JP2008289498A - 精製されたマルチメラ−ゼ - Google Patents
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Abstract
【課題】生理学的な様式でフォンビルブラント因子(vWF)をタンパク質加水分解によりプロセシングすることができ、場合によりvWFを分解することができる酵素活性、およびそのような酵素活性を含む調製物を提供する。
【解決手段】間接的または直接的なタンパク質加水分解活性を有し、シングレット構造を有するフォンビルブラント因子(vWF)をサテライト構造を有するvWFに変換し、セリンプロテアーゼ阻害剤 ジイソプロピルフルオロホスフェ−ト(DFP)またはカルペインプロテアーゼ阻害剤 Z-Leu-Leu-Tyr-CHN2の存在下で活性である精製されたマルチメラ−ゼ、および該マルチメラーゼを含有する調製物。
【選択図】なし
【解決手段】間接的または直接的なタンパク質加水分解活性を有し、シングレット構造を有するフォンビルブラント因子(vWF)をサテライト構造を有するvWFに変換し、セリンプロテアーゼ阻害剤 ジイソプロピルフルオロホスフェ−ト(DFP)またはカルペインプロテアーゼ阻害剤 Z-Leu-Leu-Tyr-CHN2の存在下で活性である精製されたマルチメラ−ゼ、および該マルチメラーゼを含有する調製物。
【選択図】なし
Description
本発明は、フォンビルブラント因子プロテアーゼ、該プロテアーゼの製造方法ならびにサテライト構造のフォンビルブラント因子を製造する方法に関する。
フォンビルブラント因子(vWF)は、約500〜20,000kDの大きさの一連のマルチマーとして血漿中を循環している糖タンパクである。vWFのマルチマー型は、ジスルフィド結合によって互いに結合した250kDのポリペチドサブユニットから成る。vWFは、損傷した血管壁の内皮下層への最初の血小板接着を媒介し、大きいマルチマーだけはさらに止血活性も示す。血管内皮細胞はvWFの大きなポリマー型を分泌し、低分子量のvWF(低分子量vWF(LMW))のポリマー型はタンパク質加水分解による開裂から生じると考えられている。
高分子量のマルチマーは、血管内皮細胞のWeibel Palade体(body)に保存され、刺激により放出される。
vWFは血液凝固因子VIIIに結合することができ、よって第VIII因子コンプレックス、または第VIII因子:Cを安定化されたタンパク質として含有する第VIII因子:C/vWFコンプレックスを形成する。vWF欠乏症は、vWFの安定化効果が失なわれるために第VIII因子:Cの血中濃度の減少に必然的につながる。
vWFのタンパク質加水分解は、健康な個体における生理的なプロセスであるが、2A型フォンビルブラント病(vWD)を患っている患者においてはその分解がさらに促進されていることがある。そして、結果として、これらの患者は、最大分子量のvWFマルチマーを欠く。
正常な血漿中に存在するvWFの小さな部分は、生体内でのvWFのタンパク質加水分解から生じた189、176および140kDのフラグメントとして循環する。140kDのフラグメントはサブユニットのN末端領域から生じ、176kDのフラグメントはサブユニットのC末端領域から生じる。vWFのLMW型は正常なヒトの血漿から単離され、ジスルフィド還元の後SDS-PAGEにかけられた。vWFフラグメントの著しく高い部分は、vWFのLMW型が、大きなマルチマーから部分的にまたは主としてタンパク質加水分解による分解によって得られたという見方と一致する。
正常な検体に1-デスアミノ-8-D-アルギニンバソプレシンを注入した後、高分子量のマルチマーが血漿中に現れ、該マルチマーはその後タンパク質加水分解により急速に分解された。大きなvWFマルチマーの欠乏とタンパク質加水分解を受けたフラグメントのレベルの増加が、骨髄増殖性症候群に関連した後天的フォンウィルブラント病(vWD)においても観察され、この状態においてもインビボのタンパク質加水分解の増加を示している。
vWFの著しく大きい分子形態は、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)の患者においてみられた;これらの大きいマルチマーは、正常な新鮮凍結血漿を輸注した後に消失した。タンパク質加水分解酵素が循環血液中のvWFのポリマーの大きさの生理学的調節に関与しており、さらに先天的または後天的な止血障害の患者におけるvWF異常の発生機序において重要な役割を担っているということは明らかである。しかし、正常なヒト血漿におけるvWFタンパク質加水分解に関与するタンパク質加水分解酵素はまだ同定されていない。
いくつかのプロテアーゼは、vWFを開裂することができ、それによって血小板に対するvWFの結合アフィニティーを低下させることが示された。しかし、それぞれの場合でのこれらのプロテアーゼによるvWFの処理は、インビボで生じるフラグメントとは異なる分解産物を生じた。
即ち、例えば、プラスミンはvWFにおけるいくつかのペプチド結合を開裂することができるが、血小板凝集活性(リストセチンコファクターとして測定される)の約70 %を保持している高分子量コア領域が依然として残る。34kDペプチドは、プラスミンによる処理の早い段階で個々のvWFサブユニットのN-末端から分裂した。プラスミンによって生じたフラグメントのエピトープマッピングは、これらのフラグメントが循環血漿に存在するフラグメントとは異なったvWFサブユニットの領域に由来することをはっきりと示した。
ブタ膵臓エラスターゼとヒトの白血球から放出された種々のセリンプロテアーゼは、タンパク質加水分解によってvWFを分解し、結果として大きなマルチマーが減少することが示された。分解産物のエピトープマッピングは、それらのフラグメントが、正常な血漿および2A型vWDの血漿に存在するフラグメントと異なることをさらに示した。さらに、好中球計数が極端に高いまたは低い患者から得られた血漿試料におけるvWFマルチマーパターンは、正常なヒト血漿中におけるパターンと有意に異なるものではなかった。
上記のセリンプロテアーゼに加え、ヒト血小板から放出されたカルパイン様プロテアーゼもまた、大きなvWFマルティマーを分解することが示された。
さらに、循環vWFフラグメントの解析は、2A型vWD患者のvWFサブユニットにおいてアミノ酸残基842Tyrと843Metの間のペプチド結合が切断されることを示した;開裂部位はカルパイン特異性を示している。しかし、ブタの赤血球とブタの腎臓に由来するカルパインは、生成したvWFフラグメントをインビボで生じることはできなかった。
組換えvWF(r-vWF)は、CHO細胞において製造することができる。例えばFEBS Letter 375, 259-262(1995)。この方法で得られたr-vWFは、成熟vWFとして得られ、シングレット構造を有する。したがって、2 % SDSアガロースゲルにおいて調べたときに、常に特徴的なサテライト構造を有する血漿vWFとは異なる。
WO 96/10584には、r-vWFが、精製およびウイルス不活化のための処理の後も依然として保持される高い構造上の完全性を有するマルチマーからなることが記載されている。r-vWFの完全な構造は、サテライトバンドを生じないマルチマーバンドからなる電気泳動解析の結果によって定義される。よって、シングレット構造を有するr-vWFから血漿vWFに対応する構造を有するr-vWF調製物を製造するため、生理学的なvWFプロテアーゼ活性による処理が必要である。
よって、本発明の目的は、生理学的な様式でvWF をタンパク質加水分解によりプロセシングすることができ、場合によりvWFを分解することができる酵素活性、および、それぞれそのような酵素活性を含む調製物を提供することである。
異常なvWF分解活性によるまたはvWFレベルの増加による病的症状は、血栓症または血栓塞栓障害をしばしば引き起こすことがある。本発明のさらなる目的は、生理学的なvWF開裂酵素活性を含む医薬調製物により正常レベルを再調整することである。
本発明にしたがえば、本明細書にしたがって精製された酵素活性を含むタンパク質によってこれらの目的が達成される。このタンパク質は、フォンビルブラント因子に関するそのタンパク質加水分解活性のゆえに「マルチメラ−ゼ」と命名され、以下の特性を有する:
a)間接的または直接的なタンパク質加水分解活性を有し、シングレット構造を有するvWFをサテライト構造を有するvWFに変換し、
b)セリンプロテアーゼ阻害剤 ジイソプロピルフルオロホスフェ−ト(DFP)またはカルペインプロテアーゼ阻害剤 Z-Leu-Leu-Tyr-CHN2の存在下で活性である。
a)間接的または直接的なタンパク質加水分解活性を有し、シングレット構造を有するvWFをサテライト構造を有するvWFに変換し、
b)セリンプロテアーゼ阻害剤 ジイソプロピルフルオロホスフェ−ト(DFP)またはカルペインプロテアーゼ阻害剤 Z-Leu-Leu-Tyr-CHN2の存在下で活性である。
(a)の特性は、シングレット構造を有する組換えvWF を、マルチメラ−ゼにより処理するという単純な試験により測定することができる。この試験は、実施例でより詳細に説明する。この特性は、プロテアーゼの全く新しい特性であり、今までのところ、本発明のマルチメラーゼに独特なものである。サテライト構造、例えばトリプレット構造は、血漿vWFの電気泳動による解析後のマルチマーパターンに相当し、主要なバンドといくつかのサテライトバンドによって特徴付られる(図12および図13参照)。
「直接的な」および「間接的な」なる語は、本発明のマルチメラーゼがアクチベータの関与なしに直接的なタンパク質加水分解活性を有すること、または本発明のマルチメラーゼが、適当な活性化作用もしくはメディエータにより増加したタンパク質分解活性をもたらすことを示す。
好ましくは、マルチメラーゼは、pH7〜10、好ましくはpH7.5〜8.5の範囲で最適なタンパク質加水分解活性を有する。しかし,この至適pH範囲は、反応が行われる(イオン)雰囲気下に大きく依存する。
好ましくは,マルチメラーゼは、血漿または血清画分のゲルろ過により得られる分子量200KD以上、好ましくは300KDあたりに対応する画分として提供される。
好ましくは、マルチメラーゼは、本発明による精製後、血漿と比較して少なくとも1,000倍、好ましくは少なくとも10,000倍に濃縮された形態で提供される。
好ましくは、精製されたマルチメラーゼは、セリンプロテアーゼ阻害剤の存在下で少なくとも10U/mgタンパクの比活性を有する。1Uは、それぞれ、ヒトの正常な血漿1mL中に含まれる、またはそこから生じた酵素活性と定義される。
マルチメラーゼは、2価金属イオン、例えばアルカリ土類金属イオン、とりわけBa2+、Sr2+、Ca2+、Mg2+などの存在下でまたはそれらとのインキュベーションの後でそれぞれ特に活性であり、その活性は、せん断力、減少したイオン強度またはカオトロピック試薬によりさらに増強される。
マルチメラーゼの活性は、特に、周囲のイオン強度が生理学的イオン強度より低くなると、とりわけ15mM Tris未満に相当する濃度になると生じることがわかっている。キャピラリー中を流れるとき、容器中で撹拌するとき、またはノズルを通るとき、または一般にマルチメラーゼもしくはその基質に働く機械的作のためにそれぞれ働き得るせん断力は、マルチメラーゼの増加した活性に実質的に寄与する。カオトロピック物質の効果は、タンパク質の三次構造の部分的なまたは完全な変化に起因すると考えられる。これらの物質には、塩、例えば硫酸アンモニウム、塩化カルシウム、チオシアネート、さらに尿素および塩化グアニジニウムも含まれる。
好ましくは、本発明のマルチメラーゼ調製物は、部分的に変性したvWFまたはコンフォメーションの変化を有するvWFのような修飾されたvWFに関して増加した活性を有する。
本発明のマルチメラーゼは、作用しないようにするかまたは活性化を阻止することにより阻害され得る。したがって、金属酵素に対して阻害作用を有するEDTA、EGTAおよびクエン酸塩などのキレート剤を阻害剤として使用できる。しかし、マルチメラーゼの活性は、マルチメラ−ゼの結合部位をブロックすることができるTyr842−Met843ペプチド配列に対応するvWFペプチドによっても阻害できる。温度の低下、例えばマルチメラーゼを含有する画分の凍結は、マルチメラーゼ活性の低下も引き起こす。
