JP2008284586A - ルーパ装置の張力制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ルーパ装置内張力のアンバランスを解消するルーパ装置の張力制御装置を得る。
【解決手段】複数のキャリッジ5,9を有すると共に、モータ駆動されるヘルパーロールと非駆動ロールを備え、所定のストリップ材張力に保つためにキャリッジ5,9を昇降させるルーパ装置におけるストリップ材Sの張力を制御するルーパ装置の制御装置において、複数のキャリッジ5,9の位置を同期させるようにエレタイ制御をヘルパーロール4a,4c,4e,4g、12a,12c,12e,12gの制御で行うと共に、キャリッジ5,9の制御でルーパ装置内ストリップ材Sのトータル張力を制御し、非駆動ロール3a〜3f、4b,4d,4f、11a〜11f、12b,12d,12fで補償の必要なベンディング損失補償、機械損失補償、慣性補償を上記ヘルパーロールの制御で行う。
【選択図】図3

Description

この発明は、鉄鋼プロセスライン、例えば、冷延鋼板に焼鈍、鍍金、コーティング等の処理をするプロセスラインにおけるルーパ装置の張力制御装置に関するものである。
冷延鋼板に焼鈍、鍍金、コーティング等の処理をするプロセスラインでは、プロセス部において焼鈍、鍍金、コーティング等の処理を行うが、プロセス部はこの処理を連続的に行うため、通常、プロセス部前後に処理材料(以下、ストリップ材と称する)を通板しながら貯蔵、送出する装置としてルーパ装置が設けられている。その理由として、プロセス部においては、張力を一定に保ち張力が安定した状態でプロセス処理を行うことが、製品の板厚精度、表面処理の均一保持という点で重要であることが挙げられる。
従来、ルーパ装置をもつ設備において、デフレクタロール(以下、駆動されるデフレクタロールを特定する場合はヘルパーロール、駆動されないデフレクタロールを特定する場合は非駆動ロールと称し、これらを総称してデフレクロールという)を駆動することは少なかったが、近年では、製品に対する品質の要求レベルが高くなり、又、処理設備の高速化に伴ってルーパ装置の容量が大きくなり、その中で保持されるストリップ材の量も増え、デフレクタロールの本数も増えてきている。このような場合に、デフレクタロールを全く駆動しない方式では、デフレクタロールの慣性モーメントおよびストリップ材の慣性モーメントにより、そのラインの速度変更時にストリップ材に張力変動が生じ、張力弛み側では、蛇行、スリップ疵、そしてたるみを発生させ、ひどい場合には破断を引き起していた。一方、張力の張り側では、バックリングを発生させ、やはりひどい場合には破断に至っていた。
そこで、デフレクタロールの慣性モーメントの影響を少なくするために、デフレクタロールの全体の中で、数本にモータを設け、そのモータの速度又は電流を制御する方法がとられつつある。
このように、デフレクタロールの内の何本かを駆動する場合の制御方法として、ヘルパーロールの回転駆動を行うモータの運転を電流制御により行う際に、ルーパ装置の加減速時には、ヘルパーロールの慣性を補償する加減速トルクを、ストリップ材がヘルパーロールを通るときの機械損失、およびベンディング損失に加えたものをモータのトルク基準(電流基準)として、モータの運転を電流制御により行うことが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、ストリップ材がヘルパーロールを通るときの機械損失、ベンディング損失および加減速補償に基づいてモータの電流基準値を演算し、この電流基準値に基づいて当該モータの運転を電流制御することにより、ストリップ材の張力が一定となるようにすることが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、上記特許文献1、あるいは特許文献2に開示されているように、デフレクタロールの内の何本かを駆動すると共に、そのデフレクタロールを駆動するモータに速度制御、電流制御のどちらを採用しても、そのモータの発生するトルクは、自分が繋っているヘルパーロールの慣性モーメント、機械損失およびベンディング損失分を補うだけのものとして考えられており、そのような制御しかされていない。そのため、駆動している部分では張力変動が発生しないものの、駆動していない部分から発生する張力変動はそのままである。但し、駆動している部分で行っているベンディング損失補償は、鋼種、板厚、板幅から計算される値を使用していたが、実際の値とは合わない場合が多く、ベンディング損失の補償誤差が張力変動を発生させる原因の一つでもあった。
