JP4201962B2 - 微細化沸騰を利用した冷却方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は冷媒を用いた冷却方法に関する。さらに詳述すると、本発明は、伝熱面での冷媒の沸騰を利用して発熱源から熱を除去する冷却方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、核融合炉のダイバータ板や高集積化が進んだ電子機器等のように、熱負荷面の超高熱化はいたるところで見受けられ、従来以上の高い冷却効果と冷却効率を達成する冷却方法が求められている。
【0003】
このような高熱負荷面の冷却方法としては、冷媒の核沸騰伝熱を利用することが考えられる。この沸騰冷却方法によると、図13に例示する沸騰曲線から明らかなように、限界熱流束(核沸騰I1から遷移沸騰I2に移るときの熱流束の極大値P1)が存在し、それが実用上の上限となっている。即ち、核沸騰下では、伝熱面温度の上昇と共に冷却水に伝えられる熱量は増加するが、やがて限界熱流束P1で頭打ちとなり、遷移沸騰下では冷媒に伝えられる熱量は急激に減少し伝熱面温度は急激に上昇することが知られている。さらに、遷移沸騰を経て図中P2点越えてI3で示す膜沸騰に移行すると、蒸気が伝熱面を覆って伝熱面温度が不連続に著しく増加して、隔壁を焼損してしまう場合があることが知られている。このため、限界熱流束は実用上の上限値とされ、従来の水冷式冷却構造では、伝熱面における熱流束が限界熱流束を超えないよう十分安全側に設計がなされている。
【0004】
一方、伝熱面の厚み(以下、本明細書では伝熱面厚さと呼ぶ。)は、作用する圧力に耐えられる強度を持つ厚みが必要であるが、厚くするとその分だけ加熱側と冷却側とで温度差が大きくなり伝熱面が溶け易くなるので、可能な限り薄く設計される。
【0005】
そこで、従来は、限界熱流束の向上策として、流路形状や流動条件などを変化させること、例えば伝熱面にフィンを設けたり、大型のポンプを用いて冷却水の流速を上げる等の工夫がなされている。核融合炉のダイバータ板を例に挙げると、ねじりテープを挿入した多数の冷却配管を配置し、旋回流で冷却することが考えられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる超高熱負荷面に対し、伝熱面にフィンを設けたり、大型ポンプを用いて冷却水の流速を高める等の対応策では、必要な冷却能力を実現するための装置や機構は複雑・大規模なものとなり、その設備コストや運転コストは多大なものとなる。
【0007】
そこで、本発明は、低コストで高い冷却効率を実現できる冷却方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため、本願発明者等は、微細気泡の激しい射出を伴う特異な沸騰(微細化沸騰と呼ばれる)下では一般的な沸騰現象での限界熱流束(以下、本明細書では一般限界熱流束と呼ぶ)より数倍以上高い熱流束を得られることに着目し、種々検討・研究した結果、従来明らかにされていなかった微細化沸騰が安定して発生するための条件を知見するに至った。即ち、大気泡の成長から凝縮までに要する時間より、伝熱形態と伝熱面の熱容量から定まる時定数が十分大きくかつ熱負荷によるこの時間の温度上昇により伝熱面のいかなる部分にも溶融や変形などの伝熱の劣化がないこと、具体的には、伝熱面とサブクール冷媒との接触界面温度が最小膜沸騰温度を以上とならないこと、及び伝熱面のあらゆる場所において、融点やクリープ温度などの伝熱性能の劣化させる温度以上とならないことが必要である。
【0009】