さらなる態様では、本発明は、本発明のマルチメラーゼを血漿、血清または血漿もしくは血清の画分から、クロマトグラフィーによる操作により精製する方法に関し、その精製されたマルチメラーゼは、セリンプロテアーゼ阻害剤、特にアプロチニンの存在下で、vWFの不活性化に関してタンパク質加水分解活性が認められる画分から回収される。
本発明はさらに、血漿と比較して1,000倍、好ましくは10,000に濃縮されたマルチメラーゼを含む調製物に関する。
本発明はさらに、シングレット構造を有するvWFを本発明のマルチメラーゼとインキュベーションし、それによりサテライト構造を有するvWFを得、そのvWFを回収することによる、サテライト構造を有するvWF を製造する方法に関する。
この方法は、好ましくは生理学的条件に近い条件下で行う。例えば、vWFの変換をpH7〜10好ましくは7.5〜8.5の範囲で、20〜40℃好ましくはだいたい室温で、vWFの活性を実質的に損うことなくサテライトバンドが形成するに十分な時間行う。
サテライト構造を有するvWFのこの調製のために、好ましくは、前記したように、ある条件下、例えば金属イオンによるプレインキュベーションにより最適な活性を発揮するようなマルチメラーゼを使用する。反応の時間は、酵素/基質の比率にも依存し、その比率は0.01:1〜100:1、好ましくは0.1:1〜10:1から選択され、最も好ましくは約1:1の(1単位あたり1単位)の生理学的比率である。反応は、適当な阻害剤、特にキレート剤の添加によるか、または温度を低下させる、例えば反応溶液を凍結させることによるか、または活性を生じさせないことにより反応を止めることによるか、のいずれかによって反応を停止する。反応の経過は電気泳動による解析により監視し、適当な終点を決定することができる。
サテライト構造を有するvWFのこの調製は、適当な反応雰囲気下のインビトロで、およびインビボまたは半ビボで、例えば培養細胞または生体外でのr−vWFの発現によって行うことができる。
生物学的に活性なvWFとマルチメラーゼとのインキュベーションは、セリンプロテアーゼ阻害剤の存在下で行うのが好ましい。なぜなら、セリンプロテアーゼ阻害剤の存在下でのインキュベーションによって、マルチメラーゼに直接関係せず、血液または血漿中に存在するセリンプロテアーゼによって生じる非特異的なタンパク質加水分解過程を回避することができるからである。混入の恐れがあるセリンプロテアーゼのタンパク質加水分解活性を、そのような阻害剤の保護の下で回避することができる。
好ましくは、本発明のマルチメラーゼは、特異的な発色性基質、例えば EP−0 353 218に従うS2251を用いることにより、試験の検出限界よりも低いプラスミン活性に相当するセリンプロテアーゼを実質的に含まない画分からこのようにして得られる。
別の態様においては、本発明は、以下の特性:
a)間接的または直接的なタンパク質加水分解活性を有し、シングレット構造を有するvWFをサテライト構造を有するvWFに変換し、
b)セリンプロテアーゼ阻害剤 ジイソプロピルフルオロホスフェ−ト(DFP)またはカルパインプロテアーゼ阻害剤 Z-Leu-Leu-Tyr-CHN2の存在下で活性であり、
c)ウイルスの不活化または除去のために処理されている
を有する、本発明の精製された「マルチメラーゼ」活性を含有する医薬組成物に関する。
(a)および(b)の特性については上記を参照されたい。
a)間接的または直接的なタンパク質加水分解活性を有し、シングレット構造を有するvWFをサテライト構造を有するvWFに変換し、
b)セリンプロテアーゼ阻害剤 ジイソプロピルフルオロホスフェ−ト(DFP)またはカルパインプロテアーゼ阻害剤 Z-Leu-Leu-Tyr-CHN2の存在下で活性であり、
c)ウイルスの不活化または除去のために処理されている
を有する、本発明の精製された「マルチメラーゼ」活性を含有する医薬組成物に関する。
(a)および(b)の特性については上記を参照されたい。
ウイルスの不活化または除去の処理は、効果があると考えられているいずれの処理によって行ってもよい。本発明の好ましい態様によれば、マルチメラーゼを含有する医薬組成物を、界面活性剤および/または加熱、例えば固体状態での加熱処理、特にEP−0 159 311、EP−0 159 901、またはEP−0 674 531に従って蒸気処理により処理する。
ウイルスの不活化のためのさらなる処理には、化学的または化学的/物理的方法による処理、例えばWO94/13329、DE 44 34 538またはEP−0 131 740(溶媒)に従うカオトロピック試薬による処理または光不活化が含まれる。
ナノろ過もまた、ウイルスを除くための、本発明の範囲に含まれる好ましい方法である。
本発明のさらなる態様によれば、本発明は、薬物としての本発明のマルチメラーゼ、特に、血栓症または血栓塞栓障害の防止または治療、好ましくはマルチメラーゼを含有する医薬調製物の有効量を患者に投与することによる正常値を超えるvWFレベルまたは高分子量vWFのレベルの増加の防止または治療のための本発明のマルチメラーゼの使用に関する。
この正常値を超えるvWFレベルは、正常値を超えるvWF抗原濃度または正常値を超えるvWF活性、特に一次止血活性さらには内皮下層、血小板、血小板接着タンパク質例えばGPIbおよびGPIIb/IIIa複合体、コラーゲン、第VIII因子におよびヘパリンに対する結合活性に関連する活性によって引き起こされる。
好ましくは、本発明は、血栓性血小板減少性紫斑病、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、溶血性尿毒症性症候群、および子かん前症または新生児血小板減少症の予防および治療に関する。
血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)はMoschcowitz,1924によってはじめて記述され、骨髄中の巨核球数が正常値下での血小板減少、微小血管の血栓、ヒアリン様血栓、腎臓の機能の制限、および内皮細胞の増殖によって特徴付られる。TTPを患っている患者における病理的および臨床的結果は、微小循環における直接的な血小板凝集刺激を示唆するものである。
血小板減少に加え臨床的な状況には、赤血球の分解を伴う血管内溶血および神経学的症状が含まれる。健常者集団における発生率は、0.1/100,000/年であると見積もられる。HIV感染者においては、発生率は約4/100,000/年である。TTPの様々なタイプが存在するとみられる。原発性のTTPのほか、さらに、いわゆる続発性のTTPが、妊娠、化学療法、骨髄移植および自己免疫疾患に関連してみられる。慢性的な再発性TTP(CRTTP)に関しては、一定の間隔での頻繁な症状の発現がみられる。内皮細胞によって放出されたvWFの著しい高マルチマー型が、TTPを患っている患者から得た血漿中にみられる。「せん断力」下では、これらの著しく大きなvWFマルチマーが糖タンパクIbおよび糖タンパクIIb/IIaに、正常なvWFよりもずっと強く結合して血管内血小板凝集を引き起こす。
TTPの攻撃は処置が難しい。大概の場合、高分子量のvWFマルチマーを血漿交換によって除去することがねらいである。
ヘノッホ・シェーンライン紫斑病(HSP)は、血小板非減少性紫斑、関節痛および糸球体腎炎によって特徴付けられる臨床的症候群である。HSP患者は、正常値を超える高い分子量のvWFマルチマーを有する異常なvWFマルチマー状態にある。HSPにおけるこれらの正常値を超えるvWFマルチマーの検出によって、内皮細胞機能の障害が示唆される。低分子量のマルチマーは、いわゆる本質的機構で内皮細胞によって輸送され、高分子量のマルチマーは刺激によって内皮細胞の「Weibel/Palade体」から放出される。
本発明の医薬調製物は、マルチメラーゼを含有する出発物質を、好ましくはクロマトグラフィー法、例えばイオン交換クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィーまたはアフィニティークロマトグラフィーなどによって精製した後、既知の方法により、場合により適当な緩衝剤、助剤、保存剤および/または安定化物質またはプロテアーゼ阻害剤をそれぞれ組み合わせることにより、仕上げを施し、それを投与するに適当な形態の容器内に入れ、好ましくは保存に安定なように、場合により凍結乾燥かまたは凍結状態で包装する。
適用時の調製物の有効な投与量は、個々の症候群に依存し、好ましくは患者における外因性vWFプロテアーゼ活性を(例えば、本発明の方法(後述)に従う測定方法により)測定した後に選択すべきである。投与量はさらに、非経口、好ましくはボーラス形態で行われる静脈内、皮下または筋肉内投与であるかそうでないか、さらに全身的および/または血栓部位で局所的に行われるものかどうかに依存する。
本発明の調製物を投与するとき、vWF血漿濃度ならびにvWFの構造および患者におけるvWFプロテアーゼ活性を監視し、これらのデータに基づいて投与量を最適化すべきである。
本発明の調製物は、血液、血清または血漿からの精製、および個々の発現系による両方により製造することができる。
本発明の調製物は、インビボまたはエクスビボのマルチメラーゼの発現によって提供することができる。これに適当なのは、培養され、場合により患者に導入され得る、哺乳類、特にヒトから得られる前記のすべての細胞である。遺伝子治療の範囲内で、マルチメラーゼをコードする核酸を細胞、特に、血管または血管プロテーゼにおいてそれぞれマルチメラーゼを発現することが可能な動脈の内皮細胞に挿入することが可能である。
この技術については、マルチメラーゼをコードする核酸は既知の方法により提供し得る。前提として必要なのは、核酸のテンプレートとして使用することのできる精製されたマルチメラーゼである。この核酸をベクターによるかまたは直接宿主細胞へ挿入し、マルチメラーゼをその細胞内において既知の様式で発現させることができる。
好ましいクロマトグラフィー精製法は、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィーまたはゲルろ過、またはこれら方法の組み合わせであり、複数のクロマトグラフィーが特に好ましいと考えられる。
本発明のさらなる態様は、本発明のマルチメラーゼのタンパク質加水分解活性を分析するための方法に関する。マルチメラーゼ活性を検出するために、以下の工程を含んでなる方法が用いられる:マルチメラーゼを含む画分とvWFとをインキュベーションし、vWFの反応速度を測定する。例えば、画分は、血漿試料かまたは血漿画分または濃縮された恐らく精製されたマルチメラーゼを含む画分である。この画分を、天然のヒトvWFであり得、好ましくはシングレット構造を有するvWF、またはTyr842―Met843ペプチド配列を含む対応するvWFフラグメントと接触させる。
好ましくは、インキュベーションは、前記のとおり、マルチメラーゼの最適な活性を確保する条件下で行う。生理学的条件、pH7〜10好ましくはpH7.5〜8.5、20〜40℃好ましくは大体室温で好ましく行われるインキュベーションの間、vWFはそれぞれ反応、分解または不活性化され、そして反応の結果を測定することができる。測定の対象は、例えば、vWF分解産物およびフラグメント、例えば低分子量のマルチマーまたは電気泳動分析後のサテライトバンドなど、またはvWFの活性の変化である。
本発明の方法において、マルチメラーゼと生物学的に活性なvWFとのインキュベーションは、好ましくはセリンプロテアーゼ阻害剤の存在下に行われ、反応速度は好ましくはvWFの不活性化の程度またはある種のフラグメントまたはサテライトバンドの形成によって測定される。
アプロチニン等のセリンプロテアーゼ阻害剤の存在下でのインキュベーションにより、マルチメラーゼへと直接たどることができない、血液または血漿中に存在するセリンプロテアーゼによって引き起こされる非特異的なタンパク質加水分解の過程を回避することができる。
しかし、本発明のマルチマーのタンパク質分解活性の測定は、vWFの直接の変換によって行われるだけでなく、配列Tyr842−Met843が結合しているvWFペプチドに相同なペプチド配列ならびに発色性の基を含んでなる発色基質の開裂によって、マルチメラーゼの作用の下でその基質を開裂して発色団を形成することにより測定される。ここで測定される発色は、マルチメラーゼのタンパク質加水分解活性に直接比例して視覚化できる。
