JP2008279584A - 保持具、研磨装置、研磨方法 - Google Patents

保持具、研磨装置、研磨方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コバ部が薄いレンズ等の被研磨物の研削や研磨加工におけるコバ部の破損や形状精度の低下を生じることなく、被研磨物を容易に脱着可能にする。
【解決手段】研磨装置Mのカンザシ10にレンズ2を固定するための保持具1において、受け部材6をレンズ2の厚さ方向に変位可能に、バネ8および螺子9を介して外筒7の内部に配置し、研磨加工時には、バネ8の付勢力で受け部材6を外筒7の内部に引き込んだ状態にして、レンズ2のコバ部2cを外筒7の内周に全周にわたって支持させ、保持具1からのレンズ2の離脱時には、バネ8に抗して、受け部材6およびレンズ2を外筒7の外部に押し出してコバ部2cを外筒7から露出させるようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、保持具、研磨装置、研磨方法に関し、たとえば、光学素子等の被研磨物の研磨加工等に対して有効な技術に関する。
たとえば、カメラや顕微鏡等の光学機器に用いられる球面あるいは平面形状のレンズを研削、研磨加工する際には、レンズを保持するレンズ保持具が用いられる場合がある。特に、光軸方向の厚さが薄く、治具等に張り付けることなくレンズ単体で研磨する、いわゆる単玉加工を行うことが難しい形状の研磨加工では、レンズ保持具の使用は必須となる。
このようなレンズ保持具を用いる場合、たとえば、外縁部(いわゆるコバ部)が薄いレンズの場合には、研磨中の位置ずれを防止するためにコバ部が保持具内部に埋没した状態となるため、加工後に保持具から容易に取り出すことができない、という技術的課題があった。
このため、たとえば特許文献1には、研磨対象のレンズの背面側を支持する中駒をカップ形の外筒内に収容し、レンズの外縁部が外筒の開口端に保持されるようにしたレンズ保持部材において、レンズのコバ部と接する外筒の開口端部に、少なくとも1箇所以上の切り欠きを設けることで、手作業による保持具からのレンズ着脱を容易にしようとする技術が開示されている。
しかしながら、この特許文献1に開示されるレンズ保持部材では、レンズの外縁を支える外筒の切り欠き部分で、加工中のレンズに対して応力集中が発生する。
すなわち、外筒部は、レンズ保持部材にレンズを装着して研削や研磨加工を行う際に加工中のレンズが保持具から外れないようにレンズのコバ部を支える役目を有しているため、外筒のコバ部に接する領域に切り欠きがあると、この切り欠き部分のコバ部に加工力による応力集中が発生し、コバ部の欠け等の破損が発生する。
特に、特許文献1に開示されたレンズ保持部材は、上述のように、コバ部が薄く、手作業で保持具よりレンズを脱着しにくいようなレンズに適用する場合を想定しているが、コバ部を支える外筒に切り欠きがあると、当該切欠き部での応力集中によって薄いコバ部が容易に破損してしまう懸念がある。
また、外筒部の切り欠きによってコバ部に応力集中が発生すると、コバ部のレンズ変形も発生しやすく、特にコバ部が薄いレンズに適用した場合には、応力集中に伴い薄いコバ部が容易に変形を生じ、研削や研磨加工を施す球面や平面部分においても形状精度の低下が生じてしまう懸念がある。
特開平11−10503号公報
本発明の目的は、コバ部(外縁部)が比較的薄い光学素子等の被研磨物の研削や研磨加工におけるコバ部の破損や形状精度の低下を生じることなく、被研磨物を容易に脱着できる保持技術を提供することにある。
本発明の第1の観点は、研磨工具に摺接される被研磨物を保持する保持具であって、
前記被研磨物の背面側を支持する基材と、
