JP2008291307A - 金型の製造方法、金型用鋼材の製造方法、及び、金型用鋼材を用いた金型の製造方法 - Google Patents

金型の製造方法、金型用鋼材の製造方法、及び、金型用鋼材を用いた金型の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熱処理後に生ずる寸法変化が相対的に少ない金型の製造方法、金型用鋼材の製造方法、及び、金型用鋼材を用いた金型の製造方法を提供すること。
【解決手段】所定の組成を有する鋼材を第1焼入れ温度Tq1から12℃/min以上の第1冷却速度C1で冷却して前記鋼材を第1焼戻し指数λ1が2次硬化ピークの焼戻し指数λpeak1及び変寸率ピークの焼戻し指数λpeak2より大きくなるように焼戻しを行い、前記鋼材を粗加工し、所定の形状を有する金型とし、前記金型を第2焼入れ温度Tq2から12℃/min以上の第2冷却速度C2で冷却し、前記金型を第2焼戻し指数λ2が変寸率ピークの焼戻し指数λpeak2より小さくなり、かつ、前記第2焼戻し指数λ2における変寸率が前記第1焼戻し指数λ1における変寸率の±0.05%以内となるように焼戻しを行う金型の製造方法、金型用鋼材の製造方法、及び金型用鋼材を用いた金型の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、金型の製造方法、金型用鋼材の製造方法、及び、金型用鋼材を用いた金型の製造方法に関し、さらに詳しくは、耐摩耗性及び硬度が高く、熱処理後に生ずる寸法変化が相対的に少ない金型の製造方法、金型用鋼材の製造方法、及び、金型用鋼材を用いた金型の製造方法に関する。
製品の小型化、複合化、高性能化に伴い、年々、製品形状は複雑化し、かつ、製品に対して要求される寸法精度も高くなっている。それに伴い、このような製品を製造するための金型にもまた、形状の複雑化と高寸法精度化が求められるようになっている。この種の金型は、一般に、素材を金型形状に粗加工した後、熱処理(焼入れ焼戻し)を行い、仕上げ加工を行うことにより製造されている。金型の納期短縮や製作コストの低減という観点では、粗加工段階で可能な限り高精度で加工しておくことが重要となる。なぜなら、熱処理を行うと金型が高硬度となり、仕上げ加工が非常に困難となるためである。
しかしながら、熱処理は、金型に寸法変化を引き起こす。一般に、金型は、焼入れ時に膨張し、焼戻し時には、焼戻し温度が高くなるにつれて1度収縮した後、膨張し、再び収縮することが知られている。また、金型寸法が大きくなると、熱処理時に温度ムラが生じ、膨張率が部位によって異なる場合がある。そのため、粗加工段階で高精度な加工を行うと、仕上げ加工段階で矯正不能な寸法変化が生じるおそれがある。一方、これを回避するために、粗加工時の加工精度を下げると、仕上げ加工の工数が増大し、納期遅延と製作コストの増大を招く。
そこでこの問題を解決するために、従来から種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、質量%で、C:0.7〜1.6%未満、Si:0.5〜3.0%、Mn:0.1〜3.0%、P:0.05%未満、S:0.01〜0.12%、Cr:7.0から13.0%、Mo又はWの1種あるいは2種を(Mo+W/2):0.5〜1.7%、V:0.7%未満、Ni:0.3〜1.5%、Cu:0.1〜1.0%、Al:0.1〜0.7%を含む鋼を母材とし、作業面には硬質皮膜を有する冷間加工用金型が開示されている。
同文献には、Ni、Alは、2次硬化領域での焼戻し時に金属間化合物として析出することによって、収縮方向の変寸に働くので、残留オーステナイトの分解による膨張を相殺することができる点が記載されている。
また、特許文献2には、重量で、C:0.2〜2.6%、Si:2.0%以下、Mn:2.0%以下、Ni:1.0%以下、Cr:0.5〜15.0%、Mo:5.0%以下、及びV:5.0%以下を含有し、残部が実質上Feである合金組成を有し、焼入れ状態で残留オーステナイトが体積比で5〜30%を占める工具鋼を工具形状に成形したものを、0℃〜−200℃の温度に冷却するサブゼロ処理、及び500℃以下の温度における焼戻し処理を施した冷間工具鋼が開示されている。
同文献には、サブゼロ処理の温度が低くなるほど、焼戻し温度と変寸率との関係を表す曲線が上方に移動するので、サブゼロ処理の温度を選択することによって、金型を目標寸法に近づけるのが容易化する点が記載されている。
