JP2008286414A - マイクロ波加熱装置およびプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】複数同時に加熱できる食品の大きさの制約を少なくし、冷凍と常温の食品を同時に最適な状態に加熱することができるマイクロ波加熱装置を提供する。
【解決手段】マイクロ波で加熱する被加熱物を収納する加熱室と、加熱室内のマイクロ波の分布を変化させる分布可変手段38,39と、加熱室内の温度分布を検出する温度分布検出手段10と、温度分布検出手段の検出結果に基づき前記マイクロ波発生手段および前記分布可変手段を制御する制御手段100を有し、制御手段は被加熱物が冷凍と常温の複品であることを判別する冷凍常温複品判別手段107を備え、冷凍常温複品判別手段が前記被加熱物が冷凍と常温の複品であることを判別すると加熱制御を変更する構成としたもので、冷凍と常温の複品を加熱するのに適した加熱制御を行うことができる。
【選択図】図14

Description

本発明は、被加熱物を誘電加熱するマイクロ波加熱装置およびプログラムに関するものである。
従来のマイクロ波加熱装置である電子レンジは、非加熱物を均一に加熱することを主眼とした要素技術として、被加熱物を回転させるターンテーブル機構、加熱室内のマイクロ波を攪拌するスタラー機構、マイクロ波の放射方向を変化させる回転アンテナ機構などが採用されている。
一方、近年は生活スタイルの変化にともない、調理の合理化に対してできあいのお惣菜や、冷凍保存食を積極的に利用したり、家族がそれぞれ個別に食事をとる個食化の傾向が進んでいる。このような生活スタイルの変化に対して複数の食材を同時に加熱することが望まれていたが、従来の均一加熱を主眼とした加熱方法では、複数の食材にほぼ同じ割合の加熱エネルギーが供給されるために複数の食材の量や、初期の温度が異なると、量の多い食材や、初期温度の低い食材は加熱不足になり、複数の食材を同時に適温に仕上げることは困難であった。
この課題に対して、被加熱物を載置するターンテーブルと、被加熱物の温度分布を検出する赤外線センサを備え、異なる温度の複数の食材を同時に加熱する場合、まず、ターンテーブルを回転させて赤外線センサで温度分布を検出することにより、高温あるいは低温の被加熱物の載置位置を検出し低温側の被加熱物をマイクロ波分布の強い位置に回転移動しその位置でターンテーブルを停止して低温側の被加熱物を積極的に加熱し、被加熱物の最高温度が所定の温度に達すると加熱を終了させる方法が提案されている。
また、被加熱物の温度分布を検出する赤外線センサと、加熱室の壁面を流れる高周波電流の流れを分断するように配設した開口部のインピーダンス値を変化させるインピーダンス可変手段を備え、インピーダンス可変手段を制御することにより、赤外線センサで検出した温度の低い領域にマイクロ波を偏向させて加熱し、それぞれの被加熱物の最高温度が終了温度に到達すると加熱を終了させる方法が提案されている(特許文献1参照)。
特開2002−93569号公報
しかしながら、従来のターンテーブルを用いた構成では、ターンテーブルに載置できる食器の大きさが限定されるため、複数同時に加熱できる食品の大きさの制約が大きく、使い勝手の悪いものであった。また、低温側の被加熱物をマイクロ波分布の強い位置に回転移動しその位置でターンテーブルを停止して低温側の被加熱物を積極的に加熱する構成であっても、マイクロ波分布の弱い位置に停止した被加熱物の加熱は進行するので、特に、冷凍と常温の食品とを同時に加熱する場合は、冷凍の食品に比べて常温の食品の温度上昇が早く、食品の最高温度が終了温度に到達した時点で加熱を終了すると、冷凍側の食品の温度が低く、冷凍食品と常温食品とを同時に最適な状態に加熱することは難しかった。
また、温度の低い領域にマイクロ波を偏向させて加熱し、それぞれの被加熱物の最高温度が終了温度に到達すると加熱を終了させる構成では、マイクロ波を温度の低い領域にだけ偏向させることは困難で、被加熱物の温度の高い領域も同時に加熱されるため、特に、冷凍食品と常温の食品とを同時に加熱する場合、冷凍食品にマイクロ波を偏向させて加熱
しても、冷凍の食品に比べて常温の食品の温度上昇が早く、それぞれの食品の最高温度が終了温度に到達した時点で加熱を終了すると、常温の食品が脱水するなど過加熱となり、冷凍食品と常温食品とを同時に最適な状態に加熱することは難しかった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、複数同時に加熱できる食品の大きさの制約を少なくし、冷凍と常温の食品を同時に最適な状態に加熱することができるマイクロ波加熱装置を提供することを目的とする。
本発明のマイクロ波加熱装置は、マイクロ波発生手段と、前記マイクロ波発生手段からマイクロ波を伝送する導波管と、前記マイクロ波で加熱する被加熱物を収納する加熱室と、前記加熱室内のマイクロ波の分布を変化させる分布可変手段と、前記加熱室内の温度分布を検出する温度分布検出手段と、前記温度分布検出手段の検出結果に基づき前記マイクロ波発生手段および前記分布可変手段を制御する制御手段を有し、前記制御手段は前記被加熱物が冷凍と常温の複品であることを判別する冷凍常温複品判別手段を備え、前記冷凍常温複品判別手段が前記被加熱物が冷凍と常温の複品であることを判別すると加熱制御を変更する構成としたものである。
この構成により、温度分布検出手段は加熱室内の温度分布を検出し、制御手段は温度分布検出手段の検出結果に基づき、検出温度の低い領域にマイクロ波が集中するように分布可変手段を制御し、冷凍常温複品判別手段が被加熱物が冷凍と常温の複品であることを判別すると、その後の加熱制御を冷凍と常温の複品を加熱するのに適した制御に変えることができる。
本発明によれば、分布可変手段が加熱室内のマイクロ波の分布を変化させる構成としたので複数同時に加熱できる食品の大きさの制約は少なくなり、冷凍常温複品判別手段が被加熱物が冷凍と常温の複品であることを判別すると、その後の加熱制御を冷凍と常温の複品を加熱するのに適した制御に変えることができるので、冷凍と常温の食品を同時に最適な状態に加熱することができるマイクロ波加熱装置を提供することができる。
