JP2008279763A - 金型内で塗膜を有する成形品の製造方法および製造用金型 - Google Patents

金型内で塗膜を有する成形品の製造方法および製造用金型 Download PDF

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Abstract


【課題】基材の表面に塗料を漏れなく均一に注入することができる成形品の製造方法を提供する。
【解決手段】基材(B)を成形するときに、その略中心部に、塗料注入細孔(TS)を有する突出部(TB)も成形する。インジェクターのノズル部(23)を突出部(TB)に当接させて、熱硬化性の塗料を基材の表面(BY)とスライド金型の凹部(9)とで構成される隙間(CT)に注入する。このとき、前記隙間(CT)の末端部に設けられているハロゲンまたはカーボンヒータにより温度調節して注入する。これにより、塗料の硬化を促進あるいは遅らせる。注入するとき、塗料流路確保用のピン(32)は塗料注入孔(24)を貫通して、その先端部は塗料注入細孔(TS)に達する。塗料流路確保用のピン(32)を待避させるとき、ノズル部(23)の塗料注入孔(24)の目詰まりは解かれる。
【選択図】図3

Description

本発明は、スライド金型と、可動金型とを使用して、前記スライド金型の凹部と前記可動金型のコアとにより構成されるキャビティに溶融樹脂を射出して基材を射出成形する射出工程と、該射出工程により成形され前記コアに残っている基材の表面と前記スライド金型の他の凹部とにより構成される塗膜形成用の隙間に塗料を注入して基材の表面に塗膜を形成する塗膜形成工程とからなる、金型内で塗膜を有する成形品の製造方法および製造用金型に関するものである。
射出成形機は、従来周知のように、固定金型、この固定金型に対して型開閉される可動金型、これらの金型のパーティング面の間に形成されているキャビティに溶融樹脂を射出する射出ユニット等からなっている。したがって、金型のキャビティに溶融樹脂を射出ユニットから射出・充填し、冷却固化を待って可動金型を開くと、エジェクタピンが突き出て所望形状の射出成形品が得られる。この射出成形法は、金型の開閉、射出ユニットによる樹脂材料の可塑化および射出・充填、エジェクタピンの突き出し等の各成形動作が容易に自動化でき、生産性に優れているので、自動車部品、家電製品等の大量生産に欠かせないもとなっている。しかし、射出成形品の表面には、必ずしも高級感はない。また、耐候性、耐薬品性、耐擦過性等においても劣ることがある。そこで、射出成形後、後処理として射出成形品の表面に塗膜を形成し表面性を高めることも行われている。その一つに、金型内で塗装あるいは塗膜を形成するいわゆる金型内塗装方法が知られている。この金型内塗装方法は、概略的には溶融樹脂を金型のキャビティに射出して基材を射出成形する工程と、成形された基材の表面に金型内で塗膜を形成する塗膜形成工程とからなっている。このような金型内塗装方法は、色々提案され非特許文献にも示されているが、本発明の直接的な先行技術文献として特許文献1を挙げることができる。
特開2005−161685
特許文献1に示されている金型内塗装用金型は、固定型、この固定型と共働する基材成形用の型、同様に固定型と共働する塗膜形成用の型、塗料注入ノズル等から構成されている。したがって、固定型と基材成形用の型とで構成されるキャビティに溶融樹脂を射出して基材を成形し、冷却固化を待って基材成形用の型を塗膜形成用の型と入れ替えて、固定型に残っている基材の表面と、入れ替えた塗膜形成用の型とで構成される隙間に塗料注入ノズルから塗料を注入すると、基材の表面に塗膜が形成される。塗膜形成用の型を開くと、表面に塗膜が形成された射出成形品が得られる。
特許文献1に記載の金型内塗装用金型によると、射出成形法の特長を生かして、金型内で塗膜が形成されるので、揮発性有機物の発生がなく環境に優しく、表面に塗膜を有する射出成形品を得ることができるという利点は認められる。また、塗料は基材の裏面から表面に向けて塗布されるようになっているので、表面に塗布痕跡が残るようなこともない。
しかしながら、改良すべき問題点も多い。例えば、塗料は基材の側部に成形されるタグの注入口から注入されるようになっているので、すなわち基材の端部から注入されるようになっているので、隙間に注入される前に、注入口の近傍から外部へ漏れやすい。そのために、インロー構造にする必要があるが、インロー構造にすると金型合わせの精度、耐久性、使用範囲、特に金型温度等に大きな問題が生じる。また、塗料は基材の側部から注入されるようになっているので、塗料が流れる塗布長さは成形品の形状により不均一で、基材の表面に均一に塗布される前に、近い箇所から漏れる可能性もある。そのためには、特別な金型構造にする必要もある。さらには、塗膜形成後にタグは切り落とされるようになっているので、無駄になる材料が多くなっている。また、基材に塗料注入孔を成形するために、基材成形用の型にはコアピンが設けられているが、このコアピンはピストン・シリンダユニットにより駆動されるようになっていて、金型構造が複雑になっている。さらには、基材成形用の型と塗膜形成用の型は、別体として構成されていると認められ、金型がコスト高になっている。また、基材の裏側、例えば裏側の周辺部まで塗膜を形成することが望まれることもあるが、特許文献1に記載の金型内塗装用金型ではそのような位置には塗膜は形成できない。
したがって、本発明は、射出成形法の特長を生かし自動成形ができることは勿論のこと、基材の表面と金型の凹部とで構成される隙間に塗料を漏れなく均一に注入することができ、また金型を安価に製作することができ、さらには廃棄する樹脂量が少ない、金型内で表面に塗膜を有する成形品を得ることができる製造方法および製造用金型を提供することを目的としている。また、他の発明は、上記目的に加えて基材の裏側まで塗膜を成形することができる製造方法および製造用金型を提供することを目的としている。
