JP5066751B2 - 気泡微細化沸騰冷却方法、沸騰冷却装置および流路構造体並びにその応用製品 - Google Patents
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Description
例えば、冷却用液体を収容する容器と該冷却用液体内を通るパイプを有し、被冷却物としての半導体素子を冷却用液体に浸漬し、前記パイプ内に「冷却用液体よりも沸点の低い液体」を循環させるようにした、浸漬方式の沸騰冷却装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
液体中に例えば金属等による「加熱ブロック」を浸漬し、加熱ブロックを加熱してその伝熱面温度を上昇させる。「伝熱面」は、加熱ブロックの「上記液体に接している表面」であり、その温度が「伝熱面温度」である。
例えば、ノズルを用い、沸騰気泡を速やかに消滅させて高い冷却効率を狙う冷却装置が提案されている(例えば、特許文献2)。
この特許文献2に記載される冷却方式は、発熱体であるLSIチップを内蔵した半導体デバイスを多数搭載したセラミック製多層配線基板の冷却を目的とし、複数の被冷却体を対象としているためにエネルギー効率が低い大掛かりな装置となり、さらに、冷却液の流通路が長い上に、複数の被冷却体間に存在する凹部で流通する冷却液に対流あるいは渦を発生させることになるため、合体気泡の成長を妨げ、あるいは成長した合体気泡が冷却しにくくして、所期の気泡微細化沸騰冷却を困難にする問題がある。
従がって、この冷却方式によれば、高くてもせいぜい「120℃程度の温度領域で200W/cm2程度の熱流束」が得られると考えられ、また、「騒音や振動」に関してなんら記載がなく従ってその対策についての言及はない。
本発明はまた、気泡微細化沸騰冷却を有効に用いたコンパクトでかつ省エネタイプの沸騰冷却法とその装置を実現することを課題とする。
騒音・振動状態を観察すると、振動あるいは圧力の急上昇が周期的に、かつ合体気泡の崩壊直後に生じ、合体気泡全体が一度に崩壊すると、高い空気圧を発生させて騒音・振動の原因になっていることを確認し、実験を重ねた結果、管状流路内壁に細径の剛針群(あるいは棒状体群)を設けると、合体気泡を一度に崩壊させずに、発生する空気圧を減少させることができることを確認した。
すなわち、本発明の沸騰冷却方法は、被冷却物の表面もしくは該表面に密接する伝熱部材の表面を被冷却面とし、1つの該被冷却面が設けられた管状流路に沿ってサブクールされた冷却液を平行流で流通させ、加熱した前記被冷却面で該冷却液が沸騰して発生する気泡を成長させて、前記被冷却面に押し潰されたように全面を覆い接触状態に形成される合体気泡を前記冷却液によって凝縮崩壊させ、該凝縮崩壊を繰り返し行わせることによって、限界流束が得られる温度より高い温度で熱流束除熱を行う気泡微細化沸騰冷却方法であって、前記管状流路として、前記管状流路の該流路内壁に規則的に固定され、該流路内の前記被冷却面に向けて又は前記被冷却面上に突設させた凸部材群を有し、かつ下記(1)〜(3)の条件を備えた流路構造体を用い、前記凸部材群の少なくとも一部が前記合体気泡内に入り込む状態で凝縮崩壊させることによって、前記合体気泡の崩壊時に発生する圧力を低減させることを特徴とする。
(1)被冷却面が管状流路内壁の一部かつ同一面を構成する。
(2)被冷却面の長さが、流通する冷却液のサブクール度に被冷
却面の上流側と下流側との間で差が生じない程度に調整されたものである。
(3)被冷却面が位置する管状流路の高さが、押し潰されたように形成される合体気泡の厚みに合わせ調整されたものである。
(1)被冷却面が管状流路内壁の一部かつ同一面を構成する。
(2)被冷却面の長さが、流通する冷却液のサブクール度に被冷
却面の上流側と下流側との間で差が生じない程度に調整され
たものである。
(3)被冷却面が位置する管状流路の高さが、押し潰されたよう
に形成される合体気泡の厚みに合わせ調整されたものである。
