JP5468876B2 - 光学ユニット - Google Patents

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Description

本発明は、光学ユニットに関し、特に半導体発光素子の光を車両前方に照射する車両用前照灯装置に用いられる光学ユニットに関する。
従来、半導体発光素子の光を車両前方に照射する車両用前照灯装置が知られている。例えば、特許文献1には、車両前後方向に延びる光軸上に配置された凸レンズと、この凸レンズの後側焦点近傍に光出射面が車両前方を向くようにして配置された発光素子とを備え、この発光素子からの直射光を凸レンズで偏向制御するように構成された、いわゆる直射型の車両用照明灯具が開示されている。
特開2009−9787号公報
上述のように、直射型の光学ユニットを備えた車両用前照灯装置では、発光素子は投影レンズの後方焦点近傍に配置されている。そのため、発光素子の光をリフレクタで反射させて投影レンズに入射させる反射型の光学ユニットと比べて、光学ユニットの車両前後方向の大きさを縮小することができる。また、直射型の光学ユニットでは、発光素子は、その照射軸が光軸と重なるように配置されている。そのため、発光素子から照射された光を投影レンズで集光させやすく、したがって高照度かつ明瞭な配光パターンを形成することができる。
一方で直射型の光学ユニットでは、その構成上、投影レンズの後方焦点近傍に配置された発光素子から、投影レンズに直接入射する光が通る領域よりも広い領域に光が照射される。しかしながら、従来の直射型の光学ユニットでは、投影レンズに直接入射しない光は配光パターンの形成に寄与していなかった。そのため、光利用率の向上を図る上で、従来の構成には改善の余地があった。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、半導体発光素子の光を車両前方に照射する車両用前照灯装置に用いられる直射型の光学ユニットにおいて、光利用率の向上を図ることができる技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の光学ユニットは、半導体発光素子の光を車両前方に照射する車両用前照灯装置に用いられる光学ユニットであって、光学ユニットの光軸上に設けられ、後方焦点近傍に半導体発光素子が位置するように構成された投影レンズと、光学ユニットの光軸を通る平面で区画された第1領域および第2領域のうち第1領域に少なくとも一部が位置するように設けられた第1リフレクタと、第2領域に少なくとも一部が位置するように設けられた第2リフレクタと、を備え、第1リフレクタは、第1領域側でかつ半導体発光素子から投影レンズに直接向かう光が通る領域の外側に照射された半導体発光素子の光を第2リフレクタに向けて反射するように構成され、第2リフレクタは、第1リフレクタからの光を車両前方に向けて反射するように構成されたことを特徴とする。
この態様によれば、半導体発光素子の光を車両前方に照射する車両用前照灯装置に用いられる直射型の光学ユニットにおいて、光利用率の向上を図ることができる。
上記態様において、半導体発光素子を、その照射軸の照射前方側が光学ユニットの光軸よりも第1領域側に傾いた状態で搭載するように構成された光源搭載部をさらに備え、第1リフレクタは、略楕円面形状の反射面を有し、反射面の第1焦点近傍に半導体発光素子が位置し、反射面の第1焦点と第2焦点とを結ぶ線と半導体発光素子の照射軸とが略直交するように構成されてもよい。これによれば、光利用率をより向上させることができる。
上記態様において、第2リフレクタは、略放物面形状または略放物柱形状の反射面を有し、反射面の焦点が第1リフレクタの第2焦点近傍に位置するように構成されてもよい。これによれば、光利用率をより向上させることができる。
上記態様において、第2領域に設けられ、第2領域側でかつ直接向かう光が通る領域の外側に照射された半導体発光素子の光を投影レンズの後方焦点または第2リフレクタに向けて反射するように構成された第3リフレクタをさらに備えてもよい。これによれば、光利用率をさらに向上させることができる。
