量を制御し、
前記プライオリティ弁は、前記第1のパイロット圧と前記第3のパイロット圧との差が、前記第1の制御差圧よりも大きな第2の制御差圧となるように前記油圧ポンプからの作動油の分配量を制御する
ことを特徴とする圧油供給制御装置。 - 請求項1に記載の圧油供給制御装置において、
前記油圧ポンプの吐出圧が前記第1のパイロット圧として導かれ、
前記第1の油圧アクチュエータの負荷圧が前記第3のパイロット圧として導かれ、
前記パイロット圧切換弁は、前記第2のパイロット圧を前記第1のパイロット圧に切り換えて、前記ロードセンシング弁の前記両パイロットラインに前記油圧ポンプの吐出圧を導く
ことを特徴とする圧油供給制御装置。 - 請求項1に記載の圧油供給制御装置において、
前記第1の油圧アクチュエータの負荷圧が前記第1のパイロット圧として導かれ、
前記油圧ポンプの吐出圧が前記第3のパイロット圧として導かれ、
前記パイロット圧切換弁は、前記第2のパイロット圧を前記第1のパイロット圧に切り換えて、前記ロードセンシング弁の前記両パイロットラインに前記第1の油圧アクチュエータの負荷圧を導く
ことを特徴とする圧油供給制御装置。 - 請求項1または請求項2に記載の圧油供給制御装置において、
前記第3のパイロット圧を導くパイロットラインが前記プライオリティ弁および前記第1の油圧アクチュエータを制御する制御弁間の油圧ラインに絞りを介して接続されているロードセンシングシステムと、前記パイロットラインが前記油圧ラインに接続されていないロードセンシングシステムとの何れにも適用される
ことを特徴とする圧油供給制御装置。 - 請求項1または請求項3に記載の圧油供給制御装置において、
前記第1のパイロット圧を導くパイロットラインが前記プライオリティ弁および前記第1の油圧アクチュエータを制御する制御弁間の油圧ラインに絞りを介して接続されているロードセンシングシステムと、前記パイロットラインが前記油圧ラインに接続されていないロードセンシングシステムとの何れにも適用される
ことを特徴とする圧油供給制御装置。 - 請求項1から請求項5の何れかに記載の圧油供給制御装置において、
前記第1の油圧アクチュエータはステアリング機構を動作させるステアリングシリンダであり、
前記第2の油圧アクチュエータは作業機を駆動する作業機駆動用シリンダである
ことを特徴とする圧油供給制御装置。 - 請求項1から請求項6の何れかに記載の圧油供給制御装置において、
前記第2の油圧アクチュエータの動作は、オープンセンタ型の制御弁により制御される
ことを特徴とする圧油供給制御装置。 - 請求項7に記載の圧油供給制御装置において、
前記プライオリティ弁は、前記油圧ポンプから前記第1の油圧アクチュエータに供給される作動油をアンロードして前記第2の油圧アクチュエータ側に流し余剰流量を確保する
ことを特徴とする圧油供給制御装置。 - 請求項1から請求項8の何れかに記載の圧油供給制御装置において、
前記第2の油圧アクチュエータの動作状況に応じて、前記パイロット圧切換弁に制御信号を出力するコントローラを備えている
ことを特徴とする圧油供給制御装置。 - 建設機械であって、
油圧ポンプと、
第1の油圧アクチュエータと、
前記第1の油圧アクチュエータと前記油圧ポンプを共用する第2の油圧アクチュエータと、
請求項1から請求項9の何れかに記載の圧油供給制御装置とを備えている
ことを特徴とする建設機械。
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