JP2008283847A - Dc/dc電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】駆動用インバータ回路と整流回路との複数の回路毎に平滑コンデンサを並列配置し、回路間のコンデンサの充放電を利用したDC/DC電力変換装置において、平滑コンデンサのリプル電流を低減する。
【解決手段】2直列のMOSFETから成る3個のセル回路を並列接続して平滑コンデンサCs1の両端子間に接続して成る駆動用インバータ回路A1と、2直列のMOSFETを各平滑コンデンサCs2、Cs3、Cs4の両端子間に接続した3つの整流回路A2、A3、A4とを直列接続して、各セル回路と各整流回路A2、A3、A4との間にコンデンサとインダクタのLC直列体LC12〜LC14を等しい共振周期にて配設して、3つの列回路X、Y、Zを構成する。そして各列回路X、Y、Zを、駆動周期をLC直列体LC12〜LC14の共振周期と一致させると共に各列回路毎に位相を2π/3(rad)ずらして駆動する。
【選択図】図1

Description

この発明は、直流電圧を昇圧あるいは降圧した直流電圧に変換する、DC/DC電力変換装置に関するものである。
従来のDC/DC電力変換装置としてのDC/DCコンバータは、正の電位に接続する半導体スイッチと負の電位に接続する半導体スイッチとを備えた少なくとも2個以上の半導体スイッチを具備するインバータ回路と、直列に接続される複数の整流器と直列に接続される複数のコンデンサとを備えた多倍圧整流回路で構成され、インバータ回路で交流電圧を作り、更に、多倍圧整流回路で高圧直流電圧を作り負荷に供給する(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−191638号公報
このような従来のDC/DC電力変換装置では、並列に平滑コンデンサを配置されたインバータ回路と整流回路とを備え、インバータ回路と整流回路の間に直列にコンデンサを接続し、コンデンサの充放電を利用して直流/直流電力変換を行うものであり、平滑コンデンサは、回路間に接続されたコンデンサと電流を互いに供給しあっている。平滑コンデンサには、各回路間に接続されたコンデンサに流れる電流が重複して流れるため、リプル電流が大きくなる。このため、平滑コンデンサ部の発熱が大きく、また、電流を許容するための容量が大きくなり平滑コンデンサのサイズが大きくなるといった問題点があった。
この発明は、上記のような問題点を解消するために成されたものであって、駆動用インバータ回路と整流回路とから成る複数の回路毎に平滑コンデンサを並列配置し、エネルギ移行用コンデンサの充放電を利用するDC/DC電力変換装置において、上記複数の各回路に並列配置される各平滑コンデンサのリプル電流を低減して、平滑コンデンサの容量低減により装置構成の小型化を図ると共に信頼性を向上させることを目的とする。
この発明による第1のDC/DC電力変換装置は、半導体スイッチング素子から成る高圧側素子および低圧側素子を直列接続して平滑コンデンサの正負端子間に接続して成る駆動用インバータ回路と、半導体スイッチング素子あるいはダイオード素子から成る高圧側素子および低圧側素子を直列接続して平滑コンデンサの正負端子間に接続して成る整流回路とによるn(nは3以上)個の回路を直列接続して備える。上記駆動用インバータ回路、上記整流回路のいずれか一方である第1の回路を、上記高圧側素子および低圧側素子を直列接続したセル回路をm個並列接続して上記平滑コンデンサの正負端子間に接続して構成すると共に、複数個ある他方の回路を第2の回路とし、これら各回路の上記高圧側素子と上記低圧側素子との接続点を中間端子として、上記各セル回路と上記各第2の回路との間となる該中間端子間にエネルギ移行用コンデンサを備える。そして、それぞれ上記セル回路、上記第2の回路および上記エネルギ移行用コンデンサを有するm個の列回路を構成し、上記各列回路を駆動する駆動信号は、駆動周期を一致させると共に各列回路毎に位相をずらすものである。
この発明によるDC/DC電力変換装置は、駆動用インバータ回路、整流回路のいずれか一方である第1の回路を、セル回路をm個並列接続して平滑コンデンサの正負端子間に接続して構成し、各セル回路と他方の回路である各第2の回路との間にエネルギ移行用コンデンサを備えて構成されるm個の列回路を、駆動周期を一致させると共に各列回路毎に位相をずらした駆動信号により駆動するため、各平滑コンデンサのリプル電流を低減できる。これにより、平滑コンデンサの発熱を抑え、信頼性が向上すると共に、変換効率が向上する。また、平滑コンデンサの容量が低減でき装置構成の小型化が促進できる。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1によるDC/DC電力変換装置について説明する。
図1はこの発明の実施の形態1によるDC/DC電力変換装置の回路構成を示すものである。
図1に示すように、DC/DC電力変換装置は、複数(この場合3個)のセル回路A1−X、A1−Y、A1−Zを並列接続した第1の回路としての回路A1、および複数(この場合3個)の第2の回路としての回路A2〜A4から成る複数段(この場合4段)の回路A1〜A4と、駆動用電源Vs1、Vs2、Vs3、Vs4と、入出力電圧を平滑化し、またエネルギ移行のための電圧源としても機能する平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4と、制御回路130と、入出力電圧端子Vcom、VL、VHとを備える。そして、電圧端子VLとVcom間に入力された電圧V1を、約4倍に昇圧された電圧V2にして電圧端子VHとVcom間に出力する機能を有する。
回路A1は、低圧側素子、高圧側素子としての2つのMOSFET(Mos1L−X、Mos1H−X)(Mos1L−Y、Mos1H−Y)(Mos1L−Z、Mos1H−Z)を直列接続したセル回路A1−X、A1−Y、A1−Zを並列接続して、平滑コンデンサCs1の両端子間に接続して構成される。また、低圧側素子、高圧側素子としての2つのMOSFET(Mos2L、Mos2H)(Mos3L、Mos3H)(Mos4L、Mos4H)を直列接続して、各平滑コンデンサCs2、Cs3、Cs4の両端子間に接続した3つの回路A2、A3、A4と回路A1とを直列接続して4段回路が構成される。
そして、各セル回路A1−X、A1−Y、A1−Zおよび回路A2、A3、A4内の2つのMOSFETの接続点を中間端子として、セル回路A1−Xと回路A2との中間端子間に、エネルギ移行用のコンデンサCr12およびインダクタLr12の直列体で構成されエネルギ移行素子として機能するLC直列体LC12を接続する。同様に、セル回路A1−Yと回路A3との中間端子間、セル回路A1−Zと回路A4との中間端子間に、エネルギ移行用のコンデンサCr13、Cr14およびインダクタLr13、Lr14の直列体で構成されエネルギ移行素子として機能するLC直列体LC13、LC14を接続する。各段のインダクタLrとコンデンサCrのインダクタンス値と容量値から定まる共振周期の値は、それぞれ等しくなるように設定されている。
これにより、セル回路A1−X、回路A2およびLC直列体LC12で構成される列回路Xと、セル回路A1−Y、回路A3およびLC直列体LC13で構成される列回路Yと、セル回路A1−Z、回路A4およびLC直列体LC14で構成される列回路Zとの3つの列回路X、Y、ZがDC/DC電力変換装置内に構成される。
また、DC/DC電力変換装置は、各セル回路A1−X、A1−Y、A1−Zおよび回路A2、A3、A4内のMOSFETを駆動するための、ゲート駆動回路111−X、111−Y、111−Z、112〜114およびフォトカプラ(121L−X、121H−X)、(121L−Y、121H−Y)、(121L−Z、121H−Z)、(122L、122H)〜(124L、124H)を備える。
なお、各MOSFETは、ソース、ドレイン間に寄生ダイオードが形成されているパワーMOSFETである。
次に、接続の詳細について説明する。
平滑コンデンサCs1の両端子は、それぞれ電圧端子VLとVcomに接続され、電圧端子Vcomは接地されている。平滑コンデンサCs1のVL側電圧端子は、平滑コンデンサCs2の一方の端子に接続され、平滑コンデンサCs2の他方の端子は平滑コンデンサCs3の一方の端子に、平滑コンデンサCs3の他方の端子は平滑コンデンサCs4の一方の端子に、平滑コンデンサCs4の他方の端子は電圧端子VHに接続されている。
Mos1L−X、Mos1L−Y、Mos1L−Zのソース端子は電圧端子Vcomに、ドレイン端子はMos1H−X、Mos1H−Y、Mos1H−Zのソース端子に、Mos1H−X、Mos1H−Y、Mos1H−Zのドレイン端子は電圧端子VLに接続されている。Mos2Lのソース端子は平滑コンデンサCs2の低電圧側の端子に、Mos2Lのドレイン端子はMos2Hのソース端子に、Mos2Hのドレイン端子は平滑コンデンサCs2の高電圧側の端子に接続されている。Mos3Lのソース端子は平滑コンデンサCs3の低電圧側の端子に、Mos3Lのドレイン端子はMos3Hのソース端子に、Mos3Hのドレイン端子は平滑コンデンサCs3の高電圧側の端子に接続されている。Mos4Lのソース端子は平滑コンデンサCs4の低電圧側の端子に、Mos4Lのドレイン端子はMos4Hのソース端子に、Mos4Hのドレイン端子は平滑コンデンサCs4の高電圧側の端子に接続されている。
LC直列体LC12の一端は、Mos1L−XとMos1H−Xの接続点に接続され、他端はMos2LとMos2Hの接続点に接続されている。LC直列体LC13の一端は、Mos1L−YとMos1H−Yの接続点に接続され、他端はMos3LとMos3Hの接続点に接続されている。LC直列体LC14の一端は、Mos1L−ZとMos1H−Zの接続点に接続され、他端はMos4LとMos4Hの接続点に接続されている。
Mos1L−X、Mos1H−Xのゲート端子はゲート駆動回路111−Xの出力端子に接続され、ゲート駆動回路111−Xの入力端子には、Mos1L−Xのソース端子の電圧を基準としたそれぞれのゲート駆動信号が入力される。同様に、(Mos1L−Y、Mos1H−Y)、(Mos1L−Z、Mos1H−Z)、(Mos2L、Mos2H)〜(Mos4L、Mos4H)のゲート端子はゲート駆動回路111−Y、111−Z、112〜114の出力端子に接続され、ゲート駆動回路111−Y、111−Z、112〜114の入力端子には、Mos1L−Y、Mos1L−Z、Mos2L〜Mos4Lのソース端子の電圧を基準としたそれぞれのゲート駆動信号が入力される。なお、ゲート駆動回路111−X、111−Y、111−Z、112〜114は、一般的なブートストラップ方式の駆動回路であり、ハーフブリッジインバータ回路駆動用のドライバICや高電圧側のMOSFETを駆動するためのコンデンサ等で構成されている。
Mos1L−X駆動用のゲート駆動信号はフォトカプラ121L−Xから、Mos1H−X駆動用のゲート駆動信号はフォトカプラ121H−Xから出力される。同様に、Mos1L−Y、Mos1L−Z、Mos2L〜Mos4L駆動用のゲート駆動信号はフォトカプラ121L−Y、121L−Z、122L〜124Lから、Mos1H−Y、Mos1H−Z、Mos2H〜Mos4H駆動用のゲート駆動信号はフォトカプラ121H−Y、121H−Z、122H〜124Hから出力される。
制御回路130からは、各列回路X、Y、Z毎にゲート信号(GateL−X、GateH−X)、(GateL−Y、GateH−Y)、(GateL−Z、GateH−Z)が出力される。この場合、制御回路130内のマイクロコンピュータ等の信号処理回路において、ゲート信号を生成している。そして、列回路Xのフォトカプラ121L−X、122Lには、ゲート信号GateL−Xが入力され、フォトカプラ121H−X、122Hには、ゲート信号GateH−Xが入力される。また列回路Yのフォトカプラ121L−Y、123Lには、ゲート信号GateL−Yが入力され、フォトカプラ121H−Y、123Hには、ゲート信号GateH−Yが入力される。列回路Zのフォトカプラ121L−Z、124Lには、ゲート信号GateL−Zが入力され、フォトカプラ121H−Z、124Hには、ゲート信号GateH−Zが入力される。
電源Vs1は、Mos1L−XとMos1L−YとMos1L−Zのソース端子を基準とした、MOSFET、ゲート駆動回路、フォトカプラを駆動するために備えられた電源であり、電源Vs2、Vs3、Vs4は、それぞれ、Mos2L、Mos3L、Mos4Lのソース端子を基準とした、MOSFET、ゲート駆動回路、フォトカプラを駆動するために備えられた電源である。フォトカプラは、ゲート信号とゲート駆動信号を電気的に絶縁するために配置されている。
次に、動作について説明する。
第1の回路である回路A1は、電圧端子VL−Vcom間に入力されるエネルギを、回路A1を構成する各セル回路A1−X、A1−Y、A1−Z内のMOSFETのオンオフ動作により高電圧側に送る駆動用インバータ回路として動作する。即ち、各セル回路A1−X、A1−Y、A1−Zが駆動用インバータ回路として用いられる。
列回路Xでは、セル回路A1−Xが、電圧端子VL−Vcom間に入力されるエネルギを、MOSFET(Mos1L−X、Mos1H−X)のオンオフ動作により高電圧側に送る駆動用インバータ回路として動作し、回路A2が、セル回路A1−Xで駆動された電流を整流し、エネルギを高電圧側へ移行する整流回路として動作する。列回路Yでは、セル回路A1−Yが、電圧端子VL−Vcom間に入力されるエネルギを、MOSFET(Mos1L−Y、Mos1H−Y)のオンオフ動作により高電圧側に送る駆動用インバータ回路として動作し、回路A3が、セル回路A1−Yで駆動された電流を整流し、エネルギを高電圧側へ移行する整流回路として動作する。列回路Zでは、セル回路A1−Zが、電圧端子VL−Vcom間に入力されるエネルギを、MOSFET(Mos1L−Z、Mos1H−Z)のオンオフ動作により高電圧側に送る駆動用インバータ回路として動作し、回路A4が、セル回路A1−Zで駆動された電流を整流し、エネルギを高電圧側へ移行する整流回路として動作する。
制御回路130から各列回路X、Y、Z毎にゲート信号(GateL−X、GateH−X)、(GateL−Y、GateH−Y)、(GateL−Z、GateH−Z)が出力され、これらのゲート信号により各列回路X、Y、Zが駆動される。
列回路Xのゲート信号(GateH−X、GateL−X)と、駆動用インバータ回路A1−Xおよび整流回路A2内の低圧側MOSFET(Mos1L−X、Mos2L)に流れる電流と高圧側MOSFET(Mos1H−X、Mos2H)に流れる電流とを図2に示す。駆動用インバータ回路A1−X内のMOSFETではドレインからソースに電流が流れ、整流回路A2内のMOSFETではソースからドレインに電流が流れる。MOSFETはゲート信号がハイ電圧でオンする。
図2に示すように、ゲート信号(GateL−X、GateH−X)は、LrとCrによるLC直列体LC12、LC13、LC14にて定まる共振周期Tを周期とし、デューティー約50%のオンオフ信号である。なお、列回路Y、Zのゲート信号(GateL−Y、GateH−Y)、(GateL−Z、GateH−Z)および各列回路Y、Z内のMOSFETを流れる電流も、図2と同様である。
平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4の容量値は、LC直列体のコンデンサCr12、Cr13、Cr14の容量値と比較して十分大きな値に設定される。
上述したように、電圧端子VL−Vcom間に入力された電圧V1を、約4倍に昇圧された電圧V2にして電圧端子VH−Vcom間に出力するため、電圧端子VH−Vcom間に負荷が接続され、電圧V2は4×V1よりも低い値となっている。定常状態では、平滑コンデンサCs1には電圧V1の電圧が充電されており、平滑コンデンサCs2、Cs3、Cs4には平均的に(V2−V1)/3の電圧が充電されている。
セル回路A1−X、回路A2およびLC直列体LC12で構成される列回路Xの動作について説明する。
低圧側MOSFETへのゲート信号GateL−Xによりセル回路A1−Xおよび回路A2の低圧側MOSFETであるMos1L−X、Mos2Lがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCs1に蓄えられた一部のエネルギが、
Cs1⇒Mos2L⇒Lr12⇒Cr12⇒Mos1L−X
の経路でコンデンサCr12に移行する。
