JP2008290378A - インク受容体 - Google Patents
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Abstract
【課題】特に染料の退色を防止して、画像の耐候性、耐久性を向上する機能に優れると共に、特に高湿中で保管した際に、画像が、短期間で劣化しにくい上、印刷の色濃度の低下を抑制して、鮮明な画像を得ることができ、しかも厚みが均一で、かつ表面が平滑な受容層を備えた、インクジェット印刷用のインク受容体を提供する。
【解決手段】インクジェットインクによって印刷するための受容層に、フィラーとして、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムを含有させたインク受容体である。
【選択図】なし
【解決手段】インクジェットインクによって印刷するための受容層に、フィラーとして、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムを含有させたインク受容体である。
【選択図】なし
Description
本発明は、インクジェットインクによって印刷するためのインク受容体に関するものである。
近年、パーソナルコンピュータの出力印刷から、例えば商業広告などの、大型印刷物の印刷までの幅広い分野において、いわゆるインクジェット印刷方法が利用されている。インクジェット印刷方法では、紙等のインク受容体の表面に、色の3原色であるシアン、マゼンタ、イエローの3色、あるいは前記3色を基本とする4色以上の多色のインクジェットインクを用いてインクパターンを印刷して、各色の混色によってフルカラー画像などを表現している。
インクジェット印刷方法においては、近時、印刷の耐候性、耐久性等を向上することを考慮して、着色剤として、染料に比べて退色しにくい顔料を用いた顔料系のインクジェットインクが実用化されつつある。しかし、前記顔料系のインクジェットインクに比べて、
(1) 顔料等の固形分を含まないため、インク滴の大幅な微小化が可能であると共に、前記インク滴が、基本的に有色透明であるため、精細で、しかも、複数色の混色によって鮮やかな発色を有する画像を形成できることや、
(2) 前記顔料等の、長期間、貯蔵した際に沈降する成分を含まないため、貯蔵安定性に優れること、
等の理由で、着色剤として、インクジェットインクに使用する溶剤に対して可溶性(水性のインクジェットインクであれば水溶性)を有する染料を用いた染料系のインクジェットインクが、依然として、その主流を占めているのが現状である。
(1) 顔料等の固形分を含まないため、インク滴の大幅な微小化が可能であると共に、前記インク滴が、基本的に有色透明であるため、精細で、しかも、複数色の混色によって鮮やかな発色を有する画像を形成できることや、
(2) 前記顔料等の、長期間、貯蔵した際に沈降する成分を含まないため、貯蔵安定性に優れること、
等の理由で、着色剤として、インクジェットインクに使用する溶剤に対して可溶性(水性のインクジェットインクであれば水溶性)を有する染料を用いた染料系のインクジェットインクが、依然として、その主流を占めているのが現状である。
インクジェット印刷方法によって印刷をするためのインク受容体としては、上質紙等の通常の紙類や、あるいは基材の表面に、典型的に高いインク吸収性を有する受容層を積層した専用紙等が使用される。このうち、後者における受容層は、例えば水性のインクジェットインク用の場合、基材上に、吸水性に優れたシリカ等のフィラーと、結着樹脂とを含む塗布液を塗布した後、乾燥させて形成されるのが一般的である。特許文献1には、前記フィラーとして、酸化マグネシウムを単独で、あるいはシリカ等の他のフィラーと共に使用することで、前記酸化マグネシウムの機能によって、染料の退色を抑制して、画像の耐候性、耐久性を向上することが記載されている。
酸化マグネシウムは、染料が退色する主たる原因と目されている、空気中の活性酸素を分解する働きを有する。そのため、フィラーとして酸化マグネシウムを用いると、受容層に定着された染料に、活性酸素が直接に作用するのを抑制して、特に染料系のインクジェットインクによる画像の耐候性、耐久性を向上することができると考えられている。ところが、酸化マグネシウムは、空気中の水および二酸化炭素を吸収して、徐々にヒドロオキシ炭酸マグネシウムに変化するため、印刷後のインク受容体を、特に高湿中で保管すると、画像が、比較的、短期間で劣化するおそれがある。