さらに、本発明は、マルチメラーゼ活性の影響を受けない、特にマルチメラーゼ活性の非存在下で製造されたvWF調製物に関する。これらのvWF調製物は、好ましくは、マルチマーの全スペクトルを含み、Tyr842−Met843ペプチド結合の開裂の程度が低いことによって特徴付られる天然vWFを含有する。あるいは、vWF画分vWF、vWF、vWF誘導体またはvWFフラグメントまたはvWF突然変異体が含まれる(但し、Tyr842−Met843ペプチド配列を含む)。マルチメラーゼ活性を欠いているために、例えば液体状態で、長期間保存しても変化しないので、上に記載したこの調製物はすべて、医薬調製物の製造に適する。
本発明のvWF調製物は、マルチメラーゼの特異的な阻害によって、または上記のクロマトグラフィー精製法、特にマルチメラーゼに対する抗体を使用することによる免疫アフィニティークロマトグラフィーによるマルチメラーゼの分離または減少によって提供し得る。阻害は、医薬調製物にキレート剤を含有させることまたはマルチメラーゼの活性中心へ「基質模擬」的に結合する特異的な阻害剤により競合的に活性を阻害することによって行うことができる。
マルチメラーゼ活性が減少している、特に検出限界未満まで減少しているvWF医薬調製物は、好ましくは、さらに、vWFへの複合体形成によって安定化された血液凝固第VIII因子、第VIII因子誘導体または第VIII因子突然変異体を含んでなる。本発明のvWF調製物におけるマルチマーパターンは、驚くべきことに長期間経過しても変化しない、即ち不変であり、本発明の医薬調製物における第VIII因子に対する安定化効果もまた液体状態で長期間保存しても変化せず不変である。
従って、本発明の医薬調製物は、凍結乾燥または液体急速冷凍状態だけでなく溶液の調製物としての保存で安定である。
本発明のマルチメラーゼによって、vWFの耐性型をさらに定義することができる。ある種のvWF画分、誘導体または突然変異体は、定義されたマルチメラーゼ活性を含有する画分としかるべくインキュベーションし、タンパク質加水分解の程度を測定する。マルチメラーゼ活性がvWF活性に実質的な影響(例えば、Tyr842−Met843ペプチド配列を変化させることによる)を及ぼさないならば、vWFの耐性型は存在している。vWFのこの耐性型はFVIII:Cをインビトロおよびインビボで安定化するために用いることができる。それにより、vWF型のインビボの半減期が延長するだけでなく、血漿中のFVIII:Cの持続時間も延長する。
最後に、本発明は、本発明のマルチメラーゼに対する抗体を製造するための方法に関する。この方法は、本発明の濃縮された、場合により精製されたマルチメラーゼを含有する調製物を免疫原として使用し、マルチメラーゼに対するそれぞれのポリクローナルまたはモノクローナル抗体を、それ自身は既知である方法により製造することを行う。
さらに、本発明は、マルチメラーゼに対する抗体を含有する抗体調製物であって、その抗体調製物がモノクローナルまたはポリクローナルである抗体調製物に関する。
好ましくは、本発明の抗体は、固相上に固定化され、免疫学的検出またはマルチメラーゼの精製のために使用することができる。
本発明は以下の実施例および図面によってさらに詳細に説明されるが、限定であると解釈してはならない。
vWFの精製
vWFは、セファロースCL-2B(Pharmacia,Uppsala,スウェーデン)の2.6×35cmカラムにより、1Lのクエン酸塩添加血漿から得られたヒトのクリオプレシピテートのゲル濾過によって精製した。溶出は、0.13M塩化ナトリウム、0.01Mクエン酸塩、0.01M Tris-HCl(pH7.4)により行った。24mL/hの流速で6mLの画分を集めた。vWF抗原は、ヒトvWFに対するポリクローナルウサギ抗血清(RAHu/FVIII,Nordicより入手(Tillburg,オランダ)、ペルオキシダーゼ標識ウサギ抗ヒトvWF、ウサギIgGに対するマウスモノクローナル抗体(M737)、および免疫染色用キット(K670)(すべてDako(Glostrup,デンマーク)より入手)を用いることにより、キットに添付の指示に従ってELISAにより測定した。
vWFは、セファロースCL-2B(Pharmacia,Uppsala,スウェーデン)の2.6×35cmカラムにより、1Lのクエン酸塩添加血漿から得られたヒトのクリオプレシピテートのゲル濾過によって精製した。溶出は、0.13M塩化ナトリウム、0.01Mクエン酸塩、0.01M Tris-HCl(pH7.4)により行った。24mL/hの流速で6mLの画分を集めた。vWF抗原は、ヒトvWFに対するポリクローナルウサギ抗血清(RAHu/FVIII,Nordicより入手(Tillburg,オランダ)、ペルオキシダーゼ標識ウサギ抗ヒトvWF、ウサギIgGに対するマウスモノクローナル抗体(M737)、および免疫染色用キット(K670)(すべてDako(Glostrup,デンマーク)より入手)を用いることにより、キットに添付の指示に従ってELISAにより測定した。
vWF精製の結果を図1に示す。画分12〜20は、実質的に混入タンパク質を含まないvWFを含んでいた。これらの画分は、vWF開裂活性(後述)を測定する際の基質として使用した。
これらの画分に含まているvWFは、24時間の37℃での透析インキュベーション(阻害剤非存在下)の後でさえも非常に安定であることがわかった。O.13 M塩化ナトリウム、O.O1Mクエン酸、0.01M Tris-HCl(pH7.4)に対する24時間の透析と1M尿素、5mM Tris-HCl(pH7.4)に対する24時間の透析の両方でマルチマーパターンは未処理画分のパターンと同一であった。これらのアッセイのSDSアガロースゲルを図2に示す。
しかし、それ以降の画分は、尿素の存在下、低い塩濃度で明白なvWF分解を示した。
これらの画分に含まているvWFは、24時間の37℃での透析インキュベーション(阻害剤非存在下)の後でさえも非常に安定であることがわかった。O.13 M塩化ナトリウム、O.O1Mクエン酸、0.01M Tris-HCl(pH7.4)に対する24時間の透析と1M尿素、5mM Tris-HCl(pH7.4)に対する24時間の透析の両方でマルチマーパターンは未処理画分のパターンと同一であった。これらのアッセイのSDSアガロースゲルを図2に示す。
しかし、それ以降の画分は、尿素の存在下、低い塩濃度で明白なvWF分解を示した。
vWFの開裂に対する塩および尿素濃度の影響:
セファロースCL-2Bカラムから得た画分29番のアリコートを、種々の塩濃度の5mM Tris-HCi(pH 7.4)溶液に対して、尿素の存在下または非存在下で、カルシウムイオンを添加せずに透析した。平行アッセイは、透析の前に1mM DFPと5分間インキュベーションした画分29番の別のアリコートを用いて行った。図3から、塩化ナトリウムが存在しない場合、大きいvWFマルティマーが透析後に消失したことは明白である。さらに、vWF分解は、生理学的塩濃度であっても1M尿素により著しく増加した。1M尿素と低い塩濃度の組み合わせは、vWFの完全な分解をもたらした。強いセリンプロテアーゼ阻害剤 1mM DFPとのプレインキュベーションは同じ結果をもたらした。このように1M尿素、5mMTris-HClに対する37℃での透析が、プロテアーゼ活性を測定するための高感度のアッセイに最適な条件として選択された。
セファロースCL-2Bカラムから得た画分29番のアリコートを、種々の塩濃度の5mM Tris-HCi(pH 7.4)溶液に対して、尿素の存在下または非存在下で、カルシウムイオンを添加せずに透析した。平行アッセイは、透析の前に1mM DFPと5分間インキュベーションした画分29番の別のアリコートを用いて行った。図3から、塩化ナトリウムが存在しない場合、大きいvWFマルティマーが透析後に消失したことは明白である。さらに、vWF分解は、生理学的塩濃度であっても1M尿素により著しく増加した。1M尿素と低い塩濃度の組み合わせは、vWFの完全な分解をもたらした。強いセリンプロテアーゼ阻害剤 1mM DFPとのプレインキュベーションは同じ結果をもたらした。このように1M尿素、5mMTris-HClに対する37℃での透析が、プロテアーゼ活性を測定するための高感度のアッセイに最適な条件として選択された。
vWF開裂活性のアッセイ
すでに述べたように、vWFの分解は使用する緩衝条件に強く依存することがわかったので、酵素と基質を循環透析膜(Millipore VSWP;直径25mm;Milipore(Bedford,USA)より入手)においてインキュベーションした(表面を透析緩衝液50mLとインキュベーションする)。このアッセイ系に十分に最適化させた緩衝系は、pH8の5mMTris-HCl中の1M尿素の透析溶液を含んでなる。10mM 塩化バリウムとの37℃での5分間のプレインキュベーションによってプロテアーゼの完全な活性化が達成された。典型的な実験において、50μLの活性化されたプロテアーゼ溶液および100μLの基質溶液を、慎重にフローティング膜に載せ、37℃の乾燥オーブン中、閉じたチューブ内で24時間インキュベーションした。
セファロースCL-2Bカラムから得たプロテアーゼを含まないvWF画分を、基質溶液として使用した(インキュベーション混合物中のvWF濃度は約30μg/mLであった)。次いで、反応混合物をメンブランフィルターの表面から取り、SDS-アガロースゲル電気泳動にかけてvWFのマルチマーパターンを調べた。
すでに述べたように、vWFの分解は使用する緩衝条件に強く依存することがわかったので、酵素と基質を循環透析膜(Millipore VSWP;直径25mm;Milipore(Bedford,USA)より入手)においてインキュベーションした(表面を透析緩衝液50mLとインキュベーションする)。このアッセイ系に十分に最適化させた緩衝系は、pH8の5mMTris-HCl中の1M尿素の透析溶液を含んでなる。10mM 塩化バリウムとの37℃での5分間のプレインキュベーションによってプロテアーゼの完全な活性化が達成された。典型的な実験において、50μLの活性化されたプロテアーゼ溶液および100μLの基質溶液を、慎重にフローティング膜に載せ、37℃の乾燥オーブン中、閉じたチューブ内で24時間インキュベーションした。
セファロースCL-2Bカラムから得たプロテアーゼを含まないvWF画分を、基質溶液として使用した(インキュベーション混合物中のvWF濃度は約30μg/mLであった)。次いで、反応混合物をメンブランフィルターの表面から取り、SDS-アガロースゲル電気泳動にかけてvWFのマルチマーパターンを調べた。
未還元vWFのSDS-アガロースゲル電気泳動とイムノブロッティング:
RuggeriおよびZimmerman(Blood 57(1981),1l40)によって記述されているように、不連続な緩衝系を使用する薄層アガロース電気泳動を行った。電気泳動の前に、各試料を同体積のSDSを含有している試料緩衝液と60℃で15分間インキュベーションした。水平(horizontal)電気泳動を、LKB multiphor装置(Pharmacia-LKB)を用い、1% HGT(P)アガロース(厚さ2mm、幅20cm、長さ8.5cm)中、16℃で17時間行った(80V、10 mA)。Bio-Radより得たTrans-Blot細胞を0.04% SDSおよび0.05Mリン酸塩を含有する緩衝液(pH7.4)とともに使用し、26 V、1.4Aで3時間、ニトロセルロース膜(Schleicher&Schuell(Dassel,ドイツ)より入手)へタンパク質を電気移動した。vWFマルチマ−を、ヒトvWFに対するペルオキシダーゼコンジュゲート抗体(Dako(Glostrup,デンマーク)より入手したペルオキシダーゼ標識ウサギ抗ヒトvWF抗体P226)により同定した。
