JP2008292896A - 偏光機能を有する光学素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】フロントプロジェクター、リアプロジェクターなどの投射型液晶表示装置に好適な光学素子であり、偏光子の一方の面の側にダイクロイックプリズム等の光学機能性部材が接合され、もう一方の面には透明基板が接合された光学素子であって、高い耐光性を示す偏光子を有する光学素子を提供する。
【解決手段】偏光子の一方の面の側に光学機能性部材が接合され、もう一方の面には透明基板が接合され、偏光子の光学機能性部材または透明基板に覆われていない露出部が樹脂で覆われていることを特徴とする光学素子。
【選択図】図1
【解決手段】偏光子の一方の面の側に光学機能性部材が接合され、もう一方の面には透明基板が接合され、偏光子の光学機能性部材または透明基板に覆われていない露出部が樹脂で覆われていることを特徴とする光学素子。
【選択図】図1
Description
本発明は、フロントプロジェクター、リアプロジェクターなどの投射型液晶表示装置に好適な光学素子に関する。
大画面化に対応するために、従来のブラウン管型の表示装置に代わり、投射型液晶表示装置が業務用及び家庭用に急速に普及しつつある。
投射型とは、光源からの光をRGBの三原色に分離した後、それぞれの光をそれぞれの光路において、数インチの偏光板及び液晶表示パネルなどを通過させ、投射レンズでスクリーン上にて拡大させ、数十インチ以上の画像を表示する方式である。投射型液晶表示装置は、観察者の方からスクリーンに投射されるフロントプロジェクターが主に業務用として用いられ、観察者に対してスクリーンの裏側から投射されるリアプロジェクターが主に家庭用とて用いられている。
一方、表示画像の明るさ向上を目的とした高輝度ランプの採用、および投射型液晶表示装置のコンパクト化などによる液晶表示パネルの更なる小面積化により、光路中の偏光子の単位面積当たりの入射光量が増加し、偏光子が光を吸収することにより温度が大きく上昇する。この偏光子への強い光の照射およびそれに伴う偏光子の温度上昇により、偏光子の光学特性は経時的に低下し、投射型液晶表示装置の長寿命化の阻害要因となっている。このように投射型液晶表示装置の高輝度化、長寿命化を目的として、投射型液晶表示装置に使用される偏光子には強い光の照射およびそれに伴う偏光子の温度上昇により光学特性が低下しない特性、すなわち耐光性の更なる向上が望まれている。
最近、偏光子及び保護フィルムを含む偏光フィルムと放熱効果の高い透明基板とを接合した偏光板が、該偏光子から発生する熱を該透明基板から放熱させて、該偏光子を低温化させ、偏光子の耐光性を向上させることが報告されている。例えば、透明基板に放熱効果の高いサファイアガラスを用いることが特許文献1に開示されている。
特許文献2では偏光子をガラスからなる透明基板とダイクロイックプリズムとの間に挟んで接着してなる光学素子が提案されている。
投射型液晶表示装置については、コンパクト化などにより偏光子及び液晶表示パネルについても小面積化が求められており、そうすると光路中の偏光子は単位面積当たりの入射光量が増加することになる。画面の高輝度化の要望から投射型液晶表示装置についても、その光量は一段と高くなる傾向があり、さらに高い耐光性を示す偏光子を有する光学素子が求められていた。
そこで本発明の目的は、高い耐光性を示す偏光子を有する光学素子を提供することである。
そこで本発明の目的は、高い耐光性を示す偏光子を有する光学素子を提供することである。
上記の課題を解決し、目的を達成するために、本発明者らは光学素子の構成について鋭意検討し、偏光子と光学機能性部材と透明基板を有してなり、偏光子の光学機能性部材または透明基板に覆われていない露出部が樹脂で覆われている光学素子は、従来よりさらに高い耐光性を示す偏光子を有する光学素子となることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の[1]〜[7]を提供する。
[1]偏光子の一方の面の側に光学機能性部材が接合され、もう一方の面には透明基板が接合され、偏光子の光学機能性部材または透明基板に覆われていない露出部が樹脂で覆われている光学素子。
[2]光学機能性部材と偏光子の間にさらに透明基板を配置した[1]に記載の光学素子。
[3]光学機能性部材と偏光子の間に接着層を含めた複数の樹脂層のみを配置した[1]に記載の光学素子。
[4]樹脂層の厚みが1μm以上30μm以下である[3]に記載の光学素子。
[5]該透明基板が、熱伝導率が5W/mK以上の材料から成る[1]〜[4]のいずれかに記載の光学素子。
[6]光学機能性部材がダイクロイックプリズムである[1]〜[5]のいずれかに記載の光学素子。
[7][1]〜[6]のいずれかに記載の光学素子を有する投射型液晶表示装置。
[1]偏光子の一方の面の側に光学機能性部材が接合され、もう一方の面には透明基板が接合され、偏光子の光学機能性部材または透明基板に覆われていない露出部が樹脂で覆われている光学素子。
[2]光学機能性部材と偏光子の間にさらに透明基板を配置した[1]に記載の光学素子。
[3]光学機能性部材と偏光子の間に接着層を含めた複数の樹脂層のみを配置した[1]に記載の光学素子。