また、特許文献2には、フィラーとして、シリカと、擬ベーマイト構造を有するアルミナとを併用することが記載されている。シリカは、先に説明したように吸水性に優れるものの、シリカ単独では、受容層の吸水性が強くなりすぎて、インクジェットインクが、受容層の深部まで浸透しやすくなるため、印刷の色濃度が低くなる傾向がある。この傾向は、特に近年の、インクジェット印刷方法における、画質向上のためのインク滴の微小化に伴って、顕著化しつつある。
これに対し、擬ベーマイト構造を有するアルミナは、シリカほど吸水性が高くない上、透明性に優れており、シリカと併用することで、受容層の吸水性を適度に調整すると共に、その透明性を高めるために機能する。そのため、前記両者を併用することによって、印刷の色濃度の低下を抑制して、鮮明な画像を得ることができると考えられている。しかし、前記併用系では、当然ながら、先に説明した酸化マグネシウムによる、染料の退色を防止する機能は得られず、染料系のインクジェットインクによる画像の耐候性、耐久性を向上する効果は得られない。
特開平11−34480号公報
特許第2650604号公報
そこで、前記各種のフィラーを併用して、それぞれのフィラーが有する優れた特性を、いずれも、受容層に付与することが考えられる。すなわち、フィラーとして、酸化マグネシウムと、シリカと、アルミナとを併用することで、染料の退色を防止しながら、受容層の吸水性を適度に調整すると共に、その透明性を高めて、鮮明な画像を得ることが期待されている。しかし、各フィラーを、受容層のもとになる塗布液中で、凝集を生じることなく、均一に分散させるのは困難であり、基材上に、厚みが均一で、かつ表面が平滑な受容層を形成することはできない。
そのため、受容層上に形成される画像の画質や光沢性が低下するおそれがある。この原因としては、それぞれのフィラーの帯電傾向が異なることが挙げられる。すなわち、酸化マグネシウムはプラスに帯電する傾向があるのに対し、シリカやアルミナはマイナスに帯電する傾向があるため、これらのフィラーを、同じ塗布液中で、凝集等を生じさせることなく、均一に分散させるのは困難である。
本発明の目的は、特に染料の退色を防止して、画像の耐候性、耐久性を向上する機能に優れると共に、特に高湿中で保管した際に、画像が、短期間で劣化しにくい上、印刷の色濃度の低下を抑制して、鮮明な画像を得ることができ、しかも厚みが均一で、かつ表面が平滑な受容層を備えたインク受容体を提供することにある。
本発明のインク受容体は、受容層が、フィラーとして、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムを含有していることを特徴とするものである。前記本発明のインク受容体によれば、受容層にフィラーとして含有させる、前記メタケイ酸アルミン酸マグネシウムが、1種単独で、酸化マグネシウムによる、染料の退色を防止して、画像の耐候性、耐久性を向上する機能と、シリカによる、受容層に高い吸水性を付与する機能と、アルミナによる、吸水性を調整する機能とを兼ね備えているため、染料の退色を防止しながら、受容層の吸水性を適度に調整して、鮮明な画像を得ることができる。
また、前記メタケイ酸アルミン酸マグネシウムは、酸化マグネシウム単体のように、空気中の水および二酸化炭素を吸収してヒドロオキシ炭酸マグネシウムに変化しにくいため、特に高湿中で保管した際に、画像が、短期間で劣化するのを抑制することもできる。しかも、フィラーとして、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムと帯電傾向の異なる他のフィラーを併用する必要がないので、前記メタケイ酸アルミン酸マグネシウムを、凝集等を生じさせることなく、均一に、塗布液中に分散させることができる。そのため、厚みが均一で、かつ表面が平滑な受容層を形成することもできる。
前記メタケイ酸アルミン酸マグネシウムの比表面積は150〜250m2/gであるのが好ましい。比表面積が前記範囲を超える場合には、インクジェットインクが、受容層の深部まで浸透しやすくなって、印刷の色濃度が低くなるおそれがある。また、比表面積が前記範囲未満では、十分な量のインクジェットインクを吸収できないため、受容層全体でのインクの吸収性が低下して、画像がにじむおそれがある。
本発明によれば、特に染料の退色を防止して、画像の耐候性、耐久性を向上する機能に優れると共に、特に高湿中で保管した際に、画像が、短期間で劣化しにくい上、印刷の色濃度の低下を抑制して、鮮明な画像を得ることができ、しかも厚みが均一で、かつ表面が平滑な受容層を備えたインク受容体を提供することができる。
