JP2008291116A - バイオディーゼル燃料用添加剤及びその添加剤を含んでなる燃料 - Google Patents

バイオディーゼル燃料用添加剤及びその添加剤を含んでなる燃料 Download PDF

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Abstract

【課題】環境負荷が小さく軽油代替燃料として有用であるバイオディーゼル燃料を、低温でも好適に使用することができるものとするバイオディーゼル燃料用添加剤、低温でも好適に使用することができる適用範囲の広いバイオディーゼル燃料を提供することを目的とするものである。つまり、バイオディーゼル燃料の流動点および目詰まり点を降下させ、低温流動性を改善させるバイオディーゼル燃料用添加剤及び低温流動性が改善されたバイオディーゼル燃料を提供することを目的とする。特に、ヨーロッパの規格では低温流動性の指標として目詰まり点(CFPP)が採用されているため、目詰まり点を降下させることが重要である。
【解決手段】アルコール由来の化合物を含むバイオディーゼル燃料用添加剤であって、該アルコール由来の化合物は、ポリエーテル構造及び/又はポリエチレン構造を主鎖に有する多価アルコールと長鎖脂肪酸とのエステル化合物を必須とするバイオディーゼル燃料用添加剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、バイオディーゼル燃料用添加剤及びその添加剤を含んでなる燃料に関する。より詳しくは、種々の用途に好適に用いることのできる有用なバイオディーゼル燃料用添加剤及びそのバイオディーゼル燃料用添加剤が含有された燃料に関する。
バイオディーゼル燃料(Biodiesel Fuel:BDF)とは、一般に植物油(ナタネ油、大豆油、パーム油など、および、これらの廃食油)をメチルエステル化したものであり、従来の石油燃料に代わる植物を原料とする燃料として活用されているものである。なお、植物油をメチルエステル化する反応は、例えば、下記式で表される。
Figure 2008291116
上記式において、Rは、同一又は異なってもよく、有機基を表す。Meは、メチル基を表す。MeOHは、メタノールを表す。
このようなバイオディーゼル燃料は、硫黄分の含量が低く、燃焼過程で生じる二酸化硫黄が非常に僅かであることが報告されている。また、植物由来の燃料であるゆえに炭酸ガスの排出量がゼロカウントであるため、環境負荷の少ない軽油代替燃料として注目され、欧米では既に規格等も整備され、ナタネ油や大豆油から年間250万トン以上生産されている。また、今後需要が増大すると期待されているバイオディーゼル燃料の原料油としてパーム油が注目されている。パーム油は他の油に比べ収穫量が多く(ナタネ油の6倍)、また、パーム油BDFは燃焼特性がよい(着火性がよく、COx、NOx発生量が少ない)、酸化安定性が高いなど優れた特徴を有している。
しかし、バイオディーゼル燃料は、その低温特性により使用時期、場所などが制限される。バイオディーゼル燃料の低温特性としては、結晶が析出する温度である曇り点(Cloud Point:CP)、油全体が流動性を失い、固化する時の温度である流動点(Pour Point:PP)、フィルターが目詰まりを起こす温度である目詰まり点(Cold Filter Plugging Point:CFPP)が知られている。例えば、ナタネ油BDFでは、曇り点が−3℃、流動点が−4℃、目詰まり点が−4℃であり、大豆油BDFではそれぞれ2℃、−1℃、−2℃である(例えば、非特許文献1参照。)。このような低温特性を有することから、寒冷地でバイオディーゼル燃料を用いると、エンジンの配管内で固化し閉塞する恐れや、バイオディーゼル燃料中に結晶が析出後、粗大化し、フィルターの目詰まりを起こしてしまうおそれがある。特に、パーム油BDFは流動点が14℃と高く、寒冷地では使用できない。
従来のバイオディーゼル燃料用添加剤としては、例えば、バイオディーゼル燃料の低温特性を改善するために、長鎖アルキル基を有するくし型のポリマー(アルキル(メタ)アクリレート系コポリマーなど)を添加剤として使用することが提案されている。具体的には、重合度の異なる二種類のアルキル(メタ)アクリレートのポリマーを混合したもの(例えば、特許文献1参照。)、及び、(A)エチレン−アルキルアクリレートコポリマー+(B)α−オレフィン−アルキル(アクリレート、ビニルエステル、ビニルエーテル、アクリルアミド)のくし型ポリマーの混合物が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、これらの添加剤は、二種類のポリマーを別に合成し混合するため操作が煩雑であり、効果を充分なものとすること等が求められていた。
また、エチレン−ビニルエステルのコポリマー(例えば、特許文献3参照。)、及び、アクリル(メタ)アクリレート、フマレート、マレエートのブロックコポリマーが開示されている(例えば、特許文献4参照。)。しかしながら、これらの文献においては、バイオディーゼル燃料への使用例は報告されておらず、例えば、バイオディーゼル燃料への使用に好適なものとする等の工夫の余地があった。
その他の従来のバイオディーゼル燃料用添加剤(流動点降下剤)としては、植物油をオゾン処理により改質し、改質した剤を流動点降下剤として使用し、ナタネ油BDF、大豆油BDF、ひまわり油BDF、パーム油BDFに実施したことが開示されている(例えば、特許文献5参照。)。しかしながら、この流動点降下剤は、オゾン処理が必要なため、特殊な設備が必要であり、バイオディーゼル燃料用添加剤として工業的に量産するには適しないものであった。また、剤の製造コストが高いものであり、経済的に不利なものであった。更に、不飽和脂肪酸含有量の低いバイオディーゼル燃料に対し、流動点への効果は報告されているが、目詰まり点への効果は報告されていない。したがって、目詰まり点を降下させるという課題及び効果については意図されておらず、この効果が充分に発揮されるようにすること等が望まれるところである。
また、Palm Oil based Polyol(パーム油由来のポリオール)をパーム油BDFに実施することが開示されている(例えば、非特許文献2参照。)。しかしながら、過酸を使ってエポキシ化後、アルコールを添加することから、剤の合成が煩雑であり、過酸を使用するため、製造時の安全性をより向上させる等の工夫の余地があった。また、流動点及び曇り点への効果は報告されているが、目詰まり点への効果は報告されておらず、例えば、寒冷地における使用に更に好適なものとする等の工夫の余地があった。