次いで、高圧側MOSFETへのゲート信号GateH−Xによりセル回路A1−Xおよび回路A2の高圧側MOSFETであるMos1H−X、Mos2Hがオン状態となると、電圧差があるため、コンデンサCr12に充電されたエネルギが、
Cr12⇒Lr12⇒Mos2H⇒Cs2⇒Mos1H−X
の経路で平滑コンデンサCs2に移行する。
次に、セル回路A1−Y、回路A3およびLC直列体LC13で構成される列回路Yの動作について説明する。
低圧側MOSFETへのゲート信号GateL−Yによりセル回路A1−Yおよび回路A3の低圧側MOSFETであるMos1L−Y、Mos3Lがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCs1、Cs2に蓄えられた一部のエネルギが、
Cs1⇒Cs2⇒Mos3L⇒Lr13⇒Cr13⇒Mos1L−Y
の経路でコンデンサCr13に移行する。
次いで、高圧側MOSFETへのゲート信号GateH−Yによりセル回路A1−Yおよび回路A3の高圧側MOSFETであるMos1H−Y、Mos3Hがオン状態となると、電圧差があるため、コンデンサCr13に充電されたエネルギが、
Cr13⇒Lr13⇒Mos3H⇒Cs3⇒Cs2⇒Mos1H−X
の経路で平滑コンデンサCs2、Cs3に移行する。
次に、セル回路A1−Z、回路A4およびLC直列体LC14で構成される列回路Zの動作について説明する。
低圧側MOSFETへのゲート信号GateL−Zによりセル回路A1−Zおよび回路A4の低圧側MOSFETであるMos1L−Z、Mos4Lがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3に蓄えられた一部のエネルギが、
Cs1⇒Cs2⇒Cs3⇒Mos4L⇒Lr14⇒Cr14⇒Mos1L−Z
の経路でコンデンサCr14に移行する。
次いで、高圧側MOSFETへのゲート信号GateH−Zによりセル回路A1−Zおよび回路A4の高圧側MOSFETであるMos1H−Z、Mos4Hがオン状態となると、電圧差があるため、コンデンサCr14に充電されたエネルギが、
Cr14⇒Lr14⇒Mos4H⇒Cs4⇒Cs3⇒Cs2⇒Mos1H−Z
の経路で平滑コンデンサCs2、Cs3、Cs4に移行する。
このように、コンデンサCr12、Cr13、Cr14の充放電により、平滑コンデンサCs1から平滑コンデンサCs2、Cs3、Cs4にエネルギを移行する。そして、電圧端子VLとVcom間に入力された電圧V1を、約4倍に昇圧された電圧V2にして電圧端子VHとVcom間に出力する。また、各コンデンサCr12、Cr13、Cr14には、インダクタLr12、Lr13、Lr14が直列に接続されてLC直列体LC12、LC13、LC14を構成するため、上記エネルギの移行は共振現象を利用したものとなり、大きなエネルギ量を効率よく移行できる。
またこの実施の形態では、整流回路A2〜A4にMOSFETを用いたため、後述するダイオードを用いたものに比して導通損失が低減でき、電力変換の効率が向上できる。
以上のように各列回路X、Y、Zは動作するものであるが、3つの列回路X、Y、Zを備えたDC/DC電力変換装置全体の動作について、以下に説明する。
図3に、各列回路X、Y、Z内の高圧側MOSFETを駆動するゲート信号GateH−X、GateH−Y、GateH−Zを示す。図2を用いて示したように、このゲート信号GateH−X、GateH−Y、GateH−Zの反転信号が、低圧側MOSFETを駆動するGateL−X、GateL−Y、GateL−Zである。
図3に示すように、各列回路X、Y、Zを駆動する駆動信号は、周期をTとして一致させると共に、各列回路間で位相をT/3ずつずらして駆動している。
例えば、V1の電圧72V、入力直流電流75Aの条件における、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4に流れる電流を図4に示す。図には、3つの列回路で位相をT/3ずつずらして駆動した場合、即ちこの実施の形態の場合の平滑コンデンサ電流と、比較例として位相をずらさない場合の平滑コンデンサ電流が示されている。縦軸は電流、横軸は時間である。
図4に示すように、位相をずらして駆動することにより、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3のリプル電流が減少する。
以上のように、この実施の形態では、4段の回路A1、A2、A3、A4の内、駆動用インバータ回路として動作する第1の回路A1を3個のセル回路A1−X、A1−Y、A1−Zを並列接続して構成することで、DC/DC電力変換装置内に3つの列回路X、Y、Zを構成した。そして、各列回路X、Y、Zを、駆動周期を一致させると共に各列回路毎に位相を2π/3(rad)ずらして駆動した。これにより、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4の充放電タイミングがずれ、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3に流れる電流が1周期内で分散して発生すると共に、充放電電流を列回路間で融通し合うため、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3に流れる交流電流(リプル電流)が低減する。
このような平滑コンデンサのリプル電流低減により、以下のような効果がある。
平滑コンデンサの発熱が抑制され信頼性が向上する。また、電流低減により抵抗分による損失が低減し電力変換効率が向上する。また、平滑コンデンサに必要な容量を低下でき平滑コンデンサのサイズを小さくでき、装置構成の小型化を促進できる。
さらにまた、誘電損失は大きいがサイズが小さいセラミックコンデンサを平滑コンデンサに採用することが可能になり、平滑コンデンサのサイズをさらに小さくできる。
なお、上記実施の形態では、列回路を3個としたが、3あるいは5以上のn段の回路A1〜Anを備えて昇圧比nであるDC/DC電力変換装置において、駆動用インバータ回路として動作する第1の回路A1を(n−1)個のセル回路を並列接続して構成し、DC/DC電力変換装置内に(n−1)個の列回路を構成しても良い。その場合、各列回路を、駆動周期を一致させると共に各列回路毎に2π/(n−1)(rad)ずつ位相をずらして駆動することにより、平滑コンデンサのリプル電流が減少する効果が得られる。また、列回路の数を増加するほど平滑コンデンサに流れる電流が1周期内でさらに分散して発生するため、効果的にリプル電流が低減できる。
また、列回路の個数をmとすると、各列回路間で2π/m(rad)ずつ位相をずらして駆動するのが最も効果的であるが、位相差は、これに限らず、各列回路間で位相をずらすことにより、平滑コンデンサへの充放電電流を列回路間で融通し合えるため、リプル電流低減の効果がある。
実施の形態2.
上記実施の形態1では、電圧V1を、約4倍の電圧V2に昇圧する昇圧形のDC/DC電力変換装置について示したが、この実施の形態では、電圧V2から電圧V1に降圧する降圧形のDC/DC電力変換装置について示す。
この実施の形態によるDC/DC電力変換装置の回路構成は、図1で示す回路構成と同様であるが、この場合、各列回路X、Y、Z内の回路A2、A3、A4は駆動用インバータ回路として動作し、回路A1は、駆動用インバータ回路で駆動された電流を整流し、エネルギを低電圧側へ移行する整流回路として動作する。即ち、各セル回路A1−X、A1−Y、A1−Zが整流回路として用いられる。
列回路Xでは、回路A2が駆動用インバータ回路として動作し、セル回路A1−Xが整流回路として動作する。列回路Yでは、回路A3が駆動用インバータ回路として動作し、セル回路A1−Yが整流回路として動作する。列回路Zでは、回路A4が駆動用インバータ回路として動作し、セル回路A1−Zが整流回路として動作する。
制御回路130から各列回路X、Y、Z毎にゲート信号(GateL−X、GateH−X)、(GateL−Y、GateH−Y)、(GateL−Z、GateH−Z)が出力され、これらゲート信号により各列回路X、Y、Zが駆動される。
列回路Xのゲート信号(GateH−X、GateL−X)と、駆動用インバータ回路A2および整流回路A1−X内の低圧側MOSFET(Mos2L、Mos1L−X)に流れる電流と高圧側MOSFET(Mos2H、Mos1H−X)に流れる電流とを図5に示す。駆動用インバータ回路A2内のMOSFETではドレインからソースに電流が流れ、整流回路A1−X内のMOSFETではソースからドレインに電流が流れる。MOSFETはゲート信号がハイ電圧でオンする。
図5に示すように、ゲート信号(GateL−X、GateH−X)は、LrとCrによるLC直列体LC12、LC13、LC14にて定まる共振周期Tを周期とし、デューティー約50%のオンオフ信号である。なお、列回路Y、Zのゲート信号(GateL−Y、GateH−Y)、(GateL−Z、GateH−Z)および各列回路Y、Z内のMOSFETを流れる電流も、図5と同様である。
平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4の容量値は、LC直列体のコンデンサCr12、Cr13、Cr14の容量値と比較して十分大きな値に設定される。
電圧端子VH−Vcom間に入力された電圧V2を、約1/4倍に降圧された電圧V1にして電圧端子VL−Vcom間に出力するため、電圧端子VL−Vcom間に負荷が接続され、電圧V2は4×V1よりも高い値となっている。定常状態では、平滑コンデンサCs1には電圧V1の電圧が充電されており、平滑コンデンサCs2、Cs3、Cs4には平均的に(V2−V1)/3の電圧が充電されている。
セル回路A1−X、回路A2およびLC直列体LC12で構成される列回路Xの動作について説明する。
高圧側MOSFETへのゲート信号GateH−Xによりセル回路A1−Xおよび回路A2の高圧側MOSFETであるMos1H−X、Mos2Hがオン状態となると、電圧差があるため、コンデンサCs2に蓄えられた一部のエネルギが、
Cs2⇒Mos2H⇒Lr12⇒Cr12⇒Mos1H−X
の経路でコンデンサCr12に移行する。
次いで、低圧側MOSFETへのゲート信号GateL−Xによりセル回路A1−Xおよび回路A2の低圧側MOSFETであるMos1L−X、Mos2Lがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCr12に充電されたエネルギが、
Cr12⇒Lr12⇒Mos2L⇒Cs1⇒Mos1L−X
の経路で平滑コンデンサCs1に移行する。
次に、セル回路A1−Y、回路A3およびLC直列体LC13で構成される列回路Yの動作について説明する。
高圧側MOSFETへのゲート信号GateH−Yによりセル回路A1−Yおよび回路A3の高圧側MOSFETであるMos1H−Y、Mos3Hがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCs2、Cs3に蓄えられた一部のエネルギが、
Cs2⇒Cs3⇒Mos3H⇒Lr13⇒Cr13⇒Mos1H−Y
の経路でコンデンサCr13に移行する。
次いで、低圧側MOSFETへのゲート信号GateL−Yによりセル回路A1−Yおよび回路A3の低圧側MOSFETであるMos1L−Y、Mos3Lがオン状態となると、電圧差があるため、コンデンサCr13に充電されたエネルギが、
Cr13⇒Lr13⇒Mos3H⇒Cs2⇒Cs1⇒Mos1L−Y
の経路で平滑コンデンサCs1、Cs2に移行する。
次に、セル回路A1−Z、回路A4およびLC直列体LC14で構成される列回路Zの動作について説明する。
高圧側MOSFETへのゲート信号GateH−Zによりセル回路A1−Zおよび回路A4の高圧側MOSFETであるMos1H−Z、Mos4Hがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCs2、Cs3、Cs4に蓄えられた一部のエネルギが、
Cs2⇒Cs3⇒Cs4⇒Mos4H⇒Lr14⇒Cr14⇒Mos1H−Z
の経路でコンデンサCr14に移行する。
次いで、低圧側MOSFETへのゲート信号GateL−Zによりセル回路A1−Zおよび回路A4の低圧側MOSFETであるMos1L−Z、Mos4Lがオン状態となると、電圧差があるため、コンデンサCr14に充電されたエネルギが、
Cr14⇒Lr14⇒Mos4L⇒Cs3⇒Cs2⇒Cs1⇒Mos1L−Z
の経路で平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3に移行する。
このように、コンデンサCr12、Cr13、Cr14の充放電により、平滑コンデンサCs2、Cs3、Cs4から平滑コンデンサCs1にエネルギを移行する。そして、電圧端子VHとVcom間に入力された電圧V2を、約1/4倍に降圧された電圧V1にして電圧端子VLとVcom間に出力する。また、各コンデンサCr12、Cr13、Cr14には、インダクタLr12、Lr13、Lr14が直列に接続されてLC直列体LC12、LC13、LC14を構成するため、上記エネルギの移行は共振現象を利用したものとなり、大きなエネルギ量を効率よく移行できる。
またこの実施の形態では、整流回路A1内のセル回路A1−X、A1−Y、A1−ZにMOSFETを用いたため、後述するダイオードを用いたものに比して導通損失が低減でき、電力変換の効率が向上できる。
以上のように各列回路X、Y、Zは動作するものであるが、各列回路X、Y、Zを駆動する駆動信号は、上記実施の形態1と同様に、周期をT(LC直列体にて定まる共振周期)として一致させると共に、各列回路間で位相をT/3(2π/3(rad))ずつずらして駆動する(図3参照)。これにより、上記実施の形態1と同様に、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4の充放電タイミングがずれ、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3に流れる電流が1周期内で分散して発生すると共に、充放電電流を列回路間で融通し合うため、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3に流れる交流電流(リプル電流)が低減する。このような平滑コンデンサのリプル電流低減により、上記実施の形態1と同様に、信頼性の向上、電力変換効率の向上、および装置構成の小型化が図れる。
なお、この実施の形態においても、列回路の個数および位相差は上述したものに限らず、列回路を複数(m個)備えて位相を各列回路間でずらして駆動することにより、平滑コンデンサのリプル電流が減少する効果が得られる。また、各列回路の位相を2π/m(rad)ずつずらすのが最も効果的であり、列回路の数を増加するほど平滑コンデンサに流れる電流が1周期内でさらに分散して発生するため、効果的にリプル電流が低減できる。
また、上記実施の形態1ではV1⇒V2の昇圧形DC/DC電力変換装置について示し、上記実施の形態2ではV2⇒V1の降圧形DC/DC電力変換装置について示したが、上記実施の形態1、2の機能を併せ持って双方向のエネルギ移行を実現することもできる。この場合、V1×4>V2のとき昇圧動作を行い、昇圧時には回路A1を駆動用インバータ回路に、回路A2、A3、A4を整流回路に用いる。また、V1×4<V2のときに降圧動作を行い、降圧時には回路A2、A3、A4を駆動用インバータ回路に、回路A1を整流回路に用いる。
このように制御される昇降圧形のDC/DC電力変換装置では、上記実施の形態1、2と同様の効果が得られると共に、1つの装置で双方向のエネルギ移行を実現でき広く利用できる。
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3によるDC/DC電力変換装置について説明する。
図6はこの発明の実施の形態3によるDC/DC電力変換装置の回路構成を示すものである。図に示すように、DC/DC電力変換装置は、2個のセル回路A1−X、A1−Yを並列接続した第1の回路としての回路A1、および3個の第2の回路としての回路A2〜A4から成る4段の回路A1〜A4と、駆動用電源Vs1、Vs2、Vs3、Vs4と、入出力電圧を平滑化し、またエネルギ移行のための電圧源としても機能する平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4と、制御回路130と、入出力電圧端子Vcom、VL、VHとを備える。そして、電圧端子VLとVcom間に入力された電圧V1を、約4倍に昇圧された電圧V2にして電圧端子VHとVcom間に出力する機能を有する。