[4]樹脂層の厚みが1μm以上30μm以下である[3]に記載の光学素子。
[5]該透明基板が、熱伝導率が5W/mK以上の材料から成る[1]〜[4]のいずれかに記載の光学素子。
[6]光学機能性部材がダイクロイックプリズムである[1]〜[5]のいずれかに記載の光学素子。
[7][1]〜[6]のいずれかに記載の光学素子を有する投射型液晶表示装置。
本発明の光学素子は、従来よりさらに高い耐光性を示す偏光子を有する光学素子であるので、フロントプロジェクター、リアプロジェクターなどの投射型液晶表示装置に好適であり、投射型液晶表示装置の長寿命化に大きく貢献できるので、工業的に極めて有用である。
本発明の光学素子は、偏光機能を有する偏光子が光学機能性部材、例えばダイクロイックプリズムと一体化することにより、投射型液晶表示装置内のレッド、グリーン、ブルーの三チャンネルの偏光子が同等な温度になり、長年の使用で偏光子に色あせが起こっても、三チャンネルが同等なレベルになり、色合いの変化が起こりにくい。また、本発明により、三チャンネルの偏光機能をダイクロイックプリズムに付与することになり、チャンネル毎に偏光板を設置することより、光軸合わせなど調節の手間が省ける。
本発明の光学素子は、偏光機能を有する偏光子が光学機能性部材、例えばダイクロイックプリズムと一体化することにより、投射型液晶表示装置内のレッド、グリーン、ブルーの三チャンネルの偏光子が同等な温度になり、長年の使用で偏光子に色あせが起こっても、三チャンネルが同等なレベルになり、色合いの変化が起こりにくい。また、本発明により、三チャンネルの偏光機能をダイクロイックプリズムに付与することになり、チャンネル毎に偏光板を設置することより、光軸合わせなど調節の手間が省ける。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の光学素子は、偏光子の一方の面の側に光学機能性部材が接合され、もう一方の面には透明基板が接合され、偏光子の光学機能性部材または透明基板に覆われていない露出部が樹脂で覆われていることを特徴とする。
本発明の光学素子は、偏光子の一方の面の側に光学機能性部材が接合され、もう一方の面には透明基板が接合され、偏光子の光学機能性部材または透明基板に覆われていない露出部が樹脂で覆われていることを特徴とする。
本発明において光学機能性部材とは、光学的な機能を有する部材であり、例えばダイクロイックプリズム(以下「合成プリズム」ということがある。)、レンズ、ダイクロイックミラーなどが挙げられる。
本発明の光学素子は、偏光子を光学機能性部材と透明基材に薄い樹脂層を介して接合することにより偏光子で発生する熱を効率よく透明基材に伝導させて低温化し、偏光子を樹脂、光学機能性部材および透明基材で被覆することにより空気中から偏光子への水分の浸入を防止して、偏光子の耐光性を向上させることができるものと思われる。且つ偏光子を光学機能性部材と一体化することにより、本発明の光学素子は、投射型液晶表示装置のコンパクト化に対応するものである。
本発明の光学素子において、透明基板としては熱伝導率が5W/mK以上の材料から成る透明基板が好ましい。
本発明の光学素子としては、光学機能性部材と偏光子の間に接着層を含めた複数の樹脂層のみを配置したものが好ましく、樹脂層の厚みが1μm以上30μmであるものがさらに好ましい。そして、光学機能性部材と偏光子の間にさらに透明明基板を配置したものが好ましく、生産の便宜上、あらかじめ偏光子の両面に透明基板を接合させてから、一方の透明基板をプリズムに接合させることもできる。
以下の説明は光学機能性部材として合成プリズムを用いて記述するが、実際は合成プリズムには限らない。また図1〜6には本発明の光学素子の代表的な構成を示しているが、本発明はこれらの構成の光学素子に限られたものではない。図1〜6には、偏光素子の構造を合成プリズムの一面にしか示していないが、実際は、合成プリズムの二面または三面に偏光素子を付けることもできる。また、前述した生産の便宜上、偏光子を両面基板化した後に合成プリズムに接合させる構造を図7〜12に示す。図7〜12の構造は図1〜6に基本的に同様であるため、以下は図1〜6を用いて説明する。
図1は本発明の光学素子の構成を説明するものである。偏光子が合成プリズムに樹脂層(a)を介し接合され、熱伝導率の5W/mK以上の透明基板(例えばサファイア等の熱伝導率が5W/mK以上の材料からなる透明基板)と偏光子の間に樹脂層(b)及び(c)の2層が形成される。偏光子の端面(光学機能性部材または透明基板に覆われていない露出部)及び樹脂層(a)、(b)及び(c)の端面が封止材によって被覆される。
また、図2で示すように、偏光子が樹脂層(a)を介し合成プリズムに接合され、熱伝導率の5W/mK以上の透明基板と偏光子の間に樹脂層(b)及び(c)の2層が形成され、偏光子の端面が、樹脂層(b)で覆われ、樹脂層(b)と樹脂層(c)の端面が封止材で被覆されていても良い。
また、図3で示すように、偏光子と合成プリズムの間に樹脂層(a)及び(b)の2層が形成され、偏光子と熱伝導率の5W/mK以上の透明基板の間に樹脂層(b)と(c)の2層が形成され、偏光子の端面が樹脂層(b)で被覆され、樹脂層(a)、(b)、(c)の端面が封止材によって被覆されていても良い。
