JP2008296289A - 電動工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】ステータを確実に固定すると共に流路抵抗を減らして高冷却効率とする電動工具の提供。
【解決手段】電動工具は、ハウジングを構成するモータハウジング部と、モータハウジング部内に内蔵されるモータとを備えており、モータはステータ31と、コイルと、ロータ33とから主に構成されており、ステータ31は外周部分にステータコア31Aを有し、ステータコア31Aの外周部分には、複数の凸部34が設けられている。モータハウジング部には、複数の第一凹部21d及び第二凹部21eが形成されており、第一凹部21dと第二凹部21eとの間には空気通路21cが形成されている。この第一凹部21d及び第二凹部21eに複数の凸部34を嵌合させてモータをモータハウジング部に装着する。
【選択図】図2

Description

本発明は電動工具に関し、特にモータを内蔵する電動工具に関する。
ブラシレスモータ(DCモータ)は小形化が可能であり、モータの回転軸に取り付けられるロータに対してのブラシおよび整流子を用いた電気的接続が不要なため高寿命であるので電動工具の動力として広く使用されている。
ブラシレスモータを駆動すると比較的大きな電力損失が熱となって発生し、熱の影響によりモータの高出力化や正常な動作が阻害される場合がある。このため、従来のブラシレスモータにおいては、特許文献1に示されるように、ハウジング内に外気を吸入する開口部と内部の冷却風をハウジングの外へ排気する開口部とをステータを挟んでハウジングに形成し、ロータに一体的に取り付けたファンによってハウジング内に空気を導入して、ステータコイルの間に冷却風を流動する構造が提案されている。
特許文献1に示されるブラシレスモータのステータは円筒形状であるため、ステータをハウジング内部に圧入して取付固定しており、冷却風はステータコア外周部とハウジングとの間を通らずステータとロータとの間の空間を通る構造になっている。また特許文献2には、モータハウジング内の冷却気体の流路上にモータのステータ部と共にモータの駆動を制御する回路基板を配置しネジによりモータに固定した構造が提案されている。
特開2004−274800号公報 特開2005−102370号公報
特許文献1に示される構成では、ステータをハウジング内部に圧入・取付して強固に結合しているため、ロータの回転トルクの反作用によりステータがロータの回転方向と反対に回転することは抑制されている。しかし流路抵抗の大きなステータとロータとの間のみで空気を流通させることになるため、冷却風量が少なく低冷却効率となっていた。また特許文献2に示される構成では回路基板を固定するネジにより流路抵抗が生じる場合があった。そこで、本発明は、ステータを確実に固定すると共に流路抵抗を減らして高冷却効率の電動工具を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、ハウジングと、該ハウジング内に内蔵されるモータと、を備え、該モータの外周部分には、複数の凸部が設けられ、該ハウジングには、該複数の凸部と嵌合する複数の凹部が形成された電動工具を提供する。
このような構成によれば、モータとハウジングとを確実に固定する接合箇所を規定することができる。よって凸部及び凹部に係る部分以外のモータとハウジングとの間を冷却に係る箇所とすることができ、ここに冷却通路等を形成することができる。
上記構成の電動工具において、該凸部は該モータの外周において周方向で等間隔に均等配置されていることが好ましい。
このような構成によると、ハウジングに対するモータの固定位置の自由度を増すことができる。よって組み立て時に容易にモータをハウジングに装着することができる。
また該モータの軸方向と直交する断面において、該凸部は周方向と交差すると共に該軸から離間するに従い先細りする側面を有し、該ハウジングは該凹部内において該側面と面当接する当接面を有していることが好ましい。
このような構成によると、凹部に凸部を挿入しやすくなると共に、凹部内面と凸部とが面当接する。よってモータのハウジングへの装着が容易になると共に、装着後のハウジングに対するモータの固定をより一層安定性させることができる。
また該凸部の該軸方向長さと該凹部の該軸方向長さとはそれぞれ略等しく構成されていることが好ましい。
このような構成によると、軸方向において凹部に対し凸部の位置が正確に規定される。よってモータをハウジングに装着後に、ネジ等を使用しなくてもモータがハウジングから軸方向にずれることが抑制される。
また該モータはステータコアを含んで構成されるブラシレスモータであり、該凸部は該ステータコアに設けられていることが好ましい。
