以下、この発明にかかる遊技機の一実施の形態であるパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)を、各図を参照しつつ詳細に説明する。
[パチンコ機の全体構成について]
図1はパチンコ機の外枠の一側に本体枠が開かれその本体枠の一側に前面枠が開かれた状態を示す斜視図である。なお、図1においては遊技領域における装飾部材が省略された図を示している。
同図1に示されるように、パチンコ機1は、外枠2、本体枠3、前面枠4、及び遊技盤5等を備えて構成されている。外枠2は、上下左右の木製の枠材によって縦長四角形の枠状に形成され、同外枠2の前側下部には、本体枠3の下面を受ける下受板6を有している。外枠2の前面の片側には、ヒンジ機構7によって本体枠3が前方に開閉可能に装着されている。なお、外枠2は、樹脂やアルミニウム等の軽金属によって形成されていてもよい。
[本体枠の構成について]
図2はパチンコ機1の前側全体を示す正面図であり、図4はパチンコ機1の本体枠3と遊技盤5とを分離して斜め右上前方から示す斜視図である。同図2及び図4に併せて示されるように、本体枠3は、前枠体11、遊技盤装着枠12及び機構装着体13を合成樹脂材によって一体成形することで構成されている。本体枠3の前枠体11は、外枠2(図1参照)の前側の下受板6を除く外郭形状に対応する大きさの矩形枠状に形成されている。そして、前枠体11の片側の上下部には、本体枠側ヒンジ具15が固定されており、外枠2の片側の上下部に固定された外枠側ヒンジ具14に対してヒンジピン及びヒンジ孔によって開閉回動可能に装着されている。すなわち、外枠側ヒンジ具14、本体枠側ヒンジ具15、ヒンジピン及びヒンジ孔によってヒンジ機構7が構成されている。
前枠体11の前側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の前下部左側領域にはスピーカボックス部16が一体に形成され、そのスピーカボックス部16の前側開口部には、同開口部を塞ぐようにしてスピーカ装着板17が装着されている。そして、スピーカ装着板17にはスピーカ18が装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内において、その上半部分には発射レール19が傾斜状に装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内の下半部分には下部前面板30が装着されている。そして、下部前面板30の前面の略中央部には、遊技球を貯留可能な下皿31が設けられ、右側寄りには操作ハンドル32が設けられ、左側寄りには灰皿33が設けられている。なお、下皿31には、遊技球を下方に排出するための球排出レバー34が配設されている。
[前面枠の構成について]
図1及び図2に併せて示されるように、前枠体11の前面の片側には、その前枠体11の上端から下部前面板30の上縁にわたる部分を覆うようにして、前面枠4がヒンジ機構36によって前方に開閉可能に装着されている。また、前面枠4の略中央部には、遊技盤5の遊技領域37を前方から透視可能な略円形の開口窓38が形成されている。また、前面枠4の後側には開口窓38よりも大きな矩形枠状をなす窓枠39が設けられ、その窓枠39にはガラス板、透明樹脂板等の透明板50が装着されている。また、前面枠4の前面の略全体は、ランプ等が内設された前面装飾部材によって装飾され、同前面枠4の前面の下部には上皿51が形成されている。詳しくは、開口窓38の周囲において、左右両側部にサイド装飾装置52が、下部に上皿51が、上部に音響電飾装置53が装着されている。サイド装飾装置52は、ランプ基板(装飾ランプ)が内部に配置され且つ合成樹脂材によって形成されたサイド装飾体54を主体として構成されている。サイド装飾体54には、横方向に長いスリット状の開口孔が上下方向に複数配列されており、該開口孔には、ランプ基板に配置された光源に対応するレンズ55が組み込まれている。音響電飾装置53は、透明カバー体56、スピーカ57、スピーカカバー58、賞球ランプ396、及びリフレクタ体(図示しない)等を備え、これらの構成部材が相互に組み付けられてユニット化されている。
[施錠装置の構成について]
図1及び図4に併せて示されるように、前枠体11のヒンジ機構36に対して反対側となる自由端側の後側には、外枠2に対し本体枠3を施錠する機能と、本体枠3に対し前面枠4を施錠する機能とを兼ね備えた施錠装置70が装着されている。すなわち、この実施形態において、施錠装置70は、外枠2に設けられた閉止具71に係脱可能に係合して本体枠3を閉じ状態に施錠する上下複数の本体枠施錠フック72と、前面枠4の自由端側の後側に設けられた閉止具73に係脱可能に係合して前面枠4を閉じ状態に施錠する上下複数の扉施錠フック74と、パチンコ機1の前方から鍵が挿入されて解錠操作可能に、前枠体11及び下部前面板30を貫通して露出されたシリンダー錠75と、を備えている。そして、シリンダー錠75の鍵穴に鍵が挿入されて一方向に回動操作されることで本体枠施錠フック72と外枠2の閉止具71との係合が外れて本体枠3が解錠され、これとは逆方向に回動操作されることで、扉施錠フック74と前面枠4の閉止具73との係合が外れて前面枠4が解錠されるようになっている。
[遊技盤装着枠及び遊技盤の構成について]
図3は遊技領域37の構成を示す拡大正面図であり、図5はパチンコ機1の後側全体を示す背面図である。
図1及び図4に示すように、本体枠3の遊技盤装着枠12は、前枠体11の後側に設けられかつ遊技盤5が前方から着脱交換可能に装着されるようになっている。遊技盤5は、遊技盤装着枠12の前方から嵌込まれる大きさの略四角板状に形成されている。遊技盤5の盤面(前面)には、外レール76と内レール77とを備えた案内レール78が設けられ、その案内レール78の内側に遊技領域37が区画形成されている。なお、発射レール19と案内レール78との間には、所定の隙間が設けられており、発射された遊技球が案内レール78を逆戻りした場合には、その遊技球は、その隙間から排出され下皿31に案内されるように構成されている。また、遊技盤5の前面には、その案内レール78の外側領域において、合成樹脂製の前構成部材79が装着されている。
図3に示すように、遊技領域37内には多数の障害釘が所定のゲージ配列をなして設けられているほか、その途中の適宜位置に風車92が設けられている。遊技領域37のほぼ中央位置には、センター役物91が配設されており、このセンター役物91のデザインによってパチンコ機1の機種やゲームコンセプト等が特徴付けられている。
また、センター役物91の後方には、抽選結果を演出表示する演出表示装置115が設けられている。この演出表示装置115としては、例えば、装飾図柄画像情報、背景画像情報、キャラクタ画像情報等を合成した画像情報を表示可能な適宜の表示装置が用いられる。本実施の形態では、演出表示装置115として液晶表示装置が用いられている。
また、上記遊技領域37には、遊技領域37におけるセンター役物91の下方には、通過しても賞球払出の対象とならないゲート式の第1普通図柄始動口96が設けられている。また、遊技領域37におけるセンター役物91の右側には、同じくゲート式の第2普通図柄始動口97、普通電動役物80、及び、入球により賞球が払い出される特別図柄始動口82が設けられている。
ただし、第1普通図柄始動口96及び第2普通図柄始動口97は、ゲート式のものに限られず、入球により賞球が払い出されるものであってもよい。また、特別図柄始動口82は、入球により賞球が払い出されるものに限られず、通過しても賞球払出の対象とならないゲート式であってもよい。
第1普通図柄始動口96及び第2普通図柄始動口97への遊技球の通過は、それぞれ、後述の第1ゲートセンサ316及び第2ゲートセンサ317(いずれも図11参照)によって検出される。そしてこの際、予め定められた数値範囲内で例えば4ms毎などの定期的に更新(生成)される普通図柄当落判定用乱数に基づいて普通電動役物80の動作契機となる普通当りについての抽選処理(普通図柄抽選処理)が行われ、この抽選処理の結果に応じて、後述の普通図柄表示器333において所定の時間だけ普通図柄が変動表示される。
なお、本実施形態では、第1普通図柄始動口96を遊技球が通過すると第1ゲートセンサ316により検出され、第2普通図柄始動口97を遊技球が通過すると第2ゲートセンサ317により検出されるようになっているが、これに限られず、例えば第1普通図柄始動口96を通過した遊技球と、第2普通図柄始動口97を通過した遊技球とが、遊技盤5の後側において共通の通路を通るものとし、かかる共通の通路にゲートセンサを設けるようにしてもよい。こうすることで、ゲートセンサの数を増やす必要がない。
そして、普通図柄の変動表示が終了した後、普通図柄抽選処理の結果が当りであると判断されたときは、後述の普通役物駆動機構334(図11参照)の駆動制御が行われる。これにより、特別図柄始動口82への遊技球の入球が、不可能な態様(拒球態様)から可能な態様(許球態様)に切り替わるように、普通電動役物80の可動片81が動作するようになる。なお、普通役物駆動機構334は、普通電動役物80(より正確には、普通電動役物80の可動片81)を動作させるものであり、例えばソレノイドなどを有して構成される。また、特別図柄始動口82は、普通電動役物80の可動片81によって常には拒球態様に維持されている。
なお、普通電動役物80(より正確には、普通電動役物80の可動片81)による開放動作があったときに限り(すなわち、普通図柄抽選処理の結果が当りであるときに限り)遊技球の入賞が可能と(容易化)されるこのような特別図柄始動口82に対し、第1普通図柄始動口96及び第2普通図柄始動口97は、遊技領域37に向けて打ち込まれた遊技球が常に受け入れ(通過)可能に構成されている。
また、特別図柄始動口82の左下方には、特別電動役物としてのアタッカ装置98が配設されている。このアタッカ装置98は、開閉部材99の下端部分を軸として開閉部材99を前後方向に開閉動作させることにより大入賞口83(開閉装置)が開閉されるようになっている。さらに、遊技領域37の最も下方となる位置には、遊技領域37を流下した遊技球が排出される球アウト口90が設けられている。
また後述するが、普通電動役物80の可動片81の動作によって入球可能とされた特別図柄始動口82に遊技球が入賞されたときは、後述の特図始動口センサ318(図11参照)によって遊技球の入賞が検出される。そしてこの際、予め定められた数値範囲内で例えば4ms毎などの定期的に更新(生成)される特別図柄当落判定用乱数に基づいて、大入賞口83の動作契機となる特別当りについての当落にかかる抽選処理(特別図柄抽選処理)が行われ、特別図柄表示器332(図11参照)に動的表示される特別図柄が所定の時間だけ変動表示される。この変動表示が終了した後、特別図柄抽選処理の結果が当りであると判断されたときは、後述のアタッカ駆動機構339(図11参照)の駆動制御が行なわれる。これにより、大入賞口83への遊技球の入球が、不可能な態様(拒球態様)から可能な態様(許球態様)に切り替わるように、アタッカ装置98の開閉部材99が動作するようになる。なお、アタッカ駆動機構339は、アタッカ装置98(より正確には、アタッカ装置98の開閉部材99)を動作させるものであり、例えばソレノイドなどを有して構成される。また、大入賞口83は、アタッカ装置98の開閉部材99によって常には拒球態様に維持されている。
また、センター役物91の斜め左下には、普通図柄抽選処理による結果を示唆する普通図柄表示器333として機能する三つのLEDと、普通図柄抽選処理の保留状態を示す普通保留表示器85として機能する四つのLEDとが設けられている。このうち、普通保留表示器85は、普通図柄抽選処理の保留回数分(最大4回)だけ上記四つのLEDが点灯するようになっている。
ここで、上記普通図柄表示器333では、上記3つのLEDが各別に点滅(動的表示)されることによって普通図柄(第1の遊技情報)の変動表示制御が行われる。そして、この変動表示制御が所定の時間だけ行われた後は、普通図柄についての抽選処理の結果が、当該普通図柄表示器333としての3つのLEDの表示態様(点灯の組み合わせ)によって表示され、遊技者に報知される。
また、後述するが、後述の主制御基板765(図11参照)は、普通図柄始動口96に遊技球が入賞したとき、普通図柄抽選処理の実行を一旦保留の状態とし、この一旦保留の状態とされた数が、普通図柄の始動記憶数として普通保留表示器85に表示される。この実施の形態では、この普通図柄の始動記憶は最大4つまで保留され、その保留数(「0」〜「4」)は、上記普通保留表示器85としての4つのLEDの点灯態様をもって遊技者に報知される。
なお、本実施形態において、「普通図柄の始動記憶」とは、普通図柄始動口96に遊技球が入賞したことに基づいて行われる普通図柄抽選処理の保留を意味する。より詳しくは、普通図柄始動口96に遊技球が入賞したことに基づいて予め定められた数値範囲内で更新(生成)される乱数を取得し、普通図柄の変動表示を行うに際して、当該取得した乱数の当落判定を行うことを意味する。ただし、これに限られるものではなく、普通図柄始動口96に遊技球が入賞したことに基づいて予め定められた数値範囲内で更新(生成)される乱数を取得すると共に当該取得した乱数の当落判定を行い、普通図柄の変動表示制御を保留するようにしてもよい。即ち、普通図柄抽選処理の実行を留保することの他、普通図柄抽選処理の結果の表示制御を留保することも含むものである。
また、センター役物91の左上部には、特別図柄始動口82への始動入賞を契機とした特別図柄抽選処理における抽選結果を表示する特別図柄表示器332として機能する四つのLED86が設けられている。この特別図柄表示器332では、特別図柄始動口82への始動入賞を契機として四つのLED86をいろいろなパターンで点滅(変動表示)させることにより、特別図柄の変動状態を表示する。そして、一定の変動時間が終了すると、四つのLED86の点灯・消灯表示パターンによって、確定した特別図柄を停止状態で表示(特別図柄始動口82への入賞に基づいて取得された特別図柄決定用乱数により決定された表示態様)とすることで、抽選結果情報がLED86の点灯・消灯によって報知される。なお後述するが、LED86の点灯・消灯による特別図柄の変動表示及び停止表示の制御は、遊技盤5の後側に設けられた制御装置を通じて行われる。
なお、この実施の形態では、特別図柄当落判定用乱数抽出手段611により抽出された特別図柄当落判定用乱数は、一旦は処理領域に格納されるものの、普通図柄当落判定用乱数抽出手段601により抽出された普通図柄当落判定用乱数のような保留が行なわれない(特別図柄抽選処理についての保留が行なわれない)。すなわち、特別図柄抽選処理が行なわれるのは、特別図柄が変動中でないときに特別図柄始動口82に遊技球が入球したとき、または、アタッカ装置98の開閉部材99が開放されていないとき(拒球態様にあるとき)に限られる。したがって、特別図柄の変動中に特別図柄始動口82に遊技球が入賞したり、アタッカ装置98の開閉部材99の開放中に特別図柄始動口82に遊技球が入賞したりしたとしても、これらの入賞に基づく特別図柄抽選処理は行なわれない。そして、処理領域に格納された特別図柄当落判定用乱数については、格納されてすぐに特別図柄抽選処理が行われるようになっている。また、このように特別図柄当落判定用乱数については保留されないので、普通保留表示器85のような表示器は持ち合わせていない。
また、遊技盤5の後側下部には、図5に示すように、その中央部から下部にわたる部分において、各種入賞装置に流入した遊技球を受けかつその遊技球を所定位置まで導く集合樋としての機能とボックス装着部としての機能を兼ね備えたボックス装着台118が設けられている。このボックス装着台118には、音声制御基板、ランプ制御基板等の副制御基板119が収納された副制御基板ボックス130が装着され、その副制御基板ボックス130の後側に重ね合わされた状態で、主制御基板765が収納された主制御基板ボックス132が装着されている。さらに、遊技盤5の後側に対しボックス装着台118、副制御基板ボックス130及び主制御基板ボックス132がそれぞれ装着された状態において、本体枠3の遊技盤装着枠12の前方から遊技盤5を嵌込んで装着できるように、遊技盤5の外郭より外側にはみ出すことなくボックス装着台118、副制御基板ボックス130及び主制御基板ボックス132が配置されている。
このような遊技盤5を有するパチンコ機1では、遊技者が操作ハンドル32を操作すると遊技球が発射し、発射口78aから遊技領域37に向けて遊技球が打ち込まれる。そして、第1普通図柄始動口96または第2普通図柄始動口97を遊技球が受け入れられた(通過した)ことに基づいて行なわれた普通図柄抽選処理の結果が当選であると、普通電動役物80の可動片81が特別図柄始動口82の内側からその外側に延出されるかたちで摺動動作し、これによって特別図柄始動口82に遊技球が入球可能となる。このとき、特別図柄始動口82に遊技球が入球(入賞)したことに基づいて行なわれる特別図柄抽選処理では、100%の確率で特別当りに当選し、上記大入賞口83が開放されるかたちでアタッカ装置98の開閉部材99が動作し、2ラウンドの特別当り状態が発生する。
このように、本実施形態では、特別図柄始動口82に遊技球が入賞すると、常に(100%の確率で)、特別当りに当選するが、必ずしも100%であることに限られず、常に特別当りとなりうるように特別図柄抽選処理が行なわれればよい。「常に特別当りとなりうる」とは、例えば99%のように、特別図柄抽選処理が行なわれるとほぼ特別当りとなるものの、極稀にハズレとなりうるような場合を意味する。
さらに、上記の2ラウンドの特別当り状態が発生したことに基づいて、後述する時短機能を作動させるか否かの時短抽選処理が行われる。この時短抽選処理の結果が当りであるときには、特別遊技状態としての2ラウンドのラウンド動作が終了したのちの遊技状態において時短機能が作動する。また、時短抽選処理の結果がハズレであるときには、特別遊技状態としての2ラウンドのラウンド動作が終了したのちの遊技状態において微時短機能が作動する。時短機能が作動したときの態様および微時短機能が作動したときの態様については後述する。
なお、時短機能を作動させるか否かの時短抽選処理に代えて、2ラウンドの特別遊技状態が発生したときに、特別図柄始動口82への入賞に基づいて取得された特別図柄決定用乱数の値に基づいて、時短機能を作動させるか微時短機能を作動させるかを決定するようにしてもよい。
[本体枠の機構装着体、球タンク及びタンクレールの構成について]
図8はパチンコ機1の本体枠3に各種部材が組み付けられた状態を斜め右上後方から示す斜視図であり、図9は本体枠3単体を斜め右上後方から示す斜視図である。
同図8及び図9に示されるように、本体枠3の機構装着体13には、タンク装着部133、レール装着部134、及び払出装置装着部135等がそれぞれ形成され、タンク装着部133には球タンク136が装着されている。球タンク136は、透明な合成樹脂材よりなり、島設備から供給される多数の遊技球が貯留可能な上方に開口する箱形状に形成されている。そして、球タンク136の遊技球の貯留状態が球タンク136の後側壁を透して視認可能となっている。また、球タンク136の底板部137の後側隅部には遊技球を放出する放出口138が形成されるとともに、底板部137は放出口138に向けて下傾する傾斜面に形成されている。
本体枠3の機構装着体13には、そのタンク装着部133に下方に接近してレール装着部134が一体に形成され、そのレール装着部134にレール構成部材139が装着されることでタンクレール150が構成されるようになっている。すなわち、この実施形態において、レール装着部134は、本体枠3の上部横方向部分が所定深さ凹まされた状態で形成されており、その凹部の奥側壁をタンクレール150の前壁部151とし、その凹部の下縁部に沿って一端(図9に向かって左端)から他端(図9に向かって右端)に向けて下傾する傾斜状のレール棚155が形成されている。そして、レール棚155の横方向に延びる上向き面をレール受け部158としている。
レール装着部134に装着されてタンクレール150を構成するレール構成部材139は、レール装着部134の前壁部151との間にレール通路を構成する後壁部152と、傾斜状をなす下板部と、その下板部の上面の前後方向中央部に沿って突設されレール通路を前後複数列(この実施形態では前後2列)に区画する仕切り壁(いずれも図示しない)とを一体に備えて形成されている。このレール構成部材139は、レール装着部134に対し適宜の取付手段によって装着され、これによって、前後複数列のレール通路を備えたタンクレール150が構成されている。そして、球タンク136の放出口138から放出(自重によって落下)された遊技球がタンクレール150の前後複数列のレール通路の一端部においてそれぞれ受けられた後、遊技球が自重によってレール通路に沿って転動することでレール通路の他端部に向けて流れるようになっている。また、この実施形態において、レール構成部材139は、透明な合成樹脂材より形成され、これによって、レール通路内の遊技球の流れ状態が、レール構成部材139の後壁部152を透して視認可能となっている。
タンクレール150(レール装着部134)の前壁部151は、遊技盤5の後側に突出する装備品(例えばセンター役物91)における後部の上端部との干渉を避けるため第1空間部を隔てた状態で設けられている。また、この実施形態において、本体枠3の後端部となるレール棚155の後端と、タンクレール150の後壁部は、球タンク136の後側壁と略同一面をなしている。言い換えると、球タンク136の後壁部に対しタンクレール150の後壁部が略同一面となる位置までタンクレール150が遊技盤5の後面より後方に離隔して配置されている。これによって、遊技盤5の後側とタンクレール150の前壁部151との間にセンター役物91の後部との干渉を避けるための第1空間部が設けられるようになっている。
また、タンクレール150の上方には、レール通路を流れる遊技球を上下に重なることなく整列させる整流体156がその上部において軸157を中心として揺動可能に装着されている。この整流体156には、その中央部から下部において錘が設けられている。
[払出装置装着部及び球払出装置の構成について]
図8及び図9に併せて示されるように、本体枠3の機構装着体13の片側寄りの上下方向には、次に述べる球払出装置(球払出ユニット)170に対応する縦長の払出装置装着部135が形成されている。払出装置装着部135は、後方に開口部をもつ凹状に形成されている。また、払出装置装着部135の段差状をなす奥壁部(図示しない)の所定位置には、球払出装置170の払出モータ172(図4参照)が突出可能な開口部173が形成されている。
払出装置装着部135の凹部に球払出装置170が装着された状態において、遊技盤5との間には、第1空間部と前後方向に略同一レベルとなる第2空間部が設けられている。これによって、レール通路と球通路とが前後方向に略同一レベルで配置されている。また、本体枠3の後端、すなわち払出装置装着部135の周壁部後端、レール棚155の後端、球タンク136、タンクレール150及び球払出装置170のそれぞれの後面は略同一面をなしている。
球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部と略同じ大きさの縦長のボックス形状をなし、払い出しに関する各種部品が装着されることでユニット化されている。なお、球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部の後方開口部から嵌込まれて適宜の取付手段(例えば、弾性クリップ、係止爪、ビス等の取付手段)によって装着されるようになっている。
また、図示しないが、球払出装置170は、タンクレール150におけるレール通路の出口にそれぞれ連通する流入口を有する球通路が前後複数列(例えば前後2列)に区画されて形成されている。また、その内部に形成された前後複数列の球通路の下流部が二股状に分岐されて前後複数列の賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路とがそれぞれ形成されている。そして賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路との分岐部には、遊技球をいずれかの通路に振り分けて払い出すための回転体よりなる払出部材(図示しない)が正逆回転可能に配設されている。
[本体枠の後側下部の装備について]
図4及び図5に示されるように、本体枠3の前枠体11の後側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の後下部領域の片側(図5に向かって左側)には、発射レール19の下傾端部の発射位置に送られた遊技球を発射するための発射ハンマー(図示しない)、その発射ハンマーを作動する発射モータ192等が取付基板193に組み付けられてユニット化された発射装置194が装着されている。また、前枠体11の後下部領域の略中央部には、電源基板195を収容する電源基板ボックス196が装着され、その電源基板ボックス196の後側に重ね合わされた状態で払出制御基板775を収容する払出制御基板ボックス198が装着されている。この払出制御基板775は、後述するが、遊技球を払い出す数を記憶するRAMを備え、主制御基板765から送信される払出用信号に従って遊技球を払い出す制御信号を払出中継基板108(図11参照)に伝達して払出モータ172を作動制御するようになっている。なお、この実施の形態では、払出制御基板775は、その下側にエラーLED表示器777及びエラー解除スイッチ778、その上側に球抜きスイッチ779等が配置されている。エラーLED表示器777は、球切れ、球がみ、賞球ストック(未払出分あり)、接続異常等の動作エラー状態を表示する。エラー解除スイッチ778を操作すると、上記スピーカ18,57から動作エラー状態に応じたエラー解除法を伝える音声案内が流れる。球抜きスイッチ779は、上記球タンク136及び上記タンクレール150に貯留されている遊技球を排出開始するスイッチである。
[後カバー体の構成について]
図6はパチンコ機1の後側全体を右上後方から示す斜視図である。図5及び図6に示されるように、遊技盤5後面に配置された表示装置制御基板ボックス117(図10参照)及び主制御基板ボックス132の後端部は機構装着体13の中央部に開口された窓開口部に向けて突出している。そして、機構装着体13の窓開口部の一側壁を構成する側壁部と他側壁を構成する払出装置装着部135の片側壁との間には、不透明な合成樹脂材によって略方形の箱形状に形成された後カバー体210がカバーヒンジ機構211によって開閉並びに着脱可能に装着されている。
後カバー体210は、略四角形状の後壁部212と、その後壁部212の外周縁から前方に向けて突出された周壁部213とから一体に構成されている。後カバー体210の周壁部213のうち、一側の壁部213aには、機構装着体13の側壁部の上下及び中間の計3箇所に形成されたヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ着脱可能に嵌込まれるヒンジピン215を下向きに有するヒンジ体216が一体に形成されている。また、後カバー体210の周壁部213のうち、他側の壁部213bには、払出装置装着部135の片側壁に形成された係止孔に弾性的に係合可能な係止爪を有する弾性閉止体217が一体に形成されている。
すなわち、後カバー体210は、その上下及び中間のヒンジ体216の各ヒンジピン215が機構装着体13の側壁部のヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ嵌込まれる。この状態で、ヒンジピン215を中心として後カバー体210が機構装着体13の他側に向けて回動されながら、その弾性閉止体217を払出装置装着部135の片側壁の係止孔に差し込んで弾性的に係合させることで、機構装着体13の後側に後カバー体210が閉じ状態で保持される。そして、後カバー体210によって、遊技盤5後面の表示装置制御基板ボックス117(図10参照)全体及び主制御基板ボックス132の略中間部から上端にわたる部分が後カバー体210によって覆われるようになっている。これによって、主制御基板ボックス132の上部に露出された主制御基板765の基板コネクタ(主として表示装置制御基板116と接続するための基板コネクタ)が後方から視認不能に隠蔽されている。
また、主制御基板ボックス132の略中間部から下端にわたる部分は後カバー体210によって覆われることなく露出されている。そして、主制御基板ボックス132の下部には、その主制御基板765上に配置された検査用コネクタ218が露出されており、後カバー体210が閉じられた状態で主制御基板765上の検査用コネクタ218に基板検査装置(図示しない)を接続して検査可能となっている。また、RAMクリアスイッチ769を操作して、主制御基板765内のRAMに記憶されている遊技に関する各種情報を消去(クリア)可能となっている。
後カバー体210には、多数の放熱孔230、231、232、233が貫設されており、これら多数の放熱孔230、231、232、233から内部の熱が放出されるようになっている。この実施形態において、後カバー体210には、その周壁部213から後壁部212に延びる多数のスリット状の放熱孔230が貫設され、後壁部212の略中間高さ位置から上部においては多数の長円形、楕円形等の放熱孔231が貫設され、後壁部212の下部には多数の長円形、楕円形等の放熱孔232と所定数の横長四角形状の放熱孔233が貫設されている。
また、横長四角形状の放熱孔233は、主制御基板ボックス132の封印ねじ(封印部材)によって封印される複数の並列状の封印部235の列の大きさ及び配設位置に対応する大きさ及び位置に貫設されている。これによって、不透明な後カバー体210が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス132の複数の並列状の封印部235が放熱孔233の部分において視認可能に露出される。このため、後カバー体210が閉じられた状態であっても、主制御基板ボックス132の封印部235の封印状態を容易に視認することができる。また、不透明な合成樹脂材は、透明な合成樹脂材と比べ、リサイクル使用される合成樹脂材を材料として用いることが容易であるため、後カバー体210を安価に製作することができる。
後カバー体210の周壁部213のうち、上側壁部213Cの所定位置(この実施形態では左右2箇所)には、電源コード(図示しない)を適宜に折り畳んだ状態で保持する略C字状でかつ弾性変形可能なコード保持体237が上方のタンクレール150の後壁面(レール構成部材139の後壁面)に向けて延出されている。このコード保持体237の先端部には、同コード保持体237を弾性変形させて電源コードを取り外すためのつまみが形成されている。
電源コードは、その一端が分電基板238の基板コネクタ239に取り外し可能に接続され、他端の電源プラグが電源コンセントに差し込まれる。前記したように、後カバー体210にコード保持体237を一体に形成して電源コードを保持することで、パチンコ機を運搬・保管する際に電源コードがぶらついて邪魔になったり、異物に引っ掛かる不具合を防止することができる。
なお、分電基板238の下方には、外部端子板371が設けられており、後述の主制御基板765の遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払出制御基板775の払い出しに関する各種情報(払出情報)を、外部端子板371を介してホールに設置された図示しないホールコンピュータに出力している。このホールコンピュータは、これらの遊技情報および払出情報により遊技者の遊技を監視している。
[本体枠の後側下部の下皿用球誘導体等の構成について]
図7は、図6に示すパチンコ機1の斜視図から後カバー体210及び各種制御基板等を取り外した状態を示す斜視図である。
図2及び図7に併せて示されるように、本体枠3の後下部領域の他側寄り部分(ヒンジ寄り部分)には、そのスピーカボックス部16の後段差部の凹み部分において下皿用球誘導体253が装着されている。この下皿用球誘導体253は、球払出装置170の賞球及び貸球用球通路から上皿連絡路(図示しない)を経て上皿51に払い出された遊技球が満杯になったときに、上皿連絡路の遊技球を下皿31に導くためのものである。
なお、この実施形態において、下皿用球誘導体253の後壁外面には、インターフェース基板252を収納している基板ボックス254が装着されている。なお、インターフェース基板252は、パチンコ機1に隣接して設置される球貸機と払出制御基板775との間に介在され、球貸に関する信号を球貸機と払出制御基板775との間で送受信可能に電気的に接続するようになっている。
次に、このようなパチンコ機1の電気的な構成を詳述する。
[パチンコ機の電気的構成について]
図11は、この実施の形態にかかるパチンコ機1の電気的構成をブロック図として示したものである。
パチンコ機1は、大きくは、主基板780と、周辺基板781とを備えて構成されている。ここで、上記主基板780は、・遊技球の検出。・各種当りの当落にかかる抽選処理。・特別図柄や普通図柄についての変動表示制御。・賞球の払い出しにかかる制御(払出制御)。等々、遊技が予め定められたルールに従って進行するよう各種の制御を行う部分である。
一方、上記周辺基板781は、・演出ランプの点灯制御。・音響制御。・演出画像の表示制御。等々、上記主基板780によって進行される遊技に各種の演出を付加し、これによって遊技の興趣の向上を図る部分である。
[主基板について]
主基板780は、主制御基板765と払出制御基板775とから構成されている。そしてこのうち、上記主制御基板765は、マイクロプロセッサとしての主制御MPU765a、及び入出力デバイス(I/Oデバイス)としての主制御I/Oポート765b、及び上記検査用コネクタ218、及び上記RAMクリアスイッチ769、などを備えて構成されている。
ここで、上記主制御MPU765aは、遊技の進行にかかる制御プログラムや各種のコマンドが記憶されている読み出し専用メモリとしてのROM、記憶データがその都度更新される読み書き可能メモリとしてのRAM、及びそれらの動作(システム)を監視するウォッチドックタイマ、及び不正を防止するための各種機能、等々を備えている。同主制御MPU765aには、第1ゲートセンサ316、第2ゲートセンサ317、特図始動口センサ318、カウントセンサ319、排出センサ313など、各種のセンサからの検出信号が主制御I/Oポート765bを介して入力されている。すなわち、こうした検出信号に基づいて上記ROMに格納されている制御プログラムを実行することで、上記普通役物駆動機構334、及び上記アタッカ駆動機構339など、各種のアクチュエータに適宜に駆動信号が出力されるようになり、これによって当該パチンコ機1にて行われる各種の遊技が予め定められたルールに従って進行するようになる。なお、後述するが、この主制御基板765の主制御MPU765aは、上記特別図柄表示器332、上記普通図柄表示器333、及び普通保留表示器85の表示制御や、上記周辺基板781、及び上記払出制御基板775に遊技の進行状況を示す信号(演出コマンド、払出コマンド)を出力することも行う。
また、この実施の形態では、上記主制御MPU765aは、遊技に関する各種情報(遊技情報)を、上記主制御I/Oポート765bを介して外部端子板371に出力する。上述の通り、この外部端子板371は、図示しないホールコンピュータと接続される部分であり、これによってホールコンピュータが、当該パチンコ機1の遊技の進行状況を把握し、監視することができるようになる。
また、後述するが、上記主制御MPU765aは、上記演出表示装置115に表示される演出画像の表示態様についてのコマンドなどを上記主制御I/Oポート765bを介して後述する周辺基板781に送信する。
また、同主制御基板765には図示しない電源基板から電力が供給されている。この電源基板は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板765に電力を供給するバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と記載する。)を備えている。このキャパシタにより供給される電力によって主制御MPU765aは、その詳細な説明は後述するが、電源遮断時にでも電源断時処理において各種の情報をその内蔵RAMに記憶することができるようになっている。なお、記憶した各種の情報は、電源投入時に主制御基板765のRAMクリアスイッチ769が操作されると、その内容が内蔵RAMから消去(クリア)されるようになっている。
一方、上記払出制御基板775は、上記主制御基板765からの払出コマンドに基づいて球払出装置170に駆動信号を出力する部分であり、大きくは、マイクロプロセッサとしての払出制御MPU775a、及びI/Oデバイスとしての払出制御I/Oポート775b、及びエラーLED表示器777、及びエラー解除スイッチ778、及び球抜きスイッチ779、などを備えて構成されている。
払出制御基板775は、球払出装置170と払出中継基板108を介して接続されており、この払出中継基板108を介して球払出装置170との間でのコマンド(駆動信号)が送受信される。なお、球払出装置170には、球払出装置170に取り込まれた遊技球を球切り出し部材(図示外)によって各種球誘導通路又は各種球排出通路に切り出すために回転する払出モータ172、球切り出し部材(図示外)の回転位置を検出するための回転角スイッチ102、実際に払い出された遊技球の球数を計数する計数スイッチ101等を備えている。
