JP2008280253A - エダラボン注射液 - Google Patents

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Magoichi Sako
孫市 酒向
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Ohara Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

【課題】小容量かつ長期安定なエダラボン注射液、を提供すること。
【解決手段】(1)液状の含水ポリエチレングリコールにエダラボンが注射液重量の0.3%から5%溶解され、安定化剤としてL−システイン又はその塩及びエデト酸二ナトリウムがそれぞれ注射液重量の0.005%から0.05%溶解されてなる注射液、(2)含水ポリエチレングリコールの含水割合が20重量%から50重量%である前記(1)に記載の注射液、(3)ポリエチレングリコールの平均分子量が100から800である前記(1)又は(2)に記載の注射液を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、下記の化学構造式で示される脳保護剤エダラボン(一般的名称)を含有する注射液に関する。
Figure 2008280253
エダラボンの患者1人当たりの投与量は、1回につき30mgとされている。これを静脈投与するには、注射液にする必要があるが、エダラボンは空気酸化され易く水に溶け難い性質を有している。そのため、従来、安定かつ安全な注射液について検討され、望ましい処方がいくつか提案されている(特許文献1〜3)。
しかし、前記提案によれば、1回当たりの注射液の容量が20mlと大きくならざるを得ず、取扱いの点で小容量化が望まれるもの、あるいは容量を小さくする工夫がされたものではエダラボンの注射液としての長期安定性が必ずしも十分とは言い難い等の問題がある。
特公平7−121861号公報 WO2002/092028号公報 特開2006−257020号公報
本発明の課題は、臨床現場で取扱い易く長期保存が可能なエダラボンの注射液、すなわち小容量かつ長期安定なエダラボン注射液、を提供することにある。
本発明者は、鋭意検討した結果、所期の目的を達成する本発明を完成することができた。
すなわち、本発明によれば、下記の注射液を提供することができる。
(1)液状の含水ポリエチレングリコールにエダラボンが注射液重量の0.3%から5%溶解され、安定化剤としてL−システイン又はその塩及びエデト酸二ナトリウムがそれぞれ注射液重量の0.005%から0.05%溶解されてなる注射液。
(2)含水ポリエチレングリコールの含水割合が20重量%から50重量%である前記(1)に記載の注射液。
(3)ポリエチレングリコールの平均分子量が100から800である前記(1)又は(2)に記載の注射液。
本発明において、エダラボンの溶剤としてポリエチレングリコールを使用することにより、注射液の容量を小さくすることができ、L−システイン又はその塩とエデト酸二ナトリウムを使用することにより、エダラボンの長期安定性が可能となった。
本発明において使用する含水ポリエチレングリコールの含水重量比率は、20%〜50%が好ましい。ポリエチレングリコールの平均分子量は、100〜800が好ましく、中でも市販されている平均分子量400のものが好適に使用できる。
本発明注射液のエダラボン濃度は、注射液重量の0.3%〜5%が好ましい。
本発明で使用するL−システインの塩としては、その塩酸塩が好ましい。
また、L−システイン又はその塩、及びエデト酸2ナトリウムの使用量は、注射液重量の0.005%〜0.05%が好ましい。
以下、実施例によって説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
40重量%の注射用水を含有する平均分子量が400のポリエチレングリコール(和光純薬株式会社製のマクロゴール400)100mlにエダラボン3g、L−システイン塩酸塩一水和物25mg及びエデト酸2ナトリウム25mgを溶解し、メンブランフィルターを用いて無菌的に濾過し、この溶液1mlをアンプルに充填し、ヘッドスペースの空気を窒素で置換した後、熔封した。
比較例1
40重量%の注射用水を含有する平均分子量が400のポリエチレングリコール(和光純薬株式会社製のマクロゴール400)100mlにエダラボン3gを溶解し、メンブランフィルターを用いて無菌的に濾過し、この溶液1mlをアンプルに充填し、ヘッドスペースの空気を窒素で置換した後、熔封した。
比較例2
40重量%の注射用水を含有する平均分子量が400のポリエチレングリコール(和光純薬株式会社製のマクロゴール400)100mlにエダラボン3gとL−システイン塩酸塩一水和物25mgを溶解し、メンブランフィルターを用いて無菌的に濾過し、この溶液1mlをアンプルに充填し、ヘッドスペースの空気を窒素で置換した後、熔封した。
比較例3
40重量%の注射用水を含有する平均分子量が400のポリエチレングリコール(和光純薬株式会社製のマクロゴール400)100mlにエダラボン3gとエデト酸2ナトリウム25mgを溶解し、メンブランフィルターを用いて無菌的に濾過し、この溶液1mlをアンプルに充填し、ヘッドスペースの空気を窒素で置換した後、熔封した。
試験例1
実施例1及び参考例1〜3で得たアンプル入り溶液を121℃で1時間加熱した。冷却後、それぞれ着色の度合いを観察した。その結果、参考例1〜3のいずれの注射液も、僅かに黄色の着色が認められたが、実施例1の注射液は殆ど着色が認められなかった。
さらに、前記加熱冷却後の各注射液について、高速液体クロマトグラフィーにより、エダラボンと生成類縁化合物の含有比率(面積百分率)を調べた。その結果(下記表)、実施例1の注射液が最も安定であり、注射液として十分安定であることが認められた。
Figure 2008280253
臨床現場で有用な本発明のエダラボン注射液は、通常の注射液の製造方法により容易に製造でき、したがって産業上利用可能である。

Claims (3)

  1. 液状の含水ポリエチレングリコールにエダラボンが注射液重量の0.3%から5%溶解され、安定化剤としてL−システイン又はその塩及びエデト酸二ナトリウムがそれぞれ注射液重量の0.005%から0.05%溶解されてなる注射液。
  2. 含水ポリエチレングリコールの含水割合が20重量%から50重量%である請求項1に記載の注射液。
  3. ポリエチレングリコールの平均分子量が100から800である請求項1又は2に記載の注射液。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US9006280B2 (en) 2008-11-20 2015-04-14 Teikoku Pharma Usa, Inc. Pyrazolone derivative formulations
CN110090225A (zh) * 2019-04-19 2019-08-06 济南康和医药科技有限公司 一种依达拉奉氯化钠注射液及其制备方法
KR20190111929A (ko) * 2017-01-17 2019-10-02 트리웨이 티더블유001 비.브이. 에다라본의 경구 또는 위 투여를 포함하는 치료

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