JP2008294296A - 回路基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ビルドアップ多層配線回路基板を製造において、環境負荷の高いシアン系化合物などを用いず、配線間絶縁性が高く、化学密着効果によって絶縁膜―配線膜−絶縁膜と多層積層された膜間の密着性が高い回路基板の製造方法を提供する。
【解決手段】基板上の樹脂絶縁膜に第1の官能基保有化合物膜を形成して、所定領域に第1の波長光を照射し、その上にパラジウムを触媒とした無電解銅めっき膜を形成する。前記所定領域にレジストで画定マスクを形成し、露出部した前記無電解銅めっき膜を除去する。このときパラジウムも効果的に除去される。更に第2の波長光あるいはプラズマの照射を行う。その後、酸洗浄、第2の官能基保有化合物膜を形成し、そして樹脂絶縁膜の積層を行う。
【選択図】図3

Description

本発明は、支持基板上に絶縁樹脂膜層と配線層とを有する回路基板の製造方法に関し、特に絶縁樹脂膜層、配線層、そして再び絶縁樹脂膜層と積層するときなど、多層となったそれらの層間の密着強度が高い回路基板を実現するための製造方法に関するものである。
近年の電子機器の小型化、高機能化、低価格化へのトレンドは、それら装置に用いられるプリント配線板の多層化、微細配線化、搭載電子部品の高密度実装化をますます推し進めている。こういったプリント配線板への要請に対応して、ビルドアップ多層配線構造の適用が活発に進められている。
ビルドアップ多層配線構造では、複数の配線層間に絶縁層が形成され、配線層間の導通のために絶縁層にビアホールが形成される。この絶縁層へのビアホール形成は、感光性樹脂を用いたフォトリソグラフィ技術による穴の形成方法やレーザ照射による穴の形成方法などが用いられる。次に、銅などの無電解金属めっき、そして電気金属めっきによって、この絶縁膜上に導体配線層を形成し、これをフォトリソグラフィ技術とエッチングなどにより銅などの導体の配線パターンを形成する。そして、必要に応じて、さらに上層への絶縁層の形成、その上への配線パターンの形成の工程を繰り返し、回路基板の多層化を行う。この配線形成方法と構造は、微細かつ高密度の多層配線回路基板の構成に適している。これに電子部品の実装を行うことによって、回路の実装密度を高めることが可能となる。
このようなビルドアップ配線基板の配線パターンについては、銅が専ら用いられるが、絶縁層として用いられるビルドアップ用樹脂へ無電解めっき銅の密着性が低いことが従来から知られており、そのため、この密着性向上のために、これまで次のような作製処理方法が行われている。
すなわち、一つは、所謂アンカー効果を用いるもので、例えば、絶縁層用樹脂表面を膨潤工程・粗化工程・還元工程を含むデスミア処理によって表面を粗化し、10点平均表面粗さ測定で、例えば2μm以上の微細凹凸を形成する。この表面上に無電解めっき銅膜、さらに電気めっき銅膜を順次形成することによって配線層である銅膜を成膜する。こうして成膜された銅膜が微細凹凸のアンカー効果で強く固定され、例えば0.8kgf/cm程度のピール強度(JIS−C−6481準拠の90度剥離強度試験による)が得られる(例えば、特許文献1)。
しかし、ビルドアップ配線基板が高周波信号領域で使われるようになると、例えば1GHzを超える周波数帯では、粗化された表面を有する面に形成された微細突起を有する配線構造では、その表皮効果による伝送損失、特に導体損が増大するといった問題が生じる。
これに対処する方法として、粗化面を用いた物理的アンカー効果を用いず、いわば、化学密着効果によって絶縁樹脂層の面と銅配線の密着性の確保を行う方法が検討されている(例えば、特許文献2)。
特開平07−15139号公報 特開平05−65466号公報
上記の、物理的アンカー効果、化学密着効果何れの密着効果を用いるにしても、金属の無電解めっき法においては、不導体表面(この場合は絶縁樹脂表面)に無電解めっき用触媒を付与した後、無電解めっき液に浸漬する方法が通常採られる。無電解めっき用触媒としては、多くの場合、錫―パラジウムコロイドの水溶液(特許文献3)が用いられ、また、パラジウムイオン−アミノ系錯化剤を含む触媒液を用いて無電解めっき用触媒を付与する方法も知られている(特許文献4)。
