JP5929830B2 - ルーパ装置の制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、ルーパ装置の制御装置に関するものである。
従来におけるルーパ装置の制御装置においては、複数の昇降可能なキャリッジと、キャリッジに設けられこのキャリッジとともに昇降する可動ヘルパーロールと、中心位置が固定された固定ヘルパーロールと、を備え、可動ヘルパーロールと固定ヘルパーロールとの間にストリップ材を巻き掛け、キャリッジを昇降させることで、ストリップ材にかかる張力を制御するものが知られている。
そして、このようなルーパ装置の制御装置において、固定ヘルパーロールの一部をモータにより回転駆動される駆動へルパーロールとし、へルパーロールにおけるベンディングロス補償、機械ロス補償及び慣性補償を、駆動へルパーロールの回転駆動を制御することにより行い、かつ、この際のベンディングロス補償量を、複数のキャリッジの位置の偏差に基づいて演算するものが従来知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−284586号公報
しかしながら、特許文献1に示された従来におけるルーパ装置の制御装置においては、ベンディングロス補償量をキャリッジの位置偏差に基づいて演算するフィードバック型の制御であるため、実際にベンディングロスの値の変化がキャリッジの位置偏差にまで反映された後でないと、このベンディングロスの値の変化に対応した補償がなされない。
このため、特に、属性(板厚、板幅、鋼種)が異なるストリップ材が新たにルーパ装置内に入ってきたときにおけるベンディングロス補償の応答が遅くなってしまう。そして、ベンディングロス補償の応答性がよくないために、キャリッジの位置制御補正の応答が遅くなり、位置制御が安定しない場合がある。
この発明は、このような課題を解決するためになされたもので、ストリップ材の属性(板厚、板幅、鋼種)変化に対するベンディングロス補償の応答性を向上することができるルーパ装置の制御装置を得るものである。
この発明に係るルーパ装置の制御装置においては、上下移動可能に設けられキャリッジモータにより上下移動が駆動されるキャリッジと、前記キャリッジに設けられ当該キャリッジとともに昇降する可動ヘルパーロールと、回転軸が固定され前記可動ヘルパーロールとの間に処理材料を巻き掛ける複数の固定ヘルパーロールと、前記複数の固定ヘルパーロールの一部又は全部を回転駆動する駆動モータと、をそれぞれに有する第1のルーパ装置及び第2のルーパ装置と、前記キャリッジの上下位置を検出する位置検出器と、前記第1のルーパ装置の前記キャリッジモータへの第1の張力基準を出力する張力基準設定部と、前記第2のルーパ装置の前記キャリッジモータへの第2の張力基準を出力する上位装置と、前記第1のルーパ装置で生じるベンディングロスを学習するベンディングロス学習部と、を備え、前記張力基準設定部は、前記ベンディングロス学習部により学習されたベンディングロスに基づいて、前記第1のルーパ装置及び前記第2のルーパ装置の両者の前記キャリッジの上下位置を同期させるエレタイ制御の基準となるエレタイ張力基準値を算出し、少なくとも前記エレタイ張力基準値と前記位置検出器により検出された前記両者の前記キャリッジの上下位置の偏差とを用いて前記第1の張力基準を演算する構成とする。
この発明に係るルーパ装置の制御装置においては、ストリップ材の属性(板厚、板幅、鋼種)変化に対するベンディングロス補償の応答性を向上することができるという効果を奏する。
この発明の実施の形態1に係るルーパ装置の構成図である。 この発明の実施の形態1に係るルーパ装置のエレタイ制御を模式的に説明する図である。 この発明の実施の形態1に係るルーパ装置のキャリッジモータ制御系の構成の一例を模式的に示すブロック図である。 この発明の実施の形態1に係る張力基準設定部の詳細な構成を示す図である。 この発明の実施の形態1に係るルーパ装置のキャリッジモータ制御系の構成の他の例を模式的に示すブロック図である。
この発明を添付の図面に従い説明する。各図を通じて同符号は同一部分又は相当部分を示しており、その重複説明は適宜に簡略化又は省略する。
実施の形態1.