本発明は、上記目的を達成するために、基材を射出成形するときに、基材の略中心部あるいは基材の周辺部から略等距離の位置に突出部を1個あるいは複数個一体的に成形するように構成される。この突出部は、基材の裏側に、その内部に塗料注入細孔を有するように成形される。そして、基材の表面と金型の凹部とで構成される塗膜成形用の隙間に塗料を注入するときは、インジェクターのノズル部を基材の突出部に当接させて、インジェクターのプランジャーを駆動するように構成される。また、インジェクターのプランジャーの先端部には塗料流路確保用のピンが設けられる。このピンは、インジェクターのプランジャーを駆動するとき、インジェクターのノズル部の塗料注入孔を貫通して、その先端部の一部は基材の突出部の塗料注入細孔に達する。塗料注入細孔に達するときに、何らかの理由により塗料注入細孔に樹脂が詰まっていても、目詰まりはピンにより明けられる。また、1ショットの注入が終わりプランジャーを待避させると、ピンもノズル部の塗料注入孔から抜ける。これにより、ノズル部の塗料注入孔は塗料により詰まることはない。さらには、塗料には熱硬化性の塗料が適用され、塗膜形成用の凹部および基材成形用のコアの周辺部は、温度制御される。例えば前記周辺部をハロゲンヒータまたはカーボンヒータにより瞬間的に加熱して塗料を硬化し外部への漏れを防止し、あるいは冷却して固化を遅らせて基材の裏側にも塗布するように構成される。
かくして、請求項1に記載の発明は、スライド金型と、可動金型とを使用して、前記スライド金型の凹部と前記可動金型のコアとにより構成されるキャビティに溶融樹脂を射出して基材を射出成形する射出工程と、該射出工程により成形され前記コアに残っている基材の表面と前記スライド金型の他の凹部とにより構成される塗膜形成用の隙間にインジェクターにより塗料を注入して基材の表面に塗膜を形成する塗膜形成工程とからなる製造方法であって、前記射出工程時に、基材の略中心部あるいは基材の周辺部から略等しい位置において裏側から外方へ突き出た突出部を、その内部に塗料注入細孔を有するように成形し、前記塗膜形成工程時には、前記インジェクターのノズル部を基材の前記突出部に当接させて、前記インジェクターの塗料を前記塗料注入細孔から前記隙間に注入して基材の表面に塗膜を形成するように構成される。
請求項2に記載の発明は、スライド金型と、可動金型とを使用して、前記スライド金型の凹部と前記可動金型のコアとにより構成されるキャビティに溶融樹脂を射出して基材を射出成形する射出工程と、該射出工程により成形され前記コアに残っている基材の表面と前記スライド金型の他の凹部とにより構成される塗膜形成用の隙間にインジェクターにより塗料を注入して基材の表面に塗膜を形成する塗膜形成工程とからなる製造方法であって、前記射出工程時に、基材の略中心部あるいは基材の周辺部から略等しい位置において裏側から外方へ突き出た突出部を、その内部に塗料注入細孔を有するように成形し、前記塗膜形成工程時には、前記インジェクターのノズル部を基材の前記突出部に当接させて、前記インジェクターのプランジャーを駆動するとき、その先端部に取り付けられている塗料流路確保用のピンを前記ノズル部に形成されている塗料注入孔を貫通させて前記塗料注入細孔に一部を挿入して、前記インジェクターの塗料を前記塗料注入孔および前記塗料注入細孔から前記隙間に注入して基材の表面に塗膜を形成するように構成される。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の製造方法において、前記射出工程時に、基材の外周部から等しくなるような位置において裏側から外方へ突き出た複数個の突出部を、その内部に塗料注入細孔を有するように成形し、前記塗膜形成工程時には、前記複数個の突出部の塗料注入細孔から前記隙間に注入して基材の表面に塗膜を形成するように構成され、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかの項に記載の製造方法において、前記射出工程時の金型温度と、前記塗膜形成工程時の金型温度をそれぞれ独立して調節するように構成される。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかの項に記載の製造方法において、熱硬化性の塗料を前記隙間に注入するとき、前記隙間の周辺の金型温度を調節するように、請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかの項に記載の製造方法において、熱硬化性の塗料を前記隙間に注入するとき、前記隙間の周辺の金型温度を調節すると共に、前記基材を前記塗膜形成用の隙間が狭まる方向に駆動して、前記隙間に注入されている熱硬化性の塗料の一部を前記基材の裏側に押し出し、前記基材の裏側にも塗膜を形成するように、そして請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載の製造方法において、金型温度をハロゲンヒータまたはカーボンヒータにより調節するように構成される。