しかし、こういったパラジウムを含む触媒液を用いる触媒付与方法においては、触媒金属のパラジウムは耐食性が高いために、一度付着すると除去が困難であり、さらに上記の表面粗化効果によって、パラジウムの除去がより一層困難となる。この結果、不要な無電解めっき銅の個所をエッチングしても、通常のエッチング処理では触媒として付着したパラジウム粒子を基板表面から十分に除去できず、残存パラジウム粒子が導電性を有することから回路間の絶縁性などの信頼性に大きな問題が生じる。
このパラジウム残存の問題に対処するために、シアン系物質を含む材料を用いたパラジウム除去剤(例えば、特許文献5、6など)やヨウ素系物質を含む材料を用いたパラジウム除去剤(例えば、特許文献7など)が提案されている。しかしながら、これらの方法においては、例えば、シアン系物質は厳密な管理が求められ、またこれらの残留物質の排出などに関しても環境面での影響を十分配慮する必要があり、加えてコスト削減の点からも課題がある。またヨウ素系物質を用いる方法も、同様と言えよう。
そこで、本発明の課題は、高周波帯での適用を可能とする化学密着効果を用いた樹脂−無電解めっき銅の高密着性を実現し、無電解めっき銅−電気めっき銅のパターニング後、不要無電解めっき銅部分のエッチング時に無電解めっき時に触媒として用いるパラジウムを、絶縁樹脂層表面から、環境負荷の高いシアン系やヨウ素系などの除去剤を用いることなく効果的に除去し、さらにその表面全体上に、絶縁樹脂層を高い密着強度をもって形成可能とすることにある。
米国特許3011920号 特開平08−316612号公報 特開平08−139435号公報 特開2000−323814号公報 特開2000−178752号公報
本発明の回路基板の製造方法は、
第1の絶縁樹脂膜の表面に、第1の官能基保有化合物を吸着または反応させて、第1の官能基保有化合物膜を形成する工程と、
前記第1の官能基保有化合物膜上の平面視における所定領域に、第1の波長光を照射する工程と、
前記第1の官能基保有化合物膜上に、金属触媒を用いた無電解金属めっき膜を形成する工程と、
前記所定領域の上部該当領域に相当する前記無電解金属めっき膜上に、画定マスクを形成し、前記画定マスクによりマスクされない前記無電解金属めっき膜上に、電気金属めっき膜を形成する工程と、
前記画定マスクを除去し、前記画定マスクによりマスクされていた前記無電解金属めっき膜を除去する工程と、
第2の波長光の照射またはプラズマ照射を行う工程と、
第2の絶縁樹脂膜を積層する工程と、
を、有することを特徴とする。
また、
前記第2の波長光の照射またはプラズマ照射を行う工程と、前記第2の絶縁樹脂膜を積層する工程の間に、さらに、第2の官能基保有化合物を吸着または反応させて、第2の官能基保有化合物膜を形成する工程と、
を、有することを特徴とする。
また、
前記第1の官能基保有化合物は、シランカップリング剤、トリアジンチオール及びニトロ安息香酸からなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物であることを特徴とする。
また、
前記第1の波長光は、波長が300nm以上の光のみからなることを特徴とする。
また、
前記第2の波長光は、波長が300nm未満の光のみからなることを特徴とする。
そして、
前記第2の官能基保有化合物は、シランカップリング剤、トリアジンチオール、ニトロ安息香酸及びメルカプトスルホン酸からなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物であることを特徴とする。
特に、ビルドアップ多層配線回路基板を製造する場合、本方法を適用することによって、従来の各種方法に比べ、絶縁膜―配線膜−絶縁膜と積層された膜間の密着性が十分確保され、その結果、耐熱、耐湿、耐プレッシャクッカー試験耐性など、回路基板の特性に必須の特性に非常に優れた基板が製造可能となる。
こうして製造された回路基板の各層間は、粗面を用いた物理アンカー効果を用いず、化学密着効果を用いていることから、高周波用回路基板として適していること、かつ高価で環境負荷の高い化合物を用いないこと、また、従来から製造現場で用いられている装置や材料を使用しており、本方法の適用が容易であること、など多くの効果を得ることができる。
