JP2008287559A - Plc動作表示システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 運用中のPLCから時系列上で一部のデータが欠落した不連続なデータを取得し、時系列的に表示する表示装置において、トリガー条件が成立した場合に、より長く連続するデータをPLCから取得可能にすることを目的とする。
【解決手段】 プログラムの実行周期に同期して、データ書込部12によってモニタリングメモリ15に書き込まれたデータが、データ送信部14によって読み出され、表示装置2へ送信される。モニタリングメモリ15は、データ書込部12による平均書込速度が、データ送信部14による平均読出速度よりも速く、表示装置2は、トリガー条件の成立前は、時系列上で一部のデータが欠落した不連続な波形を表示し、トリガー条件が成立した場合には、欠落していた上記一部のデータを取得し、より長く連続している波形を表示する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、PLC動作表示システムに係り、さらに詳しくは、PLC及び表示装置で構成され、運用中のPLC内部のデータを表示するPLC動作表示システムの改良に関する。
プログラマブルコントローラ(本明細書では、適宜、PLCと略す)は、FA(Factory Automation)制御システムにおいて広く使用されているシーケンス制御装置であり、ラダープログラムと呼ばれる専用プログラムに従って動作する。また、PLCは、ラダープログラムを実行する運用モード(いわゆるRUNモード)と、ラダープログラムを実行しない非運用モード(いわゆるPROGRAMモード)とがあり、運用モード中は、ラダープログラムが繰り返しスキャンされている。
ラダープログラムは、ユーザによって作成されPLCに転送される。このラダープログラムのデバッグを行うためには、運用モード中におけるPLC内部のデータを観察できることが望ましい。このため、PLCに端末装置を接続し、運用モード中のPLCから、その内部データをリアルタイムで取得して表示するPLC動作表示システムが知られている。
しかしながら、一般に、外部の端末装置が、デバッグに必要となるデータをPLCから取得するのに要する時間は、PLC内部のスキャン周期に比べて遙かに遅く、必要な全てのデータをスキャン周期ごとに取得することはできない。このため、PLCの内部データをリアルタイムに取得しようとしても、データの取りこぼしが多く、ラダープログラムのデバッグには十分に活用できないという問題があった。
このような問題への対処方法としては、PLC内におけるラダープログラムの実行速度を低下させてスキャン周期を長くすることによって、データの取りこぼしを防ぐ方法が考えられる。しかしながら、プログラムの実行速度を変更すると、例えば制御対象装置の反応速度などによって生じる影響が変化し、種々の問題を引き起こす。また、実際に生産ラインで使用しているPLCの動作を監視するような用途では、スキャン周期を長くすることによって生産効率を低下させてしまう。このようなスキャン周期を変更して行われるPLCの監視は、ラダープログラムのロジック検証には有効であるが、実際の稼働時に生じる不具合を解析するためには、実際のスキャン周期でプログラムを実行させてPLC内部のデータを監視する必要があった。
そこで、トリガ機能を利用すれば、実際のスキャン周期でプログラムを実行しているPLC内部のデータを観察することができる。トリガー機能は、予め定められたトリガー条件が成立した場合に、条件成立時と、その前後における内部データを観察するという機能である。ところが、データの取りこぼしが多く発生している状態で、トリガ機能を利用しても、トリガー条件成立前のデータが取りこぼされていれば、そのデータを観察することができないという問題があった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、運用中のPLCから時系列上で一部のデータが欠落した不連続なデータを取得し、時系列的に表示する表示装置において、トリガー条件が成立した場合に、より長く連続するデータをPLCから取得可能にすることを目的とする。
第1の本発明によるPLCシステムは、データメモリを備えたPLCと、上記データメモリ内のデータを時系列的に表示する表示装置とからなるPLC動作表示システムである。上記表示装置は、上記データメモリ内のデータを上記PLCから取得するデータ取得手段と、上記PLCから取得したデータを時系列的に表示するデータ表示手段とを備えている。また、上記PLCは、制御プログラムを繰り返し実行する制御プログラム実行手段と、上記制御プログラムの実行周期に同期して、上記データメモリにデータを書き込むデータ書込手段と、上記データメモリ内のデータを読み出し、上記表示装置へ送信するデータ送信手段と、予め指定されたトリガー条件の成立を判定するトリガー条件判定手段とを備え、上記データメモリは、上記データ書込手段によって単位時間当たりに書き込まれる平均データ量よりも、上記データ送信手段によって上記単位時間当たりに読み出される平均データ量の方が少なく、上記データ表示手段は、トリガー条件の成立前は、時系列上で一部のデータが欠落した不連続なデータに基づいて表示を行い、トリガー条件が成立した場合には、欠落していた上記一部のデータを上記PLCから取得し、より長く連続しているデータに基づいて表示を行うように構成される。
第2の本発明によるPLCシステムは、上記構成に加えて、上記データ書込手段が、上記トリガー条件判定手段の判定結果に基づいて、上記データメモリへの書き込みを中止するように構成される。
第3の本発明によるPLCシステムは、上記構成に加えて、上記データ書込手段が、トリガー条件成立後に所定時間が経過した場合に上記データメモリへの書き込みを中止し、上記データ表示手段が、トリガー条件が成立した場合、トリガー条件成立前後において連続しているデータに基づいて表示を行うように構成される。
第4の本発明によるPLCシステムは、上記構成に加えて、上記データメモリが、リングバッファとして構成される。
第5の本発明によるPLCシステムは、上記構成に加えて、上記データ送信手段が、トリガー条件が成立していない場合、上記データメモリ上における上記データ書込手段の書込位置から当該データ送信手段の読出位置までの距離に基づいて、上記データメモリ上の読出位置を時系列上で不連続となる位置に移動させるように構成される。
第6の本発明によるPLCシステムは、上記構成に加えて、上記データ送信手段が、上記プログラム実行手段による上記制御プログラムの実行開始後に上記データ書込手段が予め定められた所定量のデータを上記データメモリに書き込んだ場合に、上記データメモリ内のデータの上記表示装置への送信を開始するように構成される。
第7の本発明によるPLCシステムは、上記構成に加えて、上記データ送信手段が、トリガー条件が成立していない場合、上記データ書込手段による最新の書込位置までの時系列上で連続する一定量のデータを読み出すように構成される。
第8の本発明によるPLCシステムは、上記構成に加えて、上記データ送信手段が、トリガー条件が成立していない場合、予め定められた周期で、上記データメモリ上の読出位置を上記データ書込手段による最新の書込位置に移動させるように構成される。
第9の本発明によるPLCシステムは、上記構成に加えて、上記PLC又は上記表示装置が、欠落していた上記一部のデータについて、上記データメモリ内における位置情報を記憶する欠落位置保持手段を備え、上記データ表示手段が、トリガー条件が成立した場合に、欠落位置保持手段が保持する上記データメモリ内の位置情報に基づいて、欠落していた上記一部のデータを上記PLCから取得するように構成される。
本発明によれば、運用中のPLCから時系列上で一部のデータが欠落した不連続なデータを取得し、時系列的に表示する表示装置において、トリガー条件が成立した場合に、より長く連続するデータをPLCから取得可能になる。
実施の形態1.