各セル回路A1−X、A1−Yおよび第2の回路A2〜A4は、上記実施の形態1と同様に、低圧側素子、高圧側素子としての2つのMOSFETを直列接続して構成され、第1の回路A1は、セル回路A1−X、A1−Yを並列接続して、平滑コンデンサCs1の両端子間に接続して構成される。また、各平滑コンデンサCs2、Cs3、Cs4の両端子間に接続した3つの回路A2、A3、A4と回路A1とを直列接続して4段回路が構成される。
そして、各セル回路A1−X、A1−Yおよび回路A2、A3、A4内の2つのMOSFETの接続点を中間端子として、セル回路A1−Xと2つの回路A2、A4との中間端子間に、コンデンサCr12、Cr14およびインダクタLr12、Lr14の直列体で構成されエネルギ移行素子として機能するLC直列体LC12、LC14を接続する。また、セル回路A1−Yと回路A3との中間端子間に、コンデンサCr13およびインダクタLr13の直列体で構成されエネルギ移行素子として機能するLC直列体LC13を接続する。各段のインダクタLrとコンデンサCrのインダクタンス値と容量値から定まる共振周期の値は、それぞれ等しくなるように設定されている。
これにより、セル回路A1−X、回路A2、A4およびLC直列体LC12、LC14で構成される列回路Xと、セル回路A1−Y、回路A3およびLC直列体LC13で構成される列回路Yとの2つの列回路X、YがDC/DC電力変換装置内に構成される。
また、DC/DC電力変換装置は、各セル回路A1−X、A1−Yおよび回路A2、A3、A4内のMOSFETを駆動するための、ゲート駆動回路111−X、111−Y、112〜114およびフォトカプラ(121L−X、121H−X)、(121L−Y、121H−Y)、(122L、122H)〜(124L、124H)を備える。
なお、各MOSFETは、ソース、ドレイン間に寄生ダイオードが形成されているパワーMOSFETである。
次に、動作について説明する。
第1の回路である回路A1は、電圧端子VL−Vcom間に入力されるエネルギを高電圧側に送る駆動用インバータ回路として動作する。即ち、各セル回路A1−X、A1−Yが駆動用インバータ回路として用いられる。
列回路Xでは、セル回路A1−Xが駆動用インバータ回路として動作し、回路A2、A4が整流回路として動作する。列回路Yでは、セル回路A1−Yが駆動用インバータ回路として動作し、回路A3が整流回路として動作する。
制御回路130から各列回路X、Y毎にゲート信号(GateL−X、GateH−X)、(GateL−Y、GateH−Y)が出力され、これらのゲート信号により各列回路X、Yが駆動される。
列回路X、Y毎のゲート信号(GateL−X、GateH−X)、(GateL−Y、GateH−Y)は上記実施の形態1と同様であり、各回路内のMOSFETに流れる電流とゲート信号との関係も上記実施の形態1の図2で示したものと同様である。
平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4の容量値は、LC直列体のコンデンサCr12、Cr13、Cr14の容量値と比較して十分大きな値に設定される。
上述したように、電圧端子VL−Vcom間に入力された電圧V1を、約4倍に昇圧された電圧V2にして電圧端子VH−Vcom間に出力するため、電圧端子VH−Vcom間に負荷が接続され、電圧V2は4×V1よりも低い値となっている。定常状態では、平滑コンデンサCs1には電圧V1の電圧が充電されており、平滑コンデンサCs2、Cs3、Cs4には平均的に(V2−V1)/3の電圧が充電されている。
セル回路A1−X、回路A2、A4およびLC直列体LC12、LC14で構成される列回路Xの動作について説明する。
低圧側MOSFETへのゲート信号GateL−Xにより、セル回路A1−Xおよび回路A2、A4の低圧側MOSFETであるMos1L−X、Mos2L、Mos4Lがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCr12、Cr14に移行する。
Cs1⇒Mos2L⇒Lr12⇒Cr12⇒Mos1L−X
Cs1⇒Cs2⇒Cs3⇒Mos4L⇒Lr14⇒Cr14⇒Mos1L−X
次いで、高圧側MOSFETへのゲート信号GateH−Xにより、セル回路A1−Xおよび回路A2、A4の高圧側MOSFETであるMos1H−X、Mos2H、Mos4Hがオン状態となると、電圧差があるため、コンデンサCr12、Cr14に充電されたエネルギが、以下に示す経路で平滑コンデンサCs2、Cs3、Cs4に移行する。
Mos1H−X⇒Cr12⇒Lr12⇒Mos2H⇒Cs2
Mos1H−X⇒Cr14⇒Lr14⇒Mos4H⇒Cs4⇒Cs3⇒Cs2
次に、セル回路A1−Y、回路A3およびLC直列体LC13で構成される列回路Yの動作について説明する。
低圧側MOSFETへのゲート信号GateL−Yにより、セル回路A1−Yおよび回路A3の低圧側MOSFETであるMos1L−Y、Mos3Lがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCs1、Cs2に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCr13に移行する。
Cs1⇒Cs2⇒Mos3L⇒Lr13⇒Cr13⇒Mos1L−Y
次いで、高圧側MOSFETへのゲート信号GateH−Yにより、セル回路A1−Yおよび回路A3の高圧側MOSFETであるMos1H−Y、Mos3Hがオン状態となると、電圧差があるため、コンデンサCr13に充電されたエネルギが、以下に示す経路で平滑コンデンサCs2、Cs3に移行する。
Mos1H−Y⇒Cr13⇒Lr13⇒Mos3H⇒Cs3⇒Cs2
このように、コンデンサCr12、Cr13、Cr14の充放電により、平滑コンデンサCs1から平滑コンデンサCs2、Cs3、Cs4にエネルギを移行する。そして、電圧端子VLとVcom間に入力された電圧V1を、約4倍に昇圧された電圧V2にして電圧端子VHとVcom間に出力する。また、各コンデンサCr12、Cr13、Cr14には、インダクタLr12、Lr13、Lr14が直列に接続されてLC直列体LC12、LC13、LC14を構成するため、上記エネルギの移行は共振現象を利用したものとなり、大きなエネルギ量を効率よく移行できる。
またこの実施の形態でも、整流回路A2〜A4にMOSFETを用いたため、ダイオードを用いたものに比して導通損失が低減でき、電力変換の効率が向上できる。
以上のように各列回路X、Yは動作するものであるが、2つの列回路X、Yを備えたDC/DC電力変換装置全体の動作について、以下に説明する。
図7に、各列回路X、Y内の高圧側MOSFETを駆動するゲート信号GateH−X、GateH−Yを示す。図2を用いて示したように、このゲート信号GateH−X、GateH−Yの反転信号が、低圧側MOSFETを駆動するGateL−X、GateL−Yである。
図7に示すように、各列回路X、Yを駆動する駆動信号は、周期をT(LC直列体にて定まる共振周期)として一致させると共に、各列回路間で位相をT/2ずつずらして駆動している。
例えば、V1の電圧72V、入力直流電流75Aの条件における、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4に流れる電流を図8に示す。図には、2つの列回路間で位相をT/2ずらして駆動した場合、即ちこの実施の形態の場合の平滑コンデンサ電流と、比較例として位相をずらさない場合の平滑コンデンサ電流が示されている。縦軸は電流、横軸は時間である。 図8に示すように、位相をずらして駆動することにより、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3のリプル電流が減少する。
以上のように、この実施の形態では、4段の回路A1、A2、A3、A4の内、駆動用インバータ回路として動作する第1の回路A1を2個のセル回路A1−X、A1−Yを並列接続して構成することで、DC/DC電力変換装置内に2つの列回路X、Yを構成した。そして、各列回路X、Yを、駆動周期を一致させると共に各列回路間で位相を2π/2(rad)ずらして駆動した。これにより、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3の充放電タイミングがずれ、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3に流れる電流が1周期内で分散して発生すると共に、充放電電流を列回路間で融通し合うため、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3に流れる交流電流(リプル電流)が低減する。
このような平滑コンデンサのリプル電流低減により、上記実施の形態1と同様に、信頼性の向上、電力変換効率の向上、および装置構成の小型化が図れる。
実施の形態4.
上記実施の形態3では、電圧V1を、約4倍の電圧V2に昇圧する昇圧形のDC/DC電力変換装置について示したが、この実施の形態では、電圧V2から電圧V1に降圧する降圧形のDC/DC電力変換装置について示す。
この実施の形態によるDC/DC電力変換装置の回路構成は、図6で示す回路構成と同様であるが、この場合、各列回路X、Y内の回路A2、A3、A4は駆動用インバータ回路として動作し、回路A1は、駆動用インバータ回路で駆動された電流を整流し、エネルギを低電圧側へ移行する整流回路として動作する。即ち、各セル回路A1−X、A1−Yが整流回路として用いられる。
列回路Xでは、回路A2、A4が駆動用インバータ回路として動作し、セル回路A1−Xが整流回路として動作する。列回路Yでは、回路A3が駆動用インバータ回路として動作し、セル回路A1−Yが整流回路として動作する。
制御回路130から各列回路X、Y毎にゲート信号(GateL−X、GateH−X)、(GateL−Y、GateH−Y)が出力され、これらゲート信号により各列回路X、Yが駆動される。
列回路X、Y毎のゲート信号(GateL−X、GateH−X)、(GateL−Y、GateH−Y)は上記各実施の形態と同様であり、各回路内のMOSFETに流れる電流とゲート信号との関係も上記実施の形態2の図5で示したものと同様である。
平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4の容量値は、LC直列体のコンデンサCr12、Cr13、Cr14の容量値と比較して十分大きな値に設定される。
電圧端子VH−Vcom間に入力された電圧V2を、約1/4倍に降圧された電圧V1にして電圧端子VL−Vcom間に出力するため、電圧端子VL−Vcom間に負荷が接続され、電圧V2は4×V1よりも高い値となっている。定常状態では、平滑コンデンサCs1には電圧V1の電圧が充電されており、平滑コンデンサCs2、Cs3、Cs4には平均的に(V2−V1)/3の電圧が充電されている。
セル回路A1−X、回路A2、A4およびLC直列体LC12、LC14で構成される列回路Xの動作について説明する。
高圧側MOSFETへのゲート信号GateH−Xにより、回路A2、A4およびセル回路A1−Xの高圧側MOSFETであるMos2H、Mos4H、Mos1H−Xがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCs2、Cs3、Cs4に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCr12、Cr14に移行する。
Cs2⇒Cs3⇒Cs4⇒Mos4H⇒Lr14⇒Cr14⇒Mos1H−X
Cs2⇒Mos2H⇒Lr12⇒Cr12⇒Mos1H−X
次いで、低圧側MOSFETへのゲート信号GateL−Xにより、回路A2、A4およびセル回路A1−Xの低圧側MOSFETであるMos2L、Mos4L、Mos1L−Xがオン状態となると、電圧差があるため、コンデンサCr12、Cr14に充電されたエネルギが、以下に示す経路で平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3に移行する。
Cr14⇒Lr14⇒Mos4L⇒Cs3⇒Cs2⇒Cs1⇒Mos1L−X
Cr12⇒Lr12⇒Mos2L⇒Cs1⇒Mos1L−X
次に、セル回路A1−Y、回路A3およびLC直列体LC13で構成される列回路Yの動作について説明する。
高圧側MOSFETへのゲート信号GateH−Yにより、回路A3およびセル回路A1−Yの高圧側MOSFETであるMos3H、Mos1H−Yがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCs2、Cs3に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCr13に移行する。
Cs2⇒Cs3⇒Mos3H⇒Lr13⇒Cr13⇒Mos1H−Y
次いで、低圧側MOSFETへのゲート信号GateL−Yにより、回路A3およびセル回路A1−Yの低圧側MOSFETであるMos3L、Mos1L−Yがオン状態となると、電圧差があるため、コンデンサCr13に充電されたエネルギが、以下に示す経路で平滑コンデンサCs1、Cs2に移行する。
Cr13⇒Lr13⇒Mos3L⇒Cs2⇒Cs1⇒Mos1L−Y
このように、コンデンサCr12、Cr13、Cr14の充放電により、平滑コンデンサCs2、Cs3、Cs4から平滑コンデンサCs1にエネルギを移行する。そして、電圧端子VHとVcom間に入力された電圧V2を、約1/4倍に降圧された電圧V1にして電圧端子VLとVcom間に出力する。また、各コンデンサCr12、Cr13、Cr14には、インダクタLr12、Lr13、Lr14が直列に接続されてLC直列体LC12、LC13、LC14を構成するため、上記エネルギの移行は共振現象を利用したものとなり、大きなエネルギ量を効率よく移行できる。
またこの実施の形態でも、整流回路A1内のセル回路A1−X、A1−YにMOSFETを用いたため、ダイオードを用いたものに比して導通損失が低減でき、電力変換の効率が向上できる。
以上のように各列回路X、Yは動作するものであるが、各列回路X、Yを駆動する駆動信号は、上記実施の形態3と同様に、周期をT(LC直列体にて定まる共振周期)として一致させると共に、各列回路間で位相をT/2(2π/2(rad))ずらして駆動する(図7参照)。これにより、上記実施の形態3と同様に、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3の充放電タイミングがずれ、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3に流れる電流が1周期内で分散して発生すると共に、充放電電流を列回路間で融通し合うため、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3に流れる交流電流(リプル電流)が低減する。このような平滑コンデンサのリプル電流低減により、上記実施の形態3と同様に、信頼性の向上、電力変換効率の向上、および装置構成の小型化が図れる。
上記実施の形態3、4では、2個の列回路間で位相を2π/2(rad)ずらして駆動することにより、効果的にリプル電流を低減したが、位相差はこれに限らず、列回路間で位相をずらすことによりリプル電流低減の効果がある。
また上記実施の形態3、4では、セル回路A1−X、回路A2、A4およびLC直列体LC12、LC14で構成される列回路Xと、セル回路A1−Y、回路A3およびLC直列体LC13で構成される列回路Yとの2つの列回路X、YをDC/DC電力変換装置内に構成したが、2つの列回路の組み合わせはこれに限るものではない。例えば、セル回路A1−X、回路A2、A3およびLC直列体LC12、LC13による列回路と、セル回路A1−Y、回路A4およびLC直列体LC14による列回路の組み合わせ等でも良い。
また、上記実施の形態3ではV1⇒V2の昇圧形DC/DC電力変換装置について示し、上記実施の形態4ではV2⇒V1の降圧形DC/DC電力変換装置について示したが、上記実施の形態3、4の機能を併せ持って双方向のエネルギ移行を実現することもできる。この場合、V1×4>V2のとき昇圧動作を行い、昇圧時には回路A1を駆動用インバータ回路に、回路A2、A3、A4を整流回路に用いる。また、V1×4<V2のときに降圧動作を行い、降圧時には回路A2、A3、A4を駆動用インバータ回路に、回路A1を整流回路に用いる。
このように制御される昇降圧形のDC/DC電力変換装置では、上記実施の形態3、4と同様の効果が得られると共に、1つの装置で双方向のエネルギ移行を実現でき広く利用できる。
実施の形態5.