請求項8に記載の発明は、パーティング面側に、少なくとも基材成形用と塗膜成形用の2個の凹部が設けられ、基材成形位置と塗膜形成位置へスライド的に駆動されるスライド金型と、同様にパーティング面側に、少なくとも基材成形用の1個のコアが設けられ、前記スライド金型に対して型開閉される可動金型と、塗料を押し出すインジェクターとからなり、前記スライド金型の基材成形用の凹部の略中心部あるいは該凹部の周辺部から略等距離の位置にはパーティング面側に突き出た塗料注入細孔成形用の小コアが設けられ、前記塗膜形成用の凹部は、前記基材成形用の凹部よりも所定量だけ大きく、前記可動金型の基材成形用のコアは、前記基材成形用の凹部よりも所定量だけ小さく、そして前記コアのパーティング面側の、基材成形位置における前記スライド金型の小コアに対応する位置には、該小コアと共働して基材に突出部を成形するためのコア側凹部が設けられ、前記インジェクターは、前記コア側凹部に対応して設けられるように構成される。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の金型において、前記インジェクターは、所定量宛の塗料が供給されるシリンダと、該シリンダ内の塗料を押し出すプランジャーとからなり、前記シリンダのパーティング面側はノズル部となっていると共に、該ノズル部には塗料が押し出される塗料注入孔が形成され、前記プランジャーの先端部には、塗料流路確保用のピンが設けられ、該ピンは前記プランジャーが前方へ駆動されるとき、前記ノズル部の塗料注入孔を貫通して所定量外方へ突き出るように構成され、請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の金型において、前記シリンダのノズル部がパーティング面から所定量内側に設けられていることにより、前記小コアと共働する前記コア側凹部が構成されている。請求項11に記載の発明は、請求項8〜10のいずれかの項に記載の金型において、前記基材成形用のコアの頂面には、表面に塗膜が形成された成形品を押し出す機能と共に、基材を前記塗膜形成用の凹部側へ押す機能を備えた複数個のエジェクターピンが臨んでいるように構成される。
請求項12に記載の発明は、請求項8〜11のいずれかの項に記載の金型において、前記基材成形用の凹部前記塗膜形成用の凹部と基材成形用のコアの周辺部には、独立して温度が制御される温度制御手段が設けられ、請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の金型において、基材成形用のコアの周辺部に設けられている温度制御手段はハロゲンまたはカーボンヒータからなるように構成される。
以上のように、本発明によると、射出工程時に基材の略中心部あるいは基材の周辺部から略等しい位置において裏側から外方に突き出た突出部を、その内部に塗料注入細孔を有するように成形し、塗膜形成工程時には、塗料を押し出すインジェクターのノズル部を基材の前記突出部に当接させて、前記インジェクターの塗料を前記塗料注入細孔から、基材の表面と金型の凹部との間の隙間に注入して基材の表面に塗膜を形成するので、すなわち、塗料を基材の略中心部から注入するので、塗料の塗布分布はあらゆる方向に略同じになる。したがって、前記隙間の全域に注入する前に、近い箇所から外部へ漏れるようなことはない。漏れないので、金型構造は単純になる。また、塗料を押し出すとき、インジェクターのノズル部を基材の前記突出部に当接させて押し出すので、従来のように注入口の近傍から漏れるようなこともない。
また、他の発明によると、塗膜形成工程時には、塗料を押し出すインジェクターのノズル部を基材の前記突出部に当接させて、前記インジェクターのプランジャーを駆動するとき、その先端部に取り付けられている塗料流路確保用のピンを前記塗料注入孔を貫通させて前記塗料注入細孔に一部を挿入して、前記インジェクターの塗料を前記塗料注入孔および前記塗料注入細孔から前記隙間に注入して基材の表面に塗膜を形成するので、塗膜形成後プランジャーを後退させると、塗料流路確保用のピンは、ノズル部の塗料注入孔から抜ける。したがって、塗料注入孔は塗料により目詰まりするようなことはなく、次の塗料の注入ができる。さらに他の発明によると、塗料を前記隙間に注入するとき、前記隙間の周辺の金型温度を調節するので、例えば加熱するので、熱硬化性の塗料の周辺部からの漏れをより確実に防ぐことができ、また冷却することにより固化を遅らせ、塗膜形成用の隙間に注入される塗料を基材の裏側へ回し、裏側にも塗膜を形成することができる。
金型温度をハロゲンヒータまたはカーボンヒータにより調節する発明によると、これらのヒータは熱応答性に優れているので、オンすることにより瞬時に所定温度に加熱することができ、そしてオフすることにより短時間に降下させることができる。また、熱応答性に優れているので、必要な箇所のみを加熱することもできる。したがって、短いサイクルで省エネ的に、表面に塗膜を有する成形品を製造することができるという効果がさらに得られる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は、本実施の形態に係る可動金型を開いて模式的に示す断面図であるが、同図に示されているように、本実施の形態に係る金型内塗装用金型は、図1において右方に示されている固定盤1、この固定盤1に取り付けられているスライド金型5、図1において左方に示されている可動盤10、この可動盤10に取り付けられている可動金型15等から構成されている。スライド金型5は、紙面に垂直方向すなわち水平方向にスライド可能に設けることもできるが、理解がしやすいように図1に示されている実施の形態では上下方向にスライドする金型として示されている。また、固定盤1とスライド金型5との間には、プレート浮かしが設けられ、スライド金型5をスライドさせるとき、後述するスプルの摩耗を防止するようになっているが、図1にはプレート浮かしは示されていない。さらには、可動盤10は固定盤1に対して型開閉されるが、そのための型締装置等も図1には示されていない。