前記基材を前記被研磨物の厚さ方向に可動に収容するとともに前記被研磨物の外縁部を支持する筒体と、
前記基材を前記筒体の内部に引き込む方向に相対的に付勢する弾性体と、
を含む保持具を提供する。
本発明の第2の観点は、第1の観点に記載の保持具において、
さらに、前記筒体に対する前記基材の相対的な引き込み位置を規制する規制部材を備えた保持具を提供する。
本発明の第3の観点は、第1の観点または第2の観点に記載の保持具において、
圧縮変形された前記弾性体の伸張力によって、前記基材を前記筒体の内部に引き込む方向に相対的に付勢する保持具を提供する。
本発明の第4の観点は、第1の観点または第2の観点に記載の保持具において、
伸長変形された前記弾性体の収縮力によって、前記基材を前記筒体の内部に引き込む方向に相対的に付勢する保持具を提供する。
本発明の第5の観点は、被研磨物の背面側を支持する基材と、前記基材を前記被研磨物の厚さ方向に可動に収容するとともに前記被研磨物の外縁部を支持する筒体と、前記基材を前記筒体の内部に引き込む方向に相対的に付勢する弾性体とを含む保持具と、
前記保持具に支持された前記被研磨物に摺接する研磨工具と、
前記研磨工具を前記保持具に対して相対的に変位させる駆動機構と、
を含む研磨装置を提供する。
本発明の第6の観点は、第5の観点に記載の研磨装置において、
前記保持具は、さらに前記筒体に対する前記基材の相対的な引き込み位置を規制する規制部材を備えた研磨装置を提供する。
本発明の第7の観点は、被研磨物の背面側を支持する基材を、前記被研磨物の外縁部を支持する筒体の内部において前記被研磨物の厚さ方向に可動に配置する工程と、
前記筒体の内部の前記基材に前記被研磨物の背面側を装着し、当該被研磨物の外縁部を前記筒体に支持させて前記被研磨物を研磨する工程と、
前記基材を前記筒体から突出する方向に変位させて前記被研磨物の外縁部を前記筒体から離脱させる工程と、
を含む研磨方法を提供する。
本発明の第8の観点は、第7の観点に記載の研磨方法において、
前記基材を前記筒体の内部に引き込む方向の相対位置を規制する規制部材を前記基材と前記筒体との間に配置する研磨方法を提供する。
本発明によれば、コバ部(外縁部)が比較的薄い光学素子等の被研磨物の研削や研磨加工におけるコバ部の破損や形状精度の低下を生じることなく、被研磨物を容易に脱着できる保持技術を提供することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の一実施の形態である研磨方法を実施する研磨装置の保持具の部分の構成の一例を示す断面図であり、図2A、図2B、図2Cは、本発明の一実施の形態である研磨装置の保持具の動作状態の一例を示す断面図である。
本実施の形態では、保持具1を用いて凸レンズ等のレンズ2の研磨加工を実施する研磨装置Mについて説明する。
この場合、レンズ2の二つの光学面の一方が研磨対象の研磨面2aとなるとき、反対側の光学面は保持具1に保持される背面2bとなる。
図1に例示されるように本実施の形態の研磨装置Mは、レンズ2を支持する保持具1と研磨工具としての研磨皿3を備えている。
保持具1を介してレンズ2を研磨するために、研磨装置Mの一部であるカンザシ10(駆動機構)に自在継手部10aを介して保持具1が傾動自在および回転自在に係合され、保持具1の内部に保持されたレンズ2が、レンズ2の研磨面2aである球面形状を概略反転させた球面形状の研磨作用面3aを有する研磨皿3に押圧される。
そして、駆動軸3b(駆動機構)によって回転駆動および揺動される研磨皿3と、カンザシ10に自在継手部10aを介して傾動自在に支持された保持具1の互いの回転および揺動運動により、レンズ2の研磨面2aの研磨を行なう。
