JP2008281460A - センサ付車輪用軸受 - Google Patents

センサ付車輪用軸受 Download PDF

Info

Publication number
JP2008281460A
JP2008281460A JP2007126405A JP2007126405A JP2008281460A JP 2008281460 A JP2008281460 A JP 2008281460A JP 2007126405 A JP2007126405 A JP 2007126405A JP 2007126405 A JP2007126405 A JP 2007126405A JP 2008281460 A JP2008281460 A JP 2008281460A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sensor
contact fixing
strain
fixed
generating member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007126405A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Isobe
浩 磯部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
Priority to JP2007126405A priority Critical patent/JP2008281460A/ja
Publication of JP2008281460A publication Critical patent/JP2008281460A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Force Measurement Appropriate To Specific Purposes (AREA)

Abstract

【課題】 車両にコンパクトに荷重検出用のセンサを設置でき、車輪にかかる様々な荷重を感度良く検出し、その出力を自動車の車両制御に有効に利用することができ、量産時のコストが安価となるセンサ付車輪用軸受を提供する。
【解決手段】 内周に複列の転動体転走面が形成された外方部材1に、歪みセンサ21を取付ける。歪みセンサ21は、外方部材1と同心のリング状の歪み発生用部材22およびこの歪み発生用部材22に取付けた複数のセンサ素子23からなる。歪み発生用部材22は、外方部材1に対して固定される複数箇所の接触固定面22a,22bを有する。そのうち第1の接触固定面22aは、外方部材1に設けられて車体に取付けるフランジ1aの側面に固定され、第2の接触固定面22bは外方部材1の外周面に固定される。センサ素子23の出力により、車輪用軸受の予圧量またはタイヤと路面間の作用力を推定する推定手段31を設ける。
【選択図】 図2