特開2005−350629号公報(第1−2項) 特開2005−133095号公報(第1−3項) 特開2004−204222号公報(第1−4項) 特開2003−516430号公報(第1−4項) 国際公開第2005/033252号パンフレット(第1項、第14項) 坂志郎、「バイオディーゼルのすべて」、アイシービー出版部発行、2006年1月30日 ミング(Ming)等、「パーム油産物の流動点及び雲り点を降下させる戦略」(Strategies for decreasing the pour point and cloud point of palm oil products"、 "ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・リピッド・サイエンス・アンド・テクノロジー"(European Journal of Lipid Science and Technology)、2005年、第107巻、第7−8号、p.505−512
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、環境負荷が小さく軽油代替燃料として有用であるバイオディーゼル燃料を、低温でも好適に使用することができるものとするバイオディーゼル燃料用添加剤、低温でも好適に使用することができる適用範囲の広いバイオディーゼル燃料を提供することを目的とするものである。つまり、バイオディーゼル燃料の流動点および目詰まり点を降下させ、低温流動性を改善させるバイオディーゼル燃料用添加剤及び低温流動性が改善されたバイオディーゼル燃料を提供することを目的とする。特に、ヨーロッパの規格では低温流動性の指標として目詰まり点(CFPP)が採用されているため、目詰まり点を降下させることが重要である。
本発明者等は、バイオディーゼル燃料用添加剤について種々検討したところ、バイオディーゼル燃料中の飽和脂肪酸(特にパルミチン酸メチル及びステアリン酸メチル)が結晶化することによりバイオディーゼル燃料の結晶化が生じ、低温特性が発現することに着目し、バイオディーゼル燃料用添加剤として、特定の構造を有する化合物を含むものとすると、飽和脂肪酸の結晶化を効果的に抑制できることを見出した。すなわち、ポリエーテル構造及び/又はポリエチレン構造を主鎖に有する多価アルコールと長鎖脂肪酸とのエステル化合物を必須とするアルコール由来の化合物は、合成が容易であり、かつ、バイオディーゼル燃料への充分な溶解性を有しており、バイオディーゼル燃料用添加剤として用いると、飽和脂肪酸の結晶化を効果的に抑制でき、寒冷地においても目詰まり点を降下させる効果が優れていることを見いだした。また、バイオディーゼル燃料や、バイオディーゼル燃料とそれ以外の燃料とを含む混合燃料に、バイオディーゼル燃料用添加剤を含むものとすると、これらの燃料の低温特性が改善され、例えば、寒波が来ても固まらない、フィルターの目詰まりを起こさない、取り扱いやすい燃料とすることができることを見出し、本発明に到達したものである。
なお、従来の流動点降下剤と本願発明のバイオディーゼル燃料用添加剤(バイオディーゼル燃料の流動点および目詰まり点を降下させ、低温流動性を改善させるバイオディーゼル燃料用添加剤)との相違について下記する。
先ず、目詰まり点と流動点との違いについて説明すると、上述したように目詰まり点はフィルターが目詰まりを起こす温度、流動点は油全体が流動性を失い、固化する時の温度のことをいう。すなわち、燃料を低温にしていくと結晶が析出し、燃料が曇りはじめる。更に温度が低下すると結晶が成長し、結晶がフィルターの目以上の大きさとなると、目詰まりが生じるようになる。これが目詰まり点である。更に温度が低下すると結晶同士が結合し、結果、燃料が凝固して流動しなくなる。これが流動点である。
これら流動点と目詰まり点とは、若干の相関はあるが、必ずしも相関しないと考えられる。例えば、同じ流動点の燃料でも、成長する結晶サイズによって目詰まり点が変わってくる、つまり、成長する結晶一つ一つをできるだけ小さくすることで目詰まりを生じないようにすることができる。これより、目詰まり点を降下させるには、成長する結晶サイズを制御することが重要であると考えられる。また、同じ目詰まり点の燃料でも、結晶が成長する早さによって流動点が変わってくる、つまり、結晶成長を抑制することで固化を防ぐことができる。これより、流動点を降下させるには、結晶化を抑制、つまり結晶化を遅らせて、固化する温度を下げることが重要であると考えられる。
これらをまとめると、目詰まり点と流動点との違いについて重要なことは、次のとおりである。
目詰まり点への効果:結晶サイズを抑制する。
流動点への効果:結晶化を抑制する(結晶化を遅らせる)。
本願発明においては、従来の流動点降下剤とは作用効果が異なる上記目詰まり点への効果を奏することとなる。また上記流動点への効果とともに上記目詰まり点への効果を奏することとなる。バイオディーゼル燃料用添加剤に含まれるアルコール由来の化合物を特定すると、そのような効果を奏することを見いだしたものである。
すなわち本発明は、アルコール由来の化合物を含むバイオディーゼル燃料用添加剤であって、上記アルコール由来の化合物は、ポリエーテル構造及び/又はポリエチレン構造を主鎖に有する多価アルコールと長鎖脂肪酸とのエステル化合物を必須とするバイオディーゼル燃料用添加剤である。
本発明はまた、上記バイオディーゼル燃料用添加剤が添加されたバイオディーゼル燃料でもある。
本発明は更に、バイオディーゼル燃料とそれ以外の燃料とを含む混合燃料であって、上記バイオディーゼル燃料用添加剤が添加された混合燃料でもある。
以下に本発明を詳述する。
本発明のバイオディーゼル燃料用添加剤は、アルコール由来の化合物を含むものである。アルコールに由来する構造を有する化合物を含むことによって、低温環境におけるバイオディーゼル燃料の結晶成長が抑制されることになる。上記アルコール由来の化合物は、バイオディーゼル燃料用添加剤100質量%中に1〜100質量%含まれることが好ましい。より好ましくは5〜100質量%であり、更に好ましくは10〜100質量%である。
また、上記アルコール由来の化合物は、ポリエーテル構造及び/又はポリエチレン構造を主鎖に有する多価アルコールと長鎖脂肪酸とのエステル化合物を必須とするものである。多価アルコールと長鎖脂肪酸とのエステル化合物とは、長鎖炭化水素基を有する脂肪酸がエステル結合を介して多価アルコールに結合した構造のものであり、長鎖炭化水素基を含む構造を官能基(置換基)として有するものである。上記エステル化合物は、合成が容易であり、バイオディーゼル燃料への溶解性に優れた構造を有しており、これによって、バイオディーゼル燃料と上記エステル化合物とが容易に分離せず、バイオディーゼル燃料の結晶成長が更に抑制されることになる。
