JP2008285249A - エレベータの通話システム及びエレベータの通話方法 - Google Patents

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【課題】非常呼び釦の誤動作等を簡易に検知し、エレベータごとの非常呼び釦の使用実態を把握するエレベータの通話システム及びその方法を提供する。
【解決手段】誤操作した乗客に誤操作の解除方法を指示する音声案内手段4と、誤操作を解除する非常呼び解除釦3と、非常呼び釦2が操作されると非常呼釦信号を発信し、解除方法の指示後一定時間内に非常呼び解除釦3が操作されると非常呼釦誤操作信号を発信する非常呼釦発信部6と、解除方法指示後一定時間内に非常呼び解除釦3の操作がなければ監視センタ33を呼び出す通話発信部5と、信号を受信する非常呼釦受信部8と、通話及び信号履歴を記憶する非常呼釦記憶部10と、一定期間内に記憶されたエレベータかご31ごとの信号の受信回数から、そのエレベータかご31の誤操作の発生頻度を算定する非常呼釦管理部9を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、エレベータの通話システム及びエレベータの通話方法に係り、特に、乗客がエレベータのかご内の操作盤に設けられた非常呼び釦を操作することで、エレベータかご内に設けられた通話器により監視センタの通話器と通話可能となるエレベータの通話システム及びその方法に関する。
エレベータには、エレベータかご内に閉じ込められた乗客が外部に通報するための通話器が設けられているのが一般的である。これは、エレベータの異常や故障によりエレベータかご内に閉じ込められた乗客との交信、エレベータかご内で発生する犯罪の防止、地震等の災害時の救助のためである。上記の場合に、乗客はエレベータのかご内の操作盤に設けられた非常呼び釦を操作することで監視センタの通話器と通話可能となる。監視センタでは、常時監視員を置く24時間体制でこの非常呼び釦による非常事態に対応しているのが一般的である。
この非常呼び釦は、誤操作或いはいわゆる悪戯操作が頻繁に発生する。このため、監視センタの受信負荷が増大し、監視センタとして本来の業務である、エレベータかご内の乗客の救出や安全確保に支障が生じる場合がある。
非常呼び釦の誤操作は、例えば、乗客が操作盤に設けられた他の釦と間違えて非常呼び釦を押してしまう場合、夜間に泥酔者が倒れたはずみに非常呼び釦を押してしまう場合等がある。また、いわゆる悪戯操作は、エレベータを降りる直前に非常呼び釦を操作して逃げる場合、幼児が面白がって非常呼び釦で遊ぶ場合等がある。
この誤操作や悪戯操作を防止するために、従来から各種の方策が考案されている。例えば、特許文献1には、非常呼び釦の誤操作或いは悪戯操作を防止するエレベータの通話装置が開示されている。ここでは、エレベータかご内の乗客が非常呼び釦を押すと所定のメッセージが放送され、再度非常呼び釦を押すと、監視センタを呼び出す構成が示されている。すなわち、乗客により非常呼び釦を2度押さなければ通報されないという方策である。
また、特許文献2には、いたずらや誤操作による無駄な電話回線接続を防止するエレベータの通話装置が開示されている。ここでは、エレベータかご内の乗客が非常呼釦を長時間押していること、又は非常呼釦が所定回数以上押されたことの少なくとも一方を検出して電話回線に接続する構成が示されている。すなわち、非常呼釦の操作時間を遅延させることでいたずらや誤操作を防止するという方策である。
さらに、従来の監視センタは、エレベータ側からの電話回線による呼び出しに対し、誤操作であるか、或いは悪戯操作であるかを判断せずに通話を受信している。従って、誤動作又は悪戯操作が頻発するエレベータを特定し、積極的な解消策を講じるまでに至ってないのが現状である。