本発明は、かかる知見に基づき為されたものであって、請求項1記載の発明は、伝熱面での冷媒の沸騰を利用して発熱源からの熱を除去する冷却方法において、冷媒伝熱面に生ずる大気泡を凝縮させ周囲冷媒を伝熱面に供給できるサブクール度を有するものとし、伝熱面は大気泡の成長から凝縮までに要する時間に伝熱面と冷媒とが触れ合う接触界面温度が膜沸騰下限温度に達せず且つ伝熱面の発熱源側の温度が融点に達しない伝熱面厚さを有するものとして、伝熱面で微細化沸騰を持続的に発生させ、一般限界熱流束を超える熱流束下で安定に冷却できるようにしている。また、請求項2記載の発明は、伝熱面での冷媒の沸騰を利用して発熱源からの熱を除去する冷却方法において、冷媒として伝熱面に生ずる大気泡を凝縮させ周囲冷媒を伝熱面に供給できるサブクール度を有する冷媒を用いると共に、伝熱面の発熱源側の温度を膜沸騰下限温度以上且つ融点未満にすると共に大気泡が成長して凝縮する間の伝熱面の冷媒側の温度を膜沸騰下限温度未満にして、伝熱面で微細化沸騰を持続的に発生させ、一般限界熱流束を超える熱流束下で安定に冷却できるようにしている。
【0010】
これによって、発熱源の熱は伝熱面を覆う大きな気泡例えば直径2〜4cmの気泡を凝縮するサブクール度を有する冷媒(以下、サブクール冷媒あるいは冷媒として水を用いる場合にはサブクール水と呼ぶ)の伝熱面表面での沸騰により除熱される。そして、熱流束が大きくなるとそれに従って伝熱面を覆う大きな気泡が頻繁に出現するようになる。この大気泡が伝熱面を覆えば、伝熱面表面温度が上昇して膜沸騰へ移行すると考えられるが、直ちに周囲のサブクール冷媒により凝縮して消滅するため、膜沸騰には移行しない。即ち、大気泡が瞬時に形成と崩壊を繰り返すことによって、伝熱面表面のより広い範囲で十分なサブクール冷媒の混合が促進され、温度分布が均一になると共に大量のサブクール冷媒が伝熱面に触れて大量の熱が伝熱面から取り除かれ、一般限界熱流束を遙かに超える高熱流束下においても微細化沸騰を安定して持続し、除熱することができる。
【0011】
ここで、従来の設計思想から導かれる伝熱面厚さでは、伝熱面に大気泡が形成されて有効な除熱が一時的に失われた場合に、伝熱面温度が急激に上昇し伝熱面を構成する部材が融点に達してしまうか、あるいは接触界面温度が最小膜沸騰温度以上となって膜沸騰に移行し伝熱面が焼損してしまう。即ち、一般限界熱流束が従来の冷却能力の上限とされる所以である。
【0012】
これに対し、本発明では、冷媒が伝熱面に生ずる大気泡を凝縮するサブクール度を有し、大気泡が凝縮されて伝熱面と冷媒とが触れ合う接触界面温度(以下、本明細書では単に接触界面温度と呼ぶ)が最小膜沸騰温度未満となる伝熱面厚さ即ち熱容量を有するものとしている。したがって、大気泡の成長から凝縮までに要する時間(例えば約0.1秒〜0.03秒)よりも伝熱面温度が膜沸騰下限温度に到達するまでの時間の方が長いため、膜沸騰に至ることなく大気泡の成長と崩壊が瞬時に繰り返され微細化沸騰が持続する。即ち、伝熱面を覆う大気泡が凝縮するのに十分なサブクール冷媒が存在する場合には、伝熱形態と熱容量から定まる時定数が大気泡の成長から凝縮までに要する時間より十分大きい場合には微細化沸騰は安定に持続する。また同時に、大気泡の成長から凝縮までに要する時間よりも伝熱面温度が融点に到達するまでの時間の方が長いため、大気泡の成長から凝縮までに要する時間内に伝熱面温度が融点に達することなく、連続的な大気泡の崩壊により大量の熱が伝熱面から取り除かれ、伝熱面が焼損することはない。即ち、本発明の伝熱面厚さは、従来は熱抵抗を小さくするべく可能な限り薄いものとされる伝熱面厚さをあえて厚くすることによって、従来の冷却能力限界とされている一般限界熱流束を超える高熱流束下に新たな安定な領域を見出し、かかる高熱流束下で微細化沸騰を安定に持続させることで、超高熱負荷面の冷却を可能としている。
【0013】