図1から図4は、この発明の実施の形態1に係るもので、図1はルーパ装置の構成図、図2はルーパ装置のエレタイ制御を模式的に説明する図、図3はキャリッジモータ制御系の構成の一例を模式的に示すブロック図、図4は張力基準設定部の詳細な構成を示す図、図5はキャリッジモータ制御系の構成の他の例を模式的に示すブロック図である。
この実施の形態1において、ルーパ装置は、マスターとスレーブの2つのルーパ装置を備えた2連式ルーパ装置である。図1において、処理材料であるストリップ材1は、スレーブ側ルーパ装置2aとマスター側ルーパ装置2bの2つのルーパ装置に通板されている。スレーブ側ルーパ装置2aは、ストリップ材1の入側に配置される。マスター側ルーパ装置2bは、ストリップ材1の出側(プロセス側:具体的に例えば炉側)に配置される。
スレーブ側ルーパ装置2aは、スレーブ側可動ヘルパーロール3a、スレーブ側非駆動ヘルパーロール4a及びスレーブ側駆動ヘルパーロール5aを備えている。ストリップ材1は、これらのヘルパーロールに巻き掛けられることにより、スレーブ側ルーパ装置2aに通板される。
スレーブ側非駆動ヘルパーロール4a及びスレーブ側駆動ヘルパーロール5aは、その回転軸の位置が動かないように固定されている。以後、これらのスレーブ側非駆動ヘルパーロール4a及びスレーブ側駆動ヘルパーロール5aを総称して「スレーブ側固定ヘルパーロール」と呼ぶ。
スレーブ側固定ヘルパーロールのうち、スレーブ側非駆動ヘルパーロール4aは、回転軸に対して回転可能であるが、自らその軸に対して回転する駆動力は加えられないロールである。したがって、スレーブ側非駆動ヘルパーロール4aは、スレーブ側非駆動ヘルパーロール4aに巻き掛けられたストリップ材1の移動に伴って受動的に回転する。
これに対し、スレーブ側固定ヘルパーロールのうち、スレーブ側駆動ヘルパーロール5aは、能動的に回転駆動する。このため、スレーブ側駆動ヘルパーロール5aのそれぞれには、スレーブ側ヘルパーロール駆動モータ6aが設けられている。そして、各スレーブ側駆動ヘルパーロール5aは、スレーブ側ヘルパーロール駆動モータ6aにより加えられた駆動力により回転することができる。
なお、ここでは、スレーブ側固定ヘルパーロールのうちの一部をスレーブ側駆動ヘルパーロール5aとしたが、スレーブ側固定ヘルパーロールの全てに駆動モータを設けてスレーブ側駆動ヘルパーロール5aとしてもよい。
スレーブ側可動ヘルパーロール3aは、スレーブ側キャリッジ7aに取り付けられる。スレーブ側キャリッジ7aは、上下方向に移動可能に設けられている。したがって、スレーブ側可動ヘルパーロール3aの回転軸の位置は、スレーブ側キャリッジ7aの移動に伴って、移動することができるようになっている。
スレーブ側可動ヘルパーロール3aは、スレーブ側キャリッジ7aに、ストリップ材1の通板方向に沿って並べられている。スレーブ側固定ヘルパーロール(スレーブ側非駆動ヘルパーロール4a、スレーブ側駆動ヘルパーロール5a)は、スレーブ側可動ヘルパーロール3aに対して、相対的に下側においてストリップ材1の通板方向に沿って並べられている。
スレーブ側キャリッジ7aを上下させてスレーブ側可動ヘルパーロール3aの位置を移動させることにより、スレーブ側可動ヘルパーロール3aとスレーブ側固定ヘルパーロールとの間の距離を変化させることができる。
スレーブ側キャリッジ7aには、スレーブ側ワイヤ8aの一端が接続されている。スレーブ側ワイヤ8aの中間部は、スレーブ側ドラム9aに巻き掛けられる。スレーブ側ワイヤ8aの他端には、スレーブ側カウンターウエイト10aが接続されている。こうして、スレーブ側キャリッジ7a及びスレーブ側カウンターウエイト10aは、スレーブ側ワイヤ8aにより互いに相反する方向へと上下動可能につるべ状に吊持されている。
