JP2005291599A - ヒートパイプ用内面溝付管およびヒートパイプ - Google Patents

ヒートパイプ用内面溝付管およびヒートパイプ Download PDF

Info

Publication number
JP2005291599A
JP2005291599A JP2004105696A JP2004105696A JP2005291599A JP 2005291599 A JP2005291599 A JP 2005291599A JP 2004105696 A JP2004105696 A JP 2004105696A JP 2004105696 A JP2004105696 A JP 2004105696A JP 2005291599 A JP2005291599 A JP 2005291599A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat pipe
heat
tube
groove
pipe
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004105696A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideki Iwamoto
秀樹 岩本
Kiyonori Koseki
清憲 小関
Toru Ikeda
亨 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobelco and Materials Copper Tube Ltd
Original Assignee
Kobelco and Materials Copper Tube Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobelco and Materials Copper Tube Ltd filed Critical Kobelco and Materials Copper Tube Ltd
Priority to JP2004105696A priority Critical patent/JP2005291599A/ja
Publication of JP2005291599A publication Critical patent/JP2005291599A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Cooling Or The Like Of Semiconductors Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

【課題】 ヒートパイプ用内面溝付管の溝形状の最適化を図ることで、冷却性能、すなわち、熱伝達率や最大熱輸送量を向上させたヒートパイプ用内面溝付管およびヒートパイプを提供する。
【解決手段】 本発明は、内周面に溝が多数形成されている金属管内に、作動液を封入してなるヒートパイプに使用されるヒートパイプ用内面溝付管であって、前記内面溝付管内の溝総断面積と前記内面溝付管の流路断面積の比が、0.13以上0.16以下であり、かつ、前記溝の底幅と前記内面溝付管の最大内径の比が、0.02以上0.05以下であることを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ヒートパイプ用内面溝付管およびヒートパイプに係り、特に、電子機器のCPU(中央演算装置)冷却用として使用されるヒートパイプ用内面溝付管およびヒートパイプに関する。
近年の電子機器は、パーソナルコンピュータ、特にノート型のパーソナルコンピュータ(以下、ノート型パソコンと称する。)に代表されるようにCPUの高性能化に伴い、CPUの発熱量が増大している。CPUは、発熱によって高温になると演算処理能力が低下するなどの不具合が出るため、これを冷却するための冷却装置を備えている。
なお、ノート型パソコンに備えられる冷却装置は、設置スペースとの関係から、できるだけ小型化することが望まれており、図7に例示するような構成の冷却装置100が広く用いられている。
かかる冷却装置100は、主にヒートパイプ101と、放熱板103と、小型ファン102とから構成されている。当該ヒートパイプ101は、微細な溝が形成されたパイプの内部に一定量の作動液を減圧封入したものであって、一端をCPU104などの発熱体に接触させてその熱を吸収し、他端を小型ファン102等によって冷却することで吸収した熱を発散している。
すなわち、図5に示すように、ヒートパイプの発熱体との接触部分(加熱部(蒸発部12))においてパイプの内部に封入された作動液が加熱されて気化し、蒸気となることで発熱体の熱を吸収する。そして、気化した作動液はヒートパイプの他端の放熱する部分(放熱部(凝縮部11))で冷却されて凝縮し、再び作動液となる。凝縮部11で液体に戻った作動液は、ヒートパイプ内に形成された溝による毛細管力によって蒸発部12に還流する。このように、ヒートパイプは、密閉されたパイプ内で作動液の蒸発と凝縮を繰り返し、これが還流することで蒸発部12から凝縮部11への連続的な熱輸送を行うことができるものである。