なお、本明細書中において、たんに多価アルコールという場合、ポリエーテル構造及び/又はポリエチレン構造を主鎖に有する多価アルコールを意味する。また、本明細書中において、ポリエーテル構造及び/又はポリエチレン構造を主鎖に有する多価アルコールを製造するために用いられる多価アルコールを、原料多価アルコールという。したがって、例えば、グリセリンは、本明細書中における原料多価アルコールであり、ポリグリセリンは、本明細書中における多価アルコールである。
上記アルコール由来の化合物は、多価アルコールと長鎖脂肪酸とのエステル化合物を主体(主成分)とすることが好ましい。上記エステル化合物が主体であるとは、上記アルコール由来の化合物の全質量を100質量%としたとき、上記エステル化合物が50質量%以上であることを意味する。上記エステル化合物は、80質量%以上であることが好ましい。より好ましくは85質量%以上であり、更に好ましくは90質量%以上であり、特に好ましくは95質量%以上である。
上記エステル化合物は、長鎖炭化水素基を複数個有する化合物であることが好ましい。上記エステル化合物が有する長鎖炭化水素基の数は、3個以上であることが好ましく、より好ましくは4個以上である。更に好ましくは6個以上であり、特に好ましくは8個以上である。
上記エステル化合物は、ポリエーテル構造及び/又はポリエチレン構造を主鎖に有する多価アルコールを原料とする。すなわち、上記アルコール由来の化合物は、(1)ポリエーテル構造を主鎖に有する多価アルコール、(2)ポリエチレン構造を主鎖に有する多価アルコール、(3)ポリエーテル構造及びポリエチレン構造を主鎖に有する多価アルコール、又は、(4)上記(1)ないし(3)が混合されたものを原料とする。
上記エステル化合物は、これらのなかでも、(1)ポリエーテル構造を主鎖に有する多価アルコール、又は、(2)ポリエチレン構造を主鎖に有する多価アルコールを原料とすることが好ましい。より好ましくは(1)ポリエーテル構造を主鎖に有する多価アルコールを原料とすることである。また、上記ポリエーテル構造及び/又はポリエチレン構造を主鎖に有する多価アルコールとしては、1種又は2種以上を用いてもよい。
上記ポリエーテル構造及び/又はポリエチレン構造を主鎖に有する多価アルコールは、水酸基を3個以上有することがより好ましく、更に好ましくは4個以上有することである。特に好ましくは6個以上有することであり、最も好ましくは8個以上有することである。
上記水酸基の数は、ポリエーテル構造及び/又はポリエチレン構造を主鎖に有する多価アルコールが有する水酸基の平均個数を表すものである。また、これに加えて、上述した水酸基の数を満たすものが上記ポリエーテル構造及び/又はポリエチレン構造を主鎖に有する多価アルコールの主成分であることが好ましい。すなわち、上記ポリエーテル構造及び/又はポリエチレン構造を主鎖に有する多価アルコールが有する水酸基の平均個数が上述した水酸基の数を満たすことに加えて、上述した水酸基の数を満たすポリエーテル構造及び/又はポリエチレン構造を主鎖に有する多価アルコールが上記ポリエーテル構造及び/又はポリエチレン構造を主鎖に有する多価アルコールの主成分であることが好ましい。
これによって、本発明のバイオディーゼル燃料用添加剤は、バイオディーゼル燃料に含まれる飽和脂肪酸の結晶化を抑制し、目詰まり点を降下させる効果を更に顕著に発揮することになる。なお、主成分とは、ポリエーテル構造及び/又はポリエチレン構造を主鎖に有する多価アルコールのすべてを100モル%としたとき、50モル%以上であることを表す。より好ましくは、60モル%以上であり、更に好ましくは、70モル%以上であり、特に好ましくは、80モル%以上である。
上記ポリエーテル構造を主鎖に有する多価アルコールは、原料多価アルコールを必須とする単量体成分を縮重合させて得られる化合物であることが好ましい。
上記原料多価アルコールは、水酸基を3個以上有する化合物であることが好適である。上記水酸基を3個以上有する化合物は、例えば、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンであることが好ましい。より好ましくはグリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールエタンであり、更に好ましくはグリセリンである。
上記ポリエーテル構造を主鎖に有する多価アルコールは、原料多価アルコール由来の構造単位の重合度が3〜30であることが好ましい。上記重合度としてより好ましくは4〜25であり、更に好ましくは5〜20である。特に好ましくは6〜15であり、最も好ましくは8〜12ある。この場合、流動点及び目詰まり点降下作用が優れることになる。なお、上記ポリエーテル構造を主鎖に有する多価アルコールは直鎖構造、分岐構造のどちらでもよい。
上記原料多価アルコール以外の単量体成分としては、例えば、エタノール、メタノール等の単価アルコールを含んでいてもよいが、上記原料多価アルコールが単量体成分の主成分であることが好ましい。これによって、本発明のバイオディーゼル燃料用添加剤は、より優れた流動点及び目詰まり点降下作用を発揮することになる。
上記原料多価アルコールが単量体成分の主成分であることを質量比によって表せば、下記のようである。すなわち、上記ポリエーテル構造を主鎖に有する多価アルコールは、ポリエーテル構造を主鎖に有する多価アルコール100質量%中、原料多価アルコールによって形成される構造が占める割合(質量比)が50質量%以上であることを意味する。上記質量比は80質量%以上であることが好ましい。より好ましくは95質量%以上である。更に好ましくは100質量%、すなわち、上記ポリエーテル構造を主鎖に有する多価アルコールが原料多価アルコールを縮重合させて得られる化合物であることである。
上記原料多価アルコールを縮重合させて得られる化合物としては、例えば、ポリグリセリン、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール等が好ましい。より好ましくは、ポリグリセリン、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトールであり、更に好ましくはポリグリセリンである。
このように、上記多価アルコールがポリグリセリンであることは、本発明の好適な実施形態の1つである。
上記ポリエチレン構造を主鎖に有する多価アルコールは、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体を必須とする単量体成分を重合させて得られる重合体であることが好ましい。