また、図4で示すように、偏光子が偏光に樹脂層(a)を介し接合され、熱伝導率の5W/mK以上の透明基板と偏光子の間に樹脂層(b)及び封止材の2層が形成され、偏光子の端面と樹脂層(a)及び(b)の端面が封止材によって被覆されていても良い。
また、図5に示すように、偏光子が樹脂層(a)を介し合成プリズムに接合され、熱伝導率の5W/mK以上の透明基板と偏光子の間に樹脂層(b)及び封止材の2層が形成され、偏光子および樹脂層(a)の端面が、樹脂層(b)で覆われ、樹脂層(b)の端面が封止材で被覆されていても良い。
また、図5に示すように、偏光子が樹脂層(a)を介し合成プリズムに接合され、熱伝導率の5W/mK以上の透明基板と偏光子の間に樹脂層(b)及び封止材の2層が形成され、偏光子および樹脂層(a)の端面が、樹脂層(b)で覆われ、樹脂層(b)の端面が封止材で被覆されていても良い。
また、図6で示すように、偏光子と合成プリズムの間に樹脂層(a)及び(b)の2層が形成され、偏光子と熱伝導率の5W/mK以上の透明基板の間に樹脂層(b)と封止材の2層が形成され、偏光子の端面が樹脂層(b)で被覆され、樹脂層(a)および(b)の端面が封止材によって被覆されていてもよい。
本発明の偏光機能を有する光学素子に使用される偏光子とは、ある方位の電場を吸収し、それに垂直な方位の電場を透過することにより直線偏光を作り出す機能を有するものであり、具体的には、ポリビニルアルコール系の樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、エチレン/酢酸ビニル(EVA)樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等の偏光子基材に、二色性染料又はヨウ素を吸着配向されたものである。
ここで、ポリビニルアルコール系の樹脂には、ポリ酢酸ビニルの部分又は完全ケン化物であるポリビニルアルコール;ケン化EVA樹脂などの酢酸ビニルと他の共重合可能な単量体(例えば、エチレンやプロピレンのようなオレフィン類、クロトン酸やアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸のような不飽和カルボン酸類、不飽和スルホン酸類、ビニルエーテル類等)との共重合体のケン化物;ポリビニルアルコールをアルデヒドで変性したポリビニルホルマールやポリビニルアセタール等が包含される。偏光子基材としては、ポリビニルアルコール系の樹脂のフィルム、特にポリビニルアルコール自体のフィルムが、染料の吸着性及び配向性の観点から好適に用いられる。
偏光子基材に吸着配向されるものとしては、耐光性の観点から二色性染料が好ましい。波長依存性の異なる染料を用いることにより、投射型液晶表示装置のブルーチャンネル用グリーンチャンネル用、レッドチャンネル用に、それぞれの偏光子の作製が可能である。
二色性染料としては、「液晶表示装置用二色性色素の開発」(栢根ら、住友化学、2002−II、23〜30頁)に記載されている化合物が挙げられる。
二色性染料としては、「液晶表示装置用二色性色素の開発」(栢根ら、住友化学、2002−II、23〜30頁)に記載されている化合物が挙げられる。
(式(I)中、Meは銅原子、ニッケル原子、亜鉛原子および鉄原子から選ばれる金属原子を示す。A1は置換されていてもよいフェニル基または置換されていてもよいナフチル基を示す。B1は置換されていてもよいナフチル基を示し、Meに結合している酸素原子と−N=N−で示されるアゾ基とは、ベンゼン環上の炭素が互いに隣接位置にある炭素に結合している。R1およびR2はそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、カルボキシル基、スルホキシ基、スルホンアミド基、スルホンアルキルアミド基、アミノ基、アシルアミノ基、ハロゲン原子またはニトロ基を示す。)
で示される二色性染料が挙げられる。
で示される二色性染料が挙げられる。
(式(II)中、A3およびB3はそれぞれ独立に置換されていてもよいフェニル基または置換されていてもよいナフチル基を示し、R3およびR4はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、カルボキシル基、スルホキシ基、スルホンアミド基、スルホンアルキルアミド基、アミノ基、ハロゲン原子またはニトロ基を示し、mは0または1を示す。)
で示される二色性染料が挙げられる。
で示される二色性染料が挙げられる。
また、遊離酸の形で式(III)
Q1−N=N−Q2−X−Q3−N=N−Q4 (III)
〔式(III)中、Q1およびQ4はそれぞれ独立に置換されていてもよいフェニル基または置換されていてもよいナフチル基を示し、Xは化学式(III−1)
Q1−N=N−Q2−X−Q3−N=N−Q4 (III)
〔式(III)中、Q1およびQ4はそれぞれ独立に置換されていてもよいフェニル基または置換されていてもよいナフチル基を示し、Xは化学式(III−1)
で示される2価の残基を示す。Q2およびQ3はそれぞれ独立に置換されていてもよいフェニレン基をしめす。〕
で示される二色性染料が挙げられる。
