JP2008297995A - 内燃機関の始動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】始動不良を低減し得て、スタータによるクランキング時間(アシスト時間)を必要最小限に短縮することのできる内燃機関の始動制御装置を提供する。
【解決手段】内燃機関1の始動に際して、スタータモータ11等によりクランク軸13に外部から回転トルクを与えるとともに、膨張行程にある(膨張行程を迎える順番で)気筒2内に燃料を噴射して点火燃焼させ、該燃焼のエネルギを利用してクランク軸13を回転させるようにしたもとで、前記内燃機関1の運動状態に加え、前記内燃機関1のフリクションによる影響を加味して完爆判定を行い、完爆状態であると判定された場合、スタータモータ11等によるクランク軸13への回転トルク付与を停止する。
【選択図】図4

Description

本発明は、車載用内燃機関の始動制御装置に係り、特に、アイドルストップを実施する車両に好適な始動制御装置に関する。
従来より、内燃機関の燃料消費量及び排気の低減等を目的として、アイドルストップを実施するようにされた車両が知られている。アイドルストップは、車両が停止中で内燃機関がアイドリング状態のとき、内燃機関を自動的に停止させ、発進時には自動的に再始動させるものであり、このための技術が種々提案されている。
前記アイドルストップを実施する車輌において、内燃機関の再始動に時間がかかると、ドライバの発進意志に対して車両の発進動作が遅れ、ドライバビリティが悪化してしまう。したがって、アイドルストップの実施に際しては、素早く円滑に内燃機関を再始動させることが重要となる。
ところが、スタータモータによるクランキングで再始動を行うようにすると、クランキングの際に電力を大量に消費してバッテリの劣化が早められるとともに、クランキング時に発生する不所望な動作音等により商品性が低下するおそれがある。
そこで、前記再始動に際して、スタータモータ等によりクランク軸に外部から回転トルクを与えるとともに、膨張行程にある(膨張行程を迎える順番で)気筒内に燃料を噴射して点火燃焼させ、該燃焼のエネルギを利用してクランク軸を回転させるようになし、かつ、内燃機関が所要の回転状態を持続している完爆状態(自力回転可能な状態)にあるか否かを判定し、完爆状態にあると判定されたとき、スタータモータ等への電力供給を断ってこれを停止させ、もって、スタータモータによるクランキング時間(アシスト時間)を短縮するようにした始動制御装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)
特開2006−242088号公報
しかしながら、内燃機関を確実に始動させるためには、上記従来技術では、内燃機関におけるフリクションの最悪値(最大値)を前提に内燃機関が完爆状態にあるか否かを判定する必要がある。そのため、例えば内燃機関が完全に暖機している場合、冷機時に比してフリクションが小さくなるにもかかわらず、フリクションの最大値が用いられる結果、スタータモータによるクランキング時間が不必要に長くなり、不所望な動作音の発生時間が延び、電力消費量が増加する等の問題を生じる。逆に、用いるフリクション値が実際値よりも小さいと、始動不良を招いてしまう。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、内燃機関の始動に際して、スタータモータ等によりクランク軸に外部から回転トルクを与えるとともに、膨張行程にある(膨張行程を迎える順番で)気筒内に燃料を噴射して点火燃焼させ、該燃焼のエネルギを利用してクランク軸を回転させるようにしたもとで、始動不良を発生させることなく、スタータによるクランキング時間(アシスト時間)を必要最小限に短縮することのできる内燃機関の始動制御装置を提供することにある。