以下に、本発明の実施の形態を、添付図を参照しつつ説明する。
(実施例)
図1〜図3は、本発明の実施の形態に係る回路基板の製造方法を工程順に示す断面模式図である。
先ず、図1(1)に示すように、配線を含む回路が形成された基板1上に、絶縁膜2を形成する。そして、さらに、絶縁膜2上に、第1の官能基保有化合物を吸着または反応させることにより、第1の官能基保有化合物膜3を形成する。
基板1は、例えばガラス繊維強化樹脂などが適用可能である。また絶縁膜2は、例えばポリイミド樹脂またはエポキシ樹脂などを用いたビルドアップ用樹脂を用いることができる。
第1の官能基保有化物は、官能基を保有し、特に2以上の官能基を有することが望ましい。さらに、後述のように、一定波長光の照射によって、官能基が保有する金属捕捉能が大幅に低下ないし無機能化する化合物が望ましい。第1の官能基保有化合物膜3とする第1の官能基保有化物は、例えば、カップリング剤、トリアジンチオール、あるいはニトロ安息香酸を用いることができる。
また、これらとの結合性の点からも、絶縁膜2は、ポリイミド樹脂またはエポキシ樹脂であることが望ましい。
カップリング剤としては、特にシランカップリング剤を用いることが望ましい。カップリング剤の分子中に、アミノ基、メルカプト基、エポキシ基、イミダゾール基、ビニル基、アミノ基、ジアルキルアミノ基、およびピリジン基の少なくとも1つが含まれることが望ましい。
トリアジンチオールとしては、メルカプト基がトリアジン環に2つ以上存在するものを用いることが望ましく、特にトリアジンチオールトリオチールを用いることが望ましい。
ニトロ安息香酸としては、ニトロ安息香酸、ニトロフタル酸、ニトロサリチル酸またはこれらのアルカリ金属塩を用いることが望ましい。
これら第1の官能基保有化物の水溶液を、例えば、浸漬法あるいはスプレーを用いた吹き付け法などにより、絶縁膜2の表面に付着、乾燥させて、第1の官能基保有化合物膜3を形成することができる。
より具体的には、例えば、絶縁膜2である熱硬化性エポキシ樹脂の表面を、前処理として、300W・5分間のプラズマ処理を行った後、例えば、1wt%のγ−アミノプロピルトリエトキシシラン(シランカップリング剤・KBE−903:信越化学工業社製)水溶液、あるいは1wt%の2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジン1ナトリウム塩(サンチオールN−1:三協化学社製)水溶液、あるいは1wt%の4−ニトロ安息香酸(関東化学社製)水溶液で浸漬処理をし、例えば、100℃で30分のベークで乾燥させ夫々の膜形成を行う。
次に、図1(2)に示すように、上記のように形成された第1の官能基保有化合物膜3上の、平面視における所定領域に、第1の波長光を照射して、第1の波長光照射領域4を形成する。
この第1の波長光は、波長として300nm未満の波長光は含まれていない光、即ち300nm以上の波長光が望ましく、例えば、フォトレジスト露光用に用いられる、i線(波長;365nm)あるいはg線(波長;405nm)が適用可能である。
第1の官能基保有化合物膜において、この様な波長光が照射された領域では光反応を生じ、本来この第1の官能基保有化合物が有する官能基の金属捕捉能が、たとえばその官能基の分解などによって、この領域では大幅に低下ないし消滅する。従って、以後の工程で述べる、触媒であるパラジウム金属がこの領域に付着したとき、その金属捕捉能が大幅に低下している(つまり金属を除去しやすい)状態になっている。
次に、図1(3)に示すように、上面全域に、無電解めっきの前処理であるパラジウム触媒処理をおこなった後、銅の無電解めっき膜5を形成する。
パラジウム触媒処理は、例えば、塩化パラジウムと有機酸を含有する触媒溶液(アトテック社製)に基板を浸漬し、これを乾燥することで、パラジウムの触媒粒子を付着することができる。無電解銅めっき膜の形成は、例えば、EDTA,硫酸銅、ホルムアルデヒド、水酸化ナトリウム等を主成分とする無電解銅めっき液を用いることができる。