RuggeriおよびZimmerman(Blood 57(1981),1l40)によって記述されているように、不連続な緩衝系を使用する薄層アガロース電気泳動を行った。電気泳動の前に、各試料を同体積のSDSを含有している試料緩衝液と60℃で15分間インキュベーションした。水平(horizontal)電気泳動を、LKB multiphor装置(Pharmacia-LKB)を用い、1% HGT(P)アガロース(厚さ2mm、幅20cm、長さ8.5cm)中、16℃で17時間行った(80V、10 mA)。Bio-Radより得たTrans-Blot細胞を0.04% SDSおよび0.05Mリン酸塩を含有する緩衝液(pH7.4)とともに使用し、26 V、1.4Aで3時間、ニトロセルロース膜(Schleicher&Schuell(Dassel,ドイツ)より入手)へタンパク質を電気移動した。vWFマルチマ−を、ヒトvWFに対するペルオキシダーゼコンジュゲート抗体(Dako(Glostrup,デンマーク)より入手したペルオキシダーゼ標識ウサギ抗ヒトvWF抗体P226)により同定した。
SDS-PAGE:
SDS-5%ポリアクリルアミドゲルを、Laemmli(Nature,227(1970),680)に従って調製した。65mmol DTTにより、60℃で15分間タンパク質を還元した。セファクリルS-300 HRカラムから得た還元または非還元画分を、厚さ3mmのゲルで60Vにて18時間電気泳動して分離し、クーマシーブルーで染色した。
SDS-5%ポリアクリルアミドゲルを、Laemmli(Nature,227(1970),680)に従って調製した。65mmol DTTにより、60℃で15分間タンパク質を還元した。セファクリルS-300 HRカラムから得た還元または非還元画分を、厚さ3mmのゲルで60Vにて18時間電気泳動して分離し、クーマシーブルーで染色した。
還元vWFのイムノブロッティング:
分解されていないおよびタンパク質加水分解により開裂したvWFの還元試料を、前記のように、SDS-PAGEにかけ、ニトロセルロースへ電気輸送した。vWFフラグメントの検出のために、Furlanほか(PNAS 90(1993),7503)に従って、ニトロセルロースをヒトvWFに対するウサギ抗血清(RAHu/FVIII)とインキュベーションした後、ウサギIgGに対するマウス抗体(M737:Dako(Glostrup,デンマーク)より入手)およびAPAAP(アルカリホスファターゼ抗アルカリホスファターゼ)試薬(K670:Dako(Glostrup,デンマーク)より入手))とインキュベーションした。
分解されていないおよびタンパク質加水分解により開裂したvWFの還元試料を、前記のように、SDS-PAGEにかけ、ニトロセルロースへ電気輸送した。vWFフラグメントの検出のために、Furlanほか(PNAS 90(1993),7503)に従って、ニトロセルロースをヒトvWFに対するウサギ抗血清(RAHu/FVIII)とインキュベーションした後、ウサギIgGに対するマウス抗体(M737:Dako(Glostrup,デンマーク)より入手)およびAPAAP(アルカリホスファターゼ抗アルカリホスファターゼ)試薬(K670:Dako(Glostrup,デンマーク)より入手))とインキュベーションした。
プロテアーゼの存在について試験するための血液成分の調製:
全血を、抗凝固薬を添加することなく正常な個人からガラス管に採取した。室温で15分後、固まった血液試料を2回、2,500gで15分間遠心分離した。次いで、10mM PPACK(Bachem,Bubendorf,スイスから入手したジフェニルアラニル-プロリルアルギニン−クロロメチルケトン)10μLを血清10mLに加え、試料を室温で10分間インキュベーションし,−20℃に凍結した。同じ検体から、血液90mLを、プラスチックびん中の0.13Mクエン酸ナトリウム10mL中うに採取した。300gで15分間遠心分離した後、約50mLの血小板に富む血漿(PRP)を回収した。PRPの1つのアリコートを2,500gで15分間遠心分離した。得られた血小板が少ない血漿(PPP)を3,000gで15分間遠心分離し、−20℃に凍結した。血小板の沈殿を、元の体積の1/15の0.9%塩化ナトリウム中に再懸濁し、凍結と解凍を3回繰り返した。破壊した血小板を3,000gで15分間遠心分離し、得られた上清および沈殿を−20℃に凍結した。PPPの凍結したアリコートをゆっくりと解凍してクリオプレシピテートを得た。−5℃、3,000gで15分間遠心分離し、上清およびクリオプレシピテートを元の体積の1/15の0.9%塩化ナトリウムにとり、−20℃に凍結した。PPPの別のアリコートをガラス管に移し、1/40の体積の1M塩化カルシウム溶液と混合し、37℃で15分間インキュベーションした。フィブリン塊を除き、3,000gで15分間遠心分離した後、PPACKを最終濃度25μMになるよう添加し、脱フィブリン化した血漿を−20℃に凍結した。凍結した試料を、プロテアーゼ活性測定の分析の前に、37℃にてそれぞれ10分間インキュベーションした。
全血を、抗凝固薬を添加することなく正常な個人からガラス管に採取した。室温で15分後、固まった血液試料を2回、2,500gで15分間遠心分離した。次いで、10mM PPACK(Bachem,Bubendorf,スイスから入手したジフェニルアラニル-プロリルアルギニン−クロロメチルケトン)10μLを血清10mLに加え、試料を室温で10分間インキュベーションし,−20℃に凍結した。同じ検体から、血液90mLを、プラスチックびん中の0.13Mクエン酸ナトリウム10mL中うに採取した。300gで15分間遠心分離した後、約50mLの血小板に富む血漿(PRP)を回収した。PRPの1つのアリコートを2,500gで15分間遠心分離した。得られた血小板が少ない血漿(PPP)を3,000gで15分間遠心分離し、−20℃に凍結した。血小板の沈殿を、元の体積の1/15の0.9%塩化ナトリウム中に再懸濁し、凍結と解凍を3回繰り返した。破壊した血小板を3,000gで15分間遠心分離し、得られた上清および沈殿を−20℃に凍結した。PPPの凍結したアリコートをゆっくりと解凍してクリオプレシピテートを得た。−5℃、3,000gで15分間遠心分離し、上清およびクリオプレシピテートを元の体積の1/15の0.9%塩化ナトリウムにとり、−20℃に凍結した。PPPの別のアリコートをガラス管に移し、1/40の体積の1M塩化カルシウム溶液と混合し、37℃で15分間インキュベーションした。フィブリン塊を除き、3,000gで15分間遠心分離した後、PPACKを最終濃度25μMになるよう添加し、脱フィブリン化した血漿を−20℃に凍結した。凍結した試料を、プロテアーゼ活性測定の分析の前に、37℃にてそれぞれ10分間インキュベーションした。
プロテアーゼ活性に関する調製した血液成分の分析:
10mM PPACK 10μLと0.55mM塩化カルシウム10μLをそれぞれ、200μLの血清、PPP、クリオプレシピテート不含PPP、脱フィブリン化したPPP、ならびに15倍濃縮のクリオプレシピテートおよび破壊した血小板と混合した。37℃で10分間インキュベーションした後、10μLのアリコートを40μLのvWF溶液と混合し、1M尿素、5mM Tris-HCl (pH7.4)に対して37℃で一晩透析し、vWFのタンパク質分解をSDSアガロースゲル電気泳動により検出した。
プロテアーゼ活性は、PPPにおいて、15倍濃縮のPRPから得られた破壊した血小板の上清または沈殿よりもかなり高いことがわかった(図4参照)。プロテアーゼ活性は、脱フィブリン化によっては影響を受けず、PPPのクリオプレシピテートにおいて部分的に回収された;15倍濃縮のPPPに対応するクリオプレシピテートはかなりの活性を示すが、濃縮されていないクリオプレシピテートは等量のPPPが含有する量よりずっと少ないプロテアーゼしか含有していなかった。クエン酸塩添加したPPPに見られるプロテアーゼ活性と非凝固血より得られた血清に見られるプロテアーゼ活性の間に有意な差異はなかった。
10mM PPACK 10μLと0.55mM塩化カルシウム10μLをそれぞれ、200μLの血清、PPP、クリオプレシピテート不含PPP、脱フィブリン化したPPP、ならびに15倍濃縮のクリオプレシピテートおよび破壊した血小板と混合した。37℃で10分間インキュベーションした後、10μLのアリコートを40μLのvWF溶液と混合し、1M尿素、5mM Tris-HCl (pH7.4)に対して37℃で一晩透析し、vWFのタンパク質分解をSDSアガロースゲル電気泳動により検出した。
プロテアーゼ活性は、PPPにおいて、15倍濃縮のPRPから得られた破壊した血小板の上清または沈殿よりもかなり高いことがわかった(図4参照)。プロテアーゼ活性は、脱フィブリン化によっては影響を受けず、PPPのクリオプレシピテートにおいて部分的に回収された;15倍濃縮のPPPに対応するクリオプレシピテートはかなりの活性を示すが、濃縮されていないクリオプレシピテートは等量のPPPが含有する量よりずっと少ないプロテアーゼしか含有していなかった。クエン酸塩添加したPPPに見られるプロテアーゼ活性と非凝固血より得られた血清に見られるプロテアーゼ活性の間に有意な差異はなかった。
血漿からのプロテアーゼの精製:
クロマトグラフィーの操作を行う前に血漿からフィブリノーゲンを除いた。これらの精製操作によって凝固カスケードの活性化が引き起こされるかも知れないからである。実験は、vWF分解プロテアーゼの活性は、血漿または血漿画分の脱フィブリン化、DFPまたはPPACKによっては影響を受けない(または実質的に影響を受けない)ことを示した。
健康な個人から得た血液(450mL)をシェイキングバランス上で、63mLのクエン酸塩/リン酸塩/デキストロース/アデニン(CPD−A1)溶液に集めた。2,500g、20℃で15分間遠心分離を2回した後、1M塩化カルシウムを最終濃度25mMになるように加え、再凝固したPPPを37℃にて30分間撹拌した。フィブリン塊を遠心分離により除いた後、PPACKおよびDFPを得られた血清に加えて最終濃度がそれぞれ5μMと2μMになるようにし、37℃で15分間インキュベーションして活性化した凝固酵素を阻害した。さらに、血清を1M塩化ナトリウムおよび0.05M Tris-HClを含む平衡化緩衝液(pH7.4)に対して透析した。50mLのアリコートを精製のときまで−20℃に保存した。
プロテアーゼは、Cu2+を充填したキレートセファロース(1.6×22cm;Pharmacia LKB)において、グリシン濃度を増加させて含有させる平衡化緩衝液によるステップワイズ溶出を用いて、出発物質である脱フィブリン化した正常な血漿から最初に精製することができた。プロテアーゼを含有する画分(図5Aの横線参照)をプールし(このプールには初発のタンパク質の14.7%が含まれていた)、0.6M(NH4)2SO4/0.02M Tris-HCl(pH7.4)に対して透析し、ブチルセファロース(1.6×27cm;Pharmacia LKB)を詰めたカラムに流し、混入タンパク質の大部分を、(NH4)2SO4の低い濃度でのステップワイズ溶出により除いた。2つのブチルセファロースカラムより得られたタンパク質加水分解活性のある画分(図5Bの横線参照)をプールし(このプールはプロテアーゼ活性のほぼすべてを含んでいるが、初発のタンパク質の0.75%だけは依然として含んでいた)、1mM EDTAに対して透析し、凍結乾燥し、蒸留水5mLにとり、0.15M NaCl、0.01M Tris-HCl(pH7.4)で平衡化したセファクリル S-300 HRカラム(2.6×90cm;Pharmacia LKB)に流した(図5C参照;交差部分の画分は全プロテアーゼ活性を含んでいるが、初発の総タンパクの0.08%だけは依然と含んでいた)。
ゲルろ過の分解能を高めるために、最初の溶出サイクルを終了し、溶出したタンパクを同じカラムに再び流し、2回目の溶出サイクルでそのタンパクを回収することにより長いカラムをまねた。再び、活性な画分をプールし、1M EDTAに対して透析し、凍結乾燥し、蒸留水3mLに再溶解し、さらにセファクリル S-300 HRカラムによるゲルろ過に付した。
このゲルろ過では、はじめの2回のサイクルを終了し、3回目のサイクルで画分を集めた。示したクロマトグラフィー操作のすべてにおいて、6mLの画分を60mL/hの流速で集めた。プロテアーゼを含む画分は−20℃で保存した。
