JP2008286117A - エンジン始動制御装置 - Google Patents

エンジン始動制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008286117A
JP2008286117A JP2007132483A JP2007132483A JP2008286117A JP 2008286117 A JP2008286117 A JP 2008286117A JP 2007132483 A JP2007132483 A JP 2007132483A JP 2007132483 A JP2007132483 A JP 2007132483A JP 2008286117 A JP2008286117 A JP 2008286117A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
engine
start control
cranking
storage amount
starter motor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007132483A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4720784B2 (ja
Inventor
Takeshi Yasuda
武司 安田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2007132483A priority Critical patent/JP4720784B2/ja
Publication of JP2008286117A publication Critical patent/JP2008286117A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4720784B2 publication Critical patent/JP4720784B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

【課題】バッテリの蓄電量が十分に確保されていない状況であってもエンジンの始動を良好に行うことができるエンジン始動制御装置を提供する。
【解決手段】バッテリ10の電圧が所定電圧値以下である場合にのみ、「少蓄電量始動モード」でのエンジン始動動作を実行する。この「少蓄電量始動モード」では、クランキング中のエンジン回転数が下降から上昇に転じるタイミング付近でスタータリレー6をONさせ、エンジン回転数が上昇から下降に転じるタイミング付近でスタータリレー6をOFFさせる。これにより、バッテリ10の蓄電量が比較的少ない状況であってもエンジンの始動が良好に行える。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車等に搭載されるエンジン(内燃機関)を始動させるための始動制御装置に係る。特に、本発明は、蓄電池(以下、バッテリと呼ぶ)の蓄電量が十分に得られていない状況での始動性の改善に関する。
従来より、自動車等に搭載されるエンジンの始動動作としては、例えば下記の特許文献1及び特許文献2に開示されているように、ドライバがイグニッションキーを回動操作したりスタートスイッチを押し込み操作(プッシュ式スタートシステムにおける操作)することに伴い、スタータリレーがON作動する。これに伴い、バッテリからスタータモータへの通電が開始され、このスタータモータの駆動によりエンジンのクランキングが行われる。そして、エンジンが燃焼運転を開始した(何れかの気筒が完爆状態に至った)ことを、エンジン回転数などから認識し、エンジンの燃焼運転が開始された後にスタータモータへの通電を解除するようにしている。
また、一般的に、上記クランキングを行ってもエンジンの燃焼運転が迅速に開始されない状況では、上記スタータモータへの通電は所定時間(例えば30sec)は継続して行われるようになっている。
また、この種の始動制御装置において、始動性を良好に確保することに鑑みられたものとして下記の特許文献3が提案されている。
この特許文献3に開示されている始動制御装置は、上記クランキング時のエンジン回転数が所定回転数よりも高い状態が所定時間継続しない限りスタータモータの出力部をクランク軸から離脱させないようにしている。これにより、エンジン回転数の脈動の影響によって一時的にエンジン回転数が所定回転数よりも高くなっただけであって未だエンジンが燃焼運転を開始していないにも拘わらずスタータモータがクランク軸から離脱してしまうといった状況を回避している。
特開2005−207263号公報 特開2003−139029号公報 特許3044334号公報
しかしながら、上記特許文献3に開示されている始動制御装置は、バッテリの蓄電量が十分に確保されていることを前提とした上で、始動性を良好にするためのものであった。つまり、バッテリの蓄電量が十分に確保されていない状況では、クランキング時のエンジン回転数が上記所定回転数を超えない可能性があり、このような状況における始動性については何ら考慮されていなかった。
図8は、バッテリの蓄電量が十分に確保されていない状況でエンジン始動動作(クランキング)が行われた場合における、スタータリレーのON/OFF作動状態、エンジン回転数の変化状態、バッテリ電圧の変化状態をそれぞれ示している。
この図8からも明らかなように、バッテリの蓄電量が十分に確保されていない状況でエンジン始動が行われると、そのクランキングが継続されるのに従ってバッテリ電圧が低下(バッテリの蓄電量が急激に減少)していき、スタータモータの回転速度も十分に得られなくなってエンジンが燃焼運転に達することなく停止してしまうといった状況を招く可能性が高かった。
そして、このようにしてエンジン始動に失敗すると、既にバッテリの蓄電量は殆ど無くなっているため、エンジン始動を再度行おうとしてもスタータモータの起動すらできないといった状況を招く可能性が高かった。
尚、本明細書において「バッテリの蓄電量が十分に確保されていない状況」とは、このように、従来のクランキング動作によってはエンジンの始動が良好に行えない状況にあることを意味する。
本発明の発明者は、このようにバッテリの蓄電量が十分に確保されていない状況での始動性を良好にすることについて考察を行った。そして、バッテリに残存している蓄電量を、クランキング状態にあるエンジンの状況に応じて効果的に配分することで始動性を良好に確保することについて検討し本発明に至った。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、バッテリの蓄電量が十分に確保されていない状況であってもエンジンの始動を良好に行うことができるエンジン始動制御装置を提供することにある。
−課題の解決原理−
上記の目的を達成するために講じられた本発明の解決原理は、エンジンのクランキング中の全期間に亘ってスタータリレーをON作動させるものではなく、そのクランキング状態(エンジン回転数の変動状態)に応じてスタータモータへ供給する電力を変化させるようにし、これにより、蓄電池の蓄電量が比較的少ない状況であってもエンジンの始動が良好に行われるようにしている。
