JP2014517294A - 循環adamts13抗体複合体の検出 - Google Patents
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Abstract
本発明は、サンプル中のADAMTS13免疫複合体を検出するための方法および手段に関する。該方法は、抗ADAMTS13抗体の免疫複合体を捕捉しかつ標識する工程を含む。捕捉および標識は、該免疫複合体を標的とする2つの異なる結合ユニットにより達成しうる。本発明はさらに、TTP(血栓性血小板減少性紫斑病)のような免疫学的ADAMTS13機能障害に関連する疾患を診断することに関する。
【選択図】 図1
【選択図】 図1
Description
関連出願の相互参照
本出願は米国仮出願第61/488,105号(2011年5月19日出願)の利益を主張するものであり、かかる文献はあらゆる目的に対して参照により本明細書中に組み込まれるものとする。
本出願は米国仮出願第61/488,105号(2011年5月19日出願)の利益を主張するものであり、かかる文献はあらゆる目的に対して参照により本明細書中に組み込まれるものとする。
発明の分野
本発明は、循環免疫複合体(CIC)内でADAMTS13と結合している抗フォンウィルブランド因子切断プロテアーゼ(抗ADAMTS13)抗体の測定のための方法およびキット、ならびにその臨床用途に関する。
本発明は、循環免疫複合体(CIC)内でADAMTS13と結合している抗フォンウィルブランド因子切断プロテアーゼ(抗ADAMTS13)抗体の測定のための方法およびキット、ならびにその臨床用途に関する。
発明の背景
フォンウィルブランド因子切断プロテアーゼ(トロンボスポンジン1型モチーフを有するディスインテグリンおよびメタロプロテイナーゼ、メンバー13、「ADAMTS13」)は以前に、例えばWO 1997/041206およびWO 02/42441において単離され、精製されかつ特徴付けられている。ADAMTS13は血流中の巨大なVWFマルチマーを分解し、該マルチマーの血小板凝集能を低下させる。
フォンウィルブランド因子切断プロテアーゼ(トロンボスポンジン1型モチーフを有するディスインテグリンおよびメタロプロテイナーゼ、メンバー13、「ADAMTS13」)は以前に、例えばWO 1997/041206およびWO 02/42441において単離され、精製されかつ特徴付けられている。ADAMTS13は血流中の巨大なVWFマルチマーを分解し、該マルチマーの血小板凝集能を低下させる。
ADAMTS13機能障害は血中への大量のフォンウィルブランド因子高分子量マルチマーの蓄積を招く可能性があり、これが今度は微小血栓性事象をもたらして血管を損傷する可能性がある。ADAMTS13の欠損は、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)のうちUpshaw-Schulman症候群およびその遺伝形式と関係がある。さらに、ADAMTS13機能障害は、ADAMTS13を標的とする異常な免疫応答によって引き起こされる可能性がある。ADAMTS13の免疫抑制物質の形成を特徴とする免疫学的原因を持つ疾患の一例は、後天性TTPである。後天性TTPでは、フォンウィルブランド因子切断プロテアーゼに対するIgMおよびIgG抗体は非中和性でありうる(Scheiflinger 2003;Levy 2005)。持続性免疫複合体もまた血漿中に蓄積する場合があり、さらには血管を損傷する有害な補体活性化反応を引き起こす場合がある。ADAMTS13-中和自己抗体は後天性TTPの主な原因である。種々のエフェクター機能を有する抗ADAMTS13抗体のIgGサブタイプが研究されている(Ferrari, 2009)。
後天性TTP(aTTP)は、血小板の減少、LDHの上昇、赤血球数の減少(赤血球の早期破壊により引き起こされる)、破砕赤血球(分裂赤血球)および神経学的異常を特徴とする寛解型の疾患である(Sadler, 2008)。血中の赤血球数および血小板数の急激な減少は、発熱および出血に加えて、腎臓および脳に影響を及ぼす深刻な問題と関連している。紫斑とは皮膚の下、または粘膜で起こる特徴的な出血を指し、これが挫傷、または赤い発疹のような外観を生む。この疾患に関連する神経症状としては、頭痛、混乱、言語変化、および意識の変容が挙げられ、嗜眠から昏睡まで様々である;他の症状としては、腎臓異常の発現が挙げられる。治療せずにいると、急性TTPは数日で死をもたらす可能性がある(症状を呈した患者の約90%が現行の治療計画以前に死亡した)ため、この疾患の原因およびタイプの迅速な検出は非常に重要である。現行の治療は、血漿交換またはプラスマフェレーシスを利用するかまたはこれを利用しない、新鮮凍結血漿の輸注からなる。加えて、組換えADAMTS13による治療が検討されている。ADAMTS13免疫複合体の負荷量は疾患の進行中に変動しうる。aTTPに対する有効な治療を最適化する(tailor)ためには、ADAMTS13およびCICに対する免疫反応を同定し、認定し、さらに定量化する必要がある。しかし、ADAMTS13アッセイを十分迅速に実施できる研究施設は極めて少ないので、臨床医はこの情報を持たずに診断しかつ治療を開始しなくてはならない(Sadler, 2008)。
血清サンプル中の免疫複合体を検出するために、細胞ベースのアッセイが開発された(Theofilopoulos, 1976)。しかし、かかるアッセイは時間が掛かる煩雑なものであり、また再現性が低いという問題を抱えている。
血漿中のADAMTS13活性または総ADAMTS13濃度の存在を確認するためのより簡便なアッセイが存在する(Rieger, 2006)。他のアッセイは血漿サンプル中の抗ADAMTS13抗体を検出することを目的としている(Rieger, 2005;WO 2004/095027)。しかし、これらのアッセイは、後天性TTPのようなADAMTS13機能障害に関連する特定疾患の診断における限定的利用という問題を抱えている(Rieger, 2006)。
本発明の目的は、生物学的サンプル中のADAMTS13に対する抗体のCICの検出および測定のためのアッセイの感度および精度を改善すること、ならびに、これらの改善したアッセイの患者管理における利用である。
本発明は、ADAMTS13との複合体中の抗ADAMTS13抗体の量を検出または測定するための方法を提供する。この方法は、遊離抗ADAMTS13抗体の測定および/または遊離ADAMTS13もしくはADAMTS13活性の測定と組み合わせることができる。標的抗ADAMTS13抗体はADAMTS13により結合されるか、または既にADAMTS13と複合体化している場合は、ADAMTS13結合ユニットにより結合される。この工程により、サンプルバックグラウンドからのADAMTS13特異性を有する抗体の特異的選択が可能となる。該抗体はさらに、抗体および/またはその特定のサブクラスを認識する、抗体結合ユニットと称される部分により結合される。ADAMTS13免疫複合体は、ADAMTS13および抗ADAMTS13抗体を含む。本発明の方法は二成分結合メカニズムに基づくものであり、該複合体のADAMTS13部分はADAMTS13結合ユニットにより結合され、かつ該複合体の抗ADAMTS13抗体部分は抗体結合ユニットにより結合される。両方の結合反応により、ADAMTS13免疫複合体の特異的検出が保証される。
ある特定の態様では、本発明は、サンプル中の抗ADAMTS13抗体-ADAMTS13免疫複合体を検出するための方法であって、該サンプルをADAMTS13結合ユニットと接触させること、該サンプルを抗体結合ユニットと接触させること、ならびに該ADAMTS13結合ユニットおよび該抗体結合ユニットにより結合された抗ADAMTS13抗体-ADAMTS13免疫複合体を検出することを含む上記方法を提供する。
さらなる態様では、本発明は、a)サンプル中の抗ADAMTS13抗体-ADAMTS13免疫複合体を検出するための方法であって、該サンプルをADAMTS13結合ユニットと接触させること、該サンプルを抗体結合ユニットと接触させること、ならびに該ADAMTS13結合ユニットおよび該抗体結合ユニットにより結合された抗ADAMTS13抗体-ADAMTS13免疫複合体を検出することを含む上記方法と;b)サンプル中の抗ADAMTS13抗体を検出するための方法であって、該抗ADAMTS13抗体をADAMTS13またはその断片に結合させること、およびADAMTS13または該断片に結合した該抗ADAMTS13抗体を該抗ADAMTS13抗体に特異的な抗体結合ユニットを用いて検出することを含む上記方法との組み合わせ方法に関し;該組み合わせ方法においては、非複合体化および複合体化抗ADAMTS13抗体の相対量およびタイプを測定してもよい。工程a)および/またはb)における該抗体結合ユニットは、抗体クラスまたは抗体サブタイプに特異的でありうる。
別の態様では、本発明は、a)サンプル中の抗ADAMTS13抗体-ADAMTS13免疫複合体を検出する方法と、b)該サンプル中の遊離ADAMTS13を検出するかまたはADAMTS13活性を測定する方法との組み合わせを提供し、該組み合わせにおいては、非複合体化および複合体化ADAMTS13の相対量またはADAMTS13活性とADAMTS13免疫複合体の関係を測定してもよい。
別の態様では、本発明は、ADAMTS13結合ユニットおよび少なくとも1つの抗体結合ユニットを含むキットに関する。
生物学的サンプルにおける複合体化および/または遊離抗ADAMTS13抗体の存在は病的状態を示している可能性があることから、本発明は、患者においてADAMTS13機能障害(例えば、TTP)に関連する疾患を診断する方法であって、該患者からサンプルを取得すること、ならびに該サンプル中のADAMTS13免疫複合体および遊離抗ADAMTS13抗体またはADAMTS13免疫複合体のみを検出することを含む上記方法にも関する。本発明のさらなる態様は、ADAMTS13含有医薬(例えば、新鮮凍結血漿または組換えADAMTS13組成物)を用いて患者の治療を調整するための、該患者におけるADAMTS13免疫複合体および遊離抗ADAMTS13抗体、遊離ADAMTS13ならびに/またはADAMTS13免疫複合体のモニタリングである。
発明の詳細な説明
本発明は、ADAMTS13との免疫複合体中の、ADAMTS13(フォンウィルブランド因子(vWF)切断プロテアーゼ)に対する特異性を有する抗体を検出する方法を提供する。さらに、複合体化ADAMTS13を含まないサンプル中の遊離抗ADAMTS13抗体の検出も意図される。遊離抗ADAMTS13抗体の検出は、特にサンプル中の遊離および複合体化抗ADAMTS13抗体の比を測定するために、ADAMTS13免疫複合体の検出と組み合わせることが可能であり、このことは診断上重要である。さらなる実施形態では、サンプル中の遊離ADAMTS13の検出またはADAMTS13活性の測定が意図される。遊離ADAMTS13の検出および/またはADAMTS13活性の測定は、特にサンプル中の遊離および複合体化ADAMTS13の比またはADAMTS13活性と複合体化ADAMTS13との関係を測定するために、ADAMTS13免疫複合体の検出と組み合わせることができる。
本発明は、ADAMTS13との免疫複合体中の、ADAMTS13(フォンウィルブランド因子(vWF)切断プロテアーゼ)に対する特異性を有する抗体を検出する方法を提供する。さらに、複合体化ADAMTS13を含まないサンプル中の遊離抗ADAMTS13抗体の検出も意図される。遊離抗ADAMTS13抗体の検出は、特にサンプル中の遊離および複合体化抗ADAMTS13抗体の比を測定するために、ADAMTS13免疫複合体の検出と組み合わせることが可能であり、このことは診断上重要である。さらなる実施形態では、サンプル中の遊離ADAMTS13の検出またはADAMTS13活性の測定が意図される。遊離ADAMTS13の検出および/またはADAMTS13活性の測定は、特にサンプル中の遊離および複合体化ADAMTS13の比またはADAMTS13活性と複合体化ADAMTS13との関係を測定するために、ADAMTS13免疫複合体の検出と組み合わせることができる。
VWF切断プロテアーゼ(VWF-cp, EC 3.4.24.87)はWO 1997/041206、WO 2002/042441およびWO 2004/095027-これらの文献は全て、それらの全内容が参照により本明細書中に組み込まれるものとする-に開示されている。WO 02/42441に開示されているVWF切断プロテアーゼADAMTS13またはその断片の配列を特に参照されたい。本発明の目的上、血漿由来もしくは組換えADAMTS13、またはその断片は、商業的に購入するか、またはこれらの参考文献に開示されている通りに取得することができる。ADAMTS13配列はさらに、UniProtデータベースエントリQ76LX8およびNCBI GenBankデータベースエントリAAL11095.1に開示されている。「ADAMTS13」は、本明細書中で使用する場合、VWF-cpおよび上述の配列のポリペプチドならびに野生型ADAMTS13と免疫学的に区別できないそのアイソフォーム、多型、断片、変異体および他の変異形態を指す。特に、ADAMTS13のアイソフォーム、多型、断片、変異体およびADAMTS13の他の変異形態は、抗ADAMTS13抗体またはADAMTS13結合ユニットにより認識されるADAMTS13のエピトープを含む。
用語「エピトープ」により、特異的抗体により認識されうるかまたはそれらの特異的抗体の形成を誘発する分子の任意の領域が定義される。エピトープは立体構造エピトープ(高分子もしくは複合分子の不連続の部分からなる)であっても、または直線状エピトープであってもよい。
ADAMTS13結合ユニットまたは抗体結合ユニットは、好適な実施形態では所与の標的(ADAMTS13または抗体)に対する結合ドメインを含むポリペプチドである。
用語「結合ドメイン」は、本発明との関係上、所与の標的構造/エピトープと特異的に結合/相互作用する結合ユニットのドメインを特徴付けるものである。従って、該結合ドメインは「標的相互作用部位」である。該用語「標的相互作用部位」により、本発明においては、特定の標的または複数の標的の特定グループと特異的に相互作用することが可能なモチーフが定義される。前記の結合/相互作用により、「特異的認識」もまた定義されるものと理解されたい。用語「特異的に認識する」は、本発明においては、前記結合ユニットが標的の少なくとも2個、3個、4個、5個、6個もしくはそれ以上のアミノ酸と特異的に相互作用および/または結合できるということを意味している。かかる結合は、「鍵と鍵穴の原理」の特異性により例説されうる。従って、前記結合ドメインと前記標的のアミノ酸配列中の特定のモチーフは、それらの一次、二次または三次構造の結果として、ならびに該構造の二次修飾の結果として、互いに結合する。前記標的相互作用部位とその特異的標的との特異的相互作用が該部位の該標的への単純な結合を生じる場合もある。
本発明に則した結合ユニットの好適な具体例は、抗体、例えば抗免疫グロブリン抗体もしくは抗ADAMTS13抗体、または受容体、例えば免疫グロブリン受容体もしくはADAMTS13受容体である。該結合ユニットは、モノクローナルもしくはポリクローナル抗体であってもよいし、またはモノクローナルもしくはポリクローナル抗体に由来するものであってもよい。用語「抗体」には、結合特異性を依然として保持しているその誘導体または機能的フラグメントが含まれる。該用語「抗体」の定義には、具体的表現、例えば、キメラ抗体、一本鎖抗体およびヒト化抗体、ならびに抗体フラグメント、例えば、特に、Fabフラグメントもまた含まれる。抗体のフラグメントまたは誘導体にはさらに、F(ab')2、Fv、scFvフラグメント、または他のV領域もしくはドメインとは無関係に標的もしくはエピトープに特異的に結合する、VHもしくはVLでありうるただ1つの可変ドメインを含む単一ドメイン抗体、単一可変ドメイン抗体もしくは免疫グロブリン単一可変ドメインが含まれる。かかる免疫グロブリン単一可変ドメインは、単離された抗体単一可変ドメインポリペプチドだけでなく、抗体単一可変ドメインポリペプチド配列の1つ以上のモノマーを含むより大きなポリペプチドもまた包含する。
好適な実施形態では、前記結合ユニットは標的(特にADAMTS13またはその抗体)に対する高い結合親和性を有する。高い結合親和性により、特異的結合とあらゆる形態の非特異的結合が区別される。特に、高い結合親和性は、高い平衡解離定数(KD)(特に22℃で、10e-3 M未満、10e-4 M未満、10e-5 M未満、10e-6 M未満、10e-7 M未満、10e-8 M未満、さらには10e-9 M未満)を特徴とする。
本発明は、サンプル中の抗ADAMTS13抗体-ADAMTS13免疫複合体(本明細書中ではADAMTS13免疫複合体とも称する)を検出または測定する方法であって、該サンプルをADAMTS13結合ユニットと接触させること、該サンプルを抗体結合ユニットと接触させること、ならびに該ADAMTS13結合ユニットおよび該抗体結合ユニットにより結合された抗ADAMTS13抗体-ADAMTS13免疫複合体を検出することを含む上記方法を提供する。「測定する」には、定量化することが含まれていてもよい。