特開2006−28584号公報 特開2001−172748号公報
プラスチック成型用金型などの各種金型の製造に用いられる材料は、切削を加工容易化するために、球状化焼鈍を施した状態で出荷される場合と、使用硬度より低い状態(プリハードン状態)で出荷される場合とがある。後者の場合には、硬さを調質する熱処理が必要となる。代表的な熱処理は、焼入れ・焼戻し処理である。硬さが調質された材料は、金型形状に粗加工された後、再度、焼入れ・焼戻し処理が行われる。
しかしながら、加工の容易化を目的とする1回目の熱処理と、金型の高耐摩耗性化・高硬度化を目的とする2回目の熱処理は、一般に、熱処理条件が異なる。そのため、1回目の熱処理後に行われる粗加工段階で高精度の加工を行うと、矯正不能な寸法変化が生ずるおそれがある。一方、これを回避するために粗加工時の加工精度を下げると、仕上げ加工時の工数が増大する。
本発明は、プリハードン状態から金型を粗加工する場合において、高耐摩耗性化・高硬度化を目的とする2回目の熱処理後に生ずる寸法変化が相対的に少なく、しかも、耐摩耗性及び硬度が高い金型の製造方法、金型用鋼材の製造方法、及び、金型用鋼材を用いた金型の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る金型の製造方法は、
0.20≦C≦1.50mass%、
0.10≦Si≦1.10mass%、
0.20≦Mn≦0.60mass%、
0.01≦Cu≦0.20mass%、
0.01≦Ni≦0.25mass%、
5.0≦Cr≦18.0mass%、
0.05≦Mo≦2.5mass%、
0.05≦V≦1.10mass%、
0.01≦Nb≦0.25mass%、
0.01≦N≦0.15mass%
を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼材をAc3点以上の第1焼入れ温度Tq1で保持し、前記第1焼入れ温度Tq1から100℃までを12℃/min以上の第1冷却速度C1で冷却する第1焼入れ工程と、
前記鋼材を、第1焼戻し指数λ1が2次硬化ピークの焼戻し指数λpeak1及び変寸率ピークの焼戻し指数λpeak2より大きくなるように、第1焼戻し温度T1及び第1焼戻し時間t1で焼戻しを行う第1焼戻し工程と、
前記鋼材を粗加工し、所定の形状を有する金型とする粗加工工程と、
前記金型を、Ac3点以上で、かつ、前記第1焼入れ温度Tq1±20℃である第2焼入れ温度Tq2で保持し、前記第2焼入れ温度Tq2から100℃までを12℃/min以上の第2冷却速度C2で冷却する第2焼入れ工程と、
前記金型を、第2焼戻し指数λ2が変寸率ピークの焼戻し指数λpeak2より小さくなり、かつ、前記第2焼戻し指数λ2における変寸率が前記第1焼戻し指数λ1における変寸率の±0.05%以内となるように、第2焼戻し温度T2及び第2焼戻し時間t2で焼戻しを行う第2焼戻し工程と、
を備えていることを要旨とする。
但し、λ=T{ln(t)+20} ・・・(1)
λ:焼戻し指数、T:焼戻し温度(K)、t:焼戻し時間(h)
また、本発明に係る金型用鋼材の製造方法は、
0.20≦C≦1.50mass%、
0.10≦Si≦1.10mass%、
0.20≦Mn≦0.60mass%、
0.01≦Cu≦0.20mass%、
0.01≦Ni≦0.25mass%、
5.0≦Cr≦18.0mass%、
0.05≦Mo≦2.5mass%、
0.05≦V≦1.10mass%、
0.01≦Nb≦0.25mass%、
0.01≦N≦0.15mass%
を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼材をAc3点以上の第1焼入れ温度Tq1で保持し、前記第1焼入れ温度Tq1から100℃までを12℃/min以上の第1冷却速度C1で冷却する第1焼入れ工程と、
前記鋼材を、第1焼戻し指数λ1が2次硬化ピークの焼戻し指数λpeak1及び変寸率ピークの焼戻し指数λpeak2より大きくなるように、第1焼戻し温度T1及び第1焼戻し時間t1で焼戻しを行う第1焼戻し工程と、
を備えていることを要旨とする。
但し、λ=T{ln(t)+20} ・・・(1)
λ:焼戻し指数、T:焼戻し温度(K)、t:焼戻し時間(h)
さらに、本発明に係る金型用鋼材を用いた金型の製造方法は、