上記水酸基を有するエチレン性不飽和単量体は、例えば、ビニルアルコール、(メタ)アリルアルコール(アリルアルコール、メタリルアルコール)の1種又は2種以上であることが好適である。
上記水酸基を有するエチレン性不飽和単量体を必須とする単量体成分を重合させて得られる重合体は、単量体成分由来の構造単位の重合度が6〜60であることが好ましい。上記重合度としてより好ましくは8〜50であり、更に好ましくは10〜40である。特に好ましくは12〜30であり、最も好ましくは16〜24である。なお、上記ポリエチレン構造を主鎖に有する多価アルコールは直鎖構造、分岐構造のどちらでもよい。
上記水酸基を有するエチレン性不飽和単量体を必須とする単量体成分を重合させて得られる重合体は、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体を重合させて得られる重合体、又は、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体と水酸基を有しないエチレン性不飽和単量体との共重合体であることが好ましい。
上記水酸基を有するエチレン性不飽和単量体を重合させて得られる重合体は、例えば、ポリビニルアルコール、又は、ポリ(メタ)アリルアルコールであることが好ましい。
上記水酸基を有しないエチレン性不飽和単量体は、例えば、エチレン、スチレンであることが好適である。
上記水酸基を有するエチレン性不飽和単量体と水酸基を有しないエチレン性不飽和単量体との共重合体は、例えば、エチレンと(メタ)アリルアルコールとの共重合体、エチレンとビニルアルコールとの共重合体、スチレンとビニルアルコールとの共重合体、又は、スチレンと(メタ)アリルアルコールとの共重合体であることが好ましい。上記水酸基を有するエチレン性不飽和単量体と上記水酸基を有しないエチレン性不飽和単量体との割合(モル比)は、水酸基の数に関する上述した好適な実施形態を満たすように設定することが好適であり、例えば、3:1〜1:3であることが好ましい。より好ましくは2:1〜1:2である。
上記水酸基を有するエチレン性不飽和単量体を必須とする単量体成分を重合させて得られる重合体としてより好ましくは、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体と水酸基を有しないエチレン性不飽和単量体との共重合体である。更に好ましくは、エチレンとビニルアルコールとの共重合体、又は、スチレンと(メタ)アリルアルコールとの共重合体である。特に好ましくはスチレンと(メタ)アリルアルコールとの共重合体である。
上記エステル化合物は、多価アルコールが有する水酸基の50モル%以上が長鎖脂肪酸によってエステル化されたものであることが好ましい。すなわち、上記エステル化合物は、ポリエーテル及び/又はポリエチレン構造を主鎖に有する多価アルコールの水酸基の50モル%以上が長鎖脂肪酸によってエステル化されたものであることが好ましい。これによって、エステル化合物のバイオディーゼル燃料への溶解性が更に向上することになる。上記エステル化率が50%未満であると、バイオディーゼル燃料への溶解性が低く、流動点及び目詰まり点降下作用が充分に発現しないおそれがある。上記エステル化率としてより好ましくは、80%以上であり、更に好ましくは90%以上である。
上記エステル化合物が有するアルコール基(水酸基)のうち、長鎖脂肪酸でエステル化されていないアルコール基は、短鎖のカルボン酸でエステル化されていてもよく、短鎖のカルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、安息香酸が好ましい。より好ましくは、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸である。更に好ましくは酢酸、プロピオン酸である。
上記エステル化合物は、エステル化合物が有する長鎖炭化水素基100モル%中、炭素原子数が15以上であり、かつ、不飽和結合を有しない長鎖炭化水素基を20〜80モル%有することが好ましい。
上記炭素原子数が15以上であり、かつ、不飽和結合を有しない長鎖炭化水素基以外の長鎖炭化水素基とは、すなわち、炭素原子数が14以下であるか、又は、少なくとも1つ以上の不飽和結合を有する長鎖炭化水素基である。
したがって、上記エステル化合物は、エステル化合物が有する長鎖炭化水素基のすべてを100モル%としたとき、炭素原子数が15以上であり、かつ、不飽和結合を有しない長鎖炭化水素基を20〜80モル%有し、炭素原子数が14以下であるか、又は、少なくとも1つ以上の不飽和結合を有する長鎖炭化水素基を80〜20モル%有するものであることは、本発明の好適な実施形態の1つである。
以下において、上記炭素原子数が15以上であり、かつ、不飽和結合を有しない長鎖炭化水素基を長鎖炭化水素基(A)とする。また、上記炭素原子数が14以下であるか、又は、少なくとも1つ以上の不飽和結合を有する長鎖炭化水素基を長鎖炭化水素基(B)とする。
上記長鎖炭化水素基(A)を導入することによってバイオディーゼル燃料中の飽和脂肪酸と相互作用し易くなり、上記エステル化合物によるバイオディーゼル燃料の流動点及び目詰まり点降下作用をより高めることができる。また、上記長鎖炭化水素基(B)を導入することによって、上記エステル化合物をバイオディーゼル燃料への溶解性に優れた構造を有するものとすることができる。したがって、本発明のバイオディーゼル燃料用添加剤を上記実施形態を満たすものとすることにより、流動点及び目詰まり点降下作用と溶解性とを同時に高いレベルで達成するという顕著な効果を発揮することになる。
上記エステル化合物としてより好ましくは、エステル化合物が有する長鎖炭化水素基を100モル%としたとき、長鎖炭化水素基(A)を30〜70モル%有し、かつ、長鎖炭化水素基(B)が70〜30モル%有するものである。更に好ましくは長鎖炭化水素基(A)を40〜60モル%有し、かつ、長鎖炭化水素基(B)を60〜40モル%有するものである。
上記長鎖炭化水素基(A)は、炭素原子数が15〜20であることが好ましい。より好ましくは16〜18である。
上記長鎖炭化水素基(B)の炭素原子数が14以下である場合は、上記炭素原子数が8〜14であることが好ましい。より好ましくは10〜14であり、更に好ましくは12〜14である。
上記長鎖炭化水素基(B)が不飽和結合を有する場合は、長鎖炭化水素基(B)の不飽和結合の数が1〜3個であることが好ましい。より好ましくは1〜2個であり、更に好ましくは1個である。上記不飽和結合は、二重結合であることが好ましい。