ここで、上記払出制御MPU775aは、遊技の進行状況に応じて遊技者に遊技球(賞球)を払い出すための制御プログラムや各種のコマンドが記憶されている読み出し専用メモリとしてのROM、及び記憶データがその都度更新される読み書き可能メモリとしてのRAM、及び不正を防止するための各種機能、等々を備えている。そして、同払出制御MPU775aには、上記主制御基板765からの払い出しに関する払出コマンドや、上記RAMクリアスイッチ769の操作信号(検出信号)が払出制御I/Oポート775bを介して受信されるようになっている。すなわち、こうして受信される払出コマンドに基づいて上記ROMに格納されている制御プログラムが実行されることで、上記払出モータ172に駆動信号が出力されるようになり、ひいては上記受信された払出コマンドにより示される賞球数だけ遊技球が払い出されるようになる。なお、この実施の形態では、上記払出制御基板775の払出制御MPU775aは、大入賞口83に遊技球が入賞したとき(カウントセンサ319により遊技球が検出されたとき)に払い出される賞球の数(本実施形態では6球)よりも、特別図柄始動口82に遊技球が入賞したとき(特図始動口センサ318により遊技球が検出されたとき)に遊技者に払い出される賞球の数(本実施形態では15球)のほうが多くなるように、上記遊技球の払い出しにかかる制御を行うものとなっている。
また、同払出制御MPU775aでは、上記球抜きスイッチ779が操作されると、この操作信号(検出信号)に基づいて球タンク136及びタンクレール150に貯留された遊技球を排出する(球抜きする)ために払出モータ172への駆動信号を出力することも行う。またさらに、プリペイドカードユニット1aからの貸球要求信号が上述したインターフェース基板252を介して入力されると、この貸球要求信号に基づいて上記払出モータ172への駆動信号を出力することも行う。
また、同払出制御MPU775aは、その詳細な説明は後述するが、パチンコ機1の状態に関する各種コマンドを、払出制御I/Oポート775bを介して主制御基板765に送信したり、満タンスイッチ107からの検出信号が入力されると、この検出信号に基づいて払出モータ172への駆動信号の出力を停止したり、実際に払い出した遊技球の球数を算出してこれを上記払出制御I/Oポート775bを介して外部端子板371に出力したりする。これにより、ホールコンピュータは、当該パチンコ機1から払い出された遊技球の総数を把握することができるようになる。
なお、プリペイドカードユニット1aがインターフェース基板252に接続されると、プリペイドカードユニット1aからの遊技球の発射許可信号がインターフェース基板252及び払出制御基板775を介して上述した発射制御基板372に入力されるようになっている。この発射許可信号が入力されることによって、発射制御基板372は上述した発射装置194による遊技球の発射可能状態となる。これにより、上記操作ハンドル32が操作されたときは、該操作ハンドル32に設けられているタッチセンサ(図示略)からの検出信号が発射制御基板372に入力されることで、発射装置194によって遊技球の発射が行われるようになる。すなわち、操作ハンドル32が操作されたときは、上記満タンスイッチ107からの検出信号が払出制御MPU775aに入力され、ひいては上記払出モータ172への駆動信号の出力が停止されるような状況であっても、上記発射装置194によって遊技球が発射されるようになる。このようにして、発射装置194から発射された遊技球は、遊技領域37の上方に形成された発射口78aまで案内レール78に沿って導かれ、この発射口から遊技領域37に向けて打ち込まれる。
払出制御基板775には図示しない電源基板から電力が主制御基板765と同様に供給されている。この電源基板は、電源遮断時にでも所定時間、払出制御基板775に電力を供給するキャパシタを備えている。このキャパシタにより供給される電力により払出制御MPU775aは電源遮断時にでも払い出しに関する各種の払出情報をその内蔵RAMに記憶することができるようになっている。なお、記憶した払出情報は、電源投入時に主制御基板765のRAMクリアスイッチ769が操作されると、その内容が内蔵RAMから消去(クリア)されるようになっている。
[周辺基板について]
周辺基板781は、同図11に示されるように、サブ統合基板763及び液晶制御基板758を備えて構成されている。
ここで、上記サブ統合基板763は、マイクロプロセッサとしてのサブ統合MPU763aと、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するサブ統合ROM763bと、高音質の演奏を行う音源IC763cと、この音源IC763cが参照する楽音及び効果音等の音情報が記憶されている音ROM763dと、を備えて構成されている。すなわち、同サブ統合MPU763aは、上記主制御基板765から演出コマンドが受信されると、該コマンドに基づいて上記制御プログラムを実行することで、外枠側のランプである装飾ランプ394に点灯信号を出力したり、上記賞球ランプ396に点灯信号を出力したりする。また、ランプ駆動基板46を介して、遊技盤5の装飾ランプである演出ランプ395に点灯信号を出力したり、階調ランプ397に階調点灯信号を出力したり、メータ用モータ489及び装飾物モータ303に駆動信号をそれぞれ出力したりする。
また、上記サブ統合MPU763aにより受信された上記主制御基板765からの演出コマンドは、上記音源IC763c及び上記液晶制御基板758に出力されている。これにより、上記音源IC763cが、サブ統合MPU763aから出力された演出コマンドに基づいて、音ROM763dから音情報を読み込むことで、上記スピーカ18,57から各種演出に合わせた楽音及び効果音等が音響出力されるようになる。
一方、上記液晶制御基板758は、マイクロプロセッサとしての液晶制御MPU758aと、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶する液晶制御ROM758bと、演出表示装置115を表示制御するVDP(Video Display Processorの略)758cと、演出表示装置115に表示する各種画像を記憶する画像ROM758dと、を備えて構成されている。
液晶制御MPU758aは、サブ統合基板763から上述した演出コマンドを受信すると、この演出コマンドに基づいてVDP758cを制御する。このVDP758cは、画像ROM758dから画像を読み出して演出表示装置115の表示制御を行う。なお、この液晶制御MPU758aは、正常に動作していると、その旨を伝える動作信号をサブ統合基板763に出力する。
[主制御基板および周辺制御基板の機能的な構成について]
図12に基づき説明する。図12は、主基板および周辺基板の機能的な構成を概略的に示す機能ブロック図である。
同図12に示すように、主基板780は、普通図柄当落判定用乱数抽出手段601と、普通図柄当落判定手段602と、普通図柄変動パターン決定手段608と、普図保留手段603と、普図保留解除手段604と、普通図柄表示制御手段605と、普通図柄保留表示制御手段606と、普通電動役物可動制御手段607と、特別図柄当落判定用乱数抽出手段611と、特別図柄当落判定手段612と、特別図柄変動パターン決定手段618と、特別図柄表示制御手段615と、アタッカ装置可動制御手段617と、時短抽選手段640と、時短遊技実行手段641と、微時短遊技実行手段642と、通常遊技実行手段643と、入賞判断手段622と、賞球払出手段623と、排出判断手段62と、コマンド送信手段620とを備えている。
ここで、上記普通図柄当落判定用乱数抽出手段601は、第1ゲートセンサ316または第2ゲートセンサ317からの出力信号に基づいて上記普通図柄始動口96への遊技球の入球があったか否かの判断を行うとともに(第1の始動判断手段)、該入球があった旨判断したときには普通図柄当落判定用乱数を抽出する部分である。この抽出した乱数は、上記普図保留手段603によって第1所定数(例えば4個)まで保留され、これによって上記普通図柄についての抽選処理(普通図柄抽選処理)、及びその変動表示制御が保留の状態とされるようになる。一方、このような保留状態は、所定の解除条件(例えば前回の普通図柄についての変動表示制御が終了したこと)が成立したとき、上記普図保留解除手段604によって解除される。そして、上記普通図柄当落判定手段(普通図柄抽選手段)602が、この解除された乱数に基づいて普通当りに当選したか否かの判定(抽選処理)を行うこととなる。
普通別図柄変動パターン決定手段608は、上記普通図柄当落判定手段602による当落判定処理の結果に基づいて、上記普通図柄表示器(遊技情報表示装置)333及び上記演出表示装置(演出画像表示装置)115に表示される各情報の表示態様(当落情報や、変動時間を含む普通図柄の変動パターンなど)を決定するものである。こうして決定された表示態様は、上記普通図柄表示制御手段605によって上記普通図柄表示器333に所定の変動時間だけ動的表示される。また、上記普図保留手段603による保留数は、上記普通図柄保留表示制御手段606によって普通保留表示器85(LED)に表示される。また、上記普通図柄当落判定手段602による抽選結果が普通当りの場合は、普通電動役物可動制御手段(駆動制御手段)607が普通役物駆動機構334を駆動制御して、特別図柄始動口82への遊技球の入球が可能となるように普通電動役物80(より正確には、普通電動役物80の可動片81)を動作させる。
また、時短抽選手段640は、予め定められた条件(例えば特別当りに当選したこと)が満たされたときに、時短機能と微時短機能とのうちいずれを作動させるかを抽選により決定する部分である。時短抽選手段640により時短機能を作動させる旨が決定されると、後述する特別当り遊技としてのアタッカ装置可動制御が終了したのちに、時短遊技実行手段641により時短機能が作動する。また、時短抽選手段640により微時短機能を作動させる旨が決定されると、後述する特別当り遊技が終了したのちに、微時短遊技実行手段642により微時短機能が作動する。
時短遊技状態では、通常遊技状態および微時短機能が作動している遊技状態(微時短遊技状態)のいずれよりも、普通図柄当落判定手段602により普通当りに当選したと判定される確率が格段に高められる。本実施形態において普通図柄当落判定手段602により普通当りに当選したと判定される確率は、通常遊技状態では399分の1、微時短遊技状態では399分の1、時短遊技状態では1分の1となっている。また、時短機能または微時短機能が作動すると、普通当りに基づいて普通電動役物80の可動片81が開放される時間(許球態様となる時間)は、通常遊技状態時よりも長くなる。本実施形態において普通電動役物可動制御手段607により普通役物駆動機構(より詳しくは、普通電動役物80の可動片81)が駆動制御される時間は、通常遊技状態では5sec、微時短遊技状態では5.5sec、時短遊技状態では6secとなっている。
なお、通常遊技状態は、時短機能および微時短機能のいずれも作動しておらず、且つ特別当りとしてのアタッカ装置可動制御も実行されていない遊技状態であって、本実施形態では、パチンコ機1の電源が投入されてから特別当りに当選するまでの間の遊技状態が相当する。そして、1度でも特別当りになると、アタッカ装置可動制御が実行されているときを除いて、時短抽選手段640により時短機能と微時短機能とのうち必ずいずれかが作動する。ただし、普通図柄当落判定手段602により普通当りに当選したと判定される確率は、通常遊技状態および微時短遊技状態のうちいずれの遊技状態であっても399分の1と同じである。さらに、普通電動役物80の可動片81が解放作動される時間は、通常遊技状態と微時短遊技状態とで大きく異なっていない。したがって、遊技者からみると、時短遊技状態は、通常遊技状態および微時短遊技状態のいずれの遊技状態よりも遊技者にとって有利度合いが高い遊技状態であるけれども、通常遊技状態と微時短遊技状態とでは、遊技者にとっての有利度合いはさほど変わるものではない。
上述したように、本実施形態では、普通図柄当落判定手段602により普通当りに当選したと判定される確率は、通常遊技状態と微時短遊技状態とで全く同じ確率であるが、全く同じ確率であることに限られるものではなく、遊技者にとって把握できない程度に同じであればよい。
以上、説明したように、時短遊技実行手段641は、普通電動役物80の可動片81を作動させて特別図柄始動口82への遊技球の入球確率を、通常遊技状態にあるときまたは微時短遊技状態にあるときよりも高い確率に可変設定する部分である。より具体的には、特別図柄当落判定用乱数抽出手段611により抽出された乱数に基づいて特別図柄当落判定手段612により特別当りであるか否かが判断され、該特別当りである旨が判定されたときに、時短抽選手段640により時短機能と微時短機能とのうちいずれを作動させるかが決定される。
また、時短機能または微時短機能が作動しているときは、その旨を上記普通電動役物可動制御手段607に出力する。これにより、普通電動役物可動制御手段607は、普通電動役物80の可動片81を、時短機能が作動していれば6sec開放し、微時短機能が作動していれば5.5sec開放し、時短機能および微時短機能の両方とも作動していなければ5sec開放することとなる。
特別図柄当落判定用乱数抽出手段611は、特図始動口センサ318からの出力信号に基づいて特別図柄始動口82への遊技球の入球があったか否かの判断を行うとともに(第2の始動判断手段)、該入球があった旨判断したときには特別図柄当落判定用乱数を抽出する部分である。ここで、特別図柄の変動中に抽出した乱数およびアタッカ装置98(より詳しくはアタッカ装置98の開閉部材99)の作動中に抽出した乱数は、後述するする特別当りに当選したか否かの判定処理が行なわれることなく破棄される。一方、特別図柄の変動中でないときに抽出した乱数およびアタッカ装置98の開閉部材99の作動中でないときに抽出した乱数については、特別図柄当落判定手段612により、特別当りに当選したか否かの判定(抽選処理)が行われる。
特別図柄変動パターン決定手段618は、詳細は後述するが、遊技状態(時短機能が作動しているか否か)に基づいて、上記特別図柄表示器(遊技情報表示装置)332及び上記演出表示装置115に表示される各情報の表示態様(当落情報や、変動時間を含む特別図柄の変動パターンなど)を決定するものである。こうして決定された表示態様は、上記特別図柄表示制御手段615によって特別図柄表示器332に所定の変動時間だけ動的表示される。また、特別図柄当落判定手段612による抽選結果が特別当りの場合は、アタッカ装置可動制御手段617がアタッカ駆動機構339を駆動制御して、開閉部材99の開閉動作を通じて大入賞口83への遊技球の進入を可能とする(特別当り遊技)。ただし、本実施形態における特別当りへの当選確率は、時短遊技状態、微時短遊技状態および通常遊技状態のうちいずれの遊技状態であっても1分の1に設定されている。すなわち、時短機能が作動しているか否か、微時短機能が作動しているか否かにかかわらず、特別図柄始動口82に遊技球が入賞したことに基づいて行われる特別図柄抽選処理の結果が特別当りとなる確率は100%である。
また、上記コマンド送信手段620は、上記普通図柄当落判定手段602によって決定された表示態様(当落情報や変動時間情報など)を示す第1のコマンド、及び上記特別図柄当落判定手段612によって決定された表示態様(当落情報や変動時間情報など)を示す第2のコマンド、などを上記周辺基板781にそれぞれ送信する部分である。
また、上記排出判断手段621は、球アウト口90から遊技球が排出されたことが排出センサ313によって検出されたことに基づいて、パチンコ機1の機外に遊技球が排出されたことを検出するものである。
また、入賞判断手段622は、カウントセンサ319による遊技球の検出に基づき大入賞口83に遊技球が入賞したか否かを判断するとともに、特図始動口センサ318による遊技球の検出に基づき特別図柄始動口82に遊技球が入賞したか否かを判断する部分である。そして、入賞判断手段622による判断結果に応じて、賞球払出手段623は球払出装置170の球払出動作を制御して、大入賞口83への入賞または特別図柄始動口82への入賞に基づいて遊技球を払い出す。なお、本実施形態では、賞球払出手段623は払出制御基板775(図11参照)として具備されており、大入賞口83への遊技球の入賞(カウントセンサ319による遊技球の検出)に基づき6球の遊技球が払い出され、特別図柄始動口82への遊技球の入賞(特図始動口センサ318による遊技球の検出)に基づき15球の遊技球が払い出される。
一方、周辺基板781は、コマンド受信手段630と、普通図柄画像表示制御手段631と、特別図柄画像表示制御手段632とを備えている。ここで、上記コマンド受信手段(情報取得手段)630は、上記第1のコマンド、及び上記第2のコマンドなどを上記主基板780のコマンド送信手段620から受信する部分である。
また、上記普通図柄画像表示制御手段(第1の画像制御手段、第3の画像制御手段)631は、上記コマンド受信手段630により受信されるコマンドのうち、上記普通当りに関するコマンド(第1のコマンド)に基づいて上記演出表示装置115に表示される演出画像を変動表示出力する部分である。より具体的には、この普通図柄画像表示制御手段631は、上記第1のコマンド(第1の演出情報)に基づいて上記主基板780内にて決定された上記普通当りについての抽選結果に応じた表示態様が上記演出表示装置115での主要な演出画像として現れるかたちでの上記変動表示出力(第3の画像制御手段による表示制御)を行う。また併せて、上記第1のコマンド(第1の適正情報)に基づいて同表示態様が上記主要な演出画像よりも控えめな演出画像として現れるかたちでの変動表示出力を行う(第1の画像制御手段による表示制御)。
また、詳細は図47〜図50を参照しつつ後述するが、この実施形態において、上記演出表示装置115は、その全領域のうちの大部分を占めるかたちで設けられるとともに、上記特別遊技が行われることへの期待度を表現するための抽選情報表示領域(期待度表現領域)1151と、その全領域のうちの一部分(ここでは上方部分)にまとめて設けられるとともに、上記主制御基板765によって順次実行される遊技の進行にかかる複数の内部処理(例えば、特別図柄の抽選処理、普通図柄の抽選処理、保留機能、など)がそれぞれ適正に機能していることが認識可能とされる遊技情報表示領域(主制御機能診断領域)1152とを有している。特に、この実施の形態にかかる遊技情報表示領域1152は、保留球ランプの表示に対応する保留対応表示領域1153と、普通当りについての抽選結果に応じた表示態様が現れる普通図柄対応表示領域1154と、特別当りについての抽選結果に応じた表示態様が現れる特別図柄対応表示領域1155と、を有している。
この点、上記普通図柄画像表示制御手段631は、上記第1のコマンドが取得されたときは、上記主基板780内にて決定された上記普通当りについての抽選結果に応じた表示態様のみが上記抽選情報表示領域1151に現れるように該抽選情報表示領域1151に表示される演出画像を表示制御するようにしている。より具体的には、上記普通当りについての抽選結果に応じた表示態様が上記抽選情報表示領域1151にて所定の変動時間だけ変動表示出力することによって同表示態様が上記演出表示装置115での主要な演出画像として現れるようにしている。また併せて、上記主基板780内にて決定された上記普通当りについての抽選結果に応じた画像を上記普通図柄対応表示領域1154に表示させるようにしている。また、この実施の形態では、上記普通図柄の始動記憶数(保留数)に応じた画像も保留対応表示領域1153に表示させることによって、上記主制御基板765の保留機能についてもその適正性を認識可能とされるようにしている。これにより、上記普通図柄始動口96への遊技球の入球に応じて上記主制御基板765により行われる各種の内部処理が適正に機能していることが認識可能とされるようになる。
また、上記特別図柄画像表示制御手段(第2の画像制御手段、第4の画像制御手段)632は、上記コマンド受信手段630により受信されるコマンドのうち、上記特別当りに関するコマンド(第2のコマンド)に基づいて上記演出表示装置115に表示される演出画像を変動表示出力する部分である。より具体的には、この特別図柄画像表示制御手段632は、上記第2のコマンド(第2の演出情報)に基づいて上記主基板780内にて決定された上記特別当りについての抽選結果に応じた表示態様が上記演出表示装置115での主要な演出画像として現れるかたちでの上記変動表示出力(第4の画像制御手段による表示制御)を行う。また併せて、上記第2のコマンド(第2の適正情報)に基づいて同表示態様が上記主要な演出画像よりも控えめな演出画像として現れるかたちでの変動表示出力を行う(第2の画像制御手段による表示制御)。
すなわち、この特別図柄画像表示制御手段632も同様、上記第2のコマンドが取得されたときは、上記主基板780内にて決定された上記特別当りについての抽選結果に応じた表示態様のみが上記抽選情報表示領域1151に現れるように該抽選情報表示領域1151に表示される演出画像を表示制御するようにしている。より具体的には、上記特別当りについての抽選結果に応じた表示態様が上記抽選情報表示領域1151にて所定の変動時間だけ変動表示出力することによって同表示態様が上記演出表示装置115での主要な演出画像として現れるようにしている。また併せて、上記主基板780内にて決定された上記特別当りについての抽選結果に応じた画像を上記特別図柄対応表示領域1155に表示させるようにしている。これにより、上記特別図柄始動口82への遊技球の入球に応じて上記主制御基板765により行われる各種の内部処理が適正に機能していることが認識可能とされるようになる。
ただし、この実施の形態では、上記普通図柄画像表示制御手段631は、上記普通当りについての抽選結果に応じた表示態様についての変動表示出力を行うにあたり、上記特別当りの抽選結果に応じた画像表示出力(第2、第4の画像制御手段による表示制御)が行われているか否かを判断する(禁止判断手段)。そして、同画像表示出力が上記特別図柄画像表示制御手段632によって行われている旨判断したときは、当該普通図柄画像表示制御手段631による上記抽選情報表示領域1151への表示出力(第3の画像制御手段による表示制御)を中止するようにしている。これにより、上記抽選情報表示領域1151では、上記特別当りの抽選結果に応じた画像演出(第4の画像制御手段による表示制御)が、上記普通当りの抽選結果に応じた画像演出(第3の画像制御手段による表示制御)に対して段階的に表示されるようになり、これによって上記特別遊技が行われることへの期待度がより高くなったことが表現されるようになる。
ただし、上記第1保留解除手段604は、こうして上記第3の画像制御手段による表示制御が中止されたときも、上記保留の状態を解除する。またさらに、上記普通図柄当落判定手段602は、上記普通当りに当選したか否かの判定の結果に応じて上記演出表示装置115に表示される演出画像の表示態様を上記主基板780内にて決定することによって、普通図柄についての演出(普通図柄抽選処理の抽選結果)を内部的には消化する。これにより、上記第2の表示演出部にて上記段階的な表示演出(長い表示演出)が行われる場合であっても、次の抽選結果が得られるまでの時間である回転効率の向上を図ることができるようになる。またこの際も、上記コマンド送信手段620は、こうした内部決定に応じた第1のコマンドを上記周辺基板781に送信する。これにより、上記第3の画像制御手段による表示制御が中止されたときも、上記普通図柄画像表示制御手段631による上記遊技情報表示領域1152への表示出力(第1の画像制御手段による表示制御)は維持されるようになり、ひいては上記主制御基板765による制御機能が適正であることが認識可能とされるようになる。
また、この実施の形態では、上記普通図柄画像表示制御手段631は、上記中止した変動表示出力(第3の画像制御手段による表示制御)を再開する制御も行う。すなわち、同普通図柄画像表示制御手段631は、上記特別当りに関する一連の表示態様(役物演出や、特別当り演出も含む)についての上記抽選情報表示領域1151への表示出力の終了に際し、普通図柄についての表示態様の変動時間をカウントするサブタイマ(普通当りについての抽選結果に応じた表示制御が行われる予定時間を計時するタイマ手段)が稼動しているか否かを判断する。そして、このサブタイマが稼動中であるときは、上記特別当りに関する一連の表示態様についての表示出力の終了後に、上記普通図柄についての主要な変動表示出力を再開する。ただしこのとき、抽選情報表示領域1151(主領域)での普通図柄の主要な変動表示は本来の画像出力によって実行されるのではなく、上記サブタイマがタイムアップするまで図柄が高速スクロール変動される高速変動出力によって行われる。そしてこの結果、上記サブタイマがタイムアップしたときは、上記主基板780内にて当初決定された上記普通当りについての抽選結果に応じた表示態様のうちの変動表示停止時に現れる停止表示態様を上記抽選情報表示領域1151に表示させる。
[主制御基板の各種制御処理]
次に、パチンコ機1の遊技の進行に応じて主制御基板765が行う各種制御処理について説明する。まず、遊技制御に用いられる各種乱数について説明し、続いて主制御側電源投入時処理、主制御側タイマ割り込み処理、賞球コマンド及びセルフチェックコマンド送信処理、ACK信号入力判定処理について説明する。図13は主制御側電源投入時処理の一例を示すフローチャートであり、図14は図13の主制御側電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図15は主制御側タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図16は賞球コマンド及びセルフチェックコマンド送信処理の一例を示すフローチャートであり、図17はACK信号入力判定処理の一例を示すフローチャートである。なお、賞球コマンド及びセルフチェックコマンド送信処理、ACK信号入力判定処理は、後述する主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS80の賞球制御処理の一処理として行われる。
<1.各種乱数>
遊技制御に用いられる各種乱数として、普通電動役物80(より正確には、普通電動役物80の可動片81)の動作契機となる当り(普通当り)の当落にかかる抽選処理に供される普通図柄当落判定用乱数と、この普通図柄当落判定用乱数の初期値の決定に用いられる普通図柄の当落判定用初期値決定用乱数と、普通図柄表示器333に表示する変動表示パターンの決定に用いられる普通図柄の変動パターン決定用乱数と、普通図柄の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理に供される普通図柄決定用乱数などが用意されている。また、特別当りの当落にかかる抽選処理に供される特別図柄当落判定用乱数と、この特別図柄当落判定用乱数の初期値の決定に用いられる特別図柄の当落判定用初期値決定用乱数と、特別図柄表示器332に表示する変動表示パターンの決定に用いられる特別図柄の変動パターン決定用乱数などが用意されている。
<2.主制御側電源投入時処理>
パチンコ機1に電源が投入されると、主制御基板765の主制御MPU765aは、図13及び図14に示すように、主制御側電源投入時処理を行う。この主制御側電源投入時処理が開始されると、割り込みモードの設定を行う(ステップS10)。この割り込みモードは、主制御MPU765aの割り込みの優先順位を設定するものである。本実施形態では、後述する主制御側タイマ割り込み処理が優先順位として最も高く設定されており、この主制御側タイマ割り込み処理の割り込みが発生すると、優先的にその処理が行われる。ステップS10に続いて、入出力設定(I/Oの入出力設定)を行う(ステップS12)。このI/Oの入出力設定では、主制御MPU765aのI/Oポートの入出設定等を行う。ステップS12に続いて、主制御MPU765aに内蔵されたウォッチドックタイマを有効に設定する(ステップS14)。このウォッチドックタイマは、主制御MPU765aの動作(システム)を監視するためのものであり、一定期間にクリア設定されないときには主制御MPU765aにリセットがかかる(主制御MPU765aのシステムが暴走していないかを定期的に診断している)。
ステップS14に続いて、ウェイトタイマ処理1を行う(ステップS16)。電源投入時から所定電圧となるまでの間では電圧がすぐに上がらない。一方、停電又は瞬停(突発的に電力の供給が一時停止する現象)となるときでは電圧が下がり、停電予告電圧以下となると停電予告として停電信号が入力される。電源投入時から所定電圧に上がるまでの間では電圧が停電予告電圧以下となると停電信号が入力される。そこで、ウェイトタイマ処理1では、電源投入後、電圧が停電予告電圧より高くなるまで待っている。本実施形態では、この待ち時間(ウェイトタイマ)として200ミリ秒(ms)が設定されている。ステップS16に続いて、RAMクリアスイッチ769が操作されているか否かを判定する(ステップS18)。この判定は、主制御基板765のRAMクリアスイッチ769が操作され、その操作信号(検出信号)が主制御基板765に入力されているか否かにより行う。検出信号が入力されているときにはRAMクリアスイッチ769が操作されていると判定し、一方、検出信号が入力されていないときにはRAMクリアスイッチ769が操作されていないと判定する。
ステップS18でRAMクリアスイッチ769が操作されているときには、RAMクリア報知フラグRCL−FLGに値1をセットし(ステップS20)、一方、ステップS18でRAMクリアスイッチ769が操作されていないときには、RAMクリア報知フラグRCL−FLGに値0をセットする(ステップS22)。このRAMクリア報知フラグRCL−FLGは、主制御MPU765aに内蔵されたRAM(以下、「主内蔵RAM」と記載する。)に記憶されている、有利遊技や未払い出し賞球等の遊技に関する遊技情報を消去するか否かを示すフラグであり、遊技情報を消去するとき値1、遊技情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定されている。なお、ステップS20及びステップS22でセットされたRAMクリア報知フラグRCL−FLGは、主制御MPU765aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
ステップS20又はステップS22に続いて、ウェイトタイマ処理2を行う(ステップS24)。このウェイトタイマ処理2では、液晶制御基板758による演出表示装置115の表示制御を行うシステムが起動する(ブートする)まで待っている。例えば、液晶制御ROM758bから圧縮された各種の制御プログラムを読み出して、液晶制御MPU758aに内蔵されたRAMに展開して記憶する。本実施形態では、ブートするまでの時間(ブートタイマ)として2秒(s)が設定されている。ステップS24に続いて、主内蔵RAMへのアクセスを許可する設定を行う(ステップS26)。この設定により主内蔵RAMへのアクセスができ、例えば遊技情報の書き込み(記憶)又は読み出しを行うことができる。ステップS26に続いて、スタックポインタの設定を行う(ステップS28)。スタックポインタは、例えば、使用中の記憶素子(レジスタ)の内容を一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したり、サブルーチンを終了して本ルーチンに復帰するときの本ルーチンの復帰アドレスを一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したりするものであり、スタックが積まれるごとにスタックポインタが進む。ステップS28では、スタックポインタに初期アドレスをセットし、この初期アドレスから、レジスタの内容、復帰アドレス等をスタックに積んで行く。そして最後に積まれたスタックから最初に積まれたスタックまで、順に読み出すことによりスタックポインタが初期アドレスに戻る。
ステップS28に続いて、RAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0である否かを判定する(ステップS30)。上述したように、RAMクリア報知フラグRCL−FLGは、遊技情報を消去するとき値1、遊技情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定されている。ステップS30でRAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0であるとき、つまり遊技情報を消去しないときには、チェックサムの算出を行う(ステップS32)。このチェックサムは、主内蔵RAMに記憶されている遊技情報を数値とみなしてその合計を算出するものである。ステップS32に続いて、算出したチェックサムの値が後述する主制御側電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値と一致しているか否かを判定する(ステップS34)。一致しているときには、バックアップフラグBK−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS36)。このバックアップフラグBK−FLGは、遊技情報、チェックサムの値及びバックアップフラグBK−FLGの値等のバックアップ情報を後述する主制御側電源断時処理において主内蔵RAMに記憶保持したか否かを示すフラグであり、主制御側電源断時処理を正常に終了したとき値1、主制御側電源断時処理を正常に終了していないとき値0にそれぞれ設定されている。
ステップS36でバックアップフラグBK−FLGが値1であるとき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了したときには、復電時として主内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS38)。この設定は、バックアップフラグBK−FLGを値0にセットするほか、主制御MPU765aに内蔵されたROM(以下、「主内蔵ROM」と記載する。)から復電時情報を読み出し、この復電時情報を主内蔵RAMの作業領域にセットする。ここで「復電時」とは、電源を遮断した状態から電源を投入した状態に加えて、停電又は瞬停からその後の電力の復旧した状態も含める。ステップS38に続けて、電源投入時コマンド作成処理を行う(ステップS40)。この電源投入時コマンド作成処理では、バックアップ情報から遊技情報を読み出してこの遊技情報に応じた各種コマンドを主内蔵RAMの所定記憶領域に記憶する。なお、各種コマンド等についての説明は後述する。
一方、ステップS30でRAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり遊技情報を消去するときには、又はステップS34でチェックサムの値が一致していないときには、又はステップS36でバックアップフラグBK−FLGが値1でない(値0である)とき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了していないときには、主内蔵RAMの全領域をクリアし(ステップS42)、初期設定として主内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS44)。この設定は、主内蔵ROMから初期情報を読み出してこの初期情報を主内蔵RAMの作業領域にセットする。ステップS44に続けて、RAMクリア報知及びテストコマンド作成処理を行う(ステップS46)。このRAMクリア報知及びテストコマンド作成処理では、主内蔵RAMをクリアして初期設定を行った旨を、サブ統合基板763に報知するためのRAMクリア報知コマンドと、サブ統合基板763の各種検査を行うためのテストコマンドと、を作成し、送信情報として主内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶する。なお、サブ統合基板763がRAMクリア報知コマンドを受信すると、このRAMクリア報知コマンドを液晶制御基板758に送信し、一方テストコマンドを受信すると、音源IC763c、液晶制御基板758及びランプ駆動基板46の各種検査を行うためのテストコマンドを送信する。
ステップS40又はステップS46に続いて、割り込み初期設定を行う(ステップS48)。この設定は、後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われるときの割り込み周期を設定するものである。本実施形態では4msに設定されている。ステップS48に続いて、割り込み許可設定を行う。(ステップS50)。この設定によりステップS48で設定した割り込み周期、つまり4msごとに主制御側タイマ割り込み処理が繰り返し行われる。
ステップS50に続いて、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに値Aをセットする(ステップS52)。このウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに、値A、値Bそして値Cを順にセットすることによりウォッチドックタイマがクリア設定される。ステップS52に続けて、停電信号が入力されているか否かを判定する(ステップS54)。上述したように、パチンコ機1の電源を遮断したり、停電又は瞬停したりするときには、電圧が停電予告電圧以下となると停電予告として停電信号が入力される。ステップS54の判定は、この停電信号に基づいて行う。ステップS54で停電信号の入力がないときには非当落乱数更新処理を行う(ステップS56)。
この非当落乱数更新処理では、上述した、普通図柄の当落判定用初期値決定用乱数や変動パターン決定用乱数等を更新する。例えば、普通図柄の当落判定用乱数を更新するカウンタは、普通図柄の当落判定用乱数の下限値から上限値までの範囲を、後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われるごとに値1ずつ増える(カウントアップする)。このカウンタは、非当落乱数更新処理により普通図柄の当落判定用初期値決定用乱数が設定(更新)されると、この普通図柄の当落判定用初期値決定用乱数から上限値までカウントアップし、続けて下限値から普通図柄の当落判定用初期値決定用乱数までカウントアップする。そして再び非当落乱数更新処理により普通図柄の当落判定用初期値決定用乱数が更新される。このように、非当落乱数更新処理では、当落判定(大当落判定)にかかわらない乱数を更新する。なお、上述した、特別図柄の当落判定用初期値決定用乱数や変動パターン決定用乱数等もこの非当落乱数更新処理により更新される。特別図柄の当落判定用初期値決定用乱数等は、上述した普通図柄の当落判定用初期値決定用乱数の更新方法と同一であり、その説明を省略する。