また本発明では、サンプル中の抗ADAMTS13抗体を検出または測定する方法であって、好ましくは該抗ADAMTS13抗体をADAMTS13またはその断片に結合させること、およびADAMTS13または該断片に結合させた該抗ADAMTS13抗体を該抗ADAMTS13抗体に特異的な抗体結合ユニットを用いて検出することを含む上記方法についても説明する。この方法は、特にサンプル中の遊離および複合体化抗ADAMTS13抗体の比を測定するために、ADAMTS13免疫複合体を検出または測定する方法と組み合わせることができる。従って、本発明はさらに、ADAMTS13もしくはその断片に対する抗ADAMTS13抗体を単独で、または抗ADAMTS13抗体-ADAMTS13免疫複合体と共に検出または測定し、かつADAMTS13または該断片に結合させた該抗ADAMTS13抗体を該抗ADAMTS13抗体に特異的な抗体結合ユニットを用いて検出するための方法を提供する。
同様に、サンプル中のADAMTS13を検出または測定する方法も意図される。かかる方法は、該サンプルのADAMTS13をADAMTS13結合ユニットに結合させる工程、および結合させた該ADAMTS13を検出する工程を含んでいてもよい。この検出する工程のために、標識されている第2 ADAMTS13結合ユニットを使用することが可能である。この方法は、ADAMTS13免疫複合体と遊離ADAMTS13との比を測定するために、ADAMTS13免疫複合体を検出または測定する本発明の方法と組み合わせることができる。
同様に、サンプル中のADAMTS13活性を検出する方法も意図される。かかる方法は、該サンプル中のADAMTS13をADAMTS13基質と接触させる工程、および、VWFまたはより小さなペプチド基質の切断産物を、例えば該基質上の消光物質からの切断時の蛍光標識検出により検出する工程を含んでいてもよい。接触は、ADAMTS13がその基質を切断する活性を示す条件下で実施することができる。かかる条件、例えば生理学的条件は、当業者が選択することができる。ADAMTS13は、VWFのTyr1605とMet1606の間のペプチド結合(Plaimauerら、2002)または成熟vWFのA2ドメイン内のTyr842とMet843の間のペプチド結合(WO 97/041206)を切断する。ADAMTS13の適切な基質は、VWF、またはADAMTS13が切断可能なペプチド結合を含むVWFの断片を含むポリペプチド、例えばVWFのAsp1596〜Arg1668を含むポリペプチド(Wu, 2005)である。該基質は、例えば当分野で公知の基質またはその切断産物の固定化および/または標識化を容易にするために、修飾されていてもよい。この方法は、ADAMTS13免疫複合体とADAMTS13活性との比を測定するために、ADAMTS13免疫複合体を検出または測定する本発明の方法と組み合わせることができる。
本発明の方法は、ADAMTS13複合体、遊離抗ADAMTS13抗体および/または遊離ADAMTS13(もしくはADAMTS13活性)を、これらの分析物を潜在的に含むサンプルにおいて検出または測定するためのものである。「遊離」抗ADAMTS13抗体とは、本明細書中では、その抗原リガンドであるADAMTS13と結合していないかまたは複合体化していない抗ADAMTS13抗体を指すものとする。同様に、「遊離」ADAMTS13は抗ADAMTS13抗体により複合体化されていないADAMTS13を指すと理解されるものとする。
本発明の方法の好ましい実施形態では、前記抗体結合ユニットは抗体サブタイプまたは抗体クラスに特異的である。「抗体サブタイプ」とは、前記抗体結合ユニットが特定サブタイプの抗体への結合に対して示差的選択性を有し、他のサブタイプの抗体への結合(サブタイプ交差反応性)は殆どまたは全く生じないことを意味する。同様に、「抗体クラス特異的」とは、前記抗体結合ユニットが特定クラスの抗体への結合に対して示差的選択性を有し、他のクラスの抗体への結合(クラス交差反応性)は殆どまたは全く生じないことを意味する。特定の好適な実施形態では、選択的クラスの結合親和性を非選択的クラスの結合親和性と比較した場合に、それぞれ、25%未満、20%未満、15%未満、13%未満、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満、0.1%未満、0.01%未満または0.001%未満のサブタイプまたはクラス交差反応性を有する抗体結合ユニットを使用する。
具体的な抗体クラスは、IgG、IgM、IgA、IgD、IgEから選択される。抗体クラスはIgG1、IgG2、IgG3、IgG4(ヒトサブタイプ)のようなサブタイプにさらに分類されていてもよい。特に好適な実施形態では、本発明に従って使用する抗体のサブタイプ特異性はIgG1、IgG3、またはIgG4に対するものであるが、特殊な実施形態ではIgG2にも当てはまり;それぞれの他のサブタイプに対しては上述の低い交差反応性を有する。サブタイプ特異的抗体は、通常はクラス特異的抗体でもある。一方、クラス特異的抗体はサブタイプ特異的であってもよいし、またはそうでなくてもよい。好適な実施形態では、該クラス特異的抗体はIgGまたはIgMに特異的な抗体から選択され、さらなる実施形態ではIgA、IgD、IgEに特異的な抗体からも選択され;それぞれの他のクラスに対しては上述の低い交差反応性を有する。
前記抗体結合ユニットは、標的抗体のある特定のドメイン、例えば該標的抗体のFc部分に特異的であってもよい。通常このドメインは、抗体のガンマ鎖またはミュー鎖のような、抗体クラスまたはサブタイプに特有のものである。
ADAMTS13結合ユニットはポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体でありうる。いずれの場合も、ただし特にポリクローナル抗体に関しては、免疫精製またはアフィニティー精製した抗体を使用することが好ましい。免疫精製またはアフィニティー精製は、ADAMTS13結合ユニット、または一般的には任意の結合ユニットを、その標的(例えばADAMTS13)と接触させること、および該標的に結合したADAMTS13結合ユニットを選択することにより達成することができる。免疫精製またはアフィニティー精製は、好ましくは、結合ユニットの(例えば、カラム上のビーズのような固相上への)選択的固定化により、および結合した結合ユニットを(例えば、洗浄後の該カラムからの溶出によって)単離することにより、実施する。該結合ユニットは、標的を先ず固定化し、その後この固定化した標的上に該結合ユニットを結合させることより、選択的に固定化することができる。免疫精製またはアフィニティー精製により、他の全ての標的に対してより低い特異性を有する結合ユニットを得て、交差反応性を低下させてもよい。実施例において示した通り、非アフィニティー精製ポリクローナル抗体の使用は、抗ADAMTS13抗体-ADAMTS13複合体検出に使用した際、アフィニティー精製した物質よりも低い特異性および感度のアッセイをもたらす場合がある。ポリクローナル抗体は、通常は抗体の混合物として入手可能である。かかるポリクローナル抗体の混合物は、所与の標的(例えばADAMTS13)に特異的な抗体を10%以下、またはそれよりは少し多くしか含有していない場合がある。好適な実施形態では、ADAMTS13結合ユニットは、特に抗体の場合、精製された形態で提供され、この際該結合ユニットまたは抗体(特にポリクローナル抗体)の少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、さらには100%がADAMTS13に結合するか、またはADAMTS13特異的である。
本発明の方法は二成分結合メカニズムに基づいており、標的の抗ADAMTS13抗体は、1)ADAMTS13により結合されるか、または既にADAMTS13に結合している場合はADAMTS13結合ユニットに結合され、かつ2)抗体結合ユニットに結合される。工程1)および2)は任意の順序で、最初が1)でその後に2)を、または最初が2)でその後に1)を、または同時に実施することができる。好適な実施形態では、工程1)の作用物質、すなわちADAMTS13またはADAMTS13結合ユニットを固相上に固定化してもよいし、または工程2)の作用物質である抗体結合ユニットを固相上に固定化してもよい。サンプルを固定化作用物質と接触させると、該サンプルの抗ADAMTS13抗体または免疫複合体の固定化が起こる。固定化された抗ADAMTS13抗体または免疫複合体は、洗浄工程において容易に操作しかつ精製することができる。
用語「固相」は、何ら特定の制限を含むものではなく、また例えば、有機高分子(例えば、ポリアミドまたはビニルポリマー(例えば、ポリ(メタ)アクリラート、ポリスチレンおよびポリビニルアルコール、もしくはその誘導体))、天然高分子(例えば、セルロース、デキストラン、アガロース、キチンおよびポリアミノ酸)あるいは無機高分子(例えば、ガラスまたはメタロヒドロキシド)でありうる不溶性高分子材料に関する。該固相はマイクロキャリア、粒子、膜、ストリップ、紙、フィルム、パールまたはプレート(例えばマイクロタイタープレート)の形態でありうる。固定化される作用物質は、共有結合カップリングにより直接的に、または該固相上に固定化されたリンカー分子もしくは抗体などの担体を介して、該固相上に固定化されうる。
さらなる実施形態では、前記の工程1)の作用物質、すなわちADAMTS13またはADAMTS13結合ユニットを標識してもよいし、または前記の工程2)の作用物質である抗体結合ユニットを標識してもよい。サンプルを標識化作用物質と接触させることにより、該サンプル中に最初から存在する抗ADAMTS13抗体に依存するシグナルの生成が可能となる。工程1)と2)の組み合わせ(一方の作用物質が固定化されかつ他方が標識されている)は、固定化物質により生み出されるシグナルが抗ADAMTS13抗体の存在のみに依存することを意味している。特に好適な実施形態では、抗体結合ユニットは標識されており、かつADAMTS13結合ユニットまたはADAMTS13は固定化されている。該標識は発蛍光標識、発色標識、放射性標識または酵素標識でありうる。
ADAMTS13/ADAMTS13結合ユニットと抗ADAMTS13抗体/免疫複合体および抗体結合ユニットとの複合体は、当分野で周知の方法により、例えば標識の検出により検出することができる。その検出方法は、酵素アッセイ、発色アッセイ、発光アッセイ、発蛍光アッセイ、および放射免疫アッセイからなる群より選択することができる。抗体/抗原-/複合体形成の検出を実施するための反応条件は、選択する検出方法によって異なる。使用する各検出系のために最適なパラメータ、例えば緩衝系、温度およびpHを選択することは、当業者の知識の範囲内である。
二成分結合メカニズムは、遊離ADAMTS13を検出する方法にも利用できる。ADAMTS13は、1)固体支持体上に固定化されうる第一ADAMTS13結合ユニット、および2)標識されていてもよい第二ADAMTS13結合ユニット、に結合されてもよい。
好適な実施形態では、前記サンプルを哺乳動物から、特にヒトから取得する。前記抗体結合ユニットは同一生物から得た抗体、例えばヒト抗体を認識するものでなくてはならない。ADAMTS13免疫複合体の検出もしくは測定、ならびに場合によっては、遊離抗ADAMTS13抗体の検出もしくは測定および/または遊離ADAMTS13の検出もしくは測定またはADAMTS13活性の検出もしくは測定は、サンプルの希釈剤による段階的希釈物、例えば1:1、1:2、2:3、1:4、1:5、:10、1:15、1:20、1:25、1:30、1:40、1:50、1:75、1:100、1:150、1:200、1:300、1:400、1:500、1:600、1:700、1:800、1:1000またはそれ以上(例えば、これらの希釈率の範囲内にあるあらゆる範囲)の段階的希釈物を含む希釈物において実施することができる。サンプルはあらゆる不活性希釈剤、例えば、水、緩衝液または分析物-(ADAMTS13免疫複合体、遊離抗ADAMTS13抗体、遊離ADAMTS13)-陰性血清サンプルを用いて希釈することができる。段階的希釈は、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍またはそれ以上の様々な希釈率を用いて実施することができる。
用語「サンプル」は、本明細書中で使用する場合、生体液、例えば、患者の血液、血漿または組織を含むものとする。該患者はヒト患者であってもよい。該サンプルは特に、抗ADAMTS13抗体の発生に関連する障害を有する疑いがある患者から取得してもよい。特に、該サンプルを、ADAMTS13の機能障害または欠損に関連する疾患(例えばTTP)を有するかまたは有する疑いがある患者から取得してもよい。さらなる実施形態では、該患者は、例えば血漿由来もしくは組換えADAMTS13の投与または血漿輸注もしくはプラスマフェレーシス治療による、ADAMTS13補充療法を受けていてもよい。
一切の抗ADAMTS13抗体を含まないことが知られているサンプル(例えば、正常ヒト血漿)を陰性対照として使用することができる。陰性対照は、対象のサンプルとの比較時に使用することができる。かかる比較は、対象のサンプル中の抗ADAMTS13抗体を定量化することを目的として、検出方法のシグナル値を調整するかまたは相互に関連付けることによってブランク値を測定するために用いることができる。特定の実施形態では、対象のサンプルと陰性対照とのシグナル比を使用する。
好適な実施形態では、サンプルの抗ADAMTS13抗体免疫複合体のADAMTS13結合ユニットへの結合反応、および/または抗ADAMTS13抗体もしくは該サンプルの該免疫複合体の抗ADAMTS13抗体を抗体結合ユニットに結合する工程の結合反応、および/または検出工程における結合反応は、少なくとも0.1 M、少なくとも0.2 M、少なくとも0.3 M、少なくとも0.4 M、少なくとも0.5 M、少なくとも0.6 M、少なくとも0.7 M、少なくとも0.8 M、少なくとも0.9 M、少なくとも1.0 Mまたはそれ以上のイオン強度の条件下で行う。溶液のイオン強度Iは、該溶液中に存在する全イオンの濃度の関数:
〔式中、ciはイオンiのモル濃度であり、ziは該イオンの電荷数であり、かつ和は溶液中の全イオンについてとったものである〕
である。好適な実施形態では、Iは該溶液中の塩イオンのみのイオン強度、特にLi+、Na+、K+、Mg++、Ca++、NH4+およびCl-、I-、PO4-3、SO4-2、CO3-2から選択されるイオンのイオン強度、特に一価または二価の塩イオンのイオン強度である。特に好適な実施形態では、NaClの塩濃度は少なくとも0.1 M、少なくとも0.2 M、少なくとも0.3 M、少なくとも0.4 M、少なくとも0.5 M、少なくとも0.6 M、少なくとも0.7 M、少なくとも0.8 M、少なくとも0.9 M、少なくとも1.0 Mまたはそれ以上である。かかる高塩条件の高イオン強度は、IgG4、IgG3、IgAまたはIgMサブタイプまたはクラス特異的抗体を抗体結合部として使用する際に特に好ましい。高イオン強度または高塩濃度は抗体結合部としてのIgG1特異的抗体にも許容される。あるいは、またはこれに加えて、上記反応の全てにおけるイオン強度または(NaCl)塩濃度は、0.1 M以下、0.2 M以下、0.3 M以下、0.4 M以下、0.5 M以下、0.6 M以下、0.7 M以下、0.8 M以下、0.9 M以下、1.0 M以下であってもよい。低イオン強度条件ではより高いシグナルが観察されうるが、抗ADAMTS13抗体陰性サンプルのブランク値もより高くなって有効性を低下させうることが見出された。にもかかわらず、状況によっては、例えばIgG1特異的抗体を抗体結合部として、または低シグナルサンプルにおいて使用する場合、低イオン強度または低塩条件は有益でありうる。かかる低イオン強度または低塩濃度は、抗体結合部としてのIgG4、IgG3、IgAまたはIgMサブタイプまたはクラス特異的抗体にも許容される場合がある。
である。好適な実施形態では、Iは該溶液中の塩イオンのみのイオン強度、特にLi+、Na+、K+、Mg++、Ca++、NH4+およびCl-、I-、PO4-3、SO4-2、CO3-2から選択されるイオンのイオン強度、特に一価または二価の塩イオンのイオン強度である。特に好適な実施形態では、NaClの塩濃度は少なくとも0.1 M、少なくとも0.2 M、少なくとも0.3 M、少なくとも0.4 M、少なくとも0.5 M、少なくとも0.6 M、少なくとも0.7 M、少なくとも0.8 M、少なくとも0.9 M、少なくとも1.0 Mまたはそれ以上である。かかる高塩条件の高イオン強度は、IgG4、IgG3、IgAまたはIgMサブタイプまたはクラス特異的抗体を抗体結合部として使用する際に特に好ましい。高イオン強度または高塩濃度は抗体結合部としてのIgG1特異的抗体にも許容される。あるいは、またはこれに加えて、上記反応の全てにおけるイオン強度または(NaCl)塩濃度は、0.1 M以下、0.2 M以下、0.3 M以下、0.4 M以下、0.5 M以下、0.6 M以下、0.7 M以下、0.8 M以下、0.9 M以下、1.0 M以下であってもよい。低イオン強度条件ではより高いシグナルが観察されうるが、抗ADAMTS13抗体陰性サンプルのブランク値もより高くなって有効性を低下させうることが見出された。にもかかわらず、状況によっては、例えばIgG1特異的抗体を抗体結合部として、または低シグナルサンプルにおいて使用する場合、低イオン強度または低塩条件は有益でありうる。かかる低イオン強度または低塩濃度は、抗体結合部としてのIgG4、IgG3、IgAまたはIgMサブタイプまたはクラス特異的抗体にも許容される場合がある。
