JP3878668B2 - 血栓性疾患の治療 - Google Patents
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Description
血栓症は、心臓や脳のような重要な器官に血液を供給する血管を遮断(閉塞)する凝血塊(血栓または塞栓)の形成に集約される疾病過程である。これら血栓が治療されなければ、心臓発作(心筋梗塞)、肺塞栓症または脳卒中による死を招く結果となり得る。これら生命を脅かす血栓症の形の外に、主として、血管網中の凝血塊が不都合に形成されることによる小血栓による多数の疾患がある。例として、深部静脈血栓症、そして、さらに深刻なものとしては、敗血症性ショックに至る細菌によって起る血栓症があげられる。血栓症が起る機構は極めて複雑で、十分理解されていないが、ある場合には、血管壁の罹病部分(アテローム病巣)が、傷害を受けた部位における血小板やフィブリンの沈積物のような血液成分の集積からなる血液凝固(止血)の正常治療過程を受けることによって開始されると考えられる。
ある時点では、治療が行われなければ、このような血栓は、十分大きく生長して、形成部位における血管を閉塞するか、ちぎれて、血流中を運ばれ、ついにはもっと径の小さい血管を遮断する(この現象は、塞栓と呼ばれている)。
現在では、血栓性疾患の治療は、大ざっぱに、以下の如く、2つのよく知られた治療形式に限定されている。
1. 抗血液凝固剤での凝血塊形成の予防、そして、
2. プラスミノーゲンからプラスミンの産生を活性化させるために、組織プラスミノーゲンアクティベーター(TPA)を投与することによってフィブリン凝固物を開裂させること。
しかし、今までのところ、上述のような仕方で血管を閉塞することが多い、血小板凝集物を、治療有効量で特異的に溶解するか、または脱凝集させることができる物質は同定されていない。(治療有効量とは、患者が受入れることができる量で、一般蛋白質分解のようなリスクが受入れることができる程度に低い用量である)。
血小板凝集物中に存在する血小板間の結合には、フィブリノーゲンが関与しているが、フィブリノーゲンを分解する性質をもった物質が、血小板凝集物の脱凝集を行う能力を必然的にもっているというような直接的相関は存在しない。血小板凝集物の脱凝集を行う能力をもたない血栓溶解剤が同定され、多数のフィブリン溶解酵素は、血小板凝集物を脱凝集できないことが知られている。例えば、ストレプトキナーゼやウロキナーゼのようなプラスミノーゲンやアクティベーターは、血小板凝集物を脱凝集しないし、トロンビンのようなN末端フィブリノーゲナーゼやヘビ毒から単離されたフィブリゲナーゼにもこの活性はない。
それぞれ、フィブリン凝集塊と血小板凝集物を粉砕する上でのヘメンティンとプラスミノーゲンアクティベーターの異なる役割、したがって、作用様式は、図1に図解されている。プラスミノーゲンアクティベーターは、プラスミノーゲンのフィブリン凝集塊に作用するプラスミンへの転換を促進する。それと対照的に、ヘメンティンは、血小板のフィブリノーゲン開裂に優先的に作用し、その開裂によって、引続いて凝集物の脱凝集を起すことが分った。
血小板凝集物の脱凝集は、治療的に有効な方法で凝集物を特異的酵素(フィブリノゲナーゼのような)で処理することによっては、不可能であると考えられた。
TPAは、過度に高い濃度(すなわち、治療有効量よりかなり過剰な量において)で、プロスミンによるフィブリノーゲン架橋結合血小板の蛋白質分解によって、血小板凝集物の脱凝集を促進することが知られている。しかし、TPAは、血小板凝集物を選択的に脱凝集しない。その上、循環系中の他の凝固因子(X因子など)に対し、有害な作用をもっており、血管網中の修復領域中に生ずる血止め栓の溶解を起す。プラスミノーゲンアクティベーターのこの非特異的作用は、このような血栓溶解剤に関して起ることが多い出血の原因となることがあると示唆されている。TPAの作用は、非特異的プロテアーゼの作用と類似しており、血小板凝集物のフィブリノーゲン結合に対して特異性がない。
in vivoで血小板凝集物を脱凝集するためにTPAを使用することを妨げるもう1つの要因は、投与したTPAが望ましい治療効果を発揮するためには、受入れ難い高用量を必要とすると考えられることである。その上、TPAは血漿によって阻害を受ける。そして、そのために、TPAを、それが血小板凝集物に対して、脱凝集活性を保持するためには、連続的灌流としてTPAを投与することが必要となると考えられる。
哺乳動物の心血管系において、活性を有する種々の物質が、ヒルの分泌物中に存在することが知られている。これらの中には、Haementeria ghilianiiのようなRhynchohdellidia目のヒルに由来するフィブリン溶解酵素であるヘメンティンがある。ヘメンティンとその単離は、U.S.特許4390630中に記載されている。
ヘメンティンのフィブリノーゲン溶解活性は、Malinconico S.M. ;Katz J.B.とBudzynski A.Z.によって、“ヘメンティンによるフィブリノーゲン分解−ヒル、Haementeria ghilianilの唾腺からのフィブリノーゲン溶解性凝固剤”、J. Lab. Clin. Med.1984;104(5)pp842−854において記述されている。この論文、または上述の米国特許4390630には、ヘメンティンが他のフィブリノーゲン溶解酵素と比較して、血小板凝集物を脱凝集する特異的能力があるというなんらのヒントも示唆もない。
本発明者らは、今回、ヘメンティンを含む組成物について、予期しない性質を発見した。すなわち、治療有効量において、他の凝固因子や血液凝固に作用せずに、フィブリノーゲン開裂を経て、血小板凝集物を特異的に溶解するin vivoにおける能力である。
したがって、本発明の最初の部分によれば、動物の患者(ヒトのような)に対して、血小板凝集物を、容積で比較して優先的に含む部位において、該凝集物を脱凝集させる量と方法で、ヘメンティンを含む組成物の治療的有効量を投与することを含む、血栓疾患の治療の方法が提供されている。
