JP2008288113A - 車両前照灯 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 LED光源11と、このLED光源からの光を光照射方向前方に向かって反射するように、第一の焦点位置F1が光源の発光部付近に位置し、且つ第二の焦点位置が光照射方向前側に位置する光照射方向前方に向かって凹状の楕円系反射面12と、上記反射面の前方にて、ほぼ水平な光軸上にて、その光源側の焦点位置が上記反射面の第二の焦点位置付近に位置する凸状の投影レンズ13と、を含む車両前照灯10において、上記反射面の長軸が後方に向かって下方に傾斜して配置され、上記LED光源の基板の表面が後方に向かって下方に傾斜して配置されるように、車両前照灯10を構成する。
【選択図】 図1
Description
即ち、図5において、車両前照灯1は、LED光源2と、リフレクタ3と、投影レンズ4と、遮光部材5と、から構成されている。
上記LED光源2は、その基板2aが、光軸Oに沿って前方に向かってほぼ水平に配置され、外部から給電されるようになっている。
ここで、楕円系反射面は、回転楕円面,楕円柱だけでなく、楕円面を基本とした自由曲面を含むものである。
その際、前方に向かって照射される光は、その一部が遮光部材5により遮断され、この遮光部材5の上縁5aによりカットオフラインを形成されて、すれ違いビームとして前方に向かって照射されることになる。
上記遮光部材5の上縁5aを光照射方向前方に向かって照射することにより、カットオフラインCの上側にはまったく光が照射されないので、対向車に眩惑光を与えるようなことがない。
従って、光学系の基本焦点距離が決まると、必然的に車両前照灯の灯具の奥行き寸法も決まることになり、最近の車両デザインにおける灯具奥行き低減の要求に対応することができず、車両前照灯の薄型化が困難になってしまう。
例えば、LED光源2の基板2aの上面に実装されたLED2bの光源像は、図7にて符号L1で示すように、投影レンズ4の下側領域にて、投影レンズ4の周縁からはみだすように形成されることになる。
従って、LED光源2のLED2bから出射した光の一部、特に輝度の高い部分が、投影レンズ4の周縁でケラれ、前方に照射されなくなってしまう。このため、LED光源2からの光の利用効率が低下し、配光パターンの輝度が低下してしまい、集光性が低下して、配光パターンの中心付近の輝度も低下して、遠方視認性が不足することもあった。
このため、前述した車両前照灯1においては、このようなオーバーヘッドサイン用配光に対応するために、遮光部材5に、投影レンズ4の焦点位置(F2)から外れた位置に、オーバーヘッドサイン用配光のための窓部を設けることが考えられる。
この場合、窓部が投影レンズ4の焦点から外れているので、オーバーヘッドサイン用配光がややぼやけた状態で投影されることになり、この配光の周囲の明暗境界線が気になるようなことはない。
また、すれ違いビーム用配光パターンを形成しないリフレクタ3の下側領域3aで反射した光を利用しているため、すれ違いビーム用配光パターンが暗くなってしまうようなことはない。
従って、すれ違いビーム用配光パターンの上端に接するように、オーバーヘッドサイン用配光パターンを設定することは不可能であった。
従って、投影レンズ4により集光される光によりオーバーヘッドサイン用配光が形成され、必ずしもオーバーヘッドサイン用配光として最適な配光特性にはならなかった。
これにより、LED光源の光源像が投影レンズにより光照射方向前方に向かって投影されることになり、所定の配光パターンが形成されることになる。
これにより、最近の車両デザインにおける灯具奥行き低減に対応することが可能になる。
従って、上記LED光源からの光のうち、最も輝度の高い部分が、投影レンズの中心付近に入射することになるので、投影レンズの周縁によるケラれが大幅に低減され、中心付近にてより高い輝度を備えた理想的な配光パターンが得られることになる。
これにより、オーバーヘッドサイン用配光が形成されるので、例えば自動車の進行方向に関して水平線よりやや上側に位置する道路標識等に照射されることにより、これらの道路標識等が明るく照明され、これらの道路標識等が確実に視認され得ることになる。
また、オーバーヘッドサイン用配光は、反射面で反射せず、直接に上記窓部を介して投影レンズに入射する。このため、反射面の形状によるすれ違いビームとは異なる配光特性が付与されることになり、最適なオーバーヘッドサイン用配光が得られ、オーバーヘッドサインの視認性が向上する。
さらに、オーバーヘッドサイン用配光は、上記遮光部材の窓部により形成される。このため、従来の車両前照灯と比較して、追加の部品が不要であることから、簡単な構成により、低コストで構成され得ることになる。
尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1は、本発明による車両前照灯の第一の実施形態の構成を示している。
図1において、車両前照灯10は、自動車のヘッドランプとして構成されており、LED光源11と、上記LED光源11からの光を光照射方向前方に向かって反射するリフレクタ12と、LED光源11またはリフレクタ12から前方に向かって進む光を集束する投影レンズ13と、上記LED光源11から投影レンズ13への光路中に配置された遮光部材14と、から構成されている。
ここで、上記LED光源11は、平坦な基板11a上に、少なくとも一つのLED11bが実装されており、各LED11bは、その中心軸が基板11aに対してほぼ垂直に配置されている。
ここで、楕円系反射面は、回転楕円面,楕円柱だけでなく、楕円面を基本とした自由曲面を含むものである。
上記リフレクタ12は、ほぼ全体がすれ違いビーム用配光パターンを与えるように形成されている。
これにより、遮光部材14の上縁14aが投影レンズ13により光照射方向前方に投影されることにより、すれ違いビーム用の配光パターンにおけるカットオフラインが形成されるようになっている。
