JP2008283754A - 電動モータおよび電動ポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】軸の長手方向の幅を小さくすることにより、コンパクト化した電動モータおよび電動ポンプを提供する。また、従来よりコストダウンした電動モータおよび電動ポンプを提供する。
【解決手段】オイルポンプのカバー5の内面の中央部に設けられた凹陥に嵌入された焼入れ鋼で形成された座30と、回転軸17のポンプ端24の端面31に設けられた円錐状の凹溝32に保持された焼入れ鋼で形成された玉33とによって、回転軸17のポンプ端24において、玉33を介して回転軸17が軸の長手方向に支承される。
【選択図】図1
【解決手段】オイルポンプのカバー5の内面の中央部に設けられた凹陥に嵌入された焼入れ鋼で形成された座30と、回転軸17のポンプ端24の端面31に設けられた円錐状の凹溝32に保持された焼入れ鋼で形成された玉33とによって、回転軸17のポンプ端24において、玉33を介して回転軸17が軸の長手方向に支承される。
【選択図】図1
Description
本発明は、軸の長手方向に小型化した電動モータおよび電動モータを使用した電動ポンプに関する。
電動モータの小型化に対する要請は、近年ますます強くなっている。特に、ポンプやコンプレッサは全体サイズに占める電動モータの比率が大きく、これら機器に使用される電動モータの小型化が強く望まれている。また、ポンプやコンプレッサは電動モータの軸の長手方向に回転翼などの回転部分を取り付けた構造をとることが多く、用いられる電動モータの軸の長手方向へのサイズダウンがそのまま機器全体サイズダウンにつながるため、電動モータの軸の長手方向の幅を小さくする必要性は高い。ここで従来の電動モータにおいては、例えば特許文献1に示されるように、ロータおよびステータを軸の長手方向の両外側より挟む位置に、2組の軸受が設置されている。
特開2006−223024号公報(第4頁、図1)
しかし従来の電動モータは、ロータおよびステータを軸の長手方向の両外側より挟む位置に2組の軸受が設置されているため、軸の長手方向の幅が広くなる。また、軸受が2組必要なため、コストダウンが困難である。
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたもので、軸の長手方向の幅を小さくすることにより、コンパクト化した電動モータおよび電動ポンプを提供する事にある。また、従来よりコストダウンした電動モータおよび電動ポンプを提供することにある。
本発明にかかる電動モータは、回転軸と、前記回転軸の長手方向の端面に接する転動可能な玉と、前記玉と一点で接する座とを備え、前記回転軸が、前記玉を介して、前記座によって軸の長手方向に支承される。
上記構成によると、回転軸が玉を介して軸の長手方向に支承されるため、上記従来の電動モータにおける軸受により回転軸を支承する必要がない。従って従来の軸受を用いた電動モータに比べ軸の長手方向の幅を小さくすることができる。
また、回転軸が玉を介して軸の長手方向に支承される構成は、従来の軸受に比して安価に構成でき、コストダウンに資する。
玉は座と一点で接するため、接点における周速が0に近く理論上摩擦が発生しない。したがって玉および座の磨耗を効果的に回避できる。従って上記玉と上記座により構成される軸受は、長寿命である。
なお、上記座とは上記玉を介して回転軸を支承する部材である。
また、本発明にかかる電動モータは、前記回転軸の長手方向の前記端面に略円錐型の凹溝を有し、前記玉が前記凹溝において前記端面に接することが好ましい。
上記構成によると、玉が前記凹溝において前記端面に接するため、回転軸の長手方向の前記端面と玉との接する位置がずれることを効果的に回避できる。
本発明にかかる他の構成の電動モータは、回転軸と、前記回転軸の長手方向の端面において一体的に設けられた略球状または略半球状の突部と、前記突部と一点で接する座とを備え、前記回転軸が、前記突部を介して、前記座によって軸の長手方向に支承される。
上記構成によると、回転軸が、前記回転軸の長手方向の端面において一体的に設けられた略球状または略半球状の突部を介して軸の長手方向に支承されるため、上記従来の電動モータにおける軸受により回転軸を支承する必要がない。従って従来の軸受を用いた電動モータに比べ軸の長手方向の幅を小さくすることができる。
また、回転軸が突部を介して軸の長手方向に支承される構成は、従来の軸受に比して安価に構成でき、コストダウンに資する。
前記突部は座と一点で接するため、接点における周速が0に近く理論上摩擦が発生しない。したがって突部および座の磨耗を効果的に回避できる。従って上記突部と上記座により構成される軸受は、長寿命である。
