以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
実施の形態1.
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図である。なお、以下の実施の形態では、パチンコ遊技機を例に説明を行うが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、スロット機などの他の遊技機に適用することもできる。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、動画像や静止画像を用いて各種遊技演出を表示する演出表示装置9が配置されている。この実施の形態では、演出表示装置9は液晶表示装置(LCD)により構成され、大当りとなったときに大当りの開始を報知するためのファンファーレ演出や、大当り中のラウンド数などを表示するラウンド中演出、大当りの終了を報知するためのエンディング演出などが実行される。
なお、所定の始動条件の成立(例えば、打球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したこと)にもとづいて、演出表示装置9において、特別図柄の可変表示に同期して各々を識別可能な複数種類の演出用の飾り図柄を可変表示し表示結果を導出表示するようにしてもよい。この場合、演出表示装置9を、左・中・右の3つの表示領域(飾り図柄表示エリア)に飾り図柄が表示制御されるように構成してもよい。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄の変動表示を開始してから所定の変動時間が経過したときに図柄を停止表示させることである(いわゆる再変動の前の仮停止を除く。)。また、演出表示装置9において飾り図柄の可変表示を行なう場合、演出表示装置9の3つの表示領域に表示される飾り図柄として、「0」〜「9」の数字の図柄を用いてもよい。そして、飾り図柄の可変表示(変動)中、「0」〜「9」の飾り図柄が番号順に表示されるようにしてもよい。
演出表示装置9の右方には、識別情報としての特別図柄を可変表示する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8が設けられている。この実施の形態では、特別図柄表示器8は、例えば「0」〜「9」の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。なお、特別図柄表示器8は、0〜99など、より多種類の数字を可変表示するように構成されていてもよい。
この実施の形態では、特別図柄表示器8には、特別図柄の可変表示の表示結果として常に大当り図柄(例えば「0」以外の「1」〜「9」の図柄)が導出表示される。なお、常に大当り図柄が導出表示されるようにするのではなく、ほぼ大当り図柄が導出表示される(極めて高確率で(例えば、80パーセント以上、好ましくは90パーセント以上の確率で)大当り図柄が導出表示される)ようにしてもよい。
演出表示装置9は、大当り遊技の実行期間中に、ファンファーレ演出やラウンド演出、エンディング演出などの演出表示を行う。大当り遊技中の演出を行う演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示器8は、遊技制御基板に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。
特別図柄表示器8の上部には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数を表示する4つの表示器からなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。また、有効始動入賞がある毎に、1つの表示器の表示色を変化させる。そして、特別図柄表示器8の可変表示が開始される毎に、1つの表示器の表示色をもとに戻す。この例では、特別図柄表示器8と特別図柄保留記憶表示器18とが別個に設けられているので、可変表示中も保留記憶数が表示された状態にすることができる。なお、演出表示装置9の表示領域内に、保留記憶数を表示する4つの表示領域からなる特別図柄保留記憶表示領域を設けるようにしてもよい。また、この実施の形態では、保留記憶数の上限値を4とするが、上限値をより大きい値にしてもよい。さらに、上限値を、遊技状態に応じて変更可能であるようにしてもよい。
演出表示装置9の左下方には、遊技球が進入可能な進入口33が設けられている。また、演出表示装置9の下方には、遊技球が進入可能な3つの開口13,85A,85Bを含む皿状の役物(クルーン)86が設けられている。進入口33に進入した遊技球は、遊技盤6の背面に設けられている経路部材87を通って役物86に導かれる。
また、役物86に設けられた3つの開口13,85A,85Bのうち開口13は、第1始動入賞口を形成している。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。この実施の形態では、特別図柄表示器8には特別図柄の可変表示の表示結果として常に大当り図柄が導出表示されるので、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しさえすれば常に大当りとなる。
なお、役物86に設けられた各開口のうちの2つの開口85A,85Bは排出口を形成している。すなわち、遊技球が進入口33に進入して役物86に導かれたとしても、排出口85A,85Bから排出された場合にははずれとなる。なお、排出口85A,85Bを通過した遊技球は再び遊技領域に戻されるようになっている。
演出表示装置9の右下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14が設けられている。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。また、第2始動入賞口14には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16(図1では図示せず)によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)または入賞可能な状態となり(始動入賞可能となり)、遊技者にとって有利な状態になる。また、可変入賞球装置15が閉状態となることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞しにくいまたは入賞不可能となり、遊技者にとって不利な状態になる。
この実施の形態では、一度大当りが発生すると、その大当り遊技終了後に所定回数(例えば200回)の特別図柄の可変表示を終了するまで、特別図柄の変動時間を短縮する時短状態に移行するように制御される。この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、可変入賞球装置15が開状態となる頻度(開放回数や開放時間)が極めて少なく、閉状態においては第2始動入賞口14は入賞しにくいまたは入賞不可能となっているため、第1始動入賞口13に比べて第2始動入賞口14には始動入賞しにくい。従って、遊技者は、第1始動入賞口13を狙って遊技を行うことになる。一方、遊技状態が時短状態である場合には、可変入賞球装置15が開状態となる頻度(開放回数や開放時間)が多くなり、第1始動入賞口13に比べて第2始動入賞口14への始動入賞がし易くなるので、遊技者は、第2始動入賞口14を狙って遊技を行うことになる。
なお、この実施の形態では、第1始動入賞口13が演出表示装置9の下方に配置されたクルーン86内に設けられ、第2始動入賞口14が演出表示装置9の右下方に設けられている場合を示しているが、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14との配置は、この実施の形態で示したものに限られず、いかなる配置であってもよい。ただし、好ましくは、遊技者が第1始動入賞口13を狙って遊技球を発射操作している場合には第2始動入賞口14には遊技球が入らないように配置され、遊技者が第2始動入賞口14を狙って遊技球を発射操作している場合には第1始動入賞口13には遊技球が入らないように配置されていることが好ましい。この実施の形態では、遊技者が第1始動入賞口13を狙って遊技球を発射操作しているときには、遊技領域左方の進入口33を狙って発射操作を行うのであるから、遊技領域の右方に配置されている第2始動入賞口14には入賞しないまたは極めて入賞しにくい。また、遊技者が第2始動入賞口14を狙って遊技球を発射操作しているときには、遊技領域右方を狙って発射操作を行うのであるから、遊技領域の左方に配置されている進入口33には遊技球が進入しずらく、第1始動入賞口13には入賞しないまたは極めて入賞しにくい。
また、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞する際に進入口33を通ってさらに第1始動入賞口13に入賞しなければならないのであるから、第1始動入賞口13に連続して始動入賞することは稀である。また、可変入賞球装置15の開放回数や開放時間もある程度限られているとともに、遊技球が1球入賞すると可変入賞球装置15の開放を終了するように制御するため、第2始動入賞口14に連続して始動入賞することも稀である。そのため、この実施の形態では、保留記憶が複数溜まることは稀であり(全くないわけではない)、特別図柄保留記憶表示器18に2以上の保留記憶数が表示されることは稀である。
なお、この実施の形態では、一度大当りが発生した後に所定回数(例えば200回)の特別図柄の可変表示を終了したときには、その所定回数目の特別図柄の可変表示に対して開始した大当り遊技状態を終了しても時短状態に移行しないように制御する。以下、このことを時短リミッタにかかったとも表現し、所定回数(例えば200回)を時短リミット値とも表現する。
第2始動入賞口14の下方には、特別図柄表示器8に特定表示結果(大当り図柄:例えば「0」以外の「1」〜「9」の図柄)が導出表示された場合に生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開状態とされる特別可変入賞装置が設けられている。特別可変入賞装置は、開閉板20を備え、大入賞口を形成する。大入賞口に入った遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
演出表示装置9の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。遊技領域7に設けられているゲート32を遊技球が通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10において普通図柄(この例では、7セグメントLEDでの数字表示)の可変表示が開始される。この実施の形態では、当りの場合には可変表示の終了時に「7」が停止表示され、はずれの場合には「7」以外が停止表示される。当りの場合には、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。なお、普通図柄の当り確率は、例えば12/13である。普通図柄表示器10の上方には、ゲート32を通過した通過球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32の通過がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6には、複数の入賞口29,30が設けられ、遊技球の入賞口29,30への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30aによって検出される。各入賞口29,30は、遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、第1始動入賞口13や第2始動入賞口14、大入賞口も、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプが設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
また、パチンコ遊技機1には、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニットが隣接して設置されている(図示せず)。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入り第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aで検出されると、特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了または前回の可変表示の終了)、特別図柄表示器8において特別図柄の可変表示(変動)が開始される。特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、特別図柄保留記憶表示器18についての保留記憶数を1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の停止図柄が大当り図柄(特定表示結果)になると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、遊技状態が大当り遊技状態以外の通常状態のときと比較して遊技者にとって有利な特定遊技状態に移行する。特定遊技状態(大当り遊技状態)では、一定時間(例えば29秒)が経過するまで、または、所定個数(例えば1個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで特別可変入賞装置が開放される。なお、特別可変入賞装置が開放されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(例えば1個)の打球が大入賞口に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。なお、この実施の形態では、大当り遊技状態を2ラウンドまたは5ラウンド継続させる。
この実施の形態では、大当り遊技状態を終了すると、特別図柄の可変表示を所定回数(例えば200回)終了するまで、遊技状態が時短状態に移行される。また、この実施の形態では、遊技状態が時短状態である場合には、特別図柄の変動時間を短縮するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示装置8における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態(始動入賞有利状態)に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる回数が増やされ、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される特別図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。特別図柄時短状態では、特別図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、結果として、始動入賞しやすくなり(高ベース状態に移行し)大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
図2は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、遊技機に搭載されている払出制御基板37、インタフェース基板66、中継基板77および演出制御基板80も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路(遊技制御手段に相当)53と、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30aからの信号を基本回路53に与える入力ドライバ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16および特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を基本回路53からの指令に従って駆動する出力回路59とが搭載されている。
なお、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、遊技球を検出できる遊技媒体検出手段(この例では遊技球検出手段)であれば、その名称を問わない。入賞検出を行う第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30aの各スイッチは、入賞領域への遊技球の入賞を検出する入賞検出手段でもある。なお、ゲート32のような通過ゲートであっても、賞球の払い出しが行われるものであれば、通過ゲートへ遊技球が進入することが入賞になり、通過ゲートに設けられているスイッチ(例えばゲートスイッチ32a)が入賞検出手段になる。さらに、この実施の形態では、大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。よって、大入賞口に入賞した遊技球数は、カウントスイッチ23による検出数に相当する。
基本回路53は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する変動データ記憶手段)としてのRAM55、およびプログラムに従って制御動作を行うCPU56を有する遊技制御用マイクロコンピュータ560を含む。なお、この実施の形態では、CPU56とは、基本回路53のうち、プログラムに従って動作する中央処理装置(ROM54やRAM55などの記憶手段、I/Oポート部57などを除いた部分)を指し、後述するメイン処理や割込処理(タイマ割込処理)を実行する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560とは、基本回路53のうち、CPU56に加えて、ROM54やRAM55などの記憶手段、I/Oポート部57などを含む部分を指し、各基板(払出制御基板37や演出制御基板80)が搭載するマイクロコンピュータと各種データの送受信を行う。
この実施の形態では、ROM54、ワークメモリとしての記憶手段であるRAM55およびI/Oポート部57は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。また、遊技制御手段は、遊技制御用マイクロコンピュータ560を含む基本回路53で実現されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560のリセット端子には、電源基板910からのリセット信号が入力される。また、払出制御用マイクロコンピュータのリセット端子にも、電源基板910からのリセット信号が入力される。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御用マイクロコンピュータは動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御用マイクロコンピュータは動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御用マイクロコンピュータの動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御用マイクロコンピュータの動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの制御基板(主基板31を含む)に搭載してもよいし、複数の制御基板のうちの一つまたは複数にリセット回路を搭載し、そこからリセット信号を他の制御基板に供給するようにしてもよい。
さらに、基本回路53の入力ポートには、払出制御基板37を経由して、電源基板910からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。また、基本回路53の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力される。
クリア信号は、主基板31において分岐され、払出制御基板37にも供給される。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560が入力ポートを介して入力したクリア信号の状態を、出力ポートを介して払出制御基板37に出力してもよい。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、演出表示装置9の表示制御や、スピーカ(音出力装置)27の音出力制御、各ランプ28a,28b,28cの表示制御等を行う。また、この実施の形態では、「演出制御」とは、演出表示装置9の表示制御や、スピーカ27の音出力制御、各ランプ28a,28b,28cの表示制御を行うことによって、遊技演出などの演出を行うことをいう。また、この実施の形態では、演出制御手段は、演出表示装置9の表示制御、スピーカ27の音出力制御、および各ランプ28a,28b,28cの表示制御を行う演出制御用マイクロコンピュータ100によって実現される。