スレーブ側ドラム9aは、スレーブ側キャリッジモータ11aにより回転駆動される。スレーブ側カウンターウエイト10aは、主に、この際にスレーブ側ドラム9aにかかるスレーブ側キャリッジ7aの重量を補償するために設けられている。なお、スレーブ側ワイヤ8aとしては、ワイヤロープの他のチェーン等の条体を適宜に用いることができる。
ストリップ材1は、スレーブ側可動ヘルパーロール3aとスレーブ側固定ヘルパーロールとに交互に巻き掛けられることにより、スレーブ側ルーパ装置2aにつづら折り状に通板される。
マスター側ルーパ装置2bも、上述したスレーブ側ルーパ装置2aと同様の構成を備える。すなわち、マスター側ルーパ装置2bは、マスター側可動ヘルパーロール3b、マスター側固定ヘルパーロール(マスター側非駆動ヘルパーロール4b、マスター側駆動ヘルパーロール5b)を備える。マスター側駆動ヘルパーロール5bのそれぞれは、マスター側ヘルパーロール駆動モータ6bにより回転駆動される。
各マスター側可動ヘルパーロール3bは、ストリップ材1の通板方向に沿ってマスター側キャリッジ7bに取り付けられる。マスター側キャリッジ7bは、マスター側ドラム9bに巻き掛けられたマスター側ワイヤ8bにより、マスター側カウンターウエイト10bとともに、つるべ状に吊持される。マスター側キャリッジモータ11bにより、マスター側ドラム9bを回転させることで、マスター側キャリッジ7b及びマスター側カウンターウエイト10bは、互いに相反する方向に上下動する。
そして、ストリップ材1は、マスター側可動ヘルパーロール3bとマスター側固定ヘルパーロールとに交互に巻き掛けられることにより、マスター側ルーパ装置2bにつづら折り状に通板される。
このように構成されたスレーブ側ルーパ装置2aとマスター側ルーパ装置2bとからなる2連式ルーパ装置においては、スレーブ側キャリッジモータ11a及びマスター側キャリッジモータ11bによりスレーブ側キャリッジ7a及びマスター側キャリッジ7bのそれぞれを上下移動させることで、スレーブ側可動ヘルパーロール3aとスレーブ側固定ヘルパーロールとの間の距離、及び、マスター側可動ヘルパーロール3bとマスター側固定ヘルパーロールとの間の距離のそれぞれを変化させることができる。
そして、このように可動ヘルパーロールと固定ヘルパーロールとの間の距離(ルーパ高さ)を変化させることで、各ルーパ装置に貯蔵されるストリップ材1の量を変化させることができる(図2)。そこで、ルーパ装置のキャリッジを上下させることで、ルーパ装置におけるストリップ材1の貯蔵量及びルーパ装置からプロセス側へと送出されるストリップ材1の送出差を調節している。
なお、可動ヘルパーロールと固定ヘルパーロールとに交互に通板されたストリップ材1により、可動ヘルパーロールと固定ヘルパーロールとの間の距離を狭めようとする力が働く。このため、キャリッジを移動させない場合であっても、キャリッジの位置を保つためには、この力に釣り合うように、キャリッジモータによりキャリッジを持ち上げる方向に力を加えておくことが必要である。
スレーブ側ルーパ装置2aには、スレーブ側速度検出器12a、スレーブ側位置検出器13a及びスレーブ側張力計14aが備えられている。スレーブ側速度検出器12aは、スレーブ側キャリッジモータ11aの回転速度を検出し、その結果を検出信号として出力する。スレーブ側位置検出器13aは、スレーブ側キャリッジ7aの上下方向の位置を検出し、その結果を検出信号として出力する。スレーブ側張力計14aは、スレーブ側ルーパ装置2aへと入るストリップ材1の張力を検出し、その結果を検出信号として出力する。
また、同様に、マスター側ルーパ装置2bには、マスター側速度検出器12b、マスター側位置検出器13b及びマスター側張力計14bが備えられている。マスター側速度検出器12bは、マスター側キャリッジモータ11bの回転速度を検出し、その結果を検出信号として出力する。マスター側位置検出器13bは、マスター側キャリッジ7bの上下方向の位置を検出し、その結果を検出信号として出力する。マスター側張力計14bは、マスター側ルーパ装置2bから出るストリップ材1の張力を検出し、その結果を検出信号として出力する。なお、ストリップ材1の移動方向は、図1中の矢印Aで示す方向である。