また、請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の微細化沸騰を利用した冷却方法において、冷媒を大気圧下においてサブクール度15K〜85Kの範囲の水とするようにしている。この場合には、伝熱面を覆う気泡を十分に成長させてから崩壊させることを瞬時に繰り返すことができ、大量の冷媒が伝熱面に触れて大量の熱を伝熱面から除去することができる。また、請求項4記載の発明は、請求項1記載の微細化沸騰を利用した冷却方法において、大気泡の成長から凝縮までに要する時間は0.1秒以下であるようにしている。さらに、請求項5記載の発明は、請求項1または4のいずれか一つに記載の微細化沸騰を利用した冷却方法において、伝熱面厚さは10mm以上であるようにしている。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0015】
図1に本発明の微細化沸騰を利用した冷却方法を適用した冷却器の一実施形態としてコンピュータチップ用沸騰冷却器を示す。この冷却器は、冷媒10を収容する沸騰蒸発部15と、外気へ放熱して沸騰した冷媒の蒸気を凝縮させるコンデンサ部22と、沸騰蒸発部15と部分的に連通するように区画されて液化した冷媒を回収する冷媒貯留部18とから主に構成されている。コンデンサ部22は、冷媒の蒸気を流す多数のチューブ19とこれらをその両端で互いに連結するヘッダ16,17並びに各チューブ19の間に配置されて放熱面面積を増やしているフィン例えばコルゲートフィン20とから構成されている。勿論、コンデンサ部22としては、この他の構成からなるものでも良いし、沸騰蒸発部15並びに冷媒貯留部18と別体で形成され、冷媒チューブで連結されるようにしても良い。そして、冷媒貯留部18と沸騰蒸発部15との間には、図示していないがノズル等の流体の流れ方向を規制する部材を設けることによって、冷媒貯留部18に還流してきた冷媒を沸騰蒸発部15側へ流出させる流れを形成することが好ましい。
【0016】
ここで、沸騰蒸発部15の底で構成される伝熱面13は、大気泡11が凝縮されて伝熱面13と冷媒10とが触れ合うときの接触界面温度が最小膜沸騰温度未満でかつ発熱源側(発熱源たるCPU14と接する面)が融点よりも低い温度となる熱容量即ち使用されている伝熱材料に応じた伝熱面厚さdを有するものとされている。即ち、伝熱面13を覆う大きな気泡例えば直径2〜4cmの大気泡11ができ、それがサブクール冷媒と混ざりあって潰れたときにサブクール度を有する冷媒が伝熱面13に触れることができ尚かつ大気泡11が潰れるまでの間に発熱源14側で融点に達しない程度の厚さ(その時間に対応する熱容量を遙かに超える厚さ)を有していれば足りる。例えば、図10に示すようなデータを蓄積していくことで、大気泡11の発生により伝熱面13が乾く間に膜沸騰下限温度に達することがなく、同時に、伝熱面13が融点に到達することがない伝熱面厚さdを容易に求めることができる。例えば、サブクール度50Kの水を冷媒とし伝熱材がSUS304の場合には、膜沸騰下限温度は例えば約300℃となる。そこで、伝熱面13の厚さは膜沸騰下限温度が300℃未満となる位の厚さであることが必要である。実験によれば銅製伝熱面の場合には約10mmの厚さが好ましいものであった。
【0017】
冷媒10は、微細化沸騰を発生させるためにサブクール度を有する必要はあるが、サブクール度が小さ過ぎると大気泡はできても凝縮できないし、サブクール度が大き過ぎても即ち温度が低過ぎても凝縮できるものの大気泡11が発生し難くなり、冷媒を十分に動かし撹拌することができない。このため、冷媒としては、例えば大気圧下でサブクール度15K〜85K、好ましくは30K〜50Kの範囲の水の使用が好ましい。なお、冷媒10は特に水に限定されるものでなく、形成された大気泡が十分急速に凝縮できる、即ち気液密度比が大きく表面張力が大きい流体であれば冷媒として使用できる。他の冷媒としては、例えば液体窒素、液体ヘリウム及びHFC−134aなどの代替フロンを用いても良い。また、圧力条件は、標準大気圧下であることが微細化沸騰による冷却効率を高めるために望ましいがこれに特に限定されるものではない。
