JP2008297729A - アスベスト回収装置及びアスベスト回収方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】飛散を防止したアスベストの回収。
【解決手段】床面に対する高さ方向に伸縮自在な支持機構部30と、回転する剥離ローラ部を含む剥離機構部50と、該支持機構部30に支持されて剥離機構部50を三次元方向に駆動する駆動機構部40と、本体部10と支持機構部30と駆動機構部40と剥離機構部50との制御を行う制御部20を備え、剥離機構部50が、回転方向に向かって矢印状に複数のブラシを立設した円筒状の剥離ローラ部と、該剥離ローラ部の上方を開放し且つ下方を囲む様に保持する保持部と、該保持部内の空気を吸入するボックス部とを有し、駆動機構部40が、剥離ローラ部を回転しながら回転方向に向かって移動することにより、アスベストを含む耐火被覆材を剥離し、該剥離した耐火被覆材を吸引するアスベスト回収装置。
【選択図】図1
【解決手段】床面に対する高さ方向に伸縮自在な支持機構部30と、回転する剥離ローラ部を含む剥離機構部50と、該支持機構部30に支持されて剥離機構部50を三次元方向に駆動する駆動機構部40と、本体部10と支持機構部30と駆動機構部40と剥離機構部50との制御を行う制御部20を備え、剥離機構部50が、回転方向に向かって矢印状に複数のブラシを立設した円筒状の剥離ローラ部と、該剥離ローラ部の上方を開放し且つ下方を囲む様に保持する保持部と、該保持部内の空気を吸入するボックス部とを有し、駆動機構部40が、剥離ローラ部を回転しながら回転方向に向かって移動することにより、アスベストを含む耐火被覆材を剥離し、該剥離した耐火被覆材を吸引するアスベスト回収装置。
【選択図】図1
Description
本発明は、建築物等の天井に吹き付けられたアスベストを飛散することなく回収することができるアスベスト回収装置及びアスベスト回収方法に関する。
従来、アスベストは、蛇紋岩系や角せん石系の細い繊維から成る石綿とも呼ばれ、建築物等の耐火性/吸音性/断熱性を向上させるための手段として用いられ、このアスベストにセメント等の結合材と水を加えて混合した耐火被覆材を天井や壁面に吹付け塗装することが行われてきた。
このアスベストは、近年、人が吸引した場合に発癌性を促すことが知られ、構造物の吹付け耐火被覆材として使用が全面的に禁止されているが、過去の使用禁止処置以前にアスベストを混入した耐火被覆材を用いて吹付け塗装を行った建築物が多数残存し、これら建築物の解体作業においてはアスベストの飛散防止技術が望まれている。
この吹付け塗装された耐火被覆材の剥離作業は、機械的又は人的作業によって比較的簡単に剥離除去することができるものの、アスベストを混入しているためにアスベストから飛散した短い繊維が空間に浮遊しやすく、人がこれを吸引するとじん肺や肺癌の発症原因になるため、作業現場ではアスベスト飛散の発生を抑えて作業者を保護するだけでなく、構造物の外部への流出を防止し、周辺住民の保護を図らなければならず、このような厳しい制約をクリアしなければ剥離工事を実施することができないため、アスベスト飛散を確実に抑えて耐火被覆材の剥離除去作業を行い得る工法の開発が急務である。
このアスベストの飛散を防止する方法が記載された文献としては、下記特許文献が挙げられ、この特許文献には、建造物に塗布されたアスベストを含む耐火被覆材を隔離することにより隔離室を形成する隔離工程と、この隔離室内の空気を吸引して隔離室内を負圧状態にする負圧化工程と、前記塗布されたアスベストの飛散を防止するために界面活性剤を含む水を用いて発生させた泡をアスベストに吹き付ける飛散防止工程と、前記塗布されたアスベストを建造物から剥離するために剥離剤(ドライアイス粒子、氷粒子、砂、鉄他)をブラストノズルから噴射する剥離工程と、前記剥離されたアスベストを回収する回収工程とを行うことにより、隔離工程により隔離室を形成し且つ負圧化工程により隔離室内を負圧状態にした状態において、飛散防止工程によって、界面活性剤を含む水を用いて発生させた泡をアスベストに吹き付け、泡の内部にアスベストを浸透させ、この泡を剥離工程により剥離剤を噴射して剥離し、この剥離したアスベストを収納箱に設けた吸引口から吸引することにより、建造物に塗布されたアスベストを効率的に回収することが記載されている。