特開平8−59112号公報 特開平8−245098号公報
特許文献1に記載された再度非常呼び釦を押すという方策は、1度非常呼び釦を押した後に気を失った場合、或いは不審者に妨害された場合には監視センタとの通話ができないという問題があった。また、この方策は連続して2度非常呼び釦を押す悪戯操作に対してはあまり効果がない。また、乗客はアナウンスにより再度押さなければならないことを認識することから、聴覚障害者には操作が困難であるという問題があった。
さらには、エレベータかご内に設けられた非常呼び釦の本来の目的は、上述したように、エレベータの異常や故障によりエレベータかご内に閉じ込められた乗客との交信、エレベータかご内で発生する犯罪の防止、地震等の災害時の救助である。この目的からすると、再度非常呼び釦を押すという方策は、緊急時の乗客に複雑な操作の手間を与え、また操作ミスを誘引し、監視センタの迅速な対応を阻害するため好ましい方策とはいえない。
また、特許文献2に記載された非常呼釦の操作時間を遅延させるという方策は、上記目的からすると、緊急時の乗客に余分なストレスを与え、また操作ミスを誘引し、監視センタの迅速な対応を阻害するため好ましい方策とはいえない。
さらに、従来監視センタは、エレベータ側からの電話回線による呼び出しのみしか判断できず、そのエレベータにおける誤動作及び悪戯操作の実態を把握することができない。その結果、乗客の誤動作及び悪戯操作を積極的に解消する策を展開することが困難である。
本願の目的は、かかる課題を解決し、非常呼び釦の誤動作等を簡易に検知し、エレベータごとの非常呼び釦の使用実態を把握するエレベータの通話システムを提供することである。
上記目的を達成するため、本発明に係るエレベータの通話システムは、乗客がエレベータかごの操作盤に設けられた非常呼び釦を操作し、エレベータかごに備えられた通話器から公衆通信回線を介して監視センタの受話器と通話するエレベータの通話システムであって、エレベータかごに設けられた、非常呼び釦を誤操作した乗客に、誤操作を解除する方法を案内する音声案内手段と、非常呼び釦の誤操作を解除する非常呼び解除手段と、非常呼び釦が操作されると、非常呼釦信号を監視センタに発信し、音声案内手段による案内後一定時間内に、非常呼び解除手段が操作されると、非常呼釦誤操作信号を監視センタに発信する非常呼釦発信部と、音声案内手段による案内後一定時間内に、非常呼び解除手段が操作されなければ、監視センタの受話器を呼び出す通話器と、監視センタに設けられた、通話器と通話する受話器と、非常呼釦発信部から発信された非常呼釦信号及び非常呼釦誤操作信号を受信する非常呼釦受信部と、受話器による通話と、受信した非常呼釦信号及び非常呼釦誤操信号とを履歴として記憶する非常呼釦記憶部と、一定期間内における非常呼釦記憶部が記憶したエレベータかごごとの通話回数と、非常呼釦信号及び非常呼釦誤操作信号の受信回数とから、そのエレベータかごの誤操作の発生頻度を算定する非常呼釦管理部と、を備えることを特徴とする。
また、エレベータの通話システムは、エレベータかごは、エレベータかごの乗客の有無を検出するかご内乗客検出手段を備え、非常呼釦発信部が、非常呼び釦の操作後一定時間内に、かご内乗客検出手段によりかご内の乗客が検出されないと、監視センタの非常呼釦受信部に非常呼釦悪戯操作信号を発信し、非常呼釦記憶部は、受信した非常呼釦悪戯操作信号を履歴として記憶することが好ましい。
また、エレベータの通話システムは、非常呼釦管理部が、一定期間内に非常呼釦記憶部が記憶したエレベータごとの非常呼釦悪戯操作信号の受信回数から、そのエレベータの悪戯操作の発生頻度を算定することが好ましい。
また、エレベータの通話システムは、非常呼び解除手段が、エレベータかごの操作盤に設けられた非常呼び解除釦であることが好ましい。