結果を図6に示す。UV-吸収物質の溶出(図6A)およびプロテアーゼ活性(図6B)を示している。プロテアーゼ活性のピーク(画分9〜17)には、初発の血清タンパク質が0.009%だけ含まれていた。したがって、約10,000倍の精製率が達成された。それにもかかわらず、得られたプロテアーゼ調製物には、実質的な量の混入タンパク質が依然として含まれていた(図7参照)。プロテアーゼ活性のピーク(画分11〜15)は、未還元ゲルにおいて分子量約300kDのタンパクバンドとともに得られた。このバンドは、分子量130〜450kDに分布するいくつかのタンパクとともに現れた(おもなバンド:Mr450,200,180および130kD)。
クロマトグラフィーの操作を行う前に血漿からフィブリノーゲンを除いた。これらの精製操作によって凝固カスケードの活性化が引き起こされるかも知れないからである。実験は、vWF分解プロテアーゼの活性は、血漿または血漿画分の脱フィブリン化、DFPまたはPPACKによっては影響を受けない(または実質的に影響を受けない)ことを示した。
健康な個人から得た血液(450mL)をシェイキングバランス上で、63mLのクエン酸塩/リン酸塩/デキストロース/アデニン(CPD−A1)溶液に集めた。2,500g、20℃で15分間遠心分離を2回した後、1M塩化カルシウムを最終濃度25mMになるように加え、再凝固したPPPを37℃にて30分間撹拌した。フィブリン塊を遠心分離により除いた後、PPACKおよびDFPを得られた血清に加えて最終濃度がそれぞれ5μMと2μMになるようにし、37℃で15分間インキュベーションして活性化した凝固酵素を阻害した。さらに、血清を1M塩化ナトリウムおよび0.05M Tris-HClを含む平衡化緩衝液(pH7.4)に対して透析した。50mLのアリコートを精製のときまで−20℃に保存した。
プロテアーゼは、Cu2+を充填したキレートセファロース(1.6×22cm;Pharmacia LKB)において、グリシン濃度を増加させて含有させる平衡化緩衝液によるステップワイズ溶出を用いて、出発物質である脱フィブリン化した正常な血漿から最初に精製することができた。プロテアーゼを含有する画分(図5Aの横線参照)をプールし(このプールには初発のタンパク質の14.7%が含まれていた)、0.6M(NH4)2SO4/0.02M Tris-HCl(pH7.4)に対して透析し、ブチルセファロース(1.6×27cm;Pharmacia LKB)を詰めたカラムに流し、混入タンパク質の大部分を、(NH4)2SO4の低い濃度でのステップワイズ溶出により除いた。2つのブチルセファロースカラムより得られたタンパク質加水分解活性のある画分(図5Bの横線参照)をプールし(このプールはプロテアーゼ活性のほぼすべてを含んでいるが、初発のタンパク質の0.75%だけは依然として含んでいた)、1mM EDTAに対して透析し、凍結乾燥し、蒸留水5mLにとり、0.15M NaCl、0.01M Tris-HCl(pH7.4)で平衡化したセファクリル S-300 HRカラム(2.6×90cm;Pharmacia LKB)に流した(図5C参照;交差部分の画分は全プロテアーゼ活性を含んでいるが、初発の総タンパクの0.08%だけは依然と含んでいた)。
ゲルろ過の分解能を高めるために、最初の溶出サイクルを終了し、溶出したタンパクを同じカラムに再び流し、2回目の溶出サイクルでそのタンパクを回収することにより長いカラムをまねた。再び、活性な画分をプールし、1M EDTAに対して透析し、凍結乾燥し、蒸留水3mLに再溶解し、さらにセファクリル S-300 HRカラムによるゲルろ過に付した。
このゲルろ過では、はじめの2回のサイクルを終了し、3回目のサイクルで画分を集めた。示したクロマトグラフィー操作のすべてにおいて、6mLの画分を60mL/hの流速で集めた。プロテアーゼを含む画分は−20℃で保存した。
結果を図6に示す。UV-吸収物質の溶出(図6A)およびプロテアーゼ活性(図6B)を示している。プロテアーゼ活性のピーク(画分9〜17)には、初発の血清タンパク質が0.009%だけ含まれていた。したがって、約10,000倍の精製率が達成された。それにもかかわらず、得られたプロテアーゼ調製物には、実質的な量の混入タンパク質が依然として含まれていた(図7参照)。プロテアーゼ活性のピーク(画分11〜15)は、未還元ゲルにおいて分子量約300kDのタンパクバンドとともに得られた。このバンドは、分子量130〜450kDに分布するいくつかのタンパクとともに現れた(おもなバンド:Mr450,200,180および130kD)。
アミノ酸組成と配列解析:
アミノ酸組成およびアミノ酸配列の解析のために、プロテアーゼの非還元ピーク画分と還元されたvWFフラグメントを、1mM EDTAに対して透析し、凍結乾燥し、SDS-PAGE の前に元の体積の1/50に再溶解した。0.05%SDS、10%メタノール、0.05M ホウ酸(pH9.0)を輸送緩衝液として用い、26V、0.4Aにて、HMWタンパクバンドをゲルからPVDF(ポリビニリデン−ジフルオライド)膜(Biolad)へ6時間電気輸送した。輸送後、膜を40%メタノール中のクーマシーブルーで染色し、40%メタノールおよび10%酢酸中で脱色し、風乾した。切り取ったバンドを、フェニルチオヒダントイン誘導体の解析のためのオンライン高速液体クロマトグラフィーを取り付けたApplied Biosystems Model 477Aシーケンサーのブロットカートリッジに入れた。アミノ酸組成の解析のために,タンパクバンドを6N HClの気相中、110℃で22時間加水分解した。アミノ酸をPVDF膜から70%0.1N HCl/30%メタノールにより抽出し、高速液体クロマトグラフィーにより、フェニルチオカルバミル誘導体として測定した。セファクリルS-300 HR カラムよりプロテアーゼ活性とともに同時に溶出した非還元タンパクバンドのアミノ酸組成を、表1に示す。
アミノ酸組成およびアミノ酸配列の解析のために、プロテアーゼの非還元ピーク画分と還元されたvWFフラグメントを、1mM EDTAに対して透析し、凍結乾燥し、SDS-PAGE の前に元の体積の1/50に再溶解した。0.05%SDS、10%メタノール、0.05M ホウ酸(pH9.0)を輸送緩衝液として用い、26V、0.4Aにて、HMWタンパクバンドをゲルからPVDF(ポリビニリデン−ジフルオライド)膜(Biolad)へ6時間電気輸送した。輸送後、膜を40%メタノール中のクーマシーブルーで染色し、40%メタノールおよび10%酢酸中で脱色し、風乾した。切り取ったバンドを、フェニルチオヒダントイン誘導体の解析のためのオンライン高速液体クロマトグラフィーを取り付けたApplied Biosystems Model 477Aシーケンサーのブロットカートリッジに入れた。アミノ酸組成の解析のために,タンパクバンドを6N HClの気相中、110℃で22時間加水分解した。アミノ酸をPVDF膜から70%0.1N HCl/30%メタノールにより抽出し、高速液体クロマトグラフィーにより、フェニルチオカルバミル誘導体として測定した。セファクリルS-300 HR カラムよりプロテアーゼ活性とともに同時に溶出した非還元タンパクバンドのアミノ酸組成を、表1に示す。
vWF開裂プロテアーゼの活性に対する金属イオンとpHの影響
精製されたプロテアーゼのアリコート(95μL)を、以下の塩の0.2M 溶液5μLと37℃で15分間プレインキュベーションした:ZnCl2、CuSO4、Cd(CH3COO)2、CoSO4、NiCl2、MnCl2、MgCl2、CaCl2、SrCl2、およびBaCl2。次いで、精製したvWF50μLをそれぞれのアリコートに加え、インキュベーション混合物をフローティングメンブランフィルター上に移した。1M 尿素、5mM Tris-HCl(pH7.4)に対して37℃で24時間インキュベーションした後、試料をフィルターからとり、SDS−アガロースゲル電気泳動にかけた。
プロテアーゼは、Zn2+、Cu2+、Cd2+、Co2+、Ni2+またはMn2+による活性化は示さなかった。Mg2+によるごくわずかな活性化がみられ、Ca2+、Sr2+、特にBa2+による実質的な活性化が得られた(図8A参照)。
カルシウム、ストロンチウムおよびバリウムによる長時間のプレインキュベーションによって、生理学的な塩濃度および尿素の非存在下でもプロテアーゼ活性が減少した。恐らくプロテアーゼの自己消化のためであろう。これらのイオンの存在下でプロテアーゼは溶液中で非常に安定であり、よって、室温での数日間にわたるクロマトグラフィー操作によって酵素を精製することが可能であった。
カルシウムおよびバリウムによる活性化後のプロテアーゼの至適pHは、プロテアーゼを10mMの塩化カルシウムまたは10mMの塩化バリウムとプレインキュベションし、尿素Tris-HCl 緩衝液(pH6〜11の範囲の数種類の緩衝液を使用する)中で透析しながらvWFとインキュベーションすることにより測定した。透析した試料中のvWFのマルチマーパターンをSDSアガロース電気泳動により解析した。
カルシウムにより活性化されたプロテアーゼによるvWF分解に関する至適pHは、9〜10であり、バリウムにより活性化されたプロテアーゼの活性はpH8で最大となった(図8B参照)。
したがって、vWFを分解するプロテアーゼ活性を測定するための実験は、10mM塩化バリウムとインキュベーションした後、常にpH8で行った。
精製されたプロテアーゼのアリコート(95μL)を、以下の塩の0.2M 溶液5μLと37℃で15分間プレインキュベーションした:ZnCl2、CuSO4、Cd(CH3COO)2、CoSO4、NiCl2、MnCl2、MgCl2、CaCl2、SrCl2、およびBaCl2。次いで、精製したvWF50μLをそれぞれのアリコートに加え、インキュベーション混合物をフローティングメンブランフィルター上に移した。1M 尿素、5mM Tris-HCl(pH7.4)に対して37℃で24時間インキュベーションした後、試料をフィルターからとり、SDS−アガロースゲル電気泳動にかけた。
プロテアーゼは、Zn2+、Cu2+、Cd2+、Co2+、Ni2+またはMn2+による活性化は示さなかった。Mg2+によるごくわずかな活性化がみられ、Ca2+、Sr2+、特にBa2+による実質的な活性化が得られた(図8A参照)。
カルシウム、ストロンチウムおよびバリウムによる長時間のプレインキュベーションによって、生理学的な塩濃度および尿素の非存在下でもプロテアーゼ活性が減少した。恐らくプロテアーゼの自己消化のためであろう。これらのイオンの存在下でプロテアーゼは溶液中で非常に安定であり、よって、室温での数日間にわたるクロマトグラフィー操作によって酵素を精製することが可能であった。
カルシウムおよびバリウムによる活性化後のプロテアーゼの至適pHは、プロテアーゼを10mMの塩化カルシウムまたは10mMの塩化バリウムとプレインキュベションし、尿素Tris-HCl 緩衝液(pH6〜11の範囲の数種類の緩衝液を使用する)中で透析しながらvWFとインキュベーションすることにより測定した。透析した試料中のvWFのマルチマーパターンをSDSアガロース電気泳動により解析した。
カルシウムにより活性化されたプロテアーゼによるvWF分解に関する至適pHは、9〜10であり、バリウムにより活性化されたプロテアーゼの活性はpH8で最大となった(図8B参照)。
したがって、vWFを分解するプロテアーゼ活性を測定するための実験は、10mM塩化バリウムとインキュベーションした後、常にpH8で行った。
vWF分解に対するプロテアーゼ阻害剤の効果
精製したプロテアーゼを、37℃で5分間10mM塩化バリウムにより再生した後、以下のプロテアーゼ阻害剤と37℃で15分間インキュベーションした:EDTA(終濃度10mM)、EGTA(10mM)、Na3−クエン酸塩(10mM)、ヨードアセトアミド(IAA,10mM)、N−エチルマレイミド(NEM;10mM)、DFP(1mM)、フェニルメチルスルホニルフルオライド(PMSF;1mM)、N−α−p−トシル−L−リシン−クロロメチルケトン(TLCK;1mM)、N−α−p−トシル−L−フェニルアラニン−クロロメチルケトン(TPCK;1mM)、ロイペプチン(0.01mM)およびアプロチニン(0.01mM)。
さらに、以下のカルボベンジルオキシ−(Z)−ペプチジル−ジアゾメチルケトン阻害剤を試験した(バリウム活性化プロテアーゼとのプレインキュベーション中はすべて終濃度0.1mM):Z−Leu−Leu-Tyr−CHN2、Z−Val−Val−Tyr-CHN2、Z−Phe−Ala-CHN2、Z−Phe(I)−Ala-CHN2、Z−Tyr−Ala-CHN2、Z−Phe−Phe-CHN2。