ヘメンティンが、血小板凝集物を脱凝集する、したがって、血小板に富んだ凝血塊を溶解する詳細な機構は、独特であるように思われる。他のフィブリノーゲン溶解性酵素は、優先的に、
1. 例えば、プラスミンと若干のヘビ毒(この露出したAの鎖もトリプシンのような一般的プロテアーゼによって、酵素的攻撃を受け易い)のように、フィブリノーゲンの露出したAの鎖のCOOH−末端において開裂を起すか、または、
2. トロンビンや若干のヘビ毒のように、フィブリノーゲン分子のアミノ末端において開裂を起す。これは、主としてフィブリノペプチドAそして/またはフィブリノペプチドB、(または同様な短鎖ペプチド断片)の除去に関るもので、この除去により、通常は、依然として重合することができ、したがって、主としてフィブリンを含む凝血を形成することができる成分を、結果として生成する。
ヘメンティンは、DとEのドメインの間の結合部領域における3つの鎖(α,β,γ)を通じて最初に開裂を起すことが知られている唯一の酵素である。(Kirschbaum, N.E.とBudzynski, A.Z.1990)“天然分子のAa COOH−末端ドメインを含んでいて(J. Biol. Chem265:13669−13676):後に血小板凝集物(治療的に有効な量で)を脱凝集させることができるヒトフィブリノーゲンの独特な蛋白質分解性断片。この部位における開裂は、血小板に結合したフィブリノーゲンの2価の結合の性質をこわすために、最も利用し易く、効果的であると仮定されている(Sawyer, R.T.,Powell-Jones, C.とMunro, R.1991,アマゾンのヒルHaementeria ghiliammiの吻におけるヘメンティンの生物学的機能;Blood coagulation and Fibrinolysis vol.2,pp153−159)。上述の特許または論文中においては、ヘメンティンの一次構造について、なんらヒントも示唆も存在していない。
本発明の第二の部分によれば、血栓性疾患の治療法が提供されており、その方法は、動物の患者(ヒトの患者のような)に、血小板凝集物を優先的に(容積で)含む凝血塊が存在する部位において、該血小板凝集物のフィブリノーゲン結合のDとEのドメインの間を優先的に開裂させることができる物質の治療的有効量を該凝集物を脱凝集させるような量と方法で、投与することを内容としている血栓性疾患を治療する方法が提供されている。
本発明による方法によって治療された血小板凝集物は、治療を行わなければ、血管を開塞し、心臓発作、肺塞栓症または卒中、そして/または、その他の大小の血液供給障害の症状発現によって病気を起すかもしれない凝血塊であってよい。
肺塞栓症に罹患している患者は、赤血球沈降速度(ESR)の加速を経験するのが典型的である。このような患者にヘメンティンを含む組成物を、本発明の方法にしたがって投与すると加速されたESRを減速することが、今や明らかにされた。その上、ESRを減速させるヘメンティン含有組成物の作用から、また加速されたESRは、なんらかの方法で、赤血球とフィブリノーゲンの相互作用に関係づけられることを示された。したがって、ヘメンティンは、個々の患者における赤血球とフィブリノーゲンとの相互作用の程度に対する診断指標として役立つ。さらに、血漿フィブリノーゲンの増加が、血液の粘度に影響する場合は、ヘメンティン組成物は、粘度を減少させるための治療法として使用することができる。
ヘメンティンのさらなる有利な性質は、その血小板凝集を脱凝集させるin vitro活性が、そのin vivo活性に較べて、有意に増強されるということである。これは、TPAのin vivoとin vitroでの一般相対活性と、完全に反対の関係にある。TPAは、in vivoでの血漿による阻害のために、in vitroに較べin vivoでの活性がはるかに低い。
このような血栓性疾患を治療する上で使用される組成物は、ヒルの組織、またはRhunchobdellida目のヒルの分泌液(例えば、Haementeria ghilianiiの唾腺から)から直接由来するか、または、任意にさらに精製してもよい(例えば、単一の主要蛋白質ピークをもち、比活性が1000U/mg蛋白質より大きいことを特徴とする事実上純粋なヘメンティンまで)。
ないしは、それはこのような組織または分泌物から、遺伝子操作、および複製技術によって間接的に由来することができる。(そして、本発明中に今後説明されるように、現在はじめて本発明者らがヘメンティンのアミノ酸配列を解明したので、このような遺伝子操作と複製技術が可能になった。典型的には、クローニングした物質は、ヒルの組織またはRhnchobdellida目のヒルの分泌液から間接的に由来し、その中でヘメンティンが複製される宿主バクテリアによって発現される。
これまでは、ヘメンティンの短いアミノ酸配列しか知られておらず、独特なオリゴヌクレオチドプローブの構築と複製を可能にするには不十分であった。前方唾腺からのヘメンティンのN末端における最初の10このアミノ酸についての配列は、以下の如く報告されている。(Swadesh, J.K., Huang, T.Y.とBudzynski, A.Z.1990.“Haementeria ghilianiiからのフィブリン溶解性プロテアーゼ、ヘメンティンの精製と特徴づけ:J. Chromatography502;359−369):
本発明者らは、現在さらにそれによってヘメンティンの複製が可能になるヘメンティンのアミノ酸配列を解明した。
本発明者らは、前方唾腺または後方唾腺から単離されたヘメンティンのN−末端配列をそれぞれ次の通り決定した。
本発明者らは、前方唾腺ヘメンティンの内部アミノ酸配列についても、次の通りであることを解明した。
この配列の2−6位置と8−9の位置(星印で示されている)のこの配列の部分は、Swadeshら(1190,J.Chromatography502:pp.359−369)によって報告され、ヘメンティン精製における混在ペプチドと称された配列に相当する。その配列は、glu-val-try-thr-asn-tyr-ala-ser-phe-leu-である。本発明者らの配列は、混在ペプチドに相当しないであろう。この配列は、ヘメンティン分子内のasn-glyの酸加水分解から生じる可能性がある。