通常、デフレクタロールの駆動ロールと非駆動ロールの割合、即ち、デフレクタロールの駆動割合は、コスト面の絡みもあり、せいぜい2本につき1本か、4本につき1本位の割合であり、あるいはキャリッジが昇降する際のデフレクタロールの加減速パワーと、張力変動許容値から考慮されたデフレクタロール位置によって駆動するモータの設置間隔が決められている。しかし、この程度の駆動割合では、近年の大容量化されたルーパ装置では、デフレクタロールを駆動する効果が少なく、全く駆動していない場合と同様の問題点を残している。
そこで、この問題を解決するため、ヘルパーロールにおける機械損失補償、ベンディング損失補償および加減速補償に加え、非駆動ロールの慣性モーメント、およびルーパ装置位置とストリップ材のサイズから計算した慣性モーメントの加減速補償をヘルパーロールで行う制御方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
また、他方ではベンディング損失により発生するキャリッジ間の位置を、ヘルパーロールの速度基準に加算することによって一致させ、ストリップ材の張力変動を防止する多連式ルーパ装置のエレタイ制御方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
特開平1−237018号公報 特開平2−307616号公報 特開平8−157119号公報 特開平3−032417号公報
しかし、上記特許文献3で提案された方法は、特許文献1あるいは特許文献2の開示技術を改善するものとはいえ、ヘルパーロールにおける機械損失補償、ベンディング損失補償および加減速補償に、非駆動ロールの慣性モーメント、およびルーパ装置位置とストリップ材のサイズから計算した慣性モーメントの加減速補償を加えただけであり、この方法ではベンディング損失をヘルパーロールで十分補償できておらず、その結果ルーパ装置内のストリップ材の張力を一定に保つことができず、張力アンバランスが生じてしまう。張力アンバランスが生じているが故に、キャリッジが昇降する際、キャリッジを駆動するキャリッジモータの指令基準に対してキャリッジ昇降の応答が遅れることになって張力変動が生じていた。
また、キャリッジが複数台ある場合には、この張力アンバランスによりキャリッジ位置間に高低差が生じてしまう問題がある。キャリッジ位置間に高低差が生じた際には、特許文献4に開示されているようにキャリッジの位置偏差をヘルパーロールの速度基準に加算する方法があるが、この方法は位置偏差が生じた際にしか補償されず、例えば、ルーパ装置入側速度と出側速度に速度差が生じるタイミングのように、過渡状態の補償として役割を果たすのみである。
上記各特許文献に開示されたルーパ装置の制御を、各制御および補償項目ごとにキャリッジの制御と、ヘルパーロールの制御で役割を分けて示すと、ルーパ装置制御の基本構成として図6のように纏めることができる。この図6に示すように、上記各特許文献に開示されたルーパ装置の制御は、キャリッジの制御で、非駆動ロールのベンディング損失補償、キャリッジの慣性補償、キャリッジの機械損失補償、ストリップ材の張力制御を行う。また、ヘルパーロールの制御で、当該ヘルパーロールのベンディグ損失補償、当該ヘルパーロールおよび非駆動ロールの慣性補償、当該ヘルパーロールおよび非駆動ロールの機械損失補償、エレタイ制御を行うもので、非駆動ロールのベンディング損失をキャリッジモータの制御で補償している。このため、前述のように、ベンディグ損失をヘルパーロールで十分補償できていないことになり、結果的にルーパ装置内のストリップ材の張力を一定に保つことができず、張力アンバランスが生じてしまうことになる。
この発明は上記従来技術の問題点を解消するためになされたもので、キャリッジの制御によりルーパ装置内ストリップ材のトータル張力を制御し、ヘルパーロールあるいは非駆動ロールで補償の必要なベンディング損失補償をヘルパーロールの制御にて行うことにより、ルーパ装置内張力のアンバランスを解消するものである。