プレインキュベーションの後、酵素阻害剤混合物のアリコート100μLを、精製したvWF溶液50μLに加え、混合物を1M 尿素、5mM Tris-HCl(pH7.4)に対して37℃で24時間透析した。vWFの分解をSDSアガロース電気泳動およびイムノブロッティングにより分析した(図9A参照)。
−トシル−L−リシン−クロロメチルケトン(TLCK;1mM)、N−α−p−トシル−L−フェニルアラニン−クロロメチルケトン(TPCK;1mM)、ロイペプチン(0.01mM)およびアプロチニン(0.01mM)。
さらに、以下のカルボベンジルオキシ−(Z)−ペプチジル−ジアゾメチルケトン阻害剤を試験した(バリウム活性化プロテアーゼとのプレインキュベーション中はすべて終濃度0.1mM):Z−Leu−Leu-Tyr−CHN2、Z−Val−Val−Tyr-CHN2、Z−Phe−Ala-CHN2、Z−Phe(I)−Ala-CHN2、Z−Tyr−Ala-CHN2、Z−Phe−Phe-CHN2。
プレインキュベーションの後、酵素阻害剤混合物のアリコート100μLを、精製したvWF溶液50μLに加え、混合物を1M 尿素、5mM Tris-HCl(pH7.4)に対して37℃で24時間透析した。vWFの分解をSDSアガロース電気泳動およびイムノブロッティングにより分析した(図9A参照)。
−トシル−L−フェニルアラニン−クロロメチルケトン(TPCK;1mM)、ロイペプチン(0.01mM)およびアプロチニン(0.01mM)。
さらに以下のカルボベンジルオキシ−(Z)−ペプチジル−ジアゾメチルケトン阻害剤を試験した(バリウム活性化プロテアーゼとのプレインキュベーション中はすべて終濃度0.1mM):Z−Leu−Leu-Tyr−CHN2、Z−Val−Val−Tyr-CHN2、Z−Phe−Ala-CHN2、Z−Phe(I)−Ala-CHN2、Z−Tyr−Ala-CHN2、Z−Phe−Phe-CHN2。
プレインキュベーションの後、酵素阻害剤混合物のアリコート100μLを、精製したvWF溶液50μLに加え、混合物を1M 尿素、5mM Tris-HCl(pH7.4)に対して37℃で24時間透析した。vWFの分解をSDSアガロース電気泳動およびイムノブロッティングにより分析した(図9A参照)。
精製したプロテアーゼを、37℃で5分間10mM塩化バリウムにより再生した後、以下のプロテアーゼ阻害剤と37℃で15分間インキュベーションした:EDTA(終濃度10mM)、EGTA(10mM)、Na3−クエン酸塩(10mM)、ヨードアセトアミド(IAA,10mM)、N−エチルマレイミド(NEM;10mM)、DFP(1mM)、フェニルメチルスルホニルフルオライド(PMSF;1mM)、N−α−p−トシル−L−リシン−クロロメチルケトン(TLCK;1mM)、N−α−p−トシル−L−フェニルアラニン−クロロメチルケトン(TPCK;1mM)、ロイペプチン(0.01mM)およびアプロチニン(0.01mM)。
さらに、以下のカルボベンジルオキシ−(Z)−ペプチジル−ジアゾメチルケトン阻害剤を試験した(バリウム活性化プロテアーゼとのプレインキュベーション中はすべて終濃度0.1mM):Z−Leu−Leu-Tyr−CHN2、Z−Val−Val−Tyr-CHN2、Z−Phe−Ala-CHN2、Z−Phe(I)−Ala-CHN2、Z−Tyr−Ala-CHN2、Z−Phe−Phe-CHN2。
プレインキュベーションの後、酵素阻害剤混合物のアリコート100μLを、精製したvWF溶液50μLに加え、混合物を1M 尿素、5mM Tris-HCl(pH7.4)に対して37℃で24時間透析した。vWFの分解をSDSアガロース電気泳動およびイムノブロッティングにより分析した(図9A参照)。
−トシル−L−リシン−クロロメチルケトン(TLCK;1mM)、N−α−p−トシル−L−フェニルアラニン−クロロメチルケトン(TPCK;1mM)、ロイペプチン(0.01mM)およびアプロチニン(0.01mM)。
さらに、以下のカルボベンジルオキシ−(Z)−ペプチジル−ジアゾメチルケトン阻害剤を試験した(バリウム活性化プロテアーゼとのプレインキュベーション中はすべて終濃度0.1mM):Z−Leu−Leu-Tyr−CHN2、Z−Val−Val−Tyr-CHN2、Z−Phe−Ala-CHN2、Z−Phe(I)−Ala-CHN2、Z−Tyr−Ala-CHN2、Z−Phe−Phe-CHN2。
プレインキュベーションの後、酵素阻害剤混合物のアリコート100μLを、精製したvWF溶液50μLに加え、混合物を1M 尿素、5mM Tris-HCl(pH7.4)に対して37℃で24時間透析した。vWFの分解をSDSアガロース電気泳動およびイムノブロッティングにより分析した(図9A参照)。
−トシル−L−フェニルアラニン−クロロメチルケトン(TPCK;1mM)、ロイペプチン(0.01mM)およびアプロチニン(0.01mM)。
さらに以下のカルボベンジルオキシ−(Z)−ペプチジル−ジアゾメチルケトン阻害剤を試験した(バリウム活性化プロテアーゼとのプレインキュベーション中はすべて終濃度0.1mM):Z−Leu−Leu-Tyr−CHN2、Z−Val−Val−Tyr-CHN2、Z−Phe−Ala-CHN2、Z−Phe(I)−Ala-CHN2、Z−Tyr−Ala-CHN2、Z−Phe−Phe-CHN2。
プレインキュベーションの後、酵素阻害剤混合物のアリコート100μLを、精製したvWF溶液50μLに加え、混合物を1M 尿素、5mM Tris-HCl(pH7.4)に対して37℃で24時間透析した。vWFの分解をSDSアガロース電気泳動およびイムノブロッティングにより分析した(図9A参照)。
キレート剤EDTAおよびEGTAは、バリウムとプレインキュベーションしたプロテアーゼを完全に阻害し得たが、クエン酸とプレインキュベーションしたプロテアーゼは部分的にしか阻害し得なかった。スルフヒドリル酵素阻害剤IAAおよびNEMと15分間プレインキュベションした場合は、プロテアーゼ阻害を起こらなかった。セリンプロテアーゼ阻害剤DFP、PMSFおよびアプロチニンによる、またはセリン/スルフヒドリルプロテアーゼ阻害剤TLCK、TPCKおよびロイペプチンによる本発明のプロテアーゼの阻害もなかった。
同じ阻害剤が透析溶液にも含まれているさらなる実験では、1つを除いて同じ結果が得られた;NEMとインキュベーションした場合は、部分的にプロテアーゼが阻害された。
したがって、このプロテアーゼは、IAAによっては阻害されなかったが、NEMにより非常にゆっくりと阻害されるようである。
試験したペプチジルジアゾメチルケトン阻害剤のうち、Z−Phe−Phe-CHN2とZ−Val−Val−Tyr-CHN2だけがvWFのタンパク質加水分解を阻害した(図9B参照)。
同じ阻害剤が透析溶液にも含まれているさらなる実験では、1つを除いて同じ結果が得られた;NEMとインキュベーションした場合は、部分的にプロテアーゼが阻害された。
したがって、このプロテアーゼは、IAAによっては阻害されなかったが、NEMにより非常にゆっくりと阻害されるようである。
試験したペプチジルジアゾメチルケトン阻害剤のうち、Z−Phe−Phe-CHN2とZ−Val−Val−Tyr-CHN2だけがvWFのタンパク質加水分解を阻害した(図9B参照)。
分解したvWFおよび他のタンパク質のポリペプチドサブユニット:
精製したvWF(50μL)を、10mM塩化バリウムと37℃で5分間プレインキュベーションしておいた様々な希釈率のプロテアーゼ(100μL)と混合し、混合物を1M 尿素、5mM Tris-HCl(pH8.0)に対して37℃で24時間透析した。生じた分解物をDDTにより還元した後、SDS-PAGEに付した。還元したvWFフラグメントの免疫検出を、APAAPキットを用いることにより行った。
無損傷のvWFサブユニットの分解は、還元SDS−PAGEのイムノブロッテッィングにより示されるように、それぞれ分子量140および170kDの増加した量の2つのフラグメントの出現を伴った(図10参照)。
平行試験において、他の3つのタンパクを精製したプロテアーゼとインキュベーションし、即ちヒトフィブリノーゲン(0.4mg/mL)、BSA(0.2mg/mL)またはカーフスキンコラーゲン(0.4mg/mL)の各溶液50μLをそれぞれ、バリウムイオンとプレインキュベーションした希釈していないプロテアーゼ100μLとインキュベーションし、インキュベーション混合物を1M 尿素、5mM Tris-HCl(pH8.0)に対して37℃で24時間透析した。さらに、クエン酸塩添加したヒト正常血漿(希釈率1:100)を本発明のプロテアーゼ調製物とともに透析した。対照実験では、プロテアーゼを0.15M 塩化ナトリウム/0.01M Tris-HCl(pH7.4)で置き換えた。透析した後、タンパクをDTTで還元し、SDS−PAGEに流した。クマーシーブルー染色をポリペプチド鎖の検出に使用した。
vWF分解条件下で、本発明のプロテアーゼ調製物によるヒトフィブリノーゲン、BSAまたはカーフスキンコラーゲンの分解は観察されないことが示された(図11)。還元SDS−PAGEは、可能性のある基質として使用されたこれらタンパク質のサブユニット鎖が変化しないこと示しており、このことは、本発明のプロテアーゼがvWFに対して高い特異性を有していることを示している。
精製したvWF(50μL)を、10mM塩化バリウムと37℃で5分間プレインキュベーションしておいた様々な希釈率のプロテアーゼ(100μL)と混合し、混合物を1M 尿素、5mM Tris-HCl(pH8.0)に対して37℃で24時間透析した。生じた分解物をDDTにより還元した後、SDS-PAGEに付した。還元したvWFフラグメントの免疫検出を、APAAPキットを用いることにより行った。
無損傷のvWFサブユニットの分解は、還元SDS−PAGEのイムノブロッテッィングにより示されるように、それぞれ分子量140および170kDの増加した量の2つのフラグメントの出現を伴った(図10参照)。
平行試験において、他の3つのタンパクを精製したプロテアーゼとインキュベーションし、即ちヒトフィブリノーゲン(0.4mg/mL)、BSA(0.2mg/mL)またはカーフスキンコラーゲン(0.4mg/mL)の各溶液50μLをそれぞれ、バリウムイオンとプレインキュベーションした希釈していないプロテアーゼ100μLとインキュベーションし、インキュベーション混合物を1M 尿素、5mM Tris-HCl(pH8.0)に対して37℃で24時間透析した。さらに、クエン酸塩添加したヒト正常血漿(希釈率1:100)を本発明のプロテアーゼ調製物とともに透析した。対照実験では、プロテアーゼを0.15M 塩化ナトリウム/0.01M Tris-HCl(pH7.4)で置き換えた。透析した後、タンパクをDTTで還元し、SDS−PAGEに流した。クマーシーブルー染色をポリペプチド鎖の検出に使用した。
vWF分解条件下で、本発明のプロテアーゼ調製物によるヒトフィブリノーゲン、BSAまたはカーフスキンコラーゲンの分解は観察されないことが示された(図11)。還元SDS−PAGEは、可能性のある基質として使用されたこれらタンパク質のサブユニット鎖が変化しないこと示しており、このことは、本発明のプロテアーゼがvWFに対して高い特異性を有していることを示している。
vWFおよびその分解産物のアミノ酸解析およびアミノ酸配列:
図10に示された3つの電気泳動のバンド、即ち250、170および140kDのバンドをPVDF膜上に移し、アミノ酸組成およびアミノ酸配列を解析した。結果を表2に示す。これら3つのポリペプチドバンドのアミノ酸組成と、完全なvWFサブユニット、C-末端フラグメント843−2050、およびN-末端フラグメント1−842について計算した理論値との間でそれぞれよく一致していることを示している。これについてEP−0 197 592を参照。250および140kDバンドのN-末端アミノ酸配列は、Ser−Leu−Ser−X−Argであった;この配列は完全なvWFサブユニットのN-末端配列と一致する。分子量170kDの大きい分解産物の解析により、完全なvWFサブユニットのアミノ酸残基843−847に対応するN-末端配列Met−Val−Thr−Gly−Asnが得られた。これらのデータは、精製したプロテアーゼがペプチド結合842Thr−843Metを開裂することを示している。