[システムの概略構成]
図1は、本発明の実施の形態1によるPLC(Programable Logic Controller)動作表示システムの概略構成の一例を示した図である。このシステムは、1つのPLC1、当該PLC1に接続された表示装置2、入力装置3及び出力装置4によって構成される。
PLC1は、センサー、リレー接点、エンコーダ、スイッチなどの入力装置3と、モータ、ランプ、ソレノイドなどの出力装置4が接続され、入力装置3からの入力信号に基づいて、出力装置4への出力信号を生成するコントローラであり、その動作は、PLC1内に保持されているラダープログラムによって決定される。
PLC1の動作モードは、ユーザによって運用モード又は非運用モードに切り替えられる。運用モード時には、ラダープログラムが繰り返し実行され、非運用モード時には、上ラダープログラムの実行を停止している。
表示装置2は、動作モード中のPLC1内のデバイス値をリアルタイムで取得し、波形表示するための端末装置であり、専用の端末装置であってもよいが、通常は、パーソナルコンピュータに専用ソフトウエアをインストールすることによって実現される。ユーザは、この表示装置2を用いて、監視対象とするデバイスを予め指定しておければ、動作モード中のPLC1から、指定した上記デバイスに関し、時系列的に変化するデバイス値を繰り返し読み出して画面表示することができる。
ただし、表示装置2が、監視対象の各デバイスの値をPLC1から読み出すのに必要な平均時間は、表示装置2のCPUの負荷状況や、PLC1及び表示装置2間の通信速度などによって左右されるが、一般的に、PLC1内部でラダープログラムが繰り返し実行される周期に比べて遙かに長い。このため、運用モード中のPLC1から、監視対象のデバイスについて、時系列的に変化するデバイス値の全てを読み出すことはできない。このため、時系列上において一部のデータが欠落した不連続のデバイス値をPLC1から取得し、一部が途切れた波形が表示される。
その一方で、ユーザが、トリガー条件を予め指定しておけば、当該トリガー条件が成立した場合に、欠落していた上記一部のデータを遡ってPLC1から読み出し、トリガー条件が成立しなかった場合に比べて、より長く連続している波形として画面表示することができる。つまり、トリガー条件の未成立時には不連続の波形が表示されているが、トリガー条件の成立後は、少なくともトリガー成立の前後の波形について、より長く連続する波形が表示される。
[PLC1の構成]
図2は、図1のPLC1の一構成例を示したブロック図である。このPLC1は、プログラムメモリ100、プログラム実行部101、デバイスメモリ102、入力処理部103、出力処理部104、モニタ動作設定部11、データ書込部12、トリガー条件判定部13、データ送信部14及びモニタリングメモリ15により構成される。
プログラムメモリ100は、ラダープログラムを保持する記憶手段である。ラダープログラムは、複数の命令コードからなり、シーケンス制御の手順を規定しているプログラムであり、図示しないプログラム作成装置を用いてユーザによって作成され、PLC1内のプログラムメモリ100へ予め転送されている。
プログラム実行部101は、プログラムメモリ100から読み出したラダープログラムに基づいて演算処理を実行する。この演算処理は、デバイスメモリ102を参照して行われ、その処理結果もデバイスメモり102に格納される。運用モード中は、プログラム実行部101によって、ラダープログラムが繰り返し実行される。ラダープログラムを1回実行することはスキャンと呼ばれ、運用モード中はラダープログラムのスキャンが繰り返されている。一方、非運用モード時には、上記ラダープログラムのスキャンを停止している。
デバイスメモリ102は、その記憶領域が多数の小領域に分割されている。これらの小領域は「デバイス」と呼ばれ、1つのデバイスは、通常、1ビット又は1ワードの記憶容量からなる。ラダープログラムには、これらのデバイスに格納されたデータ(デバイス値)に関する演算処理が記述されている。つまり、デバイスメモリ102からデバイス値を読み出し、読み出したデバイス値に基づいて演算処理を行い、その演算結果をデバイスメモリ102にデバイス値として書き込む手順が規定されている。
上記入力装置3からの入力信号や上記出力装置4への出力信号は、デバイスメモリ102内のデバイスに予め割り当てられており、入力信号が変化すれば、当該入力信号に対応するデバイスの値が変化し、出力信号に対応づけられたデバイスの値を変更すれば、当該出力信号が変化する。また、ラダープログラムが内部状態を保持するために使用するデバイスもあり、このようなデバイスは仮想リレーと呼ばれている。
入力処理部103は、入力装置3からの入力信号を監視し、当該入力信号の状態をデバイスメモリ102内のデバイス値に反映させる入力処理を行っている。この入力処理は、ラダープログラムのスキャン周期に同期して行われ、例えば、プログラム実行部101によるラダープログラムの実行前に行われる。
出力処理部104は、デバイスメモリ102内のデバイス値を出力装置4への出力信号の状態に反映させる出力処理を行っている。この出力処理は、ラダープログラムのスキャン周期に同期して行われ、例えば、プログラム実行部101によるラダープログラムの実行後に行われる。
モニタ動作設定部11は、動作表示のための各種設定データを表示装置2から受信し、保持している。ここでは、ユーザが監視対象に指定した1又は2以上のデバイスや、ユーザが指定したトリガー条件を表示装置2から受信している。監視対象のデバイスは、モニタ動作設定部11からデータ書込部12へ通知され、また、トリガー条件は、モニタ動作設定部11からトリガー条件判定部13へ通知される。
データ書込部12は、監視対象に指定されたデバイスについて、そのデバイス値をデバイスメモリ102から読み出し、モニタリングメモリ15へ書き込んでいる。このデータ書込処理は、スキャン周期に同期して、ラダープログラムの実行後であって入力処理の実行前に行われる。つまり、運用モード中は、監視対象のデバイスの値が、モニタデータとしてスキャンごとにモニタリングメモリ15へ書き込まれていく。ただし、このデータ書込処理は、トリガー条件成立から一定時間が経過すれば中止される。