Description

この発明は、車輪の軸受部にかかる荷重を検出する荷重センサを内蔵したセンサ付車輪用軸受に関する。
従来、自動車の安全走行のために、各車輪の回転速度を検出するセンサを車輪用軸受に設けたものがある。従来の一般的な自動車の走行安全性確保対策は、各部の車輪の回転速度を検出することで行われているが、車輪の回転速度だけでは十分でなく、その他のセンサ信号を用いてさらに安全面の制御が可能なことが求められている。
そこで、車両走行時に各車輪に作用する荷重から姿勢制御を図ることも考えられる。例えばコーナリングにおいては外側車輪に大きな荷重がかかり、また左右傾斜面走行では片側車輪に、ブレーキングにおいては前輪にそれぞれ荷重が片寄るなど、各車輪にかかる荷重は均等ではない。また、積載荷重不均等の場合にも各車輪にかかる荷重は不均等になる。このため、車輪にかかる荷重を随時検出できれば、その検出結果に基づき、事前にサスペンション等を制御することで、車両走行時の姿勢制御(コーナリング時のローリング防止、ブレーキング時の前輪沈み込み防止、積載荷重不均等による沈み込み防止等)を行うことが可能となる。しかし、車輪に作用する荷重を検出するセンサの適切な設置場所がなく、荷重検出による姿勢制御の実現が難しい。
また、今後ステアバイワイヤが導入されて、車軸とステアリングが機械的に結合しないシステムになってくると、車軸方向荷重を検出して運転手が握るハンドルに路面情報を伝達することが求められる。
このような要請に応えるものとして、車輪用軸受の固定輪や回転輪に歪みゲージを貼り付け、歪みゲージの検出する歪みから車輪にかかる荷重を推定するようにしたものが提案されている(例えば特許文献1、2)。
特許文献1に開示の車輪用軸受では、固定輪である外輪の外周に歪みゲージを貼り付け、転動体が通過するときの外輪の歪みを歪みゲージで検出する。また、特許文献2に開示の車輪用軸受では、回転輪であるハブ輪の車輪取付用フランジに周方向に隣合う複数の透孔を設け、隣合う透孔同士の間の柱部に歪みゲージを貼り付け、柱部の歪みを歪みゲージで検出する。
また、センサ支持部材に歪み検出用の荷重センサを取付けてセンサ装置とし、このセンサ装置を車体側軌道部材(軌道輪)に取付けた車輪用軸受が提案されている(例えば、特許文献3)。特許文献3の場合、センサ支持部材は、車体側軌道部材の外径に当接する水平部および車体側軌道部材の車体取付け用フランジ部に当接する垂直部からなり、前記水平部に荷重センサが貼り付けられている。
特表2003−530565号公報 特開2004−53331号公報 特開2006−077807号公報
しかし、特許文献1に開示の車輪用軸受では、転動体の通過時の歪みを検出するため、転走面と外輪外周との間の肉厚を薄くしないと歪みを検出できず、軸受剛性が低くなる可能性がある。また、転動体通過時の歪みを検出するため、静止時や低速時の荷重を推定するのが困難である。特許文献2に開示の車輪用軸受では、ハブ輪の車輪取付用フランジに透孔を設けて歪みゲージを貼り付けているため、やはり軸受剛性が低くなるという問題がある。
特許文献3に開示の車輪用軸受の場合、タイヤへの左右方向荷重(Fy荷重)に対しては、固定輪の車体取付用フランジと外径面の相対変位が大きいため荷重を検出することができるが、垂直方向荷重(Fz荷重)に対しては、固定輪の車体取付用フランジと外径面の相対変位が小さいため荷重を検出することが困難である。
この発明の目的は、車両にコンパクトに荷重検出用のセンサを設置でき、車輪にかかる様々な荷重を感度良く検出し、その出力を自動車の車両制御に有効に利用することができ、量産時のコストが安価となるセンサ付車輪用軸受を提供することである。
この発明のセンサ付車輪用軸受は、複列の転走面が内周に形成された外方部材と、この外方部材の転走面と対向する転走面を形成した内方部材と、両転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、前記外方部材および内方部材のうちの固定側部材に、この固定側部材と同心のリング状の歪み発生用部材およびこの歪み発生用部材に取付けた複数のセンサ素子からなる歪みセンサを取付け、前記歪み発生用部材は、前記固定側部材に対して固定される複数箇所の接触固定面を有し、前記接触固定面のうち第1の接触固定面は、前記固定側部材に設けられて車体に取付けるフランジの側面に固定されるものであり、第2の接触固定面は前記固定側部材の周面に固定されるものであり、前記センサ素子の出力により、車輪用軸受の予圧量またはタイヤと路面間の作用力を推定する推定手段を設けたことを特徴とする。
車両走行に伴い回転側部材に荷重が加わると、転動体を介して固定側部材が変形し、その変形は歪みセンサの歪み発生用部材に歪みをもたらす。この歪み発生用部材の歪みをセンサ素子が検出する。歪み発生用部材がリング状であるため、第1および第2の接触固定面とセンサ素子とを歪み発生用部材の周方向の各部に複数配置して、歪み発生用部材の周方向の各部の歪みを測定できる。推定手段は、上記センサ素子の出力から、車輪用軸受の予圧量またはタイヤと路面間の作用力を推定する。このようにして得られた各推定値を自動車の車両制御に使用することにより、きめ細かな車両制御が可能となる。
