JP7474866B2 - ろ過装置 - Google Patents

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Description

本開示は、ろ過装置に関する。
粒子流体系スラリーのろ過による固液分離において、電気浸透や電気泳動を利用して分離対象の粒子と液体を分離する方法が知られている(例えば特許文献1、2参照)。電気浸透を利用した固液分離は、電極間に挟んだケーキ層に電圧と圧力を加え、ケーキ層中の水分を電気浸透作用によりろ材を通して追い出す方法である。また、電気泳動を利用した固液分離は、スラリー中の粒子を電気泳動により移動させてろ材に直接接触させて、スラリー中の粒子を分離する方法である。
また、中空糸膜を用いたろ過方法も知られている(例えば、特許文献3参照)。
特開昭61-018410号公報 国際公開第2004/045748号公報 特開平11-342320号公報
特許文献1から3の技術では、スラリー中の粒子をろ材や中空糸膜に直接接触させて固液分離する。特許文献1から3の技術では、ろ材や中空糸膜の目詰まりによるろ過速度の低下が生じる可能性がある。
本開示は、ろ過速度を向上させることが可能なろ過装置を提供することを目的とする。
本開示の一側面のろ過装置は、中空部を有する筒状のろ材と、複数の第1開口が設けられ、前記ろ材の外周を覆う第1電極と、前記ろ材の一端から前記ろ材の前記中空部に挿入される、第2電極と、を有する、少なくとも1つの電界駆動フィルタと、前記筐体の内部に設けられ、前記電界駆動フィルタが挿入される、第1ろ室と、前記第1ろ室に設けられる第3電極と、前記第1ろ室とは隔てられた前記筐体の内部に設けられ、前記ろ材の前記中空部と連通する第2ろ室と、を有する。
本開示のろ過装置によれば、ろ過速度を向上させることが可能である。
図1は、実施形態のろ過装置の構成例を模式的に示す断面図である。 図2は、図1のII-II断面を模式的に示す断面図である。 図3は、電界駆動フィルタの一部分を模式的に示す側面図である。 図4は、図3のIV-IV断面を模式的に示す断面図である。 図5は、実施形態のろ過装置の動作を説明するための説明図である。 図6は、第1電極及びろ材の構成を模式的に示す断面図である。 図7は、実施形態のろ過装置を示す電気的等価回路図である。
以下、本開示につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という)により本開示が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
図1は、実施形態のろ過装置の構成例を模式的に示す断面図である。実施形態のろ過装置10は、液体72中に粒子71が分散された対象処理液であるスラリー(原液)70から、粒子71を分離する装置である。ろ過装置10は、中空糸膜モジュールとも呼ばれる。具体的には、ろ過装置10は、ライフサイエンス分野や、下水処理、排水処理分野等に適用できる。ライフサイエンス分野では、培養細胞、微細藻類、細菌、バクテリア、ウイルス等の微生物体培養を行うバイオ産業や、培養微生物体が体外、体内に生産する酵素、タンパク質、多糖類、脂質等の利用、応用分野であるバイオ創薬や化粧品業界、又は、醸造、発酵、搾汁、飲料等を扱うビバレッジ産業に適用される。下水処理、排水処理分野では、難ろ過性の微細バイオマス水系スラリーで、バイオマス粒子の分離にろ過装置10が適用される。あるいは、ろ過装置10は、表面帯電した微粒子が電気的反発作用で高分散したコロイド粒子系スラリーで、コロイド微粒子の濃縮回収をすることができる。
図1に示すように、実施形態のろ過装置10は、筐体11と、台座12とを有する。ろ過装置10は、筐体11で囲まれた内部空間に、第1ろ室30と、第2ろ室35Aとを有する。ろ過装置10の第1ろ室30には、複数の電界駆動フィルタ40が配置されている。実施形態のろ過装置10は、第1電極31、第2電極32及び第3電極33を有し、第1電極31、第2電極32及び第3電極33には、第1電源51、第2電源52及び第3電源53の少なくとも1つが電気的に接続される。
以下、実施形態では、X方向と、X方向と直交するY方向があるX-Y平面が水平面である。電界駆動フィルタ40は、X-Y平面と垂直なZ方向に延びる。
