JP2008288300A - 静電吸着保持装置及びそれを有する露光装置 - Google Patents

静電吸着保持装置及びそれを有する露光装置 Download PDF

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Abstract

【課題】真空環境下において被吸着物の温度分布の偏りを低減又は除去する静電吸着保持装置及びそれを有する露光装置を提供する。
【解決手段】複数の電極と絶縁層とを有し、前記電極に電圧が印加されると前記絶縁層が誘電分極を生じて前記絶縁層の上に導電性の被吸着物を静電吸着によって保持する吸着台と、前記吸着台を冷却する冷却部と、前記複数の電極に接続され、前記複数の電極に個別に電圧を印加する電圧調節部と、前記被吸着物の温度分布の情報に基づいて前記電圧調節部が前記複数の電極に印加すべき電圧の分布を決定することによって前記電圧調節部を制御する制御部とを有することを特徴とする静電吸着保持装置を提供する。
【選択図】図2

Description

本発明は、静電吸着保持装置及びそれを有する露光装置に関する。
従来、静電吸着力により物体を静電吸着して保持する静電吸着保持装置として図10に示す構成が知られている。この静電吸着保持装置は、半導体製造装置、例えば、露光装置やエッチング装置にマスクやウエハあるいはその装置の構成部品等を必要に応じて固定し解放するために使用される。図10において、1は吸着台、2a、2bは一対の電極、3は絶縁層、8は導電性の被吸着物である。電極2a、2b間に電圧を印加すると被吸着物8を介して電界が絶縁層3に発生し、誘電分極を生じて電荷を発生する。この結果、被吸着物8と電極2a、2bとの間に静電吸着力が発生し、被吸着物8は絶縁層3に保持される。
また、近年の微細加工の要求に伴って波長5〜20nmの極端紫外線(Extreme Ultra Violet:EUV)を用いた露光装置(以下、「EUV露光装置」という。)が注目されている。EUV光は気体の吸収が大きいため真空環境下で使用される。真空中ではウエハ表面からの気体の伝熱による冷却ができなくなり、ウエハに熱がこもり易い。また、露光光として電子線を用いる場合にも同様の問題が生じる。従来の真空中における冷却方法としては冷媒を直接接触させた熱伝導や輻射が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2003−68626号公報
EUV露光装置は、光をウエハWに局所的に照射するため、図11に示すように、ウエハWの露光光照射後の温度は照射前の温度に対して照射範囲を中心にΔTだけ上昇する。図11において、横軸は被吸着物8としてのウエハWの中心からの距離であり、縦軸がウエハWの温度である。ウエハWの偏った温度分布は局所的な熱変位を引き起こし、位置合わせにおいて位置ずれを生ずる。この場合、冷却位置をウエハ全体に設定すると温度上昇していない箇所も冷却してしまい温度分布の偏りを除去することができない。
本発明は、真空環境下において被吸着物の温度分布の偏りを低減又は除去する静電吸着保持装置及びそれを有する露光装置に関する。
本発明の一側面としての静電吸着保持装置は、複数の電極と絶縁層とを有し、前記電極に電圧が印加されると前記絶縁層が誘電分極を生じて前記絶縁層の上に導電性の被吸着物を静電吸着によって保持する吸着台と、前記吸着台を冷却する冷却部と、前記複数の電極に接続され、前記複数の電極に個別に電圧を印加する電圧調節部と、前記被吸着物の温度分布の情報に基づいて前記電圧調節部が前記複数の電極に印加すべき電圧の分布を決定することによって前記電圧調節部を制御する制御部とを有することを特徴とする。
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施例によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、真空環境下において被吸着物の温度分布の偏りを低減又は除去する静電吸着保持装置及びそれを有する露光装置を提供することができる。
以下、図1を参照して、本発明の一側面としてのEUV露光装置100について説明する。ここで、図1は、露光装置100の概略断面図である。露光装置100は、EUV光を用いてステップ・アンド・スキャン方式でマスク(原版)120の回路パターンをウエハWに露光する投影露光装置である。露光装置100は、照明装置110と、マスクステージ125と、投影光学系130と、アライメント検出機構160と、フォーカス位置検出機構170とを有する。