次に、セミアディティブ法を適用し、電気めっきによって金属配線を形成する工程となる。図2(4)に示すように、先ず、レジストを基板表面全体に塗布した後、フォトリソグラフィ法を用いてのパターニングを行って、レジストマスク6を得る。この際、レジストマスク6の領域は、図1(2)で画定した第1の波長光照射領域4の領域と同一に画定された領域とする。
このレジストのパターニングにおいては当然ながら露光処理を伴うが、このときの露光用の光が、例えば、前述のi線あるいはg線が想定されるとすれば、この露光用波長光の照射域がレジストマスク6の領域内に限定されるためには、ネガレジストを用いるのが都合が良い。逆にポジレジストを適用し、前述の波長光で露光すると、第1の波長光照射領域4の領域以外の個所にその波長光が照射され、レジストおよび無電解めっき膜5を通過して、第1の官能基保有化合物膜3のその箇所で光反応が生じ、第1の波長光照射領域4の領域との差異が不明確となるといった不都合が生じる可能性がある。
そして、レジストマスク6以外の領域に、銅の無電解めっき膜5を通電層として電気銅めっきを施し、図示するように、銅の電気金属めっき膜7を形成する。電気銅めっき膜は、例えば、硫酸銅五水和物;50〜100g/L、硫酸;150〜300g/L、光沢剤や平滑剤などの添加剤;0.1〜2wt%の濃度で含む電解銅めっき液で、例えば電流密度;3A/dmとして電解銅めっきを行い、180℃、1時間のアニール処理を施して、電気金属めっき膜7を形成する。
そして、図2(5)に示すように、既知のウエットまたはドライ処理で、レジストマスク6を除去し、レジストマスク剥離領域8には、無電解めっき膜5が露出する。
さらに、図2(6)に示すように、レジストマスク剥離領域8に露出した無電解めっき膜5を、例えば、過硫酸アンモニウム液等の銅エッチング液に浸漬して、この銅膜をエッチング除去し、無電解めっき膜除去領域9を得る。本実施例の場合は、この無電解めっき膜除去領域9は、第1の波長光照射領域4と一致しており、前述のように、この個所の第1の官能基保有化合物膜3の官能基はパラジウム金属の捕捉能が大幅に低下ないし無力化しており、この無電解銅膜のエッチングによって、パラジウム粒子も共に、容易に除去される。
この電解銅膜のエッチング後の絶縁膜表面を、光電子分光分析装置(XPS:X−ray Photoelectron Spectroscopy)を用いて検査し、パラジウムは残存していないことを確認した。
しかし、300nm以下の波長の光を照射しない従来の方法で、上記の工程を行った場合、触媒のパラジウム粒子が残留することを確認している。
次に、この配線層上に、再度、ビルドアップ用樹脂からなる絶縁膜を積層し、多層化を図る工程となる。
図3(7)に示すように、基板表面全域に、第2の波長光照射またはプラズマ照射10の処理を行う。ここにおいて、第2の波長光は、波長として300nm未満の光を用いる。このよう短波長の紫外線を照射すること、あるいはプラズマ照射処理を行うことで、基板表面に露出している、第1の官能基保有化合物膜の第1の波長光照射領域4(先述のように、すでに金属の捕捉能が大幅に低下ないし無力化している領域)において、膜の官能基等の基自体の結合等がお互いに切断され、第1の官能基保有化合物を有する膜として無機能化(変質化)させる。具体的には、この工程においては、波長254nmの紫外線照射(低圧UVランプ使用、40W、5分間)、あるいはプラズマ照射処理(酸素プラズマ照射装置使用、300W,5分間)を行った。
図3(8)に示すように、上記の処理にて、第1の波長光照射領域4は、変質した第1の官能基保有化合物膜領域11になり、さらに、この基板表面を、例えば、5wt%の硫酸水溶液を用いて、酸清浄を行う。これによって、電気金属めっき膜7の上に工程内で形成される可能性のある酸化膜等を除去する。
そして、図3(9)に示すように、この基板表面に、第2の官能基保有化合物を吸着または反応させることにより、第2の官能基保有化合物膜12を形成する。これによって、さらにビルドアップ積層する絶縁樹脂膜との化学密着効果を、より高める効果が期待できる。
