JP2008290008A - 浄水器 - Google Patents

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Abstract

【課題】多孔質のろ材を用いたもので、ろ材の厚みを増したりろ材の細孔の孔径を縮小化したりすることなく、粒径の小さい懸濁粒子の捕捉性能を向上させることが可能な浄水器を提供する。
【解決手段】この浄水器1は、第1電極11と、絶縁部材12を介し第1電極11と離れた位置にある導電性を有する多孔質のろ材13と、ろ材13に接触する第2電極14と、第1電極11と第2電極14の間の印加電圧を発生する直流電源16と、を備え、浄水モードではろ材13が正電位となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、原水中の懸濁粒子をろ材で捕捉する浄水器に関する。
家庭用の浄水器は、水道水(原水)中の無機粒子、バクテリアなどの懸濁粒子をろ材で捕捉(吸着)するろ過方式が広く用いられている。ろ材は、比較的簡単な構成でありながら懸濁粒子を効率的に捕捉できるものであり、非常に多くの細孔(pore)を表面及び内部に有する多孔質のもの、特に活性炭を主材料とするものが多く用いられている。活性炭の細孔の孔径は大小様々であり原料や製法により分布は異なるが、小さいものは10〜100Å程度、大きいものは100,000Å(10μm)程度である。懸濁粒子は種々のメカニズムによってろ材の細孔に捕捉される。例えば、ふるい分けによるものであり、細孔を通過しようとする懸濁粒子は、細孔の入口又は途中の粒径よりも狭い部分に挟まって捕捉される。また、細孔の孔径が懸濁粒子の粒径よりも大きい場合であっても、細孔の屈曲部分において水の流れに追従できず慣性力により衝突したり、ブラウン運動により揺れ動いた結果衝突したり、静電気力により引き寄せられたりして、細孔の壁に付着する。また、いずれのメカニズムによっても細孔の壁に近づくと、ファンデルワールス力により懸濁粒子と細孔の壁は互いに結合しようとする。
ろ過方式の浄水器は、懸濁粒子の捕捉性能の向上のため、従来より種々の提案がなされている。特許文献1、2は本願発明者の一人が発明者として提案したものであって、水道水を浄水筒内のろ材に逆流させる定期的な洗浄を容易にし、ろ材に溜まった懸濁粒子による目詰りを減ずることで、ろ材の経時的な捕捉性能の劣化を軽減するものである。特許文献3は、2個の電極間に直流48V以下の電圧を印加しそこを通過する水道水に電流を流して水自体や懸濁粒子を電離させることで、懸濁粒子が活性炭のろ材に捕捉され易くなるとしている。
なお、特許文献4は、多孔質のろ材ではないが、繊維の固まりをろ材として2個の電極間に配置し、電極間に直流電圧を印加して繊維表面に分極電荷を発生させ、静電気力により懸濁粒子を捕捉しようとするものである。
特開平4−250878号公報 特開2006−314964号公報 特開平10−34136号公報 特開平11−262611号公報
しかしながら、家庭用の浄水器にあっては、安全意識の高まりもあり、更なる懸濁粒子の捕捉性能が向上したものが求められている。特に、水道水の水質は、世界的に見ると地域間格差が大きく、水質の良好でない地域において、とりわけ粒径の小さい懸濁粒子が十分に捕捉されるような高い性能であり、しかもその性能が維持できる浄水器が求められている。
粒径の小さい懸濁粒子の捕捉性能を向上させるには、ろ材の厚みを増したりろ材の細孔の孔径を縮小化したりするのが効果的であるが、必要な水圧が増し、妥当な時間で必要な浄水の量を得るのが難しくなる。
本発明は、係る事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、多孔質のろ材を用いたもので、ろ材の厚みを増したりろ材の細孔の孔径を縮小化したりすることなく、粒径の小さい懸濁粒子の捕捉性能を向上させることが可能な浄水器を提供することにある。
上記目的を達成するために、第1電極と、第1電極とは離反した位置に配設され多孔質材を含み導電性を有するろ材と、ろ材に接触して配設された第2電極と、前記第1電極と第2電極の間に電圧を印加する直流電源と、を備え、少なくとも原水が前記第1電極、ろ材、第2電極を通過して浄水となる浄水モードを有し、浄水モードにおいて、前記直流電源により前記ろ材を正電位とすることを特徴とする。
請求項2に記載の浄水器は、請求項1に記載の浄水器において、原水が前記第2電極、ろ材、第1電極を通過してろ材の洗浄を行う洗浄モードを有し、浄水モードではろ材が正電位に、洗浄モードではろ材が負電位に、それぞれなるように、前記直流電源の極性を切り換える極性切換手段を更に備えることを特徴とする。