この発明は、複数のキャリッジを有すると共に、モータ駆動されるヘルパーロール、あるいはモータ駆動されるヘルパーロールと非駆動ロールを備え、所定のストリップ材張力に保つために上記キャリッジを昇降させるルーパ装置における上記ストリップ材の張力を制御するルーパ装置の制御装置において、上記複数のキャリッジ位置を同期させるようにエレタイ制御を上記ヘルパーロールの制御で行うと共に、上記キャリッジの制御で上記ルーパ装置内ストリップ材のトータル張力を制御し、上記ヘルパーロールあるいは上記非駆動ロールで補償の必要なベンディング損失補償、機械損失補償、慣性補償を上記ヘルパーロールの制御で行うことを特徴とするものである。
この発明によれば、ヘルパーロールを全駆動にしない場合でも、張力変動を低減することが可能となり、従って張力変動の発生が少ないルーパ装置を安価に提供することができる。また、ヘルパーロールを全駆動にしている場合でも、更なる張力変動の低減が期待できる。
以下に添付図面を参照して、この発明に係るルーパ装置の張力制御装置について好適な実施の形態を説明する。
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係るルーパ装置の構造を示すもので、一例として第1のルーパ装置1と第2のルーパ装置2を備えた2連式ルーパ装置を図示している。この図1において、第1のルーパ装置1においては、上下に3a〜3f、4a〜4gからなる複数のデフレクタロールが離隔して配置されていて、これらのデフレクタロール3a〜3f、4a〜4g間に交互にストリップ材Sが巻き掛けられて通板される。下側のデフレクタロール4a〜4gは、その中心位置が固定されていて(以下、このデフレクタロールを固定デフレクタロールと称する)、上側のデフレクタロール3a〜3fはキャリッジ5に固定されている(以下、このデフレクタロールを可動デフレクタロールと称する)。このキャリッジ5は、チェーンあるいはワイヤーロープ6を介してドラム7に吊り下げられており、このドラム7はキャリッジモータ8で駆動されてキャリッジ5を上下方向に移動させると共に、このキャリッジ5でストリップ材Sを上下方向に引っ張っている。なお、第2のルーパ装置2についても第1のルーパ装置1と同様の構成を有しており、キャリッジ9がキャリッジモータ10で上下方向に移動される。
この2連式ルーパ装置においては、キャリッジ5,9が昇降することにより、可動デフレクタロール3a〜3f,11a〜11fと固定デフレクタロール4a〜4g,12a〜12gとの間の距離が変わってストリップ材Sの貯蔵量が変わるため、このキャリッジ5,9を昇降させてストリップ材Sの貯蔵量、送出量を制御している。また、キャリッジ5,9を昇降させない場合であっても、ストリップ材Sに張力を付与するため上方に引っ張っている。
キャリッジ5,9が昇降する際には、ルーパ装置内のストリップ材Sに張力変動が生じる。この張力変動はプロセス部内のストリップ材Sに波及し、例えば、プロセス部が焼鈍炉であれば炉内張力を変動させてしまい、ストリップ材Sに蛇行やヒートバックルを発生させ、生産を妨害する恐れがある。そこで、固定デフレクタロール4a〜4g,12a〜12gのうち何本かに駆動モータ13a〜13d,14a〜14dを設け(本実施の形態では、1本置きに設けている)、この駆動モータ13a〜13d,14a〜14dにより固定デフレクタロール4a〜4g,12a〜12gの何本か(本実施の形態では1本置き)を回転駆動させて前記張力変動を防止するようにしている。
また、第1および第2のルーパ装置1,2における各キャリッジ5,9の高さ方向の位置を位置検出器15,16により検出し、高さ方向の位置が同じになるように、キャリッジモータ8,10を制御している。このように各ルーパ装置1,2におけるキャリッジ5,9の位置を電気的に一致させる制御、即ち、エレタイ制御を行っている。
なお、上記実施の形態1において、キャリッジモータ8,10の回転速度は速度検出器17,18により検出され、また、図中矢印Aで示す方向に進行するストリップ材Sの張力は、張力計19,20で検出される。
実施の形態1に係るルーパ装置は上記のように構成されており、次にその張力制御装置について説明する。