固定盤1の側部にはロケートリング2が取り付けられている。そして、このロケートリング2からスプル3が固定盤1を横切るようにしてスライド金型5の方へ延びている。スライド金型5の上方のパーティング面P側には、所定大きさの基材成形用の凹部6が設けられている。そして、この凹部6の実質的な中心部にパーティング面P側へ突き出た、塗料注入孔形成用の小コア7が設けられている。この小コア7の高さは、射出成形される基材の厚みよりも高く、可動金型15をスライド金型5に対して型締めするとき、詳しくは後述するインジェクターのノズル部23の先端部に接する。このように、塗料注入孔形成用の小コア7が、基材成形用の凹部6の略中心部に設けられているので、塗料は基材の中心部から塗布あるいは注入されることになる。また、この小コア7により基材の裏面側に突出部が成形され、この突出部が塗料注入時にインジェクタのノズル部に当接して、塗料の漏れが生じないようになっている。前述した固定盤1側のスプル3は、図1に示されている位置ではスライド金型5のスプル8に連なり、そしてゲートを介して基材成形用の凹部6に開口するようになっているが、図1にはこれらの樹脂流路は現れていない。
スライド金型5の下方の、パーティング面P側には塗膜形成用の凹部9が設けられている。この塗膜形成用の凹部9は、前述した基材成形用の凹部6よりも塗膜分だけ大きい。したがって、基材の表面および側面に所定厚さの塗膜が形成されることになる。また、側面側にも隙間が生じるので、詳しくは作用の項で説明するように、基材の裏面側も塗布することができる。
可動金型15は、スペーサ17を介して可動盤10に取り付けられている。この可動金型15のパーティング面P’側の略中心部には、基材成形用のコア16が設けられている。この基材成形用のコア16は、前述した基材成形用の凹部6よりも所定量だけ小さく、またパーティング面P’から所定量だけ突き出ている。したがって、これらのコア16と凹部6とにより所定厚さの底部および周壁からなる基材が成形されることになる。この基材成形用のコア16のパーティング面P’には、エジェクタピン18、18の先端部が臨んでいる。これらのエジェクタピン18、18は、それぞれのタイミングボルト19、19を介してエジェクタ部材EJ、EJで駆動される。
このように構成されているスライド金型5の塗膜成形用の凹部9の周辺部および可動金型15の基材成形用のコア16の周辺部は、断熱材、加熱手段、冷却手段等からなる温度調節手段により個別に温度が制御されるようになっている。例えば、冷却媒体として冷却水が適用され、冷却水はパイプにより塗膜成形用の凹部9の周辺部および可動金型15の基材成形用のコア16の周辺部に導かれるようになっている。また、加熱手段には赤外線ランプが適用され、この赤外線ランプから放射される熱線を複数本の光ファイバにより塗膜成形用の凹部9の周辺部および可動金型15の基材成形用のコア16の周辺部に導いて、これらの周辺部を瞬間的に加熱するようになっている。また、基材成形用の凹部6および基材成形用のコア16の周辺部も、塗膜成形用の凹部9の周辺温度とは独立して成形樹脂温度に調節されるようになっている。加熱手段としては、後述するハロゲンヒータまたはカーボンヒータを適用することもできる。
可動金型15の基材成形用のコア16の内部に、塗料押出用のインジェクター20が設けられている。インジェクター20は、シリンダ21、このシリンダ21内にラビリンス機構22により液密的に往復駆動可能にに設けられているプランジャー30、プランジャー30を往復的に駆動する駆動ユニット31等から構成されている。シリンダ21は、パーティング面P’側に位置する比較的小径のノズル部23と、このノズル部23の後方の比較的大径の胴部25と、その後方のフランジ部26とからなっている。可動金型15の基材成形用のコア16の内部には、上記インジェクター20のノズル部23と胴部25とフランジ部26とに対応した形状の穴が形成され、インジェクター20はこれらの穴に挿入され、そして位置決め固定されている。
インジェクター20のノズル部23は、型締時に塗料注入孔形成用の小コア7が入る分だけ基材成形用のコア16の面より引っ込んでいる。引っ込んでいるので、凹部の作用を奏し、前記小コア7とにより内部に塗料注入細孔を有する突出部が成形されることになる。また、シリンダ21の内形は、全体としては従来周知のシリンダ状を呈しているが、先端部は下方から上方に向かってテーパ状に絞られている。そして、ノズル部23に形成されている小径の塗料注入孔24に連なっている。
プランジャー30の先端部は、インロー形式すなわち上記のシリンダ21の形状に対応して下側が斜めに切り落とされた形状に構成されている。これにより、プランジャー30を待避させて所定量の1ショット分の塗料をシリンダ21に供給し、そしてプランジャー30を前進方向に駆動すると、プランジャー30の上方部が、後述する塗料供給孔27をいち早く封鎖し、注入する塗料が塗料供給孔27の方へ逆流することが防止される。プランジャー30の先端部には、塗料流路確保用のピン32が設けられている。このピン32は、塗料を注入するときノズル部23に形成されている塗料注入孔24内に入り込むが、塗料注入孔24よりも小さく、塗料注入孔24の内周面側に塗料の流路が確保される大きさになっている。また、プランジャー30を駆動して注入を終わったときにも、詳しくは作用の項で説明するように、基材の表面には出ない長さに選定されている。
可動金型15の外部から塗料供給パイプ40がインジェクター20の方へ延びている。このパイプ40の先端部は、インジェクター20のシリンダ21の前方寄りに設けられている塗料供給孔27に接続されている。この塗料供給パイプ40の外周部には、冷却ジャケット41が設けられている。