本発明のインク受容体は、受容層が、フィラーとして、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムを含有していることを特徴とするものである。本発明のインク受容体の、具体的な構成としては、紙等の基材の表面に、インクジェットインクを受容して定着させるための受容層を含む単層の、または2層以上の層を積層した積層構造を有し、かつ、前記受容層が、フィラーとして、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムを含有するものが挙げられる。
基材としては、上質紙、中質紙、アート紙、ボンド紙、再生紙、キャストコート紙、段ボール紙、コンデンサー紙、グラシン紙等紙の他、例えばポリスルフォン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、トリアセテート等の各種合成樹脂からなるフィルムや合成紙、シート、さらにはセロファン等が挙げられる。
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(MgO・Al2O3・2SiO2・xH2O)の具体例としては、例えば富田製薬(株)製のトミタ−AD300Pシリーズ、トミタ−AD300NSシリーズの、主として比表面積によって分類される各種の、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムの微粒子が挙げられる。前記メタケイ酸アルミン酸マグネシウムは、先に説明したように、比表面積が150〜250m2/gであるのが好ましい。比表面積が前記範囲を超える場合には、インクジェットインクが、受容層の深部まで浸透しやすくなって、印刷の色濃度が低くなるおそれがある。また、比表面積が前記範囲未満では、十分な量のインクジェットインクを吸収できないため、受容層全体でのインクの吸収性が低下して、画像がにじむおそれがある。
受容層は、フィラーとしてのメタケイ酸アルミン酸マグネシウムと、結着樹脂とを含む塗布液を塗布した後、乾燥させて形成することができる。この際、本発明によれば、フィラーとして、前記メタケイ酸アルミン酸マグネシウム以外の、帯電傾向の異なる他のフィラーを併用する必要がないので、前記メタケイ酸アルミン酸マグネシウムを、凝集等を生じさせることなく、均一に、塗布液中に分散させることができ、厚みが均一で、かつ表面が平滑な受容層を形成することができる。
ただし、他のフィラーの併用を排除するものではなく、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムと帯電傾向が同じ、他のフィラーを併用することもできる。また、ごく少量で、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムの分散を妨げない範囲であれば、帯電傾向が逆のフィラーを併用することもできる。前記他のフィラーとしては、例えばアルミナ、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、タルク、クレイ、ハイドロサルファイト、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ等の1種または2種以上が挙げられる。
結着樹脂としては、例えばポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体等のポリビニルピロリドン系樹脂;ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のビニルアルコールのアセタール化物;ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロール系樹脂;ポリビニルアセタール、ポリウレタン、カルボキシメチルセルロース、ポリエステル、ポリアクリル酸またはそのエステル、ポリアクリルアミド、メラミン樹脂、あるいはこれらの変性物等の合成樹脂や、アルブミン、ゼラチン、カゼイン、デンプン、カチオン化デンプン、アラビアゴム、アルギン酸ソーダ等の天然樹脂の1種または2種以上が挙げられる。
受容層における、結着樹脂とフィラーの割合は、重量比で表して、結着樹脂1に対してフィラーが0.5〜8、特に1〜5であるのが好ましい。フィラーの割合は、前記フィラーとして、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムを単独で使用する場合は、前記メタケイ酸アルミン酸マグネシウムの割合であり、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムと、他のフィラーとを併用する場合は、両者の合計の割合である。フィラーの割合が、前記範囲未満では、特にメタケイ酸アルミン酸マグネシウムを配合することによる、先に説明した、染料の退色を防止しながら、受容層の吸水性を適度に調整して、鮮明な画像を得る効果が十分に得られないおそれがある。