請求項3に記載の浄水器は、請求項2に記載の浄水器において、前記第1電極、前記ろ材、前記第2電極を収容する浄水筒と、原水が供給される流入ポートと浄水モード時に浄水が流出する流出ポートとが設けられたケーシングと、前記浄水筒に一体的に設けられて浄水筒とケーシングとの間に介在し、浄水モードでは前記第1電極から前記第2電極の向きに通水し、洗浄モードでは前記第2電極から前記第1電極の向きに通水するように流路を切り換える位置になる弁体と、を更に備えることを特徴とする。
請求項4に記載の浄水器は、請求項3に記載の浄水器において、前記直流電源はケーシングに収納され、前記弁体は、浄水モードの位置と洗浄モードの位置により直流電源の極性を切り換える極性切換手段の機能を備えることを特徴とする。
請求項5に記載の浄水器は、請求項1乃至4のいずれかに記載の浄水器において、前記ろ材は、活性炭を主材料としたものであることを特徴とする。
請求項6に記載の浄水器は、請求項5に記載の浄水器において、前記ろ材は、活性炭に珪藻土粒子を混合したものであることを特徴とする。
請求項7に記載の浄水器は、請求項1乃至6のいずれかに記載の浄水器において、浄水モードでの前記印加電圧は、0.2〜1.3Vであることを特徴とする。
請求項8に記載の浄水器は、請求項1乃至7のいずれかに記載の浄水器において、第1電極と第1電極とは離反した位置に配設され導電性を有する多孔質材を含む第2ろ材と、第2ろ材に接触して配設された第3電極と、前記第1電極と第3電極の間に電圧を印加する第2直流電源と、を更に備え、浄水モードにおいて、前記第2直流電源により前記第2ろ材を負電位とし、前記第2ろ材は、原水が前記ろ材を通過する前に第2ろ材を通過するよう配設されていることを特徴とする。
本発明の浄水器によれば、ろ材を導電性を有する多孔質のものとし、浄水モードではろ材が強制的に正電位になるようにしたので、懸濁粒子はろ材の細孔の壁に静電気力により引き寄せられて捕捉される。その結果、ろ材の厚みを増したりろ材の細孔の孔径を縮小化したりすることなく、懸濁粒子の捕捉性能を向上させ、特に、粒径の小さい懸濁粒子の捕捉性能を遥かに向上させることできる。また、洗浄モードでろ材が負電位になるようにすると、懸濁粒子は反発して排出され、特に、粒径の小さい懸濁粒子は容易に排出されることで、ろ材の捕捉性能が維持される。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施形態に係る浄水器1の要部の模式図である。図1において、10は浄水筒であり、この浄水筒10の内部には、第1電極11、絶縁部材12、ろ材13、第2電極14が順に収容され、第1電極11は第1流路10aに、第2電極14は第2流路10bに、それぞれ面している。ろ材13は、導電性を有する多孔質材よりなり、絶縁部材12を介在させることにより、第1電極11とは電気的に離反した位置に配設される。第2電極14は、ろ材13に電気的に接触して配設される。16は直流電源であり、この直流電源16は、後に詳述する極性切換手段15を介して第1電極11と第2電極14に接続され、両電極11、14の間に電圧を印加する。この浄水器1は、少なくとも原水が第1電極11、ろ材13、第2電極14を通過して浄水となる浄水モードを有するものであり、この浄水モードにおいて、直流電源16によりろ材13を正電位としている。そして、浄化すべき原水(例えば水道水)は、第1流路10aから流入し、第1電極11、絶縁部材12、ろ材13、第2電極14を通過して第2流路10bに至る。その際、原水は、後に詳述するように、ろ材13により懸濁粒子が捕捉(ろ過)され、浄水となって第2流路10bから外部に流出する。
浄水筒10、第1電極11、絶縁部材12、ろ材13、第2電極14の具体的な形状や配置及び通水の向きは、浄水器1の具体的仕様(例えば、蛇口直結型や据え置き型など)により適宜決められる。また、第1電極11、絶縁部材12、第2電極14は、通水の妨げとなってはならない形状である。例えば、後述の実験設備のように、浄水筒10を縦置きの円筒状とし、第1電極11と第2電極14をリング状、絶縁部材12を網目の円盤状、ろ材13を円柱状とし、順に積層して通水の向きを上から下にすることができる。また、後述の蛇口直結型の浄水器1Aのように、例えば、第1電極11、第2電極14を大小の径の網目の円筒状として同軸に配置し、絶縁部材12も網目の円筒状、ろ材13を中抜きの円柱状とし、通水の向きを外から内にすることができる。また、第1電極11は、縦置き又は横置きの棒状としたり、浄水筒10の一部を導電性としてそれに用いたりすることも可能である。なお、絶縁部材12は、第1電極11とろ材13とを確実に離れた位置にして絶縁するものであるが、それらの接触が防止できるのならば省略することができる。