本発明に係る方法により得られる金型用鋼材を粗加工することにより得られる金型を、Ac3点以上で、かつ、前記第1焼入れ温度Tq1±20℃である第2焼入れ温度Tq2で保持し、前記第2焼入れ温度Tq2から100℃までを12℃/min以上の第2冷却速度C2で冷却する第2焼入れ工程と、
前記金型を、第2焼戻し指数λ2が変寸率ピークの焼戻し指数λpeak2より小さくなり、かつ、前記第2焼戻し指数λ2における変寸率が前記第1焼戻し指数λ1における変寸率の±0.05%以内となるように、第2焼戻し温度T2及び第2焼戻し時間t2で焼戻しを行う第2焼戻し工程と、
を備えていることを要旨とする。
但し、λ=T{ln(t)+20} ・・・(1)
λ:焼戻し指数、T:焼戻し温度(K)、t:焼戻し時間(h)
所定の組成を有する鋼材を焼入れ・焼戻し処理すると、熱処理寸法は、焼戻し温度が高くなるにつれて収縮→膨張→収縮のサイクルを示し、膨張のピークを示す温度がある。また、焼戻し後の硬さも、ほぼ同様の挙動を示し、硬さのピークを示す温度がある。そのため、1回目の焼入れ後に、膨張のピーク及び硬さのピークを越えるような焼戻し条件下(すなわち、第1焼戻し指数λ1>2次硬化ピークの焼戻し指数λpeak1、変寸率ピークの焼戻し指数λpeak2となる条件下)であって、特定の硬度が得られる条件下で1回目の焼戻しを行うと、鋼材を加工が容易な硬さまで調質することができる。
次に、鋼材を粗加工して金型とした後、2回目の焼入れ・焼戻しを行う場合において、膨張のピークを超えない焼戻し条件下(すなわち、第2焼戻し指数λ2<変寸率ピークの焼戻し指数λpeak2となる条件下)で2回目の焼戻しを行うと、必要な耐摩耗性及び硬度を維持しながら、1回目の熱処理とほぼ同等の変寸率を再現することができる。そのため、粗加工を高精度に行うことができ、不良品の廃棄や仕上げ加工の工数を大幅に削減することができる。
なお、金型の中でもプラスチック成型用金型は、対象製品がコネクタ、プラスチックレンズ等の比較的小さいものが多く、寸法精度が特に必要とされる。従って、本発明に係る製造方法は、プラスチック成型用金型の製造方法として使用することが好ましい。
以下に、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
初めに、本発明に係る方法を適用することが可能な鋼材の組成について説明する。本発明に係る方法に用いられる鋼材は、以下のような元素を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる。添加元素の種類、成分範囲、及び限定理由は、以下の通りである。
(1) 0.20≦C≦1.50mass%。
Cは、強度、耐摩耗性を確保するのに必要な元素であり、Cr、Mo、W、V、Nb等の炭化物形成元素を結合して炭化物を形成する元素である。また、焼入れ時にマトリックスに固溶し、マルテンサイト組織化することによって硬度を確保する元素である。このような効果を得るためには、C含有量は、0.20mass%以上が好ましい。
一方、C含有量が過剰になると、晶出炭化物量が増加し、衝撃値、被削性などが低下する。従って、C含有量は、1.50mass%以下が好ましい。
(2) 0.10≦Si≦1.10mass%。
Siは、主に脱酸剤、又は窒化合金の状態で窒素添加のために添加される。このような効果を得るためには、Si含有量は、0.10mass%以上が好ましい。
一方、Si含有量が過剰になると、熱間での加工性や靱性低下を招く。従って、Si含有量は、1.10mass%以下が好ましい。
(3) 0.20≦Mn≦0.60mass%。
Mnは、焼入れ性向上元素として添加される。また、不可避的にSが含有された場合に靱性の低下防止を図ることができる。このような効果を得るためには、Mn含有量は、0.20mass%以上が好ましい。
一方、Mn含有量が過剰になると、焼鈍時間が長くなり、製造性が低下する。従って、Mn含有量は、0.60mass%以下が好ましい。
(4) 0.01≦Cu≦0.20mass%。
Cuは、耐食性を向上させる元素である。特に、塩酸による浸食への効果が大きい。このような効果を得るためには、Cu含有量は、0.01mass%以上が好ましい。
一方、Cu含有量が過剰になると、熱間加工性を低下させる。また、原料に使用するスクラップから不可避的に混入する場合もある。従って、Cu含有量は、0.20mass%以下が好ましい。
