JP2008279117A - X線ct撮影装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】位置づけのために供される撮影対象領域表示を、撮影モードに応じて容易に変更できるようにすること。
【解決手段】X線CT撮影装置は、被写体にX線コーンビームを照射し、この被写体を透過した透過X線に基づいてX線CT画像を生成する。画像生成部は、前記被写体を表す位置設定用画像に撮影対象領域表示を重畳した画像を生成し、表示部に表示する。前記画像生成部は、前記撮影モード選択部で選択されるX線CT撮影モードに応じて前記撮影対象領域表示を変更する。
【選択図】図22

Description

この発明は、医療の分野等において、被写体にX線を照射し、この被写体を透過した透過X線に基づいて画像を形成する技術に関し、特に、複数のX線CT撮影モードから選択されたモードで撮影を行う技術に関する。
従来、この種のX線撮影装置として、特許文献1及び特許文献2に開示のものがある。
特許文献1には、被写体をモデル化して図面化した被写体模式図とX線撮像目標領域とを表示手段に表示して、被写体模式図に対するX線撮像目標領域の相対的な位置関係を見ながら、X線撮像目標領域の位置設定を行う技術が開示されている。
特許文献2には、被写体の広範な画像であるスカウトビュー画像を得てから、当該スカウトビュー画像で所望の撮影対象領域を設定する技術が開示されている。
特開2002−315746号公報 特開2006−314774号公報
ところで、近年、撮影領域の形状等が異なる複数のX線CT撮影モードの中から選択したモードによる撮影が可能なX線撮影装置が提案されている。1つの撮影装置において、上記各種撮影モードの実行を可能にするため、X線CT撮影モードに応じてX線ビームの照射範囲を変更する構成が提案されている。
しかしながら、上記のように複数のX線CT撮影モードによる撮影が可能なX線撮影装置では、その撮影モードによって撮影対象領域が異なる。このため、位置づけのために供される撮影対象領域の表示も撮影モードに応じて異ならせる必要がある。
そこで、本発明は、位置づけのために供される撮影対象領域表示を、X線CT撮影モードに応じて容易に変更できるようにすることを目的とする。
上記課題を解決するため、第1の態様に係るX線CT撮影装置は、被写体にX線コーンビームを照射し、この被写体を透過した透過X線に基づいてX線CT画像を生成するX線CT装置であって、X線発生器と、前記被写体を挟んで前記X線発生器に対向する位置に配設され、前記被写体を透過した透過X線に応じたX線投影データを出力するX線イメージセンサと、X線CT撮影領域の形状が異なる複数のX線CT撮影モードからモード選択をする撮影モード選択部と、前記X線イメージセンサから出力されるX線投影データに基づいて前記撮影モード選択部で選択されたX線CT撮影モードに応じたX線CT画像を生成可能で、かつ、前記被写体を表す位置設定用画像に撮影対象領域表示を重畳した画像を生成可能な画像生成部と、前記位置設定用画像に対して相対的に前記撮影対象領域表示を移動させる操作を受付ける操作部と、前記撮影対象領域表示の位置に応じて前記X線発生器と前記X線イメージセンサとを前記被写体に対して相対的に位置づけする移動機構部と、前記画像生成部で生成された画像を表示する表示部と、を備え、前記画像生成部は、前記撮影モード選択部で選択されたX線CT撮影モードに応じて前記撮影対象領域表示を変更するものである。
第2の態様は、被写体にX線コーンビームを照射し、この被写体を透過した透過X線に基づいてX線CT画像を生成するX線CT装置であって、X線発生器と、前記被写体を挟んで前記X線発生器に対向する位置に交換又は切換え可能に配設され、前記被写体を透過した透過X線に応じたX線投影データを出力するX線イメージセンサと、前記イメージセンサの交換又は切換えに応じてX線CT撮影領域の形状が異なる複数のX線CT撮影モード別の撮影モード信号を出力するモード信号出力部を備え、前記X線イメージセンサから出力されるX線投影データに基づいて前記撮影モード信号により選択されたX線CT撮影モードに応じたX線CT画像を生成可能で、かつ、前記被写体を表す位置設定用画像に撮影対象領域表示を重畳した画像を生成可能な画像生成部と、前記位置設定用画像に対して相対的に前記撮影対象領域表示を移動させる操作を受付ける操作部と、前記撮影対象領域表示の位置に応じて前記X線発生器と前記X線イメージセンサとを前記被写体に対して相対的に位置づけする移動機構部と、前記画像生成部で生成された画像を表示する表示部と、を備え、前記画像生成部は、前記撮影モード信号により選択されたX線CT撮影モードに応じて前記撮影対象領域表示を変更するものである。
第3の態様は、第1の態様であって、前記撮影モード選択部は、操作者による前記X線CT撮影モードの設定指令を受付けて前記X線CT撮影モードを選択するものである。
第4の態様は、第1〜第3のいずれかの態様であって、前記複数のX線CT撮影モードには、局所X線CT撮影モードを含むものである。
第5の態様は、第1〜第4のいずれかの態様であって、前記位置設定用画像は、歯列弓を模式化した歯列弓画像、被写体をX線パノラマ撮影して得られるX線パノラマ画像、前記被写体を異なる角度からX線撮影した複数のX線透過画像の少なくともいずれかであるようにしたものである。
第1の態様に係るX線CT撮影装置によると、画像生成部は、前記撮影モード選択部で選択されるX線CT撮影モードに応じて前記撮影対象領域表示を変更するため、位置づけのために供される撮影対象領域表示を、撮影モードに応じて容易に変更でき、術者等の位置づけを容易にする。
なお、ここで、X線CT撮影モードに応じて前記撮影対象領域表示を変更する場合とは、位置設定用画像に対して相対的に変更する場合をいい、従って、表示部に表示される位置設定用画像の大きさ等を略一定に保ったままで撮影対象領域表示の大きさ等を変更する場合と、表示部において表示される撮影対象領域表示の大きさ等を略一定に保ったままで、位置設定用画像を縮小又は拡大して表示する場合とを含む。