上記目的を達成すべく、本発明に係る内燃機関の始動制御装置の一つは、基本的には、内燃機関を始動させるべく、膨張行程を迎える順番で気筒内に燃料を噴射して点火燃焼させ、該燃焼のエネルギを利用してクランク軸を回転させる第1のエネルギ供給手段と、前記クランク軸に外部から回転トルクを与える第2のエネルギ供給手段と、を具備した内燃機関の始動制御装置であって、前記内燃機関における回転速度等の運動状態を検出する運動状態検出手段と、前記運動状態に基づき、前記内燃機関が運動開始後、所要の回転状態を持続している完爆状態にあるか否かを判定する完爆判定手段と、前記運動状態に基づき、前記第1のエネルギ供給手段及び第2のエネルギ供給手段の作動制御を行うとともに、前記完爆判定手段が完爆状態であると判定した場合に、前記第2のエネルギ供給手段の作動を停止させる始動用作動制御手段と、を具備する。
そして、前記内燃機関のフリクションの大きさを検出ないし推定するフリクション検出手段を備え、前記完爆判定手段は、前記運動状態に加え、前記内燃機関のフリクションによる影響を加味して前記完爆判定を行うことを特徴としている。
本発明に係る内燃機関の始動制御装置の他の態様の一つは、基本的には、始動に際して、膨張行程を迎える順番で気筒内に燃料を噴射して点火燃焼させて該燃焼のエネルギを利用してクランク軸を回転させると共に、スタータモータ等の外部駆動手段によりクランク軸に外部から回転トルクを与えるようにされた内燃機関の始動制御装置であって、前記内燃機関が運動開始後、所要の回転状態を持続している完爆状態にあるか否かを判定する完爆判定手段と、前記内燃機関のフリクションの大きさを検出ないし推定するフリクション検出手段と、前記完爆判定手段が完爆状態であると判定した場合に、前記外部駆動手段による前記クランク軸への回転トルク付与を停止させる始動用作動制御手段とを備え、前記完爆判定手段は、前記運動状態に加え、前記内燃機関のフリクションによる影響を加味して前記完爆判定を行うことを特徴としている。
前記完爆判定手段は、好ましくは、前記内燃機関のフリクションの大きさに基づいて、前記完爆判定を行う時期を変更するようにされる。
前記完爆判定手段は、好ましくは、前記完爆判定時期を、先行燃焼気筒の点火時期からの回転角度で設定するようにされる。
前記フリクション検出手段は、好ましくは、前記内燃機関のフリクションの大きさを前記内燃機関の冷却水温に基づいて推定するようにされる。
前記フリクション検出手段は、好ましくは、前記内燃機関のフリクションの大きさを前記内燃機関の動作時間に基づいて推定するようにされる。
前記完爆判定手段は、好ましくは、前記内燃機関のフリクションが大きいほど、前記完爆判定時期を遅角させるようにされる。
前記完爆判定手段が行う完爆判定時期は、好ましくは、前記先行燃焼気筒の点火時期からの回転角度が、前記先行燃焼気筒の点火時期から次に燃焼が行われる気筒の点火時期までの回転角度の1/2を越える時期に設定される。
前記完爆判定手段は、好ましくは、前記先行燃焼気筒の点火時期から前記完爆判定時期までの機関回転数の変化量と所要時間に基づいて、前記完爆状態にあるか否かの判定を行うようにされる。
本発明に係る内燃機関の始動制御装置では、始動に際して、スタータモータ等によりクランク軸に外部から回転トルクを与えるとともに、膨張行程にある(膨張行程を迎える順番で)気筒内に燃料を噴射して点火燃焼させ、該燃焼のエネルギを利用してクランク軸を回転させるようにしたもとで、内燃機関のフリクションによる影響を加味して完爆判定を行うようにされる。より好ましくは、例えば、前記フリクションの大きさに基づいて、完爆判定を行う時期を変更するようにされるので、フリクションの最大値を用いていた従来のものに比して、より的確に完爆判定を行うことができる。そのため、始動不良の発生頻度が低くなるとともに、スタータによるクランキング時間(アシスト時間)を必要最小限に短縮することができ、その結果、電力消費量を低減できてバッテリの寿命を延ばすことができ、また、クランキングに伴う不所望な動作音等の発生時間を短縮でき、商品価値を高めることができる。
また、内燃機関のフリクションの大きさを機関冷却水温や動作時間に基づいて推定するようにされるので、センサ類の追加を必要とせず、さほど大きなコストアップを招くことなく前記作用効果を得ることができる。