ステップS56に続けて、再びステップS52に戻り、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに値Aをセットし、ステップS54で停電信号があるか否かを判定し、この停電信号の入力がなければ、ステップS56で非当落乱数更新処理を行い、ステップS52〜ステップS56を繰り返し行う。なお、このステップS52〜ステップS56の処理を「主制御側メイン処理」という。
一方、ステップS54で停電信号の入力があったときには、割り込み禁止設定を行う(ステップS58)。この設定により後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われなくなり、主内蔵RAMへの書き込みを防ぎ、遊技情報の書き換えを保護している。ステップS58に続いて、チェックサムの算出を行ってこの算出した値を記憶する(ステップS60)。このチェックサムは、上述したチェックサムの値及びバックアップフラグBK−FLGの値の記憶領域を除く、主内蔵RAMの作業領域の遊技情報を数値とみなしてその合計を算出する。ステップS60に続いて、バックアップフラグBK−FLGに値1をセットする。(ステップS62)、これによりバックアップ情報の記憶が完了する。ステップS62に続いて、主内蔵RAMへのアクセスの禁止設定を行う(ステップS64)。この設定により主内蔵RAMへのアクセスが禁止され書き込み及び読み出しができなくなり、主内蔵RAMに記憶されているバックアップ情報が保護される。ステップS64に続いてウォッチドックタイマのクリア設定を行う(ステップS66)。このクリア設定は、上述したように、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに値A、値Bそして値Cを順にセットすることにより行われる。ステップS66に続けて、無限ループに入る。この無限ループでは、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに値A、値Bそして値Cを順にセットしないためウォッチドックタイマがクリア設定されなくなる。このため、主制御MPU765aにリセットがかかり、その主制御MPU765aは、この主制御側電源投入時処理を再び行う。なお、ステップS58〜ステップS66の処理及び無限ループを「主制御側電源断時処理」という。
パチンコ機1(主制御MPU765a)は、停電したとき又は瞬停したときにはリセットがかかり、その後の電力の復旧により主制御側電源投入時処理を行う。
なお、ステップS34では主内蔵RAMに記憶されているバックアップ情報が正常なものであるか否かを検査し、続いてステップS36では主制御側電源断時処理が正常に終了された否かを検査している。このように、主内蔵RAMに記憶されているバックアップ情報を2重にチェックすることによりバックアップ情報が不正行為により記憶されたものであるか否かを検査している。
<3.主制御側タイマ割り込み処理>
次に、主制御側タイマ割り込み処理について説明する。この主制御側タイマ割り込み処理は、図13及び図14に示した主制御側電源投入時処理において設定された割り込み周期(本実施形態では、4ms)ごとに繰り返し行われる。
主制御側タイマ割り込み処理が開始されると、主制御基板765の主制御MPU765aは、図15に示すように、タイマ割り込みを禁止に設定してレジスタの切替(退避)を行う(ステップS70)。ここでは、上述した主制御側メイン処理で使用していた汎用記憶素子(汎用レジスタ)から補助レジスタに切り替える。この補助レジスタを主制御側タイマ割り込み処理で使用することにより汎用レジスタの値が上書きされなくなる。これにより、主制御側メイン処理で使用していた汎用レジスタの内容の破壊を防いでいる。
ステップS70に続いて、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに値Bをセットする(ステップS72)。このとき、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLには、主制御側電源投入時処理(主制御側メイン処理)のステップS52においてセットされた値Aに続いて値Bがセットされる。
ステップS72に続いて、スイッチ入力処理を行う(ステップS74)。このスイッチ入力処理では、主制御I/Oポート765bの入力端子に入力されている各種信号を読み取り、入力情報として主内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶する。例えば、第1普通図柄始動口96に入球した遊技球を検出する第1ゲートセンサ316からの検出信号、第2普通図柄始動口97に入球した遊技球を検出する第2ゲートセンサ317、特別図柄始動口82に入球した遊技球を検出する特図始動口センサ317からの検出信号、大入賞口83に入球した遊技球を検出するカウントセンサ319からの検出信号、球アウト口90から排出された遊技球を検出する排出センサ313からの検出信号や、後述する賞球制御処理で送信した賞球コマンドを払出制御基板775が正常に受信した旨を伝える払出制御基板775からのACK信号、をそれぞれ読み取り、入力情報記憶領域に記憶する。
ステップS74に続いて、タイマ減算処理を行う(ステップS76)。このタイマ減算処理では、例えば、後述する特別図柄及び特別電動役物作動処理で決定される変動表示パターンに従って特別図柄表示器332が点灯する時間、後述する普通図柄及び普通電動役物作動処理で決定される普通図柄変動表示パターンに従って特別図柄表示器332が点灯する時間のほか、主制御基板765(主制御MPU765a)が送信した各種コマンドを払出制御基板775が正常に受信した旨を伝えるACK信号が入力されているか否かを判定する際にその判定条件として設定されているACK信号入力判定時間等の時間管理を行う。具体的には、特別図柄の変動表示パターン又は普通図柄の変動表示パターンの変動時間が5秒間であるときには、タイマ割り込み周期が4msに設定されているので、このタイマ減算処理を行うごとに変動時間を4msずつ減算し、その減算結果が値0になることで特別図柄の変動表示パターン又は普通図柄の変動表示パターンの変動時間を正確に計っている。
本実施形態では、ACK信号入力判定時間として100msが設定されており、このタイマ減算処理を行うごとにACK信号入力判定時間が4msずつ減算し、その減算結果が値0になることでACK信号入力判定時間を正確に計っている。なお、これらの各種時間及びACK信号入力判定時間は、時間管理情報として主内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶される。
ステップS76に続いて、当落乱数更新処理を行う(ステップS78)。この当落乱数更新処理では、上述した、普通図柄の当落判定用乱数及び普通図柄決定用乱数を更新する。またこれらの乱数に加えて、主制御側電源投入時処理(主制御側メイン処理)におけるステップS56の非当落乱数更新処理で更新される、普通図柄の当落判定用初期値決定用乱数等も更新する。普通図柄の当落判定用初期値決定用乱数等は、主制御側メイン処理及びこの主制御側タイマ割り込み処理においてそれぞれ更新されることでランダム性をより高めている。一方、普通図柄の当落判定用乱数及び普通図柄決定用乱数は、当落判定(普通当りについての当落判定)にかかわる乱数であるためこの当落乱数更新処理が行われるごとにのみ、それぞれのカウンタがカウントアップする。例えば、普通図柄の当落判定用乱数を更新するカウンタは、普通図柄の当落判定用乱数の下限値から上限値までの範囲を、主制御側タイマ割り込み処理が行われるごとにカウントアップする。このカウンタは、普通図柄の当落判定用初期値決定用乱数から上限値までをカウントアップし、続けて下限値から初期値までをカウントアップする。普通図柄の当落判定用乱数の下限値から上限値までの範囲をカウンタがカウントアップし終えると、この当落乱数更新処理により普通図柄の当落判定用初期値決定用乱数は更新される。なお上述した、特別図柄当落判定用乱数や特別図柄の当落判定用初期値決定用乱数もこの当落乱数更新処理により更新される。特別図柄当落判定用乱数等は、上述した普通図柄当落判定用乱数の更新方法と同一であり、その説明を省略する。
ステップS78に続いて、賞球制御処理を行う(ステップS80)。この賞球制御処理では、上述した入力状態記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて遊技球を払い出す賞球コマンドを作成したり、主制御基板765と払出制御基板775との基板間の接続状態を確認するセルフチェックコマンドを作成したりする。そして作成した賞球コマンドやセルフチェックコマンドを払出制御基板775に送信する。例えば、大入賞口83に遊技球が1球、入球すると、賞球として15球を払い出す賞球コマンドを作成して払出制御基板775に送信したり、この賞球コマンドを払出制御基板775が正常に受信した旨を伝えるACK信号が所定時間内に入力されないときには主制御基板65と払出制御基板775との基板間の接続状態を確認するセルフチェックコマンドを作成して払出制御基板775に送信したりする。なお、これらの詳細な説明は後述する。
ステップS80に続いて、賞球チェック処理を行う(ステップS82)。この賞球チェック処理では、賞球に関する異常状態を確認する。例えば、特別当り遊技状態でないときに大入賞口83に遊技球が入球すると、異常状態として賞球異常報知コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。(なお、この異常状態の確認は、入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて行う)。ステップS82に続いて、コマンド受信処理を行う(ステップS84)。払出制御基板775は、その詳細な説明は後述するが、例えば球払出装置170が球がみを起こして遊技球を払い出せない状態等の状態コマンドを送信する。ステップS84のコマンド受信処理では、この状態コマンドを正常に受信すると、その旨を払出制御基板775に伝える情報を、出力情報として主内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶する。また、その詳細な説明は後述するが、正常に受信した状態コマンドを整形して送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。
ステップS84に続いて、特別図柄及び特別電動役物作動処理を行う(ステップS86)。この特別図柄及び特別電動役物作動処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、特図始動口センサ318からの検出信号が入力端子に入力されていたか否かを判定する。この判定結果に基づいて、検出信号が入力端子に入力されていたときには、上述した特別図柄当落判定用乱数及び変動パターン決定用乱数等を更新する各種カウンタの値を抽出して始動情報として主内蔵RAM316の処理領域に記憶する。
そして、処理領域から読み出した始動情報に基づいて、特別図柄当落判定用乱数の値を取り出して主内蔵ROMに予め記憶されている特別当落判定値と一致するか否かを判定(特別当りであるか否かの判定)して、これらの判定結果により決定された遊技状態が決定する。この決定した遊技状態に、上述した特別図柄の変動パターン決定用乱数に基づいて特別図柄の変動パターン等を決定して遊技演出コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。また、発生させる遊技状態に応じて、例えば、特別当り遊技状態となるときには、大入賞口83を開閉動作させるようアタッカ駆動機構339への駆動信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。なお、特別図柄及び特別電動役物作動処理の詳細については後述する。
ステップS86に続いて、普通図柄及び普通電動役物作動処理を行う(ステップS88)。ここで、普通電動役物作動処理では、普通電動役物80(より正確には、普通電動役物80の可動片81)の動作制御が行われる。この普通図柄及び普通電動役物作動処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、第1ゲートセンサ316または第2ゲートセンサ317からの検出信号が入力端子に入力されていたか否かを判定する。この判定結果に基づいて、検出信号が入力端子に入力されていたときには、上述した普通図柄当落判定用乱数及び変動パターン決定用乱数等を更新する各種カウンタの値を抽出して始動情報として主内蔵RAMの始動情報記憶領域に記憶する。この始動情報記憶領域には、始動情報記憶ブロック0〜3(4つの始動情報記憶ブロック)が設けられており、各始動情報記憶ブロックに始動情報が時系列で記憶されるようになっている。なお、各始動情報が普通図柄の保留に相当しており、本実施形態では普通図柄の最大保留数は「4」である。そして、始動情報記憶ブロックの数を保留球として、普通保留表示器85(LED)を点灯させるように点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。
そして、始動情報記憶ブロック0から読み出した始動情報に基づいて、普通図柄当落判定用乱数の値を取り出して主内蔵ROMに予め記憶されている普通当落判定値と一致するか否かを判定(普通当りであるか否かの判定)して、これらの判定結果により決定された遊技状態が決定する。この決定した遊技状態に、上述した普通図柄の変動パターン決定用乱数に基づいて普通図柄の変動パターン等を決定して遊技演出コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。また、発生させる遊技状態に応じて、例えば普通当り遊技状態となるときには、特別図柄始動口82が入球可能な態様(許球態様)に切り替わるように、普通役物駆動機構334への駆動信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。なお、普通図柄及び普通電動役物作動処理の詳細については後述する。
ステップS88に続いて、ポート出力処理を行う(ステップS90)。このポート出力処理では、主制御I/Oポート765bの出力端子から、上述した出力情報記憶領域から出力情報を読み出してこの出力情報に基づいて各種信号を出力する。例えば、出力情報に基づいて出力端子から、払出制御基板775からの状態コマンドを正常に受信したときにはACK信号を払出制御基板775に出力したり、特別当り遊技状態であるときには、大入賞口83の開閉動作を行うアタッカ駆動機構339に駆動信号を出力したり、特別当り遊技状態である旨を伝える信号を外部端子板371に出力したりする。
ステップS90に続いて、サブ統合基板コマンド送信処理を行う(ステップS92)。このサブ統合基板コマンド送信処理では、上述した送信情報記憶領域から送信情報を読み出してこの送信情報をサブ統合基板763に送信する。この送信情報には、上述したように、遊技演出コマンド、RAMクリア報知コマンド、テストコマンド、賞球異常報知コマンド及び状態コマンド等がある。この送信情報のほかに、主制御基板765と払出制御基板775との基板間の接続状態を確認するときにセットされるセルフチェックフラグの値に基づいてその接続状態に不具合が生じているときには接続不具合コマンドを作成してサブ統合基板63に送信する。
ステップS92に続いて、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLに値Cをセットする(ステップS94)。このとき、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLには、ステップS72においてセットされた値Bに続いて値Cがセットされる。これにより、ウォッチドックタイマクリアレジスタWCLには、値A、値Bそして値Cが順にセットされ、ウォッチドックタイマがクリア設定される。ステップS94に続いて、レジスタの切替(復帰)を行う(ステップS96)。この復帰は、ステップS70でスタックに積んで退避した内容を読み出してレジスタに書き込むことにより行われる。ステップS96に続いて、割り込み許可の設定を行い(ステップS98)、このルーチンを終了する。
<4.賞球コマンド及びセルフチェックコマンド送信処理>
次に、賞球コマンド及びセルフチェックコマンド送信処理について説明する。この賞球コマンド及びセルフチェックコマンド送信処理では、賞球として払い出す遊技球の球数を指示する賞球コマンドや主制御基板765と払出制御基板775との基板間の接続状況を確認するセルフチェックコマンドを払出制御基板775に送信する。
賞球コマンド及びセルフチェックコマンド送信処理が開始されると、主制御基板765の主制御MPU765aは、図16に示すように、セルフチェックフラグSCHK−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS100)。このセルフチェックフラグSCHK−FLGは、後述するACK信号入力判定処理において、主制御基板765と払出制御基板775との基板間の接続状態を確認するセルフチェックコマンドを作成して送信するときにセットされるフラグであり、セルフチェックコマンドを送信するとき値1、セルフチェックコマンドを送信しないとき値0にそれぞれ設定されている。なお、セルフチェックフラグSCHK−FLGは初期値として値0、つまりセルフチェックコマンドを送信しない状態に設定されている。
ステップS100でセルフチェックフラグSCHK−FLGが値1でない(値0である)とき、つまりセルフチェックコマンドを送信しないときには、主制御基板765と払出制御基板775との基板間の接続状態に不具合が生じていないとして、賞球コマンド送信処理を行う(ステップS102)。この賞球コマンド送信処理では、例えば、大入賞口83に遊技球が1球、入球すると、賞球として15球を払い出す賞球コマンドを作成して払出制御基板775に送信する。その賞球コマンドを払出制御基板775に送信すると、賞球コマンドを消去するようになっている。つまり作成した賞球コマンドは、一度のみ主制御基板765(主制御MPU765a)から払出制御基板775に送信することでき、送信後、破棄されるようになっている。
一方、ステップ100でセルフチェックフラグSCHK−FLGが値1であるとき、つまりセルフチェックコマンドを送信するときには、主制御基板765と払出制御基板775との基板間の接続状態に不具合が生じているとして、セルフチェックフラグSCHK−FLGに値0をセットし(ステップS104)、セルフチェックコマンド送信処理(ステップS106)を行い、このルーチンを終了する。このセルフチェックコマンド送信処理では、主制御基板765と払出制御基板775との基板間の接続状態を確認するセルフチェックコマンドを作成して払出制御基板775に送信する。なお、ステップS102の賞球コマンド送信処理及びステップS106のセルフチェックコマンド送信処理を開始すると、上述したACK信号入力判定時間(本実施形態では、100ms)の計時を開始するようになっている。
ステップS104でセルフチェックフラグSCHK−FLGの値を値0にセットすることによって(つまりセルフチェックフラグSCHK−FLGKの値を値1から値0にセットしたことによって)、ステップS106で送信したセルフチェックコマンドが、後述するACK信号入力判定処理において払出制御基板775が正常にセルフチェックコマンドを受信した旨のACK信号が入力されると、ステップS102で賞球コマンド送信処理を行う。このとき、賞球コマンド送信処理では、賞球として払い出す遊技球があればその球数の賞球コマンドを作成して払出制御基板775に送信する。一方、ステップS106で送信したセルフチェックコマンドが、後述するACK信号入力判定処理において払出制御基板775が正常にセルフチェックコマンドを受信した旨のACK信号が入力されないと、再びステップS106でセルフチェックコマンドを作成して払出制御基板775に送信し、ACK信号が入力されない限り繰り返しセルフチェックコマンドを払出制御基板775に送信することとなる。
このように、主制御基板765(主制御MPU765a)は、賞球コマンドを払出制御基板775に送信して払出制御基板775からのACK信号が入力されないときにはチェックコマンドを払出制御基板775に送信する。これにより、例えば、主制御基板765と払出制御基板775との基板間を電気的に接続するケーブルのコネクタが外れかかっていたり、そのケーブルが断線していたり等の接続不具合を簡単に確認することができる。
また、例えば、ACK信号が主制御基板765に入力されないよう払出制御基板775とは別体に不正基板(所謂、ぶら下がり基板)を設け、遊技者がリモコン操作によってその不正基板のプログラムを開始させる不正行為を行っても、主制御基板765(主制御MPU765a)は、ACK信号が入力されないときには賞球コマンドを再送信するのではなくチェックコマンドを払出制御基板775に送信する。これにより、不正基板を用いた不正行為により遊技者が遊技球を不正に獲得することを防止するとともに、主制御基板765と払出制御基板775との基板間の接続状態を安全に確認することができる。なお、上述した、賞球コマンド及びセルフチェックコマンドの詳細な説明は後述する。
<5.ACK信号入力判定処理>
次に、ACK信号入力判定処理について説明する。このACK信号入力判定処理では、払出制御基板775が正常に賞球コマンドやセルフチェックコマンドを受信したか否かを判定する。
ACK信号入力判定処理が開始されると、主制御基板765の主制御MPU765aは、図17に示すように、ACK信号入力判定時間が経過したか否かを判定する(ステップS110)。この判定は、図15に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS76のタイマ減算処理で減算したACK信号入力判定時間に基づいて行う。具体的には、そのACK信号入力判定時間は、時間管理情報として主内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶されている。ステップS110では、この時間管理情報記憶領域から時間管理情報を読み出してACK信号入力判定時間が経過したか否かを判定する。
ステップS110でACK信号入力判定時間が経過していないときには、ACK信号が入力されているか否かを判定する(ステップS112)。この判定は、図15に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS74のスイッチ入力処理で払出制御基板775からのACK信号に基づいて行う。具体的には、そのACK信号は入力情報として主内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶されている。ステップS112では、この入力情報記憶領域から入力情報を読み出してACK信号が入力されているか否かの判定を行う。
ステップS112でACK信号が入力されているときにはセルフチェックフラグSCHK−FLGに値0をセットし(ステップS114)、このルーチンを終了する。一方、ステップS112でACK信号が入力されていないときにはそのままこのルーチンを終了する。セルフチェックフラグSCHK−FLGは、主制御基板765と払出制御基板775との基板間の接続状態を確認するセルフチェックコマンドを送信するとき値1、セルフチェックコマンドを送信しないとき値0にそれぞれ設定されている。ACK信号が入力されているときには、ステップS114でセルフチェックフラグSCHK−FLGに値0、つまりセルフチェックコマンドを送信しない状態にすることで、例えば、主制御基板765がノイズの影響を受けてもセルフチェックフラグSCHK−FLGの値が変化しないようにしている。
一方、ステップS110でACK信号入力判定時間が経過しているときは、セルフチェックフラグSCHK−FLGKに値1、つまりセルフチェックコマンドを送信する状態に設定し(ステップS116)、このルーチンを終了する。ステップS116でセルフチェックフラグSCHK−FLGKに値1をセットすることで、図16に示した賞球コマンド及びセルフチェックコマンド送信処理におけるステップS106でセルフチェックコマンド送信処理を行い、セルフチェックコマンドを作成して払出制御基板775に送信する。
<6.普通図柄及び普通電動役物作動処理>
次に、普通図柄及び普通電動役物作動処理(第1遊技処理)の詳細について説明する。図18は第1遊技処理の一例を示すフローチャートであり、図19はゲート検出処理の一例を示すフローチャートであり、図20は普通図柄抽選・変動開始処理の一例を示すフローチャートであり、図21は普通図柄抽選変動表示パターン設定処理の一例を示すフローチャートであり、図22は普図変動中処理の一例を示すフローチャートであり、図23は普通電動役物作動処理の一例を示すフローチャートであり、図24は時短機能が作動していない状態における普通図柄の変動パターンテーブルの一例を示す図である。
図15に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS88の普通図柄及び普通電動役物作動処理を、以下では「第1遊技処理」として説明する。主制御MPU765aは、図18に示すように、「第1遊技処理」として、ゲート検出処理(ステップS8800)、普通図柄抽選・変動開始処理(ステップS8802)、普通図柄抽選変動表示パターン設定処理(ステップS8804)、普図変動中処理(ステップS8806)、および、普通電動役物作動処理(ステップS8808)を順に行う。以下、各処理の詳細について説明する。
まず、図19に示すように、主制御MPU765aは、ゲート検出処理が開始されると、ゲート検出フラグがONであるか否かを判別する(ステップS8810)。なお、ゲート検出フラグは、第1普通図柄始動口96または第2普通図柄始動口97に遊技球が入球(通過)したことが第1ゲートセンサ316または第2ゲートセンサ317により検出されると、スイッチ入力処理(ステップS74)によりONにセットされる。そして、ゲート検出フラグがONであれば(ステップS8810におけるYES)、さらに第1保留手段603による普図保留球数カウントが4より小さいか否かを判別する(ステップS8812)。普図保留球数カウントが4より小さければ(ステップS8812におけるYES)、普通図柄当落判定用乱数抽出手段601が抽出した乱数を第1保留手段603に保留する普通図柄始動記憶格納処理を実行する(ステップS8814)。具体的には、この普通図柄始動記憶格納処理では、普通図柄当落判定用乱数及び変動パターン決定用乱数等が始動情報として主内蔵RAMの普図保留についての始動情報記憶領域に記憶される。なお、普通図柄始動記憶格納処理(ステップS8814)の実行後は、普通図柄始動検出処理を終了する。また、ゲート検出フラグがOFFである場合(ステップS8810におけるNO)や、普図保留球数カウントが4以上である場合(ステップS8812におけるNO)も、普通図柄始動検出処理を終了する。
次に、図20に示すように、主制御MPU765aは、普通図柄抽選・変動開始処理が開始されると、第1ジョブフラグが「0」であるか否かを判別する(ステップS8820)。第1ジョブフラグは、普通図柄に関する処理段階を指示するためのフラグである。ここで、普通図柄の図柄変動が行われていない場合(例えば、演出表示装置115においてデモ画面が表示されている状態)には、第1ジョブフラグが「0」にセットされている。そして、第1ジョブフラグが「0」でなければ(ステップS8820におけるNO)、普通図柄に関する他の処理(例えば、普通図柄の図柄変動中)が実行されているから、普通図柄抽選・変動開始処理を終了する。
第1ジョブフラグが「0」であれば(ステップS8820におけるYES)、さらに第1保留手段603に普通図柄の始動記憶があるか否かを判別する(ステップS8822)。普通図柄の始動記憶がある場合には(ステップS8822におけるYES)、普通図柄始動記憶移行処理を実行する(ステップS8824)。具体的には、この普通図柄始動記憶移行処理では、普図保留の始動情報記憶ブロック0に記憶された始動情報が読み出されて、所定の処理領域に記憶される。その後、始動情報記憶ブロック1の始動情報が始動情報記憶ブロック0に、始動情報記憶ブロック2の始動情報が始動情報記憶ブロック1に、始動情報記憶ブロック3の始動情報が始動情報記憶ブロック2に、始動情報記憶ブロック4の始動情報が始動情報記憶ブロック3に、それぞれシフトされる。なお、ステップS8822において普通図柄の始動記憶が0であれば(ステップS8822におけるNO)、普通図柄抽選・変動開始処理を終了する。
ステップS8824において普通図柄始動記憶移行処理を行ったのち、所定の処理領域に記憶されている始動情報の当落判定用乱数が当り値であるか否かを判別する(ステップS8826)。このとき、始動情報の当落判定用乱数が当り値であれば(ステップS8826におけるYES)、当りフラグをONにする(ステップS8828)。当り値でなければ(ステップS8826におけるNO)、当りフラグがONにされることなく(OFFのままである)、先述の第1ジョブフラグに「1」をセットして(ステップS8834)、普通図柄抽選・変動開始処理を終了する。
なお、本実施形態では、第1普通図柄始動口96または第2普通図柄始動口97を遊技球が通過した(第1ゲートセンサ316または第2ゲートセンサ317により検出された)ことに基づいて、0〜1994の当落判定用乱数のなかから1つだけ普通図柄当落判定用乱数として取得される。そして、0〜1994の当落判定用乱数のうちで、例えば7, 77,333,777,1777の5種類の乱数値が当りに当選したことを示す当落判定値(すなわち当り値)と一致し、その他の1990種類の乱数値がハズレ(落選)であることを示すハズレ判定値と一致する。すなわち、本実施形態では、普通図柄抽選処理にて当りに当選する確率が399分の1に設定されている。
次に、図21に示すように、主制御MPU765aは、普通図柄抽選変動表示パターン設定処理が開始されると、第1ジョブフラグが「1」であるか否かを判別する(ステップS8840)。第1ジョブフラグが「1」でなければ(ステップS8840におけるNO)、普通図柄抽選変動表示パターン設定処理を終了する。
第1ジョブフラグが「1」であれば(ステップS8840におけるYES)、さらに先述の当りフラグがONであるか否かを判別する(ステップS8842)。このとき、当りフラグがONであれば(ステップS8842におけるYES)、当り時変動表示パターン設定処理を実行する(ステップS8844)。この当り時変動表示パターン設定処理は、当りの抽選結果に対応する変動表示パターンを設定する処理である。具体的には、時短機能が作動していない(微時短機能が作動している、または、時短機能及び微時短機能のいずれも作動していない)遊技状態では、後述する普通図柄変動パターンテーブル(図24参照)から、普通図柄の変動パターン決定用乱数に基づいて当りに対応する変動パターン(変動PT)5,7,9,11,12,14,16,17,19,21,22,25のいずれか一つが設定される。この図24に示される変動時間の単位は[msec]である。なお、ステップS8844では、普通図柄表示器333(LED)の停止(点灯)態様も決定される。また、時短機能が作動している遊技状態では、図24には示されていないが、常に、変動時間1000msecの変動パターンに設定される。
時短機能が作動していない(微時短機能が作動している、または、時短機能及び微時短機能のいずれも作動していない)遊技状態において当りフラグがONでなければ(ステップS8842におけるNO)、普通図柄抽選ハズレ時変動表示パターン設定処理を実行する(ステップS8850)。この普通図柄抽選ハズレ時変動表示パターン設定処理は、はずれの抽選結果に対応する変動表示パターンを設定する処理である。具体的には、普通図柄変動パターンテーブル(図24参照)から、普通図柄の変動パターン決定用乱数に基づいてはずれに対応する変動パターン(変動PT)1,2,3,4,6,8,10,13,15,18,20,23,24のいずれか一つが設定される。なお、ステップS8850では、普通図柄表示器333(LED)の停止(点灯)態様も決定される。
その後、当り時変動表示パターン設定処理および普通図柄抽選ハズレ時変動表示パターン設定処理のいずれかで設定された変動パターンに応じた変動時間をタイマにセットし(ステップS8852)、普図LED作動フラグをONにセットする(ステップS8854)。この普図LED作動フラグがONにセットされると、普通図柄表示器333(LED)での図柄変動が開始される。その後、先述の第1ジョブフラグに「2」をセットし(ステップS8856)、普通図柄抽選変動表示パターン設定処理を終了する。
ところで、この普通図柄抽選変動表示パターン設定処理で設定された変動パターンは、図15に示したサブ統合基板コマンド送信処理(ステップS92)によってサブ統合基板763に送信される。例えば、はずれに対応して変動パターン「1」が設定された場合は、サブ統合基板763に対し、変動時間「10800」を示す上記第1のコマンドとしてのコマンド「40H01H」が送信される。また、当りに対応して変動パターン「14」が設定された場合は、サブ統合基板763に対し、変動時間「42000」を示す上記第1のコマンドとしてのコマンド「40H0EH」が送信される。なお、サブ統合基板763側における普通図柄の変動処理については、後述する。
次に、図22に示すように、主制御MPU765aは、普図変動中処理が開始されると、第1ジョブフラグが「2」であるか否かを判別する(ステップS8860)。第1ジョブフラグが「2」でなければ(ステップS8860におけるNO)、普図変動中処理を終了する。一方、第1ジョブフラグが「2」であれば(ステップS8860におけるYES)、さらにステップS8852でタイマにセットされた変動時間がタイムアップしたか否かを判別する(ステップS8862)。タイマにセットされた変動時間がタイムアップしていなければ(ステップS8862におけるNO)、普図変動中処理を終了する。
タイマにセットされた変動時間がタイムアップしていれば(ステップS8862におけるYES)、普図LED作動フラグをOFFにセットする(ステップS8864)。この普図LED作動フラグがOFFにセットされると、普通図柄表示器333(LED)での図柄変動が終了する。そして、サブ統合基板763により実行される普通図柄の図柄変動を停止して、演出表示装置115に抽選結果を確定表示する確定停止コマンド(例えば、コマンド「4FH01H」)をセットする(ステップS8866)。なお、この確定停止コマンドは、図15に示したサブ統合基板コマンド送信処理(ステップS92)によってサブ統合基板763に送信されるが、詳細は後述する。
そして、当りフラグがONであるか否かを判断する(ステップS8868)。当りフラグがONであれば(ステップS8868におけるYES)、先述の第1ジョブフラグに「3」がセットされ(ステップS8870)、普図変動中処理が終了する。一方、当りフラグがONでなければ(ステップS8868におけるNO)、先述の第1ジョブフラグに「0」がセットされ(ステップS8872)、普図変動中処理が終了する。
次に、図23に示すように、主制御MPU765aは、普通電動役物作動処理が開始されると、第1ジョブフラグが「3」であるか否かを判別する(ステップS8880)。第1ジョブフラグが「3」でなければ(ステップS8880におけるNO)、普通電動役物作動処理を終了する。
第1ジョブフラグが「3」であれば(ステップS8880におけるYES)、さらに先述の当りフラグがONであるか否かを判別する(ステップS8882)。このとき、当りフラグがONであれば(ステップS8882におけるYES)、普通電動役物80(より正確には、普通電動役物80の可動片81)の動作時間(特別図柄始動口82が開放される時間)をタイマにセットする(ステップS8884)。ここで、タイマにセットされる普通電動役物80の動作時間は、遊技状態に応じて異なっており、本実施形態では、通常遊技状態であれば5000ms、時短遊技状態であれば6000ms、微時短遊技状態であれば5500msにタイマがセットされる。
そして、サブ統合基板763により実行される当りに対応する演出パターンを指示するコマンドである普通電動役物開放演出パターンコマンドを送信する(ステップS8886)。具体的には、当り電役開放演出パターンコマンドとしてコマンド「50H02H」を送信し、これを受信したサブ統合基板763は、特別図柄始動口82に向けて遊技球を発射するように遊技者に指示する演出パターンを演出表示装置115に表示するが、詳細は後述する。
一方、当りフラグがONでなければ(ステップS8882におけるNO)、普通電動役物作動処理を終了する。
また、当りフラグがONであるとき(ステップS8882におけるYES)は、普通役物駆動機構334により普通電動役物80(より正確には、普通電動役物80の可動片81)を動作させて、特別図柄始動口82の開放動作を行う電役開放制御を行う(ステップS8892)。そして、最大球数の遊技球が特別図柄始動口82に入球したか否かを判定し(ステップS8894)、最大球数の遊技球が特別図柄始動口82に入球したと判定されると(ステップS8894におけるYES)、普通役物駆動機構334により普通電動役物80(より正確には、普通電動役物80の可動片81)を作動させて、拒球態様となるように特別図柄始動口82の閉鎖動作を行う電役閉鎖制御を行い(ステップS8896)、その後、先述の第1ジョブフラグに「0」をセットし(ステップS8898)、普通電動役物作動処理を終了する。
