JP2008297524A - インクジェット記録用インク及びこれを用いたインクジェット記録ユニット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アゾ染料、アントラキノン染料、アントラピリドン染料及びフタロシアニン染料からなる群より選ばれる少なくとも1種の染料を含有するインクジェット記録用インクであって、前記染料は、ヒンダードフェノール構造を有する基を有する。
【選択図】なし
Description
[実施例1]
以下の方法によりヒンダードフェノール構造を有する基を有する水溶性アゾ染料を合成した。
チオジグリコール 10%
アセチレノールEH (川研ファインケミカル株式会社製) 0.05%
水 残部
得られたインクをインクジェット記録ヘッドのインクタンクに収納し、シリアル形式のインクジェット記録装置(PIXUS−850i:キヤノン社製)を用いて、記録媒体上に画像を形成した。画像形成は、OD(Optical Density:光学濃度)が、0.9〜1.1の範囲に入るように記録条件を調整し、単色パッチ(1.5cm角の正方形)を形成し、これをサンプルとして、耐光性の試験を行った。記録媒体は以下のように調製した図4に示す紙を用いた。
原料パルプとしてLBKP90部とNBKP10部を混合し叩解した。その後、炭酸カルシウム20部、アルケニル無水コハク酸0.2部、カチオン化デンプン0.5部を配合して、常法により、坪量64g/m2、厚さ90μm、ステキヒトサイズ度15秒の原紙を抄造した。この原紙の比容積は1.4cm3/gであった。得られた原紙に、カチオン化デンプン(CATO304:NATIONAL STARCH & CHEMICAL製)を水と混合した6%水溶液を塗布液とし、バーコーターで1.5g/m2になるように塗布した。その後、100℃のオーブンで3分間乾燥し、記録媒体を得た。
[耐光性]
サンプルの表面を無色のガラスプレートで覆った後、キセノンウエザーメーター(XL−75S:(株)スガ試験機製)を用い、24℃、湿度60%条件下、サンプルの露光を所定時間(6時間、12時間)行った。照射条件は、BPT(ブラックパネル温度)40℃;300〜400nm間出の照度34W/m2とした。サンプルの変色の有無を観察し、以下の基準により感応評価した。結果を表1に示す。
評価B:被験者10人中7人以上が画濃度変化なしと判定
評価C:被験者10人中5人以上が画濃度変化なしと判定
評価D:被験者10人中9人以上が画濃度変化ありと判定。
式(23)に示すように市販染料C.I. Direct Black 32を用いた他は、実施例1と同様にして調製したリチウム化BHTを用い、抗酸化性アゾ染料を合成し、インクを調製した。これを用いて実施例1と同様にして記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表1に示す。
特開平11−158396号公報に記載された、式(24)に示すアゾ染料を用いた他は、実施例1と同様にして、抗酸化性アゾ染料を合成し、インクを調製した。これを用いて実施例1と同様にして記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表1に示す。
アゾ染料として実施例1の出発原料として用いたアゾ染料1.8%を用い、抗酸化剤としてBHT0.2%を染料とは別体として用いた他は実施例1と同様にしてインクを調製し、これを用いて記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表2に示す。
アゾ染料として実施例2の出発原料として用いたアゾ染料1.5%を用い、抗酸化剤としてBHT0.5%を染料とは別体として用いた他は実施例1と同様にしてインクを調製し、これを用いて記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表2に示す。
アゾ染料として実施例3の出発原料として用いたアゾ染料1.3%を用い、抗酸化剤としてBHT0.7%を染料とは別体として用いた他は実施例1と同様にしてインクを調製し、これを用いて記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表2に示す。
アゾ染料として実施例1の出発原料として用いたアゾ染料1.6%を用いた他は実施例1と同様にしてインクを調製し、これを用いて記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表2に示す。
アゾ染料として実施例2の出発原料として用いたアゾ染料1.5%を用いた他は実施例1と同様にしてインクを調製し、これを用いて記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表2に示す。
アゾ染料として実施例3の出発原料として用いたアゾ染料1.3%を用いた他は実施例1と同様にしてインクを調製し、これを用いて記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表2に示す。
以下の方法によりヒンダードフェノール構造を有する基を有する水溶性アントラキノン染料を合成した。
式(26)に示すように、市販のカルボキシル基を持つアントラキノン染料をLiAlH4と共に常法により還元し、アルデヒド基にした。これにBHTを酸触媒下で縮合させ、BHT構造を有する基を有する抗酸化性アントラキノン染料を合成した。これを用いて実施例1と同様にしてインクを調製し、記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表3に示す。
式(27)に示すように、市販のカルボキシル基を持つアントラキノン染料をLiAlH4と共に常法により還元し、アルデヒド基にした。これにBHTを酸触媒下で縮合させ、BHT構造を有する基を有する抗酸化性アントラキノン染料を合成した。これを用いて実施例1と同様にしてインクを調製し、記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表3に示す。
アントラキノン染料として実施例4の出発原料として用いた1−ハイドロオキシ−アントラキノン−2−カルボキシアルデヒド1.1%を用い、抗酸化剤としてBHT0.9%を染料とは別体として用いた。その他は実施例1と同様にしてインクを調製し、これを用いて記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表4に示す。
アントラキノン染料として実施例5の出発原料として用いたアントラキノン染料1.4%を用い、抗酸化剤としてBHT0.6%を染料とは別体として用いた。その他は実施例1と同様にしてインクを調製し、これを用いて記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表4に示す。