上記長鎖脂肪酸を構成する長鎖炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基等が好ましい。アルキル基、アルケニル基がより好ましく、更に好ましくはアルキル基である。また、長鎖炭化水素基は直鎖構造又は分岐構造のどちらでもよく、更に、これらのいずれをも含んでいてもよい。
上記長鎖炭化水素基の炭素数としては、8個から22個が好ましく、10個から20個がより好ましく、更に好ましくは12個から18個である。
上記長鎖脂肪酸は、オクタン酸(C8)、ノナン酸(C9)、デカン酸(C10)、ラウリン酸(C12)、ミリスチン酸(C14)、パルミチン酸(C16)、ステアリン酸(C18)、アラキン酸(C20)、ベヘン酸(C22)、オレイン酸(C18、不飽和結合数:1)、リノール酸(C18、不飽和結合数:2)、リノレン酸(C18、不飽和結合数:3)、エルカ酸(C22、不飽和結合数:1)のいずれかであることが好ましい。
上記長鎖脂肪酸としてより好ましくは、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、アラキン酸であり、更に好ましくはラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸である。特に、パルミチン酸基、ステアリン酸基がバイオディーゼル燃料中のパルミチン酸メチル及びステアリン酸メチルと相互作用しやすいため、バイオディーゼル燃料の流動点および目詰まり点を降下する効果が大きい。しかしながら、パルミチン酸基、ステアリン酸基のみではバイオディーゼルへの溶解性が落ちるため、ラウリン酸基、オレイン酸基を導入することで、バイオディーゼル燃料の流動点および目詰まり点を降下する効果が大きく、バイオディーゼル燃料への溶解性に優れた構造とすることができる。
上記エステル化合物が有する長鎖炭化水素基を形成することになる長鎖脂肪酸は、長鎖炭化水素基を形成することになる長鎖脂肪酸の全体を100モル%としたとき、パルミチン酸とステアリン酸との合計割合が20〜80モル%であり、かつ、ラウリン酸とオレイン酸との合計割合が80〜20モル%であることが好ましい。より好ましくはパルミチン酸とステアリン酸との合計割合が30〜70モル%であり、かつ、ラウリン酸とオレイン酸との合計割合が70〜30モル%である。更に好ましくはパルミチン酸とステアリン酸との合計割合が40〜60モル%であり、かつ、ラウリン酸とオレイン酸との合計割合が60〜40モル%である。なお、上記パルミチン酸とステアリン酸との合計割合は、上記エステル化合物が有する長鎖炭化水素基の全体を100モル%としたときに、パルミチン酸又はステアリン酸によって形成される長鎖炭化水素基が占める割合(モル%)を意味する。また同様に、上記ラウリン酸とオレイン酸との合計割合とは、すなわち、上記エステル化合物が有する長鎖炭化水素基の全体を100モル%としたときに、ラウリン酸又はオレイン酸によって形成される長鎖炭化水素基が占める割合(モル%)を意味する。
長鎖炭化水素基(A)と上記長鎖炭化水素基(B)との比を特定する上述の実施形態の中でも、パルミチン酸又はステアリン酸によって形成される長鎖炭化水素基が占める割合、及び、ラウリン酸又はオレイン酸によって形成される長鎖炭化水素基が占める割合を特定することが特に好適である。すなわち、パルミチン酸とステアリン酸との合計割合、及び、ラウリン酸とオレイン酸との合計割合を上述したように特定すると、流動点降下作用及び目詰まり点降下作用と溶解性とが更に優れることになる。
上記エステル化合物は、重量平均分子量が1000以上であることが好ましい。
上記エステル化合物の重量平均分子量(Mw)は、より好ましくは2000以上である。更に好ましくは、3000以上である。上記重量平均分子量が1000未満である場合には、バイオディーゼル中のパルミチン酸メチル及びステアリン酸メチルと上記エステル化合物中の長鎖脂肪酸基との相互作用が弱くなり、流動点および目詰まり点を降下する効果が発現しにくくなる。なお、重量平均分子量は、例えば、下記の測定方法により求めることが好適である。
<重量平均分子量(Mw)の測定方法>
上記エステル化合物の重量平均分子量(Mw)は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(東ソー社製、商品名「HLC−8220GPC」)を用い、下記の条件で測定することができる。
(重量平均分子量の測定条件)
カラム:東ソー社製、商品名「TSK−GEL SUPER HZM−M 6.0*150」
溶離液:クロロホルム
流速:0.6mL/分
温度:40℃
検量線:ポリスチレン標準サンプル(東ソー社製)を用いて作成。
上記エステル化合物の具体例を以下に示す。
添加剤A:ポリグリセリン脂肪酸エステル(分岐構造を有するポリグリセリン、ポリグリセリンの平均重合度=10、エステル化率=100%、長鎖脂肪酸含有量=パルミチン酸50モル%、オレイン酸50モル%)
なお、重合度が10であるポリグリセリンと長鎖脂肪酸とのエステル化合物(ポリグリセリン脂肪酸エステル)は、例えば、下記式で表される。
Figure 2008291116
上記式において、Rは、同一又は異なってもよく、長鎖脂肪酸に由来する長鎖炭化水素基を表す。上記長鎖炭化水素基の好ましい形態は、上述したとおりである。
添加剤B:ポリグリセリン脂肪酸エステル(分岐構造を有するポリグリセリン、ポリグリセリンの平均重合度=10、エステル化率=100%、長鎖脂肪酸含有量=パルミチン酸50モル%、ラウリン酸50モル%)
添加剤C:ポリグリセリン脂肪酸エステル(分岐構造を有するポリグリセリン、ポリグリセリンの平均重合度=10、エステル化率=100%、長鎖脂肪酸含有量=パルミチン酸20モル%、オレイン酸80モル%)
上記エステル化合物の製造方法としては、例えば、(i)上述の多価アルコールと上述の長鎖脂肪酸とを脱水縮合してエステル化する方法、(ii)上述の多価アルコールと上述の長鎖脂肪酸の酸塩化物とを反応させてエステル化する方法、(iii)上述の多価アルコール又は多価アルコールのエステル化物と上述の長鎖脂肪酸のエステル化物とのエステル交換反応により製造する方法、により得られる。上記(i)の具体的方法としては、例えば、特許第3817751号公報の方法にしたがって合成することが好適である。上記(iii)の具体的方法としては、例えば、多価アルコールとバイオディーゼルとのエステル交換反応により製造することが好適である。
上記エステル化合物は、上記(i)、上記(ii)、又は、上記(iii)の方法によって得られるものであることが好ましい。より好ましくは、上記(i)の方法によって得られるものである。
