JP5105958B2 - インクジェット記録用インク及びこれを用いたインクジェット記録ユニット - Google Patents

インクジェット記録用インク及びこれを用いたインクジェット記録ユニット Download PDF

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Description

本発明は、記録媒体上にインクを吐出するインクジェット記録ヘッドを備え、印字データや画像データ(以下、記録データという。)に応じた記録を行うインクジェット記録装置に用いるインクや、これを用いたインクジェット記録ユニットに関する。より詳しくは、高速で安価な記録を可能とし、長期に亘って保存可能な記録を作成できるインクジェット記録用インク及びこれを用いたインクジェット記録ユニットに関する。
インクジェット記録装置は、単色のインク又はカラー記録に対応した複数色のインクを紙、布、OHP用紙、プリント回路基板等の記録媒体上に吐出することによって画像を形成する記録装置である。インクジェット記録装置は、一般的に、インクタンク及びインクジェット記録ヘッド(記録ヘッドという。)を備えたインクジェット記録ユニットを搭載するキャリッジと、キャリッジを往復移動させる手段と、記録媒体を搬送する搬送部と、これらを制御する制御部とを具備している。
このようなインクジェット記録装置においては、インクの吐出口を備える記録ヘッドから、これを記録媒体の搬送方向(副走査方向)と交差する方向、例えば実質的に直行する主走査方向に連続的にスキャンさせながら、インクを吐出する。更に、記録媒体を記録幅に等しい距離ずつ間欠搬送することによって、記録媒体上に記録データに応じた記録を行う。このようにインクジェット記録装置は、記録データに応じてインクを直接記録媒体上に吐出させて記録を行うので、簡易で安価な記録を行うことができるため、広く用いられている。
また、インクジェット記録装置は、複数色のインク用の記録ヘッドを具えることによってフルカラー化への対応も容易である。このようなフルカラーインクジェット記録装置には、通常、イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)の三原色にブラック(B)を含めた4色のインクに対応した記録ヘッドが搭載される。
イエローや黒のインクには合成が容易で、また色調が豊富なアゾ染料が使われることが多い。このアゾ染料は式(13)に示すような母体構造を持っている。
Figure 0005105958
マゼンタインクには合成が容易で、また色調が豊富なアントラキノン染料、アントラピリドン(別名アンモンケリドン、ピリダントロン)染料、フタロシアニン染料が使われることが多い。アントラキノン染料は式(14)に示すような母体構造を持っている。
Figure 0005105958
アントラピリドンは式(15)に示すような母体構造を持っている。
Figure 0005105958
フタロシアニンは式(16)に示すような母体構造を持っている。
Figure 0005105958
近年、鮮鋭で色彩に優れた画像形成が可能であり、且つ、簡便で安価なインクジェット記録装置の普及に伴い、インクジェット記録装置による画像に、銀塩写真に相当する記録特性及び長期保存性が要請され、更なる耐候性に優れたインクが求められている。従来のインクジェット記録用インクにおいては、太陽光や室内光により生じる活性酸素やオゾン等により染料分子が酸化され退色や変色することがあった。このような染料分子の劣化に対しては抗酸化剤を利用する技術がある。この技術には、記録媒体に抗酸化剤を含有させる方法(特許文献1から4等)と、インクに抗酸化剤を含有させる方法(特許文献5から7等)とがある。
しかし、記録媒体に抗酸化剤を含有させる方法では、抗酸化剤自体や抗酸化剤の酸化により生成する生成物の有色により、インクが定着されていない部分の記録媒体の白色度が低下するという問題点がある。また、インクに抗酸化剤を含有させる方法では、インクに含まれる色材と抗酸化剤が記録媒体上に別個に離れて定着し、また、これらの溶解度の相違から色材に対する抗酸化剤が不充分となり、記録媒体の性質によっては十分な耐候性能を発揮し得ない場合がある。
特開平1−115677 特開2001−270219 特開2001−301315 特開2001−71627 特開昭62−19068 特開平10−324071 特開2001−81389
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の課題は、耐候性に優れ、画像の長期保存が可能で、安価なインクジェット記録用インク及びこれを用いるインクジェット記録ユニットを提供することにある。
本発明者らは鋭意検討の結果、極めて酸化され易いヒンダードフェノールを結合させた染料は、色調の変化を受けにくく、耐候性が飛躍的に向上する上、記録媒体上の画像以外の部分の白色度を低下させることがないことの知見を得た。
即ち、本発明は、アゾ染料、アントラキノン染料、アントラピリドン染料及びフタロシアニン染料からなる群より選ばれる少なくとも1種の染料を含有するインクジェット記録用インクであって、
前記染料は、ヒンダードフェノール構造を有する基を有する下記式(2)、(3)、(4)、(6)、(7)、(8)、(9)、(11)、及び(12)で表される染料から選択される少なくとも1種であることを特徴とするインクジェット記録用インク。
Figure 0005105958