EUV光は、5nm乃至20nmの波長(例えば、波長13.4nm)を有する。EUV光は、大気に対する透過率が低く、残留ガス(高分子有機ガス)成分との反応によりコンタミを生成してしまうため、少なくとも、EUV光が通る光路中(即ち、光学系全体)は真空雰囲気VAとなっている。
照明装置110は、投影光学系130の円弧状の視野に対する円弧状のEUV光によりマスク120を照明し、EUV光源部112と、照明光学系114とを有する。
EUV光源部112は、レーザープラズマ光源が用いるが、放電プラズマ光源を用いてもよい。照明光学系114は、集光ミラー114a、オプティカルインテグレーター114b、アパーチャ114cから構成される。集光ミラー114aは、レーザープラズマ光源からほぼ等方的に放射されるEUV光を集める。オプティカルインテグレーター114bは、マスク120を均一に所定の開口数で照明する。アパーチャ114cは、マスク120と共役な位置に設けられ、マスク120の照明領域を円弧状に限定する。
マスク120は、反射型マスクで、マスクステージ125に支持及び駆動されている。マスク120から発せられた回折光は、投影光学系130で反射されてウエハW上に投影される。マスク120とウエハWとは光学的に共役の関係に配置される。露光装置100は、ステップ・アンド・スキャン方式の露光装置であるため、マスク120とウエハWを同期走査することによりマスクパターンをウエハW上に縮小投影する。
マスクステージ125は、チャック125aを介してマスク120を支持して図示しない移動機構に接続されている。マスクステージ125は、当業界周知のいかなる構造をも適用することができる。チャック125aは、静電チャックであり、静電吸着力によってマスク120を吸着する。
投影光学系130は、複数の多層膜ミラー130aを用いて、マスクパターンの像を像面であるウエハW上に縮小投影する。複数のミラー130aの枚数は、4枚乃至6枚程度である。少ない枚数のミラーで広い露光領域を実現するには、光軸から一定の距離だけ離れた細い円弧状の領域(リングフィールド)だけを用いて、マスク120とウエハWを同時に走査して広い面積を転写する。投影光学系130は、本実施形態では、4枚のミラー130aによって構成され、マスク120のパターンを1/4に縮小してウエハW上に結像する。
ウエハWは、別の実施形態では液晶基板その他の基板(被露光体)を広く含む。ウエハWには、フォトレジストが塗布されている。ウエハWは導電性の被吸着物である。
ウエハステージ140は、ウエハチャック141を介してウエハWを支持する。ウエハステージ140は、例えば、リニアモーターを利用してウエハWを移動する。
アライメント検出機構160は、マスク120の位置と投影光学系130の光軸との位置関係、及び、ウエハWの位置と投影光学系130の光軸との位置関係を計測する。また、アライメント検出機構160は、マスク120の投影像がウエハWの所定の位置に一致するようにマスクステージ125及びウエハステージ140の位置と角度を設定する。
フォーカス位置検出機構170は、ウエハW面で所謂Z方向のフォーカス位置を計測する。フォーカス位置検出機構170は、ウエハステージ140の位置及び角度を制御することによって、露光中、常時ウエハW面を投影光学系130による結像位置に保つ。
以下、ウエハチャック141の詳細について実施例1及び2において詳細に説明する。ウエハチャック141は静電吸着保持装置の一例である。
実施例1のウエハチャック141は、図2(a)及び図2(b)に示す構成を有する。即ち、ウエハチャック141は、吸着台142と、複数の電極143と、絶縁層144と、温度センサ145と、管146と、液体147と、温調素子148と、制御系とを有する。制御系は、制御部としてのCPU150と、メモリ151と、電圧調節部152と、温度調節部154及び156とを有する。ここで、図2(a)は、ウエハチャック141の概略平面図である。図2(b)は、図2(a)のAA断面図である。なお、図2(a)ではステージ140は省略されている。