本願構成は、歯科、耳鼻咽喉科、眼科等の顎顔面領域の医療用X線CT撮影の分野において、照射野の形状が異なる複数のX線CT撮影モードからモード選択をする場合に特に有効である。
また、本発明は、医療用X線CT撮影のみならず、一般工業用X線CT等の分野にも幅広く使用できる。
第2の態様によると、前記X線イメージセンサを前記X線CT撮影モードに応じて交換又は切換えることで、撮影対象領域表示を変更することができ、X線イメージセンサの交換又は切換え以外のモード選択作業を不要とできる。
第3の態様によると、操作者による設定指令に応じて、撮影対象領域表示を変更することができる。
第4の態様によると、局所X線CT撮影モードに応じて、適切な撮影対象領域表示を設定できる。
第5の態様によると、前記位置設定用画像は、歯列弓を模式化した歯列弓画像、被写体をX線パノラマ撮影して得られるX線パノラマ画像、前記被写体を異なる角度からX線撮影した複数のX線透過画像の少なくともいずれかであるので、模式図や実際の撮影画像に基づいて比較的正確に撮影対象領域表示を指定できる。
以下、実施形態に係るX線CT撮影装置について説明する。なお、本実施形態では、被写体として、人体の歯を対象とする場合について説明する。
<全体構成>
図1は実施形態に係るX線CT撮影装置の全体構成を示す概略図であり、図2は同X線CT撮影装置における撮影装置本体側制御部30を示す図である。
このX線CT撮影装置は、被写体にX線コーンビームを照射し、この被写体を透過した透過X線に基づいてX線CT(コンピュータ断層撮影)画像を生成する装置である。なお、ここでは、X線CT撮影装置は、X線CT画像だけでなく、例えば、X線細隙ビーム等を照射することで、歯列を所定方向(例えば、歯列の正面側や側方から)からX線透過撮影したX線画像や歯列弓に沿って歯列全体をX線透過撮影したパノラマX線画像等をも生成可能な装置である。
このX線CT撮影装置は、X線CT撮影装置本体M1と、X線画像表示装置M2とを備えている。
X線画像表示装置M2は、液晶ディスプレイ等の表示部12と、コンピュータ側制御部14と、キーボードやマウス等の操作部16とを有する一般的なコンピューターによって構成されている。このX線画像表示装置M2は、主にX線CT撮影装置本体M1から送信される画像信号等に基づいて所定の画像を生成する処理を実行するものであり、その処理内容については後述する。
X線CT撮影装置本体M1は、防X線室22内に配置され、防X線室22の外壁に取付けられたコントロールパネル42´と、防X線室22内に設けられたX線撮影部50とを備えている。
防X線室22は、内部に人Pを収容可能な略直方体筺状に形成されており、扉24が設けられた出入口22aを介して人Pが出入り可能に構成されている。
コントロールパネル42´は、外形略筺状に形成されており、上記防X線室22の一側外面に取付けられている。このコントロールパネル42´には、表示部40と、操作部42とが取付けられている。表示部40は、液晶ディスプレイ等によって構成されており、本X線CT撮影装置による指令用画面や撮影結果に係る情報等を表示可能に構成されている。操作部42は、各種スイッチ42aや撮影スイッチ42b、表示部40に対して座標指示入力を行うためのタッチペン42c等を有しており、本X線CT撮影装置本体M1等に対する各種指令を受付ける。座標指示入力にはタッチペン42cに限らず、例えば数値入力ができるスイッチ類を用いてもよい。なお、上記表示部40に、タッチパネルを組込んで、操作部としての機能を持たせるようにしてもよい。
防X線室22内のX線撮影部50には図1には図示しない撮影装置本体制御部30が内蔵されている。この撮影装置本体側制御部30は、主に上記X線撮影部50による撮影制御処理等を実行するものであり、処理内容については後述する。
X線撮影部50は、スタンド部52と、移動機構部60と、撮影本体部70とを有している。
スタンド部52は、防X線室22内の底面に載置された脚部53と、該脚部53に立設状に支持された支柱部54とを有しており、その支柱部54の高さ寸法は人Pの身長を少し超えるように設定されている。
移動機構部60は、スタンド部52の支柱部54に対して昇降可能な昇降部61に取付けられており、撮影本体部70を、立った状態の人体Pの頭部の高さ位置で回転自在に支持している。
また、移動機構部60は、撮影本体部70を可動に支持しており、後述するようにして撮影本体部70を被写体に対して移動させるように構成されている。
ここでは、移動機構部60は、撮影本体部70を水平面域で2次元的に移動させるX−Y移動機構部と、撮影本体部70を垂直軸周りに旋回させる旋回駆動部とを有している。X−Y移動機構は、後述のX軸モータ60xやY軸モータ60yより構成される。これらのX−Y移動機構部や旋回駆動部については、モータ等のアクチュエータやギヤ、リンク機構等の動力伝達機構等を組合わせた周知の駆動機構を含む構成により実現可能であるので、その詳細な説明は省略する。なお、この移動機構部60に関して、説明の便宜上、撮影本体部70が周りを旋回する垂直軸と平行な方向すなわち図示の鉛直方向がZ軸方向であり、入口から入室してX線撮影部50に面した状態でZ軸に略直行する左右方向がX軸方向であり、それらZ軸及びX軸に略直行する方向がY軸とする。移動機構部60には撮影本体部70をZ軸方向に移動させるZ移動機構部が備えられる。図1においては、昇降部61内部にZ移動機構を構成する後述のZ軸モータ62zが設けられ、このZ軸モータ62zの駆動により昇降部61が昇降されることにより、昇降部61に取り付けられた移動機構部60に支持される撮影本体部70が昇降される。
そして、選択された撮影モードに応じて、撮影本体部70を所定位置に移動させた状態で、撮影本体部70を当該撮影モードに応じた軌道で旋回可能になっている。