この車輪用軸受は、歪み発生用部材およびこの歪み発生用部材に取付けたセンサ素子からなる歪みセンサを固定側部材に取付ける構成としたため、荷重検出用のセンサを車両にコンパクトに設置できる。歪み発生用部材は固定側部材に取付けられる簡易な部品であるため、これにセンサ素子を取付けることで、量産性に優れたものとでき、コスト低下が図れる。また、軸受剛性をほとんど低下させることなく、車輪用軸受の予圧量またはタイヤと路面間の作用力を推定することができる。
歪み発生用部材の第1の接触固定面は固定側部材のフランジの側面に固定され、第2の接触固定面は固定側部材の周面に固定されているため、第1および第2の接触固定面の径方向位置が異なり、固定側部材の歪みが歪み発生用部材に転写かつ拡大して現れやすい。この歪み発生用部材に転写かつ拡大して現れた歪みをセンサ素子で測定することで、固定側部材の歪みを感度良く検出できる。また、センサ素子の出力から推定される荷重の精度が高くなる。
前記歪み発生用部材の第1の接触固定面は、前記固定側部材のフランジに設けられた車体取付孔の近傍に固定され、前記歪み発生用部材の第2の接触固定面は、周方向において、前記第1の接触固定面とは異なる位相の周面に固定されるのが好ましい。
フランジは車体取付孔でボルト等により懸架装置のナックルに固定されているため、第1の接触固定面が固定される車体取付孔の近傍は、車輪用軸受に荷重がかかってもほとんど変形しない。これに対し、第2の接触固定面が固定される固定側部材の周面は、第1の接触固定面とは位相が異なる箇所、例えば外周にフランジが存在しない箇所であるため、前記車体取付孔の近傍に比べ大きく変形する。第1および第2接触固定面のそれぞれの固定箇所の変形の程度差により、歪み発生用部材に歪みがより一層大きく現れやすく、さらなる荷重の測定精度の向上が図れる。
前記歪み発生用部材の第2の接触固定面は、互いに隣合う2つの前記第1の接触固定面間における中央部に位置するのが好ましい。
第2の接触固定面を、互いに隣合う2つの第1の接触固定面間における中央部に位置させると、第2の接触固定面が車体取付孔から離れた変形しやすい箇所に固定されることになり、リング状の歪み発生部材の一部に歪みが集中しやすくなる。
前記フランジが周方向に離れた4箇所に設けられ、互いに隣合うフランジの中央部がそれぞれ固定側部材の上部、下部、および左右部に位置する場合には、前記歪み発生用部材は4箇所の第1および第2の接触固定面を有し、各第2の接触固定面が、固定側部材の周面における上部、下部、および左右部のそれぞれに固定されているのが良い。
固定側部材は、円周方向の各部によって、車輪にかかる荷重によるラジアル方向の変形の程度が異なる。解析結果によると、例えば、タイヤ路面との接触点に作用する軸方向力(Fy荷重)による外方部材のラジアル方向の変形は、反路面側である上部および路面側である下部で最も大きくなる。このため、第2の接触固定面を、固定側部材の周面における上部、下部、および左右部のそれぞれに固定すると、各第2の接触固定面を介して歪み発生用部材に異なる程度のラジアル方向の変形がもたらされる。それによる歪み発生用部材の各部の歪みをセンサ素子で測定し、そのセンサ素子の検出信号を演算することで、垂直方向荷重Fz、前後方向荷重Fx、左右方向荷重Fy等の様々な方向の荷重の大きさを推定できる。
前記歪み発生用部材は他と比べて断面積が小さい切欠き部を有し、この切欠き部周辺に前記センサ素子を配置すると良い。
歪み発生用部材に切欠き部を設けると、この剛性の低い切欠き部周辺に歪みが集中する。その歪みを切欠き部周辺に配置したセンサ素子で測定するため、固定側部材の歪みを感度良く検出でき、荷重の測定精度が高くなる。
前記歪み発生用部材の切欠き部は、周方向において、前記第1および第2の接触固定面とは異なる位相に設けられているのが良い。
切欠き部を、周方向において、第1および第2の接触固定面とは異なる位相に設けると、切欠き部が、外方部材における変形しやすい部分と変形しにくい部分の間に位置することとなり、切欠き部周辺に歪みが集中しやすくなる。
前記固定側部材を外方部材とすることができる。その場合、歪みセンサを外方部材の外周面に取付ける。
前記歪みセンサの近傍に、前記センサ素子の出力信号を処理するセンサ信号処理回路を有するセンサ信号処理回路ユニットを設けると良い。
歪みセンサの近傍にセンサ信号処理回路ユニットを設けると、歪みセンサからセンサ信号処理回路ユニットへの配線の手間が簡略化できる。また、車輪用軸受以外の場所にセンサ信号処理回路ユニットを設ける場合よりも、センサ信号処理回路ユニットをコンパクトに設置できる。
この発明のセンサ付車輪用軸受は、複列の転走面が内周に形成された外方部材と、この外方部材の転走面と対向する転走面を形成した内方部材と、両転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、前記外方部材および内方部材のうちの固定側部材に、この固定側部材と同心のリング状の歪み発生用部材およびこの歪み発生用部材に取付けた複数のセンサ素子からなる歪みセンサを取付け、前記歪み発生用部材は、前記固定側部材に対して固定される複数箇所の接触固定面を有し、前記接触固定面のうち第1の接触固定面は、前記固定側部材に設けられて車体に取付けるフランジの側面に固定されるものであり、第2の接触固定面は前記固定側部材の周面に固定されるものであり、前記センサ素子の出力により、車輪用軸受の予圧量またはタイヤと路面間の作用力を推定する推定手段を設けたため、車両にコンパクトに荷重検出用のセンサを設置でき、車輪にかかる様々な荷重を感度良く検出し、その出力を自動車の車両制御に有効に利用できる。歪み発生用部材は固定側部材に取付けられる簡易な部品であるため、これに歪みセンサを取付けることで、量産性に優れたものとでき、コスト低下が図れる。