吸着台142は有機物やセラミック製であり、その表面に形成された絶縁層144を介してウエハWを保持する。複数の電極143は、図2(b)に示すように、格子状に吸着台142の実効面積の全面に亘って吸着台142の中に同じ高さに配置されている。絶縁層144は、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜から構成される。
温度センサ145は吸着台142の温度を検出し、白金測温抵抗体を使用する。温度センサ145は、電極143と同数配置してある。なお、実際のプロセスでは、シミュレーションを行うことによって温度検出を行なわなくてもよい。直接ウエハWの温度を測定することはできないので、温度センサ145は吸着台142の温度を測定することによって間接的にウエハWの温度分布を測定する。
管146と、液体147と、温度調節部156は、温調素子148の裏面の熱を回収して真空室内の各部の温度を維持する。管146は、温調素子148の裏面に取り付けられ、冷媒としての液体147が流れる流路を形成する。管146の材質は、液体147によって決定され、ステンレス、真鍮、銅等が用いられる。液体147としては、液体でも気体でもよく、例えば、水、ヘリウム、窒素から構成される。
温調素子148は吸着台142の裏面に取り付けられ、例えば、ペルチェ素子から構成される冷却素子である。複数の温調素子148は、吸着台142を冷却する冷却部として機能する。複数の温調素子148は複数の電極143と同数だけ設けられ、各温調素子148は書く電極に対応した領域に設けられる。
CPU150は、メモリ151と、電圧調節部152と、温度調節部154及び156に接続される。CPU150は、メモリ151の情報その他の情報に基づいて電圧調節部152と温度調節部154及び156を制御する制御部として機能する。また、CPU150はステージ140の駆動制御も行う。メモリ151は後述する制御方法やそれに必要なデータを格納する。
電圧調節部152は電極143の電圧を個別に制御する。本実施例の電圧調節部152は、いずれかの電極143にのみ電圧を供給するのではなく全ての電極143に電圧を供給するが供給される電圧には分布がある。電圧の分布はCPU150がウエハWの温度情報に基づいて決定する。
温度調節部154は温調素子148の温度を個別的に調節する。後述する実施例1においては、電圧調節部152は、いずれかの温調素子148の温度のみを調節するのではなく全ての温調素子148の温度を一定に調節する。また、後述する実施例2においては、電圧調節部152は、いずれかの温調素子148の温度のみを調節するのではなく全ての温調素子148の温度を調節するが、その温度には分布がある。温度分布はCPU150がウエハWの温度情報に基づいて決定する。
温度調節部156は管146の液体147の温度を制御する。
以下、図3を参照して、CPU150による動作について説明する。ここで、図3は、CPU150の制御フローである。まず、前提として、露光条件を図示しない入力部からメモリ151に設定する(ステップ1002)。露光条件は、ショットレイアウト、露光順序、露光時間、光源のエネルギー、投影光学系130の開口数(NA)、焦点深度等の露光パラメータによって規定される。
次に、CPU150は、各ショット位置での露光時の温度データを取得する(ステップ1004)。本実施例では、インプロセス、即ち、実際の露光時に温度測定することなしで、ウエハWの温度を均一温度にする。そのためには、露光パラメータとショットごとのウエハWの温度分布を予め知る必要がある。ウエハWの温度分布は、試験用ウエハを本露光用ウエハと同一の露光条件で実際に露光し、その温度分布を測定するかシミュレーションにより温度分布を算出して取得する。
次に、本露光用ウエハWをセットし(ステップ1006)、ウエハWのショット数iを1に設定する(ステップ1008)。次に、ショット数iが総ショット数nを超えたかどうかを判断する(ステップ1010)。CPU150は、ショット数iが総ショット数nを超えていないと判断すれば(ステップ1010)、マスクパターンを目標ショットに露光する(ステップ1012)。その際、CPU150は、目標ショットを露光する前に、温度分布データに基づいて、目標ショットの静電吸着力又は吸着台142の温度分布を制御する(ステップ1014)。ステップ1014の詳細については後述する。その後、iをi+1にインクレメントし(ステップ1016)、ステップ1010に帰還する。一方、CPU150は、ショット数iが総ショット数nを超えていないと判断すれば(ステップ1010)、ウエハW上の全てのショットが露光されているので処理を終了する。