レンズ2を保持する本実施の形態1の保持具1は、レンズ2の研磨面2aと反対側の球面(背面2b)を支える受け部材6と、この受け部材6およびレンズ2を内部に収容してレンズ2の外縁部であるコバ部2cを支える有底筒状の外筒7(筒体)を備えている。
外筒7の底面のカンザシ10が貫通するカンザシ穴11の周囲には、先端部が外筒7の貫通穴7bを変位自在に貫通して受け部材6(基材5)の背面に固定された複数の螺子9が設けられ、この螺子9の大径の螺子頭9aと外筒7の底面との間には、圧縮状態のバネ8(弾性体)が配置されている。
これにより、保持具1の受け部材6と外筒7は、互いに螺子9およびバネ8を介してレンズ2の厚さ方向に相対的に変位自在に係合されるとともに、圧縮状態で組み込まれたバネ8の伸張方向の付勢力によって、受け部材6は外筒7の内部に相対的に引き込まれる方向に常時付勢されている。
ここでレンズ2の背面2bと接触する受け部材6は、基材5と緩衝材4から構成されている。基材5は研磨加工の圧力により変形など生じないような、たとえば真鍮やステレスといった金属からなり、その表面に貼り付けられた緩衝材4はレンズ2に接触キズなどを入れず、レンズ2との高い摩擦力を確保するために、たとえばポリウレタンなどの樹脂で構成されている。
また、レンズ2のコバ部2cを支える外筒7は、コバ部2cが加工中に破損しないように真鍮やアルミニウムなどの比較的やわらかい金属もしくはポリアセタールやテフロン(登録商標)、ポリイミドといった樹脂によって構成される。
また、レンズ2のコバ部2cを取り囲む外筒7の開口端には、研磨皿3の曲率に合わせたテーパ面7aが形成され、研磨皿3の研磨作用面3aがレンズ2の研磨面2aに摺接する際に、研磨皿3に干渉しない構造となっている。
次に本実施の形態1の研磨装置Mおよび保持具1の作用に関して図2A、図2B、図2Cを用いて説明する。
図2Aは本実施の形態の保持具1に被加工物であるレンズ2を装着した状態の断面図である。図2Bは本実施の形態で、加工が完了したレンズ2を保持具1より外すところを示した断面図である。また図2Cでは本実施の形態の保持具1がレンズを保持していない、あるいは加工を実施していないときの状態を断面図で示すものである。
まず、図2Cに示すように、保持具1は通常の状態では圧縮して装着されるバネ8が、圧縮力を開放しようと螺子9および外筒7を押し戻そうとする。このため螺子9の先端部が螺着された受け部材6は、バネ8の復元力で外筒7の内部に相対的に引き込まれ、外筒7の底部と当接するように保持される。
この状態で図2Aに示すように、外筒7の開口部にレンズ2を装着する。レンズ2は研磨される研磨面2aと反対側の背面2bが受け部材6である緩衝材4を介して基材5で支えられる。
受け部材6を構成する緩衝材4は、レンズ2の光学面である背面2bと接して保持を行なうため、光学面にキズなどの不良を発生させないようなポリウレタンや樹脂性のシートを用いることができる。また、レンズ2の背面2bのキズの発生だけでなく、レンズ2の背面2bとできる限り均等に接して保持することが研磨加工中の圧力によるレンズ2の変形を防止するためにも緩衝材4の材質は重要となる。これに対して基材5は緩衝材4を介してレンズ2を加工圧力から支える必要があるため、たとえば、真鍮、ステンレス、アルミなどの金属を利用することが多い。
また、受け部材6に背面2bが支持されたレンズ2は外筒7内に挿入され、コバ部2cが外筒7の内周に接触することよってレンズ2の径方向の変位を支持する。
このとき本実施の形態1の保持具1を利用するレンズ2は、コバ部2cが図2A、図2B、図2Cで示すように比較的厚さが薄い形状を有しているため、コバ部2cの破損を防ぐために外筒7には比較的やわらかい素材を利用する。具体的には、たとえば、金属であれば、真鍮やアルミニウムを用いるか、もしくはポリアセタール、ポリイミドといった樹脂を用いることもできる。