今後、CPU等をさらに高性能とするためにも、より冷却性能の優れたヒートパイプの開発が切望されている。なお、冷却性能は、熱伝達率や最大熱輸送量を指標として表すことができる。熱伝達率とは、いかに早く熱を蒸発部12から凝縮部11に伝えられるかを表すものであり、最大熱輸送量とは、蒸発部12の温度が上昇したときに何ワット(W)までの熱量を伝えられるかを表す指標である。
かかる要望のもと、例えば、特許文献1には、高い熱輸送効率(本願でいうところの熱伝達率に相当)を実現するとともに、製造が容易であり、したがって、低コストで製造し得るヒートパイプが提案されており、作動液の濡れ性に着目し、そのヒートパイプの内周面に深さ10〜100μmの溝および突条を複数形成する旨や、複数の溝を平行に設けてさらに螺旋状に形成することが望ましい旨が記載されている。
また、例えば、特許文献2には、熱伝達率および限界熱輸送量(本願でいうところの最大熱輸送量に相当)の向上を図ることができるヒートパイプが提案されており、断面形状がほぼ円形で金属製のコンテナの内面に、当該コンテナの軸線に対して5〜50°のリード角θを有する多数の平行な溝を形成し、この溝の溝深さは0.2mm以上であって、当該溝深さと各溝の底部が形成する当該コンテナの内径との比が0.020〜0.080とする旨、および、各溝間に形成される各突条の根元方向部分の側面に、末広がり状の緩斜面を形成する旨が記載されている。
特開平8−14785号公報(段落0017、図1) 特開2003−222480号公報(段落0008〜0015、段落0021および段落0026、図1および図2)
しかし、特許文献1に記載されているヒートパイプでは、溝深さが浅いために毛細管力が小さくなり熱伝達率や最大熱輸送量が低いという問題があった。
また、特許文献2に記載されているヒートパイプでは、特許文献1に記載されるヒートパイプに比べて溝深さを深くして蒸発部および凝縮部の液膜厚さを厚くすることで最大熱輸送量の向上を図っているものの、当該特許文献2に記載の試験例−1や試験例−2に記載されているように山頂角βが40°と大きいために突状の壁部に働く毛細管力が弱くなる。したがって、毛細管力が弱くなると、凝縮部で凝集した作動液の蒸発部への戻りが遅くなり、結果的に熱伝達率が向上し難いという問題があった。
本発明は前記課題に鑑みてなされたものであり、ヒートパイプ用内面溝付管の溝形状の最適化を図ることで、冷却性能、すなわち、熱伝達率や最大熱輸送量を向上させたヒートパイプ用内面溝付管およびヒートパイプを提供することを目的とする。
本発明者は前記課題を解決するため鋭意研究した結果、溝の幅を狭くし、かつ、フィン壁部の角度を垂直に近付ける程、当該フィン壁部と作動液との間で形成される作動液のメニスカスが良好な形状を呈し、また、これらの間に働く毛細管力が強くなることに気が付いた。そして、内面溝付管内の溝の総断面積と内面溝付管の流路断面積との比率や溝の底幅を最適化することで前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
前記課題を解決した請求項1に記載の発明は、内周面に溝が多数形成されている金属管内に、作動液を封入してなるヒートパイプに使用されるヒートパイプ用内面溝付管であって、前記内面溝付管内の溝総断面積と前記内面溝付管の流路断面積の比が、0.13以上0.16以下であり、かつ、前記溝の底幅と前記内面溝付管の最大内径の比が、0.02以上0.05以下であるヒートパイプ用内面溝付管として構成した。
このように、内面溝付管内の溝総断面積と前記内面溝付管の流路断面積の比、および、溝の底幅と前記内面溝付管の最大内径の比を適切な範囲に規定することで、溝と溝の間に凝縮した作動液に対して高い毛細管力を作用させることができ、冷却性能を向上することができる。
また、請求項2に記載の発明は、前記溝の間に形成されるフィンの山頂角δが、10°以上30°以下であることを特徴とする請求項1に記載のヒートパイプ用内面溝付管である。
このように、フィンの山頂角δを適切な範囲に規定して溝の斜面を内面溝付管の内周面に対してできるだけ垂直に形成することで、溝と作動液に作用する毛細管力をより高いものとすることができ、冷却性能を向上することができる。
さらに、請求項3に記載の発明は、前記溝を形成するリード角θが、内面溝付管の軸線に対して0°以上30°以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のヒートパイプ用内面溝付管である。
このように、リード角θを適切な範囲に規定することでヒートパイプの凝縮部と蒸発部との間の距離を短くすることができる。したがって、凝縮部から蒸発部への作動液の戻りを早めることができ、冷却性能を向上することができる。なお、リード角θが0°とは、そのリード角が軸線方向に対して平行であることを示している。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のヒートパイプ用内面溝付管を用いて、当該内面溝付管内部に作動液を減圧封入したことを特徴とするヒートパイプである。