(式中、R 1 はヒンダードフェノール構造を有する基を示し、R 2 からR 5 は、独立して、水素原子、スルホン基、カルボキシル基、アルデヒド基、アミノ基、又は水酸基を示す。)
Figure 0005105958

(式中、R 6 はヒンダードフェノール構造を有する基を示し、R 7 は水素原子、水酸基、スルホン基、アミノ基、カルボニル基、カルボキシル基、又は、ヒンダードフェノール構造を有する基を示し、R 8 からR 19 は、独立して、水素原子、水酸基、スルホン基、アミノ基、カルボニル基、又はカルボキシル基を示す。)
Figure 0005105958

(式中、R 20 はヒンダードフェノール構造を有する基を示し、R 21 は水素原子、水酸基、スルホン基、アミノ基、カルボニル基、カルボキシル基、又は、ヒンダードフェノール構造を有する基を示し、R 22 からR 25 は、独立して、水素原子、水酸基、スルホン基、アミノ基、カルボニル基、又はカルボキシル基を示す。)
Figure 0005105958

(式中、R 6 はヒンダードフェノール構造を有する基を示し、R 7 からR 11 は、独立して、水素原子、スルホン基、カルボキシル基、又は水酸基を示す。)
Figure 0005105958

(式中、R 12 はヒンダードフェノール構造を有する基を示し、R 13 からR 17 は、独立して、水素原子、スルホン基、カルボキシル基、又は水酸基を示す。)
Figure 0005105958

(式中、R 1 はヒンダードフェノール構造を有する基を示し、R 2 からR 4 は、独立して、水素原子、スルホン基、カルボキシル基、アルデヒド基、アミノ基、水酸基、又はフェニル基を示す。)
Figure 0005105958

(式中、R 5 はヒンダードフェノール構造を有する基を示し、R 6 からR 8 は、独立して、水素原子、スルホン基、カルボキシル基、アルデヒド基、アミノ基、水酸基、又はフェニル基を示す。)
Figure 0005105958

(式中、PcはCuイオン又はMgイオンを有するフタロシアニン基を示し、R 6 はヒンダードフェノール構造を有する基を示し、R 7 からR 11 は、独立して、水素原子、アルキル基、水酸基、スルホン基、アミノ基、カルボニル基、又はカルボキシル基を示す。)
Figure 0005105958