ステップS8894において、最大球数の遊技球が特別図柄始動口82に入球していないと判定された場合には(ステップS8894におけるNO)、タイマがセットされた経過時間が経過したか否かを判定する(ステップS8895)。タイマが所定時間経過していれば(ステップS8895におけるYES)、上記の電役閉鎖制御を行なう(ステップS8896)。一方、ステップS8895において、タイマが所定時間経過していなければ(ステップS8895におけるNO)、ステップS8894に戻り、最大球数の遊技球が特別図柄始動口82に入球するか、または、タイマが所定時間経過するまで、電役開放制御を実行する。
なお、ステップS8894において判定される上記の最大球数は、本実施形態では10球である。また、ステップS8895における上記の所定時間は、時短機能が作動しているときは6000sec、微時短機能が作動しているときは5500sec、時短機能及び微時短機能のいずれも作動していなければ5000secに設定される。
図23に示す普通電動役物作動処理は、実際には主制御基板765における処理とサブ統合基板763における処理とが、各基板におけるタイマ割り込みに従って独立して実行される。しかし、本実施形態では、説明の便宜と理解の容易のため、主制御基板765における処理とサブ統合基板763における処理とを、一連の処理として連続したシーケンシャル処理として説明している。
ここで、図24に示す普通図柄の変動パターンテーブルに基づいて、各種コマンド(変動パターン)と演出表示装置115に表示される変動内容との関係について説明する。主制御基板765から送信される普通図柄抽選手段(普通図柄当落判定手段602)にかかるコマンド(変動パターン)は、いずれも、2バイトのデータで構成されており、各コマンド(変動パターン)には、変動内容、抽選による当落情報および変動時間にかかる情報が含まれている。そして、主制御基板765から送信されたコマンド(変動パターン)がサブ統合基板763により受信されると、当該サブ統合基板763により当該コマンド(変動パターン)が解釈される。そして、当該コマンド(変動パターン)に基づいて液晶制御基板758の動作制御や演出表示装置115での表示制御が行われる。なお、本実施の形態では、各コマンド(変動パターン)は、コマンドの種類を示す「ステータス」、および、当該ステータスに従って実行される内容を示す「モード」、という二つのデータ部から構成されている。例えば、コマンド「40H01H」では、先頭の「40H」がステータスを示し、末尾の「01H」がモードを示している。
<7.特別図柄及び特別電動役物作動処理>
次に、特別図柄及び特別電動役物作動処理(第2遊技処理)の詳細について説明する。図25は第2遊技処理の一例を示すフローチャートであり、図26は第2始動入賞処理の一例を示すフローチャートであり、図27は特別図柄抽選・変動開始処理の一例を示すフローチャートであり、図28は特別図柄抽選変動表示パターン設定処理の一例を示すフローチャートであり、図29は特図変動中処理の一例を示すフローチャートであり、図30は特別当りオープニング処理の一例を示すフローチャートであり、図31は特別電動役物大当り制御処理の一例を示すフローチャートである。
図15に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS86の特別図柄及び特別電動役物作動処理を、以下では「第2遊技処理」として説明する。主制御MPU765aは、図25に示すように、「第2遊技処理」として、第2始動入賞処理(ステップS8600)、特別図柄抽選・変動開始処理(ステップS8602)、特別図柄抽選変動表示パターン設定処理(ステップS8604)、特図変動中処理(ステップS8606)、特別当りオープニング処理(ステップS8610)、および、特別電動役物大当り制御処理(ステップS8612)を順に行う。以下、各処理の詳細について説明する。
まず、図26に示すように、主制御MPU765aは、第2始動入賞処理が開始されると、第2始動入賞フラグがONであるか否かを判別する(ステップS8620)。なお、第2始動入賞フラグは、特別図柄始動口82に遊技球が入球したことが特図始動口センサ318により検出されると、スイッチ入力処理(ステップS74)によりONにセットされる。第2始動入賞フラグがONであれば(ステップS8620におけるYES)、特別図柄始動口82への入賞が不正になされたものでないかを確認する不正入賞確認処理を実行する(ステップS8622)。例えば、この不正入賞確認処理では、特別図柄始動口82の本来の開放タイミングでないタイミングで、普通電動役物80(より正確には、普通電動役物80の可動片81)による特別図柄始動口82の開放動作が行われたり特図始動口センサ318によって遊技球が検出されたりした場合は、警告(アラート)を発する等の処理が行われる。
そして、処理領域に特別図柄当落判定用乱数が記憶されているか否かを判別し(ステップS8624)、処理領域に特別図柄当落判定用乱数が記憶されていなければ(ステップS8624におけるYES)、特別図柄当落判定用乱数抽出手段611が抽出した乱数を、処理領域に一旦格納する格納処理を実行する(ステップS8626)。具体的には、この格納処理では、抽出された特別図柄当落判定用乱数及び変動パターン決定用乱数等が、始動情報として、主内蔵RAMの特別図柄についての処理領域に記憶される。なお、格納処理(ステップS8626)の実行後は、第2始動入賞処理を終了する。本実施形態では、処理領域に記憶された特別図柄当落判定用乱数については、特別図柄当落判定手段612によりすぐに当落判定処理が行われるが、例えば特別図柄始動口82に2球続けて入賞したようなときには、2球目の入賞に基づき抽出(取得)された特別図柄当落判定用乱数については破棄され、1球目の入賞に基づき抽出された特別図柄当落判定用乱数についてのみ当落判定処理に供される。
また、第2始動入賞フラグがOFFである場合(ステップS8620におけるNO)には、第2始動入賞処理を終了する。一方、ステップS8624において、処理領域に特別図柄当落判定用乱数が記憶されていないと判別された場合(ステップS8624におけるNO)には、取得された特別図柄当落判定用乱数が破棄されて(ステップS8628)、第2始動入賞処理を終了する。
次に、図27に示すように、主制御MPU765aは、特別図柄抽選・変動開始処理が開始されると、第2ジョブフラグが「0」であるか否かを判別する(ステップS8630)。第2ジョブフラグは、特別図柄に関する処理段階を指示するためのフラグである。ここで、特別図柄の図柄変動が行われていない場合(例えば、演出表示装置115においてデモ画面が表示されている状態)には、第2ジョブフラグが「0」にセットされている。そして、第2ジョブフラグが「0」でなければ(ステップS8630におけるNO)、特別図柄に関する他の処理(例えば、特別図柄の図柄変動中)が実行されているから、特別図柄抽選・変動開始処理を終了する。
第2ジョブフラグが「0」であれば(ステップS8630におけるYES)、さらに所定の処理領域に特別図柄当落判定用乱数が記憶されているか否かを判別する(ステップS8632)。特別図柄当落判定用乱数が所定の処理領域に記憶されている場合には(ステップS8632におけるYES)、後述するステップS8634に進み、ステップS8632において所定の処理領域に特別図柄当落判定用乱数が記憶されていなければ(ステップS8632におけるNO)、特別図柄抽選・変動開始処理を終了する。
ステップS8636では、所定の処理領域に記憶されている始動情報の特別図柄当落判定用乱数が特別当り値であるか否かを判別する当落判定処理(特別図柄抽選処理)が行われる。このとき、所定の処理領域に記憶されている始動情報の当落判定用乱数が特別当り値であれば(ステップS8636におけるYES)、特別当りフラグをONにする(ステップS8638)。特別当りフラグは、特別当りに当選した場合にセットされるフラグである。その後、時短機能の作動にかかる時短抽選処理を行う(ステップS8639)。この時短抽選処理では、通常の状態と時短機能が作動している状態と微時短機能が作動している状態とのうちいずれの状態にあったとしても、時短機能が作動する確率は同じに設定されている。本実施形態では、100分の82の確率で時短機能が作動し、100分の18の確率で微時短機能が作動するように時短抽選処理が行なわれる。また、上述したように、通常の状態または微時短機能が作動している状態であれば普通図柄抽選処理において普通当りに当選する確率が399分の1であるところ、時短機能が作動すると普通図柄抽選処理において普通当りに当選する確率が1分の1に高められる。したがって、時短抽選処理は、普通図柄抽選処理において普通当りが当選される確率を変更するか否かの確率変更抽選処理として機能するとともに、時短機能を作動させる処理は、普通図柄抽選処理における当選確率の変更処理として機能することになる。
時短抽選処理が行なわれた後、先述の第2ジョブフラグに「1」をセットして(ステップS8642)、特別図柄抽選・変動開始処理を終了する。一方、所定の処理領域に記憶されている始動情報の当落判定用乱数が特別当り値でなければ(ステップS8636におけるNO)、ステップS8638をスキップしてステップS8642に進む。
なお、本実施形態では、特別図柄抽選処理において100%の確率で特別当りであると判定される。すなわち、プログラムの処理上、ステップS8636においてNOと判定される余地が残されているが実際にはNOと判定されることがなく、常に、ステップS8636においてYESと判定され、特別図柄抽選処理の結果がハズレとなることがない。
ただし、所定の確率(例えば0〜10%)で、取得された当落判定用乱数(所定の処理領域に記憶されている始動情報の当落判定用乱数)が特別当り値でない(すなわちハズレ)と判定するようにしてもよい。
このように、本実施形態のパチンコ機1は、特別図柄当落判定手段612による判定処理(特別図柄抽選)の結果が特別当りであることを条件として大当り遊技が実行される。本実施形態では、アタッカ装置可動制御手段617がアタッカ駆動機構339を駆動制御して、開閉部材99の開閉動作を通じて大入賞口83への遊技球の入賞が可能とされるアタッカ装置可動制御(第1の可動制御)と、普通電動役物可動制御手段607が普通役物駆動機構334を駆動制御して、普通電動役物80の可動片81の開閉動作を通じて特別図柄始動口82への遊技球の入賞が可能とされる普通電動役物可動制御(第2の可動制御)とにより、大当り遊技が構成されている。ただし、時短抽選手段640により時短抽選が行われた結果、微時短機能が作動する旨が決定されたときは、上記のアタッカ装置可動制御のみが実行され、上記の普通電動役物可動制御は実行されない。
すなわち、大当り遊技が発生すると、常にアタッカ装置可動制御が実行される。そして、このアタッカ装置可動制御に伴って行なわれる時短抽選手段640による時短抽選の結果、時短機能が作動する旨が決定されたことに基づいて、上記のアタッカ装置可動制御が終了したのち、普通電動役物可動制御が実行される。詳しくは、アタッカ装置可動制御に伴って行なわれる時短抽選手段640による時短抽選の結果、時短機能が作動する旨が決定されると、第1普通図柄始動口96または第2普通図柄始動口97への遊技球の通過に基づいて行われる普通図柄抽選処理が、100%の確率で当選するように行なわれる。このようにして、アタッカ装置可動制御に伴って行なわれる時短抽選手段640による時短抽選の結果、時短機能が作動する旨が決定されると、当該アタッカ装置可動制御が終了したのちに普通電動役物可動制御が実行されるのである。
一方、アタッカ装置可動制御に伴って行なわれる時短抽選手段640による時短抽選の結果、微時短機能が作動する旨が決定されると、第1普通図柄始動口96または第2普通図柄始動口97への遊技球の通過に基づいて行われる普通図柄抽選処理は、399分の1の確率で当選するように行なわれる。その結果、上記のアタッカ装置可動制御のみが実行されて、大当り遊技としての普通電動役物可動制御(複数回にわたって連続的に行なわれる普通電動役物可動制御)が実行されることなく、大当り遊技が終了することとなる。
ここで、アタッカ装置可動制御は、大入賞口83に規定量(本実施形態では最大で、1球/ラウンド×2ラウンド=2球)の遊技球の受け入れが可能となるように実行される制御である。本実施形態では、アタッカ装置可動制御が行なわれたときに、開閉部材99の開閉動作が行なわれる最大開放時間(大入賞口83への遊技球の入賞が可能とされる時間)は、1ラウンドあたり6000msecとなっている。また、アタッカ装置可動制御が実行されたときに、大入賞口83に入賞しうる最大遊技球数は、1ラウンドあたり1球である。そして、上記最大開放時間(6000msec)の経過と大入賞口83への最大入賞球数(1球)の入賞とのうちいずれか一方が満たされると、大入賞口83が閉鎖されて1ラウンドのラウンド動作が終了する。したがって、アタッカ装置可動制御が実行されると、この1回のアタッカ装置可動制御により最大で2球(規定量)の遊技球が大入賞口83に入賞しうる機会が遊技者に保証されるものの、あくまでもその機会が付与されるだけであり、上記最大開放時間が経過すると、1球の遊技球も大入賞口83に入賞することなく当該大入賞口83は閉鎖されて1ラウンドのラウンド動作が終了する。なお、大入賞口83に1球の遊技球が入賞した場合に払い出される賞球数は6球である。また、上記では、大入賞口83への最大入賞球数は1ラウンドあたり1球と述べたが、これは、1球の遊技球が大入賞口83に入賞したことが検出されたことに基づいて当該大入賞口83の閉鎖処理を行なうのであって、実際には、例えば大入賞口83の閉鎖処理中に遊技球が入賞した場合等、2球以上の遊技球が大入賞口83に入賞することもありえる。
なお、本実施形態では、アタッカ装置可動制御が実行されたとしても、大入賞口83が1ラウンドあたり最大で6000msec開放される制御が2ラウンド行なわれるだけであるが、ラウンド遊技が行われるラウンド数はこれに限られない。例えば、ラウンド遊技を、2ラウンドではなく例えば5ラウンドといったより多くのラウンド数にわたって行うようにしてもよい。また、本実施形態では、1ラウンドのラウンド遊技中に大入賞口83に入賞しうる最大遊技球数は1球であるが、最大遊技球数はこれに限られず、例えば9球または10球まで入賞しうるようにしてもよい。さらに、本実施形態では、大入賞口83が開放される1ラウンドあたりの最大開放時間は6000msecであるが、最大開放時間はこれに限られず、大入賞口83が開放されるラウンド遊技中により多くの遊技球数が入賞しうるだけの十分な時間(例えば最大30sec)にわたってラウンド遊技を実行するようにしてもよいし、1球の遊技球が辛うじて入賞しうる程度の時間だけラウンド遊技を実行するようにしてもよい。また、上述したが、大入賞口83は、大入賞口83の開放時間が最大開放時間にいたったとき、及び、大入賞口83に入賞しうる最大遊技球数の遊技球が大入賞口83に入賞したとき、のうちいずれか一つの条件が満たされると、大入賞口83は閉鎖される。
また、上述したとおり、アタッカ装置可動制御に伴って行なわれる時短抽選手段640による時短抽選の結果が当りであると(時短機能が作動する旨が決定されると)、アタッカ装置可動制御が終了したのちは、常に(100%の確率で)普通当りとなる普通図柄抽選処理が行なわれるとともに、この普通当りに基づいて普通電動役物可動制御が実行される。これにより、上記アタッカ装置可動制御の実行により遊技者に付与された大入賞口83への入賞機会に加えて、普通電動役物可動制御の実行によりさらなる賞球が付与されうる機会が遊技者に与えられることとなる。
普通電動役物可動制御は、普通電動役物80の可動片81の開閉動作を通じて特別図柄始動口82への遊技球の入賞が容易化される制御であるから、この普通電動役物可動制御により容易化された特別図柄始動口82に遊技球が入賞すると、常に特別当りとなる特別図柄抽選処理が行われる。つまり、アタッカ装置可動制御に伴って行なわれる時短抽選手段640による時短抽選の結果が当りである限り、この時短抽選の結果が当りであることに基づいて、アタッカ装置可動制御が終了したのちに特別図柄始動口82への入賞が容易化されるとともに、この入賞が容易化された特別図柄始動口82への遊技球の入賞に基づいて100%の確率で特別当りとなる特別図柄抽選処理がさらに行なわれる。しかも、特別図柄抽選処理の結果が表示されるまでの間(特別図柄が変動表示されている間)は、常に通過しうる普通図柄始動口96,97への遊技球の通過に基づいて行なわれる普通図柄抽選処理では常に普通当りとなり、これにより、複数回の大当り遊技が連続的に発生することとなる。
本実施形態では、2ラウンドからなる1セットのアタッカ装置可動制御と、0セット、1セットまたは複数セットからなる普通電動役物可動制御とが実行される遊技が、1回の大当り遊技となる。すなわち、アタッカ装置可動制御が行なわれたセット数が、大当り遊技が実行された回数となる。
なお、時短抽選の結果が当りであるときに(時短機能が作動したときに)、第1普通図柄始動口96または第2普通図柄始動口97への遊技球の通過に基づいて入賞が容易化された特別図柄始動口82に遊技球が1球も入賞しなかったとしても、この特別図柄始動口82に遊技球が1球も入賞しなかったことを原因として大当り遊技が終了することはない。
ところで、本実施形態では、大当り遊技の発生契機を、特別図柄抽選処理の結果が特別当りであることのみであるとしたが、これに代えて、特別図柄当落判定手段612による判定処理の結果に小当りを設けて、特別図柄当落判定手段612による判定処理の結果が特別当りでなかったとしても、小当りに当選し、且つさらに特別の条件が成立したとき(例えば、機械的な抽選処理を行なう役物を設けて当該機械的な抽選処理に当選したとき)にも大当り遊技が発生するようにしてもよい。このとき、特別図柄当落判定手段612による判定処理の結果が特別当りであるときは、機械的な抽選処理が行われることなく大当り遊技が発生するようにすることが好ましい。
また、所定の処理領域に記憶されている始動情報の当落判定用乱数が、特別当り値でなかった場合に限り小当り値であるか否かを判別し、このときに小当り値でなければハズレと判別するようにした場合、特別当り値でなければほぼ小当りと判別されるようにして極稀にハズレとなる程度であることが好ましい。さらに、時短遊技状態における特別図柄抽選の結果が小当りである場合には、通常遊技状態であるときと比べて上記特別の条件が成立しやすく構成されていることが好ましい。
次に、図28に示すように、主制御MPU765aは、特別図柄抽選変動表示パターン設定処理が開始されると、第2ジョブフラグが「1」であるか否かを判別する(ステップS8650)。第2ジョブフラグが「1」でなければ(ステップS8650におけるNO)、特別図柄抽選変動表示パターン設定処理を終了する。
第2ジョブフラグが「1」であれば(ステップS8650におけるYES)、さらに先述の特別当りフラグがONであるか否かを判別する(ステップS8652)。このとき、特別当りフラグがONであれば(ステップS8652におけるYES)、特別図柄当否判定処理(特別図柄の抽選処理)結果に対応する変動パターンである特別当り時変動表示用パターンを、複数の特別当り時変動表示用パターンが記憶された特別当り時変動表示用パターンテーブルのなかから選択する(ステップS8654)。このステップS8654では、特別図柄表示器332(LED87)の停止(点灯)態様も決定される。
なお、本実施形態ではステップS8652において特別当りフラグがONでないと判定することはないが、極稀にハズレとなるようにし、特別当りフラグがONでなければ、ハズレの抽選結果に対応する変動パターンである特別図柄抽選ハズレ時変動表示用パターンを選択するようにしてもよい。このように、極稀にステップS8652において特別当りフラグがONでないと判定するようにした場合には、特別図柄抽選ハズレ時変動表示用パターンを選択する際に、特別図柄表示器332(LED87)の停止(点灯)態様が決定される。
その後、特別当り時変動表示用パターンとして設定された変動パターンを当落情報コマンド(すなわち、特別当りを示すコマンド)とともにセットする(ステップS8658)。さらに、特別当り時変動表示用パターンとして設定された変動パターンに応じた変動時間をタイマにセットし(ステップS8660)、特図LED作動フラグをONにセットする(ステップS8662)。この特図LED作動フラグがONにセットされると、特別図柄表示器332(LED87)での図柄変動が開始される。その後、先述の第2ジョブフラグに「2」をセットし(ステップS8664)、特別図柄抽選変動表示パターン設定処理を終了する。
ところで、この特別図柄抽選変動表示パターン設定処理で設定された変動パターンは、図15に示したサブ統合基板コマンド送信処理(ステップS92)によってサブ統合基板763に送信される。
次に、図29に示すように、主制御MPU765aは、特図変動中処理が開始されると、第2ジョブフラグが「2」であるか否かを判別する(ステップS8670)。第2ジョブフラグが「2」でなければ(ステップS8670におけるNO)、特図変動中処理を終了する。一方、第2ジョブフラグが「2」であれば(ステップS8670におけるYES)、さらにステップS8660でタイマにセットされた変動時間がタイムアップしたか否かを判別する(ステップS8672)。タイマにセットされた変動時間がタイムアップしていなければ(ステップS8672におけるNO)、特図変動中処理を終了する。
タイマにセットされた変動時間がタイムアップしていれば(ステップS8672におけるYES)、特図LED作動フラグをOFFにセットする(ステップS8674)。この特図LED作動フラグがOFFにセットされると、特別図柄表示器332(LED87)での図柄変動が終了する。そして、サブ統合基板763により実行される特別図柄の図柄変動を停止して、演出表示装置115に抽選結果を確定表示する確定停止コマンド(例えば、コマンド「1FH01H」)をセットする(ステップS8676)。なお、この確定停止コマンドは、図15に示したサブ統合基板コマンド送信処理(ステップS92)によってサブ統合基板763に送信されるが、詳細は後述する。
そして、特別当りフラグがONであるか否かを判断する(ステップS8678)。特別当りフラグがONであれば(ステップS8678におけるYES)、先述の第2ジョブフラグに「4」をセットし(ステップS8680)、特図変動中処理が終了する。一方、特別当りフラグがONでなければ(ステップS8678におけるNO)、先述の第2ジョブフラグに「3」をセットし(ステップS8682)、特図変動中処理を終了する。
次に、図30に示すように、主制御MPU765aは、特別当りオープニング処理が開始されると、第2ジョブフラグが「4」であるか否かを判別する(ステップS8730)。第2ジョブフラグが「4」でなければ(ステップS8730におけるNO)、特別当りオープニング処理を終了する。
第2ジョブフラグが「4」であれば(ステップS8730におけるYES)、特別当りフラグがONであるか否かを判別する(ステップS8732)。なお、上述したように、本実施形態では、取得された当落判定用乱数が常に特別当り値であると判定(すなわち、ステップS8732において常にYESと判定)されて、特別図柄の組み合わせによって特別当りに当選したことが示され、サブ統合基板763により実行される特別当りの開始を示す演出パターンを指示するコマンドである特別当りオープニングコマンドをセットする(ステップS8734)。具体的には、特別当りオープニングコマンドとしてコマンド「20H01H」を送信する。ただし、サブ統合基板763は、特別当りオープニングコマンドを受信したとしても、特別当り遊技の開始を示す演出パターンを演出表示装置115に表示することなく、時短機能が作動したことをもって、大当り遊技の開始を示す演出パターンを表示する。そして、特別当り遊技開始ラウンドの実行時間をカウントするための特別当りオープニングタイマをセットし(ステップS8736)、特別当り遊技開始ラウンドの「1」をラウンドカウンタにセットする(ステップS8738)。そして、先述の第2ジョブフラグに「5」をセットし(ステップS8740)、特別当りオープニング処理を終了する。
なお、この特別当りオープニング処理で設定された演出パターンは、図15に示したサブ統合基板コマンド送信処理(ステップS92)によってサブ統合基板763に送信される。そして、このようにして送信された特別当り遊技の開始を示す演出パターンは、特別当り遊技が開始されるときには利用されないが、時短機能の作動が作動したことに基づいて普通電動役物可動制御が開始されるときに、大当り遊技の開始を示す演出パターンに代用されて演出表示装置115に表示される。
次に、図31に示すように、主制御MPU765aは、特別電動役物特別当り作動処理が開始されると、第2ジョブフラグが「5」であるか否かを判別する(ステップS8750)。第2ジョブフラグが「5」でなければ(ステップS8750におけるNO)、特別電動役物特別当り作動処理を終了する。
第2ジョブフラグが「5」であれば(ステップS8750におけるYES)、特別当りオープニングタイマによりカウントされる特別当りオープニングタイムがアップしたか否かを判別する(ステップS8752)。特別当りオープニングタイムがアップしていなければ(ステップS8752におけるNO)、特別電動役物特別当り作動処理を終了する。
一方、特別当りオープニングタイムがアップしていれば(ステップS8752におけるYES)、アタッカ駆動機構339により大入賞口83(開閉装置)を開放する(ステップS8754)。そして、この開閉装置の開放時間が経過した否かを判別し(ステップS8756)、開放時間が経過していれば(ステップS8756におけるYES)アタッカ駆動機構339により大入賞口83(開閉装置)を閉鎖する(ステップS8758)。また、開閉装置の開放時間が経過していなくても(ステップS8756におけるNO)、当該開閉装置に最大入賞数の遊技球が入賞した場合には(ステップS8760におけるYES)、アタッカ駆動機構339により大入賞口83(開閉装置)を閉鎖する(ステップS8758)。なお、開閉装置に最大入賞数の遊技球が入賞していなければ(ステップS8760におけるNO)、ステップS8754に戻る。
開放装置の閉鎖後は、当該開放装置の開閉動作があらかじめ定められたラウンド回数(ここでは、2ラウンド)に達したか否かを判別する(ステップS8762)。具体的には、このラウンド回数の判別は、ラウンドカウンタに記憶された値が「2」に至ったか否かに基づいて実行される。所定のラウンド回数に達していれば(ステップS8762におけるYES)、特別当りフラグをOFFにセットする(ステップS8764)。そして、先述の第2ジョブフラグに「0」をセットして(ステップS8766)、特別電動役物特別当り作動処理を終了する。一方、所定のラウンド回数に達していなければ(ステップS8762におけるNO)、ラウンドカウンタを1加算する(ステップS8768)。そして、サブ統合基板763により実行される特別当り遊技ラウンド間のインターバルに対応する演出パターンを指示するコマンドであるインターバルコマンドを送信して(ステップS8770)、特別電動役物特別当り作動処理を終了する。
ところで、所定の条件が成立した場合(例えば、上記の特別電動役物特別当り作動処理によって、所定のラウンド回数が実行された(すなわち、特別当り遊技の一連の動作が全て実行された))ことを条件として、当該特別電動役物特別当り作動処理の後処理として時短機能作動処理または微時短機能作動処理を実行する。
時短機能作動処理は、特別図柄始動口82への遊技球の入賞確率を、後述する通常に状態及び微時短機能が作動している状態よりも高い確率に可変設定するための処理である。より具体的には、時短機能が作動されているときは、時短遊技実行手段641が、時短機能が作動している旨を普通図柄当落判定手段602及び普通電動役物可動制御手段607に出力する。これにより、普通図柄当落判定手段602は、普通当りへの当選確率が高められた状態(本実施形態では1分の1)で普通図柄抽選処理を行なうこととなる。また、普通電動役物可動制御手段607は、通常の状態及び微時短機能が作動している状態と比べて、普通電動役物80(より正確には、普通電動役物80の可動片81)の動作時間よりも長い動作時間(例えば「6000ms」)を採用するようになる。このようにして、時短機能が作動すると、特別図柄始動口82への遊技球の入賞確率が高められる。さらに、時短機能が作動している旨を時短遊技実行手段641により普通図柄変動パターン決定手段608に出力して、時短機能が作動しない通常の状態または微時短機能が作動している状態にあるときと比べて普通図柄の変動時間の短縮が図られるようにするとより好ましい。
また、微時短機能作動処理は、特別図柄始動口82への遊技球の入賞確率を、後述する通常の状態よりも若干高い確率に可変設定するための処理である。より具体的には、微時短機能が作動されているときは、微時短遊技実行手段642が、微時短機能が作動している旨を普通図柄当落判定手段602及び普通電動役物可動制御手段607に出力する。これにより、普通図柄当落判定手段602は、普通当りへの当選確率が通常の状態にあるときと同じ確率(本実施形態では399分の1)で普通図柄抽選処理を行なうこととなる。また、普通電動役物可動制御手段607は、通常の状態にあるときと比べて、普通電動役物80(より正確には、普通電動役物80の可動片81)の動作時間よりも長い動作時間(例えば「5500ms」)を採用するようになる。このように、微時短機能が作動している状態では、普通電動役物80(より正確には、普通電動役物80の可動片81)の動作時間として通常の状態(例えば「5000ms」)のときよりも長い動作時間を採用するようになるものの、普通図柄当落判定手段602による普通図柄抽選処理において普通当りに当選確率は通常の状態にあるときと同じである。したがって、微時短機能が作動している状態であるか通常の状態であるかは、遊技者が区別することは困難である。なお、微時短機能が作動している旨を微時短遊技実行手段642により普通図柄変動パターン決定手段608に出力して、普通図柄の変動時間が通常の状態にあるときとほぼ同じとなるようにするとより好ましい。
時短機能及び微時短機能のいずれも作動していないときは、特別図柄始動口82への遊技球の入賞確率が、少なくとも時短機能が作動している状態よりも低くなるように可変設定処理される。より具体的には、時短機能及び微時短機能のいずれも作動していないときは、通常遊技実行手段643が、時短機能及び微時短機能のいずれも作動していない旨を普通図柄当落判定手段602と普通電動役物可動制御手段607とに出力する。これにより、普通図柄当落判定手段602は、普通当りへの当選確率が微時短機能が作動している状態にあるときと同じ確率(本実施形態では399分の1)で普通図柄抽選処理を行なうこととなる。また、普通電動役物可動制御手段607は、時短機能が作動している状態及び微時短機能が作動している状態と比べて、普通電動役物80(より正確には、普通電動役物80の可動片81)の動作時間よりも短い動作時間(例えば「5000ms」)を採用するようになる。このように、通常の状態では、普通電動役物80(より正確には、普通電動役物80の可動片81)の動作時間として、時短機能が作動している状態及び微時短機能が作動している状態のいずれよりも短い動作時間を採用するようになるものの、普通図柄当落判定手段602による普通図柄抽選処理において普通当りに当選確率は、微時短機能が作動している状態にあるときと同じである。なお、時短機能及び微時短機能のいずれも作動していない旨を通常遊技実行手段643により普通図柄変動パターン決定手段608に出力して、普通図柄の変動時間が微時短機能が作動している状態にあるときとほぼ同じとなるようにするとより好ましい。
このようにして、普通図柄当落判定手段602は、状態(時短機能が作動しているか、微時短機能が作動しているが、時短機能及び微時短機能のいずれも作動していないか)に基づく確率で普通当りについての普通図柄抽選処理を行なう。また、普通電動役物可動制御手段607は、状態(時短機能が作動しているか、微時短機能が作動しているが、時短機能及び微時短機能のいずれも作動していないか)に基づく動作時間にわたって、普通電動役物80(より正確には、普通電動役物80の可動片81)を作動させて、特別図柄始動口82への遊技球の入賞を容易化する。
なお、図31に示す特別電動役物特別当り作動処理は、実際には主制御基板765における処理とサブ統合基板763における処理とが、各基板におけるタイマ割り込みに従って独立して実行される。しかし、本実施形態では、説明の便宜と理解の容易のため、主制御基板765における処理とサブ統合基板763における処理とを、一連の処理として連続したシーケンシャル処理として説明している。
[払出制御基板の各種制御処理]
次に、払出制御基板775が行う各種制御処理について説明する。まず、払出制御側電源投入時処理について説明し、続いて払出制御側タイマ割り込み処理、各種賞球ストック数加算処理、賞球ストック監視処理、払出球抜き判定設定処理、払出設定処理、球抜き設定処理について説明する。図32は払出制御側電源投入時処理の一例を示すフローチャートであり、図33は図32の払出制御側電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図34は図33に続いて払出制御側電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図35は払出制御側タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図36は賞球用賞球ストック数加算処理の一例を示すフローチャートであり、図37は貸球用賞球ストック数加算処理の一例を示すフローチャートであり、図38はストック監視処理の一例を示すフローチャートであり、図39は払出球抜き判定設定処理の一例を示すフローチャートであり、図40は払出設定処理の一例を示すフローチャートであり、図41は球抜き設定処理の一例を示すフローチャートである。なお、賞球用賞球ストック数加算処理、貸球用賞球ストック数加算処理、ストック監視処理、払出球抜き判定設定処理は、後述する払出制御側電源投入処理におけるステップS264の主要動作設定処理の一処理として行われ、賞球用賞球ストック数加算処理、貸球用賞球ストック数加算処理、ストック監視処理、そして払出球抜き判定設定処理の順番で優先順位が設定されている。
<8.払出制御側電源投入時処理>
パチンコ機1に電源が投入されると、払出制御基板775の払出制御MPU775aは、図32〜図34に示すように、払出制御側電源投入時処理を行う。この払出制御側電源投入時処理が開始されると、払出制御MPU775aは、割り込みモードの設定を行う(ステップS200)。この割り込みモードは、払出制御MPU775aの割り込みの優先順位を設定するものである。本実施形態では、後述する払出制御側タイマ割り込み処理が優先順位として最も高く設定されており、この払出制御側タイマ割り込み処理の割り込みが発生すると、優先的にその処理が行われる。ステップS200に続いて、入出力設定(I/Oの入出力設定)を行う(ステップS202)。このI/Oの入出力設定では、払出制御MPU775aのI/Oポートの入出設定等を行う。ステップS202に続いて、ウェイトタイマ処理1を行う(ステップS204)。電源投入時から所定電圧となるまでの間では電圧がすぐに上がらない。一方、停電又は瞬停(突発的に電力の供給が一時停止する現象)となるときでは電圧が下がり、停電予告電圧以下となると停電予告として停電信号が入力される。電源投入時から所定電圧に上がるまでの間では電圧が停電予告電圧以下となると停電信号が入力される。そこで、ウェイトタイマ処理1では、電源投入後、電圧が停電予告電圧より高くなるまで待っている。本実施形態では、この待ち時間(ウェイトタイマ)として200ミリ秒(ms)が設定されている。ステップS204に続いて、RAMクリアスイッチ769が操作されているか否かを判定する(ステップS206)。この判定は、RAMクリアスイッチ769が操作され、その操作信号(検出信号)が払出制御MPU775aに入力されているか否かにより行う。検出信号が入力されているときにはRAMクリアスイッチ769が操作されていると判定し、一方、検出信号が入力されていないときにはRAMクリアスイッチ769が操作されていないと判定する。
ステップS206でRAMクリアスイッチ769が操作されているときには、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGに値1をセットし(ステップS208)、一方、ステップS206でRAMクリアスイッチ769が操作されていないときには、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGに値0をセットする(ステップS210)。この払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGは、払出制御MPU775aに内蔵されたRAM(以下、「払出内蔵RAM」と記載する。)に記憶されている、例えば賞球ストック数、実球計数、駆動指令数及び各種フラグ(及び、各種情報記憶領域に記憶されている各種情報)等の払い出しに関する払出情報(その詳細な説明は後述する。)を消去するか否かを示すフラグであり、払出情報を消去するとき値1、払出情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定されている。なお、ステップS208及びステップS210でセットされた払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGは、払出制御MPU775aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
ステップS208又はステップS210に続いて、球抜きスイッチ779が操作されているか否かを判定する(ステップS212)。この判定は、球抜きスイッチ779が操作され、その操作信号(検出信号)が払出制御MPU775aに入力されているか否かにより行う。検出信号が入力されているときには球抜きスイッチ779が操作されていると判定し、一方、検出信号が入力されていないときには球抜きスイッチ779が操作されていないと判定する。