図2Aのように保持具1に装着されたレンズ2は、この状態で上述の図1に例示されるように、研磨装置Mのカンザシ10に自在継手部10aを介して取り付けられ、研磨面2aの研磨加工が行われた後に、保持具1よりレンズ2を外す必要がある。
このとき、本実施の形態のレンズ2はコバ部2cが非常に薄く、外筒7に埋没した状態であるため、そのままでは、容易に外筒7より取り外すことができない。特に受け部材6と接する背面2bでは、研磨加工中の加工液や水が入り込んで、緩衝材4と表面張力によって強力に密着保持されており、容易に取り出すことができないことが多い。無理にコバ部2cを工具等に引っ掛けて取り出そうとすれば、薄いコバ部2cを破損することも懸念され、特に、径方向の位置ずれ防止等の目的で、通常、外筒7とコバ部2cの隙間は小さく設定されており、そのままでは容易に取り出すことができない。
ここで本実施の形態の保持具1では、前述したように受け部材6と外筒7がバネ8によって互いに引き合うように係合されているため、このバネ8による付勢力に抗して、図2Bの矢印に示すように外筒7に対して受け部材6を相対的に押し出すことで、受け部材6とレンズ2が一体となったまま外筒7より突出させることができる。
すなわち、受け部材6の基材5をバネ8の付勢力よりも大きな力で押し出すことで、レンズ2のコバ部2cが露出するように、受け部材6およびレンズ2を外筒7の外部に繰り出すことができ、この露出したコバ部2cを把持することでレンズ2を外筒7から容易に取り出すことができる。
レンズ2を取り出した後は、受け部材6を押圧していた力を解放すれば、バネ8の復元力によって図2Cで示す最初の状態に戻すことができる。
すなわち図2Cで示すように、通常の状態でもバネ8の復元力で受け部材6と外筒7は係合しているが、装着したレンズ2を外筒7から取り出すためには、バネ8の復元力よりも強い力で受け部材6を押し出すことでレンズ2を取り出すことができ、しかも、この押圧力を解除すれば、バネ8の復元力で図2Cに示す通常の状態に自動的に復帰させることができる。
また実施の形態1の保持具1では、受け部材6と外筒7を係合するために、一例としてバネ8を使っているが、圧縮されたゴムや風船などの弾性体を利用しても同じような効果が得られるとは明らかである。
本実施の形態のようにバネ8を用いる場合には、復元力(付勢力)をバネ定数の調整にて容易に設定できる、という利点がある。
一方、たとえば、バネ8の代わりにゴムを用いる場合には、ゴム素材の弾性特性を設定できれば、研削加工や研磨加工で水や研磨材が供給される環境においても安定した付勢力を発揮でき、保持具1の構造も簡素化できる利点がある。
本実施の形態1によれば、コバ部2cの比較的薄いレンズ2を、外筒7によりコバ部2cの特定の位置に応力集中を発生させることなく、すなわちレンズ2のコバ部2cの欠けやコバ部2cの近傍の光学面の変形等を生じることなく、全周に渡って安定に保持できると共に、保持具1の受け部材6を外筒7に対して相対的に押し出すことで容易に保持具1からレンズ2を取り出すことができる。
また、本実施の形態の研磨装置Mによれば、研磨加工工程におけるレンズ2のコバ部2cの破損等を防止して歩留りを向上させることができるとともに、コバ部2cの近傍の光学面の変形等も防止でき、レンズ2を高い形状精度にて研磨できる。
(実施の形態2)
次に本発明の実施の形態2である保持具1Aを図3A、図3Bを参照して説明する。本実施の形態2では、保持具1Aの受け部材6と外筒7を係合するバネ8が伸長状態で組み込まれている。そして、このバネ8の収縮力によって受け部材6が外筒7の内部に相対的に引き込まれる方向に常時付勢されることで、受け部材6と外筒7が係合される点が、上述の実施の形態1と異なっている。