このように、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のヒートパイプ用内面溝付管を用いてヒートパイプを作製するので、冷却性能に優れたヒートパイプとすることができる。
請求項1から請求項3に記載の発明によれば、冷却性能、すなわち、熱伝達率や最大熱輸送量を向上させたヒートパイプ用内面溝付管を具現することができる。
請求項4に記載の発明によれば、冷却性能、すなわち、熱伝達率や最大熱輸送量に優れたヒートパイプを提供することができる。
以下、適宜図面を参照して本発明に係るヒートパイプ用内面溝付管およびヒートパイプを実施するための最良の形態について具体的に説明する。
参照する図面において図1は、ヒートパイプ用内面溝付管の管軸方向における断面説明図、図2(a)は、図1のA−A線における断面図、(b)は、(a)の要部拡大断面図である。なお、以下の説明において「縦」とは管の軸線方向をいい、「横」とは管の軸線方向に対する垂直方向をいう。図3は、ヒートパイプ用内面溝付管の流路断面積Srについて説明するための断面図である。
また、図4(a)は、溝に形成される作動液のメニスカスの形成状況を示す説明図であり、(b)は、(a)の要部拡大図である。
(ヒートパイプ用内面溝付管)
本発明に係るヒートパイプ用内面溝付管1は、図2(a)に示すように、その横断面が略円形となるよう構成されている。そして、ヒートパイプ用内面溝付管1の内周面には、縦方向に沿って伸びる複数の溝2と、当該溝2と溝2との間に形成される複数のフィン3が形成されている(図1参照)。ここで、各溝2は、図2(b)に示すように、フィン3の稜線やフィン3の根元はやや丸みを帯びるように形成するのが好ましい。溝2の成形性を良好にするためである。
また、フィン3は、フィン山頂曲線部3aと、これに滑らかにつながるフィン壁部3bと、各フィン壁部3b同士をつなぐ溝底部2aとから構成される。なお、溝底部2aは直線部と任意のフィン根元半径Rで滑らかに連続したものであって、直線部なしに任意のフィン根元半径R同士が滑らかに連続したものでもよい。
そして、溝底部2aの幅、すなわち、溝の底幅wは、内面溝付管の最大内径Dの0.02倍以上0.05倍以下となるように設定するのが好ましい。すなわち、0.02≦(溝の底幅w/最大内径D)≦0.05となるように設定するのが好ましい。溝の底幅wが最大内径Dの0.02倍未満であると、溝の底幅wが狭過ぎるために溝2を形成するための工具に欠損等が生じ、ヒートパイプ用内面溝付管1を量産することができない。一方、溝の底幅wが最大内径Dの0.05倍より大きいと、フィン3と作動液4(図4参照)の間に働く毛細管力ΔPが弱くなり、冷却性能が低下する。なお、毛細管力ΔPは、図4(a
)、(b)に示すように、ΔP=(2σ・cosα)/wで求めることができる。ΔPの
式において、σは表面張力、wは溝の底幅、αはメニスカスの角度を表す。
また、溝2の溝断面積Ssの総和(以下、「溝総断面積Sm」という。)は、溝深さh(=フィン高さ)、フィン先端半径r、フィン根元半径R、山頂角δ、溝数nから求めることができる。また、流路断面積Srは、最小内径D’と溝総断面積Smから求めることができる(図3参照)。すなわち、Sr=Sm+(2π(D’/2)2)で求めることができる。
そして、ヒートパイプ用内面溝付管1においては、溝総断面積Smと流路断面積Srの比を0.13以上0.16以下とするのが好ましい。溝総断面積Smと流路断面積Srの比を適切な範囲に制御することで、作動液4の毛細管力を向上させることができる。毛細管力が向上すると、熱伝達率および最大熱輸送量、すなわち、冷却性能の向上を図ることができる。当該比が0.13未満であると溝2の相対量が不足し、ヒートパイプ10(図7のノート型パソコンの模式図におけるヒートパイプ101に相当)とした際に冷却性能が低下する。一方、当該比が0.16より大きいと成形する溝2の数が多くなり過ぎて、溝2の成形性の悪化や工具の欠損等が生じ易いためにヒートパイプ用内面溝付管1の製造が困難となる。
そして、当該溝2は図1に示すように、縦方向(管軸方向)に対するリード角θを0°以上30°以下、好ましくは0°以上10°以下、より好ましくは0°以上5°以下となるように連続的に形成するのが好ましい。リード角θを低い角度で形成することで縦方向に平行に近くなるように溝2が形成されるため、ヒートパイプ10を作製したときの凝縮部11(図5参照)から蒸発部12への距離を短くすることができる結果、凝縮した作動液の戻りを早くすることが可能となり、冷却性能を向上することができる。
フィン3は、図2(b)に示すように、山頂角δが10°以上30°以下となるように形成するのが好ましい。山頂角δは、フィン壁部3bの角度を規定するものであり、当該フィン壁部3bが垂直に近い程フィン壁部3bと作動液4との間に作用する毛細管力が高くなる。これは、図4に示すように、フィン壁部3bと作動液4で形成されるメニスカスを観察することでも容易に確認することができる。したがって、山頂角δが30°より大きくなると作動液4に働く毛細管力が小さくなり(メニスカスを形成する角度αが小さくなる)、冷却性能が低下する。一方、山頂角δが10°未満であると溝2の成形性が悪化して量産が困難となる。