さらに、完爆判定時期を、先行燃焼気筒の点火時期からの回転角度が、前記先行燃焼気筒の点火時期から次に燃焼が行われる気筒の点火時期までの回転角度の1/2を越える時期、例えば直列4気筒の内燃機関(各気筒において吸気→圧縮→膨張→排気の各行程が180degずつずれた状態で行われる)であれば、先行燃焼気筒の点火時期からの回転角度が例えば135deg(これにフリクションの大きさに応じた補正を加えた角度)に達した時期とすることで、前記完爆判定に、前記フリクションの影響が現れる機関回転数が低下する領域が加えられることになり、その結果、前記完爆判定を一層的確に行うことができる。
以下、本発明の内燃機関の始動制御装置の実施の形態(実施例)を図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る内燃機関の始動制御装置の一実施形態(第1実施例)とそれが適用された内燃機関の一例を示している。
図1において、内燃機関1は、自動車に搭載される例えば4サイクルの直列4気筒エンジンとして構成されている(図1では一つの気筒2のみが示されているが、他の気筒も同じ構成である)。
内燃機関1は、燃料噴射弁3から気筒2内の燃焼室4に燃料を直接噴射し、その噴射された燃料と燃焼室内の空気とによる混合気を点火プラグ5によって点火(着火)する筒内噴射内燃機関である。燃料噴射弁3から噴射される燃料にはガソリンが好適に用いられるが、他の燃料でもよい。さらに、内燃機関1には、燃焼室4と吸気通路6及び排気通路7との間をそれぞれ開閉する吸気弁8及び排気弁9が設けられる。
また、内燃機関1には、これを始動させるべく、膨張行程を迎える順番で気筒2内に燃料を噴射して点火燃焼させ、該燃焼のエネルギを利用してクランク軸13を回転させる、気筒2、燃料噴射弁5、ピストン19、コンロッド18等を含んで構成される第1のエネルギ供給手段が設けられるとともに、前記内燃機関1を始動させるべく、前記クランク軸13に外部から回転トルクを与える、スタータモータ11、歯車機構12、バッテリ(図示省略)等を含んで構成される第2のエネルギ供給手段が付設されている。
なお、前記燃焼による(第1の)エネルギ供給手段は、後述するコントロールユニット10が停止した状態から、内燃機関1の各気筒2に対して行う制御によっても実現される。
また、前記スタータモータ11としては、供給電流又は供給電圧を制御することにより、内燃機関1に与える運動エネルギを変更可能なものや、一般的に用いられているように電流・電圧制御を行わず、供給エネルギをオン・オフでのみで制御するもの等がある。
コントロールユニット10は、マイクロプロセッサ、RAM、ROM、IO等からなるマイクロコンピュータが内蔵され、ROMに記録されたプログラムに従って内燃機関1の制御、例えば、後述する始動制御、排気通路7に配備された空燃比センサから得られる信号に基づいて空燃比が所定の空燃比となるように燃料噴射弁3による燃料噴射量を制御する等の燃料噴射制御、機関運転状態に応じて点火プラグ5による点火時期の制御等を行う。
コントロールユニット10には、クランク角センサ14からのクランク軸13のクランク角に応じた信号、水温センサ15からの内燃機関1の冷却水温に応じた信号、アクセルセンサ(図示せず)からのアクセル操作に応じた信号、ブレーキスイッチ16からのフットブレーキ踏込みで信号等が供給される。また、ブレーキ系の制御を行うコントロールユニット17と通信で接続し、自動車の速度情報を入手する。
次に、図2の機能ブロック図を参照しながら、コントロールユニット10が始動に際して実行する制御の一例を説明する。コントロールユニット10は、内燃機関1を始動・停止・稼動するために必要な状態を検出する前記センサ類からの信号をコントロールユニットに取り込む入力処理と、内燃機関1を始動・停止・稼動するために必要な機器である燃料噴射弁3、点火プラグ5、そして、空気流量を制御する図示していないスロットル弁等を駆動制御するための出力処理を行う入出力手段20と、内燃機関1を通常に始動、稼動させるための制御手段に加えて、始動制御手段21と停止制御手段22、作動制御手段23を有する。