特開2007−120033号公報
前記特許文献記載の技術は、天井に吹き付けられたアスベスト(耐火被覆材)に界面活性剤を含む泡を吹き付け、泡が浸透した状態のアスベストにドライアイス粒子等の固体である剥離剤をブラストノズルから噴射し、剥離したアスベストを収納箱の吸引孔から回収するものであるが、ブラストノズルを収納箱内において二次元的に動かしながらドライアイス粒子等の噴射により剥離を行うため、ドライアイス粒子等の噴射だけでは十分にアスベストの剥離できず、更に内部が目視不能な収納箱内での作業のために剥離状態を目視確認することができず、アスベストを含む耐火被覆材を天井から剥離することが困難であると言う不具合があった。
本発明の目的は、アスベストを飛散を防止しながら回収することができるアスベスト回収装置及びアスベスト回収方法を提供することである。本発明の他の目的は、回収に使用したアスベスト回収装置そのものを特別な搬送手段を用いることなく容易に搬送することができるアスベスト回収装置及びアスベスト回収方法を提供することである。
前記目的を達成するために本発明は、床面上を移動自在な本体部と、該本体部に搭載されて床面に対する高さ方向に伸縮自在な支持機構部と、回転する剥離ローラ部を含む剥離機構部と、該支持機構部に支持されて前記剥離機構部を三次元方向に駆動する駆動機構部と、前記本体部と支持機構部と駆動機構部と剥離機構部との制御を行う制御部を備えるアスベスト回収装置であって、前記剥離機構部が、回転方向に向かって矢印状に複数のブラシを立設した円筒状の剥離ローラ部と、該剥離ローラ部の上方を開放し且つ下方を囲む様に保持する保持部と、該保持部内の空気を吸入するボックス部とを有し、前記駆動機構部が、前記剥離機構部の剥離ローラ部を回転しながら前記回転方向に向かって移動することにより、前記剥離ローラ部が接しているアスベストを含む耐火被覆材を剥離し、該剥離した耐火被覆材を前記ボックス部を介して吸引することを第1の特徴とする。
更に本発明は、前記特徴のアスベスト回収装置において、前記制御部が、支持機構部の伸縮及び駆動機構部の三次元駆動によって前記剥離ローラ部の周面を耐火被覆材の表面に押し付けながら回転することにより、耐火被覆材を剥離することを第2の特徴とし、前記何れかの特徴のアスベスト回収装置において、前記本体部が、前記剥離機構部のボックス部を介して吸引したアスベストを含む耐火被覆材を固形化するアスベスト固形化装置に排出することを第3の特徴とし、前記何れかの特徴のアスベスト回収装置において、前記本体部が、前記剥離ローラ部の近傍を撮影する撮影部を備え、前記制御部が該撮影部により撮影した画像を表示する表示器を備えることを第4の特徴とする。
更に本発明は、床面上を移動自在な本体部と、該本体部に搭載されて床面に対する高さ方向に伸縮自在な支持機構部と、回転する剥離ローラ部を含む剥離機構部と、該支持機構部に支持されて前記剥離機構部を三次元方向に駆動する駆動機構部と、前記本体部と支持機構部と駆動機構部と剥離機構部との制御を行う制御部を備え、前記アスベスト回収装置の前記剥離機構部が、回転方向に向かって矢印状に複数のブラシを周面に立設した円筒状の剥離ローラ部と、該剥離ローラ部の周面上方を開放し且つ下方を囲む様に保持する保持部と、該保持部内の空気を吸入するボックス部とを有するアスベスト回収装置と、該アスベスト回収装置により回収したアスベストをアスベスト固形化剤を用いて固形化するアスベスト固形化装置と、前記アスベスト回収装置を収納する回収容器とを用い、負圧状態で密閉した隔離室内のアスベストを回収するアスベスト回収方法であって、前記アスベスト回収装置の駆動機構部が、前記剥離機構部の剥離ローラ部を回転しながら前記回転方向に向かって移動することにより、前記剥離ローラ部が接しているアスベストを含む耐火被覆材を剥離し、該剥離した耐火被覆材を前記ボックス部を介して吸引する工程と、該吸引したアスベストを含む耐火被覆材を固形化するアスベスト固形化装置に排出することによりアスベスト固形化装置がアスベストを固形化する工程と、前記アスベスト回収装置を収納する回収容器に収納し、該回収容器内のアスベスト回収装置を水流及び空気流により清掃し、該洗浄に用いた水及び空気に含まれるアスベストを前記アスベスト固形化装置を用いて固形化する工程とを行うことを第5の特徴とし、このアスベスト回収方法において、前記洗浄後のアスベスト回収装置を収納した回収容器の内部を負圧に維持した状態で該回収容器を搬送する工程を含むことを第6の特徴とする。