また、管状流路に設ける被冷却面の条件として、冷却液の安定な流れを形成して合体気泡の所期の凝縮崩壊を得るためには、対流あるいは渦を発生させて、合体気泡の成長と成長した合体気泡の冷却を妨げないような状態、例えば、段差とか凹部のない状態を形成することが必要であり、そのために本発明の冷却装置の流路構造体を構成する管状流路に、連続した1つの被冷却面を管状流路の内壁の一部かつ同一面となるように設けることとし、こうすることによって凸部材群による騒音・振動の軽減の所期効果を発揮させ、気泡微細化沸騰冷却を効果的に行なうことができる。
また、冷却液が流通する方向の長さが長い被冷却面を用いる場合、流れる冷却液が温まって上流側と下流側では流れる冷却液のサブクール度に差が生じて、上流側では合体気泡の凝縮崩壊とサブクール液の供給がスムースに繰り返されるが、下流側では、冷却液が温まっているため合体気泡が凝縮崩壊しにくくなって、合体気泡で覆われた被冷却面が乾いて温度が急上昇し、最終的に焼損が発生することになる。
省エネの観点を省略しエネルギー効率を考慮しないで、多量の冷却液を高速で流せば、焼損のような事態を避けられることができるのは当たり前のことである。
しかしながら、本発明において気泡微細化沸騰冷却を検討するにあたっては、合体気泡の周りに所期の凝縮崩壊を起こすための十分なサブクール液を供給することを前提として、省エネの観点からサブクール液の効果が保たれる冷却面の長さを検討し、その結果、被冷却面の長さの条件として、流通する冷却液のサブクール度に被冷却面の上流側と下流側との間で差が生じない程度のものにして、凸部材群による騒音・振動の軽減の効果を有効に発揮させ、省エネかつコンパクトな「冷却」の実現を達成することを可能にした。
本発明の前記沸騰冷却方法においては、冷却液の水に換算したサブクール度は、下限が20K未満であることが好ましく、一方、上限が60Kであることが好ましく、また、管状流路内を流通する前記冷却液の平均流速は、下限が0.2/秒であることが好ましく、一方、上限が1.0m/秒であることが好ましい。
サブクール度を高くするに従い平均流速を低くするように、前記サブクール度に応じて平均流速を組み合わせて選定し、本発明の前記必須条件と組み合わせることが必要である。
本発明の前記沸騰冷却装置においては、前記冷却液供給・流通手段が、前記冷却液を貯留させる冷却液容器を有することが好ましい。
本発明の前記沸騰冷却装置においては、前記冷却液容器に前記冷却液が貯留されていることが好ましい。
本発明の前記沸騰冷却装置においては、前記冷却液供給・流通手段が、対流式の放熱手段を有し、この放熱手段が、上記流路構造体に流通されて被冷却面の冷却に寄与した冷却液の冷却を行うものであることが好ましい。
本発明の前記沸騰冷却装置においては、対流式の放熱手段が、空冷式のラジエータであることが好ましい。
本発明の前記沸騰冷却装置においては、管状流路の断面形状が略矩形形状である流路構造体を用いることが好ましい。
本発明の前記沸騰冷却装置においては、管状流路の断面形状が円形状もしくは楕円形状、または、半円形状もしくは半楕円形状である流路構造体を用いることが好ましい。
本発明の前記沸騰冷却装置においては、被冷却物もしくは被冷却物に密接する伝熱部材の少なくとも表面を構成する材料が超親水性である流路構造体を用いることが好ましい。 本発明の前記沸騰冷却装置においては、冷却液を流通される管状流路に対し隔壁を隔して管状の副流路が形成され、副流路から隔壁を通して管状流路内に冷却液を供給する供給部を複数個有する流路構造体を用いることが好ましい。
本発明の前記沸騰冷却装置においては、流路構造体を複数個、互いに近接して平行に組み合わせた構成とすることが好ましい。
本発明の気泡微細化沸騰冷却方法は、被冷却物の表面もしくは該表面に密接する伝熱部材の表面を被冷却面とし、1つの該被冷却面が設けられた管状流路に沿ってサブクールされた冷却液を平行流で流通させ、加熱した前記被冷却面で該冷却液が沸騰して発生する気泡を成長させて、前記被冷却面に押し潰されたように全面を覆い接触状態に形成される合体気泡を前記冷却液によって凝縮崩壊させ、該凝縮崩壊を繰り返し行わせることによって、限界流束が得られる温度より高い温度で熱流束除熱を行う気泡微細化沸騰冷却方法であって、前記管状流路として、前記管状流路の該流路内壁に規則的に固定され、該流路内の前記被冷却面に向けて又は前記被冷却面上に突設させた凸部材群を有し、かつ下記(1)〜(3)の条件を備えた流路構造体を用い、前記凸部材群の少なくとも一部が前記合体気泡内に入り込む状態で凝縮崩壊させることによって、前記合体気泡の崩壊時に発生する圧力を低減させることを特徴とするものである。
