JP2008288403A - セラミック基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】グリーンシートに導体充填用で且つ細径の貫通孔を内面に残存物を付着させずに、寸法精度および効率良く確実に形成できる孔明け工程を含む、セラミック基板の製造方法を提供する。
【解決手段】導体を充填するための貫通孔4における表面2側の内径aに対し、厚みtが内径aの1.6〜4.2倍であるグリーンシートsの表面2と裏面3との間を貫通して、上記貫通孔4を形成するに際し、上記グリーンシートsの表面2側から波長が400nm以下のYAGレーザLを照射することにより、表面2側の内径aが60μm以下の貫通孔4を形成する孔明け工程を、含む、セラミック基板1の製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、セラミックを含む絶縁層を貫通する比較的細径のビア導体やスルーホール導体を有するセラミック基板の製造方法に関する。
近年、セラミック基板は、高密度化および高性能化の要求に応えるため、高い寸法精度が求められている。かかる要求に対応するため、ガラス成分およびセラミック成分を含むグリーンシートを焼成する際の焼成収縮を抑制すべく、前記ガラス−セラミックが焼成する温度では焼成しないグリーンシートを併用する無収縮焼成技術が用いられている。かかる技術によって、平面方向の収縮が抑制されたセラミック基板を得ることができる。
一方、セラミックを含む絶縁層の厚み方向における複数の配線層間の導通を取るために、素材のグリーンシートに形成するビアホールやスルーホールなどの貫通孔に対しても、内径を100μm以下とする細径化が求められている。かかる細い貫通孔を得るには、ドリルやパンチを用いる機械加工では、極細径のツールを製作が困難であり、且つ加工速度が遅く効率が低くなる、という問題がある。
前記機械加工に替えて、炭酸ガスレーザやYAGレーザを用いて、グリーンシートに貫通孔を形成するレーザ加工方法も検討されている。しかし、波長が1μm以上の比較的長いレーザを用いた場合には、そのビーム径を絞れないため、前記細径の貫通孔を得るための微細な加工が困難である。しかも、上記波長が長いレーザでは、ガラス−セラミックからなる低温焼成用のグリーンシート内への吸収が弱いため、形成された貫通孔の内面に、一部のガラス成分が融着物として残存することがある。かかるガラス成分が付着すると、貫通孔の内部が局部的に狭くなり、かかる貫通孔に追って形成されるビア導体などの接続信頼性が低下する、という問題がある。
前記ガラス成分のような融着物が貫通孔内に残留を防止するため、液体を含有する台材の上にグリーンシートを配置し、該グリーンシートの露出する表面側からレーザ光を照射して、該グリーンシートに貫通孔を形成すると共に、上記台材に含まれていた液体を蒸発させて、貫通孔の内壁面に付着した融着物を洗浄・除去するグリーンシートの加工方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、上記加工方法では、台材に液体を常に一定量以上含有させるため、その準備を含む作業性が煩雑になると共に、液体が蒸発した蒸気が貫通孔の内壁面に却って付着し、更には微細な残滓を凝集してしまう、というおそれもあった。
特開2006−205544号公報(第1〜11頁、図1〜3)
本発明は、背景技術において説明した問題点を解決し、グリーンシートに導体充填用で且つ細径の貫通孔を内面に残存物を付着させずに、寸法精度および効率良く確実に形成できる孔明け工程を含む、セラミック基板の製造方法を提供する、ことを課題とする。
課題を解決するための手段および発明の効果
本発明は、前記課題を解決するため、波長が比較的短いYAGレーザを用いてグリーンシートに細径で且つ導体充填用の貫通孔を形成する、ことに着想して成されたものである。
即ち、本発明によるセラミック基板の製造方法(請求項1)は、導体を充填するための貫通孔における表面側の内径aに対し、厚みtが内径aの1.6〜4.2倍であるグリーンシートの表面と裏面との間を貫通して、上記貫通孔を形成するに際し、上記グリーンシートの表面側から波長が400nm以下のYAGレーザを照射することにより、表面側の内径aが60μm以下の貫通孔を形成する孔明け工程を、含む、ことを特徴とする。上記グリーンシートの表面とは、YAGレーザを照射する側の面を示す相対的な呼称である。