さて、以上のように構成されたルーパ装置においては、以下に挙げるような各補償項目及び各制御項目を考慮しつつ、スレーブ側キャリッジモータ11a及びスレーブ側キャリッジモータ11a、並びに、スレーブ側ヘルパーロール駆動モータ6a及びマスター側ヘルパーロール駆動モータ6bのそれぞれを制御している。すなわち、その項目とは、ベンディングロス(ベンドロス)補償、慣性(GD2)補償、機械ロス(メカロス)補償、張力制御、及び、エレタイ制御である。
ベンディングロス(ベンドロス)補償とは、各ヘルパーロールにおいてストリップ材1を曲げることで生じる損失を補償するものである。慣性(GD2)補償とは、ルーパ装置を構成する各要素、具体的に主なものを挙げるとキャリッジ、各ヘルパーロール等、の慣性に抗してこれらの運転状態を変化させるために必要となる力を補償するものである。機械ロス(メカロス)補償とは、ルーパ装置を構成する各要素において例えば摩擦等により失われるエネルギーを補償するものである。
また、張力制御とは、ルーパ装置に通板されたストリップ材1の張力を所望のものとするために行う制御である。そして、エレタイ制御とは、スレーブ側キャリッジ7a及びマスター側キャリッジ7bの両者を物理的・機械的に接続するのではなく、両者の位置を検出する位置検出器の検出信号に基づく電気的な制御により、両者の位置を一致させるものである(図2)。
以下においては、これまで述べてきたように構成されたルーパ装置において、これらの各補償項目及び各制御項目を考慮したスレーブ側キャリッジモータ11a及びマスター側キャリッジモータ11bの制御を実現する構成について説明する。
図3は、ルーパ装置のキャリッジモータ制御系の構成の一例を模式的に示すものである。この図3において、例えばHMI等の上位装置20からは、マスター側キャリッジモータ11bの駆動制御における張力の基準となる張力基準が出力される。
上位装置20から出力された張力基準は、マスター側キャリッジモータ11bへと入力される。一方、スレーブ側キャリッジモータ11aについては、張力基準設定部40により設定されたスレーブ張力基準が入力される。また、張力基準設定部40からは、マスター側及びスレーブ側のそれぞれについて速度基準が出力される。
マスター側キャリッジモータ11bは、上位装置20から出力される張力基準と、張力基準設定部40から出力されるマスター側の速度基準とに従ってその回転駆動が2自由度制御される。これに対し、スレーブ側キャリッジモータ11aは、張力基準設定部40から出力されるスレーブ張力基準と、張力基準設定部40から出力されるスレーブ側の速度基準とに従ってその回転駆動が2自由度制御される。
ベンディングロス学習部30は、スレーブ側ルーパ装置2aで生じるベンディングロスの値を学習する手段である。ベンディングロス学習部30は、学習計算部31、記憶部32、ベンディングロス設定部33及び手動設定入力部34を備えている。
学習計算部31は、スレーブ側ルーパ装置2aを運転させた際に、スレーブ側ルーパ装置2aで生じるベンディングロスを計算する。このベンディングロスの計算は、ストリップ材1の鋼種、板厚及び幅、スレーブ側位置検出器13aにより検出されたスレーブ側キャリッジ7aの位置、並びに、スレーブ側張力計14aにより検出されたストリップ材1の張力に基づいて行われる。なお、この際に用いられるストリップ材1の鋼種、板厚及び幅の情報については、上位装置20から取得することができる。
学習計算部31によるベンディングロスの計算を行うために、スレーブ側ルーパ装置2aにおいて専用の運転(ベンディングロス学習運転)を実施するようにしてもよいし、スレーブ側ルーパ装置2aにおける通常運転時に、学習計算部31によるベンディングロスの計算を並行して行うようにしてもよい。