この発明の実施形態を図1ないし図3と共に説明する。図1は車輪用軸受の断面図、図2はその一部を省略した正面図、図3はその一部を展開して表示した平面図である。図1は図2のA−O−A´断面を示している。この実施形態は、第3世代型の内輪回転タイプで、駆動輪支持用の車輪用軸受に適用したものである。なお、この明細書において、車両に取付けた状態で車両の車幅方向の外側寄りとなる側をアウトボード側と呼び、車両の中央寄りとなる側をインボード側と呼ぶ。
このセンサ付車輪用軸受は、内周に複列の転走面3を形成した外方部材1と、これら各転走面3に対向する転走面4を形成した内方部材2と、これら外方部材1および内方部材2の転走面3,4間に介在した複列の転動体5とで構成される。この車輪用軸受は、複列のアンギュラ玉軸受型とされていて、転動体5はボールからなり、各列毎に保持器6で保持されている。上記転走面3,4は断面円弧状であり、ボール接触角が背面合わせとなるように形成されている。外方部材1と内方部材2との間の軸受空間の両端は、密封装置7,8によりそれぞれ密封されている。
外方部材1は固定側部材となるものであって、車体の懸架装置(図示せず)におけるナックルに取付けるフランジ1aを外周に有し、全体が一体の部品とされている。フランジ1aには、周方向の複数箇所に車体取付孔14が設けられている。フランジ1aは周方向に離れた4箇所に設けられ、互いに隣合うフランジ1aの中央部がそれぞれ外方部材1の上部、下部、および左右部に位置している。
内方部材2は回転側部材となるものであって、車輪取付用のハブフランジ9aを有するハブ輪9と、このハブ輪9の軸部9bのインボード側端の外周に嵌合した内輪10とでなる。これらハブ輪9および内輪10に、前記各列の転走面4が形成されている。ハブ輪9のインボード側端の外周には段差を持って小径となる内輪嵌合面12が設けられ、この内輪嵌合面12に内輪10が嵌合している。ハブ輪9の中心には貫通孔11が設けられている。ハブフランジ9aには、周方向複数箇所にハブボルト(図示せず)の圧入孔15が設けられている。ハブ輪9のハブフランジ9aの根元部付近には、ホイールおよび制動部品(図示せず)を案内する円筒状のパイロット部13がアウトボード側に突出している。
外方部材1には、この外方部材1の歪みを検出する歪みセンサ21が設けられている。歪みセンサ21は、外方部材1に固定される歪み発生用部材22に、この歪み発生用部材22の歪みを測定するセンサ素子23を取付けたものである。
歪み発生用部材22は、外方部材1と同心で外方部材1の外周面よりも内周面の直径が大きいリング状であり、外方部材1に対して接触固定される第1および第2の接触固定面22a,22bを有する。この実施形態では、第1および第2の接触固定面22a,22bがそれぞれ4箇所に設けられている。第1の接触固定面22aは、歪み発生用部材22のインボード側面の一部に形成され、外方部材1のフランジ1aのアウトボード側面に固定される。その固定位置は、車体取付孔14の近傍とされる。第2の接触固定面22bは、歪み発生用部材22の内周面複数箇所から内径側に突出する凸部22cの先端面に形成され、外方部材1の外周面に固定される。その固定位置は、周方向において、前記第1の接触固定面22aとは異なる位相の外周面であり、詳しくは互いに隣合う2つの第1の接触固定面22a間における中央部とされる。したがって、4箇所の第2の接触固定面22bは、それぞれ外方部材1の外周面における上部、下部、および左右部に固定されている。
センサ素子23は、歪み発生用部材22の内周面における各凸部22cの周方向両側近傍の位置にそれぞれ取付けられている。したがって、1つの歪みセンサ21につき、8個のセンサ素子23を有する。図示はしていないが、歪みセンサ21には、保護用のカバー等を設けるのが好ましい。
歪み発生用部材22は、例えばボルトにより外方部材1に固定される。図1に示されているように、歪み発生用部材22には第2の接触固定面22bを通り径方向に貫通するボルト挿通孔25が形成され、また外方部材1には前記ボルト挿通孔25に対応するボルト螺着孔26が形成されており、ボルト27を外径側からボルト挿通孔25に挿通し、そのねじ部をボルト螺着孔26に螺着させることにより、歪み発生用部材22を外方部材1の外周面に固定している。同様に、歪み発生用部材22には第1の接触固定面22aを通り軸方向に貫通するボルト挿通孔が形成され、また外方部材1には前記ボルト挿通孔に対応するボルト螺着孔が形成されており、ボルト27をアウトボード側からボルト挿通孔に挿通し、そのねじ部をボルト螺着孔に螺着させることにより、歪み発生用部材22を外方部材1のフランジ1aの側面に固定している(図示せず)。
歪み発生用部材22は、ボルト27を用いて固定する代わりに、接着剤を用いて固定しても良い。また、両者を併用してもよい。さらには、接着剤やボルトを用いず、溶接で歪み発生用部材22と外方部材1とを固定しても良い。これらの固定構造のいずれを採用した場合でも、歪み発生用部材22と外方部材1とを強固に固定することができる。そのため、歪み発生用部材22が外方部材1に対して位置ずれすることがなく、外方部材1の変形を歪み発生用部材22に正確に伝えることが可能である。