これによれば、前記グリーンシートの表面に波長が400nm以下のYAGレーザが高い指向性を伴って照射されため、例えば、かかるグリーンシートの厚みが250μmの場合、これを貫通する貫通孔の表面側の内径が60μm以下で、且つ裏面側の内径が約42〜57μmであり、且つ内壁面が緩く傾斜した貫通孔を形成できる。このため、かかる貫通孔にAg粉末などを含む導電性ペーストを充填し、上記グリーンシートと共に焼成することで、得られるセラミック層を貫通する細径のビア導体またはスルーホール導体を高密度にして配設可能となる。従って、セラミック層の表面側のパッドと裏面側の外部端子との間を、細径の上記ビア導体などを介して、導通を取ることが確実にできると共に、寸法精度にも優れたセラミック基板を効率良く提供することが可能となる。
前記YAGレーザの波長を400nm以下としたのは、波長が400nm超では、グリーンシートの内部に吸収されにくくなり、グリーンシートの表面側における内径aを60μm以下の細径とした貫通孔を形成し難くなるためである。
また、グリーンシートの厚みtを、当該グリーンシートに形成する貫通孔の表面側における内径aの1.6〜4.2倍としたのは、1.6倍よりも薄くなると、形成される貫通孔の表面側の内径aを最大の60μmとしても、厚みが100μm以下のかなり薄いグリーンシートとなって実用的でなくなる。一方、上記厚みt/内径aの比が4.2倍よりも越えると、貫通孔が裏面側に開口しないか、たとえ開口しても、当該貫通孔の裏面側の内径bが細径になり過ぎ、かかる部分におけるビア導体などの接続信頼性が低下するためである。
尚、前記YAGレーザは、Nd−YAGレーザやYb−YAGレーザを含む。
また、前記グリーンシートには、ガラス−セラミックを主成分とする低温焼成用のグリーンシートのほか、例えば、アルミナなどのセラミックを主成分とする高温焼成用のグリーンシートも含まれる。
更に、前記セラミック基板は、単層のグリーンシートに貫通孔を形成し、かかる貫通孔内にビア導体またはスルーホール導体を形成し、当該グリーンシートの表面および裏面に上記導体と接続するパッドなどの導体を形成した単層のセラミック層からなる、例えば中継基板のような形態を含む。更に、複数のグリーンシートに前記貫通孔を形成し、かかる貫通孔内にビア導体などを形成し、各グリーンシートの表面および裏面の少なくとも一方に配線層などを形成した多層セラミック(配線)基板の形態も含んでいる。
また、本発明には、前記グリーンシートの裏面側における前記貫通孔の内径bは、前記表面側の内径aの70〜95%の範囲にある、セラミック基板の製造方法(請求項2)も含まれる。
これによれば、厚みtが約100〜250μmであるグリーンシートを貫通する貫通孔の表面側の内径aが60μm以下で、且つ裏面側の内径bが42〜54μmである細径で且つ内壁面が緩く傾斜した貫通孔が形成される。このため、焼成後のセラミック層の表面と裏面との間を、高密度に配設したビア導体などを介して導通できるので、例えば、内部に高密度のパターンを有する配線層を含む多層セラミック(配線)基板を、容易に且つ効率良く製造することが可能となる。
尚、前記内径b/内径aが70%未満では、その貫通孔に充填して形成されるビア導体などの裏面側が細くなり過ぎて、接続信頼性と低下するおそれが生じる。一方、内径b/内径aを95%超することは、実用的なレーザ加工方法では限界となるためである。これらのために、内径b/aの範囲を前記の通りとした。
更に、本発明には、前記YAGレーザのパルスエネルギは、80〜300μJであり、且つパルス幅は、50〜100nsである、セラミック基板の製造方法(請求項3)も含まれる。上記パルス幅は、当該パルスの所要時間である。
これによれば、前記グリーンシートに対し、十分な加熱を伴ったYAGレーザが表面側から内部に吸収され且つ裏面側まで確実に達するので、内壁面にガラス溶融物が付着していない貫通孔を確実に形成できる。