図3は、中継基板77および演出制御基板80の回路構成例を示すブロック図である。なお、この実施の形態では、1つの制御基板(演出制御基板80)を用いて、演出表示装置9の表示制御や、音出力装置27の音出力制御、各ランプ28a,28b,28cの表示制御を行う場合を説明するが、複数の制御基板を用いて行ってもよい。例えば、演出制御に関して演出制御基板80に加えて、各ランプを制御するランプドライバ基板や、音出力装置を制御する音出力基板を設けてもよい。なお、この場合、演出制御手段は、演出制御用マイクロコンピュータ100に加えて、ランプドライバ基板および音出力基板に搭載される制御用マイクロコンピュータや制御回路によって実現される。また、この実施の形態では、表示制御手段は、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100によって実現される。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からのストローブ信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に、LCDを用いた演出表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ランプドライバ352に対してランプを駆動する信号を出力する。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプに供給する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、音声合成用IC173に対して音番号データを出力する。音声合成用IC173は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路175に出力する。増幅回路175は、音声合成用IC173の出力レベルを、ボリューム176で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM174には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば、ファンファーレ演出やラウンド中演出、エンディング演出の演出期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、ランプを駆動する信号および音番号データは、演出制御用マイクロコンピュータ100とランプドライバ352および音声合成IC173との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100から入力されたデータにもとづいて演出表示装置9の表示制御を実行する。
この実施の形態では、演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
図4は、この実施の形態の遊技機の遊技の進み方の一例を示す説明図である。図4に示すように、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aの検出信号がオン状態になると、すなわち始動入賞が生ずると、遊技の進行を制御する遊技制御手段によって特別図柄の可変表示の表示結果の抽選が実行される。この実施の形態では、抽選の結果は、常に大当りであって、はずれはない。なお、遊技状態が通常状態である場合には第1始動入賞口13に比べて第2始動入賞口14は極めて始動入賞しにくいので、遊技者は、まず、第1始動入賞口13への始動入賞を狙って、遊技盤6の左方に遊技球が発射されるように打球操作ハンドル5を操作することになる。したがって、図4に示す例では、まず、第1始動入賞口13に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ13aの検出信号がオン状態となり、遊技制御手段によって特別図柄の可変表示の表示結果が100パーセントの確率で大当りと決定された場合を説明する。
次いで、特別図柄の変動(可変表示)が開始される。この実施の形態では常に大当りに決定されているので、特別図柄の変動が終了すると、遊技状態が大当り遊技状態に移行される。この実施の形態では、大当り遊技状態として、特別図柄の停止図柄に応じて、大当り1遊技状態または大当り2遊技状態のいずれかに移行される。なお、この実施の形態では、大当り2遊技状態と比較して極めて高い確率で(例えば90パーセントの確率で)大当り1遊技状態に移行される。
大当り1遊技状態では、開閉板16による大入賞口が2回(2ラウンド、1ラウンドの開放許容時間は29秒)開閉制御される。また、大当り2遊技状態では、開閉板16による大入賞口が5回(5ラウンド、1ラウンドの開放許容時間は29秒)開放制御される。なお、この実施の形態では、大当り遊技状態におけるラウンド数は2または5で一定あるが、ラウンド数(例えば、2ラウンド、5ラウンド、10ラウンドのいずれか)を抽選等によって決定するようにしてもよい。
大当り遊技状態を終了すると、遊技状態が時短状態に移行される。遊技状態が時短状態である場合には第1始動入賞口13に比べて第2始動入賞口14の方が入賞しやすくなるので、遊技者は、ゲート32への遊技球の通過および第2始動入賞口14への始動入賞を狙って、遊技盤6の右方に遊技球が発射されるように打球操作ハンドル5を操作することになる。
ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aの検出信号がオン状態になると、遊技制御手段によって普通図柄の可変表示の表示結果の抽選が実行される。そして、普通図柄の変動(可変表示)が開始される。普通図柄の変動が終了すると、普通図柄の可変表示の表示結果が当りに決定されている場合には、遊技状態が時短状態であるときには可変入賞球装置15が3回(開放時間はそれぞれ1.2秒)開放制御される。可変入賞球装置15が開放制御されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞がし易くなりまたは始動入賞可能となる。
第2始動入賞口14に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ14aの検出信号がオン状態となると、すなわち始動入賞が生ずると、遊技制御手段によって特別図柄の可変表示の表示結果の抽選が実行され、100パーセントの確率で大当りと決定される。次いで、特別図柄の変動(可変表示)が開始され、特別図柄の変動が終了すると、遊技状態が大当り遊技状態に移行される。そして、大当り遊技状態を終了すると、遊技状態が時短状態に移行される。
この実施の形態では、例えば、一度大当りが発生すると、特別図柄の可変表示が200回終了するまで(すなわち、時短リミッタにかかるまで)、繰り返し大当り遊技終了後に遊技状態が時短状態に移行される。なお、この実施の形態では、1回の大当り遊技状態においてラウンド数が2回(ただし、大当り2遊技状態の場合には5回)と少なく1ラウンド中に許容される大入賞口への入賞数も1回に限られているので、大入賞口への1回の入賞で払い出される賞球数が6個であるとすると、1回の大当り遊技中に得られる賞球数は6×2×1=12個(大当り1遊技状態の場合)と少ない。しかし、大当り遊技終了後に時短状態に移行されるので、第2始動入賞口14への始動入賞がしやすくなり、所定期間以内に再び大当りが得られる期待が大きくなる。そのため、一度大当りが発生した後に特別図柄の可変表示が200回終了するまで(すなわち、時短リミッタにかかるまでの間)、結果としてトータルで6×2×1×200=2400個(200回とも大当り1遊技状態に移行された場合)程度の賞球が得られることになる。なお、通常状態において、第1始動入賞口13に遊技球が入球するのは平均して遊技者によって打ち込まれた遊技球約3000球に1球程度になっており、クルーン86は3つの穴に約1/3で均等に振分ける構造となっているので、進入口33に遊技球が進入するのは約1000球に1球程度になっている。
なお、この実施の形態では、遊技球を振分けるためにクルーン86を用いる場合を示しているが、同様の入賞率(例えば、約3000球に1球程度)となる構造であれば、クルーン86以外を用いて第1始動入賞口13を含む各入賞口を構成するようにしてもよい。
この実施の形態では、1回の大当りで2000個以上の賞球が得られるようにするのではなく、1回の大当りで得られる賞球数を少なくする代わりに複数回連続して大当りとなりやすくすることによって、遊技者に対して長時間にわたって遊技に対する興趣を維持させることができる。例えば、1回の大当りで一気に2000個以上の賞球が得られるようにする場合には、大当り遊技を終了した後に次の大当りが得られるまで時間を要することから、一度大当り遊技を終了してしまうと遊技中に遊技に対する興趣が減退してしまうおそれがある。この実施の形態では、一度大当りが発生すると複数回連続して大当りが発生しやすいのであるから、遊技者に対して長期間にわたって遊技に対する興趣を維持させることができる。ただし、この実施の形態では、特別図柄の可変表示を200回終了した後にさらに大当り遊技状態を終了したときには(すなわち、時短リミッタにかかった場合には)、遊技状態を時短状態に移行しないように制御する。そのため、特別図柄の可変表示を200回終了した後には時短状態に比べて始動入賞しにくい通常状態に戻るので、適度な射幸性が確保される。
次に遊技機の動作について説明する。図5および図6は、遊技機に対して電力供給が開始され遊技制御用マイクロコンピュータ560へのリセット信号がハイレベルになったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56が実行するメイン処理を示すフローチャートである。リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、マスク可能割込の割込モードを設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。なお、ステップS2では、遊技制御用マイクロコンピュータ560の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードに設定する。また、マスク可能な割込が発生すると、CPU56は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
次いで、内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行う(ステップS4)。ステップS4の処理によって、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の設定(初期化)がなされる。
この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータ560は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)504も内蔵している。
次に、入力ポート1のビット0の状態によって電源断信号がオフ状態になっているか否か確認する(ステップS5)。遊技機に対する電力供給が開始されたときに、+5V電源などの各種電源の出力電圧は徐々に規定値に達するのであるが、ステップS5の処理によって、すなわち、電源断信号が出力されていない(ハイレベルになっている)ことを確認することによりCPU56は電源電圧が安定したことを確認することができる。
電源断信号がオン状態である場合には、CPU56は、所定期間(例えば、0.1秒)の遅延時間の後に(ステップS80)、再度、電源断信号がオフ状態になっているか否か確認する。電源断信号がオフ状態になっている場合には、RAM55をアクセス可能状態に設定し(ステップS6)、クリア信号のチェック処理に移行する。
なお、電源断信号がオフ状態である場合に、遊技の進行を制御する遊技装置制御処理(遊技制御処理)の開始タイミングをソフトウェアで遅らせるためのソフトウェア遅延処理を実行するようにしてもよい。そのようなソフトウェア遅延処理によって、ソフトウェア遅延処理を実行しない場合に比べて、遊技制御処理の開始タイミングを遅延させることができる。遅延処理を実行したときには、他の制御基板(例えば、払出制御基板37)に対して、遊技制御基板(主基板31)が送信するコマンドを他の制御基板のマイクロコンピュータが受信できないという状況が発生することを防止できる。
次いで、CPU56は、クリアスイッチがオンされているか否か確認する(ステップS7)。なお、CPU56は、入力ポート0を介して1回だけクリア信号の状態を確認するようにしてもよいが、複数回クリア信号の状態を確認するようにしてもよい。例えば、クリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間(例えば、0.1秒)の遅延時間をおいた後、クリア信号の状態を再確認する。そのときにクリア信号の状態がオン状態であることを確認したら、クリア信号がオン状態になっていると判定する。また、このときにクリア信号の状態がオフ状態であることを確認したら、所定時間の遅延時間をおいた後、再度、クリア信号の状態を再確認するようにしてもよい。ここで、再確認の回数は、1回または2回に限られず、3回以上であってもよい。また、2回チェックして、チェック結果が一致していなかったときにもう一度確認するようにしてもよい。
ステップS7でクリアスイッチがオンでない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS8)。この実施の形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行われている。そのような電力供給停止時処理が行われていたことを確認した場合には、CPU56は、電力供給停止時処理が行われた、すなわち電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定する。電力供給停止時処理が行われていないことを確認した場合には、CPU56は初期化処理を実行する。
電力供給停止時処理が行われていたか否かは、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、電力供給停止時処理を実行したことに応じた値(例えば2)になっているか否かによって確認される。なお、そのような確認の仕方は一例であって、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップフラグ領域に電力供給停止時処理を実行したことを示すフラグをセットし、ステップS8において、そのフラグがセットされていることを確認したら電力供給停止時処理が行われたと判定してもよい。
電力供給停止時の制御状態が保存されていると判定したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。この実施の形態では、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象になるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、CPU56は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムにする。
電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。ステップS9では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっている可能性があることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(ステップS10〜S14の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS91)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS92)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS91およびS92の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグや時短回数カウンタなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS93)、ステップS15に移行する。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータをそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、時短回数カウンタなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグやカウンタに初期値が設定される。なお、この実施の形態では、時短回数カウンタには初期値として時短リミッタ値200がセットされる。また、出力ポートバッファにおける接続確認信号を出力する出力ポートに対応するビットがセット(接続確認信号のオン状態に対応)される。
また、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、演出表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンドや払出制御基板37への初期化コマンド等を使用することができる。
そして、CPU56は、所定時間(例えば2ms)ごとに定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なうタイマ割込設定処理を実行する(ステップS15)。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2msごとに定期的にタイマ割込がかかるとする。
タイマ割込の設定が完了すると、CPU56は、表示図柄乱数更新処理(ステップS17)および初期値決定用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。CPU56は、表示図柄乱数更新処理および初期値決定用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして(ステップS16)、表示図柄乱数更新処理および初期値決定用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする(ステップS19)。
なお、表示図柄乱数とは、特別図柄表示器8の表示を決定するための乱数である。この実施の形態では、表示図柄乱数として、特別図柄の変動パターンを決定するための変動パターン決定用乱数などが用いられる。また、表示図柄乱数更新処理とは、表示図柄乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。
また、初期値決定用乱数更新処理とは、初期値決定用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値決定用乱数とは、大当りの種類を決定するための判定用乱数(例えば、大当りを発生させる特別図柄を決定するための大当り図柄決定用乱数や、普通図柄にもとづく当りを発生させるか否かを決定するための普通図柄当たり判定用乱数)を発生するためのカウンタ(判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータが、遊技機に設けられている演出表示装置9、可変入賞球装置15、球払出装置97等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、判定用乱数発生カウンタのカウント値が1周すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、表示図柄乱数更新処理および初期値決定用乱数更新処理が実行されるときに割込禁止状態にされるのは、表示図柄乱数更新処理および初期値決定用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行される(すなわち、タイマ割込処理のステップS25,S26でも同じ処理が実行される)ことから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS17,S18の処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で表示図柄乱数や初期値決定用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS17,S18の処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
以上のように、遊技店員等は、クリアスイッチ921をオン状態してクリア信号が出力される状態にしながら遊技機に対する電力供給を開始する(例えば電源スイッチ914をオンする)ことによって、容易に初期化処理を実行させることができる。すなわち、RAMクリア等を行うことができる。
次に、遊技制御処理について説明する。図7は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。メイン処理の実行中に、具体的には、ステップS16〜S19のループ処理の実行中における割込許可になっている期間において、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、タイマ割込の発生に応じて起動されるタイマ割込処理において遊技制御処理を実行する。タイマ割込処理において、CPU56は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理(電源断検出処理)を実行する(ステップS20)。次いで、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。具体的には、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がオン状態であれば、各スイッチに対応して設けられているスイッチタイマの値を+1する。
次いで、CPU56は、特別図柄表示器8や、普通図柄表示器10、状態表示灯などの各種表示器へのDG信号の出力やクリアを行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。次いで、CPU56は、大入賞口への異常入賞を検出したことを報知する異常入賞報知処理を実行する(ステップS23)。具体的には、後述する特別図柄プロセス処理において大入賞口を開放する前である(具体的には、後述するステップS300〜S303の処理の段階である)にもかかわらず、カウントスイッチ23のオンを検出した場合に、大入賞口への異常入賞を検出したと判定し報知する制御を行う。