上記態様において、第3リフレクタは、第2リフレクタの反射光が通る領域の外側領域に設けられてもよい。これによれば、第3リフレクタを設けた場合であっても、第2リフレクタから車両前方に光を照射することができる。
本発明によれば、半導体発光素子の光を車両前方に照射する車両用前照灯装置に用いられる直射型の光学ユニットにおいて、光利用率の向上を図ることができる。
実施形態1に係る光学ユニットを備えた車両用前照灯装置の内部構造を説明する概略鉛直断面図である。 図2(A)は、光学ユニットの概略斜視図であり、図2(B)は、光学ユニットの概略正面図である。 図3(A)は、光学ユニットの概略鉛直断面図であり、図3(B)は、図3(A)における半導体発光素子近傍の概略拡大断面図である。 光学ユニットにより形成される配光パターンの形状を示す説明図である。 図5(A)は、実施形態2に係る光学ユニットの概略斜視図であり、図5(B)は、実施形態2に係る光学ユニットの概略正面図である。 図6(A)は、光学ユニットの概略鉛直断面図であり、図6(B)は、図6(A)における半導体発光素子近傍の概略拡大断面図である。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る光学ユニットを備えた車両用前照灯装置の内部構造を説明する概略鉛直断面図である。なお、車両用前照灯装置は、左右対称に形成された一対の前照灯ユニットを有し、車両用前照灯装置が車両に装着される場合、前照灯ユニットの一方が車両の左前方部分に設けられ、他方が車両の右前方部分に設けられる。図1は、車両用前照灯装置として左右いずれかの前照灯ユニットの構成を示している。
図1に示すように、本実施形態に係る車両用前照灯装置100は、車両前方側に開口部を有するランプボディ212と、ランプボディ212の開口部を覆うように取り付けられた透光カバー214とを備える。透光カバー214は、透光性を有する樹脂やガラス等で形成されている。ランプボディ212と透光カバー214とにより形成される灯室216内には、光学ユニット10と、光学ユニット10を支持するブラケット50が収容されている。
光学ユニット10は、ハイビーム用配光パターンを形成可能な直射型の光学ユニットである。光学ユニット10は、その光軸Oが車両前後方向に延びるように配置されてブラケット50に固定され、ブラケット50を介してランプボディ212に連結されている。光学ユニット10の構造については後に詳細に説明する。
ブラケット50は、光学ユニット10を支持する支持部材として機能する。ブラケット50は、辺縁部の所定位置に螺孔を有し、ランプボディ212を貫通して前方に延出するエイミングスクリュー60、およびレベリングシャフト64がこの螺孔に螺合している。これにより、ブラケット50がランプボディ212に取り付けられている。レベリングシャフト64は、レベリングアクチュエータ(図示せず)に接続されている。車両用前照灯装置100は、エイミングスクリュー60、レベリングシャフト64およびレベリングアクチュエータによって、光学ユニット10の光軸を水平方向あるいは鉛直方向に調整できるように構成されている。
次に、図2(A)、図2(B)、図3(A)、および図3(B)を参照して、光学ユニット10の構成について詳細に説明する。図2(A)は、光学ユニットの概略斜視図であり、図2(B)は、光学ユニットの概略正面図である。図3(A)は、光学ユニットの概略鉛直断面図であり、図3(B)は、図3(A)における半導体発光素子近傍の概略拡大断面図である。
本実施形態に係る光学ユニット10は、半導体発光素子12aの光を車両前方に照射する車両用前照灯装置100に用いられる。図2(A)、図2(B)、および図3(A)に示すように、光学ユニット10は、光源搭載部14と、第1リフレクタ16と、第2リフレクタ18と、投影レンズ26と、を備える。