−解決手段−
具体的に、本発明は、スタータリレーのON作動に伴って蓄電池からスタータモータに電力を供給し、このスタータモータの駆動によりエンジンをクランキングさせるエンジン始動制御装置を前提とする。このエンジン始動制御装置に対し、蓄電量認識手段と少蓄電量始動制御手段とを備えさせている。蓄電量認識手段は、上記蓄電池の蓄電量を認識するものである。そして、少蓄電量始動制御手段は、上記蓄電量認識手段の出力を受け、エンジンをクランキングさせる前段階における上記蓄電池の蓄電量が所定量以下であるときにのみ、エンジンのクランキング中にスタータモータへ供給する電力をエンジン回転数の変動に応じて変化させる「少蓄電量始動モード」での始動動作を実行する。
この特定事項により、エンジンを始動させる際における蓄電池の蓄電量が所定量以下であった場合、そのことが蓄電量認識手段によって認識される。そして、エンジンのクランキングが開始されると、少蓄電量始動制御手段は、スタータモータへ供給する電力をエンジン回転数の変動に応じて変化させる「少蓄電量始動モード」での始動動作を実行することになる。つまり、クランキング中の全期間に亘ってスタータリレーを連続してON作動させるのではなく、エンジン回転数の変動状態に応じてスタータリレーをON/OFF作動させ、残存している蓄電量を有効に利用し且つ蓄電池の蓄電量が急激に低下してしまうことを阻止しながらクランキング動作を行う。具体的には、脈動しているエンジン回転数が上昇するタイミングで(例えば何れかの気筒が燃焼行程を開始する際に)スタータリレーをONさせて、このエンジン回転数を燃焼運転の回転数(完爆状態の回転数)まで引き上げることが有効である。これにより、エンジンは迅速に完爆状態に至ることが可能になり、蓄電池の蓄電量が比較的低い状況であってもエンジンの始動を良好に行うことが可能になる。
尚、上記「少蓄電量始動モード」での始動動作は蓄電池の蓄電量が所定量以下であるときにのみに実行される(上記特許文献2では、この蓄電量が所定量以下であるときに限らず、エンジン回転数の変動に応じてスタータモータへの印加電圧を変化させている)。つまり、本発明では、蓄電池の蓄電量が十分である場合には通常の始動動作(クランキング中の全期間に亘ってスタータリレーを連続してON作動させる始動動作)を行うため、この場合の始動性は良好に確保されている。
また、上記目的を達成するための他の解決手段としては以下のものが挙げられる。つまり、スタータリレーのON作動に伴って蓄電池からスタータモータに電力を供給し、このスタータモータの駆動によりエンジンをクランキングさせるエンジン始動制御装置を前提とする。このエンジン始動制御装置に対し、蓄電量認識手段と少蓄電量始動制御手段とを備えさせている。蓄電量認識手段は、上記蓄電池の蓄電量を認識するものである。そして、少蓄電量始動制御手段は、上記蓄電量認識手段の出力を受け、スタータリレーを継続してONさせてエンジンをクランキングさせている途中における上記蓄電池の蓄電量が所定量以下になったときにのみ、スタータモータへ供給する電力をエンジン回転数の変動に応じて変化させる「少蓄電量始動モード」での始動動作に切り換える。
この特定事項によれば、エンジンの始動前(クランキング開始前)においては蓄電池の蓄電量が十分に確保されており、クランキング動作が継続されることで蓄電池の蓄電量が所定量以下になるといった状況に対応することができる。つまり、クランキング動作の途中で、スタータモータへ供給する電力を通常の状態(スタータリレーを連続してON作動させる状態)からエンジン回転数の変動に応じて変化させる状態(少蓄電量始動モード)に切り換える。これにより、蓄電池の蓄電量に応じたクランキング動作を行い、蓄電池の蓄電量が無くなってしまうことを防止しながらも可能な限り短時間でエンジンを始動させることができる。
また、上記目的を達成するための更なる他の解決手段としては以下のものが挙げられる。つまり、スタータリレーのON作動に伴って蓄電池からスタータモータに電力を供給し、このスタータモータの駆動によりエンジンをクランキングさせるエンジン始動制御装置を前提とする。このエンジン始動制御装置に対し、上記スタータリレーを継続してONさせるエンジンのクランキングを開始した後、所定時間を経過してもエンジンが燃焼運転を開始しない場合にのみ、スタータモータへ供給する電力をエンジン回転数の変動に応じて変化させる「少蓄電量始動モード」での始動動作に切り換える少蓄電量始動制御手段を備えさせている。
この特定事項によっても、エンジンの始動前(クランキング開始前)においては蓄電池の蓄電量が十分に確保されており、クランキング動作が継続されることで、蓄電池の蓄電量が少なくなってくる状況に対応することができる。そして、上記解決手段の場合と同様に、蓄電池の蓄電量に応じたクランキング動作を行い、蓄電池の蓄電量が無くなってしまうことを防止しながらも可能な限り短時間でエンジンを始動させることが可能になる。
上記各解決手段における少蓄電量始動制御手段の具体的な構成としては以下のものが挙げられる。つまり、少蓄電量始動制御手段を、スタータリレーのON/OFFをエンジン回転数の変動に応じて切り換えることによりスタータモータへ供給する電力を変化させる構成としている。そして、その電力供給の変化タイミングとしては、クランキング時においてエンジン回転数が下降から上昇に転じるタイミング付近でスタータリレーをONしてスタータモータへの電力供給を開始する一方、エンジン回転数が上昇から下降に転じるタイミング付近でスタータリレーをOFFしてスタータモータへの電力供給を停止するようにしている。
この構成によれば、例えば何れかの気筒が燃焼行程を開始してエンジン回転数が下降から上昇に転じるタイミング付近でスタータモータへの電力供給を開始することになる。つまり、この燃焼行程によってエンジン回転数が上昇するタイミングで、スタータモータへの電力供給により、エンジン回転数上昇をアシストすることになる。これにより、エンジン回転数が燃焼運転の回転数(完爆状態の回転数)まで引き上げられることになり、エンジンの始動が短時間で容易に行われる。このようなスタータモータへの電力供給動作は、エンジンが完爆状態に至るまでの各気筒の燃焼行程に対応して実行することが好ましい。
また、エンジン回転数が上昇から下降に転じるタイミング付近、例えば上記燃焼行程を行っていた気筒の燃焼行程終了タイミング付近でスタータモータへの電力供給を停止する。これは、このタイミングでスタータモータへの電力供給によってエンジン回転数を引き上げようとしても、エンジン回転数を燃焼運転の回転数(完爆状態の回転数)まで引き上げることは困難である可能性が高いため、このタイミングでは、蓄電量の浪費を解消するべく電力供給を停止している。これにより、蓄電池の蓄電量が早期のうちに無くなってしまうといったことを防止でき、上記スタータモータへの電力供給タイミングにおけるエンジン回転数上昇のためのアシスト力を高く維持することが可能になり、エンジンの始動性が良好に得られることになる。