(式中、PcはCuイオン又はMgイオンを有するフタロシアニン基を示し、R 12 はヒンダードフェノール構造を有する基を示し、R 13 からR 16 は、独立して、水素原子、アルキル基、水酸基、スルホン基、アミノ基、カルボニル基、カルボキシル基、又は、ヒンダードフェノール構造を有する基を示す。)
また、本発明は、上記インクジェット記録用インクを収容するインクタンク及びインクジェット記録ヘッドを具備することを特徴とするインクジェット記録ユニットである。
本発明者らは、耐候性を向上させるメカニズムを以下のように推測している。染料における発色部位は、空気中のオゾン分子や、太陽光に含まれる紫外線等により発生した酸化性ガスによる酸化を受けやすい。具体的には、アゾ染料ではアゾ基が、アントラキノン染料では式(14)のアントラキノン部分が、アントラピリドン染料では式(15)のアントラピリドン部分が、フタロシアニン染料では式(16)のフタロシアニン部分が酸化されやすい。この発色部位の酸化により変色や退色が生じる。
一方、ヒンダードフェノールは極めて酸化され易い水酸基を含み、空気中のオゾン分子や光により発生した酸化性ガスにより容易に酸化され易い性質を有している。ヒンダードフェノールにおいては、これらの酸化反応が、上記染料の発色部位の酸化反応より、高速で進行することにより、上記染料に対し優れた抗酸化剤として機能することが考えられる。ヒンダードフェノールが染料に直接結合していることにより、記録媒体上において、これらの染料に対しヒンダードフェノールの抗酸化作用が直接的に機能し、結果としてインクの耐候性が向上すると考えることができる。かかる知見に基づき、本発明を完成させるに至った。
本発明のインクジェット記録用インクは、耐候性に優れ、画像の長期保存が可能で、安価に得られる。
本発明のインクジェット記録用インクに用いる染料としては、アゾ染料、アントラキノン染料、アントラピリドン染料及びフタロシアニン染料からなる群より選ばれる少なくとも1種の染料を含有する。そして、これらの染料は、ヒンダードフェノール構造を有する基を有する。
上記ヒンダードフェノールは、空気中のオゾンや、紫外線等により活性化された酸化性ガスにより容易に酸化されるものであり、染料に置換基として導入され、染料の発色部位に先立って酸化され、染料に抗酸化性を付与する。ヒンダードフェノールとしては、ターシャリーブチル基を有し、ベンゼン環の4位に置換基を有するフェノールであればいずれであってもよい。例えば、以下のものを具体的に挙げることができる。式(17)に示すt−ブチル化ヒドロキシトルエン、4,4‘−ブチリデンビス−(6−tブチル-3-メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2‘−メチレンビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)等。
Figure 0005105958
これらのうち、以下のものが特に好ましい。式(18)に示すブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、式(19)に示すt−ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、式(20)に示すトリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:IRGANOX(R)245)等。
Figure 0005105958
これらのうちでは、特に、式(1)で表される2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノールを好ましいものとして挙げることができる。
このようなヒンダードフェノール構造を有する基としては、いずれの位置で染料に結合してもよいが、例えば、フェノールのベンゼン環の4位の炭素が染料との結合を容易に形成することができるので好ましい。
上記ヒンダードフェノール構造を有する基を有する染料の好ましい例として、以下のものを挙げることができる。アゾ染料としては、下記式(2)
Figure 0005105958
で表されるアゾ化合物を挙げることができる。式中、R1はヒンダードフェノール構造を有する基を示し、R2からR5は、独立して、水素原子、スルホン基、カルボキシル基、アルデヒド基、アミノ基、又は水酸基等の親水性の基を示す。
また、アゾ染料として、下記式(3)
Figure 0005105958
で表されるアゾ化合物を挙げることができる。式中、R6はヒンダードフェノール構造を有する基を示す。R7は水素原子、水酸基、スルホン基、アミノ基、カルボニル基、若しくはカルボキシル基等の親水性の基、又は、ヒンダードフェノール構造を有する基を示す。R8からR19は、独立して、水素原子、水酸基、スルホン基、アミノ基、カルボニル基、又はカルボキシル基等の親水性の基を示す。
また、アゾ染料として、下記式(4)
Figure 0005105958
で表されるアゾ化合物を挙げることができる。式中、R20はヒンダードフェノール構造を有する基を示す。R21は水素原子、水酸基、スルホン基、アミノ基、カルボニル基、若しくはカルボキシル基等の親水性の基、又は、ヒンダードフェノール構造を有する基を示す。R22からR25は、独立して、水素原子、水酸基、スルホン基、アミノ基、カルボニル基、又はカルボキシル基等の親水性の基を示す。
また、アントラキノン染料として、下記式(6)
Figure 0005105958
で表されるアントラキノン化合物を挙げることができる。式中、R6はヒンダードフェノール構造を有する基を示し、R7からR11は、独立して、水素原子、スルホン基、カルボキシル基、又は水酸基等の親水性の基を示す。
また、アントラキノン染料として、下記式(7)
Figure 0005105958
で表されるアントラキノン化合物を挙げることができる。式中、R12はヒンダードフェノール構造を有する基を示し、R13からR17は、独立して、水素原子、スルホン基、カルボキシル基、又は水酸基等の親水性の基を示す。
アントラピリドン染料として、下記式(8)
Figure 0005105958
で表されるアントラピリドン化合物を挙げることができる。式中、R1はヒンダードフェノール構造を有する基を示し、R2からR4は、独立して、水素原子、スルホン基、カルボキシル基、アルデヒド基、アミノ基、若しくは水酸基等の親水性の基、又はフェニル基を示す。
また、アントラピリドン染料として、下記式(9)
Figure 0005105958
で表されるアントラピリドン化合物を挙げることができる。式中、R5はヒンダードフェノール構造を有する基を示し、R6からR8は、独立して、水素原子、スルホン基、カルボキシル基、アルデヒド基、アミノ基、又は水酸基等の親水性の基、又はフェニル基を示す。