第1の発明は、マイクロ波発生手段と、前記マイクロ波発生手段からマイクロ波を伝送する導波管と、前記マイクロ波で加熱する被加熱物を収納する加熱室と、前記加熱室内のマイクロ波の分布を変化させる分布可変手段と、前記加熱室内の温度分布を検出する温度分布検出手段と、前記温度分布検出手段の検出結果に基づき前記マイクロ波発生手段および前記分布可変手段を制御する制御手段を有し、前記制御手段は前記被加熱物が冷凍と常温の複品であることを判別する冷凍常温複品判別手段を備え、前記冷凍常温複品判別手段が前記被加熱物が冷凍と常温の複品であることを判別すると加熱制御を変更する構成としたものである。
この構成により、温度分布検出手段は加熱室内の温度分布を検出し、制御手段は温度分布検出手段の検出結果に基づき、検出温度の低い領域にマイクロ波が集中するように分布可変手段を制御し、冷凍常温複品判別手段が被加熱物が冷凍と常温の複品であることを判別すると、その後の加熱制御を冷凍と常温の複品を加熱するのに適した制御に変えることができるので、複数同時に加熱できる食品の大きさの制約を少なくし、冷凍と常温の食品を同時に最適な状態に加熱することができるマイクロ波加熱装置を提供することができる。
第2の発明は、特に第1の発明の制御手段は、加熱開始時に温度分布検出手段が検出す
る初期温度が所定の冷凍判定温度以下のポイントを冷凍ポイントと決定する冷凍ポイント決定手段と、加熱中に温度分布検出手段が所定の第1の検知温度を検知した時点の検知ポイントが前記冷凍ポイントか前記冷凍ポイント以外のポイントかを判定する検知ポイント判定手段を備え、冷凍常温複品判別手段は、前記冷凍ポイント決定手段で決定される前記冷凍ポイントが存在し、かつ、検知ポイント判定手段が前記冷凍ポイント以外のポイントでの検知を判定すると、被加熱物が冷凍と常温の複品であることを判別し、検知後の加熱制御を変更する検知後加熱制御手段を備えた構成としたものである。
この構成により、冷凍ポイント決定手段は加熱開始時に温度分布検出手段が検出する初期温度から冷凍判定温度以下のポイントを冷凍ポイントと決定し、検知ポイント判定手段は加熱中に温度分布検出手段が所定の第1の検知温度を検知した時点の検知ポイントが冷凍ポイントか冷凍ポイント以外のポイントかを判定し、冷凍常温複品判別手段は、冷凍ポイント決定手段で決定される冷凍ポイントが存在し、かつ、検知ポイント判定手段が冷凍ポイント以外のポイントでの検知を判定すると被加熱物が冷凍と常温の複品であると判別することができるので、検知後加熱制御手段は検知後の加熱制御を冷凍と常温の食品の同時加熱に適した制御に変更することができる。
第3の発明は、特に第1または第2の発明の制御手段は、温度分布検出手段の検出温度より食品ポイントを確定する食品ポイント確定手段を備え、検知後加熱制御手段は、前記食品ポイントのうち第2の検知温度以上の食品ポイントの割合を算出し所定の割合以上かどうかを判定する食品割合判定手段を備え、冷凍常温複品判別手段が、被加熱物が冷凍と常温の複品であることを判別すると、前記第2の検知温度、または前記所定の割合を冷凍常温複品用の定数に切り替え、前記食品割合判定手段が所定の割合以上と判定するまで加熱する構成としたものである。
この構成により、食品ポイント確定手段は温度分布検出手段が検出する検出温度より食品ポイントを確定し、食品割合判定手段は食品ポイントのうち第2の検知温度以上の食品ポイントの割合が所定の割合以上かどうかを判定する。冷凍常温複品判別手段が被加熱物が冷凍と常温の複品であることを判別すると、第2の温度、または所定の割合を冷凍常温複品用の定数に切り替え、食品割合判定手段が第2の検知温度以上の食品ポイントの割合が所定の割合以上と判定するまで加熱するので、冷凍と常温の食品の同時加熱に適した加熱制御を行うことができる。
第4の発明は、特に第3の発明の検知後加熱制御手段は、第2の検知温度が第1の検知温度から所定の温度差を減算した値とし、冷凍常温複品判別手段が、被加熱物が冷凍と常温の複品であることを判別すると、前記所定の温度差を冷凍常温複品用の定数に変更する構成としたものである。
この構成により、第2の検知温度は第1の検知温度から所定の温度差を減算した値となり、第2の検知温度は第1の検知温度に対応して決まり、使用者が好みの設定温度(第1の検知温度に対応)を設定して加熱する様な構成においては、被加熱物が冷凍と常温の複品である場合とそうでない場合のそれぞれについて設定温度ごとに定数を設定する必要がなくなり、記憶容量を削減できる。そして、冷凍常温複品判別手段が、被加熱物が冷凍と常温の複品であることを判別すると、所定の温度差を冷凍常温複品用の定数に変更するので、冷凍と常温の食品の同時加熱に適した加熱制御を行うことができる。
第5の発明は、特に第3または第4の発明の検知後加熱制御手段は食品割合判定手段が所定の割合以上と判定するまでの時間を制限するための制限時間を計時する計時手段を備え、冷凍常温複品判別手段が、被加熱物が冷凍と常温の複品であることを判別すると、前記制限時間を冷凍常温複品用の定数に変更する構成としたものである。
この構成により、検知後加熱制御手段は食品割合判定手段が所定の割合以上と判定するまでの時間を制限するための制限時間を計時する計時手段を備えたので、食品割合判定手段が所定の割合以上と判定するのに時間がかかった場合でも、計時手段が制限時間を計時することで加熱を適切に終了することができ、冷凍常温複品判別手段が被加熱物が冷凍と常温の複品であることを判別すると、制限時間を冷凍常温複品用の定数に変更するので、冷凍と常温の食品の同時加熱に適した加熱制御を行うことができる。
第6の発明は、特に第2〜第5のいずれか1つの発明の検知後加熱制御手段は、マイクロ波の出力を制御する出力制御手段を備え、冷凍常温複品判別手段が、被加熱物が冷凍と常温の複品であることを判別すると、出力を冷凍常温複品用の定数に変更する構成としたものである。