で示される二色性染料が挙げられる。
〔式(IV)中、Meは銅原子、ニッケル原子、亜鉛原子および鉄原子から選ばれる金属原子を示し、Q5およびQ6はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいナフチル基を示し、Meと結合している酸素原子と−N=N−で示されるアゾ基とは、ベンゼン環上の炭素が互いに隣接位置にある炭素に結合している。Yは式(IV−1)
で示される2価の残基を示す。R5およびR6はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基またはスルホキシ基を示す。〕
で示される二色性染料が挙げられる。
で示される二色性染料が挙げられる。
また、シ−・アイ・ダイレクト・イエロ−12、シ−・アイ・ダイレクト・レッド31、シ−・アイ・ダイレクト・レッド28、シ−・アイ・ダイレクト・イエロ−44、シ−・アイ・ダイレクト・イエロ−28、シ−・アイ・ダイレクト・オレンジ107、シ−・アイ・ダイレクト・レッド79、シ−・アイ・ダイレクト・レッド2、シ−・アイ・ダイレクト・レッド81、シ−・アイ・ダイレクト・オレンジ26、シ−・アイ・ダイレクト・オレンジ39、シ−・アイ・ダイレクト・レッド247およびシ−・アイ・ダイレクト・イエロ−142からなる群で示されるカラー・インデックス・ジェネリック・ネーム(Color Index Generic Name)で表わされる二色性染料などが挙げられる。
二色性染料は、遊離酸の形で用いられてもよいし、アンモニウム塩、エタノールアミン塩、アルキルアミン塩などのアミン塩の形で用いられてもよいが、通常、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩の形で用いられる。
かかる二色性染料はそれぞれ単独または2種以上を組み合わせて用いられる。
偏光子の製造方法としては以下の方法を例示することができる。
まず、二色性染料を0.0001〜10重量%程度の濃度となるように水に溶解して染浴を調製する。必要により染色助剤を用いてもよく、例えば、芒硝を染浴中で0.1〜10重量%用いる方法が好適である。
まず、二色性染料を0.0001〜10重量%程度の濃度となるように水に溶解して染浴を調製する。必要により染色助剤を用いてもよく、例えば、芒硝を染浴中で0.1〜10重量%用いる方法が好適である。
このようにして調製した染浴に偏光子基材を浸漬し染色を行なう。染色温度は、好ましくは40〜80℃である。染料の配向は、染色の前の偏光子基材または染色された偏光子基材を延伸することによって行われる。延伸する方法としては、例えば、湿式法または乾式法等で延伸する方法等が挙げられる。
偏光子の光線透過率、偏光度及び耐光性を向上させる目的で、ホウ酸処理等の後処理を施してもよい。ホウ酸処理は、用いる偏光子基材の種類や用いる染料の種類によって異なるが、通常1〜15重量%好ましくは5〜10重量%範囲の濃度に調製されたホウ酸水溶液中に、30〜80℃、好ましくは50〜80℃の温度範囲で偏光子基材を浸漬して行う。更に必要に応じてカチオン系高分子化合物を含む水溶液中に偏光子基材を浸漬してフィックス処理を併せて行ってもよい。
本発明において、偏光子の水分含有量は、2重量%以下、好ましくは1重量%以下である場合が好ましい。水分含有量が2重量%以下であると、PVAに二色性染料を添加して作製した偏光子では、染料の分解が著しく抑制され、得られる偏光板の耐光性を大きく向上させることができる。
具体的な偏光子の水分含有量の測定方法は、該偏光子が曝露された状態で130℃×30分間、通風乾燥して得られた減量の割合を求める方法である。
すなわち、偏光子の重量(W1)を測定し、偏光子が曝露された状態で130℃×30分間、通風乾燥して得られた偏光板の重量(W2)を求めれば、
(水分含有量,%)=[(W1−W2)/W1]×100
によって求めることができる。
(水分含有量,%)=[(W1−W2)/W1]×100
によって求めることができる。
偏光子の水分含有量を2重量%以下に調整するためには、偏光子を110℃以下の雰囲気下で乾燥すればよい。乾燥温度としては、40〜110℃の温度範囲が好ましく、50〜100℃の温度範囲がさらに好ましい。40℃以上とすることにより比較的短時間で乾燥を終了することができ、110℃以下とすることにより粘着材、接着剤の劣化や偏光子の光学特性の劣化を抑えることができる。この乾燥工程は、偏光子に透明基板が全く接合されていない段階でもよいし、偏光子の片面または両面に透明基板が接合された後の段階でもよいが、片面に透明基板が接合された状態で乾燥することが、フィルムの平坦性を維持することができ、偏光子の透明基板を接合していない面からの水分除去が迅速に行われるためより好ましい。さらにこの場合、乾燥後の透明基板側からの水分の浸入がなく、偏光子の乾燥状態を維持しやすいというメリットもある。さらに好ましくは片面に透明基板が接合された状態で透明基板が接合されていないもう一方の偏光子面に樹脂層が付与されている構成である。この場合乾燥工程におけるクラック等の偏光子の破損を防止でき、歩留まりを向上させることが出来ることから好ましい。