また、フタロシアニン染料として、下記式(11)
Figure 0005105958
で表されるフタロシアニン化合物を挙げることができる。式中、PcはCuイオン又はMgイオンを有するフタロシアニン基を示す。R6はヒンダードフェノール構造を有する基を示し、R7からR11は、独立して、水素原子、アルキル基;水酸基、スルホン基、アミノ基、カルボニル基、又はカルボキシル基等の親水性の基を示す。
また、フタロシアニン染料として、下記式(12)
Figure 0005105958
で表されるフタロシアニン化合物を挙げることができる。式中、PcはCuイオン又はMgイオンを有するフタロシアニン基を示し、R12はヒンダードフェノール構造を有する基を示す。R13からR16は、独立して、水素原子、アルキル基;水酸基、スルホン基、アミノ基、カルボニル基、若しくはカルボキシル基等の親水性の基、又は、ヒンダードフェノール構造を有する基を示す。
上記染料は1種を用いても、2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記ヒンダードフェノールにかかる官能基を染料に導入する方法は、特公平04−010509号公報に開示されている方法を使用することができる。
これらの染料のインク中の含有量は、インクの全質量に対して、1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、3質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。インクの含有量が1質量%以上であれば、鮮鋭な画像が得られ、30質量%以下であれば、インクの粘度を適切にすることができ、インクジェット記録ヘッドにより良好な記録を行うことができる。
本発明のインクジェット記録用インクに用いる溶媒としては、水溶性有機溶媒を用いることが好ましい。具体的には、以下のものを挙げることができる。ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類。アセトン等のケトン類。テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエ−テル類。ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル等のポリアルキレングリコ−ル類。エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ブチレングリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、1,2,6−ヘキサントリオ−ル、チオジグリコ−ル、ヘキシレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル等のアルキレングリコ−ル類。エチレングリコ−ルメチルエ−テル、ジエチレングリコ−ルモノメチルエ−テル、トリエチレングリコ−ルモノメチルエ−テル等の多価アルコ−ルの低級アルキルエ−テル類。エタノ−ル、イソプロピルアルコ−ル、n−ブチルアルコ−ル、イソブチルアルコ−ル等の1価アルコ−ル類。その他、グリセリン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2―イミダゾリジノン、トリエタノ−ルアミン、スルホラン、ジメチルサルホキサイド等。これらの有機溶媒は1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記溶媒の含有量は、インクの全質量に対して1質量%以上50質量%以下であることが好ましく、更には2質量%以上30質量%以下であることが好ましい。
上記水溶性有機溶媒は、水と質量比(水溶性有機溶媒:水)で1:2〜1:50の範囲で混合して用いることが好ましい。
上記インクジェット記録用インク中には、上記染料の機能を阻害しない範囲において、必要に応じて、粘度調整剤、pH調整剤、防腐剤、界面活性剤、酸化防止剤、蒸発促進剤等の添加剤を配合することができる。界面活性剤は液体の浸透性を調整する上で特に重要である。界面活性剤は、用いる染料、溶媒の種類等により陽イオン性、陰イオン性、両性、非イオン性から選択して用いることができる。界面活性剤としては、例えば、サーフィノール465(Air Product製)、アセチレノールEH(川研ファインケミカル株式会社製)、ターギトール(ユニオンカーバイト社製)等を挙げることができる。界面活性剤の含有量は、インクの全質量に対して0.01質量%以上10質量%以下であることが好ましい。
また、上記インクジェット記録用インクは、25℃付近で弱酸性、具体的にはpHが5〜7であることが好ましい。また、表面張力は10〜60dyn/cmであることが好ましく、粘度は1〜30cpsであることが好ましい。
上記インクジェット記録用インクを調製するには、上記溶媒に上記染料を添加して溶解、分散する方法が挙げられる。必要に応じて、分散剤(界面活性剤)を用い、分散機により染料を微粒子化し、分散してもよい。分散機としては、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテーターミル、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、ジェットミル、オングミル等を挙げることができる。
本発明のインクジェット記録用インクの定着を行う記録媒体としては、紙、布、OHP用紙、プリント回路基板等いずれのものも適用することができるが、インクの吸収層を有するものが好ましい。具体的には、図4に示すように、原紙31上に多孔質のインク吸収層32を有するものを挙げることができる。原紙は、例えば、パルプに、適宜紙力強化剤を加え、抄造したものを用いることができる。多孔質のインク吸収層は、カチオン化デンプン等を用いて、原紙に塗布して形成することができる。
本発明のインクジェット記録用インクにおいては、ヒンダードフェノルを官能基として有する染料を用いることにより、耐候性が著しく向上される。このインクを用いて形成した画像は、長期保存後においても変色、退色が抑制され、良好な保持状態を維持することができる。
本発明のインクジェット記録ユニットは、上記インクジェット記録用インクを収容するインクタンク及びインクジェット記録ヘッドを具備することを特徴とする。上記インクジェット記録ユニットの一例として、図1の斜視図に示すものを挙げることができる。図1に示す記録ユニットHには、上記インクジェット記録用インクを収容するインクタンク21及びインクの吐出部を有するインクジェット記録ヘッド(図示せず)が備えられている。インクの吐出部は、それぞれ、例えば、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラックの各色インク毎に備えられる。インクの吐出部には、インクを吐出する複数の吐出口が備えられ、吐出口の開口を記録媒体に対向して配置し、記録データに基づきインクを吐出して、画像の形成を行うようになっている。