本発明によるアスベスト回収装置は、回転方向に向かって矢印状に複数のブラシを立設した剥離ローラ部を回転しながら前記回転方向に向かって移動することにより、前記剥離ローラ部が接しているアスベストを含む耐火被覆材を剥離し、該剥離した耐火被覆材を前記ボックス部を介して吸引することによって、回収することができる。また本発明によるアスベスト回収方法は、アスベスト回収作業を行った後のアスベスト回収装置を回収容器内に収納した状態で水及び空気を用いて洗浄し、この洗浄に用いた水及び空気に含まれるアスベストをアスベスト固形化装置によって固形化することによって、アスベストを搬送可能に固形化し、且つ作業後のアスベスト回収装置を容易に搬送することができる。
以下、本発明によるアスベスト回収装置の一実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は本実施形態によるアスベスト回収装置の全体構成を示す図、図2は本実施形態によるアスベスト回収装置の支持機構部を示す図、図3は本実施形態によるアスベスト回収装置の剥離機構部を示す図、図4は本実施形態によるアスベスト回収装置の剥離ローラ部を示す図、図5は本実施形態による剥離ローラ部の動作を示す図、図6は本実施形態による回収容器を説明するための図である。
<構成>
図1は、本実施形態によるアスベスト回収装置100を示す図であり、このアスベスト回収装置100は、建築物の天井等に押し付けられてアスベスト含む耐火被覆材を天井から剥離する剥離機構部50と、剥離機構部50を地面に対して水平直線移動及び回転させるための駆動機構部40と、該剥離機構部50及び駆動機構部40を支持し、地面に対して垂直方向の延びると共に回転する支持機構部30と、前記支持機構部30を搭載して駆動すると共にキャタピラ12による移動を行う本体部10と、該本体部10と接続され、前記各機構部を制御する制御部20とから構成される。
図1は、本実施形態によるアスベスト回収装置100を示す図であり、このアスベスト回収装置100は、建築物の天井等に押し付けられてアスベスト含む耐火被覆材を天井から剥離する剥離機構部50と、剥離機構部50を地面に対して水平直線移動及び回転させるための駆動機構部40と、該剥離機構部50及び駆動機構部40を支持し、地面に対して垂直方向の延びると共に回転する支持機構部30と、前記支持機構部30を搭載して駆動すると共にキャタピラ12による移動を行う本体部10と、該本体部10と接続され、前記各機構部を制御する制御部20とから構成される。
前記支持機構部30は、剥離機構部50及び駆動機構部40を上下駆動(伸縮)自在に支持するものであって、前記駆動機構部40を一端部に取り付け、長さ方向の途中に金具33を有する長尺且つ円筒状のアーム35と、該アーム35の他端を一端から出し入れ自在に収納し、他端が回動自在に前記本体部10に取り付けられたアーム34と、該アーム34の長さ方向に沿って取り付けられ、ピストンロッド32aの一端が前記アーム35の金具33を押し出す/引き込む様に油圧又は空気駆動されるシリンダ本体32と、前記アーム34を支持してピストンロッドの伸縮により上下させるシリンダ本体31とから構成され、前記シリンダ本体31及び32のピストンロッドの伸縮によって先端の剥離機構部50及び駆動機構部40を上下させる機能を有する。