投影レンズ26は、前方側表面が凸面で後方側表面が平面の平凸非球面レンズからなる。投影レンズ26は、光学ユニット10の光軸O上に設けられ、後方焦点F近傍に半導体発光素子12aが位置するように構成されている(図3(B)参照)。そして、投影レンズ26は、後方焦点F近傍に配置された半導体発光素子12aの照射光を集光して灯具前方に投影する光学部材として機能する。投影レンズ26は、第1リフレクタ16の一端に固定されている。なお、投影レンズ26は、さらに図示しない連結部材によって第1リフレクタ16に連結されていてもよい。
光源搭載部14は、板状の部材であって、その一端がブラケット50に固定されている(図1参照)。光源搭載部14は、車両前方を向く光源載置面を有し、この光源載置面に光源モジュール12が載置されている。光源モジュール12は、発光ダイオード(LED)などの半導体発光素子12aと、半導体発光素子12aを支持する基板12bとを有する。基板12bは、セラミックなどで形成された熱伝導性絶縁基板である。基板12bには、半導体発光素子12aに電力を伝達する電極(図示せず)が形成されている。光源モジュール12は、半導体発光素子12aの光出射面が車両前方に向けられ、半導体発光素子12aの照射軸Xが略車両前後方向に延びた状態で、光源搭載部14に搭載されている。光源搭載部14は、光源モジュール12で発生した熱を放散させる放熱部材として機能する。なお、光源搭載部14の車両後方側の面には、光源モジュール12で発生した熱を放散させるための放熱フィンが設けられていてもよい。また、ブラケット50にも同様の放熱フィンが設けられていてもよい。また、灯室216内には、放熱フィンに向けて空気を送風し、放熱フィンを冷却するファンが設けられていてもよい。
第1リフレクタ16は、光軸Oを通る平面Rで区画された第1領域Raおよび第2領域Rbのうち第1領域Raに少なくとも一部が位置するように設けられている。具体的には、平面Rは光軸Oを含む水平面であり、第1領域Raは平面Rよりも鉛直方向上方の領域、第2領域Rbは平面Rよりも鉛直方向下方の領域である。第1リフレクタ16は、周面の一部が切り欠かれた略円筒形状(断面略半円形状)、すなわちトンネル形状を有する。そして、第1リフレクタ16は、円筒の中心軸が略車両前後方向に延び、周面部16bが第1領域Raに位置し、切り欠き部16cが第2領域Rb側を向くようにして、投影レンズ26よりも車両後方側に配置されている。投影レンズ26は、第1リフレクタ16の車両前方側の端部に固定されている。図2(B)に示すように光学ユニット10を正面から見ると、第1リフレクタ16は、第1領域Raにおいて周面部16bが投影レンズ26の外周に概ね沿うように設けられている。また、第1リフレクタ16の切り欠き部16cは第2領域Rbに位置しており、したがって第1リフレクタ16の周面部16bの一部は第2領域Rbまで延びている。
第2リフレクタ18は、第2領域Rbに少なくとも一部が位置するように設けられている。具体的には、第2リフレクタ18は、1/4球形状を有し、その大部分が投影レンズ26よりも車両後方側に位置するようにして、また、曲面部の内側面が第1リフレクタ16側かつ車両前方を向くようにして、第2領域Rbに配置されている。また、第2リフレクタ18は、第1リフレクタ16の切り欠き部16cと接するように設けられている。したがって、図2(B)に示すように光学ユニット10を正面から見ると、第1リフレクタ16と第2リフレクタ18とによって投影レンズ26の周囲が囲まれている。そのため、図2(A)に示すように、第1リフレクタ16と第2リフレクタ18とが、光軸O周りに投影レンズ26の後方領域を囲んでいる。