即ち、上記リフレクタ12は、図1に示すように、その第一の焦点F1及び第二の焦点F2を通る中心軸(長軸)が、後方に向かって下方に傾斜している。
さらに、上記リフレクタ12は、その第一の焦点F1及び第二の焦点F2の間の焦点間距離d1aが、上記投影レンズ13の焦点距離d2より短く選定されている。
また、上記LED光源11は、その基板11aの表面が、上記リフレクタ12の中心軸に沿って、同様に後方に向かって下方に傾斜して延びるように、配置されている。
これに対して、上述した傾斜配置によって、水平方向の距離d1’は、傾斜角度θに対する余弦(d1’=d1×cosθ)で計算されるので、約14.1mmとなり、約30%の奥行き短縮効果が得られることになる。
LED光源11から出射した光L1は、上記リフレクタ12により反射し、その第二の焦点位置F2付近に向かって集束し、さらに投影レンズ13を介して集束しながら、光照射方向前方に向かって照射される。
その際、上記遮光部材14の上縁14aによりカットオフを形成されることにより、図6に示すように、すれ違いビーム用の配光パターンB1が形成されることになる。
さらに、上記第2焦点F2からリフレクタ12の後端までの距離d1が、投影レンズ13の焦点距離よりも短く選定されていることにより、車両前照灯10全体が、前後方向に関してより薄型化され得ることになる。
これにより、上記LED光源11からの光L2は、図2に示すように、上記投影レンズ13の中心付近に入射することになる。このため、上記LED光源11からの光のうち、最も輝度の高い部分の上記投影レンズ13の周縁によるケラれが大幅に低減され、中心付近にてより高い輝度を備えた理想的な配光パターンが得られることになる。
従って、配光パターンにおける中心付近でより高い輝度が得られ、遠方視認性が向上することになる。
図3は、本発明による車両前照灯の第二の実施形態の構成を示している。
図3において、車両前照灯20は、図1に示した車両前照灯10とほぼ同様の構成であるので、同じ構成要素には同じ符号を付して、その説明を省略する。
上記車両前照灯20は、図1の車両前照灯10とは、上記LED光源11の基板11aの裏側に、ヒートパイプ21が熱的に接続されている点で異なる構成になっている。
これにより、上記LED光源11のLED11bの駆動により発生する熱が、基板11aからヒートパイプ21を介して放熱部材22に伝達され、この放熱部材22から外部に放熱されるようになっている。
さらに、上記LED光源11の後方に向かって下方に傾斜した配置によって、基板11aの放熱のための放熱部材の配置場所が確保できなくても、離れた位置に配置した放熱部材22により確実に放熱が行なわれ得ることになる。
図4は、本発明による車両前照灯の第三の実施形態の構成を示している。
図4において、車両前照灯30は、図1に示した車両前照灯10とほぼ同様の構成であるので、同じ構成要素には同じ符号を付して、その説明を省略する。
上記車両前照灯30は、図1の車両前照灯10とは、上記遮光部材14の上縁14aからやや下方に、窓部14bを備えている点で異なる構成になっている。 尚、この実施形態においては、上記LED光源11は、図1の車両前照灯10におけるLED光源11より大きな傾斜角度で、後方に向かって下方に傾斜している。
この窓部14bは、透過光が投影レンズ13を介して光照射方向前方の上側のオーバーヘッドサイン領域に向かって照射されるように、その大きさ及び位置が選定されている。
この場合、上記オーバーヘッドサイン用配光は、従来すれ違いビーム用配光パターンの形成には寄与しない上記LED光源11からの直接光を利用することになる。これにより、すれ違いビームの配光パターンB1を形成する光束が、この窓部14bの設置によって低減することがない。
従って、オーバーヘッドサイン用配光が所定の配光規格を満たすように形成され得ることになる。
11 LED光源
12 リフレクタ
13 投影レンズ
14 遮光部材
14a 上縁
14b 窓部
Claims (6)
- 基板上にほぼ垂直に実装された少なくとも一つのLEDから成るLED光源と、
このLED光源からの光を光照射方向前方に向かって反射するように、第一の焦点位置が光源の発光部付近に位置し、且つ第二の焦点位置が光照射方向前側に位置するように配置された光照射方向前方に向かって凹状の楕円系反射面と、
上記反射面の前方にて、ほぼ水平な光軸上にて、その光源側の焦点位置が上記反射面の第二の焦点位置付近に位置するように配置された凸状の投影レンズと、を含んでいる、車両前照灯において、
上記反射面の第一の焦点位置が第二の焦点位置より後方下側に位置するように、その長軸が後方に向かって下方に傾斜して配置されており、
上記LED光源の基板の表面が、後方に向かって下方に傾斜して配置されている、
ことを特徴とする、車両前照灯。 - 上記反射面の第一の焦点及び第二の焦点の間の距離が、上記投影レンズの焦点距離より短く選定されていることを特徴とする、請求項1に記載の車両前照灯。
- 上記LED光源の発光中心から基板に垂直に延びる垂線が、上記投影レンズの光軸の延長線と、上記反射面上で交差することを特徴とする、請求項1または2に記載の車両前照灯。
- さらに、上記LED光源から離れた位置に配置された放熱部材を備えており、 この放熱部材が、上記LED光源の基板と熱伝導部材を介して熱的に接続されていることを特徴とする、請求項1から3の何れかに記載の車両前照灯。
- さらに、上記反射面の第二の焦点位置付近に配置され、上縁がカットオフラインを画成するように形成された遮光部材を備えていることを特徴とする、請求項1から4の何れかに記載の車両前照灯。
- 上記遮光部材が、上記LED光源からの直接光を光照射方向前方の上側に向かって透過させるオーバーヘッドサイン用配光のための窓部を有していることを特徴とする、請求項1から5の何れかに記載の車両前照灯。
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