JP4905318B2 - 回路基板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は回路基板の製造方法に係り、特に絶縁樹脂層上に配線層が形成された回路基板の製造方法に関する。
近年、電子機器に対する小型化、高性能化および低価格化等の要求に伴い、プリント配線板の微細化、多層化、および電子部品の高密度実装化が急速に進められている。そのような状況の下で、プリント配線板に対してビルドアップ多層配線構造を適用するための検討が行われている。
ビルドアップ多層配線構造では、複数の配線層間に絶縁樹脂を含んでなる絶縁層(以下、絶縁樹脂層と称する)が形成される。配線層間の電気的導通をとるために、ビアホールと称される微細な穴が絶縁樹脂層に形成される。ビアホールを形成するための方法として、感光性樹脂を用いてフォトリソグラフィ技術により形成する方法や、レーザを照射して穴を形成する方法などがある。
次いで、無電解めっき及び/又は電気めっきによって、この絶縁樹脂層上に導電層を形成し、導電層をエッチングして配線パターンを形成する。必要に応じて絶縁樹脂層の形成から配線パターンまでの形成工程を繰り返すことにより、回路の集積度を高めることができる。
従来の技術では、絶縁樹脂層を膨潤液、粗化液、中和液に順次浸漬し、絶縁樹脂層の表面に3μm程度の凹凸を形成している。この凹凸を有する表面上に、例えば、無電解銅めっき、電気銅めっきを順次施し銅めっき膜を形成することで、絶縁樹脂層の上に銅配線を形成する。絶縁樹脂層の表面の凹凸により絶縁樹脂層と銅めっき膜の間に物理的なアンカー効果を持たせることにより、ビルドアップ配線基板の絶縁樹脂層と銅配線との間の密着性を確保している。
上述の物理的なアンカー効果による絶縁樹脂層と配線層との間の密着性については、JIS C−6481に準じた90度剥離試験で評価することができる。従来のアンカー効果により密着した構造のものは、上述の剥離試験の結果が、1kgf/cm(換算値は9.8N/cm)未満のものが多数であり、絶縁樹脂層としてプリプレグを用いた積層プリント板における絶縁樹脂層と配線層との間で得られる密着力よりも低いものである。一般的にビルドアップ配線基板に対して求められる密着力は1kgf/cm以上であり、上述のアンカー効果による密着性では不充分な場合が多い。
また、近年ビルドアップ配線基板にも高周波の信号が伝送されるようになっている。特に1GHzを超える周波数領域においては、微細突起のある配線構造では表皮効果による伝送損失、特に導体損が増大するという問題が生じてきた。さらに、樹脂表面に微細な凸凹を形成せずに滑らかな表面を得るため、新たな化学処理方法(トリアジン、イミダゾールなどを有するシランカップリング剤処理)が提案されているが、密着力はいまだに不十分である。
銅配線層に代表される配線層と絶縁樹脂層との間の密着性を確保する方法には、上述の物理的アンカー効果により密着力を高める方法以外には、配線層と絶縁樹脂層の構成成分との間の化学的密着を用いる方法がある。化学的密着において、分子レベルでは各種の有機化合物が提案されているが、そのなかでも、チオール基を2個以上有する複素環状化合物は、銅に対する密着性を高めるものとして報告例が多い。
例えば、銅との密着性に優れる化合物として、1,3,5−トリメルカプトピリジン、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール等の化合物が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
そこで、6−ジブチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール、6−フェニルアミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジチオール等の化合物を銅害防止剤として用いること提案されている(例えば、特許文献2参照。)。トリアジンチオール化合物は、金属とキレートを形成する作用によって、金属と化学的に結合するものである。