また、エレベータの通話システムは、かご内乗客検出手段が、エレベータかごに設けられたカメラにより乗客の有無を検出することが好ましい。
さらに、エレベータの通話システムは、かご内乗客検出手段が、エレベータかごに設けられたセンサにより乗客の有無を検出することが好ましい。
また、上記目的を達成するため、本発明に係るエレベータの通話方法は、乗客がエレベータかごの操作盤に設けられた非常呼び釦を押し、エレベータかごに備えられた通話器を用いて公衆通信回線を介して監視センタの受話器と通話するエレベータの通話方法であって、乗客が非常呼び釦を押すと監視センタに非常呼釦信号が発信され、エレベータかごに設けられた音声案内が、非常呼び解除釦を押すことで非常呼び釦の誤操作を解除できることを案内し、音声案内による案内後一定期間内に、乗客により非常呼び解除釦が押されると、監視センタに非常呼釦誤操作信号が発信され、音声案内手段による案内後一定時間内に、乗客により非常呼び解除釦が押されなければ、監視センタの受話器が呼び出され、乗客は監視センタと通話し、監視センタは、通話を履歴として記憶し、受信した非常呼釦信号及び非常呼釦誤操作信号を履歴として記憶し、監視センタは、一定期間内におけるエレベータかごごとの通話回数と、非常呼釦信号及び非常呼釦誤操作信号の受信回数とから、そのエレベータかごの誤操作の発生頻度を算定すること、を特徴とする。
また、エレベータの通話方法は、乗客により非常呼び釦が押された後一定時間内にかご内に乗客がいないことが検出されると、監視センタに非常呼釦悪戯操作信号が発信され、監視センタが、受信した非常呼釦悪戯操作信号を履歴として記憶することが好ましい。
さらに、エレベータの通話方法は、監視センタが、一定期間内に記憶されたエレベータごとの非常呼釦信号、非常呼釦誤操作信号、及び非常呼釦悪戯操作信号の受信回数から、そのエレベータの誤操作及び悪戯操作の発生頻度を算定することが好ましい。
上記構成により、エレベータの通話システムは、乗客により非常呼び釦が操作されるたびに非常呼釦信号が監視センタに発信される。そして、音声案内手段による指示後一定期間内に、乗客により非常呼び解除手段が操作されると、非常呼釦誤操作信号が監視センタに発信され、監視センタとの通話は行われない。また、音声案内手段による指示後一定期間内に、乗客により非常呼釦解除信号が操作されないと、監視センタと通話が行われる。このシステムにより、監視センタは、誤操作された非常呼び釦へ対応することなく、エレベータかご内の乗客の救出や安全確保のための対応に集中できる。さらに、監視センタに設けられた非常呼釦記憶部は、通話受信手段が受信した通話の履歴と、非常呼釦受信手段が受信した非常呼釦信号及び非常呼釦誤操作信号との履歴とを記憶する。これにより、個別のエレベータにおける誤操作の発生頻度等が把握できる。
以上のように、本発明に係るエレベータの通話システムによれば、非常呼び釦の誤操作等を簡易に検知可能であり、エレベータごとの非常呼び釦の使用実態が把握可能となる。
以下に、図面を用いて本発明に係るエレベータの通話システム及びその方法の実施の形態につき、詳細に説明する。
(エレベータの通話システム)
図1に、エレベータの通話システムの1つの実施形態の概略構成を示す。エレベータの通話システム1は、エレベータがご31と監視センタ33とから構成され、エレベータがご31と監視センタ33とは公衆通信回線32を介して接続される。エレベータの通話システム1のエレベータかご31側は、音声案内手段4、通話発信部5、及び非常呼釦発信部6から構成される。また、エレベータの通話システム1の監視センタ33側は、非常呼釦受信部8、非常呼釦管理部9、非常呼釦記憶部10、及び非常呼釦表示部11から構成される。