なお、昇降部61には、その移動機構部60と共に昇降移動可能な保持部62が設けられていてもよい。保持部62は、被写体を保持する部分であり、顎を載せるためのチンレストや、両耳を挟込み可能なイヤロッド等を有しており、人Pの顎や頭部等を保持部62に押付けることで、被写体となる歯顎、顔面領域等を撮影本体部70に対して撮影に適した所定位置に位置づけできるようになっている。保持部62は、移動機構部60によって移動されるようにしてもよい。すなわち、これらのチンレストやイヤロッド等を後述のX軸モータ60xやY軸モータ60yにより水平面域で2次元的に移動させる図示しないX−Y移動機構部や当該チンレストやイヤロッド等を後述のZ軸モータ62zによりZ軸方向に移動させる図示しないZ移動機構部に、上記のチンレストやイヤロッド等が駆動されるようにしてもよい。図1の例では、このX−Y移動機構部やZ移動機構部は昇降部61と当該チンレストやイヤロッド等との間に介在することになる。
上記のように、移動機構部60としては、撮影本体部70を移動させる撮影本体部70側の移動機構部60の部分と保持部62を移動させる保持部62側の移動機構部60の部分とが考えられる。撮影本体部70側の移動機構部60の部分と保持部62側の移動機構部60の部分とは、いずれか一方のみが備えられればよく、双方が備えられるようにしてもよい。撮影本体部70側の移動機構部60の部分と保持部62側の移動機構部60の部分との双方を備える場合、撮影本体部70側の移動機構部60の部分と保持部62側の移動機構部60の部分とは各個独立に駆動するようにしてもよく、連動するようにしてもよい。
なお、撮影本体部70側の移動機構部60の部分は撮影本体部70を支持するのであるが、撮影本体部70側を中心に考えると、撮影本体部70が自身を移動させる撮影本体部70側の移動機構部60の部分を有するといえる。
保持部62側の移動機構部60の部分についても同様であり、保持部62側を中心に考えると、保持部62が自身を移動させる保持部側移動機構部60の部分を有するといえる。
撮影本体部70は、逆略U字状の旋回アーム部72と、旋回アーム部72の一端部であるX線発生部74´内部に設けられたX線発生器74と、旋回アーム部72の他端部であるX線検出部80´に設けられたX線イメージセンサ80とを有している。X線発生器74は、被写体に向けてX線ビームを照射可能に構成されている。また、X線イメージセンサ80は、被写体を挟んでX線発生器74に対向する位置に配設されており、被写体を透過した透過X線を受けて当該透過X線に応じたX線投影データを出力可能に構成されている。
そして、撮影モードに応じた軌道で、撮影本体部70を移動させると共に、X線発生器74からX線ビームを照射し、被写体を透過した透過X線をX線イメージセンサ80で受けることで、透過X線に応じたX線投影データが出力される。そして、このX線投影データに基づいて、撮影モードに応じたX線画像が生成されるようになっている。
<撮影本体部>
撮影本体部70についてより詳細に説明する。図3は撮影本体部70を示す説明図であり、図4は撮影本体部70のX線検出部80´を示す図である。
旋回アーム部72のX線検出部80´には、カセットホルダ72a及び遮蔽部材73が設けられており、このカセットホルダ72aにX線イメージセンサ80を有するカセット82が着脱自在に装着されるようになっている。
カセット82は、扁平な略筺状に形成されており、その一主面にX線イメージセンサ80が取付けられている。このカセット82は、撮影モード別に複数種準備されており、カセットホルダ72aに対して交換可能に構成されている。また、カセット82の一側部には、取っ手部82aが設けられている。なお、撮影モードに応じた構成については次述する。
カセットホルダ72aは、上記カセット82を収容可能でかつ旋回アーム部72の一側部(図3の手前側、図4の左方)に開口する扁平な収容空間を有しており、この収容空間の上下側部に前記開口から奥に向けて延びる装着溝が形成されている。そして、カセット82の上下側部を上記装着溝に嵌め込むようにして、カセット82をカセットホルダ72a内に押込むことで、カセット82が、X線イメージセンサ80をX線発生器74に対向させた姿勢で、カセットホルダ72a内の所定位置に保持されるようになっている。
なお、カセット82を着脱自在に交換可能にする構成は上記例に限られない。例えば、カセットホルダの両側部に装着溝を設けると共に下端部に開口を設け、下方からカセット82を着脱自在に構成してもよい。また、必ずしも装着溝でカセット82を案内しつつ着脱自在に構成する必要もない。
また、上記遮蔽部材73は、カセットホルダ72aのうちX線発生器74に対向する側に設けられている。遮蔽部材73は、X線ビームを遮蔽可能な板材で構成されており、その略中央部に開口73aが形成されている。本遮蔽部材73は、後述する各種態様でX線ビームが照射された場合に、撮影に必要な最大領域ではX線ビームの通過を許容し、かつ、その他の領域ではX線ビームの通過を抑制する役割を有している。ここでは、開口73aは、後述する大照射野のX線CT撮影モードによるX線コーンビームの照射領域及びパノラマ撮影モード等によるX線細隙ビームの照射領域を重ね合せた形状に形成されている。なお、図4で、開口73a内に示された点線による略方形枠は、各撮影モードにおけるX線ビームの照射領域を示している。
撮影モードに応じて複数種準備されたカセット82について説明する。なお、以下の説明では、撮影モードに関係なく総称する場合にはカセット82、X線イメージセンサ80、情報処理部83のように符号を付し、撮影モードに応じて区別する場合には、カセット82A,82B,82C,82D、X線イメージセンサ80A,80B,80C,80D、情報処理部83A,83B,83C,83Dのように符号を付する。