歪み発生用部材22の第1および第2の接触固定面22a,22bが接触固定される外方部材1のフランジ1aの側面および外周面に、前記各接触固定面との密着性を向上させるための平坦部や溝部を設けると、歪み発生用部材22と外方部材1との固定をより強固なものとすることができる。
歪み発生用部材22は、外方部材1への固定により塑性変形を起こさない形状や材質とされている。また、歪み発生用部材22は、車輪用軸受に予想される最大の荷重が印加された場合でも、塑性変形を起こさない形状とする必要がある。上記想定される最大の力は、車両故障につながらない走行において想定される最大の力である。歪み発生用部材22に塑性変形が生じると、外方部材1の変形が歪み発生用部材22に正確に伝わらず、歪みの測定に影響を及ぼすためである。また、歪み発生用部材22は、円形状のリング状部材を図示しているが、多角形形状のリング状部材としてもよい。
歪み発生用部材22は、例えばプレス加工により製作することができる。歪み発生用部材22をプレス加工品とすると、コストダウンが可能になる。
また、歪み発生用部材22は、金属粉末射出成形による焼結金属品としてもよい。金属粉末射出成形は、金属、金属間化合物等の成形技術の一つであり、金属粉末をバインダーと混練する工程、この混練物を用いて射出成形する工程、成形体の脱脂処理を行なう工程、成形体の焼結を行なう工程を含む。この金属粉末射出成形によれば、一般の粉末冶金に比べて焼結密度の高い焼結体が得られ、焼結金属品を高い寸法精度で製作することができ、また機械的強度も高いという利点がある。
センサ素子23としては、種々のものを使用することができる。例えば、センサ素子23が金属箔ストレインゲージで構成されている場合、この金属箔ストレインゲージの耐久性を考慮すると、車輪用軸受に予想される最大の荷重が印加された場合でも、歪み発生用部材22におけるセンサ素子23の取付部分の歪み量が1500マイクロストレイン以下であることが好ましい。同様の理由から、センサ素子23が半導体ストレインゲージで構成されている場合は、同歪み量が1000マイクロストレイン以下であることが好ましい。また、センサ素子23が厚膜式センサで構成されている場合は、同歪み量が1500マイクロストレイン以下であることが好ましい。
車輪用軸受には、センサ素子23の出力を処理するためのセンサ信号処理回路ユニット30が設けられている。このセンサ信号処理回路ユニット30は、推定手段31および異常判定手段32を有する。推定手段31は、センサ素子23の出力により、車輪用軸受の予圧量またはタイヤと路面間の作用力を推定する。推定手段31は、車輪用軸受の予圧量またはタイヤと路面間の作用力とセンサ素子23の出力信号との関係を演算式またはテーブル等により設定した関係設定手段(図示せず)を有し、入力された出力信号から前記関係設定手段を用いて予圧量または作用力を出力する。前記関係設定手段の設定内容は、予め試験やシミュレーションで求めておいて設定する。異常判定手段32は、推定手段31により推定された車輪用軸受の予圧量またはタイヤと路面間の作用力が、許容値を超えたと判断される場合に、外部に異常信号を出力する。これらの手段31,32は、自動車の電気制御ユニット(ECU)に設けてもよい。
上記構成のセンサ付車輪用軸受の作用を説明する。ハブ輪9に荷重が印加されると、転動体5を介して外方部材1が変形し、その変形は外方部材1に取付けられた歪み発生用部材22に伝わり、歪み発生用部材22が変形する。この際、歪み発生用部材22は外方部材1のフランジ1aと外周面の変形に従って変形する。歪み発生用部材22の第1の接触固定面22aと第2の接触固定面22bとの径方向位置が異なるため、外方部材1の歪みが歪み発生用部材22に転写かつ拡大して現れやすい。特に、この実施形態の場合、第1の接触固定面22aが接触固定される箇所を、車輪用軸受に荷重がかかってもほとんど変形しないフランジ1aの車体取付孔14の近傍とし、かつ第2の接触固定面22bが接触固定される箇所を、互いに隣合う2つのフランジ1a間の中央部に位置して比較的大きく変形する箇所としているため、第1の接触固定面22aの部分と第2の接触固定面22bの部分との変形の差が大きく、歪み発生用部材22の一部、すなわち各凸部22cの近傍に歪みが集中して現れる。この歪み発生用部材22に転写かつ拡大して現れた歪みをセンサ素子23で測定するため、外方部材1の歪みを感度良く検出できる。
また、リング状の歪み発生用部材22の複数箇所にセンサ素子23が取付けられているため、歪み発生用部材22の各部の歪みを各センサ素子23により測定できる。外方部材1は、円周方向の各部によって、車輪にかかる荷重によるラジアル方向の変形の程度が異なる。解析結果によると、例えば、タイヤ路面との接触点に作用する軸方向力(Fy荷重)による外方部材のラジアル方向の変形は、反路面側である上部および路面側である下部で最も大きくなる。このため、この実施形態のように、第2の接触固定面22bを、外方部材1の外周面における上部、下部、および左右部のそれぞれに固定すると、第2の接触固定面22bを介して歪み発生用部材22に異なる程度のラジアル方向の変形がもたらされる。それによる歪み発生用部材22の各部の歪みをセンサ素子23で測定し、そのセンサ素子23の検出信号を演算することにより、垂直方向荷重Fz、前後方向荷重Fx、左右方向荷重Fy等の様々な方向の荷重の大きさを推定できる。