(1)被冷却面が管状流路内壁の一部かつ同一面を構成する。
(2)被冷却面の長さが、流通する冷却液のサブクール度に被冷却面の上流側と下流側との間で差が生じない程度に調整されたものである。
(3)被冷却面が位置する管状流路の高さが、押し潰されたように形成
される合体気泡の厚みに合わせ調整されたものである。
該「管状流路」とは、サブクールされた冷却液を流通する流路であるが、2つのタイプを包含する。
また、管状流路内を流通する前記冷却液の平均流速は、下限が0.2/秒であることが好ましく、一方、上限が1.0m/秒であることが好ましい。
本発明で用いられる「凸部材群」とは、管状流路の内壁部に固定し設けられた複数の凸部材からなり、気泡崩壊分割手段となって、崩壊時に発生する空気圧を減少させる機能を有するものでありさえすれば、特に限定されるものではなく、「剛針」を含む各種棒状体および薄板(凝縮崩壊促進板)を用いることができる。
該剛針群は、管状流路の被冷却面に相対する内壁部に固定し、該被冷却面に向けて設けることができるが、被冷却面に固定し相対する内壁部に向けて設けることもできる。後者の場合には、剛針を被冷却面に固定する付け根部分が発泡点となって気泡が発生しやすいため、前者の方がはるかに好ましい。
この場合には、管状流路の管壁はすべて「被冷却物もしくは伝熱部材の、円筒面状もしくは楕円筒面状の表面」になる。
また、被冷却面が長い電子パッケージが必要な場合は、被冷却面の長さを、例えば5cmとする複数のパッケージに分割し、本冷却装置をサンドイッチ状に配置することにより、よりコンパクトになり高熱流束冷却を行うことができる。
混合液1 −3℃ −8℃ −15.5℃ −25℃
混合液2 −5℃ −12℃ −21℃ −33℃
混合液3 ー2.5℃ −7℃ −13℃ −22℃ 。
図1(a)の右図と左図は、本発明の流路構造体の断面模式図であり、該流路構造体は、管壁KHから被冷却面HBSに向けて、かつ被冷却面HBSに近接させて(図示されていない)、剛針N1、N2、・・・Niを突出させ、管壁KH上に一列に並べた剛針群が固定され、管壁KHの幅方向(図示していないが紙面と直角方向)に、図示された一列の前記剛針群に並んで、同じ剛針群が2列目として固定されている。
成長するに従がって合体気泡は、剛針Niが合体気泡LBに「突き刺さった状態」あるいは合体気泡LB内に入り込んだ状態となると共に、2列の剛針群の隣接する4本の剛針に接触し、この4つの接触部では表面張力によって、合体気泡側に引っ込み冷却液側に盛り上げるような、窪み・凹部が形成され、合体気泡LBの表面は、剛針の分布に従って、複数の凸曲面LB1、LB2、・・LBi・・に分かれたような状態を形成する。
即ち、この例では、被冷却物30の内部に、断面円形状の孔が穿設されて、管状流路31A、31B、31Cとなっている。これら管状流路31A、31B、31Cは、全面が被冷却面であり、これらの管状流路に冷却液を、図面に直交する方向へ流通させて気泡微細化沸騰冷却を行うことができる。
剛針群を構成するNi、Nj、Nkは、管状流路の管壁に直交する角度で管状流路内に突出している。しかしながら、剛針群を管状流路の管壁に固定する場合、結合部が発泡点になりやすいため、結合部を弧を描くようなスムージングすることが好ましい。
図3(b)の例はまた、複数個の管状流路31A、31B、31Cを互いに近接して平行に有する構成である。
被冷却物32の被冷却面32Aの上方に、アーチ型の断面形状を持つ半円筒状の管壁が形成された流路部材34が設けられ、被冷却物32と一体化して管状流路を形成している。この管状流路の管壁の一部をなす被冷却面32Aの側から、被冷却面32Aに直交する角度を持って剛針群N1、N2、・・Ni・・が、管状流路内に突出するように設けられ、各剛針の先端部が相対する管壁に当接させずに近接するように固定することが好ましい。管状流路の断面形状が半円形状であることに応じて剛針Niの長さが異なる。