上記トリガー条件判定部13は、ユーザの指定したトリガー条件が成立したか否かを判定している。トリガー条件は、デバイス値の論理式として指定することができる。この場合、当該論理式の値が真になればトリガー条件が成立し、トリガー成立フラグ13fがセットされる。トリガー成立フラグ13fは、初期値がオフ状態であり、トリガー条件成立後はオン状態となる。また、ラダープログラム中にトリガー命令を記述することによってトリガー条件を指定することもできる。この場合、トリガー命令が実行されればトリガー条件が成立し、トリガー成立フラグ13fがセットされる。また、トリガー条件の成立は、表示装置2にも通知される。
データ送信部14は、表示装置2からのデータ読出要求に基づいて、モニタリングメモリ15内のモニタデータを読み出して表示装置2へ送信する。ここでは、一定量(例えば4KB)のデータをまとめて読み出し、表示装置2へ出力しているものとする。
モニタリングメモリ15は、データ書込部12によって書き込まれたデータを保持している記憶手段である。このモニタリングメモリ15には、リングバッファが用いられる。リングバッファとは、連続する有限のメモリ空間の両端を仮想的につないで、無限に連続するメモリ空間として使用するバッファである。例えば、アドレスを順にインクリメントしてアクセスしていく場合、最後のアドレスに対しアクセスした後は、再び最初のアドレスに戻り、当該最初のアドレスに対しアクセスするという使い方がなされる。
[表示装置の構成]
図3は、図1の表示装置2の一構成例を示したブロック図である。この表示装置2は、波形表示部21、データメモリ22、データ取得部23、操作入力部24及びモニタ動作指定部25により構成される。
データ取得部23は、PLC1へデータ読出要求を送信し、PLC1内のモニタリングメモリ15からモニタデータを取得している。PLC1から取得したモニタデータは、データメモリ22に格納される。このデータ取得部23は、一定量のモニタデータをまとめてPLC1から取得している。ここでは、4KBのデータをまとめて取得しているものとして説明する。
波形表示部21は、データメモリ22に保持されているモニタデータを時系列的に表示する表示手段であり、監視対象として指定されたデバイスごとに波形を表示している。
操作入力部24は、ユーザが操作入力を行う手段であり、マウスなどのポインティングデバイスやキーボードを用いて、監視対象となるデバイスの指定や、トリガー条件などのモニタ動作指定が入力される。これらのモニタ動作指定は、モニタ動作指定部25によってPLC1のモニタ動作設定部11へ送信される。
[動作説明]
図4は、トリガー条件が未成立の場合における動作の一例を模式的に示した説明図であり、図中の(a)〜(e)には、モニタリングメモリ15に対するデータ書込部12によるデータ書き込みとデータ送信部14によるデータ読み出しの様子が時系列的に示されている。図中の円は、その円周上の位置が、モニタリングメモリ15上のアドレスに相当し、黒い三角が、データ書込部12の書込位置、白い三角が、データ送信部14の読出位置を示している。
図中の(a)には、PLC1の運用開始時の様子が示されている。書込開始位置Sは、データ書込部12がモニタデータの書き込みを開始するモニタリングメモリ15上の位置である。PLC1を非運用モードから運用モードへ切り替えると、データ書込部12は、図示した円周上を書込開始位置Sから反時計回りに移動しながら、モニタデータを書き込んでいく。
図中の(b)は、データ書込部12が、表示装置2がまとめて取得するデータ量(4KB)のモニタデータをモニタリングメモリ15に書き込んだときの様子が示されている。このとき、PLC1から表示装置2へデータ読出許可が通知され、表示装置2がPLC1からモニタデータの取得を開始する。
図中の(c)には、表示装置2が1回目のモニタデータの取得を完了したときの様子が示されている。このとき、データ送信部14の読出位置は、書込開始位置Sから4KB分だけ進んだ位置にあるが、データ書込部12の書込位置は、上記読出位置から更に4KB分を越えて先に進んでいる。データ書込部12によって書き込まれる単位時間当たりの平均データ量は、データ送信部14によって読み出される単位時間当たりの平均データ量よりも多いため、図中では、読出位置よりも書込位置がより早く回転していくからである。
データ送信部14は、1回目のモニタデータの読み出し完了すると、その時点においてデータ書込部12が書き込みを完了している最新の4KBを次の読み出し対象とする。つまり、図中の(c)に示された書込位置までの4KB分について、表示装置2は、引き続きモニタデータを取得する。
図中の(d)は、表示装置2による2回目のデータ取得が完了した場合の様子が示されている。図中にハッチングを付して示した領域a1は、データ書込部12の平均書込速度と、データ送信部14の平均読出速度の差によって、読み出すことが出来なかった記憶領域であり、この記憶領域に保持されていたモニタデータは、表示装置2が取得できなかった欠落データとなる。
図中の(e)は、表示装置2による3回目のデータ取得が完了した場合の様子が示されている。この場合、記憶領域a1及びa2に保持されていたモニタデータが、表示装置2の取得できなかった欠落データとなっている。トリガー条件が成立するまでは、その後も同様の動作が繰り返される。
図5は、トリガー条件が成立した場合における動作の一例を模式的に示した説明図であり、図中の(a)〜(e)には、モニタリングメモリ15に対するデータ書込部12によるデータ書き込みとデータ送信部14によるデータ読み出しの様子が時系列的に示されている。図中の円は、その円周上の位置が、モニタリングメモリ15上のアドレスに相当し、黒い三角が、データ書込部12の書込位置、白い三角が、データ送信部14の読出位置を示している。
図中の(a)には、図4に示したデータ書き込みとデータ読み出しが行われているときの様子が示されている。図中の(b)には、その後にトリガー条件が成立し、トリガー成立フラグ13fがセットされた時の様子が示されている。トリガー位置Tは、トリガー条件が成立したときのデータ書込部12による書込位置である。