アントラキノン染料として実施例6の出発原料として用いたアントラキノン染料1.4%を用い、抗酸化剤としてBHT0.6%を染料とは別体として用いた。その他は実施例1と同様にしてインクを調製し、これを用いて記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表4に示す。
アントラキノン染料として実施例4の出発原料として用いたアントラキノン染料1.1%を用いた他は実施例1と同様にしてインクを調製し、これを用いて記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表4に示す。
アントラキノン染料として実施例5の出発原料として用いたアントラキノン染料1.4%を用いた他は実施例1と同様にしてインクを調製し、これを用いて記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表4に示す。
アントラキノン染料として実施例6の出発原料として用いたアントラキノン染料1.4%を用いた他は実施例1と同様にしてインクを調製し、これを用いて記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表4に示す。
以下の方法によりヒンダードフェノール構造を有する基を含有する水溶性アントラピリドン染料を合成した。まず、式(28)に示すように3−アミノベンジルアルコールの水酸基をTBSClにより保護した。
式(32)に示すように、市販のカルボキシル基を持つアントラピリドン染料をLiAlH4と共に常法により還元し、アルデヒド基にした。これにBHTを酸触媒下で縮合させ、BHT構造を有する基を有する抗酸化性アントラピリドン染料を合成した。これを用いて実施例1と同様にしてインクを調製し、記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表5に示す。
アントラピリドン染料として実施例7で調製したアントラピリドン化合物1.3%を用い、抗酸化剤としてBHT0.7%を染料とは別体として用いた他は実施例1と同様にしてインクを調製し、これを用いて記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表6に示す。
アントラピリドン染料として実施例8の出発原料として用いたアントラピリドン化合物1.5%を用い、抗酸化剤としてBHT0.5%を染料とは別体として用いた。その他は実施例1と同様にしてインクを調製し、これを用いて記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表6に示す。
アントラピリドン染料として実施例7で調製したアントラピリドン化合物1.3%を用いた他は実施例1と同様にしてインクを調製し、これを用いて記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表6に示す。
アントラピリドン染料として実施例8の出発原料として用いたアントラピリドン化合物1.4%を用いた他は実施例1と同様にしてインクを調製し、これを用いて記録媒体に画像を形成し、耐候性の評価を行った。結果を表6に示す。
以下の方法によりヒンダードフェノール構造を有する基を含有する水溶性フタロシアニン染料を合成した。まず、式(33)に示すように、銅フタロシアニンと塩化オキサリル触媒とAlCl3触媒を使ってカルボキシル基をベンゼン環に導入し、フタロシアニン化合物を得た。
式(34)に示すように、市販のカルボキシル基を持つフタロシアニン染料をLiAlH4を用いて常法により還元し、カルボキシル基をアルデヒド基にした。これにBHTを酸触媒下で縮合させ、BHT構造を有する基を有する抗酸化性フタロシアニン染料を合成した。これを用いて実施例1と同様にしてインクを調製し、記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表7に示す。
式(35)に示すように、市販のカルボキシル基を持つフタロシアニン染料をLiAlH4を用いて常法により還元し、カルボキシル基をアルデヒド基にした。これにBHTを酸触媒下で縮合させ、BHT構造を有する基を有する抗酸化性フタロシアニン染料を作製した。これを用いて実施例1と同様にしてインクを調製し、記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表7に示す。
フタロシアニン染料として実施例9で調製した3つのカルボキシル基を有する銅フタロシアニン化合物1.6%を用い、抗酸化剤としてBHT0.4%を染料とは別体として用いた。その他は実施例1と同様にしてインクを調製し、これを用いて記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表8に示す。
フタロシアニン染料として実施例10の出発原料として用いたフタロシアニン化合物1.7%を用い、抗酸化剤としてBHT0.3%を染料とは別体として用いた。その他は実施例1と同様にしてインクを調製し、これを用いて記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表8に示す。
フタロシアニン染料として実施例11の出発原料として用いたフタロシアニン化合物1.4%を用い、抗酸化剤としてBHT0.6%を染料とは別体として用いた。その他は実施例1と同様にしてインクを調製し、これを用いて記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表8に示す。
フタロシアニン染料として実施例9で調製した3つのカルボキシル基を有する銅フタロシアニン化合物1.8%を用いた他は実施例1と同様にしてインクを調製し、これを用いて記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表8に示す。
フタロシアニン染料として実施例10の出発原料として用いたフタロシアニン化合物1.7%を用いた他は実施例1と同様にしてインクを調製し、これを用いて記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表8に示す。
フタロシアニン染料として実施例11の出発原料として用いたフタロシアニン化合物1.4%を用いた他は実施例1と同様にしてインクを調製し、これを用いて記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表8に示す。
H インクジェット記録ユニット
Claims (14)
- アゾ染料、アントラキノン染料、アントラピリドン染料及びフタロシアニン染料からなる群より選ばれる少なくとも1種の染料を含有するインクジェット記録用インクであって、
前記染料は、ヒンダードフェノール構造を有する基を有することを特徴とするインクジェット記録用インク。 - 請求項1から13のいずれか記載のインクジェット記録用インクを収容するインクタンク及びインクジェット記録ヘッドを具備することを特徴とするインクジェット記録ユニット。
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