次に、遊技制御に用いられる各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(乱数更新処理:ステップS24)。また、CPU56は、初期値決定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値決定用乱数更新処理:ステップS25)。さらに、CPU56は、表示図柄乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(表示図柄乱数更新処理:ステップS26)。
乱数更新処理、初期値決定用乱数更新処理および表示図柄乱数更新処理を行うと、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、CPU56は、演出表示装置9における遊技演出を制御するための演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出図柄コマンド制御処理:ステップS29)。
次いで、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、時短変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、CPU56は、入賞口スイッチ29a,30a等の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、入賞口スイッチ29a,30a等がオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に賞球個数を示す賞球個数コマンド等の払出指令コマンドを出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球個数を示す賞球個数コマンドの受信に応じて球払出装置97を駆動する。
また、CPU56は、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS32)。また、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポート2のRAM領域におけるソレノイドに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS33:出力処理)。そして、CPU56は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS34)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS35)。
次いで、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS36)。
さらに、CPU56は、各状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを状態表示制御データ設定用の出力バッファに設定する状態表示灯表示処理を行う(ステップS37)。この場合、遊技状態が時短状態である場合には、時短状態であることを示す状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを出力バッファに設定する。なお、遊技状態が高確率状態(例えば、確変状態)にも制御される場合には、高確率状態であることを示す状態表示灯の表示を行うための状態表示制御データを出力バッファに設定するようにしてもよい。
この実施の形態では、遊技制御処理は定期的(例えば2msごと)に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はフラグがセットされたことにもとづいてメイン処理において実行されるようにしてもよい。なお、この実施の形態において、ステップS21〜S37の処理(ステップS30およびS32を除く)が、遊技の進行を制御する遊技制御処理に相当する。
その後、CPU56は、割込許可状態に設定し(ステップS38)、処理を終了する。
次に、メイン処理における特別図柄プロセス処理(ステップS27)を説明する。図8は、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56)が実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセス処理において、遊技盤6に設けられている第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、または第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、始動口スイッチ通過処理(ステップS312)を行った後に、内部状態に応じて、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。第1始動口スイッチ13aおよび第2始動口スイッチ14aのいずれもオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、特別図柄の可変表示の表示結果を特定表示結果とするか否か(大当りとするか否か)を決定する。なお、この実施の形態では、100パーセントの確率で特定表示結果とすることに決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。特別図柄の可変表示の変動パターン(ここでは変動時間に相当)を、始動入賞発生時に抽出した変動パターン決定用乱数(表示図柄乱数の一つ)の値に応じてあらかじめ定められた複数種類の変動パターンの中から選択する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に応じた値(この例では2)に更新する。
特別図柄変動処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされた特別図柄プロセスタイマがタイムアウトすなわち特別図柄プロセスタイマの値が0になる)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303(この例では3)に移行するように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS303):特別図柄表示器8における特別図柄(この実施の形態では大当り図柄)を停止させる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。
大入賞口開放前処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞球装置を開状態にして大入賞口を開放する処理や、大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送出する処理を行う。また、プロセスタイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に応じた値(この例では5)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口開放前処理を実行することによって特定遊技状態移行制御手段を実現している。また、特定遊技状態移行制御手段は、演出制御用マイクロコンピュータ100が大当り表示処理を実行することによって実現されると定義してもよい。すなわち、特定遊技状態が開始される時点を、大当りの発生を報知するための演出が開始される時点であるとしてもよい。
大入賞口開放中処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。具体的には、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理や大当り遊技状態中のインターバル表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送出する処理を行う。また、大入賞口の閉成条件が成立したときには、大入賞口を閉成する制御を行う。具体的には、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞球装置を閉状態にして大入賞口を閉成する。また、プロセスタイマによって大入賞口開放後処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に応じた値(この例では6)に更新する。
大入賞口開放後処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態の残りラウンドがあるか否かを確認する処理等を行う。まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に移行するように更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行うとともに、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に応じた値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態を終了するための制御を行うとともに、遊技状態を時短状態または通常状態に制御する処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に応じた値(この例では0)に更新する。
図9は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、保留記憶数が上限値である4になっているか否か確認する(ステップS210)。保留記憶数が4になっている場合には、処理を終了する。
保留記憶数が4になっていない場合には、保留記憶数を示す保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS211)。また、CPU56は、乱数を生成するためのカウンタからカウント値を読み出してソフトウェア乱数を抽出するとともに、乱数回路のカウント値を読み出してランダムR(乱数回路が生成する大当り判定用乱数)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS212)。なお、保留記憶バッファにおいて、保存領域は、保留記憶数の上限値と同数確保されている。また、変動パターン用乱数を生成するためのカウンタや保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
そして、特別図柄保留記憶表示器18の表示を、保留記憶数カウンタの値を示す表示に変更する(ステップS213)。
なお、特別図柄の変動表示に同期して演出表示装置9において飾り図柄の変動表示を行うようにする場合には、保留記憶数カウンタの値を更新(ステップS211参照)した後に、演出制御用マイクロコンピュータ100に、始動入賞の発生を指定する始動入賞指定コマンドを送信する制御を行うようにしてもよい。この場合、具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS29)において演出制御コマンドを送信する(他の演出制御コマンドについても同様)。
図10は、演出制御用マイクロコンピュータ100に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図10に示す例において、コマンド9500(H)は、遊技状態が通常状態であるときに送信される演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)であり、コマンド9501(H)は、遊技状態が時短状態であるときに送信される演出制御コマンド(時短状態背景指定コマンド)である。以下、コマンド9500(H),9501(H)の演出制御コマンドを背景指定コマンドという。演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した背景指定コマンドに応じて、演出表示装置9に表示する背景の種類を選択する。
コマンドAXXX(H)(X=任意の16進数)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間に送出される演出制御コマンドである。そのうち、コマンドA000(H)は、ラウンド数が2回である大当り1遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り1開始指定コマンド:第1ファンファーレ指定コマンド)である。また、コマンドA001(H)は、ラウンド数が5回である大当り2遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り2開始指定コマンド:第2ファンファーレ指定コマンド)である。
コマンドA1XX(H)は、大当り遊技中のラウンド中の表示を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中表示コマンド)である。なお、「XX」に表示するラウンド数が設定される。コマンドA2XX(H)は、大当り遊技中のラウンド後の表示(ラウンド間のインターバルの表示)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後表示コマンド)である。
コマンドA300(H)は、大当り1遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り1終了指定コマンド:第1エンディング指定コマンド)である。コマンドA301(H)は、大当り2遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り2終了指定コマンド:第2エンディング指定コマンド)である。
コマンドA400(H)は、あと1回の特別図柄の変動表示を行うと時短リミッタにかかる旨を報知することを指定する演出制御コマンド(時短終了予告指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると図10に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更するとともに、ランプの表示状態を変更し、音声出力基板70に対して音番号データを出力する。なお、図10に示された演出制御コマンド以外の演出制御コマンドも主基板31から演出制御基板80に送信される。例えば、大当り遊技に関するより詳細な演出制御コマンドや遊技状態を示す演出制御コマンド(例えば、初期化コマンドを示す演出制御コマンド)も主基板31から演出制御基板80に送信される。
なお、特別図柄の変動表示に同期して演出表示装置9において飾り図柄の変動表示も行う場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、図10に示す演出制御コマンドに加えて、飾り図柄の変動表示を行わせるための各種演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドや、変動パターンコマンドで指定する飾り図柄の可変表示の表示結果を指定する表示結果コマンド、飾り図柄の可変表示の停止を指示する飾り図柄停止指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。また、特別図柄の変動表示に同期して演出表示装置9において飾り図柄の変動表示も行う場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留記憶数を指定する演出記憶情報指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。
図11は、この実施の形態で用いられる特別図柄の変動パターン(変動時間)の一例を示す説明図である。変動パターン#1〜#4は、遊技状態が通常状態であるときに(時短状態でないときに)用いられる変動パターンである。また、変動パターン#5〜#8は、遊技状態が時短状態であるときに用いられる短縮変動用の変動パターンである。なお、この実施の形態では、変動パターン#1〜#4を示すデータが設定された通常変動パターンテーブルがあらかじめROM54に格納されているとともに、変動パターン#5〜#8を示すデータが設定された短縮変動パターンテーブルがあらかじめROM54に格納されている。
次に、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)について説明する。図12は、特別図柄通常処理を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、特別図柄の変動を開始することができる状態(例えば特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合)には(ステップS501)、始動入賞記憶数(保留記憶数)の値を確認する(ステップS502)。具体的には、始動入賞記憶カウンタのカウント値を確認する。なお、特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、演出表示装置9において図柄の変動がなされていず、かつ、大当り遊技中でもない場合である。
ステップS502で保留記憶数が0でなければ、保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値(各判定用乱数や表示図柄乱数)を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS503)、各保存領域の内容をシフトし(ステップS504)、かつ、保留記憶数の値を1減らす(始動入賞記憶カウンタの値を1減らす)。すなわち、保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、CPU56は、可変表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする処理を実行する。
なお、例えば、特別図柄の変動表示に同期して演出表示装置9において飾り図柄の変動表示も行う場合には、ステップS504において始動入賞記憶カウンタの値が更新(RAMに設けられた所定の作業領域の値が更新)されたことにもとづいて、CPU56は、演出図柄コマンド制御処理(ステップS29)において、演出記憶情報指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、大当りとするか否かを判定する大当り判定処理(ステップS505,S506)を実行する。CPU56は、乱数格納バッファから大当り判定用乱数を読み出し(ステップS505)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS506)。大当り判定モジュールは、大当り判定用乱数が、あらかじめ決められている大当り判定値と一致したら大当りとすることに決定するプログラムである。なお、CPU56は、大当りの判定に用いる大当り判定用乱数として、ソフトウェア乱数を用いてもよく、乱数回路が出力するハードウェア乱数を用いてもよい。
この実施の形態では、ステップS505,S506の大当り判定処理において100パーセントの確率で大当りとすることに決定する。例えば、CPU56は、あらかじめ大当り判定用乱数の全ての乱数値に対応した大当り判定値をあらかじめ用意しておき、大当り判定用乱数としていずれの乱数値を抽出した場合であっても、大当り判定用乱数が大当り判定値と一致すると判断して大当りとすることに決定する。
なお、ステップS505,S506の大当り判定処理を行うことなく、ステップS504で始動入賞記憶カウンタの値を更新するとそのままステップS507に移行するようにしてもよい。また、100パーセントの確率で大当りと決定するのではなく、ほぼ(極めて高確率で(例えば、80パーセント以上、好ましくは90パーセント以上の確率で))大当りとすることに決定するようにしてもよい。
100パーセントの確率で大当りとすることに決定すると、CPU56は、大当りと決定した場合の特別図柄の停止図柄を決定するとともに大当りの種別を決定するための大当り図柄設定用テーブルをロードする(ステップS507)。また、CPU56は、乱数格納バッファから、大当りと決定した場合の特別図柄の停止図柄および大当りの種別を決定するための大当り図柄用乱数を読み出す(ステップS508)。そして、CPU56は、大当り図柄設定用テーブルと大当り図柄用乱数とにもとづいて、特別図柄の停止図柄および大当りの種別を決定する(ステップS509)。
図13は、大当り図柄設定用テーブルの例を示す説明図である。図13に示すように、大当り図柄設定用テーブルは、大当り図柄用乱数の乱数値と、特別図柄の停止図柄と、大当りの種類とを対応付けて含む。ステップS509では、CPU56は、大当り図柄用乱数の乱数値に応じて、図13に示す設定内容に従って、特別図柄の停止図柄を「1」〜「9」のいずれかの大当り図柄に決定する。また、CPU56は、大当り図柄用乱数の乱数値に応じて、図13に示す設定内容に従って、大当り1(2ラウンド大当り)または大当り2(5ラウンド大当り)のいずれかの大当りの種別を決定する。図13に示すように、この実施の形態では、大当り2と比較して極めて高い確率で(具体的には90パーセントの確率で)、大当り1とすることに決定される。なお、大当り1とすることに決定される確率は90パーセントである場合に限らず、例えば、80パーセントの確率で大当り1とすることに決定するようにしてもよい。また、大当り1と大当り2とを同じ確率で(すなわち、ともに50パーセントの確率で)決定するようにしてもよく、大当り1と比較して大当り2の方を高い確率で決定するようにしてもよい。