荷重の方向や大きさによって歪みの変化が異なるため、予め歪みと荷重の関係を実験やシミュレーションにて求めておけば、車輪用軸受の予圧量またはタイヤと路面間の作用力を推定することができる。前記推定手段31は、このように実験やシミュレーションにより予め求めて設定しておいた歪みと荷重の関係から、センサ素子23の出力により、車輪用軸受の予圧量またはタイヤと路面間の作用力を推定する。前記異常判定手段32は、推定手段31により推定された車輪用軸受の予圧量またはタイヤと路面間の作用力が、許容値を超えたと判断される場合に、外部に異常信号を出力する。この異常信号を、自動車の車両制御に使用することができる。また、リアルタイムで車輪用軸受の予圧量またはタイヤと路面間の作用力を出力すると、よりきめ細かな車両制御が可能となる。
この車輪用軸受は、歪み発生用部材22およびこの歪み発生用部材22に取付けたセンサ素子23からなる歪みセンサ21を外方部材1に取付ける構成としたため、荷重検出用のセンサを車両にコンパクトに設置できる。歪み発生用部材22は外方部材1に取付けられる簡易な部品であるため、これにセンサ素子23を取付けることで、量産性に優れたものとでき、コスト低下が図れる。また、軸受剛性をほとんど低下させることなく、車輪用軸受の予圧量またはタイヤと路面間の作用力を推定することができる。
図4は歪みセンサ21の異なる実施形態を示す。この歪みセンサ21は、歪み発生用部材22に他と比べて断面積が小さい切欠き部22dを設け、この切欠き部22d周辺にセンサ素子23を配置したものである。切欠き部22dは、径方向の肉厚が薄くなるように歪み発生用部材22の内周側を切り欠いてあり、この切欠き部22dの内周面にセンサ素子23が取付けられている。切欠き部22dの周方向位置は、前記実施形態のセンサ素子23の取付位置と同様に、歪み発生用部材22の各凸部22cの周方向両側近傍である。
このように、歪み発生部材22に切欠き部22dを設けると、この剛性の低い切欠き部22d周辺に歪みが集中する。その歪みを切欠き部22d周辺に配置したセンサ素子で測定するため、外方部材1の歪みを感度良く検出でき、荷重の測定精度が高くなる。この実施形態のように切欠き部22dを設けると、外方部材1の外周面が上下方向に変形する場合に切欠き部22d周辺の歪みが大きくなるため、特に垂直方向荷重Fzの検出に適していると考えられるが、垂直方向荷重Fz以外の荷重の検出にも有効である。また、本実施形態では、切欠き部22dの内周面にセンサ素子23が取付けられているが、外周面などその他の切欠き部22d周辺に設置してもよい。
図5および図6は歪みセンサ21のさらに異なる実施形態を示す。この歪みセンサ21も、歪み発生用部材22に切欠き部22eを設け、この切欠き部22e周辺にセンサ素子23を配置したものであるが、図4の実施形態と異なり、切欠き部22eは、軸方向の肉厚が薄くなるように歪み発生用部材22のアウトボード側を切り欠いてある。そして、切欠き部22eのアウトボード側面にセンサ素子23が取付けられている。切欠き部22eの周方向位置は、前記各実施形態のセンサ素子23の取付位置と同様に、歪み発生用部材22の各凸部22cの周方向両側近傍である。
このように、歪み発生部材22に切欠き部22eを設けても、切欠き部22e周辺に歪みが集中し、外方部材1の歪みを感度良く検出できる。この実施形態のように切欠き部22eを設けると、外方部材1にモーメントが加わった場合に切欠き部22e周辺の歪みが大きくなるため、特に左右方向荷重Fyの検出に適していると考えられるが、左右方向荷重Fy以外の荷重の検出にも有効である。
なお、前記各実施形態では、外方部材1が固定側部材である場合につき説明したが、この発明は、内方部材が固定側部材である車輪用軸受にも適用することができ、その場合、歪みセンサ21は内方部材2の内周となる周面に設ける。
また、前記各実施形態では第3世代型の車輪用軸受に適用した場合につき説明したが、この発明は、軸受部分とハブとが互いに独立した部品となる第1または第2世代型の車輪用軸受や、内方部材の一部が等速ジョイントの外輪で構成される第4世代型の車輪用軸受にも適用することができる。また、このセンサ付車輪用軸受は、従動輪用の車輪用軸受にも適用でき、さらに各世代形式のテーパころタイプの車輪用軸受にも適用することができる。
この発明の実施形態にかかるセンサ付車輪用軸受の断面図である。 同センサ付車輪用軸受の外方部材および歪みセンサを示す正面図と検出系の概念構成のブロック図とを組み合わせて示す図である。 同外方部材および歪みセンサの一部を展開して表示した平面図である。 異なるセンサ付車輪用軸受の外方部材および歪みセンサを示す正面図である。 さらに異なるセンサ付車輪用軸受の外方部材および歪みセンサを示す正面図である。 同外方部材および歪みセンサの一部を展開して表示した平面図である。
符号の説明
1…外方部材(固定側部材)
1a…フランジ
2…内方部材(回転側部材)
3,4…転走面
5…転動体
7,8…密封装置
14…車体取付孔
21…歪みセンサ
22…歪み発生用部材
22a…第1の接触固定面
22b…第2の接触固定面
22d,22e…切欠き部
23…センサ素子
30…センサ信号処理回路ユニット
31…作用力推定手段
32…異常判定手段