筐体11は、例えば、絶縁材料で形成された円柱状の部材である。台座12は、例えば、金属材料で形成され、筐体11を支持する。筐体11は、一体の構造を例示するが、複数の部品で構成される態様でもよい。
筐体11には、スラリー供給通路11aと、排気通路11bとが設けられる。スラリー供給通路11aの一端側は、筐体11の底部に開口し、スラリー供給部18に接続される。スラリー供給通路11aの他端側は、筐体11の第1ろ室30に開口している。スラリー(原液)70は、スラリー供給部18、スラリー供給通路11aを介して第1ろ室30に供給される。第1ろ室30の内部圧力は、例えば、0.1MPaである。第1ろ室30内の内部圧力は、スラリーの種類や粘度によって、適宜変更される。
スラリー供給部18は、ドレインバルブ18Pにも接続されている。通常、ろ過装置10が動作している場合、ドレインバルブ18Pは閉状態である。第1ろ室30の清掃などのろ過装置10の非動作時には、ドレインバルブ18Pが開状態となり、第1ろ室30の液体が排水される。
排気通路11bの一端側は、筐体11の上部に開口し、エア排出部90に接続される。スラリー供給通路11aの他端側は、筐体11の第2ろ室35Aに開口している。エア排出部90は、不図示のエア排出バルブに接続されている。
図2は、図1のII-II断面を模式的に示す断面図である。図1に示す筐体11の内部には、内壁11hで囲まれる第1ろ室30が設けられている。第1ろ室30内部には、上方から延びてきた電界駆動フィルタ40が複数配置されている。
図1に示すように、第3電極33は、導電性かつ線状の部材である。第3電極33は、一端部33aから他端部33bまでコイル状に巻回されている。第3電極33が筐体11の内壁11h(図2参照)に沿って配置され、第3電極33がZ方向に延びている。図2に示すように、第3電極33は、複数の電界駆動フィルタ40の束の周りを巻回される。第3電極33は、巻回されているので、Z方向において第3電極33の導体間に隙間が生じている。
第3電極33の一端部33aは、導電部材16に電気的に接続されている。第3電極33の他端部33bは、絶縁部材13で固定され、導電部材14とは絶縁されている。導電部材16は、接続導体56と電気的に接続されている。
図1及び図2に示すように、第1ろ室30は、複数の仕切り板39で区画されている。仕切り板39は、円環状であり、例えばポリアミド繊維で形成されている。仕切り板39により、粒子71よりも大きな異物が除去される。
図3は、電界駆動フィルタの一部分を模式的に示す側面図である。図4は、図3のIV-IV断面を模式的に示す断面図である。図3及び図4に示すように、電界駆動フィルタ40は、ろ材34と、第1電極31と、第2電極32とを備える。ろ材34は、中空部35を有する筒状である。ろ材34の中空部35は、一端が第2ろ室35A(図1参照)に連通しており、他端が閉止部42(図1参照)で閉止されている。これにより、第1ろ室30から中空部35へ、ろ材34を通して液体72の水分子73が浸透するようになる。
ろ材34は、いわゆる中空糸膜で形成されている。ろ材34は、ろ過膜34aに複数の目開き34b(図6参照)が設けられている。ろ材34は、例えば、精密ろ過膜(MF膜(Microfiltation Membrane))が用いられる。
図3に示すように、第1電極31は、メッシュ状の電極である。具体的には、第1電極31は、複数の導電細線31aを有し、複数の導電細線31aの間に複数の第1開口31bが設けられる。導電細線31aは、導電性を有していればよく、金属でもよいし炭素繊維でもよい。
図1に示すように、第1電極31は、周囲を囲む導電部材14と電気的に接続されている。導電部材14は、接続導体54と電気的に接続されている。導電部材14は、第1電極31及びろ材34を支持している。導電部材14は、第1ろ室30と第2ろ室35Aとを区画しており、不図示のパッキンなどで、スラリー(原液)70が第1ろ室30から第2ろ室35Aへ移動しないように水密性を有している。
図3及び図4に示すように、第2電極32は、線状の電極である。第2電極32は、導電性を有していればよく、金属でもよいし炭素繊維でもよい。第2電極32は、ろ材34の一端の開口から中空部35に挿入されている。