さらなる態様では、本発明は、先に記載したADAMTS13結合ユニットおよび/もしくは抗体結合ユニット、ならびに/または高および/もしくは低イオン強度の緩衝液を含むキットを提供する。さらに、ADAMTS13またはその断片および少なくとも1つの抗体結合ユニットを含むキットが提供される。キットはADAMTS13またはその断片およびADAMTS13の基質の群のうちの1つ以上をさらに含んでいてもよい。抗体結合ユニットは先に記載したように抗体サブタイプ特異的であってもよい。本発明のキットは先に記載した方法に使用することができる。該キットのいずれの成分も、固相上、例えばマイクロタイタープレートのウェル上に固定化することができる。ADAMTS13結合ユニット/ADAMTS13または抗体結合ユニットは、異なる場所にある固相上に個別に(例えばマイクロタイタープレートの異なるウェルに)固定化することが可能であり、この際、典型的には1種の定義済みの作用物質(例えばADAMTS13/ADAMTS13結合ユニット)が1つの場所に含有される。
前記の抗体結合ユニットおよび/またはADAMTS13/ADAMTS13結合ユニットは標識することができる。該標識は、発蛍光標識、発色標識、放射性標識または酵素標識でありうる。キットは、様々なpH値およびイオン強度を有する添加剤、希釈剤、検出用試薬、洗浄液および/または緩衝液(PBS、PBS-T、Tris、酢酸もしくはリン酸緩衝液)、可溶化剤(例えば、TweenもしくはPolysorbate)、担体(例えば、ヒト血清アルブミンもしくはゼラチン)、保存剤(例えば、チメロサールもしくはベンジルアルコール)、ならびに抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸もしくはメタ重亜硫酸ナトリウム)、ならびに/または陰性対照血清サンプルをさらに含んでいてもよい。特定のキット組成の構成は、使用するサンプルを含む多数の要素に依存する。
別の態様では、本発明は、患者においてADAMTS13の機能障害または欠損に関連する疾患または該疾患の素因を診断する方法であって、患者からサンプルを取得すること、および本明細書中に記載した本発明の方法に従って該サンプル中の抗ADAMTS13抗体または免疫複合体を検出することを含む上記方法を提供する。該疾患はTTP、特に後天性TTPでありうる。「ADAMTS13機能障害」または「ADAMTS13欠損」は特に、患者におけるADAMTS13を標的とする抗体の存在およびADAMTS13免疫複合体の形成に起因するADAMTS13機能の喪失と関係がある。ADAMTS13を標的とするかかる抗体は、阻害抗体または非中和抗体でありうる。結果として、ADAMTS13の活性および/または濃度を患者において低下させることができる。ADAMTS13機能障害の直接的な結果は、ADAMTS13に関連するある特定の種類の疾患(例えばADAMTS13欠損に関連するTTP)の原因となりうるし、またかかる疾患を診断または予測するための診断パラメータにもなりうる。「疾患を予測する」または「素因を診断する」は、本明細書中で使用する場合、全ての場合において疾患が発症するという絶対的な意味で理解されてはならず、疾患を発症することに対する患者の相対的に増大したリスクとして理解されねばならない。また本発明の方法を使用することにより、ADAMTS13の機能障害または欠損に苦しむ患者の治療中、特にADAMTS13を用いる酵素補充療法中に、ADAMTS13免疫複合体の形成を検出することもできる。
患者のサンプル中のADAMTS13免疫複合体を検出する本発明の方法は、遊離抗ADAMTS13抗体を検出する方法または遊離ADAMTS13を検出するかもしくはADAMTS13活性を測定する方法と組み合わせることができる。遊離抗ADAMTS13抗体の量とADAMTS13免疫複合体の量との比もしくは相関関係の測定、または遊離ADAMTS13/ADAMTS13活性の量とADAMTS13免疫複合体の量との比もしくは相関関係の測定は、ある特定の疾患の診断もしくは予測において、または治療をモニタリングする上で特に診断的価値を持ちうる。
具体的なADAMTS13関連疾患としては、TTP(血栓性血小板減少性紫斑病)、特に後天性TTPおよびUpshaw-Schulman症候群(遺伝性TTP)が挙げられる。後天性TTPの場合、患者はADAMTS13に対する自己免疫抗体の発生に起因する低ADAMTS13活性を有する。免疫複合体化したADAMTS13は不活性化され、中和され、そして/または血流および患者血漿から取り除かれる。低下したADAMTS13活性は、血小板に自発的に付着して微小循環内に血小板とVWFに富む血栓を生じうる、巨大な非切断型VWFマルチマーの蓄積をもたらす。抗ADAMTS13抗体の存在は、後天性TTPを診断するための主要な診断マーカーである。このマーカーを使用することにより、後天性TTPを遺伝性TTP(機能性ADAMTS13タンパク質の先天的欠損)と区別することができる。免疫複合体と遊離抗ADAMTS13抗体との比は、この疾患の重症度のさらなる情報と、想定される治療成果に関するさらなる情報を提供する。遊離抗体と免疫複合体の間には逆相関を認めることができる。前記疾患の軽症型では、または前記疾患に対する素因を有する健康な患者においてさえ、若干の免疫複合体が検出されうるが、遊離抗ADAMTS13抗体の量は殆どまたは全く観察されない。遊離ADAMTS13またはADAMTS13活性は、かかる患者から得た血清サンプルでは依然として観察される。前記疾患が進行するにつれて、遊離抗ADAMTS13抗体の量は検出可能となり、またこの量は免疫複合体の量と比較してさらに増大する場合がある。かかる過剰な遊離抗ADAMTS13抗体は、該疾患の重症型を示唆している場合がある。過剰な遊離抗体は投与したADAMTS13の効果を減少または減弱させる場合があるため、遊離抗ADAMTS13抗体の知識は補充療法を最適化する(tailor)上でさらに重要な場合がある。従って、より多くの用量が必要とされる場合がある。
Upshaw-Schulman症候群(遺伝性TTP)の患者は、そのADAMTS13遺伝子に突然変異を抱えているため、活性型ADAMTS13を発現しない。抗ADAMTS13アロ抗体およびADAMTS13免疫複合体の形成は、ADAMTS13(ADAMTS13に対する免疫寛容がないこれらの患者にとっては異物である)の投与の結果として生じる場合がある。本発明の方法は、TTPに関して先に記載した内容と同様に、これらの患者において治療をモニタリングする上で特に重要である。
免疫複合体の量に関する情報、特に遊離抗ADAMTS13抗体または遊離ADAMTS13/ADAMTS13活性と比較した情報は、患者の二次的症状に関するさらなる情報を提供する場合がある。TTP患者は腎不全に苦しむ場合がある。腎不全により今度は循環ADAMTS13免疫複合体のクリアランスが低下し、その結果、血液または血漿サンプルにおける複合体の蓄積が増加する場合がある。増加した免疫複合体の量、特に遊離抗ADAMTS13抗体または遊離ADAMTS13/ADAMTS13活性と比較したその量は、患者における炎症反応の増加を示唆しており、これが炎症性ショックを引き起こす場合すらある。かかる患者には抗炎症療法が必要であろう。
後天性TTPのような、ADAMTS13の機能障害または欠損に関連する疾患は、該疾患の進行中にADAMTS13免疫複合体の負荷量の変動を伴う寛解型の疾患でありうる。従って、本発明の方法を使用することにより、免疫複合体および遊離抗ADAMTS13抗体または免疫複合体のみの存在について患者を定期的にモニタリングしてもよい。反復測定は毎日、あるいは2日、1週、2週、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月またはより長期もしくは短期の間隔で行うことができる。また本発明の方法を使用することにより、治療中に抗ADAMTS13抗体または免疫複合体の存在をモニタリングし、進行または有害反応を認識してもよい。治療には、ADAMTS13補充療法、特にADAMTS13を患者へ投与することが含まれていてもよい。ADAMTS13は、血漿輸注(例えば新鮮もしくは凍結血漿の輸注)、プラスマフェレーシス、または組換えもしくは血漿由来ADAMTS13含有医薬を用いる治療の形で投与してもよい。かかる診断方法またはモニタリング方法では、遊離抗ADAMTS13抗体とCIC中の抗ADAMTS13抗体との比を測定してもよい。
本発明を下記実施例によりさらに説明するが、本発明がこれらの実施形態に限定されることはない。本明細書中に記載した実施例および実施形態は単に例示のためのものであること、またそれを踏まえた上での様々な修正または変更が当業者に示唆されかつ本出願および添付の特許請求の範囲の精神および趣旨に含まれることを理解されたい。
実施例1:組換えADAMTS13(rADAMTS13)
His-タグを付加した組換えヒトADAMTS13およびHis-タグを付加しない組換えヒトADAMTS13を、ヒト胎児腎臓細胞(HEK293)またはチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)、例えばクローン938において、記載した通りに発現させた(Plaimauer, 2002;WO2004/095027;WO02/42442)。C末端にHis-タグを付加したADAMTS13を、6個のヒスチジン残基およびリンカーとしての3個のグリシン残基の、全長ADAMTS13のC末端トレオニン残基(Thr-1427)とのインフレーム融合により構築した。
His-タグを付加した組換えヒトADAMTS13およびHis-タグを付加しない組換えヒトADAMTS13を、ヒト胎児腎臓細胞(HEK293)またはチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)、例えばクローン938において、記載した通りに発現させた(Plaimauer, 2002;WO2004/095027;WO02/42442)。C末端にHis-タグを付加したADAMTS13を、6個のヒスチジン残基およびリンカーとしての3個のグリシン残基の、全長ADAMTS13のC末端トレオニン残基(Thr-1427)とのインフレーム融合により構築した。
実施例2:抗ADAMTS13抗体
ポリクローナル抗ADAMTS13抗体は、購入するか(Abcam, ab28273)またはウサギの免疫により産生させた:
1〜10羽の雄のNew Zealand Whiteウサギを、実施例1のrADAMTS13で免役した。200μLの注射液は、100μLの緩衝液(20 mM ヒスチジン、150 mM NaCl、0.05%Tween 80、2%サッカロース、2mM CaCl2、pH 7.0中860μgのrADAMTS13)および100μLのアジュバント(フロイント完全アジュバント、CFA、初回免疫用;不完全フロイントアジュバント、IFA、追加免疫用)で構成した。3週間間隔で、1回の初回免疫および2回の追加免疫を、大腿部の2〜4ヶ所の皮下に施した。1回目の追加免疫の3週間後と2回目の追加免疫の2および3週間後に血液を採取した。
ポリクローナル抗ADAMTS13抗体は、購入するか(Abcam, ab28273)またはウサギの免疫により産生させた:
1〜10羽の雄のNew Zealand Whiteウサギを、実施例1のrADAMTS13で免役した。200μLの注射液は、100μLの緩衝液(20 mM ヒスチジン、150 mM NaCl、0.05%Tween 80、2%サッカロース、2mM CaCl2、pH 7.0中860μgのrADAMTS13)および100μLのアジュバント(フロイント完全アジュバント、CFA、初回免疫用;不完全フロイントアジュバント、IFA、追加免疫用)で構成した。3週間間隔で、1回の初回免疫および2回の追加免疫を、大腿部の2〜4ヶ所の皮下に施した。1回目の追加免疫の3週間後と2回目の追加免疫の2および3週間後に血液を採取した。
3種の異なるロット、His-タグ付加rADAMTS13で免役した4羽のウサギのプール血清に由来するロット「K1-4」、His-タグ付加rADAMTS13で免役した1羽のウサギの血清に由来するロット「K6」およびrADAMTS13で免役した10羽のウサギのプール血清に由来するロット「K1-10」を作製した。
モノクローナル抗ADAMTS13抗体は、American Diagnostica(抗体クローン5.1および12.1)から、またはHycultbiotechnology(抗体5C11)から購入した。
抗体をプロテインGセファロースカラムでさらに精製した:免疫血清を13000 RPMで10分間遠心分離し、その後各10mLの上清を20mLのPBSで希釈した。血清はこの状態で4℃にて保存することができる。全ての抗ADAMTS13抗体血清をプロテインGカラムでの溶出により精製した:全ての精製工程をAktaExplorer 100クロマトグラフシステムで行った。プロテインGセファロースをカラムに充填してから、PBS(pH 7.1)で平衡化した。血清を該カラムに負荷し、その後PBS緩衝液で洗浄した。溶出は溶出緩衝液(100 mMグリシン、pH 2.8)を用いて実施した。溶出した抗体画分を捕集してから、後の使用のために-20℃で保存した。
実施例3:抗ADAMTS13抗体のアフィニティー精製
実施例1のrADAMTS13を、NHS活性化セファロース(GE Healthcareから入手したSepharose 4FF)にカップリングさせた。この目的のために、25 mLのNHS活性化セファロースを1 mM HCl(pH 3.3)を用いて洗浄および活性化した。遠心分離後、25 mLのrADAMTS13をカップリング緩衝液(100 mM NaHCO3、500 mM NaCl、pH 8.3)に添加し、その後4℃で一晩インキュベートした。セファロースを遠心分離し、洗浄してから、ブロッキング緩衝液(100 mM Tris-HCl、pH 8.5)と共に室温で2時間インキュベートした。このセファロースゲルをその後カラムに移し入れ、次いで該カラムをカップリング緩衝液で満たしてから洗浄した。該カラムのさらなる洗浄工程には、ブロッキング緩衝液および酢酸緩衝液(酢酸、pH 4.5)による3サイクルの洗浄を含めた。
実施例1のrADAMTS13を、NHS活性化セファロース(GE Healthcareから入手したSepharose 4FF)にカップリングさせた。この目的のために、25 mLのNHS活性化セファロースを1 mM HCl(pH 3.3)を用いて洗浄および活性化した。遠心分離後、25 mLのrADAMTS13をカップリング緩衝液(100 mM NaHCO3、500 mM NaCl、pH 8.3)に添加し、その後4℃で一晩インキュベートした。セファロースを遠心分離し、洗浄してから、ブロッキング緩衝液(100 mM Tris-HCl、pH 8.5)と共に室温で2時間インキュベートした。このセファロースゲルをその後カラムに移し入れ、次いで該カラムをカップリング緩衝液で満たしてから洗浄した。該カラムのさらなる洗浄工程には、ブロッキング緩衝液および酢酸緩衝液(酢酸、pH 4.5)による3サイクルの洗浄を含めた。
プロテインGカラムでの精製後、実施例2の抗ADAMTS13抗体を前記のrADAMTS13-NHS活性化セファロースカラムに負荷し、その後Zn2+およびCa2+の存在下で平衡化緩衝液を用いて洗浄した(TBS、pH 8.4)。精製抗体を、溶出緩衝液1(100 mMグリシン、pH 2.8)および溶出緩衝液2(2 M NaCl、100 mMグリシン、50%エチレングリコール、pH 5)を用いて溶出させてから捕集した。40 mgのセファロース精製抗体から、アフィニティー精製後に11 mgのアフィニティー精製抗体が回収された。
実施例4:抗Ig抗体
免疫グロブリン(Ig)クラスまたはサブタイプ特異性を有する抗Ig抗体を購入した。
免疫グロブリン(Ig)クラスまたはサブタイプ特異性を有する抗Ig抗体を購入した。
マウス抗ヒトIgG1抗体はZymedから購入し;マウス抗ヒトIgG2抗体はSouthern Biotechから購入し;マウス抗ヒトIgG3抗体はZymedから購入し;マウス抗ヒトIgG4抗体はZymed(Invitrogen)から購入し、抗ヒトIgG抗体はAbD Serotecから購入し;ヤギ抗ヒトIgM抗体はSIGMAから購入し;マウス抗ヒトIgA抗体はSIGMAから購入した。
マウス抗ヒトIgG4-HRPをAlpha Diagnosticsからさらに購入した(ab 10124)。
二次抗体として使用するために、アルカリホスファターゼ標識または西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)標識を有する抗Ig抗体を購入した。
実施例5:血漿サンプル
サンプル血漿は、健常人から陰性対照(NHP、35人の健常ドナーの乏血小板正常ヒトプール血漿、George King Bio-Medical, Inc.)として取得し、また後天性TTPと診断された患者からも取得した。TTP血漿はVienna General Hospitalから提供されたものである。TTP患者は一部プラスマフェレーシス治療を受けていた。血漿は、血液サンプルから取得してもよいし、または治療中のADAMTS13免疫複合体の減少をモニタリングするためにプラスマフェレーシスバッグから取得してもよい。陽性対照サンプルとしてTTP患者の血液サンプルを使用した。