上記各解決手段における少蓄電量始動制御手段の他の具体的な構成としては以下のものが挙げられる。つまり、スタータリレーのON/OFF切り換えをPWM(Pulse Width Modulation)化により実行するよう構成している。そして、そのPWMのデューティ比としては、クランキング時においてエンジン回転数が下降から上昇に転じるタイミング付近で上記PWMのデューティ比を比較的大きく設定する一方、エンジン回転数が上昇から下降に転じるタイミング付近では、上記エンジン回転数が下降から上昇に転じるタイミング付近よりも上記PWMのデューティ比を小さく設定している。
この構成によれば、例えば何れかの気筒が燃焼行程を開始し、エンジン回転数が下降から上昇に転じるタイミング付近においてスタータモータへの電力供給のためのデューティ比を大きく設定することになる。つまり、この燃焼行程によってエンジン回転数が上昇するタイミングで、スタータモータへの供給電力の増大により、エンジン回転数上昇をアシストすることになる。これにより、エンジン回転数が燃焼運転の回転数(完爆状態の回転数)まで引き上げられることになり、エンジンの始動が短時間で容易に行われる。
また、エンジン回転数が上昇から下降に転じるタイミング付近では上記デューティ比を小さく設定しているため、蓄電池の蓄電量が早期のうちに無くなってしまうといったことを防止でき、上記スタータモータへの供給電力増大タイミングにおけるエンジン回転数上昇のアシスト力を高く維持することが可能になり、エンジンの始動性が良好に得られることになる。
本発明では、エンジンのクランキング中の全期間に亘ってスタータリレーをON作動させるものではなく、そのクランキング時のエンジン回転数の変動状態に応じてスタータモータへ供給する電力を変化させるようにしている。これにより、蓄電池の蓄電量が比較的少ない状況であっても、この蓄電池に残存している蓄電量を効果的に配分することで始動性を良好に確保することが可能になる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、自動車用多気筒エンジンを始動させるための始動制御装置であって、プッシュ式スタートシステムとして構成されたものに本発明を適用した場合について説明する。
また、本発明に係る複数の実施形態について説明する前に、エンジン始動制御装置のシステム構成について説明する。
−エンジン始動制御装置のシステム構成−
図1は、本実施形態におけるエンジン始動制御装置のシステム構成図である。このプッシュ式スタートシステムとして構成されたエンジン始動制御装置は、一般的に、シフトレバーがPレンジまたはNレンジに位置しており、且つドライバがブレーキペダルを踏み込んだ状態でスタートスイッチを押した場合に、エンジンを始動させるものである。
図1に示すように、本実施形態のエンジン始動制御装置は、自動車の電気系統のシステム全体の電源状態を制御する電源制御ECU(パワーマネージメントECUとも呼ばれる)1、上記スタートスイッチ2、図示しないエンジンの駆動を制御するエンジンECU3、電源リレー4、スタータモータ5、スタータリレー6、エンジン回転数センサ7、シフトポジションセンサ8、ブレーキスイッチ9、バッテリ10を備えている。
上記スタートスイッチ2は、車両室内の運転席近辺に設けられたスイッチであり、例えばインストルメントパネルに設けられたモーメンタリ式の押しボタンスイッチによって構成されている。このスタートスイッチ2は、ドライバ(運転者)によって操作(プッシュ)されることによりオン状態となる。
電源制御ECU1は、上記スタートスイッチ2およびバッテリ10に接続されている。バッテリ10は、車両に搭載され、例えばニッケル水素などの二次電池から成る。電源制御ECU1は、バッテリ10からの電力供給を受けて動作可能な状態となっており、スタートスイッチ2がオンされたことに応じて、電源リレー4の励磁回路を通電して、電源リレー4をオン状態にし、バッテリ10からエンジンECU3に電力を供給する。さらに、電源制御ECU1は、エンジンECU3に対し、エンジン始動時に、エンジンが燃焼運転を開始(完爆)した場合に始動完了信号などを出力するようになっている。
また、上記電源制御ECU1は、バッテリ10の蓄電量を認識する手段(蓄電量認識手段)として、このバッテリ10の電圧値を監視するようになっている。
また、このエンジン始動制御装置は、スタータモータ5に対する電力の供給/非供給を切り換えるためのトランジスタ12が備えられている。上記電源制御ECU1には、このトランジスタ12のベースが接続されており、この電源制御ECU1から出力されるスタータ信号STAによりトランジスタ12がONされる。トランジスタ12のエミッタはバッテリ10に接続され、コレクタは上記スタータリレー6に接続されている。運転者によるスタートスイッチ2の押し込み操作が行われると、スタータ信号STAが出力され、それに伴いトランジスタ12がONする。これにより、スタータリレー6がONし、バッテリ10からスタータモータ5へ電力が供給されて、スタータモータ5が回転駆動し、エンジンのクランキングが行われる。尚、このスタータリレー6への通電動作の詳細については後述する。
エンジン回転数センサ7は、エンジンのクランキングが開始してエンジンが回転を始めると、そのエンジン回転数(例えばクランクシャフトの回転数)を検出する。また、このエンジン回転数センサ7は、検出したエンジン回転数の信号を上記電源制御ECU1へ出力する。
電源制御ECU1は、エンジン回転数センサ7からエンジン回転数信号を受けると、検出されたエンジン回転数と予め定めた所定の回転数(例えばアイドル回転数)との一致比較動作を行い、その比較結果に基づいてエンジンが完爆状態であるか否かを判定する。このとき、エンジン回転数が所定の回転数以上であれば、電源制御ECU1は、エンジンが完爆状態であると判定し、エンジン始動が完了したと判断する。そして、電源制御ECU1は、エンジン始動が完了したことに応じて、トランジスタ12へのスタータ信号STAの出力を停止する。これにより、スタータモータ5の回転が停止し、エンジン始動制御動作が終了する。
また、上記シフトポジションセンサ8は、運転者により操作されたシフトレバー(図示せず)の位置(シフトポジション)を検出し、その検出したシフトポジションを電源制御ECU1へ出力する。ブレーキスイッチ9は、図示しないブレーキの踏み込み操作の有無を検出し、その検出結果を電源制御ECU1へ出力する。
−エンジン始動動作の実施形態−
次に、上述の如く構成されたエンジン始動制御装置におけるエンジン始動動作に関する複数の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
本実施形態は、上記スタータリレー6のON/OFFをエンジン回転数の変動に応じて切り換えることによりスタータモータへ供給する電力を変化させるようにしたものである。
具体的には、上述した如く電源制御ECU1により監視されているバッテリ10の電圧値が所定電圧値を超えている場合には、通常のクランキング動作を行う。つまり、エンジンのクランキング中の全期間に亘ってスタータリレー6をON作動させ、スタータモータ5を連続駆動させるクランキング動作を実行する。