図5は大照射野のX線CT撮影モード用に準備されたカセット82Aを示す図であり、図5(a)はカセット82Aの側面図であり、図5(b)はカセット82Aの正面図である。
このカセット82Aは、大照射野のX線CT画像撮影用のX線イメージセンサ80Aと、情報処理部83Aとを備えている。そして、このカセット82Aが上記カセットホルダ72aに装着されると、情報処理部83Aは、図示省略のコネクタ等を介してコンピュータ側制御部14及び撮影装置本体側制御部30を含む制御部110(図14参照)と相互通信可能に接続される。
上記X線イメージセンサ80Aは、カセット82Aの一主面に取付けられており、略方形状の検出面を有している。大照射野のX線CT撮影モードでは、X線発生器74から被写体の全体、即ち、頭部全体や顎全体等にX線を照射可能な略四角錐状のX線コーンビームが照射される。X線イメージセンサ80Aは、このような比較的広範囲なX線コーンビームを検出可能な略方形状の検出面を有しており、そのX線コーンビームの透過X線に応じたX線投影データを出力する。
また、情報処理部83Aは、CPU、ROMおよびRAM等を備える一般的なマイクロコンピュータによって構成されており、予め格納されたソフトウェアプログラムによって所定の処理を実行する。
ここでは、情報処理部83Aは、上記制御部110からの駆動指令に基づいてX線イメージセンサ80Aの駆動制御を行うと共に、X線イメージセンサ80から出力された信号に増幅処理やアナログデジタル変換処理等の処理を施して制御部110に出力する。
また、情報処理部83Aは、本カセット82Aの種類に関する種類識別情報、より具体的には、大照射野のX線CT撮影モード用である旨の種類識別情報を記憶可能な記憶部を有しており、当該種類識別情報を制御部110に出力可能に構成されている。種類識別情報の出力は、本カセット82Aを上記カセットホルダ72aにセットした際等に行われる。つまり、情報処理部83は、X線イメージセンサ80の交換等に応じて、交換等された撮影モードに応じた撮影モード信号を出力するモード信号出力部として機能する。
情報処理部83Aは、その他、X線イメージセンサ80の照射野範囲情報、検出に係る電圧や電流に関する情報、使用期間情報、使用回数情報などの様々な情報を出力する機能を有していてもよい。
図6は小照射野のX線CT撮影モード用に準備されたカセット82Bを示す図であり、図6(a)はカセット82Bの側面図であり、図6(b)はカセット82Bの正面図である。
このカセット82Bは、上記カセット82Aと同様に、X線イメージセンサ80Bと、情報処理部83Bとを備えている。
本カセット82Bが、上記カセット82Aと異なる点は、X線イメージセンサ80Bの検出面が、小照射野のX線CT撮影用に応じて、比較的狭い略方形状領域とされている点である。即ち、小照射野のX線CT撮影モードでは、特定の歯等、比較的狭い領域(本装置では最も狭い領域)にX線を照射可能な略四角錐状のX線コーンビームが照射される。X線イメージセンサ80Bは、このような狭い範囲のX線コーンビームを検出可能な略方形状の検出面を有している。
図7は中照射野のX線CT撮影モード用に準備されたカセット82Cを示す図であり、図7(a)はカセット82Cの側面図であり、図7(b)はカセット82Cの正面図である。
このカセット82Cは、上記カセット82Aと同様に、X線イメージセンサ80Cと、情報処理部83Cとを備えている。
本カセット82Cが、上記カセット82Aと異なる点は、X線イメージセンサ80Cの検出面が、中照射野のX線CT撮影用に応じて、中程度の大きさの略方形状領域とされている点である。即ち、中照射野のX線CT撮影モードでは、特定の複数の歯等、上記カセット82A,82Bによるものの中間程度の領域にX線を照射可能な略四角錐状のX線コーンビームが照射される。X線イメージセンサ80Cは、このような中程度の範囲のX線コーンビームを検出可能な略方形状の検出面を有している。
図8はパノラマ撮影モード用に準備されたカセット82Dを示す図であり、図8(a)はカセット82Dの側面図であり、図8(b)はカセット82Dの正面図である。
このカセット82Dは、上記カセット82Aと同様に、X線イメージセンサ80Dと、情報処理部83Dとを備えている。
本カセット82Dが、上記カセット82Aと異なる点は、X線イメージセンサ80Dの検出面が、パノラマ撮影用に応じて、縦長な略長方形状領域とされている点である。即ち、パノラマ撮影モードでは、X線細隙ビームが照射される。X線イメージセンサ80Dは、このようなX線細隙ビームを検出可能な縦長な略長方形状の検出面を有している。
なお、上記各カセット82A,82B,82C,82Dは、いずれも略同一の外形状を有しており、上記カセットホルダ72aに択一的に装着可能である。また、それぞれに設けられた情報処理部83A,83B,83C,83Dは、自己の種類に関する種類識別情報、即ち、大照射野のX線CT撮影モード用、小照射野のX線CT撮影モード用、中照射野のX線CT撮影モード用、パノラマ撮影モード用である旨の種類識別情報を出力するモード信号出力部として機能する。
モード信号出力部は、必ずしも各カセット82A,82B,82C,82D内に設けられなくとも、任意の場所にあってよい。例えば各カセット82A,82B,82C,82Dのそれぞれに特有の識別用要素が設けてあり、その識別用要素を判別するモード信号出力部が、例えばカセットホルダ72aにある構成も考えうる。識別用要素は、各カセットごとに形状の異なる切欠であっても、各カセットごとに異なるバーコードやICタグなどであってもよい。いずれにしてもモード信号出力部は各識別用要素を判別し、各カセットに適合する撮影モード信号を出力する。