尚、前記パルスエネルギの範囲を80〜300μJとしたのは、80μJ未満では、例えば、ガラス−セラミックのグリーンシートの場合、ガラス成分に対する加熱が不十分となり、形成される貫通孔の内壁面にガラス溶融物が付着するおそれがあり、一方、300μJを越えると、YAGレーザによる熱的影響が過大となり、入射側の表面の内径aが60μmよりも大径となってしまう。これらを防ぐため、パルスエネルギの範囲を前記の通りとしたものである。
また、前記パルス幅(時間)の範囲を50〜100nsとしたのは、50ns未満では、パルス幅がパルス間隔に対してかなり短くなり、パルス間での熱の逃げにより加熱が不十分となる。一方、パルス幅が100nsを越えると、パルス幅が長くなったことに伴って、パルスのピーク出力が減少するため、貫通孔の加工効率が低下し、更に、パルス間隔に対してYAGレーザの照射時間の占める割合が大きくなり、グリーンシートの表面に開口する貫通孔の内径aが60μmよりも大きくなってしまう。これらを防ぐため、パルス幅の範囲を前記の通りとした。
付言すれば、本発明には、前記グリーンシートに対して前記孔明け工程を行って前記貫通孔を形成した後、かかる貫通孔に導電性ペーストを充填して、ビア導体またはスルーホール導体を形成する工程と、かかるビア導体またはスルーホール導体が形成されたグリーンシートを焼成する工程と、を含む、セラミック基板の製造方法も含まれ得る。
これによる場合、単層または複層のセラミック層を比較的細径のビア導体などが高密度で貫通し、かかるビア導体などを介して、表面側のパッドと裏面の外部端子との間を、確実に導通できるセラミック基板を提供することが可能となる。
以下において、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明によるセラミック基板の製造方法における孔明け工程を示す概略図、図2は、得られた貫通孔を示す断面図である。
予め、図1に示すように、ガラス成分とアルミナなどのセラミック成分とをほぼ同じ重量ずつ含む低温焼成用のグリーンシートsを用意した。上記ガラス成分は、SiO、B、およびAlを主成分とするホウケイ酸系ガラス粉末からなる。かかるガラス粉末に、平均粒径が数μmのアルミナ粉末、樹脂バインダ、および可塑剤などを配合して得られたセラミックスラリを、ドクターブレード法により、平面視が矩形の表面2および裏面3を有し且つ厚みがtであるシート状に成形されたグリーンシートsが得られた。尚、グリーンシートsは、複数のセラミック基板を同時に製作するための多数個取り用の大版サイズのものでも良い。
次いで、グリーンシートsに対し、導体を充填するための貫通孔を形成する孔明け工程を行った。即ち、図1に示すように、グリーンシートsの表面2側に、レーザユニット6および集光レンズ8を所要間隔を置いて配置した。かかるレーザユニット6から平行に照射されYAGレーザLは、集光レンズ8を透過した後、グリーンシートsの表面2において直径が40μmのビーム径dとなるように、かかる表面2の付近で集束する。この際、集束されたYAGレーザLによる高い指向性を伴った熱エネルギによって、グリーンシートsは、その表面2側から局部的に順次溶融され、断面ほぼUの字形に凹み初め、次第に深く且つ急峻な断面ほぼV字形に凹んだ後、かかる凹みの先端(底部)がやがて裏面3に達する。
尚、前記YAGレーザLの照射条件は、波長が400nm以下(例えば、355nm)、パルスエネルギが80〜300μJ、パルス幅(時間)が50〜100nsである。また、かかるレーザ加工方法は、全体がほぼ逆円錐形を呈するYAGレーザLのビームを、グリーンシートsの表面2における同じ位置に連続して照射する直射法である。
その結果、図2に示すように、グリーンシートsの表面2と裏面3との間を貫通する、例えばビア導体(導体)充填用の貫通孔4が形成された。かかる貫通孔4は、グリーンシートsの表面2側の内径aが大きく、裏面3の内径bが小さいなるような緩いテーパを有している。更に、貫通孔4のほぼ円錐形を呈する内壁面は、前記YAGレーザLの高熱により、グリーンシートsの前記材料が十分に溶融・揮発していたため、溶融が不十分なガラス成分などの異物が付着していなかった。