前記本体部10は、床上を移動するためのキャタピラ12と、該キャタピラ12上に搭載され、前記支持機構部30/駆動機構部40/剥離機構部50を駆動するための電気/油圧機構/コンプレッサー等を内蔵する筐体11と、該筐体11内に後述する操作者からの操作指示を伝達するための電気・油圧ケーブルや空気管を含むチューブ管21を固定するためのプレート13と、後述する剥離機構部50等を撮影するための撮影部14と、後述する回収したアスベストを含む耐火被覆材(破材)並びに浮遊するアスベストを吸引して排出される塵埃を固形化するためのアスベスト固形化装置(図示せず)に連結するホース(図示せず)とを備える。尚、前記筐体11の内部の電気回路等は、筐体内部にて密閉された密閉箱17内に収納されており、筐体11に内蔵されたコンプレッサーは、剥離機構部50の先端まで延び且つ、高精度フィルターを通して清浄化した空気をチューブ管21を介して図示しない箇所において排気するものである。また前記アスベストを固形化させるアスベスト固形化装置は、本願出願人が特願2007−17715号として特許出願を行っているものが望ましく、このアスベスト固形化装置は、アスベストや破材を含む空気流をアスベスト固形剤(凝集剤)と共に強く撹拌しながら水中に注入し、水中において沈殿した固形(凝集)化後のアスベストを回収するものである。
前記制御部20は、前記本体部10とチューブ管21を介して接続され、前記撮影部14により撮影された画像を表示するディスプレイ(図示せず)を含む操作卓22を備え、操作者80の操作に応じて前記本体部10を制御することによって、前述した支持機構部30の上下駆動、駆動機構部40による剥離機構部50の水平移動、剥離機構部50自体の駆動を制御する様に構成されている。
前記駆動機構部40は、図2に示す如く、前記剥離機構部50を矢印A方向に回転する力を付勢するバネ(図示せず)が設けられた剥離機構部50と、該剥離機構部50を地面に対して平行な方向(矢印B方向)に直線移動させるためのラック歯が設けられた案内レール46と、該案内レール46をラック歯と係合して水平方向に移動させるためのウオーム歯車を回転駆動するホイール43と、該ホイール43にベルト45を介して回転駆動力を伝達する駆動モータ42と、前記剥離機構部50/案内レール46/ホイール43/駆動モータ42とを一体的に図中C方向に回転させるための回転モータ41とから構成され、この駆動機構部40は後述する支持機構部30の駆動によって矢印Dに示す上下方向に移動自在であり、前記剥離機構部50その他を照らす照明具を備えていても良い。
前記剥離機構部50は、図3に示す如く、天井等の耐火被覆材に押し付けられた状態で耐火被覆材を回転により剥離する剥離ローラ部53と、該剥離ローラ部53の周面の上面約半分を上方へ露出(開放)した状態で保持する保持部53aと、前記剥離ローラ部53を回転駆動するモータ52と、前記剥離ローラ部53の回転により天井の耐火被覆材から剥離したアスベストを含む破材を吸引するためのボックス51とから構成される。尚、図3中の符号54は前記ボックス51を回転自在に支持するための回転支持軸を示し、符号55は前記ボックス51内に吸引した破材を吸引搬送するためのホースを示す。
また前記剥離ローラ部53は、図4に示す如く、矢印Eで示す回転方向に突出するように矢印形に並べられた複数のブラシ53bを周面に立設しており、このブラシ53bは、耐火被覆材の厚みが通常は4cmであることから、約10cm程度の長さが望ましく、且つ固形の耐火被覆材を破壊して剥離するための強度を得るために例えばポリプレン性且つ径が5mm〜7mm程度のものが好ましい。また、前記矢印形に配列された個々のブラシ53bを立設する方向は、耐火被覆材を隙間なく剥離させるため一方向ではなく二次元的にランダムな方向が好ましい。
<動作>
次いで、本実施形態によるアスベスト回収装置100の動作を説明する。本アスベスト回収装置100は、まず、天井にアスベストを含む耐火被覆材が吹き付けられた屋ビニールシート等で覆い且つ目張りを施すことにより隔離室を形成し、操作者80が操作卓22を操作して前記隔離室内にキャタピラ12を駆動して配置する。このとき、操作者80が配置される制御部20は前記隔離室外の場所であり、前記隔離室と外部との隙間には目張り等により密閉する。
次いで、本実施形態によるアスベスト回収装置100の動作を説明する。本アスベスト回収装置100は、まず、天井にアスベストを含む耐火被覆材が吹き付けられた屋ビニールシート等で覆い且つ目張りを施すことにより隔離室を形成し、操作者80が操作卓22を操作して前記隔離室内にキャタピラ12を駆動して配置する。このとき、操作者80が配置される制御部20は前記隔離室外の場所であり、前記隔離室と外部との隙間には目張り等により密閉する。
