JP2008286503A - 沸騰冷却方法、沸騰冷却装置および機能製品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】沸騰冷却方法は、被冷却面にサブクール冷却液10を接触させ、沸騰冷却により冷却する沸騰冷却方法であって、冷却液10に超音波が照射され、冷却液10の限界熱流束を超える熱流束で熱が移動する状態が形成される。被冷却面は、冷却液10を保持する冷却液容器12内、または冷却液10が流通される管状流路内に設けられる。冷却液10を放熱させる冷却液放熱手段が設けられる。冷却液10は、1気圧のサブクール度が15〜25Kとされる。沸騰冷却装置は、被冷却面に接触するよう冷却液10を保持する冷却液保持機構と、冷却液10に超音波を照射する超音波照射手段とから構成され、上記の沸騰冷却方法の実施に用いられる。
【選択図】図2
Description
例えば1気圧の条件下で1リットル(1kg)の水を0℃から100℃の飽和温度まで加熱するために必要な熱量は約420kJであるが、100℃の飽和温度で同量の水の全部を蒸気にするために必要な熱量は約2256kJと、5倍以上である。従って、液体の相変化を利用することにより、高温物体から大量の熱を取り去ることができ、大きな冷却効果をあげることができる。
上記の系についていえば、「熱流束」とは「加熱ブロックの液体に接している表面すなわち伝熱面の単位面積を通して単位時間あたりに液体に移る熱量」であり、一般に「W/cm2 」または「W/m2 」の単位で表される。この熱流束が大きいほど除熱量が大きいので、冷却効果が大きいこととなる。そして、上記の伝熱面は、加熱ブロックの冷却という観点からいえば「被冷却面」であり、液体が「冷却液」である。
換言すれば、小さな気泡の発生が増加し、合体し徐々に成長して大きくなった気泡はやがて固体の表面を覆って液体の当該表面への進入を妨げて沸騰を阻害することになるが、伝熱面である高温固体の表面すなわち被冷却面から液へ伝達される熱は最大になり、熱流束は限界熱流束に達する。
以上のような状況から、従来行われている電子機器の沸騰冷却は、限界熱流束点Cまでに十分な安全余裕をとった、すなわち核沸騰の領域における限界熱流束点C以下の常用除熱限界以下の領域で行われ、その冷却限界は、液体が60℃の水である場合に、1気圧でおよそ100W/cm2 程度といわれている。因みに、限界熱流束は同様の条件で300W/cm2 である。
例えば、ノズルを用い、沸騰気泡を速やかに消滅させて高い冷却効率を図った冷却装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
この冷却方式では、2種類のノズルを通って噴射される冷媒液は同じ流入口から流入するものであるため、下流において噴射される液温度は高く、液圧は低い状態のものとなるので、実際には、所期の冷却効果が得られないものと考えられる。
この気泡微細化沸騰冷却は、被冷却面上を覆い被冷却面に接触する合体気泡をサブクール液で凝縮崩壊させて行うことを特徴とするものであるが、特許文献2に記載の冷却方法は、被冷却面を離脱したあるいは被冷却面に非接触の合体気泡を崩壊させるものであり、これは沸騰冷却効果はなく、「気泡微細化沸騰」とは異なるものと考えられる。
(1)伝熱面上のサブクール液体の流速を大きくして乱流強度を増加させる方法。
この方法は、冷却液の流れを強い乱流とし、流体力による気液界面の不安定誘導を促進するものであるが、管路の圧力損失が増加する欠点がある。
(2)伝熱面の上流あるいは伝熱面上に障害物を設置し、障害物の背面に発生する渦(カルマン・ボルテックス)により気液界面の不安定性を誘導を促進する方法。
この方法は、或る程度有効な方法であるが、障害物の大きさにより伝熱面上のサブクール液の流動抵抗が増加する欠点がある。
(3)サブクール液の噴流によって気泡を粉砕する方法。
この方法は、ノズルの先端を伝熱面に近接させて、気泡底部で乾き始める伝熱面に直接サブクール液を供給すると同時に気泡の内側から凝縮崩壊に併せて沸騰気泡を崩壊させることにより、主流路のサブクール液を伝熱面に供給する方法である。