この構成により、冷凍常温複品判別手段が、被加熱物が冷凍と常温の複品であることを判別すると、出力を冷凍常温複品用の定数に変更し、出力制御手段は冷凍と常温の食品の同時加熱に適した出力に制御して加熱することができる。
第7の発明は、特に第6の発明の出力制御手段はマイクロ波を断続して出力する構成とし、冷凍常温複品判別手段が、被加熱物が冷凍と常温の複品であることを判別すると、マイクロ波を断続して出力する断続時間を冷凍常温複品用の定数に変更する構成としたものである。
この構成により、冷凍常温複品判別手段が被加熱物が冷凍と常温の複品であることを判別すると、断続時間を冷凍常温複品用の定数に変更し、出力制御手段は冷凍と常温の食品の同時加熱に適した断続時間で出力を制御して加熱することが出来る。
第8の発明は、特に第1〜7の発明の分布可変手段は、導波管から加熱室にマイクロ波を放射するための複数の回転アンテナと、前記回転アンテナを回転駆動する駆動手段で構成するものである。
この構成により、回転アンテナを回転駆動する駆動手段を制御して、回転アンテナの放射性指向性の強い部位を加熱室内の加熱が必要な領域に向けることで局所加熱を実現し、加熱室内のマイクロ波の分布を変化させることができる。
第9の発明は、特に、第1〜8のいずれか1つの発明のマイクロ波加熱装置をコンピュータに実行させるためのプログラムである。プログラムであるので、電気・情報機器、コンピュータ、サーバー等のハードリソースを協働させて本発明のマイクロ波加熱装置の一部あるいは全てを容易に実現することができる。また記録媒体に記録したり通信回線を用いてプログラムを配信したりすることでプログラムの配布が簡単にできる。
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1から図3は本発明に係る代表的なマイクロ波加熱装置である電子レンジ31の構成図で、図1は正面から見た断面図、図2は図1のA−A’断面図、図3は図1のB−B’断面図である。
図1に示すように、電子レンジ31は、代表的なマイクロ波発生手段であるマグネトロン32から放射されたマイクロ波を伝送する導波管33と、導波管33の上部に接続され
幅方向寸法(約410mm)が奥行き方向寸法(約315mm)より大きい形状の加熱室34と、代表的な被加熱物である食品(図示せず)を載置するため加熱室34内に固定され、セラミックやガラスなどの低損失誘電材料からなるためにマイクロ波が容易に透過できる性質の載置台35と、加熱室34内の載置台35より下方に形成されるアンテナ空間37と、導波管33内のマイクロ波を加熱室34内に放射するため、導波管33からアンテナ空間37にわたり、加熱室34の幅方向に対して対称位置に取り付けられた二つの回転アンテナ38、39と、回転アンテナ38、39を回転駆動できる代表的な駆動手段としてのモータ40、41と、モータ40、41を制御して回転アンテナ38、39の向きを制御する制御手段100と、各回転アンテナ38、39の回転の原点を検出する原点検出機構を構成するフォトインタラプタ36と、加熱室34内の温度分布を検出する温度分布検出手段である赤外線センサ10とを有する。
また、電子レンジ31は、図2に示すようにドア64を備えている。そして、設定手段63がドア64の下部に配置されている。設定手段63は、使用者が、食品や調理内容に応じて様々な調理メニューを選択できるものである。この選択結果に基づき、制御手段100はマグネトロン32やモータ40、41を制御することができる。
回転アンテナ38、39は、放射指向性を有する構成である。本実施の形態1の電子レンジ31は、回転アンテナ38、39のうちの少なくとも一方の放射指向性の強い部位を所定の向きに制御して特定の食品を集中加熱する構成としている。具体的にどのように制御しているかについては後述する。
また、回転アンテナ38、39は、導波管33と加熱室底面42との境界面に設けられた直径約30mmで略円形の結合孔43、44を貫通する直径約18mmで略円筒状の導電性材料から成る結合部45、46と、結合部45、46の上端にかしめや溶接などで電気的に接続されて一体化され、概ね垂直方向よりも水平方向に広い面積を有する導電性材料から成る放射部47、48とを備える。
また、回転アンテナ38,39は、結合部43、44の中心が回転駆動の中心となるようにモータ40、41のシャフト49、50に嵌合された構成としている。放射部47、48は回転の方向に対して形状が一定ではないために放射指向性がある構成としている。
回転アンテナ38、39の回転の中心は加熱室34内の中心から略等距離に配置する。この構成により、アンテナが一つの構成では通常は加熱しにくい加熱室内の中央付近を、回転アンテナ38、39の放射指向性の強い部分を中央付近に向けることにより加熱可能とするものである。
導波管33は、図3のように上から見てT字型を成し、左右対称な形状であるため、マグネトロン32から結合部45、46までの距離が等しく、かつ結合部45、46は加熱室34の幅方向に対しても対称位置に取り付けられているので、マグネトロン32から放射されるマイクロ波は導波管33、回転アンテナ38、39を介して加熱室34内にほぼ均等に分配される。
放射部47、48は同一の形状で、放射部上面51、52が略四辺形にRを有する形状で、そのうち対向する2辺には加熱室底面42側に曲げられた放射部曲げ部53、54を有し、その2辺の外側へのマイクロ波の放射を制限する構成である。加熱室底面42と放射部上面51、52までの距離は約10mm程度とし、放射部曲げ部53、54は、それよりも約5mm程度低い位置に引き下げられている。
そして,残る2辺は結合部45、46から端部までの水平方向の長さが異なり、結合部
の中心からの長さが75mm程度の端部55、56、結合部の中心からの長さが55mm程度の端部57、58を構成している。また端部の幅方向の寸法はいずれも80mm以上としている。この構成において回転アンテナ38、39は、結合部45、46から端部57、58の方向への放射指向性を強くすることができる。