【0018】
以上のように構成されたコンピュータチップ用冷却器によれば、CPU14が発熱すると、所定のサブクール度を有する冷媒としての水(以下、サブクール水と呼ぶ)の伝熱面13での沸騰によって除熱される。そして、熱流束が大きくなるとそれに従って伝熱面13に大きな気泡11が頻繁に出現するようになる(図1(B)参照)が、この大気泡11は直ちに周囲のサブクール水10により凝縮して微細気泡12を射出して消滅する(図1の(C)参照)ため、膜沸騰には移行しない。即ち、大気泡11が瞬時に形成と崩壊を繰り返すことによって、伝熱面13の表面のより広い範囲で十分なサブクール水10の混合が促進され、温度分布が均一になると共に大量のサブクール水10が伝熱面13に触れて大量の熱が伝熱面13から取り除かれ、一般限界熱流束を遙かに超える高熱流束下においても微細化沸騰を安定して持続し、除熱することができる。沸騰により生じた蒸気は、沸騰に伴う圧力差によってへッダ16を経て各チューブ19内を流れる間に凝縮されて再び液体となってへッダ17を経て冷媒貯留部18へ戻る。そして、適宜サブクール度を有するサブクール水10として伝熱面13へ向けて供給される。
【0019】
このように、本実施形態の冷却器は、非定常である微細化沸騰下での安定な領域を見出しそれを安定に持続させることで、従来の冷却能力限界とされている一般限界熱流束をはるかに超える数倍から十数倍の高熱流束下で超高熱負荷面の冷却を可能としている。したがって、従来は冷却が困難とされてきたスーパーコンピュータのCPUや、核融合炉のダイバータ板等の超高熱負荷面に対しても、低コストで高い冷却効率を実現できる。尚、本実施形態では、一般限界熱流束を超えるような高熱流束を発生させる超高熱負荷面・発熱源14として、例えば、スーパーコンピュータのCPUを例に挙げているがこれに特に限られず、パワーデバイスなどの一般的な発熱源の冷却は勿論のこと、核融合炉のダイバータ板などの従来の冷却方法では冷却が困難であった超高熱負荷面の冷却に適用することができる。
【0020】
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、伝熱面が大きい場合などには、冷媒10が温まって必要なサブクール度が失われることがないように、伝熱面に仕切りを設けて、各部屋で冷媒10を供給し撹拌させるようにして、所定のサブクール度を維持するようにしても良い。
【0021】
また、プール沸騰体系に限定されるものではなく冷媒10を強制流動させるようにしても良い。
【0022】
また、本発明によれば、非常に簡単な構成で高い冷却効率を実現できるが、必要に応じて伝熱面にフィンを設ける等、必要な冷却能力や設置環境に合わせて従来ある冷却技術を適用可能であることは勿論である。
【0023】
【実施例】
本発明者等は、本発明の有用性を裏付ける一例として、微細化沸騰が安定して発生することを実証するための実験を行い、そのための条件を導出した。
【0024】
先ず、実験装置及び実験手順について説明する。実験はプール沸騰体系で行なった。試験に用いた水槽は、各辺の長さが400mmの立方体形状で、水位は300mmとした。冷媒10にはイオン交換樹脂を通した純水を3時間以上脱気させて使用した(以下、冷却水10と呼ぶ)。
【0025】