すなわち、上記エステル化合物がポリエーテル構造及び/又はポリエチレン構造を主鎖に有する多価アルコールと長鎖脂肪酸とを脱水縮合して得られるものであることは、本発明の好適な実施形態の1つである。
これによって、エステル化合物を高い純度で得ることが可能になる。
上記エステル化合物以外のバイオディーゼル燃料用添加剤に含まれる成分(その他の成分)としては、本発明の作用効果を損なわないものである限り特に限定されず、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、灯油、軽油等の溶剤に溶解して使用することができる。
上記バイオディーゼル燃料用添加剤は、エステル化合物をそのまま、もしくは2種以上を混合しても使用できる。また、上記バイオディーゼル燃料用添加剤は単独で使用しても、他の流動点降下剤、例えば、エチレン−酢酸ビニル系コポリマー、エチレン−アルキル(メタ)アクリレート系コポリマー、塩素化ポリエチレン、ポリアルキル(メタ)アクリレート、アルケニルコハク酸アミド化合物などの公知の化合物を配合しても使用できる。更にまた、他の一般の燃料油用添加剤、例えば、酸化防止剤、セタン価向上剤、界面活性剤、消泡剤、腐食防止剤などの添加剤と一緒でも使用することができる。
上記エステル化合物がバイオディーゼル燃料の流動点および目詰まり点を降下させるメカニズムとしては、以下のように考えられる。上記エステル化合物の長鎖脂肪酸、特に飽和脂肪酸部位(パルミチン酸基およびステアリン酸基)がバイオディーゼル燃料中の結晶成分(パルミチン酸メチルおよびステアリン酸メチル)の飽和脂肪酸部位と相互作用し、微小な結晶を形成する。さらに、上記エステル化合物の長鎖脂肪酸、特に脂肪酸部位はポリエーテル、ポリエチレン構造で連結されているため、結晶構造が乱されて結晶成長が抑制されると考えられる。つまり、本発明のバイオディーゼル燃料用添加剤をバイオディーゼル燃料に添加することにより、バイオディーゼル燃料中の結晶成分の結晶成長を阻害、結晶を微細化し、結果的にバイオディーゼル燃料の流動点及び目詰まり点を下げると考えられる。
また、上記エステル化合物は長鎖脂肪酸構造を有しており、バイオディーゼル燃料固化の原因である長鎖飽和脂肪酸エステルと強く相互作用することができる。長鎖アルキル基を有するくし型ポリマー(アルキル(メタ)アクリレート系コポリマー)などの上記先行技術による添加剤は、長鎖アルコール由来の構造を有しているが、長鎖脂肪酸構造を有しておらず相互作用が弱く性能も低いと考えられる。
このように、本発明のバイオディーゼル燃料用添加剤、具体的には、上記添加剤に含まれる多価アルコールと長鎖脂肪酸とのエステル化合物(例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステル)は、バイオディーゼル燃料の流動点、目詰まり点等の低温特性を効果的に改善することができるものであり、燃料として用いる際に問題となる流動点および目詰まり点を降下させることができる。
このように、本発明はまた、多価アルコールと長鎖脂肪酸とのエステル化合物を含むバイオディーゼル燃料用添加剤であって、上記エステル化合物は、構成する多価アルコールがポリエーテル及び/又はポリエチレン構造を主鎖に有する多価アルコールであるバイオディーゼル燃料用流動点降下剤及び目詰まり点降下剤でもある。
上記流動点および目詰まり点の降下は、それぞれJIS K−2269(原油及び石油製品の流動点並びに石油製品曇り点試験方法)およびJIS K−2288(石油製品−軽油−目詰まり点試験方法)の方法に従い測定することができる。具体的には、添加前後の流動点および目詰まり点の差で評価することができる。
上記バイオディーゼル燃料用添加剤は、添加されることによるバイオディーゼル燃料又は混合燃料の目詰まり点降下が3℃以上であることが好ましい。バイオディーゼル燃料用添加剤を添加することによるバイオディーゼル燃料の目詰まり点降下が大きくなると、バイオディーゼル燃料用添加剤が寒冷地でも好適に使用され得るものとなる。上記目詰まり点降下は、4℃以上であることが好ましい。より好ましくは5℃以上である。
本発明はまた、上記バイオディーゼル燃料用添加剤が添加されたバイオディーゼル燃料でもある。このようなバイオディーゼル燃料は、バイオディーゼル燃料用添加剤の添加量がバイオディーゼル燃料に対して100ppm〜50000ppmであることが好ましい。上記添加量がバイオディーゼル燃料に対して100ppm未満であると、効果が低くなるおそれがある。また、上記添加量がバイオディーゼル燃料に対して50000ppmを超えて多くなっても効果が頭打ちし、コスト面でも不利となるおそれがある。
上記バイオディーゼル燃料用添加剤の添加量は、バイオディーゼル燃料に対して1000ppm〜15000ppmであることが好ましい。より好ましくは、バイオディーゼル燃料に対して2000ppm〜12500ppmである。
上記バイオディーゼル燃料としては、ナタネ油、大豆油、パーム油、パーム核油、ひまわり油、桐油、サフラワー油、綿実油、とうもろこし油、アマニ油、ゴマ油、米油、オリーブ油、落花生油、ヒマシ油、ヤシ油、クルカス油等の植物性油、又は、魚油、牛脂、豚脂、及び、これらの廃食油等から誘導される動物性油が好ましい。また、その他の動物又は植物油から誘導されるバイオディーゼル燃料も挙げることができる。また、これらは1種又は2種以上用いることができる。上記バイオディーゼル燃料の中でも、ナタネ油、大豆油、パーム油がより好ましい。
本発明は更に、バイオディーゼル燃料とそれ以外の燃料とを含む混合燃料であって、上記バイオディーゼル燃料用添加剤が添加された混合燃料でもある。
上記混合燃料としては、上記バイオディーゼル燃料の1種又は2種以上と上記それ以外の燃料の1種又は2種以上とを含むものであればよい。上記混合燃料に含まれるバイオディーゼル燃料としては、上述と同様のものが好適である。
上記混合燃料は、混合燃料100質量%中、上記バイオディーゼル燃料を5質量%以上含むことが好ましい。
上記混合燃料中に含まれるバイオディーゼル燃料が5質量%未満であると、バイオディーゼル燃料用添加剤の添加による効果が充分に発現しにくい。混合燃料中にバイオディーゼル燃料が占める質量比として、より好ましくは10質量%以上であり、更に好ましくは20質量%以上である。
上記それ以外の燃料としては、本発明の作用効果が発揮されるものである限り特に限定されないが、軽油、灯油、暖房用油などの鉱油が好ましく、より好ましくは軽油及び灯油であり、更に好ましくは軽油である。