貫通孔4は、グリーンシートsの表面2側の内径aが、60μm以下で、且つ裏面3側の内径bが、かかる内径aの70〜95%であり、全体として比較的細径のテーパ孔である。また、グリーンシートsの厚みtは、表面2側の内径aの1.6〜4.2倍の範囲となるように、予め選択されていた。
因みに、貫通孔4の表面2側の内径aが60μmである場合、裏面3側の内径bは、42〜57μmの範囲であり、グリーンシートsの厚みtは、96〜252μmの範囲である。
尚、前記直射法に替えて、図3に示すように、前記ビーム径dを10〜30μmに絞り且つ全体がほぼ逆円錐形を呈するYAGレーザLを、グリーンシートsに形成すべき貫通孔4の表面2側の開口部に沿って、平面視が円形の軌跡を複数回描くように、前記レーザユニット6および集光レンズ8を移動させる回転法を用いても、前記と同様な貫通孔4を形成することが可能である。
図4は、前記同様材料からなり且つ厚みtが250μmのグリーンシートs1〜s3に対し、前記孔明け工程によって、表面2側の内径aが60μmで且つ裏面3側の内径bが54μm(内径b/内径a=90%)の貫通孔4を、所定の位置に複数個ずつ形成した状態の概略を示す断面図である。
次に、グリーンシートs1〜s3の各貫通孔4内に対し、Ag粉末またはCu粉末を含む導電性ペースト(導体)を、図示しないメタルマスクおよびスキージを用いて充填した。その結果、図5に示すように、グリーンシートs1〜s3の貫通孔4ごとに、緩いテーパのビア導体(導体)vが形成された。
更に、グリーンシートs1〜s3の表面2とグリーンシートs3の裏面3とに対して、前記同様のAg粉末などを含む導電性ペーストを、図示しないスクリーンを介して、所定パターンになるように印刷した。
その結果、図5に示すように、グリーンシートs1の表面2には、複数のパッド10が、グリーンシートs2,s3の表面2には、配線層12,14が、グリーンシートs3の裏面3には、複数の外部端子11が、それぞれの端部にて前記ビア導体vと接続して形成された。
次いで、配線層12,14などが形成された上記グリーンシートs1〜s3を、厚み方向に沿って積層し且つ圧着した。その結果、図6に示すように、グリーンシートs1〜s3が一体に積層された未焼成の積層体GSが得られた。かかる積層体GSでは、その表面2のパッド10と裏面3の外部端子11とが、前記配線層12,14およびビア導体vを介して、導通可能となっていた。
次に、図6に示すように、未焼成の積層体GSの表面2および裏面3に、前記グリーンシートs1〜s3の焼成温度では、焼成しないアルミナなどのセラミックを主成分とする拘束シートy1,y2を積層および圧着して、焼成用の複合積層体FSを形成した。
更に、複合積層体FSを前記グリーンシートs1〜s3の焼成温度帯で焼成した。この際、拘束シートy1,y2との密着によって、これらに挟まれていたグリーンシートs1〜s3の平面方向に沿った焼成収縮が抑制された。
そして、未焼成の拘束シートy1,y2を剥離して除去した。
その結果、図7に示すように、前記グリーンシートs1〜s3が焼成されたガラスを含むセラミックs1〜s3、前記導電性ペーストが焼成されたビア導体v、パッド10、配線層12,14、および外部端子11を備えたセラミック基板1が得られた。
以上のようなセラミック基板1の製造方法によれば、高い指向(浸透)性を伴った熱エネルギを照射した前記YAGレーザLによって、低温焼成用で厚みtの前記グリーンシートs1〜s3の表面2と裏面3との間に、内径aおよび内径bの緩やかなテーパを伴って貫通し且つ内壁面に異物が付着していない貫通孔4を確実に形成できた。そのため、焼成後のパッド10、配線層12,14、外部端子11の間を、比較的細径のビア導体vを介して確実に導通することができた。しかも、焼成時において、前記グリーンシートs1〜s3の平面方向に沿った焼成収縮を、拘束シートy1,y2によって、抑制することもできた。従って、寸法精度に優れ且つ高密度の配線層12などやビア導体vを有するセラミック基板1を、効率良く確実に製造することができた。
以下において、本発明の具体的な実施例について、比較例と併せて説明する。
予め、SiO、B、およびAlを主成分とするホウケイ酸系ガラス粉末と、アルミナ粉末と、シート成形時のバインダ成分と、可塑剤のアクリル系バインダ、およびジ・オクチル・フタレート(以下、DOPという)と、を用意した。上記アルミナ粉末は、平均粒径が3μmで、比表面積が1.0m/gである。