サンプル血漿は、健常人から陰性対照(NHP、35人の健常ドナーの乏血小板正常ヒトプール血漿、George King Bio-Medical, Inc.)として取得し、また後天性TTPと診断された患者からも取得した。TTP血漿はVienna General Hospitalから提供されたものである。TTP患者は一部プラスマフェレーシス治療を受けていた。血漿は、血液サンプルから取得してもよいし、または治療中のADAMTS13免疫複合体の減少をモニタリングするためにプラスマフェレーシスバッグから取得してもよい。陽性対照サンプルとしてTTP患者の血液サンプルを使用した。
実施例6:抗ADAMTS13抗体検出
実施例1の組換えADAMTS13を、コーティング緩衝液(0.05 M炭酸-重炭酸塩緩衝液、pH 9.6、Sigma)中1ウェル当たり100μLをアプライすることにより、2μg/mLの濃度でELISAプレート(Maxisorp;Nunc, Rochester, NY)上にコーティングした。プレートを4℃で一晩または室温で6時間インキュベートした後、オートストリッププレートウォッシャー(auto strip plate washer)で1ウェル当たり300μLの量の洗浄緩衝液(PBS)を用いて4回洗浄した。遊離結合部位を、1ウェル当たり250μLのブロッキング緩衝液(Protein-free T20(PBS), Pierce)および室温で2時間のインキュベーションによりブロックした。ブロッキング後は、オートストリッププレートウォッシャーで1ウェル当たり300μLの量の洗浄緩衝液(PBS)を用いて4回洗浄した。血漿サンプルならびに対照をサンプル緩衝液(Protein-free T20, Pierce, +0.5 M NaCl)で1:25〜1:6400に系列希釈し、100μL/ウェルの量でアプライし、その後4℃で一晩または室温で3時間インキュベートした。サンプルのインキュベーション後は、オートストリッププレートウォッシャーで1ウェル当たり300μLの量の洗浄緩衝液(PBS)を用いて4回洗浄した。実施例4のHRP標識抗免疫グロブリン抗体をサンプル緩衝液に希釈し(抗IgG1 1:2000、抗IgG2 1:500、抗IgG3 1:3000、抗IgG4 1:3000、抗IgG 1:30000、抗IgM 1:30000 抗IgA 1:30000)、1ウェル当たり100μLの量でアプライし、その後室温で2時間インキュベートした。抗体のインキュベーション後は、オートストリッププレートウォッシャーで1ウェル当たり300μLの量の洗浄緩衝液(PBS)を用いて4回洗浄した。HRP反応のために、TMB溶液および過酸化物溶液(Immuno Pure TMB Substrate Kit, Pierce)を等量ずつ100μL/ウェルの総基質量で添加し、その後室温で5〜30分間インキュベートした。種々の二次抗体の正常な発色時間は、抗IgG:5〜6分、抗IgM:5〜10分、抗IgA:15〜30分、抗IgG1 10〜15分、抗IgG2 10〜15分、抗IgG3 10〜15分、抗IgG4 5〜10分である。色変化は透明からブリリアントブルーへの変化sであるが、いずれかのウェルが緑色を呈する前に反応を停止させるべきである。反応は100μLの1.9 H2SO4の添加により停止させた。発色反応はTecan ELISA-Readerで450 nmと620 nmにて測定した。結果はサンプルODと対照ODとの比として算出した。
実施例1の組換えADAMTS13を、コーティング緩衝液(0.05 M炭酸-重炭酸塩緩衝液、pH 9.6、Sigma)中1ウェル当たり100μLをアプライすることにより、2μg/mLの濃度でELISAプレート(Maxisorp;Nunc, Rochester, NY)上にコーティングした。プレートを4℃で一晩または室温で6時間インキュベートした後、オートストリッププレートウォッシャー(auto strip plate washer)で1ウェル当たり300μLの量の洗浄緩衝液(PBS)を用いて4回洗浄した。遊離結合部位を、1ウェル当たり250μLのブロッキング緩衝液(Protein-free T20(PBS), Pierce)および室温で2時間のインキュベーションによりブロックした。ブロッキング後は、オートストリッププレートウォッシャーで1ウェル当たり300μLの量の洗浄緩衝液(PBS)を用いて4回洗浄した。血漿サンプルならびに対照をサンプル緩衝液(Protein-free T20, Pierce, +0.5 M NaCl)で1:25〜1:6400に系列希釈し、100μL/ウェルの量でアプライし、その後4℃で一晩または室温で3時間インキュベートした。サンプルのインキュベーション後は、オートストリッププレートウォッシャーで1ウェル当たり300μLの量の洗浄緩衝液(PBS)を用いて4回洗浄した。実施例4のHRP標識抗免疫グロブリン抗体をサンプル緩衝液に希釈し(抗IgG1 1:2000、抗IgG2 1:500、抗IgG3 1:3000、抗IgG4 1:3000、抗IgG 1:30000、抗IgM 1:30000 抗IgA 1:30000)、1ウェル当たり100μLの量でアプライし、その後室温で2時間インキュベートした。抗体のインキュベーション後は、オートストリッププレートウォッシャーで1ウェル当たり300μLの量の洗浄緩衝液(PBS)を用いて4回洗浄した。HRP反応のために、TMB溶液および過酸化物溶液(Immuno Pure TMB Substrate Kit, Pierce)を等量ずつ100μL/ウェルの総基質量で添加し、その後室温で5〜30分間インキュベートした。種々の二次抗体の正常な発色時間は、抗IgG:5〜6分、抗IgM:5〜10分、抗IgA:15〜30分、抗IgG1 10〜15分、抗IgG2 10〜15分、抗IgG3 10〜15分、抗IgG4 5〜10分である。色変化は透明からブリリアントブルーへの変化sであるが、いずれかのウェルが緑色を呈する前に反応を停止させるべきである。反応は100μLの1.9 H2SO4の添加により停止させた。発色反応はTecan ELISA-Readerで450 nmと620 nmにて測定した。結果はサンプルODと対照ODとの比として算出した。
実施例7:ADAMTS13免疫複合体検出
実施例2または3の抗ADAMTS13抗体を、コーティング緩衝液(0.05 M 炭酸-重炭酸塩緩衝液 pH 9,6, 25℃)を用いて1〜2μg/mLの濃度まで希釈し、さらにELISAプレート(Maxisorp;Nunc, Rochester, NY)の表面に100μL/ウェルの量で4℃にて一晩または室温にて5〜6時間コーティングした。洗浄(洗浄緩衝液:PBS(PBS, Invitrogen, 300μL/ウェル)で4回)後、遊離結合部位を、250μL/ウェルのブロッキング緩衝液(0.5%脱脂粉乳(pH7.4〜7.5, BioRad)を含むPBS-T:0.01%Tween 20添加PBS(Biorad))を用いて室温で2時間ブロックした。
実施例2または3の抗ADAMTS13抗体を、コーティング緩衝液(0.05 M 炭酸-重炭酸塩緩衝液 pH 9,6, 25℃)を用いて1〜2μg/mLの濃度まで希釈し、さらにELISAプレート(Maxisorp;Nunc, Rochester, NY)の表面に100μL/ウェルの量で4℃にて一晩または室温にて5〜6時間コーティングした。洗浄(洗浄緩衝液:PBS(PBS, Invitrogen, 300μL/ウェル)で4回)後、遊離結合部位を、250μL/ウェルのブロッキング緩衝液(0.5%脱脂粉乳(pH7.4〜7.5, BioRad)を含むPBS-T:0.01%Tween 20添加PBS(Biorad))を用いて室温で2時間ブロックした。
サンプルを希釈緩衝液(0.5%脱脂粉乳と、場合によっては0.1〜1 M NaClを含むPBS-T)で1:25から1:400まで連続的に希釈した。希釈したサンプルを添加(100μL/ウェル)し、その後4℃で一晩インキュベートした。ウェルを300μL/ウェルの洗浄緩衝液で4回洗浄した。実施例4の抗Ig抗体を二次抗体(希釈緩衝液で希釈したもの;抗IgG1 1:2000、抗IgG2 1:2000、抗IgG3 1:1000、抗IgG4 1:4000、抗IgM 1:80000 抗IgA 1:25000)として100μL/ウェル添加し、その後室温で3時間インキュベートした。該ウェルを300μL/ウェルの洗浄緩衝液で4回洗浄した。TMB溶液および過酸化物溶液(Immuno Pure TMB Substrate, Pierce)を等量ずつ100μL/ウェルの総基質量で添加し、その後5〜30分間インキュベートした。種々の二次抗体の正常な発色時間は、抗IgG1、-IgG2、-IgG3、-IgAおよび-IgM:20分、抗IgG4:10〜20分である。色変化は透明からブリリアントブルーへの変化であるが、いずれかのウェルが緑色を呈する前に反応を停止させるべきである。反応は100μLの1.9または2 M H2SO4の添加により停止させた。発色反応はTecan ELISA-Readerで450 nmと620 nmにて測定した。結果はサンプルODと対照ODとの比として算出した。この方法の略図を図1に示す。
実施例8:ポリクローナル抗体を用いるADAMTS13免疫複合体ELISA
ポリクローナル抗ADAMTS13抗体「abcam」および「K1-4」を実施例2に記載した通りに購入または取得し、さらに実施例7に記載した通りにNunc Maxisorp ELISAプレート上にコーティングしたが、その手順には以下の修正を加えた:抗体abcamおよびK1-4は、5 mLのコーティング緩衝液と共に、それぞれ10μLまたは3μLの抗体溶液の量で、それぞれ1 mg/mLおよび3,356μg/mLの濃度のコーティング抗体として使用した。インキュベーションは4℃で一晩とした。希釈緩衝液はNaClを添加せずに使用した(従って、ブロッキング緩衝液と同一であった)。TTP血漿およびNHP血漿を陽性および陰性のADAMTS13:icサンプルとして使用した。サンプルをブロッキング緩衝液で1:50、1:100および1:200に希釈し、その後室温で3時間インキュベートした。二次検出抗体として、IgG1-HRP(Zymed)、IgG2-HRP(SouthernBiotech)、IgG3-HRP(Zymed)およびIgG4-HRP(Zymed)を、ブロッキング緩衝液と混合した1:2000希釈物(1.5μLの抗体希釈物を3 mLのブロッキング緩衝液と合わせたもの)として使用し、さらに室温で2時間インキュベートした。洗浄後、発色反応を、TMB溶液および過酸化物溶液との室温で15〜30分間のインキュベーションにより実施した。
ポリクローナル抗ADAMTS13抗体「abcam」および「K1-4」を実施例2に記載した通りに購入または取得し、さらに実施例7に記載した通りにNunc Maxisorp ELISAプレート上にコーティングしたが、その手順には以下の修正を加えた:抗体abcamおよびK1-4は、5 mLのコーティング緩衝液と共に、それぞれ10μLまたは3μLの抗体溶液の量で、それぞれ1 mg/mLおよび3,356μg/mLの濃度のコーティング抗体として使用した。インキュベーションは4℃で一晩とした。希釈緩衝液はNaClを添加せずに使用した(従って、ブロッキング緩衝液と同一であった)。TTP血漿およびNHP血漿を陽性および陰性のADAMTS13:icサンプルとして使用した。サンプルをブロッキング緩衝液で1:50、1:100および1:200に希釈し、その後室温で3時間インキュベートした。二次検出抗体として、IgG1-HRP(Zymed)、IgG2-HRP(SouthernBiotech)、IgG3-HRP(Zymed)およびIgG4-HRP(Zymed)を、ブロッキング緩衝液と混合した1:2000希釈物(1.5μLの抗体希釈物を3 mLのブロッキング緩衝液と合わせたもの)として使用し、さらに室温で2時間インキュベートした。洗浄後、発色反応を、TMB溶液および過酸化物溶液との室温で15〜30分間のインキュベーションにより実施した。
結果を下記表1に記載し、また図2にも示す(図2a:ポリクローナル抗体 abcam;図2bポリクローナル抗体K1-4)。特にIgG4の場合、非常に高いバックグラウンドシグナルが陰性NHPサンプルについて示された。この影響は、IgG4のIgGへの非特異的結合に起因するものと考えられる(Ito, 2010)。
実施例9:種々の抗体を用いるIgG4 ELISA
ポリクローナル抗ADAMTS13抗体「abcam」、「K1-4」および「K-6」ならびにモノクローナル抗体クローン5.1および12.1を実施例2に記載した通りに購入または取得し、さらに実施例7に記載した通りにNunc Maxisorp ELISAプレート上にコーティングしたが、その手順には以下の修正を加えた:抗体を、コーティング抗体として以下の濃度:abcam:1 mg/mL、K1-4:3,356μg/mL、K6:13148μg/mL、クローン5.1:0.2 mg/mL, クローン12.1:0.2 mg/mLで使用した。抗体溶液は、以下:abcam:10μL、K1-4:3μL、K6:0.8μL、クローン5.1:50μL、クローン12.1 50μLの量で、10 mLのコーティング緩衝液と共に使用した。インキュベーションは4℃で一晩とした。希釈緩衝液は0.6 M NaClを添加して使用した。3種のサンプル配合物を様々な希釈度で調べた:1)IgG4抗体のプール(1:1;ヒトIgG4カッパ、Sigma, 1 mg/mL;ヒトIgG4ラムダ、Sigma, 1 mg/mL)、2)ヒトアルブミン(Sigma)および3)実施例1に従ってCHO細胞で産生させたADAMTS13。サンプルを希釈緩衝液で20μg/mL〜0.625μg/mLの濃度に希釈し、その後室温で5時間インキュベートした。二次検出抗体として、マウス抗ヒトIgG4-HRP(Alpha Diagnostics)を、希釈緩衝液と混合した1:1000希釈物(50μLの抗体溶液を50 mLのブロッキング緩衝液と合わせたもの)として使用し、その後室温で2時間インキュベートした。洗浄後、発色反応を、TMB溶液および過酸化物溶液との室温で15分間のインキュベーションにより実施した。
ポリクローナル抗ADAMTS13抗体「abcam」、「K1-4」および「K-6」ならびにモノクローナル抗体クローン5.1および12.1を実施例2に記載した通りに購入または取得し、さらに実施例7に記載した通りにNunc Maxisorp ELISAプレート上にコーティングしたが、その手順には以下の修正を加えた:抗体を、コーティング抗体として以下の濃度:abcam:1 mg/mL、K1-4:3,356μg/mL、K6:13148μg/mL、クローン5.1:0.2 mg/mL, クローン12.1:0.2 mg/mLで使用した。抗体溶液は、以下:abcam:10μL、K1-4:3μL、K6:0.8μL、クローン5.1:50μL、クローン12.1 50μLの量で、10 mLのコーティング緩衝液と共に使用した。インキュベーションは4℃で一晩とした。希釈緩衝液は0.6 M NaClを添加して使用した。3種のサンプル配合物を様々な希釈度で調べた:1)IgG4抗体のプール(1:1;ヒトIgG4カッパ、Sigma, 1 mg/mL;ヒトIgG4ラムダ、Sigma, 1 mg/mL)、2)ヒトアルブミン(Sigma)および3)実施例1に従ってCHO細胞で産生させたADAMTS13。サンプルを希釈緩衝液で20μg/mL〜0.625μg/mLの濃度に希釈し、その後室温で5時間インキュベートした。二次検出抗体として、マウス抗ヒトIgG4-HRP(Alpha Diagnostics)を、希釈緩衝液と混合した1:1000希釈物(50μLの抗体溶液を50 mLのブロッキング緩衝液と合わせたもの)として使用し、その後室温で2時間インキュベートした。洗浄後、発色反応を、TMB溶液および過酸化物溶液との室温で15分間のインキュベーションにより実施した。
結果を図3に示す(図3a:ポリクローナル抗体abcam;図3bポリクローナル抗体K1-4;図3cポリクローナル抗体K6;図3dモノクローナル抗体5.1;図3eモノクローナル抗体12.1;)。この結果は、サンプル中にADAMTS13が存在しない場合でさえ、全てのポリクローナル抗体について高い抗IgG4シグナルが検出されたことを示している。この影響は市販の抗体abcamの方が低かった。モノクローナル抗体によるコーティングの場合、IgG4の吸収は検出されなかった。IgG4バックグラウンドシグナルはポリクローナル抗体のマルチエピトープ特異性という性質に起因するものであると結論付けることができる。
実施例10:IgG ELISA、二次抗体の交差反応性