以下、ステップ1004で温度データを取得する方法について説明する。ここでは、試験用ウエハを使用する場合について説明する。まず被吸着物として試験用ウエハWを吸着台142の上に載置し、電極143に電圧を印加する。すると、ウエハWを介して電界が絶縁層144の中に発生し、絶縁層144は誘電分極を生じて電荷を発生する。この結果、ウエハWと電極143との間に静電吸着力が発生し、ウエハWは絶縁層3に保持される。試験用ウエハWにステップ・アンド・スキャン露光を行なうと試験用ウエハWでは局所的に温度が上昇する。温度センサ145がかかる温度変化を検出することによって、ウエハWの温度分布を予め知ることができる。なお、温度分布を検出することによって、露光光の直接的な照射によるもののみならず、フレアや前回の冷却が不十分な場合にも対応することができる。検出された温度分布から、ウエハWに与えられた熱量を計算する。計算された熱量が、露光によってウエハWに照射された熱量であり、これが回収すべき熱量である。
ここで、ΔQはウエハWから吸着台142に移動する熱量、Δtは時間、λはウエハWから吸着台142への熱伝導率である。また、SはウエハWと吸着台142が見かけ上接触している面積である。本実施例では、上述したように、静電吸着力に分布はあるものの吸着台142の全面に静電吸着力が作用するから、SはウエハW又は吸着台142の吸着面のいずれか小さい方の面積である。dT(z)/dzはウエハWと吸着台142との間の温度差又は温度勾配である。Z方向は図1、図2(a)、図6(a)に示す方向である。数式1は時間Δtの間に面積Sを通じて熱量ΔQが移動することを表している。
吸着台142とウエハWの間の接触抵抗又は熱抵抗は熱伝導率λの逆数に比例するから、数式2が成立する。数式2は熱伝導率λが接触圧力pに比例することを表している。
ここで、Hはマイヤー硬さ、pは接触圧力である。図4は接触圧力と接触抵抗との関係を示すグラフである。図4から、接触圧力pを大きくすることで接触抵抗を小さくできることが理解される。
また、平行板コンデンサにおいて、両電極間に働く静電気力は数式3で規定される。
ここで、Sは電極の面積、Vは電圧、dは間隔、Fは極板間の静電気力、εは極板間の誘電率である。ウエハWと電極143との間に働く力は数式3から類推することができる。
一方、接触圧力pと静電気力Fとの間には数式5の関係がある。
数式3の力Fが変化すると数式4から接触圧力pが変化する。接触圧力pが変化すると数式2から熱伝導率λが変化する。
露光時にウエハWに照射される露光光のエネルギーによりウエハWの温度分布が不均一になることを防止するためには、電極143に印加される電圧Vを上げて熱伝導率λを上げ、熱がウエハWから回収されやすい状態にすることが必要である。
CPU150は熱量を回収するために静電吸着力を制御する。CPU150は、ウエハWの温度分布の情報に基づいて、数式1乃至4を用いて電圧調節部が印加する電圧の分布を制御する。かかる制御は露光中にリアルタイムで行ってもよいが、フィードバック制御では、遅れ時間を生じるために本実施例では試験用ウエハWに関する測定結果を本露光用ウエハWに適用する。これにより、制御の応答性を確保することができる。
ここで、ウエハWが、図5(a)に示す温度分布を示すものとする。図5(a)は露光光を照射した前後のウエハWの温度分布を示すグラフであり、横軸はウエハWの中心からの距離であり、縦軸は温度である。Nは照射領域である。温度T1の直線B1は照射前のウエハWの温度分布である。また、曲線B2は照射領域Nの範囲でウエハWが露光光を照射された後のウエハWの温度分布である。曲線B2はCPU150による吸着力制御を施さない場合の露光光照射後のウエハWの温度分布である。
CPU150は、図5(a)に示す温度分布をステップ1004で取得する。これに応答して、CPU150は、複数の電極143のうち露光光の照射領域Nの直下又はその周囲の電極143の静電吸着力が強くなるように電圧調節部152を制御する。このように、CPU150は、図5(a)に示す曲線B2が直線B1となるように、図5(b)に示す静電吸着力の制御を行う。図5(b)はウエハWの位置と局所的に働く静電吸着力との関係を示したグラフであり、横軸はウエハWの中心からの距離であり、縦軸は静電吸着力である。