乾燥方法としては、加熱乾燥法又は減圧乾燥法などが例示される。加熱乾燥法の具体例としては、例えば、加熱オーブンへの投入する方法、例えば、偏光子に光を照射して、偏光子の光の吸収による偏光子自体の発熱を利用する方法などが挙げられる。量産プロセスにおいては設備の簡易性からオーブン又は光照射による加熱乾燥法が好ましい。
両面に透明基板を接合しただけの構成では、耐光性評価において偏光度の低下や吸収軸方向の透過率の上昇などが発生し、良好な耐光性を維持できないことが判明した。これは、偏光子の光学機能性部材または透明基板に覆われていない露出部は大気に露出しているのでその露出部から水分が偏光子内に浸入し、偏光子の劣化を促進させているためである。本発明の光学素子では、偏光子の露出部は樹脂で被覆され、大気中からの水分の吸収を抑制できる構成を持つため、耐光性が著しく向上するのである。このとき用いられる樹脂を封止材と呼ぶ。すなわち封止材とは本発明の光学素子において、空気と接している樹脂層のことである。
封止材の種類は、例えば、封止時には流動性を有し、封止後には硬化して封止機能を持つもの、例えば、熱収縮フィルムや熱接着フィルムのように、フィルム状のものを挿入して、封止機能を持たせるものなどが挙げられる。封止時に流動性を有するものとしては、エチレン・酢酸ビニル・酸無水物共重合体(例えば、BYNEL(登録商標、デュポン社)などのポリオレフィン系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤(例えば、ビスフェノールA型オルトクレゾールノボラック型)、ウレタン樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤などの熱硬化性接着剤、シリル基末端ポリエーテルを有する変成シリコーン樹脂などの再湿性接着剤、アクリル樹脂などの紫外線硬化性接着剤等の光硬化性接着剤などが例示される。
また、紫外線硬化性接着剤及び熱硬化性接着剤は取扱いが容易であることから好ましく、とりわけ、紫外線硬化性接着剤が、硬化速度が速いため好ましい。
また、紫外線硬化性接着剤及び熱硬化性接着剤は取扱いが容易であることから好ましく、とりわけ、紫外線硬化性接着剤が、硬化速度が速いため好ましい。
偏光子の機械的な強度を補強するため、偏光子の透明基板に隣接する側の反対側に保護層を設けることが好ましい。また、前述した乾燥及び封止工程において、保護層が生産製造時の水分再浸入を防ぐ役割もあるので、保護層の設けが好ましい。
保護層が紫外線硬化性樹脂または熱硬化性樹脂である場合は、前記の封止材と同様なものを使用すれば良い。
本発明の光学素子の透明基板において、熱伝導率が5W/mK以上の材質ものを用いることが好ましい。熱伝導率が5W/mK以上であると、偏光子で発生する熱を効率よく放熱し、偏光子を低温化して偏光子の耐光性を向上させることが出来る。透明基板の材質としては無機透明材料であり、具体的には、珪酸塩ガラス、ホウ珪酸塩ガラス、チタン珪酸塩ガラス、溶融石英(石英ガラス)、水晶、サファイア、YAG結晶、蛍石などが例示できる。
透明基板の厚さとしては、工業化する場合の歩留まりや適用するプロジェクター光学系とのサイズ的なマッチングの観点から、0.05mm〜3mmが好ましく、更に好ましくは0.08〜2mmである。0.05mm以上の厚さであると加工時にガラスの破損が抑制され、安定的に製造できるため好ましく、また、3mm以下であると得られる光学素子を小型化、軽量化できるため好ましい。
偏光子の両面に貼合された透明基板の空気と接する面には使用する光の波長に応じた反射防止処理が施されていることが望ましい。反射防止処理としては、例えば、スパッタ法や真空蒸着法による誘電体多層膜によるもの、コーティングによる一層以上の低屈折率層の付与などによる方法が挙げられる。さらに反射防止面には表面に汚れが付着することを防止するための防汚処理が付与されていても良い。これは例えば反射防止性能にほとんど影響を与えない程度の薄膜層でフッ素を含む薄膜層を表面に付与することで可能となる。
本発明の光学素子は、例えば、投射型液晶表示装置(プロジェクター)に用いられる。その詳細を図13に示すリアプロジェクターの光学系を例に説明する。本発明の光学素子は図13の150として例示されている。
高圧水銀ランプ111を光源とする光線束は、まずは第1のレンズアレイ112、第2のレンズアレイ113、偏光変換素子114、重畳レンズ115により反光線束断面での輝度の均一化と偏光化が行われる。
具体的には光源111から出射された光線束は、微小なレンズ112aがマトリクス状に配置された第1のレンズアレイ112によって多数の微小な光線束に分割される。第2のレンズアレイ113及び重畳レンズ115は、分割された光線束のそれぞれが、照明対象である3つのLCDパネル140R,140G,140Bの全体を照射するように備えられており、このため、各LCDパネル入射側表面は全体がほぼ均一な照度となる。
高圧水銀ランプ111を光源とする光線束は、まずは第1のレンズアレイ112、第2のレンズアレイ113、偏光変換素子114、重畳レンズ115により反光線束断面での輝度の均一化と偏光化が行われる。