説明の便宜上、先ず実施の形態1に係るルーパ装置の張力制御方式を、各制御および補償項目ごとにキャリッジの制御とヘルパーロールの制御で役割を分けて示したルーパ装置制御方式の基本構成を図2に示す。即ち、実施の形態1に係るルーパ装置の張力制御装置は、キャリッジの制御ではキャリッジの慣性補償、キャリッジの機械損失、ストリップ材張力を制御する張力制御を行う。また、ヘルパーロールの制御では当該ヘルパーロールおよび非駆動ロールのベンディグ損失補償、当該ヘルパーロールおよび非駆動ロールの慣性補償、当該ヘルパーロールおよび非駆動ロールの機械損失補償、エレタイ制御を行うもので、図5に示す従来方式とは、非駆動ロールのベンディグ損失補償をヘルパーロールにより行う点で相違している。
次に、実施の形態1に係るルーパ装置の張力制御装置の動作について説明する。図1に示したルーパ装置において、プロセス部近傍のルーパ装置2をマスタ、遠いほうのルーパ装置1をスレーブとした場合のスレーブ側ヘルパーロールの制御部を図3に示す。また、マスタ側ヘルパーロールの制御部を図4に示す。
例えば、図1の破線内(スレーブ側)におけるヘルパーロールの制御部において、ストリップ材Sの搬送に所望される速度がヘルパーロール速度指令部30からヘルパーロール速度指令SPとして入力されると共に、ヘルパーロール4eの駆動モータ13cの速度検出器31で検出された速度SFがフィードバックされてヘルパーロール速度指令SPから減算される。その他にも、キャリッジ位置の差が生じた際のエレタイ制御と、キャリッジ昇降応答の遅れ補償がヘルパーロール4eの速度指令に加算される。以下に、その内容について説明する。
キャリッジ5,9の位置を位置検出器15,16により検出し、これらの検出値の差を加算器32に加え、位置制御器(Automatic Position Controller)33に入力する。この位置制御器33はP(比例)制御を行うこととする。この位置制御器33からの出力がヘルパーロール速度指令SPへの補償として加算器34に加えられ、駆動モータ13cの駆動を制御して、キャリッジ5,9の位置偏差がなくなるようにエレタイ制御する。但し、プロセス部への張力伝播防止を考慮すると、プロセス部近傍の第2のルーパ装置2は安定させることが必要であるため、スレーブ側、即ち第1のルーパ装置1で、マスタ側、即ち第2のルーパ装置2の位置に追従するように制御を行う。従って、位置制御器33によるエレタイ制御はスレーブ側だけに有効な補償とする。
ルーパ装置の入側と出側の速度基準から演算できるキャリッジ5の昇降速度VCは、昇降速度設定部35において設定され、その設定値は次の1式の通り計算される。
VC=(VE−VD)/N・・・・・・・・・・・(1)
但し、VE:ルーパ装置入側速度基準、VD:ルーパ装置出側速度基準
N :ルーパ装置ストランド数
これに対してキャリッジ5の実際の昇降速度は、キャリッジモータ8の速度検出器17によって検出した速度とドラム7の直径Dによって演算され、昇降速度設定部35から出力されるキャリッジ5の昇降速度VCから減算される。この減算された値をゲイン36にてキャリッジ昇降速度からキャリッジモータ回転数に換算し、加算器34に加える。この回路により、ルーパ装置入側速度基準とルーパ装置出側速度基準に差が生じキャリッジ5が昇降する際に、ルーパ装置内の張力分布が不安定になりやすい状況を防止することができる。
以上の出力は、自動速度制御器(Automatic Speed Regulator)37で処理され、ヘルパーロール4eの駆動モータ13cの電流基準38になる。電流基準38には、これに加え機械損失補償39と慣性補償40、および後述するベンディング損失補償(Bending Loss Compensation)41が加算される。
ベンディング損失補償41は、位置検出器15,16にて検出したキャリッジ5,9の位置の差と、キャリッジ5内での非駆動ロールの合計数Tとヘルパーロール4eが負担する非駆動ロール3c,3d,4dの合計数tから、次の2式の通り求められる。
ベンディング損失補償=(P1−P2)×t/T・・・・・・・・・・・(2)
但し、P1:キャリッジ5の位置検出値
P2:キャリッジ9の位置検出値
T :非駆動ロールの合計数
t :ヘルパーロールが負担する非駆動ロールの合計数
なお、上式のt/Tは、ベンディング補償量演算項42において求められる。上式よりキャジッジ位置偏差量を制御することで、ベンディング損失を補償することができるため、ベンディング損失の設定精度に依存しない制御が可能となる。