(5) 0.01≦Ni≦0.25mass%。
Niは、オーステナイト生成元素であり、焼入れ時のオーステナイトを確保する元素である。このような効果を得るためには、Ni含有量は、0.01mass%以上が好ましい。
一方、Ni含有量が過剰になると、残留オーステナイト量が増加し、寸法の経年変化を引き起こす。また、原料に使用するスクラップから不可避的に混入する場合もある。従って、Ni含有量は、0.25mass%以下が好ましい。
(6) 5.0≦Cr≦18.0mass%。
Crは、耐食性を向上させる。また、Crは、焼入れ性を増加させる。このような効果を得るためには、Cr含有量は、5.0mass%以上が好ましい。
一方、Cr含有量が過剰になると、サブゼロ処理を行っても残留オーステナイト量が増加し、硬さが低下する。従って、Cr含有量は、18.0mass%以下が好ましい。
(7) 0.05≦Mo≦2.5mass%。
Moは、耐食性を向上させる。このような効果を得るためには、Mo含有量は、0.05mass%以上が好ましい。
一方、Mo含有量が過剰になると、粗大な炭窒化物を形成し、鏡面性の低下を招く。従って、Mo含有量は、2.5mass%以下が好ましい。
(8) 0.05≦V≦1.10mass%。
Vは、軟化抵抗性、2次硬化能を向上させる。このような効果を得るためには、V含有量は、0.05mass%以上が好ましい。
一方、V含有量が過剰になると、粗大な炭窒化物を形成する。従って、V含有量は、1.10mass%以下が好ましい。
(9) 0.01≦Nb≦0.25mass%。
Nbは、Cと結合して炭化物を形成する元素である。このような効果を得るためには、Nb含有量は、0.01mass%以上が好ましい。
一方、Nb含有量が過剰になると、粗大な一次炭化物を形成する。従って、Nb含有量は、0.25mass%以下が好ましい。
(10) 0.01≦N≦0.15mass%。
Nは、浸入型元素であり、マルテンサイト組織の硬さの上昇に寄与する。また、固溶状態で耐食性の向上に寄与する。このような効果を得るためには、N含有量は、0.01mass%以上が好ましい。
一方、大気溶解で添加可能な窒素量は、成分とSievertsの法則に従って決まる。N含有量が過剰になると、凝固中の窒素の濃化により、窒素ガス噴出の限界を超えてしまい、窒素ガスを生じる。従って、N含有量は、0.15mass%以下が好ましい。
(11) その他の元素
Pは、鋼中に不可避的に含まれる。Pは、結晶粒界への偏析により靱性を低下させる。従って、P含有量は、0.030mass%以下が好ましい。
Sは、鋼中に不可避的に含まれる。Sは、硫化物の形成により靱性を低下させる。従って、S含有量は、0.030mass%以下が好ましい。
次に、本発明に係る金型の製造方法について説明する。
本発明に係る金型の製造方法は、第1焼入れ工程と、第1焼戻し工程と、粗加工工程と、第2焼入れ工程と、第2焼戻し工程とを備えている。
[1. 第1焼入れ工程]
第1焼入れ工程は、上述した組成を有する鋼材を第1焼入れ温度Tq1で保持し、第1焼入れ温度Tq1から100℃までを第1冷却速度C1で冷却する工程である。
「第1焼入れ温度Tq1」とは、焼入れを行う鋼材のAc3点以上の温度をいう。第1焼入れ温度Tq1は、鋼材の組成に応じて最適な温度を選択する。通常は、Ac3点+30〜50℃である。
「第1冷却速度C1」とは、第1焼入れ温度Tq1から100℃までの平均の冷却速度をいう。一般に、冷却速度が速くなるほど、マルテンサイト変態が進行し易くなる。1回目の熱処理は、鋼材の調質を目的とするものであるが、粗加工後に行われる2回目の熱処理において寸法変化を最小限に抑えるためには、1回目の熱処理は、2回目の熱処理と同様にマルテンサイト変態を十分に進行させるのが好ましい。そのためには、第1冷却速度C1は、12℃/min以上が好ましい。
[2. 第1焼戻し工程]
第1焼戻し工程は、鋼材を、第1焼戻し指数λ1が2次硬化ピークの焼戻し指数λpeak1及び変寸率ピークの焼戻し指数λpeak2より大きくなるように、第1焼戻し温度T1及び第1焼戻し時間t1で焼戻しを行う工程である。