図10に示された3つの電気泳動のバンド、即ち250、170および140kDのバンドをPVDF膜上に移し、アミノ酸組成およびアミノ酸配列を解析した。結果を表2に示す。これら3つのポリペプチドバンドのアミノ酸組成と、完全なvWFサブユニット、C-末端フラグメント843−2050、およびN-末端フラグメント1−842について計算した理論値との間でそれぞれよく一致していることを示している。これについてEP−0 197 592を参照。250および140kDバンドのN-末端アミノ酸配列は、Ser−Leu−Ser−X−Argであった;この配列は完全なvWFサブユニットのN-末端配列と一致する。分子量170kDの大きい分解産物の解析により、完全なvWFサブユニットのアミノ酸残基843−847に対応するN-末端配列Met−Val−Thr−Gly−Asnが得られた。これらのデータは、精製したプロテアーゼがペプチド結合842Thr−843Metを開裂することを示している。
組換えvWFのタンパク質加水分解による断片化
FEBS−Letters 375,259-262(1995)にしたがって製造された、20mM TBS緩衝液中104U(Ag)/mLの濃度の組換えvWF因子(r−vWF)を、本発明のvWFプロテアーゼ調製物と上記のようにインキュベーションした。最も大きなマルチマーの減少が、血漿vWFのバンドと同様にサテライトバンドの形成とともに3時間後にすでに認められた。20時間後、オリゴマーおよびマルチマーはもはや検出されなくなった(図12A参照)。
FEBS−Letters 375,259-262(1995)にしたがって製造された、20mM TBS緩衝液中104U(Ag)/mLの濃度の組換えvWF因子(r−vWF)を、本発明のvWFプロテアーゼ調製物と上記のようにインキュベーションした。最も大きなマルチマーの減少が、血漿vWFのバンドと同様にサテライトバンドの形成とともに3時間後にすでに認められた。20時間後、オリゴマーおよびマルチマーはもはや検出されなくなった(図12A参照)。
銅キレートアフィニティークロマトグラフィーの後、vWF特異的プロテアーゼにより本発明にしたがって製造された調製物は、依然としてはっきりと測定できるプラスミン活性を示した(0.2U/mL;試料または標準(Chromogenicsより入手したヒトプラスミン、20mM TBS緩衝液(pH8.3)中19.3U/mL)50μLを37℃に1分間プレヒートし、発色基質PL1(Immuno AGより入手:D−シクロヘキシルグリシル−L−アラニル−L−アルギニン−p−ニトロアニリン、TBS緩衝液(pH8.3)中1mM)200μLと混合した後、p−ニトロアニリンの放出の動力学を37℃にて405nmで光度計により測定した)。
したがって、vWF特異的プロテアーゼの結果としてよりもむしろ調製物中のプラスミンの存在による、プロテアーゼ調製物がフォンビルブラント因子マルチマーを分解する可能性を排除することが必要であった。
図12Bおよび図12Cは、プラスミン阻害剤(アプロチニン)およびPPACKなどのプラスミンに対する特異性が低いプロテアーゼ阻害剤の存在下で本発明のプロテアーゼとインキュベーションした場合に、組換えvWFが全く同じように分解されることを示している。アプロチニンおよびPPACKの濃度は、プロテアーゼ活性がプラスミンの発色基質により検出されないように選択する。
クリオプレシピテートをvWFプロテアーゼとインキュベーションしたとき(図13A)、組換えvWFの場合と同じようにマルチマーの消失が時間にわたって観察された。短時間インキュベーションですでにサテライトバンドの増加を示した。プロテアーゼ阻害剤の添加では分解を阻止できないがゆっくりとなる(アプロチニン図13BおよびPPACK図13C)。この目的のために製造された最も大きい分子量のvWFマルチマーの調製物をクリオプレシピテートのかわりに用いるならば(20mMTBS緩衝液(pH8.3)中の実験室調製物10U(Ag)/mL)、本発明のvWFプロテアーゼによりサテライトバンドの増加を伴う低分子量マルチマーへのはっきりとしたシフトが検出されるであろう。プラスミンによる消化を一晩行うと、血漿vWFと組換えvWFは両方とも完全に分解された(図14Bおよび図14D参照)。この実験において、本発明のプロテアーゼによる組換えvWFの分解産物は、生成したサテライトバンドと主要なバンドであった。実際に、すべてのバンドが血漿vWFと非常に似ていた(図14C)。
したがって、vWF特異的プロテアーゼの結果としてよりもむしろ調製物中のプラスミンの存在による、プロテアーゼ調製物がフォンビルブラント因子マルチマーを分解する可能性を排除することが必要であった。
図12Bおよび図12Cは、プラスミン阻害剤(アプロチニン)およびPPACKなどのプラスミンに対する特異性が低いプロテアーゼ阻害剤の存在下で本発明のプロテアーゼとインキュベーションした場合に、組換えvWFが全く同じように分解されることを示している。アプロチニンおよびPPACKの濃度は、プロテアーゼ活性がプラスミンの発色基質により検出されないように選択する。
クリオプレシピテートをvWFプロテアーゼとインキュベーションしたとき(図13A)、組換えvWFの場合と同じようにマルチマーの消失が時間にわたって観察された。短時間インキュベーションですでにサテライトバンドの増加を示した。プロテアーゼ阻害剤の添加では分解を阻止できないがゆっくりとなる(アプロチニン図13BおよびPPACK図13C)。この目的のために製造された最も大きい分子量のvWFマルチマーの調製物をクリオプレシピテートのかわりに用いるならば(20mMTBS緩衝液(pH8.3)中の実験室調製物10U(Ag)/mL)、本発明のvWFプロテアーゼによりサテライトバンドの増加を伴う低分子量マルチマーへのはっきりとしたシフトが検出されるであろう。プラスミンによる消化を一晩行うと、血漿vWFと組換えvWFは両方とも完全に分解された(図14Bおよび図14D参照)。この実験において、本発明のプロテアーゼによる組換えvWFの分解産物は、生成したサテライトバンドと主要なバンドであった。実際に、すべてのバンドが血漿vWFと非常に似ていた(図14C)。
基質の存在に基づいた、低濃度でのr−vWFとプラスミンとのインキュベーション(図15参照:プラスミンは20mMTBS緩衝液(pH8.3)中0.2U/mLに希釈し、各r−vWF調製物と1:1に混合し、37℃でインキュベーションした)は、動力学試験において29時間にわたってマルチマーの継続的な分解を示した(図15A参照)。プロテアーゼなしの対照の調製物は、さもなくば認められるr-vWFの溶液における安定性を示している。プラスミン濃度を1:10に減らした場合、r-vWFはさらにゆっくりと分解された(図15B参照)。これは、アプロチニン(図16B)およびPPACK(図16C)の添加によって阻止することができる。阻害剤なしの処理後の状態(図16A参照)とは反対に、マルチマーは、時間にわたる(約20時間)変化は示されなかった。
8時間以上のインキュベーションによるクリオプレシピテートでの対照実験(図17)もまた、アプロチニンまたはPPACKの添加により阻止し得るであろう高分子量のマルチマーの減少を示している。
8時間以上のインキュベーションによるクリオプレシピテートでの対照実験(図17)もまた、アプロチニンまたはPPACKの添加により阻止し得るであろう高分子量のマルチマーの減少を示している。
さらなる試験により、r-vWFのタンパク質加水分解がヒト血漿とのインキュベーション中に起こるかどうかについて調べた(図18)。このため、r-vWF調製物を同体積のvWF欠乏血漿と混合し(図18A参照)、48時間インキュベーションし、試料を種々の時間で取り出した。時間にわたるr-vWFの変化は検出されなかった。緩衝媒体中37℃にて同じ時間静置した対照の調製物も、構造の変化を示さなかった(図18B参照)。
r-vWFおよびそのタンパク質加水分解産物は、Ruggeriら,(Blood 57(1981),1140-1143)の方法にさらにしたがい、1%および2%アガロースゲルに付した。
vWFマルチマーは、Aiharaら,(Thromb.Haemostas.55(1986),263-267)にしたがって免疫酵素染色によって視覚化した。ウサギ抗フォンビルブラント因子抗血清(Dakopatts, Glostrup, Denmarkより入手)を1次抗体として用い、アルカリホフファターゼコンジュゲートのアフィニティー精製されたヤギ抗ウサギIgG H+L−抗体(Axell Accurate Chemical and Scientific Corp,Westburg,N.Y.より入手)を2次抗体として用いた。タンパクバンドの染色は、ニトロブルー テトラゾリウム/ブロモクロロ−インドリル−ホスフェート基質系によって行った。
r-vWFおよびそのタンパク質加水分解産物は、Ruggeriら,(Blood 57(1981),1140-1143)の方法にさらにしたがい、1%および2%アガロースゲルに付した。
vWFマルチマーは、Aiharaら,(Thromb.Haemostas.55(1986),263-267)にしたがって免疫酵素染色によって視覚化した。ウサギ抗フォンビルブラント因子抗血清(Dakopatts, Glostrup, Denmarkより入手)を1次抗体として用い、アルカリホフファターゼコンジュゲートのアフィニティー精製されたヤギ抗ウサギIgG H+L−抗体(Axell Accurate Chemical and Scientific Corp,Westburg,N.Y.より入手)を2次抗体として用いた。タンパクバンドの染色は、ニトロブルー テトラゾリウム/ブロモクロロ−インドリル−ホスフェート基質系によって行った。
Claims (57)
- 間接的または直接的なタンパク質加水分解活性を含み、シングレット構造を有するフォンビルブラント因子(vWF)をサテライト構造を有するvWFに変換し、セリンプロテアーゼ阻害剤 ジイソプロピルフルオロホスフェ−ト(DFP)またはカルペインプロテアーゼ阻害剤 Z-Leu-Leu-Tyr-CHN2の存在下で活性であり、血漿、血清、血漿画分または血清画分からクロマトグラフィー法により得られる精製されたマルチメラ−ゼであって、該クロマトグラフィー法が、不活性化するタンパク質加水分解活性がセリンプロテアーゼ阻害剤の存在下で認められる画分から該精製されたマルチメラーゼをvWFを回収することを含んでなる、マルチメラーゼ。
- 間接的または直接的なタンパク質加水分解活性を含み、シングレット構造を有するフォンビルブラント因子(vWF)をサテライト構造を有するvWFに変換し、セリンプロテアーゼ阻害剤 ジイソプロピルフルオロホスフェ−ト(DFP)またはカルペインプロテアーゼ阻害剤 Z-Leu-Leu-Tyr-CHN2の存在下で活性であり、vWFの842Tyr−843Metペプチド結合を開裂することができる、精製されたマルチメラーゼ。
- 200kD以上の分子量に対応する血漿および血清画分のうちの一方のゲルろ過の後に得られた画分において検出することができる、請求項1記載のマルチメラーゼ。
- 血漿と比較して少なくとも1,000倍に濃縮された形態で存在する、請求項1記載のマルチメラーゼ。
- セリンプロテアーゼ阻害剤の存在下で少なくとも10U/mgタンパクの比活性を含む、請求項1記載のマルチメラーゼ。
- 至適pHが7〜10の範囲である、請求項1記載のマルチメラーゼ。
- 2価金属イオンの存在下で活性である、請求項1記載のマルチメラーゼ。
- 該金属イオンがアルカリ土類金属イオンである、請求項7記載のマルチメラーゼ。
- せん断力、減少したイオン強度またはカオトロピック試薬により増強可能な活性を有する、請求項1記載のマルチメラーゼ。
- 修飾されたvWFと比較して増加した活性を有する、請求項1記載のマルチメラーゼ。
- 該修飾されたvWFが部分的に変性したvWFである、請求項10記載のマルチメラーゼ。
- 該修飾されたvWFがコンフォメーションの変化を有するvWFである、請求項10記載のマルチメラーゼ。