また、十分な量のインクジェットインクを吸収できないため、受容層全体でのインクの吸収性が低下して、画像がにじむおそれもある。また、フィラーの割合が前記範囲を超える場合には、相対的に、結着樹脂の割合が少なくなるため、受容層の強度や密着性が低下して、特にインク受容体を曲げたり折ったりした際に、前記受容層が剥離したり、割れたりしやすくなるおそれがある。
受容層の厚みは、前記受容層のもとになる塗布液の、単位面積あたりの、固形分換算の塗布量で表して1〜70g/m2、中でも基材が紙である場合には3〜40g/m2、樹脂のフィルム等である場合には10〜60g/m2であるのが好ましい。また、乾燥後の受容層の厚みで表して3〜70μm、中でも基材が紙である場合には5〜40μm、樹脂のフィルム等である場合には15〜60μmであるのが好ましい。
厚みが前記範囲未満では、十分な量のインクジェットインクを吸収できないため、受容層全体でのインクの吸収性が低下して、画像がにじむおそれがある。また、前記範囲を超える場合には、受容層の強度や密着性が低下して、特にインク受容体を曲げたり折ったりした際に、前記受容層が剥離したり、割れたりしやすくなるおそれがある。また、受容層の透明性が低下して、鮮明な画像が得られないおそれもある。
《実施例1》
結着樹脂としてのポリビニルアルコール〔(株)クラレ製のPVA235〕1質量部を、純水49質量部に加え、かく拌して溶解させた後、フィラーとしてのメタケイ酸アルミン酸マグネシウム〔富田製薬(株)製のトミタ−AD300P、比表面積170m2/g〕3質量部を加え、粉砕分散させて、受容層用の塗布液を調製した。前記塗布液を、基材としての両面レジンコート紙〔三菱製紙(株)製〕の片面に、単位面積あたりの、固形分換算の塗布量で表して25g/m2となるように塗布し、乾燥させて受容層を形成してインク受容体を製造した。
結着樹脂としてのポリビニルアルコール〔(株)クラレ製のPVA235〕1質量部を、純水49質量部に加え、かく拌して溶解させた後、フィラーとしてのメタケイ酸アルミン酸マグネシウム〔富田製薬(株)製のトミタ−AD300P、比表面積170m2/g〕3質量部を加え、粉砕分散させて、受容層用の塗布液を調製した。前記塗布液を、基材としての両面レジンコート紙〔三菱製紙(株)製〕の片面に、単位面積あたりの、固形分換算の塗布量で表して25g/m2となるように塗布し、乾燥させて受容層を形成してインク受容体を製造した。
《実施例2〜5》
フィラーとして、比表面積が130m2/g(実施例2)、155m2/g(実施例3)、240m2/g(実施例4)、270m2/g(実施例5)であるメタケイ酸アルミン酸マグネシウムを同量、用いたこと以外は実施例1と同様にしてインク受容体を製造した。
《比較例1》
フィラーとして、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムに代えて、同量のシリカ〔東ソー・シリカ(株)製のニップジェル(登録商標)AZ−200、比表面積300m2/g、平均粒子径2.4μm、細孔容積2.0ml/g、平均細孔直径220Å〕を用いたこと以外は実施例1と同様にしてインク受容体を製造した。
フィラーとして、比表面積が130m2/g(実施例2)、155m2/g(実施例3)、240m2/g(実施例4)、270m2/g(実施例5)であるメタケイ酸アルミン酸マグネシウムを同量、用いたこと以外は実施例1と同様にしてインク受容体を製造した。
《比較例1》
フィラーとして、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムに代えて、同量のシリカ〔東ソー・シリカ(株)製のニップジェル(登録商標)AZ−200、比表面積300m2/g、平均粒子径2.4μm、細孔容積2.0ml/g、平均細孔直径220Å〕を用いたこと以外は実施例1と同様にしてインク受容体を製造した。
《比較例2》
結着樹脂としての、実施例1で使用したのと同じポリビニルアルコール1質量部を、純水49質量部に加え、かく拌して溶解させた後、フィラーとしてのアルミナゾル〔触媒化成工業(株)製のカタロイド(登録商標)AP−3、固形分濃度7質量%〕43質量部を加えてかく拌して、受容層用の塗布液を調製した。そして前記塗布液を用いたこと以外は実施例1と同様にしてインク受容体を製造した。