上記混合燃料は、バイオディーゼル燃料用添加剤が添加されたものである。このような混合燃料に含まれるバイオディーゼル燃料用添加剤としては、上記と同様であることが好ましい。また、上記バイオディーゼル燃料用添加剤の添加量は、混合燃料に対して100ppm〜50000ppmであることが好ましい。添加量が100ppm未満と少ない場合は効果が低く、また添加量が50000ppmを超えて多くなっても効果が頭打ちし、コスト面でも不利となるおそれがある。上記バイオディーゼル燃料用添加剤の添加量としてより好ましくは、混合燃料対して1000ppm〜15000ppmであり、更に好ましくは2000ppm〜12500ppmである。
上記混合燃料は、密度が0.850〜0.900g/cmであるバイオディーゼル燃料を添加することによって調製されるものであることが好適である。すなわち、上記混合燃料を構成することになるバイオディーゼル燃料の密度は、0.850〜0.900g/cmであることが好適である。これによって、バイオディーゼル燃料とそれ以外の燃料との密度が近くなり、両者を好適に混合できる。すなわち、バイオディーゼル燃料とそれ以外の燃料とを混合したときに、これらが容易に分離しないことになる。そのため、混合燃料を良好に燃焼させることができる。
上記混合燃料を構成することになるバイオディーゼル燃料の密度は、0.860g/cm以上であることが好ましい。より好ましくは0.862g/cm以上であり、更に好ましくは0.864g/cm以上である。上記密度が0.860g/cm未満である場合、混合燃料の燃焼効率が低下するおそれがあり、また、バイオディーゼル燃料とそれ以外の燃料とが分離しやすいものとなる。
また、上記混合燃料を構成することになるバイオディーゼル燃料の密度は、0.890g/cm以下であることが好ましい。より好ましくは0.885g/cm以下であり、更に好ましくは0.880g/cm以下である。上記密度が0.890g/cmを超える場合、バイオディーゼル燃料とそれ以外の燃料とが分離しやすいものとなる。
上記バイオディーゼル燃料の動粘度、及び、上記混合燃料の動粘度は、3.0mm/s(cSt)以上であることが好ましい。より好ましくは3.1mm/s以上であり、更に好ましくは3.2mm/s以上であり、特に好ましくは3.3mm/s以上である。上記動粘度が3.0mm/s未満である場合、ディーゼルエンジン等の系内におけるバイオディーゼル燃料及び混合燃料の潤滑性が失われるおそれがある。
上記バイオディーゼル燃料の動粘度、及び、上記混合燃料の動粘度は、5.0mm/s以下であることが好ましい。より好ましくは4.9mm/s以下であり、更に好ましくは4.8mm/s以下である。上記動粘度が5.0mm/sを超える場合、輸送システム、噴射システムにおける内部抵抗が増加するおそれがある。
上記バイオディーゼル燃料の引火点、及び、上記混合燃料の引火点は、100℃以上であることが好ましい。引火点がこのような値であることによって、容易に引火せず、より安全性に優れたものとなる。
上記バイオディーゼル燃料に含まれる水分量、及び、上記混合燃料に含まれる水分量は、500ppm以下であることが好ましい。上記水分量が500ppmを超える場合には、水分に起因して細菌等が発生することになるので、好ましくない。
上記バイオディーゼル燃料に含まれる硫黄分量、及び、上記混合燃料に含まれる硫黄分量は、10ppm以下であることが好ましい。上記硫黄分量が10ppmを超える場合には、燃焼時にSOxの発生量が増加することになる。
本発明のバイオディーゼル燃料用添加剤は、上述の構成よりなり、環境負荷が小さく軽油代替燃料として有用であるバイオディーゼル燃料の適用範囲を広げ、低温でも好適に使用することができるものとするバイオディーゼル燃料用添加剤、上記添加剤が添加されたバイオディーゼル燃料を提供するものである。つまり、バイオディーゼル燃料の流動点及び目詰まり点を降下させ、低温流動性を改善させるバイオディーゼル燃料用添加剤及び低温流動性が改善されたバイオディーゼル燃料を提供するものである。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
実施例1
添加剤A:ポリグリセリン脂肪酸エステル(分岐構造を有するポリグリセリン、ポリグリセリンの平均重合度=10、エステル化率=100%、長鎖脂肪酸含有量=パルミチン酸50モル%、オレイン酸50モル%)の合成と評価
窒素雰囲気下、100mLの四つ口フラスコにジクロロメタン30mLとジメチルホルムアミド15mLを仕込み、この中にポリグリセリン(ポリグリセリン、商品名:10PSW/ダイセル化学工業(株)社製、重合度=10)1.00gを溶解させた。ついで、トリメチルアミン1.93gを加えた。別に、パルミチン酸クロリド2.67g及びオレイン酸クロリド2.92gをジクロロメタン30mLに溶解し、この酸クロリド溶液を上記溶液に氷浴下、約30分で滴下が終了する速度で加えた。添加後、20℃で4時間攪拌した。4時間の反応後、反応液を水で2回洗浄した。ついで希炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、溶媒を減圧乾燥し、白色固体4.76gを得た。なお、合成した化合物の同定は、1H−NMR、13C−NMRを用いて行った(使用機器:Unity Plus 400(Varian社製))。また、合成された化合物の重量平均分子量は、3540であった。
続いて、合成した添加剤Aをパーム油BDFに対し10000ppmの濃度になるように混合し、流動点を測定したところ11.0℃であり、添加剤なし(比較例1)のパーム油BDFの流動点に比べて2.6℃降下した。流動点はJIS K−2269(原油及び石油製品の流動点並びに石油製品曇り点試験方法)の方法に従い測定した。結果を表1に示す。
なお、上記重量平均分子量の値は、下記の条件で測定した。
カラム:東ソー社製、商品名「TSK−GEL SUPER HZM−M 6.0*150」
溶離液:クロロホルム
流速:0.6mL/分
温度:40℃
検量線:ポリスチレン標準サンプル(東ソー社製)を用いて作成。
実施例2
添加剤B:ポリグリセリン脂肪酸エステル(分岐構造を有するポリグリセリン、ポリグリセリンの平均重合度=10、エステル化率=100%、長鎖脂肪酸含有量=パルミチン酸50モル%、ラウリン酸50モル%)の合成と評価
オレイン酸クロリド2.92gの代りにラウリン酸クロリド2.12g用いた以外は実施例1と同様に添加剤Bを合成した。合成された化合物の重量平均分子量は、3040であった。
続いて、合成した添加剤Bをパーム油BDFに対し10000ppmの濃度になるように混合し、流動点を測定したところ11.0℃であり、添加剤なし(比較例1)のパーム油BDFの流動点に比べて2.6℃降下した。結果を表1に示す。
実施例3