(4)水槽の中に細いノズルから空気を噴出させ、この空気噴流に超音波を照射して、微細な気泡群を生成させる方法。
本発明の第2の目的は、用いられる冷却液がサブクール度の低いものであっても、高い熱流束による熱の移動を得ることができる気泡微細化沸騰冷却方法およびその冷却装置を提案することである。
本発明の第3の目的は、簡単な構成の装置であって、高い熱流束による熱の移動が得られる気泡微細化沸騰による沸騰冷却装置を提案することである。
前記冷却液に超音波が照射され、当該冷却液の限界熱流束を超える熱流束で熱が移動する状態が形成されることを特徴とする。
そして、この構成の場合には、冷却液容器内において対流する冷却液が、当該冷却液容器に配置された冷却液放熱手段により放熱されることが好ましい。
そして、この構成の場合には、管状流路は、冷却液が循環される循環流路の一部を構成し、当該循環流路を流通する冷却液が、当該循環流路に設けられた冷却液放熱手段により放熱されることが好ましい。
また、管状流路を流通する冷却液の平均流速が0.05〜1.0m/秒であることが好ましい。
この構成において、冷却液保持機構は、冷却液容器内において対流する冷却液に接触する受熱部分と、冷却液から外部に突出する放熱部分とを有する熱伝導性材料からなることが好ましい。
この構成においては、冷却液保持機構の管状流路において、被冷却面とこれに対向する当該管状流路の管内壁が互いに平行的であることが好ましい。
また、管状流路における冷却液の流れ方向に沿った被冷却面の長さが1〜5cmであることが好ましい。
更に、被冷却面が管状流路の管内壁の一部を構成する状態で設けられることが好ましい。
この構成においては、管状流路を含む循環流路に冷却液を供給して流通させる冷却液供給・流通手段を備えることが好ましい。
また、冷却液供給・流通手段が、冷却液を貯留させる冷却液貯留容器を有することが好ましい。
この場合に、対流式の放熱手段が、空冷式のラジエータであることが好ましい。
この構成においては、熱発生部材が電子素子パッケイジよりなり、当該熱発生部材の表面により、沸騰冷却装置における管状流路の一部が一体的に形成されている構成とすることができる。
この場合に、高発熱密度電子機器は、ハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車もしくは燃料電池発電設備の電力変換制御装置、コンピュータもしくはスーパーコンピュータ、または鉄道電車もしくは航空機用の電力システムの電力変換制御装置に搭載されるものとすることができる。
本発明の一の具体的態様においては、当該超音波の照射がされなければ気泡微細化沸騰が生じない条件下において、冷却液に超音波が照射され、これにより、当該冷却液の限界熱流束を超える熱流束で熱が移動する状態が形成される。
本発明の他の具体的態様においては、当該超音波の照射がされなくても気泡微細化沸騰が生じる条件下において、冷却液に超音波が照射され、これにより、当該冷却液の限界熱流束を超える熱流束で熱が移動する状態が促進される。
その結果、低サブクール度の液体によっても気泡微細化沸騰を生じさせることができ、従って伝熱面における気液交換が促進され、その結果、高い熱流束による熱の移動により優れた冷却効果が得られる。
飽和温度より低い温度の液体(「サブクール液」という。そして、当該液体の温度と飽和温度との差を「サブクール度」という。)を容器に入れ、容器の底に上向きに加熱ブロックの伝熱面を置いて沸騰させると、伝熱面で加熱された液体は発生した気泡と共に自然対流循環することとなり、伝熱面から熱が液体に伝えられる。この沸騰を「サブクールプール沸騰」と呼ぶ。加熱熱量を増加させると、伝熱面の温度上昇と共に気泡の発生頻度が増加し、伝熱面から除去される熱量(熱流束)は増加する。やがて伝熱面は大きく成長した合体気泡に覆われ、沸騰は限界熱流束状態に達する(限界熱流束点C)。