また該モータには該モータの制御を行う回路基板が設けられ、該回路基板はネジにより該モータに固定され、該ネジは該凸部の該軸方向投影内において該凸部内に位置していることが好ましい。
このような構成によると、ハウジングとモータとの間において、凸部の軸方向投影箇所となる領域にネジが螺合される。よってハウジングとモータとの間であって凸部及び凹部に係る部分以外に形成される冷却通路上にネジが配置されることによる流路抵抗の増加を防止することができる。
本発明の電動工具によれば、ステータを確実に固定すると共に流路抵抗を減らして高冷却効率の電動工具を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る電動工具について図1乃至図4に基づき説明する。図1に示される電動工具であるインパクトドライバ1は、ハウジング20と、モータ30と、回路基板40と、動力伝達機構60とから主に構成されている。
ハウジング20は、モータハウジング部21と、動力伝達ハウジング部22と、ハンドルハウジング部23とから構成されている。尚本実施の形態においては、モータハウジング部21から動力伝達ハウジング部22に向かう方向であって後述の回転軸35の軸方向になる方向を前後方向と定義し、この前後方向と直交しハンドルハウジング部23が延出される方向を下方と定義して説明する。
モータハウジング部21は、図2に示されるように上下方向及び前後方向に延びる平面で二分割されて構成され、図1に示されるようにモータ30及び回路基板40等を収容している。尚、二分割されたモータハウジング部21は、何れも対称な形状であるため、片面側のみについて説明する。
モータハウジング部21の後方であって後述の回転軸35を延長した軸回りとなる位置には、ハウジング20外から空気を流入するための空気流入孔21aが形成されている。図3に示されるように、モータハウジング部21の前方には、外部へ空気を排出するための空気排出孔21bが形成されており、中央部分には、モータ30を保持するための保持部材である棒状保持部21Aが構成されている。棒状保持部21Aは複数の大きさの異なるリブ構造となっている。隣り合うリブとリブとの間は空気通路21cとして設定されている。空気通路21cは、図2に示されるようにモータ30の外側とモータハウジング部21との間に亘って画成され、図3に示される空気流入孔21aと空気排出孔21bとの間を連通している。
図3に示されるように、モータハウジング部21において空気流入孔21aと空気排出孔21bとの略中間となる部分には、第一凹部21d及び第二凹部21eがそれぞれ形成されている。
第一凹部21dと第二凹部21eとは、図2に示されるように、後述の回転軸35回りに約90°離れた位置に配置され、またモータハウジング部21を二分する平面からそれぞれ約45°離れた位置に配置されている。よって二分割されたモータハウジング部21が組み合わされた状態では二個の第一凹部21dと二個の第二凹部21eとがあり、この計四個の凹部が約90°離間して均等配置される。
第一凹部21dにおいては回転軸35の軸方向と直交する断面において、モータ30が装着された状態で、回転軸35の周方向と交差すると共に回転軸35から離間するに従い第一凹部21dの周方向の幅が先細りする側面21D、21Dを有している。第二凹部21eにおいても、第一凹部21dと同形状の側面21E、21Eを有している。また第一凹部21d、第二凹部21eは共に前後方向の長さがL1になるように形成されている。
またモータハウジング部21においては、第一凹部21d部分及び第二凹部21e部分のみでモータ30を保持するため、第一凹部21d部分と第二凹部21e部分との間の略全部をモータハウジング部21とモータ30の外周部分との間に形成される空気通路21cとして利用することができる。よって空気通路21cを大きく採ることが可能となると共に発熱箇所となるモータ30の冷却空気に触れる面積を大きく採ることができ、より効率よく冷却を行うことができる。
図1に示される動力伝達ハウジング部22は略筒状に構成されモータハウジング部21の前方に配置されており、筒内部に動力伝達機構60を収容している。また動力伝達ハウジング部22の先端からは、後述のアンビル66の先端が突出している。