この構成において一般的な食品を均一に加熱する場合は、従来の電子レンジと同様、特に置き場所にこだわる必要はなく、回転アンテナ38、39も従来同様に一定回転させてよい。一方、集中加熱する場合は、加熱室34内の中央付近を加熱する場合、制御手段100は、図4に示すように、回転アンテナ38、39の端部57、58を、加熱室34の幅方向の略中央かつ奥行き方向の略中央という所定の向きに向けるように制御する。
回転アンテナ38、39の端部57、58が加熱室34の幅方向の略中央かつ奥行き方向の略中央を向くとき、端部57、58の方向への放射指向性が強いので、特に端部57、58の方向からマイクロ波が放射されその方向に位置する食品を集中的に加熱することができる。
また、加熱室34内の左側付近を加熱する場合、制御手段100は、図5に示すように、回転アンテナ38、39の端部57、58を、左向き(加熱室34をドア64側から見て左側)に向けるように制御する。
回転アンテナ38、39の端部57、58が、両方とも、加熱室34をドア64側から見て左側を向くとき、各アンテナは端部57、58の方向への放射指向性が強いので、特に端部57、58の方向からマイクロ波が放射されその方向に位置する食品を集中的に加熱することができる。
同様に、加熱室34内の右側付近を加熱する場合、制御手段100は、図6に示すように、回転アンテナ38、39の端部57、58を、右向き(加熱室34をドア64側から見て右側)に向けるように制御する。
回転アンテナ38、39の端部57、58が両方とも、加熱室34をドア64側から見て右側を向くとき、各アンテナは端部57、58の方向への放射指向性が強いので、特に端部57、58の方向からマイクロ波が放射されその方向に位置する食品を集中的に加熱することができる。
また、加熱室34内の前方中央付近を加熱する場合、制御手段100は、図7に示すように、回転アンテナ38、39の端部57、58を、加熱室34の幅方向の略中央かつ奥行き方向の前方(加熱室34内の中央前方付近)に向けるように制御する。
図7に示すように、回転アンテナ38、39の端部57、58が、加熱室34内の中央前方付近を向くとき、各アンテナは端部57、58の方向への放射指向性が強いので、特に端部57、58の方向からマイクロ波が放射されその方向に位置する食品を集中的に加熱することができる。
また、加熱室34内の後方中央付近を加熱する場合、制御手段100は、図8に示すように、回転アンテナ38、39の端部57、58を、加熱室34の幅方向の略中央かつ奥行き方向の後方(加熱室34内の中央後方付近)に向けるように制御する。
図8に示すように、回転アンテナ38、39の端部57、58が、加熱室34内の中央後方付近を向くとき、各アンテナは端部57、58の方向への放射指向性が強いので、特に端部57、58の方向からマイクロ波が放射されその方向に位置する食品を集中的に加
熱することができる。
以上のように、本実施の形態1の電子レンジ31は、局所的に加熱したい場所に応じて回転アンテナの向きを制御するものであり。回転アンテナ38、39を所定の向きに向けるためには、モータ40、41としてステッピングモータを用いるとか、あるいは一定回転のモータであっても基準位置を検出して通電時間を制御するなどの手段が考えられる。
本実施の形態1の電子レンジ31では、モータ40、41としてステッピングモータを用いており、各モータのシャフト40、41にそれぞれ原点検出機構を設けている。図9は図1のD−D’断面図であり、この原点検出機構は、図9に示すように、シャフトを中心軸とする円板36aと、フォトインタラプタ36とにより構成される。円板36aには、矩形状のスリット36bが設けられている。
円板36aは、回転アンテナ38、39を回転させるモータのシャフト49、50の軸にそれぞれ共通に取り付けられていて、発光素子と受光素子とを備えたフォトインタラプタ36の光路を遮るように回転するものである。
この構成により、スリット36bがフォトインタラプタ36の光路を通過するときは、前記光路を遮るものが無いので、スリットの通過時点を検出することができる。従って、スリット36bの位置を回転アンテナ38、39の原点と設定しておくことで、各モータに取り付けられたフォトインタラプタ36により回転アンテナの原点を検出することができるものである。
また、制御手段100は、原点検出機構で検出できる原点を基準として、回転アンテナ38、39の指向性の強い部分を局所加熱箇所に集中させるときの回転アンテナ38、39の角度(停止位置)を予め記憶しているアンテナ角度記憶部を有している。回転アンテナ38、39の動作を制御して局所加熱を実行する際には、アンテナ角度記憶部の情報が参照される。
なお、ここまで、回転アンテナが二つの場合について説明してきたが、回転アンテナの数はこれに限られず二個以上の複数個でも良く、例えば、図10に示すように、三つの回転アンテナを有する構成としても良い。図10に示す状態では、各回転アンテナの端部が、加熱室内の中央付近を向いており、その中央付近に位置する食品を集中的に加熱することができる。
次に、図11を参照して、本実施の形態1の電子レンジ31が備える温度検出手段について説明する。この温度検出手段は、基板19上に一列に並んで設けられた複数の赤外線検出素子13と、基板19全体を収納するケース18と、ケース18を赤外線検出素子13が並んでいる方向と垂直に交わる方向に移動させるステッピングモータ11と、を備えるものである。
基板19上には、赤外線検出素子13を封入する金属製のカン15と、赤外線検出素子の動作を処理する電子回路20とが設けられている。また、カン15には赤外線が通過するレンズ14が設けられている。また、ケース18には、赤外線を通過させる赤外線通過孔16と、電子回路20からのリード線を通過させる孔17とが設けられている。
この構成により、ステッピングモータ11が回転運動することで、ケース18を、赤外線検出素子13が一列に並んでいる方向とは垂直方向に移動させることができる。
図12は、図1中のC−C’断面における赤外線温度検出スポットを説明する図である
。図13に示すように、本実施の形態1の電子レンジ31は、温度検出手段のステッピングモータ11が往復回転動作することにより、加熱室34内のほぼ全ての領域の温度分布を検出することができるものである。