そして、通常は上記のように、合体気泡に覆われた伝熱面は乾き始め、沸騰形態は遷移沸騰に移行し始めるが、この遷移沸騰の初期において、伝熱面において合体気泡が形成されずに微細な気泡が放出されて、図1の沸騰曲線において実線で示すように、熱流束が限界熱流束点Cを越えて更に増加する現象が生ずる。この沸騰の状態が「気泡微細化沸騰」(または「微小気泡発生沸騰」)MEB(Microbubble Emission Boiling)と呼ばれる。
具体的には、例えば、断面が矩形の流路が水平に設定され、その底面に伝熱面(被冷却面)が設置された装置を用いた実験によれば、伝熱面の大きさにもよるが、1気圧下でサブクール度が40Kの純水(温度60℃の純水)が冷却液として供給される条件では、幅10mm、長さ10mmの伝熱面において最大除熱熱流束が1kW/cm2 (10MW/m2 )、幅10mm、長さ50mmものでは、500W/cm2 (5MW/m2 )もの大きな熱流束となることが確認された。
このように、気泡挙動が周期的な様相を呈する状態では、気泡崩壊の周波数に比例して熱流束が増加する。
以上の説明では、気泡微細化沸騰において「合体気泡が微細化される」という表現が用いられているが、これは通常の遷移沸騰の場合を基本とする説明であって、実際には、一旦合体気泡が形成されてそれが微細化するのではなく、合体気泡が形成されることなしに多数の微細気泡が生ずる。
この気泡微細化沸騰を利用すれば、きわめて有利に被冷却面の冷却を行うことができるが、サブクール度が大きい冷却液が必要であり、そのようなサブクールされた冷却液を供給するために大きな負担が必要である。
この放熱機構18の吸熱部分18Aは、下方に向かうに従って超音波アクチュエーター22から離間する方向に伸びる傾斜縁19を有するものとされており、従って、当該吸熱部分18Aは、冷却液容器12の超音波アクチュエーター22とは反対側(図で右側)の領域において、一側(図で左側)の領域よりも深いレベルにまで冷却液10中に伸びた状態とされている。このように、放熱機構18は、熱導伝性の高い材料からなる棒状または板状の放熱部材により構成することが好ましい。
そして、この装置においては、流路構造体を構成する管状流路514内の冷却液に超音波を照射する超音波照射手段(図示せず)が設けられている。
放熱機構550は、帰還用管路540内に組み込まれた空冷式のラジエータ551と、このラジエータ551に冷却風553を供給するファン552とにより構成されている。ラジエータ551は流路を長く取り、冷却液522はこの部分を流れる間に冷却風553により冷却され、放熱して冷却液貯留容器520に戻される。
第1のタイプは、内壁部に被冷却面が設けられた管状体からなる一重構造体による流路である。
一方、第2のタイプは、図4に示すように、管状体50とその内部に中心軸に沿って固定設置された柱状体51とからなる二重構造体であって、該管状体50の内壁部50Aと柱状体表面51Aの、一方に被冷却面が設けられたものである。
従って、本発明において「管状流路の内壁部」とは、管状体の内壁部だけではなく、柱状体の表面部をも意味するものである。
高発熱密度のパワーICのような、ヒートスプレッダの中に冷却管を通して沸騰冷却を行うような場合には、第2のタイプが用いられるが、通常の冷却装置は、第1のタイプの管状流路が用いられるので、以後、第1のタイプの管状流路を中心に説明する。
例えば、被冷却物または伝熱部材の内部に、断面形状が円形状もしくは楕円形状の孔を穿設すると、被冷却物または伝熱部材の内部に円筒面状もしくは楕円筒面状の表面が形成されるので、この円筒面状もしくは楕円筒面状の表面を被冷却面とし、この表面を管壁とする管状流路に冷却液を流通させて気泡微細化沸騰冷却を行うことができる。
この場合には、管状流路の管壁はすべて被冷却物もしくは伝熱部材の、円筒面状もしくは楕円筒面状の表面になる。
本発明の流路構造体を単体で用いる場合に、所期の気泡微細化沸騰効果を十分発揮するためには、その冷却液を流す被冷却面の長さが、1〜5cmが適当である。被冷却面の長さがより大きい場合には、本発明の流路構造体を複数個、直列に組合せて用いることが好ましい。
また、被冷却面が長い電子パッケイジが必要な場合は、被冷却面の長さを、例えば5cmとする複数のパッケイジに分割し、本冷却装置をサンドイッチ状に配置することにより、よりコンパクトになり高熱流束冷却を行うことができる。