CPU56は、決定した大当りの種別が大当り2であれば(ステップS510のY)、大当り2とすることに決定したことを示す大当り2フラグをセットし(ステップS511)、ステップS512に移行する。決定した大当りの種別が大当り2でなければ、すなわち大当り1であれば(ステップS510のN)、そのままステップS512に移行する。
次いで、CPU56は、背景表示指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS512)。例えば、CPU56は、後述する時短フラグがセットされているか否かを確認し、時短フラグがセットされていれば、時短状態背景指定コマンド(図10に示すコマンド9501(H))を送信する。また、時短フラグがセットされていなければ、通常状態背景指定コマンド(図10に示すコマンド9500(H))を送信する。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)を示す値に更新する(ステップS513)。
図14は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、まず、時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS201)。時短フラグがセットされていなければ、CPU56は、通常変動パターンテーブル(図11参照)を用いることに決定する(ステップS202)。時短フラグがセットされていれば、CPU56は、短縮変動パターンテーブル(図11参照)を用いることに決定する(ステップS203)。
通常変動パターンテーブルには、あらかじめ図11に示した変動パターン#1〜#4が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。またh短縮変動パターンテーブルには、あらかじめ図11に示した変動パターン#5〜#8が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。
CPU56は、乱数格納バッファから変動パターン決定用乱数を読み出し、読み出した変動パターン決定用乱数の値にもとづいて、通常変動パターンテーブルまたは短縮変動パターンテーブルを用いて飾り図柄の変動パターンを決定する(ステップS204)。具体的には、変動パターン決定用乱数値と一致する判定値に対応した変動パターンが特別図柄表示器8にて実行される特別図柄の変動パターンと決定される。なお、遊技状態が通常状態である場合には、CPU56は、変動パターン#1〜#4のいずれかの変動パターンを用いることに決定する。また、遊技状態が時短状態である場合には、CPU56は、変動パターン#5〜#8のいずれかの変動パターンを用いることに決定する。
次いで、CPU56は、、特別図柄プロセスタイマに変動時間をセットする(ステップS205)。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に応じた値に更新する(ステップS206)。
図15は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動処理(ステップS302)を示すフローチャートである。特別図柄変動処理において、まず、CPU56は、特別図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS351)。そして、特別図柄プロセスタイマがタイムアップしているかどうかを確認し(すなわち特別図柄プロセスタイマの値が0であるか否かを確認し)、タイムアップしていなければ(ステップS352のN)、そのまま特別図柄変動処理を終了する。特別図柄プロセスタイマがタイムアップしていれば(ステップS352のY)、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に応じた値に更新する(ステップS353)。
図16は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動停止処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動停止処理において、CPU56は、特別図柄表示器8における特別図柄の変動を止めて、停止図柄(大当り図柄)を導出表示する(ステップS361)。なお、この場合、特別図柄の変動表示に同期して飾り図柄の変動表示を行う場合には、CPU56は、特別図柄の変動を停止するとともに、演出表示装置9における飾り図柄の変動の停止を指定する飾り図柄停止指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、大入賞口の開放/閉鎖を制御するための時間を計測する大入賞口制御タイマに、大当り図柄を停止表示した後に大当り遊技が開始されることを遊技者に報知する演出(ファンファーレ演出)の実行時間(大当り表示時間(例えば、3秒))をセットする(ステップS362)。
次いで、CPU56は、大当り2フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS363)。セットされていなければ(すなわち、大当り1であれば)、CPU56は、大当り1開始指定コマンド(第1ファンファーレ指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS364)。そして、ステップS366に移行する。
大当り2フラグがセットされていれば(すなわち、大当り2であれば)、CPU56は、大当り2開始指定コマンド(第2ファンファーレ指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS365)。そして、ステップS366に移行する。
次いで、CPU56は、時短回数を計測するための時短回数カウンタの値を1減算し(ステップS366)、減算後の時短回数カウンタの値が1であるか否かを確認する(ステップS367)。時短回数カウンタの値が1でなければ、ステップS369に移行する。時短回数カウンタの値が1であれば、CPU56は、時短終了予告指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS368)。
ステップS369では、CPU56は、時短フラグをリセットする(ステップS369)。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に応じた値に更新する(ステップS370)。
図17は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(ステップS304)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS401)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認し(ステップS402)、その値が0になっていなければ(ステップS402のN)、そのまま処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっていれば(ステップS402のY)、大当り時における大入賞口の開放時間(ラウンド時間)を設定するための大入賞口開放時設定テーブルのアドレスをポインタにセットする(ステップS403)。
次いで、CPU56は、大入賞口制御タイマに、大当りにおける各ラウンドにおいて大入賞口が開放可能な最大時間(ラウンド時間)をセットする(ステップS404)。なお、セットされるラウンド時間は、例えば29秒とされる。
次いで、CPU56は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(開閉板20)を開放する制御を行うとともに(ステップS405)、ラウンド数カウンタの値を+1する(ステップS406)。なお、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられており、CPU56は、ステップS405において出力ポートのRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を、駆動するソレノイドの開閉状態に応じて設定する。そして、ステップS33の出力処理において出力ポートのRAM領域に設定された内容を出力ポートに出力する。これにより、駆動指令の信号が出力ポートからソレノイド回路59に出力される。ソレノイド回路59は、駆動指令の信号に応じてソレノイドを駆動するための駆動信号をソレノイドに出力して、ソレノイドを駆動させる。以下、ソレノイドを開閉駆動させる処理では、このような動作が行われる。
次いで、CPU56は、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放中表示コマンド(A1XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS407)。なお、ラウンド数は、大当り遊技中のラウンド数をカウントするラウンド数カウンタの値を確認することにより認識する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に応じた値に更新する(ステップS408)。
図18は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放中処理(ステップS305)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、CPU56は、まず、カウントスイッチ23がオンしたか否かを確認することにより、大入賞口への遊技球の入賞があったかどうかを確認する(ステップS421)。カウントスイッチ23がオンしていれば(すなわち、大入賞口に遊技球が入賞していれば)、ステップS424に移行する。カウントスイッチ23がオンしていなければ(すなわち、大入賞口に遊技球が入賞していなければ)、CPU56は、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS422)。次いで、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0であるかどうかを確認する(ステップS423)。大入賞口制御タイマの値が0になっていれば(ステップS423のY)、ステップS424に移行する。大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは(ステップS423のN)、そのまま処理を終了する。
この実施の形態では、ステップS421の処理が実行されることによって、大入賞口に遊技球が1個入賞すれば、ラウンド時間(例えば29秒)が経過するまでであってもステップS424に移行して大入賞口を閉鎖する。なお、大入賞口に複数個(例えば2個)の遊技球が入賞したことにもとづいて、ステップS424に移行して大入賞口を閉鎖するようにしてもよい。この場合、例えば、ステップS421でカウントスイッチ23がオンしていれば、CPU56は、大入賞口への遊技球の入賞個数をカウントする入賞個数カウンタの値を+1する。次いで、CPU56は、入賞個数カウンタの値が所定数(例えば2個)になっているか否かを確認する。入賞個数カウンタの値が所定数になっていなければ、ステップS422に移行する。入賞個数カウンタの値が所定数に達している場合には、ステップS424に移行する。
次いで、CPU56は、大当り時におけるラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(インターバル時間)を設定するための大入賞口開放後時テーブルのアドレスをポインタにセットする(ステップS424)。次いで、CPU56は、大入賞口制御タイマに、大当り中においてラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(インターバル時間)をセットする(ステップS425)。なお、インターバル時間は、例えば5秒とされる。
次いで、CPU56は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(開閉板20)を閉鎖する制御を行う(ステップS426)。なお、この場合、大入賞口に複数個(例えば2個)の遊技球が入賞したことにもとづいて大入賞口を閉鎖するように制御する場合には、入賞個数カウンタの値をクリアする(0にする)。
次いで、CPU56は、大入賞口の開放後(ラウンドの終了後)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放後表示指定コマンド(A2XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS427)。そして、特別図柄プロセスフラグの値をステップS306(大入賞口開放後処理)に応じた値に更新する(ステップS428)。
図19は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放後処理(ステップS306)を示すフローチャートである。大入賞口開放後処理において、CPU56は、まず、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS441)。次いで、CPU56は、大入賞口制御タイマの値が0であるかどうかを確認する(ステップS442)。大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは(ステップS442のN)、そのまま処理を終了する。
大入賞口制御タイマの値が0になっていれば(ステップS442のY)、CPU56は、大当り2フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS443)。セットされていなければ(すなわち、大当り1であれば)、CPU56は、ラウンド数カウンタの値が2であるか否かを確認する(ステップS444)。ラウンド数カウンタの値が2でなければ、特別図柄プロセスフラグの値をステップS304(大入賞口開放前処理)に応じた値に更新する(ステップS447)。ラウンド数カウンタの値が2であれば、CPU56は、大当り1終了指定コマンド(第1エンディング指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し(ステップS445)、ステップS449に移行する。
ステップS443で大当り2フラグがセットされていれば(すなわち、大当り2であれば)、CPU56は、ラウンド数カウンタの値が5であるか否かを確認する(ステップS446)。ラウンド数カウンタの値が5でなければ、特別図柄プロセスフラグの値をステップS304(大入賞口開放前処理)に応じた値に更新する(ステップS447)。ラウンド数カウンタの値が5であれば、CPU56は、大当り2終了指定コマンド(第2エンディング指定コマンド)を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し(ステップS448)、ステップS449に移行する。
そして、CPU56は、大入賞口制御タイマに大当り終了を遊技者に報知する演出(エンディング演出)の実行時間(大当り終了時間(例えば10秒))をセットし(ステップS449)、特別図柄プロセスフラグの値をステップS307(大当り終了処理)に応じた値に更新する(ステップS450)。
図20は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、まず、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS461)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認する(ステップS462)。大入賞口制御タイマの値が0でなければ(ステップS462のN)、そのまま処理を終了する。
大入賞口制御タイマの値が0になっていれば(ステップS462のY)、CPU56は、時短回数カウンタの値が0になっているか否かを確認する(ステップS463)。時短回数カウンタの値が0になっていなければ、CPU56は、遊技状態を時短状態に移行することを示す時短フラグをセットし(ステップS464)、ステップS466に移行する。
ステップS453で、時短回数カウンタの値が0になっていれば、CPU56は、時短回数カウンタに所定値(例えば、時短リミッタ値200)をセットし(ステップS465)、時短フラグをセットすることなく、そのままステップS466に移行する。すなわち、時短回数カウンタの値が0であるということは、一度大当りが発生した後に所定回数(例えば200回)の特別図柄の変動表示を終了したということであるので、CPU56は、時短回数カウンタの値を初期値に戻すとともに、時短リミッタがかかる(すなわち、今回の大当り終了後に時短状態に移行しない)ように制御する。
なお、ステップS463で時短回数カウンタの値が0になっていなかった場合に常に時短フラグをセットして時短状態に移行するのではなく、ほぼ(例えば、80パーセント以上、好ましくは90パーセント以上の確率で)時短状態に移行するようにしてもよい。この場合、例えば、CPU56は、ステップS463で時短回数カウンタの値が0になっていなかった場合には、所定の時短決定用乱数を用いた抽選処理を行うことによって、時短状態に移行するか否かを決定する。そして、時短状態に移行すると決定すると、ステップS464に移行して時短フラグをセットする。また、時短状態に移行しないと決定した場合には、そのままステップS466に移行し、時短フラグをセットしないように制御する。
次いで、CPU56は、セットされている場合には、大当り2フラグをリセットする(ステップS466)。そして、CPU56は、内部状態(特別図柄プロセスフラグの値)をステップS300(特別図柄通常処理)に応じた値に更新する(ステップS467)。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する普通図柄プロセス処理(ステップS28)を説明する。図21は、普通図柄プロセス処理を示すフローチャートである。普通図柄プロセス処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aがオン状態となったことを検出すると(ステップS161)、ゲートスイッチ通過処理(ステップS162)を実行する。
ゲートスイッチ通過処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート通過記憶カウンタのカウント値(ゲート通過記憶数)が最大値(この例では「4」)に達しているか否か確認する。最大値に達していなければ、ゲート通過記憶カウンタのカウント値を+1する。なお、ゲート通過記憶カウンタの値に応じて普通図柄保留記憶表示器41のLEDが点灯される。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄当り判定用乱数(ランダム3)および普通図柄決定用乱数(ランダム5)の値を抽出し、ゲート通過記憶数の値に対応した保存領域(普通図柄判定用バッファ)に格納する処理を行う。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値に応じてステップS170〜S174に示された処理のうちのいずれかの処理を実行する。
ステップS170〜S174の処理は、以下のような処理である。
普通図柄通常処理(ステップS170):普通図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。普通図柄プロセスフラグの値が0である状態は、普通図柄の変動を開始することができる状態(例えば、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示が行われていない状態であって、かつ、普通図柄表示器10に当り図柄が導出表示されたことにもとづく可変入賞球装置15の開閉動作中でもない場合)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄通常処理において、ゲート通過記憶数の値を確認する。具体的には、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認する。ゲート通過記憶数が0でなければ、普通図柄当り判定用乱数を用いて当りとするか否か(普通図柄の停止図柄を当り図柄とするか否か)を決定する。また、普通図柄決定用乱数を用いて普通図柄の停止図柄を決定する。そして、普通図柄プロセスタイマに普通図柄の変動時間をセットし、普通図柄プロセスタイマをスタートさせる。また、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動中処理(ステップS171)に対応した値(具体的には「1」)に更新する。
普通図柄変動中処理(ステップS171):普通図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認する。タイムアウトしていたら、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止し、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットし、普通図柄プロセスタイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(ステップS172)に対応した値(具体的には「2」)に更新する。