次に、上記実施の形態に係る金型を使用して、基材の表面に金型内で塗膜を形成する例について説明する。図1に示されている基材成形位置で型締めする。そうすると、スライド金型5の基材成形用の凹部6と可動金型15の基材成形用のコア16とにより、図2の(ア)に示されているように、基材成形用のキャビティCKが構成され、スライド金型5の塗料注入孔成形用の小コア7は、インジェクターのノズル部23の先端面に当接する。このとき、エジェクタピン18、18を成形位置へ前進させ、またインジェクター20のプランジャー30を待避させておく。また、基材成形用の凹部6と基材成形用のコア16の周辺部を、所定温度に調節する。そして、別途可塑化した溶融樹脂をスプル3、8およびゲートを介して基材成形用のキャビティCKに射出充填する。射出充填している途中の段階が図2の(ア)に示されている。これにより、中心部にノズル部23側へ突き出た突出部TBを有する基材Bが成形される。この突出部TBには、小コア7により、図2の(イ)に示されているように、塗料注入細孔TSが成形されている。
冷却固化を待って、あるいは冷却手段により冷却して可動金型15を開く。開くと、基材Bは可動金型15の基材成形用のコア16に残って開かれる。このようにして開かれた状態が図2の(イ)に示されている。スライド金型5を上方へスライドさせて、塗膜形成用の凹部9が基材Bと整合する塗膜形成位置へ駆動する。塗膜形成位置へ駆動された状態が図3の(ア)に示されている。次いで型締めする。そうすると、基材Bの表面BYと塗膜形成用の凹部9との間には塗膜用の隙間CTが構成される。このとき、基材Bの突出部TBはインジェクター20のノズル部23に当接している。隙間CTの周辺部を所定温度になるように加熱あるいは冷却する。
冷却ジャケット41により冷却されている塗料供給パイプ40から1ショット分の熱硬化性の塗料をシリンダ21に供給しておく。プランジャー30を駆動する。塗料流路確保用のピン32はシリンダ21の塗料注入孔24を通って、その先端部は塗料注入細孔TSにも達する。塗料はノズル部23の塗料注入孔24と塗料流路確保用のピン32との間の隙間および塗料注入細孔TSを通って塗膜形成用の隙間TCに注入される。注入される途中の段階が図3の(イ)に示されている。必要に応じて、スライド金型5の基材成形用の凹部6と可動金型15の基材成形用のコア16の周辺部を、瞬間的に加熱して熱硬化性の塗料を固化する。これにより、塗料が外部へ漏れることなく、基材Bの表面に塗膜TMが形成される。このとき、塗料流路確保用のピン32の先端部は基材Bの表面BYまでは到達しないが、塗料流路確保用のピン32が挿入されているので、塗料注入細孔TS中の塗料の残量は少なく、塗膜TMにヒケは生じない。
プランジャー30を後退させる。塗料流路確保用のピン32も後退しノズル部24から待避する。この待避により、ノズル部23の塗料注入孔24には孔が明けられる。すなわち、塗料による目詰まり状態は解除される。可動金型15を開く。そうすると、従来周知のようにエジェクタピン18、18が突き出て表面に塗膜TMが形成されて製品が得られる。以下同様にして成形あるいは製造する。
上記のようにして基材Bの表面に塗膜TMを形成するとき、基材Bの裏側、より厳密には裏側の周辺部にも塗膜TMを形成するときは、冷却手段により塗膜成形用の凹部9の周辺部と可動金型15の基材成形用のコア16の周辺部を冷却し、上記したようにして熱硬化性の塗料を注入する。引き続きタイミングボルト19、19によりエジェクタピン18、18を突き出す。これらのピン18、18により、基材Bは塗膜成形用の凹部9の方へ押され、基材Bの裏側には隙間が生じ、塗膜形成用の隙間CTは狭められ、塗膜形成用の隙間CTに注入されている塗料が裏側の隙間に回る。これにより、基材Bの裏側にも塗膜が形成される。以下、前述したようにして表面と裏面とに塗膜が形成された成形品を製造する。
本実施の形態では、基材は周囲に縁を有する略盆型を呈しているが、このような形状に限定されることがないことは明らかである。また、上記実施の形態では、塗料注入細孔を有する突出部は1個形成されているが、基材の形状によっては複数個成形することができることは明らかである。このときも、突出部は基材の中心部すなわち周辺部から略等距離の位置に成形する。したがって、特許文献1に示されているように「タグ」はなく、廃棄する樹脂量は少ない、あるいはないことになる。
図4に、金型内塗装用金型の他の実施の形態が示されている。前述した実施の形態の主要な構成部材と同じ部材あるいは同様な部材にのみ同じ参照数字を付けて重複説明はしないが、本実施の形態によると、可動金型15には基材成形用のコア16を取り囲むようにして加熱コア50が設けられている。この加熱コア50は、図4の(イ)、(ウ)に示されているように、左右あるいは上下一対の2つ割り構造の熱の良導体、例えば銅合金あるいはアルミニウム合金からなるリング状の加熱体51、51と、これらの加熱体51、51の内部に埋め込むようにして設けられているハロゲンヒータまたはカーボンヒータ52とから構成されている。これらのヒータ52には、給電ケーブル53、53により制御された電力が供給されるようになっている。
上記のハロゲンヒータ52は、従来周知のようにタングステンからなるフィラメントと、フィラメントに被せられたチューブ状の石英ガラスと、チューブ内に封入されているハロゲンガスとから構成されている。フィラメントに給電してフィラメントが高温になると、フィラメントからタングステン原子が蒸発するが、いわゆるハロゲンサイクル効果によって、ハロゲンガスがタングステン原子と一時的に結合して、その後タングステン原子をフィラメントに戻すので、フィラメントの消耗は抑制され、フィラメントを高温にすることができると共に、寿命も長いという特徴を有する。一方、カーボンヒータは、カーボンワイヤーからなる発熱体と、発熱体に被せられているチューブ状の石英ガラスとから構成されており、カーボンヒータも高温にすることができると共に、寿命が長い。このようなヒータ52は、給電を開始して1〜数秒後には目標温度に到達するので、制御応答性が良く、オン・オフによっても容易に温度調節ができる。ハロゲンヒータ52は、中心波長が約1.2μmの近赤外線を、カーボンヒータは、中心波長が約2〜3μmの中赤外線をそれぞれ放射する。近赤外線、中赤外線は、いずれも輻射エネルギーが大きいので、短時間に熱硬化性の塗料を硬化することができる。