すなわち、本発明の流路構造体は、管状流路を複数個、互いに近接して直列的もしくは並列的に有するものとして構成することもできる。複数個の管状流路を並列的に組み合わせる場合には、複数の管状流路における冷却液の流通方向は同一方向であってもよいし、管状流路のうちに、他の管状流路とは逆向きに冷却液を流通されるものが1以上あってもよい。このように複数の管状流路を併設することにより、流路の並列的な配列方向における冷却領域を増大することができる。
副流路は、管状流路を介して被冷却面から離れる位置に形成されてもよいし、管状流路の流路方向に沿う側方に形成されてもよい。
さらに、流路構造体の材料として、熱伝導性の良いものばかりでなく、安定した耐錆性、耐腐食性、耐熱性の高いものを使用することが好ましく、例えば、耐錆性処理を施したアルミニウム、ステンレス鋼、セラミックス、アクリル樹脂等を好適に使用できる。
流路構造体は、被冷却物の表面もしくは該表面に密接する伝熱部材の表面を被冷却面とし、被冷却面を管壁として形成され、サブクールされた冷却液を流通される管状流路を有する構造のものである。
この冷却液供給・流通手段は、冷却液を貯留させる冷却液容器と流路構造体との間に、冷却液を流通させることができ、この場合において、冷却液容器に冷却液が貯留された状態が含まれる。
対流式の放熱手段は、流路構造体に流通されて被冷却面から冷却液に移された熱を有効に放熱し、より効率良い沸騰冷却を可能とするものである。この放熱手段は、空気を対流させる方式のものでも、水などの液体を対流させる方式のものでも良いが、空冷式のラジエータは好適なものの1つである。
水とアルコールの混合液としては、アルコールとしてエチルアルコール、プロピルアルコールそれぞれを、水に対し5〜15%の割合で混合したものが好適である。
水とアルコールの混合液は、水のみよりなる冷却液に比して、合体気泡崩壊時の圧力振動を50%程度さらに低減することが可能となり、30%程度高い熱流束を得ることを可能となる点で、好ましい。
圧力振動を低減できる理由は、水とアルコールとを混合すると、表面張力が水単独の場合よりも小さくなり、気泡の崩壊が容易になるためと考えられる。また、高い熱流束が得られる理由は、沸騰時に沸点の低いアルコールが先に蒸発することにより、伝熱面の気泡付着箇所近傍と混合液の間に生じるアルコール濃度差が、気泡における表面張力の差をもたらし、気液界面の気泡上部における温度の低い部分の大きな表面張力に混合液が引張られ、気泡上部に向かう流れ(マランゴニ流れ)が生じ、伝熱面の気泡付着面に向かって温度の低い冷却液が供給されて気液交換が促進されることによるものと推察される。
不凍液は、本発明の沸騰冷却装置を搭載する製品種に応じて適宜選択使用することができ、市販されているものも適用可能であり、例えば、エチレングリコールを主成分とするものを用いることができるが、エチレングリコールに代えて、メチルアルコールやエチルアルコールのようなアルコール類と水とを濃度調整して不凍液として使用することができる。
例えば、水とエチレングリコールとの混合液(混合液1)、水とメチルアルコールとの混合液(混合液2)、水とエチルアルコールとの混合液(混合液3)のそれぞれの凝固点(℃)は、水と混合するエチレングリコールなどの成分の濃度(%)によって変化し、表1のようになる。
発明者等の実験によると、500〜600℃で形成されたセラミック親水性膜は、限界熱流束を10〜20%増加させ、また特に、微小重力環境下では気泡離脱を促進する効果が高いことが確認された。
本発明の沸騰冷却装置は、稼動中に熱を発生し該熱の冷却手段を構成要素とする製品に適用可能であり、例えば、発熱体を有し、沸騰冷却装置を構成する流路構造体の管壁の少なくとも一部が発熱体の表面となる電子素子または燃料電池であることができる。
この実験に用いた実験装置の概略の構成を図5に示す。この装置は、冷却液が流通するステンレス鋼製の冷却液容器32を備えており、この冷却液容器32内に冷却液の弱い流れが生ずる擬似プール沸騰系である。