図1に示すように、第2電極32は、周囲を囲む導電部材15と電気的に接続されている。Z方向の第2電極32の長さは、第1ろ室30に到達する長さが必要である。導電部材15は、接続導体55と電気的に接続されている。
図1に示すように、導電部材14及び接続導体54を介して、第1電極31は、第1電源51の第2端子51bと電気的に接続される。また、第1電極31は、導電部材14及び接続導体54を介して、第2電源52の第1端子52aと電気的に接続される。導電部材15及び接続導体55を介して、第2電極32は、第2電源52の第2端子52bと電気的に接続される。導電部材16及び接続導体56を介して、第3電極33は、第3電源53の第1端子53aと電気的に接続される。第3電源53の第2端子53b及び第1電源51の第1端子51aは、基準電位GNDに接続される。基準電位GNDは、例えばグランド電位である。ただし、これに限定されず、基準電位GNDは、所定の固定された電位であってもよい。
第1ろ室30に供給されたスラリー(原液)70は、各電極の駆動により粒子71が分離され、粒子71が分離された液体72(ろ液75)は、第1電極31及びろ材34を通して、中空部35に流れる。中空部35は、第2ろ室35Aに連通しているので、粒子71が分離された液体72(ろ液75)の水分子73は、排出部19から排出され外部の貯留タンクに溜められる。
Z方向において第3電極33の導体間に隙間が生じているので、粒子71を含む液体は、第1ろ室30から第3電極33を通過して排出部17へ到達する。そして、粒子71を含む液体72は、排出部17から排出され外部の貯留タンクに溜められる。
次に、図5から図7を参照して、ろ過装置10の動作について説明する。図5は、実施形態のろ過装置の動作を説明するための説明図である。図5では、説明を分かりやすくするために、第1電極31、第2電極32、第3電極33及びろ材34と、第1ろ室30及び中空部35との配置関係を模式的に示している。
図5に示すように、ろ材34は、第1電極31と第2電極32との間に設けられる。第1電極31は、ろ材34と直接、接して設けられる。第2電極32とろ材34との間には、中空部35がある。
図5において、第1電極31の第1開口31b及びろ材34の目開き34bは同じ大きさで示しているが、あくまで説明のために模式的に示したものであり、第1開口31b及び目開き34bの大きさは異なっていてもよい。
図6は、第1電極及びろ材の構成を模式的に示す断面図である。図6に示すうように、ろ材34に設けられた目開き34bの径D3は、第1電極31の第1開口31bの径D1よりも小さい。言い換えると、複数の導電細線31aの配置ピッチと、ろ過膜34aの配置ピッチは、互いに異なって設けられる。例えば、第1電極31の第1開口31bの径D1は、0.5μm以上500μm以下、例えば70μm程度である。ろ材34に設けられた複数の目開き34bの径D3は、0.1μm以上100μm以下、より好ましくは1μm以上7μm以下程度である。
第3電極33は、コイル状の部材であり、第1ろ室30を挟んで第1電極31の外周面と対向して設けられる。なお、図5では、第3電極33のコイル形状(図1参照)の記載は図示を省略し、第3電極33の位置を示している。
第1ろ室30は、第1電極31の外周面と接して設けられる。第1ろ室30には、上述したように、分離対象の粒子71と液体72とを含むスラリー(原液)70が供給される。粒子71は、例えば、バイオマス粒子やコロイド粒子であり、粒子表面がマイナスに帯電している。具体的には、粒子71は、クロレラ、微細藻類スピルリナ、コロイダルシリカ、大腸菌、下水活性汚泥等である。粒子71の径は、適用される技術分野、分離対象の種類に応じて異なるが、5nm以上2000μm以下、例えば20nm以上500μm以下程度である。
粒子71が分散される液体72は、水であり、一部の水分子73はプラスに帯電している。これにより、スラリー(原液)70は全体として電気的に平衡な状態となっている。液体72は、水に限られず、アルコールなどでもよい。つまり、液体72は、極性溶媒であればよい。
また、スラリー(原液)70は、さらに色素タンパク質74を含む。色素タンパク質74は、粒子71と同じ極性(マイナス)に帯電しており、粒子71よりも小さい粒径を有する。色素タンパク質74は、10nm以上300nm以下、例えば、30nm程度である。なお、色素タンパク質74は無くてもよい。