ここで、第1リフレクタ16は、第1領域Ra側でかつ半導体発光素子12aから投影レンズ26に直接向かう光が通る領域(以下、適宜この領域を直射光通過領域Dという)の外側に照射された半導体発光素子12aの光を第2リフレクタ18に向けて反射するように構成されている。また、第2リフレクタ18は、第1リフレクタ16からの光を車両前方に向けて反射するように構成されている。具体的には、第1リフレクタ16は、周面部16bの内側面が略楕円面形状の反射面16aとなっている。そして、第1リフレクタ16は、反射面16aの第1焦点F1近傍に半導体発光素子12aが位置し(図3(B)参照)、反射面16aの第2焦点F2近傍に第2リフレクタ18の焦点F3が位置するように配置されている。また、第2リフレクタ18は、曲面部の内側面が略放物面形状の反射面18aとなっている。そして、第2リフレクタ18は、反射面18aの焦点F3が第1リフレクタ16の第2焦点F2近傍に位置するように配置されている。なお、第2リフレクタ18の反射面18aは、略放物柱形状であってもよい。
上述のように構成された光学ユニット10において、半導体発光素子12aから照射された光のうち直射光通過領域Dに照射された光は、投影レンズ26に入射して集光され、車両前方に照射される。また、直射光通過領域Dの外側に照射された光のうち第1領域Ra側に照射された光は、第1リフレクタ16の反射面16aで反射されて、第2焦点F2を通過して第2リフレクタ18の反射面18aに到達し、反射面18aで反射されて車両前方に照射される。
このように、本実施形態に係る光学ユニット10は、第1領域Ra側でかつ直射光通過領域Dの外側に照射された光を車両前方に照射することができる。そのため、半導体発光素子12aの照射光の利用率、すなわち光利用率を向上させることができる。
また、光源搭載部14は、照射軸Xの照射前方側が光軸Oよりも第1領域Ra側に傾いた状態で半導体発光素子12aを搭載するように構成されている。具体的には、図3(A)、および図3(B)に示すように、半導体発光素子12aは、照射軸Xの車両前方側が光軸Oに対して角度αだけ第1領域Ra側に傾いた状態で光源搭載部14に載置されている。そして、第1リフレクタ16は、第1焦点F1と第2焦点F2とを結ぶ線Lと、半導体発光素子12aの照射軸Xとが略直交するように構成されている。すなわち、照射軸Xと線Lとがなす角度βが略直角となっている。このように構成することで、直射光通過領域Dの外側に照射される光のうち、第1リフレクタ16で反射させることができる光の量を増やすことができるため、光利用率のさらなる向上を図ることができる。
なお、照射軸Xは、直射光通過領域Dの範囲内に含まれることが好ましい。この場合には、投影レンズ26を介して照射される光の光度が低減することを防ぐことができる。
続いて、光学ユニット10により形成可能な配光パターンについて説明する。図4は、光学ユニットにより形成される配光パターンの形状を示す説明図である。図4では、灯具前方の所定位置、例えば灯具前方25mの位置に配置された仮想鉛直スクリーン上に形成された配光パターンを示している。
半導体発光素子12aから照射された光のうち、直射光通過領域Dに照射された光は、投影レンズ26で集光されて車両前方に照射され、これにより、図4に示すようなハイビーム用配光パターンHiが形成される。ハイビーム用配光パターンHiは、車両前方の中央領域においてH−H線の下方およびH−H線の上方で水平方向に拡がる矩形状の配光パターンである。上述のように、半導体発光素子12aは、照射軸Xが直射光通過領域Dに含まれるように配置され、直射光通過領域Dに照射された光が投影レンズ26によって集光されて車両前方に照射される。そのため、ハイビーム用配光パターンHiは、比較的照度の高い配光パターンとなる。ハイビーム用配光パターンHiは、車両前方の遠方を照明する場合に適した配光パターンである。