結着樹脂としての、実施例1で使用したのと同じポリビニルアルコール1質量部を、純水49質量部に加え、かく拌して溶解させた後、フィラーとしてのアルミナゾル〔触媒化成工業(株)製のカタロイド(登録商標)AP−3、固形分濃度7質量%〕43質量部を加えてかく拌して、受容層用の塗布液を調製した。そして前記塗布液を用いたこと以外は実施例1と同様にしてインク受容体を製造した。
《比較例3》
フィラーとして、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムに代えて、同量の酸化マグネシウム〔宇部マテリアルズ(株)製のマグネシア100A、比表面積130m2/g〕を用いたこと以外は実施例1と同様にしてインク受容体を製造した。
《比較例4》
結着樹脂としての、実施例1で使用したのと同じポリビニルアルコール1質量部を、純水49質量部に加え、かく拌して溶解させた後、フィラーとしての、比較例1で使用したのと同じシリカ1質量部と、比較例3で使用したのと同じ酸化マグネシウム1質量部とを加えて粉砕分散させた。次いで、比較例2で使用したのと同じアルミナゾル14.3質量部を加えてかく拌して、受容層用の塗布液を調製した。そして前記塗布液を用いたこと以外は実施例1と同様にしてインク受容体を製造した。
フィラーとして、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムに代えて、同量の酸化マグネシウム〔宇部マテリアルズ(株)製のマグネシア100A、比表面積130m2/g〕を用いたこと以外は実施例1と同様にしてインク受容体を製造した。
《比較例4》
結着樹脂としての、実施例1で使用したのと同じポリビニルアルコール1質量部を、純水49質量部に加え、かく拌して溶解させた後、フィラーとしての、比較例1で使用したのと同じシリカ1質量部と、比較例3で使用したのと同じ酸化マグネシウム1質量部とを加えて粉砕分散させた。次いで、比較例2で使用したのと同じアルミナゾル14.3質量部を加えてかく拌して、受容層用の塗布液を調製した。そして前記塗布液を用いたこと以外は実施例1と同様にしてインク受容体を製造した。
《比較例5》
特許文献2に記載されたインク受容体を再現するため、結着樹脂としての、実施例1で使用したのと同じポリビニルアルコール1質量部を、純水49質量部に加え、かく拌して溶解させた後、フィラーとしての、比較例1で使用したのと同じシリカ1質量部を加えて粉砕分散させた。次いで、比較例2で使用したのと同じアルミナゾル28.6質量部を加えてかく拌して、受容層用の塗布液を調製した。そして前記塗布液を用いたこと以外は実施例1と同様にしてインク受容体を製造した。
特許文献2に記載されたインク受容体を再現するため、結着樹脂としての、実施例1で使用したのと同じポリビニルアルコール1質量部を、純水49質量部に加え、かく拌して溶解させた後、フィラーとしての、比較例1で使用したのと同じシリカ1質量部を加えて粉砕分散させた。次いで、比較例2で使用したのと同じアルミナゾル28.6質量部を加えてかく拌して、受容層用の塗布液を調製した。そして前記塗布液を用いたこと以外は実施例1と同様にしてインク受容体を製造した。
《画像濃度評価》
実施例、比較例で製造したインク受容体の、受容層の表面に、インクジェットプリンタ〔キヤノン(株)製のBJF900〕を用いて、黒ベタ印刷をした後、黒ベタ部の画像濃度を、分光光度計〔グレタグマクベス社製のスペクロトロリノ(Spectrolino)NF777〕を用いて測定して、下記の基準で画像濃度を評価した。
○:1.45以上。
△:1.4以上、1.45未満。
×:1.4未満。
実施例、比較例で製造したインク受容体の、受容層の表面に、インクジェットプリンタ〔キヤノン(株)製のBJF900〕を用いて、黒ベタ印刷をした後、黒ベタ部の画像濃度を、分光光度計〔グレタグマクベス社製のスペクロトロリノ(Spectrolino)NF777〕を用いて測定して、下記の基準で画像濃度を評価した。
○:1.45以上。
△:1.4以上、1.45未満。
×:1.4未満。
《画質評価》
実施例、比較例で製造したインク受容体の、受容層の表面に、前記インクジェットプリンタを用いて、線幅0.75ポイントの細線を印刷し、観察して、下記の基準で画質を評価した。
○:鮮明であった。
△:僅かに不鮮明な部分があった。
×:不鮮明であった。
実施例、比較例で製造したインク受容体の、受容層の表面に、前記インクジェットプリンタを用いて、線幅0.75ポイントの細線を印刷し、観察して、下記の基準で画質を評価した。