これに対し、上記監視されているバッテリ10の電圧値が所定電圧値以下である場合には、本実施形態において特徴とする動作である「少蓄電量始動モード」での始動動作が実行されることになる(少蓄電量始動制御手段による始動動作)。つまり、エンジンのクランキング中の全期間に亘ってスタータリレー6をON作動させるのではなく、そのクランキング状態(エンジン回転数の変動状態)に応じてスタータモータ5へ供給する電力を変化させるように、上記スタータリレー6のON/OFF動作を行うようにしている。つまり、上記スタータ信号STAの出力/非出力を切り換えることで、トランジスタ12のON/OFF切り換えを行うようにしている。
より具体的には、何れかの気筒が燃焼行程を開始して、エンジン回転数が下降状態から上昇状態に転じるタイミング付近でスタータモータ5への電力供給を開始するように、上記スタータ信号STAを出力してスタータリレー6をONさせる。一方、エンジン回転数が上昇状態から下降状態に転じるタイミング付近、例えば上記燃焼行程を行っていた気筒の燃焼行程終了タイミング付近でスタータモータ5への電力供給を停止するように、上記スタータ信号STAの出力を停止してスタータリレー6をOFFさせる。
図2は、本実施形態に係るエンジン始動動作の具体的な制御手順を示すフローチャートである。以下、このフローチャートを用いて、本実施形態におけるエンジン始動動作について説明する。
このエンジン始動動作にあっては、先ず、ステップST1において上述した如く電源制御ECU1がバッテリ10の電圧を監視(モニタ)する。これは、バッテリ10の蓄電量を監視するための動作であって、この電圧値は蓄電量に略比例するので、この電圧を監視することでバッテリ10の蓄電量を認識することが可能である。
そして、ステップST2において、ドライバによって上記スタートスイッチ2の押し込み操作がなされると、ステップST3に移り、上記モニタされたバッテリ10の電圧が所定電圧値Va以下であるか否かを判定する。この所定電圧値Vaの値は、バッテリ10の電圧がこの電圧値Va以下にあると、従来の通常の始動動作(スタータリレー5を連続してON作動させるクランキング動作による始動動作)では良好なエンジン始動が行えない程度の電圧値であって、実験的または経験的に設定される。
そして、このステップST3の判定において、バッテリ10の電圧が所定電圧値Vaを超えているNOに判定されると、ステップST4に移り、「通常始動モード」でクランキングが開始される。つまり、従来と同様に、スタータリレー6を連続してON作動させるクランキング動作を開始する。これは、バッテリ10の蓄電量が十分にあるため、「通常始動モード」でクランキングを開始してもエンジンの始動が迅速に行うことができる状態にあるためである。
一方、ステップST3の判定において、バッテリ10の電圧が所定電圧値Va以下であるYESに判定されると、ステップST5に移り、上記「少蓄電量始動モード」での始動動作が実行されることになる。つまり、エンジンのクランキング中の全期間に亘ってスタータリレー6をON作動させるのではなく、そのクランキング状態(エンジン回転数の変動状態)に応じてスタータモータ5へ供給する電力を変化させるように、上記スタータリレー6のON/OFF動作を行う。
即ち、上述した如く、エンジン回転数が下降状態から上昇状態に転じるタイミング付近でスタータリレー6をONさせる一方、エンジン回転数が上昇状態から下降状態に転じるタイミング付近でスタータリレー6をOFFさせるようにする。
このようにしてクランキング動作が開始された後、ステップST6に移り、エンジンの燃焼運転が開始されたか否か(エンジンは完爆状態に至ったか否か)を判定する。この判定は、上記エンジン回転数センサ7によって検出されるエンジン回転数が所定回転数(例えば800rpm)に達したか否かによって行われる。
エンジンの燃焼運転が開始され、ステップST6でYESに判定されると、ステップST7に移り、上記スタータ信号STAの出力を停止してスタータリレー6をOFFさせてクランキング動作を終了する。これによりエンジンはアイドリング運転へと移行することになる。
図3は、上記「少蓄電量始動モード」でエンジン始動動作が行われた場合における、スタータリレー6のON/OFF動作、スタータモータ5の電流値の変動状態、エンジン回転数の変動状態、バッテリ電圧の変動状態をそれぞれ示すタイミングチャートである。
この図からも分かるように、エンジン回転数が下降状態から上昇状態に転じるタイミング(図中のタイミングA)付近でスタータリレー6をOFFからONに切り換え、スタータモータ5への電力供給を開始することでエンジン回転数を効果的に上昇させることができ、エンジン回転数が迅速に上記所定回転数(図中のエンジン回転数N:例えば800rpm)に達した状態となっている。特に、スタータリレー6のON動作に伴いスタータモータ5の電流値は突入電流(インラッシュカレント)として大きく得られることになるので、より効果的にエンジン回転数を上昇させることができる。
また、エンジン回転数が上昇状態から下降状態に転じるタイミング(図中のタイミングB)付近でスタータリレー6をONからOFFに切り換え、スタータモータ5への電力供給を停止している。このように、スタータリレー6のON動作が間欠的に行われているためバッテリ電圧の単位時間当たりの下降量も僅かである。
以上説明したように、本実施形態の始動制御動作によれば、スタータリレー6のON時には、燃焼行程によってエンジン回転数が上昇するタイミングでのスタータモータ5への電力供給により、このエンジン回転数上昇をアシストすることになる。これにより、エンジン回転数が燃焼運転の回転数(完爆状態の回転数)まで引き上げられることになり、エンジンの始動が短時間で容易に行われることになる。
また、エンジン回転数が上昇から下降に転じるタイミング付近、例えば上記燃焼行程を行っていた気筒の燃焼行程終了タイミング付近では上述した如くスタータリレー6をOFFしてスタータモータ5への電力供給を停止する。これは、このタイミングでスタータモータ5への電力供給によってエンジン回転数を引き上げようとしてもエンジン回転数を燃焼運転の回転数(完爆状態の回転数)まで引き上げることは困難である可能性が高いため、このタイミングでは、蓄電量の浪費を解消するべく電力供給を停止するものである。これにより、バッテリ10の蓄電量が早期のうちに無くなってしまうといったことを防止でき、上記スタータモータ5への電力供給タイミングにおけるエンジン回転数上昇のアシスト力を高く維持することが可能になり、エンジンの始動性が良好に得られることになる。
(第2実施形態)
本実施形態は、「少蓄電量始動モード」でエンジン始動を行う場合のスタータリレー6のON/OFF動作が上述した第1実施形態のものと異なっている。その他の構成は、第1実施形態と同様であるので、ここでは、スタータリレー6のON/OFF動作についてのみ説明する。
本実施形態では、「少蓄電量始動モード」におけるスタータモータ5への電力供給動作として、スタータリレー6のON/OFF切り換えをPWM(Pulse Width Modulation)化して変化させる構成となっている。そして、そのPWMのデューティ比としては、クランキング時においてエンジン回転数が下降から上昇に転じるタイミング付近でPWMのデューティ比を比較的大きく設定する一方、エンジン回転数が上昇から下降に転じるタイミング付近では、上記エンジン回転数が下降から上昇に転じるタイミング付近よりも上記PWMのデューティ比を小さく設定している。