浄水筒10は、絶縁性のものであれば材質は特に限定されず、例えば、プラスチック、ガラスなどにより形成する。第1電極11と第2電極14は、導電性の高いものが望ましいが、少なくともろ材13よりも高ければよく、通水による錆や腐食が発生し難いように、例えば、ステンレスにより形成する。絶縁部材12は、絶縁性のものであれば材質は特に限定されず、例えば、テフロン(登録商標)やその他の素材(ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系素材、PFA等のフッソ系素材、ポリスルホン系素材など)により形成する。また、絶縁部材12は、例えばこれらの材質からなる中空糸膜で構成してもよい。
ろ材13は、非常に多くの細孔を表面及び内部に有し、細孔を通過しようとする原水中の懸濁粒子を細孔の入口又は途中の部分で捕捉する多孔質材よりなる。また、ろ材13は、導電性を有するとともに一端が第2電極14に電気的に接触しているので、他端まで第2電極14の電位とほぼ等しくなる。ろ材13の多孔質材は、従来より浄水器に多く用いられているように、活性炭を主材料としたものが望ましい。また、上記特許文献2に記載されているように、懸濁粒子の捕捉性能を高めるために珪藻土を活性炭に混合してもよい。この場合、導電性がなくならないように混合の割合に注意することが必要である。珪藻土は活性炭より通常は孔径の大きな細孔を有する多孔質材であり、活性炭と珪藻土を混合することで、ろ材13の有する孔径の分布が広がって多様な粒径の懸濁粒子に対応でき、これが捕捉性能を高める一因となる。また、多孔質材は、ポリアセチレンやポーラス状の金属を一部又は全部に用いることも可能である。また、ろ材13は、浄水器1の仕様に応じ、ろ材粒子(例えば、活性炭粒子、活性炭粒子と珪藻土粒子の混合物)を集積しただけのものであったり、ろ材粒子をバインダ(例えば、アクリル系樹脂)でブロックに成形したものであったりする。なお、バインダを用いると細孔の孔径が多少小さくなることがある。
直流電源16は、乾電池などの電池又は商用交流電源を直流化する装置から成る。後述のように、望ましい電圧は1.3V以下であるので、軽量化、小型化、低コスト化などの観点から乾電池が望ましい。極性切換手段15は、浄水器1の基本機能である浄水モードに加え、原水が第2電極14、ろ材13、第1電極11を通過してろ材13の洗浄を行う洗浄モードを有する場合に必要となるものであり、浄水モードではろ材13が正電位に、洗浄モードではろ材13が負電位に、それぞれなるように、直流電源16による印加電圧の極性を切り換える。すなわち、直流電源16の正負の2個の端子160、161と第1電極11及び第2電極14の2個の端子162、163の間の接続の仕方を変えるものである。その具体的な構造は、浄水器1の仕様に応じ、外部スイッチ(図示せず)の操作に応じて印加電圧の極性を切り換えるような電子回路であってもよいし、直流電源16の正負の2個の端子160、161か第1電極11及び第2電極14の2個の端子163、162が物理的に動くことで接触関係が変わり、印加電圧の極性を切り換えるような機構であってもよい。
次に、浄水器1の全体の作用について説明する。浄水を得る浄水モードでは、直流電源16の正側が第2電極14の電位に、負側が第1電極11の電位になるように極性切換手段15が操作される。従って、導電性を有するろ材13は強制的に正電位となり、正に帯電することになる。懸濁粒子を含有する原水は浄水筒10の第1流路10a、第1電極11、絶縁部材12を通過してからろ材13に流入する。懸濁粒子は、上記の通り、ふるい分け、慣性力、ブラウン運動などにより細孔に捕捉される。更には、懸濁粒子は正に帯電しているものが少し存在する場合もあるが、懸濁粒子の多くは負に帯電しており、それらは正電位のろ材13の細孔の壁に静電気力により引き寄せられ付着し捕捉される。後の実験結果で詳述するが、粒径の小さい懸濁粒子はその質量が小さいことから、静電気力によって捕捉され易い。従って、捕捉される粒径の小さい懸濁粒子は、ろ材を強制的には正電位としない場合に比べ遥かに多い。こうして、ろ材の厚みを増したりろ材の細孔の孔径を縮小化したりすることなく、必要な水圧が増加することなく、水質の良好でない地域において粒径の小さい懸濁粒子が十分に捕捉されるようになる。
また、ろ材13の電位は0.2〜1.3Vが望ましい。これは、後述の実験結果に示すように、0.2V以上になると効果が現れ易く、1.3Vを超えると水中に浸される電極やろ材により水が電気分解を起こす可能性があるからである。