インクの吐出方式としては、熱エネルギーや機械的エネルギー等を利用したいずれの吐出方式でもよい。
このような記録ユニットを具備し、画像の形成を行うインクジェット記録装置を、図2の概略外観図、図3の概略内部構成図を参照して、以下に説明する。このインクジェット記録装置には、記録媒体12を挟持して搬送する搬送ローラー17、18が設けられ、給紙トレイ1から取り出された記録媒体12が、搬送ローラー17から搬送ローラー18方向へ移動して排紙トレイ2へと搬送される。記録媒体12の搬送経路の上方には、記録媒体の搬送方向に直行するように配置される駆動レール15が設けられ、この駆動レール上に、上記記録ユニットHを、その吐出口の開口を記録媒体に対向するように搭載したキャリッジ11が支持される。キャリッジ11には、駆動モーター13の回転軸に接続されたプーリーに懸架された駆動ベルト14が接続され、駆動モーター13の回転に伴い駆動ベルト14が移動して、キャリッジを駆動レール上に往復移動させるようになっている。駆動モーター13と搬送ローラーを駆動する通紙モーター(図示せず)とは、制御回路(図示せず)によってその動作が制御される。
更に、キャリッジ11の移動経路の端部の下方の位置には、吐出回復ポンプを備えた吐出回復部16が設けられ、吐出回復部上に記録ヘッドの吐出口の開口を当接させ、吐出回復ポンプを駆動させて吐出口内のインクの吸引が可能となっている。インクの溶媒が蒸発して、吐出口内のインクが増粘した場合、吐出回復部により増粘したインクを吸引し、記録ヘッドの吐出性能を回復させることができる。
このインクジェット記録装置による記録方法としては、駆動モーターにより駆動ベルトを所定の速度で移動させ、これによりキャリッジを駆動レールに沿って移動させる。この間に、記録データに応じて記録ヘッドの複数の吐出口から選択的に所定のタイミングでインクを吐出させて所定幅の画像を形成する。キャリッジが駆動レールの端部まで移動し、所定幅の画像を形成した後、搬送ローラー17、18を所定幅に相当するように回転させ、記録媒体を所定幅と等距離を搬送する。その後、キャリッジを駆動レール上を逆方向に移動させつつ、インクを吐出させ画像を形成する。これを反復して画像の形成を行う。
本発明のインクジェット記録用インクを、より具体的に詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらに限定されるものではない。以下の「%」は「質量%」を示す。
[実施例1]
以下の方法によりヒンダードフェノール構造を有する基を有する水溶性アゾ染料を合成した。
式(21)に示すように、ヒンダードフェノールとしてBHTを用いた。BHTの水酸基を保護するため、BHTを4−ジメチルアミノピリジンに溶かしTBSCl(t−ブチルジメチルシリルクロライド:FMC Corporation製)と反応させた。次に、メチル基を臭素化した後、臭素をリチウムに交換し、水酸基の脱保護を行い、リチウム化BHTを得た。
Figure 0005105958
更に、式(22)に示すように、市販染料C.I. Direct Yellow 86を常法により酸化し、アルデヒド基にした後、これに得られたリチウム化BHTを酸触媒下で縮合させ、BHT構造を有する基を有するアゾ染料を合成した。
Figure 0005105958
得られた抗酸化性アゾ染料を用い、以下の成分を混合し、ポアサイズが0.22μmのメンブレンフィルタにて加圧濾過して、イエローインク及びブラックインクを調製した。
抗酸化性アゾ染料 2%
チオジグリコール 10%
アセチレノールEH (川研ファインケミカル株式会社製) 0.05%
水 残部
得られたインクをインクジェット記録ヘッドのインクタンクに収納し、シリアル形式のインクジェット記録装置(PIXUS−850i:キヤノン社製)を用いて、記録媒体上に画像を形成した。画像形成は、OD(Optical Density:光学濃度)が、0.9〜1.1の範囲に入るように記録条件を調整し、単色パッチ(1.5cm角の正方形)を形成し、これをサンプルとして、耐光性の試験を行った。記録媒体は以下のように調製した図4に示す紙を用いた。
[記録媒体]
原料パルプとしてLBKP90部とNBKP10部を混合し叩解した。その後、炭酸カルシウム20部、アルケニル無水コハク酸0.2部、カチオン化デンプン0.5部を配合して、常法により、坪量64g/m2、厚さ90μm、ステキヒトサイズ度15秒の原紙を抄造した。この原紙の比容積は1.4cm3/gであった。得られた原紙に、カチオン化デンプン(CATO304:NATIONAL STARCH & CHEMICAL製)を水と混合した6%水溶液を塗布液とし、バーコーターで1.5g/m2になるように塗布した。その後、100℃のオーブンで3分間乾燥し、記録媒体を得た。
[耐候性評価]
[耐光性]
サンプルの表面を無色のガラスプレートで覆った後、キセノンウエザーメーター(XL−75S:(株)スガ試験機製)を用い、24℃、湿度60%条件下、サンプルの露光を所定時間(6時間、12時間)行った。照射条件は、BPT(ブラックパネル温度)40℃;300〜400nm間出の照度34W/m2とした。サンプルの変色の有無を観察し、以下の基準により感応評価した。結果を表1に示す。
評価A:被験者10人中9人以上が画濃度変化なしと判定
評価B:被験者10人中7人以上が画濃度変化なしと判定
評価C:被験者10人中5人以上が画濃度変化なしと判定
評価D:被験者10人中9人以上が画濃度変化ありと判定。
[実施例2]
式(23)に示すように市販染料C.I. Direct Black 32を用いた他は、実施例1と同様にして調製したリチウム化BHTを用い、抗酸化性アゾ染料を合成し、インクを調製した。これを用いて実施例1と同様にして記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0005105958
[実施例3]
特開平11−158396号公報に記載された、式(24)に示すアゾ染料を用いた他は、実施例1と同様にして、抗酸化性アゾ染料を合成し、インクを調製した。これを用いて実施例1と同様にして記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表1に示す。
Figure 0005105958
[比較例1]