一般に、2次硬化を生じる鋼材を焼入した後、焼戻し処理を行うと、焼戻し温度が高くなるにつれて硬さは、一旦低下する。焼戻し温度がある温度に達すると、硬さは上昇に転じ、さらに焼戻し温度が高くなると、硬さは再び低下する。同様に、このような鋼材を焼入れした後、焼戻し処理を行うと、変寸率は、収縮→膨張→収縮のサイクルを示す。焼戻し後の硬さ及び変寸率は、焼戻し温度のみによって決まるものではなく、次の(1)式で表される焼戻し指数で決まる。
但し、λ=T{ln(t)+20} ・・・(1)
λ:焼戻し指数、T:焼戻し温度(K)、t:焼戻し時間(h)
すなわち、焼戻し後の硬さ又は変寸率をほぼ同一にするための焼戻し温度Tと焼戻し時間tの組み合わせは、複数存在する。
第1焼戻し工程における焼戻し指数(第1焼戻し指数λ1)は、焼戻し硬さが極大となるときの焼戻し指数(2次硬化ピークの焼戻し指数λpeak1)より大きく、かつ、変寸率が極大となるときの焼戻し指数(変寸率ピークの焼戻し指数λpeak2)より大きくなっている必要がある。また、第1焼戻し指数λ1は、粗加工が容易となる硬さが得られる値が好ましい。最適な硬さは、鋼材の組成によって異なる。
第1焼戻し指数λ1がこのような条件を満たすように、第1焼戻し工程における焼戻し温度(第1焼戻し温度T1)及び第1工程における焼戻し時間(第1焼戻し時間t1)を最適化すると、粗加工が容易となり、かつ1回目の熱処理時の変寸率を2回目の熱処理(第2焼戻し工程)とほぼ同等にすることができる。
なお、1回の焼戻しで残留オーステナイトが分解せず、冷却中にマルテンサイト変態が生じるときは、焼戻しを複数回繰り返しても良い。
[3. 粗加工工程]
粗加工工程は、1回目の焼入れ・焼戻しが行われ、所定の硬さに調質された鋼材を粗加工し、所定の形状を有する金型とする工程である。
第1焼戻し工程においては、第1焼戻し指数λ1>2次硬化ピークの焼戻し指数λpeak1となる条件で焼戻しが行われているので、鋼材は、適度な加工性を有している。また、2回目の熱処理の条件を最適化すると、2回目の熱処理時の変寸率を1回目の熱処理時の変寸率とほぼ同一にすることができるので、粗加工工程においては、相対的に高精度な加工を行うことができる。
[4. 第2焼入れ工程]
第2焼入れ工程は、粗加工された金型を、第2焼入れ温度Tq2で保持し、第2焼入れ温度Tq2から100℃までを第2冷却速度C2で冷却する工程である。
「第2焼入れ温度Tq2」とは、金型を構成する材料のAc3点以上で、かつ、第1焼入れ温度Tq1±20℃である温度をいう。2回目の熱処理時における変寸率を1回目の熱処理とほぼ同等にするためには、第2焼入れ温度Tq2は、第1焼入れ温度Tq1と同一であることが好ましいが、温度差がある一定の範囲内であれば、変寸率の変動に及ぼす影響も小さい。従って、第2焼入れ温度Tq2は、第1焼入れ温度Tq1±20℃が好ましい。
「第2冷却速度C2」とは、第2焼入れ温度Tq2から100℃までの平均の冷却速度をいう。一般に、冷却速度が速くなるほど、マルテンサイト変態が進行し易くなる。2回目の熱処理は、金型の高硬度化を目的とするものであるため、マルテンサイト変態を十分に進行させるのが好ましい。そのためには、第2冷却速度C2は、12℃/min以上が好ましい。
[5. 第2焼戻し工程]
第2焼戻し工程は、2度目の焼入れが行われた金型を、第2焼戻し指数λ2が変寸率ピークの焼戻し指数λpeak2より小さくなり、かつ、第2焼戻し指数λ2における変寸率が前記第1焼戻し指数λ1における変寸率の±0.05%以内となるように、第2焼戻し温度T2及び第2焼戻し時間t2で焼戻しを行う工程である。
合金鋼は、一般に低温焼戻し又は高温焼戻しをして使用される。低温焼戻しを行うと、マルテンサイト組織を得ることができる。一方、高温焼戻しは、2次硬化を目的として行われる。
上述したように、2次硬化を生じる鋼材を焼入れした後、焼戻しを行うと、変寸率は、焼戻し指数が増加するに伴い、収縮→膨張→収縮のサイクルを示す。従って、2次硬化を生ずる鋼種においては、ほぼ同一の変寸率が得られる複数の焼戻し指数が存在する。
第2焼戻し工程では、
(1) 金型に所定の耐摩耗性及び硬度を付与するために、第2焼戻し指数λ2が変寸率ピークの焼戻し指数λpeak2より小さくなり、かつ、
(2) 第2焼戻し指数λ2における変寸率が、第1焼戻し指数λ1における変寸率の±0.05%以内となる、
ように、第2焼戻し温度T2及び第2焼戻し時間t2を選択する。