また、半導体発光素子12aから照射された光のうち、第1領域Ra側でかつ直射光通過領域Dの外側に照射された光は、第1リフレクタ16および第2リフレクタ18で反射されて車両前方に照射され、これにより、図4に示すような拡散配光パターンPが形成される。拡散配光パターンPは、H−H線より下方でハイビーム用配光パターンHiよりも水平方向外側にまで拡散した矩形状の配光パターンである。したがって、拡散配光パターンPは、ハイビーム用配光パターンHiを形成している状態で、車両前方の路肩領域における運転者の視認性を向上させることができる。なお、拡散配光パターンPの形状は、これに限定されず、任意の形状とすることができる。例えば、拡散配光パターンPは、ハイビーム用配光パターンHiの領域内に含まれる形状とすることができ、この場合には拡散配光パターンPをハイビーム用配光パターンHiに重畳させることで、ハイビーム用配光パターンHiの照度を高めることができる。
半導体発光素子12aの点消灯制御は、車両に搭載された車両制御部から得られた情報に基づいて、車両用前照灯装置100に設けられた照射制御部が電源回路の制御を行うことで実行される。
なお、前記「後方焦点F近傍」、「第1焦点F1近傍」、および「第2焦点F2近傍」の「近傍」は、それぞれの焦点だけでなく、それぞれの焦点に近い領域、例えば、光学ユニット10製造時の組み付け誤差範囲の領域をも含むことを意味するものである。また、前記「略楕円面形状」、「略放物面形状」、および「略放物柱形状」の「略」は、それぞれの形状だけでなく、それぞれの形状に近い形状、例えば、各リフレクタの製造時の寸法誤差を有する形状をも含むことを意味するものである。また、前記「略直交」は、直角に交わる場合だけでなく、組み付け誤差範囲の角度で交わる場合をも含むことを意味するものであり、具体的には、例えば90°±1°の角度範囲で交わる場合を意味する。
以上説明したように、本実施形態に係る光学ユニット10は、光軸O上に設けられ、後方焦点F近傍に半導体発光素子12aが位置するように構成された投影レンズ26と、第1領域Ra側に設けられた第1リフレクタ16と、第2領域Rb側に設けられた第2リフレクタ18とを備えている。そして、第1リフレクタ16は、第1領域Ra側でかつ直射光通過領域Dの外側に照射された光を第2リフレクタ18に向けて反射し、第2リフレクタ18は、第1リフレクタ16からの光を車両前方に反射するように、それぞれ構成されている。そのため、本実施形態に係る光学ユニット10によれば、直射光通過領域Dの外側に照射された光を配光パターンの形成に利用することができるため、光利用率の向上を図ることができる。
また、例えば、直射光通過領域Dの外側に照射された半導体発光素子12aの光を直接車両前方に向けて反射するようなリフレクタを設けた場合、リフレクタを大きくして反射面を車両前方側に延ばすことで、光利用率を向上させることができる。しかしながら、この場合には光学ユニット10が大型化し、ひいては車両用前照灯装置100が大型化してしまう。一方、光学ユニット10の大型化を回避すべくリフレクタの大きさを抑えた場合には、光利用率の向上効果も抑えられてしまう。これに対し、本実施形態に係る光学ユニット10は、第1領域Ra側に照射された光を第2領域Rb側に反射させる第1リフレクタ16と、第1リフレクタ16からの光を車両前方に照射する第2リフレクタ18とによって、光利用率の向上を図っている。そのため、光学ユニット10の大型化を抑えつつ、光利用率を向上させることができる。
また、本実施形態に係る光学ユニット10では、半導体発光素子12aは、照射軸Xの照射前方側が光軸Oよりも第1領域Ra側に傾いた状態で光源搭載部14に搭載されている。そして、第1リフレクタ16は、略楕円面形状の反射面16aを有し、第1焦点F1近傍に半導体発光素子12aが位置し、第1焦点F1と第2焦点F2とを結ぶ線Lと照射軸Xとが略直交するように構成されている。これにより、直射光通過領域Dの外側に照射された光のうち、第1リフレクタ16で反射させることができる光の量を増やすことができるため、光利用率をより向上させることができる。また、照射軸Xと線Lとが直行するように第1リフレクタ16を配置することで、半導体発光素子12aの照射光の反射に寄与しない部分を省くことができるため、第1リフレクタ16を設けたことによる光学ユニット10の大型化を最小限に止めることができる。