図中の(c)〜(e)には、トリガー条件成立後の様子が示されている。トリガー条件成立後も、一定時間が経過するまでは、トリガー条件成立前と全く同様の動作が行われている。図中の(d)には、当該一定時間が経過したときの様子が示されている。ここでは、上記一定時間が、データ書込部12の書込位置が半周する時間、つまり、データ書込部12が、モニタリングメモリ15のメモリ容量の半分を書き込む時間となっている。
その後、データ書込部12は、モニタリングメモリ15へのモニタデータの書き込みを中止する。このとき、PLC1から表示装置2へトリガー条件成立が通知される。ただし、表示装置2は、PLC1からトリガー条件成立が通知され、データ書込部12によるデータ書き込みが中止された後も、読出位置が書込位置に到達するまでは同様の動作を継続する。
図中の(e)は、読出位置が書込位置に到達した時の様子が示されている。表示装置2は、読出位置が書込位置に到達すると、モニタリングメモリ15に保持されているデータであって、読み出されていなかった記憶領域b1〜b4のモニタデータを読み出し、欠落データとなっていた不連続部分を補完する。この様にして、表示装置2は、トリガー条件成立前は、欠落データを挟んで不連続のモニタデータを取得しているが、トリガー条件が成立した場合には、トリガー条件成立の前後について連続するモニタデータを取得することができる。
図6は、表示装置2による波形表示の一例を示した図である。図中の(a)には、トリガー条件が成立していない場合における波形表示が示され、(b)には、トリガー条件が成立した場合における波形表示が示されている。また、(a)、(b)はいずれも2つのデバイスA及びBが監視対象として指定されている場合である。
図中の(a)には、PLC1の運用開始直後の波形が示されている。運用開始時の書込開始点Sから4KB分の波形が表示された後は、データ欠落部を挟んで4KB分の波形が離散的に表示された不連続な波形となる。データ欠落部の長さは、データ書込部12による書込速度と、データ送信部14による読出速度の差によって決まる長さであり、例えば、書込速度が読出速度の2倍であれば、波形の長さと、欠落部の長さが同一となる。
図中の(b)では、トリガー条件成立の前後にわたって連続した波形が表示される。この連続する波形は、少なくともモニタリングメモリ15の記憶容量に相当する長さを有している。また、トリガー条件成立後に、メモリ容量の半分に相当するモニタデータを書き込んだ後に、データ書き込みを中止しているため、トリガー点Tの前後に同じ幅で、連続する波形が確保される。
このようにして、トリガー条件が成立していない場合には、不連続な波形であってもPLC1からリアルタイムで取得したデバイス値に基づいて波形表示を行うとともに、トリガー条件が成立した場合には、その前後について完全な波形を表示することができる。
[PLC1の動作]
図7及び図8のステップS101〜S111は、運用モード中におけるPLC1の動作の一例を示したフローチャートである。この処理は、PLC1の動作モードを非運用モードから運用モードへ切り替えた場合に開始される。
まず、入力処理部103が、入力装置3からの入力信号の状態をデバイスメモリ102内のデバイス値に反映させる入力処理を実行する(ステップS101)。次に、プログラム実行部101によって、ラダープログラムが実行される(ステップS102)。このステップでは、複数の命令コードの順列からなるラダープログラムを先頭の命令コードから順に実行し、処理終了の命令コードが現れると終了する。つまり、1スキャン分の処理が行われる。その後、出力処理部104が、デバイスメモリ102内のデバイス値を出力装置4への出力信号の状態に反映させる出力処理が行われる(ステップS103)。
運用モードに切り替えた後、モニタリングメモリ15に予め定められた量のデータが蓄積された時点で、表示装置2に対し、データ送信部14がデータ読出許可を出力する(ステップS104,S105)。表示装置2は、このデータ読出許可を待って、データ読出要求をPLC1へ出力する。表示装置2が一定量のデータ(例えば4KB)をまとめて読み出す場合、PLC1を運用モードへ切り替えた後、スキャンが繰り返され、モニタリングメモリ15に上記一定量(4KB)のモニタデータが蓄積され、まとめて読出し可能になったことが、上記データ読出許可によってわかる。
次に、トリガー成立フラグ13fの状態をチェックする(ステップS106)。トリガー成立フラグ13fが初期状態(オフ状態)であり、トリガー条件がまだ成立していない場合には、トリガー条件判定部13が、今回のスキャンによってトリガー条件が成立したか否かを判定する(ステップS107)。このとき、トリガー条件が成立していれば、トリガー成立フラグ13fがセットされる。なお、このトリガー成立フラグ13fは、その後、トリガー条件が成立しなくなってもリセットされず、例えば、表示装置2からのリセット信号などによってリセットされる。
トリガー条件の判定が行われた後(ステップS107)、監視対象に指定されているデバイスについて、デバイスメモリ102からデバイス値が読み出され、モニタデータとしてモニタリングメモリ15に格納される(ステップS108)。
一方、ステップS106において、トリガー成立フラグ13fがオン状態、つまり、トリガー条件の成立後であった場合、当該トリガー条件成立から一定時間が経過しているか否かが判別される(ステップS109)。一定時間の経過は、タイマーのカウント値、スキャン数、又は、モニタリングメモリ15への書き込みデータ量を所定値と比較することによって行われる。その結果、トリガー条件成立から一定時間が経過していなかった場合には、トリガー条件成立前と同様、モニタリングメモリ15へモニタデータの書き込みが行われる(ステップS108)。
一方、トリガー条件成立から一定時間が経過している場合、表示装置2に対し、トリガー条件成立が通知される(ステップS110)。なお、トリガー条件成立から一定時間が経過している場合には、モニタリングメモリ15への書き込みは行われない。