アゾ染料として実施例1の出発原料として用いたアゾ染料1.8%を用い、抗酸化剤としてBHT0.2%を染料とは別体として用いた他は実施例1と同様にしてインクを調製し、これを用いて記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表2に示す。
[比較例2]
アゾ染料として実施例2の出発原料として用いたアゾ染料1.5%を用い、抗酸化剤としてBHT0.5%を染料とは別体として用いた他は実施例1と同様にしてインクを調製し、これを用いて記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表2に示す。
[比較例3]
アゾ染料として実施例3の出発原料として用いたアゾ染料1.3%を用い、抗酸化剤としてBHT0.7%を染料とは別体として用いた他は実施例1と同様にしてインクを調製し、これを用いて記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表2に示す。
[比較例4]
アゾ染料として実施例1の出発原料として用いたアゾ染料1.6%を用いた他は実施例1と同様にしてインクを調製し、これを用いて記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表2に示す。
[比較例5]
アゾ染料として実施例2の出発原料として用いたアゾ染料1.5%を用いた他は実施例1と同様にしてインクを調製し、これを用いて記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表2に示す。
[比較例6]
アゾ染料として実施例3の出発原料として用いたアゾ染料1.3%を用いた他は実施例1と同様にしてインクを調製し、これを用いて記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 0005105958
Figure 0005105958
参考例4]
以下の方法によりヒンダードフェノール構造を有する基を有する水溶性アントラキノン染料を合成した。
式(25)に示すように1−ハイドロオキシ−アントラキノン−2−カルボキシアルデヒドを用いた他は、実施例1と同様にして、抗酸化性アントラキノン染料を合成し、これを用いてマゼンダインクを調製した。得られたインクを用いて実施例1と同様にして記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 0005105958
[実施例5]
式(26)に示すように、市販のカルボキシル基を持つアントラキノン染料をLiAlH4と共に常法により還元し、アルデヒド基にした。これにBHTを酸触媒下で縮合させ、BHT構造を有する基を有する抗酸化性アントラキノン染料を合成した。これを用いて実施例1と同様にしてインクを調製し、記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 0005105958
[実施例6]
式(27)に示すように、市販のカルボキシル基を持つアントラキノン染料をLiAlH4と共に常法により還元し、アルデヒド基にした。これにBHTを酸触媒下で縮合させ、BHT構造を有する基を有する抗酸化性アントラキノン染料を合成した。これを用いて実施例1と同様にしてインクを調製し、記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 0005105958
[比較例7]
アントラキノン染料として実施例4の出発原料として用いた1−ハイドロオキシ−アントラキノン−2−カルボキシアルデヒド1.1%を用い、抗酸化剤としてBHT0.9%を染料とは別体として用いた。その他は実施例1と同様にしてインクを調製し、これを用いて記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表4に示す。
[比較例8]
アントラキノン染料として実施例5の出発原料として用いたアントラキノン染料1.4%を用い、抗酸化剤としてBHT0.6%を染料とは別体として用いた。その他は実施例1と同様にしてインクを調製し、これを用いて記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表4に示す。
[比較例9]
アントラキノン染料として実施例6の出発原料として用いたアントラキノン染料1.4%を用い、抗酸化剤としてBHT0.6%を染料とは別体として用いた。その他は実施例1と同様にしてインクを調製し、これを用いて記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表4に示す。
[比較例10]
アントラキノン染料として実施例4の出発原料として用いたアントラキノン染料1.1%を用いた他は実施例1と同様にしてインクを調製し、これを用いて記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表4に示す。
[比較例11]
アントラキノン染料として実施例5の出発原料として用いたアントラキノン染料1.4%を用いた他は実施例1と同様にしてインクを調製し、これを用いて記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表4に示す。
[比較例12]
アントラキノン染料として実施例6の出発原料として用いたアントラキノン染料1.4%を用いた他は実施例1と同様にしてインクを調製し、これを用いて記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表4に示す。
Figure 0005105958
Figure 0005105958
[実施例7]
以下の方法によりヒンダードフェノール構造を有する基を含有する水溶性アントラピリドン染料を合成した。まず、式(28)に示すように3−アミノベンジルアルコールの水酸基をTBSClにより保護した。
Figure 0005105958
次に、式(29)に示すようにキシレン等の極性溶媒中でアントラピリドン化合物にベンゾイル酢酸エチルエステルを反応させた。
Figure 0005105958
そして、式(30)に示すように、これに水酸基を保護した3−アミノベンジルアルコールを反応させた後、酸を用い水酸基の脱保護を行い、アントラピリドン化合物を得た。
Figure 0005105958
更に、式(31)に示すように、このアントラピリドン化合物を常法により酸化して、水酸基をアルデヒド基とした。これにBHTを酸触媒下で縮合させ、BHT構造を有する基を有する抗酸化性アントラピリドン染料を合成した。
Figure 0005105958