図9は、大照射野のX線CT撮影を行う状態を示す説明図である。図3及び図9に示すように、X線発生器74は、X線発生器本体部75と、X線発生器本体部75の照射方向側に設けられた遮蔽部材76とを有する。X線発生器本体部75は、大照射野のX線CT撮影可能な広がり以上の広がりを持つX線コーンビームを照射可能に構成されている。また、遮蔽部材76は、少なくとも上記大照射野のX線CT撮影用の開口76a,小照射野のX線CT撮影用の開口76b,中照射野のX線CT撮影用の開口76c,パノラマ撮影用の開口76dを有している。図示の例では、開口76bは前述のZ軸方向に高さが異なる3つの開口からなる。
そして、撮影モードに応じて、X線発生器本体部75の照射方向前方に配設される開口76a,76b,76c,76dの位置を変更することで、X線コーンビームが撮影モードに応じた適切な照射範囲に制限されるようになっている。なお、遮蔽部材76は、図示省略の移動機構により移動可能に構成されており、後述する制御部110の指示に基づいて、撮影モードに応じた開口76a,76b,76c,76dをX線発生器本体部75の照射方向前方に配設可能に構成されている。なお、上記開口76a,76b,76c,76dは、必ずしも矩形状である必要はなく、矩形の四隅に丸みを持たせた形状であってもよく、開口76a,76b,76cは略円形状等であってもよい。
図10は大照射野のX線CT撮影を行う際の移動状態を示す説明図である。図9及び図10に示すように、大照射野のX線CT撮影を行う場合(大照射野のX線CT撮影モード)には、操作者が大照射野のX線CT撮影用のカセット82Aをカセットホルダ72aに装着する。これに合わせて、大照射野のX線CT撮影用の開口76aがX線発生器本体部75の照射方向前方に位置する。そして、大照射野のX線CT撮影用のX線コーンビームCTAを被写体、例えば、歯列DA全体に向けて照射し、その透過X線をカセット82AのX線イメージセンサ80Aで検出する。この状態で、歯列DA全体を含む略円柱状の仮想空間CAの中心軸CA1周りに、カセット82A及びX線発生器74を旋回させる。これにより、歯列DA周りの複数方向からのX線投影透過データが得られる。このX線投影透過データに基づいて後述する制御部110が画像再構成等を施すことで、歯列DAの大照射野のX線CT画像を得ることができる。
なお、このように大照射野のX線CT画像を生成するためのX線投影透過データからパノラマ画像生成用のデータを抽出することで、パノラマ断層画像を生成することもできる。
図11は小照射野のX線CT撮影を行う状態を示す説明図であり、図12は小照射野のX線CT撮影を行う際の移動状態を示す説明図である。
小照射野のX線CT撮影を行う場合(小照射野のX線CT撮影モード)には、操作者が、小照射野のX線CT撮影用のカセット82Bをカセットホルダ72aに装着する。これに合わせて、小照射野のX線CT撮影用の開口76bがX線発生器本体部75の照射方向前方に位置する。
図11に示す状態では、3つの開口76bのうち、最も高い位置にある開口76bと最も低い位置にある開口76bのほぼ中間の位置にある開口76bが用いられている。そして、小照射野のX線CT撮影用のX線コーンビームCTBを被写体、例えば、特定の歯Dbに向けて照射し、その透過X線をカセット82BのX線イメージセンサ80Bで検出する。この状態で、特定の歯Dbを含む略円柱状の仮想空間CBの中心軸CB1周りに、カセット82B及びX線発生器74を旋回させる。これにより、歯Db周りの複数方向からのX線投影透過データが得られる。このX線投影透過データに基づいて後述する制御部110が3次元変換処理等を施すことで、特定の歯Dbに関する小照射野のX線CT画像を得ることができる。
なお、中照射野のX線CT撮影を行う場合(中照射野のX線CT撮影モード)には、操作者が、中照射野のX線CT撮影用のカセット82Cをカセットホルダ72aに装着し、これに合わせて、中照射野用のX線CT撮影用の開口76cをX線発生器本体部75の照射方向前方に位置させた状態で、上記と同様にして、被写体、例えば、複数の歯に関する中照射野のX線CT画像を得ることができる。この場合は開口76cを用いる以外は図9、図11と同様であるので、図示は省略する。
図13はパノラマ撮影を行う状態を示す説明図である。パノラマ撮影を行う場合(パノラマ撮影モード)には、操作者が、パノラマ撮影用のカセット82Dをカセットホルダ72aに装着する。これに合わせて、パノラマ撮影用の開口76dがX線発生器本体部75の照射方向前方に位置する。そして、パノラマ撮影用のX線細隙ビームCTDを被写体、例えば、歯列DAに向けて照射し、その透過X線をカセット82DのX線イメージセンサ80Dで検出する。この状態で、X線細隙ビームCTDの照射方向を歯列DAの延在方向に対して略直交させるように回転軸を移動させつつ、X線細隙ビームCTDで歯列DAを走査することで、歯列弓に沿って歯列DA全体をX線透過撮影したパノラマX線画像を得ることができる。
<ブロック構成>
図14は本X線CT撮影装置を示すブロック図である。このX線CT撮影装置は、上述したように、X線CT撮影装置本体M1とX線画像表示装置M2とを備えている。
X線CT撮影装置本体M1は、撮影装置本体側制御部30と、表示部40と、操作部42と、移動機構部60と、撮影本体部70とを備えている。
撮影装置本体側制御部30は、CPU30a、ROMおよびRAM等を備える一般的なコンピュータによって構成されており、予め格納されたソフトウェアプログラムによって所定の処理を実行する。また、撮影装置本体側制御部30は、操作部42を通じて操作者による操作指令を受付け、操作に係る情報や撮影結果等を表示部40に表示する。
この撮影装置本体側制御部30は、X線検出部制御部31、X線発生部制御部としての機能を有している。X線発生部制御部32は、選択された撮影モードに応じて遮蔽部材76を移動させてX線の照射範囲を設定したり、照射するX線の量を設定する等、X線発生器74を制御する。また、X線検出部制御部31は、X線イメージセンサ80に対するオンオフ制御等、X線イメージセンサ80に対する制御を行う。