さらに、絶縁樹脂層用の熱可塑性ポリイミド樹脂中に有機チオール化合物を添加したポリイミド樹脂組成物、または、有機チオール化合物を溶解した溶媒に熱可塑性ポリイミド樹脂を含浸することによって、熱可塑性ポリイミド樹脂よりなる絶縁樹脂層の表面に有機チオール化合物を担持させる方法が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
また、トリアジン、アミン基などを有する化合物を絶縁樹脂層を構成する樹脂組成物中に単に共存させる方法、又は、絶縁樹脂層を構成する樹脂組成物内で樹脂組成物と反応させる方法ではなく、絶縁樹脂層の表面にそれらの化合物層をグラフトさせ、次いで、パラジウム触媒を用いた無電解金属めっき膜を形成し、さらに無電解金属めっき膜上に金属電気めっき膜を形成させる方法が提案されている(例えば、特許文献4参照。)。
特開平5−158240号公報(段落番号0008) 特開平6−65466号公報(特許請求の範囲) 特開2005−2334号公報(特許請求の範囲) 特開2004−260964号公報
上述の特許文献1に開示された化合物は反応基を有さず、単に絶縁樹脂層を構成する樹脂組成物中に添加されたままの化合物である。したがって、絶縁樹脂層を構成する樹脂組成物内での当該化合物の密着性が低いため、銅との密着性の向上に対する効果も低いものと考えられる。
上述の特許文献2に開示されたトリアジン化合物を絶縁樹脂層を構成する樹脂組成物に添加する方法、又は、特許文献3に開示された絶縁樹脂層を構成する樹脂組成物の内部で反応させる方法では、絶縁樹脂層の内部にまでトリアジン化合物が分布してしまうため、絶縁樹脂層の表面のみにトリアジン化合物を分布させることは不可能である。したがって、充分な密着性を得ることが難しいと考えられる。
上述の特許文献4に開示された方法におけるシランカップリング剤を用いた表面処理では、樹脂―金属間共有結合ではなく配位子−金属間配位結合が生成されるため、高い密着性を得ることができないと考えられる。
以上のように、従来の物理的アンカー効果による密着力は不十分であり、また、化学的密着を用いる方法でも十分な密着性を得ることは難しいという問題がある。
本発明は上述の問題に鑑みなされたものであり、絶縁樹脂層と配線層との間の密着性に優れた回路基板を提供することを目的とする。
本発明によれば、絶縁樹脂層と該絶縁樹脂層上に形成された配線層とを有する回路基板の製造方法であって、前記絶縁樹脂層の表面にSi−H基を付加し、該Si−H基を付加した表面を金属カルボニル化合物で処理して、樹脂/金属直接共有結合(Si−金属結合)を生成することを特徴とする回路基板の製造方法が提供される。
本発明によれば、絶縁樹脂層と配線層との間の密着性に優れた回路基板を提供することができる。また、本発明の一実施形態によれば、平滑な表面の配線層を有する回路基板を提供することができる。
本発明の実施形態について図面を参照しながら以下に説明する。
本発明者は、絶縁樹脂層と配線層との間に絶縁樹脂−金属共有結合を生成することにより、絶縁樹脂層と配線層との間に優れた密着性を得ることができることを見いだした。絶縁樹脂−金属共有結合を生成して絶縁樹脂層と配線層との間の密着性を高めることにより、配線層表面を粗面化する必要性がなくなる。従って、表面の平滑性に優れた配線層を有する回路基板を得ることができる。
まず、本発明の一実施形態による回路基板の製造方法について図1を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施形態による回路基板の製造工程を示す図である。図1に示す例は、回路基板として多層配線基板を製造する工程であり、絶縁樹脂層の上に配線層が形成される。本発明は多層配線基板に限られず、絶縁樹脂層上に配線層が形成されるものであれば単層配線基板であってもよい。