本実験では、熱容量と加熱方法が異なる二種類の伝熱面を用いた。図7に銅ブロック1を放射加熱することにより伝熱面13を構成した場合の概略図を示す。銅ブロック1は直系10mm、長さ10mmの銅円柱の下部がさらに長さ10mmで直径が17mmから13mmへと変化した花瓶のような構造となっている。なお、この銅ブッロク1は熱抵抗が生じないように直径20mmの銅円柱を削り出して加工した。この銅ブロック1下部は電気絶縁のために肉厚約1.5mmのアルミナ容器2aに納められている。このアルミナ容器2aの外周にコイル状に巻いたタングステン3をジュール加熱することにより、銅ブロック1は間接的に加熱されている。コイル状のタングステン3はその形状を保てるような溝があるアルミナ容器2bに収納され、その外周は放熱を極力防止するために別のアルミナ容器2cに納められている。また、高温におけるタングステン3の酸化を緩和するために、微量のアルゴン水素9をタングステン電極E,E部に注入した。
【0026】
銅ブロック1上部は周囲を断熱材4(イソライト工業株式会社製商品名カオウール)で囲むことにより放熱を極力抑制している。銅ブロック1上面は防水のために、厚さ0.06mmのステンレス箔5(SUS316箔)を銀ろう付けしている。なお、銅ブロック周辺部に残ったろう材は削り取った。銅ブロック1上部側面から1mm間隔で4ヵ所、直径0.8mmの熱電対挿入口を開け、シース径0.5mmのK型熱電対6を円柱中心軸上まで挿入した。この4本の熱電対6の指示値より温度分布を最小二乗法に基づき2次関数で近似し、伝熱面13表面での値を伝熱面温度、並びに伝熱面13表面での空間微分値を表面熱流束とした。なお、試験範囲全体に亘り、銅ブロック1上部からの放熱が少なく熱伝導は一次元的として温度分布を線形近似した場合であっても、熱流束の違いは7%以下であった。
【0027】
図8に厚さ4mmの炭化珪素板7の下面にイオンプレーティングしたニッケル8をジュール加熱することにより伝熱面13を構成した場合の概略図を示す。電極を付けた長さ8mmの部分を除くと、有効加熱長は34mm、幅は10mmである。防水のために厚さ0.06mmのステンレス箔5(SUS316箔)で覆っているが、炭化珪素板7が直接露出するように穴を開けている。ステンレス箔5と炭化珪素板7は上面が同じ面になるように耐熱接着材で固定した。用いた炭化珪素はCERASIC−A(東芝セラミックス社)で、熱伝導度はSUS316と銅の中間で、比抵抗値はニッケルより数千倍大きい。なお、この炭化珪素の下面に、第一層としてクロムを約0.1μm、第二層としてニッケルを3.5μm、第三層として白金を約0.1μmイオンプレーティングしている。
【0028】
沸騰試験は、直流安定化電源の出力を一時間当たり1MW/mの十分定常と考えられる出力上昇速度でコンピュータ制御して行なった。
【0029】
本実験の結果は次のようであった。
【0030】
銅ブロック1の伝熱面13で得られたプール沸騰曲線を図5に示す。縦軸は熱流束を示し、横軸は伝熱面温度と飽和温度との差である過熱度を示す。このときの冷却水10のサブクール度は50Kである。実線は典型的なプール沸騰曲線である。本実験結果は、丸印でプロットしている。本実験結果は、図5中I1で示す核沸騰曲線に沿って一般限界熱流束P1よりさらに高熱流束まで正勾配として安定な沸騰が実現されている。本実験で得られた限界熱流束は6.0MW/mであった。これは、一般限界熱流束の約5倍の値である。
【0031】
図3は0.03秒毎の連続写真により伝熱面13の様子を示すものである。図2は図3の連続写真に応じた伝熱面13のイメージを図示したものである。熱流束が約3.0MW/mを超えると、図2(b)及び図3(b)に示すように、伝熱面13を覆う大気泡11が頻繁に見られるようになる。この大気泡11の直径は、伝熱面13の直径(10mm)の3〜5倍と大きい。通常、このような大気泡11が伝熱面13を覆えば、伝熱面温度が上昇して膜沸騰へ移行すると考えられる。ところが、図2(c)及び図3(c)に示すように、この大気泡11は約0.03秒後には周囲のサブクール水即ちサブクール50度の冷却水10により凝縮して消滅している。このときに微細気泡12が射出され、浮力に対して界面摩擦が大きいために周りの冷却水10中に停滞する。また、図3(a)と図3(b)とを比較すると、熱流束が高いためにこのような大気泡11が形成されるのに要する時間は比較的短いことが分かる。