始動制御手段21は、内燃機関1を始動させるための制御手段であり、停止制御手段22は、内燃機関1を停止させるための制御手段であり、さらに、作動制御手段23は、ブレーキスイッチ16などの操作により内燃機関1の始動あるいは停止の指令を制御する手段である。
本実施形態では、始動制御手段21は、内燃機関1の回転状態が持続しているか判定するための完爆判定手段26と、前記した第1及び第2のエネルギ供給手段(の構成部材)の制御を行うエネルギ供給制御手段25とを有している。
このエネルギ供給制御手段25は、前記した第1のエネルギ供給手段の制御を行う始動時燃焼制御手段27及び前記した第2のエネルギ供給手段の制御を行うスタータ制御手段28を有し、内燃機関1を始動する際に、完爆判定手段26からの内燃機関1の運動状態情報(完爆状態であるか否か等の情報)に基づき、始動時燃焼制御手段27とスタータ制御手段28に作動及び停止指令を送る。
該指令に基づき、前記燃焼制御手段27は、燃料噴射弁3から噴射する燃料量と噴射時期、点火プラグ5により点火する時期、吸気弁8と排気弁9のタイミングと量、図示しないスロットル弁の開度等を設定し、内燃機関1を素早く円滑に始動させるべく、内燃機関1に最適な燃焼制御を実現する。
また、スタータ制御手段28は、前記指令に基づき、スタータモータ11を駆動して内燃機関1の始動をアシストする。
特に、内燃機関1の運動状態に応じて適切に前記エネルギ供給手段のエネルギ供給や停止を行うことにより、始動不良を発生させずに、かつ、過剰なエネルギ供給を行うことなく、安定した始動を実現する。
次に、本実施形態の始動制御における制御フローについて説明する。
始動制御の制御フローの詳細を説明する前に、始動に先立って行われる停止制御とその後の始動制御の概略フローについて図3を参照して説明する。
停止制御のフローと始動制御のフローは、コントロールユニット10の始動制御手段21と停止制御手段22にて実行される。また、コントロールユニット10では、本処理とは別の処理フローにて内燃機関1の始動あるいは停止の指令を制御する作動制御手段23が動作しており、その停止要求や始動要求に基づいて停止制御フローや始動制御フローが実行される。
ここで、停止条件は、例えば内燃機関1が暖機状態、ブレーキ操作状態、かつ、アクセルが踏まれないアイドリング状態にあるときとされ、始動条件は、そのアイドリング状態から車両の発進に関連する操作、例えばブレーキ解除、アクセルペダル踏み込み操作、シフト操作等があったときとされる。このように、図3の停止制御と始動制御により、車両の停止時に内燃機関1を停止させ、発進前に内燃機関1を再始動させるアイドリングストップを実現する。
図3において、コントロールユニット10は、内燃機関1の始動後(S101)、内燃機関1の作動状態により作動制御手段23にて内燃機関1の自動停止要求の有無を判定する(S102)。自動停止の要求がない場合(S103でNo)は、引き続き内燃機関の通常運転制御を継続し(S104)、再び、内燃機関自動停止の要求有無を判定する(S102)。自動停止の要求がある場合(S103でYes)は、内燃機関停止制御(S105)を実行する。
次に、内燃機関休止状態で再始動の要求を待つ(S106)。ここで、内燃機関1の始動要求の有無を判定し(S107)、始動要求がある場合は、内燃機関1の始動制御を開始する(S108)。始動要求がない場合は、内燃機関1は休止した状態のままで、始動要求を待つ。
次に、内燃機関自動始動要求があった場合に関する始動制御フローについて図4を参照して説明する。