Claims (8)

  1. 複列の転走面が内周に形成された外方部材と、この外方部材の転走面と対向する転走面を形成した内方部材と、両転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、
    前記外方部材および内方部材のうちの固定側部材に、この固定側部材と同心のリング状の歪み発生用部材およびこの歪み発生用部材に取付けた複数のセンサ素子からなる歪みセンサを取付け、前記歪み発生用部材は、前記固定側部材に対して固定される複数箇所の接触固定面を有し、前記接触固定面のうち第1の接触固定面は、前記固定側部材に設けられて車体に取付けるフランジの側面に固定されるものであり、第2の接触固定面は前記固定側部材の周面に固定されるものであり、前記センサ素子の出力により、車輪用軸受の予圧量またはタイヤと路面間の作用力を推定する推定手段を設けたことを特徴とするセンサ付車輪用軸受。
  2. 請求項1において、前記歪み発生用部材の第1の接触固定面は、前記固定側部材のフランジに設けられた車体取付孔の近傍に固定され、前記歪み発生用部材の第2の接触固定面は、周方向において、前記第1の接触固定面とは異なる位相の周面に固定されるセンサ付車輪用軸受。
  3. 請求項2において、前記歪み発生用部材の第2の接触固定面は、互いに隣合う2つの前記第1の接触固定面間における中央部に位置するセンサ付車輪用軸受。
  4. 請求項3において、前記フランジが周方向に離れた4箇所に設けられ、互いに隣合うフランジの中央部がそれぞれ固定側部材の上部、下部、および左右部に位置し、かつ前記歪み発生用部材は4箇所の第1および第2の接触固定面を有し、各第2の接触固定面が、固定側部材の周面における上部、下部、および左右部のそれぞれに固定されているセンサ付車輪用軸受。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記歪み発生用部材は他と比べて断面積が小さい切欠き部を有し、この切欠き部周辺に前記センサ素子を配置したセンサ付車輪用軸受。
  6. 請求項5において、前記歪み発生用部材の切欠き部は、周方向において、前記第1および第2の接触固定面とは異なる位相に設けられているセンサ付車輪用軸受。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、前記固定側部材が外方部材であるセンサ付車輪用軸受。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、前記歪みセンサの近傍に、前記センサ素子の出力信号を処理するセンサ信号処理回路を有するセンサ信号処理回路ユニットを設けたセンサ付車輪用軸受。
JP2007126405A 2007-05-11 2007-05-11 センサ付車輪用軸受 Pending JP2008281460A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007126405A JP2008281460A (ja) 2007-05-11 2007-05-11 センサ付車輪用軸受