まず、図1(a)に示すように、支持基板1上に配線層2を形成し、配線層2を覆うように絶縁樹脂層3を形成する。支持基板1については特に制限はないが、樹脂基板、セラミック基板、ガラス基板、およびシリコン基板からなる群から選ばれたものが好ましい。また、絶縁樹脂層3を構成する樹脂組成物についても特に制限はなく、既存の樹脂組成物から適宜選択することができる。耐熱性等の観点から、樹脂組成物として、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、マレイミド樹脂、シアネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、オレフィン樹脂、フッ素含有樹脂、液晶ポリマー、ポリエーテルイミド樹脂およびポリエーテルエーテルケトン樹脂からなる群から選ばれた樹脂を含む樹脂組成物を用いることが好ましい。
絶縁樹脂層3を形成したら、次に、図1(b)に示すように、絶縁樹脂層3の表面をプラズマ処理することにより、絶縁樹脂層3の表面に官能基4を付与する。官能基4としては水酸基、カルボシキル基等を用いることが好ましい。本実施形態では官能基4として水酸基(OH基)を用いている。図2は絶縁樹脂層3の表面に水酸基が付与された状態を示す図である。図1(b)に示す工程は、絶縁樹脂層3の表面を改質する工程に相当する。
次に、図1(c)に示すように、絶縁樹脂層3の表面をシラン化合物で処理してSi−H基をグラフトさせる。このときに用いられるシラン化合物は、Si−H基を有するアルコキシル又はジアルコキシルシラン化合物であり、以下の化学式で表される。
Figure 0004905318
上述のシラン化合物の溶液を絶縁樹脂層3の表面にスピンコートにより塗布し、熱処理を行うことで、図3に示すように絶縁樹脂層3の表面にSi−H基5が生成されて付加される。図3は絶縁樹脂層3の表面にSi−H基5が付加された状態を示す図である。
次に、図1(d)に示すように、金属カルボニル化合物で処理し、絶縁樹脂層3の表面全体にSi−金属結合6を生成する。具体的には、絶縁樹脂層3の表面に金属カルボニル化合物をスピンコートにより塗布してから紫外線を全面に照射することで、絶縁樹脂層3の表面全体にSi−金属結合6を生成する。このとき用いられる金属カルボニル化合物は、以下の化学式で表される。
Figure 0004905318
以上の処理により、図4に示すように絶縁樹脂層3の表面全体にSi−金属結合(Si−M)6が生成される。
次に、図1(e)に示すように、Si−金属結合(Si−M)6が生成された絶縁樹脂層3の表面(金属カルボニル表面)に、パラジウム、銀、金、白金、イリジウム、レニウム、水銀、ルテニウムのどの触媒のうち少なくとも一種類を用いて無電解金属めっきを施し、絶縁樹脂層3の表面に無電解金属めっき層を形成する。本実施例では、パラジウム触媒を用いて、無電解金属めっき層として無電解銅めっき層7を形成している。この処理により、樹脂絶縁層3に形成されたビアホールの側面を含めた樹脂絶縁層3の全面に無電解銅めっき層3が形成される。
パラジウム触媒を用いた無電解金属めっき層の形成法については、特に制限はなく、公知の方法を適宜用いることができる。また、パラジウム触媒の組成についても特に制限はない。本実施形態では、パラジウム触媒は金属パラジウムとなり、無電解銅めっき層7の下に残存することになる。ただし、実際に金属パラジウムとなっているか否か、あるいは金属パラジウム以外の形態のパラジウムが含まれているか否かは重要ではなく、本実施形態の条件を充足していればどのような形態でパラジウムが含まれていてもよい。