図3Aには保持具1Aの通常状態およびレンズ2を保持した状態の断面図を示し、図3Bにはレンズ2を取り出す状態の断面図を示している。
上述の実施の形態1の保持具1と同じ構成部品に関しては、同じ符号を付して説明を省略する。
この実施の形態2の保持具1Aでは、受け部材6の基材5、および外筒7の底面のカンザシ穴11の周りの対応する位置に、バネ穴5aおよびバネ穴7cが設けられている。
そして、このバネ穴5aおよびバネ穴7cの中にバネ8が伸長状態で組み込まれ、当該バネ8の上端部および下端部が、それぞれ固定ピン12によってバネ穴7cの内周およびバネ穴5aの内周に固定されている。
バネ8の付勢力としては、通常の弾性によるもののほか、超弾性を利用してもよい。
これにより、この保持具1Aでは、受け部材6と外筒7が、バネ8の収縮方向の付勢力により、当該受け部材6が外筒7の内部に引き込まれる方向に常時付勢され、受け部材6の基材5と外筒7が密着する状態で係合している。
以下、本実施の形態2の保持具1Aの作用について説明する。
この実施の形態2では、受け部材6と外筒7を係合するバネ8は、自然長よりも引き延ばされた伸張状態で受け部材6と外筒7に固定されているため、元の長さに戻ろうとする収縮方向の復元力が作用している。
このバネ8の復元力は、その両端に固定された固定ピン12を介して受け部材6と外筒7に伝わり、両者を引き付ける力として作用する。このため通常は受け部材6と外筒7が、バネ8により引き付けられ図3Aに示すように受け部材6と外筒7が接した状態となっている。
この図3Aの状態で、上述の実施の形態1と同様に、レンズ2の背面2bを外筒7の内部の緩衝材4に装着し、コバ部2cを外筒7に保持させて、図1に例示されるように研磨皿3の研磨作用面3aとレンズ2の研磨面2aを摺接させることで、研磨加工を行う。
この研磨加工を行った後は、コバ部2cが薄いレンズでは外筒7より取り外すことが困難であるため、本実施の形態2においても、図3Bに示すように、バネ8の収縮方向の付勢力に抗して、受け部材6を外筒7に対して押圧すると、受け部材6とレンズ2が外筒7の外側に押し出され、コバ部2cが外筒7の外部に露出するので、レンズ2を容易に取り出すことができる。
このとき本実施の形態ではバネ8が伸張状態で装着され、受け部材6を外筒7の底面に当接するように相対的に引き付けて保持しているため、押圧してレンズ2を押し出すためには、バネ8を装着状態の長さよりも伸びるように押し出すことが必要である。
また押圧力を解除すれば、伸びているバネ8が元に戻ろうとして受け部材6と外筒7を引き付け、図3Aに示すように両者が接触して係合された状態に戻る。
本実施の形態2の保持具1Aではバネ8の収縮力を利用しているため、バネ8を受け部材6と外筒7に設けられたバネ穴5aおよびバネ穴7cの内部に収容することができ、研磨装置Mなどにカンザシ10を介して取り付ける際に保持具1Aからの突起物がなく設置が容易になる。
(実施の形態3)
図4Aおよび図4Bを参照して本発明の実施の形態3の保持具1Bを説明する。本実施の形態3では、レンズ2の厚さ方向に押圧して移動させる受け部材6の係合位置を調整できる構成とした点が、上述の実施の形態1と異なっている。上述の実施の形態1と同一部品に関しては同一符号付して説明を省略する。
図4Aは保持具1Bの通常状態およびレンズ2を保持した状態を示す断面図であり、図4Bは、保持具1Bからレンズ2を取り出すところを示す断面図である。
なお、図4Aおよび図4Bでは、上述の実施の形態1の保持具1の構成を前提としているが、上述の図3および図3Bに例示した保持具1Aの構成の場合にも、カンザシ穴11を利用してそのまま適用できる。