次に、アルミナ製のポット内に 上記ホウケイ酸系ガラス粉末とアルミナ粉末とを秤量し、重量比1:1で且つ総重量1kgとなるようにして投入した。
次いで、前記アクリル樹脂120gと、適当なスラリ粘度およびシート強度を付えるのに必要な量の溶剤のメチルエチルケトン(以下、MEKという)と、可塑剤のDOPとを、上記ポット内に更に投入した後、5時間混合して前記ガラス成分を含むセラミックスラリを得た。
更に、前記セラミックスラリをドクターブレード法によってシート状に成形し、後述する表1中に示すように、厚みtが0.05〜0.30mm(50〜300μm)と異なる複数のグリーンシートを得た。
次いで、上記複数のグリーンシートごとに対し、表1に示すように、YAGレーザまたはCOレーザの何れかを、波長、パルスエネルギ、パルス幅、およびレーザ加工方法の少なくとも1つを変えて、表面側から照射し、各シートごとに100個ずつの貫通孔を形成した。
各グリーンシートごとに、100個ずつ形成された貫通孔における表面側の内径a、裏面側の内径b、グリーンシートの厚みtと上記内径aとの比t/a、および上記内径bと内径aとの比b/aを測定し、それらの平均値を表1中に示した。
これらのうち、YAGレーザを用い、波長が400nm以下、パルスエネルギが80〜300μJ、パルス幅が50〜100ns、上記比t/aが1.6〜4.2倍、および上記比b/aが70〜95%の全てに該当するものを、実施例1〜9と区分した。一方、上記のうち少なくとも1つ以上が該当しないものを、比較例1〜8と区分して、表1に示した。
各例ごとで100個ずつの貫通孔を、光学顕微鏡(倍率:200倍)で観察し、貫通孔の内壁面に、最大寸法5μm以上の溶融ガラスなどの付着物が100個全てで観察されなかった例は、「なし」とし、1個でも観察された例は、「有り」として表1に中に表示した。
Figure 2008288403
表1によれば、実施例1〜9は、何れも100個ずつ全ての貫通孔の内壁面に、付着物が観察されなかった。これは、波長が355nm(400nm以下)、パルスエネルギが80〜300μJ、およびパルス幅が50〜100nsの範囲にある高エネルギで指向性の強いYAGレーザを、直射法または回転法によって、前記グリーンシートの表面側から照射し、予めグリーンシートの厚みtを表面側の内径aの1.6〜4.2倍の範囲に設定していた。このため、実施例1〜9は、表面側の内径aが60μmの細径の貫通孔であっても、前記内径比b/aが70〜95%の範囲内に入る緩やかなテーパ孔になると共に、全貫通孔の内壁面に付着物を生じなかった、ものと推定される。
一方、比較例1は、波長が10600nm、パルスエネルギが50000μJ、およびパルス幅が200000nsのCOレーザを用いたため、細径の貫通孔を形成する際には、出力を大幅に絞ることが必要である。しかし、波長が長いため、出力を絞った際には、前記グリーンシート内部のガラス成分が十分に溶融されず、その貫通孔の内壁面に付着物が付着していた、ものと推定される。
また、比較例2は、YAGレーザの波長が1063nmと長く、且つパルスエネルギが20000μJと高過ぎたため、前記COレーザと同様に出力を絞った際に、当該YAGレーザがグリーンシートの内部に吸収されず、その貫通孔の内壁面に付着物が付着していた、ものと推定される。
更に、比較例3は、YAGレーザの波長が533nmとやや短くなった分、グリーンシート内部への吸収が良くなったことで、貫通孔内に付着物が付着していなかった。その反面、パルスエネルギが2000μJと高過ぎたため、表面側の内径aが熱的影響により過大となり、裏面側まで十分な孔明け加工ができない形態でのみ、表面側の内径aを60μmにできるに留まった。その結果、裏面側の内径bが35μmと過少となり、且つ前記内径比b/aが58%の急峻なテーパの内壁面を有する貫通孔となった、ものと推定される。
また、比較例4は、YAGレーザの波長が355nmに対し、そのパルスエネルギが350μJと高かく、且つパルス幅が50nsと短かったため、貫通孔内に付着物が付着しなかった反面、裏面側の内径bが30μmと最少となり、且つ前記内径比b/aが50%の最急峻なテーパの貫通孔となった、ものと推定される。