ろ材13に浄水モードと逆方向に通水して洗浄する洗浄モードでは、直流電源16の正側が第1電極11の電位に、負側が第2電極14の電位になるように極性切換手段15が操作される。従って、導電性を有するろ材13は強制的に負電位となり、負に帯電することになる。ろ材13に捕捉され負に帯電している懸濁粒子の多くは静電気力によってろ材13に反発しながら排出される。こうして、粒径の小さい懸濁粒子は容易に排出され、また、たとえ静電気力以外のメカニズムにより付着したものであっても、負に帯電していれば反発して排出される。その結果、ろ材13に溜まった懸濁粒子による目詰りは減ぜられ、ろ材13の経時的な捕捉性能の劣化が軽減され、捕捉性能が維持される。
浄水器1は更なる構成を加えて改良することも可能である。図2の模式図に示す浄水器1’は、浄水モードにおいて正電位のろ材13の前段に負電位の第2ろ材13’を有するようにしたものである。浄水筒10の内部には、前記の第1電極11と絶縁部材12の間に、第2絶縁部材12’、第2ろ材13’、第3電極14’が順に収容される。第2ろ材13’は、導電性を有する多孔質材よりなり、第2絶縁部材12’を介在させることにより、第1電極11とは電気的に離反した位置に配設される。第3電極14’は第2ろ材13’に電気的に接触して配設される。ろ材13は、絶縁部材12を介在させることにより、第3電極14’と電気的に離反した位置に配設されることになる。また、直流電源として、16の他に16’が設けられ、この直流電源16’は、第1電極11と第3電極14’に接続され、両電極11、14’の間に負の電圧を印加する。浄化すべき原水は、第1流路10aから流入し、第1電極11、第2絶縁部材12’、第2ろ材13’、第3電極14’、絶縁部材12、ろ材13、第2電極14を通過して第2流路10bに至る。
浄水モード及び洗浄モードにおいて、浄水器1’の第1電極11、ろ材13、第2電極14、極性切換手段15、直流電源16の動作は浄水器1と同様である。そして、直流電源16’の正側が第1電極11の電位に、負側が第3電極14’の電位になっており、第2ろ材13’は強制的に負電位となり、負に帯電している。浄水モードでは、負電位の第2ろ材13’に流入した原水中の懸濁粒子は静電気力により反発し、後述のバインダで成形したろ材13を用いた実験結果に示すように、大きい粒径の多くの懸濁粒子は細孔に入れず浮遊し表面全体に堆積する。小さい粒径の懸濁粒子は細孔を通過し、後段のろ材13に流入して前記と同様に振舞う。洗浄モードでは、第2ろ材13’の表面全体に堆積した懸濁粒子は、逆方向の流水の圧力により比較的容易に剥離し排除される。こうして、大きい粒径の懸濁粒子によるろ材13の目詰まりを軽減することができる。なお、洗浄モードでろ材13から排出された懸濁粒子は、第2ろ材13’を通過して排除される。洗浄モードでは、直流電源16’の電圧を遮断し、第2ろ材13’の強制的な帯電を一時停止してもよい。また、バインダの量を調整するかろ材粒子そのものを調整するかなどして、第2ろ材13’の細孔の入口の孔径の分布をろ材13と異ならせることも可能である。また、正に帯電した懸濁粒子が存在した場合、浄水モードにおいて、それらは第2ろ材13’の細孔の壁に静電気力により引き寄せられ付着し捕捉される。
本願発明者が具体的に実験を行った結果を以下に示す。先ず、前実験として、懸濁粒子たるカオリン粒子のゼータ電位とろ材13の主材料たる活性炭粒子のゼータ電位を測定した。ゼータ電位は、粒子の表面電位の尺度として広く使用されるものである。測定方法は、実験粒子(カオリン粒子又は活性炭粒子)を水に添加し、水中の実験粒子同士を超音波洗浄器(株式会社島津製作所製Hi−POWER SUS−200)により引き離した。そして、0.02N NaOH、HSO溶液でpHを変化させ、ゼータ電位計(株式会社マイクロテック・ニチオン製ZEECOM(TM)ZC−2000)により電圧をかけ、実験粒子の泳動速度を測定した。図3においてA線、B線はそれぞれカオリン粒子、活性炭粒子の実験結果を示している。横軸はpH、縦軸はゼータ電位である。これらの粒子は、負電位に帯電していることが分かる。懸濁粒子たるカオリン粒子は−40〜−10mVに帯電している。また、ろ材13の主材料たる活性炭粒子は強制的に電圧を印加しなければ、通常、正には帯電しないことが分かる。なお、pHを下げるとゼータ電位が上がり、特に活性炭粒子は急激に上がっている。これは、活性炭粒子はHを非常に吸着し易いためと考えられる。
次に、図1の浄水器1を具体化した図4に示す実験設備により、カオリン粒子を水中に含有させた懸濁液のろ過実験を行った。懸濁液中のカオリン粒子の濁度W(濃度)は100mg/Lとし、また、自然水に近い塩を含ませるために懸濁液500mlに対し0.5mmolの塩化カリウム(KCl)を添加し、上記の超音波洗浄器によりカオリン粒子等を十分に分散させた。実験設備の構成は、直径約8cmの円筒状の浄水筒10を使用し、第1電極11、絶縁部材12、ろ材13、第2電極14を上下に積層した。第1電極11と第2電極14はリング状のステンレス製とし、絶縁部材13は網目を有した円盤状のテフロン(登録商標)製とした。ろ材13は約150μm程度の粒径の活性炭粒子をバインダで成形せずにそのまま充填し、上下を金網で挟んで厚さ約3mmとした。懸濁液は、容器101からポンプ102を用いて浄水筒10に供給した。ろ過性能の測定は、ポンプ103により送られたろ過後の浄水に光を当てその透過光から吸光度Yを分光光度計(オーシャンオプティクスInc.製USB−2000)104を用いて約2秒毎に測定することにより行った。なお、吸光度Yと透過率Xの関係は、