この状態において、アスベスト回収装置100の筐体11に内蔵したコンプレッサーを稼動させ、前記隔離室内の空気を高精度ファイルターを介して負圧状態にする。尚、この密閉室内を負圧にする排気手段は、別途設けても良い。
この状態において、本アスベスト回収装置100は、操作者80が制御部20を制御することにより、本体部10が、キャタピラ12の駆動により前記剥離機構部50が剥離を行う天井の初期位置に位置決めするように移動させ、次いでシリンダ本体31及び32のピストンロッドを伸縮させ、前記剥離機構部50がバネの復元力によって天井の耐火被覆材に押し付けられる様に位置決めを行う。
次いで操作者80が、図3に示したコンプレッサーによるボックス51からの吸気を維持した状態において、前記剥離機構部50の駆動モータ52を駆動することにより、図5に示す如く、剥離ローラ部53が矢印F方向に回転し、該剥離ローラ部53の表面に矢印状に立設されたブラシ53bが天井8の耐火被覆材9を破壊して剥離し、該剥離した耐火被覆材9の破材並びに浮遊するアスベストを吸引する。この状態において、操作者が、撮影部14を用いて撮影している剥離ローラ部53の剥離状態を目視にて確認しながら駆動モータ42を回転させてベルト45及びホイール43を介した駆動力を案内レール46に伝達して図5の右方向に剥離機構部50の剥離ローラ部53を移動させ、この剥離ローラ部53の回転による耐火被覆材9の破壊及び剥離乃至剥離ローラ部53の移動により建築物の天井から耐火被覆材9のアスベストを剥離することができる。このアスベストの剥離作業は、案内レール46の移動範囲において行われ、前記シリンダ本体31及び32のピストンロッドの伸縮やキャタピラ12の駆動により、順次、次の領域に剥離機構部50を移動して行う。
このように本実施形態によるアスベスト回収装置100は、前記剥離したアスベストを吸引によって回収し、アスベストをアスベスト固形化装置により固形化することにより、アスベストを飛散することなしに安全に回収することができる。
更にアスベスト回収装置100は、前述したアスベストの剥離作業後においてもコンプレッサによる隔離室内の空気の吸引を継続することにより、剥離作業時に生じた隔離室内に浮遊するアスベストも吸引して隔離室内雰囲気を清浄化することによって、防塵対策を施した作業者が隔離室内に入ることができる。
更に本実施形態によるアスベスト回収方法は、前記隔離室内にアスベスト回収装置を収納する回収容器を搬入し、この回収容器にアスベスト回収装置を分解して収納し、該回収容器内のアスベスト回収装置に高圧空気流を噴射して装置に付着したアスベストを装置から除去し、この回収容器に収納した状態のアスベスト回収装置を密閉してトラック等によって搬送することが行われる。この高圧空気流による洗浄のみならず高圧水流を用いても良い。
この回収容器の一例を図6を参照して説明する。図6(a)は本実施形態による回収容器の左斜め前面を示す図、図6(b)は右斜め後面を示す図である。この回収容器200は、概略外形状が長方立方体を成し、長手方向の両側面に取り付けられた高精度フィルター206と、短手方向の一方の側面に設けられた開閉する扉201と、上部に取り付けられ、容器内外の圧力差を一定に保つ差圧ダンパ式給気口207と、短手方向の他方の側面203に設けられた電源用引き込み部202及びカプラ204と、容器の側面下部に設けられた吸引ホース取り付け口210と、容器内部を負圧に保つための負圧機211とを備え、隔離室内において前記後面の扉201を開けてアスベスト回収装置100を収納して密閉し、カプラ204から高圧空気を内部に供給し、吸引ホース取り付け口210から空気を排出し、この排出した空気を前記アスベスト固形化装置に供給して排出空気に含まれるアスベストを固形化して回収する様に構成されている。この回収容器は、前述した洗浄後においては、負圧機211により内部を負圧に保った状態でトラック等に搭載して搬送することができる。尚、前記容器に収納した回収装置の洗浄を現場で行わず、容器内部を負圧に保った状態でトラック等によりアスベスト処理業者に搬送し、この搬送後に前記洗浄を行っても良い。
また前記回収容器内における洗浄に使用した水及び空気は、前述したアスベスト固形化装置に排出され、該アスベスト固形化装置が排出された水及び空気に含まれるアスベストを固形化して飛散を生じない状態に変化させる。