最後に、PLC1の動作モードがチェックされ、運用モードから非運用モードへ変更されていれば、この処理を終了する。一方、動作モードに変更がなければ、ステップS101へ戻って、同様の処理を繰り返す(ステップS111)。
この様にして、PLC1は、モニタリングメモリ15に対し、1スキャンごとにモニタデータを書き込んでいくが、トリガー条件成立から一定時間が経過した後は、モニタリングメモリ15に対するモニタデータの書き込みを中止する。この結果、モニタリングメモリ15内にトリガー条件成立の前後におけるモニタデータが保持されている状態が維持される。
[表示装置2の動作]
図9のステップS201〜S207は、表示装置2の動作の一例を示したフローチャートである。まず、ユーザが指定した動作設定が、モニタ動作指定部25によって非運用モードのPLC1へ送信される(ステップS201)。例えば、監視対象のデバイスと、トリガー条件がPLC1へ送信される。次に、PLC1から非運用モードから運用モードへ切り替えられる(ステップS202)。PLC1の動作モードの切替は、表示装置2から行ってもよいし、PLC1のスイッチ操作により行ってもよい。
次に、PLC1からデータ読出許可が通知されるのを待つ(ステップS203)。データ読出許可を受信すれば、データ取得部23が、PLC1に対しデータ読出要求を送信し、PLC1からモニタデータを取得する(ステップS204)。このモニタデータの取得は、PLC1からトリガー条件成立が通知されるまで繰り返し行われる(ステップS205)。
ステップS205においてトリガー条件成立が通知された場合、表示装置2は、読出位置が、停止している書込位置に追い付くまでは、モニタデータの取得(ステップS204の)を継続する(ステップS206)。その後、読出位置が書込位置に到達すれば、モニタリングメモリ15内に保持されいてるモニタデータであって、まだ取得していないデータをPLC1に対して要求する(ステップS207)。つまり、欠落データとなっていたモニタデータを読み出して、モニタデータの不連続部分を補完する。
なお、ステップS207において、欠落データが読み出される際、モニタリングメモリ15上のどの記憶領域を読み出すのかを把握しているのは、PLC1内のデータ送信部14であってもよいし、表示装置2内のデータ取得部23であってもよい。データ送信部14が、欠落データが格納されている記憶領域を認識している場合、表示装置2は、ステップS207において、具体的な読出位置を指定することなく読出要求を行えばよい。一方、データ取得部23が、欠落データが格納されている記憶領域を認識している場合、ステップS207において、表示装置2からPLC1へ欠落データの記憶領域を指定した読出要求が行われる。
なお、図9では、非運用モード中のPLC1に対し、表示装置2から動作設定を送信する場合について説明したが、運用モード中のPLC1に対し動作設定を送信可能であれば、ステップS202を省略することができる。
図10は、表示装置2による画面表示の一例を示した図であり、監視対象の中から表示対象を指定する際の画面表示である。図中の300は表示対象となるデバイスの指定エリアであり、ユーザが、マウスでクリックして、チェックマークを表示させたデバイスが表示対象として指定される。ここではデバイスA〜Dが表示対象に指定されている。301は波形表示エリアであり、表示対象として指定されたデバイスの波形が表示される。
図11は、表示装置2の画面表示の一例を示した図であり、トリガー条件を指定する際の画面表示である。図中の302は、トリガー条件の指定エリアであり、トリガ位置指定部310、サンプリング周期指定部311と、トリガ条件指定部320からなる。
トリガ位置指定部310は、トリガー条件成立後にモニタリングメモリ15に対しモニタデータの書き込みを行う時間を指定するための手段であり、スライド入力部の操作又は数値入力により、モニタリングメモリ15の記憶容量に対するトリガー条件成立後に書き込まれるデータ量の比率として指定される。
サンプリング周期指定部311は、モニタリングメモリ15に対し、データ書込部12によってモニタデータが書き込まれる周期を指定するための手段である。例えば、スキャン周期、1ms周期、2ms周期、10ms周期、50ms周期を選択することができる。本実施の形態では、データ書込部12が、スキャン周期に同期して書き込む場合について説明したが、一定時間周期で書き込むように動作させることもできる。
トリガ条件指定部320は、ビットデバイスの条件指定部321、論理演子算指定部322及びワードデバイス指定部323からなる。ビットデバイス指定部321では、ビットデバイスの指定と、当該ビットデバイスに関するトリガー条件を指定することができる。同様にして、ワードデバイス指定部323では、ワードデバイスの指定と、当該ワードデバイスに関するトリガー条件を指定することができる。論理演子算指定部322では、ビットデバイスのトリガー条件と、ワードデバイスのトリガー条件との論理和又は論理積のいずれをトリガー条件とするのかを選択することができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、データ送信部14が一定量(4KB)のモニタデータを読み出すと、次に最新の書込位置までの一定量からモニタデータを読み出す場合について説明した。これに対し、本実施の形態では、データ送信部14が、データ量を固定化することなくモニタデータを読み出す場合について説明する。
図12は、本発明の実施の形態2によるトリガー条件が未成立の場合における動作の一例を模式的に示した説明図であり、図中の(a)〜(d)には、モニタリングメモリ15に対するデータ書込部12によるデータ書き込みとデータ送信部14によるデータ読み出しの様子が時系列的に示されている。図中の円は、その円周上の位置が、モニタリングメモリ15上のアドレスに相当し、黒い三角が、データ書込部12の書込位置、白い三角が、データ送信部14の読出位置を示している。