添加剤C:ポリグリセリン脂肪酸エステル(分岐構造を有するポリグリセリン、ポリグリセリンの平均重合度=10、エステル化率=100%、長鎖脂肪酸含有量=パルミチン酸20モル%、オレイン酸80モル%)の合成と評価
パルミチン酸クロリドの量を2.67gから1.07gに変え、オレイン酸クロリドの量を2.92gから4.67gに変えた以外は実施例1と同様に添加剤Cを合成した。合成された化合物の重量平均分子量は、3630であった。
続いて、合成した添加剤Cをパーム油BDFに対し10000ppmの濃度になるように混合し、流動点を測定したところ12.6℃であり、添加剤なし(比較例1)のパーム油BDFの流動点に比べて1.0℃降下した。結果を表1に示す。
比較例1
パーム油BDFに何も添加せずに流動点を実施例1と同様の方法で測定したところ13.6℃であった。
比較例2
添加剤としてアクルーブ133(商品名:アクリルメタクリレート系コポリマー/三洋化成(株)社製:添加剤D)を用いた以外は、実施例1と同様にして流動点を測定した。結果を表1に示す。
比較例3
添加剤としてパーム油(グリセリンのトリ長鎖脂肪酸エステル)を用いた以外は、実施例1と同様にして流動点を測定した。添加剤として使用したパーム油の重量平均分子量は、840であった。
なお、グリセリンのトリ長鎖脂肪酸エステルとは、すなわち、ポリエーテル構造及び/又はポリエチレン構造を主鎖に有しない多価アルコールと長鎖脂肪酸とのエステル化合物である。
Figure 2008291116
実施例4
実施例1において合成した添加剤Aをパーム油BDF、ナタネ油BDF(モデル)、及び、混合燃料A(パーム油BDF20%、軽油80%)に対して、それぞれ、10000ppm添加し、目詰まり点を測定した。目詰まり点はJIS K−2288(石油製品−軽油−目詰まり点試験方法)の方法に従い測定した。結果を表2に示す。
なお、ナタネ油BDF(モデル)の組成は、飽和脂肪酸としてパルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル、不飽和成分としてオレイン酸メチル、リノール酸メチル、リノレン酸メチルの5成分を下記表3の割合で混合したモデルBDFを使用した(非特許文献1参照)。
比較例4
パーム油BDF、ナタネBDF(モデル)、及び、混合燃料A(パーム油BDF20%、軽油80%)に、何も添加せずに実施例4と同様にして目詰まり点を測定した。結果を表2に示す。
比較例5
パーム油BDF、ナタネBDF(モデル)、及び、混合燃料A(パーム油BDF20%、軽油80%)に、添加剤としてアクルーブ133(商品名)(アクリルメタクリレート系コポリマー/三洋化成株:添加剤D)を用いた以外は、実施例4と同様にして目詰まり点を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2008291116
Figure 2008291116
なお、上述した実施例1〜4ではポリグリセリン、パルミチン酸、並びに、オレイン酸又はラウリン酸を用いて、多価アルコールと長鎖脂肪酸とのエステル化合物を調製しているが、多価アルコールと長鎖脂肪酸とのエステル化合物である限り、バイオディーゼル燃料の流動点及び目詰まり点を下げ、低温特性を改善する機構は同様である。多価アルコールと長鎖脂肪酸とのエステル化合物であれば、本発明の有利な効果を発現することは確実であるといえる。また、表2に示したように、パーム油BDF、ナタネ油BDF、混合燃料A(パーム油BDF20%、軽油80%)など種々のバイオディーゼル燃料、及び、バイオディーゼル燃料と他の燃料との混合燃料に対しても効果が高いことが明らかになった。バイオディーゼル燃料中の飽和脂肪酸エステル(パルミチン酸メチル、ステアリン酸メチル)が結晶化することによりバイオディーゼル燃料の結晶化が生じ、低温特性が発現することは既に述べたが、バイオディーゼル燃料中の飽和脂肪酸の量が添加剤の効果発現にも影響していることを見出した。つまり、飽和脂肪酸の量が多いほど添加剤の効果は小さくなる。実施例1〜4では、パーム油BDF、モデルBDF及びバイオディーゼル燃料とそれ以外の燃料とを含む混合燃料を用いているが、低温特性が改善する機構はパーム油BDF、モデルBDF及びそれ以外の各種バイオディーゼル燃料でも同様である。また、バイオディーゼル燃料とそれ以外の燃料とを含む混合燃料でも同様である。したがって、バイオディーゼル燃料中の飽和脂肪酸の量により添加剤の添加効果が発現するため、パーム油BDF、モデルBDF以外の各種バイオディーゼル燃料およびバイオディーゼル燃料と他の燃料との混合燃料であっても効果が発現することは確実であるといえる。
少なくとも、ポリグリセリン、パルミチン酸及びオレイン酸を用いてバイオディーゼル燃料用添加剤を調整する場合においては、上述した実施例及び比較例で充分に本発明の有利な効果が立証され、本発明の技術的意義が裏付けられている。

Claims (7)

  1. アルコール由来の化合物を含むバイオディーゼル燃料用添加剤であって、
    該アルコール由来の化合物は、ポリエーテル構造及び/又はポリエチレン構造を主鎖に有する多価アルコールと長鎖脂肪酸とのエステル化合物を必須とすることを特徴とするバイオディーゼル燃料用添加剤。
  2. 前記多価アルコールは、ポリグリセリンであることを特徴とする請求項1に記載のバイオディーゼル燃料用添加剤。
  3. 前記エステル化合物は、多価アルコールが有する水酸基の50モル%以上が長鎖脂肪酸によってエステル化されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のバイオディーゼル燃料用添加剤。
  4. 前記エステル化合物は、エステル化合物が有する長鎖炭化水素基100モル%中、炭素原子数が15以上であり、かつ、不飽和結合を有しない長鎖炭化水素基を20〜80モル%有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のバイオディーゼル燃料用添加剤。
  5. 前記エステル化合物は、重量平均分子量が1000以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のバイオディーゼル燃料用添加剤。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のバイオディーゼル燃料用添加剤が添加されたことを特徴とするバイオディーゼル燃料。
  7. バイオディーゼル燃料とそれ以外の燃料とを含む混合燃料であって、
    請求項1〜5のいずれかに記載のバイオディーゼル燃料用添加剤が添加されたことを特徴とする混合燃料。
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