ハンドルハウジング部23は、モータハウジング部21及び動力伝達ハウジング部22から下方に延出されて構成されており、ハンドルハウジング部23の基端部分にはトリガスイッチ24が設けられている。ハンドルハウジング部23の下端部には、図示されないリチウムイオン二次電池、ニッケル・カドミウム二次電池等からなる電池パックを収容する電池パックケース71が着脱可能に装着されている。またハンドルハウジング部23内には、図示せぬ電池パックからモータ30へ電力を供給するためのモータ駆動回路23A及び配線23Bが収納されている。電池パックケース71がハンドルハウジング部23に装着されると、トリガスイッチ24を介して図示せぬ電池パックとモータ駆動回路23Aとが電気的に接続される。
モータ30は、ステータ31と、コイル32と、ロータ33とから主に構成されたブラシレスモータである。ステータ31は、ステータコア31Aと、ステータコア31Aの内周面側から半径方向内方に放射状に突出しステータコア31Aの軸方向に延びる複数のティース31B(図2)とを有している。図2に示されるように、ステータコア31Aの外周部分には、周方向で等間隔に均等配置され外周部分から半径方向外方に突出する四個の凸部34が設けられている。これら四個の凸部34は何れも同じ形状であって、それぞれ周方向と交差すると共に後述の回転軸35から離間するに従い周方向の幅が先細りする側面34A、34Aを有しており、第一凹部21d及び第二凹部21eと嵌合可能かつ側面21D及び側面21Eと面当接するように構成されている。よってこれら四個の凸部34が、第一凹部21d及び第二凹部21eに挿入されて嵌合することにより、モータ30をモータハウジング部21に装着することができる。
凸部34はそれぞれ斜面状の側面34A、34Aを有しているため、この側面34Bに沿って凸部34を第一凹部21d及び第二凹部21eに挿入することにより、凸部34の第一凹部21d及び第二凹部21eへの装着を容易にすることができる。凸部34が第一凹部21d及び第二凹部21eへ装着された状態においては、側面34A、34Aがそれぞれ側面21D及び21Eと面当接するため、第一凹部21d及び第二凹部21e内において凸部34が安定して保持される。よってモータハウジング部21においてモータ30のズレの発生を抑制することができ、モータ30に通電して後述の回転軸35を回転させた場合であっても回転軸35の反力に対してステータ31がモータハウジング部20からずれることが抑制される。
また図4に示されるように凸部34の前後方向の長さL2は、第一凹部21d及び第二凹部21eの前後方向の長さL1と略同一になるように構成されている。よって凸部34が第一凹部21d及び第二凹部21eへ装着された状態において前後方向への移動が抑制される。故に前後方向においてもモータハウジング部21においてモータ30のズレの発生を抑制することができる。
ティース31Bには、電気的に絶縁された絶縁部材81及び82(図1)が回転軸方向両端から装着されている。コイル32は、複数のティース31Bに順次巻回されており、スター結線された3相コイルを構成している。
ロータ33は、モータハウジング部21に支持されたベアリング37によって回転可能に両端が支承された回転軸35に同軸に圧入され、回転軸35と一体に回転可能に構成されている。
図1に示されるように回路基板40は、空気流入孔21a側に位置する絶縁部材81の端面に固定されている。回路基板40はコイル32(図2)に電気的に接続され、周知のブリッジ回路から成るインバータ回路であり、回転軸35の後端側に配置されたIGBT(出力トランジスタ)40A(図4)を複数備えている。これら複数のIGBT(出力トランジスタ)40Aはコイル32に接続されて大電流を流している。
この回路基板40は、図4に示されるように、4本のネジ41によってステータ31に固定されている。4本のネジ41はそれぞれ別々の凸部34に螺合しており、凸部34の前後方向における投影内に位置している。よって凸部34の周囲に形成される空気通路21c内にネジ41が配置されることが無いため、ネジ41による流路抵抗の増大が生じない。
また回転軸35の前方側には、モータハウジング部21の空気通路21c内においてファン50が同軸回転可能に固定されている。ファン50は、モータ30が駆動されると回転軸35と一体に回転するため、空気通路21c内に気流を発生させ、空気流入孔21aから外部の空気を吸入し空気排出孔21bを通じて外部に排出する。
動力伝達機構60は、動力伝達ハウジング部22内に収容されており、遊星ギヤ61及びリングギヤ62で構成される減速機構部と、スピンドル63及びハンマ65から成るインパクト機構部と、先端工具(図示なし)を保持可能なアンビル66とから主に構成されている。