以上のように、撮影モードとしては、大照射野のX線CT撮影モード、小照射野のX線CT撮影モード、中照射野のX線CT撮影モード、パノラマ撮影モードなどが考えられる。大照射野のX線CT撮影モード、小照射野のX線CT撮影モード、中照射野のX線CT撮影モードにおけるX線CT撮影領域は、形状が異なっている。ここで、形状が異なっている場合とは、輪郭の形は同一でも、大きさが異なる場合も含む。例えば、大照射野のX線CT撮影モード、小照射野のX線CT撮影モード、中照射野のX線CT撮影モードにおけるX線CT撮影領域の輪郭の形が相似形で、その体積のみが異なっているという場合も、本願においては形状が異なっている場合に含まれる。X線CT撮影領域の面積は同じであるが、その輪郭の形が異なる場合は、無論、形状が異なっている場合に含まれる。大照射野のX線CT撮影モード、小照射野のX線CT撮影モード、中照射野のX線CT撮影モードにおけるX線CT撮影は、いずれも被写体の一部のみをX線CT撮影の対象とした局所X線CT撮影であってよい。
撮影モードの選択は、次の2つの態様で行われる。選択されるモードには、大照射野のX線CT撮影モード、小照射野のX線CT撮影モード、中照射野のX線CT撮影モードなど複数のX線CT撮影モードが含まれる。
1つ目は、上記カセット82の交換によってモード選択を行う態様である。即ち、カセット82A,82B,82C,82Dのうちの1つがカセットホルダ72aに取付けられると、当該カセット82A,82B,82C,82Dから自己の種類に関する種類識別情報が出力され、制御部110に与えられる。当該種類識別情報は、複数のX線CT撮影モードを含む撮影モード別の撮影モード信号でもあり、制御部110は、その種類識別情報に基づいて、複数のX線CT撮影モードを含む複数の撮影モードの中から1つの撮影モードを選択する。
2つ目は、操作部42、操作部16を含む操作部114を介した操作指令に基づいてモード選択を行う態様である。即ち、操作部42、操作部16を含む操作部114は、撮影モードの設定指令を受付け可能に構成され、撮影モード選択部として機能する。撮影モード選択部の機能を操作部42と操作部16の双方に与え、操作部42と操作部16のいずれを介しても撮影モード選択が可能なように構成してもよいし、撮影モード選択部の機能を操作部42、操作部16の一方のみに与えるようにしてもよい。操作部42、操作部16の一方のみに操作部114の機能を集約し、他方を略すようにしてもよい。
操作部114に対する設定指令の入力は、各撮影モードに対応づけられたスイッチを操作する方式であってもよいし、表示部40及び表示部12を含む表示部112に表示される選択画面を見ながらスイッチ又はタッチパネル方式で入力する方式であってもよいし、また、キーボード等で直接的に撮影モードを入力する方式であってもよい。そして、制御部110は、それらの設定指令を受付けて、複数のX線CT撮影モードを含む複数の撮影モードの中から1つの撮影モードを選択する。
この操作部114で選択された撮影モードの特定情報は、後述する撮影対象領域表示の変更処理に供される他、本X線CT撮影装置における実際の撮影処理等の各種処理、例えば、照射野の範囲設定、照射するX線量の設定、X線発生器74やX線イメージセンサ80の軌道設定、当該モードに応じた表示部112の表示制御等に供される。
なお、X線検出部制御部31、X線発生部制御部32としての機能は、上記CPU30a等を含むコンピュータによる処理内容に含まれるものであってもよいし、これとは別途設けられたハードウエアによって実現される構成であってもよい。図14は、これらのX線検出部制御部31、X線発生部制御部32としての各機能が撮影装置本体側制御部30に含まれる旨を示している。
また、撮影装置本体側制御部30は、選択された撮影モードや後述するようにして設定された撮影対象の位置等に応じて、移動機構部60に含まれるX軸モータ60xやY軸モータ60y,Z軸モータ60z,旋回用モータ60rを制御し、所望の被写体に対して所望の撮影モードによる撮影データを得ることができるように、撮影本体部70の移動制御を行う。X軸モータ60x、Y軸モータ60y、Z軸モータ62z、旋回用モータ60rは、図14の図示においては1つずつしか示していないが、X軸モータ60x、Y軸モータ60y、Z軸モータ62z、旋回用モータ60rがそれぞれ複数あり、前述の撮影本体部側の移動機構部60部分用のものと、保持部側の移動機構部60部分用のものとに別れて備えられるようにしてもよい。Z移動機構部、Z軸モータ62zは、撮影本体部側の移動機構部60の部分と保持部側の移動機構部60の部分との一方に備えられればよく、双方に備えられるようにしてもよい。また、Z軸方向における被写体位置づけが正確に行われるのであれば撮影本体部側の移動機構部60の部分と保持部側の移動機構部60の部分双方において省略しても構わない。
さらに、本撮影装置本体側制御部30は、コンピュータ側制御部14と相互通信可能に接続されており、X線イメージセンサ80から出力されたX線投影データを含む情報をコンピュータ側制御部14に与える。
X線画像表示装置M2は、液晶ディスプレイ等の表示部12と、コンピュータ側制御部14と、キーボードやマウス等の操作部16とを有している。操作部16は、受付けた操作指令をコンピュータ側制御部14に与える。また、表示部12は、コンピュータ側制御部14からの画像出力信号に基づいて、所定の情報を表示する。表示部12に表示される画像は、例えば、操作に係る情報や撮影結果に係る情報等である。
コンピュータ側制御部14は、CPU14aやROM、RAMを備えると共にハードディスク装置等の記憶部14bを備える一般的なコンピュータによって構成されており、予め格納されたソフトウェアプログラムによって所定の処理を実行する。
このコンピュータ側制御部14は、画像処理部14d及び座標計算部14eとしての機能を有している。