得られたBHT構造を有する基を有する抗酸化性アントラピリドン染料を用いた他は、実施例1と同様にして、マゼンダインクを調製した。これを用いて実施例1と同様にして記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表5に示す。
[実施例8]
式(32)に示すように、市販のカルボキシル基を持つアントラピリドン染料をLiAlH4と共に常法により還元し、アルデヒド基にした。これにBHTを酸触媒下で縮合させ、BHT構造を有する基を有する抗酸化性アントラピリドン染料を合成した。これを用いて実施例1と同様にしてインクを調製し、記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表5に示す。
Figure 0005105958
[比較例13]
アントラピリドン染料として実施例7で調製したアントラピリドン化合物1.3%を用い、抗酸化剤としてBHT0.7%を染料とは別体として用いた他は実施例1と同様にしてインクを調製し、これを用いて記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表6に示す。
[比較例14]
アントラピリドン染料として実施例8の出発原料として用いたアントラピリドン化合物1.5%を用い、抗酸化剤としてBHT0.5%を染料とは別体として用いた。その他は実施例1と同様にしてインクを調製し、これを用いて記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表6に示す。
[比較例15]
アントラピリドン染料として実施例7で調製したアントラピリドン化合物1.3%を用いた他は実施例1と同様にしてインクを調製し、これを用いて記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表6に示す。
[比較例16]
アントラピリドン染料として実施例8の出発原料として用いたアントラピリドン化合物1.4%を用いた他は実施例1と同様にしてインクを調製し、これを用いて記録媒体に画像を形成し、耐候性の評価を行った。結果を表6に示す。
Figure 0005105958
Figure 0005105958
参考例9]
以下の方法によりヒンダードフェノール構造を有する基を含有する水溶性フタロシアニン染料を合成した。まず、式(33)に示すように、銅フタロシアニンと塩化オキサリル触媒とAlCl3触媒を使ってカルボキシル基をベンゼン環に導入し、フタロシアニン化合物を得た。
次に、カルボキシル基の一部を常法に従い還元しアルデヒド基とした。これにBHTを酸触媒下で縮合させ、BHT構造を有する基を有する抗酸化性フタロシアニン染料を得た。これを用いた他は、実施例1と同様にして、シアンインクを調製した。これを用いて実施例1と同様にして記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表7に示す。
Figure 0005105958
[実施例10]
式(34)に示すように、市販のカルボキシル基を持つフタロシアニン染料をLiAlH4を用いて常法により還元し、カルボキシル基をアルデヒド基にした。これにBHTを酸触媒下で縮合させ、BHT構造を有する基を有する抗酸化性フタロシアニン染料を合成した。これを用いて実施例1と同様にしてインクを調製し、記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表7に示す。
Figure 0005105958
[実施例11]
式(35)に示すように、市販のカルボキシル基を持つフタロシアニン染料をLiAlH4を用いて常法により還元し、カルボキシル基をアルデヒド基にした。これにBHTを酸触媒下で縮合させ、BHT構造を有する基を有する抗酸化性フタロシアニン染料を作製した。これを用いて実施例1と同様にしてインクを調製し、記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表7に示す。
Figure 0005105958
[比較例17]
フタロシアニン染料として実施例9で調製した3つのカルボキシル基を有する銅フタロシアニン化合物1.6%を用い、抗酸化剤としてBHT0.4%を染料とは別体として用いた。その他は実施例1と同様にしてインクを調製し、これを用いて記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表8に示す。
[比較例18]
フタロシアニン染料として実施例10の出発原料として用いたフタロシアニン化合物1.7%を用い、抗酸化剤としてBHT0.3%を染料とは別体として用いた。その他は実施例1と同様にしてインクを調製し、これを用いて記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表8に示す。
[比較例19]
フタロシアニン染料として実施例11の出発原料として用いたフタロシアニン化合物1.4%を用い、抗酸化剤としてBHT0.6%を染料とは別体として用いた。その他は実施例1と同様にしてインクを調製し、これを用いて記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表8に示す。
[比較例20]
フタロシアニン染料として実施例9で調製した3つのカルボキシル基を有する銅フタロシアニン化合物1.8%を用いた他は実施例1と同様にしてインクを調製し、これを用いて記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表8に示す。
[比較例21]
フタロシアニン染料として実施例10の出発原料として用いたフタロシアニン化合物1.7%を用いた他は実施例1と同様にしてインクを調製し、これを用いて記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表8に示す。
[比較例22]
フタロシアニン染料として実施例11の出発原料として用いたフタロシアニン化合物1.4%を用いた他は実施例1と同様にしてインクを調製し、これを用いて記録媒体に画像を形成し、耐光性の評価を行った。結果を表8に示す。
Figure 0005105958
Figure 0005105958
結果から、本発明のインクジェット記録用インクを用いて記録を行った結果、耐光性に優れる画像が得られた。
本発明のインクジェット記録ユニットの一例を示す概略斜視図である。 本発明のインクジェット記録装置の一例を示す概略斜視図である。 本発明のインクジェット記録装置の一例を示す概略構成図である。 本発明のインクジェット記録用インクを用いて画像形成を行う記録媒体の一例を示す概略断面図である。
符号の説明
21 インクタンク
H インクジェット記録ユニット