Y=2−log10X ・・・(1)
である。また、純水500mlに対し0.5mmolのKClを添加したKCl添加純水を容器105に用意した。0点調整のために、分光光度計104がポンプ106により送られたKCl添加純水を測定できるように水路分岐107を設け、KCl添加純水の吸光度Yを3分間測定した。
図5は、ろ過の速度を20ml/minとなるように懸濁液を浄水器1に供給し、ろ材13の電位を順に変更した実験結果である。(a)は、ろ材13の電位を0V、0.1V、0.2V、0.5V、1.0V(各々図中のデータC、D、E、F、Gが対応)に設定したものであり、(b)は、0V、−0.1V、−0.5V、−1.0V(各々図中のデータC、D、F、Gが対応)に設定したものである。なお、各々のろ材13の電位の設定において、0点調整後に水路を切り換えて浄水の吸光度Yの測定を行った。
図5(a)より、ろ材13を0.2V以上の正の電位とすると、吸光度Yが低くなっているのが認められる。従って、ろ材13を正の電位とすることで、ろ過性能が向上できることが分かる。これは、カオリン粒子が負に帯電していて、静電気力によりろ材13の細孔の壁に引き寄せられ付着するものが増大したものと考えられる。0.1Vの正の電位で効果が現れなかったのは、0.1Vを印加しても、ろ材13たる活性炭の負のゼータ電位を打ち消してカオリン粒子を引き寄せるほどに完全な正の電位にはならなかったためと考えられる。なお、0.2V以上では、吸光度Yの電圧依存性はほとんど認められなかった。図5(b)より、ろ材13を負の電位としても、吸光度Yはほとんど変化がないのが分かる。従って、この実験結果では、ろ材13を負の電位としても、ろ過性能はほとんど向上できなかった。
表1は、ろ過開始後の浄水の吸光度Yから、ろ過前の懸濁液からのカオリン粒子の除去量Vを計算したものである。濁度Wが25mg/L、50mg/L、75mg/Lの懸濁液の吸光度Yをそれぞれ予め測定して導いておいた実験式
Y=0.00184W−0.00038 ・・・(2)
に当てはめ、浄水の濁度Wを各時間毎に計算し、ろ過前の懸濁液(濁度Wが100mg/L)との差を求め、これに流量を乗じ、ろ過開始時からろ過終了時までの処理時間(40分)で積分することにより、除去量Vを求めた。すなわち、除去量Vは、ろ過によってろ材に捕捉されたカオリン粒子の総量を表している。ろ材13を0.2V以上の正の電位とすると、除去量Vは、印加電圧が0の場合に対し75%程度向上することが認められる。
また、図6は、ろ過前の懸濁液とろ過開始15分後の浄水について、カオリン粒子の相対的な粒度分布を示したものである。図示しているのは、ろ材13の電位が0.5Vのものであり、ろ過前が曲線L、ろ過後が曲線Mである。粒径約10μm以上のカオリン粒子は、上記のふるい分け等により多く細孔に捕捉されたものと考えられる。それよりも粒径が小さいものでは、ろ過後の粒径約1μm当りのカオリン粒子の割合が相対的に低くなっている。これは、粒径の小さい粒子は粒径が小さい程その質量が小さいことから、正電位のろ材13の細孔に静電気力によって捕捉され易かったからと考えられる。
次に、以上のろ過実験の後に、洗浄実験を行った。図7は、その実験結果である。ろ過実験を行ったものについて、上記のKCl添加純水を懸濁液のかわりに浄水器1に供給し、ろ材13の電位の絶対値を同じにしたまま極性を反対にして洗浄排水の吸光度Yを測定した。ろ材13における通水の向きは、ろ過実験のときと同じである。同図のデータN、P、Qはそれぞれ、ろ過実験のろ材13の電位が0.2V、0.5V、1.0Vだったものについて、−0.2V、−0.5V、−1.0Vとしたものである。
表2に示す除去量Vは、表1のものと同じであり、ろ過によってろ材13に捕捉されていたカオリン粒子の総量を表している。洗浄量は、洗浄排水の吸光度Yからその濁度Wを上式(2)によって各時間毎に求め、これに流量を乗じ、洗浄開始500秒間の処理時間で積分したものであり、洗浄によってろ材13から排出されたカオリン粒子の総量を表している。ろ材残留量は、除去量Vから洗浄量を引いて求めたものである。洗浄効率は、洗浄量を除去量Vで割って求めたものである。