ヒートパイプ用内面溝付管1は、銅および銅合金、中でも無酸素銅、低リン脱酸銅、リン脱酸銅を好適に用いることができる。具体的には、無酸素銅JIS H3300 C1020を好適に用いることができる。また、これらの銅や銅合金を軟質材あるいは硬質材に調質して用いるのがさらに好ましい。さらに、伝熱性の良い金属として、銅の他にもアルミニウムなども好適に用いることができる。
そして、ヒートパイプ用内面溝付管1を作製するための、転造前の素材銅管の寸法としては、その外径がφ8mm〜φ13mmのものを用いると好適である。素材銅管の外径がφ8mm未満であると、ヒートパイプ用内面溝付管1を作製した場合に形成される溝2が小さくなるために、溝加工の際に工具が欠損するなどの理由で量産が困難となる。また、素材銅管の外径がφ13mmを超えると、ヒートパイプ用内面溝付管1を作製した場合において、省スペース化を目的としたヒートパイプ10とすることができない。
また、ヒートパイプ用内面溝付管1を作製するための、転造前の素材銅管の底肉厚は、0.25mm〜0.6mmとするのが好ましい。素材銅管の底肉厚が0.25mm以下であると、その肉厚が薄いために、ヒートパイプ用内面溝付管1を作製した場合に形成される溝2の加工が困難となり、素材銅管の底肉厚が0.6mmを超えると、ヒートパイプ用内面溝付管1を作製した場合における溝加工性の効率が悪くなるとともに、冷却性能が悪くなる。
(ヒートパイプ)
次に、ヒートパイプ用内面溝付管1の作製方法と、それを用いたヒートパイプ10の作製方法について説明する。
ヒートパイプ用内面溝付管1の内周面の溝2は、例えば、転造加工法により形成することができる。具体的には、溝2やフィン3に対応した微細溝加工が施された図示しない溝付プラグを、所定の径の金属管(銅管)の内側に挿入する。当該銅管の外側を遊星回転するスチールボールで圧下しながら抽伸加工することで銅管の内周面に連続的に溝加工を行う。ボール圧下により回転することにより、溝付プラグが回転し、所定のリード角θをもってヒートパイプ用内面溝付管1を作製することが可能である。
なお、ヒートパイプ用内面溝付管1の内周面の溝2は転造加工法に限定されず、例えば圧延加工法によっても行うことができる。
そして、このようにして作製されたヒートパイプ用内面溝付管1を所定の長さに切断後、その一端をTIG溶接により封止する。片側が封止されたヒートパイプ用内面溝付管1に所定量の作動液4(純水)を注入後、ヒートパイプ内を真空引きし、減圧状態に保持したままで、他端をTIG溶接によって封止する事で、当該ヒートパイプ用内面溝付管1の内部を真空に近い状態としたヒートパイプ10(コンテナとも称される)を作製することができる。なお、作動液4の注入量は、熱伝達率や最大熱輸送量を勘案すると、蒸発部12の内容積の20〜35%程度とするのが好ましいがこれに限定さるものではない。
このようにして作製されたヒートパイプ10は、図7に例示するように、ノート型パソコンの冷却装置100に好適に用いることができる。したがって、その一端はCPU104などの発熱体と当接してかかる部分の熱を吸熱し、他の他端は放熱部として小型の送風ファン102などによって冷却される。また、本発明の一実施形態として挙げたヒートパイプ10は、その他の電子機器、例えば、デスクトップ型パソコンや各種の家電製品等にも好適に用いることができる。
次に、本発明で規定する条件を全て満たす発明例について、本発明で規定する条件のうちのいずれかを満たさない比較例と対比して具体的に検討する。
発明例1から発明例3および比較例1のヒートパイプ用内面溝付管を長さ300mm強に切断し、その一端をTIG溶接によって封止した。そして、ヒートパイプの蒸発部となる部分の30%の容積分の純水を注入し、封止した一端側を加熱装置で急激に加熱して純水を突沸させた。突沸した瞬間に開口している他の他端をTIG溶接により封止してヒートパイプを作製した。
そして、作製した発明例1から発明例3および比較例1のヒートパイプを図6に示すヒートパイプ性能評価装置にセットして熱伝達率および最大熱輸送量を測定した。
ここで、ヒートパイプ性能評価装置には、加熱部と、放熱部と、断熱部とが備えられている。
加熱部は、ヒートパイプの蒸発部を加熱するためのものであり、電源と、変圧器と、電力計と、ヒートパイプの蒸発部を加熱するシースヒータが備えられている。この変圧器によりシースヒータへの電力の供給を段階的に増加させることができる。
放熱部は、循環する冷却水によってヒートパイプの凝縮部を冷却するためのものであり、当該放熱部と、冷凍機とポンプとを内蔵した水槽と、流量計とを経由して冷却水が循環している。なお、この冷却水は常時、ヒートパイプの評価装置の断熱部側から放熱部の端部側に向かって流れるように設定されている。
断熱部は、加熱部と放熱部との間に一定温度(50℃)を保つことで、加熱部と放熱部との間で直接的な熱交換が起こらないようにしている。
これらヒートパイプ性能評価装置の加熱部、断熱部および放熱部には、それぞれ複数の熱電対が接続されており、これら熱電対によって測定される各部の管壁温度平均値および伝熱面積を用いて熱伝達率を算出している。また、ヒートパイプがドライアウトする直前のヒーター入力値を最大熱輸送量としている。