次に、例えばセミアディティブプロセスで配線層を形成する場合は、図1(f)に示すように、レジスト8を無電解銅めっき層7の上に形成して、レジスト8のパターニングを行う。その後、図1(g)に示すように、レジスト8のパターニングにより露出した無電解銅めっき層7をシード層として電気金属めっき層を形成する。本実施形態では、電気銅めっきを施して無電解銅めっき層7上に電気銅めっき層9を形成している。
無電解金属めっき層形成後の電気金属めっき層の形成方法についても特に制限はなく、公知の方法を適宜用いることができる。電気金属めっきの種類についても特に制限はないが、銅、ニッケルおよびコバルトからなる群から選ばれた少なくとも1種類の金属のめっきであることが好ましい。
電気金属めっき層として電気銅めっき層9を形成した後、図1(h)に示すように、レジスト8を除去する。そして、図1(i)に示すように、露出した無電解銅めっき層7を除去することで、電気銅めっき層9により所定のパターンの配線層が絶縁樹脂層3上に形成される。
以上の工程を繰り返すことで、所望の数の配線層を支持基板1上に積層して多層配線基板を形成することができる。
次に本発明の他の実施形態による回路基板の製造方法について、図5を参照しながら説明する。図5は本発明の他の実施形態による回路基板の製造工程を示す図である。図5において、図1に示す構成部品と同じ部分には同じ符号を付し、その説明は省略する。
本実施形態では、レジストを用いずに配線パターンを形成する点が上述の実施形態とは異なる。絶縁樹脂層3の表面にSi−H基5を生成するまでの工程(図5(a)〜図5(c)までの工程)は図1(a)〜図1(c)に示す工程を同じであり、その説明は省略する。
絶縁樹脂層3の表面にSi−H基5を生成したら、図5(d)に示すように、絶縁樹脂層3の表面を金属カルボニル化合物で処理し、絶縁樹脂層3の表面に部分的にSi−金属結合6を生成する。具体的には、絶縁樹脂層3の表面に金属カルボニル化合物をスピンコートにより塗布してから絶縁樹脂層3の表面(塗布された金属カルボニル化合物)に紫外線をパターンマスクを用いてパターン状に照射する。パターンマスクを用いて紫外線を配線パターンと同じパターンで照射することにより、絶縁樹脂層3の表面に配線パターンと同じパターンでSi−金属結合6が生成される。
図6は絶縁樹脂層3の表面に配線パターンと同じパターンでSi−金属結合6を生成した状態を示す図である。紫外線が照射された部分にはSi−金属結合(Si−M)が生成されているが、紫外線が照射されなかった部分にはSi−金属結合(Si−M)は生成されておらず、Si−H結合のままである。
続いて、絶縁樹脂層3の表面を以下の化学式で表されるシラン化合物で処理し、紫外線を照射することで、紫外線が照射されなかった部分のSi−H基をSi−R'に変える。
Figure 0004905318
この処理により、Si−金属結合(Si−M)が生成された部分は親水性として残り、Si−H基がSi−R'に変化した分部は疎水性となる。図7は絶縁樹脂層3の表面に親水領域と疎水領域とが形成された状態を示す図である。
次に、図5(e)に示すように、絶縁樹脂層3の表面に無電解銅めっきを施して、無電解銅めっき層7を形成する。この際、絶縁樹脂層3の表面の疎水領域にはめっき液が接触しないので、親水領域(すなわち、Si−金属結合が生成された領域)のみに無電解銅めっき層7が形成される。したがって、無電解銅めっき層7は紫外線照射パターン(すなわち,配線パターン)で形成される。
その後、図5(f)に示すように、配線パターンで形成された無電解銅めっき層7をシード層として電気金属めっき層を形成する。本実施形態では、電気銅めっきを施して無電解銅めっき層7上に電気銅めっき層9を形成している。
以上の工程を繰り返すことで、所望の数の配線層を支持基板1上に積層して多層配線基板を形成することができる。