図7及び表2より、ろ材13が負電位になることにより、静電気力によってカオリン粒子が排出されていることが認められる。また、ろ材13の電位が−0.5Vの場合が優れて良く、洗浄効率は電位によって異なることが認められる。この理由は定かではないが、−0.5Vの場合は、カオリン粒子が静電気力による反発力の効果を受け易かったと考えられる。また、−0.2Vの場合は、静電気力による反発力よりもファンデルワールス力による吸引力が大きかったために、カオリン粒子が脱着し難かったとも考えられる。また、−1.0Vの場合は、カオリン粒子の電荷が正の高い電位により中和されたとも考えられる。
次に、バインダで成形したろ材13により、バインダで成形せずに活性炭粒子をそのまま充填した上記の実験と同様にしてろ過実験と洗浄実験を行った。ろ材13は活性炭粒子からなり、バインダとしてアクリル系樹脂を全体の5重量%程度添加している。図8はろ材13の電位を−0.5V、−0.2V、0V、0.2V、0.5V(各々図中のデータF、E、C、E、Fが対応)に設定したろ過実験の結果である。表3は、表1と同様にして、カオリン粒子の除去量Vを計算したものである。表4は、表2と同様にして、洗浄量、ろ材残留量、洗浄効率を求めたものである。
これらの実験結果からは、バインダで成形せずに活性炭粒子をそのまま充填した上記実験結果と傾向が異なり、ろ材13を正電位とした場合だけでなく負電位とした場合においても、吸光度Yの低下、除去量Vの向上が認められる。これは、バインダで成形することによりろ材13の細孔の入口の孔径が小さくなって静電気力が大きくなり、負に帯電しているカオリン粒子で粒径が大きいものが静電気力の反発によって細孔に入り込まなかったためと考えられる。なお、ろ材13の電位が0Vのものの表3に示す除去量Vが表1に示す除去量Vよりも多くなっているのは、バインダで成形することによりろ材13の細孔の孔径が小さくなっていたことを示すもの考えられる。ろ過実験直後のろ材13の表面を観察すると、図9に示すように、ろ材13の電位が−0.2Vのものでは、ろ材13の全体的にカオリン粒子が多く堆積していた。これに対し、ろ材13の電位が0Vのものでは、図10(a)に示すように、カオリン粒子はほとんど観察されず、ろ材13の電位が+0.2Vのものでは、図10(b)に示すように、カオリン粒子が少し堆積していた。
次に、浄水器1をより具体化した実施形態に係る浄水器を説明する。ここでは、蛇口直結型の浄水器1Aを図11に基づいて説明する。浄水器1Aは、直径約5cmの略円筒状の浄水筒10Aの内部に、第1電極11A、絶縁部材12A、ろ材13A、第2電極14Aを外から内に順に収容配設している。そして、浄水筒10Aの内壁面上側部と第1電極11Aとの間は第1流路P11が、第2電極14Aの内方と浄水筒10Aの内壁面底部の内方は第2流路P12が、それぞれ形成されており、後述する弁体20の軸線を延長する付近に第1流路P11と第2流路P12を区分する仕切り壁10AAがリング状に形成されている。浄水筒10Aにはその側面下部に、後に詳述する略円柱状の弁体20を一体的に取り付けている。この弁体20には、それの大半を覆うようにして弁体20が相対的に回動可能なケーシング30が装着される。弁体20とケーシング30は、例えば、プラスチック製である。
ケーシング30は、上方側に原水が供給される流入ポート31及びそれに連通する第1流路P31と、下方側に浄水モード時に浄水が流出する第2流路P32及びそれに連通する流出ポート32とが設けられている。この流入ポート31には、水道水栓の蛇口が連結される。このケーシング30は、乾電池のような直流電源16Aを収容するとともに、弁体20が回動する摺動内壁面に、直流電源16Aの正負の2個の端子160、161を弁体20の軸線方向に露出させて並べ、それらを弁体20が回動する方向に角度間隔を有して2対設けている。この角度間隔は、この実施形態では180°である。一方の対と他方の対は、正負の端子160、161が弁体20の軸線方向に入れ替わるようにしている。
弁体20は、浄水筒10Aに一体的に設けられて浄水筒10Aとケーシング30との間に介在し、浄水モードでは第1電極11Aから第2電極14Aの向きに原水を通水し、洗浄モードでは第2電極14Aから第1電極11Aの向きに原水を通水するように流路を切り換えるものである。具体的には、略円柱状をなす弁体20は、その基端(浄水筒10A側)が仕切り壁10AAに当接するように位置している。また、弁体20は、外周面に開口して径方向に伸び、そこから屈曲して軸線方向に伸びて基端端面に開口する第1流路P21と第2流路P22を有する。この実施形態では、弁体20が回動する方向に180°の角度間隔の位置関係でもって第1流路P21と第2流路P22が位置しており、浄水モードでは、第1流路P21の外周面開口がケーシング30の第1流路P31に、第1流路P21の基端開口が浄水筒10Aの第1流路P11に、第2流路P22の外周面開口がケーシング30の第2流路P32に、第2流路P22の基端開口が浄水筒10Aの第2流路P12に、それぞれ連通するようになっている。