遊星ギヤ61及びリングギヤ62はモータ30の回転軸35に接続され、その回転を減速してスピンドル63に伝達している。スピンドル63は、遊星ギヤ61及びリングギヤ62にその前方に配置されて接続され回転軸35の減速された回転が伝達されている。ハンマ65はスピンドル63上に前後摺動可能に配されており、後方にスプリング64が配置されて付勢され、スプリング64によって打撃力が与えられている。アンビル66はスピンドル63の先端に同軸回転可能に取り付けられており、その後端部分にハンマ65が当接することにより打撃力を生じさせている。
またハンマ65とアンビル66とにはそれぞれ図示せぬ凸部と凹部とが設けられている。アンビル66に所定以上の負荷がかかっていない時には、ハンマ65の凸部とアンビル66の凹部とが嵌め合うことによりハンマ65とアンビル66とは一体に回転し回転力を得る。一方、アンビル66に所定以上の負荷がかかっている時には、アンビル66がロックされて回転せず、ハンマ65の凸部とアンビル66の凹部とは外れ、スプリング64の作用によりハンマ65は前進し打撃力を得ることになる。
上記構成のインパクトドライバ1を使用する場合には、使用者がトリガスイッチ24を引くことにより、電池パックケース71内の図示せぬ電池からモータ駆動回路23A及び回路基板40を介してモータ30に供給され、回転軸35が回転してアンビル66を回転・打撃する。この時にモータ30及び回路基板40が発熱するが、空気通路21cが回路基板40近傍及びモータ30の外周部分に渡って形成されているため、モータ30及び回路基板40は好適に冷却され、出力低下等を招くことなく、好適に使用することができる。またモータ30は、凸部34と第一凹部21d及び第二凹部21eとの嵌合により、軸回り方向及び軸方向において確実にモータハウジング部21に固定されているためガタの発生が抑制され、インパクトドライバ1の使用感を増すとともに高寿命化が図られている。
本発明の実施の形態に係る電動工具の側面断面図。 図1のII−II線に沿った断面図。 本発明の実施の形態に係る電動工具のモータハウジング部の内面図。 本発明の実施の形態に係る電動工具のモータ部分の斜視図。 本発明の実施の形態に係る電動工具の回路基板とモータとの接続を示す断面図。
符号の説明
1・・インパクトドライバ 20・・ハウジング 21・・モータハウジング部
21A・・面状保持部 21B・・棒状保持部 21D・・側面 21E・・側面
21a・・空気流入孔 21b・・空気排出孔 21c・・空気通路
21d・・第一凹部 21e・・第二凹部 22・・動力伝達ハウジング部
23・・ハンドルハウジング部 23A・・モータ駆動回路 23B・・配線
24・・トリガスイッチ 30・・モータ 31・・ステータ 31A・・ステータコア
31B・・ティース 32・・コイル 33・・ロータ 34・・凸部 34A・・側面
35・・回転軸 37・・ベアリング 40・・回路基板 41・・ネジ
50・・ファン 60・・動力伝達機構 61・・遊星ギヤ 62・・リングギヤ
63・・スピンドル 64・・スプリング 65・・ハンマ 66・・アンビル
71・・電池パックケース 81、82・・絶縁部材

Claims (6)

  1. ハウジングと、
    該ハウジング内に内蔵されるモータと、を備え、
    該モータの外周部分には、複数の凸部が設けられ、
    該ハウジングには、該複数の凸部と嵌合する複数の凹部が形成されていることを特徴とする電動工具。
  2. 該凸部は該モータの外周において周方向で等間隔に均等配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電動工具。
  3. 該モータの軸方向と直交する断面において、該凸部は周方向と交差すると共に該軸から離間するに従い先細りする側面を有し、
    該ハウジングは該凹部内において該側面と面当接する当接面を有していることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の電動工具。
  4. 該凸部の該軸方向長さと該凹部の該軸方向長さとはそれぞれ略等しく構成されていることを特徴とする請求項1乃至は請求項3のいずれか一に記載の電動工具。
  5. 該モータはステータコアを含んで構成されるブラシレスモータであり、該凸部は該ステータコアに設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載の電動工具。
  6. 該モータには該モータの制御を行う回路基板が設けられ、
    該回路基板はネジにより該モータに固定され、
    該ネジは該凸部の該軸方向投影内において該凸部内に位置していることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一に記載の電動工具。
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