次に上述の本発明の実施形態による製造方法により製造した回路基板の実施例及び比較例について説明する。なお、絶縁樹脂層の表面及び剥離面の表面粗さは、JIS B0601−1994による十点平均表面粗さ測定法で測定し、ピール強度は、JIS C−6481に準じた90度剥離試験で測定した。
(実施例1:図1に示す実施形態)
三菱ガス化学社製のBTレジン基板上に、本発明に係る絶縁樹脂層を形成する樹脂組成物に該当する半硬化状態の熱硬化性エポキシ樹脂シート(味の素(株)製ABFSH−9K(シリカフィラー12重量%)をラミネートし、180℃で30分間加熱し硬化させた。 次に、UVオゾン照射装置を使用し、184.9nm、及び、253.7nmの波長の紫外線を用い、出力40Wで5分間UVオゾン処理を行い、絶縁樹脂層の表面を改質した。改質後の絶縁樹脂層の表面をSEMで観察したところ、十点平均表面粗さは1μmであった。改質した絶縁樹脂層の表面をXPSで分析した結果、水酸基およびカルボキシ基の生成が確認された。
次に、本発明に係るシラン化合物である、以下の化学式で表わされるジメチルエトキシシラン化合物(Gelest製)の1重量%メタノール溶液中を用いて5分間浸漬処理を行い、100℃で30分間乾燥させた。
Figure 0004905318
その後、以下の化学式で表わされる0.001Mルテニウムダイマーのベンゼン溶液を用いて5分間浸漬処理し、絶縁樹脂層の表面にUV照射装置を用いて、366nmの波長の紫外線を、10mW/cmの強度で60分間照射した。
Figure 0004905318
その後、絶縁樹脂層の表面を塩化メチレン洗浄して、未反応のルテニウムダイマーを取り除いた。
次に、ローム・アンド・ハース社製の無電解銅めっきプロセスで、パラジウム触媒を用いて無電解銅めっきを行い、0.5μm厚の無電解銅めっき膜を形成し、120℃、30分の熱処理を行った。その後、日立化成 RY3225(25ミクロン厚)ドライフィルムレジスト(DFR)をラミネート(100℃)した。次に、マスクを用いてUV露光(70mJ)行い、1%炭酸ナトリウム水溶液を用いて現像を行った。
次に、無電解銅めっき膜を通電層として、硫酸銅五水和物を50〜100g/L、硫酸を150〜300g/L、塩素イオンを30〜100mg/L、光沢剤や平滑剤等の添加剤を0.1〜2重量%の濃度で含む電解銅めっき液を用いて、電流密度を3A/dmとして電解銅めっきを行った。電解銅めっきの厚みは20μmとした。その後、2%水酸化ナトリウム水溶液を用いてレジストを剥離した。そして、硫酸/過酸化水素系エッチング液(例えば、三菱ガス化学のCPE−900)を用いてシード層のエッチングを行った後、150℃、1時間のアニール処理を行った。
以上のようにして形成された配線層である銅めっき膜を、ビアホール以外の部分で1cm幅に切り込み、ピール強度を測定したところ、ピール強度は1.3kgf/cmであった。このピール強度であれば十分実用に耐えるものであった。
(実施例2:図1に示す実施形態)
配線パターンを形成したBTレジン基板上に、本発明に係る絶縁樹脂層を形成する樹脂組成物に該当する、半硬化状態の熱硬化性エポキシ樹脂シート(味の素(株)製ABF GX−3:シリカフィラー18重量%)をラミネートし180℃で30分間硬化させた。次に、UV−YAGレーザで直径50μmのビアホールを形成した。次に、酸素プラズマ照射装置を用い、酸素プラズマを出力200Wで3分間照射し、絶縁樹脂層の表面を改質した。改質後の絶縁樹脂層の表面をSEMで観察したところ、十点平均表面粗さは1μmであった。改質した絶縁樹脂層の表面をXPSで分析した結果、水酸基およびカルボキシ基の生成が確認された。
次に、本発明に係るシラン化合物である、ジメチルエトキシシラン化合物(Gelest製)の1重量%メタノール溶液を用いて5分間浸漬処理を行い、100℃で30分間乾燥させた後、0.001Mルテニウムダイマーのベンゼン溶液を用いて5分間浸漬処理を行った。絶縁樹脂層の表面にUV照射装置を用いて、366nmの波長の紫外線を、10mW/cmの強度で60分間照射した。その後、絶縁樹脂層の表面を塩化メチレン洗浄して未反応ルテニウムダイマーを取り除いた。さらに、UV−YAGレーザを用いてビアホールの底部の金属を露出させた。