内燃機関1が停止した状態(S106)にて、内燃機関自動始動要求の有無を判定し(S107)、自動始動要求があった場合、第1のエネルギ供給手段による内燃機関1へのエネルギ供給(燃焼制御)と、第2のエネルギ供給手段(スタータモータ11)による内燃機関1へのエネルギ供給(回転トルク付与)とを行い始め、始動を開始する(S201)。第1のエネルギ供給制御(燃焼制御)、第2のエネルギ供給制御(スタータモータの制御)は、それぞれ独立の制御フローとして行われるが、内燃機関1へエネルギ供給を開始するタイミングに関しては、同時に開始、順次開始等の協調制御を行うこともある。例えば、第1のエネルギ供給制御(燃焼制御)では、内燃機関1の各気筒2内へ燃料を噴射し、点火することで燃焼を発生させ、第2のエネルギ供給制御(スタータモータの制御)では、スタータモータ11によって回転トルクを内燃機関1のクランク軸13へ加える。第1エネルギ供給制御(燃焼制御)を最初に行い、その後、所定時間経過後に第2エネルギ供給制御(スタータモータの制御)を行う。あるいは、第1エネルギ供給制御(燃焼制御)と第2エネルギ供給制御(スタータモータの制御)を同時に行い、内燃機関1へ同時に始動用エネルギを供給しても良い。
上記のように、始動要求があった場合は、第1及び第2のエネルギ供給手段によって内燃機関1へ運動エネルギの供給を開始する。第1のエネルギ供給制御(燃焼制御)、第2のエネルギ供給制御(スタータモータの制御)が行われると、内燃機関1が運動(回転)を開始する。この運動状態を定量的に評価するため、内燃機関1の回転数変化量から状態を定量的に演算することで、内燃機関1の回転の持続性を評価して完爆判定する(210)。
ここで、従来の始動制御特性を図5を参照しながら説明するに、内燃機関1の始動に際して(S202)、内燃機関1の回転角度が回転開始時点(=始動開始時点:0deg)から90deg後のA点に到達するまで(S205)、始動時の燃焼制御とスタータモータ11による回転アシストを行う(S204)。内燃機関1の回転角度がA点に到達したら(S205)、点火プラグ5による点火を行い、内燃機関1の回転数Ne1と前記回転開始時点(0deg)からの経過時間T1を計測して記憶する(S206)。さらに、完爆を判定する時期となる回転角度Cを演算する(S207)。
図5の実線は、4気筒内燃機関を始動させた場合の回転角度と機関回転数の関係を示す。ここでは、A点(90deg)から90deg後のB点(180deg)にて、A点の回転数Ne1とB点の回転数Ne2との差である回転数上昇量に基づいて、完爆状態(自力回転可能な状態)にあるか否かを判定する。すなわち、回転数上昇量が設定値を越えている場合は、完爆状態であると判定して、破線で示すスタータモータ11による回転アシストをオフにする。この従来例の場合、次気筒が圧縮行程になるB点から次気筒の点火時期(270deg)までの回転数低下が大きくなり、始動に失敗してエンストすることがある。
そのため、本実施例では、図6に示される如くに、圧縮行程におけるフリクションも評価できるように、完爆判定時期を、先行燃焼気筒の点火時期であるA点(90deg)からの回転角度が、前記A点から次に燃焼が行われる気筒の点火時期(270deg)までの回転角度(180deg)の1/2(90deg)を越える時期(例えば前記A点から135deg回転した時期=回転開始時点(0deg)から225deg回転した時期)に達した時期(図6のC点)とする。
また、内燃機関1が冷えているほどフリクションが大きくなるので、スタータモータ11によるアシスト時間が長くなっても確実に始動できるように、図7に示される如くに、、冷却水温が低下するほどA点からC点までの回転角度を大きくする(135degより大きくする)。言い換えれば、完爆判定時期であるC点を、冷却水温が低いほど大きく遅角する。
図4に戻り、回転角度がC点(=A+C)になったら、内燃機関1の回転数Ne2と回転開始時点(0deg)からの経過時間T2を計測して記憶する(S209)。ここでは、A点からC点までの単位時間当りの回転数上昇量が所定値αを越えなければ(S210)完爆状態とは認められないので、A点を次気筒の点火時期(270deg)に再設定し、次の燃焼で完爆状態にあるか否かの判定を行う。回転数上昇量が所定値αを越えた場合は、完爆状態であると認められるので、スタータモータ11による始動アシストを停止する(S212)。