例えば、図1の破線内におけるヘルパーロール4eの駆動モータ13cのベンディング損失補償は次の通り演算できる。キャリッジ5内の非駆動ロール数は3a〜3f、4b,4d,4fの合計9本に対して、ヘルパーロール4eが負担するべき本数は3c,3d,4dの合計3本である。従って、前述のTは9本、tは3本となり、これを上記2式に代入し、ヘルパーロール4eのベンディング損失補償量が制御器(Automatic Bending loss compensation Controller)43において決定される。ベンディング損失補償量を決定する制御器43はP(比例)制御、あるいはPI(比例積分)制御し、ベンディング損失補償41として加算器44で加算され、加算器45において前述の駆動モータ13cの電流基準38に加算される。この補償によりルーパ装置内の張力分布がアンバランスになるのを防止し、その結果定常状態においてもキャリッジ間の位置に差が生じないように制御を行うことができる。
電流検出器46は駆動モータ13cに流れる電流値を検出し、電流フィードバック信号47として減算器48に出力し、減算器48おいて前記電流基準から減算される。この減算器48の出力は、自動電流制御器(Automatic Current Regulator)49で処理され、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などの電力変換装置50に入力される。電力変換装置50は、入力信号に基づき駆動モータ13cに供給する電源の電圧、電流、周波数等を制御して、駆動モータ13cのトルク、速度を制御する。
以上が図1に示したルーパ装置におけるプロセス部から遠い方のスレーブ側ヘルパーロールの制御部であるが、プロセス部に近いマスタ側ヘルパーロールの制御は図4に示すとおりである。前述のとおり、プロセス部への張力伝播防止を考慮し、プロセス部近傍の第2のルーパ装置2は安定させることが必要である。このため、図4から理解されるように、マスタ側、即ち第2のルーパ装置2においては、エレタイ制御が行われていない。なお、その他の制御については図3のスレーブ側ヘルパーロールの制御部と同じ構成、動作であるので、説明を省略する。
以上のように、実施の形態1に係るルーパ装置の張力制御装置によれば、キャリッジはルーパ装置内ストリップ材のトータル張力を制御し、ヘルパーロールおよび非駆動ロールで補償の必要なベンディング損失補償をヘルパーロールにて行うことによりルーパ装置内張力のアンバランスを解消し、ルーパ装置入側速度と出側速度が同期している際の定常状態時も含めて、ルーパ装置内の張力分布を一定に近い状態にすることで、移動時の応答特性の改善を図り発生する張力変動を低減させる効果を奏するものである。
実施の形態2.
次に実施の形態2について説明する。実施の形態1においては、デフレクタロールをヘルパーロールと非駆動ロールにより構成した実施の形態を説明したが、実施の形態2は、デフレクタロールをヘルパーロールから構成したものである。
図5は実施の形態2に係るルーパ装置の構造を示し、固定デフレクタロール4a〜4g、および12a〜12gの全てを駆動するもので、固定デフレクタロール4b,4d,4f、および固定デフレクタロール12b,12d,12fに、それぞれ駆動モータ13e,13f,13g、および駆動モータ14e,14f,14gが設けられている。なお、その他の構成については図1の実施の形態1と同一もしくは相当するものであり、同一符号を付すことにより、説明を省略する。
ベンディング損失は、ストリップ材Sがロールによって曲げられる際に発生する力に相当するため、ヘルパーロール、非駆動ロールに問わず発生する。従来、ヘルパーロールにはベンディング損失を補うため、特許文献2のように、ベンディング損失補償項を設け、鋼種、板厚、板幅から計算された値を使用していたが、実際の値とは合わない場合が多く、ベンディング損失の補償誤差が張力変動を発生させる原因の一つでもあった。しかし、実施の形態2に係るルーパ装置の張力制御装置によれば、キャリッジ5,9はルーパ装置内ストリップ材Sのトータル張力を制御し、ヘルパーロール4a〜4g、12a〜12gで補償が必要なベンディング損失補償を、キャリッジ5,9の位置偏差量を制御することで実施する。これにより、特許文献2のように、設定精度に依存しない制御が可能となり、更なる張力変動の低減が期待できる。