従って本実施形態によるアスベスト回収方法は、アスベストの回収を行った後の回収装置を洗浄して回収容器に密閉することにより、アスベストの回収作業を行った後の回収装置からアスベストが飛散することを防止すると共に、この回収装置の洗浄に用いた水及び空気に含まれるアスベストも固形化して飛散を防止することができる。
このため本実施形態によるアスベスト回収方法によれば、アスベストの回収作業により回収したアスベスト自体の固形化と、この回収装置自体の洗浄により回収したアスベストの固形化とを行い、更に洗浄後の回収装置を密閉された回収容器内に収納することによって、アスベスト回収処理後のアスベスト及び装置機器に付着したアスベストを飛散の虞がない状態で搬送することができる。即ち、従来はアスベストを回収後の回収装置自体の搬送においても飛散防止のために特別な搬送手段を用意しなければならなかったが、本実施形態によるアスベスト回収方法によれば、回収装置自体を回収容器内で洗浄した後に密閉し、且つ洗浄に使用した水及び空気に含まれるアスベストもアスベスト固形化装置により固形化して回収するため、特別な搬送手段を用いることなく、一般のトラック等の荷台に搭載して搬送することができる。これによって、アスベスト回収作業のコスト低減も図ることができる。
このため本実施形態によるアスベスト回収方法によれば、アスベストの回収作業により回収したアスベスト自体の固形化と、この回収装置自体の洗浄により回収したアスベストの固形化とを行い、更に洗浄後の回収装置を密閉された回収容器内に収納することによって、アスベスト回収処理後のアスベスト及び装置機器に付着したアスベストを飛散の虞がない状態で搬送することができる。即ち、従来はアスベストを回収後の回収装置自体の搬送においても飛散防止のために特別な搬送手段を用意しなければならなかったが、本実施形態によるアスベスト回収方法によれば、回収装置自体を回収容器内で洗浄した後に密閉し、且つ洗浄に使用した水及び空気に含まれるアスベストもアスベスト固形化装置により固形化して回収するため、特別な搬送手段を用いることなく、一般のトラック等の荷台に搭載して搬送することができる。これによって、アスベスト回収作業のコスト低減も図ることができる。
また本実施形態によるアスベスト回収装置100は、前述した様に作業終了後に高圧水流及び高圧空気流清掃を用いて清掃を行うものであるが、特に本実施形態による装置は、筐体11の内部の電気回路等を密閉された密閉箱17内に収納しているため、前記水流を用いた清掃時においても電気的特性を損なうことがないものである。また本実施形態においては、天井に吹き付けられたアスベストを回収する例を説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、垂直な壁面に吹き付けられたアスベストも回収することができ、更に体育館の天井に吹き付けられたアスベストも回収することができる。
8:天井、9:耐火被覆材、10:本体部、11:筐体、12:キャタピラ、13:プレート、14:撮影部、17:密閉箱、20:制御部、21:チューブ管、22:操作卓、30:支持機構部、80:操作者、31:シリンダ本体、32:シリンダ本体、32a:ピストンロッド、34:アーム、35:アーム、40:駆動機構部、41:回転モータ、42:駆動モータ、43:ホイール、45:ベルト、46:案内レール、50:剥離機構部、51:ボックス、52:駆動モータ、53:剥離ローラ部、53a:保持部、53b:ブラシ、100:アスベスト回収装置、200:回収容器。
Claims (6)
- 床面上を移動自在な本体部と、該本体部に搭載されて床面に対する高さ方向に伸縮自在な支持機構部と、回転する剥離ローラ部を含む剥離機構部と、前記支持機構部に支持されて剥離機構部を三次元方向に駆動する駆動機構部と、前記本体部と支持機構部と駆動機構部と剥離機構部との制御を行う制御部を備えるアスベスト回収装置であって、
前記剥離機構部が、回転方向に向かって矢印状に複数のブラシを周面に立設した円筒状の剥離ローラ部と、該剥離ローラ部の周面の上方を開放し且つ下方を囲む様に保持する保持部と、該保持部内の空気を吸入するボックス部とを有し、