具体的には、例えば、まず図12中のA1〜A4の領域の温度分布を、温度検出手段が有する一列に並んだ温度検出素子13(例えば、赤外線センサ)が同時に検出する。次に、ステッピングモータ11が回転動作しケース18が移動するとき、温度検出素子13がB1〜B4の領域の温度分布を検出する。さらに、ステッピングモータ11が回転動作してケース18が移動するとき、温度検出素子13がC1〜C4の領域の温度分布を検出し、同様に、D1〜D4の領域の温度分布が検出される。
また、上述の動作に続けて、ステッピングモータ11が逆回転することで、D1〜D4の領域側から、C1〜C4、B1〜B4、A1〜A4の順に、温度分布を検出する。温度分布検出手段は、以上の動作を繰り返すことで、加熱室34内の全体の温度分布を検出することができる。
次に、図14を参照して、制御手段100の概略構成を説明する。
制御手段100は、赤外線センサ10が検出する各温度検出箇所のうち、加熱室34内に載置された被加熱物が食品であるか否かを判定し食品ポイントとして確定する食品ポイント確定手段101、食品と判定された食品ポイントの温度を基に回転アンテナ28、39の動作を制御するアンテナ制御部102、各食品ポイントの温度が第1の検知温度に達したかどうか判定する第1の検知温度判定手段103、第1の検知温度に到達する前にマグネトロン32を制御する検知前加熱制御手段104、第1の検知温度に到達後にマグネトロン32を制御する検知後加熱制御手段105、食品ポイント確定手段101及び第1の検知温度判定手段103の結果を基に検知したポイントの状態を判定する検知ポイント判定手段106、食品ポイント確定手段101及び検知ポイント判定手段106の結果を基に被加熱物が冷凍と常温の複品であることを判別する冷凍常温複品判定手段107とを有する構成である。
食品ポイント確定手段101は、被加熱物の初期温度分布を記憶する初期温度分布記憶部108と、初期温度分布記憶部108に記憶された初期温度が所定の冷凍判定温度(例えば0℃)以下のポイントを冷凍ポイントと決定する冷凍ポイント決定手段109と、被加熱物の単位時間あたりの温度上昇率を算出する温度上昇率算出部110とを有し、冷凍ポイント決定手段109で決定した冷凍ポイントと、温度上昇率算出部110で算出した温度上昇率が所定値以上となるポイントとを合わせて食品ポイントとして確定する。
これは、温度を検出した箇所が、被加熱物を載せる載置台であるのか又は加熱対象である食品であるのかを判定するものである。すなわち、冷凍の食品の初期温度が載置台に比べて明らかに低いという特性、及び、加熱中に載置台はマイクロ波を透過してほとんど温度上昇しないが、食品はマイクロ波を吸収して温度上昇しやすいという特性の違いにより判別するものである。
アンテナ制御部102は、加熱室内を均一加熱させるべく回転アンテナ38、39の動作を制御する分散加熱モード制御部111と、被加熱物の低温部分を加熱すべく回転アンテナ38、39の動作を制御する局所加熱(スポット加熱)モード制御部112と、食品ポイント確定手段101で確定された食品ポイントの中から最低温度のポイントを抽出する低温部抽出部113を有とを有する構成である。
分散加熱モード制御部111は、例えば、マイクロ波発振中に所定の位置で停止させる
ことで局所的な加熱のできる二つの回転アンテナ38、39を、その停止位置を刻々と変化させることで分散加熱を実現したり、回転アンテナ38、39を連続的に回転させることで分散加熱を実現したり、また、回転アンテナ38、39の停止位置をランダムに変えることで分散加熱を実現する構成である。
局所加熱モード制御部112は、低温部抽出部113より最低温度ポイントの情報を得て、局所加熱すべく回転アンテナ38、39の向きを制御する構成である。
例えば、最低温度ポイントが、図12中のB2、B3、C2、C3のいずれかであれば、回転アンテナ38、39が中央を加熱する向き、すなわち図4に示した停止位置に回転アンテナ38、39を停止させる。
また、最低温度ポイントが、図12中のB1、C1のいずれかであれば、回転アンテナ38,39が左方向を加熱する向き、すなわち図5に示した停止位置に回転アンテナ38、39を停止させる。
また、最低温度ポイントが、図12中のB4、C4のいずれかであれば、回転アンテナ38,39が右方向を加熱する向き、すなわち図6に示した停止位置に回転アンテナ38、39を停止させる。
また、最低温度ポイントが、図12中のA2、A3のいずれかであれば、回転アンテナ38,39が前方を加熱する向き、すなわち図7に示した停止位置に回転アンテナ38、39を停止させる。
また、最低温度ポイントが、図12中のD2、D3のいずれかであれば、回転アンテナ38,39が後方を加熱する向き、すなわち図8に示した向きに回転アンテナ38、39を停止させる。
第1の検知温度判定手段103は、加熱中、食品ポイント確定手段101が確定した食品ポイントのうち最高温度が所定の第1の検知温度に達したかどうか判定する。
制御手段100は第1の検知温度判定手段103が第1の検知温度を検知する前は検知前加熱制御手段104によりマグネトロン32の制御を行い、検知後は検知後加熱制御手段105に切り替え、マグネトロン32の制御を行うものである。
検知ポイント判定手段106は、第1の検知温度判定手段103が第1の検知温度(例えば60℃)を検知した時に検知したポイントが、冷凍ポイント決定手段109で決定した冷凍ポイントか、冷凍ポイント以外のポイントかを判定する。
冷凍常温複品判別手段107は、冷凍ポイント決定手段109及び検知ポイント判定手段106の結果を参照し、冷凍ポイントが存在し、かつ、第1の検知温度を検知した検知ポイントが冷凍ポイント以外のポイントであった場合に被加熱物が冷凍と常温の複品であると判別する。冷凍常温複品判別手段107が被加熱物が冷凍と常温の複品であると判別すると検知後加熱制御手段105はその後の加熱を冷凍と常温の複品用の制御に切替える。