サブタイプ特異的抗体の交差反応性について、異なるクラスおよびサブタイプのIgを実施例7に記載した通りにNunc Maxisortp ELISAプレート上にコーティングすることにより試験した。サンプルは使用しなかった。コーティングおよびインキュベーション(4℃で一晩)後直ちに、二次HRP標識抗体を用いてインキュベーションおよびシグナル生成を行った。以下のコーティング抗体を使用した:IgG1:ヒトIgG1カッパ(Sigma, 1.2 mg/mL)およびヒトIgG1ラムダ(Sigma, 1.0 mg/mL);IgG2:ヒトIgG2カッパ(Sigma, 1.1 mg/mL)およびヒトIgG2ラムダ(Sigma, 1.06 mg/mL);IgG3:ヒトIgG3カッパ(Sigma, 1.1 mg/mL)およびヒトIgG3ラムダ(Sigma, 1.04 mg/mL);IgG4:ヒトIgG4カッパ(Sigma, 1.0 mg/mL)およびヒトIgG4ラムダ(Sigma, 1.0 mg/mL);IgA:ヒトIgA(Sigma, 1.0 mg/mL);ならびにIgM:ヒトIgM(Sigma, 1.01 mg/mL);実施例4のIgクラスまたはサブタイプ特異性を有する抗免疫グロブリン抗体を二次抗体として使用した。
サブタイプ特異的抗体の交差反応性について、異なるクラスおよびサブタイプのIgを実施例7に記載した通りにNunc Maxisortp ELISAプレート上にコーティングすることにより試験した。サンプルは使用しなかった。コーティングおよびインキュベーション(4℃で一晩)後直ちに、二次HRP標識抗体を用いてインキュベーションおよびシグナル生成を行った。以下のコーティング抗体を使用した:IgG1:ヒトIgG1カッパ(Sigma, 1.2 mg/mL)およびヒトIgG1ラムダ(Sigma, 1.0 mg/mL);IgG2:ヒトIgG2カッパ(Sigma, 1.1 mg/mL)およびヒトIgG2ラムダ(Sigma, 1.06 mg/mL);IgG3:ヒトIgG3カッパ(Sigma, 1.1 mg/mL)およびヒトIgG3ラムダ(Sigma, 1.04 mg/mL);IgG4:ヒトIgG4カッパ(Sigma, 1.0 mg/mL)およびヒトIgG4ラムダ(Sigma, 1.0 mg/mL);IgA:ヒトIgA(Sigma, 1.0 mg/mL);ならびにIgM:ヒトIgM(Sigma, 1.01 mg/mL);実施例4のIgクラスまたはサブタイプ特異性を有する抗免疫グロブリン抗体を二次抗体として使用した。
結果を図4に示す;グラフは指示濃度のコーティング抗体(図4a:抗ヒトIgG1-HRP、1:2000に希釈したもの;図4b:抗ヒトIgG2-HRP、1:1000に希釈したもの;図4c:抗ヒトIgG3-HRP、1:1000に希釈したもの;図4d:抗ヒトIgG4-HRP、1:2000に希釈したもの;図4e:抗ヒトIgA-HRP、1:1000に希釈したもの;図4f:抗ヒトIgM-HRP、1:80000に希釈したもの)のシグナルを示したものである。抗ヒトIgAについてはコーティングされたIgMに対する顕著な交差反応性が観察されたが、サブタイプ特異的抗体については観察されなかった。
実施例11:コーティングabとしてモノクローナル抗体を用いるADAMTS13免疫複合体ELISA
実施例2のモノクローナル抗ADAMTS13抗体5C11、5.1および12.1の混合物を実施例7に記載した通りにNunc Maxisorp ELISAプレート上にコーティングしたが、その手順には以下の修正を加えた:モノクローナル抗体溶液をコーティング抗体として以下の濃度:クローン5.1および12.1(1:1):0.2 mg/mL、5C11:0.1 mg/mLで使用した。コーティングの際、抗体溶液をコーティング緩衝液で1μg/mL、1.5μg/mLおよび2μg/mLの濃度(それぞれ15 mLのコーティング緩衝液を使用)に希釈した。希釈緩衝液は0.6 M NaClを添加して使用した。3種のサンプルについて調べた:1)TTP血漿、2)NHP血漿および3)実施例1に従ってCHO細胞で産生させたrADAMTS13(273.5μg/mL)を用いてスパイクしたTTP血漿。サンプルを希釈緩衝液で次の通り:TTP:400μLの血漿を9600μLの希釈緩衝液と合わせたもの;NHP 600μLの血漿を4800μLの希釈緩衝液と合わせたもの、ならびに37.1μLのrADAMTS13を200μLのTTP血漿および4800μLの希釈緩衝液と合わせたもの、に希釈し、その後4℃で一晩インキュベートした。実施例4のIgクラスまたはサブタイプ特異性を有する抗免疫グロブリン抗体を二次抗体として使用した。二次抗体を図5に示すように希釈緩衝液で1:1000〜1:8000に希釈し、その後室温で3時間インキュベートした。洗浄後、発色反応を、TMB溶液および過酸化物溶液との室温で30分間のインキュベーションにより実施した。
実施例2のモノクローナル抗ADAMTS13抗体5C11、5.1および12.1の混合物を実施例7に記載した通りにNunc Maxisorp ELISAプレート上にコーティングしたが、その手順には以下の修正を加えた:モノクローナル抗体溶液をコーティング抗体として以下の濃度:クローン5.1および12.1(1:1):0.2 mg/mL、5C11:0.1 mg/mLで使用した。コーティングの際、抗体溶液をコーティング緩衝液で1μg/mL、1.5μg/mLおよび2μg/mLの濃度(それぞれ15 mLのコーティング緩衝液を使用)に希釈した。希釈緩衝液は0.6 M NaClを添加して使用した。3種のサンプルについて調べた:1)TTP血漿、2)NHP血漿および3)実施例1に従ってCHO細胞で産生させたrADAMTS13(273.5μg/mL)を用いてスパイクしたTTP血漿。サンプルを希釈緩衝液で次の通り:TTP:400μLの血漿を9600μLの希釈緩衝液と合わせたもの;NHP 600μLの血漿を4800μLの希釈緩衝液と合わせたもの、ならびに37.1μLのrADAMTS13を200μLのTTP血漿および4800μLの希釈緩衝液と合わせたもの、に希釈し、その後4℃で一晩インキュベートした。実施例4のIgクラスまたはサブタイプ特異性を有する抗免疫グロブリン抗体を二次抗体として使用した。二次抗体を図5に示すように希釈緩衝液で1:1000〜1:8000に希釈し、その後室温で3時間インキュベートした。洗浄後、発色反応を、TMB溶液および過酸化物溶液との室温で30分間のインキュベーションにより実施した。
結果を図5に示す(図5a:抗IgG1、図5b:抗IgG2、図5c:抗IgG3、図5d:抗IgG4、図5e:抗IgA、図5f:抗IgM二次抗体)。シグナル対ノイズ比は、陽性サンプルとしてのTTP血漿(IgG1〜4検出のために使用)またはADAMTS13サンプルでスパイクしたTTP血漿 (IgAおよびIgM検出のために使用)ならびに陰性対照としてのNHP血漿について取得したシグナルの比較により測定した。例外的なs/n比がIgG1、IgG3およびIgG4について観察された。次いで、IgMがIgAおよびIgG2より優れていることが分かった。
実施例12:コーティングabとしてアフィニティー精製ポリクローナル抗体を用いるADAMTS13免疫複合体ELISA
モノクローナル抗体5C11およびポリクローナル抗ADAMTS13抗体K1-4を実施例3に記載した通りに購入または取得し、さらに実施例7に記載した通りにNunc Maxisorp ELISAプレート上にコーティングしたが、その手順には以下の修正を加えた:コーティングの際、ポリクローナル抗体K1-4溶液をコーティング緩衝液で1:1000に希釈し、またモノクローナル抗体5C11溶液をコーティング緩衝液で1:100に希釈した。希釈緩衝液は0.6 M NaClを添加して使用した。陽性サンプルとして、実施例1に従ってCHO細胞で産生させた500 ng/μLのrADAMTS13を用いてスパイクしたTTP血漿を、また陰性サンプルとしてNHP血漿を使用した。サンプルを希釈緩衝液で1:25、1:50および1:100に希釈し、その後4℃で一晩インキュベートした。実施例4のIgクラスまたはサブタイプ特異性を有する抗免疫グロブリン抗体を二次抗体として使用した。二次抗体を希釈緩衝液で1:2000(IgG1、IgG3、IgG4およびIgA)に、1:1000(IgG2およびIgG3)に、または1:80000(IgM)に希釈し、その後室温で3時間インキュベートした。洗浄後、発色反応を、TMB溶液および過酸化物溶液との室温で15分間のインキュベーションにより実施した。
モノクローナル抗体5C11およびポリクローナル抗ADAMTS13抗体K1-4を実施例3に記載した通りに購入または取得し、さらに実施例7に記載した通りにNunc Maxisorp ELISAプレート上にコーティングしたが、その手順には以下の修正を加えた:コーティングの際、ポリクローナル抗体K1-4溶液をコーティング緩衝液で1:1000に希釈し、またモノクローナル抗体5C11溶液をコーティング緩衝液で1:100に希釈した。希釈緩衝液は0.6 M NaClを添加して使用した。陽性サンプルとして、実施例1に従ってCHO細胞で産生させた500 ng/μLのrADAMTS13を用いてスパイクしたTTP血漿を、また陰性サンプルとしてNHP血漿を使用した。サンプルを希釈緩衝液で1:25、1:50および1:100に希釈し、その後4℃で一晩インキュベートした。実施例4のIgクラスまたはサブタイプ特異性を有する抗免疫グロブリン抗体を二次抗体として使用した。二次抗体を希釈緩衝液で1:2000(IgG1、IgG3、IgG4およびIgA)に、1:1000(IgG2およびIgG3)に、または1:80000(IgM)に希釈し、その後室温で3時間インキュベートした。洗浄後、発色反応を、TMB溶液および過酸化物溶液との室温で15分間のインキュベーションにより実施した。
結果を図6に示す(図6a:ポリクローナルAb K1-4、6b:モノクローナルAb 5C11)。驚いたことに、pAb K1-4のアフィニティー精製後、二次検出抗体として抗IgG4抗体を用いると、低いs/n比および最も高いシグナルを示す最も良い結果が得られた。非常に良い結果が抗体IgG1、IgG3およびIgMについて示され、これらはIgAおよびIgG2よりも優れていた。モノクローナル抗体5C11の場合も、同様の良い結果がIgG4、IgG1、IgG3について示され、IgMについてはIgG2およびIgAよりも優れているという許容しうる結果が示された(実施例11も参照されたい)。
実施例9のIgG4 ELISA試験をアフィニティー精製抗体K1-4について再度実施した。結果を図6cに示す(図3bも参照されたい)。アフィニティー精製を通じて非特異的反応性を有意に低下させることができた。
実施例13:抗ヒトIgG-HRP二次抗体(非サブタイプ特異的)を用いるADAMTS13免疫複合体ELISA
ポリクローナル抗ADAMTS13抗体K1-10を実施例3に記載した通りに取得および精製し、さらに実施例7に記載した通りにNunc Maxisorp ELISAプレート上にコーティングしたが、その手順には以下の修正を加えた:3.135 mg/mLの濃度を有する初期抗体溶液を、10 mLのコーティング緩衝液で1または2μg/mLの濃度に希釈した。インキュベーションは室温で6時間とした。希釈緩衝液は0.6 M NaClを添加して使用した。陽性サンプルとして、TTP血漿、および実施例1に従ってCHO細胞で産生させた300 ng/μLのrADAMTS13(初期濃度273.5μg/mL)を用いてスパイクしたTTP血漿を使用し、また陰性サンプルとして、NHP血漿または緩衝液を使用した。サンプルを希釈緩衝液で1:25および1:50に希釈し、その後4℃で一晩インキュベートした。二次検出抗体として、マウス抗ヒトIgG-HRP(SouthernBiotech,)を、5 mLの希釈緩衝液と合わせた1:32000、1:64000および1:128000希釈物として使用した。サンプルを室温で3時間インキュベートした。洗浄後、発色反応を、TMB溶液および過酸化物溶液との室温で20分間のインキュベーションにより実施した。
ポリクローナル抗ADAMTS13抗体K1-10を実施例3に記載した通りに取得および精製し、さらに実施例7に記載した通りにNunc Maxisorp ELISAプレート上にコーティングしたが、その手順には以下の修正を加えた:3.135 mg/mLの濃度を有する初期抗体溶液を、10 mLのコーティング緩衝液で1または2μg/mLの濃度に希釈した。インキュベーションは室温で6時間とした。希釈緩衝液は0.6 M NaClを添加して使用した。陽性サンプルとして、TTP血漿、および実施例1に従ってCHO細胞で産生させた300 ng/μLのrADAMTS13(初期濃度273.5μg/mL)を用いてスパイクしたTTP血漿を使用し、また陰性サンプルとして、NHP血漿または緩衝液を使用した。サンプルを希釈緩衝液で1:25および1:50に希釈し、その後4℃で一晩インキュベートした。二次検出抗体として、マウス抗ヒトIgG-HRP(SouthernBiotech,)を、5 mLの希釈緩衝液と合わせた1:32000、1:64000および1:128000希釈物として使用した。サンプルを室温で3時間インキュベートした。洗浄後、発色反応を、TMB溶液および過酸化物溶液との室温で20分間のインキュベーションにより実施した。
結果を図7に示す(図7a:rADAMTS13 TTPサンプル対NHP血漿;図7b:TTP血漿対NHP血漿)。本実施例により、IgGクラス特異的抗体は、ADAMTS13-陰性NHPサンプルに対する高バックグラウンドシグナルという問題を有することが示された。
実施例14:コーティングabとしてアフィニティー精製ポリクローナル抗体を用いるADAMTS13免疫複合体ELISA
実施例3のアフィニティー精製ポリクローナル抗ADAMTS13抗体K1-4を実施例7に記載した通りにNunc Maxisorp ELISAプレート上にコーティングしたが、その手順には以下の修正を加えた:ポリクローナル抗体溶液を、コーティング抗体として以下の濃度で使用した:コーティングの際、初期抗体溶液(180μg/mL)をコーティング緩衝液で1:50および1:100に希釈した。希釈緩衝液は0.6 M NaClを添加して使用した。3種のサンプル:1)TTP血漿、2)NHP血漿および3)実施例1に従ってCHO細胞で産生させたrADAMTS13(273.5μg/mL)を用いてスパイクしたTTP血漿、について調べた。サンプルを希釈緩衝液で次の通り:TTP:100μLの血漿を2400μLの希釈緩衝液と合わせたもの;NHP 600μLの血漿を11900μLの希釈緩衝液と合わせたもの、ならびに220μLのrADAMTS13を500μLのTTP血漿および12 mLの希釈緩衝液と合わせたもの、に希釈し、その後4℃で一晩インキュベートした。実施例4のIgクラスまたはサブタイプ特異性を有する抗免疫グロブリン抗体を二次抗体として使用した。二次抗体を図8に示すように希釈緩衝液で1:1000〜1:8000に希釈し、その後室温で3時間インキュベートした。洗浄後、発色反応を、TMB溶液および過酸化物溶液との室温で30分間のインキュベーションにより実施した。
実施例3のアフィニティー精製ポリクローナル抗ADAMTS13抗体K1-4を実施例7に記載した通りにNunc Maxisorp ELISAプレート上にコーティングしたが、その手順には以下の修正を加えた:ポリクローナル抗体溶液を、コーティング抗体として以下の濃度で使用した:コーティングの際、初期抗体溶液(180μg/mL)をコーティング緩衝液で1:50および1:100に希釈した。希釈緩衝液は0.6 M NaClを添加して使用した。3種のサンプル:1)TTP血漿、2)NHP血漿および3)実施例1に従ってCHO細胞で産生させたrADAMTS13(273.5μg/mL)を用いてスパイクしたTTP血漿、について調べた。サンプルを希釈緩衝液で次の通り:TTP:100μLの血漿を2400μLの希釈緩衝液と合わせたもの;NHP 600μLの血漿を11900μLの希釈緩衝液と合わせたもの、ならびに220μLのrADAMTS13を500μLのTTP血漿および12 mLの希釈緩衝液と合わせたもの、に希釈し、その後4℃で一晩インキュベートした。実施例4のIgクラスまたはサブタイプ特異性を有する抗免疫グロブリン抗体を二次抗体として使用した。二次抗体を図8に示すように希釈緩衝液で1:1000〜1:8000に希釈し、その後室温で3時間インキュベートした。洗浄後、発色反応を、TMB溶液および過酸化物溶液との室温で30分間のインキュベーションにより実施した。
結果を図8に示す(図8a:抗IgG1、図8b:抗IgG2、図8c:抗IgG3、図8d:抗IgG4、図8e:抗IgA、図8f:抗IgM二次抗体)。シグナル対ノイズ比は、陽性サンプルとしてのTTP(IgG1〜4検出のために使用)またはrADAMTS13サンプル(IgAおよびIgM検出のために使用)ならびに陰性対照としてのNHP血漿について取得したシグナルの比較により測定した。
実施例15:コーティングabとしてアフィニティー精製ポリクローナルおよびモノクローナル抗体を用いるADAMTS13免疫複合体ELISA