第1電源51は、第1電極31に、粒子71の極性と同じ極性の第1電位V1を供給する。第1電位V1は、例えば-30Vである。第2電源52は、第2電極32に、粒子71の極性と同じ極性であって、第1電位V1の絶対値とは異なる絶対値の第2電位V2を供給する。第2電位V2は、例えば-40Vである。第3電源53は、第3電極33に、粒子71の極性と異なる極性の第3電位V3を供給する。第3電位V3は、例えば+30Vである。
図7は、実施形態のろ過装置を示す電気的等価回路図である。図7に示すように、第1電源51及び第3電源53は定電圧源であり、第2電源52は定電流源である。第1電極31と第2電極32との間に抵抗成分R1と容量成分Cとが並列に接続される。抵抗成分R1及び容量成分Cは、多数の目開き34bが設けられたろ材34により等価的に表される成分である。また、第1電極31と第3電極33との間に抵抗成分R2が接続される。抵抗成分R2は、第1ろ室30のスラリー(原液)70により等価的に表される抵抗成分である。
第2電源52は、定電圧電源であっても、定電流電源であってもよい。実施形態では、第2電源52は、定電流源であるので、ろ過装置10のろ過の状態に応じて、すなわち、ろ材34の抵抗成分R1及び第1ろ室30の抵抗成分R2の変動に応じて、第2電位V2は変化する。ただし、第2電位V2は粒子71の極性と同じ極性であって、第1電位V1の絶対値よりも大きい値を維持している。
図5に示す第1ろ室30にスラリー(原液)70が供給されると、クーロンの法則に基づいて、マイナスに帯電した粒子71と第1電極31との間には斥力が発生する。また、マイナスに帯電した粒子71と第3電極33との間には引力が発生する。
ここで、クーロンの法則は、下記の式(1)で示される。
F=k×(q1×q2/s) ・・・ (1)
ここで、kは定数であり、k=4πεで表される。q1及びq2は、電荷であり、sは電荷間の距離である。すなわち、距離sが小さいほど粒子71には大きいクーロン力Fが作用する。具体的には、第1電極31に近い位置の粒子71には、より強力な斥力が発生し、第3電極33に近い位置の粒子71には、より強力な引力が発生する。粒子71に発生する斥力及び引力は、矢印F1に示す方向、すなわち第1電極31から離れ第3電極33に近づく方向に作用する。マイナスに帯電した粒子71は、電気泳動により第3電極33側に移動する。
これにより、ろ過装置10は、粒子71が第1電極31の表面及びろ材34の表面に堆積してケーキ層が形成されることを抑制することができる。つまり、ろ材34の目開き34bのろ過抵抗が増大することを抑制することができる。
また、プラスに帯電した水分子73は、第1電極31との間に引力が発生する。プラスに帯電した水分子73に作用する引力は、矢印F2に示す方向、すなわち第3電極33から第1電極31に向かう方向に作用する。プラスに帯電した水分子73は、第1電極31側に移動する。この際、第1電極31と第2電極32との間の電位差により、ろ材34を厚さ方向に貫通するように、第1電極31から第2電極32に向かう電界が形成されている。
第1電極31側に移動した水分子73は、電界により力を受けて、第2電極32側に引っ張られてろ材34を通過する。プラスに帯電した水分子73の移動に伴って、帯電していない水分子も第2電極32側に引きずられて、電気浸透流が形成される。これにより、プラスに帯電した水分子73を含む液体72は、中空部35に流れる。上述したように、粒子71は、電気泳動により第1電極31から引き離され、第3電極33側に移動しており、粒子71が分離された液体72(ろ液75)が排出されることで、第1ろ室30内のスラリー(原液)70の粒子71の濃度を高めることができる。
このように、ろ過装置10は、第1電極31と第3電極33との間で、粒子71をクーロン力F(粒子71と第1電極31との間に発生する斥力)により移動させる電気泳動と、第1電極31と第2電極32との間の電界により水分子73を移動させてろ材34を通過させる電気浸透とを組み合わせることで、粒子71を分離できる。また、第1電極31は、電気泳動の電極と、電気浸透の電極とを兼用する。これにより、単純にスラリー(原液)70に圧力を加え、ろ材34の目開き34bよりも大きい粒径の粒子71を分離する方法に比べて、第1電極31の表面及びろ材34の表面にケーキ層が形成されることを抑制することができ、ろ過速度を数倍から10倍以上に向上させることができる。