検知後加熱制御手段105は、食品ポイント確定手段101で確定した食品ポイントのうち第2の検知温度以上の食品ポイントの割合を算出し、所定の割合以上かどうかを判定する食品割合判定手段114を備え、所定の割合以上になるとマグネトロン32を制御して加熱を終了させる。
食品割合判定手段114は第2の検知温度として、第2検知温度A115、第2検知温度B116の2つの定数を有しており、冷凍常温複品判別手段107が被加熱物が冷凍と常温の複品であることを判別すると第2検知温度A115を選択し、被加熱物が冷凍と常温の複品以外であると判別すると第2検知温度B116を選択する。
また、食品割合判定手段114は所定の割合として、割合A117、割合B118の2つの定数を有しており、冷凍常温複品判別手段107が被加熱物が冷凍と常温の複品であることを判別すると割合A117を選択し、被加熱物が冷凍と常温の複品以外であると判別すると割合B118を選択する。
ここで、第2検知温度A115(例えば50℃)は第2検知温度B116(例えば40℃)よりも大きい値とし、割合A117(例えば50%)は割合B118(例えば40%)より大きい値とする。これにより、被加熱物が冷凍と常温の複品であった場合には、より高い温度以上となる食品ポイントの割合が、より大きい割合になるまで加熱することになり、被加熱物が冷凍と常温の複品以外の場合と比べて加熱時間を長くすることができ、常温側の食品の質を損なわず、冷凍側の食品の温度を十分に上げることができる。
また、検知後加熱制御手段105は、食品割合判定手段115が所定の割合以上と判定するまでの時間を制限するための制限時間を計時する計時手段119を備え、計時手段119が制限時間を計時すると食品割合判定手段115が所定の割合以上と判定していなくても、マグネトロン32を制御して加熱を終了させるものである。
計時手段119は、制限時間として、制限時間A120、制限時間B121の2つの定数を有しており、冷凍常温複品判別手段107が被加熱物が冷凍と常温の複品であることを判別すると制限時間A120を選択し、被加熱物が冷凍と常温の複品以外であると判別すると制限時間B121を選択する。ここで、制限時間は被加熱物を加熱し続けた時に被加熱物の質を保持できる最長の時間に設定することが望ましく、制限時間A120は制限時間B121よりも大きい値とする。これにより、被加熱物が冷凍と常温の複品で、食品割合判定手段115が何らかの理由で機能せず、所定の割合以上と判定しない場合であっても、被加熱物が冷凍と常温の複品以外の場合と比べて加熱時間を長くすることができ、常温側の食品の質を損なわず、冷凍側の食品の温度を十分に上げることができる。
また、検知後加熱制御手段105は、マイクロ波の出力を制御する出力制御手段122を備え、マグネトロン32の出力を制御している。
出力制御手段122は、出力値として、出力A123、出力B124の2つの定数を有しており、冷凍常温複品判別手段107が被加熱物が冷凍と常温の複品であることを判別すると出力A123を選択し、被加熱物が冷凍と常温の複品以外であると判別すると出力B124を選択する。ここで、出力A123(例えば500W)は出力B124(例えば600W)より小さい値とする。これにより、被加熱物が冷凍と常温の複品の場合、出力を小さくすることで常温側の食品の温度上昇を抑え、冷凍側の食品の温度を上昇させることができる。
また、出力制御手段122は、マイクロ波を断続して出力する機能を備え、マイクロ波を断続して出力する断続時間として、断続時間A125、断続時間B126の2つの定数を有している。冷凍常温複品判別手段107が被加熱物が冷凍と常温の複品であることを判別すると断続時間A125を選択し、被加熱物が冷凍と常温の複品以外であると判別すると断続時間B126を選択する。ここで、断続時間A125(例えば10秒ON/10秒OFF)は断続時間B126(例えば10秒ON/1秒OFF)よりOFF時間を長く
する。これにより、被加熱物が冷凍と常温の複品の場合、OFF時間を長くすることでOFF時間の間に冷凍側の食品の温度が熱伝導で上昇するのを待つことができ、常温側の食品の温度上昇を抑え、冷凍側の食品の温度を全体に上昇させることができる。
なお、断続時間B126の定数として例えば10秒ON/0秒OFFと設定すればマイクロ波が連続して出力されるように構成し、被加熱物が冷凍と常温の複品であると判別すると断続加熱、被加熱物が冷凍と常温の複品以外であると判別すると連続加熱としても良い。
次に、本実施の形態1の電子レンジ31の動作について図15を参照して説明する。
まず、使用者がボタンを押すなど加熱開始の指示があれば、検知前加熱制御手段104がマグネトロン32を制御してマイクロ波を発生させ、そのマイクロ波が導波管33を介して加熱室34内に伝送するなど、加熱を開始する(S301)。このとき、温度分布検出手段10は、加熱初期時点での加熱室34内の温度分布を検出し、初期温度分布記憶部108は温度分布の検出結果を記憶する(S302)。
次に、アンテナ制御部102は分散加熱モード制御部111を制御して分散加熱を実現するために、例えば、回転アンテナ38、39を一定速度で回転させる(S303)。
次に冷凍ポイント決定手段は109は初期温度分布記憶部108に記憶された各ポイントの温度が冷凍判定温度以下かどうか判定し(S304)、冷凍判定温度以下のポイントがあればそのポイントを冷凍ポイントと決定する(S305)。
一定時間経過後、温度分布検出手段10は、再び加熱室34内の温度分布を検出する(S306)。そして、食品ポイント確定手段108は冷凍ポイント決定手段109で決定した冷凍ポイントと、温度上昇率算出部110で算出した温度上昇率が所定値以上となるポイントとを合わせて食品ポイントとして確定する(S307)。
次にアンテナ制御部は、確定した食品ポイントの中の温度差が所定値(例えば10℃)以上かどうか判断し(S308)、所定値以上であれば局所加熱モード制御部112が、低温部抽出部113が抽出した食品ポイント中の最低温度のポイントにマイクロ波が集中するように回転アンテナ38、39を制御する(S309)。一方、食品ポイントの中の温度差が所定値未満であれば、分散加熱モード制御部111が分散加熱を実現するよう回転アンテナ38、39を制御する(S310)。