また、第2リフレクタ18は、略放物面形状または略放物柱形状の反射面18aを有し、反射面18aの焦点F3が第1リフレクタ16の第2焦点F2近傍に位置するように構成されている。これにより、第1リフレクタ16の反射面16aで反射された光を無駄なく車両前方に照射することができるため、光利用率をより高めることができる。
(実施形態2)
実施形態2に係る光学ユニットは、第3リフレクタをさらに備える。以下、本実施形態について説明する。なお、車両用前照灯装置および光学ユニットの主な構成や、形成可能な配光パターンの形状等は実施形態1と同様であるため、実施形態1と同様の構成については同一の符号を付し、その説明および図示は適宜省略する。
図5(A)は、実施形態2に係る光学ユニットの概略斜視図であり、図5(B)は、実施形態2に係る光学ユニットの概略正面図である。図6(A)は、光学ユニットの概略鉛直断面図であり、図6(B)は、図6(A)における半導体発光素子近傍の概略拡大断面図である。
図5(A)、図5(B)、および図6(A)に示すように、本実施形態に係る光学ユニット10は、第3リフレクタ28をさらに備える。第3リフレクタ28は、第2領域Rbに設けられている。また、第3リフレクタ28は、第2領域Rb側でかつ直射光通過領域Dの外側に照射された半導体発光素子12aの光を第2リフレクタ18に向けて反射するように構成されている。具体的には、第3リフレクタ28は、略楕円面形状の反射面28aを有し、反射面28aの第1焦点F4近傍に半導体発光素子12aが位置し(図6(B)参照)、反射面28aの第2焦点F5近傍に、第2リフレクタ18の焦点F3が位置するように構成されている。第3リフレクタ28の反射面28aは、第1リフレクタ16の反射面16aと共通する2つの焦点を有し、反射面16aよりも短軸の短い略楕円面形状である。
このように構成された光学ユニット10において、半導体発光素子12aから照射された光のうち直射光通過領域Dに照射された光は、投影レンズ26に入射して車両前方に照射される。また、第1領域Ra側でかつ直射光通過領域Dの外側に照射された光は、第1リフレクタ16の反射面16aで反射されて、第2焦点F2を通過して第2リフレクタ18の反射面18aに到達し、反射面18aで反射されて車両前方に照射される。また、第2領域Rb側でかつ直射光通過領域Dの外側に照射された光は、第3リフレクタ28の反射面28aで反射されて、第2焦点F5を通過して第2リフレクタ18の反射面18aに到達し、反射面18aで反射されて車両前方に照射される。
このように、本実施形態に係る光学ユニット10は、第1領域Ra側でかつ直射光通過領域Dの外側に照射された光に加え、第2領域Rb側でかつ直射光通過領域Dの外側に照射された光を車両前方に照射することができる。そのため、半導体発光素子12aの照射光の利用率をさらに向上させることができる。
また、本実施形態に係る光学ユニット10では、第3リフレクタ28は、第2リフレクタ18の反射光が通る領域の外側領域に設けられている。具体的には、第3リフレクタ28は、反射面18aの上端部を通る水平面よりも鉛直方向上方の領域で、かつ直射光通過領域Dの外側の領域に設けられている。そのため、第3リフレクタ28が設けられた場合であっても第2リフレクタ18から車両前方に照射される光が第3リフレクタ28によって遮られることがない。
なお、前記「第1焦点F4近傍」、「第2焦点F5近傍」の「近傍」と、前記「略楕円面形状」の「略」は、上述の「近傍」、「略」の定義と同様である。
以上説明したように、本実施形態に係る光学ユニット10は、第2領域Rb側でかつ直射光通過領域Dの外側に照射された半導体発光素子12aの光を第2リフレクタ18に向けて反射する第3リフレクタ28を備える。そのため、光利用率をさらに向上させることができる。また、第3リフレクタ28は、第2リフレクタ18の反射光が通る領域の外側に設けられている。そのため、第3リフレクタ28を設けた場合であっても、第2リフレクタ18から車両前方に光を照射することができる。