更に、比較例5は、YAGレーザの波長が355nmに対し、そのパルスエネルギが60μJと低かったため、パルス幅が100nsと適正でも、前記グリーンシート内部のガラス成分の溶融が不十分で、貫通孔内に付着物が付着した。
また、比較例6は、YAGレーザの波長が355nmで且つパルスエネルギが100μJであったのに対し、パルス幅が120nsと長過ぎたため、上記同様にと貫通孔内に付着物が付着すると共に、裏面側の内径bが35μmと過少となり、且つ前記内径比b/aが60%の急峻なテーパの貫通孔となった。
更に、比較例7も、YAGレーザの波長が355nmで、パルスエネルギが100μJであったのに対し、パルス幅が30nsと最短であったため、内部への吸収が不足し、前記同様に貫通孔内に付着物が付着した、ものと推定される。
加えて、比較例8は、YAGレーザの波長が355nm、パルスエネルギが100μJ、およびパルス幅が80nsであった反面、前記厚みt/内径aの比が5.00倍と大き過ぎたため、裏面側の内径bが30μmと最少となり、且つ前記内径比b/aが50%の最急峻なテーパの貫通孔となった、ものと推定される。
前記実施例1〜9のようなグリーンシートに貫通孔を形成する孔明け工程を用いることで、かかる貫通孔に充填し且つ焼成される細径のビア導体を介して、焼成後のセラミック層における表面と裏面との間を、高密度にして確実に導通を取ることができるセラミック基板を製造することが可能となる。
従って、前記実施例1〜9により、本発明の優位性が容易に理解されよう。
本発明は、前記実施の形態および実施例には、限定されるものではない。
前記グリーンシートには、ガラス成分などを含まない高温焼成用のグリーンシートを用いても良い。この場合、前記ビア導や配線層などは、WまたはMo粉末を含む導電性ペーストを用い、且つ焼成時には前記拘束シートを用いずに焼成される。
また、グリーンシートに形成する貫通孔は、スルーホール導体を充填するためのものとしても良い。
更に、前記孔明け工程、導電性ペーストの貫通孔への充填工程、配線層などの印刷工程、未焼成の積層体および複合積層体の形成工程、焼成工程、および拘束シートの除去工程は、大版のグリーンシートおよび拘束シートを用いる多数個取りの形態で行っても良い。
本発明の製造方法における孔明け工程を示す概略図。 上記孔明け工程により得られた貫通孔の付近を示す断面図。 異なる形態の孔明け工程を示す概略図。 上記孔明け工程により得られたグリーンシートの概略を示す断面図。 図4に続く製造工程の概略を示す断面図。 図5に続く製造工程の概略を示す断面図。 上記各工程により得られたセラミック基板の概略を示す断面図。
符号の説明
1…………………セラミック基板
2…………………表面
3…………………裏面
4…………………貫通孔
s,s1〜s3…グリーンシート
t…………………グリーンシートの厚み
L…………………YAGレーザ
a…………………表面側の内径
b…………………裏面側の内径
v…………………ビア導体(導体)

Claims (3)

  1. 導体を充填するための貫通孔における表面側の内径aに対し、厚みtが内径aの1.6〜4.2倍であるグリーンシートの表面と裏面との間を貫通して、上記貫通孔を形成するに際し、
    上記グリーンシートの表面側から波長が400nm以下のYAGレーザを照射することにより、表面側の内径aが60μm以下の貫通孔を形成する孔明け工程を、含む、
    ことを特徴とするセラミック基板の製造方法。
  2. 前記グリーンシートの裏面側における前記貫通孔の内径bは、前記表面側の内径aの70〜95%の範囲にある、
    ことを特徴とする請求項1に記載のセラミック基板の製造方法。
  3. 前記YAGレーザのパルスエネルギは、80〜300μJであり、且つパルス幅は、50〜100nsである、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のセラミック基板の製造方法。
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