次に、第1の検知温度判定手段103が食品ポイント中の最高温度が所定の第1の検知温度に達したかどうか判定し(S311)、第1の検知温度に達していない場合は再び温度分布を検出し(S306)、以下同じ動作を繰り返す。S311で食品ポイント中の最高温度が第1の検知温度に達していた場合は、検知ポイント判定手段106が最高温度のポイント、すなわち検知ポイントが冷凍ポイントか、冷凍ポイント以外のポイントかを判定する(S312)。
そして、検知ポイントが冷凍ポイント以外のポイントであった場合に冷凍常温複品判別手段107は被加熱物が冷凍と常温の複品であると判別し、検知後加熱制御手段105は、冷凍常温複品用の定数である、第2検知温度A、割合A、制限時間A、出力A、断続時間Aを設定する(S313)。
一方、検知ポイントが冷凍ポイントであった場合に冷凍常温複品判別手段107は被加熱物が冷凍と常温の複品以外であると判別し、検知後加熱制御手段105は、冷凍常温複
品以外の定数である、第2検知温度B、割合B、制限時間B、出力B、断続時間Bを設定する(S314)。
次に、検知後加熱制御手段105の出力制御手段は122は、S313、S314で設定した出力及び断続時間でマグネトロン32の出力を制御する(S315)。そして、計時手段119がS313、S314で設定した制限時間のカウントダウンを開始する(S316)。
次に、食品割合判定手段114が、食品ポイント中のS313、S314で設定した第2検知温度以上のポイントが、S313、S314で設定した所定の割合以上であるかどうか判定し(S317)、所定の割合未満であれば計時手段119がS313、S314で設定した制限時間を経過したかどうか判定し(S318)、計時手段119が制限時間を経過していない時は温度分布検出手段10が、再び温度分布を検出する(S319)。
そして、アンテナ制御部102は、食品ポイントの中の温度差が所定値以上かどうか判断し(S320)、所定値以上であれば局所加熱モード制御部112が、低温部抽出部113が抽出した食品ポイント中の最低温度のポイントにマイクロ波が集中するように回転アンテナ38、39を制御する(S321)。一方、食品ポイントの中の温度差が所定値未満であれば、分散加熱モード制御部111が分散加熱を実現するよう回転アンテナ38、39を制御する(S322)。そして、再びS317にもどり、以下繰返す。
一方、S317で食品ポイント中の第2検知温度以上のポイントが所定の割合以上であればマグネトロン32を制御して加熱を終了する(S323)。またS318で、計時手段119が制限時間を経過した場合はマグネトロン32を制御して加熱を終了する(S323)。
以上のように、本実施の形態の電子レンジ31の制御手段は温度分布検出手段の検出結果に基づき、検出温度の低い領域にマイクロ波が集中するように分布可変手段を制御し、冷凍常温複品判別手段が被加熱物が冷凍と常温の複品であることを判別すると、その後の加熱制御を冷凍と常温の複品を加熱するのに適した制御に変えることができるので、複数同時に加熱できる食品の大きさの制約を少なくし、冷凍と常温の食品を同時に最適な状態に加熱することができる。
そして、冷凍常温複品判別手段は、冷凍ポイント決定手段で決定される冷凍ポイントが存在し、かつ、検知ポイント判定手段が冷凍ポイント以外のポイントでの検知を判定すると被加熱物が冷凍と常温の複品であると判別することができる。
そして、冷凍常温複品判別手段が、被加熱物が冷凍と常温の複品であることを判別すると、第2の検知温度、または所定の割合を冷凍常温複品用の定数に切り替え、食品割合判定手段が第2の検知温度以上の食品ポイントの割合が所定の割合以上と判定するまで加熱するので、冷凍と常温の食品の同時加熱に適した加熱制御を行うことができる。
また、検知後加熱制御手段は食品割合判定手段が所定の割合以上と判定するまでの時間を制限するための制限時間を計時する計時手段を備えたので、食品割合判定手段が所定の割合以上と判定するのに時間がかかった場合でも、計時手段が制限時間を計時することで加熱を適切に終了することができ、冷凍常温複品判別手段が、被加熱物が冷凍と常温の複品であることを判別すると、制限時間を冷凍常温複品用の定数に変更するので、冷凍と常温の食品の同時加熱に適した加熱制御を行うことができる。
また、冷凍常温複品判別手段が、被加熱物が冷凍と常温の複品であることを判別すると
、出力を冷凍常温複品用の定数に変更し、出力制御手段は冷凍と常温の食品の同時加熱に適した出力に制御して加熱することができる。
また、冷凍常温複品判別手段が、被加熱物が冷凍と常温の複品であることを判別すると、マイクロ波出力の断続時間を冷凍常温複品用の定数に変更し、出力制御手段は冷凍と常温の食品の同時加熱に適した断続時間で出力を制御して加熱することが出来る。
また、分布可変手段は、回転アンテナを回転駆動する駆動手段を制御して、回転アンテナの放射性指向性の強い部位を加熱室内の加熱が必要な領域に向けることで局所加熱を実現し、加熱室内のマイクロ波の分布を変化させることができる。
また、本実施の形態の電子レンジをコンピュータに実行させるためのプログラムであるので、電気・情報機器、コンピュータ、サーバー等のハードリソースを協働させて本発明のマイクロ波加熱装置の一部あるいは全てを容易に実現することができる。また記録媒体に記録したり通信回線を用いてプログラムを配信したりすることでプログラムの配布が簡単にできる。
なお、本発明は前記実施形態において示された事項に限定されず、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者がその変更・応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。例えば本実施の形態において、第2の検知温度は、被加熱物が冷凍と常温の複品である場合とそうでない場合のそれぞれについて、予め定められた値であったが、第2の検知温度が第1の検知温度から所定の温度差を減算した値とし、被加熱物が冷凍と常温の複品である場合とそうでない場合のそれぞれについて、温度差を定数として設定し、冷凍常温複品判別手段が被加熱物が冷凍と常温の複品であることを判別すると、温度差を冷凍常温複品用の定数に変更する構成としてもよい。この場合、第2の検知温度は第1の検知温度に対応して決まり、使用者が好みの設定温度(第1の検知温度に対応)を設定して加熱する様な構成においては、被加熱物が冷凍と常温の複品である場合とそうでない場合のそれぞれについて設定温度ごとに定数を設定する必要がなくなり、記憶容量を削減できる。