具体的には光源111から出射された光線束は、微小なレンズ112aがマトリクス状に配置された第1のレンズアレイ112によって多数の微小な光線束に分割される。第2のレンズアレイ113及び重畳レンズ115は、分割された光線束のそれぞれが、照明対象である3つのLCDパネル140R,140G,140Bの全体を照射するように備えられており、このため、各LCDパネル入射側表面は全体がほぼ均一な照度となる。
偏光変換素子114は、通常、偏光ビームスプリッタアレイにより構成され、第2のレンズアレイ113と重畳レンズ115との間に配置される。これにより光源からのランダム偏光をあらかじめ特定の偏光方向を有する偏光光に変換し、後述する入射側偏光板での光量損失を低減して、画面の輝度を向上させる役割を果たしている。
輝度の均一化と偏光化された光は反射ミラー122を経由してRGBの3原色に分離するためのダイクロイックミラー121,123及び反射ミラー132により順次、レッドチャンネル、グリーンチャンネル、ブルーチャンネルに分離され、それぞれLCDパネル140R,140G,140Bに入射する。
LCDパネル140R,140G,140Bについて、その入射側にそれぞれ偏光板142が配置され、出射側に本発明の光学素子150が配置されている。
RGBの各光路において、光学素子150にはそれぞれ偏光機能を有する部分150R,150G,150Bが設けられている。各光路に配置される入射側偏光板142は、その吸収軸を光学素子150の偏光機能部分150R,150G,150Bに直行とした構成で配置され、各光路に配置される各LCDパネル140R,140G,140Bで画像信号により画素ごとに制御された偏光状態を光量に変換する機能を果たしている。
RGBの各光路において、光学素子150にはそれぞれ偏光機能を有する部分150R,150G,150Bが設けられている。各光路に配置される入射側偏光板142は、その吸収軸を光学素子150の偏光機能部分150R,150G,150Bに直行とした構成で配置され、各光路に配置される各LCDパネル140R,140G,140Bで画像信号により画素ごとに制御された偏光状態を光量に変換する機能を果たしている。
LCDパネル140R,140G,140Bの画像データに応じて画素毎に異なる透過率で入射光を透過させることによって作成された光学像は光学素子150により合成され、投写レンズ170によってスクリーン180に拡大投写される。
本発明の光学素子としては、偏光子の保護フィルムとして、トリアセチルセルロースを主成分とするフィルムを有さないものが好ましく、また偏光子の機械的な強度及びハンドリング性の観点から、偏光子と光学機能性部材との間に熱伝導を妨げない程度に薄く、硬化性樹脂またはフィルムからなる保護層を有するものが好ましい。
以下に実施例を示して本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限られたものではない。
(実施例1)
ポリビニルアルコールフィルム(クラレ社製VF−PX、以下、PVAという)を一軸延伸し、青色を吸収するポリアゾ系染料で染色し、乾燥させて、厚さ28μm、440nmにおける偏光度が99.9%、透過率が44.0%であるプロジェクターブルーチャンネル用の偏光子を得た。この偏光子をアクリル系紫外硬化性接着剤(アーデル社製 MO5)を介して、厚み0.5mm、熱伝導率40W/mKのサファイア基板(京セラ社製)を減圧下で貼合した。この際接着層の厚みは5μmであった。次に、偏光子の上面にシリコーン系紫外硬化性樹脂(ADEKA社製 FXV550)を塗布し硬化させ厚み10μmの樹脂層を形成した。この形態のまま、50℃のオーブンで72時間乾燥させ、偏光子の水分含有量を1.2重量%以下に調整した。そして、乾燥後、樹脂層の上面と合成プリズムをアクリル系紫外硬化性樹脂(アーデル社製 MO5)を用いて、減圧下で貼合する。この際合成プリズムと偏光子の間には、積層部が形成されその厚みは15μm程度となる。その後、偏光子の露出部を覆うように減圧下、封止材として熱硬化性エポキシ樹脂(セメダイン社製 EP582)を塗布し、硬化させて図1の概略図と同じ構成の光学素子を得る。なお、用いたサファイア基板の空気と接する面には真空蒸着による誘電体5層から成る反射防止処理を施した。
ポリビニルアルコールフィルム(クラレ社製VF−PX、以下、PVAという)を一軸延伸し、青色を吸収するポリアゾ系染料で染色し、乾燥させて、厚さ28μm、440nmにおける偏光度が99.9%、透過率が44.0%であるプロジェクターブルーチャンネル用の偏光子を得た。この偏光子をアクリル系紫外硬化性接着剤(アーデル社製 MO5)を介して、厚み0.5mm、熱伝導率40W/mKのサファイア基板(京セラ社製)を減圧下で貼合した。この際接着層の厚みは5μmであった。次に、偏光子の上面にシリコーン系紫外硬化性樹脂(ADEKA社製 FXV550)を塗布し硬化させ厚み10μmの樹脂層を形成した。この形態のまま、50℃のオーブンで72時間乾燥させ、偏光子の水分含有量を1.2重量%以下に調整した。そして、乾燥後、樹脂層の上面と合成プリズムをアクリル系紫外硬化性樹脂(アーデル社製 MO5)を用いて、減圧下で貼合する。この際合成プリズムと偏光子の間には、積層部が形成されその厚みは15μm程度となる。その後、偏光子の露出部を覆うように減圧下、封止材として熱硬化性エポキシ樹脂(セメダイン社製 EP582)を塗布し、硬化させて図1の概略図と同じ構成の光学素子を得る。なお、用いたサファイア基板の空気と接する面には真空蒸着による誘電体5層から成る反射防止処理を施した。