本実施の形態3の保持具1Bでは、外筒7の中心部に開設された研磨装置Mのカンザシ10に取り付けるためにカンザシ穴11の内周部には雌螺子11aが切られ、外周部に雄螺子が形成された規制リング15(規制部材)が螺着されている。
規制リング15は、外筒7の受け部材6(基材5)に対する当接面から突出するように、カンザシ穴11に螺着されている。これにより、規制リング15は、外筒7と螺子9の間に設けられたバネ8の伸長力によって密着する受け部材6と外筒7の当接面の間に挟まれるように取り付けられる。
ここで規制リング15は受け部材6と外筒7とに挟まれて互いの位置を規制する作用をなすため、特に材質を規定するものではないが、たとえば、真鍮やアルミニウム、ステンレスといった金属、あるいはポリイミド樹脂など、適度にバネ8の圧縮力に耐えうる樹脂であっても構わない。
以下、本実施の形態3の保持具1Bの作用を説明する。
上述の本実施の形態3の保持具1Bの構成によると外筒7のカンザシ穴11に螺着された規制リング15は、バネ8の収縮力によって受け部材6と当接し、外筒7と受け部材6の間に挟まれることになる。
受け部材6が規制リング15に当て付いて係合されると、規制リング15のカンザシ穴11に対する螺着位置、すなわち外筒7の底面からの突出によって、図4Aに示すように外筒7の底面との間に隙間Gが生じることになる。
すなわち、本実施の形態3では、規制リング15が外筒7のカンザシ穴11に対して螺着されているため、規制リング15の位置はレンズ2の厚さ方向に移動可能であり、外筒7のカンザシ穴11に対して取り付ける位置を調整することで、受け部材6と当接する位置を変化させて、隙間Gを調整することができる。
この隙間Gを変化させると、外筒7と受け部材6の相対位置が変化するため、外筒7と、受け部材6に保持されたレンズ2の位置関係も変化し、外筒7(テーパ面7a)からのレンズ2のコバ部2cの突出量Hが変化する。
本実施の形態3の保持具1Bは前述の各実施の形態と同様に、たとえば、コバ部2cが薄く保持具1Bからの取出しが難しいレンズ2に有効であるため、受け部材6の押圧変位によるレンズ2の離脱時の作業性が向上するとともに、コバ部2cの突出量Hが調整できることにより、コバ部2cの厚さや受け部材6の製作寸法等に応じて、外筒7に対するコバ部2cの装着位置の最適な調整を行なうことができる。
具体的には受け部材6と外筒7の実際の製作寸法(出来栄え)に応じ、実際のレンズ2を装着した状態で、規制リング15の外筒7に対する取り付け位置を変化させることで、受け部材6や外筒7の製作寸法のばらつき等に関係なく、コバ部2cの寸法に合わせて、当該コバ部2cの外筒7のテーパ面7aからの突出量Hを最適に調整することができる。
このように、本実施の形態3の保持具1Bによれば、上述の各実施の形態と同様な効果に加え、外筒7に取り付けた規制リング15の取り付け位置を調整することで、コバ部2cの薄いレンズ2に対する外筒7の保持位置を容易に的確に調整することができる。
換言すれば、受け部材6や外筒7を必要以上にコストをかけて高精度に製作しなくても、規制リング15による受け部材6および外筒7に対するレンズ2の装着位置の最適化により、レンズ2の研磨面2aの研磨精度を向上させることができる。
以上説明したように、本発明の各実施の形態によれば、コバ部2cが薄いレンズ2であっても、レンズ2のコバ部2cの破損や、光学面(研磨面2aおよび背面2b)の形状精度の低下を生じることなく、容易に研磨面2aの研磨加工および保持具1(研磨装置M)からのレンズ2の脱着が可能となる。
なお、本発明は、上述の実施の形態に例示した構成に限らず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
たとえば、被研磨物としてはレンズ2等の光学素子に限らず、一般の精密部品の研磨工程にも広く適用できる。