ステップS212で球抜きスイッチ779が操作されているときには、球抜きフラグRMV−FLGに値1をセットし(ステップS214)、一方、ステップS212で球抜きスイッチ779が操作されていないときには、球抜きフラグRMV−FLGに値0をセットする(ステップS216)。この球抜きフラグRMV−FLGは、球タンク136及びタンクレール150に貯留されている遊技球を排出するか否かを示すフラグであり、遊技球を排出するとき値1、遊技球を排出しないとき値0にそれぞれ設定されている。なお、ステップS214及びステップS216でセットされた球抜きフラグRMV−FLGは、払出制御MPU775aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
ステップS214又はステップS216に続いて、払出内蔵RAMへのアクセスを許可する設定を行う(ステップS220)。この設定により払出内蔵RAMへのアクセスができ、例えば払出情報の書き込み(記憶)又は読み出しを行うことができる。ステップS220に続いて、スタックポインタの設定を行う(ステップS222)。スタックポインタは、例えば、使用中の記憶素子(レジスタ)の内容を一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したり、サブルーチンを終了して本ルーチンに復帰するときの本ルーチンの復帰アドレスを一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したりするものであり、スタックが積まれるごとにスタックポインタが進む。ステップS222では、スタックポインタに初期アドレスをセットし、この初期アドレスから、レジスタの内容、復帰アドレス等をスタックに積んで行く。そして最後に積まれたスタックから最初に積まれたスタックまで、順に読み出すことによりスタックポインタが初期アドレスに戻る。
ステップS222に続いて、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGが値0である否かを判定する(ステップS224)。上述したように、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGは、払出情報を消去するとき値1、払出情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定されている。ステップS224で払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGが値0であるとき、つまり払出情報を消去しないときには、チェックサムの算出を行う(ステップS226)。このチェックサムは、払出内蔵RAMに記憶されている払出情報を数値とみなしてその合計を算出するものである。ステップS226に続いて、算出したチェックサムの値が後述する払出制御側電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値と一致しているか否かを判定する(ステップS228)。一致しているときには、払出バックアップフラグHBK−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS230)。この払出バックアップフラグHBK−FLGは、払出情報、チェックサムの値及び払出バックアップフラグHBK−FLGの値等の払出バックアップ情報を後述する払出制御側電源断時処理において払出内蔵RAMに記憶保持したか否かを示すフラグであり、払出制御側電源断時処理を正常に終了したとき値1、払出制御側電源断時処理を正常に終了していないとき値0にそれぞれ設定されている。
ステップS230で払出バックアップフラグHBK−FLGが値1であるとき、つまり払出制御側電源断時処理を正常に終了したときには、復電時として払出内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS232)。この設定は、払出バックアップフラグHBK−FLGを値0にセットするほか、払出制御MPU775aに内蔵されたROM(以下、「払出内蔵ROM」と記載する。)から復電時情報を読み出し、この復電時情報を払出内蔵RAMの作業領域にセットする。ここで「復電時」とは、上述したように、電源を遮断した状態から電源を投入した状態に加えて、停電又は瞬停からその後の電力の復旧した状態も含める。
一方、ステップS224で払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり払出情報を消去するときには、又はステップS228でチェックサムの値が一致していないときには、又はステップS230で払出バックアップフラグHBK−FLGが値1でない(値0である)とき、つまり払出制御側電源断時処理を正常に終了していないときには、払出内蔵RAMの全領域をクリアし(ステップS234)、初期設定として払出内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS236)。この設定は、払出内蔵ROMから初期情報を読み出してこの初期情報を払出内蔵RAMの作業領域にセットする。
ステップS232又はステップS236に続いて、割り込み初期設定を行う(ステップS238)。この設定は、後述する払出制御側タイマ割り込み処理が行われるときの割り込み周期を設定するものである。本実施形態では1.75msに設定されている。ステップS238に続いて、割り込み許可設定を行う(ステップS240)。この設定によりステップS238で設定した割り込み周期、つまり1.75msごとに払出制御側タイマ割り込み処理が繰り返し行われる。
ステップS240に続いて、停電信号が入力されているか否かを判定する(ステップS242)。上述したように、パチンコ機1の電源を遮断したり、停電又は瞬停したりするときには、電圧が停電予告電圧以下となると停電予告として停電信号が入力される。ステップS242の判定は、この停電信号に基づいて行う。ステップS242で停電信号の入力がないときには1.75ms経過フラグHT−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS244)。この1.75ms経過フラグHT−FLGは、後述する、1.75msごとに処理される払出制御側タイマ割り込み処理で1.75msを計時するフラグであり、1.75ms経過したとき値1、1.75ms経過していないとき値0にそれぞれ設定される。ステップS244で1.75ms経過フラグHT−FLGが値0であるとき、つまり1.75ms経過していないときには、ステップS242に戻り、停電信号が入力されているか否かを判定する。一方、ステップS244で1.75ms経過フラグHT−FLGが値1であるとき、つまり1.75ms経過したときには、1.75ms経過フラグHT−FLGに値0をセットし(ステップS246)、外部ウォッチドックタイマ(外部WDT)775cにクリア信号をONする(ステップS248)。この外部WDT775cは、払出制御MPU775aの動作(システム)を監視するためのものであり、一定期間にクリアされないときには払出制御MPU775aにリセットがかかる(払出制御MPU775aのシステムが暴走していないかを定期的に診断している)。
ステップS248に続いて、ポート出力処理を行う(ステップS250)。このポート出力処理では、払出制御I/Oポート775bの出力端子から、払出内蔵RAMの出力情報記憶領域から各種情報を読み出してこの各種情報に基づいて各種信号を出力する。出力情報記憶領域には、例えば、主制御基板765からの払い出しに関する各種コマンドを正常に受信した旨を伝えるACK情報、球払出装置170への駆動制御を行う駆動情報、球払出装置が実際に遊技球を払い出した球数の賞球数情報、エラーLED表示器777に表示するLED表示情報、プリペイドカードユニット1aからの貸球要求信号を正常に受信した旨を伝える受信完了情報等の各種情報が記憶されており、この出力情報に基づいて出力端子から、主制御基板765からの払い出しに関する各種コマンドを正常に受信したときにはACK信号を主制御基板765に出力したり、球払出装置170に駆動信号を出力したり、球払出装置170が実際に遊技球を払い出した球数を賞球数信号として出力したり(本実施形態では、球払出装置170が実際に10個の遊技球を払い出すごとに賞球数信号を出力している。)、エラーLED表示器777に表示信号を出力したり、プリペイドカードユニット1aからの貸球要求信号を正常に受信したときには受信完了信号をプリペイドカードユニット1aに出力したりする。
ステップS250に続いて、ポート入力処理を行う(ステップS252)。このポート入力処理では、払出制御I/Oポート775bの入力端子に入力されている各種信号を読み取り、入力情報として払出内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶する。例えば、エラー解除スイッチ778の操作信号、回転角スイッチ102からの検出信号、計数スイッチ101からの検出信号、満タンスイッチ107からの検出信号、プリペイドカードユニット1aからの貸球要求信号及び接続信号、後述するコマンド送信処理で送信した各種コマンドを主制御基板765が正常に受信した旨を伝える主制御基板765からのACK信号、をそれぞれ読み取り、入力情報として入力情報記憶領域に記憶する。
ステップS252に続いて、タイマ更新処理を行う(ステップS254)。このタイマ更新処理では、その詳細な説明は後述するが、球払出装置170が球がみを起こしているか否かの判定を行う際にその判定条件として設定されている球がみ判定時間、球タンク136及びタンクレール150に貯留されている遊技球を排出する際に設定されている球抜き判定時間、下皿31が満タンであるか否かの判定を行う際にその判定条件として設定されている満タン判定時間、球払出装置170に設けられた図示しない球切れスイッチからの検出信号により球払出装置170に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上となっているか否かの判定を行う際にその判定条件として設定されている球切れ判定時間等の時間管理を行う。例えば、球がみ判定時間が5005msに設定されているときには、タイマ割り込み周期が1.75msに設定されているので、このタイマ更新処理を行うごとに球がみ判定時間を1.75msずつ減算し、その減算結果が値0になることで球がみ判定時間を正確に計っている。
本実施形態では、球抜き判定時間として60060ms、満タン判定時間として504ms、球切れ判定時間として119msがそれぞれ設定されており、このタイマ更新処理を行うごとに球抜き判定時間及び満タン判定時間を1.75msずつ減算し、その減算結果が値0になることで球抜き判定時間及び満タン判定時間を正確に計っている。なお、これらの各種判定時間は、時間管理情報として払出内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶される。
ステップS254に続いて、CR通信処理を行う(ステップS256)。このCR通信処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、プリペイドカードユニット1aからの貸球要求信号が入力されているか否かを判定したり、プリペイドカードユニット1aからの接続信号が入力されているか否かを判定したりする。貸球要求信号が入力され、この貸球要求信号を正常に受信したときには、その旨を伝える受信完了情報を上述した出力情報記憶領域に記憶するとともに、その貸球要求信号を貸球情報として払出内蔵RAMの貸球情報記憶領域に記憶する。一方、貸球要求信号を正常に受信できなかったときには、その旨を伝える貸球要求エラー情報を払出内蔵RAMの状態情報記憶領域に記憶する。
接続信号が入力されているときには、プリペイドカードユニット1aとの接続が正常であるとしてその旨を伝えるCR接続情報を状態情報記憶領域に記憶する。なお、接続信号が入力されていないときには、プリペイドカードユニット1aとの接続が異常であるとしてその旨を伝えるCR接続情報を状態情報記憶領域に記憶する。
ステップS256に続いて、満タン及び球切れチェック処理を行う(ステップS258)。この満タン及び球切れチェック処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、満タンスイッチ107からの検出信号により下皿31が遊技球で満タンとなっているか否かを判定したり、球払出装置170に設けられた球切れスイッチからの検出信号により球払出装置170に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上となっているか否かを判定したりする。例えば、下皿31が遊技球で満タンとなっているか否かの判定は、タイマ割り込み周期1.75msを利用して、今回の満タン及び球切れチェック処理で満タンスイッチ107からの検出信号がON、前回(1.75ms前)の満タン及び球切れチェック処理で満タンスイッチ107からの検出信号がOFFとなったとき、つまり満タンスイッチ107からの検出信号がOFFからONに遷移したときには、ステップS254のタイマ更新処理で上述した満タン判定時間(504ms)の計時を開始する。そしてタイマ更新処理で満タン判定時間が値0となったとき、つまり満タン判定時間となったときには、この満タン及び球切れチェック処理で満タンスイッチ107からの検出信号がONであるか否かを判定する。この判定では、満タンスイッチ107からの検出信号がONであるときには、下皿31が遊技球で満タンであるとしてその旨を伝える満タン情報を上述した状態情報記憶領域に記憶する。一方、満タンスイッチ107からの検出信号がOFFであるときには、下皿31が遊技球で満タンでないとしてその旨を伝える満タン情報を状態情報記憶領域域に記憶する。
球払出装置170に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上となっているか否かの判定も、タイマ割り込み周期1.75msを利用して、今回の満タン及び球切れチェック処理で球切れスイッチからの検出信号がON、前回(1.75ms前)の満タン及び球切れチェック処理で球切れスイッチからの検出信号がOFFとなったとき、つまり球切れスイッチからの検出信号がOFFからONに遷移したときには、ステップS254のタイマ更新処理で上述した球切れ判定時間(119ms)の計時を開始する。そしてタイマ更新処理で球切れ判定時間が値0となったとき、つまり球切れ判定時間となったときには、この満タン及び球切れチェック処理で球切れスイッチからの検出信号がONであるか否かを判定する。この判定では、球切れスイッチからの検出信号がONであるときには、球払出装置170に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上であるとしてその旨を伝える球切れ情報を状態情報記憶領域に記憶する一方、球切れスイッチからの検出信号がOFFであるときには、球払出装置170に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上でないとしてその旨を伝える球切れ情報を状態情報記憶領域に記憶する。
ステップS258に続いて、コマンド受信処理を行う(ステップS260)。このコマンド受信処理では、主制御基板765からの払い出しに関する各種コマンドを受信する。この各種コマンドを正常に受信したときには、その旨を伝えるACK情報を上述した出力情報記憶領域に記憶する。一方、各種コマンドを正常に受信できなかったときには、主制御基板765と払出制御基板775との基板間の接続に異常が生じている旨を伝える接続異常情報を上述した状態情報記憶領域に記憶する。なお、主制御基板765からの払い出しに関する各種コマンドの詳細な説明は後述する。
ステップS260に続いて、コマンド解析処理を行う(ステップS262)。このコマンド解析処理では、ステップS260で受信したコマンドの解析を行い、その解析したコマンドを受信コマンド情報として払出内蔵RAMの受信コマンド情報記憶領域に記憶する。
ステップS262に続いて、主要動作設定処理を行う(ステップS264)。この主要動作設定処理では、賞球、貸球、球抜き及び球がみ等の動作設定を行ったり、未払い出しの球数(賞球ストック数)を監視したりする。なお、これらの動作設定や監視の詳細な説明は後述する。
ステップS264に続いて、LED表示データ作成処理を行う(ステップS266)。このLED表示データ作成処理では、上述した状態情報記憶領域から各種情報を読み出し、払出制御基板775のエラーLED表示器777に表示する表示データを作成してLED表示情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。例えば、状態情報記憶領域から上述した球切れ情報を読み出し、この球切れ情報に対応する表示データを作成してLED表示情報を出力情報記憶領域に記憶する。
ステップS266に続いて、コマンド送信処理を行う(ステップS268)。このコマンド送信処理では、上述した状態情報記憶領域から各種情報を読み出し、この各種情報に基づいてコマンドを作成して主制御基板765に送信する。
ステップS268に続いて、外部ウォッチドックタイマ(外部WDT)775cへのクリア信号をOFFする(ステップS270)。これにより、外部WDT775cをクリアし、払出制御MPU775aにリセットがかからないようにするとともに、外部WDT775cの計時を開始する。
ステップS270に続けて、再びステップS242に戻り、停電信号が入力されているか否かを判定し、この停電信号の入力がなければ、ステップS244で1.75ms経過フラグHT−FLGが値1であるか否かを判定し、この1.75ms経過フラグHT−FLGが値1であるとき、つまり1.75ms経過したときには、ステップS246で1.75ms経過フラグHT−FLGに値0をセットし、ステップS248で外部WDT775cにクリア信号を出力し、ステップS250でポート出力処理を行い、ステップS252でポート入力処理を行い、ステップS254でタイマ更新処理を行い、ステップS256でCR通信処理を行い、ステップS258で満タン及び球切れチェック処理を行い、ステップS260でコマンド受信処理を行い、ステップS262でコマンド解析処理を行い、ステップS264で主要動作設定処理を行い、ステップS266でLED表示データ作成処理を行い、ステップS268でコマンド送信処理を行い、ステップS270で外部WDT775cにクリア信号を出力し、ステップS242〜ステップS270を繰り返し行う。なお、このステップS242〜ステップS270の処理を「払出制御側メイン処理」という。
主制御基板765による遊技の進行に応じて払出制御側メイン処理の処理内容が異なってくる。このため、払出制御MPU775aの処理に要する時間が変動することとなる。そこで、払出制御MPU775aは、ステップS250のポート出力処理において、主制御基板765からの払い出しに関する各種コマンドを正常に受信した旨を伝えるACK信号を、優先して主制御基板765に出力している。これにより、払出制御MPU775aは、変動する他の処理を十分に行えるよう、その処理時間を確保している。
一方、ステップS242で停電信号の入力があったときには、割り込み禁止設定を行う(ステップS272)。この設定により後述する払出制御側タイマ割り込み処理が行われなくなり、払出内蔵RAMへの書き込みを防ぎ、上述した払出情報の書き換えを保護している。ステップS272に続いて、球払出装置170への駆動信号の出力を停止する(ステップS274)。これにより、遊技球の払い出しを停止する。ステップS274に続いて、外部WDT775cにクリア信号をON/OFFする(ステップS276)。これにより、外部WDT775cをクリアする。ステップS276に続いて、チェックサムの算出を行ってこの算出した値を記憶する(ステップS278)。このチェックサムは、ステップS226で算出したチェックサムの値及び払出バックアップフラグHBK−FLGの値の記憶領域を除く、払出内蔵RAMの作業領域の払出情報を数値とみなしてその合計を算出する。ステップS278に続いて、払出バックアップフラグHBK−FLGに値1をセットする。(ステップS280)、これにより払出バックアップ情報の記憶が完了する。ステップS280に続いて、払出内蔵RAMへのアクセスの禁止設定を行う(ステップS282)。この設定により払出内蔵RAMへのアクセスが禁止され書き込み及び読み出しができなくなり、払出内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報が保護される。ステップS282に続いて、無限ループに入る。この無限ループでは、外部WDT775cにクリア信号をON/OFFしない。このため、払出制御MPU775aにリセットがかかり、その後払出制御MPU775aは、この払出制御側電源投入時処理を再び行う。なお、ステップS272〜ステップS282の処理及び無限ループを「払出制御側電源断時処理」という。
パチンコ機1(払出制御MPU775a)は、停電したとき又は瞬停したときにはリセットがかかり、その後の電力の復旧により払出制御側電源投入時処理を行う。なお、ステップS228では払出内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報が正常なものであるか否かを検査し、続いてステップS230では払出制御側電源断時処理が正常に終了されたか否かを検査している。このように、払出内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報を2重にチェックすることにより払出バックアップ情報が不正行為により記憶されたものであるか否かを検査している。
<9.払出制御側タイマ割り込み処理>
次に、払出制御側タイマ割り込み処理について説明する。この払出制御側タイマ割り込み処理は、図32〜図34に示した払出制御側電源投入時処理において設定された割り込み周期(本実施形態では、1.75ms)ごとに繰り返し行われる。
払出制御側タイマ割り込み処理が開始されると、払出制御基板775の払出制御MPU775aは、図35に示すように、タイマ割り込みを禁止に設定してレジスタの切替(退避)を行う(ステップS290)。ここでは、上述した払出制御側メイン処理で使用していた汎用記憶素子(汎用レジスタ)から補助レジスタに切り替える。この補助レジスタを払出制御側タイマ割り込み処理で使用することにより汎用レジスタの値が上書きされなくなる。これにより、払出制御側メイン処理で使用していた汎用レジスタの内容の破壊を防いでいる。
ステップS290に続いて、1.75ms経過フラグHT−FLGに値1をセットする(ステップS292)。この1.75経過フラグHT−FLGは、この払出制御側タイマ割り込み処理が行われるごとに、つまり1.75msごとに1.75msを計時するフラグであり、1.75ms経過したとき値1、1.75ms経過していないとき値0にそれぞれ設定されている。ステップS292に続いて、レジスタの切替(復帰)を行う(ステップS294)。この復帰は、ステップS290でスタックに積んで退避した内容を読み出してレジスタに書き込むことにより行われる。ステップS294に続いて、割り込み許可の設定を行い(ステップS296)、このルーチンを終了する。
<10.各種賞球ストック数加算処理>
次に、各種賞球ストック数加算処理について説明する。この各種賞球ストック数加算処理には、賞球用賞球ストック数加算処理と貸球用賞球ストック数加算処理とがあり、賞球用賞球ストック数加算処理は主制御基板765からの後述する賞球コマンドに基づいて払い出す球数を加算する処理であり、貸球用賞球ストック数加算処理はプリペイドカードユニット1aからの貸球要求信号に基づいて払い出す球数を加算する処理である。まず、賞球用賞球ストック数加算処理について説明し、続いて貸球用賞球ストック数加算処理について説明する。なお、本実施形態では、賞球用賞球ストック数加算処理が優先的に行われるように設定されており、この賞球用賞球ストック数加算処理で加算された賞球ストック数に応じた遊技球が球払出装置170で払い出されたあと、貸球用賞球ストック数加算処理が行われるように設定されている。
賞球用賞球ストック数加算処理が開始されると、払出制御基板775の払出制御MPU775aは、図36に示すように、賞球コマンドがあるか否かを判定する(ステップS300)。この判定は、図34に示した払出制御側電源投入時処理(払出制御側メイン処理)におけるステップS262のコマンド解析処理で解析したコマンドに基づいて行う。具体的には、その解析したコマンドは受信コマンド情報として払出内蔵RAMの受信コマンド情報記憶領域に記憶されている。ステップS300では、この受信コマンド情報記憶領域から受信コマンド情報を読み出して賞球コマンドであるか否かの判定を行う。
ステップS300で受信コマンド情報が賞球コマンドであるときには、この賞球コマンドに対応する賞球数PBVを、賞球数情報テーブルから読み出す(ステップS302)。この賞球数情報テーブルは、その詳細な説明は後述するが、賞球コマンドと賞球数PBVとを対応付けて払出制御ROMに予め記憶されている情報テーブルである。ステップS302に続いて、払出内蔵RAMから賞球ストック数PBSを読み出す(ステップS304)。この賞球ストック数PBSは、球払出装置170で遊技球を未だ払い出していない数、つまり未払い出しの球数を表しており、本実施形態では、2バイト(16ビット)の記憶容量を有している。これにより、賞球ストック数PBSは、0〜65535個までの未払い出しの球数を記憶することができるようになっている。ステップS304で読み出した賞球ストック数PBSにステップS302で読み出した賞球数PBVを加算し(ステップS306)、このルーチンを終了する。なお、ステップS306で加算したあと、ステップS300で読み出した賞球コマンドを受信コマンド情報記憶領域から消去する。
一方、ステップS300で受信コマンド情報が賞球コマンドでないときには、そのままこのルーチンを終了する。
次に、貸球用賞球ストック数加算処理について説明する。この貸球用賞球ストック数加算処理が開始されると、払出制御基板775の払出制御MPU775aは、図37に示すように、貸球要求信号があるか否かを判定する(ステップS310)。この判定は、図34に示した払出制御側電源投入時処理(払出制御側メイン処理)におけるステップS252のポート入力処理でプリペイドカードユニット1aからの貸球要求信号に基づいて行う。具体的には、その貸球要求信号は入力情報として払出内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶されている。ステップS310では、この入力情報記憶領域から入力情報を読み出して貸球要求信号があるか否かの判定を行う。
ステップS310で貸球要求信号があるときには、払出内蔵RAMから賞球ストック数PBSを読み出し(ステップS312)、この賞球ストック数PBSに貸球数RBVを加算し(ステップS314)、このルーチンを終了する。貸球数RBVは固定値であり、払出制御ROMに予め記憶されている。本実施形態では、貸球数RBVとして値25が設定されている。なお、ステップS314で加算したあと、ステップS310で読み出した貸球要求信号を入力情報記憶領域から消去する。また、本実施形態では、賞球を優先している(賞球と貸球とを区別して管理している)。このため、貸球要求信号があるときであっても、貸球要求信号を保持し、賞球の払い出しの完了をもって、貸球の払い出しを行う。したがって、賞球ストックPBSが値0になってから貸球の払い出しを行うようになっている。
一方、ステップS310で貸球要求信号がないときには、そのままこのルーチンを終了する。
<11.ストック監視処理>
次に、ストック監視処理について説明する。このストック監視処理は、遊技者が遊技中に下皿31に遊技球を満タンにした状態(ストックした状態)で遊技を続けていないか監視する処理である。
ストック監視処理が開始されると、払出制御基板775の払出制御MPU775aは、図38に示すように、払出内蔵RAMから賞球ストック数PBSを読み出し(ステップS320)、読み出した賞球ストック数PBSが注意的しきい値TH1以上であるか否かを判定する(ステップS322)。注意的しきい値TH1は、本実施形態では値50に設定されている。ステップS322で賞球ストック数PBSが注意的しきい値TH1以上であるときには、注意フラグCA−FLGに値1をセットする(ステップS324)。この注意フラグCA−FLGは、遊技者が下皿31に遊技球のストックを開始し、遊技球の未払い出し数(上述した賞球ストック数)が注意的しきい値TH1以上に達している旨を示すフラグであり、注意的しきい値TH1以上に達しているとき値1、注意的しきい値TH1以上に達していないとき値0にそれぞれ設定されている。
ステップS324に続いて、ステップS320で読み出した賞球ストック数PBSが警告的しきい値TH2以上であるか否かを判定する(ステップS326)。警告的しきい値TH2は、本実施形態では値300に設定されている。ステップS326で賞球ストック数PBSが警告的しきい値TH2以上であるときには、警告フラグWA−FLGに値1をセットし(ステップS328)、このルーチンを終了する。この警告フラグWA−FLGは、遊技者が下皿31に遊技球のストックを開始し、遊技球の未払い出し数(上述した賞球ストック数)が警告的しきい値TH2以上に達している旨を示すフラグであり、警告的しきい値TH2以上に達しているとき値1、警告的しきい値TH2以上に達していないとき値0にそれぞれ設定されている。
一方、ステップS322で賞球ストック数PBSが注意的しきい値TH1未満であるときには、注意フラグCA−FLGに値0をセットし(ステップS330)し、このルーチンを終了する。一方、ステップS326で賞球ストック数PBSが警告的しきい値TH2未満であるときには、警告フラグWA−FLGに値0をセットし(ステップS332)、このルーチンを終了する。
遊技状態が大当りとなり、遊技者がリラックスして演出表示装置115で繰り広げられる演出に見入ったり、装飾物本体302の役物動作に見入ったりしていると、遊技者は、うっかりして、賞球として払い出された遊技球を、下皿31から下皿用球排出ボタン(図示外)を操作して抜かないことがある。この状態で遊技を続けると、上述したように、賞球ストック数PBSの値は増加し、注意的しきい値TH1、そして警告的しきい値TH2以上となり、その詳細な説明は後述するが、警告演出として、スピーカ18,57から案内音声が流れることとなる。そうすると、遊技者は、遊技状態が大当りというリラックスした状態でいられるにもかかわらず、うっかりして下皿31から遊技球を抜かないでいると、警告演出が行われることとなり、いらだつ事態になりかねない。
そこで、その不快感を極力防止するために本実施形態では、上述したように、警告的しきい値TH2に値300を設定している。この警告的しきい値TH2は、第2可動制御の2セット分の賞球として払い出す遊技球の球数に設定されている。例えば、特別図柄始動口82に遊技球が1個入球すると賞球として15個払い出されるので、1セット分(本実施形態では、普通電動役物80の可動片81が拒球態様から許球態様に切り替わったときに、10個の遊技球の入球又は許球態様となってから6秒の経過により、普通電動役物80の可動片81が許球態様から拒球態様に再び戻るようになっている。)の賞球として払い出す遊技球の球数は、特別図柄始動口82に遊技球が10個入球すると、150個(=15×10)となり、2セット分では300個(150×2)となる。なお、賞球ストック数PBSの記憶容量が1バイト(8ビット)である場合には、0〜255個までの未払い出しの球数しか記憶することができないため、上述したように、本実施形態では、賞球ストック数PBSの記憶容量を2バイト(16ビット)にすることによって、256個以上の未払い出しの球数を記憶することができるようになっている。
一方、注意的しきい値TH1は値50に設定されているが、これは、賞球ストック数PBSが警告的しきい値TH2に達するまえの段階で、その詳細な説明は後述するが、注意演出として賞球ランプ396を点灯することによって、例えばホールの店員に対して遊技者の遊技を注意する旨を伝えることができ、ホールの店員は遊技者に下皿31から遊技球を抜く旨を伝えることができる。これにより、遊技者は下皿31に遊技球を満タンにした状態でさらに遊技を継続することを防止することができる。また、遊技者は、遊技状態が大当りというリラックスした状態でいられるにもかかわらず、うっかりして下皿31から遊技球を抜かないでいても、注意演出による告知の段階で、ホールの店員から下皿31から遊技球を抜く旨を伝えられ、いらだつ事態を防止することができる。
なお、本実施形態では、注意的しきい値TH1は、1バイト(8ビット)で表せる上限値255の約5分の1に相当する値50に設定されており、上述した警告的しきい値TH2の値300の6分の1に設定されている。これにより、ホールの店員に対してできるだけ早い段階で遊技者の遊技に注意を促す旨を伝えることができるようになっている。
<12.払出球抜き判定設定処理>
次に、払出球抜き判定設定処理について説明する。この払出球抜き判定設定処理は、球払出装置170で遊技球を、上皿51及び下皿31に払い出すか、球タンク136及びタンクレール150に貯留されている遊技球をパチンコ機1から排出するか、又はこのような払い出しや排出を行わないか、いずれかに設定する処理である。
払出球抜き判定設定処理が開始されると、払出制御基板775の払出制御MPU775aは、図39に示すように、球がみ中フラグPBE−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS340)。この球がみ中フラグPBE−FLGは、その詳細な説明は後述するが、球払出装置170が球がみ動作を行っているとき値1、球がみ動作を行っていないとき値0にそれぞれ設定されている。
ステップS340で球がみ中フラグPEB−FLGが値1でない(値0である)とき、つまり球がみ動作を行っていないときには、賞球ストック数PBSを払出内蔵RAMから読み出し(ステップS342)、読み出した賞球ストック数PBSが値0より大きいか否かを判定する(ステップS344)。この判定は、球払出装置170による遊技球の払い出しにおいて未払い出しの球数があるか否かを判定している。
ステップS344で賞球ストック数PBSが値0より大きいとき、つまり未払い出し球数があるときには、下皿31が遊技球で満タンであるか否かを判定する(ステップS346)。この判定は、図34に示した払出制御側電源投入時処理(払出制御側メイン処理)におけるステップS258の満タン及び球切れチェック処理で記憶された満タン情報に基づいて行う。具体的には、満タン情報は払出内蔵RAMの状態情報記憶領域に記憶されている。ステップS346では、この状態情報記憶領域から満タン情報を読み出して下皿31が遊技球で満タンであるか否かを判定する。
ステップS346で下皿31が遊技球で満タンでないときには、後述する払出設定処理を行い(ステップS348)、このルーチンを終了する。これにより、上皿51及び下皿31に遊技球が払い出される。一方、ステップS346で下皿31が遊技球で満タンであるときには、そのままこのルーチンを終了する。本実施形態のパチンコ機1では、下皿31が遊技球で満タンになると球払出装置170を強制停止する。この球払出装置170が強制停止中に賞球が発生すると、球払出装置170による未払い出しの球数が増え、図36に示した賞球用賞球ストック数算出処理によって賞球ストック数PBSが加算されて増加することとなる。
一方、ステップS340で球がみ中フラグPBE−FLGが値1、つまり球がみ動作を行っているときには、又はステップS344で賞球ストック数PBSが値0より大きくない(値0である)とき、つまり未払い出し球数がないときには、球抜きフラグRMV−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS350)。この球抜きフラグRMV−FLGは、上述したように、球タンク136及びタンクレール150に貯留されている遊技球を排出するか否かを示すフラグであり、遊技球を排出するとき値1、遊技球を排出しないとき値0にそれぞれ設定されている。ステップS350の判定は、図32に示した払出制御側電源投入時処理におけるステップS214の判定結果に基づいて行う。つまり、払出制御基板775の球抜きスイッチ779からの操作信号が入力されると、払出制御側電源投入時処理におけるステップS214で球抜きフラグRMV−FLGに値1をセットし、一方、操作信号が入力されないと、払出制御側電源投入時処理におけるステップS216で球抜きフラグRMV−FLGに値0をセットする。
ステップS350で球抜きフラグRMV−FLGが値1であるとき、つまり球タンク136及びタンクレール150に貯留されている遊技球を排出するときには、後述する球抜き設定処理を行い(ステップS352)、このルーチンを終了する。これにより、球タンク136及びタンクレール150に貯留されている遊技球が排出される。
ここで、電源を遮断し、その後球抜きスイッチ779を押したまま電源投入すると、この払出球抜き判定設定処理のステップS352で球抜き設定処理を行うこととなり、球タンク136及びタンクレール150に貯留されている遊技球を排出することができるようになっている。この排出を終了すると、球抜きフラグRMV−FLGに値0をセットする。
一方、ステップS350で球抜きフラグRMV−FLGが値0であるとき、つまり球タンク136及びタンクレール150に貯留されている遊技球を排出しないときには、そのままこのルーチンを終了する。これにより、遊技球の払い出しや排出が行われない。
次に、払出設定処理について説明する。この払出設定処理では球払出装置170を駆動して遊技球を払い出す設定を行う処理である。