このように得られる光学素子を図13に示す耐光性評価装置のブルーチャンネル用の光路に投入し、劣化による光漏れの発生有無により耐光性を評価すると、良好な耐光性を示す(以下、この評価を初期評価という場合がある)。また、得られるサンプルを60℃、相対湿度90%の環境下に72時間放置し、その後同様に耐光性評価を行えば、光漏れの発生は見られない(以下、この評価を長期評価という場合がある)。
この時用いる耐光性評価装置はフィリップス社製の130Wの高圧水銀ランプを光源とし、偏光ビームスプリッタアレイやレンチキュラーレンズなど、リアプロジェクションTVの光学系と同様の光学系を有し偏光子への照射光量としては、1cm2当たり3.0Wのものである。
ここで光漏れとは、耐光性評価装置に投入後に起きる偏光子の劣化現象であり、吸収軸方向の透過率が上昇する現象である。評価対象の偏光子と正常な偏光子とをクロスニコルに配置した場合、本来透過率が低いはずのものが、そうではなく光が漏れて透過してくるためこのように表現している。
(実施例2)
実施例1と同様にして得た偏光子をアクリル系紫外硬化性接着剤(アーデル社製 MO5)を介して、厚み0.5mm、熱伝導率の8W/mKの水晶基板(京セラ社製)に減圧下で貼合した。この際接着層の厚みは5μmであった。次に、偏光子の上面および側面にシリコーン系紫外硬化性樹脂(ADEKA社製 FXV550)を塗布し、硬化させ厚み5μmの樹脂層を形成した。この形態のまま、60℃のオーブンで24時間乾燥させ、偏光子の水分含有量を1.2重量%以下に調整した。そして、乾燥後、樹脂層の上面と合成プリズムをエポキシ系紫外硬化性樹脂(ADEKA社製 KR695A)を用いて減圧下で貼し、図5に示す構成の光学素子を得る。用いたサファイア基板の空気と接する面には真空蒸着による誘電体5層から成る反射防止処理を施した。
実施例1と同様にして得た偏光子をアクリル系紫外硬化性接着剤(アーデル社製 MO5)を介して、厚み0.5mm、熱伝導率の8W/mKの水晶基板(京セラ社製)に減圧下で貼合した。この際接着層の厚みは5μmであった。次に、偏光子の上面および側面にシリコーン系紫外硬化性樹脂(ADEKA社製 FXV550)を塗布し、硬化させ厚み5μmの樹脂層を形成した。この形態のまま、60℃のオーブンで24時間乾燥させ、偏光子の水分含有量を1.2重量%以下に調整した。そして、乾燥後、樹脂層の上面と合成プリズムをエポキシ系紫外硬化性樹脂(ADEKA社製 KR695A)を用いて減圧下で貼し、図5に示す構成の光学素子を得る。用いたサファイア基板の空気と接する面には真空蒸着による誘電体5層から成る反射防止処理を施した。
このように得られる光学素子を図13に示す耐光性評価装置のブルーチャンネル用の光路に投入し、劣化による光漏れの発生有無により耐光性を評価すると、良好な耐光性を示す。また、得られるサンプルを60℃、相対湿度90%の環境下に72時間放置し、その後同様に耐光性評価を行えば、光漏れの発生は見られない。
(実施例3)
実施例1と同様にして得た偏光子をアクリル系紫外硬化性接着剤(アーデル社製 MO5)を介して、厚み0.5mm、熱伝導率の40W/mKのサファイア基板(京セラ社製)に減圧下で貼合した。この際接着層の厚みは5μmであった。次に、偏光子の上面にシリコーン系紫外硬化性樹脂(ADEKA社製 FXV550)を塗布し、硬化させ厚み5μmの樹脂層を形成した。この形態のまま、70℃のオーブンで10時間乾燥させ、偏光子の水分含有量を1.2重量%以下に調整した。乾燥後、樹脂層の上面と青板ガラスをエポキシ系紫外硬化性樹脂(ADEKA社製 KR695A)を用いて減圧下で貼合した。この際、青板ガラスと偏光子の間には、積層部が形成されその厚みは15μmであった。その後、偏光子の露出部を覆うように減圧下、封止材として熱硬化性エポキシ樹脂(セメダイン社製 EP582)を塗布し、硬化させた。そして、この両面透明基板形態の偏光素子を接着剤を介して合成プリズムに貼付ければ、図7に示す構成の光学素子が得られる。用いたサファイア基板の空気と接する面には真空蒸着による誘電体5層から成る反射防止処理を施した。
実施例1と同様にして得た偏光子をアクリル系紫外硬化性接着剤(アーデル社製 MO5)を介して、厚み0.5mm、熱伝導率の40W/mKのサファイア基板(京セラ社製)に減圧下で貼合した。この際接着層の厚みは5μmであった。次に、偏光子の上面にシリコーン系紫外硬化性樹脂(ADEKA社製 FXV550)を塗布し、硬化させ厚み5μmの樹脂層を形成した。この形態のまま、70℃のオーブンで10時間乾燥させ、偏光子の水分含有量を1.2重量%以下に調整した。乾燥後、樹脂層の上面と青板ガラスをエポキシ系紫外硬化性樹脂(ADEKA社製 KR695A)を用いて減圧下で貼合した。この際、青板ガラスと偏光子の間には、積層部が形成されその厚みは15μmであった。その後、偏光子の露出部を覆うように減圧下、封止材として熱硬化性エポキシ樹脂(セメダイン社製 EP582)を塗布し、硬化させた。そして、この両面透明基板形態の偏光素子を接着剤を介して合成プリズムに貼付ければ、図7に示す構成の光学素子が得られる。用いたサファイア基板の空気と接する面には真空蒸着による誘電体5層から成る反射防止処理を施した。