ここで、熱伝達率は、熱輸送量Q(W)=伝熱面積A(m2)×熱伝達率h(W/m2K)×温度差ΔT(K)の式を適用して求めることができる。
熱抵抗値Rは、加熱部の温度TE[K]と放熱部の温度TC[K]との温度差を熱源の熱量Q[W]で除した値で求めることができる。すなわち、HR=(TE−TC)/Qで求めることができる。なお、熱抵抗Rの逆数が熱伝達率となる。また、最大熱輸送量Qmax[W]は、ヒートパイプの蒸発部がドライアウトする直前の熱量Q[W]を測定することで求めることができる。
<実施例1>
実施例1では、発明例1から発明例3と比較例1について、本発明で規定する条件のうち、溝総断面積Smと流路断面積Srの比(表1中では「Sm/Sr比」と表示)、溝の底幅と最大内径の比、および、山頂角δの条件を変更して検討している。
実施例1の検討条件としては発明例1から発明例3および比較例1ともに、使用するヒートパイプ用内面溝付管として、無酸素銅(JISH3300に規定される合金番号C1020)を使用した。また、ヒートパイプ用内面溝付管の外径はφ6mm、管の底肉厚は0.30mm、最大内径は5.4mm、リード角θは0°とした。なお、溝数は発明例1が50個、発明例2、発明例3および比較例1は45個とした。
かかる条件下で発明例1から発明例3および比較例1の熱伝達率および最大熱輸送量を検討した。結果を表2に示す。なお、表2に示す熱伝達率および最大熱輸送量は、比較例1を100とした場合の相対値で表している。
Figure 2005291599
Figure 2005291599
表1に示すように、発明例1から発明例3は、本発明で規定する条件を全て満たしているので、本発明で規定する条件を満たしていない比較例1と比較して熱伝達率および最大熱輸送量ともに優れた成績であった。例えば、表2に示す発明例1の熱伝達率は比較例1より25%も向上し、最大熱輸送量は比較例1より30%も向上していた。
なお、同じ発明例であっても発明例1と発明例3とでは、溝総断面積と流路断面積の比、および、溝の底幅と最大内径の比が異なっているために熱伝達率および最大熱輸送量について差が生じていた。
また、比較例1は、溝総断面積と流路断面積の比、および、溝の底幅と最大内径の比が本発明の条件を満たさない他、山頂角δが発明例1から発明例3よりも大きいために、発明例1から発明例3と比較して熱伝達率や最大熱輸送量が著しく低かった。
これら発明例1から発明例3のうち、最も冷却性能に優れていた発明例1を対象に、さらに以下の検討を行った。
<実施例2>
実施例2では、溝総断面積と流路断面積の比、溝の底幅と最大内径の比、溝数、溝深さ、および山頂角δの各条件を前記の発明例1と同一とし、リード角θを種々変更した発明例4〜発明例6、および、比較例2のヒートパイプを作製した。これら発明例4〜発明例6、および、比較例2を用いてリード角θによる熱伝達率および最大熱輸送量の検討を行った。リード角θの条件としては、表3に示すとおりである。すなわち、発明例1のリード角θは0°、発明例4のリード角θは10°、発明例5のリード角θは20°、発明例6のリード角θは30°であり、比較例2のリード角θは40°とした。結果を表4に示す。なお、表4に示す熱伝達率および最大熱輸送量は、比較例3を100とした場合の相対値で表している。
Figure 2005291599
Figure 2005291599
表4に示すように、発明例1、発明例4から発明例6は、本発明で規定するリード角θを満たしていたので、比較例2と比較して熱伝達率および最大熱輸送量ともに優れた成績であった。例えば、発明例1の熱伝達率は比較例3より20%も向上し、最大熱輸送量は比較例2より9%向上していた。
前記で説明した実施例1および実施例2の結果から、溝総断面積と流路断面積の比はなるべく大きい値とし、溝の底幅と最大内径の比はなるべく小さい値とし、リード角θおよび山頂角δはなるべく小さい値とした方が良いことが分かった。
以上、本発明のヒートパイプ用内面溝付管およびヒートパイプに係る実施の形態や実施例について詳細に説明したが、本発明はこれに限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
例えば、ヒートパイプ内面溝付管およびヒートパイプの横断面が楕円形や矩形を呈することとしてもよく、また、作動液をハイドロフルオロカーボンなどのフロン系冷媒を用いることとしてもよい。
本発明に係るヒートパイプ用内面溝付管の管軸方向における断面説明図である。 (a)は、図1のA−A線における断面図であり、(b)は、(a)の要部拡大断面図である。 本発明に係るヒートパイプ用内面溝付管の流路断面積を説明するための断面図である。 (a)は、本発明に係るヒートパイプ用内面溝付管の溝に形成される作動液のメニスカスの形成状況を示す説明図であり、(b)は、(a)の要部拡大図である。 本発明に係るヒートパイプ内部の作用を説明するための説明図である。 本発明に係るヒートパイプ性能評価装置を説明する説明図である。 ヒートパイプの使用形態の一例を示す模式図である。
符号の説明
1 ヒートパイプ用内面溝付管
2 溝
3 フィン
4 作動液
10 ヒートパイプ
11 凝縮部
12 蒸発部
Sm 溝総断面積
Sr 流路断面積
w 底幅