学習計算部31によるベンディングロスの計算結果は、記憶部32に記憶される。記憶部32においては、ストリップ材1の種類(鋼種、板厚及び幅)毎に関連付けた状態でベンディングロスの値が記憶される。
ベンディングロス設定部33は、スレーブ側ルーパ装置2aの通常運転時において、現在通板されているストリップ材1の種類(鋼種、板厚及び幅)についての情報を上位装置20から取得する。次に、ベンディングロス設定部33は、現在通板されているストリップ材1の種類に関連付けられたベンディングロスの値を記憶部32から取得する。そして、この取得した値を現在スレーブ側ルーパ装置2aにて生じているベンディングロスとして設定する。
張力基準設定部40は、このベンディングロス学習部30のベンディングロス設定部33により設定されたベンディングロスの値を用いて、スレーブ側キャリッジモータ11aに対するスレーブ張力基準を演算する。
なお、ベンディングロス学習部30には、張力基準設定部40でのスレーブ張力基準の演算に用いるベンディングロスの値を手動で設定するための手動設定入力部34が備えられている。例えば、何らかの事情でベンディングロス設定部33により自動的に設定されたベンディングロスの値が適切ではなかった場合等に、操作者が所望する値を入力してベンディングロスの値を手動で設定することができるようになっている。
また、ベンディングロス学習部30は、記憶部32に記憶されているベンディングロスの値をリセットすることにより、これまでの学習計算部31による学習結果をリセットすることができるようにもなっている。
ここで、ベンディングロスをストリップ材1が有する属性(鋼種、板厚及び幅)に対する関数で予め表現しておき、学習計算部31において関数中のパラメータを最適化するようにしてベンディングロスの学習計算を実施するようにしてもよい。すなわち、この場合、学習計算部31は、ストリップ材1の属性(鋼種、板厚及び幅)、スレーブ側キャリッジ7aの位置及びストリップ材1の張力に基づいて算出したベンディングロスの値と、当該ストリップ材1の属性とから、前記関数に含まれる各パラメータを既存の手法(例えば最小二乗法等)を用いて最適化していく。
そして、記憶部32は学習計算部31により最適化された前記関数の各パラメータの値を記憶する。このような関数のパラメータを学習する方法によれば、スレーブ側ルーパ装置2aで処理されるストリップ材1の種類が多くなっても関数のパラメータのみを記憶部32に記憶すればよいため、必要な記憶部32の容量を小さくすることができる。
これに対し、前述した記憶部32に学習したベンディングロスの値を直接記憶部32に記憶する方法は、特にスレーブ側ルーパ装置2aで処理されるストリップ材1の種類が少ない場合に好適である。
図4に、張力基準設定部40の内部詳細を示す。学習制御張力設定計算部41は、ベンディングロス学習部30から入力されたベンディングロスの値に基づいて、エレタイ張力基準値42を算出する。このエレタイ張力基準値42は、スレーブ側キャリッジ7aのエレタイ制御の基準となる張力値である。また、総張力計算部43は、エレタイ張力基準値42に基づいて、スレーブ側ルーパ装置2aにおけるストリップ材1の総張力を算出する。
キャリッジ位置偏差44は、スレーブ側位置検出器13aにより検出されたスレーブ側キャリッジ7aの位置と、マスター側位置検出器13bにより検出されたマスター側キャリッジ7bの位置との偏差である。張力計検出値45は、スレーブ側張力計14a及びマスター側張力計14bの2つの張力計による検出値である。