【0032】
即ち、伝熱面13上にて微細化沸騰が図12に示すようなサイクルで持続している。微細気泡12が合わさって大気泡11が形成され(図12;ステップ1)、サブクール度50Kを有する冷却水10によって大気泡11が凝縮されて崩壊し(ステップ2)、大気泡11の崩壊により大量の冷却水10が伝熱面13に触れて大量の熱が伝熱面13から取り除かれ(ステップ3)、又この崩壊に伴い微細気泡12が射出され(ステップ4)、さらに伝熱面13表面の微細気泡12が合わさって伝熱面に再び大気泡11が形成される(ステップ1)。このように、瞬時に大気泡11が成長と崩壊を繰り返して微細化沸騰が持続されている。そして連続的な大気泡11の崩壊により大量の熱が伝熱面13から連続的に取り除かれることで、一般限界熱流束を超える高熱流束下においても安定した伝熱面13の冷却を可能としている。
【0033】
図6に、微細化沸騰が生じない核沸騰における伝熱面近傍の様子を示す。核沸騰により伝熱面付近の水は撹拌されているが、伝熱面上部に高温の液塊プルームが観察される。微細化沸騰時には明確な液塊プルームは観察されず、大気泡が瞬時に形成と崩壊を繰り返すことにより、より広い範囲で十分な混合が促進されて、温度分布が均一となっていることを示す。
【0034】
一方、比較として厚さ4mmの炭化珪素板7を用いた試験を行った。この試験では、熱容量が十分でなかったため銅ブロック1の伝熱面13の場合と同じ流動条件で同じサブクール度50Kの冷却水10にて、熱流束1.9MW/mで炭化珪素板7が焼損した。図4は、0.03秒毎の連続写真によりこのときの伝熱面13の様子を示すものである。図4(a)では10mmの伝熱面幅に対して3mm以下の気泡が多数見られる。これらの気泡が局所的に伝熱面13に乾きを与えることにより伝熱面温度が急速に上昇し、図4(b)では燃焼反応の光により露出オーバとなっている。
【0035】
次に、伝熱面の熱容量が温度上昇に与える影響を検討するために、厚さが10mmの銅ブロックと0.01mmの銅箔を対象に一次元熱伝導解析を行なった。解析条件は、伝熱面13の厚さ方向に熱流束5MW/mが流れ定常に達し、かつ低温側(非加熱側)の温度を100℃としたときに、伝熱面表面に対応する低温側表面の境界条件を断熱境界として設定した。この解析は、定常熱流束5MW/mにおいて、伝熱面上に大気泡が形成された場合の温度変化に対応している。
【0036】
図11に、銅ブロック及び銅箔に対する加熱側と非加熱側(断熱側)の伝熱面温度を、断熱境界設定後からの経過時間の関数として示す。矢印Aが指すグラフは銅箔加熱側を、矢印Bが指すグラフは銅箔非加熱側を、矢印Cが指すグラフは銅ブロック加熱側を、矢印Dが指すグラフは銅ブロック非加熱側を、それぞれ示すものである。また、矢印Eが指す点線は銅の融点を示す。熱容量の小さい銅箔は、時間と共に両側の温度が急上昇して0.008秒後に融点を越す。このとき厚さ10mmの銅ブロックでは、変化の大きい銅ブロック非加熱側であっても温度上昇は9℃以下と小さい。この結果から、限界熱流束試験に通常使用される金属箔などの熱容量の小さい伝熱面は、微細化沸騰時に見られるような大気泡11が発生して有効な除熱が一時的に失われた場合に伝熱面温度が急速に上昇し、焼損すると考えられる。
【0037】