実施例3のアフィニティー精製ポリクローナル抗ADAMTS13抗体K1-4ならびにモノクローナル抗体5C11、5.1および12.1の混合物を実施例7に記載した通りにNunc Maxisorp ELISAプレート上にコーティングしたが、その手順には以下の修正を加えた:ポリクローナル抗体溶液は、コーティング抗体として以下の濃度で使用した:コーティングの際、初期抗体K1-4溶液(180μg/mL)を1:50に希釈した(IgG1〜3、IgAおよびIgM試験の際は10 mLのコーティング緩衝液中100μLの溶液、またIgG4試験の際は2mLのコーティング緩衝液中10μL)。50μLのモノクローナル抗体5C11(0.1 mg/mL)ならびに各25μLのmab 5.1および12.1(各0.1 mg/mL)を10 mLのコーティング緩衝液に混合した。希釈緩衝液は0.6 M NaClを添加して使用した。3種のサンプル:1)100 ng/100μLのrADAMTS13でスパイクしたTTP血漿、2)NHP血漿および3)実施例1に従ってCHO細胞で産生させたrADAMTS13(273.5μg/mL)、について調べた。サンプルを希釈緩衝液で1:25(20μLの血漿および480μLの希釈緩衝液)〜1:100に希釈し、その後4℃で一晩インキュベートした。実施例4のIgクラスまたはサブタイプ特異性を有する抗免疫グロブリン抗体を二次抗体として使用した。二次抗体を希釈緩衝液で希釈し(IgG1、IgG4およびIgA:5 mLの希釈緩衝液(DB)中2.5μLの抗体溶液、IgG2およびIgG3:5 mLのDB中5μLの抗体溶液、IgM:5 mLのDB中6.3μLの抗体溶液)、その後室温で3時間インキュベートした。洗浄後、発色反応を、TMB溶液および過酸化物溶液との室温で15分間のインキュベーションにより実施した。
実施例3のアフィニティー精製ポリクローナル抗ADAMTS13抗体K1-4ならびにモノクローナル抗体5C11、5.1および12.1の混合物を実施例7に記載した通りにNunc Maxisorp ELISAプレート上にコーティングしたが、その手順には以下の修正を加えた:ポリクローナル抗体溶液は、コーティング抗体として以下の濃度で使用した:コーティングの際、初期抗体K1-4溶液(180μg/mL)を1:50に希釈した(IgG1〜3、IgAおよびIgM試験の際は10 mLのコーティング緩衝液中100μLの溶液、またIgG4試験の際は2mLのコーティング緩衝液中10μL)。50μLのモノクローナル抗体5C11(0.1 mg/mL)ならびに各25μLのmab 5.1および12.1(各0.1 mg/mL)を10 mLのコーティング緩衝液に混合した。希釈緩衝液は0.6 M NaClを添加して使用した。3種のサンプル:1)100 ng/100μLのrADAMTS13でスパイクしたTTP血漿、2)NHP血漿および3)実施例1に従ってCHO細胞で産生させたrADAMTS13(273.5μg/mL)、について調べた。サンプルを希釈緩衝液で1:25(20μLの血漿および480μLの希釈緩衝液)〜1:100に希釈し、その後4℃で一晩インキュベートした。実施例4のIgクラスまたはサブタイプ特異性を有する抗免疫グロブリン抗体を二次抗体として使用した。二次抗体を希釈緩衝液で希釈し(IgG1、IgG4およびIgA:5 mLの希釈緩衝液(DB)中2.5μLの抗体溶液、IgG2およびIgG3:5 mLのDB中5μLの抗体溶液、IgM:5 mLのDB中6.3μLの抗体溶液)、その後室温で3時間インキュベートした。洗浄後、発色反応を、TMB溶液および過酸化物溶液との室温で15分間のインキュベーションにより実施した。
結果を図9に示す(図9a:抗IgG1、図9b:抗IgG2、図9c:抗IgG3、図9d:抗IgG4、図9e:抗IgA、図9f:抗IgM二次抗体)。大部分の抗体サブタイプについては、コーティング抗体としての(アフィニティー精製)ポリクローナル抗体の使用により、モノクローナル抗体と比較してより高いシグナルが生じた。
実施例16:種々のアフィニティー精製ポリクローナル抗体を用いるADAMTS13免疫複合体ELISA
実施例2および3のアフィニティー精製ポリクローナル抗ADAMTS13抗体K1-4ならびに非アフィニティー精製およびアフィニティー精製抗体K1-10を、実施例7に記載した通りにNunc Maxisorp ELISAプレート上にコーティングしたが、その手順には以下の修正を加えた:ポリクローナル抗体溶液は、コーティング緩衝液希釈物中2μg/mL、4μg/mLおよび6μg/mLの濃度でコーティング抗体として使用した。希釈緩衝液は0.6 M NaClを添加して使用した。2種のサンプル:1)実施例1に従ってCHO細胞で産生させた500 ng/100μLのrADAMTS13(273.5μg/mL)を用いてスパイクしたTTP血漿、2)NHP血漿、について調べた。サンプルを希釈緩衝液で1:25に希釈し、その後4℃で一晩インキュベートした。実施例4のIgクラスまたはサブタイプ特異性を有する抗免疫グロブリン抗体を二次抗体として使用した。二次抗体を希釈緩衝液で希釈し(IgG4:8 mLの希釈緩衝液(DB)中2μLの抗体溶液、IgG1、IgG2およびIgA:8 mLのDB中4μLの抗体溶液、IgG3:8 mLのDB中8μLの抗体溶液、IgM:8 mLのDB中10μLの1:100抗体溶液)、その後室温で3時間インキュベートした。洗浄後、発色反応を、TMB溶液および過酸化物溶液との室温で15分間のインキュベーションにより実施した。
実施例2および3のアフィニティー精製ポリクローナル抗ADAMTS13抗体K1-4ならびに非アフィニティー精製およびアフィニティー精製抗体K1-10を、実施例7に記載した通りにNunc Maxisorp ELISAプレート上にコーティングしたが、その手順には以下の修正を加えた:ポリクローナル抗体溶液は、コーティング緩衝液希釈物中2μg/mL、4μg/mLおよび6μg/mLの濃度でコーティング抗体として使用した。希釈緩衝液は0.6 M NaClを添加して使用した。2種のサンプル:1)実施例1に従ってCHO細胞で産生させた500 ng/100μLのrADAMTS13(273.5μg/mL)を用いてスパイクしたTTP血漿、2)NHP血漿、について調べた。サンプルを希釈緩衝液で1:25に希釈し、その後4℃で一晩インキュベートした。実施例4のIgクラスまたはサブタイプ特異性を有する抗免疫グロブリン抗体を二次抗体として使用した。二次抗体を希釈緩衝液で希釈し(IgG4:8 mLの希釈緩衝液(DB)中2μLの抗体溶液、IgG1、IgG2およびIgA:8 mLのDB中4μLの抗体溶液、IgG3:8 mLのDB中8μLの抗体溶液、IgM:8 mLのDB中10μLの1:100抗体溶液)、その後室温で3時間インキュベートした。洗浄後、発色反応を、TMB溶液および過酸化物溶液との室温で15分間のインキュベーションにより実施した。
結果を図10に示す(図10a:抗体K1-4、図10b:抗体K1-10、アフィニティー精製物、図10c:抗体K1-10、非アフィニティー精製物)。非アフィニティー精製抗体K1-10については有意なシグナルが測定されず、このことは、追加の精製の重要性を示している。
実施例17:ポリクローナル抗ADAMTS13抗体を用いるIgG4 ELISA
実施例2および3の非アフィニティー精製抗体K1-10(プロテインGカラム溶出物)およびアフィニティー精製抗体K1-10を実施例7に記載した通りにNunc Maxisorp ELISAプレート上にコーティングしたが、その手順には以下の修正を加えた:0.95 mg/mLの濃度の非アフィニティー精製ポリクローナル抗体溶液は、コーティング抗体として10.5μLの抗体溶液を10 mLのコーティング緩衝液で希釈して使用した。0.32 mg/mLの濃度のアフィニティー精製ポリクローナル抗体溶液は、コーティング抗体として33μLの抗体溶液を10 mLのコーティング緩衝液で希釈して使用した。希釈緩衝液は0.6 M NaClを添加して使用した。調べたサンプルには、以下:1)IgG4カッパ(Sigma, 1.2 mg/mL))とIgG4ラムダ(Sigma, 1.0 mg/mL)とのIgG4 1:1混合物;2)ヒトアルブミン(Sigma, 30%);実施例1に従ってCHO細胞で産生させたADAMTS13、273,5μg/mL(無希釈)、が含まれていた。サンプルを4℃で一晩インキュベートした。IgG4サブタイプ特異性を有する抗免疫グロブリン抗体(IgG4-HRP, Lymed Laboratories 1:4000)を二次抗体として使用した。5μLの二次抗体溶液を20 mLの希釈緩衝液で希釈し、その後室温で2時間インキュベートした。洗浄後、発色反応を、TMB溶液および過酸化物溶液との室温で15分間のインキュベーションにより実施した。
実施例2および3の非アフィニティー精製抗体K1-10(プロテインGカラム溶出物)およびアフィニティー精製抗体K1-10を実施例7に記載した通りにNunc Maxisorp ELISAプレート上にコーティングしたが、その手順には以下の修正を加えた:0.95 mg/mLの濃度の非アフィニティー精製ポリクローナル抗体溶液は、コーティング抗体として10.5μLの抗体溶液を10 mLのコーティング緩衝液で希釈して使用した。0.32 mg/mLの濃度のアフィニティー精製ポリクローナル抗体溶液は、コーティング抗体として33μLの抗体溶液を10 mLのコーティング緩衝液で希釈して使用した。希釈緩衝液は0.6 M NaClを添加して使用した。調べたサンプルには、以下:1)IgG4カッパ(Sigma, 1.2 mg/mL))とIgG4ラムダ(Sigma, 1.0 mg/mL)とのIgG4 1:1混合物;2)ヒトアルブミン(Sigma, 30%);実施例1に従ってCHO細胞で産生させたADAMTS13、273,5μg/mL(無希釈)、が含まれていた。サンプルを4℃で一晩インキュベートした。IgG4サブタイプ特異性を有する抗免疫グロブリン抗体(IgG4-HRP, Lymed Laboratories 1:4000)を二次抗体として使用した。5μLの二次抗体溶液を20 mLの希釈緩衝液で希釈し、その後室温で2時間インキュベートした。洗浄後、発色反応を、TMB溶液および過酸化物溶液との室温で15分間のインキュベーションにより実施した。
結果を図11に示す(図11a:非アフィニティー精製抗体、図11b:アフィニティー精製抗体):アフィニティー精製により非特異的結合が著しく減少した。
実施例18:コーティング抗体としてヒト免疫グロブリンを用いるIgA ELISA
サブタイプ特異的抗体の交差反応性について、異なるクラスおよびサブタイプのIgを実施例7に記載した通りにNunc Maxisorp ELISAプレート上にコーティングすることにより試験した。サンプルは使用しなかった。コーティングおよびインキュベーション(4℃で一晩)後直ちに、二次HRP標識抗体を用いるインキュベーションおよびシグナル生成を行った。以下のコーティング抗体:IgG1:ヒトIgG1カッパ(Sigma, 1.2 mg/mL)およびヒトIgG1ラムダ(Sigma, 1.0 mg/mL);IgG2:ヒトIgG2カッパ(Sigma, 1.1 mg/mL)およびヒトIgG2ラムダ(Sigma, 1.08 mg/mL);IgG3:ヒトIgG3カッパ(Sigma, 1.1 mg/mL)およびヒトIgG3ラムダ(Sigma, 1.04 mg/mL);IgG4:ヒトIgG4カッパ(Sigma, 1.0 mg/mL)およびヒトIgG4ラムダ(Sigma, 1.0 mg/mL);IgA:ヒトIgA(Sigma, 1.0 mg/mL);ならびにIgM:ヒトIgM(Sigma, 1.01 mg/mL);4℃で一晩のインキュベーション中のコーティングのために1μLのIg溶液を500μLのコーティング緩衝液と合わせたもの、を使用した。希釈緩衝液には0.6 M NaClを含有させた。マウス抗ヒトIgA-HRP (Pierce 1:32000)およびヤギ抗ヒトIgA(アルファ鎖特異的)-ペルオキシダーゼ(Sigma, 1:25000)を二次抗体として使用した(Pierce ab:20 mLの希釈緩衝液中0.63μL;Sigma ab:20 mLの希釈緩衝液中0.8μL)。二次抗体を室温で3時間インキュベートした。洗浄後、発色反応を、TMB溶液および過酸化物溶液との室温で20分間のインキュベーションにより実施した。
サブタイプ特異的抗体の交差反応性について、異なるクラスおよびサブタイプのIgを実施例7に記載した通りにNunc Maxisorp ELISAプレート上にコーティングすることにより試験した。サンプルは使用しなかった。コーティングおよびインキュベーション(4℃で一晩)後直ちに、二次HRP標識抗体を用いるインキュベーションおよびシグナル生成を行った。以下のコーティング抗体:IgG1:ヒトIgG1カッパ(Sigma, 1.2 mg/mL)およびヒトIgG1ラムダ(Sigma, 1.0 mg/mL);IgG2:ヒトIgG2カッパ(Sigma, 1.1 mg/mL)およびヒトIgG2ラムダ(Sigma, 1.08 mg/mL);IgG3:ヒトIgG3カッパ(Sigma, 1.1 mg/mL)およびヒトIgG3ラムダ(Sigma, 1.04 mg/mL);IgG4:ヒトIgG4カッパ(Sigma, 1.0 mg/mL)およびヒトIgG4ラムダ(Sigma, 1.0 mg/mL);IgA:ヒトIgA(Sigma, 1.0 mg/mL);ならびにIgM:ヒトIgM(Sigma, 1.01 mg/mL);4℃で一晩のインキュベーション中のコーティングのために1μLのIg溶液を500μLのコーティング緩衝液と合わせたもの、を使用した。希釈緩衝液には0.6 M NaClを含有させた。マウス抗ヒトIgA-HRP (Pierce 1:32000)およびヤギ抗ヒトIgA(アルファ鎖特異的)-ペルオキシダーゼ(Sigma, 1:25000)を二次抗体として使用した(Pierce ab:20 mLの希釈緩衝液中0.63μL;Sigma ab:20 mLの希釈緩衝液中0.8μL)。二次抗体を室温で3時間インキュベートした。洗浄後、発色反応を、TMB溶液および過酸化物溶液との室温で20分間のインキュベーションにより実施した。
結果を図12に示す。いずれの二次抗体についても、高いコーティング抗体濃度でのみIgMとの交差反応性が観察された。
実施例19:IgG特異的抗体の免疫グロブリンサブタイプ特異性
IgGクラス特異的抗体のサブタイプ反応性について、異なるIgGサブタイプのIgを実施例7に記載した通りにNunc Maxisorp ELISAプレート上にコーティングすることにより試験した。サンプルは使用しなかった。コーティングおよびインキュベーション(4℃で一晩)後直ちに、二次HRP標識抗体を用いるインキュベーションおよびシグナル生成を行った。以下のコーティング抗体:IgG1:ヒトIgG1カッパ(Sigma, 1.2 mg/mL)およびヒトIgG1ラムダ(Sigma, 1.0 mg/mL);IgG2:ヒトIgG2カッパ(Sigma, 1.1 mg/mL)およびヒトIgG2ラムダ(Sigma, 1.08 mg/mL);IgG3:ヒトIgG3カッパ(Sigma, 1.1 mg/mL)およびヒトIgG3ラムダ(Sigma, 1.04 mg/mL);IgG4:ヒトIgG4カッパ(Sigma, 1.19 mg/mL)およびヒトIgG4ラムダ(Sigma, 1.15 mg/mL);コーティング緩衝液で4μg/mL〜0.25μg/mLの濃度に希釈したもの、を使用した。ウシ血清アルブミン(BSA)およびヒト血清アルブミン(HAS)を陰性対照として使用した。コーティング抗体を4℃で一晩インキュベートした。希釈緩衝液には0.6 M NaClを含有させた。マウス抗ヒトIgG-HRP(SouthernBiotech)を二次抗体として使用した。二次抗体を1:10に希釈し、その後室温で3時間インキュベートした。洗浄後、発色反応を、TMB溶液および過酸化物溶液との室温で10分間のインキュベーションにより実施した。
IgGクラス特異的抗体のサブタイプ反応性について、異なるIgGサブタイプのIgを実施例7に記載した通りにNunc Maxisorp ELISAプレート上にコーティングすることにより試験した。サンプルは使用しなかった。コーティングおよびインキュベーション(4℃で一晩)後直ちに、二次HRP標識抗体を用いるインキュベーションおよびシグナル生成を行った。以下のコーティング抗体:IgG1:ヒトIgG1カッパ(Sigma, 1.2 mg/mL)およびヒトIgG1ラムダ(Sigma, 1.0 mg/mL);IgG2:ヒトIgG2カッパ(Sigma, 1.1 mg/mL)およびヒトIgG2ラムダ(Sigma, 1.08 mg/mL);IgG3:ヒトIgG3カッパ(Sigma, 1.1 mg/mL)およびヒトIgG3ラムダ(Sigma, 1.04 mg/mL);IgG4:ヒトIgG4カッパ(Sigma, 1.19 mg/mL)およびヒトIgG4ラムダ(Sigma, 1.15 mg/mL);コーティング緩衝液で4μg/mL〜0.25μg/mLの濃度に希釈したもの、を使用した。ウシ血清アルブミン(BSA)およびヒト血清アルブミン(HAS)を陰性対照として使用した。コーティング抗体を4℃で一晩インキュベートした。希釈緩衝液には0.6 M NaClを含有させた。マウス抗ヒトIgG-HRP(SouthernBiotech)を二次抗体として使用した。二次抗体を1:10に希釈し、その後室温で3時間インキュベートした。洗浄後、発色反応を、TMB溶液および過酸化物溶液との室温で10分間のインキュベーションにより実施した。
結果を図13に示す。IgGクラス特異的抗体の場合、最も高い反応性がIgG1およびIgG2サブタイプに対して認められると共に、IgG3およびIgG4サブクラスに対してはより低い反応性が認められた。高濃度のコーティング抗体(4μg/mL)では、反応性はカッパ鎖およびラムダ鎖特異性に関しては同程度であった。
実施例20:抗ヒトIgG-HRP二次抗体(非サブタイプ特異的)を用いるADAMTS13免疫複合体ELISA