結果的に、単純にスラリー(原液)70に圧力を加えた方法に比べて、第1ろ室30内でのスラリー(原液)70の粒子71の濃縮度を短時間で高めることができる。また、ろ材34の清掃、交換の頻度を少なくすることができ、効率よくスラリー(原液)70のろ過を行うことができる。あるいは、単純にスラリー(原液)70に圧力を加えてろ過を行う場合に比べて、第1ろ室30の体積を小さくし、ろ材34の面積を小さくしても、従来と同程度のろ過速度を実現できる。すなわち、ろ過装置10は、小型化を図ることができる。
また、第1電極31と第2電極32との間に形成される電界を制御することで、ろ材34を通過する粒子レベル(粒子径)も制御することができる。例えば、第1電極31に第1電位V1=-30Vを印加し、第2電極32に第2電位V2=-40Vを印加することで、第1電極31と第2電極32との間にバリアの電界が形成され、ろ材34の目開き34bよりも小さい粒径の色素タンパク質74が、ろ材34を通過することを抑制できる。
つまり、精密ろ過膜(MF膜)相当のろ材34を用いた場合であっても、第1電源51、第2電源52及び第3電源53での各電極間の電界制御により、限外ろ過膜(UF膜)、あるいはナノろ過膜(NF膜)相当まで、分離対象の粒子径を変更することができる。限外ろ過膜(UF膜)は、開口の径が10nm以上100nm以下程度のろ過膜である。ナノろ過膜(NF膜)は、開口の径が1nm以上10nm以下程度のろ過膜である。
なお、上述したろ過装置10の構成はあくまで一例であり、適宜変更することができる。例えば、第1電極31は、第3電極33のようにコイル状であって、第1電極31の導体間の隙間が第1開口31bであってもよい。また、第3電極33は、メッシュ状の筒体であってもよい。また、第2電極32は、メッシュ状の電極であって、ろ材の内側に接していてもよい。また、第1ろ室30に供給される対象処理液であるスラリー(原液)70の濃度は、特に限定されず、ろ過装置10が適用される分野に応じて変更できる。
実施形態では、第1ろ室30の内部圧力は、加圧されており、第2ろ室35Aの内部圧力よりも大きい。他の態様としては、第2ろ室35Aの内部圧力を真空引きするなどにより陰圧することで、第1ろ室30の内部圧力が、第2ろ室35Aの内部圧力よりも相対的に大きくするようにしてもよい。
また、第1電位V1、第2電位V2及び第3電位V3は、分離対象の粒子71の種類や、要求される、ろ過特性に応じて適宜変更することが好ましい。
なお、ろ過装置10は、第3電源53を備えていなくてもよい。この場合、第3電極33は、例えば基準電位GNDに接続される。第3電極33を基準電位GNDに接続する場合、第1電極31、第2電極32、第3電極33のそれぞれに電源を設ける場合に比べ、ろ過装置10の小型化を図ることができる。
以上説明したように、本実施形態のろ過装置10は、筐体11と、少なくとも1つの電界駆動フィルタ40と、第1ろ室30と、第3電極33と、第2ろ室35Aと、を有する。電界駆動フィルタ40は、中空部35を有する筒状のろ材34と、複数の第1開口31bが設けられ、ろ材34の外周を覆う第1電極31と、ろ材34の一端からろ材34の中空部35に挿入される、第2電極32と、を有する。第1ろ室30は、筐体11の内壁11hの内側に設けられ、第1ろ室30には、電界駆動フィルタ40が挿入される。第2ろ室35Aは、第1ろ室30とは隔てられた筐体11の内部に設けられ、ろ材34の中空部35と連通する。
これによれば、ろ過装置10では、第1電極31と第3電極33との間で粒子71に発生するクーロン力F(粒子71と第1電極31との間に発生する斥力)により粒子71が第1電極31から第3電極33に向かう方向に移動する。このような電気泳動により、第1電極31の表面及びろ材34の表面にケーキ層が形成されることを抑制することができる。また、第1電極31と第2電極32との間の電界により水分子73を移動させてろ材34を透過させる電気浸透により、粒子71を分離でき、第1ろ室30内でのスラリー(原液)70の粒子71の濃縮度を高めることができる。これにより、単純にスラリー(原液)70に圧力を加え、ろ材34の目開き34bよりも大きい粒径の粒子71を分離する方法に比べて、ろ過速度を数倍から10倍以上に向上させることができる。