次に、微細化沸騰で観察された大気泡11が伝熱面を乾かすとき即ち除熱が失われるときに、伝熱面が融点に達する時間を銅ブロックの伝熱面厚さ毎に解析した。本解析も、上記と同様に定常熱流束5MW/mにおいて、伝熱面上に大気泡が形成された場合を想定している。図9は、この解析の結果を示す。図9では、縦軸に伝熱面温度が融点に到達するまでの時間をとり、横軸に伝熱面厚さをとっている。図中Fで示す領域は、大気泡11が発生することにより伝熱面が乾く時間域を示している。図中矢印Gで示す点は、本実験で使用した銅ブロック1の厚さ(10mm)を示す。図中Hで示す領域は、一般的な限界熱流束の試験で使用されている銅箔の厚さを示す。図9より、大気泡11の発生により伝熱面が乾く間に伝熱面が融点に到達することなく、微細化沸騰が安定に持続するためには、従来の限界熱流束の試験で使用されている以上の伝熱面厚さ(数mm以上)が必要であることが分かる。
【0038】
また、微細化沸騰で観察された大気泡11が伝熱面を乾かす即ち除熱が失われるときに、伝熱面が膜沸騰下限温度に達する時間を各種材料(銅、モリブデン、タングステン、SUS304、Inconel600)について各々伝熱面厚さ毎に解析した。本解析も、定常熱流束5MW/mにおいて、伝熱面上に大気泡11が形成された場合を想定している。図10は、この解析の結果を示す。図10では、縦軸に伝熱面温度が膜沸騰下限温度に達するまでの時間をとり、横軸に伝熱面厚さをとっている。図中Fで示す領域は、大気泡11が発生することにより伝熱面が乾く時間域を示している。図中矢印Gで示す点は、本実験で使用した銅ブロック1の厚さ(10mm)を示す。図中Hで示す領域は、一般的な限界熱流束の試験で使用されている銅箔の厚さを示す。膜沸騰下限温度を超えると、伝熱面は蒸気膜で覆われて微細化沸騰はもはや生じない。図10より、大気泡11の発生により伝熱面が乾く間に伝熱面温度が膜沸騰下限温度に達することなく微細化沸騰が安定に持続するためには、材料に応じた伝熱面厚さが必要であることが分かる。
【0039】
また、図9と図10を銅について比較すると、大気泡11の発生により伝熱面が乾く間に伝熱面温度が膜沸騰下限温度に達することがない伝熱面厚さであれば、同時に、大気泡11の発生により伝熱面が乾く間に伝熱面が融点に到達することはないことがわかる。すなわち、微細化沸騰が安定に持続するためには、成長した大気泡11が冷媒により凝縮され崩壊した時点において、伝熱面温度が膜沸騰下限温度に未だ達していないような伝熱面厚さが必要であると考えられる。ここで、この場合の伝熱面温度をより正確に表現するならば、例えば、「大気泡11が凝縮されて伝熱面と冷媒とが触れ合う接触界面温度」となる。
【0040】
以上の実験及び考察から、(1)冷媒が伝熱面に生ずる大気泡11を凝縮するサブクール度を有すること、(2)伝熱形態と熱容量から定まる時定数が大気泡11の成長から凝縮までに要する時間より十分大きいこと、即ち、大気泡11が凝縮されて伝熱面と冷媒とが触れ合う接触界面温度が最小膜沸騰温度未満となる伝熱面厚さであること、の2点が一般限界熱流束を超える高熱流束下において微細化沸騰が安定して持続するための条件と考えられる。
【0041】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1または2記載の微細化沸騰を利用した冷却方法によると、伝熱面を覆う大きな気泡を形成すると直ちに周囲のサブクール水により凝縮して消滅する微細化沸騰を安定して持続することによって、即ち大気泡の形成と崩壊を瞬時に繰り返すことによって、伝熱面表面のより広い範囲で十分なサブクール水の混合を促進して温度分布を均一にすると共に大量のサブクール冷媒が伝熱面に触れて大量の熱を伝熱面から除去して一般限界熱流束を遙かに超える高熱流束下においても除熱可能としている。したがって、従来は冷却が困難とされてきたスーパーコンピュータのCPUや、核融合炉のダイバータ板等の超高熱負荷面に対しても、低コストで高い冷却効率を実現できる。
【0042】