なお、上記座とは上記突部を介して回転軸を支承する部材である。
本発明にかかる他の構成の電動モータは、回転軸と、前記回転軸の長手方向の端面において一体的に設けられるとともに、略円錐状または略角錐状であり、更に軸の長手方向に頂点を有する突部と、前記突部と前記頂点で接する座とを備え、前記回転軸が、前記突部を介して、前記座によって軸の長手方向に支承される。
回転軸が略円錐状または略角錐状の突部を介して軸の長手方向に支承されるため、上記従来の電動モータにおける軸受により回転軸を支承する必要がない。従って従来の軸受を用いた電動モータに比べ軸の長手方向の幅を小さくすることができる。
また、回転軸が突部を介して軸の長手方向に支承される構成は、従来の軸受に比して安価に構成でき、コストダウンに資する。
前記突部は座と頂点で接するため、接点における周速が0に近く理論上摩擦が発生しない。したがって突部および座の磨耗を効果的に回避できる。従って上記突部と上記座により構成される軸受は、長寿命である。
なお、上記座とは上記突部を介して回転軸を支承する部材である。
本発明にかかる電動モータは、前記座が略球面状の凹窩を有し、前記凹窩において前記回転軸が軸の長手方向に支承されることが好ましい。
凹窩において前記回転軸が軸の長手方向に支承されるため、玉または突部と凹窩との接点がラジアル方向に移動した場合にも、凹窩最深部に戻す力が働くため玉または突部と凹窩との接点位置がずれることを効果的に回避し、回転軸を確実に支承できる。
本発明にかかる電動モータは電動ポンプに好適に用いられる。
本発明によれば、電動ポンプの軸の長手方向の幅を小さくすることができる。また、電動ポンプの製造コストを下げることができる。
(第1の実施形態)
オイル循環などに使用される内接歯車方式のポンプに本発明を適用した電動ポンプを、図1(a)およびその要部拡大図2を参照して、以下に説明する。
オイル循環などに使用される内接歯車方式のポンプに本発明を適用した電動ポンプを、図1(a)およびその要部拡大図2を参照して、以下に説明する。
本実施形態にかかる内接歯車方式のポンプのハウジング1は略円筒状のステータハウジング10の両端を略円盤状の軸受ハウジング11と略円環状のポンプハウジング12とにより封じた形状である。略円筒のステータハウジング10の内周面には電磁力を発生するステータ16が圧入、接着、ねじ止め等の方法により固定されている。軸受ハウジング11にはその内面の中央部が円形に凹陥することにより環状段部13が形成されており、この環状段部13にはすき間嵌め、しまり嵌めなどにより転がり軸受15が固定されている。この転がり軸受15により回転軸17の一方の端部である軸受端23が支承されている。回転軸17の長手方向中央部の外周面には、永久磁石であるロータ18が上記ステータ16と対向するように固定されている。
略円環状のポンプハウジング12には、その外面の中央部が円形に凹陥することにより環状段部2が形成されている。この環状段部2には、中央部に孔を有するとともに孔周辺部に内歯8を有する略環状のアウターロータ6が、回転可能な状態ではめ込まれている。アウターロータの6の中央部の孔には、外歯7を有するインナーロータ4が、アウターロータ6の内歯8に、外歯7において近接するように配置されている。
一方ポンプハウジング12は中央部貫通孔を有し、この貫通孔を介して回転軸17の他方の端部であるポンプ端24が突出しており、このポンプ端24に上記インナーロータ4がしまり嵌め等により固定されている。更にポンプハウジング12の外面にねじ止め等で固定されているカバー5が、同アウターロータ6および同インナーロータ4を内包する。
ここで要部拡大図である図2も併せて参照して、カバー5の内面の中央部は円形に凹陥しており、同凹陥に焼入れ鋼で形成された座30が嵌入されている。一方回転軸17のポンプ端24の端面31には円錐状の凹溝32が設けられており、凹溝32には焼入れ鋼で形成された玉33が保持されている。したがって回転軸17のポンプ端24において、この玉33を介して回転軸17が軸の長手方向に支承される。
上記構造の当該電動ポンプに電力が供給されると、ステータ16に電磁力が発生し、永久磁石からなるロータ18が回転軸17を伴って回転する。このため回転軸17に固定されたインナーロータ4およびインナーロータ4に接するアウターロータ6が回転することにより、図示しない吸入口からオイルが吸入され、同じく図示しない排出口からオイルが排出される。
上記実施形態の電動ポンプによれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、回転軸17のポンプ端24において、玉33を介して回転軸17が軸の長手方向に支承されるため、回転軸17のポンプ側端部を従来の軸受によって支承する必要がない。したがって電動ポンプの軸の長手方向の幅が小さくなる。その結果、図1(b)で示した従来の電動ポンプの軸の長手方向の幅Bよりも、上記実施形態における電動ポンプの軸の長手方向の幅Aは、軸受14の幅だけ小さくなる。