上記アミノ酸配列のいずれをコードするDNA配列も、標準的技術によって外挿されるか決定されることができる。したがって、本発明は、上記の新しいアミノ酸配列についてのいずれをコードするDNA塩基配列も含む。
ヘメンティンを含む組成物は、切除した唾腺(典型的にはHaementeria ghilianiiまたはHaementeria officinalis、もしくは、他の関連種のようなRhynchobdellida目のヒルから)を、適切な水溶性溶媒中でホモジナイズし、そして、一連のクロマトグラフィー操作を駆使して、活性成分を精製することによって得ることができる。
したがって、本発明によってあらかじめ生成された血小板凝集物を溶解することができる物質を単離する方法が提供されている。その方法には以下が含まれる。すなわち、
(a) 出発物質が、ヒルの組織である場合では、Rhynchobdellida目のヒルの唾腺を含む組織をホモジナイズし、
(b) 段階(a)のホモジネート、またはHepes緩衝液中のRhynchobdellida、またはバクテリア源から発現されたクローニングしたヘメンティンのイオン交換クロマトグラフィーによる精製、そして、
(c) 段階(b)の溶出液に安定剤を添加すること。
したがって、示したように、ヘメンティンが発現された微生物からクローニングした化学的に同一なヘメンティンを単離するためには、ヒルの組織や分泌物からのヘメンティンの単離に用いられる方法と同様な方法が用いられるであろう。
好ましくは、段階(b)における溶出液として、食塩緩衝液が使用される。段階(c)における安定剤は、精製ヘメンティンが、凍結乾燥、凍結、または解凍の際に活性を失うことを防ぐためのものである。このような安定剤の例は、ウシ血清アルブミンである。
典型的には、本発明の方法は、阻害因子Xaが目的物に混入するのを除くために、ヘパリンセファロースカラムの使用を、そして目的物の純度を向上させるために、ゲル濾過クロマトグラフィーの使用を含む。
したがって、本発明によって、本発明の詳細な説明においてこれまでに記述した単離法によって得られる産物が提供される。該産物は、動物の患者(ヒトの患者のような)に治療的有効量で投与した場合、選択的に血小板凝集物を溶解、すなわち、脱凝集することができる。好ましくは、産物はヘメンティンを含み、これは、典型的には事実上純粋なヘメンティンである。
小規模なヘメンティンの単離と精製の操作手順は、これまでに記述されている。(Swadesh, J.K., Huang,I.Y.とBudzynski, A.Z.1990。ヒル、Haementeria ghilianiiからのフィブリノーゲン溶解プロテアーゼの精製と特徴ずけ:J. Chromatography502:359−369)。しかし、この方法は、強アニオン交換過程と重炭酸アンモニウムを使用しており、以下の理由から、大規模用、または医薬用ヘメンティンに適用することはできない。すなわち、
(1) 塩化カルシウムの存在下の重炭酸アンモニウム緩衝液は、凍結乾燥時に不溶沈澱物を生じ、これは、恐らく炭酸カルシウムであろう。
(2) 精製したヘメンティンは、凍結、解凍および凍結乾燥時に、その活性の大部分を失う。
(3) 本操作の結果、ヒル、Haementeria ghilianiiの唾腺中に存在することが知られている(Blankenshipら、1990;Biochem. Biophys.Res. Comm.166:1384−1389)凝固因子Xaの検知しうる量が混入した産物を生じ得る。
本発明による方法で使用されるヘメンティンを含む組成物は、さらに、抗凝固作用とフィブリン溶解活性を有し、(血小板凝集物に対する活性と相俟って)血液凝固の1つ以上の過程について、相加的または相乗的に作用する。ヘメンティンを含む組成物は、単独または他の抗凝固剤、すなわち、血栓溶解剤、または抗血小板凝集剤と併用しても、血栓症の予防、または治療的処置に、本発明にしたがって用いることができる。
血小板凝集のための必須条件は、フィブリノーゲンが活性化された血小板上のGpIIb−IIIa受容体に対して結合することである。コラーゲン、トロンビンおよびADPのような生理学的作用剤による活性化の結果、血小板上のフィブリノーゲンに対する結合部位の露出を起し、活性化血小板上のDpIIb−IIIaの受容体に結合したフィブリノーゲンのAa鎖を通じて、血小板の架橋結合を生ずる。
本発明者らは、ヘメンティンを含む組成物は、この過程に対して効果を有し、血小板凝集を防ぐばかりか血小板の脱凝集を起すことを見出した。
本発明者らは、ヘメンティンを含む組成物を使用して、ADPで誘発した血小板凝集物の広範な脱凝集を起させることができた。ADPを使用して、広範な脱凝集が起ったが、コラーゲンなどの他の誘発剤の高濃度を試みたとき、効果はやや劣った。これは、これらの他の誘発剤が使用されるとき、フィブリノーゲンを利用する結合以外の型の血小板結合が生ずるからであると考えられる。
ヘメンティンを含む組成物が、血小板を選択的に脱凝集させる能力は、TPAやストレプトキナーゼのようなプラスミノーゲンアクティベーターにはない特性である。これによりヘメンティンを含む組成物に、このようなプラスミノーゲンアクティベーターに対して応答しない血小板に富んだ血栓に対する選択性を有する点で、利点が与えられる可能性がある。したがって、血栓は、経過時間や組成が種々異なる複雑な多元成分構造なので、抗血小板治療は、重要な治療戦略となるものと思われる。ヘメンティンの血小板志向作用様式の確認は、血栓性疾患の治療に対する手立てを提供する重要な進歩である。
それゆえ、さらに本発明の一部分によれば、血小板凝集の治療的脱凝集、および任意的に、また血小板凝集の阻害または防御のための薬剤の製造において使用するためのヘメンティンを含む組成物が提供されている。
また、血小板凝集物の治療は、脱凝集、および任意的に、また血小板凝集の阻害、または防御のための薬剤の製造において使用するための該血小板凝集物中に存在するフィブリノーゲン結合のDとEドメイン間の選択的開裂を行うことができる物質を含む組成物も提供されている。