座標計算部14eは、X線イメージセンサ80から出力されたX線投影データに基づいて2次元データを3次元データに変換する処理を実行してCT画像データを生成する。また、座標計算部14eは、後述するように表示部112で指定された撮影対象(撮影対象領域表示)の位置を、撮影対象の実際の位置に応じた座標データに変換し、撮影本体部70が撮影モードに応じて被写体に対して適切な撮像位置に移動するように位置データを生成し、撮影装置本体側制御部30に与える。この位置データに基づいて、上記撮影装置本体側制御部30は、撮影本体部70の移動制御を行う。
また、画像処理部14dは、表示部12に対して表示を行う画像を生成する。生成される画像は、例えば、操作用の画像や位置設定用画像、撮影結果を示すX線画像等である。
また、これらの座標計算部14e及び画像処理部14dは、X線イメージセンサ80から出力されるX線投影データに基づいて選択された撮影モード(X線CT撮影モードを含む)に応じたX線画像(X線CT画像を含む)を生成可能で、かつ、被写体を表す位置設定用画像に撮影対象領域表示を重畳した画像を生成可能な画像生成部として機能する。後者の機能及び処理については次に詳述する。
もっとも、座標計算部14e及び画像処理部14dとしての機能は、上記CPU14a等による処理内容に含まれるものであってもよいし、これとは別途設けられたハードウエアによって実現される構成であってもよい。図14は、これらの機能がコンピュータ側制御部14の機能として含まれる旨を示している。
また、記憶部14bには、各種撮影モードに応じた撮影対象領域表示画像を、当該各撮影モードに対応づけて記憶している。各撮影対象領域表示画像は、撮影モードに応じた撮影領域を示している。また、ここでは、歯列弓を模式化した歯列弓画像及びX線パノラマ画像に基づいて位置設定を行うことができるので、当該位置設定用画像の種類にも対応づけて撮影対象領域表示画像を記憶している。これらの具体例については後述する。もちろん、撮影対象領域表示画像を各撮影モードに対応づけたデータは、記憶部14bに記憶されている必要はなく、本制御部110によって読出し可能な装置に格納されていればよい。
なお、コンピュータ側制御部14及び撮影装置本体側制御部32は、相互通信可能で全体として本X線CT撮影装置の制御を行う制御部110であり、コンピュータ側制御部14及び撮影装置本体側制御部32の各機能はいずれで処理されてもよい。また、コンピュータ側制御部14及び撮影装置本体側制御部32のうちの一方が省略され、他方で全ての機能が処理されてもよい。また、他のコンピュータがさらに相互通信可能に接続され、3つ以上の制御部で連携して各処理が処理されてもよい。
また、上記操作部16及び操作部42は、全体として本X線CT撮影装置に対する指令を受付ける操作部114であり、また、表示部12及び表示部40は、全体として本X線CT撮影装置に関する諸情報を表示する表示部112である。上記した又は後述する操作指令は、操作部16及び操作部42のいずれに対するものであってもよい。また、上記した又は後述する表示内容は、表示部12及び表示部40のいずれに表示されてもよい。
<撮影対象領域の設定画面>
撮影対象領域を設定するための設定画面例について説明する。設定画面としては、撮影対象である歯列を実像に基づかないで模式図で表示したタイプと、歯列を実際の撮影画像で表示したタイプとがある。
まず、前者のタイプについて説明する。図15は、位置設定用画像として、歯列弓を、模式化した歯列弓画像DAIで表示している。この歯列弓画像DAIは、例えば、一般的な成人の歯列弓を示しており、本制御部110における記憶部14bに予め記憶されている。なお、子供用と大人用とで異なる歯列弓が記憶され、対象者に応じた歯列弓を指定して表示させるようにしてもよい。
この歯列弓画像DAIに重畳表示されるべき大照射野のX線CT撮影モードに応じた撮影対象領域表示RAが予め記憶部14bに記憶されている。大照射野のX線CT撮影モードは、歯列全体をCT撮影するモードであり、従って、大照射野のX線CT撮影モードに応じた撮影対象領域表示RAは、上記歯列弓画像DAIの全体を含む得る程度の大きさに設定されている。ここでは、撮影対象領域表示RAは、上記歯列弓画像DAI全体を含み得る円を示すラインに中心及び直交する座標軸を示す略十字状のラインを含んでいる。
そして、大照射野のX線CT撮影モードが選択されると、画像処理部14dは、当該大照射野のX線CT撮影モードに応じた撮影対象領域表示RAを決定し、上記歯列弓画像DAIに撮影対象領域表示RAを重畳した画像を生成し、これを表示部112に表示する。
図16は、小照射野のX線CT撮影モードで撮影を行う場合の位置設定画面を示している。この場合、小照射野のX線CT撮影モードに応じた撮影対象領域表示RBが予め記憶部14bに記憶されている。小照射野のX線CT撮影モードは、特定の歯をCT撮影するモードであり、従って、本モードに応じた撮影対象領域表示RBは、特定の歯を含み得る程度の大きさに設定されている。ここでは、撮影対象領域表示RBは、上記歯列弓画像DAIのうち特定の歯(ここでは3〜5本程度の歯)を含み得る円を示すラインに中心及び直交する座標軸を示す略十字状のラインを含んでいる。
そして、小照射野の撮影モードが選択されると、画像処理部14dは、当該モードに応じた撮影対象領域表示RBを決定し、上記歯列弓画像DAIに撮影対象領域表示RBを重畳した画像を生成し、これを表示部112に表示する。また、この状態で、操作部114の指令に応じて、歯列弓画像DAIに対して相対的に前記撮影対象領域表示RBを移動可能になっている。操作部114による指令としては、タッチペンを用いた指令や方向キーを用いた指令等が挙げられる。そして、歯列弓画像DAIに対して所望の位置に撮影対象領域表示RBを移動させた状態で、操作部114を介して位置決定指令を入力すると、小照射野のX線CT撮影モードにおける撮影範囲を指定することができる。