次に、ローム・アンド・ハース社製の無電解銅めっきプロセスで、パラジウム触媒を用いて無電解銅めっきを行い、0.5μmの無電解銅めっき膜を形成し、120℃で30分間熱処理を行った。その後、上述の実施例1と同様に配線形成を行い、ピール強度を測定した。ピール強度は1.2kgf/cmであった。このピール強度であれば十分実用に耐えるものであった。
(実施例3:図5に示す実施形態)
三菱ガス化学社製のBTレジン基板上に、本発明に係る絶縁樹脂層を形成する樹脂組成物に該当する半硬化状態の熱硬化性エポキシ樹脂シート(味の素(株)製ABFSH−9K(シリカフィラー12重量%)をラミネートし、180℃で30分間加熱し硬化させた。
次に、UVオゾン照射装置を用い、184.9nm、及び、253.7nmの波長の紫外線を、出力40Wで5分間照射してUVオゾン処理を行い、絶縁樹脂層の表面を改質した。改質後の絶縁樹脂層の表面をSEMで観察したところ十点平均表面粗さは1μmであった。改質した絶縁樹脂層の表面をXPSで分析した結果、水酸基およびカルボキシ基の生成が確認された。
次に、本発明に係るシラン化合物である、ジメチルエトキシシラン化合物(Gelest製)の1重量%メタノール溶液を用いて5分間浸漬処理を行い、100℃で30分間乾燥させた。その後0.001Mルテニウムダイマーのベンゼン溶液を用いて5分間浸漬処理した。次に、パターンマスクを用いて、基板面にUV照射装置を用い、366nmの波長の紫外線を、10mW/cmの強度で60分間照射し、絶縁樹脂層の表面を塩化メチレン洗浄して、未反応ルテニウムダイマーを取り除いた。
次に、ローム・アンド・ハース社製の無電解銅めっきプロセスで、パラジウム触媒を用いて無電解銅めっきを行い、0.5μm厚の無電解銅めっき膜を形成し、120℃、30分の熱処理を行った。
次に、無電解銅めっき膜を通電層として、硫酸銅五水和物を50〜100g/L、硫酸を150〜300g/L、塩素イオンを30〜100mg/L、光沢剤や平滑剤等の添加剤を0.1〜2重量%の濃度で含む電解銅めっき液を用い、電流密度を3A/dmとして電解銅めっきを行い、20μm厚の銅めっき層を形成した。
銅めっき層は配線パターンのとおりに形成され、剥離強度は実用上十分耐えるものであった。
(比較例1)
UVオゾン処理による絶縁樹脂層表面の改質を除いて、全て実施例1と同様の処理を試みた。その結果、無電解銅めっき処理時に既に絶縁樹脂層からの剥離が生じ、無電解銅めっき膜の生成に至らなかった。
以上の如く、本発明の上述の実施形態による回路基板の製造方法を用いることにより、平滑な表面の絶縁樹脂層と配線層であっても密着性に優れた回路基板を製造することができる。
以上のように、本明細書は以下の発明を開示する。
(付記1)
絶縁樹脂層と該絶縁樹脂層上に形成された配線層とを有する回路基板の製造方法であって、
前記絶縁樹脂層の表面にSi−H基を付加し、
該Si−H基を付加した表面を金属カルボニル化合物で処理して、樹脂/金属直接共有結合(Si−金属結合)を生成する
ことを特徴とする回路基板の製造方法。
(付記2)
付記1記載の回路基板の製造方法であって、
前記Si−H基を付加する工程は、前記絶縁樹脂層の前記表面を酸化してOH基を生成し、該OH基を生成した前記表面をSi−H基を有するシラン化合物により処理することを含むことを特徴とする回路基板の製造方法。
(付記3)
付記2記載の回路基板の製造方法であって、
前記絶縁樹脂層の前記表面の酸化は、UVオゾン処理法、酸素プラズマ処理法及びオゾン水浸漬法のうちの一つの方法で行うことを特徴とする回路基板の製造方法。
(付記4)