(2)また、本実施形態においてカバー5中央部内面に設けられた座30と、玉33と、回転軸17の端面31に設けられた円錐状の凹溝32とによって構成された構造により回転軸17を支承している。当該構造は一般に上記従来の軸受より安価に構成でき、コストダウンに資する。
(3)上記実施形態では、玉33は座30に1点接触するので、周速が0に近く理論上摩擦が発生しない。したがって玉33および座30の磨耗が少ない。そのため玉33と座30とによって構成される軸受構造は長寿命である。
(4)上記実施形態では、玉33と座30との接点はオイルポンプの内部にあるため、常にオイルが供給され、特段にオイルの供給手段を設ける必要がない。そのため管理が容易である。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・図3に示すように、座30が略球面状の凹窩35を有し、凹窩35において回転軸17が玉33を介して軸の長手方向に支承される構成としても良い。同構成によると凹窩35において回転軸17が軸の長手方向に支承されるため、玉33と凹窩35との接点がラジアル方向に移動した場合にも、凹窩35の最深部36に戻す力が働くため玉33と凹窩35との接点位置がずれることを効果的に回避し、回転軸17を確実に支承できる。
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化した電動ポンプの第2の実施形態を図4にしたがって説明する。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態における玉33と座30による軸受構造を変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。また、図4と併せて図1も参照する。
次に、本発明を具体化した電動ポンプの第2の実施形態を図4にしたがって説明する。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態における玉33と座30による軸受構造を変更したのみの構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明を省略する。また、図4と併せて図1も参照する。
要部拡大図である図4と図1を併せて参照して、第2の実施形態における電動ポンプのカバー5の内面の中央部は円形に凹陥しており、同凹陥に焼入れ鋼で形成された座30が嵌入されている。一方回転軸17のポンプ側端部の端面31には球状の突部41が一体的に設けられており、この球状の突部41を介して回転軸17が軸の長手方向に支承される。
従って、第2の実施形態によれば、第1の実施形態に記載の効果に加えて以下の効果を得ることができる。
(1)第2の実施形態では、回転軸17のポンプ端24において、球状の突部41を介して回転軸17が軸の長手方向に支承されるため、回転軸17のポンプ側端部を従来の軸受によって支承する必要がない。したがって電動ポンプの軸の長手方向の幅が小さくなる。
(2)また、第2の実施形態では、カバー5中央部内面に設けられた座30と、回転軸17の端面31に一体的に設けられた球状の突部41とにより軸受が構成されているため、第1の実施形態に比して一層部品点数が削減されている。また、従来の軸受より安価に構成でき、コストダウンに資する。
(3)第2の実施形態においても、突部41は座30に1点接触するので、周速が0に近く理論上摩擦が発生しない。したがって突部41および座30の磨耗が少ない。そのため突部41と座30とによって構成される軸受構造は長寿命である。
(4)第2の実施形態においても、突部41と座30との接点はオイルポンプの内部にあるため、常にオイルが供給され、特段にオイルの供給手段を設ける必要がない。そのため管理が容易である。
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
・図5に示すように突部41の形態を半球状にしても良い。半球状の突部41と座30とが一点で接触するため、周速が0に近く理論上摩擦が発生しない。したがって突部41および座30の磨耗が少ない。そのため突部41と座30とによって構成される軸受構造は長寿命である。
・図6に示すように突部41の形態は略円錐状または略角錐状であっても良い。この場合も突部41と座30とは一点で接触するため同様の効果が得られる。