上記各実施の形態においては、図1、図5に示すようなキャリッジを2台有するルーパ装置にこの発明を適用した場合について図示説明したが、この発明が適用可能なルーパ装置は図1、図5に示すような構成のものに限定されるものではない。また、上記各実施の形態で示すキャリッジモータ8,10の制御は、張力計19,20の張力フィードバックを行った速度制御を想定したが、張力計19,20を使用しない電流制御を行った場合でもこの発明は採用可能である。更に、ルーパ装置の構成は縦型ルーパ装置、横型ルーパ装置に限定しない構成でも良く、この発明の主旨を逸脱しない範囲の設計的変更を包含するものである。
この発明は、鉄鋼プロセスラインにおけるルーパ装置の張力制御装置として利用可能である。
この発明の実施の形態1に係るルーパ装置の構成図である。 この発明の実施の形態1に係るルーパ装置制御方式の基本構成を説明する図である。 この発明の実施の形態1に係るスレーブ側のヘルパーロール制御部を示す図である。 この発明の実施の形態1に係るマスタ側のヘルパーロール制御部を示す図である。 この発明の実施の形態2に係るルーパ装置の構成図である。 従来技術におけるルーパ装置制御方式の基本構成を説明する図である。
符号の説明
1 第1のルーパ装置
2 第2のルーパ装置
3a〜3f、4a〜4g、11a〜11f、12a〜12g デフレクタロール
5,9 キャリッジ
6 チェーンあるいはワイヤーロープ
7 ドラム
8,10 キャリッジモータ
13a〜13d,14a〜14d 駆動モータ
15,16 位置検出器
17,18,31 速度検出器
19,20 張力計
30 ヘルパーロール速度指令部
32,34,44,45,48 加算器
33 位置制御器
35 昇降速度設定部
36 ゲイン
37 自動速度制御器
38 電流基準
39 機械損失補償
40 慣性補償
41 ベンディング損失補償
42 ベンディング補償量演算項
43 制御器
46 電流検出器
47 電流フィードバック信号
49 自動電流制御器
50 電力変換装置
S ストリップ材

Claims (5)

  1. 複数のキャリッジを有すると共に、モータ駆動されるヘルパーロール、あるいはモータ駆動されるヘルパーロールと非駆動ロールを備え、所定のストリップ材張力に保つために上記キャリッジを昇降させるルーパ装置における上記ストリップ材の張力を制御するルーパ装置の制御装置において、
    上記複数のキャリッジ位置を同期させるようにエレタイ制御を上記ヘルパーロールの制御で行うと共に、上記キャリッジの制御で上記ルーパ装置内ストリップ材のトータル張力を制御し、上記ヘルパーロールあるいは上記非駆動ロールで補償の必要なベンディング損失補償、機械損失補償、慣性補償を上記ヘルパーロールの制御で行うことを特徴とするルーパ装置の張力制御装置。
  2. 上記ヘルパーロールの制御部は、上記ヘルパーロールあるいは上記非駆動ロールで発生するベンディング損失分の張力補償を行う制御部を備えたことを特徴とする請求項1記載のルーパ装置の張力制御装置。
  3. 上記キャリッジ間位置の差分と、上記キャリッジ内の非駆動ロール数およびヘルパーロールが負担する非駆動ロール数とから演算される値を比例制御あるいは比例積分制御し、その出力をヘルパーロールの電流基準に加算することを特徴とする請求項2記載のルーパ装置の張力制御装置。
  4. ルーパ装置の入側速度基準と出側速度基準の差、およびルーパストランド数から演算されるキャリッジ昇降速度と、キャリッジ昇降時の実速度との差を、上記ヘルパーロールの速度基準に加算することを特徴とする請求項2または請求項3記載のルーパ装置の張力制御装置。
  5. 上記複数のキャリッジのうち、プロセス部近傍のキャリッジをマスタとし、プロセス部から遠いキャリッジをスレーブとした場合、過渡的に発生した上記キャリッジ間位置の差を補償するエレタイ制御は、スレーブだけで行うことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のルーパ装置の張力制御装置。
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