払出設定処理が開始されると、払出制御基板775の払出制御MPU775aは、図40に示すように、駆動指令数DRVを払出内蔵RAMから読み出す(ステップS360)。この駆動指令数DRVは、球払出装置170で払い出す遊技球の球数を指令するものであり、賞球ストック数PBSと同値である。ステップS360に続いて、駆動指令数DRVが値0であるか否かを判定する(ステップS362)。この判定は、球払出装置170で払い出す遊技球の球数が残っているか否かを駆動指令数DRVに基づいて判定する。ステップS362で駆動指令数DRVが値0であるとき、つまり球払出装置170で払い出す遊技球の球数がゼロ個であるときには、球払出装置170への駆動信号の出力停止(停止)を設定する(ステップS364)。この設定では、球払出装置170に駆動信号を停止する駆動情報を設定して上述した払出内蔵RAMの出力設定記憶領域に記憶する。ステップS364に続いて、払出内蔵RAMから賞球ストック数PBSを読み出し(ステップS366)、実球計数PBを読み出す(ステップS368)。この実球計数PBは、球払出装置170が実際に払い出した遊技球の球数をカウントしたものである。このカウントは、その詳細な説明は後述するが、図34に示した払出制御側電源投入時処理(払出制御側メイン処理)におけるステップS252のポート入力処理で、球払出装置170の計数スイッチ101からの検出信号に基づいて行う。
ステップS368に続いて、ステップS366で読み出した賞球ストック数PBSからステップS368で読み出した実球計数PBを引いた値を、賞球ストック数PBS及び駆動指令数DRVにセットし(ステップS370)、実球計数PBに値0をセットし(ステップS372)、このルーチンを終了する。なお、駆動指令数DRV及び実球計数PBが値0であるときには、ステップS372では、ステップS366で読み出した賞球ストック数PBSの値がそのまま駆動指令数DRVにセットされる。
一方、ステップS362で駆動指令数DRVが値0でないとき、つまり球払出装置170で払い出す遊技球の球数があるときには、球払出装置170への駆動信号の出力を設定する。(ステップS374)。この設定では、球払出装置170に駆動信号を出力する駆動情報を設定して出力設定記憶領域に記憶する。ステップS374に続いて、回転角スイッチ102からの検出信号があるか否かを判定する(ステップS376)。この判定は、図34に示した払出制御側電源投入時処理(払出制御側メイン処理)におけるステップS252のポート入力処理で、回転角スイッチ102からの検出信号に基づいて行う。具体的には、その検出信号は入力情報として払出内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶されている。ステップS376では、この入力情報記憶領域から入力情報を読み出して回転角スイッチ102からの検出信号があるか否かの判定を行う。
ステップS376で回転角スイッチ102からの検出信号があるときには、駆動指令数DRVに値1だけ引き(デクリメントし、ステップS378)、計数スイッチ101からの検出信号があるか否かを判定する(ステップS380)。この判定は、図34に示した払出制御側電源投入時処理(払出制御側メイン処理)におけるステップS252のポート入力処理で、計数スイッチ101からの検出信号に基づいて行う。具体的には、その検出信号は入力情報として払出内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶されている。ステップS380では、この入力情報記憶領域から入力情報を読み出して計数スイッチ101からの検出信号があるか否かの判定を行う。
ステップS380で計数スイッチ101からの検出信号があるときには、実球計数PBに値1だけ足し(インクリメントし、ステップS382)、このルーチンを終了する。ステップS382で実球計数PBをインクリメントすることで実球計数PBをカウントアップすることとなる。一方、ステップS380で計数スイッチ101からの検出信号がないときには、そのままこのルーチンを終了する。
一方、ステップ276で回転角スイッチ102からの検出信号がないときには、球がみ判定時間が経過したか否かを判定する(ステップS384)。この判定は、図34に示した払出制御側電源投入時処理(払出制御側メイン処理)におけるステップS254のタイマ更新処理で更新した球がみ判定時間に基づいて行う。具体的には、その球がみ判定時間は、時間管理情報として払出内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶されている。ステップS384では、この時間管理情報記憶領域から時間管理情報を読み出して球がみ判定時間が経過したか否かを判定する。なお、球がみ判定時間中には球払出装置170は、球がみ動作を行う。この球がみ動作は、球払出装置170の球通路(図示外)に取り込まれた遊技球が球詰まりした状態等を解消するために行う。
ステップS384で球がみ判定時間が経過していないときには、球がみ動作を行うよう球払出装置170への駆動信号の出力を設定する(ステップS386)。この設定では、球払出装置170に駆動信号を出力する駆動情報を設定して上述した払出内蔵RAMの出力設定記憶領域に記憶する。ステップS386に続いて、球がみ中フラグPBE−FLGに値1をセットし(ステップS388)、このルーチンを終了する。この球がみ中フラグPBE−FLGは、球払出装置170による球がみ動作を行っているとき値1、球がみ動作を行っていないとき値0にそれぞれ設定されている。一方、ステップS384で球がみ判定時間が経過したときには、球がみ動作を終了するよう球払出装置170への駆動信号の停止を設定する(ステップS390)。この設定では、球払出装置170に駆動信号を停止する駆動情報を設定して出力設定記憶領域に記憶する。ステップS390に続いて、球がみ中フラグPBE−FLGに値0をセットし(ステップS392)、このルーチンを終了する。
次に、球抜き設定処理について説明する。この球抜き設定処理では、球払出装置170を駆動して、球タンク136及びタンクレール150に貯留されている遊技球を排出する。
球抜き設定処理が開始されると、払出制御基板775の払出制御MPU775aは、図41に示すように、球抜き判定時間が経過したか否かを判定する(ステップS400)。この判定は、図34に示した払出制御側電源投入時処理(払出制御側メイン処理)におけるステップS254のタイマ更新処理で更新した球抜き判定時間に基づいて行う。具体的には、その球抜き判定時間は、時間管理情報として払出内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶されている。ステップS400では、この時間管理情報記憶領域から時間管理情報を読み出して球抜き判定時間が経過したか否かを判定する。なお、球抜き判定時間中には球払出装置170は、球抜き動作を行う。この球抜き動作は、球タンク136及びタンクレール150に貯留されている遊技球を排出するために行う。
ステップS400で球抜き判定時間が経過していないときには、球抜き動作を行うよう球払出装置170への駆動信号の出力を設定する(ステップS402)。この設定では、球払出装置170に駆動信号を出力する駆動情報を設定して上述した払出内蔵RAMの出力設定記憶領域に記憶する。ステップS402に続いて、球抜きフラグRMV−FLGに値1をセットし(ステップS404)、このルーチンを終了する。この球抜きフラグRMV−FLGは、上述したように、球タンク136及びタンクレール150に貯留されている遊技球を排出するか否かを示すフラグであり、遊技球を排出するとき値1、遊技球を排出しないとき値0にそれぞれ設定されている。一方、ステップS400で球抜き判定時間が経過したときには、球抜き動作を終了するよう球払出装置170への駆動信号の停止を設定し(ステップS406)、このルーチンを終了する。この設定では、球払出装置170に駆動信号を停止する駆動情報を設定して出力設定記憶領域に記憶する。
[払い出しに関する各種コマンド等]
次に、払い出し関する各種コマンド等について説明する。上述の通り、主制御基板765では、上記払出制御基板775に対し、遊技球の払い出しに関するコマンド(賞球コマンド)を送信するための制御を行う(払出制御手段)。まず、主制御基板765から払出制御基板775に送信されるコマンドについて説明し、続いて払出制御基板775から主制御基板765に送信するパチンコ機1の状態コマンド、この状態コマンドを整形した整形状態コマンドについて説明する。図42は払い出しに関するコマンドの一例を示す賞球数情報テーブルであり、図43は状態コマンドの一例を示すテーブルであり、図44は状態コマンドを整形した整形状態コマンドの一例を示すテーブルである。
<13.賞球コマンド>
賞球コマンドは、1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドであり、主制御基板65から払出制御基板775に送信する払い出しに関するコマンドである。例えば、パチンコ機1にプリペイドカードユニット1a(パチンコ機と通信して、パチンコ機に供給する遊技球を、パチンコ機の払出モータを駆動して上皿に貸球として払い出す装置(「CR機」という。))が隣接して配置されている場合には、図42(a)に示すように、主制御基板765から払出制御基板775に送信する賞球コマンドには、コマンド10H〜コマンド1EH(「H」は16進数を表す。)が用意されており、コマンド10Hでは賞球1個が指定され、コマンド11Hでは賞球2個が指定され、・・・、コマンド1EHでは賞球15が指定されている。この指定された賞球数だけ、払出制御基板775は、球払出装置170を駆動して遊技球を払い出す制御を行う。
また、パチンコ機1に貸球機(遊技球を上皿に貸球として直接払い出す装置(「一般機(現金機)」という。))が隣接して配置されている場合には、図42(b)に示すように、主制御基板765から一般機に送信する賞球コマンドには、コマンド20H〜コマンド2EHが用意されており、コマンド20Hでは賞球1個が指定され、コマンド21Hでは賞球2個が指定され、・・・、コマンド2EHでは賞球15が指定されている。この指定された賞球数だけ、一般機は遊技球を払い出す制御を行う。
なお、CR機及び一般機の共通のコマンド(セルフチェックコマンド)として、図42(c)に示すように、コマンド30Hが用意されており、このコマンド30Hではセルフチェックが指定されている。このセルフチェックコマンドは、賞球を払い出すためのものではなく、主制御基板765と払出制御基板775との基板間の接続状態を確認するためのものであり、CR機及び一般機において共通に用いられる。
ここで、CR機と一般機(現金機)について説明する。CR機では、貸し受けたい球数に相当するプリペイドカードを予め券売機で購入し、パチンコ機1に隣接して配置されたプリペイドカードユニット1aにそのプリペイドカードを挿入することでパチンコ機1(球払出装置170)から貸球として遊技球が払い出される。具体的には、プリペイドカードは、プリペイドカードユニット1aに挿入されると、プリペイドカードユニット(図示外)に内蔵されたカードリーダーによってプリペイドカードから残金情報が読み取られるようになっている。プリペイドカードユニット1aは、その残金情報に基づいてパチンコ機1に貸球要求信号を出力し、パチンコ機1は球払出装置170から貸球として遊技球を払い出す。一方、一般機(現金機)では、貸球用の専用機をパチンコ機1’に隣接して配置されている。その貸球用の専用機に現金を入れることで、貸球用の専用機は、その現金に基づいて貸球として遊技球を払い出す。
CR機は、一般機に許可されていない確率変動機能を有しており、一般機に比べて射幸性の面で遊技者の人気が高い。このため、CR機については、ホールの脱税対策として、売り上げを第三者機関で管理される仕組みとなっている。具体的には、プリペイドカードユニット1aは、売り上げ情報収集端末と赤外線通信を行うことができるようなっており、売り上げ情報収集端末がプリペイドカード会社の情報収集センターと有線で接続されている。これにより、プリペイドカード会社はホールの売り上げ情報を管理できるようになっている。
ところで、一般機用として払出制御基板775’が搭載されたパチンコ機1’に、確率変動機能を備えたCR機用の遊技盤5を、一般機用の遊技盤5’に替えて装着すると、一般機用のパチンコ機1’にもかかわらず、確率変動機能を有したCR機で遊技者に遊技を行わせることができる。このため、遊技者は人気の高いCR機を好んで遊技を行うこととなる。そうすると、一般機用として払出制御基板775’が搭載されたパチンコ機1’は、上述したように、パチンコ機1’に隣接して配置されており、プリペイドカード会社の情報収集センターと接続されていないため、売り上げ情報が第三者機関に伝わらなくなる。これにより、ホールは、このような不正遊技を遊技者に提供することによって売り上げを不正に獲得している。
本実施形態では、賞球コマンドは、1バイト、つまり8ビットの記憶容量を有しており、その8ビットのうちの上位4ビットを、CR機用の賞球コマンド又は一般機用の賞球コマンドに識別できる情報として用いる。一方その8ビットの下位4ビットを、遊技者に払い出す遊技球の球数を指定する情報として用いている。上述したように、CR機用の賞球コマンドは10H〜コマンド1EH、一般機用の賞球コマンドは20H〜コマンド2EHにそれぞれ予め設定されている。
このように、上位4ビットに値1をCR機用に指定し、上位4ビットに値2を一般機用に指定することによって、電源投入時に図示しない送信用のレジスタが初期化されて値0(デフォルト値)となっても、下位4ビットが値0となり賞球1個を指示するものとなるが、上位4ビットが値0であるためCR機用の賞球コマンド、一般機用の賞球コマンドのいずれにも該当しない。これにより、電源投入時においてデフォルト値が払出制御基板775に送信されても、払出制御基板775は無効なコマンドとして破棄する。
また、セルフチェックコマンドもまた1バイト、つまり8ビットの記憶容量を有しており、その8ビットのうち上位4ビットを、CR機及び一般機の共通コマンドであるセルフチェックコマンドとして用いている。上述したように、セルフチェックコマンドは30Hである。
このように、隣接する同一の2ビットの情報でCR機用の賞球コマンド、一般機用の賞球コマンド、セルフチェックコマンドのいずれかを指定することができるため、CR機用の払出制御基板775ではCR機用の賞球コマンド及びセルフチェックコマンドを受信すると、隣接する同一の2ビットの情報に基づいてCR機用の賞球コマンド及びセルフチェックコマンドを判別して受け入れ、一方一般機用の払出制御基板775’では一般機用の賞球コマンド及びセルフチェックコマンドを受信すると、隣接する同一の2ビットの情報に基づいて一般機用の賞球コマンド及びセルフチェックコマンドを判別して受け入れる。これにより、例えば一般機用のパチンコ機1’に、確率変動機能を備えた主制御基板765を搭載したCR機用の遊技盤5が装着されても、パチンコ機1’に装着された一般機用の払出制御基板775’は、CR機用の賞球コマンドを正常に受信すると、その旨を主制御基板765にACK信号を出力するが、その受信したCR機用の賞球コマンドを破棄するようになっている。したがって、一般機用の遊技盤5’をCR機用の遊技盤5に替えて遊技者に遊技を行わせても、遊技者に賞球として遊技球が払い出されることがない。
<14.状態コマンド>
状態コマンドは、1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドであり、払出制御基板775から主制御基板765に送信するコマンドである。状態コマンドには、図43に示すように、枠状態、エラー解除ナビ及びストック表示に区分されており、枠状態、エラー解除、そしてストック表示の順で優先順位が設定されている。枠状態には、球切れ、球抜き中、接続異常及びCR未接続が用意されており、球切れではビット0(B0、「B」はビットを表す。)に値1がセットされ、球抜き中ではビット2(B2)に値1がセットされ、接続異常ではビット3(B3)に値1がセットされ、CR未接続ではビット4(B4)に値1がセットされる。なお、状態コマンドのうち、枠状態である旨を伝えるビット5(B5)〜ビット7(B7)にはB5に値1、B6に値0、そしてB7に値0がセットされている。
エラー解除ナビには、球がみ、計数スイッチエラー及びリトライ上限エラーが要されており、球がみではビット2(B2)に値1がセットされ、計数スイッチエラーではビット3(B3)に値1がセットされ、リトライ上限エラーではビット4(B4)に値1がセットされる。ここで、「計数スイッチエラー」とは、球払出装置170の計数スイッチ101の不具合が生じているか否かを示すものである。「リトライ上限エラー」とは、つじつまの合わない払い出しが繰り返し行われたことを示すものである。なお、状態コマンドのうち、エラー解除ナビである旨を伝えるビット5(B5)〜ビット7(B7)にはB5に値0、B6に値1、そしてB7に値0がセットされている。
ストック表示には、50個以上のストック中、300個以上のストック中が要されており、50個以上のストック中ではビット0(B0)に値1がセットされ、300個以上のストック中ではビット1(B1)に値1がセットされる。なお、状態コマンドのうち、ストック表示である旨を伝えるビット5(B5)〜ビット7(B7)にはB5に値1、B6に値1、そしてB7に値0がセットされている。
<15.整形状態コマンド>
主制御基板765の主制御MPU765aは、サブ統合基板763に各種コマンドを送信する。これらの各種コマンドは、2バイト(16ビット)の記憶量領を有するコマンドであり、1バイト(8ビット)の記憶容量を有し、コマンドの種類を示すステータスと、1バイト(8ビット)の記憶容量を有し、演出のバリエーションを示すモードと、から構成されている。主制御MPU765aは、払出制御基板775から上述した状態コマンドを受信すると、図44に示すように、付加情報である「10000001B(=81H)」をステータスに設定するとともに、受信した状態コマンドをモードに設定して2バイト(16ビット)の記憶容量を有する整形状態コマンドに整形する。この整形状態コマンドは、図15に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS92のサブ統合基板コマンド送信処理の一処理として行われ、サブ統合基板763に送信される。なお、整形状態コマンドの詳細な説明は、上述した状態コマンドの内容と同一であるためその説明を省略する。
[サブ統合基板の機能的な構成について]
図45に基づき説明する。図45は、周辺基板を構成するサブ統合基板の機能的な構成を概略的に示す機能ブロック図である。
サブ統合基板763は、主制御基板765のコマンド送信手段620から送信されるコマンドを受信するコマンド受信手段630と、普通図柄画像表示制御手段631と、特別図柄画像表示制御手段632と、液晶制御基板758にコマンドを送信するコマンド送信手段710と、を有している。
コマンド受信手段630は、主制御基板765から送信される普通図柄抽選手段(普通図柄当落判定手段602)にかかる演出のコマンド、および、特別図柄抽選手段(特別図柄当落判定手段612)にかかる演出のコマンドなどをそれぞれ受信する。なお、主制御基板765からのコマンドの受信は外部割込受信により行われ、解析実行は16msの定常処理にて行われる。
普通図柄画像表示制御手段631は、普通図柄抽選手段にかかる演出のコマンドをコマンド受信手段630によって受信したとき、この普通図柄抽選手段にかかる演出のコマンドに応じた表示態様が抽選情報表示領域(主領域)1151および遊技情報表示領域(副領域)1152の両方にそれぞれ表示されるように制御する。より具体的には、演出表示装置115における表示を直接的に制御するのは液晶制御基板758であるが、普通図柄抽選手段にかかる演出のコマンドに応じた表示態様が抽選情報表示領域1151および遊技情報表示領域1152の両方にそれぞれ表示されるように、演出コマンド送信手段710を介して液晶制御基板758にコマンドを送信する。
特別図柄画像表示制御手段632は、特別図柄抽選手段にかかる演出のコマンドをコマンド受信手段630によって受信したとき、この特別図柄抽選手段にかかる演出のコマンドに応じた表示態様が抽選情報表示領域1151および遊技情報表示領域1152の両方にそれぞれ表示されるように制御する。より具体的には、上記同様、演出表示装置115における表示を直接的に制御するのは液晶制御基板758であるが、特別図柄抽選手段にかかる演出のコマンドに応じた表示態様が抽選情報表示領域1151および遊技情報表示領域1152の両方にそれぞれ表示されるように、演出コマンド送信手段710を介して液晶制御基板758にコマンドを送信する。
液晶制御基板758は、サブ統合基板763の演出コマンド送信手段710から受信したコマンドに応じて演出表示装置115の表示制御を行う。演出表示装置115にて表示制御される表示内容(変動内容)については後述する。
ところで、特別図柄画像表示制御手段632は、抽選情報表示領域1151および遊技情報表示領域1152における表示制御の状態を設定する状態情報設定手段704と、この状態情報設定手段704の設定を解除する状態情報解除手段706とを有している。
状態情報設定手段704は、コマンド受信手段630によって特別図柄抽選手段にかかる演出のコマンドをコマンド受信手段630によって受信したとき、この特別図柄抽選手段にかかる演出のコマンドに応じた表示制御が抽選情報表示領域1151および遊技情報表示領域1152の両方にて行われる状態であることを示すフラグを設定する。
状態情報解除手段706は、抽選情報表示領域1151および遊技情報表示領域1152における上記第2のコマンドの受信に応じた一連の表示制御(役物抽選にかかる表示制御も含む)が終了するとき、状態情報設定手段704におけるフラグ設定を解除(禁止手段による禁止を解除)する。なお、抽選情報表示領域1151および遊技情報表示領域1152における一連の表示制御の終了は、コマンド受信手段630により受信した特別図柄抽選手段にかかる演出のコマンド(例えば、上述の確定停止コマンド(コマンド「1FH01H」など)に基づいて把握できる。
一方、普通図柄画像表示制御手段631は、状態情報設定手段704においてフラグが設定されているか否かを判断する状態情報判断手段700を有している。
[遊技の進行にかかる制御について]
図46に基づき説明する。図46は、主制御基板による制御(普通図柄の制御、普通電動役物の制御、特別図柄の制御、アタッカ装置の制御、及び、時短・微時短機能の制御)と、液晶制御基板による演出表示制御(普通図柄に対応する演出表示、特別図柄に対応する演出表示、及び、抽選情報の表示制御)とについてのタイムチャートである。
遊技領域37に向けて打ち込まれた遊技球が第1普通図柄始動口96または第2普通図柄始動口97を通過して第1ゲートセンサ316または第2ゲートセンサ317により検出されると、普通図柄当落判定用乱数抽出手段601により普通図柄当落判定用乱数が抽出される。
普通図柄当落判定用乱数抽出手段601により抽出された普通図柄当落判定用乱数は、所定数(本実施形態では4個)まで普図保留手段603により保留される。普図保留手段603により保留された普通図柄当落判定用乱数は、所定の解除条件が成立するまで保留され、所定の解除条件が成立したことに基づいて、普図保留解除手段604により1個だけ保留が解除される。このようにして保留が解除された普通図柄当落判定用乱数は、普通図柄当落判定手段602により普通図柄についての当落判定処理(普通図柄抽選処理)が行われ、この当落判定処理の結果に基づいて、普通図柄表示器333において普通図柄表示制御手段605により普通図柄の変動表示が行われる。
上記の普通図柄抽選処理は、抽出された普通図柄当落判定用乱数についての当落判定処理が行なわれるときの状態が、時短機能及び微時短機能のいずれも作動していない通常状態と、微時短機能が作動している状態とのうちいずれかの状態であれば、399分の1の確率で普通当りとなるように行なわれる。一方、抽出された普通図柄当落判定用乱数についての当落判定処理が行なわれるときの状態が、時短機能が作動している状態であれば、上記の普通図柄抽選処理は、1分の1の確率で普通当りとなるように行なわれる。
なお、上記の「所定の解除条件」は、本実施形態では、「普通図柄が変動中でなく且つ普通電動役物80の可動片81が作動中でないこと」であるが、これにさらなる条件を加重してもよい。
また、図46では、便宜上、普通図柄始動口(第1普通図柄始動口96または第2普通図柄始動口97)を遊技球が通過したことに基づいて普通図柄の変動が開始されているが、実際には、上記所定の解除条件が成立し、普図保留解除手段604により保留が解除されたことに基づいて、普通図柄が変動表示される表示演出が開始される。
普通図柄抽選処理の結果がハズレであるときは、このハズレに基づいて選択された変動PTに対応するコマンドが主制御基板765からサブ統合基板763に送信される。普通図柄抽選処理の結果がハズレであることに基づいて選択されうる変動PTとしては、例えば「PT普1」が相当し、これに対応するコマンドは「40H01H」である(図24参照)。このときの普通図柄の変動時間は10800msである。
主制御基板765からコマンドを受信したサブ統合基板763(より具体的には普通図柄画像表示制御手段631)は、状態情報設定手段によってフラグが設定されているか否かを判断する。このとき、フラグが設定されていない(即ち抽選情報表示領域1151において特別図柄および特別電動役物演出のいずれも表示されていない)ので、サブ統合基板763は、主制御基板765から受信したコマンドを液晶制御基板758に送信する。
液晶制御基板758は、サブ統合基板763からコマンドを受信すると、受信したコマンドに応じて演出表示装置115に表示される演出を表示制御する。サブ統合基板763(より具体的には液晶制御基板758)が例えばコマンド「40H01H」を受信すると、液晶制御基板758は、この受信したコマンドに応じて、普通図柄対応表示領域1154の変動を開始すると共に、抽選情報表示領域1151において普通図柄が変動表示される表示演出を開始する。
普通図柄表示器333において普通図柄の変動が開始したときを起点として、コマンドに応じた変動時間(例えばコマンドが「40H01H」であるときの変動時間は10800ms)が経過すると、主制御基板765は、コマンド「4FH01H」を送信する。このコマンド「4FH01H」は、液晶制御基板758の普通図柄対応表示領域1154における普通図柄の変動の停止、および、抽選情報表示領域1151における普通図柄の演出の停止、を指示するためのコマンドである。
コマンド「4FH01H」を受信した液晶制御基板758は、普通図柄対応表示領域1154における普通図柄の変動表示を停止すると共に、抽選情報表示領域1151における普通図柄が変動表示される表示演出を停止する。そして、普通図柄対応表示領域1154及び抽選情報表示領域1151には、普通図柄当落判定手段602による当落判定処理(普通図柄抽選処理)の結果が表示される。
さらに、遊技球が第1普通図柄始動口96または第2普通図柄始動口97を通過したことに基づいて行われた普通図柄当落判定手段602による普通抽選処理の結果が当り(普通当り)であるときは、この普通当りに基づいて選択された変動PTに対応するコマンドが主制御基板765からサブ統合基板763に送信される。普通図柄抽選処理の結果が当りであることに基づいて選択されうる変動PTとしては、例えば「PT普5」が相当し、これに対応するコマンドは「40H05H」である(図24参照)。このときの普通図柄の変動時間は14400msである。
主制御基板765からコマンドを受信したサブ統合基板763は、状態情報設定手段704によってフラグが設定されているか否かを判断する。このとき、フラグが設定されていないので、サブ統合基板763は、主制御基板765から受信したコマンド「40H05H」を液晶制御基板758に送信する。
液晶制御基板758は、サブ統合基板763からコマンドを受信すると、受信したコマンドに応じて、演出表示装置115に表示される演出を表示制御する。サブ統合基板763(より具体的には液晶制御基板758)が例えばコマンド「40H05H」を受信すると、液晶制御基板758は、この受信したコマンドに応じて、普通図柄対応表示領域1154の変動を開始すると共に、抽選情報表示領域1151において普通図柄が変動表示される表示演出を開始する。
普通図柄表示器333において普通図柄の変動が開始したときを起点として、コマンドに応じた変動時間(例えばコマンドが「40H05H」であるときの変動時間は14400ms)が経過すると、主制御基板765は、普通図柄対応表示領域1154における普通図柄の変動の停止、および、抽選情報表示領域1151における普通図柄の演出の停止、を指示するためのコマンド「4FH01H」を送信する。このコマンド「4FH01H」は、液晶制御基板758の普通図柄対応表示領域1154における普通図柄の変動の停止、および、抽選情報表示領域1151における普通図柄の演出の停止、を指示するためのコマンドである。なお、このとき、普通図柄表示器333、普通図柄対応表示領域1154および抽選情報表示領域1151のいずれにおいても、普通図柄抽選手段による普通図柄抽選処理の結果が当りである旨が表示される。
普通図柄表示器333、普通図柄対応表示領域1154および抽選情報表示領域1151において普通図柄当落判定手段602による当落判定処理(普通図柄抽選処理)の結果が当りである旨が表示されると、所定のインターバル期間を経て、特別図柄始動口82を閉鎖している普通電動役物80(より正確には、普通電動役物80の可動片81)が開放され、遊技球の入賞が容易化される(即ち、特別図柄始動口82への遊技球の入賞が許容されない拒球態様から、特別図柄始動口82への遊技球の入賞が許容される許球態様に切り替わる)。このとき、主制御基板765はサブ統合基板763にコマンド「50H02H」を送信し、サブ統合基板763はこのコマンドを液晶制御基板758に送信する。
コマンド「50H02H」を受信した液晶制御基板758は、抽選情報表示領域1151において、普通当り演出としての「右にいれろ」を表示制御する(図49(a)参照)。
普通電動役物80(より正確には、普通電動役物80の可動片81)が許球態様である間に遊技球が特別図柄始動口82に入賞して特図始動口センサ318によって検出されると、主制御基板765の特別図柄当落判定手段612が当落判定処理(特別図柄抽選処理)を行い、特別図柄表示制御手段615が特別図柄表示器332において特別図柄の変動表示を行う。本実施形態では、この特別図柄抽選処理の結果は常に特別当りとなるものの、この特別図柄の変動パターンは、複数の変動パターンのなかから、主制御MPU765aの機能の一つである特別図柄変動パターン決定手段618によりいずれか一つに決定される。この複数の変動パターンは、それぞれ変動時間が異なっており、主制御MPU765aの読み出し専用メモリとしてのROM(特別図柄変動パターン記憶手段)に記憶されている。そして、決定された変動パターンは、上記第2のコマンドとしてサブ統合基板763に送信される。
なお、特別図柄表示器332において特別図柄の変動中またはアタッカ装置98が作動中であったとしても、普通図柄の変動にかかる所定の解除条件が成立すると、主制御基板765の普通図柄当落判定手段602が普通図柄抽選処理を行い、普通図柄表示制御手段605が普通図柄表示器333において普通図柄の変動表示を行う。ただし、普図保留手段603により保留されている保留の数がゼロであるときは、遊技球が第1普通図柄始動口96または第2普通図柄始動口97を通過して第1ゲートセンサ316または第2ゲートセンサ317により検出されると、普図保留手段603により一旦は保留されるものの、すぐに、主制御基板765の普通図柄当落判定手段602が普通図柄抽選処理を行い、普通図柄表示器333において普通図柄の変動表示を行う。
主制御基板765からコマンドを受信したサブ統合基板763(より具体的には普通図柄画像表示制御手段631の状態情報判断手段700)は、状態情報設定手段704によってフラグが設定されているか否かを判断する。
そして、特別図柄表示器332において特別図柄の変動が開始したときを起点として、コマンドに応じた変動時間が経過すると、主制御基板765は、当該コマンドをサブ統合基板763に送信する。なお、主制御基板765からサブ統合基板763に送信されるコマンドは、液晶制御基板758の特別図柄対応表示領域1155における特別図柄の変動の停止、および、抽選情報表示領域1151における特別図柄の演出の停止、を指示するためのコマンドである。
上記コマンドを受信した液晶制御基板758は、特別図柄対応表示領域1155における特別図柄の変動を停止すると共に、抽選情報表示領域1151における特別図柄変動演出を停止する。
特別図柄対応表示領域1155における特別図柄の変動が停止され、また、抽選情報表示領域1151における特別図柄変動演出が終了したのち、所定のインターバルを経て普通電動役物80(より正確には、普通電動役物80の可動片81)の動作により特別図柄始動口82が開放すると共に、コマンド「20H03H」がサブ統合基板763に送信される。このコマンド「20H03H」は、特別図柄始動口82が開放したことを示すコマンドであり、このコマンドを受信した液晶制御基板758は、受信したコマンド「20H03H」を液晶制御基板758に送信する。
コマンド「20H03H」を受信した液晶制御基板758は、抽選情報表示領域1151において、特別当り演出が表示されるように表示制御する。この特別当り演出は、開放された特別図柄始動口82に遊技球が入賞したときは、時短抽選処理の結果を示す表示演出が相当し、普通電動役物80の可動片81が作動して特別図柄始動口82への遊技球の入賞が容易化されているにもかかわらず当該特別図柄始動口82に遊技球が入賞していないときは、遊技者が遊技球を狙って打ち込むべき領域(本実施形態ではセンター役物91の右側の領域)を狙うように促す表示演出が相当する。
ここで、普通電動役物80の可動片81が作動して特別図柄始動口82への遊技球の入賞が容易化されている間(許球態様であるとき)は、たとえ普通図柄表示器333において普通図柄の変動が行われていたとしても、抽選情報表示領域1151では、普通図柄変動演出よりも、特別電動役物演出が優先して行われる。ただし、抽選情報表示領域1151において普通図柄変動演出よりも特別電動役物演出が優先して行われていたとしても、普通図柄表示器333において普通図柄の変動が行われている限り、普通図柄対応表示領域1154においても普通図柄の変動が行われる。言い換えれば、抽選情報表示領域1151において普通図柄変動演出よりも特別電動役物演出が優先して行われている場合に、普通図柄表示器333において普通図柄の変動または停止が行われたとしても、特別図柄対応表示領域1155においては、特別電動役物演出が行われる。ただし、普通図柄対応表示領域1154においては、普通図柄表示器333における表示と同様に、変動および停止が行われる。
ここで、抽選情報表示領域1151において特別電動役物演出が終了したときに、普通図柄表示器333において普通図柄が変動しているとき、抽選情報表示領域1151における表示は、図柄を高速でスクロールさせる高速変動となる。
また、特別図柄始動口82への遊技球の入賞が容易化されて当該特別始動口82への遊技球の入賞に基づいて時短抽選処理が行なわれた結果、時短機能を作動させる旨が決定されると、抽選情報表示領域1151では、大当り中演出が表示される。この大当り用演出は、遊技者に多量の遊技球が付与されうる期間であることを示す演出であって、キャラクタが表示されるキャラクタ演出等が相当する。
なお、本実施形態では、大当り遊技中において、特別図柄変動演出が行われる時間と、遊技者に付与されうる賞球としての遊技球の量とがほぼ比例する。すなわち、大当り遊技中における特別図柄の変動時間が長ければ長いほど、普通当りが得られる回数、ひいては特別図柄始動口82への遊技球の入賞が容易化されるように普通電動役物80の可動片81が作動するセット数(普通電動役物可動制御が実行されるセット数)が多くなり、その分、賞球として遊技者に付与される遊技球の量が多くなりうる。
このように、本実施形態では、特別当り遊技(アタッカ装置可動制御)のみで大当たり遊技が構成されることもあれば、特別当り遊技と当該特別当り遊技が発生したことに基づく時短機能作動中の普通当り遊技(普通電動役物可動制御)とにより大当り遊技が構成されることもある。なお、普通当り遊技には、大当り遊技を構成する普通当り遊技(時短遊技中における普通当り遊技)と、大当りを構成しない普通当り遊技(通常遊技状態中における普通当り遊技,微時短遊技中における普通当り遊技)とがある。
また、特別当り遊技は、アタッカ装置可動制御手段617による可動制御が行なわれることで大入賞口83への規定量(1ラウンドあたり最大で10球)の遊技球の入賞が可能となる当り遊技であり、普通当り遊技は、普通電動役物可動制御手段607による可動制御が行なわれることで特別図柄始動口82への遊技球の入賞が可能となる当り遊技である。したがって、時短機能が作動する場合であれば、アタッカ装置可動制御手段617と普通電動役物可動制御手段607との両方が大当り遊技を実行する大当り実行手段に相当し、微時短機能が作動する場合であれば、アタッカ装置可動制御手段617と普通電動役物可動制御手段607とのうちアタッカ装置可動制御手段617のみが大当り遊技実行手段に相当する。
大当り遊技を構成する普通当り遊技では、特別図柄の変動時間により遊技者に賞球として付与される遊技球の量が異なるので、当該普通当り遊技中(普通電動役物可動制御手段607による可動制御が行なわれている間)に遊技者に賞球として付与される遊技球の量は、大当り遊技が発生したのちに最初に特別図柄始動口82に入賞したことに基づいて行われる特別図柄抽選において決定される特別図柄の変動時間に依存することとなる。
したがって、本実施形態では、大当り遊技が発生すると、アタッカ装置可動制御手段617による可動制御によって規定量の遊技球についての大入賞口83への入賞機会が保証されつつも、普通電動役物可動制御手段607による可動制御によって、当該大当り遊技において遊技者に賞球として付与されうる遊技球の量が、大当り遊技が発生する都度変化する。これにより、これまでにない新たな遊技機を提供することが可能となる。