図1に示すように、エレベータかご31には、かご操作盤17及び通話器13が設置される。このかご操作盤17と通話器13とは、別体であっても一体化されていても良い。かご操作盤17には、スピーカ18、非常呼び釦2、非常呼び解除釦3、方向灯20、かご呼び釦19、戸開釦21、戸閉釦22が設けられる。また、監視センタ33には、受信機7が設置される。なお、監視センタ33は、複数のエレベータかご31の監視を行うが、図1では、1つのエレベータがご31を代表させて表示する。
かご操作盤17内の非常呼び釦2は、エレベータかご内31に閉じ込められた乗客が外部に通報するために設けられている。乗客によりこの非常呼び釦2が押されると、音声案内手段4は、かご操作盤17内のスピーカ18により、非常呼びボタン2が押されたことの確認、及びその後の乗客の対処について指示する。すなわち、非常呼び釦2を押したことが正しい操作であった場合には、監視センタ33との通話を待つように指示し、非常呼び釦2を押したことが誤操作であった場合には、非常呼び解除釦3を押すように指示する。このアナウンスは、スピーカ18から、例えば「非常ボタンが押されました。異常の際はそのまま係員が通話器13に出るまでお待ちください。また、誤って押された場合は解除ボタンを押してください。」といった指示が自動的に流される。
非常呼釦発信部6は、乗客により非常呼び釦2が押されると、非常呼釦信号を監視センタ33に発信する。これにより、監視センタ33は、そのエレベータかご31において非常呼び釦2が押されたという情報を把握する。また、非常呼釦発信部6は、音声案内手段4がスピーカ18によるアナウンスで誤操作の指示をした後一定時間内に、乗客により非常呼び解除釦3が押されると、非常呼釦誤操作信号を監視センタ33に発信する。この場合には、通話器13による監視センタ33との通話は行われない。これにより、監視センタ33は、そのエレベータかご31において非常呼び釦2の誤操作がされたという情報を把握できる。この一定時間とは、タイマ16により計測され本実施形態では5〜10秒間とするが、この時間があまり短いと解除の実施率が低くなり、あまり長いと乗客の不安感が増すことを考慮して適切な時間間隔が選択される。
通話発信部5は、音声案内手段4がスピーカ18によるアナウンスで誤操作の指示をした後一定時間内に、非常呼び解除釦3が押されなければ、監視センタ33の受話器7を呼び出す。この一定時間とは、タイマ16により計測され本実施形態では5〜10秒間とする。すなわち、監視センタ33は、乗客が非常呼び釦2を押したのが誤操作ではないことを確認した上で乗客との通話を行いエレベータかご内の異常事態について聞き出す。
このように非常呼び釦2に加えて非常呼び解除釦3を設けることで、誤って非常呼び釦2を押してしまった乗客は、監視センタ33の係員に弁解する必要もなく、また恥ずかしい思いをしなくて済む。例えば、子供がかご呼び釦19、戸開釦21又は戸閉釦22といった釦と間違えて非常呼び釦2を押した場合であっても、その親はすぐに非常呼び解除釦3を押せば監視センタ33からと通話をしなくても良い。また、非常呼び釦2を押した後に気を失ったり、不審者に妨害されたりしても1度非常呼び釦2を押せば非常呼び解除釦3を押さない限りは監視センタ33との通話が可能となる。また、聴覚障害者は、アナウンスによっては釦の操作方法が理解できないが、目視で非常呼び釦2及び非常呼び解除釦3が確認できるため、非常時に通報漏れを防止できる。さらには、監視センタ33側としても、非常呼び釦2の誤操作の場合には通話が省略できるため、本来業務であるエレベータの異常や故障によりエレベータかご内に閉じ込められた乗客との交信、エレベータかご31内で発生する犯罪の防止、地震等の災害時の救助に専念できる。
監視センタ33側の非常呼釦受信部8は、非常呼釦発信部6から発信された信号を、公衆通信回線32を介して受信する。受話器7は、通話発信部5からの通話を、公衆通信回線32を介して受信し、監視センタ33の係員と乗客との通話が可能となる。また、非常呼釦記憶部10は、受話器7が受信した通話の履歴と、非常呼釦受信部8が受信した非常呼釦信号及び非常呼釦誤操作信号の履歴とを記憶する。