次に、この発明の実施の形態5によるDC/DC電力変換装置について説明する。
図9はこの発明の実施の形態5によるDC/DC電力変換装置の回路構成を示すものである。図に示すように、DC/DC電力変換装置は、3個のセル回路A1−X、A1−Y、A1−Zを並列接続した第1の回路としての回路A1、および3個の第2の回路としての回路A2〜A4から成る4段の回路A1〜A4と、駆動用電源Vs1と、入出力電圧を平滑化し、またエネルギ移行のための電圧源としても機能する平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4と、制御回路130と、入出力電圧端子Vcom、VL、VHとを備える。そして、電圧端子VLとVcom間に入力された電圧V1を、約4倍に昇圧された電圧V2にして電圧端子VHとVcom間に出力する機能を有する。
各セル回路A1−X、A1−Y、A1−Zは、上記実施の形態1と同様に、低圧側素子、高圧側素子としての2つのMOSFETを直列接続して構成され、第1の回路A1は、セル回路A1−X、A1−Y、A1−Zを並列接続して、平滑コンデンサCs1の両端子間に接続して構成される駆動用インバータ回路である。回路A2〜A4は、低圧側素子、高圧側素子として2つのダイオード(Di2L、Di2H)(Di3L、Di3H)(Di4L、Di4H)をそれぞれ直列接続して各平滑コンデンサCs2、Cs3、Cs4の両端子間に接続して構成される整流回路である。また、3つの回路A2、A3、A4と回路A1とを直列接続して4段回路が構成される。
そして、各セル回路A1−X、A1−Y、A1−Zおよび回路A2、A3、A4内の2つの素子(MOSFETあるいはダイオード)の接続点を中間端子として、セル回路A1−Xと回路A2との中間端子間に、コンデンサCr12およびインダクタLr12の直列体で構成されエネルギ移行素子として機能するLC直列体LC12を接続する。同様に、セル回路A1−Yと回路A3との中間端子間、セル回路A1−Zと回路A4との中間端子間に、コンデンサCr13、Cr14およびインダクタLr13、Lr14の直列体で構成されエネルギ移行素子として機能するLC直列体LC13、LC14を接続する。各段のインダクタLrとコンデンサCrのインダクタンス値と容量値から定まる共振周期の値は、それぞれ等しくなるように設定されている。
これにより、セル回路A1−X、回路A2およびLC直列体LC12で構成される列回路Xと、セル回路A1−Y、回路A3およびLC直列体LC13で構成される列回路Yと、セル回路A1−Z、回路A4およびLC直列体LC14で構成される列回路Zとの3つの列回路X、Y、ZがDC/DC電力変換装置内に構成される。
また、DC/DC電力変換装置は、各セル回路A1−X、A1−Y、A1−Z内のMOSFETを駆動するための、ゲート駆動回路111−X、111−Y、111−Zおよびフォトカプラ(121L−X、121H−X)、(121L−Y、121H−Y)、(121L−Z、121H−Z)を備える。
なお、各MOSFETは、ソース、ドレイン間に寄生ダイオードが形成されているパワーMOSFETである。
次に、動作について説明する。
上記実施の形態1と同様に、列回路Xでは、セル回路A1−Xが駆動用インバータ回路として動作し、回路A2が整流回路として動作する。列回路Yでは、セル回路A1−Yが駆動用インバータ回路として動作し、回路A3が整流回路として動作する。列回路Zでは、セル回路A1−Zが駆動用インバータ回路として動作し、回路A4が整流回路として動作する。
制御回路130から各列回路X、Y、Z毎にゲート信号(GateL−X、GateH−X)、(GateL−Y、GateH−Y)、(GateL−Z、GateH−Z)が出力され、これらのゲート信号により各列回路X、Y、Zが駆動される。
列回路X、Y、Z毎のゲート信号(GateL−X、GateH−X)、(GateL−Y、GateH−Y)、(GateL−Z、GateH−Z)は上記各実施の形態と同様であり、各回路内のMOSFETに流れる電流とゲート信号との関係も上記実施の形態1の図2で示したものと同様である。
平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4の容量値は、LC直列体のコンデンサCr12、Cr13、Cr14の容量値と比較して十分大きな値に設定される。
上述したように、電圧端子VL−Vcom間に入力された電圧V1を、約4倍に昇圧された電圧V2にして電圧端子VH−Vcom間に出力するため、電圧端子VH−Vcom間に負荷が接続され、電圧V2は4×V1よりも低い値となっている。定常状態では、平滑コンデンサCs1には電圧V1の電圧が充電されており、平滑コンデンサCs2、Cs3、Cs4には平均的に(V2−V1)/3の電圧が充電されている。
セル回路A1−X、回路A2およびLC直列体LC12で構成される列回路Xの動作について説明する。
低圧側MOSFETへのゲート信号GateL−Xによりセル回路A1−XのMos1L−Xがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCs1に蓄えられた一部のエネルギが、
Cs1⇒Di2L⇒Lr12⇒Cr12⇒Mos1L−X
の経路でコンデンサCr12に移行する。
次いで、高圧側MOSFETへのゲート信号GateH−Xによりセル回路A1−XのMos1H−Xがオン状態となると、電圧差があるため、コンデンサCr12に充電されたエネルギが、
Cr12⇒Lr12⇒Di2H⇒Cs2⇒Mos1H−X
の経路で平滑コンデンサCs2に移行する。
次に、セル回路A1−Y、回路A3およびLC直列体LC13で構成される列回路Yの動作について説明する。
低圧側MOSFETへのゲート信号GateL−Yによりセル回路A1−YのMos1L−Yがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCs1、Cs2に蓄えられた一部のエネルギが、
Cs1⇒Cs2⇒Di3L⇒Lr13⇒Cr13⇒Mos1L−Y
の経路でコンデンサCr13に移行する。
次いで、高圧側MOSFETへのゲート信号GateH−Yによりセル回路A1−YのMos1H−Yがオン状態となると、電圧差があるため、コンデンサCr13に充電されたエネルギが、
Cr13⇒Lr13⇒Di3H⇒Cs3⇒Cs2⇒Mos1H−Y
の経路で平滑コンデンサCs2、Cs3に移行する。
次に、セル回路A1−Z、回路A4およびLC直列体LC14で構成される列回路Zの動作について説明する。
低圧側MOSFETへのゲート信号GateL−Zによりセル回路A1−ZのMos1L−Zがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3に蓄えられた一部のエネルギが、
Cs1⇒Cs2⇒Cs3⇒Di4L⇒Lr14⇒Cr14⇒Mos1L−Z
の経路でコンデンサCr14に移行する。
次いで、高圧側MOSFETへのゲート信号GateH−Zによりセル回路A1−ZのMos1H−Zがオン状態となると、電圧差があるため、コンデンサCr14に充電されたエネルギが、
Cr14⇒Lr14⇒Di4H⇒Cs4⇒Cs3⇒Cs2⇒Mos1H−Z
の経路で平滑コンデンサCs2、Cs3、Cs4に移行する。
このように、コンデンサCr12、Cr13、Cr14の充放電により、平滑コンデンサCs1から平滑コンデンサCs2、Cs3、Cs4にエネルギを移行する。そして、電圧端子VLとVcom間に入力された電圧V1を、約4倍に昇圧された電圧V2にして電圧端子VHとVcom間に出力する。また、各コンデンサCr12、Cr13、Cr14には、インダクタLr12、Lr13、Lr14が直列に接続されてLC直列体LC12、LC13、LC14を構成するため、上記エネルギの移行は共振現象を利用したものとなり、大きなエネルギ量を効率よく移行できる。
また、この実施の形態では、整流回路A2〜A4にダイオードを用いたため、MOSFETを用いたものに比して導通損失が増大するが、駆動用の電源や回路が不要になる。
以上のように各列回路X、Y、Zは動作するものであるが、各列回路X、Y、Zを駆動する駆動信号は、上記実施の形態1と同様に、周期をT(LC直列体にて定まる共振周期)として一致させると共に、各列回路間で位相をT/3ずつずらして駆動している(図3参照)。これにより、上記実施の形態1と同様に、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4の充放電タイミングがずれ、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3に流れる電流が1周期内で分散して発生すると共に、充放電電流を列回路間で融通し合うため、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3に流れる交流電流(リプル電流)が低減する。また、このような平滑コンデンサのリプル電流低減により、上記実施の形態1と同様に、信頼性の向上、電力変換効率の向上、および装置構成の小型化が図れる。
なお、この実施の形態では、4段の回路A1〜A4の内、整流回路A2〜A4を構成する素子にダイオードを用いたDC/DC電力変換装置内に3つの列回路を備えたが、上記実施の形態3と同様に、回路A1を2つのセル回路で構成してDC/DC電力変換装置内に2つの列回路を備えるようにしても良い。その場合、各列回路を駆動する駆動信号は、周期をTとして一致させると共に、各列回路間で位相をT/2ずらして駆動することにより、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3に流れる交流電流(リプル電流)が効果的に低減できる。
また、ダイオードを用いた整流回路は3個以外の複数個でも良く、駆動用インバータ回路として動作する第1の回路A1と整流回路A2〜Anとのn段の回路A1〜Anを備えて昇圧比nであるDC/DC電力変換装置において、第1の回路A1を(n−1)個のセル回路を並列接続して構成し、DC/DC電力変換装置内に(n−1)個の列回路を構成しても良い。その場合、各列回路を、駆動周期を一致させると共に各列回路毎に2π/(n−1)(rad)ずつ位相をずらして駆動することにより、平滑コンデンサのリプル電流が減少する効果が得られる。また、列回路の数を増加するほど平滑コンデンサに流れる電流が1周期内でさらに分散して発生するため、効果的にリプル電流が低減できる。
また、列回路の個数をmとすると、各列回路間で2π/m(rad)ずつ位相をずらして駆動するのが最も効果的であるが、位相差は、これに限らず、各列回路間で位相をずらすことにより、平滑コンデンサへの充放電電流を列回路間で融通し合えるため、リプル電流低減の効果がある。
実施の形態6.
次に、この発明の実施の形態5によるDC/DC電力変換装置について説明する。
図10はこの発明の実施の形態5によるDC/DC電力変換装置の回路構成を示すものである。図に示すように、DC/DC電力変換装置は、3個のセル回路A1−X、A1−Y、A1−Zを並列接続した第1の回路としての回路A1、および3個の第2の回路としての回路A2〜A4から成る4段の回路A1〜A4と、駆動用電源Vs2、Vs3、Vs4と、入出力電圧を平滑化し、またエネルギ移行のための電圧源としても機能する平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4と、制御回路130と、入出力電圧端子Vcom、VL、VHとを備える。そして、電圧端子VH−Vcom間に入力された電圧V2を、約1/4倍に降圧された電圧V1にして電圧端子VL−Vcom間に出力する機能を有する。
第2の回路A2〜A4は、低圧側素子、高圧側素子としての2つのMOSFET(Mos2L、Mos2H)(Mos3L、Mos3H)(Mos4L、Mos4H)を直列接続して、各平滑コンデンサCs2、Cs3、Cs4の両端子間に接続して構成される駆動用インバータ回路である。各セル回路A1−X、A1−Y、A1−Zは、低圧側素子、高圧側素子としての2つのダイオード(Di1L−X、Di1H−X)(Di1L−Y、Di1H−Y)(Di1L−Z、Di1H−Z)をそれぞれ直列接続して構成され、第1の回路A1は、セル回路A1−X、A1−Y、A1−Zを並列接続して、平滑コンデンサCs1の両端子間に接続して構成される整流回路である。また、3つの回路A2、A3、A4と回路A1とを直列接続して4段回路が構成される。
そして、各セル回路A1−X、A1−Y、A1−Zおよび回路A2、A3、A4内の2つの素子(MOSFETあるいはダイオード)の接続点を中間端子として、セル回路A1−Xと回路A2との中間端子間に、コンデンサCr12およびインダクタLr12の直列体で構成されエネルギ移行素子として機能するLC直列体LC12を接続する。同様に、セル回路A1−Yと回路A3との中間端子間、セル回路A1−Zと回路A4との中間端子間に、コンデンサCr13、Cr14およびインダクタLr13、Lr14の直列体で構成されエネルギ移行素子として機能するLC直列体LC13、LC14を接続する。各段のインダクタLrとコンデンサCrのインダクタンス値と容量値から定まる共振周期の値は、それぞれ等しくなるように設定されている。
これにより、セル回路A1−X、回路A2およびLC直列体LC12で構成される列回路Xと、セル回路A1−Y、回路A3およびLC直列体LC13で構成される列回路Yと、セル回路A1−Z、回路A4およびLC直列体LC14で構成される列回路Zとの3つの列回路X、Y、ZがDC/DC電力変換装置内に構成される。
また、DC/DC電力変換装置は、各第2の回路A2、A3、A4内のMOSFETを駆動するための、ゲート駆動回路112、113、114およびフォトカプラ(122L、122H)、(123L、123H)、(124L、124H)を備える。
なお、各MOSFETは、ソース、ドレイン間に寄生ダイオードが形成されているパワーMOSFETである。
次に、動作について説明する。
上記実施の形態2と同様に、列回路Xでは、回路A2が駆動用インバータ回路として動作し、セル回路A1−Xが整流回路として動作する。列回路Yでは、回路A3が駆動用インバータ回路として動作し、セル回路A1−Yが整流回路として動作する。列回路Zでは、回路A4が駆動用インバータ回路として動作し、セル回路A1−Zが整流回路として動作する。
制御回路130から各列回路X、Y、Z毎にゲート信号(GateL−X、GateH−X)、(GateL−Y、GateH−Y)、(GateL−Z、GateH−Z)が出力され、これらゲート信号により各列回路X、Y、Zが駆動される。
列回路X、Y、Z毎のゲート信号(GateL−X、GateH−X)、(GateL−Y、GateH−Y)、(GateL−Z、GateH−Z)は上記各実施の形態と同様であり、各回路内のMOSFETに流れる電流とゲート信号との関係も上記実施の形態2の図5で示したものと同様である。
平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4の容量値は、LC直列体のコンデンサCr12、Cr13、Cr14の容量値と比較して十分大きな値に設定される。
電圧端子VH−Vcom間に入力された電圧V2を、約1/4倍に降圧された電圧V1にして電圧端子VL−Vcom間に出力するため、電圧端子VL−Vcom間に負荷が接続され、電圧V2は4×V1よりも高い値となっている。定常状態では、平滑コンデンサCs1には電圧V1の電圧が充電されており、平滑コンデンサCs2、Cs3、Cs4には平均的に(V2−V1)/3の電圧が充電されている。
セル回路A1−X、回路A2およびLC直列体LC12で構成される列回路Xの動作について説明する。
高圧側MOSFETへのゲート信号GateH−Xにより回路A2のMos2Hがオン状態となると、電圧差があるため、コンデンサCs2に蓄えられた一部のエネルギが、
Cs2⇒Mos2H⇒Lr12⇒Cr12⇒Di1H−X
の経路でコンデンサCr12に移行する。
次いで、低圧側MOSFETへのゲート信号GateL−Xにより回路A2のMos2Lがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCr12に充電されたエネルギが、
Cr12⇒Lr12⇒Mos2L⇒Cs1⇒Di1L−X
の経路で平滑コンデンサCs1に移行する。
次に、セル回路A1−Y、回路A3およびLC直列体LC13で構成される列回路Yの動作について説明する。
高圧側MOSFETへのゲート信号GateH−Yにより回路A3のMos3Hがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCs2、Cs3に蓄えられた一部のエネルギが、
Cs2⇒Cs3⇒Mos3H⇒Lr13⇒Cr13⇒Di1H−Y
の経路でコンデンサCr13に移行する。
次いで、低圧側MOSFETへのゲート信号GateL−Yにより回路A3のMos3Lがオン状態となると、電圧差があるため、コンデンサCr13に充電されたエネルギが、
Cr13⇒Lr13⇒Mos3H⇒Cs2⇒Cs1⇒Di1L−Y
の経路で平滑コンデンサCs1、Cs2に移行する。
次に、セル回路A1−Z、回路A4およびLC直列体LC14で構成される列回路Zの動作について説明する。
高圧側MOSFETへのゲート信号GateH−Zにより回路A4のMos4Hがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCs2、Cs3、Cs4に蓄えられた一部のエネルギが、
Cs2⇒Cs3⇒Cs4⇒Mos4H⇒Lr14⇒Cr14⇒Di1H−Z
の経路でコンデンサCr14に移行する。
次いで、低圧側MOSFETへのゲート信号GateL−Zにより回路A4のMos4Lがオン状態となると、電圧差があるため、コンデンサCr14に充電されたエネルギが、
Cr14⇒Lr14⇒Mos4L⇒Cs3⇒Cs2⇒Cs1⇒Di1L−Z
の経路で平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3に移行する。
このように、コンデンサCr12、Cr13、Cr14の充放電により、平滑コンデンサCs2、Cs3、Cs4から平滑コンデンサCs1にエネルギを移行する。そして、電圧端子VHとVcom間に入力された電圧V2を、約1/4倍に降圧された電圧V1にして電圧端子VLとVcom間に出力する。また、各コンデンサCr12、Cr13、Cr14には、インダクタLr12、Lr13、Lr14が直列に接続されてLC直列体LC12、LC13、LC14を構成するため、上記エネルギの移行は共振現象を利用したものとなり、大きなエネルギ量を効率よく移行できる。
また、この実施の形態では、整流回路A1内のセル回路A1−X、A1−Y、A1−Zににダイオードを用いたため、MOSFETを用いたものに比して導通損失が増大するが、駆動用の電源や回路が不要になる。
以上のように各列回路X、Y、Zは動作するものであるが、各列回路X、Y、Zを駆動する駆動信号は、上記実施の形態1、2と同様に、周期をT(LC直列体にて定まる共振周期)として一致させると共に、各列回路間で位相をT/3ずつずらして駆動している(図3参照)。これにより、上記実施の形態2と同様に、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4の充放電タイミングがずれ、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3に流れる電流が1周期内で分散して発生すると共に、充放電電流を列回路間で融通し合うため、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3に流れる交流電流(リプル電流)が低減する。また、このような平滑コンデンサのリプル電流低減により、上記実施の形態2と同様に、信頼性の向上、電力変換効率の向上、および装置構成の小型化が図れる。
なお、この実施の形態では、4段の回路A1〜A4の内、整流回路A1を構成する素子にダイオードを用いたDC/DC電力変換装置内に3つの列回路を備えたが、上記実施の形態4と同様に、回路A1を2つのセル回路で構成してDC/DC電力変換装置内に2つの列回路を備えるようにしても良い。その場合、各列回路を駆動する駆動信号は、周期をTとして一致させると共に、各列回路間で位相をT/2ずらして駆動することにより、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3に流れる交流電流(リプル電流)が効果的に低減できる。
また、列回路の個数は3個に限るものではなく、整流回路として動作する第1の回路A1と整流回路A2〜Anとのn段の回路A1〜Anを備えて降圧比nであるDC/DC電力変換装置において、第1の回路A1を、ダイオード素子を用いた(n−1)個のセル回路を並列接続して構成し、DC/DC電力変換装置内に(n−1)個の列回路を構成しても良い。その場合、各列回路を、駆動周期を一致させると共に各列回路毎に2π/(n−1)(rad)ずつ位相をずらして駆動することにより、平滑コンデンサのリプル電流が減少する効果が得られる。また、列回路の数を増加するほど平滑コンデンサに流れる電流が1周期内でさらに分散して発生するため、効果的にリプル電流が低減できる。
また、列回路の個数をmとすると、各列回路間で2π/m(rad)ずつ位相をずらして駆動するのが最も効果的であるが、位相差は、これに限らず、各列回路間で位相をずらすことにより、平滑コンデンサへの充放電電流を列回路間で融通し合えるため、リプル電流低減の効果がある。
実施の形態7.