本発明は、TPAのような凝血塊溶解のためのプラスミノーゲンアクティベーターとして併用して、患者に投与するためのヘメンティンを含む組成物の使用をさらに含んでいる。このような投与は、血小板凝集物の阻害剤をさらに要しないと思われる。
本発明は、さらに、ヘメンティンを含む組成物を、ヒルディンや他のヒル由来抗凝固剤(我々の前回のPCT特許明細書WO90/05143において開示されたもののような)と併用することを含む。
したがって、本発明は、さらにヘメンティンを含む血小板凝集物の治療のための医薬製剤を含む。本製剤には、ヘメンティン、不活性担体またはそのための賦形剤、および、任意に、1つ以上のヒル由来抗凝固剤のような活性物質が含まれる。このような抗凝固剤は、アンチトロンビンであることが望ましく、典型的には、ヒルジン、ヒルジン類似体、もしくはXa因子である。
担体および賦形剤は、製剤が静脈投与できるようなものであることが望ましい。適切な担体の1例は、滅菌食塩水である。典型的には、患者に投与されるとき、ヘメンティン濃度が20−100U/ml血液になるだけのヘメンティンを含む。
本発明者らは、ヘメンティンを含む組成物は、単独で、または同様な標的に向けられる他の薬物との併用で効果を示す4つの抗凝固と抗血栓特性をもっていることを確立した。これらの特性は、以下の如く要約できる。すなわち、
1. 抗凝固剤−血液が凝固することを阻害する能力(精製されたヘメンティンの場合には、凝固に利用できるフィブリノーゲンを涸渇されるフィブリノーゲン溶解活性の結果であると考えられる)。
2. フィブリン溶解性の−フィブリン凝固物を溶解する能力
3. 血小板凝集物の阻害剤−多数の作用薬によって、フィブリノーゲンに対する作用を経て開始される凝集を防ぐ能力
4. 血小板脱凝集−すでに形成された血小板凝集物を、選択的に脱凝集する独特な驚くべき能力である。
本発明を、これから以下の例をあげてさらに詳細に記述する。これらの例において引用される粗ヘメンティンとは、約100(典型的には25−100)U/mg蛋白質の活性をもつ粗成物のことであり、精製ヘメンティンとは、1000U/mg蛋白質を超える活性をもつ組成物のことである。
ヘメンティンの単位活性は、37℃において、毎分トロンビンによって凝固できないようにされるmlあたりのフィブリノーゲンのμg数として定義されている。
本発明はまた、このヘメンティン活性を検知し、測定するための、新しい、より感度の高い検定法を提供する。本発明者らは、ヘメンティンは、塩依存性が極めて強く、その結果、活性は反応緩衝液中での塩化ナトリウムの生理的に近い濃度で測定しなければならないことを発見した。本発明者らの反応条件は、50mM Hepes,10mM CaCl2,0.15mM NaCl,0.1%Brij35,pH7.5であった。対照的に、Swadeshらによる上述の論文では、検定、緩衝液は、150mM Hepes,pH7.9および10mM CaCl2であった。その上、本発明者らは、HDLCによって検出されるフィブリノーゲン分解産物の分析に基く感度の高い検定法も提供している。
さらに、例をあげて、ヘメンティンについての単離精製技術、続いてその物理化学的性質の特徴づけが示される。
例1
前方唾腺からのヘメンティンの精製
117頭の飢餓状態のサードフェッドHaementeria ghilianiiの前方唾腺を手で切除し、ドライアイス上で解凍した。唾腺は、ドライアイス中で細い粉末に砕き、20mM Hepes,10mM CaCl2,pH7.5中でホモジナイズし、凍結した。ホモジネートを遠心分離し(1000×g)、不溶細胞片を除き、次に、さらに遠心分離(10000×g)して濾過した(0.45μフィルター)。この物質は、精製のための出発点とし、ステージI物質と称した。
ヘメンティンは、次に、高性能陰イオン交換クロマトグラフィーによって精製した。ステージI物質を、上記Hepes緩衝液中10mlとし、1−2mlを1度にDEAE−5PWカラム(1×5cm;Waters-Millipore)に加えた。線形食塩グレーディエントを使用し、活性は80−150mM NaClの間で溶出した。
集めた活性分画の凍結乾燥または凍結を行う前に、1mg/mlのウシ血清アルブミンを加えた(‘Cohn Fraction5’,Sigma)。典型的な精製結果は、以下の如くである。
例2
前方唾腺物質のゲル濾過による精製
陰イオン交換後の物質(ステージII)を例1に記述したように集めた。集めた分画を、分子ふるいカラム(Superdex 200;Pharmacia)に20mM Hepes,10mM CaCl2,pH7.5を含む緩衝液を使用してかけた。活性を含む分画を集めた。凍結または凍結乾燥する前に、この集めた分画に、1mg/mlのウシ血清アルブミン(BSA)を加えた。次に、凍結乾燥し、ステージIII物質と称した。典型的な精製の結果は、以下の通りである。
例3
後方唾腺からのヘメンティンの精製
118頭のハングリーフェッドHaementeria ghilianiiの後方唾腺を手で切除し、ドライアイス上で凍結した。ステージI物質とステージII物質(イオン交換クロマトグラフィー後)は、例1における如く調製した。イオン交換カラムからのステージII物質の溶出中に、活性を含む分画の部分量を、還元条件下でSDS−PAGE(10%)で分析した(図2挿入図)活性分画を含し、凍結または凍結乾燥を行う前に、1mg/mlのBSAを加えた。
典型的な精製の結果は、以下の如くであった。
例4
前方唾腺ヘメンティンのHPLCによる精製