Claims (4)

  1. 内周面に溝が多数形成されている金属管内に、作動液を封入してなるヒートパイプに使用されるヒートパイプ用内面溝付管であって、
    前記内面溝付管内の溝総断面積と前記内面溝付管の流路断面積の比が、0.13以上0.16以下であり、かつ、
    前記溝の底幅と前記内面溝付管の最大内径の比が、0.02以上0.05以下であることを特徴とするヒートパイプ用内面溝付管。
  2. 前記溝の間に形成されるフィンの山頂角δが、10°以上30°以下であることを特徴とする請求項1に記載のヒートパイプ用内面溝付管。
  3. 前記溝のリード角θが、内面溝付管の軸線に対して0°以上30°以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のヒートパイプ用内面溝付管。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のヒートパイプ用内面溝付管を用いて、当該内面溝付管内部に作動液を減圧封入したことを特徴とするヒートパイプ。

JP2004105696A 2004-03-31 2004-03-31 ヒートパイプ用内面溝付管およびヒートパイプ Pending JP2005291599A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004105696A JP2005291599A (ja) 2004-03-31 2004-03-31 ヒートパイプ用内面溝付管およびヒートパイプ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004105696A JP2005291599A (ja) 2004-03-31 2004-03-31 ヒートパイプ用内面溝付管およびヒートパイプ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005291599A true JP2005291599A (ja) 2005-10-20