冷却液容器32には、投げ込みヒータ34、熱電対35、放熱用冷却管36およびスターラ38が取り付けられている。また、冷却液容器32の底部には、直径10mmの円柱部分と円錐台部分とからなる銅製の加熱ブロック44が設けられており、当該加熱ブロック44の円柱部分の上面が冷却液容器32の底面の一部を構成する状態とされて被冷却面(伝熱面)が形成されている。37は照明用ライト、46はカメラ、47は表示装置を示す。
また、上記と同様の操作を、超音波の照射をせずに行った。
サブクール度20Kで超音波を照射しなかった場合には、図6において白丸で示されているように、気泡微細化沸騰が発生するが熱流束は3.22MW/m2 が限度であって限界熱流束CHFに比してあまり大きな増加は見られなかった。そして、被冷却面は薄い蒸気膜に覆われ膜沸騰へ移行した。
例えばサブクール度20Kの冷却液として80℃の水を用いる場合には、このサブクール度の冷却液であっても、本発明に従って超音波照射をすることにより、確実に気泡微細化沸騰を実現して高い熱流束による熱の移動が可能となる。
そして、被冷却面の冷却に供されて飽和温度の100℃またはこれに近い温度状態となっている冷却液(水)を、放熱機構によってサブクール度20Kの冷却液(すなわち温度80℃の水)に冷却することは容易であり、冷却液の放熱に要するエネルギーを減少させることができ、用いる放熱機構は小型の簡単な構成のもので十分であって、大容量の放熱機構を用いることが不要となる。
B 沸騰開始点
C 限界熱流束点
D 極小熱流束点
E 過熱焼損点
10 冷却液
12 冷却液容器
14 ヒートスプレッダ
S ヒートスプレッダの被冷却面
16 発熱体
17 断熱材
18 放熱機構
18A 吸熱部分
18B 放熱フィン部分
19 傾斜縁
20 冷却ファン
22 超音波アクチュエーター
32 冷却液容器
34 投げ込みヒータ
35 熱電対
36 放熱用冷却管
37 照明用ライト
38 スターラ
42 超音波アクチュエーター
44 加熱ブロック
46 カメラ
47 表示装置
50 管状体
51 柱状体
50A 内壁部
51A 柱状体表面
500 被冷却物
501、502、503 発熱部
510 ヒートスプレッダ
510A 被冷却面
512 流路部材
514 管状流路
520 冷却液貯留容器
522 冷却液
530 供給用管路
532 冷却液流通用ポンプ
540 帰還用管路
550 放熱機構
551 ラジエータ
552 ファン
553 冷却風
Claims (26)
- 被冷却面にサブクールされた冷却液を接触させ、沸騰冷却によって前記被冷却面を冷却する沸騰冷却方法であって、
前記冷却液に超音波が照射され、当該冷却液の限界熱流束を超える熱流束で熱が移動する状態が形成されることを特徴とする沸騰冷却方法。 - 被冷却面が、冷却液を保持する冷却液容器内に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の沸騰冷却方法。
- 冷却液容器内において対流する冷却液が、当該冷却液容器に配置された冷却液放熱手段により放熱されることを特徴とする請求項2に記載の沸騰冷却方法。
- 被冷却面が、冷却液が流通される管状流路内に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の沸騰冷却方法。
- 管状流路は、冷却液が循環される循環流路の一部を構成し、当該循環流路を流通する冷却液が、当該循環流路に設けられた冷却液放熱手段により放熱されることを特徴とする請求項4に記載の沸騰冷却方法。
- 管状流路を流通する冷却液の平均流速が0.05〜1.0m/秒であることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の沸騰冷却方法。
- サブクールされた冷却液は、1気圧におけるサブクール度が15〜25Kのものであることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一に記載の沸騰冷却方法。