図4において、符号500は被冷却物で、発熱部501、502、503を有する。これらの複数の発熱部501,502、503に接してヒートスプレッダ510が一体の「伝熱部材」として設けられ、図においてヒートスプレッダ510の上側の表面が、平滑な平面状の1つの被冷却面510Aとなっている。
即ち、管状流路514の管壁の一部は、前記管壁と同一面を構成するヒートスプレッダ510の被冷却面510Aで、管状流路514内には、剛針Niによる剛針群が突出している。個々の剛針Niは、管状流路514における図の上側の管壁から管壁に対して直交する角度で突出し、その先端部は被冷却面510に当接している。
なお、図4の沸騰冷却装置における流路構造体として、図3(e)に示した副流路を有するものを用い、冷却液供給・流通手段により「流路構造体の管状流路と副流路とに冷却液を供給・流通させ、副流路の側から管状流路内へ冷却液を供給」しつつ冷却を行うようにして、本発明の沸騰冷却方法を実施することができることは言うまでもない。
制御手段70は「マイクロコンピュータ」である。上には説明しなかったが、図4に示した沸騰冷却装置には各種センサが用いられ、「被冷却面温度」、「管状流路の流路入口温度・流路入口圧力・流路入口流量・流路出口温度・流路出口圧力」、「凝縮部出口温度・冷却液容器温度・冷却液容器圧力」が検出される。
これら各種温度、流量、圧力等の検出結果は制御手段70に入力され、制御手段70は入力情報に応じてポンプ532の駆動、凝縮手段550のファン552の駆動力の強弱、「流路圧力安全弁、冷却容器圧力安全弁」を制御して、冷却動作に支障がでないようにする。また、被冷却面温度が急激に上昇した場合(被冷却面温度が上昇しすぎて被冷却面の焼損が生じた場合が考えられる。)には被冷却物の電源を遮断する。
この発明の沸騰冷却装置が用いられる技術・製品分野(以下、製品と称する)は「稼動中に熱が発生しその熱を冷却する冷却手段を構成要素とするもの」であれば、特に限定されない。
すなわち、パソコンのような発熱体を有する電子機器または発熱体を有する燃料電池では、この発明の沸騰冷却装置は、流路構造体の主流路と発熱体の表面とを一体的に形成した構成とし、製品とすることができる。
このような電子機器としては、一般的に高発熱密度電子機器が用いられており、例えば50kW以上のような高い電力が扱われるので、単位面積当たりの発熱量が多く、発熱密度が100W/cm2以上、さらには300W/cm2にもなることも考えられるが、このような電子機器の冷却に対しても、この発明の沸騰冷却方法・装置は好適である。
図12は、実験装置の概念図である。
図1(b)及び図13は、本発明の流路構造体の断面模式図であるが、本発明者等はこの模式図に基づいた流路構造体を作製して、剛針郡による振動・騒音抑制効果を検証した。
図1(b)において、符号10は「被冷却物」である高発熱体を示す。高発熱体10は銅製で、その上面の平面状部分の周辺部分を一段切り欠き、この部分に断熱材11Aと耐熱シリコン11Bとを設け、残りの部分を被冷却面(伝熱面とも言う)10Aとした。被冷却面10Aのサイズは冷却液の流通方向である図の左右方向において50mm、図面に直交する方向である幅方向に20mmである。
管状流路16の前記高さは、冷却面全体を覆い押し潰されたように接触状態で形成される合体気泡の厚みが3.5mm〜4mm程度であることに基づいて設定したものである。
実験例1において、平均流速を300mm/秒に変更し、同じ流路構造体で、剛針群がない流路構造体と、剛針群の列数(M)が、1つ、3つ、5つ、7つの5つの流路構造体を用いる以外、同じ条件で気泡微細化沸騰実験を行った。
しかしながら、実験例1と比較すると、冷却液の平均流速が遅くなるに伴って、針群がない場合にも除熱熱流束および瞬間圧力が共に低くなるが、針群の列数(針の数)の増加に伴う流路内圧力減少率も減少することが、図15から明確である。
実験例1において、サブクール度が20Kの冷却液に変更し、同じ流路構造体で、剛針群がない流路構造体と、剛針群の列数(M)が、1つ、3つ、5つ、7つの4つの流路構造体を用いる以外、同じ条件で気泡微細化沸騰実験を行った。
実験例4は、図2に示される流路構造体を用いて行われた。