なお、本実施形態では、1回の特別図柄変動演出に要する時間は、例えば180secと従来の遊技機と比べて長い時間であり、それ故、大当り遊技が発生すると、特別図柄変動演出の実行中に多量の賞球が付与されうるのである。特別図柄変動演出時間が例えば180secであれば、この特別図柄変動演出の実行中に普通当りとなる回数(普通電動役物可動制御が実行されるセット数)は、1回の普通当り遊技に要する時間及びインターバル時間等を考慮すると、概ね25セットとなる。
さらに、特別図柄変動演出の終了に基づいて1回の大当り遊技(1回の特別当りと複数セットの普通当り)が終了すると、特別図柄当落判定手段612による当落判定結果が常に特別当りとなるので、アタッカ装置可動制御手段617による可動制御が1回の大当り遊技の終了に伴って行なわれる。ここで、特別当りと普通当りとのうち特別当りのみが条件装置の作動を伴う当りであるから、特別当りであるとき(アタッカ装置可動制御手段617による可動制御が行なわれるとき)にのみ、時短抽選手段640による時短抽選処理が行なわれる。そして、この時短抽選処理の結果、時短機能を作動させる旨が決定されると、大当り遊技の一態様であるアタッカ装置可動制御が終了したのちに、第1普通図柄始動口96または第2普通図柄始動口97への遊技球の入賞に基づいて行われる普通図柄抽選処理において当選する確率が1分の1となり、再び、特別図柄変動演出の実行中に多量の遊技球が遊技者に付与されうる大当り遊技が実行される。一方、上記時短抽選処理の結果、微時短機能を作動させる旨が決定されると、アタッカ装置可動制御が終了したのちに、第1普通図柄始動口96または第2普通図柄始動口97への遊技球の入賞に基づいて行われる普通図柄抽選処理において当選する確率は399分の1となり、本実施形態において定義される大当り遊技が終了することとなる。
以上をまとめると、本実施形態の遊技機は、大当り遊技が発生するまでの遊技として、第1ステップ遊技と第2ステップ遊技とに区分することができる。第1ステップ遊技は、第1普通図柄始動口96または第2普通図柄始動口97に遊技球を入賞させて普通図柄当落判定手段(普通図柄抽選手段)602によって普通当りに当選したか否かの当落判定処理(普通図柄抽選処理)を行い、この普通図柄抽選処理に応じた表示態様を演出表示装置115に導出する遊技が相当する。第2ステップ遊技は、特別図柄始動口82に遊技球を入賞させて特別図柄当落判定手段(特別図柄抽選手段)612によって特別当りに当選したか否かかの当落判定処理(特別図柄抽選処理)を行い、この特別図柄抽選処理の結果応じた表示態様を演出表示装置115に導出する遊技が相当する。ただし、第2ステップ遊技中は、この第2ステップ遊技と重複して第1ステップ遊技が行われる場合もある。この場合、演出表示装置115の抽選情報表示領域1151には、特別図柄始動口82に入賞したことに応じた表示態様が表示され、普通図柄始動口96に入賞したことに応じた表示態様は表示されないこととなる(内部的には第1ステップ遊技が行われている)。
また、抽選情報表示領域1151において、普通当り演出、特別図柄変動演出および特別当り演出のうちいずれかの演出が行われているときは、これらの各演出は、普通図柄変動演出よりも優先して行われる。また、特別図柄変動演出または特別当り演出が行われているときは、これらの各演出は、普通図柄変動演出および普通当り演出のいずれよりも優先して行われる。さらに、特別当り演出が行われているときは、当該特別当り演出は、普通図柄変動演出、普通当り演出および特別図柄変動演出のいずれよりも優先して行われる。このように、普通図柄変動演出、普通当り演出、特別図柄変動演出および特別当り演出を共通の抽選情報表示領域1151に表示すると共に、大当り遊技発生までの道程がより近い演出を優先して行うことによって、普通図柄および特別図柄の変動効率を低下させることなく、大当り遊技発生に対する影響が大きい演出を行うことが可能となり、興趣の低下を抑制できる。
ところで、普通電動役物80(より正確には、普通電動役物80の可動片81)が拒球態様である(閉鎖している)間、及び、普通電動役物80の可動片81が許球態様であったとしても遊技球が特別図柄始動口82に入賞しなかった場合には、特別図柄対応表示領域1155において特別図柄変動演出が行われることがない。
また、抽選情報表示領域1151において特別図柄の変動も行われない(図46における二点鎖線部分を参照)。そして、普通電動役物80(より正確には、普通電動役物80の可動片81)が許球態様から拒球態様に変位すること(る特別図柄始動口82が閉鎖されること)に伴って、抽選情報表示領域1151における表示が、普通当り演出からインターバル/デモ演出に切り替わる。ただし、普通電動役物80(より正確には、普通電動役物80の可動片81)により特別図柄始動口82が閉鎖したときに普通図柄表示器333および普通図柄対応表示領域1154において普通図柄の変動が行われていれば、抽選情報表示領域1151において普通図柄変動演出が表示される。
また、本実施形態のパチンコ機1は、上述したように、特別図柄始動口82への入賞に基づいて行われた時短抽選手段640による時短抽選処理が行われた結果として時短機能が作動した場合、第1普通図柄始動口96または第2普通図柄始動口97への遊技球の通過に基づいて、100%の確率で普通当りに当選する普通図柄抽選処理が行なわれる。すなわち、時短機能が作動すると、普通図柄始動口96,97への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選処理において常に普通当りとなることを介して、特別図柄始動口82への遊技球の入賞が容易化される(普通電動役物可動制御が行なわれる)こととなる。
また、特別図柄始動口82に遊技球が入賞すると特別図柄が変動表示されるが、この特別図柄が変動表示されている間であっても、普通図柄始動口96,97を遊技球が通過すると普通図柄抽選処理が行なわれる。このとき、普通電動役物80の可動片81の動作時間(特別図柄始動口82への遊技球の入賞が容易化される許球態様の時間)は、時短機能が作動している状態であれば6secである。そして、普通電動役物80の可動片81が許球態様から拒球態様に変位したとしても、未だ特別図柄が変動中であれば、この特別図柄の変動中に普通図柄始動口96,97を遊技球が通過すると、再び普通電動役物可動制御が行なわれて、特別図柄始動口82への遊技球の入賞が容易化される。このようにして、時短機能が作動している状態では、特別図柄が変動している限り、普通電動役物可動制御が繰り返し実行されることとなる。したがって、特別図柄の変動時間の長さに比例して普通電動役物可動制御が複数セットにわたって実行されることとなる。特別図柄の変動時間は、特別図柄抽選処理が行なわれる都度変化するものであり、この特別図柄の変動時間に比例して、賞球として遊技者に付与されうる遊技球の量が増加する期待感を遊技者に与えることができる。
なお、従来のパチンコ機によれば、抽選処理に当選して大当り遊技が行われたとしても、1回の大当り遊技において遊技者に付与される賞球としての遊技球の量がほぼ同じといった画一的なものでしかなかった。この点、本実施形態のパチンコ機1における1回の大当り遊技は、1セット(2ラウンド)のアタッカ装置可動制御が実行されるのみである場合と、1セットのアタッカ装置可動制御に加えて普通電動役物可動制御が実行される場合とがある。しかも、1セットのアタッカ装置可動制御に加えて普通電動役物可動制御が実行される場合、この普通電動役物可動制御により入賞が容易化された特別図柄始動口82への遊技球の入賞に基づいて特別図柄が変動表示されている間は、上述したように、普通電動役物可動制御が複数セットにわたって繰り返し実行される。
また、特別図柄が変動表示される時間は、遊技者には秘匿にされる。特別図柄が変動表示される時間は、複数の変動パターンのなかから選択された変動パターンにより決定されるが、ここでは、特別図柄の変動表示の態様を見ただけでは、当該特別図柄の変動時間を把握できないようになっている。なお、特別図柄の変動時間が例えば180secであれば、特別図柄始動口82への入賞が1セットあたり6sec容易化される普通電動役物可動制御が、概ね25セットにわたって行なわれる。
このように本実施形態のパチンコ機1では、大当り遊技が発生すると、大当り遊技の一制御であるアタッカ装置可動制御が常に実行されることにより大入賞口83への遊技球の入賞機会が保証されつつ、特別図柄の変動時間に比例して賞球が増加しうる大当り遊技の一制御である普通電動役物可動制御の実行が可能とされることで、これまでにない大当り遊技を実現した新たなゲーム性を提供することができる。しかも、特別図柄の変動時間を秘匿状態にすることで、大当り遊技の一制御である普通電動役物可動制御がどこまで続くのかといった点に遊技者に興味を抱かせることができる。
したがって、本実施形態のパチンコ機1では、例えば、通常図柄で大当りになると当該大当り遊技が終了したのちの遊技状態が通常遊技状態(所定の確率で抽選が行われる遊技状態)に制御され、確変図柄で大当りになると当該大当り遊技が終了したのちの遊技状態が確変遊技状態(所定の確率よりも高確率で抽選が行われる遊技状態)に制御されるといった従来のパチンコ機のように画一的なものとは異なるものとなる。具体的には、本実施形態のパチンコ機1では、大当り遊技において賞球として遊技者に付与されうる遊技球の量は、停止表示された特別図柄に依存するのではなく、上述のとおり、特別図柄の変動時間に依存する。すなわち、停止表示された特別図柄が同じ図柄であったとしても、都度、大当り遊技において遊技者に付与されうる賞球としての遊技球の量が変化しうるので、従来のようにその後の遊技展開を把握しうる画一的な遊技が排除される。
また、本実施形態のパチンコ機1では、特別図柄始動口82への遊技球の入賞が容易化される普通電動役物可動制御が、特別図柄抽選処理の結果が表示されるまでの間(特別図柄が変動表示されている間)行なわれるので、普通電動役物可動制御の終了に伴って大当り遊技が終了したとしても、無駄な時間をすごすことなく次の大当り遊技がすぐに開始されることとなる。つまり、大当り遊技としての普通電動役物可動制御は、条件装置の作動を伴う次回の大当り遊技としてのアタッカ装置可動制御が実行されること(より詳しくは、アタッカ装置可動制御に伴って行なわれる時短抽選処理の結果として時短機能が作動しなくなること)を終了条件としているので、N回目の大当り遊技に引き続いて(N+1)回目の大当り遊技が、連続的にすぐに行われることとなる(Nは自然数)。例えば、確変図柄で大当りとなって当該大当り遊技が終了したのちに確変遊技状態となるような従来の遊技機によると、遊技者の持ち球を減らすことなく次の大当り遊技が保証されているにもかかわらず、なかなか次の大当り遊技が実行されずに、遊技者が無駄に時間を費やしてしまうことがある。この点、本実施形態のパチンコ機によると、大当り遊技が連続的に実行されうる状態であるときには、遊技者が無駄に時間を費やすことなく次回の大当り遊技が連続的にすぐに開始されるので、興趣の低下を抑制することができる。
なお、時短機能が作動している状態では、特別図柄の変動時間が長ければ長いほど遊技者にとってのメリットが大きい。しかしながら、通常状態および微時短機能が作動している状態においてまで長時間にわたって特別図柄の変動表示が行われると、遊技者にとって不快極まりない。なぜなら、通常状態および微時短機能が作動している状態では、普通当りへの当選確率が399分の1といった低確率で普通図柄抽選処理が行なわれるので、特別図柄の変動時間が長くても、時短機能が作動している状態と比べて普通電動役物81の可動片82が動作する期待値(特別図柄始動口82への遊技球の入賞が容易化される期待値)が極めて低くなるからである。
そこで、例えば、時短機能が作動しているときは、時短機能が作動している旨を時短遊技実行手段641により特別図柄変動パターン決定手段618に出力し、微時短機能が作動しているときは、微時短機能が作動している旨を微時短遊技実行手段642により特別図柄変動パターン決定手段618に出力し、時短機能及び微時短機能のいずれも作動していないときは、時短機能及び微時短機能のいずれも作動していない旨を通常遊技実行手段643により特別図柄変動パターン決定手段618に出力するとともに、特別図柄変動パターン決定手段618が、状態(時短機能が作動しているか、微時短機能が作動しているが、時短機能及び微時短機能のいずれも作動していないか)に基づいて、特別図柄の変動パターンを決定するようにすると好ましい。これにより、時短機能が作動している状態と、時短機能が作動していない状態(通常の状態及び微時短機能が作動している状態)とで、特別図柄始動口82への入賞に基づく特別図柄の変動時間が異なるようにすることができる。
例えば、複数の特別図柄の変動パターンを、変動時間が所定の規定時間よりも短い変動パターンが集められたグループ(短時間グループ)と、変動時間が所定の規定時間よりも長い変動パターンが集められたグループ(長時間グループ)とに分別して記憶し、特別図柄変動パターン決定手段618が、遊技の状態(時短機能が作動しているか否か)に基づいて、長時間グループと短時間グループとのうちいずれかを選択することによって変動パターンを決定することができる。具体的には、特別図柄変動パターン決定手段618は、通常の状態または微時短機能が作動している状態では、短時間グループに分別されている複数の変動パターンのなかからいずれか一の変動パターンに決定し、時短機能が作動している状態では、長時間グループに分別されている複数の変動パターンのなかからいずれか一の変動パターンに決定する。これにより、時短機能が作動していない状態(通常の状態または微時短機能が作動している状態)における特別図柄の変動中に遊技者に不快感を与えることなく、時短機能が作動している状態では、長時間にわたって特別図柄が変動表示される期待感を与えることが可能となる。
なお、特別図柄変動パターン決定手段618は、時短機能が作動している状態において、必ずしも長時間グループに分別されている複数の変動パターンのなかからいずれか一の変動パターンに決定する必要はなく、所定の頻度で、例えば普通電動役物可動制御が1セットしか実行されない程度の変動パターンに決定するようにしてもよい。こうすることで、アタッカ装置可動制御に加えてせっかく普通電動役物可動制御が実行されたにもかかわらず、僅かな賞球しか遊技者に付与されないことを生じさせることが可能となり、1回の大当り遊技において遊技者に付与しうる賞球量に幅を持たせることができ、面白みのあるパチンコ機を提供することができる。
[演出表示装置における表示態様について]
次に、演出表示装置115における表示態様について、図47を参照しつつ説明する。図47は、演出表示装置115における表示領域を説明するための図である。
演出表示装置115は、演出表示装置115の全領域のうち大部分を占める主要な抽選情報表示領域1151と、演出表示装置115の全領域のうち上方の一部分のみを占めることによって抽選情報表示領域1151よりも控えめに表示される情報表示領域としての遊技情報表示領域1152と、を有している。
抽選情報表示領域1151では、普通図柄抽選手段にかかる演出、または、特別図柄抽選手段にかかる演出等が表示される。この抽選情報表示領域1151は、左図柄、中図柄および右図柄の三つの図柄を表示可能に構成されている。
なお、本実施形態では機械的な抽選処理が行なわれないが、特別図柄当落判定手段612による判定処理の結果に小当りを設けて、小当りに当選し且つさらに機械的な抽選処理に当選したときにも大当り遊技が発生するようにした場合には、小当りに当選してから機械的な抽選処理が行われるまでの間に、所定の演出を、抽選情報表示領域1151に表示されるようにしてもよい。
遊技情報表示領域1152は、普通保留表示器85の表示に対応する保留対応表示領域1153と、普通図柄表示器333の表示に対応する普通図柄対応表示領域1154と、特別図柄表示器332の表示に対応する特別図柄対応表示領域1155と、を有している。即ち、保留対応表示領域1153は普通図柄の変動表示制御の保留状態を示す。また、普通図柄対応表示領域1154、普通図柄の変動表示および普通図柄抽選手段による抽選結果を表示する。さらに、特別図柄対応表示領域1155は、特別図柄の変動表示および特別図柄抽選手段による抽選結果を表示する。これにより、上記主制御基板765による普通当りについての抽選機能、特別当りについての抽選機能、保留機能が適正に機能していることが認識可能となる。なお、これ以外の機能(入賞判断機能、排出判断機能、など)が適正に機能していることも、上記遊技情報表示領域(主制御機能診断領域)1152にて認識可能とするようにしてもよい。この場合、主制御基板765の処理機能についての検査がより容易となる。
保留対応表示領域1153では、普通図柄の保留数に対応する表示態様が表示される。即ち、保留対応表示領域1153では、例えば普通図柄の保留数が1個であれば「L」のみが明るい色で表示され、2個であれば「L」および「2」が明るい色で表示される。
普通図柄対応表示領域1154では、アルファベットの「D」、「N」および「R」のいずれかが表示され、このいずれが表示されるかによって、普通図柄抽選手段による抽選結果を把握することができる。なお、普通図柄抽選手段による抽選結果が導出されるに際し、普通図柄表示器333において普通図柄が変動している間、アルファベットの「D」、「N」および「R」が交互に切替表示される。
特別図柄対応表示領域1155では、赤色の「P」または緑色の「P」が表示され、このいずれが表示されるかによって、特別図柄抽選手段による抽選結果を把握することができる。なお、特別図柄抽選手段による抽選結果が導出されるに際し、特別図柄表示器332において特別図柄が変動している間、赤色の「P」と緑色の「P」とが交互に切替表示される。
ここで、普通図柄対応表示領域1154では、普通図柄表示器333において普通図柄が変動している間、アルファベットの「D」、「N」および「R」が交互に切替表示されると共に、普通図柄表示器333において普通図柄についての抽選処理の結果が表示されると、「D」、「N」および「R」のいずれかで停止表示される。従って、抽選情報表示領域1151において特別図柄抽選手段にかかる演出が表示されることによって普通図柄抽選手段にかかる演出が表示されていない場合であっても、普通図柄対応表示領域1154では、アルファベットの「D」、「N」および「R」が交互に切替表示されることとなる。
また、特別図柄対応表示領域1155では、特別図柄表示器332において特別図柄が変動している間、赤色の「P」と緑色の「P」とが交互に切替表示されると共に、特別図柄表示器332において特別図柄についての抽選処理の結果が表示されると、赤色の「P」および緑色の「P」のいずれかで停止表示される。
次に、遊技の進行に伴って演出表示装置115に表示される一連の画像について、図48〜図50を参照しつつ説明する。図48〜図50は遊技の進行に伴って演出表示装置115に表示される一連の流れを示す図である。より詳しくは、図48は、普通図柄抽選処理にかかる普通図柄変動演出を示す図である。図49は、普通図柄抽選処理の結果が当りであることを示す普通当り演出を含む普通図柄抽選処理の結果にかかる演出を示す図である。図50は、特別図柄抽選処理にかかる特別図柄変動演出を示す図である。
普通図柄および特別図柄のいずれも保留数がゼロであるとき、演出表示装置115における表示は、図48(a)に示される表示となる。即ち、抽選情報表示領域1151では三つの識別図柄が停止表示され、保留対応表示領域1153では普通図柄の保留数がゼロである旨が表示される。また、普通図柄対応表示領域1154ではアルファベットが交互に切替表示されることなく特定のアルファベットで停止表示され、特別図柄対応表示領域1155では赤色の「P」と緑色の「P」とが交互に切替表示されることなくいずれかの色で停止表示される。
普通図柄始動口96を遊技球が通過すると、普通図柄表示器333における普通図柄の変動が開始されると共に、三つの識別図柄の変動表示が開始される。これにより、普通図柄の変動が開始したことを把握できる。さらに、普通図柄表示器333において普通図柄が変動している間ひいては三つの識別図柄が変動している間、普通図柄対応表示領域1154におけるアルファベットも交互に切替表示される。なお、普通図柄の変動は、普通図柄抽選手段による抽選処理の結果を導出する前提として行われるものである。
そして、普通図柄の変動が行われている間に遊技球が普通図柄始動口96を通過すると、普通図柄始動口96を通過した遊技球の個数分だけ、所定の範囲内(本実施形態では4個)で普通図柄の変動表示制御が保留される。普通図柄の変動表示制御が保留されたことは、保留対応表示領域1153における表示により把握できる(図48(b)参照)。図48(b)によれば、普通図柄の保留数が3個であることを把握できる。
普通図柄抽選手段による抽選処理の結果は、変動表示が行われている三つの識別図柄の全図柄が停止表示された場合の組み合わせによって導出される。この三つの識別図柄は、左図柄→右図柄→中図柄の順で停止表示するが、左図柄と右図柄とが同じ図柄で停止表示されたときにリーチとなり(図48(c)参照)、リーチ変動が行われる(図48(d)参照)。
なお、「リーチ変動」とは、最終停止図柄(本実施形態では中図柄)となる識別図柄以外の識別図柄(本実施形態では左図柄および右図柄)が、所定時間継続して、特定の表示結果(本実施形態では「2」)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の識別図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わったりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態を意味する。
普通図柄抽選手段による抽選処理の結果が当りであるとき、三つの識別図柄が全て同じ図柄で停止表示され(図48(e)参照)、その後、普通電動役物80(より正確には、普通電動役物80の可動片81)が作動して特別図柄始動口82に遊技球が入賞しやすくなる。そして、抽選情報表示領域1151では、三つの識別図柄の表示に代えて、特別図柄始動口82に向けて遊技球を狙うことを促す表示が行われる(図49(a)参照)。本実施形態では、演出表示装置115の左側に配置される特別図柄始動口82に遊技球を狙うことを促すべく、「右にいれろ!」の文字と左を指す矢印とが表示される。
なお、抽選情報表示領域1151において、普通図柄抽選手段にかかる演出に代えて特別図柄抽選手段にかかる演出が行われる場合であっても、普通図柄の変動表示制御が保留されていれば、普通図柄抽選手段による抽選が行われると共に、普通図柄の変動表示制御の保留が解除されて三つの識別図柄による変動表示の表示態様が内部的に決定される。そして、普通図柄抽選手段による抽選が当りであるとき(即ち、三つの識別図柄が全て同じ図柄で停止表示すると内部的に決定されたとき)、特別図柄抽選手段にかかる演出が行われていたとしても、普通電動役物80(より正確には、普通電動役物80の可動片81)が作動して特別図柄始動口82に遊技球が入賞しやすくなる。つまり、演出表示装置115において普通図柄抽選手段にかかる演出が表示されているか否かにかかわらず、三つの識別図柄が全て同じ図柄で停止表示すると内部的に決定されれば、普通電動役物80(より正確には、普通電動役物80の可動片81)が作動して特別図柄始動口82に遊技球が入賞しやすくなる。これにより、特別図柄抽選手段にかかる演出表示の有無にかかわらず、普通図柄抽選手段による抽選処理の効率を高めることができる。
このように、特別図柄始動口82に遊技球が入賞すると、抽選情報表示領域1151では、普通図柄抽選手段にかかる演出よりも特別図柄抽選手段にかかる演出が優先して行われる。すなわち、上記特別図柄始動口82に遊技球が入賞すると、抽選情報表示領域1151では、普通図柄抽選手段による抽選処理の結果を導出するために三つの識別図柄の変動表示が行われていたとしても、当該三つの識別図柄の変動表示(ノーマル演出)に代えて、特別図柄抽選手段にかかる演出(スペシャル演出)が行われる。これにより、上記特別当りについての抽選結果に応じた表示演出(スペシャル演出)が、上記普通当りについての抽選結果に応じた表示演出(ノーマル演出)から段階的に行われるようになり、これによって上記特別遊技が行われることへの期待度がより高くなったことが当該抽選情報表示領域1151にて表現されるようになる。
一方、普通図柄抽選手段による抽選処理の結果がハズレであるときは、三つの識別図柄は、これら三つの識別図柄のうち少なくとも一つの図柄が他の図柄と異なるかたちで停止表示される。そして、普通図柄の変動表示制御が保留されていることを条件に、普通図柄表示器333において普通図柄の変動に対応して、三つの識別図柄の変動表示が繰り返し行われる。
なお、抽選情報表示領域1151において、上述のように、普通図柄抽選手段にかかる演出に代えて特別図柄抽選手段にかかる演出が表示されたとしても、遊技情報表示領域1152の普通図柄対応表示領域1154では、アルファベットの「D」、「N」および「R」が交互に切替表示されている。従って、抽選情報表示領域1151において普通図柄抽選手段による抽選結果に応じた表示を視認できない場合であっても、普通図柄対応表示領域1154における表示を視認できるので、普通図柄が変動していること等、現在の状況を把握することができる。また、特別図柄抽選手段にかかる演出は、演出表示装置115の大部分の領域を占める抽選情報表示領域1151に表示されるので、特別図柄抽選手段にかかる演出が妨げられることもなく、興趣の低下を抑制できる。
次に、特別図柄始動口82に遊技球が入賞すると、特別図柄表示器332において特別図柄が変動表示されるとともに、抽選情報表示領域1151にはメインキャラクタがサブキャラクタに勝負を挑む演出画像が表示され(図50(a)参照)、その後、この二人のキャラクタによりレース勝負が繰り広げられる(図示せず)。
二人のキャラクタのより繰り広げられるレース勝負は、一進一退の勝負が繰り広げられ、この勝負演出の終盤において、大入賞口83(開閉装置)が開閉されるラウンド動作が2ラウンド行なわれる(アタッカ装置可動制御)。
そして、大当り遊技として行われたアタッカ装置可動制御(2ラウンドのラウンド動作)が終了したのち、抽選情報表示領域1151には、時短機能が作動するのであれば主キャラクタが勝負に勝った演出画像(図50(b)参照)が表示され、その後、「大当り」の文字が表示される(図50(c)参照)。
また、大当り遊技として行われたアタッカ装置可動制御(2ラウンドのラウンド動作)が終了したのち、抽選情報表示領域1151には、時短機能が作動せずに微時短機能が作動するのであれば主キャラクタが勝負に負けた演出画像(図50(d)参照)が表示され、その後、普通図柄抽選手段にかかる演出に戻る(図50(e)参照)。
なお、内部的には上記の大入賞口83が開閉されるアタッカ装置可動制御(ラウンド動作)の開始をもって大当り遊技が開始されるが、抽選情報表示領域1151には、その後に時短機能が作動するときに限り、アタッカ装置可動制御としてのラウンド動作が終了したのちに「大当り」の文字が表示される。つまり、内部的な大当り遊技の開始時と、遊技者が認識しうる大当り遊技の開始時との間でズレが生じることとなる。
また、アタッカ装置可動制御としてのラウンド動作が終了したのちに時短機能が作動せずに微時短機能が作動するときには、抽選情報表示領域1151には、実際には大当り遊技の一つの動作である条件装置の作動を伴う特別当り遊技が実行されているにもかかわらず、当該特別当り遊技が発生していたことさえも表示されずに、普通図柄抽選手段にかかる演出に戻る。これにより、条件装置の作動を伴う特別当り遊技が開始されたにもかかわらず、多量の遊技球が遊技者に付与されずに微時短機能が作動したとしても、当該特別当り遊技が実行されていたことの遊技者への意識付けが行われないので、遊技者に落胆を与える頻度を軽減することが可能となる。
なお、特別図柄表示器332における特別図柄が変動している間は、特別図柄対応表示領域1155における「P」のアルファベットが緑色と赤色との間で交互に切替表示される。この特別図柄の変動は、特別図柄抽選手段による抽選処理の結果を導出する前提として行われるものである。
また、特別図柄表示器332における変動が停止すると、これに伴って特別図柄対応表示領域1155における「P」のアルファベットが緑色または赤色で停止表示される。
なお、特別図柄の変動が停止し、且つ、特別図柄の変動が停止したときに普通図柄の始動記憶についての抽選処理が保留されていれば、普通図柄表示器333において普通図柄の変動が再び開始され、図48(a)〜(e)の一連の処理が繰り返される。また、普通図柄対応表示領域1154においても、普通図柄表示器333において普通図柄が変動している間、アルファベットの「D」、「N」および「R」が交互に切替表示される。
なお、普通図柄抽選手段にかかる演出が終了するタイミング(即ち内部的に決定された表示態様による変動表示の終了タイミング)と、普通図柄対応表示領域1154における普通図柄の変動表示が終了するタイミングは同じである。
ところで、普通図柄抽選手段による抽選処理の結果が当りとなって、抽選情報表示領域1151において特別図柄始動口82に向けて遊技球を狙うことを促す表示が行われたにもかかわらず、特別図柄始動口82に遊技球が入賞しなかったときは、再び、三つの識別図柄が表示される(図49(b)参照)。ただし、このとき、三つの識別図柄による変動表示の表示態様が内部的に決定されていたとしても、当該決定されていた表示態様による変動表示に代えて、特定の表示態様による変動表示が行われる。本実施形態では、この特定の表示態様は、三つの識別図柄を高速でスクロール変動する表示態様である。なお、三つの識別図柄の高速スクロールによる変動が実行されるとき、当該高速スクロールによる変動表示は、普通図柄の変動時間をカウントするサブタイマに基づいた時間だけ行われる。
なお、本実施形態では、演出表示装置115に表示される普通図柄抽選手段にかかる演出は、図48(a)〜(e)および図50の演出表示が相当する。ただし、普通図柄抽選手段による抽選処理の結果が当りである場合(図48(e)参照)には、普通電動役物80(より正確には、普通電動役物80の可動片81)の摺動動作によって特別図柄始動口82への遊技球の受け入れ可能な態様(許球態様)が終了するまでが、普通図柄抽選手段にかかる演出に相当する。また、特別図柄抽選手段にかかる演出は、図50の演出表示が相当する。ただし、この特別図柄抽選手段にかかる演出として図柄が変動表示される表示演出が演出表示装置115に表示されるようにしてもよい。また、特別図柄抽選手段にかかる演出としていかなる表示演出が演出表示装置115に表示されていたとしても、この間、特別図柄表示器332には、特別図柄が変動表示される演出が表示されている。
以上説明したように、この実施の形態にかかる遊技機によれば、以下のような多くの優れた効果が得られるようになる。なお、以下に列記する効果(1)〜(12)は、この実施の形態にかかる遊技機によって得られる効果の一例である。
(1)始動口として上記普通図柄始動口(第1の始動口)96及び上記特別図柄始動口(第2の始動口)82を備え、それら始動口のうちの特別図柄始動口82については、上記第1普通図柄始動口96に遊技球が入球されたことに基づいて行なわれる普通図柄抽選処理に当選する(普通当りとなる)ことをその入球条件とした。そして、こうして入球可能となる上記特別図柄始動口82に遊技球がさらに入球されることに基づいて行われる上記特別図柄抽選処理(ここでは特別当りに当選したかについての判定処理)を行うこととなる。
また、本実施形態では、特別図柄抽選処理が行なわれると必ず当選する(特別当りとなる)ようになっており、特別当りになると、アタッカ装置可動制御手段617によりアタッカ装置98の可動制御が行なわれる。ここで、普通当りと特別当りとのうち条件装置の作動を伴う当りは特別当りのみであるから、普通当りになった時点では条件装置が作動しない。ただし、普通当りとなったことに基づいて特別図柄始動口82への遊技球の入賞が容易化されることから、普通当りになると、当該普通当りに基づいて開放された特別図柄始動口82にほぼ遊技球が入賞し、これに伴って条件装置が作動し、大当り遊技が実行される。
ただし、特別当りとなった時点で大当り遊技が実行されるものの、本実施形態では、特別当りであることに基づいて時短抽選手段640により時短抽選が行われ、この時短抽選の結果として時短機能が作動した場合に限り、遊技者に多量の遊技球が付与される大当り遊技が実行されることとなる。
すなわち、上記の時短抽選手段640による時短抽選の結果として時短機能が作動すると決定された場合には、アタッカ装置可動制御手段617により大入賞口83への遊技球の入賞が容易化されるアタッカ装置可動制御に加えて、必ず当選となる普通図柄当落判定手段602による普通図柄当落判定処理(普通図柄抽選処理)が行なわれる。しかも、1回あたりの特別図柄の変動時間中に多数回にわたって普通当りが発生するように構成されているので、1回の特別図柄の変動中に、特別図柄始動口82への遊技球の入賞が容易化される機会としての普通電動役物可動制御が複数セット行なわれることとなる。
一方、上記の時短抽選手段640による時短抽選の結果として微時短機能が作動すると決定された場合(時短機能が作動しないと決定された場合)には、特別図柄始動口82に遊技球が入賞する限りアタッカ装置可動制御の実行は保証されるものの、399分の1の当選確率で行なわれる普通図柄当落判定手段602による当落判定処理(普通図柄抽選処理)の結果が当りとならない限り、普通電動役物可動制御が実行されない。
このように、普通図柄抽選処理の結果が普通当りとなったことに基づいて特別図柄始動口82に遊技球が入賞する限り、アタッカ装置可動制御が最低限の大当り遊技として遊技者に保証されるものの、普通電動役物可動制御の実行までもが遊技者に保証されるものではない。すなわち、一旦普通当りとなったときに、普通電動役物可動制御が連続的に実行されることによって多量の遊技球が遊技者に付与されるか否かについては、普通当りとなったことに基づいて入賞が容易化された特別図柄始動口82に遊技球が入賞したときに行われる時短抽選の結果に依存するものである。しかも、時短機能が作動すること(すなわち普通電動役物可動制御が連続的に行なわれること)が決定されたとしても、連続的に行われる普通電動役物可動制御のセット数は、都度異なる特別図柄の変動時間に大きく影響されることとなる。
このようにして、特別図柄始動口82への遊技球の入賞に基づいて条件装置の作動を伴う特別当りが当選されたときには、アタッカ装置駆動制御により大入賞口83への遊技球の入賞機会が最低限の大当り遊技として保証されつつも、連続的に行われうる普通電動役物可動制御のセット数に応じて払い出される賞球としての遊技球の量が都度変化しうることとなる。これにより、特別当りとなったときに、アタッカ装置駆動制御による大入賞口83への遊技球の入賞機会といった最低限の遊技機会が保証されることで遊技者を安心させつつも、連続的に行われうる普通電動役物可動制御のセット数次第で多量の遊技球の付与にかかる期待感を遊技者に与えることができるといった、これまでにない斬新な遊技性を構築することが可能となる。
(2)また、上記演出表示装置(演出画像表示装置)115については、上記効果(1)に記載の構成を採用した上で、当該演出表示装置115の表示領域の一部分として設けられるとともに上記主制御基板765によって順次実行される上記遊技の進行にかかる複数の内部処理がそれぞれ適正に機能していることが認識可能とされる遊技情報表示領域(主制御機能診断領域)1152と、当該演出表示装置115の表示領域の大部分を占めるかたちで設けられるとともに、上記特別遊技が行われることへの期待度を表現するための抽選情報表示領域(期待度表現領域)1151、を有することとした。
すなわちこの場合、上記主制御基板765による複数の内部処理のうち、特に、上記普通図柄始動口96,97及び上記特別図柄始動口82への遊技球の入球に応じて行われる各種の内部処理が適正に機能していることが、上記第1の画像制御手段及び上記第2の画像制御手段による各表示制御を通じてそれぞれ認識可能となり、これによって上記主制御基板765内の処理機能の適正性についての検査を容易に行うことができるようになる。特に、主制御基板765による機能が、該主制御基板765とは別の周辺基板781による監視機能によって診断される構成となっていることから、当該検査にかかる信頼性も自己監視の場合と比較して高いレベルで維持されるようになる。
(3)上記抽選情報表示領域(期待度表現領域)1151では、上記特別図柄表示器(遊技情報表示装置)332による単調な抽選結果の動的表示では認識し難い上記特別遊技が行われることへの期待度を表現するための領域として設けられている。すなわち、この抽選情報表示領域(期待度表現領域)1151では、まず、普通図柄に関する表示制御(第1普通図柄始動口96または第2普通図柄始動口97に遊技球が入球したときに上記抽選情報表示領域1151にて行われる通常時の表示演出(ノーマル演出))と特別図柄に関する表示制御(特別図柄始動口82に遊技きゅが入球したときに行われる、上記通常時の表示演出よりも特別遊技が行われることへの期待度の高い表示演出(スペシャル演出))とのいずれか一方の表示制御に応じた演出画像のみが選択的に現れるようになっており、これによって主要な演出画像の出力先となる上記抽選情報表示領域(期待度表現領域)1151としての十分なスペースを確保するようにしている。
そしてこの上で、特別図柄に関する表示制御を行うべき旨のコマンド(第2のコマンド)が受信(取得)されたときは、該受信された第2のコマンドに応じて上記抽選情報表示領域(期待度表現領域)1151にて開始される一連の表示制御(役物抽選の演出表示も含む)が終了するまで、上記普通図柄画像表示制御手段631による上記抽選情報表示領域(期待度表現領域)1151への表示制御を禁止することとした(禁止手段)。