前記駆動機構部が、前記剥離機構部の剥離ローラ部を回転しながら前記回転方向に向かって移動することにより、前記剥離ローラ部が接しているアスベストを含む耐火被覆材を剥離し、該剥離した耐火被覆材を前記ボックス部を介して吸引することを特徴とするアスベスト回収装置。 - 前記制御部が、支持機構部の伸縮及び駆動機構部の三次元駆動によって前記剥離ローラ部の周面を耐火被覆材の表面に押し付けながら回転することにより、耐火被覆材を剥離することを特徴とする請求項1記載のアスベスト回収装置。
- 前記本体部が、前記剥離機構部のボックス部を介して吸引したアスベストを含む耐火被覆材を固形化するアスベスト固形化装置に排出することを特徴とする請求項1又は2記載のアスベスト回収装置。
- 前記本体部が、前記剥離ローラ部の近傍を撮影する撮影部を備え、前記制御部が該撮影部により撮影した画像を表示する表示器を備えることを特徴とする請求項1から3何れかに記載のアスベスト回収装置。
- 床面上を移動自在な本体部と、該本体部に搭載されて床面に対する高さ方向に伸縮自在な支持機構部と、回転する剥離ローラ部を含む剥離機構部と、前記支持機構部に支持されて前記剥離機構部を三次元方向に駆動する駆動機構部と、前記本体部と支持機構部と駆動機構部と剥離機構部との制御を行う制御部を備え、前記アスベスト回収装置の剥離機構部が、回転方向に向かって矢印状に複数のブラシを周面に立設した円筒状の剥離ローラ部と、該剥離ローラ部の周面上方を開放し且つ下方を囲む様に保持する保持部と、該保持部内の空気を吸入するボックス部とを有するアスベスト回収装置と、該アスベスト回収装置により回収したアスベストをアスベスト固形化剤を用いて固形化するアスベスト固形化装置と、前記アスベスト回収装置を収納する回収容器とを用い、負圧状態で密閉した隔離室内のアスベストを回収するアスベスト回収方法であって、
前記アスベスト回収装置の駆動機構部が、前記剥離機構部の剥離ローラ部を回転しながら前記回転方向に向かって移動することにより、前記剥離ローラ部が接しているアスベストを含む耐火被覆材を剥離し、該剥離した耐火被覆材を前記ボックス部を介して吸引する工程と、
該吸引したアスベストを含む耐火被覆材を固形化するアスベスト固形化装置に排出することによりアスベスト固形化装置がアスベストを固形化する工程と、
前記アスベスト回収装置を回収容器に収納し、該回収容器内のアスベスト回収装置を水流及び空気流により清掃し、該洗浄に用いた水及び空気に含まれるアスベストを前記アスベスト固形化装置を用いて固形化する工程とを行うことを特徴とするアスベスト回収方法。 - 前記洗浄後のアスベスト回収装置を収納した回収容器の内部を負圧に維持した状態で該回収容器を搬送する工程を含むことを特徴とする請求項5記載のアスベスト回収方法。
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JP2007142445A JP2008297729A (ja) | 2007-05-29 | 2007-05-29 | アスベスト回収装置及びアスベスト回収方法 |
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JP2007142445A JP2008297729A (ja) | 2007-05-29 | 2007-05-29 | アスベスト回収装置及びアスベスト回収方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018204385A (ja) * | 2017-06-08 | 2018-12-27 | 鹿島建設株式会社 | 除去装置、除去方法 |
-
2007
- 2007-05-29 JP JP2007142445A patent/JP2008297729A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018204385A (ja) * | 2017-06-08 | 2018-12-27 | 鹿島建設株式会社 | 除去装置、除去方法 |
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