次に、この発明の実施の形態7によるDC/DC電力変換装置について説明する。
図11はこの発明の実施の形態7によるDC/DC電力変換装置の回路構成を示すものである。図に示すように、DC/DC電力変換装置は、2個のセル回路B2−X、B2−Yを並列接続した第1の回路としての回路B2、および3個の第2の回路としての回路B1、B3、B4から成る4段の回路B1〜B4と、駆動用電源Vs1、Vs2、Vs3、Vs4と、入出力電圧を平滑化し、またエネルギ移行のための電圧源としても機能する平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4と、制御回路130と、入出力電圧端子Vcom、VLl、VLh、VHとを備える。そして、電圧端子VLhとVLl間に入力された電圧V1を、約4倍に昇圧された電圧V2にして電圧端子VHとVcom間に出力する機能を有する。
回路B2は、低圧側素子、高圧側素子としての2つのMOSFET(Mos2L−X、Mos2H−X)(Mos2L−Y、Mos2H−Y)を直列接続したセル回路B2−X、B2−Yを並列接続して、平滑コンデンサCs2の両端子間に接続して構成される。回路B1、B3、B4は、低圧側素子、高圧側素子としての2つのMOSFET(Mos1L、Mos1H)(Mos3L、Mos3H)(Mos4L、Mos4H)を直列接続して、各平滑コンデンサCs1、Cs3、Cs4の両端子間に接続して構成される。また、3つの回路B1、B3、B4と回路B2とを、B1、B2、B3、B4の順に直列接続して4段回路が構成される。
そして、各セル回路B2−X、B2−Yおよび第2の回路B1、B3、B4内の2つのMOSFETの接続点を中間端子として、セル回路B2−Xと2つの回路B1、B3との中間端子間に、エネルギ移行用のコンデンサCr21、Cr23およびインダクタLr21、Lr23の直列体で構成されエネルギ移行素子として機能するLC直列体LC21、LC23を接続する。また、セル回路B2−Yと回路B4との中間端子間に、エネルギ移行用のコンデンサCr24およびインダクタLr24の直列体で構成されエネルギ移行素子として機能するLC直列体LC24を接続する。各段のインダクタLrとコンデンサCrのインダクタンス値と容量値から定まる共振周期の値は、それぞれ等しくなるように設定されている。
これにより、セル回路B2−X、回路B1、B3およびLC直列体LC21、LC23で構成される列回路Xと、セル回路B2−Y、回路B4およびLC直列体LC24で構成される列回路Yとの2つの列回路X、YがDC/DC電力変換装置内に構成される。
また、DC/DC電力変換装置は、各セル回路B2−X、B2−Yおよび回路B1、B3、B4内のMOSFETを駆動するための、ゲート駆動回路112−X、112−Y、111、113、114およびフォトカプラ(122L−X、122H−X)、(122L−Y、122H−Y)、(121L、121H)、(123L、123H)、(124L、124H)を備える。
なお、各MOSFETは、ソース、ドレイン間に寄生ダイオードが形成されているパワーMOSFETである。
この実施の形態では、2個のセル回路B2−X、B2−Yで構成される第1の回路B2は、他の回路に挟まれた中間に位置する回路であり、このような中間に位置する第1の回路の平滑コンデンサCs2の正負端子に電圧端子VLh、VLlを接続して電圧V1が入力される。
次に、動作について説明する。
第1の回路である回路B2は、電圧端子VLh−VLl間に入力されるエネルギを、回路B2を構成する各セル回路B2−X、B2−Y内のMOSFETのオンオフ動作により高電圧側に送る駆動用インバータ回路として動作する。即ち、各セル回路B2−X、B2−Yが駆動用インバータ回路として用いられる。
列回路Xでは、セル回路B2−Xが駆動用インバータ回路として動作し、回路B3、B4が整流回路として動作する。列回路Yでは、セル回路B2−Yが駆動用インバータ回路として動作し、回路B3が整流回路として動作する。
制御回路130から各列回路X、Y毎にゲート信号(GateL−X、GateH−X)、(GateL−Y、GateH−Y)が出力され、これらのゲート信号により各列回路X、Yが駆動される。
列回路X、Y毎のゲート信号(GateL−X、GateH−X)、(GateL−Y、GateH−Y)は上記各実施の形態と同様であり、各回路内のMOSFETに流れる電流とゲート信号との関係も上記実施の形態1の図2で示したものと同様である。
平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4の容量値は、LC直列体のコンデンサCr21、Cr23、Cr24の容量値と比較して十分大きな値に設定される。
上述したように、電圧端子VLh−VLl間に入力された電圧V1を、約4倍に昇圧された電圧V2にして電圧端子VH−Vcom間に出力するため、電圧端子VH−Vcom間に負荷が接続され、電圧V2は4×V1よりも低い値となっている。定常状態では、平滑コンデンサCs2には電圧V1の電圧が充電されており、平滑コンデンサCs1、Cs3、Cs4には平均的に(V2−V1)/3の電圧が充電されている。
セル回路B2−X、回路B1、B3およびLC直列体LC21、LC23で構成される列回路Xの動作について説明する。
低圧側MOSFETへのゲート信号GateL−Xにより、セル回路B2−Xおよび回路B1、B3の低圧側MOSFETであるMos2L−X、Mos1L、Mos3Lがオン状態となると、電圧差があるため、コンデンサCr21に充電されたエネルギが平滑コンデンサCs1に、平滑コンデンサCs2に蓄えられた一部のエネルギがコンデンサCr23に、以下に示す経路で移行する。
Mos1L⇒Cr21⇒Lr21⇒Mos2L−X⇒Cs1
Cs2⇒Mos3L⇒Lr23⇒Cr23⇒Mos2L−X
次いで、高圧側MOSFETへのゲート信号GateH−Xにより、セル回路B2−Xおよび回路B1、B3の高圧側MOSFETであるMos1H−X、Mos1H、Mos3Hがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCs2に蓄えられていた一部のエネルギがコンデンサCr21に、コンデンサCr23に充電されたエネルギが平滑コンデンサCs3に、以下に示す経路で移行する。
Cs2⇒Mos2H−X⇒Lr21⇒Cr21⇒Mos1H
Cs2⇒Mos2H−X⇒Cr23⇒Lr23⇒Mos3H⇒Cs3
次に、セル回路B2−Y、回路B4およびLC直列体LC24で構成される列回路Yの動作について説明する。
低圧側MOSFETへのゲート信号GateL−Yにより、セル回路B2−Yおよび回路B4の低圧側MOSFETであるMos2L−Y、Mos4Lがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCs2、Cs3に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCr24に移行する。
Cs2⇒Cs3⇒Mos4L⇒Lr24⇒Cr24⇒Mos2L−Y
次いで、高圧側MOSFETへのゲート信号GateH−Yにより、セル回路B2−Yおよび回路B4の高圧側MOSFETであるMos2H−Y、Mos4Hがオン状態となると、電圧差があるため、コンデンサCr24に充電されたエネルギが、以下に示す経路で平滑コンデンサCs3、Cs4に移行する。
Mos2H−Y⇒Cr24⇒Lr24⇒Mos4H⇒Cs4⇒Cs3
このように、コンデンサCr21、Cr23、Cr24の充放電により、平滑コンデンサCs2から平滑コンデンサCs1、Cs3、Cs4にエネルギを移行する。そして、電圧端子VLhとVLl間に入力された電圧V1を、約4倍に昇圧された電圧V2にして電圧端子VHとVcom間に出力する。また、各コンデンサCr21、Cr23、Cr24には、インダクタLr21、Lr23、Lr24が直列に接続されてLC直列体LC21、LC23、LC24を構成するため、上記エネルギの移行は共振現象を利用したものとなり、大きなエネルギ量を効率よく移行できる。
また、この実施の形態では、整流回路B1、B3、B4にMOSFETを用いたため、ダイオードを用いたものに比して導通損失が低減でき、電力変換の効率が向上できる。
以上のように各列回路X、Yは動作するものであるが、各列回路X、Yを駆動する駆動信号は、上記実施の形態3と同様に、周期をT(LC直列体にて定まる共振周期)として一致させると共に、各列回路間で位相をT/2ずらして駆動している(図7参照)。
これにより、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4の充放電タイミングがずれ、この場合、平滑コンデンサCs3に流れる電流が1周期内で分散して発生すると共に、充放電電流を列回路間で融通し合うため、平滑コンデンサCs3に流れる交流電流(リプル電流)が大きく低減する。平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs4については、位相をずらさずに駆動した場合とリプル電流は同程度である。
また、このような平滑コンデンサのリプル電流低減により、信頼性の向上、電力変換効率の向上、および装置構成の小型化が図れる。
上記実施の形態では、セル回路B2−X、回路B1、B3およびLC直列体LC21、LC23で構成される列回路Xと、セル回路B2−Y、回路B4およびLC直列体LC24で構成される列回路Yとの2つの列回路X、YをDC/DC電力変換装置内に構成したが、2つの列回路の組み合わせはこれに限るものではない。また、列回路の個数も3個以上としても良い。その場合も、他の回路に挟まれた中間に位置する回路を複数(m個)のセル回路の並列構成による第1の回路とし、該第1の回路に接続される平滑コンデンサの正負端子に電圧端子を接続し、m個の列回路を構成する。そして、各列回路を駆動する駆動信号は、周期を一致させると共に、各列回路間で位相を2π/m(rad)ずつずらして駆動することにより、平滑コンデンサに流れる交流電流(リプル電流)が効果的に低減できる。
なお、位相差は、これに限らず、各列回路間で位相をずらすことにより、平滑コンデンサへの充放電電流を列回路間で融通し合えるため、リプル電流低減の効果がある。
また、この実施の形態では、電圧端子VLh−VLl間に入力される電圧V1を約4倍に昇圧して、電圧端子VH−Vcom間に電圧V2として出力するDC/DC電力変換装置について説明したが、実施の形態2や4のように、電圧V2からV2の約1/4の電圧V1へ降圧する動作も可能である。さらに、V1×4>V2のとき昇圧動作を行い、V1×4<V2のときに降圧動作を行うようにして双方向のエネルギ移行を実現することもできる。
また、この実施の形態では、整流回路B1、B3、B4にMOSFETを用いたが、実施の形態5、6のように整流回路をダイオードで構成してもよい。
実施の形態8.