照射領域Nにおいて静電吸着力f0からf1に増加している。照射領域Nの外においては静電吸着力f0は0より大きいためチャック141はウエハWの全面にある程度の吸着力は加えている。
このように、CPU150は、図5(a)に示す温度分布をステップ1004で取得してステップ1014において図5(b)に示す静電吸着力分布を得る電圧調節部152が印加すべき電圧の分布を求める。この場合、数式1乃至数式4によってある程度計算で求めた後で経験則に基づいて計算結果を補正することが好ましい。補正データは、計算によって求めた電圧の分布に基づいて試験用ウエハWを温度制御した場合に直線B1とのずれのデータから形成することができる。また、計算においては、絶縁層144の体積抵抗率、厚さ、比誘電率、吸着台142とウエハWのギャップ、接触抵抗からなるデータベースを予めメモリ151に格納しておきこれを利用することができる。
CPU150はウエハWの走査露光終了後に次のショットにステップ送りし、照射によってウエハWの温度が上昇する前に照射位置の静電吸着力を変化させ、ウエハWの温度分布の均一性を維持する。照射終了後、照射位置の静電吸着力は元に戻り、次の照射領域Nの静電吸着力が制御される。本実施例では冷却時間は照射時間に固定しているが、別の実施例では冷却時間は照射時間と異なる。
以下、図6(a)及び図6(b)を参照して、実施例2のウエハチャック141Aについて説明する。図6(a)は、第2の実施例のウエハチャック141Aの概略平面図である。図6(b)は、図6(a)のAA断面図である。なお、図6(a)ではステージ140は省略されている。図6(a)及び図6(b)において、図2(a)及び図2(b)と同様の部材には同一の参照符号を付している。
実施例1は照射領域Nを担当する温調素子148の温度とその周囲の温調素子148の温度を同一に設定している。実施例1の構成は数式1の熱伝導率λを増加させているが、露光光の照射エネルギーが大きい場合には、照射領域Nの温度上昇が大きくなり、静電吸着力を制御しても全熱量を回収できないという問題が発生し得る。そこで、実施例2はこれに加えて数式1の温度差dT(z)/dzを更に増加することによって冷却効率を高めている。
実施例2は、複数の電極143に対して同数の温調素子148を配置している。本実施例のCPU150は、実施例1と同様に、ステップ1004で予めウエハWの温度分布の情報を取得し、ステップ1014において静電吸着力を制御すると同時に温調素子148の温度の制御を行なう。
ここで、ウエハWが、図7(a)に示す温度分布を示すものとする。図7(a)は露光光を照射した前後のウエハWの温度分布を示すグラフであり、横軸はウエハWの中心からの距離であり、縦軸は温度である。Nは照射領域である。温度T1の直線B1は照射前のウエハWの温度分布である。また、曲線B2は照射領域Nの範囲でウエハWが露光光を照射された後のウエハWの温度分布である。曲線B2はCPU150による吸着力制御を施さない場合の露光光照射後のウエハWの温度分布である。
CPU150は、図7(a)に示す温度分布をステップ1004で取得した場合、まず、複数の電極143のうち露光光の照射領域Nの直下又はその周囲の電極143の静電吸着力を強くして電圧調節部152を制御する。このため、CPU150は、まず、図7(b)に示す静電吸着力の制御を行う。図7(b)はウエハWの位置と局所的に働く静電吸着力との関係を示したグラフであり、横軸はウエハWの中心からの距離であり、縦軸は静電吸着力である。照射領域Nにおいて静電吸着力f0からf1に増加している。なお、照射領域Nの外においては静電吸着力f0は0より大きいためチャック141はウエハWの全面にある程度の吸着力は加えている。
更に、CPU150は、図7(c)に示すように、複数の電極143のうち照射領域Nの直下又はその周囲の温調素子148の温度を周囲の温調素子148よりも低くする。これにより、照射領域NにおけるウエハWと吸着台142との温度差を高くして冷却効果を高めることができる。周囲の温調素子148の温度も冷却してしまうと周囲の温調素子148に対応するウエハWの領域の温度が低くなりすぎて温度分布の均一が図れなくなるため好ましくない。
CPU150はウエハWの走査露光終了後に次のショットにステップ送りし、照射によってウエハWの温度が上昇する前に照射位置の静電吸着力と温度勾配を変化させ、図7(a)に示す曲線B2が直線B1となるように、静電吸着力と温度差の制御を行う。ウエハWの温度分布の均一性を維持する。照射終了後、照射位置の静電吸着力と温度差は元に戻り、次の照射領域Nの静電吸着力と温度差が制御される。即ち、本実施例では冷却時間は照射時間である。