更に、弁体20は、直流電源16Aと浄水筒10Aの第1電極11A及び第2電極14Aを電気的に接続する電路を有して、浄水モードの位置と洗浄モードの位置により直流電源の極性を切り換えることができるように、つまり極性切換手段15Aの機能を備えるように形成されている。すなわち弁体20の外周面には、ケーシング30に設けた2対の正負の端子160、161、160、161に接触し得る2個の端子162、163を設けている。この実施形態では、浄水モードでは、端子162がケーシング30の正の端子160に、端子163が負の端子161に、洗浄モードでは、端子162が負の端子161に、端子163が正の端子160に、それぞれ接触するようにしている。端子162は第2電極14Aに、端子163は第1電極11Aに、それぞれ図示しない電路により接続される。この電路は、両端子162、163から基端端面に延設し、一方、両電極11A、14Aからは仕切り壁10AAの端面まで電路を延設し、そこで電気的に接続されるようにすればよい。
第1電極11Aと第2電極14Aは、網目を有した円筒状のステンレス製とし、大小の径の大きさで同軸に配置されている。絶縁部材12は、網目を有した円筒状のテフロン(登録商標)製としている。ろ材13Aは、活性炭粒子、又は活性炭粒子と珪藻土粒子の混合物にバインダとしてアクリル系樹脂を添加し、中抜きの円柱状のブロックに成型したものである。なお、活性炭粒子や珪藻土粒子の混合物の場合は、例えば、重量比6:1〜10:1とする。また、アクリル系樹脂の割合は、例えば、全体の5重量%程度とする。
浄水モードでは、図11に示すように、弁体20の第1流路P21がケーシング30の第1流路P31に、第2流路P22がケーシング30の第2流路P32にそれぞれ連通するとともに、ケーシング30の正の端子160は弁体20の端子162及び電路を介して第2電極14Aに、負の端子161は弁体20の端子163及び電路を介して第1電極11Aに、それぞれ電気的に接続する。従って、ろ材13Aは正電位となり、正に帯電する。ケーシング30の流入ポート31に供給された原水は第1流路P31、弁体20の第1流路P21、浄水筒10Aの第1流路P11を通って第1電極11A、ろ材13A、第2電極14Aを通過する。その際、通常のろ材13Aの作用に加え、負に帯電している懸濁粒子の多くは正電位のろ材13Aに捕捉されることにより、原水は浄水となる。そして、第2電極14Aから流出した浄水は、第2流路P12、弁体20の第2流路P22、ケーシング30の第2流路P32を通って、流出ポート32から流出する。
洗浄モードでは、浄水筒10Aは図11の浄水モードの状態から180°回動され、従って弁体20も180°回動し、弁体20の第2流路P22がケーシング30の第1流路P31に、第1流路P21がケーシング30の第2流路P32にそれぞれ連通するとともに、ケーシング30の正の端子160は第1電極11Aにつながる端子163に、負の端子161は第2電極14Aにつながる端子162に、それぞれ電気的に接続する。従って、ろ材13Aは負電位となり、負に帯電する。ケーシング30の流入ポート31に供給された原水は第1流路P31、弁体20の第2流路P22、浄水筒10Aの第2流路P12を通って第2電極14A、ろ材13A、第1電極11Aを通過する。その際、ろ材13Aが負電位になることにより、ろ材13Aに捕捉されていた負に帯電している懸濁粒子の多くは静電気力によって反発しながら外方向に排出される。そして、第1電極11Aから流出した洗浄排水は、第1流路P11、弁体20の第1流路P21、ケーシング30の第2流路P32を通って、流出ポート32から流出する。
また、原水を流出ポート32から流出する原水モードでは、浄水筒10Aは浄水モードの状態と洗浄モードの状態の中間の90度回動された状態にされ、図示はしないが、弁体20に設けられたバイパス流路によりケーシング30の第1流路P31と第2流路P32が直接連通する。ケーシング30の正負の端子160、161と第1電極11A及び第2電極14Aにつながる2個の端子163、162の接触状態は、ろ材13に捕捉した懸濁粒子が放出されないように、浄水モードと同様にする。ケーシング30の流入ポート31に供給された原水は第1流路P31、弁体20のバイパス流路、ケーシング30の第2流路P32を通って、流出ポート32から流出する。
このように、蛇口直結型の浄水器1Aは、浄水筒10Aと一体化された弁体20が極性切換手段15Aを兼ね、回動することにより流路を切り換えるとともに、第1電極11Aと第2電極14Aの間の印加電圧の極性を切り換える。