次に、この発明の実施の形態8によるDC/DC電力変換装置について説明する。
図12はこの発明の実施の形態8によるDC/DC電力変換装置の回路構成を示すものである。図に示すように、DC/DC電力変換装置は、2個のセル回路A1−X、A1−Yを並列接続した第1の回路としての回路A1、および3個の第2の回路としての回路A2〜A4から成る4段の回路A1〜A4と、駆動用電源Vs1、Vs2、Vs3、Vs4と、入出力電圧を平滑化し、またエネルギ移行のための電圧源としても機能する平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4と、制御回路130と、入出力電圧端子Vcom、VL、VHとを備える。そして、電圧端子VLとVcom間に入力された電圧V1を、約4倍に昇圧された電圧V2にして電圧端子VHとVcom間に出力する機能を有する。
各セル回路A1−X、A1−Yおよび第2の回路A2〜A4は、上記実施の形態1と同様に、低圧側素子、高圧側素子としての2つのMOSFETを直列接続して構成され、第1の回路A1は、セル回路A1−X、A1−Yを並列接続して、平滑コンデンサCs1の両端子間に接続して構成される。また、各平滑コンデンサCs2、Cs3、Cs4の両端子間に接続した3つの回路A2、A3、A4と回路A1とを直列接続して4段回路が構成される。
そして、各セル回路A1−X、A1−Yおよび回路A2、A3、A4内の2つのMOSFETの接続点を中間端子として、セル回路A1−Yと回路A4との中間端子間に、コンデンサCr14およびインダクタLr14の直列体で構成されエネルギ移行素子として機能するLC直列体LC14を接続する。また、セル回路A1−X、回路A2、回路A3の順に並んで直列接続される3つの回路の各隣接回路間となる中間端子間に、コンデンサCr12、Cr23およびインダクタLr12、Lr23の直列体で構成されエネルギ移行素子として機能するLC直列体LC12、LC23を接続する。各段のインダクタLrとコンデンサCrのインダクタンス値と容量値から定まる共振周期の値は、それぞれ等しくなるように設定されている。
これにより、セル回路A1−X、回路A2、A3と、セル回路A1−X、回路A2間のLC直列体LC12と、回路A2、回路A3間のLC直列体LC23とで構成される列回路Xと、セル回路A1−Y、回路A4とLC直列体LC14とで構成される列回路Yとの2つの列回路X、YがDC/DC電力変換装置内に構成される。
また、DC/DC電力変換装置は、各セル回路A1−X、A1−Yおよび回路A2、A3、A4内のMOSFETを駆動するための、ゲート駆動回路111−X、111−Y、112〜114およびフォトカプラ(121L−X、121H−X)、(121L−Y、121H−Y)、(122L、122H)〜(124L、124H)を備える。
次に、動作について説明する。
第1の回路である回路A1は、電圧端子VL−Vcom間に入力されるエネルギを高電圧側に送る駆動用インバータ回路として動作する。即ち、各セル回路A1−X、A1−Yが駆動用インバータ回路として用いられる。
列回路Xでは、セル回路A1−Xが駆動用インバータ回路として動作し、回路A2、A3が整流回路として動作する。列回路Yでは、セル回路A1−Yが駆動用インバータ回路として動作し、回路A4が整流回路として動作する。
制御回路130から各列回路X、Y毎にゲート信号(GateL−X、GateH−X)、(GateL−Y、GateH−Y)が出力され、これらのゲート信号により各列回路X、Yが駆動される。
列回路X、Y毎のゲート信号(GateL−X、GateH−X)、(GateL−Y、GateH−Y)は上記各実施の形態と同様であり、各回路内のMOSFETに流れる電流とゲート信号との関係も上記実施の形態1の図2で示したものと同様である。
平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4の容量値は、LC直列体のコンデンサCr12、Cr23、Cr14の容量値と比較して十分大きな値に設定される。
上述したように、電圧端子VL−Vcom間に入力された電圧V1を、約4倍に昇圧された電圧V2にして電圧端子VH−Vcom間に出力するため、電圧端子VH−Vcom間に負荷が接続され、電圧V2は4×V1よりも低い値となっている。定常状態では、平滑コンデンサCs1には電圧V1の電圧が充電されており、平滑コンデンサCs2、Cs3、Cs4には平均的に(V2−V1)/3の電圧が充電されている。
セル回路A1−X、回路A2、A3およびLC直列体LC12、LC23で構成される列回路Xの動作について説明する。
低圧側MOSFETへのゲート信号GateL−Xにより、セル回路A1−Xおよび回路A2、A3の低圧側MOSFETであるMos1L−X、Mos2L、Mos3Lがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCs1、Cs2に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCr12、Cr23に移行する。
Cs1⇒Mos2L⇒Lr12⇒Cr12⇒Mos1L−X
Cs1⇒Cs2⇒Mos3L⇒Lr23⇒Cr23⇒Lr12⇒Cr12⇒Mos1L−X
次いで、高圧側MOSFETへのゲート信号GateH−Xにより、セル回路A1−Xおよび回路A2、A3の高圧側MOSFETであるMos1H−X、Mos2H、Mos3Hがオン状態となると、電圧差があるため、コンデンサCr12、Cr23に充電されたエネルギが、以下に示す経路で平滑コンデンサCs2、Cs3に移行する。
Mos1H−X⇒Cr12⇒Lr12⇒Mos2H⇒Cs2
Mos1H−X⇒Cr12⇒Lr12⇒Cr23⇒Lr23⇒Mos3H⇒Cs3⇒Cs2
セル回路A1−Y、回路A4およびLC直列体LC14で構成される列回路Yの動作について説明する。
低圧側MOSFETへのゲート信号GateL−Yにより、セル回路A1−Yおよび回路A4の低圧側MOSFETであるMos1L−Y、Mos4Lがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCr14に移行する。
Cs1⇒Cs2⇒Cs3⇒Mos4L⇒Lr14⇒Cr14⇒Mos1L−Y
次いで、高圧側MOSFETへのゲート信号GateH−Yにより、セル回路A1−Yおよび回路A4の高圧側MOSFETであるMos1H−Y、Mos4Hがオン状態となると、電圧差があるため、コンデンサCr14に充電されたエネルギが、以下に示す経路で平滑コンデンサCs2、Cs3、Cs4に移行する。
Mos1H−Y⇒Cr14⇒Lr14⇒Mos4H⇒Cs4⇒Cs3⇒Cs2
このように、コンデンサCr12、Cr23、Cr14の充放電により、平滑コンデンサCs1から平滑コンデンサCs2、Cs3、Cs4にエネルギを移行する。そして、電圧端子VLとVcom間に入力された電圧V1を、約4倍に昇圧された電圧V2にして電圧端子VHとVcom間に出力する。また、各コンデンサCr12、Cr23、Cr14には、インダクタLr12、Lr23、Lr14が直列に接続されてLC直列体LC12、LC13、LC14を構成するため、上記エネルギの移行は共振現象を利用したものとなり、大きなエネルギ量を効率よく移行できる。
また、この実施の形態では、整流回路A2、A3、A4にMOSFETを用いたため、ダイオードを用いたものに比して導通損失が低減でき、電力変換の効率が向上できる。
以上のように各列回路X、Yは動作するものであるが、各列回路X、Yを駆動する駆動信号は、上記実施の形態3と同様に、周期をT(LC直列体にて定まる共振周期)として一致させると共に、各列回路間で位相をT/2ずらして駆動している(図7参照)。
これにより、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs4の充放電タイミングがずれ、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3に流れる電流が1周期内で分散して発生すると共に、充放電電流を列回路間で融通し合うため、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3に流れる交流電流(リプル電流)が低減する。また、このような平滑コンデンサのリプル電流低減により、信頼性の向上、電力変換効率の向上、および装置構成の小型化が図れる。
上記実施の形態では、セル回路A1−X、回路A2、A3およびLC直列体LC12、LC23で構成される列回路Xと、セル回路A1−Y、回路A4およびLC直列体LC14で構成される列回路Yとの2つの列回路X、YをDC/DC電力変換装置内に構成したが、2つの列回路の組み合わせはこれに限るものではない。また、列回路の個数(m)も3以上としても良い。その場合も、セル回路と2以上の第2の回路との並んで直列接続される3以上の回路と、これらの各隣接回路間となる中間端子間にそれぞれ接続されるLC直列体とで構成される列回路を備える。そして、各列回路を駆動する駆動信号は、周期を一致させると共に、各列回路間で位相を2π/m(rad)ずつずらして駆動することにより、平滑コンデンサに流れる交流電流(リプル電流)が効果的に低減できる。
なお、位相差は、これに限らず、各列回路間で位相をずらすことにより、平滑コンデンサへの充放電電流を列回路間で融通し合えるため、リプル電流低減の効果がある。
また、この実施の形態では、電圧端子VLh−VLl間に入力される電圧V1を約4倍に昇圧して、電圧端子VH−Vcom間に電圧V2として出力するDC/DC電力変換装置について説明したが、実施の形態2や4のように、電圧V2からV2の約1/4の電圧V1へ降圧する動作も可能である。さらに、V1×4>V2のとき昇圧動作を行い、V1×4<V2のときに降圧動作を行うようにして双方向のエネルギ移行を実現することもできる。
また、この実施の形態では、整流回路A2、A3、A4にMOSFETを用いたが、実施の形態5、6のように整流回路をダイオードで構成してもよい。
実施の形態9.
次に、この発明の実施の形態9によるDC/DC電力変換装置について説明する。
図13はこの発明の実施の形態9によるDC/DC電力変換装置の回路構成を示すもので、図6に示した実施の形態3によるDC/DC電力変換装置において、平滑コンデンサの配置を変更したものである。その他の構成は図6に示すものと同じであり、電圧端子VLとVcom間に入力された電圧V1を、約4倍に昇圧された電圧V2にして電圧端子VHとVcom間に出力する機能を有するのも同じである。実施の形態3と異なる点は、平滑コンデンサCs4が無く、電圧端子VHとVcomの間、即ち、回路A4の高圧側端子と回路A1の低圧側端子との間に高圧側平滑コンデンサとしての平滑コンデンサCs40を配置したことである。
次に、動作について説明する。
上記実施の形態3と同様に、第1の回路である回路A1は、電圧端子VL−Vcom間に入力されるエネルギを高電圧側に送る駆動用インバータ回路として動作する。即ち、各セル回路A1−X、A1−Yが駆動用インバータ回路として用いられる。列回路Xでは、セル回路A1−Xが駆動用インバータ回路として動作し、回路A2、A4が整流回路として動作する。列回路Yでは、セル回路A1−Yが駆動用インバータ回路として動作し、回路A3が整流回路として動作する。
上記実施の形態3と同様に、制御回路130から各列回路X、Y毎にゲート信号(GateL−X、GateH−X)、(GateL−Y、GateH−Y)が出力され、これらのゲート信号により各列回路X、Yが駆動される。
また、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs40の容量値は、LC直列体のコンデンサCr12、Cr13、Cr14の容量値と比較して十分大きな値に設定される。
上述したように、電圧端子VL−Vcom間に入力された電圧V1を、約4倍に昇圧された電圧V2にして電圧端子VH−Vcom間に出力するため、電圧端子VH−Vcom間に負荷が接続され、電圧V2は4×V1よりも低い値となっている。定常状態では、平滑コンデンサCs1には電圧V1の電圧が充電されており、平滑コンデンサCs2、Cs3には平均的に(V2−V1)/3の電圧が充電されている。平滑コンデンサCs40には、電圧V2の電圧が充電されている。
セル回路A1−X、回路A2、A4およびLC直列体LC12、LC14で構成される列回路Xの動作について説明する。
低圧側MOSFETへのゲート信号GateL−Xにより、セル回路A1−Xおよび回路A2、A4の低圧側MOSFETであるMos1L−X、Mos2L、Mos4Lがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCr12、Cr14に移行する。
Cs1⇒Mos2L⇒Lr12⇒Cr12⇒Mos1L−X
Cs1⇒Cs2⇒Cs3⇒Mos4L⇒Lr14⇒Cr14⇒Mos1L−X
次いで、高圧側MOSFETへのゲート信号GateH−Xにより、セル回路A1−Xおよび回路A2、A4の高圧側MOSFETであるMos1H−X、Mos2H、Mos4Hがオン状態となると、電圧差があるため、コンデンサCr12、Cr14に充電されたエネルギが、以下に示す経路で平滑コンデンサCs2、Cs40に移行する。
Mos1H−X⇒Cr12⇒Lr12⇒Mos2H⇒Cs2
Cs1⇒Mos1H−X⇒Cr14⇒Lr14⇒Mos4H⇒Cs40
次に、セル回路A1−Y、回路A3およびLC直列体LC13で構成される列回路Yの動作について説明する。
低圧側MOSFETへのゲート信号GateL−Yにより、セル回路A1−Yおよび回路A3の低圧側MOSFETであるMos1L−Y、Mos3Lがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCs1、Cs2に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCr13に移行する。
Cs1⇒Cs2⇒Mos3L⇒Lr13⇒Cr13⇒Mos1L−Y
次いで、高圧側MOSFETへのゲート信号GateH−Yにより、セル回路A1−Yおよび回路A3の高圧側MOSFETであるMos1H−Y、Mos3Hがオン状態となると、電圧差があるため、コンデンサCr13に充電されたエネルギが、以下に示す経路で平滑コンデンサCs2、Cs3に移行する。
Mos1H−Y⇒Cr13⇒Lr13⇒Mos3H⇒Cs3⇒Cs2
このように、コンデンサCr12、Cr13、Cr14の充放電により、平滑コンデンサCs1から平滑コンデンサCs2、Cs3、Cs40にエネルギを移行する。この実施の形態では、セル回路A1−Xおよび回路A4の高圧側MOSFETであるMos1H−X、Mos4Hがオンしたときのエネルギ移行の流れが、上記実施の形態3とは異なる。そして、電圧端子VLとVcom間に入力された電圧V1を、約4倍に昇圧された電圧V2にして電圧端子VHとVcom間に出力する。また、各コンデンサCr12、Cr13、Cr14には、インダクタLr12、Lr13、Lr14が直列に接続されてLC直列体LC12、LC13、LC14を構成するため、上記エネルギの移行は共振現象を利用したものとなり、大きなエネルギ量を効率よく移行できる。
またこの実施の形態でも、整流回路A2〜A4にMOSFETを用いたため、ダイオードを用いたものに比して導通損失が低減でき、電力変換の効率が向上できる。
以上のように各列回路X、Yは動作するものであるが、2つの列回路X、Yを備えたDC/DC電力変換装置全体の動作について、以下に説明する。
各列回路X、Y内のMOSFETを駆動するゲート信号GateH−X、GateH−Y、GateL−X、GateL−Yは、図7で示した実施の形態3と同じである。図7で示したように、各列回路X、Yを駆動する駆動信号は、周期をT(LC直列体にて定まる共振周期)として一致させると共に、各列回路間で位相をT/2ずつずらして駆動している。
例えば、V1の電圧72V、入力直流電流75Aの条件における、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs40に流れる電流を、上記実施の形態3の場合を比較例として図14に示す。縦軸は電流、横軸は時間である。図14に示すように、平滑コンデンサCs2とCs3のリプル電流はゼロとなって大きく低減する。この実施の形態の平滑コンデンサCs40のリプル電流と実施の形態3のCs4のリプル電流とは同じになる。平滑コンデンサCs1のリプル電流は大きくなるが、その大きさは実施の形態3の場合の1.06倍程度である。全体としてみると、この実施の形態では、上記実施の形態3と比較して平滑コンデンサのリプル電流が低減する。
以上のように、この実施の形態では、4段の回路A1、A2、A3、A4の内、駆動用インバータ回路として動作する第1の回路A1を2個のセル回路A1−X、A1−Yを並列接続して構成することで、DC/DC電力変換装置内に2つの列回路X、Yを構成した。そして、各列回路X、Yを、駆動周期を一致させると共に各列回路間で位相を2π/2(rad)ずらして駆動した。これにより、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3の充放電タイミングがずれ、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3に流れる電流が1周期内で分散して発生すると共に、充放電電流を列回路間で融通し合うため、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3に流れる交流電流(リプル電流)が低減する。さらに、平滑コンデンサCs40を電圧端子VHとVcomの間に設けたことにより、上記実施の形態3と比較してさらに平滑コンデンサのリプル電流を低減することができる。
このような平滑コンデンサのリプル電流低減により、信頼性の向上、電力変換効率の向上、および装置構成の小型化がさらに図れる。
実施の形態10.