- 間接的または直接的なタンパク質加水分解活性を含み、シングレット構造のフォンビルブラント因子(vWF)をサテライト構造のvWFに変換し、セリンプロテアーゼ阻害剤 ジイソプロピルフルオロホスフェ−ト(DFP)またはカルペインプロテアーゼ阻害剤 Z-Leu-Leu-Tyr-CHN2の存在下で活性であるマルチメラ−ゼを、血漿、血清、血漿画分または血清画分から、クロマトグラフィー法により精製する方法であって、セリンプロテアーゼ阻害剤の存在下で、vWFを不活性化するタンパク質加水分解活性が認められる画分から該精製されたマルチメラーゼを回収することを含んでなる方法。
- 該マルチメラーゼが、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィーまたはゲルろ過によって回収される、請求項13記載の方法。
- シングレット構造のvWFと、間接的または直接的なタンパク質加水分解活性を有し、シングレット構造を有するフォンビルブラント因子(vWF)をサテライト構造を有するvWFに変換し、セリンプロテアーゼ阻害剤 ジイソプロピルフルオロホスフェ−ト(DFP)またはカルペインプロテアーゼ阻害剤 Z-Leu-Leu-Tyr-CHN2の存在下で活性である精製されたマルチメラ−ゼとを、サテライト構造のvWFが得られるようインキュベーションし、該サテライト構造の該vWFを回収することを含んでなる方法。
- 該インキュベーションがインビトロで行われる、請求項15記載の方法。
- 該インキュベーションがインビボで行われる、請求項15記載の方法。
- 該インキュベーションが半ビボで行われる、請求項15記載の方法。
- 間接的または直接的なタンパク質加水分解活性を有し、シングレット構造のフォンビルブラント因子(vWF)をサテライト構造のvWFに変換し、セリンプロテアーゼ阻害剤 ジイソプロピルフルオロホスフェ−ト(DFP)またはカルペインプロテアーゼ阻害剤 Z-Leu-Leu-Tyr-CHN2の存在下で活性である精製されたマルチメラ−ゼから得られるマルチメラーゼ活性を含む調製物であって、該精製されたマルチメラーゼがさらに血漿と比較して少なくとも1,000倍に濃縮された形態として存在する調製物。
- 間接的または直接的なタンパク質加水分解活性を有し、シングレット構造のフォンビルブラント因子(vWF)をサテライト構造のvWFに変換し、セリンプロテアーゼ阻害剤 ジイソプロピルフルオロホスフェ−ト(DFP)またはカルペインプロテアーゼ阻害剤 Z-Leu-Leu-Tyr-CHN2の存在下で活性であるマルチメラ−ゼを含有し、ウイルスの不活化または除去に関して処理されている医薬組成物。
- 該マルチメラーゼが、pH7〜10の範囲で最適なタンパク質加水分解活性を有する、請求項20記載の医薬組成物。
- 該マルチメラーゼが、200kD以上の分子量に対応する血漿画分または血清画分のゲルろ過の後に得られた画分において得られる、請求項20記載の医薬組成物。
- 該分子量が約300kDである、請求項22記載の医薬組成物。
- 該マルチメラーゼが血漿と比較して少なくとも1,000倍に濃縮さている、請求項20記載の医薬組成物。
- 該マルチメラーゼが血漿と比較して少なくとも10,000倍に濃縮さている、請求項20記載の医薬組成物。
- 該マルチメラーゼが、セリンプロテアーゼ阻害剤の存在下で少なくとも10U/mgタンパクの比活性を有する、請求項20記載の医薬組成物。
- 該マルチメラーゼが、アルカリ土類金属イオンの存在下で活性である、請求項20記載の医薬組成物。
- 該マルチメラーゼが、せん断力、減少したイオン強度またはカオトロピック試薬により増加可能である活性を有する、請求項20記載の医薬組成物。
- 該マルチメラーゼが修飾されたvWFと比較して増加した活性を有する、請求項20記載の医薬組成物。
- 該修飾されたvWFが部分的に変性したvWFである、請求項29記載の医薬組成物。
- 該修飾されたvWFがコンフォメーションの変化を有するvWFである、請求項29記載の医薬組成物。
- ウイルスを不活化するための該マルチメラーゼの該処理が、少なくとも界面活性剤による処理、加熱処理、またはそれらの組み合わせである、請求項20記載の医薬組成物。
- ウイルスの除去のための該処理がナノろ過である、請求項20記載の医薬組成物。
- 患者における血栓症および血栓塞栓障害を処置および防止する方法であって、間接的または直接的なタンパク質加水分解活性を有し、シングレット構造のフォンビルブラント因子(vWF)をサテライト構造のvWFに変換し、セリンプロテアーゼ阻害剤 ジイソプロピルフルオロホスフェ−ト(DFP)またはカルペインプロテアーゼ阻害剤 Z-Leu-Leu-Tyr-CHN2の存在下で活性であり、ウイルスの不活化または除去に関して処理されているマルチメラーゼの有効量を、該患者に投与することを含んでなる方法。
- 患者における正常値を超えるvWF量または高分子量vWFのレベルの増加を処置および防止する方法であって、間接的または直接的なタンパク質加水分解活性を有し、シングレット構造のフォンビルブラント因子(vWF)をサテライト構造のvWFに変換し、セリンプロテアーゼ阻害剤 ジイソプロピルフルオロホスフェ−ト(DFP)またはカルペインプロテアーゼ阻害剤 Z-Leu-Leu-Tyr-CHN2の存在下で活性であり、ウイルスの不活化または除去に関して処理されているマルチメラーゼの有効量を、該患者に投与することを含んでなる方法。
- 患者における正常値を超えるvWF抗原または正常値を超えるvWF活性を処置および防止する方法であって、間接的または直接的なタンパク質加水分解活性を有し、シングレット構造のフォンビルブラント因子(vWF)をサテライト構造のvWFに変換し、セリンプロテアーゼ阻害剤 ジイソプロピルフルオロホスフェ−ト(DFP)またはカルペインプロテアーゼ阻害剤 Z-Leu-Leu-Tyr-CHN2の存在下で活性であり、ウイルスの不活化または除去に関して処理されているマルチメラーゼの有効量を、該患者に投与することを含んでなる方法。
- 一次止血活性ならびに内皮下層、血小板、血小板接着タンパク質GPIbおよびGPIIb/IIIa、コラーゲン、第VIII因子およびヘパリンに対する結合活性を処置および防止するための、請求項36記載の方法。
- 患者における血栓性血小板減少性紫斑病、ヘノッホ・シェーンライン紫斑病、子かん前症、新生児血小板減少症または溶血性尿毒症性症候群を処置および防止する方法であって、間接的または直接的なタンパク質加水分解活性を有し、シングレット構造のフォンビルブラント因子(vWF)をサテライト構造のvWFに変換し、セリンプロテアーゼ阻害剤 ジイソプロピルフルオロホスフェ−ト(DFP)またはカルペインプロテアーゼ阻害剤 Z-Leu-Leu-Tyr-CHN2の存在下で活性であり、ウイルスの不活化および除去に関して処理されているマルチメラーゼの有効量を、該患者に投与することを含んでなる方法。
- 医薬調製物を製造する方法であって、
間接的または直接的なタンパク質加水分解活性を有し、シングレット構造のフォンビルブラント因子(vWF)をサテライト構造のvWFに変換し、セリンプロテアーゼ阻害剤 ジイソプロピルフルオロホスフェ−ト(DFP)またはカルペインプロテアーゼ阻害剤 Z-Leu-Leu-Tyr-CHN2の存在下で活性であるマルチメラーゼを含有する出発物質を得、
該マルチメラーゼを含有する出発物質をクロマトグラフィ−法により精製し、
次いで、該クロマトグラフィ−法により精製されたマルチメラーゼを含有する物質を既知の方法により医薬調製物にする
ことを含んでなる方法。 - 該マルチメラーゼを含有する出発物質が適切な発現系により産生される、請求項39記載の方法。
- 間接的または直接的なタンパク質加水分解活性を有し、シングレット構造のフォンビルブラント因子(vWF)をサテライト構造のvWFに変換し、セリンプロテアーゼ阻害剤 ジイソプロピルフルオロホスフェ−ト(DFP)またはカルペインプロテアーゼ阻害剤 Z-Leu-Leu-Tyr-CHN2の存在下で活性であるマルチメラーゼのタンパク質加水分解活性を測定する方法であって、
該マルチメラーゼを含有する画分をシングレット構造を有するvWFとインキュベーションし、
該vWFの反応速度を測定する
ことを含んでなる方法。 - 間接的または直接的なタンパク質加水分解活性を有し、シングレット構造のフォンビルブラント因子(vWF)をサテライト構造のvWFに変換し、セリンプロテアーゼ阻害剤 ジイソプロピルフルオロホスフェ−ト(DFP)またはカルペインプロテアーゼ阻害剤 Z-Leu-Leu-Tyr-CHN2の存在下で活性であるマルチメラーゼのタンパク質加水分解活性を測定する方法であって、
該マルチメラーゼを含有する画分を生物学的に活性なvWFとセリンプロテアーゼ阻害剤の存在下でインキュベーションし、
該vWFの不活化の程度を測定する
ことを含んでなる方法。 - 間接的または直接的なタンパク質加水分解活性を有し、シングレット構造のフォンビルブラント因子(vWF)をサテライト構造のvWFに変換し、セリンプロテアーゼ阻害剤 ジイソプロピルフルオロホスフェ−ト(DFP)またはカルペインプロテアーゼ阻害剤 Z-Leu-Leu-Tyr-CHN2の存在下で活性であるマルチメラーゼのタンパク質加水分解活性を測定する方法であって、
該マルチメラーゼを含有する画分を、ペプチド結合842Tyr−843Metを含むvWF配列に相同であり、発色性の基を含む発色基質とインキュベーションし、
タンパク質加水分解活性による該基質の開裂により発色団を形成し、
その発色を測定する
ことを含んでなる方法。 - 間接的または直接的なタンパク質加水分解活性を有し、シングレット構造のフォンビルブラント因子(vWF)をサテライト構造のvWFに変換し、セリンプロテアーゼ阻害剤 ジイソプロピルフルオロホスフェ−ト(DFP)またはカルペインプロテアーゼ阻害剤 Z-Leu-Leu-Tyr-CHN2の存在下で活性であるマルチメラーゼに対する抗体を製造する方法であって、免疫原として精製された該マルチメラーゼを使用することを含んでなる方法。
- 間接的または直接的なタンパク質加水分解活性を有し、シングレット構造のフォンビルブラント因子(vWF)をサテライト構造のvWFに変換し、セリンプロテアーゼ阻害剤 ジイソプロピルフルオロホスフェ−ト(DFP)またはカルペインプロテアーゼ阻害剤 Z-Leu-Leu-Tyr-CHN2の存在下で活性であるマルチメラーゼに対する抗体を含有する抗体調製物。
- さらに固相を含み、該抗体が該固相に固定化されている、請求項45記載の抗体調製物。
- 間接的または直接的なタンパク質加水分解活性を有し、シングレット構造のフォンビルブラント因子(vWF)をサテライト構造のvWFに変換し、セリンプロテアーゼ阻害剤 ジイソプロピルフルオロホスフェ−ト(DFP)またはカルペインプロテアーゼ阻害剤 Z-Leu-Leu-Tyr-CHN2の存在下で活性であるマルチメラーゼを検出または精製する方法であって、該マルチメラーゼを結合することができる抗体に該マルチメラーゼを結合させた後、該マルチメラーゼを該抗体から分離することを含んでなる方法。
- SDS−アガロース電気泳動により測定された不変のマルチマーパターンを有するvWFを含有する、保存に安定な医薬調製物。
- さらに第VIII因子、第VIII因子誘導体または第VIII因子突然変異体を含有する、請求項48記載の調製物。
- 該vWFが、天然vWF、rvWF、vWF誘導体、vWFフラグメントまたはvWF突然変異体であって、vWFがTyr842―Met843ペプチド配列を含んでいる、請求項48記載の調製物。
- 減少したマルチメラーゼ活性を含む、請求項48記載の医薬調製物。
- 該マルチメラーゼ活性が検出限界未満の程度まで減少している、請求項51記載の調製物。
- 該マルチメラーゼ活性が、該マルチメラーゼの阻害によって減少している、請求項51記載の調製物。
- 該マルチメラーゼ活性が、該マルチメラーゼの減少によって減少している、請求項51記載の調製物。
- 液体状態で保存に安定な、請求項48記載の調製物。
- 液体急速冷凍状態で保存に安定な、請求項48記載の調製物。
- 凍結乾燥状態で保存に安定な、請求項48記載の調製物。
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