第2の官能基保有化合物膜12とする第2の官能基保有化物は、例えば、カップリング剤、トリアジンチオール、ニトロ安息香酸、あるいはメルカプトスルホン酸を用いることができる。第2の官能基保有化物は、このように官能基を保有し、特に2以上の官能基を有することが望ましい。
これらとの結合性の点からも、後に積層する積層絶縁膜は、ポリイミド樹脂またはエポキシ樹脂であることが望ましい。
カップリング剤としては、特にシランカップリング剤を用いることが望ましい。カップリング剤の分子中に、アミノ基、メルカプト基、エポキシ基、イミダゾール基、ビニル基、アミノ基、ジアルキルアミノ基、およびピリジン基の少なくとも1つが含まれることが望ましい。
トリアジンチオールとしては、メルカプト基がトリアジン環に2つ以上存在するものを用いることが望ましく、特にトリアジンチオールトリオチールを用いることが望ましい。
ニトロ安息香酸としては、ニトロ安息香酸、ニトロフタル酸、ニトロサリチル酸またはこれらのアルカリ金属塩を用いることが望ましい。
メルカプトスルホン酸としては、メルカプトスルホン酸、メルカプトプロパンスルホン酸またはそのアルカリ金属塩であることが望ましい。
これら第1の官能基保有化物の水溶液を、例えば、浸漬法あるいはスプレーを用いた吹き付け法などにより、基板の表面に付着、乾燥させて、第2の官能基保有化合物膜12を形成することができる。
より具体的には、例えば、1wt%のγ−アミノプロピルトリエトキシシラン(シランカップリング剤・KBE−903:信越化学工業社製)水溶液、あるいは1wt%の2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジン1ナトリウム塩(サンチオールN−1:三協化学社製)水溶液、あるいは1wt%の4−ニトロ安息香酸(関東化学社製)水溶液、あるいは1wt%の3−メルカプトプロパンスルホン酸ナトリウム塩(Aldrich社製)水溶液で浸漬処理をし、例えば、100℃で30分のベークで乾燥させ夫々の膜形成を行う。
そして、図3(10)に示すように、この上に積層絶縁膜13を形成した。この積層絶縁膜は、前述のように、エポキシ樹脂あるいはポリイミド樹脂が望ましい。具体的には、例えば、熱硬化性エポキシ樹脂をラミネートし、180℃、1時間の加熱で硬化させ形成する。
このような上記工程に例示した、各工程での各種の官能基保有化合物と各種照射方法などの組合せを変えて適用作製した多種の回路基板サンプル全てに対し、高温放置(温度150℃、100時間)、高温高湿(温度85℃、湿度85%)、プレッシャークッカーテスト(飽和蒸気加圧試験:温度121℃、相対湿度99%、圧力2Pa)の各種条件で印加した。その結果、いずれのサンプルにおいても、積層した金属膜や絶縁樹脂層間の膨れ・剥離などは無く、配線における抵抗変動なども見られず、耐熱性、耐湿性に優れた回路基板が、ビルドアップ法である本回路基板の製造方法によって作成できたことが確認された。
一方、比較例1として、図1(2)の工程である第1の波長光照射を行わず、そのまま、図1(3)の無電解金属めっき膜5の形成以降を実施して得たサンプルに対してプレシャークッカーテストを行ったところ、100時間後で10%以上の抵抗変化が観測され、特に絶縁性能に関する耐湿性が低いことが確認された。このサンプルについて、無電解金属めっき膜5を除去した領域(積層絶縁膜13と絶縁膜2とが官能基保有化合物膜を介して接して個所)についてXPSを用いて確認したところ、パラジウム粒子が存在していることが確認された。
さらに、比較例2として、図3(7)の工程の、第2の波長光照射またはプラズマ照射の工程を行わず、直ちに、次の酸洗浄工程以降を実施して作製したサンプルに対して、高温放置(温度150℃、100時間)、高温高湿(温度85℃、湿度85%)、プレッシャークッカーテスト(飽和蒸気加圧試験:温度121℃、相対湿度99%、圧力2Pa)の各種条件で印加したところ、積層絶縁膜13の樹脂膜部分のみに膨れが観測され、この膜の下層の絶縁膜2との密着性に関し、高温耐湿性に問題があることが確認された。