次に、この発明の実施の形態10によるDC/DC電力変換装置について説明する。
図15はこの発明の実施の形態10によるDC/DC電力変換装置の回路構成を示すもので、図6に示した実施の形態3によるDC/DC電力変換装置において、平滑コンデンサの配置を、上記実施の形態9とは別の手法で変更したものである。その他の構成は図6に示すものと同じであり、電圧端子VLとVcom間に入力された電圧V1を、約4倍に昇圧された電圧V2にして電圧端子VHとVcom間に出力する機能を有するのも同じである。実施の形態3と異なる点は、平滑コンデンサCs4が無く、電圧端子VHとVLの間、即ち、回路A4の高圧側端子と回路A1の高圧側端子(回路A2の低圧側端子)との間に高圧側平滑コンデンサとしての平滑コンデンサCs41を配置したことである。
次に、動作について説明する。
上記実施の形態3、9と同様に、第1の回路である回路A1は、電圧端子VL−Vcom間に入力されるエネルギを高電圧側に送る駆動用インバータ回路として動作する。即ち、各セル回路A1−X、A1−Yが駆動用インバータ回路として用いられる。列回路Xでは、セル回路A1−Xが駆動用インバータ回路として動作し、回路A2、A4が整流回路として動作する。列回路Yでは、セル回路A1−Yが駆動用インバータ回路として動作し、回路A3が整流回路として動作する。
実施の形態3、9と同様に、制御回路130から各列回路X、Y毎にゲート信号(GateL−X、GateH−X)、(GateL−Y、GateH−Y)が出力され、これらのゲート信号により各列回路X、Yが駆動される。
また、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs41の容量値は、LC直列体のコンデンサCr12、Cr13、Cr14の容量値と比較して十分大きな値に設定される。
上述したように、電圧端子VL−Vcom間に入力された電圧V1を、約4倍に昇圧された電圧V2にして電圧端子VH−Vcom間に出力するため、電圧端子VH−Vcom間に負荷が接続され、電圧V2は4×V1よりも低い値となっている。定常状態では、平滑コンデンサCs1には電圧V1の電圧が充電されており、平滑コンデンサCs2、Cs3には平均的に(V2−V1)/3の電圧が充電され、平滑コンデンサCs41にはV2−V1の電圧が充電されている。
セル回路A1−X、回路A2、A4およびLC直列体LC12、LC14で構成される列回路Xの動作について説明する。
低圧側MOSFETへのゲート信号GateL−Xにより、セル回路A1−Xおよび回路A2、A4の低圧側MOSFETであるMos1L−X、Mos2L、Mos4Lがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCr12、Cr14に移行する。
Cs1⇒Mos2L⇒Lr12⇒Cr12⇒Mos1L−X
Cs1⇒Cs2⇒Cs3⇒Mos4L⇒Lr14⇒Cr14⇒Mos1L−X
次いで、高圧側MOSFETへのゲート信号GateH−Xにより、セル回路A1−Xおよび回路A2、A4の高圧側MOSFETであるMos1H−X、Mos2H、Mos4Hがオン状態となると、電圧差があるため、コンデンサCr12、Cr14に充電されたエネルギが、以下に示す経路で平滑コンデンサCs2、Cs41に移行する。
Mos1H−X⇒Cr12⇒Lr12⇒Mos2H⇒Cs2
Mos1H−X⇒Cr14⇒Lr14⇒Mos4H⇒Cs41
次に、セル回路A1−Y、回路A3およびLC直列体LC13で構成される列回路Yの動作について説明する。
低圧側MOSFETへのゲート信号GateL−Yにより、セル回路A1−Yおよび回路A3の低圧側MOSFETであるMos1L−Y、Mos3Lがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCs1、Cs2に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCr13に移行する。
Cs1⇒Cs2⇒Mos3L⇒Lr13⇒Cr13⇒Mos1L−Y
次いで、高圧側MOSFETへのゲート信号GateH−Yにより、セル回路A1−Yおよび回路A3の高圧側MOSFETであるMos1H−Y、Mos3Hがオン状態となると、電圧差があるため、コンデンサCr13に充電されたエネルギが、以下に示す経路で平滑コンデンサCs2、Cs3に移行する。
Mos1H−Y⇒Cr13⇒Lr13⇒Mos3H⇒Cs3⇒Cs2
このように、コンデンサCr12、Cr13、Cr14の充放電により、平滑コンデンサCs1から平滑コンデンサCs2、Cs3、Cs41にエネルギを移行する。この実施の形態では、セル回路A1−Xおよび回路A4の高圧側MOSFETであるMos1H−X、Mos4Hがオンしたときのエネルギ移行の流れが、実施の形態3および9とは異なる。そして、電圧端子VLとVcom間に入力された電圧V1を、約4倍に昇圧された電圧V2にして電圧端子VHとVcom間に出力する。また、各コンデンサCr12、Cr13、Cr14には、インダクタLr12、Lr13、Lr14が直列に接続されてLC直列体LC12、LC13、LC14を構成するため、上記エネルギの移行は共振現象を利用したものとなり、大きなエネルギ量を効率よく移行できる。
またこの実施の形態でも、整流回路A2〜A4にMOSFETを用いたため、ダイオードを用いたものに比して導通損失が低減でき、電力変換の効率が向上できる。
以上のように各列回路X、Yは動作するものであるが、2つの列回路X、Yを備えたDC/DC電力変換装置全体の動作について、以下に説明する。
各列回路X、Y内のMOSFETを駆動するゲート信号GateH−X、GateH−Y、GateL−X、GateL−Yは、図7で示した実施の形態3と同じである。図7で示したように、各列回路X、Yを駆動する駆動信号は、周期をT(LC直列体にて定まる共振周期)として一致させると共に、各列回路間で位相をT/2ずつずらして駆動している。
例えば、V1の電圧72V、入力直流電流75Aの条件における、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs41に流れる電流を、上記実施の形態3の場合を比較例として図16に示す。縦軸は電流、横軸は時間である。図16に示すように、平滑コンデンサCs2とCs3のリプル電流はゼロとなって大きく低減し、この実施の形態の平滑コンデンサCs41のリプル電流と実施の形態3のCs4のリプル電流とは同じになる。また平滑コンデンサCs1のリプル電流は実施の形態3の場合と同じである。このため、この実施の形態では上記実施の形態3と比較して平滑コンデンサのリプル電流が低減する。
以上のように、この実施の形態では、4段の回路A1、A2、A3、A4の内、駆動用インバータ回路として動作する第1の回路A1を2個のセル回路A1−X、A1−Yを並列接続して構成することで、DC/DC電力変換装置内に2つの列回路X、Yを構成した。そして、各列回路X、Yを、駆動周期を一致させると共に各列回路間で位相を2π/2(rad)ずらして駆動した。これにより、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3の充放電タイミングがずれ、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3に流れる電流が1周期内で分散して発生すると共に、充放電電流を列回路間で融通し合うため、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3に流れる交流電流(リプル電流)が低減する。さらに、平滑コンデンサCs41を電圧端子VHとVLの間に設けたことにより、上記実施の形態3と比較してさらに平滑コンデンサのリプル電流を低減することができる。
このような平滑コンデンサのリプル電流低減により、信頼性の向上、電力変換効率の向上、および装置構成の小型化がさらに図れる。
上記実施の形態9、10では、2個の列回路間で位相を2π/2(rad)ずらして駆動することにより、効果的にリプル電流を低減したが、位相差はこれに限らず、列回路間で位相をずらすことによりリプル電流低減の効果がある。
また上記実施の形態9、10では、セル回路A1−X、回路A2、A4およびLC直列体LC12、LC14で構成される列回路Xと、セル回路A1−Y、回路A3およびLC直列体LC13で構成される列回路Yとの2つの列回路X、YをDC/DC電力変換装置内に構成したが、2つの列回路の組み合わせはこれに限るものではない。例えば、セル回路A1−X、回路A2、A3およびLC直列体LC12、LC13による列回路と、セル回路A1−Y、回路A4およびLC直列体LC14による列回路の組み合わせ等でも良い。
また、上記実施の形態9、10ではV1⇒V2の昇圧形DC/DC電力変換装置について示したが、上記実施の形態4のように、V1×4<V2として、回路A2、A3、A4を駆動用インバータ回路に、回路A1を整流回路に用いて、V2⇒V1の降圧形のエネルギ移行も実現でき、上記実施の形態9、10と同様に、平滑コンデンサのリプル電流を低減することができる。
さらに、上記実施の形態9、10によるDC/DC電力変換装置の回路構成で、双方向のエネルギ移行も実現することもでき、その場合、V1×4>V2のとき昇圧動作を行い、昇圧時には回路A1を駆動用インバータ回路に、回路A2、A3、A4を整流回路に用いる。また、V1×4<V2のときに降圧動作を行い、降圧時には回路A2、A3、A4を駆動用インバータ回路に、回路A1を整流回路に用いる。このように制御される昇降圧形のDC/DC電力変換装置では、上記実施の形態9、10と同様の効果が得られると共に、1つの装置で双方向のエネルギ移行を実現でき広く利用できる。
さらに、実施の形態9、10では、整流回路A2、A3、A4にMOSFETを用いたが、実施の形態5、6のように整流回路をダイオードで構成してもよい。また、V2⇒V1の降圧形のエネルギ移行の場合、整流回路はA1−X、A1−Yとなり、これらをダイオードで構成してもよい。
実施の形態11.
次に、この発明の実施の形態11によるDC/DC電力変換装置について説明する。
図17はこの発明の実施の形態11によるDC/DC電力変換装置の回路構成を示すもので、図11に示した実施の形態7によるDC/DC電力変換装置において、平滑コンデンサの配置を変更したものである。その他の構成は図11に示すものと同じであり、電圧端子VLhとVLl間に入力された電圧V1を、約4倍に昇圧された電圧V2にして電圧端子VHとVcom間に出力する機能を有するのも同じである。実施の形態7と異なる点は、平滑コンデンサCs4が無く、電圧端子VHとVcomの間、即ち、回路B4の高圧側端子と回路B1の低圧側端子との間に高圧側平滑コンデンサとしての平滑コンデンサCs40を配置したことである。
次に、動作について説明する。
上記実施の形態7と同様に、第1の回路である回路B2は、電圧端子VLh−VLl間に入力されるエネルギを高電圧側に送る駆動用インバータ回路として動作する。即ち、各セル回路B2−X、B2−Yが駆動用インバータ回路として用いられる。列回路Xでは、セル回路B2−Xが駆動用インバータ回路として動作し、回路B1、B3が整流回路として動作する。列回路Yでは、セル回路B2−Yが駆動用インバータ回路として動作し、回路B4が整流回路として動作する。
また、実施の形態7と同様に、制御回路130から各列回路X、Y毎にゲート信号(GateL−X、GateH−X)、(GateL−Y、GateH−Y)が出力され、これらのゲート信号により各列回路X、Yが駆動される。
平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs40の容量値は、LC直列体のコンデンサCr21、Cr23、Cr24の容量値と比較して十分大きな値に設定される。
上述したように、電圧端子VLh−VLl間に入力された電圧V1を、約4倍に昇圧された電圧V2にして電圧端子VH−Vcom間に出力するため、電圧端子VH−Vcom間に負荷が接続され、電圧V2は4×V1よりも低い値となっている。定常状態では、平滑コンデンサCs2には電圧V1の電圧が充電されており、平滑コンデンサCs1、Cs3には平均的に(V2−V1)/3の電圧が充電されている。平滑コンデンサCs40には、電圧V2の電圧が充電されている。
セル回路B2−X、回路B1、B3およびLC直列体LC21、LC23で構成される列回路Xの動作について説明する。
低圧側MOSFETへのゲート信号GateL−Xにより、セル回路B2−Xおよび回路B1、B3の低圧側MOSFETであるMos2L−X、Mos1L、Mos3Lがオン状態となると、電圧差があるため、コンデンサCr21に充電されたエネルギが平滑コンデンサCs1に、平滑コンデンサCs2に蓄えられた一部のエネルギがコンデンサCr23に、以下に示す経路で移行する。
Mos1L⇒Cr21⇒Lr21⇒Mos2L−X⇒Cs1
Cs2⇒Mos3L⇒Lr23⇒Cr23⇒Mos2L−X
次いで、高圧側MOSFETへのゲート信号GateH−Xにより、セル回路B2−Xおよび回路B1、B3の高圧側MOSFETであるMos1H−X、Mos1H、Mos3Hがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCs2に蓄えられていた一部のエネルギがコンデンサCr21に、コンデンサCr23に充電されたエネルギが平滑コンデンサCs3に、以下に示す経路で移行する。
Cs2⇒Mos2H−X⇒Lr21⇒Cr21⇒Mos1H
Cs2⇒Mos2H−X⇒Cr23⇒Lr23⇒Mos3H⇒Cs3
次に、セル回路B2−Y、回路B4およびLC直列体LC24で構成される列回路Yの動作について説明する。
低圧側MOSFETへのゲート信号GateL−Yにより、セル回路B2−Yおよび回路B4の低圧側MOSFETであるMos2L−Y、Mos4Lがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCs2、Cs3に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCr24に移行する。
Cs2⇒Cs3⇒Mos4L⇒Lr24⇒Cr24⇒Mos2L−Y
次いで、高圧側MOSFETへのゲート信号GateH−Yにより、セル回路B2−Yおよび回路B4の高圧側MOSFETであるMos2H−Y、Mos4Hがオン状態となると、電圧差があるため、コンデンサCr24に充電されたエネルギと平滑コンデンサCs1、Cs2に蓄えられたエネルギが、以下に示す経路で平滑コンデンサCs40に移行する。
Cs1⇒Cs2⇒Mos2H−Y⇒Cr24⇒Lr24⇒Mos4H⇒Cs40
このように、コンデンサCr21、Cr23、Cr24の充放電により、平滑コンデンサCs1から平滑コンデンサCs2、Cs3、Cs40にエネルギを移行する。この実施の形態では、セル回路B2−Yおよび回路B4の高圧側MOSFETであるMos2H−Y、Mos4Hがオンしたときのエネルギ移行の流れが、上記実施の形態7とは異なる。そして、電圧端子VLhとVLl間に入力された電圧V1を、約4倍に昇圧された電圧V2にして電圧端子VHとVcom間に出力する。また、各コンデンサCr21、Cr23、Cr24には、インダクタLr21、Lr23、Lr24が直列に接続されてLC直列体LC21、LC23、LC24を構成するため、上記エネルギの移行は共振現象を利用したものとなり、大きなエネルギ量を効率よく移行できる。
またこの実施の形態でも、整流回路B1、B3、B4にMOSFETを用いたため、ダイオードを用いたものに比して導通損失が低減でき、電力変換の効率が向上できる。
以上のように各列回路X、Yは動作するものであるが、2つの列回路X、Yを備えたDC/DC電力変換装置全体の動作について、以下に説明する。
各列回路X、Y内のMOSFETを駆動するゲート信号GateH−X、GateH−Y、GateL−X、GateL−Yは、図7で示した実施の形態3と同じである。図7で示したように、各列回路X、Yを駆動する駆動信号は、周期をT(LC直列体にて定まる共振周期)として一致させると共に、各列回路間で位相をT/2ずつずらして駆動している。
例えば、V1の電圧72V、入力直流電流75Aの条件における、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs40に流れる電流を、実施の形態7の場合を比較例として図18に示す。縦軸は電流、横軸は時間である。図18に示すように、平滑コンデンサCs1とCs3のリプル電流はゼロとなって大きく低減し、この実施の形態の平滑コンデンサCs40のリプル電流と実施の形態7のCs4のリプル電流とは同じとなる。平滑コンデンサCs2のリプル電流は大きくなるが、その大きさは実施の形態7の場合の1.06倍程度である。全体としてみると、この実施の形態では、上記実施の形態7と比較して平滑コンデンサのリプル電流が低減する。
以上のように、この実施の形態では、4段の回路B1、B2、B3、B4の内、駆動用インバータ回路として動作する第2の回路B2を2個のセル回路B2−X、B2−Yを並列接続して構成することで、DC/DC電力変換装置内に2つの列回路X、Yを構成した。そして、各列回路X、Yを、駆動周期を一致させると共に各列回路間で位相を2π/2(rad)ずらして駆動した。これにより、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3の充放電タイミングがずれ、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3に流れる電流が1周期内で分散して発生すると共に、充放電電流を列回路間で融通し合うため、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3に流れる交流電流(リプル電流)が低減する。さらに、平滑コンデンサCs40を電圧端子VHとVcomの間に設けたことにより、上記実施の形態7よりもリプル電流を低減することができる。
このような平滑コンデンサのリプル電流低減により、信頼性の向上、電力変換効率の向上、および装置構成の小型化がさらに図れる。
実施の形態12.