例えば、上述した鋼種において、焼戻し時間が2h(1h×2回)であるときには、変寸率ピークの焼戻し温度は、約550℃である。従って、第1焼戻し工程を560〜600℃で行った場合において、第1焼戻し工程時に生ずる変寸率とほぼ同等の変寸率が得られる温度域は、約200℃の領域と、520〜540℃の領域の2つがある。従って、低温焼戻しを行う鋼種の場合には、約200℃で2回目の焼戻しを行うのが好ましい。一方、高温焼戻しを行う鋼種の場合には、520〜540℃で焼戻しを行うのが好ましい。
上述したように、焼戻し硬さは、温度のみによって決まるものではなく、焼戻し温度と時間によって決まる。従って、実際には、第2焼戻し指数λ2が第1焼戻し指数λ1における変寸率の±0.05%以内となように、第2焼戻し温度T2及び第2焼戻し時間t2を選択すればよい。
なお、焼入れ指数が所定の値となる限りにおいて、焼戻しは1回で行っても良く、あるいは、複数回に分けて行っても良い。
2回目の熱処理が終了した後、必要に応じて仕上げ加工を施すと、所定の形状、耐摩耗性、及び硬度を有する金型が得られる。本発明においては、粗加工前後の変寸率をほぼ一致させることが容易である。そのため、粗加工を高精度に行うことができ、仕上げ加工の工数を最小限に抑えることができる。
次に、本発明に係る金型用鋼材の製造方法について説明する。
本発明に係る金型用鋼材の製造方法は、
所定の組成を有する鋼材をAc3点以上の第1焼入れ温度Tq1で保持し、第1焼入れ温度Tq1から100℃までを12℃/min以上の第1冷却速度C1で冷却する第1焼入れ工程と、
鋼材を、第1焼戻し指数λ1が2次硬化ピークの焼戻し指数λpeak1及び変寸率ピークの焼戻し指数λpeak2より大きくなるように、第1焼戻し温度T1及び第1焼戻し時間t1で焼戻しを行う第1焼戻し工程と、
を備えていることを特徴とする。第1焼入れ工程及び第1焼戻し工程の詳細は、上述した通りであるので、説明を省略する。
このようにして得られた鋼材を粗加工した後、後述する条件下で焼入れ・焼戻しを行うと、粗加工前後の変寸率をほぼ一致させることが容易である。そのため、粗加工を高精度に行うことができ、仕上げ加工の工数を最小限に抑えることができる。
次に、本発明に係る金型用鋼材を用いた金型の製造方法について説明する。
本発明に係る金型用鋼材を用いた金型の製造方法は、
本発明に係る方法により得られる金型用鋼材を粗加工することにより得られる金型を、Ac3点以上で、かつ、前記第1焼入れ温度Tq1±20℃である第2焼入れ温度Tq2で保持し、第2焼入れ温度Tq2から100℃までを12℃/min以上の第2冷却速度C2で冷却する第2焼入れ工程と、
金型を、第2焼戻し指数λ2が変寸率ピークの焼戻し指数λpeak2より小さくなり、かつ、第2焼戻し指数λ2における変寸率が第1焼戻し指数λ1における変寸率の±0.05%以内となるように、第2焼戻し温度T2及び第2焼戻し時間t2で焼戻しを行う第2焼戻し工程と、
を備えていることを特徴とする。第2焼入れ工程及び第2焼戻し工程の詳細は、上述した通りであるので、説明を省略する。
所定の条件下で調質された鋼材を粗加工した後、所定の条件下で焼入れ・焼戻しを行うと、粗加工前後の変寸率をほぼ一致させることが容易である。そのため、粗加工を高精度に行うことができ、仕上げ加工の工数を最小限に抑えることができる。
次に、本発明に係る金型の製造方法、金型用鋼材の製造方法、及び金型用鋼材を用いた金型の製造方法の作用について説明する。
焼入れ材を焼戻し処理すると、熱処理寸法は、焼戻し温度が高くなるにつれて収縮→膨張→収縮のサイクルを示し、膨張のピークを示す温度がある。また、焼戻し後の硬さも、ほぼ同様の挙動を示し、硬さのピークを示す温度がある。そのため、1回目の焼入れ後に、膨張のピーク及び硬さのピークを越えるような焼戻し条件下(すなわち、第1焼戻し指数λ1>2次硬化ピークの焼戻し指数λpeak1、変寸率ピークの焼戻し指数λpeak2となる条件下)であって、特定の硬さが得られる条件下で1回目の焼戻しを行うと、鋼材を加工が容易な硬さまで調質することができる。
次に、鋼材を粗加工して金型とした後、2回目の焼入れ・焼戻しを行う場合において、膨張のピークを超えない焼戻し条件下(すなわち、第2焼戻し指数λ2<変寸率ピークの焼戻し指数λpeak2となる条件下)で2回目の焼戻しを行うと、必要な耐摩耗性及び硬度を維持しながら、1回目の熱処理とほぼ同等の変寸率を再現することができる。そのため、粗加工を高精度に行うことができ、不良品の廃棄や仕上げ加工の工数を大幅に削減することができる。