Family

ID=35324721

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004105696A Pending JP2005291599A (ja) 2004-03-31 2004-03-31 ヒートパイプ用内面溝付管およびヒートパイプ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005291599A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008185288A (ja) * 2007-01-31 2008-08-14 Sumitomo Light Metal Ind Ltd ヒートパイプ用内面溝付管
JP2008267788A (ja) * 2007-03-28 2008-11-06 Furukawa Electric Co Ltd:The 伝熱管
JP2009088127A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Panasonic Corp 冷却装置
CN100529642C (zh) * 2006-10-13 2009-08-19 富准精密工业(深圳)有限公司 热管及其制造方法
JP2009246290A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Kobelco & Materials Copper Tube Inc ヒートパイプ用内面溝付管及びヒートパイプ
JP2011033327A (ja) * 2009-07-31 2011-02-17 Yea-Chiang Technology Corp 焼結ヒートパイプ、およびその製造方法
JP2013007501A (ja) * 2011-06-22 2013-01-10 Nec Corp 冷却装置
US20160311020A1 (en) * 2015-04-21 2016-10-27 Varian Semiconductor Equipment Associates, Inc. Semiconductor manufacturing device with embedded fluid conduits
JP2017009239A (ja) * 2015-06-25 2017-01-12 国立大学法人九州工業大学 液体輸送装置及びそれを用いたヒートパイプ
JP7322632B2 (ja) 2019-09-25 2023-08-08 セイコーエプソン株式会社 記録装置