図中の(a)には、PLC1の運用開始時の様子が示されている。書込開始位置Sは、データ書込部12がモニタデータの書き込みを開始するモニタリングメモリ15上の位置である。データ書込部12は、図示した円周上を書込開始位置Sから反時計回りに移動しながら、モニタデータを書き込んでいく。本実施の形態では、表示装置2は、PLC1からのデータ送信許可を待つことなく、モニタデータの取得を開始する。つまり、書込開始位置Sに書き込まれたモニタデータは、直ぐにデータ送信部14によって読み出され、表示装置2へ送信される。その後、データ送信部14は、モニタリングメモリ15からモニタデータを順に読み出していく。
図中の(b)は、データ書込部12の書込位置が、周回遅れのデータ送信部14の読出位置に追い付く直前の状態が示されている。データ送信部14は、読出位置が書込位置に追い付かれることがないように、書込位置から読出位置までの距離が一定距離dとなった場合に、読出位置を一定距離だけジャンプさせる。つまり、現在の読出位置から連続しない新たな読出位置へ移動させる。ここでは、現在の読出位置から半周分移動させた位置へジャンプさせている。このため、モニタリングメモリ15の記憶容量の半分が読み出されずに欠落データとなる。
図中の(c)には、データ送信部14が、(b)で移動した読出位置から順にモニタデータの読み出しを行っている様子が示されている。
図中の(d)は、データ書込部12の書込位置が、データ送信部14の読出位置に再び追い付く直前の状態が示されている。ここでも(b)の場合と同様、書込位置から読出位置までの距離が一定距離dとなった場合に、読出位置を一定距離だけジャンプさせている。トリガー条件が成立するまでは、その後も同様の動作が繰り返される。
図13は、トリガー条件が成立した場合における動作の一例を模式的に示した説明図であり、図中の(a)及び(b)には、データ送信部14によるモニタリングメモリ15からのデータ読み出しの様子が時系列的に示されている。図中の円は、その円周上の位置が、モニタリングメモリ15上のアドレスに相当している。トリガー点Tは、トリガー条件成立時の書込位置、書込中止点Eは、トリガー条件成立後にデータ書き込みを中止した時の書込位置である。
図中の(a)には、トリガー条件成立直後に書込位置が読出位置に追いつく場合の動作が示されている。トリガー条件が成立したときに、周回遅れの読出位置が、トリガー点Tの直後の半周上、つまり、トリガー点Tと書込中止点Eの間にあれば、書込位置が書込中止点Eまで移動する間に、読出位置に追いつく場合がある。点Lにいる読出位置に書込位置が距離dまで近づくと、当該読出位置は半周分ジャンプして点Rへ移動し、記憶領域e1及びe2のモニタデータが読み出されずに欠落データとなる。その後、書込位置は、書込中止点Eで停止し、読出位置は、R→T→Lを通って書込中止点Eへ到達し、書込位置に追いつく。
図中の(b)は、読出位置が書込中止点Eへ到達したときの様子が示されている。このとき、表示装置2は、PLC1に対し、欠落データの送信要求を出し、モニタリングメモリ15内に保持されているデータであって、表示装置2が取得していないデータを読み出す。ここでは、表示装置2が、モニタリングメモリ15内の記憶領域e1及びe2を読み出すことができず、これらのモニタデータが欠落データとなっている。このうち、記憶領域e1のモニタデータは、上書きされて既に消去されているが、記憶領域e2のモニタデータは残されている。このため、記憶領域e2のデータが表示装置2へ送信され、トリガー条件成立前後における欠落データが補完される。
図14は、トリガー条件が成立した場合における動作の他の例を模式的に示した説明図であり、図中の(a)及び(b)には、データ送信部14によるモニタリングメモリ15からのデータ読み出しの様子が時系列的に示されている。図中の円は、その円周上の位置が、モニタリングメモリ15上のアドレスに相当している。トリガー点Tは、トリガー条件成立時の書込位置、書込中止点Eは、トリガー条件成立後にデータ書き込みを中止した時の書込位置である。
図中の(a)には、トリガー条件成立直前に書込位置が読出位置に追いつく場合の動作が示されている。トリガー点Tにおいてトリガー条件が成立する直前に、書込位置が点Rにいる読出位置に距離dまで近づくと、当該読出位置は半周分ジャンプして点Lへ移動する。
その後、書込位置は、T→L→Eの順に移動し、書込中止点Eで停止する。一方、読出位置は点L→Eへ移動する間に、書込位置が再び距離dまで近づいた場合には、半周分ジャンプし、その後の動作は図13の場合と同様となる。一方、書込位置が再び距離dまで近づかなかった場合には、L→E→R→T→Lを順に通って書込中止点Eへ到達し、書込位置に追いつく。この場合には、トリガー条件成立の前後には欠落データがなく、欠落データの読み出しは行われない。
図15は、表示装置2による波形表示の一例を示した図である。図中の(a)には、トリガー条件が成立していない場合における波形表示が示され、(b)には、トリガー条件が成立した場合における波形表示が示されている。また、(a)及び(b)はいずれも2つのデバイスA及びBが監視対象として指定されている場合である。
図中の(a)には、PLC1の運用開始開始直後の波形が示されている。モニタリングメモリ15内に格納できるサンプル数をnとし、データ書込速度がデータ読出速度のk倍(k>1)であるとすれば、運用開始点Sからn/(k−1)サンプル分のデータが表示された後、n/2サンプル分のデータ欠落部を挟んでn/(2k−2)サンプル分のデータが離散的に表示された不連続な波形となる。
図中の(b)では、トリガー条件成立の前後にわたって連続した波形が表示される。この連続する波形は、少なくともnサンプル分の長さを有している。また、トリガー条件成立後に、n/2サンプル分に相当するモニタデータを書き込んだ後に、データ書き込みを中止しているため、トリガー点Tの前後において同じサンプル数分の連続する波形が確保される。
このようにして、トリガー条件が成立していない場合には、不連続な波形であってもPLC1からリアルタイムで取得したデバイス値に基づいて波形表示を行うとともに、トリガー条件が成立した場合には、その前後について完全な波形を表示することができる。
実施の形態3.