付記2記載の回路基板の製造方法であって、
前記シラン化合物として化学式
Figure 0004905318
で表されるシラン化合物を用いることを特徴とする回路基板の製造方法。
(付記5)
付記1記載の回路基板の製造方法であって、
前記樹脂/金属直接共有結合(Si−金属)を生成する工程は、前記金属カルボニル化合物で処理した表面に紫外線を照射することを含むことを特徴とする回路基板の製造方法。
(付記6)
付記5記載の回路基板の製造方法であって、
前記金属カルボニル化合物で処理した表面の全面に紫外線を照射することを特徴とする回路基板の製造方法。
(付記7)
付記6記載の回路基板の製造方法であって、
前記カルボニル化合物として化学式
Figure 0004905318
で表される金属カルボニル化合物を用いることを特徴とする回路基板の製造方法。
(付記8)
付記5記載の回路基板の製造方法であって、
前記金属カルボニル化合物で処理した表面にパターン状に紫外線を照射することを特徴とする回路基板の製造方法。
(付記9)
付記8記載の回路基板の製造方法であって、
前記パターン状に紫外線を照射した表面を
Figure 0004905318
で表されるシラン化合物で処理し、前記表面に親水性の領域と疎水性の領域を形成することを特徴とする回路基板の製造方法。
(付記10)
付記1記載の回路基板の製造方法であって、
前記絶縁樹脂層の表面に樹脂/金属直接共有結合(Si−金属)を生成した後、パラジウム触媒を用いて前記表面に無電解めっき膜を形成し、
該無電解めっき膜状に金属電気めっき膜を形成する
ことを特徴とする回路基板の製造方法。
本発明の一実施形態による回路基板の製造工程を示す図である。 絶縁樹脂層の表面にOH基が付与された状態を示す図である。 絶縁樹脂層の表面にSi−H基が生成された状態を示す図である。 絶縁樹脂層の表面全体にSi−金属結合(Si−M)が生成された状態を示す図である。 本発明の他の実施形態による回路基板の製造工程を示す図である。 絶縁樹脂層の表面に配線パターンと同じパターンでSi−金属結合が生成された状態を示す図である。 絶縁樹脂層の表面に親水領域と疎水領域とが形成された状態を示す図である。
符号の説明
1 支持基板
2 配線層
3 樹脂絶縁層
4 官能基
5 Si−H基
6 Si−金属結合
7 無電解銅めっき層
8 レジスト
9 電気銅めっき層

Claims (5)

  1. 絶縁樹脂層と該絶縁樹脂層上に形成された配線層とを有する回路基板の製造方法であって、
    前記絶縁樹脂層の表面にSi−H基を付加し、
    該Si−H基を付加した表面を金属カルボニル化合物で処理して、樹脂/金属直接共有結合(Si−金属結合)を生成する
    ことを特徴とする回路基板の製造方法。
  2. 請求項1記載の回路基板の製造方法であって、
    前記Si−H基を付加する工程は、前記絶縁樹脂層の前記表面を酸化してOH基を生成し、該OH基を生成した前記表面をSi−H基を有するシラン化合物により処理することを含むことを特徴とする回路基板の製造方法。
  3. 請求項2記載の回路基板の製造方法であって、
    前記シラン化合物として化学式
    Figure 0004905318
    で表されるシラン化合物を用いることを特徴とする回路基板の製造方法。
  4. 請求項1記載の回路基板の製造方法であって、
    前記樹脂/金属直接共有結合(Si−金属)を生成する工程は、前記金属カルボニル化合物で処理した表面に紫外線を照射することを含むことを特徴とする回路基板の製造方法。
  5. 請求項4記載の回路基板の製造方法であって、
    前記金属カルボニル化合物で処理した表面にパターン状に紫外線を照射することを特徴とする回路基板の製造方法。
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