以上、本発明の実施形態に係る浄水器について説明したが、本発明は、上述の実施形態に記載したものに限られることなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内でのさまざまな設計変更が可能である。例えば、浄水器1をより具体化した浄水器は、説明した蛇口直結型のみならず浄水・洗浄・原水切換レバー付きのものや据え置き型などの浄水器もあり、浄水器1で説明した事項が適用可能である。また、蛇口直結型や据え置き型などに浄水器1’を適用することも可能である。更には、排水を原水とする排水処理装置に適用し、排水中の懸濁粒子を捕捉することも可能である。
本発明の実施形態に係る浄水器の要部の模式図である。 本発明の他の実施形態に係る浄水器の要部の模式図である。 実験粒子についてゼータ電位のpHに対する測定結果を示す特性図である。 実験設備の構成を示す概略図である。 浄水の吸光度の時間変化の測定結果を示す特性図である。 ろ過前後のカオリン粒子の相対的な粒度分布の測定結果を示す特性図である。 洗浄排水の吸光度の時間変化の測定結果を示す特性図である。 別の浄水の吸光度の時間変化の測定結果を示す特性図である。 ろ過実験後のろ材表面の写真である。 別のろ過実験後のろ材表面の写真である。 本発明の実施形態に係る蛇口直結型の浄水器の概略断面図である。
符号の説明
1、1A、1’ 浄水器
10、10A 浄水筒
11、11A 第1電極
12、12A 絶縁部材
12’ 第2絶縁部材
13、13A ろ材
13’ 第2ろ材
14、14A 第2電極
14’ 第3電極
15、15A 極性切換手段
16、16A 直流電源
16’ 第2直流電源
160〜163 端子
20 弁体
30 ケーシング
P11〜P32 流路
31 流入ポート
32 流出ポート

Claims (8)

  1. 第1電極と、
    第1電極とは離反した位置に配設され多孔質材を含み導電性を有するろ材と、
    ろ材に接触して配設された第2電極と、
    前記第1電極と第2電極の間に電圧を印加する直流電源と、を備え、
    少なくとも原水が前記第1電極、ろ材、第2電極を通過して浄水となる浄水モードを有し、浄水モードにおいて、前記直流電源により前記ろ材を正電位とすることを特徴とする浄水器。
  2. 請求項1に記載の浄水器において、
    原水が前記第2電極、ろ材、第1電極を通過してろ材の洗浄を行う洗浄モードを有し、
    浄水モードではろ材が正電位に、洗浄モードではろ材が負電位に、それぞれなるように、前記直流電源の極性を切り換える極性切換手段を更に備えることを特徴とする浄水器。
  3. 請求項2に記載の浄水器において、
    前記第1電極、前記ろ材、前記第2電極を収容する浄水筒と、
    原水が供給される流入ポートと浄水モード時に浄水が流出する流出ポートとが設けられたケーシングと、
    前記浄水筒に一体的に設けられて浄水筒とケーシングとの間に介在し、浄水モードでは前記第1電極から前記第2電極の向きに通水し、洗浄モードでは前記第2電極から前記第1電極の向きに通水するように流路を切り換える位置になる弁体と、
    を更に備えることを特徴とする浄水器。
  4. 請求項3に記載の浄水器において、
    前記直流電源はケーシングに収納され、
    前記弁体は、浄水モードの位置と洗浄モードの位置により直流電源の極性を切り換える極性切換手段の機能を備えることを特徴とする浄水器。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の浄水器において、
    前記ろ材は、活性炭を主材料としたものであることを特徴とする浄水器。
  6. 請求項5に記載の浄水器において、
    前記ろ材は、活性炭に珪藻土粒子を混合したものであることを特徴とする浄水器。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の浄水器において、
    浄水モードでの前記印加電圧は、0.2〜1.3Vであることを特徴とする浄水器。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の浄水器において、
    第1電極と第1電極とは離反した位置に配設され導電性を有する多孔質材を含む第2ろ材と、
    第2ろ材に接触して配設された第3電極と、
    前記第1電極と第3電極の間に電圧を印加する第2直流電源と、を更に備え、
    浄水モードにおいて、前記第2直流電源により前記第2ろ材を負電位とし、前記第2ろ材は、原水が前記ろ材を通過する前に第2ろ材を通過するよう配設されていることを特徴とする浄水器。
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