図4は、上記「少蓄電量始動モード」でエンジン始動動作が行われた場合における、スタータリレー6のON/OFF動作、スタータモータ5の電流値の変動状態、エンジン回転数の変動状態、バッテリ電圧の変動状態をそれぞれ示すタイミングチャートである。この図からも分かるように、エンジン回転数が下降から上昇に転じるタイミング(図中のタイミングA)付近でスタータモータ5への電力供給のためのPWMのデューティ比を大きく設定したことでエンジン回転数を上昇させることができ、エンジン回転数が迅速に上記所定回転数(図中のエンジン回転数N:例えば800rpm)に達した状態となっている。また、エンジン回転数が上昇から下降に転じるタイミング(図中のタイミングB)付近でスタータモータ5への電力供給のためのPWMのデューティ比を小さく設定している。このように、スタータリレー6のON動作が間欠的に行われているためバッテリ電圧の単位時間当たりの下降量も僅かである。
以上説明したように、本実施形態の始動制御動作によれば、上記PWMのデューティ比を大きく設定したタイミングにおいてエンジン回転数上昇をアシストすることになる。これにより、エンジン回転数が燃焼運転の回転数(完爆状態の回転数)まで引き上げられることになり、エンジンの始動が短時間で容易に行われることになる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。本形態は、上述した第1実施形態に係る「少蓄電量始動モード(以下、第1少蓄電量始動モードと呼ぶ)」と第2実施形態に係る「少蓄電量始動モード(以下、第2少蓄電量始動モードと呼ぶ)」とを選択的に実行するものである。
具体的には、クランキング開始前のバッテリ10の電圧値に応じて、クランキング動作を行うモードとして、上記「通常始動モード」、「第1少蓄電量始動モード」、「第2少蓄電量始動モード」のうちの何れかが選択されるようになっている。
図5は、本実施形態に係るエンジン始動動作の制御手順を示すフローチャートである。以下、このフローチャートを用いて、本実施形態におけるエンジン始動動作について説明する。尚、この図5におけるステップST1〜ステップST4、ステップST6、ステップST7の各動作は、上述した第1実施形態に係る図2で示したフローチャートにおいて対応する同ステップ番号の動作と同様であるので、ここでの説明は省略する。
図5のステップST3において、バッテリ10の電圧が所定電圧値Va以下であるYESに判定されると、ステップST11に移り、上記モニタされたバッテリ10の電圧が所定電圧値Vb(Vb<Va)以下であるか否かを判定する。この所定電圧値Vbの値は、バッテリ10の電圧がこの電圧値Vb以下にあると、従来の通常の始動動作(スタータリレーを連続してON作動させるクランキング動作による始動動作)や、上記「第2少蓄電量始動モード」ではエンジン始動が行えない程度の電圧値であって、実験的または経験的に設定される。
そして、このステップST11において、バッテリ10の電圧が所定電圧値Vbを超えているNOに判定されると、ステップST12に移り、上記「第2少蓄電量始動モード」でクランキングが開始される。
一方、上記ステップST11において、バッテリ10の電圧が所定電圧値Vb以下であるYESに判定されると、ステップST13に移り、上記「第1少蓄電量始動モード」でクランキングが開始される。
その他のステップの動作は上述した第1実施形態の場合と同様である。
このように、本実施形態では、バッテリ10の電圧値が所定電圧値VaとVbとの間に存在する場合には、上記「第2少蓄電量始動モード」でのクランキング動作を行う。一方、バッテリ10の電圧値が所定電圧値Vbよりも低い場合には、上記「第1少蓄電量始動モード」でのクランキング動作を行うようにしている。
これは、「第2少蓄電量始動モード」に比べて「第1少蓄電量始動モード」の方が一時的に高いスタータモータ電流値(上記突入電流)を得ることができ、バッテリ10の蓄電量が極めて少ない状況(第2少蓄電量始動モードでは始動できない程度の蓄電量)であっても、「第1少蓄電量始動モード」では始動できる可能性があるため、上記バッテリ10の電圧値が所定電圧値Vbよりも低い場合には、上記「第1少蓄電量始動モード」でのクランキング動作を行うようにしている。
尚、バッテリ10の電圧値が所定電圧値VaとVbとの間に存在する場合に、上記「第2少蓄電量始動モード」でのクランキング動作を行う理由は以下のとおりである。上記「第1少蓄電量始動モード」では、スタータリレー6のON時に突入電流が発生してエンジン回転に挙動が生じる可能性があり、乗員に違和感を与えてしまう可能性がある。これに対し、「第2少蓄電量始動モード」によれば、PWMのデューティ比の設定により、上記エンジン回転の挙動を回避しながらエンジンの始動に至ることができて好ましいからである。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。本形態は、上述した第1実施形態に係る「少蓄電量始動モード(以下、第1少蓄電量始動モードと呼ぶ)」と第2実施形態に係る「少蓄電量始動モード(以下、第2少蓄電量始動モードと呼ぶ)」とを組み合わせることでエンジンの始動を確実に行わせるものである。
図6は、本実施形態に係るエンジン始動動作の制御手順を示すフローチャートである。以下、このフローチャートを用いて、本実施形態におけるエンジン始動動作について説明する。尚、この図6におけるステップST1〜ステップST4、ステップST6、ステップST7、ステップST11〜ステップST13の各動作は、上述した第1実施形態及び第3実施形態に係る図2及び図5で示したフローチャートにおいて対応する同ステップ番号の動作と同様であるので、ここでの説明は省略する。
図6のステップST4において、通常始動モードでクランキングが開始された後、ステップST21に移り、エンジンの燃焼運転が開始されたか否か(エンジンは完爆状態に至ったか否か)を判定する。この判定も、上述と同様に、上記エンジン回転数センサ7によって検出されるエンジン回転数が所定回転数(例えば800rpm)に達したか否かによって行われる。
そして、エンジンの燃焼運転が開始されてYESに判定されると、ステップST7に移ってクランキングを終了する一方、エンジンの燃焼運転が開始されない状態では、ステップST22に移り、モニタされているバッテリ10の電圧が所定電圧値Va以下まで低下したか否かを判定する。そして、この判定がNO(バッテリ10の電圧が所定電圧値Vaを超えている)状態が維持されている間は、ステップST21においてエンジンの燃焼運転が開始されたか否かの判定を継続する。そして、エンジンの燃焼運転が開始されないままバッテリ10の電圧が所定電圧値Va以下になると、ステップST22でYES判定され、ステップST12に移り、上記「第2少蓄電量始動モード」でクランキングが開始される。つまり、「通常始動モード」ではエンジンを始動できないと判断して「第2少蓄電量始動モード」に移る。
このステップST12において、第2少蓄電量始動モードでクランキングが開始された後、ステップST23に移り、エンジンの燃焼運転が開始されたか否か(エンジンは完爆状態に至ったか否か)を判定する。