○:鮮明であった。
△:僅かに不鮮明な部分があった。
×:不鮮明であった。
《インク吸収性評価》
実施例、比較例で製造したインク受容体の、受容層の表面に、前記インクジェットプリンタを用いて、黒ベタ印刷をし、印刷から10秒経過した黒ベタ部の上に上質紙を重ねて20fgの荷重をかけて密着させた後、引きはがした上質紙の表面を観察して、受容層のインク吸収性を評価した。
○:インクの付着なし。
△:インクの付着が僅かに見られた。
×:インクの付着あり。
実施例、比較例で製造したインク受容体の、受容層の表面に、前記インクジェットプリンタを用いて、黒ベタ印刷をし、印刷から10秒経過した黒ベタ部の上に上質紙を重ねて20fgの荷重をかけて密着させた後、引きはがした上質紙の表面を観察して、受容層のインク吸収性を評価した。
○:インクの付着なし。
△:インクの付着が僅かに見られた。
×:インクの付着あり。
《画像の耐久性評価(その1)》
実施例、比較例で製造したインク受容体の、受容層の表面に、前記インクジェットプリンタを用いて、黒ベタ印刷をし、2枚のガラス板で挟んで、温度24℃、相対湿度60%の環境下、10ppmのオゾンガスに5時間、曝した後、黒ベタ部の画像濃度を、先に説明した分光光度計を用いて測定して、下記の基準で画像の耐久性を評価した。
○:画像濃度が、オゾンガスに曝す前の初期値の100〜70%であった。
×:画像濃度が、初期値の70%未満であった。
実施例、比較例で製造したインク受容体の、受容層の表面に、前記インクジェットプリンタを用いて、黒ベタ印刷をし、2枚のガラス板で挟んで、温度24℃、相対湿度60%の環境下、10ppmのオゾンガスに5時間、曝した後、黒ベタ部の画像濃度を、先に説明した分光光度計を用いて測定して、下記の基準で画像の耐久性を評価した。
○:画像濃度が、オゾンガスに曝す前の初期値の100〜70%であった。
×:画像濃度が、初期値の70%未満であった。
《画像の耐久性評価(その2)》
実施例、比較例で製造したインク受容体の、受容層の表面に、前記インクジェットプリンタを用いて、線幅0.75ポイントの細線を印刷し、温度40℃、相対湿度90%の環境下で4日間、静置した後、画像を観察して、下記の基準で画像の耐久性を評価した。
○:静置前の初期状態と鮮明性が変わらなかった。
×:初期状態に比べて鮮明性が著しく低下した。
実施例、比較例で製造したインク受容体の、受容層の表面に、前記インクジェットプリンタを用いて、線幅0.75ポイントの細線を印刷し、温度40℃、相対湿度90%の環境下で4日間、静置した後、画像を観察して、下記の基準で画像の耐久性を評価した。
○:静置前の初期状態と鮮明性が変わらなかった。
×:初期状態に比べて鮮明性が著しく低下した。
《光沢性評価》
実施例、比較例で製造したインク受容体の、受容層の表面の60°光沢度を、光沢度測定器〔ビック−ガードナーUSA(BYK-Gardner USA)社製のマイクロトリグロス(micro-TRI-gloss、登録商標)〕を用いて測定して、下記の基準で光沢性を評価した。
○:90以上。
△:80以上、90未満。
×:80未満。
以上の結果を表1に示す。
実施例、比較例で製造したインク受容体の、受容層の表面の60°光沢度を、光沢度測定器〔ビック−ガードナーUSA(BYK-Gardner USA)社製のマイクロトリグロス(micro-TRI-gloss、登録商標)〕を用いて測定して、下記の基準で光沢性を評価した。
○:90以上。
△:80以上、90未満。
×:80未満。
以上の結果を表1に示す。
表より、フィラーとしてシリカのみを用いた比較例1のインク受容体は、受容層の吸水性が強すぎるため、画像濃度、および画質が×になると共に、酸化マグネシウムを含まないため、染料の退色を抑制することができず、耐久性(その1)が×になることが判った。また、フィラーとしてアルミナのみを用いた比較例2のインク受容体は、逆に、受容層の吸水性が弱すぎるため、インク吸収性が×になると共に、やはり酸化マグネシウムを含まないため、染料の退色を抑制することができず、耐久性(その1)が×になることが判った。また、フィラーとして酸化マグネシウムのみを用いた比較例3のインク受容体は、染料の退色を抑制する効果に優れるため、耐久性(その1)が○になったが、前記酸化マグネシウムの変質により耐久性(その2)が×になることが判った。