また、非常呼釦管理部9は、一定期間内に非常呼釦記憶部10が記憶したエレベータごとの非常呼釦信号及び非常呼釦誤操作信号の受信回数から、そのエレベータの誤操作の発生頻度を算定する。そのエレベータの誤操作の発生頻度とは、例えば、非常呼釦信号の受信回数に対する非常呼釦誤操作信号の受信回数で示される。或いは、非常呼釦信号の受信回数に対する通話回数から算定しても良い。また、エレベータかご31に対して昼間と夜間に分けてこの誤操作の発生頻度を算定しても良い。これは、子供による誤操作は昼間に発生しやすく、泥酔者により誤操作は夜間に発生しやすいことから、誤操作の発生しやすい時間帯が特定できるからである。また、非常呼釦表示部11は、非常呼釦管理部9が計測した受信回数、或いは算定した発生頻度を、そのエレベータがご31ごとに表示する。非常呼釦表示部11は、非常呼釦信号が送信されると、監視センタ33の係員にそのエレベータかご31の過去の誤操作或いは悪戯操作の発生率を表示しても良い。この表示により、監視センタ33の係員はそのエレベータかご31の非常呼び釦2の過去の使用実態を把握しつつ対応することが可能となる。
次に、エレベータの通話システムの他の実施形態の概略構成を説明する。この実施形態は、上記実施形態に悪戯操作の検出を加えたものである。図1のエレベータかご31に破線で示すように、本エレベータの通話システム1は、かご内乗客検出手段12、カメラ14又はセンサ15を含む。
図2に示すように、エレベータかご31内には、その天井部にカメラ14が設置される。そして、乗客が非常呼び釦2を押すと一定時間内に、カメラ14によりエレベータかご31内の写真が撮影される。この撮影された写真から乗客が検出されなければ、監視センタ33の非常呼釦受信部8に非常呼釦悪戯操作信号が発信される。また、エレベータかご31内には、その壁面にセンサ15が設置される。そして、乗客が非常呼び釦2を押すと一定時間内に、センサ15によりエレベータかご31内の乗客の有無が検出される。このセンサ15により乗客が検出されなければ、監視センタ33の非常呼釦受信部8に非常呼釦悪戯操作信号が発信される。
この、かご内乗客検出手段12によりエレベータかご31内での悪戯操作が検出できる。すなわち、エレベータかご31内に他に乗客がいない場合に、エレベータを降りる直前に非常呼び釦2を押して逃げてしまう悪戯に対し、監視センタ33との通話を回避することができる。また、必ずしも悪戯ではないとしても、エレベータかご31内に乗客がいない以上、監視センタ33が対応して通話をする必要がない。この通話システム1により、監視センタ33は、エレベータかご31内の乗客の救出や安全確保のための対応に集中できる。
(エレベータの通話方法)
図3に、エレベータの通話方法の1つの実施形態の概略フローを示す。図3中には各ステップをS1〜S16にて示す。また、図3中の破線で囲んだ上段はエレベータがご31内でのステップを示し、破線で囲んだ下段は監視センタ33内でのステップを示す。本エレベータの通話方法30は、まず乗客が非常呼び釦2を押すと(S1)、監視センタ33に非常呼釦信号が発信される(S2)。次に、かご操作盤17内のスピーカ18から音声案内により非常呼び釦2の解除方法が指示される(S3)。具体的には、例えば「非常ボタンが押されました。異常の際はそのまま係員が通話器13に出るまでお待ちください。また、誤って押された場合は解除ボタンを押してください。」といったアナウンスである。この音声案内が終了したか否かが判断され(S4)、音声案内の終了後一定時間が経過するまでに乗客により非常呼び解除釦3が押されたか否かが判断され(S5)、押された場合には監視センタ33に非常呼釦誤操作信号が発信される(S6)。一方、音声案内の終了後一定時間が経過するまでに乗客により非常呼び解除釦3が押さないと(S7)、監視センタ33に通話の呼び出しが行われる(S8)。この一定時間とは、タイマ16により計測され本実施形態では5〜10秒間とする。