ポリクローナル抗ADAMTS13抗体K1-10を実施例3に記載した通りに取得および精製し、さらに実施例7に記載した通りにNunc Maxisorp ELISAプレート上にコーティングしたが、その手順には以下の修正を加えた:3.135 mg/mLの濃度を有する初期抗体溶液を、20 mLのコーティング緩衝液で2μg/mLの濃度に希釈した。インキュベーションは室温で5時間とした。希釈緩衝液は0.6 M NaClを添加して使用した。陽性サンプルとして、TTP血漿、実施例1に従ってCHO細胞で産生させた300 ng/μLのrADAMTS13(初期濃度273.5μg/mL)でスパイクしたTTP血漿を使用し、また陰性サンプルとして、NHP血漿または緩衝液を使用した。サンプルを希釈緩衝液で1:25および1:50に希釈し、その後4℃で一晩インキュベートした。二次検出抗体として、3種の異なるマウス抗ヒトIgG-HRP(Zymed Laboratories, Jackson ImmunoResearch, , SouthernBiotech,)について、3 mLの希釈緩衝液による希釈物を試験した:ZymedおよびJackson I.抗体は1:1000(第1希釈物)または1:5000(第2希釈物)に希釈し、SouthernB.抗体は1:1000(第1希釈物)および1:2000(第2希釈物)に希釈した。サンプルを室温で3時間インキュベートした。洗浄後、発色反応を、TMB溶液および過酸化物溶液との室温で20分間のインキュベーションにより実施した。
ポリクローナル抗ADAMTS13抗体K1-10を実施例3に記載した通りに取得および精製し、さらに実施例7に記載した通りにNunc Maxisorp ELISAプレート上にコーティングしたが、その手順には以下の修正を加えた:3.135 mg/mLの濃度を有する初期抗体溶液を、20 mLのコーティング緩衝液で2μg/mLの濃度に希釈した。インキュベーションは室温で5時間とした。希釈緩衝液は0.6 M NaClを添加して使用した。陽性サンプルとして、TTP血漿、実施例1に従ってCHO細胞で産生させた300 ng/μLのrADAMTS13(初期濃度273.5μg/mL)でスパイクしたTTP血漿を使用し、また陰性サンプルとして、NHP血漿または緩衝液を使用した。サンプルを希釈緩衝液で1:25および1:50に希釈し、その後4℃で一晩インキュベートした。二次検出抗体として、3種の異なるマウス抗ヒトIgG-HRP(Zymed Laboratories, Jackson ImmunoResearch, , SouthernBiotech,)について、3 mLの希釈緩衝液による希釈物を試験した:ZymedおよびJackson I.抗体は1:1000(第1希釈物)または1:5000(第2希釈物)に希釈し、SouthernB.抗体は1:1000(第1希釈物)および1:2000(第2希釈物)に希釈した。サンプルを室温で3時間インキュベートした。洗浄後、発色反応を、TMB溶液および過酸化物溶液との室温で20分間のインキュベーションにより実施した。
結果を図14に示す(図14a:rADAMTS13でスパイクしたTTP血漿;図14b:TTP血漿)。TTP血漿は全ての抗体においてNHP血漿と区別されうるものの、全てのIgGクラス特異的抗体はADAMTS13-陰性NHPサンプルに対する高バックグラウンドシグナルという問題を有する。
実施例21:マウス抗ヒトIgG特異的抗体の免疫グロブリンサブタイプ特異性
IgGクラス特異的(ただしサブタイプ特異的ではない)マウス抗体のサブタイプ反応性を、異なるIgGサブタイプのIgを実施例7に記載した通りにNunc Maxisorp ELISAプレート上にコーティングすることにより試験した。サンプルは使用しなかった。コーティングおよびインキュベーション(4℃で一晩)後直ちに、二次HRP標識抗体を用いるインキュベーションおよびシグナル生成を行った。以下のコーティング抗体:実施例19に記載したIgG1〜IgG4;IgA:ヒトIgA(Sigma I1010, ロット:057K6070, 5mgの凍結乾燥物を5 mLのPBSに希釈したもの);IgM:ヒトIgM(Sigma, 1.01 mg/mL);コーティング緩衝液を用いて4μg/mL〜0.0039μg/mLの濃度に希釈したもの、を使用した。ウシ血清アルブミン(BSA)およびヒト血清アルブミン(HAS)を陰性対照として使用した。コーティング抗体を4℃で一晩インキュベートした。希釈緩衝液に0.6 M NaClを含有させた。マウス抗ヒトIgG-HRP(SouthernBiotech)を二次抗体として使用した。二次抗体を1:10に希釈し、その後室温で3時間インキュベートした。洗浄後、発色反応を、TMB溶液および過酸化物溶液との室温で10分間のインキュベーションにより実施した。
IgGクラス特異的(ただしサブタイプ特異的ではない)マウス抗体のサブタイプ反応性を、異なるIgGサブタイプのIgを実施例7に記載した通りにNunc Maxisorp ELISAプレート上にコーティングすることにより試験した。サンプルは使用しなかった。コーティングおよびインキュベーション(4℃で一晩)後直ちに、二次HRP標識抗体を用いるインキュベーションおよびシグナル生成を行った。以下のコーティング抗体:実施例19に記載したIgG1〜IgG4;IgA:ヒトIgA(Sigma I1010, ロット:057K6070, 5mgの凍結乾燥物を5 mLのPBSに希釈したもの);IgM:ヒトIgM(Sigma, 1.01 mg/mL);コーティング緩衝液を用いて4μg/mL〜0.0039μg/mLの濃度に希釈したもの、を使用した。ウシ血清アルブミン(BSA)およびヒト血清アルブミン(HAS)を陰性対照として使用した。コーティング抗体を4℃で一晩インキュベートした。希釈緩衝液に0.6 M NaClを含有させた。マウス抗ヒトIgG-HRP(SouthernBiotech)を二次抗体として使用した。二次抗体を1:10に希釈し、その後室温で3時間インキュベートした。洗浄後、発色反応を、TMB溶液および過酸化物溶液との室温で10分間のインキュベーションにより実施した。
結果を図15に示す。IgGクラス特異的抗体の場合、高濃度(4μg/mL)でIgG1〜IgG4サブタイプ全てに対して反応性が認められた。
実施例22:抗ヒトIgG-HRP二次抗体(非サブタイプ特異的)を用いるADAMTS13免疫複合体のELISA
ポリクローナル抗ADAMTS13抗体K1-10を実施例3に記載した通りに取得および精製し、さらに実施例7に記載した通りにNunc Maxisorp ELISAプレート上にコーティングしたが、その手順には以下の修正を加えた:3.135 mg/mLの濃度を有する初期抗体溶液を、10 mLのコーティング緩衝液で1または2μg/mLの濃度に希釈した。インキュベーションは室温で6時間とした。希釈緩衝液は0.6 M NaClを添加して使用した。陽性サンプルとして、TTP血漿、および実施例1に従ってCHO細胞で産生させた300 ng/μLのrADAMTS13を用いてスパイクしたTTP血漿を使用し、また陰性サンプルとして、NHP血漿または緩衝液を使用した。サンプルを希釈緩衝液で1:25および1:50に希釈し、その後4℃で一晩インキュベートした。二次検出抗体として、マウス抗ヒトIgG-HRP(SouthernBiotech,)を、10 mLの希釈緩衝液を合わせた1:16000、1:32000および1:64000希釈物として使用した。抗体を室温で3時間インキュベートした。洗浄後、発色反応を、TMB溶液および過酸化物溶液との室温で20分間のインキュベーションにより実施した。
ポリクローナル抗ADAMTS13抗体K1-10を実施例3に記載した通りに取得および精製し、さらに実施例7に記載した通りにNunc Maxisorp ELISAプレート上にコーティングしたが、その手順には以下の修正を加えた:3.135 mg/mLの濃度を有する初期抗体溶液を、10 mLのコーティング緩衝液で1または2μg/mLの濃度に希釈した。インキュベーションは室温で6時間とした。希釈緩衝液は0.6 M NaClを添加して使用した。陽性サンプルとして、TTP血漿、および実施例1に従ってCHO細胞で産生させた300 ng/μLのrADAMTS13を用いてスパイクしたTTP血漿を使用し、また陰性サンプルとして、NHP血漿または緩衝液を使用した。サンプルを希釈緩衝液で1:25および1:50に希釈し、その後4℃で一晩インキュベートした。二次検出抗体として、マウス抗ヒトIgG-HRP(SouthernBiotech,)を、10 mLの希釈緩衝液を合わせた1:16000、1:32000および1:64000希釈物として使用した。抗体を室温で3時間インキュベートした。洗浄後、発色反応を、TMB溶液および過酸化物溶液との室温で20分間のインキュベーションにより実施した。
結果を図16に示す(図16a:rADAMTS13でスパイクしたTTP血漿;図16b:TTP血漿)。TTP血漿は全ての抗体希釈物においてNHP血漿と区別されうるものの、IgGクラス特異的抗体はADAMTS13-陰性NHPサンプルに関するバックグラウンドシグナルという問題を有する。
実施例23:イオン条件
塩濃度およびイオン強度の影響について、ADAMTS13免疫複合体ELISAで調べた。ポリクローナル抗ADAMTS13抗体K1-10を実施例3に記載した通りに取得および精製し、さらに実施例7に記載した通りにNunc Maxisorp ELISAプレート上にコーティングしたが、その手順には以下の修正を加えた:3.135 mg/mLの濃度を有する初期抗体溶液を、10 mLのコーティング緩衝液で1μg/mL(IgG4試験用)または2μg/mL(IgG1〜3、IgAおよびIgM試験用)の濃度に希釈した。インキュベーションは室温で6時間とした。
塩濃度およびイオン強度の影響について、ADAMTS13免疫複合体ELISAで調べた。ポリクローナル抗ADAMTS13抗体K1-10を実施例3に記載した通りに取得および精製し、さらに実施例7に記載した通りにNunc Maxisorp ELISAプレート上にコーティングしたが、その手順には以下の修正を加えた:3.135 mg/mLの濃度を有する初期抗体溶液を、10 mLのコーティング緩衝液で1μg/mL(IgG4試験用)または2μg/mL(IgG1〜3、IgAおよびIgM試験用)の濃度に希釈した。インキュベーションは室温で6時間とした。
希釈緩衝液には、NaClを0.25 M、0.5 Mおよび1 M NaClの濃度で添加し、PBS-T緩衝液と混合して0.1 M、0.4 M、0.6 Mおよび1.1 M NaClの濃度とした。
陽性サンプルとして、TTP血漿(IgG4試験用)、および実施例1に従ってCHO細胞で産生させた300 ng/μLのrADAMTS13を用いてスパイクしたTTP血漿(IgG1〜3、IgAおよびIgM試験用)を使用し、また陰性サンプルとして、NHP血漿または緩衝液を使用した。サンプルを、追加のNaClを所与の濃度で含む希釈緩衝液で希釈し(TTP:104μLの血清+2496μLの希釈緩衝液、TTP+rA13:24μLの血清+596μLの希釈緩衝液、NHP:120μLの血清+2880μLの希釈緩衝液)、その後4℃で一晩インキュベートした。二次検出抗体として、実施例4のサブタイプ特異的抗体を、1:1000(抗IgG3)、1:2000(抗IgG1、抗IgG2)、1:4000 (抗IgG4)、1:25000(抗IgA)または1:80000(抗IgM)の希釈度で使用した。二次抗体は、NaClを添加しない希釈緩衝液、または指示量のNaClを添加した希釈緩衝液で希釈した。抗体溶液を室温で3時間インキュベートした。洗浄後、発色反応を、TMB溶液および過酸化物溶液との室温で15分間のインキュベーションにより実施した。
結果を図17に示す(図17a:抗IgG1、図17b:抗IgG2、図17c:抗IgG3、図17d:抗IgG4、図17e:抗IgA、図17f:抗IgM二次抗体)。殆どの二次抗体にとってはより高い塩濃度が好ましい:より高いシグナルが低塩条件において観察されうるが、シグナル対ノイズ比は概して高塩条件の方が良い。非常に良いシグナル(TTP)対ノイズ(NHP)比がIgG3およびIgG4について認められた。高塩の有益な影響がIgAおよびIgMについて認められたが、IgG4およびIgG3について見られたものほど顕著ではなかった。IgG1の場合、追加の塩を含まない方が結果は良かったが、高塩を用いた際の比は依然として許容範囲内であった。
実施例24:ADAMTS13免疫複合体ELISA:個々のTTPサンプルの試験
実施例5の個々の患者のTTP血漿サンプルについて、ADAMTS13免疫複合体アッセイで試験した。ポリクローナル抗ADAMTS13抗体K1-10を実施例3に記載した通りに取得および精製し、さらに実施例7に記載した通りにNunc Maxisorp ELISAプレート上にコーティングしたが、その手順には以下の修正を加えた:3.135 mg/mLの濃度を有する初期抗体溶液を、80 mLのコーティング緩衝液で2μg/mLに、または20 mLのコーティング緩衝液で1μg/mLに希釈し;IgAおよびIgM試験のために、コーティング抗体を160 mLのコーティング緩衝液に添加して2μg/mLに希釈した。インキュベーションは室温で6時間(IgG試験の場合)または5時間(IgAおよびIgM試験の場合)とした。希釈緩衝液は0.6 M NaClを添加して使用した。陽性対照TTPプール血漿(実施例23に記載したもの)、陰性対照NHPプール血漿(標準血漿)および個々のTTP患者の血漿サンプルを希釈緩衝液で1:25に希釈し(1800μLの希釈緩衝液中72μLの血漿または864μLの希釈緩衝液中36μLの血漿)、その後追加の試験のために段階的にさらに1:400まで希釈した。血漿サンプルを4℃で一晩インキュベートした。二次検出抗体として、IgG1〜4サブタイプ特異的抗体を実施例4に従って使用した(マウス抗ヒトIgG1-HRP, Zymed, 1:2000希釈物として使用;マウス抗ヒトIgG2-HRP, SouthernBioTech, 1:2000希釈物として使用;マウス抗ヒトIgG3-HRP, Zymed, 1:1000希釈物として使用;マウス抗ヒトIgG4-HRP, Zymed, 1:4000希釈物として使用;ヤギ抗ヒトIgA-HRP, Sigma, 1:25000希釈物として使用;IgM ヤギ抗ヒトIgM(μ鎖特異的)-HRP, Sigma, 1:80000希釈物として使用)。二次抗体を室温で3時間インキュベートした。洗浄後、発色反応を、TMB溶液および過酸化物溶液との室温で20分間のインキュベーションにより実施した。
実施例5の個々の患者のTTP血漿サンプルについて、ADAMTS13免疫複合体アッセイで試験した。ポリクローナル抗ADAMTS13抗体K1-10を実施例3に記載した通りに取得および精製し、さらに実施例7に記載した通りにNunc Maxisorp ELISAプレート上にコーティングしたが、その手順には以下の修正を加えた:3.135 mg/mLの濃度を有する初期抗体溶液を、80 mLのコーティング緩衝液で2μg/mLに、または20 mLのコーティング緩衝液で1μg/mLに希釈し;IgAおよびIgM試験のために、コーティング抗体を160 mLのコーティング緩衝液に添加して2μg/mLに希釈した。インキュベーションは室温で6時間(IgG試験の場合)または5時間(IgAおよびIgM試験の場合)とした。希釈緩衝液は0.6 M NaClを添加して使用した。陽性対照TTPプール血漿(実施例23に記載したもの)、陰性対照NHPプール血漿(標準血漿)および個々のTTP患者の血漿サンプルを希釈緩衝液で1:25に希釈し(1800μLの希釈緩衝液中72μLの血漿または864μLの希釈緩衝液中36μLの血漿)、その後追加の試験のために段階的にさらに1:400まで希釈した。血漿サンプルを4℃で一晩インキュベートした。二次検出抗体として、IgG1〜4サブタイプ特異的抗体を実施例4に従って使用した(マウス抗ヒトIgG1-HRP, Zymed, 1:2000希釈物として使用;マウス抗ヒトIgG2-HRP, SouthernBioTech, 1:2000希釈物として使用;マウス抗ヒトIgG3-HRP, Zymed, 1:1000希釈物として使用;マウス抗ヒトIgG4-HRP, Zymed, 1:4000希釈物として使用;ヤギ抗ヒトIgA-HRP, Sigma, 1:25000希釈物として使用;IgM ヤギ抗ヒトIgM(μ鎖特異的)-HRP, Sigma, 1:80000希釈物として使用)。二次抗体を室温で3時間インキュベートした。洗浄後、発色反応を、TMB溶液および過酸化物溶液との室温で20分間のインキュベーションにより実施した。
選択した患者サンプルを図18に示す(図18a:抗IgG1、図18b:抗IgG2、図18c:抗IgG3、図18d:抗IgG4、図18e:抗IgA、図18f:抗IgM)。陽性対照の結果は、通常は図示したシグナル範囲を上回っており:IgG1では、ODサンプル/OD標準比は、1:25希釈物の場合は15.0、1:50希釈物の場合は12.1、1:100希釈物の場合は8.4、1:200希釈物の場合は4.1であり、また1:400希釈物の場合は2.7であり;
IgG2では、ODサンプル/OD標準比は、1:25希釈物の場合は3.40であり、1:50希釈物の場合は1.48であり、1:100希釈物の場合は0.84であり、1:200希釈物の場合は1.23であり、また1:400希釈物の場合は1.19であり;