以上のように、本発明は、加熱室に配置された回転アンテナの放射指向性の強い部位を所定の向きに制御して特定の被加熱物を集中加熱することができるので、食品などの各種誘電体の加熱、解凍、陶芸加熱、乾燥、焼結、或いは生体化学反応等の用途にも適用することができるものである。
本発明の実施の形態1のマイクロ波加熱装置を正面から見た断面構成図 同マイクロ波加熱装置を側面から見た断面構成図(図1中のA−A’断面図) 同マイクロ波加熱装置を上から見た断面構成図(図1中のB−B’断面図) 加熱室内の中央付近を局所加熱するときの回転アンテナの向きを説明する図 加熱室内の左側を局所加熱するときの回転アンテナの向きを説明する図 加熱室内の右側を局所加熱するときの回転アンテナの向きを説明する図 加熱室内の前方を局所加熱するときの回転アンテナの向きを説明する図 加熱室内の後方を局所加熱するときの回転アンテナの向きを説明する図 回転アンテナの原点検出機構を説明する図(図1中のD−D’断面図) 三つの回転アンテナを有する構成のマイクロ波加熱装置の平面断面図 温度分布検出手段の概略断面構成図 図1中のC−C’断面における赤外線温度検出スポットを説明する図 赤外線温度検出スポットを説明するマイクロ波加熱装置の正面断面構成図 制御手段の概略構成図 制御手段の動作を説明するフローチャート
符号の説明
10 赤外線センサ(温度分布検出手段)
31 電子レンジ(マイクロ波加熱装置)
32 マグネトロン(マイクロ波発生手段)
33 導波管
34 加熱室
38、39、 回転アンテナ(分布可変手段)
40、41 モータ(駆動手段)
100 制御手段
101 食品ポイント確定手段
103 第1の検知温度判定手段
105 検知後加熱制御手段
106 検知ポイント判定手段
107 冷凍常温複品判別手段
109 冷凍ポイント決定手段
114 食品割合判定手段
119 計時手段
122 出力制御手段

Claims (9)

  1. マイクロ波発生手段と、前記マイクロ波発生手段からマイクロ波を伝送する導波管と、前記マイクロ波で加熱する被加熱物を収納する加熱室と、前記加熱室内のマイクロ波の分布を変化させる分布可変手段と、前記加熱室内の温度分布を検出する温度分布検出手段と、前記温度分布検出手段の検出結果に基づき前記マイクロ波発生手段および前記分布可変手段を制御する制御手段を有し、前記制御手段は前記被加熱物が冷凍と常温の複品であることを判別する冷凍常温複品判別手段を備え、前記冷凍常温複品判別手段が前記被加熱物が冷凍と常温の複品であることを判別すると加熱制御を変更するマイクロ波加熱装置。
  2. 制御手段は、加熱開始時に温度分布検出手段が検出する初期温度が所定の冷凍判定温度以下のポイントを冷凍ポイントと決定する冷凍ポイント決定手段と、加熱中に温度分布検出手段が所定の第1の検知温度を検知した時点の検知ポイントが前記冷凍ポイントか前記冷凍ポイント以外のポイントかを判定する検知ポイント判定手段を備え、冷凍常温複品判別手段は、前記冷凍ポイント決定手段で決定される前記冷凍ポイントが存在し、かつ、検知ポイント判定手段が前記冷凍ポイント以外のポイントでの検知を判定すると、被加熱物が冷凍と常温の複品であることを判別し、検知後の加熱制御を変更する検知後加熱制御手段を備えた請求項1に記載のマイクロ波加熱装置。
  3. 制御手段は温度分布検出手段の検出温度より食品ポイントを確定する食品ポイント確定手段を備え、検知後加熱制御手段は、前記食品ポイントのうち第2の検知温度以上の食品ポイントの割合を算出し所定の割合以上かどうかを判定する食品割合判定手段を備え、冷凍常温複品判別手段が、被加熱物が冷凍と常温の複品であることを判別すると、前記第2の温度、または前記所定の割合を冷凍常温複品用の定数に切り替え、前記食品割合判定手段が所定の割合以上と判定するまで加熱する請求項1または2に記載のマイクロ波加熱装置。
  4. 検知後加熱制御手段は、第2の検知温度が第1の検知温度から所定の温度差を減算した値とし、冷凍常温複品判別手段が、被加熱物が冷凍と常温の複品であることを判別すると、前記所定の温度差を冷凍常温複品用の定数に変更する請求項3に記載のマイクロ波加熱装置。
  5. 検知後加熱制御手段は、食品割合判定手段が所定の割合以上と判定するまでの時間を制限するための制限時間を計時する計時手段を備え、冷凍常温複品判別手段が、被加熱物が冷凍と常温の複品であることを判別すると、前記制限時間を冷凍常温複品用の定数に変更する請求項3または4に記載のマイクロ波加熱装置。
  6. 検知後加熱制御手段は、マイクロ波の出力を制御する出力制御手段を備え、冷凍常温複品判別手段が、被加熱物が冷凍と常温の複品であることを判別すると、前記出力を冷凍常温複品用の定数に変更する請求項2〜5のいずれか1項に記載のマイクロ波加熱装置。
  7. 出力制御手段はマイクロ波を断続して出力する構成とし、冷凍常温複品判別手段が、被加熱物が冷凍と常温の複品であることを判別すると、マイクロ波を断続して出力する断続時間を冷凍常温複品用の定数に変更する請求項6に記載のマイクロ波加熱装置。
  8. 分布可変手段は、導波管から加熱室にマイクロ波を放射するための複数の回転アンテナと、前記回転アンテナを回転駆動する駆動手段で構成する請求項1〜7のいずれか1項に記載のマイクロ波加熱装置。
  9. 請求項1〜8項のいずれか記載のマイクロ波加熱装置において少なくとも一つの手段をコ
    ンピュータに実行させるためのプログラム。
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