55頭のスターヴド サードフェッドHaementeria ghilianiiの前方唾腺を手で切除し、ドライアイス上で凍結した。唾腺は酸で洗った砂を用いて、10mlの20mM Hepes,10mM CaCl2,pH7.5中でホモジナイズした。ホモジネートを遠心分離し(10,000×g)、上清を0.43μのフィルターを通して濾過した。これを陰イオン交換カラム(DEAE−5p,Waters)上にのせ、食塩グレーディエントを用いて溶出した。分画を集め、活性と蛋白質(280mM)について検定した。活性は、分画21−25と分画29/30中に見出された。分画21と23−25を合し、逆相疏水的相互作用クロマトグラフィー(RP−HPLC)によって、さらに精製するのに用いた。SDS−PAGEゲル分析は、活性を含む分画について行った。陰イオン交換クロマトグラフィーからの、集めた活性分画を0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)中RF−HPLCカラム(C18,Waters)に適用し、70%水溶性アセトニトリルと0.1%TFAのグレーディエントで溶出した(図3)。分画を集め分画53−55に活性が含まれていることが見出され、それらを凍結乾燥した。蛋白質含量は約40μgであった。還元条件下での産物のSDS−PAGE分析により、ヘメンティンの分子量に相当する約80,000の分子量が与えられた。フィブリノーゲンに対する活性は、ヘメンティンを含む分画と、インキュベーションした後、フィブリノーゲンの断片を、SDS−PAGE分析を用いて検出した。
例5
ヘメンティンの等電点電気泳動
蛋白質の精密な等電点(pI)についての知識は、精製のための条件を最大限にする上で役に立つ。ヘメンティンについてのこの特性を決定するために、以下の実験を行った。図2に示したように、陰イオン交換クロマトグラフィーにかけた後の活性分画を、さらに、0.2M NaCl,10mM CaCl2および0.1%Tween 80を含む20mM Hepes緩衝液pH7.5中で、あらかじめ平衡させたSuperose12ゲル濾過カラム上のFPLCによって、さらに精製した。試料200μlをカラムにのせ、上記の緩衝液で0.4ml/分の流速で溶出した。溶出液を、分画として集め、その吸光度を280nmでモニターした。2つの主要なピークが、それぞれ約30分と40分において溶出した。フィブリノーゲン分解検定(下記例12に記述したように)に基いて、ヘメンティンのピークは、約30分後に溶出するものと決定された。
このピークは、濃縮され、Sephadex G−25上で脱塩された。さらに濃縮した後、試料の一部をPharmacia Phast Systemを用いて、Phast Gel3−9上で、その等電点(pI)につき分析した。試料は、ゲルの中央に適用した。Coomassie Blueで染色した後、およそのpI6.25±0.1の1つの主要バンドがヘメンティンに相当すると考えられた。微量の複数の不純物も、ゲル上pI値4.6より低値に可視化されてみられた。染色の強度に基いて、これらの不純物は、5%未満に相当するものと推定された。したがって、ヘメンティンのpIは、約6.25±0.1である。
例6
フィブリノーゲン溶液検定
極めて限られた量の物質が関与している活性のピークを知るためには、フィブリノーゲン分解についての、以下の新しく、迅速で簡便な高感度の検定法を開発することが必要であった。検定は、酵素または精製カラム分画を、フィブリノーゲンと共にインキュベートして後、HPLC(RP300−C8)上で、フィブリノーゲン分解産物を急速に分析することによる。ステージIIの酵素(50μl)、またはカラム分画を、50μlの50nM Hepes緩衝液、pH7.5、2mM CaCl2、50μlの0.15mM NaClと50μlのフィブリノーゲン(5mg/ml)とともにReacti−Vial中でインキュベートした。この混合物のうち、20μlを30μlの20mM Hepes緩衝液で希釈し、全容量を直ちにRP30−CBカラムを備えたABI 130A分析クロマトグラフに注入し、0時間のクロマトグラムを作製した。反応混合物を、0.1%TFA水溶液(溶媒A)と0.1%TFAの80%アセトニトリル水溶液(溶媒B)との間のグレーディエントで溶出した。カラムは、35%Bで平衡させ、その後5分間で45%Bまで上昇させ、そして、20分間かけて50−55%Bのグレーディエントを行った。バイアルの残りは、30分間のような望ましい期間、37℃でインキュベートした。この期間は、フィブリノーゲン分解産物の存在によるHPLC溶出プロファイルの変化の形から、活性を検出するのに十分であった(図4)。フィブリノーゲン単独では、52%溶媒Bにおいて、単一ピークとしてHPLCカラムから溶出した。37℃でヘメンティンと30分間インキュベートした後、フィブリノーゲンピークは、より早い溶出ピーク(50%B)と、もとのフィブリノーゲンより遅く(53%B)現れるピークに変換されていた(90%)。
不活性物質は、24時間も経っても溶出パターンを変化させなかった。
例7
HPLCによる前グランド(gland)ヘメンチンの精製
例1で述べたようなステージII物質をRP300(CS)カラム上でHPLCにより精製した。溶媒Aは、水中0.1%TFA、溶媒Bは、0.1%TFA、80%水性アセトニトリルであった。グラジェントは30分で25から60%溶媒Bであった。溶出により、物質は、溶出プロフィール(図5A)に示すように7つのフラクションに分離した。このアッセイ条件下、実施例6で述べたセンシティブアッセイにより決定されるように、フラクション6及び7は活性を示したが、他の全てのフラクションは不活性であった。フラクション6が大きな活性を含んでいた。
例8
前グランドヘメンチンのアミノ酸組成
24時間ベーパー相HCl加水分解及びフェニルイソソルシオシアナート(PITC)の後、アミノ酸分析を実施した。
例7で述べたように製造したプールしたピーク6(図5Bではピーク1により示される)をWaters840アミノ酸分析システム(Picotag)にかけた。アルチプルリグレッション分析により、Black及びHognessのコンピュータープログラムで計算して、全てのアミノ酸値としてベストフィットファクターとして最小分子量83,000を得た。前グランドヘメンチンのアミノ酸組成は次のとおり決定された:
例9
前グランドへメンチンのN−末端アミノ酸配列