本発明の一実施の形態である研磨方法を実施する研磨装置の保持具の部分の構成の一例を示す断面図である。 本発明の一実施の形態である研磨装置の保持具の動作状態の一例を示す断面図である。 本発明の一実施の形態である研磨装置の保持具の動作状態の一例を示す断面図である。 本発明の一実施の形態である研磨装置の保持具の動作状態の一例を示す断面図である。 本発明の他の実施の形態である研磨装置の保持具の動作状態の一例を示す断面図である。 本発明の他の実施の形態である研磨装置の保持具の動作状態の一例を示す断面図である。 本発明のさらに他の実施の形態である研磨装置の保持具の動作状態の一例を示す断面図である。 本発明のさらに他の実施の形態である研磨装置の保持具の動作状態の一例を示す断面図である。
符号の説明
1 保持具
1A 保持具
1B 保持具
2 レンズ
2a 研磨面
2b 背面
2c コバ部
3 研磨皿
3a 研磨作用面
3b 駆動軸
4 緩衝材
5 基材
5a バネ穴
6 受け部材
7 外筒
7a テーパ面
7b 貫通穴
7c バネ穴
8 バネ
9 螺子
9a 螺子頭
10 カンザシ
10a 自在継手部
11 カンザシ穴
11a 雌螺子
12 固定ピン
15 規制リング
G 隙間
H 突出量
M 研磨装置

Claims (8)

  1. 研磨工具に摺接される被研磨物を保持する保持具であって、
    前記被研磨物の背面側を支持する基材と、
    前記基材を前記被研磨物の厚さ方向に可動に収容するとともに前記被研磨物の外縁部を支持する筒体と、
    前記基材を前記筒体の内部に引き込む方向に相対的に付勢する弾性体と、
    を含むことを特徴とする保持具。
  2. 請求項1記載の保持具において、
    さらに、前記筒体に対する前記基材の相対的な引き込み位置を規制する規制部材を備えたことを特徴とする保持具。
  3. 請求項1または請求項2に記載の保持具において、
    圧縮変形された前記弾性体の伸張力によって、前記基材を前記筒体の内部に引き込む方向に相対的に付勢することを特徴とする保持具。
  4. 請求項1または請求項2に記載の保持具において、
    伸長変形された前記弾性体の収縮力によって、前記基材を前記筒体の内部に引き込む方向に相対的に付勢することを特徴とする保持具。
  5. 被研磨物の背面側を支持する基材と、前記基材を前記被研磨物の厚さ方向に可動に収容するとともに前記被研磨物の外縁部を支持する筒体と、前記基材を前記筒体の内部に引き込む方向に相対的に付勢する弾性体とを含む保持具と、
    前記保持具に支持された前記被研磨物に摺接する研磨工具と、
    前記研磨工具を前記保持具に対して相対的に変位させる駆動機構と、
    を含むことを特徴とする研磨装置。
  6. 請求項5記載の研磨装置において、
    前記保持具は、さらに前記筒体に対する前記基材の相対的な引き込み位置を規制する規制部材を備えたことを特徴とする研磨装置。
  7. 被研磨物の背面側を支持する基材を、前記被研磨物の外縁部を支持する筒体の内部において前記被研磨物の厚さ方向に可動に配置する工程と、
    前記筒体の内部の前記基材に前記被研磨物の背面側を装着し、当該被研磨物の外縁部を前記筒体に支持させて前記被研磨物を研磨する工程と、
    前記基材を前記筒体から突出する方向に変位させて前記被研磨物の外縁部を前記筒体から離脱させる工程と、
    を含むことを特徴とする研磨方法。
  8. 請求項7記載の研磨方法において、
    前記基材を前記筒体の内部に引き込む方向の相対位置を規制する規制部材を前記基材と前記筒体との間に配置することを特徴とする研磨方法。
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