以上のように、本実施形態の内燃機関の始動制御装置では、始動に際して、スタータモータ11によりクランク軸13に外部から回転トルクを与えるとともに、膨張行程にある(膨張行程を迎える順番で)気筒2内に燃料を噴射して点火燃焼させ、該燃焼のエネルギを利用してクランク軸13を回転させるようにしたもとで、内燃機関のフリクションによる影響を加味して完爆判定を行うようにされる。より具体的には、前記フリクションの大きさに基づいて、完爆判定を行う時期を変更するようにされるので、フリクションの最大値を用いていた従来のものに比して、より的確に完爆判定を行うことができる。そのため、始動不良の発生頻度が低くなるとともに、スタータによるクランキング時間(アシスト時間)を必要最小限に短縮することができ、その結果、電力消費量を低減できてバッテリの寿命を延ばすことができ、また、クランキングに伴う不所望な動作音等の発生時間を短縮でき、商品価値を高めることができる。
また、内燃機関のフリクションの大きさを機関冷却水温に基づいて推定するようにされるので、センサ類の追加を必要とせず、さほど大きなコストアップを招くことなく前記作用効果を得ることができる。なお、前記実施例では、内燃機関1のフリクションを冷却水温に置換えている(冷却水温に基づいて推定している)が、内燃機関の作動状態(S102)で増加させ、内燃機関の休止状態(S106)で減少させる動作時間に置換えることもできる(フリクションを動作時間に基づいて推定することができる)。
さらに、完爆判定時期を、先行燃焼気筒の点火時期からの回転角度が、前記先行燃焼気筒の点火時期から次に燃焼が行われる気筒の点火時期までの回転角度の1/2を越える時期、例えば直列4気筒の内燃機関(各気筒において吸気→圧縮→膨張→排気の各行程が180degずつずれた状態で行われる)であれば、先行燃焼気筒の点火時期からの回転角度が例えば135deg(これにフリクションの大きさに応じた補正を加えた角度)に達した時期とすることで、前記完爆判定に、前記フリクションの影響が現れる機関回転数が低下する領域が加えられることになり、その結果、前記完爆判定を一層的確に行うことができる。
また、本発明はアイドリングストップ時における再始動に限らず、例えばイグニッションキーのオン操作に対応した始動時にも適用できる。
その他にも、内燃機関と電動モータとを併用するハイブリッド車両における内燃機関の再始動時等、内燃機関を始動させるあらゆる場合に本発明は適用できる。
また、上記実施例では、完爆状態にあるか否かの判定を、先行燃焼気筒の点火時期から完爆判定時期までの機関回転数の変化量と所要時間(単位時間当たりの回転数上昇量)に基づいて行うようにしているが、これに代えて、例えば、前記A点とC点における10deg回転するのに要する時間の差で求められる加速度に基づいて完爆判定を行ってもよい。
本発明に係る始動制御装置の一実施形態とそれが適用された内燃機関の一例を示す概略構成図。 図1に示される始動制御装置の主要部を構成するコントロールユニットの概要を示す機能ブロック図。 図2に示されるコントロールユニットによる機関停止制御と始動制御の一例を示すフローチャート。 図2に示されるコントロールユニットによる始動制御の一例を示すフローチャート。 従来の始動制御装置における始動制御の概要の説明に供される図。 本発明に係る始動制御装置における始動制御の概要の説明に供される図。 本発明に係る始動制御装置における完爆判定の説明に供されるグラフ。
符号の説明
1 内燃機関(直列4気筒エンジン)
2 気筒
3 燃料噴射弁
4 燃焼室
5 点火プラグ
6 吸気通路
7 排気通路
8 吸気弁
9 排気弁
10 コントロールユニット
11 スタータモータ
12 歯車機構
13 クランク軸
14 クランク角センサ
15 水温センサ
16 ブレーキスイッチ
17 ブレーキのコントロールユニット
20 入出力手段
21 始動制御手段
22 停止制御手段
23 作動制御手段
25 エネルギ供給制御手段
26 完爆判定手段
27 始動時燃焼制御手段
28 スタータ制御手段