ストリップ材重量46は、ルーパ装置に通板されるストリップ材1の重量である。このストリップ材重量46は、ストリップ材1の厚さt、組性(鋼種)n及び幅wから算出される。キャリッジ重量とカウンターウエイト重量の差47は、スレーブ側キャリッジ7aの重量とスレーブ側カウンターウエイト10aの重量との差であって、設計仕様に基づいて予め算出しておくことができる。
ストリップ材入側速度48は、スレーブ側ルーパ装置2aに入っていくストリップ材1の速度である。また、ストリップ材出側速度49は、マスター側ルーパ装置2bから出てくるストリップ材1の速度である。
キャリッジ速度フィードバック50は、スレーブ側速度検出器12aにより検出されたスレーブ側キャリッジモータ11aの回転速度、及び、マスター側速度検出器12bにより検出されたマスター側キャリッジモータ11bの回転速度である。
メカロス補償51は、スレーブ側キャリッジ7aに係る機械ロスを補償するためのものである。慣性補償52は、スレーブ側キャリッジ7aの運転状態を変化させるために必要な力を補償するためのものである。これらのメカロス補償51及び慣性補償52は、いずれもルーパ装置の設計仕様に基づいて予め算出しておくことができる。
キャリッジ速度偏差53は、スレーブ側速度検出器12aにより検出されたスレーブ側キャリッジモータ11aの回転速度と、マスター側速度検出器12bにより検出されたマスター側キャリッジモータ11bの回転速度との偏差である。
張力基準設定部40においては、エレタイ張力基準値42とキャリッジ位置偏差44が加算され、この加算された結果から張力計検出値45が減算される。そして、この減算された結果と総張力計算部43により算出されたストリップ材1の総張力とが加算される。
また、張力基準設定部40においては、ストリップ材入側速度48からストリップ材出側速度49が減算され、ストリップ材1の速度の変化分が算出される。次に、キャリッジ速度フィードバック50から、このストリップ材1の速度の変化分が減算される。続いて、この減算結果に、メカロス補償51及び慣性補償52が加算される。そして、この加算結果に対して、ストリップ材重量46とキャリッジ重量とカウンターウエイト重量の差47との加算結果が、さらに加算される。
この加算結果に対して、前述したようにしてエレタイ張力基準値42に、総張力計算部43による計算結果、キャリッジ位置偏差44、張力計検出値45を加算あるいは減算して得られた演算結果がさらに加算されたものが、張力基準設定部40の備える換算部54へと入力される。そして、この換算部54において必要な換算が施された結果が、スレーブ張力基準として張力基準設定部40から出力される。
また、張力基準設定部40においては、ストリップ材1の速度の変化分に対してキャリッジ速度偏差53を加算した結果に基づいて、スレーブ側及びマスター側それぞれの速度基準が算出される。これらの速度基準についても、張力基準設定部から出力される。なお、これらの速度基準の算出においては、さらにメカロス補償51を考慮するようにしてもよい。
なお、以上で説明した図3のキャリッジモータ制御系では、張力基準設定部40は、スレーブ側キャリッジモータ11aへのスレーブ張力基準を設定する際に、上位装置20から出力される張力基準は用いていなかった。
これに対し、図5に示すキャリッジモータ制御系の構成の他の例は、張力基準設定部40において、上位装置20から出力される張力基準をもとにして、スレーブ側キャリッジモータ11aへのスレーブ張力基準を設定するようにしたものである。
すなわち、図5においては、張力基準設定部40は、ベンディングロス学習部30のベンディングロス設定部33により設定されたベンディングロスの値を用いて、上位装置20から出力された張力基準の値を補正することにより、スレーブ側キャリッジモータ11aに対するスレーブ張力基準を演算する。
そして、張力基準設定部40が備える学習制御張力設定計算部41は、上位装置20から入力された張力基準と、ベンディングロス学習部30から入力されたベンディングロスとに基づいて、エレタイ張力基準値42を算出する。なお、その他の構成は既に説明した図1〜図4の構成と同様であるため、その説明は省略する。