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007126405A JP2008281460A (ja) 2007-05-11 2007-05-11 センサ付車輪用軸受

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008281460A true JP2008281460A (ja) 2008-11-20

Family

ID=40142392

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007126405A Pending JP2008281460A (ja) 2007-05-11 2007-05-11 センサ付車輪用軸受

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008281460A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5147254B2 (ja) センサ付車輪用軸受
JP4925624B2 (ja) センサ付車輪用軸受
JP4864441B2 (ja) センサ付車輪用軸受
JP2007046635A (ja) センサ付車輪用軸受
JP2007071280A (ja) センサ付車輪用軸受
JP4925625B2 (ja) センサ付車輪用軸受
JP2007057259A (ja) センサ付車輪用軸受
JP2007057258A (ja) センサ付車輪用軸受
JP2008051283A (ja) センサ付車輪用軸受
JP2007057257A (ja) センサ付車輪用軸受
JP5334370B2 (ja) センサ付車輪用軸受
JP2008249566A (ja) センサ付車輪用軸受
JP2008281460A (ja) センサ付車輪用軸受
JP4911967B2 (ja) センサ付き車輪用軸受
JP4889548B2 (ja) センサ付車輪用軸受
JP2008241359A (ja) センサ付車輪用軸受
JP2007057301A (ja) センサ付車輪用軸受
JP2007078597A (ja) センサ付車輪用軸受
JP2010032229A (ja) センサ付車輪用軸受
JP4936931B2 (ja) センサ付車輪用軸受
JP2007071628A (ja) センサ付車輪用軸受
JP4925770B2 (ja) センサ付車輪用軸受
JP2008203119A (ja) センサ付車輪用軸受装置
JP4493569B2 (ja) センサ付車輪用軸受
JP2007078129A (ja) センサ付車輪用軸受