そして、エンジンの燃焼運転が開始されてYESに判定されると、ステップST7に移ってクランキングを終了する一方、エンジンの燃焼運転が開始されない状態では、ステップST24に移り、モニタされているバッテリ10の電圧が所定電圧値Vb以下まで低下したか否かを判定する。そして、この判定がNO(バッテリ10の電圧が所定電圧値Vbを超えている)状態が維持されている間は、ステップST23においてエンジンの燃焼運転が開始されたか否かの判定を継続する。そして、エンジンの燃焼運転が開始されないままバッテリ10の電圧が所定電圧値Vb以下になると、ステップST24でYES判定され、ステップST13に移り、上記「第1少蓄電量始動モード」でクランキングが開始される。つまり、「第2少蓄電量始動モード」ではエンジンを始動できないと判断して「第1少蓄電量始動モード」に移り、この「第1少蓄電量始動モード」でクランキングが開始される。
その他のステップの動作は上述した各実施形態の場合と同様である。
本実施形態では、エンジンの始動前(クランキング開始前)においてはバッテリ10の蓄電量が十分に確保されており、クランキング動作が継続されることでバッテリ10の蓄電量が所定量以下になるといった状況であっても、上記モードの切り換え動作によってエンジンの始動に至ることができる。これにより、バッテリ10の蓄電量に応じたクランキング動作を行い、バッテリ10の蓄電量が無くなってしまうことを防止しながらも可能な限り短時間でエンジンを始動させることが可能になる。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について説明する。本形態も、上述した「第1少蓄電量始動モード」と「第2少蓄電量始動モード」とを組み合わせることでエンジンの始動を確実に行わせるものである。
図7は、本実施形態に係るエンジン始動動作の制御手順を示すフローチャートである。以下、このフローチャートを用いて、本実施形態におけるエンジン始動動作について説明する。尚、この図7におけるステップST1〜ステップST4、ステップST6、ステップST7、ステップST11〜ステップST13の各動作は、上述した第1実施形態及び第3実施形態に係る図2及び図5で示したフローチャートにおいて対応する同ステップ番号の動作と同様であるので、ここでの説明は省略する。
図7のステップST4において、通常始動モードでクランキングが開始されると、ステップST31に移り、上記電源制御ECU1に備えられていたタイマをスタートさせる。その後、ステップST32に移り、エンジンの燃焼運転が開始されたか否か(エンジンは完爆状態に至ったか否か)を判定する。この判定も、上述と同様に、上記エンジン回転数センサ7によって検出されるエンジン回転数が所定回転数(例えば800rpm)に達したか否かによって行われる。
そして、エンジンの燃焼運転が開始されてYESに判定されると、ステップST7に移ってクランキングを終了する一方、エンジンの燃焼運転が開始されない状態では、ステップST33に移り、上記タイマがタイムアップしたか否かを判定する。例えば、このタイマは10secをカウントするとタイムアップするようになっている。この数値は任意に設定可能である。このステップST33の判定がNOである状態(未だタイムアップしていない状態)が維持されている間は、ステップST32においてエンジンの燃焼運転が開始されたか否かの判定を継続する。そして、エンジンの燃焼運転が開始されないままタイマがタイムアップすると、ステップST33でYES判定され、ステップST12に移り、上記「第2少蓄電量始動モード」でクランキングが開始される。つまり、「通常始動モード」ではエンジンを始動できないと判断して「第2少蓄電量始動モード」に移る。
このステップST12において、「第2少蓄電量始動モード」でクランキングが開始されると、ステップST34に移り、上記タイマをスタートさせる。その後、ステップST35に移り、エンジンの燃焼運転が開始されたか否か(エンジンは完爆状態に至ったか否か)を判定する。
そして、エンジンの燃焼運転が開始されてYESに判定されると、ステップST7に移ってクランキングを終了する一方、エンジンの燃焼運転が開始されない状態では、ステップST36に移り、上記タイマがタイムアップしたか否かを判定する。例えば、このタイマも10secをカウントするとタイムアップするようになっている。この数値も任意に設定可能である。このステップST36の判定がNOである状態(未だタイムアップしていない状態)が維持されている間は、ステップST35においてエンジンの燃焼運転が開始されたか否かの判定を継続する。そして、エンジンの燃焼運転が開始されないままタイマがタイムアップすると、ステップST36でYES判定され、ステップST13に移り、上記「第1少蓄電量始動モード」でクランキングが開始される。つまり、「第2少蓄電量始動モード」ではエンジンを始動できないと判断して「第1少蓄電量始動モード」に移り、この「第1少蓄電量始動モード」でクランキングが開始される。
その他のステップの動作は上述した各実施形態の場合と同様である。
本実施形態では、エンジンの始動前(クランキング開始前)においてはバッテリ10の蓄電量が十分に確保されており、クランキング動作が所定時間継続されてもエンジンの燃焼運転が開始されないといった状況であっても、上記モードの切り換え動作によってエンジンの始動に至ることができる。これにより、バッテリ10の蓄電量が無くなってしまうことを防止しながらも可能な限り短時間でエンジンを始動させることが可能になる。
−その他の実施形態−
以上説明した各実施形態は、プッシュ式スタートシステムとして構成された始動制御装置に本発明を適用した場合について説明したが、これに限るものではなく、イグニッションキーをエンジンスタート位置に回動操作する始動制御装置に対しても本発明は適用可能である。
また、バッテリ10の蓄電量を認識する手段(蓄電量認識手段)として、各実施形態ではバッテリ10の電圧値を監視するようにしていたが、本発明はこれに限るものではなく、充放電状態の監視によりSOC(State of Charge)を測定するようにしてもよい。
また、本発明が適用される車両に搭載されるエンジンとしては、ガソリンエンジンまたはディーゼルエンジンのいずれであってもよい。
実施形態におけるエンジン始動制御装置のシステム構成図である。 第1実施形態に係るエンジン始動動作の制御手順を示すフローチャート図である。 第1実施形態において「少蓄電量始動モード」でエンジン始動動作が行われた場合における、スタータリレーのON/OFF動作、スタータモータの電流値の変動状態、エンジン回転数の変動状態、バッテリ電圧の変動状態をそれぞれ示すタイミングチャート図である。 第2実施形態における図3相当図である。 第3実施形態に係るエンジン始動動作の制御手順を示すフローチャート図である。 第4実施形態に係るエンジン始動動作の制御手順を示すフローチャート図である。 第5実施形態に係るエンジン始動動作の制御手順を示すフローチャート図である。 従来例においてバッテリの蓄電量が十分に確保されていない状況でクランキングが行われた場合における、スタータリレーのON/OFF作動、エンジン回転数の変動状態、バッテリ電圧の変動状態をそれぞれ示すタイミングチャート図である。
符号の説明
1 電源制御ECU
5 スタータモータ
6 スタータリレー
10 バッテリ(蓄電池)