以上のように構成されたルーパ装置の制御装置は、上下移動可能に設けられキャリッジモータにより上下移動が駆動されるキャリッジと、前記キャリッジに設けられ当該キャリッジとともに昇降する可動ヘルパーロールと、回転軸が固定され前記可動ヘルパーロールとの間に処理材料を巻き掛ける複数の固定ヘルパーロールと、前記複数の固定ヘルパーロールの一部又は全部を回転駆動する駆動モータと、をそれぞれに有する第1のルーパ装置(スレーブ側ルーパ装置)及び第2のルーパ装置(マスター側ルーパ装置)を制御するものである。
加えて、第1のルーパ装置のキャリッジモータへの第1の張力基準を出力する張力基準設定部と、第2のルーパ装置のキャリッジモータへの第2の張力基準を出力する上位装置と、第1のルーパ装置で生じるベンディングロスを学習するベンディングロス学習部と、さらに設けている。
そして、張力基準設定部は、ベンディングロス学習部により学習されたベンディングロスに基づいて、第1のルーパ装置及び第2のルーパ装置の両者のキャリッジの上下位置を同期させるエレタイ制御の基準となるエレタイ張力基準値を算出し、少なくともこのエレタイ張力基準値と位置検出器により検出された前記両者のキャリッジの上下位置の偏差とを用いて第1の張力基準を演算する。
このようにして、ストリップ材の属性(板厚、板幅、鋼種)のフィードバックに基づいて、当該ストリップ材ベンディングロスを予め学習し、この学習したベンディングロスを用いてスレーブ側ルーパ装置に対する張力基準を演算することで、ストリップ材の属性(板厚、板幅、鋼種)変化に対するベンディングロス補償の応答性を向上させることができる。
そして、ベンディングロス補償の応答性を向上させることで、キャリッジの位置制御補正の応答性を改善して位置制御を安定させることができ、ルーパ装置内での張力変動を抑制して安定操業に寄与し、ひいては製品の品質を向上させることができる。
また、さらに、ベンディングロス学習部は、第1のルーパ装置で生じるベンディングロスを学習計算する学習計算部と、学習計算部で学習計算されたベンディングロスを、処理材料(ストリップ材)の属性(板厚、板幅、鋼種)に関連付けて記憶する記憶部と、上位装置から得られる処理材料の属性に関連付けられたベンディングロスを記憶部から取得し、この取得したベンディングロスを張力基準設定部での第1の張力基準の演算に用いられるベンディングロスとして設定するベンディングロス設定部と、を備えている。
このため、次にルーパ装置内に入ってくるストリップ材の属性を上位装置から取得し、ルーパ装置内に入ってくるストリップ材の属性の変化に対して即座に当該ストリップ材の属性に合わせたベンディングロスを用いてキャリッジ位置制御を実施することができる。すなわち、ルーパ装置内に入ってくるストリップ材の属性に合わせてキャリッジ位置をフィードフォワード制御することができ、キャリッジの位置制御補正の応答性をさらに向上させることができる。
また、ストリップ材の属性変化に対するキャリッジの位置制御を、プロセス部に近いマスター側ルーパ装置ではなくプロセス部から遠いスレーブ側のルーパ装置で行うようにすることで、キャリッジの位置制御実施時にルーパ装置内で発生する張力変動がプロセス部まで伝播することを防止し、より安定した操業に寄与することができる。
1 ストリップ材
2a スレーブ側ルーパ装置
3a スレーブ側可動ヘルパーロール
4a スレーブ側非駆動ヘルパーロール
5a スレーブ側駆動ヘルパーロール
6a スレーブ側ヘルパーロール駆動モータ
7a スレーブ側キャリッジ
8a スレーブ側ワイヤ
9a スレーブ側ドラム
10a スレーブ側カウンターウエイト
11a スレーブ側キャリッジモータ
12a スレーブ側速度検出器
13a スレーブ側位置検出器
14a スレーブ側張力計