監視センタ33では、非常呼釦信号が受信され(S9),受信の履歴として記憶される(S10)。また、監視センタ33では、非常呼釦誤操作信号が受信され(S11),受信の履歴として記憶される(S12)。さらに、監視センタ33では、エレベータかご31からの通話の呼び出しに応答し(S13),通話の履歴として記憶される(S14)。これらの記憶された情報は、例えば、1月、或いは1年といった設定された期間の経過が判断され(S15)、その期間ごとの受信回数及び通話回数から、そのエレベータかご31の誤操作の発生頻度が算定される(S16)。
図4に、エレベータの通話方法の他の実施形態の概略フローを示す。本エレベータの通話方法30のうち上述した実施形態と同様なステップについては同一の符号を付し、その説明を省略する。乗客により非常呼び釦2が押された後一定時間内にエレベータかご31内の乗客の存否が検出され(S17),検出されない場合には、非常呼釦悪戯操作信号が発信される(S18)。監視センタ33側では、この非常呼釦悪戯操作信号を受信し(S19)、受信の履歴として記憶される(S20)。これらの記憶された情報は、例えば、1月、或いは1年といった設定された期間の経過が判断され(S15)、その期間ごとの受信回数及び通話回数から、そのエレベータかご31の誤操作及び悪戯操作の発生頻度が算定される(S16)。
本発明に係るエレベータの通話システムの1つの実施形態の概略構成を示す説明図である。 本発明に係るエレベータの通話システムの他の実施形態でのカメラ又はセンサによるエレベータがご内の乗客の有無の検出についての説明図である。 本発明に係るエレベータの通話方法の1つの実施形態の概略構成を示すフロー図である。 本発明に係るエレベータの通話方法の他の実施形態の概略構成を示すフロー図である。
符号の説明
1 エレベータの通話システム、2 非常呼び釦、3 非常呼び解除釦、4 音声案内手段、5 通話発信部、6 非常呼釦発信部、7 受話器、8 非常呼釦受信部、9 非常呼釦管理部、10 非常呼釦記憶部、11 非常呼釦表示部、12 かご内乗客検出手段、13 通話器、14 カメラ、15 センサ、16 タイマ、17 かご操作盤、18 スピーカ、19 かご呼び釦、20 方向灯、21 戸開釦、22 戸閉釦、30 エレベータの通話方法、31 エレベータかご、32 公衆通信回線、33 監視センタ。

Claims (9)

  1. 乗客がエレベータかごの操作盤に設けられた非常呼び釦を操作し、エレベータかごに備えられた通話器から公衆通信回線を介して監視センタの受話器と通話するエレベータの通話システムであって、
    エレベータかごに設けられた、
    非常呼び釦を誤操作した乗客に、誤操作を解除する方法を案内する音声案内手段と、
    非常呼び釦の誤操作を解除する非常呼び解除手段と、
    非常呼び釦が操作されると、非常呼釦信号を監視センタに発信し、音声案内手段による案内後一定時間内に、非常呼び解除手段が操作されると、非常呼釦誤操作信号を監視センタに発信する非常呼釦発信部と、
    音声案内手段による案内後一定時間内に、非常呼び解除手段が操作されなければ、監視センタの受話器を呼び出す通話器と、
    監視センタに設けられた、
    通話器と通話する受話器と、
    非常呼釦発信部から発信された非常呼釦信号及び非常呼釦誤操作信号を受信する非常呼釦受信部と、
    受話器による通話と、受信した非常呼釦信号及び非常呼釦誤操信号とを履歴として記憶する非常呼釦記憶部と、