Claims (7)

  1. スタータリレーのON作動に伴って蓄電池からスタータモータに電力を供給し、このスタータモータの駆動によりエンジンをクランキングさせるエンジン始動制御装置において、
    上記蓄電池の蓄電量を認識する蓄電量認識手段と、
    この蓄電量認識手段の出力を受け、エンジンをクランキングさせる前段階における上記蓄電池の蓄電量が所定量以下であるときにのみ、エンジンのクランキング中にスタータモータへ供給する電力をエンジン回転数の変動に応じて変化させる「少蓄電量始動モード」での始動動作を実行する少蓄電量始動制御手段を備えていることを特徴とするエンジン始動制御装置。
  2. スタータリレーのON作動に伴って蓄電池からスタータモータに電力を供給し、このスタータモータの駆動によりエンジンをクランキングさせるエンジン始動制御装置において、
    上記蓄電池の蓄電量を認識する蓄電量認識手段と、
    この蓄電量認識手段の出力を受け、スタータリレーを継続してONさせてエンジンをクランキングさせている途中における上記蓄電池の蓄電量が所定量以下になったときにのみ、スタータモータへ供給する電力をエンジン回転数の変動に応じて変化させる「少蓄電量始動モード」での始動動作に切り換える少蓄電量始動制御手段を備えていることを特徴とするエンジン始動制御装置。
  3. スタータリレーのON作動に伴って蓄電池からスタータモータに電力を供給し、このスタータモータの駆動によりエンジンをクランキングさせるエンジン始動制御装置において、
    上記スタータリレーを継続してONさせるエンジンのクランキングを開始した後、所定時間を経過してもエンジンが燃焼運転を開始しない場合にのみ、スタータモータへ供給する電力をエンジン回転数の変動に応じて変化させる「少蓄電量始動モード」での始動動作に切り換える少蓄電量始動制御手段を備えていることを特徴とするエンジン始動制御装置。
  4. 上記請求項1、2または3記載のエンジン始動制御装置において、
    少蓄電量始動制御手段は、スタータリレーのON/OFFをエンジン回転数の変動に応じて切り換えることによりスタータモータへ供給する電力を変化させる構成となっていることを特徴とするエンジン始動制御装置。
  5. 上記請求項4記載のエンジン始動制御装置において、
    少蓄電量始動制御手段は、クランキング時においてエンジン回転数が下降から上昇に転じるタイミング付近でスタータリレーをONしてスタータモータへの電力供給を開始する一方、エンジン回転数が上昇から下降に転じるタイミング付近でスタータリレーをOFFしてスタータモータへの電力供給を停止する構成となっていることを特徴とするエンジン始動制御装置。
  6. 上記請求項1、2または3記載のエンジン始動制御装置において、
    少蓄電量始動制御手段は、スタータリレーのON/OFF切り換えをPWM化により実行する構成となっていることを特徴とするエンジン始動制御装置。
  7. 上記請求項6記載のエンジン始動制御装置において、
    少蓄電量始動制御手段は、クランキング時においてエンジン回転数が下降から上昇に転じるタイミング付近で上記PWMのデューティ比を比較的大きく設定する一方、エンジン回転数が上昇から下降に転じるタイミング付近では、上記エンジン回転数が下降から上昇に転じるタイミング付近よりも上記PWMのデューティ比を小さく設定する構成となっていることを特徴とするエンジン始動制御装置。
JP2007132483A 2007-05-18 2007-05-18 エンジン始動制御装置 Active JP4720784B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007132483A JP4720784B2 (ja) 2007-05-18 2007-05-18 エンジン始動制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007132483A JP4720784B2 (ja) 2007-05-18 2007-05-18 エンジン始動制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008286117A true JP2008286117A (ja) 2008-11-27
JP4720784B2 JP4720784B2 (ja) 2011-07-13