2b マスター側ルーパ装置
3b マスター側可動ヘルパーロール
4b マスター側非駆動ヘルパーロール
5b マスター側駆動ヘルパーロール
6b マスター側ヘルパーロール駆動モータ
7b マスター側キャリッジ
8b マスター側ワイヤ
9b マスター側ドラム
10b マスター側カウンターウエイト
11b マスター側キャリッジモータ
12b マスター側速度検出器
13b マスター側位置検出器
14b マスター側張力計
20 上位装置
30 ベンディングロス学習部
31 学習計算部
32 記憶部
33 ベンディングロス設定部
34 手動設定入力部
40 張力基準設定部
41 学習制御張力設定計算部
42 エレタイ張力基準値
43 総張力計算部
44 キャリッジ位置偏差
45 張力計検出値
46 ストリップ材重量
47 キャリッジ重量とカウンターウエイト重量の差
48 ストリップ材入側速度
49 ストリップ材出側速度
50 キャリッジ速度フィードバック
51 メカロス補償
52 慣性補償
53 キャリッジ速度偏差
54 換算部

Claims (4)

  1. 上下移動可能に設けられキャリッジモータにより上下移動が駆動されるキャリッジと、前記キャリッジに設けられ当該キャリッジとともに昇降する可動ヘルパーロールと、回転軸が固定され前記可動ヘルパーロールとの間に処理材料を巻き掛ける複数の固定ヘルパーロールと、前記複数の固定ヘルパーロールの一部又は全部を回転駆動する駆動モータと、をそれぞれに有する第1のルーパ装置及び第2のルーパ装置と、
    前記キャリッジの上下位置を検出する位置検出器と、
    前記第1のルーパ装置の前記キャリッジモータへの第1の張力基準を出力する張力基準設定部と、
    前記第2のルーパ装置の前記キャリッジモータへの第2の張力基準を出力する上位装置と、
    前記第1のルーパ装置で生じるベンディングロスを学習するベンディングロス学習部と、を備え、
    前記張力基準設定部は、
    前記ベンディングロス学習部により学習されたベンディングロスに基づいて、前記第1のルーパ装置及び前記第2のルーパ装置の両者の前記キャリッジの上下位置を同期させるエレタイ制御の基準となるエレタイ張力基準値を算出し、
    少なくとも前記エレタイ張力基準値と前記位置検出器により検出された前記両者の前記キャリッジの上下位置の偏差とを用いて前記第1の張力基準を演算することを特徴とするルーパ装置の制御装置。
  2. 前記ベンディングロス学習部は、
    前記第1のルーパ装置で生じるベンディングロスを学習計算する学習計算部と、
    前記学習計算部で学習計算されたベンディングロスを、前記処理材料の属性に関連付けて記憶する記憶部と、
    前記上位装置から前記処理材料の属性を取得し、この取得した前記処理材料の属性に関連付けられたベンディングロスを前記記憶部から取得し、この取得したベンディングロスを前記張力基準設定部での前記第1の張力基準の演算に用いられるベンディングロスとして設定するベンディングロス設定部と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載のルーパ装置の制御装置。
  3. 前記張力基準設定部は、前記第2の張力基準と前記ベンディングロス学習部により学習されたベンディングロスとに基づいて、前記エレタイ張力基準値を算出することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のルーパ装置の制御装置。
  4. 前記第2のルーパ装置は、前記第1のルーパ装置よりもプロセス部側に配設されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のルーパ装置の制御装置。
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