普通図柄停止処理(ステップS172):普通図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうかを確認する。当り図柄でなければ(はずれ図柄であれば)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS170)に対応した値(具体的には「0」)に更新する。普通図柄の停止図柄が当り図柄であれば、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物開放前処理(ステップS173)に対応した値(具体的には「3」)に更新する。
普通電動役物開放前処理(ステップS173):普通図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1回目の開放前であれば、開放回数カウンタに開放回数をセットし、ソレノイド15aを駆動して普通電動役物(可変入賞球装置15)を開放する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物開放中処理(ステップS174)に対応した値(具体的には「4」)に更新する。第1回目の開放前でなければ、すなわち2回目以降の開放後であれば、閉鎖時間を計測し、閉鎖時間が経過したら、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物開放中処理(ステップS174)に対応した値(具体的には「4」)に更新する。
普通電動役物開放中処理(ステップS174):普通図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、開放時間を計測し、開放時間が経過したら、ソレノイド15aの駆動を停止させて普通電動役物を閉鎖する。最後の開放が終了した場合には、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS170)に対応した値(具体的には「0」)に更新する。最後の開放が終了した場合でなければ、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物開放前処理(ステップS173)に対応した値(具体的には「3」)に更新する。
図22は、普通図柄通常処理(ステップS170)を示すフローチャートである。普通図柄通常処理において、CPU56は、ゲート通過記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS721)。具体的には、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認する。ゲート通過記憶数が0であれば、そのまま処理を終了する。ゲート通過記憶数が0でなければ、CPU56は、ゲート通過記憶数=1に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS722)。なお、CPU56は、普通図柄決定用乱数も、乱数バッファ領域に格納する。そして、CPU56は、ゲート通過記憶数カウンタの値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS723)。すなわち、ゲート通過記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値等を、ゲート通過記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
次いで、CPU56は、乱数格納バッファから普通図柄当り判定用乱数を読み出し(ステップS724)、読み出した乱数値にもとづいて当りとするかはずれとするかを決定する(ステップS725)。具体的には、普通図柄当り判定用乱数の値が当り判定値と一致するか否か判定し、一致する当り判定値があれば当りと決定する。例えば、当り判定値を3および7とし、普通図柄当り判定用乱数を3〜13の数値範囲で更新するように制御する。なお、この場合、普通図柄の当り判定の当選確率は2/11である。また、CPU56は、普通図柄決定用乱数を用いて、普通図柄の停止図柄を決定する。当りの場合には、普通図柄の停止図柄は、例えば「7」である。
次いで、CPU56は、時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS726A)。時短フラグがセットされていなければ、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに通常変動用の普通図柄変動時間をセットする(ステップS726B)。時短フラグがセットされていれば、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに短縮変動用の普通図柄変動時間をセットする(ステップS726C)。そして、CPU56は、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を開始させる(ステップS727)。なお、この実施の形態では、図25(A)の説明図に示すように、通常状態における普通図柄の変動時間は30.0秒であり、時短状態における普通図柄の変動時間は3.0秒である。そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動中処理(ステップS171)に対応した値(具体的には「1」)に更新する(ステップS728)。
なお、遊技状態が時短状態である場合、図11に示すように特別図柄の変動時間が1秒〜2.5秒であるのに対して、図25(A)に示すように普通図柄の変動時間の方が3.0秒と長い。そのため、特別図柄の変動表示を行っている最中に普通図柄の変動を開始して停止表示するような事態は生じない。例えば、仮に、普通図柄の変動時間の方を短くすると、特別図柄の変動表示を行っている最中に普通図柄の変動を開始して当り図柄を停止表示する事態が生じてしまう。この場合、普通図柄を停止表示した時点で特別図柄の変動表示をまだ終了していないのであるから、保留記憶数が1増加することとなる。そうすると、保留記憶数が溜まりやすく、時短リミッタがかかった時点で保留記憶数が0でないために直ちに特別図柄の変動表示が開始されて大当りとなる事態が生じやすい。従って、遊技における適度な射幸性を確保することができない。この実施の形態では、普通図柄の変動時間の方が長いように構成されているのであるから、特別図柄の変動表示の最中に普通図柄の当り図柄が停止表示されてしまうような事態を防止することができ、保留記憶数が溜まりにくくすることができる。従って、遊技における適度な射幸性を確保することができる。
図23は、普通図柄変動中処理(ステップS171)を示すフローチャートである。普通図柄変動中処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたかどうかを確認する(ステップS731)。普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていなければ、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS735)。
普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたとき、すなわち、普通図柄の変動時間が経過したときは、CPU56は、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止させる(ステップS732)。また、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットする(ステップS733)。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(ステップS172)に対応した値(具体的には「2」)に更新する(ステップS734)。
図24は、普通図柄停止処理(ステップS172)を示すフローチャートである。普通図柄停止処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたかどうかを確認する(ステップS741)。普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていなければ、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS742)。
普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたとき、すなわち、普通図柄停止図柄表示時間が経過したときは、CPU56は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるか否か確認する(ステップS743)。普通図柄の停止図柄が当り図柄であるときは、CPU56は、時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS744)。時短フラグがセットされていれば、CPU56は、普通電動役物の開放パターンとして図25(A)の下段に示す値が設定されている時短時テーブルに設定されている開放パターンを選択する(ステップS745)。時短フラグがセットされていなければ、CPU56は、普通電動役物の開放パターンとして図25(A)の上段に示す値が設定されている通常時テーブルに設定されている開放パターンを選択する(ステップS746)。図25に示す例では、通常時テーブルには、開放パターンとして、開放時間が0.3秒(0.3s)、閉鎖時間が1.0秒(1.0s)、開放回数が2回であることを示すデータが設定されている。この実施の形態では、通常状態のときには、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間として2.6秒が設定されており、可変入賞球装置15が0.3秒間開放された後に閉鎖され、閉鎖時間1.0秒が経過した後に再び可変入賞球装置15が開放される。そして、開放時間0.3秒間経過すると再び可変入賞球装置15が閉鎖され、閉鎖時間が1.0秒が経過したときに後述する普通電役タイマがタイムアップして、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に移行する。また、時短時テーブルには、開放パターンとして、開放時間が1.2秒(1.2s)、閉鎖時間が1.5秒(1.5s)、開放回数が3回であることを示すデータが設定されている。この実施の形態では、時短状態のときには、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間として8.1秒が設定されており、可変入賞球装置15が1.2秒間開放された後に閉鎖され、閉鎖時間1.5秒が経過した後に再び可変入賞球装置15が開放される。次いで、可変入賞球装置15が1.2秒間開放された後に閉鎖され、閉鎖時間1.5秒が経過した後に再び可変入賞球装置15が開放される。そして、さらに、開放時間1.2秒間経過すると再び可変入賞球装置15が閉鎖され、閉鎖時間が1.5秒が経過したときに後述する普通電役タイマがタイムアップして、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に移行する。
次いで、CPU56は、第1回開放前フラグをセットする(ステップS747)。また、ステップS745の処理またはS746の処理で選択した開放パターンを開放パターンバッファにセットする(ステップS748)。その後、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物開放前処理(ステップS173)に対応した値(具体的には「3」)に更新する(ステップS749)。
普通図柄の停止図柄がはずれ図柄である場合には、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS170)に対応した値(具体的には「0」)に更新する(ステップS743,S750)。
図26は、普通電動役物開放前処理(ステップS173)を示すフローチャートである。普通電動役物開放前処理において、CPU56は、第1回開放前フラグがセットされているか否か確認する(ステップS761)。第1回開放前フラグがセットされている場合には、第1回開放前フラグをリセットし(ステップS762)、開放パターンバッファにセットされている開放回数を開放回数カウンタにセットする(ステップS763)。また、開放パターンバッファにセットされている開放時間に相当する値を普通電役タイマにセットする(ステップS764)。さらに、ソレノイド15aを駆動して可変入賞球装置15を開放し(ステップS765)、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動開放中処理(ステップS174)に対応した値(具体的には「4」)に更新する(ステップS766)。
CPU56は、ステップS761の処理で第1回開放前フラグがセットされていないことを確認した場合には、普通電役タイマの値を1減算する(ステップS767)。そして、普通電役タイマの値が0になった場合には、すなわち普通電役タイマがタイムアウトしたら、開放回数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS768,S768A)。開放回数カウンタの値が0でなければ、ステップS764に移行する。開放回数カウンタの値が0であれば、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS170)に対応した値(具体的には「0」)に更新する(ステップS768B)。なお、ステップS767,S768の処理は、第1回目以降の開放が終了した後の閉鎖時間を計測するための処理である。
図27は、普通電動役物開放中処理(ステップS174)を示すフローチャートである。普通電動役物開放中処理において、CPU56は、普通電役タイマの値を1減算する(ステップS771)。そして、普通電役タイマの値が0になった場合には、すなわち普通電役タイマがタイムアウトしたら(ステップS772)、ソレノイド15aの駆動を停止して普通電動役物(可変入賞球装置15)を閉鎖する(ステップS773)。
また、開放回数カウンタの値を−1し(ステップS774)、開放パターンバッファにセットされている閉鎖時間に相当する値を普通電役タイマにセットする(ステップS776)。その後、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動開放前処理(ステップS173)に対応した値(具体的には「3」)に更新する(ステップS777)。
なお、第2始動入賞口14の時短中の開放は、1個の入賞を検知したら開放を終了するようになっている。従って、1回の普通図柄変動の当選によって可変入賞球装置15が開放されると、概ね(例えば、90パーセント程度)1球入賞すると、可変入賞球装置15の開放を終了するように制御する。しかし、可変入賞球装置15の開放中に遊技球が続けて2球以上入賞することがあり、この場合保留される。2球以上入賞するのは、時短時の開放のうちの10パーセント程度とされる。この2球以上の入賞が時短リミッタ終了時に発生すると、一旦時短を終了して通常状態となった後に保留によって直ちに大当りとなるので、再び200回大当りとなるまで、時短状態が継続する。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図28は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御処理の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用マイクロコンピュータ100は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)の確認を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。その後、ステップS702に移行する。
なお、特別図柄の変動表示に同期して飾り図柄の変動表示も行う場合には、演出制御メイン処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出表示装置9に表示する左中右の飾り図柄のはずれ図柄を決定するためのはずれ表示図柄決定用乱数や、演出表示装置9に表示する飾り図柄の大当り図柄を決定するための大当り表示図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行するようにしてもよい。
図29は、メイン処理におけるコマンド解析処理(ステップS704)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、INT割込で実行されるコマンド受信処理において、コマンド受信バッファに格納される。コマンド解析処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。
なお、INT割込で実行されるコマンド受信処理で受信した演出制御コマンドをコマンド受信バッファに格納する際に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信したコマンドがプログラム上存在する演出制御コマンドであるか否かを確認するようにしてもよい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信コマンドの1バイト目のMODEデータが「95」や「A0」、「A1」などプログラム上存在するものであるか否かを確認し(図10参照)、プログラム上存在しないMODEデータであれば、データ化けなどの原因によって演出制御コマンドを正しく受信できなかったと判断して、受信コマンドを破棄してもよい。また、プログラム上存在するMODEデータであっても、2バイト目のEXTデータがそのMODEデータに対してプログラム上存在するものであるか否かを確認し(図10参照)、プログラム上存在しないEXTデータであれば、データ化けなどの原因によって演出制御コマンドを正しく受信できなかったと判断して、受信コマンドを破棄してもよい。この場合、受信コマンドはコマンド受信バッファに格納されず、コマンド解析処理において、演出制御コマンドを受信していないものとして処理される。
受信した演出制御コマンドが、ファンファーレ指定の演出制御コマンド(ファンファーレコマンド:A000(H),A001(H))であれば(ステップS613)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのコマンドのEXTデータをRAMにおけるファンファーレデータ格納領域に格納し(ステップS614)、ファンファーレコマンドを受信したことを示すファンファーレフラグをセットする(ステップS615)。
また、受信した演出制御コマンドが、エンディング指定の演出制御コマンド(エンディングコマンド:A300(H),A301(H))であれば(ステップS616)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのコマンドのEXTデータをRAMにおけるエンディングデータ格納領域に格納し(ステップS617)、エンディングコマンドを受信したことを示すエンディングフラグをセットする(ステップS618)。
また、受信した演出制御コマンドが、時短終了予告指定の演出制御コマンド(時短終了予告指定コマンド:A400(H))であれば(ステップS619)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、あと1回の特別図柄の変動表示を行うと時短リミッタにかかる旨を報知する時短終了予告演出を実行することを示す時短終了予告フラグをセットする(ステップS620)。
ステップS612で読み出した受信コマンドがその他の演出制御コマンドである場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信コマンドに対応するフラグをセットする(ステップS621)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信コマンドが大入賞口開放中表示コマンドや大入賞口開放後表示コマンドである場合には、EXTデータで示されるラウンド数をRAMにおけるデータ格納領域に格納するとともに、大入賞口開放中表示コマンドであることを示す大入賞口開放中表示受信フラグや、大入賞口開放後表示コマンドであることを示す大入賞口開放後表示受信フラグをセットする。
なお、特別図柄の変動表示に同期して飾り図柄の変動表示を行う場合には、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドや表示結果コマンド、飾り図柄停止指定コマンドを受信する。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、EXTデータで示される変動パターンや表示結果のデータをRAMにおけるデータ格納領域に格納するとともに、変動パターンコマンドや、表示結果コマンド、飾り図柄停止指定コマンドを受信したことを示す変動パターンコマンド受信フラグや、表示結果受信フラグ、飾り図柄停止指定受信フラグをセットする。また、例えば、演出記憶情報指定コマンドを受信した場合には、EXTデータで示される保留記憶数をRAMにおけるデータ格納領域に格納する。
図30は、メイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S804のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
ファンファーレコマンド受信待ち処理(ステップS800):コマンド受信割込処理によって、ファンファーレ指定の演出制御コマンド(ファンファーレコマンド)を受信したか否か確認する。具体的には、ファンファーレコマンドが受信されたことを示すフラグ(ファンファーレフラグ)がセットされたか否か確認する。ファンファーレフラグは、演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するコマンド解析処理でファンファーレ指定の演出制御コマンド(A000(H),A001(H)のいずれか)が受信されたことが確認された場合にセットされる(ステップS615参照)。ファンファーレフラグを受信したら、内部状態(演出図柄プロセスフラグ)をステップS801に応じた値(この例では1)に更新する。