上記実施の形態では、トリガ条件が成立した場合、欠落データの取得が完了すれば、PLC1からのデータ取得を行わず、画面上に停止した波形を表示させる表示装置2について説明した。これに対し、本実施の形態では、PLC1から継続してモニタデータを取得しながら、停止させた波形を表示することができる表示装置2’について説明する。
図16は、本発明の実施の形態3による表示装置2’の一構成例を示したブロック図である。図3の表示装置2と比較すれば、この表示装置2’は、2つのデータメモリ22a及び22bを備えている点で異なる。これらのデータメモリ22a及び22bは、いずれもPLC1内のモニタリングメモリ15と同様のリングバッファであるが、モニタリングメモリ15に比べて、遙かに大きい記憶容量からなる。
波形表示部21は、データメモリ22a及び22bのいずれか一方に基づいて、波形表示を行っている。すなわち、デバイス値の時系列表示を行っている。また、データ取得部23は、PLC1から取得したモニタデータをデータメモリ22a及び22bのいずれか一方に格納している。つまり、この表示装置2’では、PLC1からモニタデータを取得しながら、画面上に停止した波形画像を表示するために、2つのデータメモリ22a及び22bを切り替えて使用している。
この切替方法には、「一時停止」と「トリガ停止」がある。一時停止機能は、ユーザ操作によって波形表示を停止させる方法である。一方、トリガ停止は、トリガ条件の成立時に波形表示を停止させる方法であり、一時停止及びトリガ停止は、停止後の動作が異なっている。
図17は、表示装置2’の一時停止機能について説明するための説明図である。図中の(a)には、一時停止の操作が行われる前の通常時の様子が示されている。通常時は、データメモリ22aに対し、データ書き込みが行われ、データメモリ22aに基づいて波形表示が行われている。この状態では図3の表示装置2と同様の動作を行っている。
このとき、次のような問題が生じる。データメモリ22の記憶容量は有限であるため、リングバッファにする必要があるが、リングバッファにすると、過去のモニタデータはいずれ最新のモニタデータによって上書きされる。このため、データ書き込みを続けていると、観察していた古い波形が突然消えてしまうという問題が生じる。また、波形表示エリア301(図10)において波形を拡大表示させ、スクロールバーの操作によってバックスクロールさせて、古い波形を表示させている場合に、最新のモニタデータが継続して書き込まれていると、波形表示エリア301内に、同じ波形位置を表示させた状態を維持しておくことが難しい。この様な問題点に鑑みて、表示装置2’は、モニタデータの取得を継続しつつ、ユーザ操作によって一時停止させた波形を画面表示させる停止機能を有している。
図中の(b)には、一時停止中の様子が示されている。表示装置2’において、ユーザが一時停止操作を行うと、データ取得部23は、PLC1から新たに取得したデータをデータメモリ22bへ書き込む。一方、波形表示部21は、データメモリ22aに基づいて波形表示を行う。データメモリ22aにはデータ書き込みが行われていないため、停止している波形を表示させることができ、データメモリ22bを用いて、PLC1から取得したデータを保持しておくことができる。
図中の(c)には、一時停止解除後の様子が示されている。表示装置2’において、ユーザが一時停止の解除操作をすれば、波形表示部21は、データメモリ22bに基づいて波形表示を行うようになる。このとき、データ取得部23は、データメモリ22bへのデータ書き込みを継続している。つまり、データメモリ22aとデータメモリ22bが入れ替わり、図中の(a)と同じ動作状態となる。しかも、このデータメモリ22bには、一時停止中にPLC1から取得したモニタデータが格納されているため、ユーザは、一時停止を解除すれば、一時停止直後の波形を観察することができる。
その後、再び一時停止操作及びその解除操作が行われた場合には、データメモリ22a及び22bを入れ替えて同様の動作が繰り返される。
図18は、表示装置2’のトリガ停止機能について説明するための説明図である。図中の(a)には、一時停止の操作が行われる前の通常時の様子が示されており、図17の(a)と全く同様である。
図中の(b)には、1回目のトリガー条件成立後の様子が示されている。表示装置2’はPLC1からトリガー条件成立の通知を受信すれば、波形表示部21は、データメモリ22aに基づいて波形表示を行うようになる。このとき、データ取得部23は、データメモリ22bへのデータ書き込みを継続している。つまり、図17の(b)と全く同様であり、トリガーによって停止した波形を画面表示させることができる。
図中の(c)には、2回目のトリガー条件成立後の様子が示されている。図中の(b)の状態で、表示装置2’がPLC1からトリガー条件成立の通知を受信すると、波形表示部21は、データメモリ22bに基づいて波形表示を行うようになる。一方、データ取得部23は、データメモリ22aへのデータ書き込みを行うようになる。データメモリ22a及び22bが入れ替わる以外は、図中の(b)と同様である。
3回目以降のトリガー条件成立後も、同様にして、データメモリ22a及び22bが入れ替わる動作が繰り返される。このトリガー機能を一時停止機能と比較すれば、1回のトリガー入力が、一時停止機能における解除操作及び一時停止操作の組み合わせに相当する。