    一定期間内における非常呼釦記憶部が記憶したエレベータかごごとの通話回数と、非常呼釦信号及び非常呼釦誤操作信号の受信回数とから、そのエレベータかごの誤操作の発生頻度を算定する非常呼釦管理部と、
    を備えることを特徴とするエレベータの通話システム。
  2. 請求項1に記載のエレベータの通話システムにおいて、エレベータかごは、エレベータかごの乗客の有無を検出するかご内乗客検出手段を備え、非常呼釦発信部は、非常呼び釦の操作後一定時間内に、かご内乗客検出手段によりかご内の乗客が検出されないと、監視センタの非常呼釦受信部に非常呼釦悪戯操作信号を発信し、非常呼釦記憶部は、受信した非常呼釦悪戯操作信号を履歴として記憶することを特徴とするエレベータの通話システム。
  3. 請求項2に記載のエレベータの通話システムにおいて、非常呼釦管理部は、一定期間内に非常呼釦記憶部が記憶したエレベータごとの非常呼釦悪戯操作信号の受信回数から、そのエレベータの悪戯操作の発生頻度を算定することを特徴とするエレベータの通話システム。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1に記載のエレベータの通話システムにおいて、非常呼び解除手段は、エレベータかごの操作盤に設けられた非常呼び解除釦であることを特徴とするエレベータの通話システム。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1に記載のエレベータの通話システムにおいて、かご内乗客検出手段は、エレベータかごに設けられたカメラにより乗客の有無を検出することを特徴とするエレベータの通話システム。
  6. 請求項1乃至4のいずれか1に記載のエレベータの通話システムにおいて、かご内乗客検出手段は、エレベータかごに設けられたセンサにより乗客の有無を検出することを特徴とするエレベータの通話システム。
  7. 乗客がエレベータかごの操作盤に設けられた非常呼び釦を押し、エレベータかごに備えられた通話器を用いて公衆通信回線を介して監視センタの受話器と通話するエレベータの通話方法であって、
    乗客が非常呼び釦を押すと監視センタに非常呼釦信号が発信され、
    エレベータかごに設けられた音声案内が、非常呼び解除釦を押すことで非常呼び釦の誤操作を解除できることを案内し、
    音声案内による案内後一定期間内に、乗客により非常呼び解除釦が押されると、監視センタに非常呼釦誤操作信号が発信され、
    音声案内手段による案内後一定時間内に、乗客により非常呼び解除釦が押されなければ、監視センタの受話器が呼び出され、乗客は監視センタと通話し、
    監視センタは、通話を履歴として記憶し、受信した非常呼釦信号及び非常呼釦誤操作信号を履歴として記憶し、
    監視センタは、一定期間内におけるエレベータかごごとの通話回数と、非常呼釦信号及び非常呼釦誤操作信号の受信回数とから、そのエレベータかごの誤操作の発生頻度を算定すること、
    を特徴とするエレベータの通話方法。
  8. 請求項7に記載のエレベータの通話方法において、乗客により非常呼び釦が押された後一定時間内にかご内に乗客がいないことが検出されると、監視センタに非常呼釦悪戯操作信号が発信され、監視センタは、受信した非常呼釦悪戯操作信号を履歴として記憶することを特徴とするエレベータの通話方法。
  9. 請求項7又は8に記載のエレベータの通話方法において、監視センタは、一定期間内に記憶されたエレベータごとの非常呼釦信号、非常呼釦誤操作信号、及び非常呼釦悪戯操作信号の受信回数から、そのエレベータの誤操作及び悪戯操作の発生頻度を算定することを特徴とするエレベータの通話方法。
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