図2(a)及び図2(b)においては電極143の数と温度センサ145の数を同数にしている。図6(a)及び図6(b)においては電極143の数と温度センサ145の数と温調素子148の数を同数にしてある。これは、温度センサ145の計測値から静電吸着力や温調素子148の制御目標温度を計算する際の簡単化のためであって、電極143の数と温度センサ145の数、温調素子148の数が必ずしも同数でなくても同様の効果が得られる。電極143の数と、温度センサ145の数、温調素子148の数は、総ショット数と同数とする構成がもっとも好ましい。
露光において、照明装置110からのEUV光はマスク120を均一に照明し、投影光学系130を介してマスクパターンの像をウエハWの各ショットに投影する。この際、CPU150がウエハチャック141を制御してウエハWの温度制御を行うので局所的な温度分布の偏りとそれに伴う位置ずれを防止して高品位な露光をウエハWに施すことができる。
次に、図8及び図9を参照して、露光装置100を利用したデバイス製造方法の実施例を説明する。図8は、半導体デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、あるいは液晶パネルやCCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。ステップ1(回路設計)では、半導体デバイスの回路設計を行う。ステップ2(レチクル製作)では、設計した回路パターンを形成したレチクルを製作する。一方、ステップ3(ウエハ製造)では、シリコン等の材料を用いてウエハを製造する。ステップ4(ウエハプロセス)は、前工程と呼ばれ、上記用意したレチクルとウエハを用いて、リソグラフィ技術によってウエハ上に実際の回路を形成する。次のステップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含む。ステップ6(検査)では、ステップ5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これが出荷(ステップ7)される。
図9は、図8のステップ4のウエハプロセスの詳細なフローチャートである。ステップ11(酸化)では、ウエハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)では、ウエハ表面に絶縁膜を形成する。ステップ13(電極形成)では、ウエハ上に電極を蒸着等によって形成する。ステップ14(イオン打ち込み)ではウエハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)ではウエハに感光材を塗布する。ステップ16(露光)では、露光装置100によってレチクルパターンをウエハに露光する。ステップ17(現像)では露光したウエハを現像する。ステップ18(エッチング)では、現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)では、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンが形成される。本実施例の製造方法を用いれば、従来よりも高品位なデバイス(半導体素子、LCD素子、撮像素子(CCDなど)、薄膜磁気ヘッドなど)を製造することができる。また、このように、露光装置100を使用するデバイス製造方法、並びに結果物(中間、最終生成物)としてのデバイスも本発明の一側面を構成する。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、露光方法としてステップ・アンド・リピート方式を使用してもよいし、EUV光の代わりに電子線を用いてもよい。また、露光装置に限らず、プラズマ処理装置などの処理装置にも本発明の静電吸着保持装置は適用可能である。