このように得られる光学素子を図13に示す耐光性評価装置のブルーチャンネル用の光路に投入し、劣化による光漏れの発生有無により耐光性を評価すると、良好な耐光性を示す。また、得られるサンプルを60℃、相対湿度90%の環境下に72時間放置し、その後同様に耐光性評価を行えば、光漏れの発生は見られない。
(比較例1)
実施例1と同様にして得られた偏光子の片面に、アクリル系紫外硬化性樹脂(アーデル社製 MO5)を用いて減圧下、厚み0.5mm、熱伝導率40W/mKのサファイア基板(京セラ社製)を貼合した。そして、乾燥プロセスを経ずに、他方の片面に合成プリズムをアクリル系紫外硬化性樹脂(アーデル社製 MO5)を用い接合すれば、側面が封止材で被覆されていない積層体を得る。この際、接着層の厚みは5μm程度となる。また、この積層体の側面は空気と接する構成である。なお、サファイア基板の空気と接する面には真空蒸着による誘電体5層から成る反射防止処理を施す。
実施例1と同様にして得られた偏光子の片面に、アクリル系紫外硬化性樹脂(アーデル社製 MO5)を用いて減圧下、厚み0.5mm、熱伝導率40W/mKのサファイア基板(京セラ社製)を貼合した。そして、乾燥プロセスを経ずに、他方の片面に合成プリズムをアクリル系紫外硬化性樹脂(アーデル社製 MO5)を用い接合すれば、側面が封止材で被覆されていない積層体を得る。この際、接着層の厚みは5μm程度となる。また、この積層体の側面は空気と接する構成である。なお、サファイア基板の空気と接する面には真空蒸着による誘電体5層から成る反射防止処理を施す。
このように得られた光学素子を図13に示す耐光性評価装置のブルーチャンネル用の光路に投入し、劣化による光漏れの発生有無により耐光性を評価すれば、良好な耐光性を示さない。さらに、60℃、相対湿度90%の環境下に72時間放置し、その後同様に耐光性評価を行えば、劣化が急速に進行する。この結果を表1にまとめた。
(1):ダイクロイックプリズム(合成プリズム)
(2):透明基板(a)
(3):偏光子
(4):樹脂(a)
(5):樹脂(b)
(6):樹脂(c)
(7):封止材
(8):透明基板(b)
111:高圧水銀ランプ
112:第1レンズアレイ
113:第2レンズアレイ
114:偏光変換素子
115:重畳レンズ
121:レッドチャンネルダイクロイックミラー
122:反射ミラー
123:グリーンチャンネルダイクロイックミラー
132:ブルーチャンネル反射ミラー
134:ブルーチャンネル反射ミラー
135:コンデンサレンズ
136:レッドチャンネル反射ミラー
140B:ブルーチャンネル液晶パネル
140G:グリーンチャンネル液晶パネル
140R:レッドチャンネル液晶パネル
142:偏光板
150:偏光機能を有する光学素子
170:投射レンズ
180:スクリーン
(2):透明基板(a)
(3):偏光子
(4):樹脂(a)
(5):樹脂(b)
(6):樹脂(c)
(7):封止材
(8):透明基板(b)
111:高圧水銀ランプ
112:第1レンズアレイ
113:第2レンズアレイ
114:偏光変換素子
115:重畳レンズ
121:レッドチャンネルダイクロイックミラー
122:反射ミラー
123:グリーンチャンネルダイクロイックミラー
132:ブルーチャンネル反射ミラー
134:ブルーチャンネル反射ミラー
135:コンデンサレンズ
136:レッドチャンネル反射ミラー
140B:ブルーチャンネル液晶パネル
140G:グリーンチャンネル液晶パネル
140R:レッドチャンネル液晶パネル
142:偏光板
150:偏光機能を有する光学素子
170:投射レンズ
180:スクリーン
Claims (7)
- 偏光子の一方の面の側に光学機能性部材が接合され、もう一方の面には透明基板が接合され、偏光子の光学機能性部材または透明基板に覆われていない露出部が樹脂で覆われていることを特徴とする光学素子。
- 光学機能性部材と偏光子の間にさらに透明基板を配置した請求項1に記載の光学素子。
- 光学機能性部材と偏光子の間に接着層を含めた複数の樹脂層のみを配置した請求項1に記載の光学素子。
- 樹脂層の厚みが1μm以上30μm以下である請求項3に記載の光学素子。
- 該透明基板が、熱伝導率が5W/mK以上の材料から成る請求項1から4のいずれかに記載の光学素子。
- 光学機能性部材がダイクロイックプリズムである請求1〜5のいずれかに記載の光学素子。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の光学素子を有する投射型液晶表示装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2007140170A JP2008292896A (ja) | 2007-05-28 | 2007-05-28 | 偏光機能を有する光学素子 |
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