また、ろ過装置10において、第1電位V1と第3電位V3との電位差は、第1電位V1と第2電位V2との電位差よりも大きい。
これによれば、第1電極31と第2電極32との距離に比べ、ろ材34を挟んで対向する第1電極31と第3電極33との距離が大きい場合でも、電気泳動により、良好に粒子71を第3電極33側に移動させることができる。
また、第1ろ室30内に挿入された電界駆動フィルタ40のX-Y平面の断面では、中央から外側へ、第2電極32、ろ材34、第1電極31、第1ろ室30の順に並んでいる。ここで、第1電極31と第2電極32との間の距離は、第1電極31と第3電極33との間の距離よりも小さい。
これによれば、第1電極31と第2電極32との間で形成される電界強度を高めることができ、電気浸透により水分子73を移動させて、第1電極31と第2電極32との間のろ材34を良好に透過させることができる。
第3電極33は、複数の電界駆動フィルタ40の周りを巻回されているコイル状である。第3電極33の導体間に隙間を設けつつ、複数の電界駆動フィルタ40の第1電極31と、と第3電極33との間に、電位差を生じさせることができる。
また、ろ過装置10において、第1電源51及び第3電源53は、定電圧源であり、第2電源52は、定電流源である。
これによれば、第1電源51により供給される第1電位V1及び第3電源53により供給される第3電位V3により、第1電極31と第3電極33との間で、粒子71に発生するクーロン力Fを規定することができる。また、第1電源51により供給される第1電位V1及びに第2電源52により供給される電流により、第1電極31と第2電極32との間で形成される電界強度が規定され、良好に電気浸透を行うことができる。
また、ろ過装置10において、ろ材34の目開き34bの大きさ(径D3)は、第1電極31の第1開口31bの径D1よりも小さい。
これにより、水分子73は、電気浸透により良好にろ材34の目開き34bを通過することができる。
なお、上述した実施の形態は、本開示の理解を容易にするためのものであり、本開示を限定して解釈するためのものではない。本開示は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るとともに、本開示にはその等価物も含まれる。
10 ろ過装置
11 筐体
11h 内壁
30 第1ろ室
31 第1電極
31b 第1開口
32 第2電極
33 第3電極
34 ろ材
34a ろ過膜
34b 目開き
35 中空部
35A 第2ろ室
39 仕切り板
40 電界駆動フィルタ
42 閉止部
51 第1電源
52 第2電源
53 第3電源
70 スラリー(原液)
71 粒子
72 液体
73 水分子
74 色素タンパク質
75 ろ液

Claims (3)

  1. 筐体と、
    中空部を有する筒状のろ材と、複数の第1開口が設けられ、前記ろ材の外周を覆う第1電極と、前記ろ材の一端から前記ろ材の前記中空部に挿入される、第2電極と、を有する、少なくとも1つの電界駆動フィルタと、
    前記筐体の内部に設けられ、前記電界駆動フィルタが挿入される、第1ろ室と、
    前記第1ろ室に設けられる第3電極と、
    前記第1ろ室とは隔てられた前記筐体の内部に設けられ、前記ろ材の前記中空部と連通する第2ろ室と、を有
    分離対象の粒子と、前記粒子と異なる極性の極性溶媒とを含む対象処理液が第1ろ室の内部であって、かつ前記電界駆動フィルタの外側に供給され、
    前記第1電極に、前記粒子の極性と同じ極性の第1電位が供給され、
    前記第2電極に、前記粒子の極性と同じ極性であって、前記第1電位の絶対値とは異なる絶対値の第2電位が供給され、
    前記第3電極には、前記粒子の極性と異なる極性の第3電位が供給される、
    ろ過装置。
  2. 前記ろ材は、前記ろ材の他端を閉止する閉止部を有し、
    前記閉止部は、前記第1ろ室の内部にある、請求項1に記載のろ過装置。
  3. 前記第3電極は、複数の前記電界駆動フィルタの周りを巻回されているコイル状である、請求項1または2に記載のろ過装置。
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