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、各実施形態を組み合わせたり、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能であり、そのような組み合わせられ、もしくは変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれる。上述の各実施形態同士、および上述の各実施形態と以下の変形例との組合せによって生じる新たな実施形態は、組み合わされる実施形態および変形例それぞれの効果をあわせもつ。
例えば、上述の実施形態2において、第3リフレクタ28は、第2領域Rb側でかつ直射光通過領域Dの外側に照射された光を第2リフレクタ18に向けて反射するように構成されているが、これに限定されず、例えば、この光を投影レンズ26の後方焦点Fに向けて反射するようにしてもよい。具体的には、反射面28aの形状を略球面形状として、反射面28aの焦点近傍に投影レンズ26の後方焦点Fが位置するように第3リフレクタ28を配置する。この場合には、第2領域Rb側でかつ直射光通過領域Dの外側に照射された光が後方焦点Fに向けて反射され、さらに光源モジュール12や光源搭載部14で反射されて、投影レンズ26または第1リフレクタ16の反射面16aに到達する。この場合にも、光利用率を向上させることができる。前記「焦点近傍」の「近傍」と「略球面形状」の「略」は、上述の「近傍」、「略」の定義と同様である。
D 直射光通過領域、 F 後方焦点、 F1 第1焦点、 F2 第2焦点、 F3 焦点、 F4 第1焦点、 F5 第2焦点、 L 線、 O 光軸、 R 平面、 Ra 第1領域、 Rb 第2領域、 X 照射軸、 10 光学ユニット、 12a 半導体発光素子、 14 光源搭載部、 16 第1リフレクタ、 16a 反射面、 18 第2リフレクタ、 18a 反射面、 26 投影レンズ、 28 第3リフレクタ、 28a 反射面、 100 車両用前照灯装置。

Claims (4)

  1. 半導体発光素子の光を車両前方に照射する車両用前照灯装置に用いられる光学ユニットであって、
    光学ユニットの光軸上に設けられ、後方焦点近傍に半導体発光素子が位置するように構成された投影レンズと、
    光学ユニットの光軸を通る平面で区画された第1領域および第2領域のうち第1領域に少なくとも一部が位置するように設けられた第1リフレクタと、
    第2領域に少なくとも一部が位置するように設けられた第2リフレクタと、
    半導体発光素子を、その照射軸の照射前方側が光学ユニットの光軸よりも第1領域側に傾いた状態で搭載するように構成された光源搭載部と、を備え、
    前記第1リフレクタは、第1領域側でかつ半導体発光素子から前記投影レンズに直接向かう光が通る領域の外側に照射された半導体発光素子の光を前記第2リフレクタに向けて反射するように構成されるとともに略楕円面形状の反射面を有し、反射面の第1焦点近傍に半導体発光素子が位置し、反射面の第1焦点と第2焦点とを結ぶ線と半導体発光素子の照射軸とが略直交するように構成され、
    前記第2リフレクタは、前記第1リフレクタからの光を車両前方に向けて反射するように構成されたことを特徴とする光学ユニット。
  2. 前記第2リフレクタは、略放物面形状または略放物柱形状の反射面を有し、反射面の焦点が前記第1リフレクタの第2焦点近傍に位置するように構成された請求項に記載の光学ユニット。
  3. 第2領域に設けられ、第2領域側でかつ前記直接向かう光が通る領域の外側に照射された半導体発光素子の光を前記投影レンズの後方焦点または前記第2リフレクタに向けて反射するように構成された第3リフレクタをさらに備えた請求項1又は2に記載の光学ユニット。
  4. 前記第3リフレクタは、前記第2リフレクタの反射光が通る領域の外側領域に設けられた請求項に記載の光学ユニット。
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