すなわち、こうした禁止により、上記抽選情報表示領域(期待度表現領域)1151では、上記特別図柄画像表示制御手段632による表示制御(第4の画像制御手段による表示制御)が上記普通図柄画像表示制御手段631による表示制御(第3の画像制御手段による表示制御)から段階的に行われるようになる。このような表示態様によって、上記特別遊技が行われることへの期待度がより高くなったことを表現するようにすることで、上記スペシャル演出(特別図柄画像表示制御手段632による表示制御)は、上記ノーマル演出(普通図柄画像表示制御手段631による表示制御)から発展したかのように行われるようになり、こうした別の抽選結果に基づく表示演出を遊技者から見て違和感なく連続的に行うことができるようになる。
しかも、上記主制御基板(主制御手段)765では、上記周辺基板(副制御手段)781にて上記スペシャル演出が行われる期間中も、上記ノーマル演出を内部的にはその都度消化するようになっている(普通図柄抽選手段(普通図柄当落判定手段602)、駆動制御手段(普通電動役物可動制御手段607)、普通図柄変動パターン決定手段608など)。したがって、上記抽選情報表示領域(期待度表現領域)1151にて長い表示演出が実行される場合であっても、次の抽選結果が得られるまでの時間である回転効率の向上を図ることができるようになる。
(4)上記周辺基板781(副制御手段)では、上記普通図柄に関する上記抽選情報表示領域(期待度表現領域)1151への表示制御(第3の画像制御手段による表示制御)が禁止されているか否かにかかわらず、該表示制御に供される第1の演出情報と、上記遊技情報表示領域(主制御機能診断領域)1152への表示制御(第1の画像制御手段による画像出力)に供される第1の適正情報とを上記第1のコマンドによって常に同時に受信(取得)することとした。すなわち、上記第1の演出情報が上記第1の適正情報と同時に取得されたときには、上記第3の画像制御手段による表示制御が禁止されているか否かの判断を行うこととし、この結果、当該第3の画像制御手段による表示制御が禁止されていない旨判断されることを条件に、上記第1の演出情報により示される表示態様に応じた演出画像のみが上記抽選情報表示領域(期待度表現領域)1151に現れるようにした。このような構成では、上記表示制御についての実行タイミング及びその制御内容が全く異なる上記第3の画像制御手段による表示制御に供される上記第1の演出情報と、上記第1の画像制御手段による画像出力に供される前記第1の適正情報とを常に同時に取得しつつも、それら2つの表示制御を適正に行うことができるようになる。また、上記主制御基板765にかかる処理負荷の増大、上記主制御基板765と上記周辺基板781との間の通信負荷の増大、及び上記主制御基板765での記憶容量の圧迫、などの上述の問題を好適に解決することができるようになる。
(5)上記普通図柄抽選手段が保留機能(第1保留手段603、第1保留解除手段604)を備えることにより、上記特別図柄始動口82の始動率の向上を図った。
(6)上記周辺基板781では、上記第2の演出コマンド(特別図柄抽選手段にかかる演出のコマンド)の受信に応じて行われる一連の表示制御の終了に際し、上記普通図柄対応表示領域(第1の副領域)1154にて上記普通図柄画像表示制御手段(第1の演出画像表示制御手段)631による表示制御(部分表示制御手段による表示制御)が実行中であるか否かを判断することとした(状態判断手段)。
より具体的には、この普通図柄対応表示領域1154にて表示制御が行われる予定時間を計時するタイマ手段が稼働中であるか否かを判断することとした。そして、この部分表示制御手段による表示制御が行われている旨判断されたときは、所定の演出画像が高速変動される高速表示態様が上記抽選情報表示領域(主領域)1151に現れるように上記抽選情報表示領域(主領域)1151に表示される演出画像についての変動表示出力を行うこととした(高速変動出力手段)。より具体的には、上記タイマ手段による上記予定時間の計時がタイムアップされるまで上記抽選情報表示領域(主領域)1151に上記高速表示態様が表示される表示制御と、上記タイマ手段による上記予定時間の計時がタイムアップされるタイミングに合わせて上記普通図柄変動パターン決定手段608によって当初決定された表示態様のうちの停止表示態様が上記抽選情報表示領域(主領域)1151に表示される表示制御と、を行うこととしたため、遊技者から見て違和感なく、上記ノーマル演出を再開させることができるようになる。
(7)上記普通図柄変動パターン決定手段608は、上記普通当りが落選されたとき、落選時用の表示態様を決定する通常表示決定手段と、上記当りが当選されたとき、上記特定の表示態様としての当り用の表示態様を決定する特定表示決定手段と、を備え、上記普通当りの抽選処理の結果に応じて上記通常表示決定手段及び上記特定表示決定手段を選択的に用いることにより、上記演出表示装置115に表示される演出画像の表示態様を決定することとした。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、上記主制御基板765による複数の内部処理のうち、普通当りについての抽選処理機能(特別当りについての抽選処理機能、保留機能、など)が適正に機能していることを、上記遊技情報表示領域(主制御機能診断領域)1152にて認識可能としたが、これ以外の機能(入賞判断機能、排出判断機能、など)が適正に機能していることも、上記遊技情報表示領域(主制御機能診断領域)1152にて認識可能とするようにしてもよい。この場合、主制御基板765の処理機能についての検査がより容易となる。
例えば、上記実施形態では、特別図柄始動口82に対して、当該特別図柄始動口82の内側からその外側に延出されるかたちで摺動動作する一対の可動片81を設けることによって、特別図柄始動口82への遊技球の入球が常には不可能または困難となる拒球態様に維持され、普通当りとなったことに基づいて特別図柄始動口82への遊技球の入球が容易化される許球態様に変位するようにしたが、これに限られるものではない。例えば、特別図柄始動口を、遊技盤5に対して奥行き方向に開口されるかたちで設けるとともに、前後方向に出し入れされる受止誘導部材を配設し、受止誘導部材が後端にあれば特別図柄始動口への遊技球の入賞が不可能または困難となり、受止誘導部材が前端にあれば特別図柄始動口への遊技球の入賞が容易化されるものであってもよい。
また、上記実施形態では、特別図柄始動口82は一つのみ設けられているが、この数は一つに限られるものではなく、複数設けられていてもよい。このとき、いずれの特別図柄始動口に入賞したかを判断して抽選を行うようにしてもよい。例えば、第一の特別図柄始動口と第二の特別図柄始動口とを設けたとき、第一の特別図柄始動口に入賞したときは第一の抽選手段によって抽選を行い、第二の特別図柄始動口に入賞したときは第二の抽選手段によって抽選を行うことが考えられる。
また、上記実施形態では、受止誘導部材535及び入賞防止部材561の駆動源としてソレノイド548を示したが、駆動源は特に限定されるものではなく、例えばモータを用いて摺動させるようにしてもよい。
さらに、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機1を示したが、パチンコ機以外の遊技機、例えば、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機等であっても本発明を適用することができる。
即ち、パチンコ機とは、遊技者が遊技機に投入する媒体である遊技球等の投入媒体と、遊技者が行う実質的な遊技に用いられる媒体である遊技媒体とを同一のものとした遊技機であり、投入された例えば遊技球等の媒体を用いて遊技が行われるタイプの遊技機の一種である。具体的には、「操作ハンドルの操作に対応して遊技球を発射する発射装置と、多数の障害釘、センター役物、表示手段等の適宜の機器が組み込まれたり、始動入賞口、大入賞口、通過口、到達口等の遊技球が入球する適宜の入球口が設けられた遊技領域と、発射装置から遊技領域に遊技球を導くレールと、遊技領域に導かれた遊技球の入球口への入球に応じたり、複数の入球口への遊技球の入球態様に応じて、所定数の遊技球を賞球として払い出す払出手段とを備えるもの」である。
なお、パチンコ機としては、種々のタイプのものがあり、一般に「デジパチ」と称されるものに代表される「入球口への入球状態を検出する入球状態検出手段(即ち、遊技状態検出手段)と、入球状態検出手段によって入球が検出されると所定の抽選を行う抽選手段と、抽選手段の抽選結果に応じて特別図柄を変動させると共に変動を停止させる特別図柄表示手段とを備えたもの」や「加えて、特別図柄の変動中に、複数の装飾図柄からなる装飾図柄列を変動表示させるとともに、所定のタイミングでキャラクタ等を出現させる演出画像表示手段をさらに備えるもの」、一般に「複合機」と称されるものに代表される「役物内での遊技球の振分けによって抽選を行う抽選手段と始動口に入賞することによって抽選を行う抽選手段とを備えたもの」、一般に「アレパチ」と称されるものに代表される「例えば16個等の所定個数の遊技球により1ゲームが行われ、1ゲームにおける複数の入球口への遊技球の入球態様に応じて所定個数の遊技球の払出しを行うもの」等を例示することができる。
一方、パチスロ機とは、遊技媒体であるメダルを投入し、メダルの投入後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に応じて複数の図柄からなる図柄列を変動表示させると共に、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて図柄列の変動を停止させる、といった実質的な遊技を行うものであり、停止操作機能付きのスロットマシンである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動を停止させるものであってもよい。そして、図柄列の変動停止時における図柄の組合わせが特定の条件を満たす場合に、満たされた条件に応じて所定個数のメダルを払い出したり、遊技者が多量のメダルを獲得することができるように、遊技者に有利な特別有利状態を発生させたりするものである。
また、パチンコ機とパチスロ機とを融合させた遊技機とは、複数個(例えば5個)の遊技球を1単位の投入媒体とし、投入媒体を投入した後、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に応じて複数の図柄からなる図柄列を変動表示させるとともに、その後、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に応じて図柄列の変動を停止させるものである。なお、所定時間が経過しても停止用操作手段が操作されない場合には、所定時間経過したことに応じて図柄列の変動を停止させるものであってもよい。そして、図柄列の変動停止時における図柄の組合せが特定の条件を満たす場合に、満たされた条件に応じて所定個数のメダルを払い出したり、遊技者が多量のメダルを獲得することができるように、遊技者に有利な特別有利状態を発生させたりするものである。
また、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させた遊技機等のように、投入する媒体によっては実質的な遊技が行われない遊技機では、一見、遊技媒体が存在しないかのように思われるが、このような遊技機であっても、遊技内容の全体において、遊技球やその他の適宜の物品を用いて行われる遊技を含ませることが想定できる。よって、このような遊技機であっても、遊技媒体を用いて遊技が行われる遊技機の対象とすることができる。
また、上述の実施形態における演出表示装置115は、液晶表示装置であることが好ましいが、必ずしも液晶表示装置に限られない。EL表示装置、プラズマ表示装置およびCRT等の表示装置等であってもよい。即ち、普通当りの判定結果を導出可能であれば、その態様は限られない。ただし、普通当りの判定結果を導出するに際し、例えばリーチ表示等、普通当りに当選している可能性があることを遊技者にアピールできることが好ましい。
上記の発明を実施するための形態で説明した本遊技機は、本願発明の技術思想を実現すべく以下の構成を有している。なお、以下では、上記の発明を実施するための形態で記載した用語を上位概念化して記載するとともに、この上位概念化した用語に相当する上記の発明を実施するための形態に記載された用語を括弧内に記載している。
本遊技機は、遊技領域37に向けて打ち込まれた遊技球を受け入れ可能な受入口(普通図柄始動口96,97)と、この受入口への遊技球の受け入れに基づいて、所定の抽選処理(普通図柄抽選処理)を行う抽選手段(普通図柄当落判定手段602)と、所定の態様で可動することによって遊技球の受け入れが容易化される球入賞手段(特別図柄始動口82、大入賞口83)と、この球入賞手段への遊技球の受け入れに基づいて、所定量の遊技球を賞球として遊技者に付与する賞球付与手段(賞球払出手段623)と、上記抽選処理(普通図柄抽選処理)の結果が当りであることを含む特定条件の成立に基づいて、上記球入賞手段への遊技球の受け入れを容易化させる可動制御を行なうことで、遊技者に多量の遊技球を賞球として付与しうる賞球獲得遊技としての大当り遊技を実行可能な賞球獲得遊技実行手段として機能する大当り遊技実行手段(アタッカ装置可動制御手段617及び普通電動役物可動制御手段607)とを備えている。
なお、本願の発明を実施するための形態に記載された「特別図柄始動口82」及び「大入賞口83」は、いずれも上記の「球入賞手段」に相当する。ただし、本願の発明を実施するための形態に記載された「特別図柄始動口82」に遊技球が受け入れられると、上記特定条件の一つである特別当りとなる前提としての特別図柄抽選処理が実行される。すなわち、本願の発明を実施するための形態に記載された「特別図柄始動口82」は、特別図柄抽選処理が行なわれる「始動口」としての機能と、「球入賞手段」としての機能とを兼用している。
上記の受入口(普通図柄始動口96,97)は常に遊技球の受け入れが可能となっており、この受入口に遊技球が受け入れられると、当該受入口に遊技球が受け入れられた旨が検出され、これに基づいて抽選手段(普通図柄当落判定手段602)による抽選処理(普通図柄抽選処理)が行なわれる。この受入口は、遊技球が通過するゲートタイプであってもよいし、遊技球が入球可能なものであってもよい。また、受入口の数は1つに限られず、複数の受入口が備えられていてもよい。
上記抽選処理(普通図柄抽選処理)の結果が当りであると、本願の発明を実施するための形態に記載された特別図柄始動口82への遊技球の受け入れが容易化される。この特別図柄始動口82は、常には、遊技球の受け入れが不可能とされているが、これに限られず、常には遊技球の受け入れが困難とされていてもよい。
そして、上記の特定条件が成立すると、球入賞手段(大入賞口83、特別図柄始動口82)への遊技球の受け入れが容易化される大当り遊技が実行される。この大当り遊技は、上記球入賞手段(大入賞口83、特別図柄始動口82)への遊技球の受け入れを容易化させる可動制御が大当り遊技実行手段(アタッカ装置可動制御手段617及び普通電動役物可動制御手段607)により行なわれることによって実現される。
なお、本願の発明を実施するための形態では、球入賞手段としての特別図柄始動口82に遊技球が受け入れられたときは、1球の遊技球あたり、上記所定量の遊技球として10球の遊技球が賞球として遊技者に付与され、球入賞手段としての大入賞口83に遊技球が入賞したときは、1球の遊技球あたり、上記所定量の遊技球として6球の遊技球が賞球として遊技者に付与される。このように、遊技球が受け入れられた先に応じて遊技者に付与される賞球数を変える方が好ましいが、この理由については後述する。
上記のような遊技機にあって、上記の大当り遊技実行手段(アタッカ装置可動制御手段617及び普通電動役物可動制御手段607)は、1回の大当り遊技において、上記の球入賞手段の可動制御として、先ずは第1の可動制御(アタッカ装置可動制御)を実行する第1可動制御手段(アタッカ装置可動制御手段617)と、所定条件が成立したときに、第1の可動制御が実行されたのちに第2の可動制御(普通電動役物可動制御)を実行する第2可動制御手段(普通電動役物可動制御手段607)とを有している。
上記の第1可動制御手段(アタッカ装置可動制御617)は、1回の大当り遊技(賞球獲得遊技)において、規定量の遊技球の受け入れが可能となるように、大当り遊技が実行されるときは常に、上記球入賞手段(大入賞口83)への遊技球の受け入れを容易化させる1セットの第1の可動制御を実行する。これにより、大当り遊技が行われると、上記規定量の遊技球についての上記球入賞手段への受け入れ機会が必ず保証される。ここで「保証」の対象は、あくまでも球入賞手段への受け入れ機会であり賞球ではない。例えば、大当り遊技が行われたときに、この大当り遊技における第1の可動制御により球入賞手段への遊技球の入賞がせっかく容易化されたにもかかわらず、この球入賞手段に遊技球を入賞させることができなかったり、入賞させることができたとしても規定量に満たない量であれば、十分な賞球が遊技者に付与されないことは当然のことである。
ところで、この種の遊技機では、球入賞手段が可動する遊技のうち条件装置の作動を伴う遊技を例えば「ラウンド遊技」と称しており、複数(例えば2ラウンド)のラウンド遊技により大当り遊技が構成されている。ここで、上記の「1セットの第1の可動制御」は、1回の大当り遊技において第1の可動制御として球入賞手段が可動する複数ラウンドからなるラウンド遊技を意味する。例えば、第1の可動制御(アタッカ装置可動制御)が2ラウンドからなるときは、この第1の可動制御(アタッカ装置可動制御)としての2ラウンドのラウンド遊技が「1セットの第1の可動制御」に相当する。
また、上記の第2可動制御手段(普通電動役物可動制御607)は、条件装置の作動を伴う上記の第1の可動制御の実行に伴って上記所定条件が成立したとき(時短抽選処理の結果として時短機能が作動したとき)には、球入賞手段(特別図柄始動口82)へのさらなる遊技球の受け入れが可能となるように、この球入賞手段(特別図柄始動口82)への遊技球の受け入れを複数セットにわたって容易化させる第2の可動制御を実行する(ただし、場合によっては1セットで終了することもありうる)。
上記の所定条件は、本願の発明を実施するための形態では、第1の可動制御(アタッカ装置可動制御)に伴って実行される時短抽選処理の結果として時短機能が作動したときに成立する。具体的には、第1の可動制御(アタッカ装置可動制御)に伴って時短機能が作動したとき、これをもってただちに第2の可動制御(普通電動役物可動制御)が実行されるのではない。第2の可動制御(普通電動役物可動制御)により可動される球入賞手段(特別図柄始動口82)は、特別の条件が成立したこと(本願の発明を実施するための形態では普通図柄始動口96,97に遊技球が受け入れられて行なわれた抽選処理(普通図柄抽選処理)の結果が当り(普通当り)であること)に基づいて遊技球の受け入れが容易化されるのであるが、上記所定条件としての時短機能が作動すると、上記の普通図柄抽選処理にて当り普通当りとなる確率が格段に向上されて、その結果として、第2の可動制御が実行されるのである。
ここで、上記の「複数セット」は、1回の大当り遊技における第2の可動制御(普通電動役物可動制御)において、球入賞手段(特別図柄始動口82)への遊技球の受け入れが容易化される機会数を意味する。上述したように、上記の普通図柄抽選処理の結果が普通当りとなる都度、球入賞手段(特別図柄始動口82)への遊技球の受け入れが容易化されるが、1回の普通当りにつき球入賞手段(特別図柄始動口82)への遊技球の受け入れが容易化される機会が1セッである。したがって、1回の普通当りに基づき作動される普通電動役物80の可動片81の作動回数にかかわらず、1セットとなる。
そして、上記の第2可動制御手段(普通電動役物可動制御607)は、大当り遊技が実行される都度、異なる量の遊技球の受け入れが可能となるように、球入賞手段(特別図柄始動口82)への遊技球の受け入れが容易化される第2の可動制御を実行する。本願の発明を実施するための形態では、上記の抽選処理(普通図柄抽選処理)の結果が当り(普通当り)であると、特別図柄始動口82への遊技球の受け入れが容易化されるが、この遊技球の受け入れが容易化された特別図柄始動口82に遊技球が受け入れられると、特別図柄の変動パターンが表示される。この特別図柄の変動パターンは、特別図柄始動口82に遊技球が受け入れられる都度、変動時間が異なる複数の変動パターンのなかから決定されるとともに、この特別図柄の変動パターンが表示されている間は第2の可動制御(普通電動役物可動制御)が実行されるので、当該第2可動制御が実行される機会数(セット数)が、大当り遊技が実行される都度、変化しうることとなる。より詳しくは、第1の可動制御8アタッカ装置可動制御)の実行に伴って上記所定条件が成立したことに基づいて、第2可動制御手段(普通電動役物可動制御607)が第2の可動制御を実行するときには、少なくとも所定の変動パターン(特別図柄の変動パターン)の変動表示が終了するまで当該第2の可動制御を実行する。第2の可動制御が「所定の変動パターンの変動表示が終了するまで」実行されるのは、上記特別図柄抽選処理の結果が特別当りとならない限り(すなわち特別図柄の変動が終了しない限り)、球入賞手段(特別図柄始動口82)への遊技球の入賞の容易化が維持される(すなわち、普通図柄抽選処理にて普通当りとなる確率が向上したまま維持される)からである。すなわち、条件装置の作動を伴う第1の可動制御が実行されない限り球入賞手段(特別図柄始動口82)への遊技球の入賞の容易化が維持されるので、変動パターン(特別図柄の変動パターン)が変動表示されている限り、大当り遊技としての第2の可動制御(普通電動役物可動制御)が何回でも実行されるのである。
しかも、表示手段(特別図柄表示器332、演出表示装置115)に表示される変動パターン(特別図柄の変動パターン)は、変動時間が異なる複数の変動パターンのなかから決定されたいずれか一の変動パターンが表示されることから、表示される変動パターン(特別図柄の変動パターン)の変動時間に応じて、第2の可動制御(普通電動役物可動制御)が実行される機会数(セット数)が、大当り遊技が実行される都度、異なることとなる。このようにして、大当り遊技の実行により遊技者に付与されうる賞球量が、表示手段(特別図柄表示器332、演出表示装置115)にて表示される所定の変動パターン(特別図柄の変動パターン)の表示時間に応じて、都度、変化しうるのである。
なお、球入賞手段(特別図柄始動口82)への遊技球の受け入れを容易化させる可動制御が行なわれていたとしても、上記受入口(特別図柄始動口82)に遊技球が受け入れられたときには、複数の変動パターンのうちいずれかの変動パターンに決定される。ただし、球入賞手段(大入賞口83)への遊技球の受け入れを容易化させる可動制御が行なわれているときに上記受入口(特別図柄始動口82)に遊技球が受け入れられたとしても、変動パターンは決定されない(特別図柄抽選処理自体が行なわれない)。
また、本願の発明を実施するための形態では、第1の可動制御により遊技球の受け入れが容易化される球入賞手段(大入賞口83)と、第2の可動制御により遊技球の受け入れが容易化される球入賞手段(特別図柄始動口82)とは別の球入賞手段である。そして、上述したように、第1の可動制御により遊技球の受け入れが容易化された球入賞手段に遊技球が受け入れられたときと、第2の可動制御により遊技球の受け入れが容易化された球入賞手段に遊技球が受け入れられたときとで、賞球として遊技者に付与される賞球量が異なる方が好ましい。なぜなら、第1の可動制御のみが実行される大当り遊技と、第1の可動制御に続いて第2の可動制御も実行される大当り遊技とで、遊技者にとっての利益度合いに大きな差をもたらせることができるからである。
なお、本願の発明を実施するための形態では、条件装置の作動を伴う第1の可動制御が実行されることよりも先に、上記抽選処理(普通図柄抽選処理)の結果が当り(普通当り)であることに基づいて特別図柄始動口82への遊技球の受け入れが容易化される。ただし、この段階では未だ時短機能が作動していないことから、上記普通図柄抽選処理にて当りとなる確率は向上されていないので、複数セットにわたって遊技球の受け入れが容易化される第2の可動制御とは異なるものである(上記抽選処理にて当りとなる確率が向上されていなくとも、偶然、複数回にわたって特別図柄始動口82への遊技球の受け入れが容易化されることはある。また、条件装置の作動を伴う第1の可動制御の実行に伴って特定条件が成立したとしても、場合によっては1セットで第2の可動制御が終了することもありうる)。したがって、本願の遊技機では、条件装置の作動を伴う第1の可動制御が実行されることよりも先に、時短機能が作動していない段階で上記普通図柄抽選処理の結果が普通当りであることに基づいて特別図柄始動口82への遊技球の受け入れが容易化されたとしても、これを大当り遊技と定義していない。大当り遊技は、あくまでも条件装置の作動を伴う第1の可動制御が実行されたことをもって開始されるものである。
このように、1回の大当り遊技において、第1の可動制御(アタッカ装置可動制御)が常に実行されることで規定量の遊技球についての球入賞手段(大入賞口83)への受け入れ機会を保証しつつも、特定条件が成立したときには、さらなる遊技球の受け入れが可能となるように球入賞手段(特別図柄始動口82)への遊技球の受け入れが複数セットにわたって容易化されるといった、斬新なゲーム性を提供することができる。
しかも、1回の大当り遊技において第2の可動制御(普通電動役物可動制御)が実行されるときには、この第2の可動制御としてのセット数が、都度、所定の条件(例えば特別図柄の変動時間)に応じて変化しうる。従来の遊技機であれば、大当り図柄が表示されると、賞球として付与される遊技球の量が毎回ほぼ同じ大当り遊技が行われるといった画一的な遊技であり、その結果、遊技の進行が単調となりがちであった。この点、本願の遊技機によると、1回の大当り遊技において、第2の可動制御を介して遊技者に付与される遊技球の量に変化をもたせうるので、大当り遊技中であっても単なる消化遊技となることが抑制され、大当り遊技自体に面白みを持たせることが可能となる。
また、従来の遊技機であれば、抽選処理の結果が当りであるときには、当該当りとなる期待感をより長く持続させるべく、例えばスーパーリーチ演出のように図柄変動時間が長くなりがちである。したがって、長時間にわたってスーパーリーチ演出が行われたにもかかわらずハズレであったときには遊技者に与える落胆が大きいばかりでなく、長時間のリーチ演出中は、遊技者を退屈にさせてしまうおそれがある。この点、本願の遊技機によると、変動パターン(特別図柄の変動パターン)の演出が長くなればなるほど、遊技者に付与されうる賞球量が増えるので、この変動パターンの演出表示中は緊張感をもって遊技を行うこととなり、遊技者を退屈させることがない。
さらに、確変図柄で大当りとなって当該大当り遊技が終了したのちに確変遊技状態となるような従来の遊技機によると、遊技者の持ち球を減らすことなく次の大当り遊技が保証されているにもかかわらず、なかなか次の大当り遊技が実行されずに、遊技者が無駄に時間を費やしてしまうことがある。この点、本願の遊技機によると、上記第2の可動制御(普通電動役物可動制御)が、特別当りとなるまで(特別図柄抽選処理の結果が表示されるまで)の間継続して行なわれるので、第2の可動制御(普通電動役物可動制御)の終了に伴って大当り遊技が終了したとしても、無駄な時間をすごすことなく次の大当り遊技がすぐに開始されることとなる。つまり、大当り遊技としての第2の可動制御(普通電動役物可動制御)は、条件装置の作動を伴う次回の大当り遊技としての第1の可動制御(アタッカ装置可動制御)が実行されること(より詳しくは、第1の可動制御に伴って行なわれる時短抽選処理の結果として時短機能が作動しなくなること)を終了条件としているので、N回目の大当り遊技に引き続いて(N+1)回目の大当り遊技が、連続的にすぐに行われることとなる(Nは自然数)。このように、本願の遊技機によると、遊技者が無駄に時間を費やすことなく次回の大当り遊技が連続的にすぐに開始されるので、興趣の低下を抑制することができる。
また、本願の発明を実施するための形態において、普通図柄抽選処理にて普通当りに当選する確率は、通常遊技状態及び微時短機能が作動した状態では399分の1であり、時短機能が作動した状態では1分の1である。そして、普通当りとなったときに普通電動役物80の可動片81が作動する時間(特別図柄始動口82が開放される時間)は、通常遊技状態では5000msec、微時短機能が作動した状態では5500msec、時短機能が作動した状態では6000msecである。すなわち、時短機能が作動したときは、通常遊技状態及び微時短機能が作動した状態と比べて、普通図柄抽選処理にて普通当りとなる確率を高めることによって、特別図柄始動口82への遊技球の入賞を容易化する手法を採用している。ただし、時短機能が作動したときに、通常遊技状態及び微時短機能が作動した状態と比べて特別図柄始動口82への遊技球の入賞を容易化する手法は、これに限られず、以下の手法を採用してもよい。
例えば、時短機能が作動したときに、通常遊技状態及び微時短機能が作動した状態と比べて、普通図柄抽選処理にて普通当りとなる確率は同じ(またはほぼ同じ)であるものの、普通当りとなったときに普通電動役物80の可動片81が作動する時間(特別図柄始動口82が開放される時間)を長くすることによって、特別図柄始動口82への遊技球の入賞を容易化する手法を採用してもよい。この場合、例えば、普通当りとなったときに普通電動役物80の可動片81が作動する時間(特別図柄始動口82が開放される時間)を、時短機能が作動している状態では、遊技球が入賞しうる十分な時間(例えば6000msec)が高確率で選択され、微時短機能が作動している状態及び通常遊技状態では、遊技球の入賞が極めて困難な時間(例えば、概ね100msec)が選択されるようにすることができる。なお、微時短機能が作動している状態と通常遊技状態とで、普通当りとなったときに普通電動役物80の可動片81が作動する時間(特別図柄始動口82が開放される時間)に微差を設けるとよい(例えば、微時短機能が作動している状態では110msec、通常遊技状態では100msec)。
また、時短機能が作動したときに、通常遊技状態及び微時短機能が作動した状態と比べて特別図柄始動口82への遊技球の入賞を容易化する手法は、普通図柄抽選処理にて普通当りとなる確率を高めることと、普通当りとなったときに普通電動役物80の可動片81が作動する時間(特別図柄始動口82が開放される時間)を長くすることとのうち、いずれか一方のみを採用するものに限られず、両方を採用するようにしてもよい。
以上をまとめると、本遊技機は、例えば以下のように構成することができる。
例えば、図柄が所定の変動パターンで変動表示される表示手段(特別図柄表示器332、液晶表示装置115)を備え、該表示手段にて変動中の図柄が所定の態様で停止表示されたときに、遊技者に賞球が付与されうる賞球獲得遊技(大当り遊技)が実行される遊技機であって、前記遊技領域に向けて打ち込まれた遊技球を受け入れ可能な始動口(特別図柄始動口82)と、前記始動口への遊技球の受け入れに基づいて抽選処理(特別図柄抽選処理)を行う抽選手段(特別図柄当落判定手段612)と、変動時間が異なる複数の変動パターンを記憶する変動パターン記憶手段(主制御MPU765aの読み出し専用メモリとしてのROM)と、前記始動口に遊技球が受け入れられたときに、前記変動パターン記憶手段に記憶される複数の変動パターンのうちいずれかに決定する変動パターン決定手段(特別図柄変動パターン決定手段618)と、前記変動パターン決定手段により決定された変動パターンが前記表示手段にて変動表示されるよう制御する表示制御手段(表示手段が特別図柄表示器332であれば特別図柄表示制御手段615、表示手段が液晶表示装置115であれば特別図柄画像表示制御手段632)と、所定の態様で可動することによって遊技球の受け入れが容易化される球入賞手段(特別図柄始動口82、大入賞口83)と、前記始動口または前記球入賞手段への遊技球の受け入れに基づいて、所定量の遊技球を賞球として遊技者に付与する賞球付与手段(賞球払出手段623)と、前記抽選処理の結果が当たりであることを含む特定条件の成立に基づいて、前記球入賞手段への遊技球の受け入れを容易化させる可動制御を行なうことで、前記賞球獲得遊技(大当り遊技)を実行可能な賞球獲得遊技実行手段(アタッカ装置可動制御手段617及び普通電動役物可動制御手段607)とを備え、前記変動パターン決定手段は、前記球入賞手段(大入賞口83)への遊技球の受け入れを容易化させる可動制御が行なわれていたとしても、前記始動口に遊技球が受け入れられたときには、前記変動パターン記憶手段に記憶される複数の変動パターンのうちいずれかに決定しうるものであり、前記賞球獲得遊技実行手段は、規定量の遊技球の受け入れが可能となるように、前記球入賞手段(大入賞口83)への遊技球の受け入れを容易化させる第1の可動制御(アタッカ装置可動制御)を実行することで前記規定量の遊技球についての前記球入賞手段への受け入れ機会を保証する第1可動制御手段(アタッカ装置可動制御手段617)と、さらなる遊技球の受け入れが可能となるように、特定条件が成立したことに基づいて、前記球入賞手段(特別図柄始動口82)への遊技球の受け入れを容易化させる第2の可動制御(普通電動役物可動制御)を実行する第2可動制御手段(普通電動役物可動制御手段607)とを有し、前記第2可動制御手段は、前記特定条件が成立したことに基づいて前記第2の可動制御を実行するときには、当該第2の可動制御の実行が開始されたのちに前記表示手段にて開始された所定の変動パターンの変動表示が終了するまで当該第2の可動制御を実行することで、前記賞球獲得遊技により遊技者に付与されうる賞球量が、前記表示手段にて表示される所定の変動パターンの表示時間に応じて、都度、変化しうるように構成することができる。
また、本遊技機は、遊技領域に向けて打ち込まれた遊技球を受け入れ可能な受入口(普通図柄始動口96,97)と、前記受入口への遊技球の受け入れに基づいて抽選処理(普通図柄抽選処理)を行う抽選手段(普通図柄当落判定手段602)と、所定の図柄が変動表示される表示手段(普通図柄表示器333、液晶表示装置115)と、前記抽選処理の結果が前記表示手段に表示されるよう制御する表示制御手段(表示手段が普通図柄表示器333であれば普通図柄表示制御手段605、表示手段が液晶表示装置115であれば普通図柄画像表示制御手段631)と、所定の態様で可動することによって遊技球の受け入れが容易化される球入賞手段(特別図柄始動口82、大入賞口83)と、前記球入賞手段への遊技球の受け入れに基づいて、所定量の遊技球を賞球として遊技者に付与する賞球付与手段(賞球払出手段623)と、前記抽選処理の結果が当りである旨を示す複数の当り画像のうちいずれかの当り画像が停止表示されたことを契機として、遊技者に賞球が付与されうる賞球獲得遊技(大当り遊技)を実行可能な賞球獲得遊技実行手段(アタッカ装置可動制御手段617及び普通電動役物可動制御手段607)とを備え、前記賞球獲得遊技実行手段は、1回の賞球獲得遊技において、規定量の遊技球の受け入れが可能となるように、常に、前記球入賞手段(大入賞口83)への遊技球の受け入れを容易化させる1セットの第1の可動制御(アタッカ装置可動制御)を実行することで前記規定量の遊技球についての前記球入賞手段への受け入れ機会を保証する第1可動制御手段(アタッカ装置可動制御手段617)と、さらなる遊技球の受け入れが可能となるように、前記球入賞手段(特別図柄始動口82)への遊技球の受け入れを複数セットにわたって容易化させる第2の可動制御(普通電動役物可動制御)を実行可能な第2可動制御手段(普通電動役物可動制御手段607)とを有し、前記第2可動制御手段は、前記表示手段に表示された当り画像が同じ当り画像であったとしても、前記第2の可動制御が実行されるセット数を、都度、所定の条件に応じて変化させうることで、前記1回の賞球獲得遊技により遊技者に付与される遊技球の量に変化をもたせうるように構成することもできる。
さらに、本遊技機は、遊技領域に向けて打ち込まれた遊技球を受け入れ可能な受入口(普通図柄始動口96,97)と、前記受入口への遊技球の受け入れに基づいて、所定の抽選処理(普通図柄抽選処理)を行なう抽選手段(普通図柄当落判定手段602)と、前記所定の抽選処理の結果が当りであるときに限り、遊技球の受け入れが容易化される始動口(特別図柄始動口82)と、前記始動口への遊技球の受け入れに基づいて、常に当りとなりうる特別抽選処理(特別図柄抽選処理)を行なう特別抽選手段(特別図柄当落判定手段612)と、前記特別抽選処理の結果が当りであることに基づいて、遊技球の受け入れが容易化される球入賞手段(大入賞口83)と、前記始動口(特別図柄始動口82)または前記球入賞手段(大入賞口83)への遊技球の受け入れに基づいて、所定量の遊技球を賞球として遊技者に付与する賞球付与手段(賞球払出手段623)と、前記特別抽選処理の結果が当りであることに基づいて、前記所定量の遊技球が遊技者に付与されうる賞球獲得遊技(大当り遊技)を複数回にわたって連続的に実行可能な賞球獲得遊技実行手段(アタッカ装置可動制御手段617及び普通電動役物可動制御手段607)とを備える遊技機であって、前記賞球獲得遊技実行手段は、前記球入賞手段(大入賞口83)に規定量の遊技球の受け入れが可能となるように前記賞球獲得遊技を実行するときには常に、前記球入賞手段への遊技球の受け入れを容易化させる第1の可動制御(普通電動役物可動制御)を実行することで、前記規定量の遊技球についての前記球入賞手段(大入賞口83)への受け入れ機会を保証する第1可動制御手段(アタッカ装置可動制御手段6179と、特定条件が成立したことに基づいて、都度、異なる量の遊技球が賞球としてさらに遊技者に付与されうるように、前記始動口(特別図柄始動口82)への遊技球の受け入れを容易化させる第2の可動制御(普通電動役物可動制御)を実行する第2可動制御手段(普通電動役物可動制御手段607)とを有し、前記特定条件が成立する限り、前記第2の可動制御の実行により前記始動口(特別図柄始動口82)への遊技球の受け入れが容易化されて、常に当選しうる前記特別抽選処理が行われるようにすることで、前記賞球獲得遊技が連続的に実行されうるように構成することもできる。