また、フィラーとしてシリカ、アルミナ、および酸化マグネシウムを併用した比較例4のインク受容体は、受容層用の塗布液中で、前記各成分を均一に分散させることができず、凝集等を生じて、厚みが均一で、かつ表面が平滑な受容層を形成できなかったため、光沢性が×になると共に、画質が×になることが判った。さらに、フィラーとしてシリカとアルミナとを併用して、特許文献2を再現した比較例5のインク受容体は、酸化マグネシウムを含まないため、染料の退色を抑制することができず、耐久性(その1)が×になることが判った。
これに対し、フィラーとして、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムを用いた実施例1〜5のインク受容体は、いずれも、評価が○〜△であって、染料の退色を防止して、画像の耐久性を向上する機能に優れると共に、特に高湿中で保管した際に、画像が、短期間で劣化しにくい上、印刷の色濃度の低下を抑制して、鮮明な画像を得ることができ、しかも厚みが均一で、かつ表面が平滑な受容層を形成できることが判った。また、各実施例を比較した結果から、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムの比表面積は150〜250m2/gであるのが好ましいことが判った。
Claims (2)
- インクジェットインクによって印刷するための受容層を備えたインク受容体であって、前記受容層が、フィラーとして、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムを含有していることを特徴とするインク受容体。
- メタケイ酸アルミン酸マグネシウムの比表面積が150〜250m2/gである請求項1に記載のインク受容体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007139119A JP2008290378A (ja) | 2007-05-25 | 2007-05-25 | インク受容体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007139119A JP2008290378A (ja) | 2007-05-25 | 2007-05-25 | インク受容体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2008290378A true JP2008290378A (ja) | 2008-12-04 |
Family
ID=40165610
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007139119A Pending JP2008290378A (ja) | 2007-05-25 | 2007-05-25 | インク受容体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008290378A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11807768B2 (en) | 2019-10-31 | 2023-11-07 | General Co., Ltd. | Inkjet ink, hiding layer coating agent, recording sheet and method for manufacturing the same, recorded product and method for manufacturing the same, and image recording ink |
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2007
- 2007-05-25 JP JP2007139119A patent/JP2008290378A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US11807768B2 (en) | 2019-10-31 | 2023-11-07 | General Co., Ltd. | Inkjet ink, hiding layer coating agent, recording sheet and method for manufacturing the same, recorded product and method for manufacturing the same, and image recording ink |
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