アミノ酸配列分析用プレパレーションで、例7で製造した、ピーク6ヘメンチンをジクロロジメチルシラン処理ガラスチューブに、マニュアル的に収集した。グラジェントを100マイクロリッター/分で行ない、ピーク6を1チューブ当り200マイクロリッター以下で収集した。プールしたピーク6ヘメンチンを直ちに100マイクロリッター以下に濃縮し、20マイクロリッター部分で、Applied Biosystems477Aパルス液相蛋白シーケンサーのポリブレーン処理膜に移した。配列分析のため、フラクションをHepesバッファーなしに収集した。N−末端配列を以下のとおり決定した:
例10
前グランドヘメンチンのインターナルアミノ酸配列
例7により製造した、プールしたピーク6ヘメンチンにより、トリフルオロ酢酸加水分解により以下の配列を有するペプチドフラグメントを得た:
ポジション2−6及び8−9(星印で示す)それぞれでの配列部分は、Swadesh等により報告された配列(1990,J. Chromatograply502:pp.359−369)により報告された配列に対応し、ヘメンチン精製でのコンタミペプチドを示す。彼らの配列は:
glu-val-tyr-thr-asn-tyr-ala-ser-phe-leu-
我々の配列は、コンタミ ペプチドに対応せず、ヘメンチン分子内のasn-gly結合の酸ヒドロリシスから得られた結果に対応する。
例11
後グランドヘメンチンのアミノ酸配列
例3で述べた、後グランドから製造したステージIIヘメンチンを、実施例7で述べたようにHPLCにより精製した。この蛋白プロフィールは、前グラントステージIIヘメンチンのものと、3つの大きなピークをもっている点(図6)違っていた。活性はピーク3で見られた。活性ピーク(ピーク3)に対応するプールフラクションをパルス液相蛋白シーケンサーApplied Biosystems477Aにかけた。N−末端配列を次のとおり決定した:
例12
抗−コアグラント効果
クルードヘメンチンによる30U/ml(単位/ml)でのプラズマ抗−コアグラント率をマンチェスター試薬(Thrombosis Research Foundation,ストックポール、英国)を用いたプロトロンビン時間(PT);カオリン/ベル及びアルトン プレートレッドサブスチチュート(Diagnostic Reagents, Jhame, 英国)による活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT);ウシトロンビン(Baxter Healthcare, Newbury, Berks)によるトロンビン クロッチング時間(TCT)及びアトロキシン クロッチング時間−ボスロプス(Bothrops)アトロックス(atrox)毒(Sigma)の0.5mg/ml濃度で使用される精製抽出物を測定することによりフォローした。PT,TCT及びAPTTをクエン酸塩化プラズマ中で測定した。
クルードヘメンチンでのこの研究の結果は次のとおりであった:
プラズマの凝固性に対するクルードヘメンチンの迅速な効果を示している。
精製ヘメンチンのクエン酸塩化プラズマの凝固に対する70U/mlでの結果は次のとおりであった。
フィブリノーゲンに対する精製ヘメンチンの効果を図7に示す。この図は、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動の結果を示し、フィブリノーゲンフラグメントのジェネレーション時間と分子サイズを与えている。フィブリノーゲン(0.5mg/ml)を37℃で精製ヘメンチン(160U/ml)でインキュベートし、アリコートを時間インターバルで採取し、非還元条件下、SDS−PAGEにより分析した。フィブリノーゲンの大フラグメント(1−4);Marinconicoにより述べられたフラグメント4(MW225Kダルトン);6(MW157Kダルトン);7(MW=133Kダルトン);及び8(MW=100Kダルトン);に対応が検出された。
例13
血小板凝集の測定
クルードヘメンチンをHaementeria ghilianiiの前グラントから抽出した。凍結乾燥クルードヘメンチンを血小板研究に使用する前に生理食塩水又は、50mM Hepes、10mM CaCl2、0.1%Brij35、pH7.5のインビトロアッセイ用に再構成した。新鮮な血液サンプルを少くとも2週間治療も受けず、アルコールも飲まない5人の健常人ボランティアの肘前静脈から静脈注射により採取した。各ボランティアからの対のサンプルを2つの別の抗凝固剤−1:9v/v 0.105Mクエン酸ナトリウム又はヘパリン(急速な血小板クランピングを来たさない濃度−20IU/ml血液で)を含むシリコーン容器中に入れた。サンプルを200g10分間遠心し、血小板リッチプラズマ(PRP)9を採取して250−350×10/リットルの血小板を含むものを作った。必要であれば、PRPをオートロガスな血小板プアプラズマ(PPP)により稀釈する。全てのテストを静脈切開前の第2の時間中に行なった。血小板凝集及び脱凝集(deaggregation)研究を4チャンネル アグレゴメーター中で37℃で行なった。酸可溶タイプIコラーゲン(Chronolog Corp., Havertown, PA), ADP(Sigma chemical Co., Poole, Dorset)及びクエン酸塩化サンプルの場合には−ウシトロンビン(Baxter Healthcare Ltd., Newbury, Berks)を血小板凝集を誘導するのに使用した。インデューサー添加前のヘメンチンによる事前インキュベート(5分)PRP(稀釈1:9)の効果を決定した。精製ヘメンチンによる血小板脱凝集を凝集の閾値レベルに到達する時にPRP/インデューサー混合物へのその添加に基づいて決定した。精製ヘメンチンの代りに生理ホスフェートバッファー食塩水を用いた適当なコントロールを各インデューサーで行なった。
ヘメンチンにより事前インキュベートされたPRPでの血小板凝集
精製ヘメンチンにより事前インキュベートされたPRP中のトロンビンによるフィブリノーゲンコアグラビリチィーの低下は、クエン酸塩化、ヒルジン化(hirudinised)及びヘパリン化(heparinised)血液の両方で血小板凝集反応の重大な低下に関連している。典型的な反応、これは5人のボランティア全員で似ていたが、を図8に示す。