以上の説明から、本実施例で示した回路基板の製造方法が、従来の各種方法に比べ、絶縁膜―配線膜−絶縁膜と積層された膜間の密着性が十分確保され、その結果、耐熱、耐湿、耐プレッシャクッカー試験耐性など、回路基板の特性に必須の特性に非常に優れていることが解る。また、各層間は、粗面を用いた物理アンカー効果を用いず、化学密着効果を用いていることから、高周波用回路基板として適した方法である。さらに、本製造方法では、高価で環境負荷の高い化合物を用いないという要求の観点からも適した方法である。そして、本方法に採用された各処理工程は、従来から製造現場で用いられている装置や材料を使用しており、本方法の適用が容易であることも特長と言えよう。
なお、実施例で説明した工程において、図3(9)における第2の官能基保有化合物膜の形成工程は、望ましい工程であって、作製条件によっては必ずしも必須工程ではない。また、図3(8)の酸洗浄の工程についても、電気金属めっき膜7の表面に酸化膜などの存在があった場合、これを除去するための望ましい工程であって、作製条件によっては必ずしも必須工程ではない。
また、本実施例の説明においては、多層回路基板の製造においては重要な構成要素である配線層間接続のためのビアなどの製造工程は一切省略した。しかし、上記説明の本発明の趣旨からみれば、ビアなど他の構成要素が導入される回路基板の製造においても、本発明の方法が用意に適用可能であることは言うまでも無い。
本発明の製造方法の工程を説明するための図(その1) 本発明の製造方法の工程を説明するための図(その2) 本発明の製造方法の工程を説明するための図(その3)
符号の説明
1 基板
2 絶縁膜
3 第1の官能基保有化合物膜
4 第1の波長光照射領域
5 無電解金属めっき膜
6 レジストマスク
7 電気金属めっき膜
8 レジストマスク剥離領域
9 無電解金属めっき膜除去領域
10 第2の波長光照射またはプラズマ照射
11 変質した第1の官能基保有化合物膜
12 第2の官能基保有化合物膜
13 積層絶縁膜

Claims (6)

  1. 第1の絶縁樹脂膜の表面に、第1の官能基保有化合物を吸着または反応させて、第1の官能基保有化合物膜を形成する工程と、
    前記第1の官能基保有化合物膜上の平面視における所定領域に、第1の波長光を照射する工程と、
    前記第1の官能基保有化合物膜上に、金属触媒を用いた無電解金属めっき膜を形成する工程と、
    前記所定領域の上部該当領域に相当する前記無電解金属めっき膜上に、画定マスクを形成し、前記画定マスクによりマスクされない前記無電解金属めっき膜上に、電気金属めっき膜を形成する工程と、
    前記画定マスクを除去し、前記画定マスクによりマスクされていた前記無電解金属めっき膜を除去する工程と、
    第2の波長光の照射またはプラズマ照射を行う工程と、
    第2の絶縁樹脂膜を積層する工程と、
    を、有することを特徴とする回路基板の製造方法。
  2. 前記第2の波長光の照射またはプラズマ照射を行う工程と、前記第2の絶縁樹脂膜を積層する工程の間に、さらに、第2の官能基保有化合物を吸着または反応させて、第2の官能基保有化合物膜を形成する工程と、
    を、有することを特徴とする請求項1記載の回路基板の製造方法。
  3. 前記第1の官能基保有化合物は、シランカップリング剤、トリアジンチオール及びニトロ安息香酸からなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の多層回路基板の製造方法。
  4. 前記第1の波長光は、波長が300nm以上の光のみからなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の回路基板の製造方法。
  5. 前記第2の波長光は、波長が300nm未満の光のみからなることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の回路基板の製造方法。
  6. 前記第2の官能基保有化合物は、シランカップリング剤、トリアジンチオール、ニトロ安息香酸及びメルカプトスルホン酸からなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項2ないし5のいずれかに記載の回路基板の製造方法。
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