Claims (3)

  1. アゾ染料、アントラキノン染料、アントラピリドン染料及びフタロシアニン染料からなる群より選ばれる少なくとも1種の染料を含有するインクジェット記録用インクであって、
    前記染料は、ヒンダードフェノール構造を有する基を有する下記式(2)、(3)、(4)、(6)、(7)、(8)、(9)、(11)、及び(12)で表される染料から選択される少なくとも1種であることを特徴とするインクジェット記録用インク。
    Figure 0005105958

    (式中、R 1 はヒンダードフェノール構造を有する基を示し、R 2 からR 5 は、独立して、水素原子、スルホン基、カルボキシル基、アルデヒド基、アミノ基、又は水酸基を示す。)
    Figure 0005105958

    (式中、R 6 はヒンダードフェノール構造を有する基を示し、R 7 は水素原子、水酸基、スルホン基、アミノ基、カルボニル基、カルボキシル基、又は、ヒンダードフェノール構造を有する基を示し、R 8 からR 19 は、独立して、水素原子、水酸基、スルホン基、アミノ基、カルボニル基、又はカルボキシル基を示す。)
    Figure 0005105958

    (式中、R 20 はヒンダードフェノール構造を有する基を示し、R 21 は水素原子、水酸基、スルホン基、アミノ基、カルボニル基、カルボキシル基、又は、ヒンダードフェノール構造を有する基を示し、R 22 からR 25 は、独立して、水素原子、水酸基、スルホン基、アミノ基、カルボニル基、又はカルボキシル基を示す。)
    Figure 0005105958

    (式中、R 6 はヒンダードフェノール構造を有する基を示し、R 7 からR 11 は、独立して、水素原子、スルホン基、カルボキシル基、又は水酸基を示す。)
    Figure 0005105958

    (式中、R 12 はヒンダードフェノール構造を有する基を示し、R 13 からR 17 は、独立して、水素原子、スルホン基、カルボキシル基、又は水酸基を示す。)
    Figure 0005105958

    (式中、R 1 はヒンダードフェノール構造を有する基を示し、R 2 からR 4 は、独立して、水素原子、スルホン基、カルボキシル基、アルデヒド基、アミノ基、水酸基、又はフェニル基を示す。)
    Figure 0005105958

    (式中、R 5 はヒンダードフェノール構造を有する基を示し、R 6 からR 8 は、独立して、水素原子、スルホン基、カルボキシル基、アルデヒド基、アミノ基、水酸基、又はフェニル基を示す。)
    Figure 0005105958

    (式中、PcはCuイオン又はMgイオンを有するフタロシアニン基を示し、R 6 はヒンダードフェノール構造を有する基を示し、R 7 からR 11 は、独立して、水素原子、アルキル基、水酸基、スルホン基、アミノ基、カルボニル基、又はカルボキシル基を示す。)
    Figure 0005105958

    (式中、PcはCuイオン又はMgイオンを有するフタロシアニン基を示し、R 12 はヒンダードフェノール構造を有する基を示し、R 13 からR 16 は、独立して、水素原子、アルキル基、水酸基、スルホン基、アミノ基、カルボニル基、カルボキシル基、又は、ヒンダードフェノール構造を有する基を示す。)
  2. ヒンダードフェノール構造を有する基が、下記式(1)
    Figure 0005105958

    で表されることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録用インク。
  3. 請求項1又は2記載のインクジェット記録用インクを収容するインクタンク及びインクジェット記録ヘッドを具備することを特徴とするインクジェット記録ユニット。
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