IgG3では、ODサンプル/OD標準比は、1:25希釈物の場合は15.6であり、1:50希釈物の場合は15.3であり、1:100希釈物の場合は11.6であり、1:200希釈物の場合は8.0であり、また1:400希釈物の場合は4.4であり;
IgG4では、ODサンプル/OD標準比は、1:25希釈物の場合は17.3であり、1:50希釈物の場合は14.9であり、1:100希釈物の場合は10.1であり、1:200希釈物の場合は7.6であり、また1:400希釈物の場合は5.4であり;
IgAでは、ODサンプル/OD標準比は、1:25希釈物の場合は8.4であり、1:50希釈物の場合は10.8であり、1:100希釈物の場合は10.3であり、1:200希釈物の場合は7.9であり、また1:400希釈物の場合は4.4であり;
IgMでは、ODサンプル/OD標準比は、1:25希釈物の場合は5.1であり、1:50希釈物の場合は4.6であり、1:100希釈物の場合は3.6であり、1:200希釈物の場合は2.3であり、また1:400希釈物の場合は1.6であった。カットオフポイントは統計学的に決定したものであり、1.0〜1.4のODサンプル/OD標準比の範囲内にある。確認された後天性TTP患者の検出可能なADAMTS13 IgG1免疫複合体は、全ての患者において新規ADAMTS13アッセイを用いて検出することができた。ある患者のサンプル(患者40)は、カットオフ値をほんの僅かに上回っていた。感度がもっと低い方法を用いていたら、この患者は誤診されていたのではないかと思われる。驚いたことに、この患者は高いIgG2力価を示した。IgG2シグナルは、通常はカットオフ値に極めて近い。陽性および陰性患者の血清試験について表2に要約した。
IgG2では、ODサンプル/OD標準比は、1:25希釈物の場合は3.40であり、1:50希釈物の場合は1.48であり、1:100希釈物の場合は0.84であり、1:200希釈物の場合は1.23であり、また1:400希釈物の場合は1.19であり;
IgG3では、ODサンプル/OD標準比は、1:25希釈物の場合は15.6であり、1:50希釈物の場合は15.3であり、1:100希釈物の場合は11.6であり、1:200希釈物の場合は8.0であり、また1:400希釈物の場合は4.4であり;
IgG4では、ODサンプル/OD標準比は、1:25希釈物の場合は17.3であり、1:50希釈物の場合は14.9であり、1:100希釈物の場合は10.1であり、1:200希釈物の場合は7.6であり、また1:400希釈物の場合は5.4であり;
IgAでは、ODサンプル/OD標準比は、1:25希釈物の場合は8.4であり、1:50希釈物の場合は10.8であり、1:100希釈物の場合は10.3であり、1:200希釈物の場合は7.9であり、また1:400希釈物の場合は4.4であり;
IgMでは、ODサンプル/OD標準比は、1:25希釈物の場合は5.1であり、1:50希釈物の場合は4.6であり、1:100希釈物の場合は3.6であり、1:200希釈物の場合は2.3であり、また1:400希釈物の場合は1.6であった。カットオフポイントは統計学的に決定したものであり、1.0〜1.4のODサンプル/OD標準比の範囲内にある。確認された後天性TTP患者の検出可能なADAMTS13 IgG1免疫複合体は、全ての患者において新規ADAMTS13アッセイを用いて検出することができた。ある患者のサンプル(患者40)は、カットオフ値をほんの僅かに上回っていた。感度がもっと低い方法を用いていたら、この患者は誤診されていたのではないかと思われる。驚いたことに、この患者は高いIgG2力価を示した。IgG2シグナルは、通常はカットオフ値に極めて近い。陽性および陰性患者の血清試験について表2に要約した。
実施例25:イオン条件、IgG1サブタイプ二次抗体
塩濃度およびイオン強度の影響について、ADAMTS13免疫複合体ELISAで試験した。ウサギポリクローナル抗ヒトADAMTS13抗体K1-10を、コーティング緩衝液(0.05 M 炭酸-重炭酸塩緩衝液 pH 9,6, 25℃)で2μg/mLの濃度に希釈し、さらにELISAプレート(Maxisorp;Nunc, Rochester, NY)の表面にコーティングした。250μL/ウェルの洗浄緩衝液(PBS-T:0.01%Tween 20を添加したPBS)で4回洗浄した後、遊離結合部位を、200μL/ウェルのブロッキング緩衝液(0.5%脱脂粉乳を含むPBS-T:0.01%Tween 20を添加したPBS)を用いて室温で2時間ブロックした。
塩濃度およびイオン強度の影響について、ADAMTS13免疫複合体ELISAで試験した。ウサギポリクローナル抗ヒトADAMTS13抗体K1-10を、コーティング緩衝液(0.05 M 炭酸-重炭酸塩緩衝液 pH 9,6, 25℃)で2μg/mLの濃度に希釈し、さらにELISAプレート(Maxisorp;Nunc, Rochester, NY)の表面にコーティングした。250μL/ウェルの洗浄緩衝液(PBS-T:0.01%Tween 20を添加したPBS)で4回洗浄した後、遊離結合部位を、200μL/ウェルのブロッキング緩衝液(0.5%脱脂粉乳を含むPBS-T:0.01%Tween 20を添加したPBS)を用いて室温で2時間ブロックした。
rADAMTS13でスパイクしたTTP血漿サンプル、またはNHP血漿サンプルを、希釈緩衝液(脱脂粉乳を含み、場合によっては1.1 M、0.6 M、0.4 M、または0.1 M NaClであるPBS-T)に1:25まで希釈した。希釈したサンプルを添加し(100μL/ウェル)、その後4℃で一晩インキュベートした。ウェルを250μL/ウェルの洗浄緩衝液で4回洗浄した。抗IgG1抗体(マウス抗ヒトIgG1-HRP、Fitzgerald Cat. No.:61R-I110aHRP)を二次抗体(希釈緩衝液に1:32000および1:64000で希釈したもの)として100μL/ウェルで添加し、その後室温で3時間インキュベートした。該ウェルを、250μL/ウェルの洗浄緩衝液で4回洗浄した。TMB溶液および過酸化物溶液(Immuno Pure TMB Substrate, Pierce)を等量ずつ、100μL/ウェルの総基質量で添加した。反応を、100μLの2 M H2SO4の添加により停止させた。発色反応をTecan ELISA-Readerで450 nmと620 nmにて測定した。結果はサンプルODと対照ODとの比として算出した。結果を図19に示す。
実施例26:イオン条件、IgG4サブタイプ二次抗体
塩濃度およびイオン強度の影響について、ADAMTS13免疫複合体ELISAで試験した。ウサギポリクローナル抗ヒトADAMTS13抗体K1-10を、コーティング緩衝液(0.05 M 炭酸-重炭酸塩緩衝液 pH 9,6, 25℃)で2μg/mLの濃度に希釈し、さらにELISAプレート(Maxisorp;Nunc, Rochester, NY)の表面にコーティングした。250μL/ウェルの洗浄緩衝液(PBS-T:0.01%Tween 20を添加したPBS)で4回洗浄した後、遊離結合部位を、200μL/ウェルのブロッキング緩衝液(0.5%脱脂粉乳を含むPBS-T:0.01%Tween 20を添加したPBS)を用いて室温で2時間ブロックした。
塩濃度およびイオン強度の影響について、ADAMTS13免疫複合体ELISAで試験した。ウサギポリクローナル抗ヒトADAMTS13抗体K1-10を、コーティング緩衝液(0.05 M 炭酸-重炭酸塩緩衝液 pH 9,6, 25℃)で2μg/mLの濃度に希釈し、さらにELISAプレート(Maxisorp;Nunc, Rochester, NY)の表面にコーティングした。250μL/ウェルの洗浄緩衝液(PBS-T:0.01%Tween 20を添加したPBS)で4回洗浄した後、遊離結合部位を、200μL/ウェルのブロッキング緩衝液(0.5%脱脂粉乳を含むPBS-T:0.01%Tween 20を添加したPBS)を用いて室温で2時間ブロックした。
サンプルを希釈緩衝液(0.5%脱脂粉乳を含み、場合によっては1.1 M、0.6 M、0.4 M、または0.1 M NaClであるPBS-T)に1:25まで希釈した。希釈したサンプルを添加し(100μL/ウェル)、その後4℃で一晩インキュベートした。ウェルを250μL/ウェルの洗浄緩衝液で4回洗浄した。抗IgG4抗体(マウス抗ヒトIgG4-HRP抗体(Invitrogen, Cat. No.:A10654またはAbD Serotec, Cat. No. MCA20980)を二次抗体(希釈緩衝液に1:32000で希釈したInvitrogen抗体および1:2000で希釈したAbD Serotec抗体)として100μL/ウェルで添加し、その後室温で3時間インキュベートした。該ウェルを、250μL/ウェルの洗浄緩衝液で4回洗浄した。TMB溶液および過酸化物溶液(Immuno Pure TMB Substrate, Pierce)を等量ずつ、100μL/ウェルの総基質量で添加した。反応を100μLの2 M H2SO4の添加により停止させた。発色反応をTecan ELISA-Readerで450 nmと620 nmにて測定した。結果はサンプルODと対照ODとの比として算出した。結果を図20に示す。
実施例27:IgG ELISA交差反応性 二次抗体の交差反応性
実施例25のIgG1抗体および実施例26のIgG4抗体の交差反応性について、異なるクラスおよびサブタイプのIgをNunc Maxisortp ELISAプレート上にコーティングすることにより試験した。サンプルは使用しなかった。コーティングおよびインキュベーション(4℃で一晩)の後直ちに、該プレートを洗浄し、その後250μL/ウェルのブロッキング緩衝液を添加した。前記二次抗体(IgG1、実施例26またはIgG4、実施例27)を添加し、その後シグナル生成を測定した。次のコーティング抗体:IgG1:ヒトIgG1カッパ(Sigma, 1.2 mg/mL)およびヒトIgG1ラムダ(Sigma, 1.0 mg/mL);IgG2:ヒトIgG2カッパ(Sigma, 1.1 mg/mL)およびヒトIgG2ラムダ(Sigma, 1.08 mg/mL);IgG3:ヒトIgG3カッパ(Sigma, 1.1 mg/mL)およびヒトIgG3ラムダ(Sigma, 1.04 mg/mL);IgG4:ヒトIgG4カッパ(Sigma, 1.2 mg/mL)およびヒトIgG4ラムダ(Sigma, 1.1 mg/mL);IgA:ヒトIgA(Sigma, 1.0 mg/mL);IgM:ヒトIgM(Sigma, 1.0 mg/mL)ならびにヒト血清由来のIgG(Sigma, 6.4 mg/mL)、を使用した。
実施例25のIgG1抗体および実施例26のIgG4抗体の交差反応性について、異なるクラスおよびサブタイプのIgをNunc Maxisortp ELISAプレート上にコーティングすることにより試験した。サンプルは使用しなかった。コーティングおよびインキュベーション(4℃で一晩)の後直ちに、該プレートを洗浄し、その後250μL/ウェルのブロッキング緩衝液を添加した。前記二次抗体(IgG1、実施例26またはIgG4、実施例27)を添加し、その後シグナル生成を測定した。次のコーティング抗体:IgG1:ヒトIgG1カッパ(Sigma, 1.2 mg/mL)およびヒトIgG1ラムダ(Sigma, 1.0 mg/mL);IgG2:ヒトIgG2カッパ(Sigma, 1.1 mg/mL)およびヒトIgG2ラムダ(Sigma, 1.08 mg/mL);IgG3:ヒトIgG3カッパ(Sigma, 1.1 mg/mL)およびヒトIgG3ラムダ(Sigma, 1.04 mg/mL);IgG4:ヒトIgG4カッパ(Sigma, 1.2 mg/mL)およびヒトIgG4ラムダ(Sigma, 1.1 mg/mL);IgA:ヒトIgA(Sigma, 1.0 mg/mL);IgM:ヒトIgM(Sigma, 1.0 mg/mL)ならびにヒト血清由来のIgG(Sigma, 6.4 mg/mL)、を使用した。
結果を図21および22に示す。グラフは指示濃度の抗体のシグナルを示したものである。
参考文献
下記参考文献は、これらの文献が本明細書中で検討した主題および対象に関連するその範囲に限り、参照により明確に組み込まれるものとする。
下記参考文献は、これらの文献が本明細書中で検討した主題および対象に関連するその範囲に限り、参照により明確に組み込まれるものとする。
Claims (29)
- サンプル中の抗ADAMTS13抗体-ADAMTS13免疫複合体を検出または測定するための方法であって、該サンプルをADAMTS13結合ユニットと接触させること、該サンプルと抗体結合ユニットを接触させること、ならびに該ADAMTS13結合ユニットおよび該抗体結合ユニットにより結合された抗ADAMTS13抗体-ADAMTS13免疫複合体を検出することを含む、上記方法。
- 前記サンプル中の遊離抗ADAMTS13抗体を検出することをさらに含む、請求項1記載の方法。
- 遊離抗ADAMTS13抗体を検出または測定する前記方法が、該遊離抗ADAMTS13抗体をADAMTS13またはその断片に結合させること、およびADAMTS13または該断片に結合した抗ADAMTS13抗体を該抗ADAMTS13抗体に特異的な抗体結合ユニットを用いて検出することを含む、請求項2記載の方法。
- 前記サンプル中の遊離ADAMTS13を検出もしくは測定すること、または前記サンプル中のADAMTS13活性を測定することをさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
- 遊離ADAMTS13を検出または測定することが、前記サンプルをADAMTS13結合ユニットと接触させること、および該ADAMTS13結合ユニットにより結合されたADAMTS13を検出することを含む、請求項4記載の方法。
- ADAMTS13活性を測定することが、前記サンプルをADAMTS13の基質と、ADAMTS13が該基質を切断する活性を示す条件下で接触させること、および該基質の切断産物を測定することを含む、請求項4記載の方法。
- 前記抗体結合ユニットが抗体サブタイプまたは抗体クラスに特異的である、請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
- 前記抗体クラスがIgG、IgM、IgA、IgD、IgEから選択される、請求項7記載の方法。
- 前記抗体サブタイプがIgG1、IgG2、IgG3、IgG4から選択される、請求項7記載の方法。
- 前記抗体結合ユニットが抗体のFc部分を認識する、請求項1〜9のいずれか1項記載の方法。
- 前記抗体結合ユニットが抗-抗体抗体または抗体受容体である、請求項1〜10のいずれか1項記載の方法。
- 前記ADAMTS13結合ユニットが抗ADAMTS13抗体である、請求項1〜11のいずれか1項記載の方法。
- 前記抗ADAMTS13抗体がポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、または2種以上のモノクローナル抗体の混合物である、請求項12記載の方法。
- 前記抗ADAMTS13抗体が、さらにADAMTS13と接触させることにより免疫精製またはアフィニティー精製されたポリクローナル抗体である、請求項12記載の方法。
- 前記ADAMTS13結合ユニットまたは前記ADAMTS13もしくはその断片が標識されている、請求項1〜14のいずれか1項記載の方法。
- 前記ADAMTS13結合ユニットまたは前記ADAMTS13もしくはその断片が固定化されている、請求項1〜15のいずれか1項記載の方法。
- 前記抗体結合ユニットが標識されている、請求項1〜16のいずれか1項記載の方法。
- 前記抗体結合ユニットが固定化されている、請求項1〜17のいずれか1項記載の方法。
- 前記サンプルをヒトから取得する、請求項1〜18のいずれか1項記載の方法。
- 前記抗体結合ユニットがヒト抗体を認識する、請求項1〜19のいずれか1項記載の方法。
- 前記の結合反応または前記の検出工程においてイオン強度が少なくとも0.4 Nである、請求項1〜20のいずれか1項記載の方法。
- 前記の結合反応または検出工程において塩濃度が少なくとも0.4 M NaClである、請求項1〜21のいずれか1項記載の方法。
- 前記サンプルを、ADAMTS13機能障害に関連する疾患を有するかまたは有する疑いがある患者から取得する、請求項1〜22のいずれか1項記載の方法。
- 前記患者がADAMTS13補充療法を受けている、請求項23記載の方法。
- 患者においてADAMTS13機能障害に関連する疾患を診断する方法であって、患者からサンプルを取得すること、および請求項1〜24のいずれか1項記載の方法に従って該サンプル中のADAMTS13免疫複合体を検出することを含む、上記方法。
- ADAMTS13補充療法をモニタリングする方法であって、該療法が、ADAMTS13を患者に投与すること、患者からサンプルを取得すること、および請求項1〜24のいずれか1項記載の方法に従って該サンプル中のADAMTS13免疫複合体を検出することを含む、上記方法。
- 前記疾患がTTP、特に後天性TTPである、請求項23〜26のいずれか1項記載の方法。
- ADAMTS13結合ユニットおよび抗体結合ユニットを含むキット。
- ADAMTS13またはその断片およびADAMTS13の基質の群から選択される1つ以上をさらに含む、請求項28記載のキット。
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