本発明の実施の形態1によるPLC動作表示システムの概略構成の一例を示した図である。 図1のPLC1の一構成例を示したブロック図である。 図1の表示装置2の一構成例を示したブロック図である。 トリガー条件が未成立の場合における動作の一例を模式的に示した説明図である。 トリガー条件が成立した場合における動作の一例を模式的に示した説明図である。 表示装置2による波形表示の一例を示した図である。 運用モード中におけるPLC1の動作の一例を示したフローチャートである。 図7に続くフローチャートである。 表示装置2の動作の一例を示したフローチャートである。 表示装置2による画面表示の一例を示した図であり、監視対象を指定する際の画面表示である。 表示装置2の画面表示の一例を示した図であり、トリガー条件を指定する際の画面表示である。 トリガー条件が未成立の場合における動作の一例を模式的に示した説明図である(実施の形態2)。 トリガー条件が成立した場合における動作の一例を模式的に示した説明図である。 トリガー条件が成立した場合における動作の他の例を模式的に示した説明図である。 表示装置2による波形表示の一例を示した図である。 表示装置2’の一構成例を示したブロック図である(実施の形態3)。 表示装置2’の一時停止機能について説明するための説明図である。 表示装置2’のトリガ停止機能について説明するための説明図である。
符号の説明
2 表示装置
3 入力装置
4 出力装置
11 モニタ動作設定部
12 データ書込部
13 トリガー条件判定部
13f トリガー成立フラグ
14 データ送信部
15 モニタリングメモリ
21 波形表示部
22,22a,22b データメモリ
23 データ取得部
24 操作入力部
25 モニタ動作指定部
100 プログラムメモリ
101 プログラム実行部
102 デバイスメモリ
103 入力処理部
104 出力処理部
301 波形表示エリア
310 トリガ位置指定部
311 サンプリング周期指定部
320 トリガ条件指定部
321 条件指定部
321 ビットデバイス指定部
322 論理演子算指定部
323 ワードデバイス指定部
S 書込開始位置
T トリガー位置

Claims (9)

  1. データメモリを備えたPLCと、上記データメモリ内のデータを時系列的に表示する表示装置とからなるPLC動作表示システムにおいて、
    上記表示装置は、上記データメモリ内のデータを上記PLCから取得するデータ取得手段と、
    上記PLCから取得したデータを時系列的に表示するデータ表示手段とを備え、
    上記PLCは、制御プログラムを繰り返し実行する制御プログラム実行手段と、
    上記制御プログラムの実行周期に同期して、上記データメモリにデータを書き込むデータ書込手段と、
    上記データメモリ内のデータを読み出し、上記表示装置へ送信するデータ送信手段と、
    予め指定されたトリガー条件の成立を判定するトリガー条件判定手段とを備え、
    上記データメモリは、上記データ書込手段によって単位時間当たりに書き込まれる平均データ量よりも、上記データ送信手段によって上記単位時間当たりに読み出される平均データ量の方が少なく、
    上記データ表示手段は、トリガー条件の成立前は、時系列上で一部のデータが欠落した不連続なデータに基づいて表示を行い、トリガー条件が成立した場合には、欠落していた上記一部のデータを上記PLCから取得し、より長く連続しているデータに基づいて表示を行うことを特徴とするPLC動作表示システム。
  2. 上記データ書込手段は、上記トリガー条件判定手段の判定結果に基づいて、上記データメモリへの書き込みを中止することを特徴とする請求項1に記載のPLC動作表示システム。
  3. 上記データ書込手段は、トリガー条件成立後に所定時間が経過した場合に上記データメモリへの書き込みを中止し、
    上記データ表示手段は、トリガー条件が成立した場合、トリガー条件成立前後において連続しているデータに基づいて表示を行うことを特徴とする請求項2に記載のPLC動作表示システム。
  4. 上記データメモリは、リングバッファであることを特徴とする請求項1に記載のPLC動作表示システム。
  5. 上記データ送信手段は、トリガー条件が成立していない場合、上記データメモリ上における上記データ書込手段の書込位置から当該データ送信手段の読出位置までの距離に基づいて、上記データメモリ上の読出位置を時系列上で不連続となる位置に移動させることを特徴とする請求項4に記載のPLC動作表示システム。
  6. 上記データ送信手段は、上記プログラム実行手段による上記制御プログラムの実行開始後に上記データ書込手段が予め定められた所定量のデータを上記データメモリに書き込んだ場合に、上記データメモリ内のデータの上記表示装置への送信を開始することを特徴とする請求項5に記載のPLC動作表示システム。
  7. 上記データ送信手段は、トリガー条件が成立していない場合、上記データ書込手段による最新の書込位置までの時系列上で連続する一定量のデータを読み出すことを特徴とする請求項4に記載のPLC動作表示システム。
  8. 上記データ送信手段は、トリガー条件が成立していない場合、予め定められた周期で、上記データメモリ上の読出位置を上記データ書込手段による最新の書込位置に移動させることを特徴とする請求項1に記載のPLC動作表示システム。
  9. 上記PLC又は上記表示装置が、欠落していた上記一部のデータについて、上記データメモリ内における位置情報を記憶する欠落位置保持手段を備え、
    上記データ表示手段は、トリガー条件が成立した場合に、欠落位置保持手段が保持する上記データメモリ内の位置情報に基づいて、欠落していた上記一部のデータを上記PLCから取得することを特徴とする請求項1に記載のPLC動作表示システム。
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