次に、この発明の実施の形態12によるDC/DC電力変換装置について説明する。
図19はこの発明の実施の形態12によるDC/DC電力変換装置の回路構成を示すもので、図11に示した実施の形態7によるDC/DC電力変換装置において、平滑コンデンサの配置を、上記実施の形態11とは別の手法で変更したものである。その他の構成は図11に示すものと同じであり、電圧端子VLhとVLl間に入力された電圧V1を、約4倍に昇圧された電圧V2にして電圧端子VHとVcom間に出力する機能を有するのも同じである。実施の形態7と異なる点は、平滑コンデンサCs4が無く、電圧端子VHとVLhの間、即ち、回路B4の高圧側端子と回路B2の高圧側端子(回路B3の低圧側端子)との間に高圧側平滑コンデンサとしての平滑コンデンサCs42を配置したことである。
次に、動作について説明する。
上記実施の形態7と同様に、第1の回路である回路B2は、電圧端子VLh−VLl間に入力されるエネルギを高電圧側に送る駆動用インバータ回路として動作する。即ち、各セル回路B2−X、B2−Yが駆動用インバータ回路として用いられる。列回路Xでは、セル回路B2−Xが駆動用インバータ回路として動作し、回路B1、B3が整流回路として動作する。列回路Yでは、セル回路B2−Yが駆動用インバータ回路として動作し、回路B4が整流回路として動作する。
実施の形態7と同様に、制御回路130から各列回路X、Y毎にゲート信号(GateL−X、GateH−X)、(GateL−Y、GateH−Y)が出力され、これらのゲート信号により各列回路X、Yが駆動される。
平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs42の容量値は、LC直列体のコンデンサCr21、Cr23、Cr24の容量値と比較して十分大きな値に設定される。
上述したように、電圧端子VLh−VLl間に入力された電圧V1を、約4倍に昇圧された電圧V2にして電圧端子VH−Vcom間に出力するため、電圧端子VH−Vcom間に負荷が接続され、電圧V2は4×V1よりも低い値となっている。定常状態では、平滑コンデンサCs2には電圧V1の電圧が充電されており、平滑コンデンサCs1、Cs3には平均的に(V2−V1)/3の電圧が充電されている。平滑コンデンサCs42には平均的に2/3×(V2−V1)の電圧が充電されている。
セル回路B2−X、回路B1、B3およびLC直列体LC21、LC23で構成される列回路Xの動作について説明する。
低圧側MOSFETへのゲート信号GateL−Xにより、セル回路B2−Xおよび回路B1、B3の低圧側MOSFETであるMos2L−X、Mos1L、Mos3Lがオン状態となると、電圧差があるため、コンデンサCr21に充電されたエネルギが平滑コンデンサCs1に、平滑コンデンサCs2に蓄えられた一部のエネルギがコンデンサCr23に、以下に示す経路で移行する。
Mos1L⇒Cr21⇒Lr21⇒Mos2L−X⇒Cs1
Cs2⇒Mos3L⇒Lr23⇒Cr23⇒Mos2L−X
次いで、高圧側MOSFETへのゲート信号GateH−Xにより、セル回路B2−Xおよび回路B1、B3の高圧側MOSFETであるMos1H−X、Mos1H、Mos3Hがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCs2に蓄えられていた一部のエネルギがコンデンサCr21に、コンデンサCr23に充電されたエネルギが平滑コンデンサCs3に、以下に示す経路で移行する。
Cs2⇒Mos2H−X⇒Lr21⇒Cr21⇒Mos1H
Cs2⇒Mos2H−X⇒Cr23⇒Lr23⇒Mos3H⇒Cs3
次に、セル回路B2−Y、回路B4およびLC直列体LC24で構成される列回路Yの動作について説明する。
低圧側MOSFETへのゲート信号GateL−Yにより、セル回路B2−Yおよび回路B4の低圧側MOSFETであるMos2L−Y、Mos4Lがオン状態となると、電圧差があるため、平滑コンデンサCs2、Cs3に蓄えられた一部のエネルギが、以下に示す経路でコンデンサCr24に移行する。
Cs2⇒Cs3⇒Mos4L⇒Lr24⇒Cr24⇒Mos2L−Y
次いで、高圧側MOSFETへのゲート信号GateH−Yにより、セル回路B2−Yおよび回路B4の高圧側MOSFETであるMos2H−Y、Mos4Hがオン状態となると、電圧差があるため、コンデンサCr24に充電されたエネルギが、以下に示す経路で平滑コンデンサCs42に移行する。
Mos2H−Y⇒Cr24⇒Lr24⇒Mos4H⇒Cs42
このように、コンデンサCr21、Cr23、Cr24の充放電により、平滑コンデンサCs1から平滑コンデンサCs2、Cs3、Cs42にエネルギを移行する。この実施の形態では、セル回路B2−Yおよび回路B4の高圧側MOSFETであるMos2H−Y、Mos4Hがオンしたときのエネルギ移行の流れが、上記実施の形態7とは異なる。そして、電圧端子VLhとVLl間に入力された電圧V1を、約4倍に昇圧された電圧V2にして電圧端子VHとVcom間に出力する。また、各コンデンサCr21、Cr23、Cr24には、インダクタLr21、Lr23、Lr24が直列に接続されてLC直列体LC21、LC23、LC24を構成するため、上記エネルギの移行は共振現象を利用したものとなり、大きなエネルギ量を効率よく移行できる。
またこの実施の形態でも、整流回路B1、B3、B4にMOSFETを用いたため、ダイオードを用いたものに比して導通損失が低減でき、電力変換の効率が向上できる。
以上のように各列回路X、Yは動作するものであるが、2つの列回路X、Yを備えたDC/DC電力変換装置全体の動作について、以下に説明する。
各列回路X、Y内のMOSFETを駆動するゲート信号GateH−X、GateH−Y、GateL−X、GateL−Yは、図7で示した実施の形態3と同じである。図7で示したように、各列回路X、Yを駆動する駆動信号は、周期をT(LC直列体にて定まる共振周期)として一致させると共に、各列回路間で位相をT/2ずつずらして駆動している。
例えば、V1の電圧72V、入力直流電流75Aの条件における、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3、Cs42に流れる電流を、実施の形態7の場合を比較例として図20に示す。縦軸は電流、横軸は時間である。図20に示すように、平滑コンデンサCs3のリプル電流はゼロとなって大きく低減し、平滑コンデンサCs1とCs2のリプル電流は実施の形態7の場合と同じである。またこの実施の形態の平滑コンデンサCs42のリプル電流と実施の形態7のCs4のリプル電流とは同じとなる。このため、この実施の形態により、上記実施の形態7と比較して平滑コンデンサのリプル電流が低減する。
以上のように、この実施の形態では、4段の回路B1、B2、B3、B4の内、駆動用インバータ回路として動作する第2の回路B2を2個のセル回路B2−X、B2−Yを並列接続して構成することで、DC/DC電力変換装置内に2つの列回路X、Yを構成した。そして、各列回路X、Yを、駆動周期を一致させると共に各列回路間で位相を2π/2(rad)ずらして駆動した。これにより、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3の充放電タイミングがずれ、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3に流れる電流が1周期内で分散して発生すると共に、充放電電流を列回路間で融通し合うため、平滑コンデンサCs1、Cs2、Cs3に流れる交流電流(リプル電流)が低減する。さらに、平滑コンデンサCs42を電圧端子VHとVLhの間に設けたことにより、上記実施の形態7と比較して平滑コンデンサのリプル電流を低減することができる。
このような平滑コンデンサのリプル電流低減により、信頼性の向上、電力変換効率の向上、および装置構成の小型化がさらに図れる。
上記実施の形態11、12では、2個の列回路間で位相を2π/2(rad)ずらして駆動することにより、効果的にリプル電流を低減したが、位相差はこれに限らず、列回路間で位相をずらすことによりリプル電流低減の効果がある。
また上記実施の形態11、12では、セル回路B2−X、回路B1、B3およびLC直列体LC21、LC23で構成される列回路Xと、セル回路B2−Y、回路B4およびLC直列体LC24で構成される列回路Yとの2つの列回路X、YをDC/DC電力変換装置内に構成したが、2つの列回路の組み合わせはこれに限るものではない。例えば、セル回路B2−X、回路B1、B4およびLC直列体LC21、LC24による列回路と、セル回路B2−Y、回路B3およびLC直列体LC23による列回路の組み合わせ等でも良い。
また、上記実施の形態11、12ではV1⇒V2の昇圧形DC/DC電力変換装置について示したが、V1×4<V2として、回路B1、B3、B4を駆動用インバータ回路に、回路B2を整流回路に用いて、上記実施の形態4のようにV2⇒V1の降圧形のエネルギ移行も実現でき、上記実施の形態11、12と同様に、平滑コンデンサのリプル電流を低減することができる。
さらに、上記実施の形態11、12によるDC/DC電力変換装置の回路構成で、双方向のエネルギ移行も実現することもでき、その場合、V1×4>V2のとき昇圧動作を行い、昇圧時には回路B2を駆動用インバータ回路に、回路B1、B3、B4を整流回路に用いる。また、V1×4<V2のときに降圧動作を行い、降圧時には回路B1、B3、B4を駆動用インバータ回路に、回路B2を整流回路に用いる。このように制御される昇降圧形のDC/DC電力変換装置では、上記実施の形態11、12と同様の効果が得られると共に、1つの装置で双方向のエネルギ移行を実現でき広く利用できる。
さらに、実施の形態11、12では、整流回路B1、B3、B4にMOSFETを用いたが、実施の形態5、6のように整流回路をダイオードで構成してもよい。また、V2⇒V1の降圧形のエネルギ移行の場合、整流回路はB2−X、B2−Yとなり、これらをダイオードで構成してもよい。
上記各実施の形態1〜12では、各回路間に接続されてエネルギ移行に用いられるコンデンサには、インダクタが直列接続されてLC直列体を構成し、共振現象を利用したエネルギ移行を行うものであった。このコンデンサにインダクタを接続せずにコンデンサのみでエネルギ移行することもできる。そして、上記各実施の形態と同様に複数の列回路を構成して、各列回路間で駆動周期を一致させ位相をずらして駆動することにより、上記各実施の形態と同様に、平滑コンデンサのリプル電流が減少する効果が得られる。この場合も、列回路の数をmとすると、各列回路の位相を2π/m(rad)ずつずらすのが最も効果的である。
また、上記各実施の形態では、駆動用インバータ回路、整流回路内のスイッチング素子に、ソース、ドレイン間に寄生ダイオードが形成されているパワーMOSFETを用いたが、IGBT等、制御電極でオンオフ動作が制御できる他の半導体スイッチング素子でも良く、その場合ダイオードが逆並列接続されたものを用い、このダイオードがパワーMOSFETの寄生ダイオードの機能を果たす。
この発明の実施の形態1によるDC/DC電力変換装置の回路構成を示す図である。 この発明の実施の形態1によるゲート信号および各部の電流波形を示す図である。 この発明の実施の形態1による各列回路を駆動するゲート信号を示す図である。 この発明の実施の形態1による平滑コンデンサに流れる電流を比較例と共に示す図である。 この発明の実施の形態2によるゲート信号および各部の電流波形を示す図である。 この発明の実施の形態3によるDC/DC電力変換装置の回路構成を示す図である。 この発明の実施の形態3による各列回路を駆動するゲート信号を示す図である。 この発明の実施の形態3による平滑コンデンサに流れる電流を比較例と共に示す図である。 この発明の実施の形態5によるDC/DC電力変換装置の回路構成を示す図である。 この発明の実施の形態6によるDC/DC電力変換装置の回路構成を示す図である。 この発明の実施の形態7によるDC/DC電力変換装置の回路構成を示す図である。 この発明の実施の形態8によるDC/DC電力変換装置の回路構成を示す図である。 この発明の実施の形態9によるDC/DC電力変換装置の回路構成を示す図である。 この発明の実施の形態9による平滑コンデンサに流れる電流を比較例と共に示す図である。 この発明の実施の形態10によるDC/DC電力変換装置の回路構成を示す図である。 この発明の実施の形態10による平滑コンデンサに流れる電流を比較例と共に示す図である。 この発明の実施の形態11によるDC/DC電力変換装置の回路構成を示す図である。 この発明の実施の形態11による平滑コンデンサに流れる電流を比較例と共に示す図である。 この発明の実施の形態12によるDC/DC電力変換装置の回路構成を示す図である。 この発明の実施の形態12による平滑コンデンサに流れる電流を比較例と共に示す図である。
符号の説明
A1,B2 第1の回路(駆動用インバータ回路/整流回路)、
A2〜A4,B1,B3,B4 第2の回路(整流回路/駆動用インバータ回路)、
A1−X,A1−Y,A1−Z,B2−X,B2−Y セル回路、
Cr12,Cr13,Cr14,Cr21,Cr23,Cr24 コンデンサ、Cs1〜Cs4 平滑コンデンサ、
Cs40〜Cs42 高圧側平滑コンデンサとしての平滑コンデンサ、
Di1L〜Di4L 低圧側ダイオード、Di1H〜Di4H 高圧側ダイオード、
Lr12,Lr13,Lr14,Lr21,Lr23,Lr24 インダクタ、
LC12,LC13,LC14,LC21,LC23,LC24 LC直列体、
Mos1L〜Mos4L,Mos1L−X,Mos1L−Y,Mos1L−Z,Mos2L−X,Mos2L−Y 低圧側MOSFET、
Mos1H〜Mos4H,Mos1H−X,Mos1H−Y,Mos1H−Z,Mos2H−X,Mos2H−Y 高圧側MOSFET、
GateL−X,GateH−X 列回路X用ゲート信号、
GateL−Y,GateH−Y 列回路Y用ゲート信号、
GateL−Z,GateH−Z 列回路Z用ゲート信号、T 駆動周期(共振周期)、
X,Y,Z 列回路、VL,VLh,VLl,Vcom 電圧端子。

Claims (15)

  1. 半導体スイッチング素子から成る高圧側素子および低圧側素子を直列接続して平滑コンデンサの正負端子間に接続して成る駆動用インバータ回路と、半導体スイッチング素子あるいはダイオード素子から成る高圧側素子および低圧側素子を直列接続して平滑コンデンサの正負端子間に接続して成る整流回路とによるn(nは3以上)個の回路を直列接続して備え、
    上記駆動用インバータ回路、上記整流回路のいずれか一方である第1の回路を、上記高圧側素子および低圧側素子を直列接続したセル回路をm個並列接続して上記平滑コンデンサの正負端子間に接続して構成すると共に、複数個ある他方の回路を第2の回路とし、これら各回路の上記高圧側素子と上記低圧側素子との接続点を中間端子として、上記各セル回路と上記各第2の回路との間となる該中間端子間にエネルギ移行用コンデンサを備えて、
    上記セル回路、上記第2の回路および上記エネルギ移行用コンデンサをそれぞれ有するm個の列回路を構成し、
    上記各列回路を駆動する駆動信号は、駆動周期を一致させると共に各列回路毎に位相をずらすものであることを特徴とするDC/DC電力変換装置。
  2. 上記m個の列回路を駆動する各駆動信号の位相は、それぞれ2π/mずつ異なることを特徴とする請求項1に記載のDC/DC電力変換装置。
  3. 上記第1の回路内のセル回路の個数(m)は、上記第2の回路の個数と同数であり、上記各列回路は、1つの上記セル回路と1つの上記第2の回路と該回路間に接続された1つの上記エネルギ移行用コンデンサとで構成されることを特徴とする請求項1または2に記載のDC/DC電力変換装置。
  4. 半導体スイッチング素子から成る高圧側素子および低圧側素子を直列接続した駆動用インバータ回路と、半導体スイッチング素子あるいはダイオード素子から成る高圧側素子および低圧側素子を直列接続した整流回路とによるn(nは3以上)個の回路を直列接続したn段回路内で、低圧側の(n−1)段の各回路をそれぞれ平滑コンデンサの正負端子間に接続し、残りの高圧側の1回路の高圧側端子と所定の低圧側回路の低圧側端子との間に高圧側平滑コンデンサを接続し、
    上記駆動用インバータ回路、上記整流回路のいずれか一方である第1の回路を、上記高圧側素子および低圧側素子を直列接続したセル回路を2個並列接続して構成すると共に、複数個ある他方の回路を第2の回路とし、これら各回路の上記高圧側素子と上記低圧側素子との接続点を中間端子として、上記各セル回路と上記各第2の回路との間となる該中間端子間にエネルギ移行用コンデンサを備えて、
    上記セル回路、上記第2の回路および上記エネルギ移行用コンデンサをそれぞれ有する2個の列回路を構成し、
    上記各列回路を駆動する駆動信号は、駆動周期を一致させると共に各列回路毎に位相をずらすものであることを特徴とするDC/DC電力変換装置。
  5. 上記2個の列回路を駆動する各駆動信号の位相は、それぞれ2π/2ずつ異なることを特徴とする請求項4に記載のDC/DC電力変換装置。
  6. 上記高圧側平滑コンデンサが接続される上記所定の低圧側回路の低圧側端子は、n段回路の最も低圧側回路の低圧側端子であることを特徴とする請求項4または5に記載のDC/DC電力変換装置。
  7. 上記高圧側平滑コンデンサが接続される上記所定の低圧側回路の低圧側端子は、上記第1の回路の高圧側端子に接続される端子であることを特徴とする請求項4または5に記載のDC/DC電力変換装置。
  8. 上記列回路は、1つの上記セル回路と1以上の上記各第2の回路との間にそれぞれ上記エネルギ移行用コンデンサを接続して構成されることを特徴とする請求項1、2または4〜7のいずれか1項に記載のDC/DC電力変換装置。
  9. 上記列回路は、1つの上記セル回路および2以上の上記第2の回路が並んで直列接続され、各隣接回路間にそれぞれ上記エネルギ移行用コンデンサを接続して構成されることを特徴とする請求項1、2または4〜7のいずれか1項に記載のDC/DC電力変換装置。
  10. 上記第1の回路の上記平滑コンデンサの正負端子に入出力用の電圧端子を接続することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のDC/DC電力変換装置。
  11. 上記第1の回路は、両側が上記n個の回路内の他の回路に接続されて中間に位置することを特徴とする請求項10に記載のDC/DC電力変換装置。
  12. 上記直列接続されたn個の回路は、1個の第1の回路と、(n−1)個の第2の回路とから成ることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載のDC/DC電力変換装置。
  13. 上記エネルギ移行用コンデンサと直列にインダクタを配置したことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載のDC/DC電力変換装置。
  14. 上記エネルギ移行用コンデンサと上記インダクタとから成り上記回路間に配される複数の直列体は、コンデンサ容量とインダクタンスとで決まる共振周期がそれぞれ等しいことを特徴とする請求項13に記載のDC/DC電力変換装置。
  15. 上記各半導体スイッチング素子は、ソース・ドレイン間に寄生ダイオードを有するパワーMOSFET、あるいはダイオードを逆並列に接続した半導体スイッチング素子であることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載のDC/DC電力変換装置。
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