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100529642C (zh) * 2006-10-13 2009-08-19 富准精密工业(深圳)有限公司 热管及其制造方法
JP2008185288A (ja) * 2007-01-31 2008-08-14 Sumitomo Light Metal Ind Ltd ヒートパイプ用内面溝付管
JP2008267788A (ja) * 2007-03-28 2008-11-06 Furukawa Electric Co Ltd:The 伝熱管
JP2009088127A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Panasonic Corp 冷却装置
JP2009246290A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Kobelco & Materials Copper Tube Inc ヒートパイプ用内面溝付管及びヒートパイプ
JP2011033327A (ja) * 2009-07-31 2011-02-17 Yea-Chiang Technology Corp 焼結ヒートパイプ、およびその製造方法
JP2013007501A (ja) * 2011-06-22 2013-01-10 Nec Corp 冷却装置
WO2016172030A1 (en) * 2015-04-21 2016-10-27 Varian Semiconductor Equipment Associates, Inc. Semiconductor manufacturing device with embedded fluid conduits
US20160311020A1 (en) * 2015-04-21 2016-10-27 Varian Semiconductor Equipment Associates, Inc. Semiconductor manufacturing device with embedded fluid conduits
KR20170139080A (ko) * 2015-04-21 2017-12-18 베리안 세미콘덕터 이큅먼트 어소시에이츠, 인크. 내장된 유동체 도관들을 갖는 반도체 제조 디바이스
CN107530775A (zh) * 2015-04-21 2018-01-02 瓦里安半导体设备公司 具有内嵌流体导管的半导体制造装置
US10486232B2 (en) * 2015-04-21 2019-11-26 Varian Semiconductor Equipment Associates, Inc. Semiconductor manufacturing device with embedded fluid conduits
CN107530775B (zh) * 2015-04-21 2020-06-16 瓦里安半导体设备公司 具有内嵌流体导管的半导体制造装置及形成所述导管的方法
US11213891B2 (en) 2015-04-21 2022-01-04 Varian Semiconductor Equipment Associates, Inc. Semiconductor manufacturing device with embedded fluid conduits
KR102550449B1 (ko) * 2015-04-21 2023-07-03 베리안 세미콘덕터 이큅먼트 어소시에이츠, 인크. 내장된 유동체 도관들을 갖는 반도체 제조 디바이스 및 도관을 형성하는 방법
JP2017009239A (ja) * 2015-06-25 2017-01-12 国立大学法人九州工業大学 液体輸送装置及びそれを用いたヒートパイプ
JP7322632B2 (ja) 2019-09-25 2023-08-08 セイコーエプソン株式会社 記録装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2005291599A (ja) ヒートパイプ用内面溝付管およびヒートパイプ
He et al. Efficiency enhancement of a loop thermosyphon on a mixed-wettability evaporator surface
JP2008241180A (ja) ヒートパイプ用伝熱管およびヒートパイプ
JP4925597B2 (ja) ヒートパイプ用伝熱管及びヒートパイプ
Gao et al. An experimental investigation of subcooled pool boiling on downward-facing surfaces with microchannels
TW201842297A (zh) 熱管
Shi et al. Performance test of an ultra-thin flat heat pipe with a 0.2 mm thick vapor chamber
Chen et al. Immersion cooling effect of dielectric liquid and self-rewetting fluid on smooth and porous surface
JP4389565B2 (ja) 沸騰用伝熱管及びその製造方法
Yang et al. Effect of straight micro fins on heat transfer and pressure drop of R410A during evaporation in round tubes
JP2010256000A (ja) ヒートパイプ用内面溝付管及びヒートパイプ
JP2006189232A (ja) ヒートパイプ用伝熱管およびヒートパイプ
JP6738593B2 (ja) 沸騰型伝熱管
JP2009243864A (ja) ヒートパイプ用内面溝付管及びヒートパイプ
JP2003302180A (ja) 自励振動型ヒートパイプ
JP2009024996A (ja) ヒートパイプの製造方
JP5243831B2 (ja) ヒートパイプ用内面溝付管及びヒートパイプ
Sharma et al. Effect of jet inclination and coolant flow rate on thermal and rewetting behavior during bottom jet impingement on hot horizontal surfaces
JP2009243863A (ja) ヒートパイプ用内面溝付管及びヒートパイプ
Dong et al. Influence of liquid height on pool boiling heat transfer over open rectangular microchannels
JP2010133581A (ja) ヒートパイプ用内面溝付管及びヒートパイプ
Wang et al. Experimental study on the thermal performance of ultra-thin flat heat pipes with novel multiscale striped composite wick structures
Deisenroth et al. Two-phase flow regimes and heat transfer coefficients with R245fa in manifolded-microgap channels
Deisenroth et al. Heat transfer and two-phase flow regimes in manifolded microgaps: Performance comparison between R245fa and FC-72
JP2005337701A (ja) 冷却装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20051006

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070213

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090706

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090714

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090914

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20091110