例14
ヘメンチンによる血小板脱凝集
アグレゲートした血小板を含むプラズマへのヘメンチンの添加から得られる血小板脱凝集を図9に示す。正常ヒトPRPの血小板を活性化し、誘導してADP、コラーゲン又はトロンビンアゴニストの作用により凝集させた。ヘメンチンをこれらのアグレゲートに添加し、時間コースと効果の程度を血小板アグレゴメーター中でフォローした(図9)。クエン酸塩化又はヒルジン化プラズマにおいて、1から5UM投与量のADPは特徴的な(クエン酸塩化プラズマの場合に2相)血小板凝集カーブを誘導し、そしてこれは少くとも10分間維持された。クエン酸塩化(図9a)又はヒルジン化(図9b)ADP−誘導血小板アグレゲートへのヒメンチン(10から100U/ml濃度)の添加は、血小板の急速で非可逆的脱凝集を生じた(図9a,b)。ヘパリン化プラズマでは、類似の脱凝集の観察がみられた(データ示さず)。ヘメンチンにより脱凝集された血小板プレパレーションは、凝集しなかったコントロールと比較してサイズ分布に変化は無かった。
ヒルジン化PRPで、ひとたびヘメンチンによる脱凝集がなされたら、ADP(10μM)又はコラーゲン(5μg/ml)のいずれかを更に添加しても再凝集は、有意には誘導されなかった(図9b)。これは、おそらくプラズマ内でのフィブリノーゲンの枯渇(depletion)及び/又は血小板機能を十分に回復させるのに必要な時間によるためであろう。
クエン酸塩化;ヒルジン化又はヘパリン化PRP、において、コラーゲン(2μg/ml)は、特徴的な凝集反応を誘導した。しかしながら、ヘメンチン(10−100U/ml);ADP誘導化血小板凝集(1から5UM)に有効な投与範囲で、脱凝集(図9c)をインビトロで起こさなかった。より高いヘメンチンの投与量は、インビボでコラーゲン関連血小板凝集を脱凝集した。
クエン酸塩化プラズマにおいて、0.2ug/mlの投与量のトロンビンは、PRP中のトランジェント凝集反応を誘導した。より高いアゴニスト濃度1ug/mlで、ひき続いてクロッチングを伴なう完全な凝集反応を得た。ヘメンチンは、.0.2ug/mlの次最適トロンビン投与量をフォローする血小板アグレゲートの瞬時の脱凝集を有意に加速したが、コントロールでのクロット形成を完全に防止したにも拘らず、2ug/ml以上のトロンビン投与により凝集した血小板を脱凝集しなかった(データ示さず)。クエン酸塩化プラズマ中の脱凝集に対するヘメンチンの部分的効果はクエン酸塩によるヘメンチンのいくつかの阻害によるものかもしれない。
例15
血小板凝集に対するTPAの効果
ヘメンチンの血小板脱凝集に対する効果をもう一つのトロンボリチック剤の効果と比較して、我々は、同一のPRPでの対比で、104IU/ml(プラズマクロットを2分内に溶解するのに十分)までの投与量で、TPAはクエン酸塩化PRPで血小板を脱凝集させなかったことを見出した。ヒト血小板を誘導し、ADP(1から5uM)をアゴニストとして用いて凝集させ、そしてTPA(104IU/ml)又はヘメンチン(20から70u/ml)を添加し、脱凝集の経路を血小板アグレゴメーター中でフォローした。これにより、ヘメンチンはTPAとは異なる作用機構を有しており、ヘメンチンは、トロンビ含有血小板及び他の血小板アグレゲートの溶解を助ける、別の抗血小板活性を有していることが明らかになった。
例16
全血中のヘメンチン活性の強化
ヘメンチンは、血液の天然由来阻害剤であるコアグレーションプロテアーゼによって阻害されないことが知られている(米国特許4390630)。我々は、精製ヘメンチンの活性が全血において非常に強化されるという更に重大な発見をした。この知見は、驚くべきものであり、PA−1(プラスミノーゲン アクチベーター インヒビター1)により阻害されると良く知られているTPAの作用に際立って対象的である。PA−1は心筋梗塞の生存者のプラズマの低いフィブリン溶解能(fibrinolytic capacity)の原因として見られてきた(Madison, E. E.等、1989,Nature 339:721〜724)。
説明のために、以下の実験を行ない、全血、プラズマ(同一の個体から)及びバッファー中のフィブリノーゲン中の精製ヘメンチンの相対活性を決定した。ヒト全血を静脈注射により採取し、1:9v/v0.1205Mクエン酸ナトリウムで抗凝固化した。血液のアリコートを3000rpmで10分間室温で遠心してPRPを得るために使用した。精製ウシフィブリノーゲンに使用する反応バッファーは:20mM Hepes、10mM CaCl2、0.2M NaCl、0.1%Brij35、pH7.5であった。血液及びプラズマサンプルをフィブリノーゲン濃度(通常2.5から4mg/mlの範囲)をアッセイし、フィブリノーゲンの濃度をフィブリノーゲン/バッファー実験と比較するよう調節した。
クエン酸塩化ヒト血液、プラズマ及びフィブリノーゲン(比較血液/プラズマレベルに調節)を37℃で、精製ヘメンチン(最終濃度10単位/ml)とインキュベートした。
ヘメンチンプレパレーションを、不純プレパレーションにコンタミするとされているファクターXaの阻害剤が実質的に存在しないように注意した。アリコートを時間インターバルで除去し、2.5NIH単位ウシトロンビンと混合し、そしてクロッチング時間を記録した。
平行して行なった実験で、ヘビフィブリノーゲン溶解酵素アトロキシンを同じ時間インターバルでアリコートに添加して、フィブリノーゲンの完全性(integrity)を試験した(即ち、もしフィブリノーゲンが以前にヘメンチンにより作用されるなら、アトロキシンはクロットをもたらさないであろう)。結果は、次のとおりである(TT=トロンビンクロッチング時間、A=アトロキシンクロッチング時間):
血小板リッチプラズマに関して同様の結果が得られた(全血の遠心は、約200×g 10分間)。
例17
ヘメンチンによる脱凝集とフィブリノーゲン溶解率