(実施例1〜3)
[1. 試料の作製]
表1に示す化学組成の鋼(実施例1〜3)を加圧溶解炉で溶製後、50kgに鋳造し、熱間鍛造により60角の棒材を製造した。このようにして得られた棒材から、変寸率測定用試験片及び硬さ測定用試験片を切り出した。
Figure 2008291307
[2. 試験方法]
棒材からφ15×100の丸棒を作製し、表2に示す熱処理を行った。熱処理前後の試験片寸法を測定し、変寸率を求めた。
棒材から1辺10mmの立方体ブロックを切り出し、表2に示す熱処理を行った。測定面と接地面を#400まで研磨を行った後、ロックウェルCスケールにより硬さを測定した。
Figure 2008291307
[3. 結果]
図1に、焼戻し指数と変寸率との関係を示す。例えば、焼戻し指数λ=9787(焼戻し条件=200℃×2h相当)において焼戻をして使用することを考えると、
(1) 実施例3(SKD11相当)は、焼戻し指数λ=16409(焼戻し条件=520℃×2h相当)、又は焼戻し指数λ=18478(焼戻し条件=620℃×2h相当)で焼戻しを行うことにより、
(2) 実施例2(SUS440C相当)は、焼戻し指数λ=16823(焼戻し条件=540℃×2h相当)、又は焼戻し指数λ=17237(焼戻し条件=560℃×2h相当)で焼戻しを行うことにより、
(3) 実施例1(SUS420J2相当)は、焼戻し指数λ=16616(焼戻し条件=530℃×2h相当)、又は焼戻し指数λ=17237(560℃×2h相当)で焼戻しを行うことにより、
変寸率をほぼ一致させることができる。
図2に、焼戻し指数と硬さとの関係を示す。
実施例3の場合、変寸率が同程度になる温度及び時間での硬さは、
200℃×2h→HRC60.8
520℃×2h→約HRC57
620℃×2h→約HRC46
となる。
同様に、実施例2の場合、変寸率が同程度になる温度及び時間での硬さは、
200℃×2h→HRC60.1
540℃×2h→約HRC58
560℃×2h→約HRC56
となる。
さらに、実施例1の場合、変寸率が同程度になる温度及び時間での硬さは、
200℃×2h→約HRC53.8
530℃×2h→約HRC43
560℃×2h→約HRC40
となる。
図2より、焼戻し温度が高い方が硬度は低下する。加工性の面からは、硬度は低い方が好ましい。
従って、200℃×2h焼戻しで使用する金型については、以下の条件下で調質処理を行うと、粗加工時の加工性に優れ、かつ、1回目の熱処理時における変寸率と2回目の熱処理時における変寸率との差を最小限に抑えることができる。
実施例3: 620℃×2h
実施例2: 560℃×2h
実施例1: 560℃×2h
他の鋼種、あるいは、他の熱処理条件を選択する場合も同様であり、相対的に高温で1回目の熱処理することによって、焼入れ後の材料を適度な硬さに調質することができ、粗加工時の加工性を向上させることができる。また、1回目の熱処理時とほぼ同等の変寸率が得られる条件下で2回目の熱処理を行うと、1回目の熱処理時における変寸率と2回目の熱処理時における変寸率との差を最小限に抑えることができる。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
本発明に係る金型の製造方法、金型用鋼材の製造方法、及び金型用鋼材を用いた金型の製造方法は、以下のような金型、治工具類、構造部材等の製造方法、又は、これらを製造するための半製品の製造方法として用いることができる。
(1) プラスチック成型用金型(日用雑貨品、家電製品の外装・内装・部品、OA機器の外装・内装・部品、携帯電話外装、自動車やオートバイ等の内装部品や外装部品、及びその構造部材など)。
(2) ライト類の反射成型用金型。
(3) 光学レンズ用金型。
(4) 食品容器用金型、医療機器用金型、化粧容器用金型。
(5) 精密成型品用金型(受板、ペットボトル成形母型、ゴム型類)、樹脂類用金型、導光板用金型。
(6) 治工具類、プラスチック成型機内の治工具、ダイス、フィルム成型用の金型。
(7) 冷間において、鍛造、順送型プレスによって加工する冷間金型。冷間金型としては、曲げ型、打ち抜き型、切り刃、転造型、パンチ部材、絞り型、鍛造型、歯車用パンチ部材・ダイス、スエージングダイス等が相当する。