また、請求項3記載の発明によると、伝熱面を覆う気泡を十分に成長させてから崩壊させることを瞬時に繰り返すことができ、大量の冷媒水が伝熱面に触れて大量の熱を伝熱面から除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の微細化沸騰を利用した冷却方法を実現するコンピュータチップ用冷却器の一例を示す図で、(A)は概略原理図、(B)は大気泡発生状態を示す図、(C)は大気泡が消滅して微細気泡が射出されている状態を示す図である。
【図2】本発明の有用性を裏付ける実験の一例を示し、銅ブロックの伝熱面付近のイメージを図示したものである。
【図3】同実験において、0.03秒毎の連続写真により銅ブロックの伝熱面付近の様子を示すものである。
【図4】同実験において、0.03秒毎の連続写真により炭化珪素板の伝熱面付近の様子を示すものである。
【図5】同実験において、銅ブロックの伝熱面で得られたプール沸騰曲線を示し、実線は典型的なプール沸騰曲線を、図中にプロットされている丸印は本実験結果を示す。
【図6】微細化沸騰が生じない核沸騰における伝熱面近傍の様子を示す写真である。
【図7】同実験において、銅ブロックを輻射過熱することにより伝熱面を構成した場合の実験装置の概略図である。
【図8】同実験において、炭化珪素板の下面にイオンプレーティングしたニッケルをジュール加熱することにより伝熱面を構成した場合の実験装置の概略図である。
【図9】大気泡が伝熱面を乾かすときに、伝熱面が融点に達する時間を銅ブロックの伝熱面厚さ毎に解析した結果を示すグラフである。
【図10】大気泡が伝熱面を乾かすときに、伝熱面が膜沸騰下限温度に達する時間を各種材料の伝熱面厚さ毎に解析した結果を示すグラフである。
【図11】銅ブロック及び銅箔に対する加熱側と非加熱側の伝熱面温度を、断熱境界設定後からの経過時間の関数として示すグラフである。
【図12】微細化沸騰が発生し持続する場合のサイクルを示すフローチャートである。
【図13】従来知られている沸騰曲線を示すグラフである。
【符号の説明】
10 冷媒
11 大気泡
12 微細気泡
13 伝熱面
14 発熱源(CPU)
d 伝熱面厚さ

Claims (5)

  1. 伝熱面での冷媒の沸騰を利用して発熱源からの熱を除去する冷却方法において、前記冷媒は前記伝熱面に生ずる大気泡を凝縮させ周囲冷媒を前記伝熱面に供給できるサブクール度を有するものとし、前記伝熱面は前記大気泡の成長から凝縮までに要する時間内に前記伝熱面と前記冷媒とが触れ合う接触界面温度が膜沸騰下限温度に達せずかつ前記伝熱面の前記発熱源側の温度が融点に達しない伝熱面厚さを有するものとして、前記伝熱面で微細化沸騰を持続的に発生させ、一般限界熱流束を超える熱流束下で安定に冷却できることを特徴とする微細化沸騰を利用した冷却方法。
  2. 伝熱面での冷媒の沸騰を利用して発熱源からの熱を除去する冷却方法において、前記冷媒として前記伝熱面に生ずる大気泡を凝縮させ周囲冷媒を前記伝熱面に供給できるサブクール度を有する冷媒を用いると共に、前記伝熱面の前記発熱源側の温度を膜沸騰下限温度以上且つ融点未満にすると共に前記大気泡が成長して凝縮する間の前記伝熱面の前記冷媒側の温度を前記膜沸騰下限温度未満にして、前記伝熱面で微細化沸騰を持続的に発生させ、一般限界熱流束を超える熱流束下で安定に冷却できることを特徴とする微細化沸騰を利用した冷却方法。
  3. 前記冷媒は大気圧下においてサブクール度15K〜85Kの範囲の水であることを特徴とする請求項1または2記載の微細化沸騰を利用した冷却方法。
  4. 前記時間は0.1秒以下であることを特徴とする請求項1記載の微細化沸騰を利用した冷却方法。
  5. 前記伝熱面厚さは10mm以上であることを特徴とする請求項1または4のいずれか一つに記載の微細化沸騰を利用した冷却方法。
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