本発明の実施例1の露光装置の概略ブロック図である。 図2(a)は、実施例1のウエハチャックの概略平面図である。図2(b)は、図2(a)のAA断面図である。 図2(a)に示すCPUの動作フローである。 接触圧力と熱抵抗(接触抵抗)との関係を示すグラフである。 図5(a)は露光光の照射の前後によるウエハの温度分布を示すグラフである。図5(b)は、図5(a)に示す温度分布を解消するための静電吸着力の分布を示すグラフである。 図6(a)は、実施例2のウエハチャックの概略平面図である。図6(b)は、図6(a)のAA断面図である。 図7(a)は露光光の照射の前後によるウエハの温度分布を示すグラフである。図7(b)及び図7(c)は、図7(a)に示す温度分布を解消するための静電吸着力と吸着台の温度分布を示すグラフである。 図1に示す露光装置を利用するデバイス製造方法を説明するためのフローチャートである。 図8に示すステップ4の詳細なフローチャートである。 従来の静電吸着保持装置の概略断面図である。 従来のEUV露光装置の問題を説明する概略図である。
符号の説明
100 露光装置
141、141A ウエハチャック(静電吸着保持装置)
142 吸着台
143 電極
144 絶縁層
145 温度センサ
148 温調素子
150 CPU
152 電圧制御部

Claims (10)

  1. 複数の電極と絶縁層とを有し、前記電極に電圧が印加されると前記絶縁層が誘電分極を生じて前記絶縁層の上に導電性の被吸着物を静電吸着によって保持する吸着台と、
    前記吸着台を冷却する冷却部と、
    前記複数の電極に接続され、前記複数の電極に個別に電圧を印加する電圧調節部と、
    前記被吸着物の温度分布の情報に基づいて前記電圧調節部が前記複数の電極に印加すべき電圧の分布を決定することによって前記電圧調節部を制御する制御部とを有することを特徴とする静電吸着保持装置。
  2. 前記冷却部は複数の冷却素子を有し、
    前記制御部は、前記情報に基づいて前記冷却部が形成すべき温度分布を決定することによって前記冷却部を制御することを特徴とする請求項1記載の静電吸着保持装置。
  3. 前記吸着台の温度を検出する温度センサを更に有し、各温度センサと各冷却素子は各電極に対応する領域に割り当てられ、前記複数の電極と前記冷却素子と前記複数の温度センサは、それぞれ前記被吸着物に形成されて温度制御される領域の数に等しいことを特徴とする請求項2に記載の静電吸着保持装置。
  4. 光源からの光を利用して真空環境において原版に形成されたパターンを基板に露光する露光装置において、
    請求項1乃至3に記載され、被吸着物としての前記基板を保持する静電吸着保持装置を有することを特徴とする露光装置。
  5. 請求項4に記載の露光装置で基板を露光するステップと、
    該露光された基板を現像するステップとを有することを特徴とするデバイス製造方法。
  6. 複数の電極と絶縁層とを有し、前記電極に電圧が印加されると前記絶縁層が誘電分極を生じて前記絶縁層の上に導電性の被吸着物を静電吸着によって保持する吸着台と、前記吸着台を冷却する冷却部と、前記複数の電極に接続され、前記複数の電極に個別に電圧を印加する電圧調節部とを有する静電吸着保持装置の制御方法において、
    前記被吸着物の温度分布の情報を予め取得するステップと、
    前記情報に基づいて前記電圧調節部が前記複数の電極に印加すべき電圧の分布を決定するステップとを有することを特徴とする制御方法。
  7. 前記取得ステップは、前記被吸着物の実際の計測又はシミュレーションによって取得することを特徴とする請求項6に記載の制御方法。
  8. 光源からの光を利用して真空環境において原版に形成されたパターンを基板に露光する露光方法において、
    前記光が照射された前記基板のショットの温度分布の情報を予め取得するステップと、
    前記基板の目標ショットを露光する前に、前記基板を静電吸着により保持すると共に冷却されたチャックの、前記目標ショットに対応する静電吸着力を前記情報に基づいて前記基板の他の領域の静電吸着力よりも強く設定するステップとを有することを特徴とする露光方法。
  9. 前記基板の目標ショットを露光する前に、前記チャックの前記目標ショットに対応する温度を前記情報に基づいて前記基板の他の領域の温度よりも低く設定するステップとを有することを特徴とする請求項8記載の露光方法。
  10. 真空環境において基板を処理する処理装置において、
    請求項1乃至3に記載され、被吸着物としての前記基板を保持する静電吸着保持装置を有することを特徴とする処理装置。
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