大当り表示処理(ステップS801):ファンファーレ演出を実行する。また、大入賞口が開放中であることを示す大入賞口開放中表示コマンドを受信したら、内部状態(演出図柄プロセスフラグ)をステップS802に応じた値(この例では2)に更新する。
ラウンド中処理(ステップS802):ラウンド中の表示制御を行う。例えば、受信した大入賞口開放中表示コマンドにもとづいて、ラウンド数の表示制御等を行う。また、大入賞口が開放後(閉鎖中)であることを示す大入賞口開放後表示コマンドを受信したら、内部状態(演出図柄プロセスフラグ)をステップS803に応じた値(この例では3)に更新する。
ラウンド後処理(ステップS803):ラウンド間の表示制御を行う。例えば、受信した大入賞口開放後表示コマンドにもとづいて、インターバル表示を行う。そして、大入賞口開放中表示コマンドを受信したら、内部状態(演出図柄プロセスフラグ)をステップS802に応じた値(この例では2)に更新する。また、大当りの終了を指定するエンディングコマンドを受信したら、内部状態(演出図柄プロセスフラグ)をステップS804に応じた値(この例では4)に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS804):大当り遊技の終了後の大当り終了表示の制御を行う。例えば、受信したエンディングコマンドにもとづいて、エンディング演出を実行する。エンディング演出の演出期間を終了すると、内部状態(演出図柄プロセスフラグ)をステップS800に応じた値(この例では0)に更新する。
図31は、演出制御プロセス処理におけるファンファーレコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。ファンファーレコマンド受信待ち処理において、まず、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、ファンファーレフラグがセットされたか否か確認する(ステップS810)。すなわち、演出制御用CPU101は、ファンファーレコマンドを受信したか否かを確認する。ファンファーレフラグがセットされたときは(ステップS810のY)、演出制御用CPU101は、ファンファーレフラグをリセットする(ステップS811)。
次いで、演出制御用CPU101は、第2ファンファーレコマンドを受信したか否かを確認する(ステップS812)。具体的には、コマンド解析処理においてRAMにおけるファンファーレデータ格納領域に格納したEXTデータ(ステップS614参照)が01(H)であるか否かを確認する。第2ファンファーレコマンドを受信した場合でなければ(すなわち、第1ファンファーレコマンドを受信した場合でれば)、演出制御用CPU101は、大当り1遊技状態の開始を報知するファンファーレ1演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS813)。第2ファンファーレコマンドを受信した場合であれば、演出制御用CPU101は、大当り2遊技状態の開始を報知するファンファーレ2演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS814)。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS815)、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS801)に対応した値に設定する(ステップS816)。
図32は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS801)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、まず、大入賞口開放中表示コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS820)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS820のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算する(ステップS821)。そして、演出制御用CPU101は、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、ランプ28a〜28c等)の制御を実行する(ステップS822)。例えば、演出表示装置9において、大当りが発生したことを示す文字やキャラクタなどを表示する演出が実行される。なお、例えば、大当り1遊技状態を開始する場合と大当り2遊技状態を開始する場合とで、異なる文字やキャラクタを表示してもよい。例えば、大当り1遊技状態を開始する場合には「2ラウンド大当り」などの文字列を表示し、大当り2遊技状態を開始する場合には「5ラウンド大当り」などの文字列を表示してもよい。また、例えば、大当り1遊技状態を開始する場合と大当り2遊技状態を開始する場合とで同じ態様の演出を行うようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS823)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS824)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS825)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS820のY)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中表示コマンドの内容にもとづいてラウンド中演出(ラウンド数に応じたラウンド表示を実行する演出)を選択する(ステップS826)。次いで、大入賞口開放中フラグをリセットし(ステップS827)、ラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS828)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS829)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS802)に対応した値に設定する(ステップS830)。
図33は、演出制御プロセス処理におけるラウンド中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。ラウンド中処理において、演出制御用CPU101は、まず、大入賞口開放後表示コマンドを受信したことを示す大入賞口開放後フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS840)。大入賞口開放後フラグがセットされていないときは(ステップS840のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS841)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、ランプ28a〜28c等)の制御を実行する(ステップS842)。例えば、演出表示装置9においてラウンド数を示す文字やその他の背景、キャラクタなどを表示する演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU101は、時短終了予告フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS843)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、あと1回の特別図柄の変動表示を行うと時短リミッタにかかる旨を演出表示装置9において重畳表示する(ステップS844)。例えば、演出制御用CPU101は、「時短ラストチャンス!!」や「時短終了まであと1回!!」などの文字列を演出表示装置9において重畳表示することによって、時短終了予告演出を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS845)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS846)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS847)。
大入賞口開放後フラグがセットされているときは(ステップS840のY)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後表示コマンドの内容にもとづいてインターバル演出(ラウンド数に応じたインターバル表示を行う演出)を選択する(ステップS848)。そして、演出制御用CPU101は、大入賞口開放後フラグをリセットし(ステップS849)、選択したインターバル演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS850)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS851)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS803)に対応した値に設定する(ステップS852)。
図34および図35は、演出制御プロセス処理におけるラウンド後処理(ステップS803)を示すフローチャートである。ラウンド後処理において、演出制御用CPU101は、エンディングフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS860)。エンディングフラグがセットされていないときは(ステップS860のN)、大入賞口開放中表示コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS861)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS861のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS862)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、ランプ28a〜28c等)の制御を実行する(ステップS863)。例えば、演出表示装置9において所定の背景やキャラクタなどを表示する演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU101は、時短終了予告フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS864)。セットされていれば、演出制御用CPU101は、あと1回の特別図柄の変動表示を行うと時短リミッタにかかる旨を演出表示装置9において重畳表示する(ステップS865)。例えば、演出制御用CPU101は、「時短ラストチャンス!!」や「時短終了まであと1回!!」などの文字列を演出表示装置9において重畳表示することによって、時短終了予告演出を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS866)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS867)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS868)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS861のY)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中表示コマンドの内容にもとづいてラウンド中演出(ラウンド数に応じたラウンド表示を実行する演出)を選択する(ステップS869)。次いで、大入賞口開放中フラグをリセットし(ステップS870)、ラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS871)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS872)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS802)に対応した値に設定する(ステップS873)。
エンディングフラグがセットされたときは(ステップS860のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560からエンディングコマンドを受信したときである。この場合、演出制御用CPU101は、まず、エンディングフラグをリセットする(ステップS874)とともに、第2エンディングコマンドを受信したか否かを確認する(ステップS875)。具体的には、コマンド解析処理においてRAMにおけるエンディングデータ格納領域に格納したEXTデータ(ステップS617参照)が01(H)であるか否かを確認する。第2エンディングコマンドを受信した場合でなければ(すなわち、第1エンディングコマンドを受信した場合でれば)、演出制御用CPU101は、大当り1遊技状態の終了を報知するエンディング1演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS876)。第2エンディングコマンドを受信した場合であれば、演出制御用CPU101は、大当り2遊技状態の終了を報知するエンディング2演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS877)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出期間計測タイマをスタートさせるとともに、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS878)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(ステップS804)に対応した値に設定する(ステップS879)。なお、ステップS878では、例えば、演出期間として10秒が演出期間計測タイマにセットされる。
図36は、演出制御プロセス処理における大当り終了演出処理(ステップS804)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、演出制御用CPU101は、まず、演出期間計測タイマの値を1減算するとともに(ステップS890)、演出期間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS891)。
演出期間計測タイマがタイムアウトしていないときは(ステップS891のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS892)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27等)を制御する処理を実行する(ステップS893)。例えば、大当りが終了することを表示したり、演出表示装置9の表示画面に所定のキャラクタを表示させ、キャラクタのセリフとして「またね!」などの文章を表示させることによって、大当りが終了することを報知する。なお、例えば、大当り1遊技状態を終了する場合と大当り2遊技状態を終了する場合とで、異なる文字やキャラクタを表示してもよい。例えば、大当り1遊技状態を開始する場合には「2ラウンド大当り終了」などの文字列を表示し、大当り2遊技状態を開始する場合には「5ラウンド大当り終了」などの文字列を表示してもよい。また、例えば、大当り1遊技状態を終了する場合と大当り2遊技状態を終了する場合とで同じ態様の演出を行うようにしてもよい。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS894)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS895)。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS896)。
演出期間計測タイマがタイムアウトしたときは(ステップS891のY)、演出制御用CPU101は、時短終了予告フラグ等の所定のフラグをリセットし(ステップS897)、演出制御プロセスフラグの値をファンファーレコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に設定する(ステップS898)。
次に、演出表示装置9において実行されるラウンド中演出の演出態様について説明する。図37は、演出表示装置9において実行されるラウンド中演出の表示例を示す説明図である。図37に示すように、演出制御用CPU101は、ラウンド中演出において、「ラウンド1」などのラウンド数を示す文字列とともに桜の木などの背景を演出表示装置9において表示する(ステップS842参照)。また、時短終了予告フラグがセットされた場合には、演出制御用CPU101は、図37(B)に示すように、あと1回の特別図柄の変動表示を行うと時短リミッタにかかる旨の文字列(図37(B)に示す例では、文字列「時短ラストチャンス!!」)を演出表示装置9において重畳表示する(ステップS843,S844参照)。
なお、この実施の形態では、ラウンド間に実行されるインターバル演出においても、所定の背景やキャラクタなどを表示するとともに、時短終了予告フラグがセットされた場合には、ラウンド中演出と同様の態様で、あと1回の特別図柄の変動表示を行うと時短リミッタにかかる旨の文字列(例えば、「時短ラストチャンス!!」や「時短終了まであと1回!!」などの文字列)を演出表示装置9において重畳表示する(ステップS864,S865参照)。なお、時短終了予告フラグがセットされた場合に、ラウンド中演出またはインターバル演出のいずれか一方において、あと1回の特別図柄の変動表示を行うと時短リミッタにかかる旨の文字列を演出表示装置9において重畳表示するようにしてもよい。
次に、特別図柄の変動表示や大当り遊技の実行タイミングと遊技状態の制御タイミングとについて説明する。図38〜図43は、特別図柄の変動表示や大当り遊技の実行タイミングと遊技状態の制御タイミングとを示すタイミング図である。なお、図38に示す例では、特別図柄の変動開始前には遊技状態が通常状態に制御されているものとする。また、時短リミッタ値は200であり、1度大当りが発生した後に200回目の特別図柄の変動表示が実行されたときに時短リミッタがかかるものとする。
遊技状態が通常状態である場合には第1始動入賞口13に比べて第2始動入賞口14は極めて始動入賞しにくいのであるから、遊技者は、まず、第1始動入賞口13への始動入賞を狙って、遊技盤6の左方に遊技球が発射されるように打球操作ハンドル5を操作する。遊技球が進入口33を通りさらに第1始動入賞口13に入賞すると、特別図柄通常処理(ステップS300参照)において、100パーセントの確率で大当りとすることに決定され(ステップS505,S506参照)、図38に示すように、特別図柄の変動表示が実行される(ステップS205,S206,S351〜S353参照)。なお、図38に示す例では、大当り1とすることに決定された場合を示している。
特別図柄の変動時間が経過すると(ステップS352のY参照)、特別図柄変動停止処理(ステップS303参照)において、特別図柄表示器8における特別図柄の変動が停止され大当り図柄が停止表示される(ステップS361参照)とともに、ファンファーレコマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される(ステップS364参照)。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からのファンファーレコマンドの受信に応じて、演出表示装置9やスピーカ27、ランプ28a〜28c等の演出装置を用いて大当り(図38に示す例では大当り1)が開始することを遊技者に報知するファンファーレ演出を所定期間実行する(ステップS822参照)。例えば、演出表示装置9に大当りになったことを示す文字(「大当り!」)などを表示する。また、スピーカ27から大当りになったときの効果音を鳴らしたり、ランプ28a〜28c等を大当りになったときの点灯パターンで点灯させたりする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560では、大入賞口開放前処理(ステップS304参照)において、大当り表示時間(ファンファーレ演出を開始してから大当りの第1ラウンドが開始するまでの時間)の計測を開始する。大当り表示時間が経過すると(ステップS402のY参照)、大入賞口開放中表示コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される(ステップS407参照)。大入賞口開放中表示コマンドによって各ラウンド中における演出表示装置9の表示状態が指定される。また、ソレノイド21が駆動されて大入賞口が開放される(ステップS405参照)。これにより、大当り遊技中の第1ラウンドが開始する。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの大入賞口開放中表示コマンドの受信に応じて、演出表示装置9やスピーカ27、ランプ28a〜28c等の演出装置を用いて大当り遊技のラウンド中であることを遊技者に報知するラウンド演出(ラウンド表示)を実行する(ステップS842参照)。例えば、演出表示装置9に現在のラウンドを示す文字(「第1ラウンド」)やその他の背景、キャラクタなどを表示する。また、スピーカ27からラウンド中の効果音を鳴らしたり、ランプ28a〜28c等をラウンド中の点灯パターンで点灯させたりする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560では、大入賞口開放中処理(ステップS305参照)において、ラウンド時間の計測を開始する。ラウンド時間が経過したとき(ステップS423のY参照)、または大入賞口に遊技球が入賞してカウントスイッチ23がオン状態となったとき(ステップS421のY参照)は、ソレノイド21が駆動されて大入賞口が閉鎖される(ステップS426参照)。これにより、大当り遊技中の第1ラウンドが終了する。また、大入賞口開放後表示コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される(ステップS427参照)。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの大入賞口開放後表示コマンドの受信に応じて、演出表示装置9やスピーカ27、ランプ28a〜28c等の演出装置を用いてラウンド間のインターバルであることを遊技者に報知するインターバル演出(インターバル表示)を所定期間実行する(ステップS863参照)。