上記のように構成されている加熱コア50は、図4の(ア)に示されているように3方が断熱材54、…で覆われ、開放されている方がスライド金型5の方を向くようにして可動金型15に設けられている。
本実施の形態によると、スライド金型5の基材成形用の凹部6の周辺部と、可動金型15の基材成形用のコア16の頂部近傍は、断熱材、加熱手段、冷却手段等からなる温度調節手段により温度が制御されるようになっている。基材は、例えばABS樹脂、PC樹脂、ナイロン樹脂、PPS樹脂、PPアンドPE樹脂等から成形されるが、これらの樹脂の成形温度は、それぞれ30〜80℃、80〜120℃、80〜120℃、80〜160℃、20〜100℃であるので、これらの温度範囲になるように冷却媒体としては冷却水が適用され、冷却水はパイプにより基材成形用の凹部6の周辺部および基材成形用のコア16の頂部近傍に導かれるようになっている。また、加熱手段には赤外線ランプが適用され、この赤外線ランプから放射される熱線を複数本の光ファイバにより基材成形用の凹部6の周辺部および基材成形用のコア16の頂部近傍に導いて、これらの周辺部を短時間に加熱するようになっている。あるいは、上記したハロゲンヒータまたはカーボンヒータが埋め込まれ、凹部6の周辺部およびコア16の頂部近傍が瞬間的に加熱するようになっている。
本実施の形態によると、可動金型15の基材成形用のコア16の周辺部の、パーティング面P’側に加熱コア50が設けられているだけで、冷却手段は格別に設けなくても良い。加熱コア50は熱応答性に優れているハロゲンヒータまたはカーボンヒータ52から構成されているので、オフすると温度は急激に下がり、熱硬化性の塗料の固化を遅らせることができる。また、本実施の形態によると、塗膜形成用の凹部9の周辺部は、断熱材、加熱手段、冷却手段等からなる温度調節手段により、基材成形用の凹部6とは独立して個別に温度が制御されるようになっている。例えば、冷却媒体として冷却水が適用され、冷却水はパイプにより塗膜成形用の凹部9の周辺部に導かれるようになっている。また、加熱手段には赤外線ランプが適用され、この赤外線ランプから放射される熱線を複数本の光ファイバにより塗膜成形用の凹部9の周辺部に導いて、これらの周辺部を短時間に加熱するようになっている。あるいは、ハロゲンヒータまたはカーボンヒータが埋め込まれ、凹部6の周辺部を瞬間的に加熱するようになっている。
本実施の形態によっても塗料押出用のインジェクター20が可動金型15の基材成形用のコア16の内側に設けられている。インジェクター20は、図1に示されている実施の形態と同様に構成されているが、図4の(ア)、図5および図6の(ア)には、略して模式的に示され、細部は示されていない。また、シリンダの取付の構造、塗料流路確保用のピン、成形された基材の細部構造等は、図1〜3を参照することができるので、以下の本明細書中には部材名は記載されているが、図4の(ア)、図5および図6の(ア)には参照文字と同様に部材は示されていない。
本実施の形態によっても、前述した実施の形態と同様にして、表面に塗膜を有する成形品を成形できることは明らかであるので、以下簡単に成形例を説明する。図4の(ア)に示されている基材成形位置で型締めする。そうすると、スライド金型5の基材成形用の凹部6と可動金型15の基材成形用のコア16とにより、基材成形用のキャビティCKが構成され、スライド金型5の塗料注入孔成形用の小コア7は、インジェクターのノズル部23の先端面に当接する。このとき、エジェクタピン18、18を成形位置へ前進させ、またインジェクター20のプランジャー30を待避させておく。このとき、基材成形用の凹部6および基材成形用のコア16の頂部近傍を、前述したように樹脂材料に適した成形温度、例えば図6の(イ)に示されている60℃以下に調節しておく。そして、射出機Sから溶融樹脂をスプル3およびサブマリンゲートを介して基材成形用のキャビティCKに射出充填する。これにより、中心部にノズル部23側へ突き出た突出部TBを有する基材Bが成形される。この突出部TBには塗料注入細孔TSが成形されている。これで、射出工程を終わる。
冷却固化を待って可動金型15を開く。開くと、基材Bは可動金型15の基材成形用のコア16に残って開かれる。アクチュエータ5’によりスライド金型5を上方へスライドさせて、塗膜形成用の凹部9が基材Bと整合する塗膜形成位置へ駆動する。次いで型締めする。そうすると、基材Bの表面BYと塗膜形成用の凹部9との間には塗膜用の隙間CTが構成される。塗膜形成用の凹部9の周辺部を所定温度に調整しておく。塗膜形成位置で型締めされた状態が図5の(ア)に示されている。このとき、基材Bの突出部TBはインジェクター20のノズル部23に当接している。基材Bの突出部TBもインジェクター20のノズル部23も、図を簡潔にするために、図5の(ア)には示されていない。