凍結乾燥ヘメンチンを、血小板研究用には使用前に生理食塩水で、又はインビトロアッセイ用には20mM Hepes、10mM CaCl2、0.2M NaCl、0.1% Briji35、pH7.5で再構成した。血小板凝集の測定のため、PRPを、少くとも2週間医療を受けずアルコールも飲まないボランティアのクエン酸塩化静脈血から調製した(300±50×109血小板/リットル)。血小板凝集研究を37℃で4チャンネルアグレゴメーター(Aggregocorder PA3210, Kyoto Daiichi Kagaku Co. Ltd.日本)中で行なった。
血小板リッチプラズマを37℃で精製ヘメンチン(10単位/ml)でプレインキュベートし、そしてADP(2.5um)を血小板凝集性を決定するために、5、10及び20分に添加した(結果を図11aに示す)。(a)と同じPRPをADP(2.5um)で凝集させ、そしてヘメンチン(10単位/ml)をピーク凝集が得られた後添加した(結果を図11bに示す)。十分なADPが添加されて誘導し、そして全期間にわたって十分な凝集を維持することを確認するためにコントロールを実施した。
PRPを37℃でヘメンチン(10単位/ml)とインキュベートした時、トロンビンとの凝集性が10分後に失なわれた。同じPRPプレパレーションのADP−凝集をヘメンチン(10単位/ml)の添加後の各時点でテストした時、凝集能は10分後失なわれた。これに対して、あらかじめ形成された血小板アグレゲート(2.5uM ADPで誘導)上の精製ヒメンチン(10単位/ml)により誘導された脱凝集の時間コースはヒメンチンの添加後3分で実質的に完全となる脱凝集を有して非常に急速であった。結果を図11に示す。この血小板に対するヒメンチンの作用は凝集パラメーター上のどのような有意の効果が測定される前に完全であった。ヒメンチンの無いコントロールインキュベーションは完全に凝集したままであった。
これらの結果は、ヒメンチンが、プラズマを凝集させうるよりもすばやく血小板−フィブリノーゲン−血小板クロスリンクを切断することができることを示唆している。これは、フィブリノーゲンのカルボキシル末端に優勢であり、GpIIb-IIIaレセプターに結合するのに関係するかもしれないプラスミン開裂サイトよりは、ヒメンチンへのより大きな分子接近性(accessibility)を許すかもしれないフィブリノーゲンのD及びEドメインの間の独自の開裂サイトによるかもしれない。結極、ヘメンチンは、フリーのフィブリノーゲンに対してよりも血小板に結合したフィブリノーゲンへより選択的であろう。血小板凝集は、血小板リッチトロンビ、これはプラスミノーゲンアクチベーターに基づく現在のトロンボリチック剤には手に負えない、のバルクを構成するので、したがって、ヘメンチンは、トロンボリシスを起こす血小板リッチクロットの内で、血小板の脱凝集剤として医療的潜在性を有している。
例18
他のフィブリノーゲン−媒介血液学的パラメーターに対するヘメンチンの効果
その特異的なフィブリノーゲン溶解作用のために、精製ヘメンチンは、トロンビンクロッチング時間、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)のような血液学的パラメーターに対するフィブリノーゲンの貢献を決定するのに使用できる。同様な方法で、ヘメンチンはミエローマ、リューマチ性関節炎のようなある種の血液学的疾病に対する診断マーカーであるエリストロサイトセディメンテーション率(ESR)へのフィブリノーゲン貢献を決定するのに使用しうる。
図12に要約したように、実験を次のとおり行なった。ボランティア(円)からのクエン酸塩化全血を1時間25℃(白円)で、そして精製ヘメンチン(10単位/ml)なしで(黒円)でインキュベートし、ESRを決定した。クロッチングパラメーターをPT=95秒、APTT=340秒、TCT=99秒;アトロキシン=146秒で決定した。結果は、正常血液でのクロッチングパラメーターでの著しい延長にも拘らず、ESRに対してほとんど効果を示さなかった。
肺エンボリズム(四角)の患者からのクエン酸塩化全血を1h25℃で35単位/mlのヘメンチン(白四角)と精製ヘメンチンなし(黒四角)でインキュベートして、ESRを決定した。結果は、正常値に対して、この患者のESRは非常に加速されたことを示す。ヘメンチンとのインキュベーションは、この効果をよりゆっくりしたESRに導いて部分的に逆行することができた。
上記の例において、ヘメンチンは、肺エンボリズムの患者に見られた加速されたESRがヘメンチンの作用が減少したESRに導くようなエリスロサイトのフィブリノーゲンとの干渉に幾分よるものであることを示唆して、ESRに対する著しい定量化しうる効果を示した。したがって、ヘメンチンは個々の患者におけるエリスロサイト/フィブリノーゲンの比率の診断的なインデックスとして使用できる。更に、ヘメンチンは異常ESRの原因ファクターをアドレスする治療剤として適切であることを示して、ESRを正常レベルに戻した。
最後に、増加したフィブリノーゲンが血液粘度に影響を与える場合に、ヘメンチンは粘度を低げるのに治療的に使用しうる。プラズマでの増大したフィブリノーゲンレベルは、感染、第3トリメスターフレグナンシー、凝固異常、肝疾患、術後及び加齢を含むある種の疾病状態において急性的に又は慢性的に上昇しうる。上昇したフィブリノーゲンレベルを低下させることは、クロッチングのリスクを低下させるのにつながる。
Claims (6)
- ヘメンティン以外の抗凝固剤を更に含有する請求項1の薬剤。
- 該ポリペプチドは、
(a)ヒルHaementeria ghilianiiの唾液腺からの組織を、15〜25mMの塩濃度を有するpH7〜8のバッファーでホモジナイズし、次いで
(b)得られるホモジネートを、80〜150mMの塩濃度を有する溶離液でイオン交換クロマトグラフィーにより精製し、更に任意にゲル濾過する、
工程によって得られる請求項1の薬剤。 - 該ホモジナイズ工程はHepesバッファー中で行い;
該イオン交換クロマトグラフィーは塩化ナトリウムを溶離液として実施し;
該ポリペプチドは、ウシ血清アルブミンによって、凍結または凍結乾燥による不活性化から保護する請求項5の薬剤。
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