この流路構造体は、実験例1で用いた図1(b)に示される流路構造体の、流路部材12の上部の「被冷却面に対向する部分」を切り欠いて、この部分に透明なアクリル板14を嵌め込んで「観察用窓」とした部分を、切り欠きを行わずに「観察用窓」を設けず、かつ、剛針群を蝋付けにより固定した以外は、同じものである。
10A 被冷却面(伝熱面)
12A 流路構造体の一部を構成する流路部材
16 管状流路
Ni 剛針群を構成する剛針
Claims (22)
- 被冷却物の表面もしくは該表面に密接する伝熱部材の表面を被冷却面とし、1つの該被冷却面が設けられた管状流路に沿ってサブクールされた冷却液を平行流で流通させ、加熱した前記被冷却面で該冷却液が沸騰して発生する気泡を成長させて、前記被冷却面に押し潰されたように全面を覆い接触状態に形成される合体気泡を前記冷却液によって凝縮崩壊させ、該凝縮崩壊を繰り返し行わせることによって、限界流束が得られる温度より高い温度で熱流束除熱を行う気泡微細化沸騰冷却方法であって、前記管状流路として、前記管状流路の該流路内壁に規則的に固定され、該流路内の前記被冷却面に向けて又は前記被冷却面上に突設させた凸部材群を有し、かつ下記(1)〜(3)の条件を備えた流路構造体を用い、前記凸部材群の少なくとも一部が前記合体気泡内に入り込む状態で凝縮崩壊させることによって、前記合体気泡の崩壊時に発生する圧力を低減させることを特徴とする気泡微細化沸騰冷却方法。
(1)被冷却面が管状流路内壁の一部かつ同一面を構成する。
(2)被冷却面の長さが、流通する冷却液のサブクール度に被冷
却面の上流側と下流側との間で差が生じない程度に調整された
ものである。
(3)被冷却面が位置する管状流路の高さが、押し潰されたように形成
される合体気泡の厚みに合わせ調整されたものである。 - 前記管状流路を流通する冷却液が乱流であることを特徴とする請求項1に記載の気泡微細化沸騰冷却方法。
- 前記凸部材群が棒状体群であって、該流路内の前記被冷却面に向けて、先端部が前記被冷却面に近接するように突設させた流路構造体を用いる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の気泡微細化沸騰冷却方法。 - サブクール度が20〜60Kの冷却液を前記サブクール度に応じて平均流速1.0〜0.2m/秒で流動させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載の気泡微細化沸騰冷却方法。
- 前記冷却液が水あるいはアルコール、もしくは、水とアルコールとの混合液、または、フッ素系不活性液体であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載の気泡微細化沸騰冷却方法。
- 前記管状流路内の空気量が0〜20%になるように前記冷却液を調整し流動させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1に記載の気泡微細化沸騰冷却方法。
- 被冷却物の表面もしくは該表面に密接する伝熱部材の表面を被冷却面とし、1つの該被冷却面が設けられた管状流路に沿ってサブクールされた冷却液を平行流で流通させ、加熱した前記被冷却面で該冷却液が沸騰して発生する気泡を成長させて、前記被冷却面に押し潰されたように全面を覆い接触状態に形成される合体気泡を前記冷却液によって凝縮崩壊させ、該凝縮崩壊を繰り返し行わせることによって、限界流束が得られる温度より高い温度で熱流束除熱を行う気泡微細化沸騰冷却方法に用いられる沸騰冷却装置であって、前記管状流路として、前記管状流路の該流路内壁に規則的に固定され、該流路内の前記被冷却面に向けて又は前記被冷却面上に突設させた凸部材群を有し、かつ下記(1)〜(3)の条件を備えた流路構造体が搭載されて、合体気泡の崩壊時に発生する圧力を低減させる機能を有することを特徴とする気泡微細化沸騰冷却装置。
(1)被冷却面が管状流路内壁の一部かつ同一面を構成する。
(2)被冷却面の長さが、流通する冷却液のサブクール度に被冷
却面の上流側と下流側との間で差が生じない程度に調整された
ものである。
(3)被冷却面が位置する管状流路の高さが、押し潰されたように形成
される合体気泡の厚みに合わせ調整されたものである。 - 前記被冷却面の上流側末端部に繋がる管状流路部が、流動する冷却液に乱流を形成させるための助走区間として機能する長さを有することを特徴とする請求項7に記載の気泡微細化沸騰冷却装置。