Claims (9)

  1. 内燃機関を始動させるべく、膨張行程を迎える順番で気筒内に燃料を噴射して点火燃焼させ、該燃焼のエネルギを利用してクランク軸を回転させる第1のエネルギ供給手段と、前記クランク軸に外部から回転トルクを与える第2のエネルギ供給手段と、を具備した内燃機関の始動制御装置であって、
    該始動制御装置は、前記内燃機関における回転速度等の運動状態を検出する運動状態検出手段と、
    前記運動状態に基づき、前記内燃機関が運動開始後、所要の回転状態を持続している完爆状態にあるか否かを判定する完爆判定手段と、
    前記運動状態に基づき、前記第1のエネルギ供給手段及び前記第2のエネルギ供給手段の作動制御を行うとともに、前記完爆判定手段が完爆状態であると判定した場合に、前記第2のエネルギ供給手段の作動を停止させる始動用作動制御手段と、前記内燃機関のフリクションの大きさを検出ないし推定するフリクション検出手段を備え、
    前記完爆判定手段は、前記運動状態に加え、前記内燃機関のフリクションによる影響を加味して前記完爆判定を行うことを特徴とする内燃機関の始動制御装置。
  2. 始動に際して、膨張行程を迎える順番で気筒内に燃料を噴射して点火燃焼させて該燃焼のエネルギを利用してクランク軸を回転させると共に、スタータモータ等の外部駆動手段によりクランク軸に外部から回転トルクを与えるようにされた内燃機関の始動制御装置であって、
    該始動制御装置は、前記内燃機関が運動開始後、所要の回転状態を持続している完爆状態にあるか否かを判定する完爆判定手段と、前記内燃機関のフリクションの大きさを検出ないし推定するフリクション検出手段と、前記完爆判定手段が完爆状態であると判定した場合に、前記外部駆動手段による前記クランク軸への回転トルク付与を停止させる始動用作動制御手段とを備え、
    前記完爆判定手段は、前記運動状態に加え、前記内燃機関のフリクションによる影響を加味して前記完爆判定を行うことを特徴とする内燃機関の始動制御装置。
  3. 前記完爆判定手段は、前記内燃機関のフリクションの大きさに基づいて、前記完爆判定を行う時期を変更することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の始動制御装置。
  4. 前記完爆判定手段は、前記完爆判定時期を、先行燃焼気筒の点火時期からの回転角度で設定することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の内燃機関の始動制御装置。
  5. 前記フリクション検出手段は、前記内燃機関のフリクションの大きさを前記内燃機関の冷却水温に基づいて推定することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の内燃機関の始動制御装置。
  6. 前記フリクション検出手段は、前記内燃機関のフリクションの大きさを前記内燃機関の動作時間に基づいて推定することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の内燃機関の始動制御装置。
  7. 前記完爆判定手段は、前記内燃機関のフリクションが大きいほど、前記完爆判定時期を遅角させることを特徴とする請求項3から6のいずれか一項に記載の内燃機関の始動制御装置。
  8. 前記完爆判定手段が行う完爆判定時期は、前記先行燃焼気筒の点火時期からの回転角度が、前記先行燃焼気筒の点火時期から次に燃焼が行われる気筒の点火時期までの回転角度の1/2を越える時期に設定されていることを特徴とする請求項3から7のいずれか一項に記載の内燃機関の始動制御装置。
  9. 前記完爆判定手段は、前記先行燃焼気筒の点火時期から前記完爆判定時期までの機関回転数の変化量と所要時間に基づいて、前記完爆状態にあるか否かの判定を行うことを特徴とする請求項3から8のいずれか一項に記載の内燃機関の始動制御装置。
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