遊技制御用マイクロコンピュータ560では、大入賞口開放後処理(ステップS306参照)において、インターバル時間(ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間)の計測を開始する。インターバル時間が経過すると(ステップS442参照)、ラウンド数が2に達していなければ(ステップS444のN参照)、大入賞口開放前処理(ステップS304参照)において、大入賞口開放中表示コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される(ステップS407参照)。また、ソレノイド21が駆動されて大入賞口が開放される(ステップS405参照)。
以上のような大入賞口開放前処理、大入賞口開放中処理および大入賞口開放後処理は、2ラウンドが終了するまで繰り返し実行される。なお、図38では大当り1である場合が示されているが、大当り2とすることに決定された場合には、同様の処理に従って、大入賞口開放前処理、大入賞口開放中処理および大入賞口開放後処理が、5ラウンドが終了するまで繰り返し実行される。
大入賞口開放後処理(ステップS306参照)において、ラウンド数カウンタの値が2になったとき(ステップS444のY参照)は、エンディングコマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される(ステップS445参照)。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からのエンディングコマンドの受信に応じて、演出表示装置9やスピーカ27、ランプ28a〜28c等の演出装置を用いて大当りが終了することを遊技者に報知するエンディング演出(大当り終了表示)を所定期間実行する(ステップS893参照)。例えば、演出表示装置9に大当りの終了を示す文字(「またね!!」)などを表示したり、スピーカ27からエンディング演出用の効果音を鳴らしたり、ランプ28a〜28c等をエンディング演出用の点灯パターンで点灯させたりする。
遊技制御用マイクロコンピュータ560では、大当り終了処理(ステップS307)において、大当り終了時間(大当り終了を遊技者に報知するエンディング演出の実行時間)の計測を開始する。大当り終了時間が経過すると(ステップS462参照)、時短フラグがセットされ(ステップS463参照)、遊技状態が時短状態に移行される。
遊技状態が時短状態に移行されると第1始動入賞口13に比べて第2始動入賞口14の方が始動入賞しやすくなるのであるから、遊技者は、第2始動入賞口14への始動入賞を狙って、遊技盤6の右方に遊技球が発射されるように打球操作ハンドル5を操作する。例えば、可変入賞球装置15が開状態となったタイミングでうまく遊技球が第2始動入賞口14に入賞すると、特別図柄通常処理(ステップS300参照)において、100パーセントの確率で大当りとすることに決定され(ステップS505,S506参照)、図39に示すように、特別図柄の変動表示が実行される(ステップS205,S206,S351〜S353参照)。
以下、図38と同様の処理に従って、大入賞口の開放制御や大当り遊技演出(ファンファーレ演出やラウンド中演出、インターバル演出、エンディング演出)が実行され、大当り遊技を終了すると、時短フラグがセットされ(ステップS463参照)、再び遊技状態が時短状態に移行される。
その後、時短リミッタにかかるまで、同様の処理に従って、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづいて大入賞口の開放制御や大当り遊技演出が繰り返し実行されることになる。
なお、特別図柄の変動時間が経過して特別図柄の変動を停止して大当り図柄を停止表示したときに(ステップS352のY,S361参照)、減算後の時短回数カウンタの値が1になっていれば(ステップS367参照)、図40に示すように、時短終了予告指定コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される(ステップS368参照)。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から時短終了予告指定コマンドを受信したことにもとづいて、ラウンド中演出およびインターバル演出において、あと1回の特別図柄の変動表示を行うと時短リミッタにかかる旨の文字列を重畳表示する(ステップS844,S865参照)。例えば、演出表示装置9に「時短ラストチャンス!!」や「時短終了まであと1回!!」などの文字列を重畳表示することによって、時短終了予告演出を実行する。
大当りが1度発生した後に200回目の特別図柄の変動表示の表示結果にもとづいて大当り遊技状態に移行した場合には、図41に示すように、減算後の時短回数カウンタの値が0となっている。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り終了時間が経過すると(ステップS462参照)、時短回数カウンタの値が0となっていることにもとづいて(ステップS463のY参照)、時短回数カウンタの値を初期値(200)に戻し(ステップS465参照)、時短フラグをセットすることなく、大当り遊技を終了する。すなわち、時短リミッタがかかり、大当り遊技終了後に時短状態に移行しないように制御(すなわち、通常状態に制御)する。
なお、この実施の形態では、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14に連続して始動入賞することは稀であるから、大当り遊技を終了するときに保留記憶数が0となっていることがほとんどである。そのため、図41に示すように、ほとんどの場合、時短リミッタ時の大当り終了後に直ちに次の特別図柄の変動表示は開始されず、遊技状態は通常状態に制御される。
一方、稀に第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に連続して始動入賞することがある。この場合、図42に示すように、大当り遊技を終了するときに保有記憶数が溜まっている状態(図42に示す例では保留記憶数1個)となる。このような場合には、大当り遊技終了後の特別図柄通常処理(ステップS300参照)において、直ちに保留記憶数が0でないと判断されるのであるから(ステップS502のN参照)、図42および図43に示すように、大当り終了後に直ちに特別図柄の変動表示が実行される(ステップS205,S206,S351〜S353参照)。
その後、図43に示すように、図38と同様に100パーセントの確率で大当り図柄が表示されて大当り遊技が開始され、大当り遊技終了後に時短状態に移行される。そして、図39〜図41と同様に、200回の特別図柄の変動表示が終了するまで(時短リミッタにかかるまで)、繰り返し大当り遊技終了後に時短状態に移行される。したがって、遊技者から見ると、恰も大当り終了後に時短状態に移行される状態が通常よりも2倍長く(すなわち、通常の時短リミッタよりも2倍の400回の特別図柄の変動表示が終了するまで)継続するように見せることができ、遊技に対する一層の興趣の向上を図ることができる。
なお、この実施の形態では、図40に示すように、時短リミッタがかかる1つ前の大当り遊技状態におけるラウンド中演出およびインターバル演出において、あと1回の特別図柄の変動表示で時短リミッタがかかる旨が報知(時短終了予告演出)される。時短リミッタ時の大当り終了時において保留記憶数があれば、時短リミッタが通常よりも2倍に延びたような遊技状態が得られるのであるから、遊技者は、ラウンド中演出およびインターバル演出において時短終了予告演出が行われると、その大当り遊技終了後から次の特別図柄の変動表示が開始されるまでの間に、時短リミッタが2倍に延長されることを期待して、第2始動入賞口14(または第1始動入賞口13でもよい)に連続して複数個の遊技球を始動入賞させようと打球操作ハンドル5を操作することになる。そのため、時短終了予告演出がされることによって、より遊技性の向上を図ることができる。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞し変動表示の実行条件が成立したことにもとづいて特別図柄の変動表示を実行し、特別図柄の変動表示の表示結果として常に大当り図柄を導出表示する特別図柄表示器8を備える。また、特別図柄表示器8に特別図柄の変動表示の表示結果として大当り図柄が導出表示されたときに遊技者にとって有利な大当り遊技状態に移行させる。また、大当り遊技状態を終了したときに、通常状態と比較して可変入賞球装置15が開状態となりやすい時短状態に移行させる。そのため、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に始動入賞しさえすれば、常に大当り遊技状態に移行されるようにすることができ、遊技の興趣の向上を図ることができる。また、大当り遊技状態を終了すると時短状態に移行させるので、連続して大当り遊技状態に移行されるような遊技状態を提供することができ、新たな遊技性を実現するとともに、遊技に対する一層の興趣の向上を図ることができる。また、所定回数連続して時短状態に移行された後に大当り遊技状態に移行されたときには、その大当り遊技状態を終了したときに時短状態に移行させないように制御する。そのため、適度な射幸性を確保することができる。
また、この実施の形態によれば、所定の上限値までの実行条件が成立していない第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への遊技球の始動入賞数を特定可能な保留記憶数を記憶する保留記憶数カウンタを備える。そのため、所定回数連続して時短状態に移行された後に大当り遊技状態に移行されたときに、保留記憶があれば、その大当り遊技状態を終了した直後に直ちに大当り遊技状態が発生するようにし、続けて再び所定回数連続して時短状態に移行するように制御することができる。そのため、時短状態が通常よりも2倍長く継続する状態を提供することができ、遊技に対する一層の興趣の向上を図ることができる。
また、この実施の形態によれば、所定回数連続して時短状態に移行されるまたは移行されたことを報知する。具体的には、この実施の形態では、あと1回の特別図柄の変動表示で時短リミッタにかかる旨を報知する。そのため、所定回数連続して時短状態に移行されることを遊技者が把握することができ、より遊技性の向上を図ることができる。
また、この実施の形態によれば、大当り遊技状態として、大当り1遊技状態または大当り1遊技状態と比較してさらに遊技者にとって有利な大当り2遊技状態のいずれかに移行させる。具体的には、この実施の形態では、2ラウンド大当りである大当り1遊技状態と、5ラウンド大当りである大当り2遊技状態とのいずれかの大当り遊技状態に移行させる。そのため、複数種類の大当り遊技状態に移行させることによって、遊技に対するより一層の興趣の向上を図ることができる。
なお、この実施の形態では、大当り1および大当り2がそれぞれ2ラウンド大当りおよび5ラウンド大当りである場合を示したが、大当り2が大当り1と比較して遊技者に有利なものであれば、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、1ラウンド中の大入賞口への最大許容入賞数(最大カウント数)が異なる大当り1および大当り2に移行するようにしてもよい。例えば、最大カウント数が1である大当り1または最大カウント数が3である大当り2のいずれかに決定するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、100パーセントの確率で大当りとすることに決定する場合を説明したが、ほぼ(極めて高確率で(例えば、80パーセント以上、好ましくは90パーセント以上の確率で))大当りと決定するようにしてもよい。図44は、100パーセントの確率で大当りとするのではなく、ほぼ大当りと決定する場合の特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。
図44において、ステップS501〜S506までの処理は、図12に示したそれらの処理と同様である。ただし、図44に示す例では、ステップS505,S506の大当り判定処理において、CPU56は、図45に示す大当り判定用テーブルを用いて、90パーセントの確率で大当りと決定し、10パーセントの確率ではずれと決定する。大当りとすることに決定した場合には、CPU56は、大当りと決定したことを示す大当りフラグをセットする(ステップS506B)。はずれとすることに決定した場合には、CPU56は、特別図柄の停止図柄としてはずれ図柄(例えば、「0」の図柄)を決定し(ステップS506C)、はずれであることを示す表示結果コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS506D)。そして、ステップS512に移行する。
ステップS507〜S511の処理は、図12に示したそれらの処理と同様である。決定した大当りの種別が大当り2である場合には(ステップS510のY)、CPU56は、大当り2フラグをセットし(ステップS511)、大当り2であることを示す表示結果コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し(ステップS511A)、ステップS512に移行する。決定した大当りの種別が大当り2でなければ、すなわち大当り1であれば(ステップS510のN)、大当り1であることを示す表示結果コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し(ステップS511B)、ステップS512に移行する。
ステップS512,S513の処理は、図12に示したそれらの処理と同様である。
図46は、100パーセントの確率で大当りとするのではなく、ほぼ大当りと決定する場合の特別図柄変動停止処理(ステップS303)を示すフローチャートである。図46に示す例では、特別図柄変動停止処理において、CPU56は、まず、特別図柄表示器8における特別図柄の変動を止めて、停止図柄(大当り図柄)を導出表示する(ステップS361)。この場合、CPU56は、特別図柄の停止図柄として、90パーセントの確率で大当り図柄を導出表示し、10パーセントの確率ではずれ図柄を導出表示する。次いで、CPU56は、演出表示装置9における飾り図柄の変動の停止を指定する飾り図柄停止指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS361A)。
次いで、CPU56は、大入賞口の開放/閉鎖を制御するための時間を計測する大入賞口制御タイマに、大当り図柄を停止表示した後に大当り遊技が開始されることを遊技者に報知する演出(ファンファーレ演出)の実行時間(大当り表示時間(例えば、3秒))をセットする(ステップS362)。次いで、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS362A)。大当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に応じた値に更新する(ステップS371)。
ステップS363〜S370の処理は、図16に示したそれらの処理と同様である。
なお、変動パターン設定処理において、CPU56は、変動パターンを決定すると(ステップS204参照)、決定した変動パターンを指定する変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。また、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンド、表示結果コマンドおよび飾り図柄停止指定コマンドにもとづいて、演出制御プロセス処理(ステップS705参照)において、演出表示装置9における飾り図柄の変動表示を実行し、飾り図柄の停止図柄として大当り図柄(例えば、左中右の3つの図柄が同じ図柄で揃った状態の停止図柄)やはずれ図柄を導出表示する。
図44〜図46に示す例では、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞し変動表示の実行条件が成立したことにもとづいて特別図柄の変動表示を実行し、特別図柄の変動表示の表示結果としてほぼ大当り図柄を導出表示する特別図柄表示器8を備える。また、特別図柄表示器8に特別図柄の変動表示の表示結果として大当り図柄が導出表示されたときに遊技者にとって有利な大当り遊技状態に移行させる。また、特別図柄表示器8に導出表示される表示結果を大当り図柄とすることを表示結果の導出表示以前に決定し、大当り遊技状態を終了したときに、通常状態と比較して可変入賞球装置15が開状態となりやすい時短状態に移行させる。そのため、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に始動入賞しさえすれば、ほぼ大当り遊技状態に移行されるようにすることができ、遊技の興趣の向上を図ることができる。また、大当り遊技状態を終了すると時短状態に移行させるので、連続して大当り遊技状態に移行されるような遊技状態を提供することができ、新たな遊技性を実現するとともに、遊技に対する一層の興趣の向上を図ることができる。また、所定回数連続して時短状態に移行された後に大当り遊技状態に移行されたときには、その大当り遊技状態を終了したときに時短状態に移行させないように制御する。そのため、適度な射幸性を確保することができる。
また、この実施の形態では、あと1回の特別図柄の変動表示で時短リミッタがかかる旨をラウンド中演出およびインターバル演出において報知(時短終了予告演出)する場合を示したが、ラウンド中演出やインターバル演出時に限らず、他のタイミングで時短終了予告演出を行ってもよい。例えば、時短リミッタがかかる1つ前の大当り遊技におけるファンファーレ演出やエンディング演出において時短終了予告演出を行ってもよいし、時短リミッタがかかる1つ前の大当り遊技終了後に時短終了予告演出を行うようにしてもよい。
図47は、時短リミッタがかかる1つ前の大当り遊技終了後に時短終了予告演出を行う場合の大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。図47において、ステップS461〜S465の処理は、図20に示したそれらの処理と同様である。ステップS463で時短回数カウンタの値が0になっていなければ、CPU56は、時短フラグをセットし(ステップS464)、時短回数カウンタの値が1であるか否かを確認する(ステップS464A)。時短回数カウンタの値が1でなければ、そのままステップS466に移行する。時短回数カウンタの値が1であれば、CPU56は、時短終了予告指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS464B)。ステップS466,S467の処理は、図20に示したそれらの処理と同様である。
演出制御用CPU101は、時短終了予告指定コマンドを受信すると、大当り終了後に(エンディング演出終了後に)、演出表示装置9において、あと1回の特別図柄の変動表示で時短リミッタがかかる旨を報知する表示を開始する。
図48は、演出表示装置9における大当り終了後の表示例を示す説明図である。図48に示すように、演出制御用CPU101は、大当り終了後において、例えば、「時短中」などの遊技状態を示す文字列とともに雲や雷などの背景を演出表示装置9において表示する。また、時短終了予告指定コマンドを受信した場合には、演出制御用CPU101は、図48(B)に示すように、あと1回の特別図柄の変動表示を行うと時短リミッタにかかる旨の文字列(図48(B)に示す例では、文字列「時短ラストチャンス!!」。なお、「時短終了まであと1回!!」などと表示してもよい)を演出表示装置9において重畳表示する。
なお、大当り終了後にのみ図48(B)に示すような時短終了予告演出を行うのではなく、ファンファーレ演出やラウンド中演出、インターバル演出、エンディング演出において時短終了予告演出を行うとともに、大当り終了後においても時短終了予告演出を行うようにしてもよい。
また、この実施の形態では、時短リミッタがかかる1つ前の大当り遊技中や大当り遊技終了後に時短終了予告演出を行う場合を示したが、時短リミッタがかかる5つ前や7つ前の大当り遊技中や大当り終了後など他のタイミングで時短終了予告演出を行うようにしてもよい。また、遊技状態が通常状態である状態から最初に大当りとなったときに時短状態に移行されることや時短状態に移行されたことを報知しているようにしてもよく、報知のタイミングは問わない。
実施の形態2.