(8) 冷間において、鍛造、順送型プレスによって加工する構造部材。構造部材としては、塑性加工工具、スクリュー部材、カム部品、シールプレート、ゲージ類等が相当する。
焼戻し指数λと変寸率との関係を示す図である。 焼戻し指数λと硬さとの関係を示す図である。

Claims (3)

  1. 0.20≦C≦1.50mass%、
    0.10≦Si≦1.10mass%、
    0.20≦Mn≦0.60mass%、
    0.01≦Cu≦0.20mass%、
    0.01≦Ni≦0.25mass%、
    5.0≦Cr≦18.0mass%、
    0.05≦Mo≦2.5mass%、
    0.05≦V≦1.10mass%、
    0.01≦Nb≦0.25mass%、
    0.01≦N≦0.15mass%
    を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼材をAc3点以上の第1焼入れ温度Tq1で保持し、前記第1焼入れ温度Tq1から100℃までを12℃/min以上の第1冷却速度C1で冷却する第1焼入れ工程と、
    前記鋼材を、第1焼戻し指数λ1が2次硬化ピークの焼戻し指数λpeak1及び変寸率ピークの焼戻し指数λpeak2より大きくなるように、第1焼戻し温度T1及び第1焼戻し時間t1で焼戻しを行う第1焼戻し工程と、
    前記鋼材を粗加工し、所定の形状を有する金型とする粗加工工程と、
    前記金型を、Ac3点以上で、かつ、前記第1焼入れ温度Tq1±20℃である第2焼入れ温度Tq2で保持し、前記第2焼入れ温度Tq2から100℃までを12℃/min以上の第2冷却速度C2で冷却する第2焼入れ工程と、
    前記金型を、第2焼戻し指数λ2が変寸率ピークの焼戻し指数λpeak2より小さくなり、かつ、前記第2焼戻し指数λ2における変寸率が前記第1焼戻し指数λ1における変寸率の±0.05%以内となるように、第2焼戻し温度T2及び第2焼戻し時間t2で焼戻しを行う第2焼戻し工程と、
    を備えた金型の製造方法。
    但し、λ=T{ln(t)+20} ・・・(1)
    λ:焼戻し指数、T:焼戻し温度(K)、t:焼戻し時間(h)
  2. 0.20≦C≦1.50mass%、
    0.10≦Si≦1.10mass%、
    0.20≦Mn≦0.60mass%、
    0.01≦Cu≦0.20mass%、
    0.01≦Ni≦0.25mass%、
    5.0≦Cr≦18.0mass%、
    0.05≦Mo≦2.5mass%、
    0.05≦V≦1.10mass%、
    0.01≦Nb≦0.25mass%、
    0.01≦N≦0.15mass%
    を含み、残部がFe及び不可避的不純物からなる鋼材をAc3点以上の第1焼入れ温度Tq1で保持し、前記第1焼入れ温度Tq1から100℃までを12℃/min以上の第1冷却速度C1で冷却する第1焼入れ工程と、
    前記鋼材を、第1焼戻し指数λ1が2次硬化ピークの焼戻し指数λpeak1及び変寸率ピークの焼戻し指数λpeak2より大きくなるように、第1焼戻し温度T1及び第1焼戻し時間t1で焼戻しを行う第1焼戻し工程と、
    を備えた金型用鋼材の製造方法。
    但し、λ=T{ln(t)+20} ・・・(1)
    λ:焼戻し指数、T:焼戻し温度(K)、t:焼戻し時間(h)
  3. 請求項2に記載の方法により得られる金型用鋼材を粗加工することにより得られる金型を、Ac3点以上で、かつ、前記第1焼入れ温度Tq1±20℃である第2焼入れ温度Tq2で保持し、前記第2焼入れ温度Tq2から100℃までを12℃/min以上の第2冷却速度C2で冷却する第2焼入れ工程と、
    前記金型を、第2焼戻し指数λ2が変寸率ピークの焼戻し指数λpeak2より小さくなり、かつ、前記第2焼戻し指数λ2における変寸率が前記第1焼戻し指数λ1における変寸率の±0.05%以内となるように、第2焼戻し温度T2及び第2焼戻し時間t2で焼戻しを行う第2焼戻し工程と、
    を備えた金型用鋼材を用いた金型の製造方法。
    但し、λ=T{ln(t)+20} ・・・(1)
    λ:焼戻し指数、T:焼戻し温度(K)、t:焼戻し時間(h)
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