・また、第2の実施形態および上記変更例においても第1の実施形態における変更例および図3に示したように、座30が略球面状の凹窩35を有し、凹窩35において回転軸17が玉33を介して軸の長手方向に支承される構成としても良い。同構成によると凹窩35において回転軸17が軸の長手方向に支承されるため、突部41と凹窩35との接点がラジアル方向に移動した場合にも、凹窩35の最深部36に戻す力が働くため突部41と凹窩35との接点位置がずれることを効果的に回避し、回転軸17を確実に支承できる。
本発明は、軸の長手方向に小型化した電動モータおよび電動モータを使用した電動ポンプ、特に比較的低速で回転し、小型化が求められる電動オイルポンプに好適に用いられる。
1・・・ハウジング、2,13・・・環状段部、4・・・インナーロータ、5・・・カバー、6・・・アウターロータ、7・・・外歯、8・・・内歯、10・・・ステータハウジング、11・・・軸受ハウジング、12・・・ポンプハウジング、14,15・・・軸受、16・・・ステータ、17・・・回転軸、18・・・ロータ、23・・・軸受端、24・・・ポンプ端、30・・・座、31・・・端面、32・・・凹溝、33・・・玉、35・・・凹窩、36・・・最深部、41・・・突部。
Claims (6)
- 回転軸と、
前記回転軸の長手方向の端面に接する転動可能な玉と、
前記玉と一点で接する座とを備え、
前記回転軸が、前記玉を介して、前記座によって軸の長手方向に支承される電動モータ。 - 前記回転軸の長手方向の前記端面に略円錐型の凹溝を有し、
前記玉が前記凹溝において前記端面に接する請求項1に記載の電動モータ。 - 回転軸と、
前記回転軸の長手方向の端面において一体的に設けられた略球状または略半球状の突部と、
前記突部と一点で接する座とを備え、
前記回転軸が、前記突部を介して、前記座によって軸の長手方向に支承される電動モータ。 - 回転軸と、
前記回転軸の長手方向の端面において一体的に設けられるとともに、略円錐状または略角錐状であり、更に軸の長手方向に頂点を有する突部と、
前記突部と前記頂点で接する座とを備え、
前記回転軸が、前記突部を介して、前記座によって軸の長手方向に支承される電動モータ。 - 前記座が略球面状の凹窩を有し、
前記回転軸が、前記座の前記凹窩によって、軸の長手方向に支承されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電動モータ。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電動モータを備えることを特徴とする電動ポンプ。
Priority Applications (1)
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JP2007124482A JP2008283754A (ja) | 2007-05-09 | 2007-05-09 | 電動モータおよび電動ポンプ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2007124482A JP2008283754A (ja) | 2007-05-09 | 2007-05-09 | 電動モータおよび電動ポンプ |
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JP (1) | JP2008283754A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2015133359A1 (ja) * | 2014-03-04 | 2015-09-11 | オリジン電気株式会社 | 逆入力遮断クラッチ |
JP2021158168A (ja) * | 2020-03-25 | 2021-10-07 | ラピスセミコンダクタ株式会社 | 半導体装置、および半導体装置の製造方法 |
-
2007
- 2007-05-09 JP JP2007124482A patent/JP2008283754A/ja active Pending
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WO2015133359A1 (ja) * | 2014-03-04 | 2015-09-11 | オリジン電気株式会社 | 逆入力遮断クラッチ |
JP6046859B2 (ja) * | 2014-03-04 | 2016-12-21 | オリジン電気株式会社 | 逆入力遮断クラッチ |
JP2021158168A (ja) * | 2020-03-25 | 2021-10-07 | ラピスセミコンダクタ株式会社 | 半導体装置、および半導体装置の製造方法 |
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