第1の実施の形態では、パチンコ遊技機1が1つの特別図柄表示器8を備える場合を示したが、パチンコ遊技機1は複数の特別図柄表示器を備え複数の特別図柄の変動表示を行うものであってもよい。以下、パチンコ遊技機1が2つの特別図柄表示器を備える第2の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
図49は、第2の実施の形態におけるパチンコ遊技機を正面から見た正面図である。図49に示すように、この実施の形態では、演出表示装置9の右方には、識別情報として第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8aと、識別情報として第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器8bとが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、例えば「0」〜「9」の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。なお、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、0〜99など、より多種類の数字を可変表示するように構成されていてもよい。なお、この実施の形態では、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞したことにもとづいて第1特別図柄の可変表示が実行され、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞したことにもとづいて第2特別図柄の可変表示が実行される。
また、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aには、第1特別図柄の可変表示の表示結果として常に大当り図柄(例えば「0」以外の「1」〜「9」の図柄)が導出表示される。また、第2特別図柄表示器8bには、第2特別図柄の可変表示の表示結果として常に大当り図柄(例えば「0」以外の「1」〜「9」の図柄)が導出表示される。なお、常に大当り図柄が導出表示されるようにするのではなく、ほぼ大当り図柄が導出表示される(極めて高確率で(例えば、80パーセント以上、好ましくは90パーセント以上の確率で)大当り図柄が導出表示される)ようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bの上部には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶(第1始動記憶または第1始動入賞記憶ともいう。)数を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bの上部には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶(第2始動記憶または第2始動入賞記憶ともいう。)数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。また、それぞれ有効始動入賞がある毎に、1つの表示器の表示色を変化させる。そして、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bの可変表示が開始される毎に、1つの表示器の表示色をもとに戻す。この例では、第1特別図柄表示器8aと第1特別図柄保留記憶表示器18aとが別個に設けられ、第2特別図柄表示器8bと第2特別図柄保留記憶表示器18bとが別個に設けられているので、可変表示中も保留記憶数が表示された状態にすることができる。なお、演出表示装置9の表示領域内に、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを合計した合算保留記憶数を表示する8つの表示領域からなる特別図柄保留記憶表示領域を設けるようにしてもよい。また、この実施の形態では、第1保留記憶数および第2保留記憶数の上限値を4とするが、上限値をより大きい値にしてもよい。さらに、上限値を、遊技状態に応じて変更可能であるようにしてもよい。
図50は、第2の実施の形態における始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。図50に示す例では、CPU56は、第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとのうちの少なくとも一方がオン状態の場合に実行される始動口スイッチ通過処理において、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS221)。CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態である場合には、始動口ポインタに「第2」を示すデータを設定する(ステップS222)。また、第2始動口スイッチ14aがオン状態でない場合には(すなわち、第1始動口スイッチ13aがオン状態である場合には)、始動口ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS223)。
始動口ポインタはRAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。また、例えば、「第1」を示すデータは「0」であり、「第2」を示すデータは「1」である。
次いで、CPU56は、始動口ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値が4であるか否かを確認する(ステップS224)。保留記憶数カウンタの値が4であれば、ステップS230に移行する。保留記憶数カウンタの値が4でなければ、CPU56は、始動口ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS225)。具体的には、始動口ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数を示す第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、始動口ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数を示す第2保留記憶数カウンタの値を1増やす。そして、CPU56は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合算保留記憶数を示す合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS226)。
また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、始動口ポインタが示すデータをセットする(ステップS227)。具体的には、始動口ポインタが「第1」を示している場合には「第1」を示すデータをセットし、始動口ポインタが「第2」を示している場合には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、始動口ポインタが「第1」を示している場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、始動口ポインタが「第2」を示している場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図51(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図51(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図51(A)には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図51(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞にもとづき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
図51(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図51(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
CPU56は、ソフトウェア乱数(大当り図柄決定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)、およびランダムR(大当り判定用乱数)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として、第1保留記憶バッファと第2保留記憶バッファとのうちの始動口ポインタが示す方の保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS228)。具体的には、CPU56は、始動口ポインタが「第1」を示している場合には、ソフトウェア乱数およびランダムRを第1保留記憶バッファの第1保留記憶数カウンタが示す値に対応する保存領域に格納し、始動口ポインタが「第2」を示している場合には、ソフトウェア乱数およびランダムRを第2保留記憶バッファの第2保留記憶数カウンタが示す値に対応する保存領域に格納する。
次いで、CPU56は、始動口ポインタが示す方の特別図柄保留記憶表示器18a,18bの表示を、第1保留記憶数カウンタまたは第2保留記憶数カウンタの値を示す表示に変更する(ステップS229)。そして、始動口ポインタをクリアする(ステップS230)。
なお、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に同期して演出表示装置9において飾り図柄の変動表示を行うようにする場合には、第1保留記憶数カウンタや第2保留記憶数カウンタの値を更新(ステップS225参照)した後に、例えば、CPU56は、始動口ポインタが示す方の始動入賞指定コマンドを送信する制御を行うようにしてもよい。具体的には、始動口ポインタが「第1」を示している場合には第1始動入賞指定コマンドを送信し、始動口ポインタが「第2」を示している場合には第2始動入賞指定コマンドを送信する。また、合算保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、第1保留記憶数バッファと第2保留記憶数バッファとを別々に備える場合を例にしたが、第1保留記憶数と第2保留記憶数とに対して共通の保留記憶数バッファを備えるようにしてもよい。図52は、第1保留記憶数と第2保留記憶数とに対して共通に備える共通保留記憶数バッファの構成例を示す説明図である。図52に示すように、共通保留記憶数バッファは、保留記憶特定情報保存領域と乱数値保存領域とを組み合わせた領域を8つ含む。また、共通保留記憶数バッファにおいて、保留記憶特定情報保存領域および乱数値保存領域の各領域には連続したアドレスが割り当てられている。
共通保留記憶数バッファを用いる場合、CPU56は、ステップS225で始動口ポインタが示す方の保留記憶数カウンタの値を1増やし、ステップS226で合算保留記憶数カウンタの値を1増やした後、ステップS227の処理に代えて、共通保留記憶数バッファの空き領域の先頭の保留記憶特定情報保存領域に、始動口ポインタが示すデータをセットする処理を実行する。具体的には、CPU56は、合算保留記憶数(第1保留記憶数と第2保留記憶数とを毎回加算して求めてもよい)にもとづいてデータ格納先のアドレスを指定するポインタの位置を更新することによって、共通保留記憶数バッファの空き領域の先頭の保留記憶特定情報保存領域にデータをセットする。
共通保留記憶数バッファの空き領域の先頭を特定する場合、例えば、1つの保留記憶あたりに対して共通保留記憶数バッファに格納するデータ数を合算保留記憶数に乗算した値に1(すなわち、保留記憶特定情報保存領域1領域分)を加えた値をアドレスのオフセット値として求め、求めたオフセット値に従ってポインタを更新する。例えば、図52に示す例では、共通保留記憶数バッファに、1つの保留記憶あたり保留記憶特定情報保存領域と乱数値保存領域との2つのデータ格納領域が設けられている。そのため、合算保留記憶数を2倍した値に1(すなわち、保留記憶特定情報保存領域1領域分)を加えた値をアドレスのオフセット値として求め、求めたオフセット値に従ってポインタを更新する。例えば、合算保留記憶数が3である場合には、図52に示すように、オフセット値+7(合算保留記憶数3を2倍して1を加えた値)に対応する保留記憶特定情報保存領域にデータをセットする。この場合、始動口ポインタが「第1」を示している場合には「第1」を示すデータを保留記憶特定情報保存領域にセットし、始動口ポインタが「第2」を示している場合には「第2」を示すデータを保留記憶特定情報保存領域にセットする。なお、例えば、共通保留記憶数バッファに、1つの保留記憶あたり保留記憶特定情報保存領域と2つの乱数値保存領域(例えば、大当り図柄決定用乱数用と大当り判定用乱数用)との合計3つのデータ格納領域が設けられている場合には、合算保留記憶数を3倍した値に1(すなわち、保留記憶特定情報保存領域1領域分)を加えた値をアドレスのオフセット値として求め、求めたオフセット値に従ってポインタを更新するようにすればよい。
また、データ格納先のアドレスを指定するポインタの初期位置を共通保留記憶数バッファの1つ目の領域(図52に示す保留記憶1用の保留記憶特定情報保存領域)とする場合には、CPU56は、1つの保留記憶あたりに対して共通保留記憶数バッファに格納するデータ数を合算保留記憶数に乗算した値をアドレスのオフセット値として求めるようにしてもよい。例えば、図52に示す例では、合算保留記憶数を2倍した値をアドレスのオフセット値として求めるようにしてもよい。そして、CPU56は、ポインタの位置を初期位置からオフセット値の分だけ移動した位置とすることによって、ポインタを更新するように制御してもよい。なお、例えば、共通保留記憶数バッファに、1つの保留記憶あたり保留記憶特定情報保存領域と2つの乱数値保存領域(例えば、大当り図柄決定用乱数用と大当り判定用乱数用)との合計3つのデータ格納領域が設けられている場合には、合算保留記憶数を3倍した値をアドレスのオフセット値として求めるようにすればよい。
また、CPU56は、ステップS228の処理に代えて、ソフトウェア乱数(大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)、およびランダムR(大当り判定用乱数)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として、共通保留記憶数バッファの空き領域の先頭の乱数値保存領域に格納する処理を実行する。具体的には、CPU56は、保留記憶特定情報保存領域にデータをセットした後に、アドレスを指定するポインタの位置を1つ更新して、更新後のポインタが指すアドレスの乱数値保存領域に乱数値を格納する。なお、CPU56は、格納する乱数値の種類の数分だけ同様の処理を行ってもよい。
図53は、第2の実施の形態における特別図柄通常処理を示すフローチャートである。図53に示す例では、特別図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、特別図柄の変動を開始することができる状態(例えば特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合)には(ステップS501)、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS502A)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば処理を終了する。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留特定領域(図51(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(ステップS502B)。「第1」を示すデータであれば、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第1」を示すデータを設定する(ステップS502C)。「第1」を示すデータでなければ、すなわち「第2」を示すデータであれば、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータを設定する(ステップS502D)。
CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS503A)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS504A)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタのカウント値をRAM55の所定の領域に保存した後(ステップS504B)、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS504C)。
図53において、ステップS505以降の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
図54は、第2の実施の形態における変動パターン設定処理を示すフローチャートである。この実施の形態において、ステップS201〜S204の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。ステップS204で変動パターンを決定すると、CPU56は、特別図柄ポインタの設定に応じて、第1特別図柄または第2特別図柄の変動を開始する(ステップS204A)。例えば、ステップS35の特別図柄表示制御処理で参照される開始フラグをセットする。なお、開始フラグや終了フラグを用いずに、ステップS35の特別図柄表示制御処理において、特別図柄プロセスフラグの値のみにもとづいて特別図柄の変動を制御する場合には、ステップS204Aにおいて、CPU56は、第1特別図柄または第2特別図柄のいずれの変動であるかを示すフラグをセットするようにしてもよい。
この実施の形態において、ステップS205,S206の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
なお、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に同期して飾り図柄の変動表示を行う場合には、CPU56は、変動パターン設定処理において、変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うようにしてもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれの変動であるかを示す図柄変動指定コマンドを送信する制御を行うようにしてもよい。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されている場合には、第1特別図柄の変動を示す第1図柄変動指定コマンドを送信し、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されている場合には、第2特別図柄の変動を示す第2図柄変動指定コマンドを送信するようにしてもよい。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞し変動表示の実行条件が成立したことにもとづいて第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示を実行し、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示の表示結果として常に大当り図柄を導出表示する第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bを備える。また、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示の表示結果として大当り図柄が導出表示されたときに遊技者にとって有利な大当り遊技状態に移行させる。また、大当り遊技状態を終了したときに、通常状態と比較して可変入賞球装置15が開状態となりやすい時短状態に移行させる。そのため、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に始動入賞しさえすれば、常に大当り遊技状態に移行されるようにすることができ、遊技の興趣の向上を図ることができる。また、大当り遊技状態を終了すると時短状態に移行させるので、連続して大当り遊技状態に移行されるような遊技状態を提供することができ、新たな遊技性を実現するとともに、遊技に対する一層の興趣の向上を図ることができる。また、所定回数連続して時短状態に移行された後に大当り遊技状態に移行されたときには、その大当り遊技状態を終了したときに時短状態に移行させないように制御する。そのため、適度な射幸性を確保することができる。
また、この実施の形態によれば、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞し変動表示の第1の実行条件が成立したことにもとづいて第1特別図柄の変動表示を実行し、第1特別図柄の変動表示の表示結果を導出表示する第1特別図柄表示器8aと、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞し変動表示の第2の実行条件が成立したことにもとづいて第2特別図柄の変動表示を実行し、第2特別図柄の変動表示の表示結果を導出表示する第2特別図柄表示器8bとを備える。そのため、複数の特別図柄の変動表示を行えるようにすることによって、より遊技性に幅をもたせるようにすることができる。
なお、上記の各実施の形態のパチンコ遊技機は、主として、始動入賞にもとづいて可変表示部に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄になると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機であったが、始動入賞にもとづいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機や、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続するパチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。さらに、遊技メダルを投入して賭け数を設定し遊技を行うスロット機や、遊技メダルではなく遊技球を投入して賭け数を設定し遊技を行う遊技機などにも本発明を適用できる。