図示されていない冷却ジャケットにより冷却されている塗料供給パイプ40から1ショット分の熱硬化性の塗料をシリンダ21に供給しておく。プランジャー30を駆動する。塗料流路確保用のピン32はシリンダ21の塗料注入孔24を通って、その先端部は塗料注入細孔TSにも達する。塗料はノズル部23の塗料注入孔24と塗料流路確保用のピン32との間の隙間および塗料注入細孔TSを通って塗膜形成用の隙間TCに注入される。スライド金型5の塗膜形成用の凹部9を、例えば100℃に加熱し、塗膜形成用の隙間TCの端部を加熱コア50により瞬間的に加熱して熱硬化性の塗料を固化する。この塗膜形成工程により、塗料が外部へ漏れることなく、基材Bの表面に塗膜TMが形成される。このとき、塗料流路確保用のピン32の先端部は基材Bの表面BYまでは到達しないが、塗料流路確保用のピン32が挿入されているので、塗料注入細孔TS中の塗料の残量は少なく、塗膜TMにヒケは生じない。基材Bの表面に塗膜TMが形成された状態が、図5の(イ)に示されている。
プランジャー30を後退させる。塗料流路確保用のピン32も後退しノズル部24から待避する。この待避により、ノズル部23の塗料注入孔24には孔が明けられる。すなわち、塗料による目詰まり状態は解かれる。可動金型15を開く。そうすると、従来周知のようにエジェクタピン18、18が突き出て表面に塗膜TMが形成されて製品が得られる。以下同様にして成形あるいは製造する。
上記のようにして基材Bの表面に塗膜TMを形成するとき、基材Bの裏側、より厳密には裏側の周辺部にも塗膜TMを形成するときは、必要に応じて冷却手段により塗膜成形用の凹部9の周辺部を冷却する。また、加熱コア50をオフする。必要に応じて可動金型15の基材成形用のコア16の頂部近傍を冷却する。そして、上記したようにして熱硬化性の塗料を注入する。引き続きタイミングボルト19、19によりエジェクタピン18、18を所定量だけ突き出す。基材Bは塗膜成形用の凹部9の方へ押し出され、基材Bの裏側には隙間が生じて塗膜形成用の隙間CTは狭められ、その結果塗膜形成用の隙間CTに充填されている塗料が押されて裏側の隙間に回る。これにより、基材Bの裏側にも塗膜が形成される。同時に、加熱コア50をオンして塗布された塗料を瞬時に固化する。基材Bの裏側にも塗膜TMが形成された状態が図6の(ア)に示されている。以下、前述したようにして表面と裏面とに塗膜TMが形成された製品を製造する。
上記実施の形態では、熱硬化性の塗料が適用されているが、重合乾燥性、揮発重合乾燥性、冷却乾燥性等の塗料も適用できることは明らかである。このような塗料を適用しても、基材の略中心部から注入するので、塗料の塗布分布はあらゆる方向に略同じになる、同様な効果が得られる。したがって、隙間の全域に注入される前に、近い箇所から外部へ漏れるようなことはない。漏れないので、金型構造は単純になる。また、塗料を押し出すとき、インジェクターのノズル部を基材の突出部に当接させて押し出すので、従来のように注入口の近傍から漏れるようなこともない。
本発明の実施の形態に係る金型を開いた状態で拡大して示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る金型を使用して成形している段階を示す図で、その(ア)は基材を射出成形している状態を、その(イ)は基材を成形した後、可動金型を開いた状態をそれぞれ示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る金型を使用して成形している段階を示す図で、その(ア)はスライド金型を塗膜形成位置へスライドさせた状態を、その(イ)は基材に塗膜を形成している状態をそれぞれ示す断面図である。 本発明の他の実施の形態に係る金型を示す図で、その(ア)は金型を閉じた状態で拡大して示す断面図、その(イ)は加熱コアの実施の形態を格段して示す斜視図、その(ウ)は(イ)においてA−Aで切断した断面図である。 本発明の他の実施の形態に係る金型を使用して成形している段階を示す図で、その(ア)は基材を射出成形した状態を、その(イ)は基材に塗料を塗布した状態をそれぞれ示す断面図である。 本発明の他の実施の形態に係る金型を使用して成形している段階を示す図で、その(ア)は基材の裏側にも塗膜を形成した状態を示す断面図、その(イ)は製造工程の温度と時間との関係を示すタイムチャートである。
符号の説明
5 スライド金型 6 基材成形用の凹部
7 塗料注入孔成形用の小コア 9 塗膜形成用の凹部
15 可動金型 16 基材成形用のコア
18 エジェクタピン 19 タイミングボルト
20 インジェクター 21 シリンダ
23 ノズル部 24 塗料注入孔
30 プランジャー 32 塗料流路確保用のピン
40 塗料供給パイプ 50 加熱コア
52 ハロゲンまたはカーボンヒータ 54 断熱材
CK 基材成形用のキャビティ TB 突出部
TS 塗料注入細孔 BY 基材の表面
CT 塗膜形成用の隙間

Claims (13)

  1. スライド金型と、可動金型とを使用して、前記スライド金型の凹部と前記可動金型のコアとにより構成されるキャビティに溶融樹脂を射出して基材を射出成形する射出工程と、該射出工程により成形され前記コアに残っている基材の表面と前記スライド金型の他の凹部とにより構成される塗膜形成用の隙間にインジェクターにより塗料を注入して基材の表面に塗膜を形成する塗膜形成工程とからなる製造方法であって、
    前記射出工程時に、基材の略中心部あるいは基材の周辺部から略等しい位置において裏側から外方へ突き出た突出部を、その内部に塗料注入細孔を有するように成形し、
    前記塗膜形成工程時には、前記インジェクターのノズル部を基材の前記突出部に当接させて、前記インジェクターの塗料を前記塗料注入細孔から前記隙間に注入して基材の表面に塗膜を形成することを特徴とする、金型内で塗膜を有する成形品の製造方法。
  2. スライド金型と、可動金型とを使用して、前記スライド金型の凹部と前記可動金型のコアとにより構成されるキャビティに溶融樹脂を射出して基材を射出成形する射出工程と、該射出工程により成形され前記コアに残っている基材の表面と前記スライド金型の他の凹部とにより構成される塗膜形成用の隙間にインジェクターにより塗料を注入して基材の表面に塗膜を形成する塗膜形成工程とからなる製造方法であって、