Family

ID=40146064

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007132483A Active JP4720784B2 (ja) 2007-05-18 2007-05-18 エンジン始動制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4720784B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102235286A (zh) * 2010-04-29 2011-11-09 光阳工业股份有限公司 摩托车引擎启动电路系统及其引擎启动方法
CN102425522A (zh) * 2011-09-19 2012-04-25 奇瑞汽车股份有限公司 一种车辆起动机的保护控制系统及其控制方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105971797A (zh) * 2016-07-07 2016-09-28 安徽江淮汽车股份有限公司 一种汽车起动保护方法及系统

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05172021A (ja) * 1991-12-19 1993-07-09 Japan Electron Control Syst Co Ltd エンジンの始動制御装置
JP2000087832A (ja) * 1998-09-09 2000-03-28 Denso Corp 二輪自動車の後進制御装置
JP2002031021A (ja) * 2000-07-19 2002-01-31 Honda Motor Co Ltd エンジン発電システムおよびそのコントローラ
JP2002266675A (ja) * 2001-03-07 2002-09-18 Yazaki Corp 駆動制御装置及び駆動制御方法
JP2002303230A (ja) * 2001-04-02 2002-10-18 Denso Corp エンジン始動装置
JP2003328910A (ja) * 2002-05-10 2003-11-19 Denso Corp エンジン始動装置
JP2004011627A (ja) * 2002-06-12 2004-01-15 Hitachi Ltd 内燃機関始動装置及びその駆動方法
JP2005020795A (ja) * 2003-06-23 2005-01-20 Toyota Motor Corp 内燃機関の始動制御装置および始動制御方法
JP2005139961A (ja) * 2003-11-05 2005-06-02 Toyota Motor Corp 内燃機関の始動準備システム

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05172021A (ja) * 1991-12-19 1993-07-09 Japan Electron Control Syst Co Ltd エンジンの始動制御装置
JP2000087832A (ja) * 1998-09-09 2000-03-28 Denso Corp 二輪自動車の後進制御装置
JP2002031021A (ja) * 2000-07-19 2002-01-31 Honda Motor Co Ltd エンジン発電システムおよびそのコントローラ
JP2002266675A (ja) * 2001-03-07 2002-09-18 Yazaki Corp 駆動制御装置及び駆動制御方法
JP2002303230A (ja) * 2001-04-02 2002-10-18 Denso Corp エンジン始動装置
JP2003328910A (ja) * 2002-05-10 2003-11-19 Denso Corp エンジン始動装置
JP2004011627A (ja) * 2002-06-12 2004-01-15 Hitachi Ltd 内燃機関始動装置及びその駆動方法
JP2005020795A (ja) * 2003-06-23 2005-01-20 Toyota Motor Corp 内燃機関の始動制御装置および始動制御方法
JP2005139961A (ja) * 2003-11-05 2005-06-02 Toyota Motor Corp 内燃機関の始動準備システム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102235286A (zh) * 2010-04-29 2011-11-09 光阳工业股份有限公司 摩托车引擎启动电路系统及其引擎启动方法
CN102425522A (zh) * 2011-09-19 2012-04-25 奇瑞汽车股份有限公司 一种车辆起动机的保护控制系统及其控制方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4720784B2 (ja) 2011-07-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4051870B2 (ja) エンジンの自動停止始動制御装置
JP3826992B2 (ja) アイドルストップ車両
CN109072790B (zh) 发动机控制装置
JP5040707B2 (ja) アイドルストップ車両の始動制御装置及び始動制御方法
JP2006029142A (ja) 車両のエンジン始動制御装置
JP2007046508A (ja) アイドルストップ制御装置およびアイドルストップ制御方法
JP2008007003A (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP4096785B2 (ja) 車両用電源システム
WO2011114979A1 (ja) アイドリングストップ装置およびアイドリングストップ制御方法
JP2010247556A (ja) エコラン制御装置
JP5134485B2 (ja) 車両の制御装置
JP2010265878A (ja) 内燃機関の制御装置
WO2017195629A1 (ja) エンジン停止始動制御装置
JP2009095161A (ja) エンジンの制御装置
JP4720784B2 (ja) エンジン始動制御装置
JP2006211859A (ja) 車両の制御装置
JP2012246867A (ja) アイドルストップ制御装置
CN109154238B (zh) 发动机控制装置
JP5406666B2 (ja) 電圧制御装置、及び、アイドリングストップ機能の無効化方法
JP2004150354A (ja) 内燃機関の運転制御装置
JP2005120878A (ja) アイドルストップ車両
JP6851743B2 (ja) ジャンピングスタート判定装置
JP2004308579A (ja) アイドルストップ装置
JP6682383B2 (ja) 車両用制御装置
JP4835458B2 (ja) 車両の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20090922

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Effective date: 20100630

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100706

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100903

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20100903

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110308

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20110321

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140415

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140415

Year of fee payment: 3