- 前記凸部材群が棒状体群であって、該流路内の前記被冷却面に向けて、先端部が前記被冷却面に近接するように該棒状体群を突設させた流路構造体が搭載されたことを特徴とする請求項7又は8に記載の気泡微細化沸騰冷却装置。
- 前記被冷却面が位置する前記管状流路の高さが、前記冷却液が流動する際の前記管状流路内の空気量が0〜20%になるように調整されたものであることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1に記載の気泡微細化沸騰冷却装置。
- サブクール度が20〜60Kの冷却液をサブクール度に応じて平均流速1.0〜0.2m/秒で流通させて行なう気泡微細化沸騰冷却方法に用いられる沸騰冷却装置であって、被冷却面の長さが1〜6cm、被冷却面が位置する管状流路の高さが2〜10mmの流路構造体が搭載されたことを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1に記載の気泡微細化沸騰冷却装置。
- 前記棒状群体が格子状に設けられたことを特徴とする請求項9乃至12のいずれか1に記載の気泡微細化沸騰冷却装置。
- 前記棒状体群が前記管状流路の流れ方向に少なくとも2列設けられたことを特徴とする請求項9乃至12のいずれか1に記載の気泡微細化沸騰冷却装置。
- 前記棒状体の先端部が前記被冷却面に0.5mm以下の間隔を設けて近接し設けられたことを特徴とする請求項9乃至13のいずれか1に記載の気泡微細化沸騰冷却装置。
- 前記流路構造体が複数個組み合わせて構成されることを特徴とする請求項7乃至14のいずれか1に記載の気泡微細化沸騰冷却装置。
- 前記冷却液を流通される前記管状流路に対し隔壁を隔して管状の副流路が形成され、前記副流路から前記隔壁を通して前記管状流路内に前記冷却液を供給する細管供給部を複数個有する流路構造体が搭載された気泡微細化沸騰冷却装置であって、前記流路構造体の前記管状流路と前記副流路とに前記冷却液を供給・流通させ、前記副流路の側から前記管状流路内へ前記冷却液を供給しつつ主流路である前記管状流路の冷却液と併せて冷却を行うことを特徴とする請求項7乃至15のいずれか1に記載の気泡微細化沸騰冷却装置。
- 前記冷却液を前記管状流路に供給して流通させる冷却液供給・流通手段を備えることを特徴とする請求項7乃至16のいずれか1に記載の気泡微細化沸騰冷却装置。
- 前記冷却液供給・流通手段が対流式の放熱手段を有し、この放熱手段が、前記流路構造体に流通されて前記被冷却面の冷却に寄与した冷却液の冷却を行うものであることを特徴とする請求項17に記載の気泡微細化沸騰冷却装置。
- 請求項7乃至18のいずれか1に記載の気泡微細化沸騰冷却装置に用いられる流路構造体。
- 稼動中に熱を発生し該熱の冷却手段を構成要素とする製品であって請求項7乃至18のいずれか1に記載の気泡微細化沸騰冷却装置を前記冷却手段とすることを特徴とする製品。
- 発熱体を有し、前記気泡微細化沸騰冷却装置を構成する前記流路構造体の前記管状流路が、前記発熱体の表面を管内壁として一体的に形成された電子素子パッケイジであることを特徴とする請求項20に記載の製品。
- 電子素子と伝熱部材とを主構成要素とする高発熱密度電子機器が搭載された、ハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車、燃料電池発電設備の電力変換制御装置、又はコンピュータもしくはスーパーコンピュータ、又は、鉄道電車あるいは航空機用の電力システムの電力変換制御装置であって、前記気泡微細化沸騰冷却装置を構成する前記流路構造体の前記管状流路が前記伝熱部材の表面を管内壁として形成されたことを特徴とするハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池自動車、燃料電池発電設備の電力変換制御装置又は鉄道電車あるいは航空機用の電力システムの電力変換制御装置であることを特徴とする請求項20に記載の製品。
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