- 冷却液が、水、アルコール、水とアルコールとの混合液、並びに、フッ素系不活性液体から選ばれたものであることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一に記載の沸騰冷却方法。
- 冷却液が不凍液であることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一に記載の沸騰冷却方法。
- 被冷却面に接触するよう冷却液を保持する冷却液保持機構と、当該冷却液に超音波を照射する超音波照射手段とから少なくとも構成され、請求項1乃至請求項9のいずれか一に記載の沸騰冷却方法の実施に用いられることを特徴とする沸騰冷却装置。
- 冷却液保持機構は被冷却面が設けられる冷却液容器よりなり、冷却液を放熱させる冷却液放熱手段が設けられてなることを特徴とする請求項10に記載の沸騰冷却装置。
- 冷却液保持機構は、冷却液容器内において対流する冷却液に接触する受熱部分と、冷却液から外部に突出する放熱部分とを有する熱伝導性材料からなることを特徴とする請求項11に記載の沸騰冷却装置。
- 冷却液保持機構は、被冷却面に接触して冷却液が流通する管状流路よりなり、当該管状流路は、冷却液が循環される循環流路の一部を構成し、当該循環流路を流通する冷却液を放熱させる冷却液放熱手段が当該循環流路に設けられていることを特徴とする請求項10に記載の沸騰冷却装置。
- 冷却液保持機構の管状流路において、被冷却面とこれに対向する当該管状流路の管内壁が互いに平行的であることを特徴とする請求項13に記載の沸騰冷却装置。
- 管状流路における冷却液の流れ方向に沿った被冷却面の長さが1〜5cmであることを特徴とする請求項13または請求項14に記載の沸騰冷却装置。
- 被冷却面が管状流路の管内壁の一部を構成する状態で設けられることを特徴とする請求項13乃至請求項15のいずれか一に記載の沸騰冷却装置。
- 被冷却面を構成する材料が超親水性であることを特徴とする請求項13乃至請求項16のいずれか一に記載の沸騰冷却装置。
- 管状流路に対して隔壁を介して管状の副流路が形成され、この副流路から前記隔壁を通して管状流路内に冷却液を供給する供給部を複数個有することを特徴とする請求項13乃至請求項17のいずれか一に記載の沸騰冷却装置。
- 管状流路を含む循環流路に冷却液を供給して流通させる冷却液供給・流通手段を備えることを特徴とする請求項13乃至請求項18のいずれか一に記載の沸騰冷却装置。
- 冷却液供給・流通手段が、冷却液を貯留させる冷却液貯留容器を有することを特徴とする請求項19に記載の沸騰冷却装置。
- 冷却液供給・流通手段が対流式の放熱手段を有し、この放熱手段が、前記循環流路に流通されて被冷却面の冷却に供された冷却液の放熱を行うものであることを特徴とする請求項19乃至請求項20のいずれか一に記載の沸騰冷却装置。
- 対流式の放熱手段が、空冷式のラジエータであることを特徴とする請求項21に記載の沸騰冷却装置。
- 稼動中に熱を発生する熱発生部材と、この熱発生部材の熱を冷却する冷却手段とを構成要素とする機能製品であって、当該冷却手段が、請求項13乃至請求項22のいずれか一に記載の沸騰冷却装置であることを特徴とする機能製品。
- 熱発生部材が電子素子パッケイジよりなり、当該熱発生部材の表面により、沸騰冷却装置における管状流路の一部が一体的に形成されていることを特徴とする請求項23に記載の機能製品。
- 電子素子よりなる熱発生部材と伝熱部材とを主構成要素とする高発熱密度電子機器であって、伝熱部材の被冷却面により、沸騰冷却装置における管状流路の一部が一体的に形成されていることを特徴とする請求項23に記載の機能製品。
- 高発熱密度電子機器が、ハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車もしくは燃料電池発電設備の電力変換制御装置、コンピュータもしくはスーパーコンピュータ、または鉄道電車もしくは航空機用の電力システムの電力変換制御装置に搭載されるものであることを特徴とする請求項25に記載の機能製品。
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