    前記射出工程時に、基材の略中心部あるいは基材の周辺部から略等しい位置において裏側から外方へ突き出た突出部を、その内部に塗料注入細孔を有するように成形し、
    前記塗膜形成工程時には、前記インジェクターのノズル部を基材の前記突出部に当接させて、前記インジェクターのプランジャーを駆動するとき、その先端部に取り付けられている塗料流路確保用のピンを前記ノズル部に形成されている塗料注入孔を貫通させて前記塗料注入細孔に一部を挿入して、前記インジェクターの塗料を前記塗料注入孔および前記塗料注入細孔から前記隙間に注入して基材の表面に塗膜を形成することを特徴とする、金型内で塗膜を有する成形品の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の製造方法において、前記射出工程時に、基材の外周部から等しくなるような位置において裏側から外方へ突き出た複数個の突出部を、その内部に塗料注入細孔を有するように成形し、前記塗膜形成工程時には、前記複数個の突出部の塗料注入細孔から前記隙間に注入して基材の表面に塗膜を形成することを特徴とする、金型内で塗膜を有する成形品の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかの項に記載の製造方法において、前記射出工程時の金型温度と、前記塗膜形成工程時の金型温度をそれぞれ独立して調節することを特徴とする、金型内で塗膜を有する成形品の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかの項に記載の製造方法において、熱硬化性の塗料を前記隙間に注入するとき、
    前記隙間の周辺の金型温度を調節することを特徴とする、金型内で塗膜を有する成形品の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかの項に記載の製造方法において、熱硬化性の塗料を前記隙間に注入するとき、前記隙間の周辺の金型温度を調節すると共に、前記基材を前記塗膜形成用の隙間が狭まる方向に駆動して、前記隙間に注入されている熱硬化性の塗料の一部を前記基材の裏側に押し出し、前記基材の裏側にも塗膜を形成することを特徴とする、金型内で塗膜を有する成形品の製造方法。
  7. 請求項5または6に記載の製造方法において、金型温度をハロゲンヒータまたはカーボンヒータにより調節することを特徴とする、金型内で塗膜を有する成形品の製造方法。
  8. パーティング面側に、少なくとも基材成形用と塗膜成形用の2個の凹部(6、9)が設けられ、基材成形位置と塗膜形成位置へスライド的に駆動されるスライド金型(5)と、
    同様にパーティング面側に、少なくとも基材成形用の1個のコア(16)が設けられ、前記スライド金型に対して型開閉される可動金型(15)と、
    塗料を押し出すインジェクター(20)とからなり、
    前記スライド金型の基材成形用の凹部(6)の略中心部あるいは該凹部の周辺部から略等距離の位置にはパーティング面側に突き出た塗料注入細孔成形用の小コア(7)が設けられ、
    前記塗膜形成用の凹部は、前記基材成形用の凹部よりも所定量だけ大きく、
    前記可動金型の基材成形用のコア(16)は、前記基材成形用の凹部(6)よりも所定量だけ小さく、そして前記コア(16)のパーティング面(P’)側の、基材成形位置における前記スライド金型(5)の小コア(7)に対応する位置には、該小コア(7)と共働して基材(B)に突出部(TB)を成形するためのコア側凹部が設けられ、
    前記インジェクターは、前記コア側凹部に対応して設けられていることを特徴とする、金型内で塗膜を有する成形品の製造用金型。
  9. 請求項8に記載の金型において、前記インジェクターは、所定量宛の塗料が供給されるシリンダと、該シリンダ内の塗料を押し出すプランジャーとからなり、前記シリンダのパーティング面(P’)側はノズル部(23)となっていると共に、該ノズル部(23)には塗料が押し出される塗料注入孔(24)が形成され、
    前記プランジャーの先端部には、塗料流路確保用のピン(32)が設けられ、該ピンは前記プランジャーが前方へ駆動されるとき、前記ノズル部の塗料注入孔(24)を貫通して所定量外方へ突き出るようになっていることを特徴とする、金型内で塗膜を有する成形品の製造用金型。
  10. 請求項9に記載の金型において、前記シリンダのノズル部(23)がパーティング面(P’)から所定量内側に設けられていることにより、前記小コア(7)と共働する前記コア側凹部が構成されていることを特徴とする、金型内で塗膜を有する成形品の製造用金型。
  11. 請求項8〜10のいずれかの項に記載の金型において、前記基材成形用のコアの頂面には、表面に塗膜が形成された成形品を押し出す機能と共に、基材を前記塗膜形成用の凹部側へ押す機能を備えた複数個のエジェクターピンが臨んでいることを特徴とする、金型内で塗膜を有する成形品の製造用金型。
  12. 請求項8〜11のいずれかの項に記載の金型において、前記基材成形用の凹部(6)と前記塗膜形成用の凹部(9)と基材成形用のコア(16)の周辺部には、独立して温度が制御される温度制御手段が設けられていることを特徴とする、金型内で塗膜を有する成形品の製造用金型。
  13. 請求項12に記載の金型において、基材成形用のコア(6)の周辺部に設けられている温度制御手段はハロゲンまたはカーボンヒータ(52)からなることを特徴とする、金型内で塗膜を有する成形品の製造用金型。
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