図17は、中照射野のX線CT撮影モードで撮影を行う場合の位置設定画面を示している。この場合、中照射野のX線CT撮影モードに応じた撮影対象領域表示RCが予め記憶部14bに記憶されている。小照射野のX線CT撮影モードは、上記小照射野のX線CT撮影モードよりもより多くの歯をCT撮影するモードであり、従って、本モードに応じた撮影対象領域表示RCは、上記撮影対象領域表示RAよりも小さくかつ撮影対象領域表示RBよりも大きく設定されている。ここでは、撮影対象領域表示RCは、上記歯列弓画像DAIの1/2〜1/3程度の特定の歯を含み得る円を示すラインに中心及び直交する座標軸を示す略十字状のラインを含んでいる。
そして、中照射野の撮影モードが選択されると、画像処理部14dは、当該モードに応じた撮影対象領域表示RCを決定し、上記歯列弓画像DAIに撮影対象領域表示RCを重畳した画像を生成し、これを表示部112に表示する。また、この状態で、操作部114の指令に応じて、歯列弓画像DAIに対して相対的に前記撮影対象領域表示RCを移動させることができるようになっている。そして、歯列弓画像DAIに対して所望の位置に撮影対象領域表示RCを移動させた状態で、操作部114を介して位置決定指令を入力すると、小照射野のX線CT撮影モードにおける撮影範囲を指定することができる。
上記のように歯列弓画像DAIに対して、撮影対象領域表示RB,RCの位置が設定されると、これによって指定された範囲で第1又は中照射野のX線CT撮影を行うべく、X線発生器74やX線イメージセンサ80の軌道決定等、当該モード及び位置に応じた処理が実行される。
なお、上記各モードに対して、歯列弓画像DAIは同じ大きさで表示してもよいが、必ずしも同じ大きさである必要はなく、例えば、図18に示すように、小照射野のX線CT撮影モード用には、歯列弓画像DAIをより拡大して表示するようにしてもよい。もちろん、この場合、歯列弓画像DAIの拡大率に応じて撮影対象領域表示RAを拡大して表示する。また、表示部112に表示される撮影対象領域表示の大きさ等を略一定に保ったままで、位置設定用画像である歯列弓画像DAIを縮小又は拡大して表示してもよい。例えば、図15に示すRAと、図16に示すRBと、図17に示すRCの円の表示の大きさを同じに揃え、歯列弓画像DAIの表示の大きさの方を各モード別に変更するようにしてもよい。
本願において、歯列弓画像DAIのような位置設定用画像に対し、撮影対象領域表示を操作部で相対的に移動するとは、位置設定用画像が静止していて、撮影対象領域表示の方を操作部で移動させること、撮影対象領域表示が静止していて、位置設定用画像の方を操作部で移動させること、位置設定用画像と、撮影対象領域表示とを同時にまたは交互に操作部で移動させることいずれをも含む。
撮影対象領域表示RA、RB、RCは、それぞれ歯列弓画像DAIに対して相対的に移動可能であればよいので、固定した歯列弓画像DAIの上で撮影対象領域表示RA、RB、RCをそれぞれ移動操作するようにしてもよいし、固定した撮影対象領域表示RA、RB、RCのそれぞれの上で歯列弓画像DAIを移動操作するようにしてもよい。また、歯列弓画像DAIと撮影対象領域表示RA、RB、RCのそれぞれとの双方を個別に移動操作可能としてもよい。
撮影対象領域を設定するための設定画面として、歯列を実際の撮影画像で表示した後者のタイプについて説明する。図19は、歯列を実際に撮像したX線パノラマ画像で表した図である。つまり、本タイプで位置設定を行うためには、事前に歯列全体を示す画像を得ておく。ここでは、事前に歯列全体のX線パノラマ画像等を撮影した例で説明する。同図では、位置設定用画像として、事前に撮影された歯列全体を正面からX線パノラマ撮影した画像XPを表示している。この画像XPは、位置設定用として用いられる場合、スカウトビュー画像とも呼ばれる。
そして、大照射野のX線CT撮影モードで撮影を行う場合には、当該モードに応じた撮影対象領域表示CSAが予め記憶部14bに記憶されている。大照射野のX線CT撮影モードに応じた撮影対象領域表示CSAは、上記X線パノラマ画像XPのうち歯列全体を含み得る程度の大きさに設定されている。ここでは、撮影対象領域表示CSAは、歯列全体を含み得る方形状ラインに中心及び直交する座標軸を示す略十字状のラインを含んでいる。
そして、大照射野のX線CT撮影モードが選択されると、画像処理部14dは、当該大照射野のX線CT撮影モードに応じた撮影対象領域表示CSAを決定し、上記X線パノラマ画像XPに撮影対象領域表示CSAを重畳した画像を生成し、これを表示部112に表示する。
ここで、大照射野のX線CT撮影モードでは、撮影対象領域表示CSAは歯列全体を含み得る大きさに設定されているため、通常は、撮影対象領域表示CSAの位置を変更しなくともよい。もっとも、本来想定される位置から実際の歯列の位置がずれることはあり得る。このため、上記X線パノラマ画像XPに対して撮影対象領域表示CSAの位置を移動変更できるようにし、当該指定位置に応じた大照射野のX線CT撮影を行わせるようにしてもよい。
図20は、小照射野のX線CT撮影モードで撮影を行う場合の位置設定画面を示している。この場合、小照射野のX線CT撮影モードに応じた撮影対象領域表示CSBが予め記憶部14bに記憶されている。小照射野のX線CT撮影モードに応じた撮影対象領域表示CSBは、特定の歯を含み得る程度の大きさに設定されている。ここでは、撮影対象領域表示CSBは、上記X線パノラマ画像XPのうち特定の歯(ここでは3〜5本程度の歯)を含み得る略方形ラインに中心及び直交する座標軸を示す略十字状のラインを含んでいる。
そして、小照射野の撮影モードが選択されると、画像処理部14dは、当該モードに応じた撮影対象領域表示CSBを決定し、上記X線パノラマ画像XPに撮影対象領域表示CSBを重畳した画像を生成し、これを表示部112に表示する。また、この状態で、操作部114の指令に応じて、X線パノラマ画像XPに対して相対的に前記撮影対象領域表示CSBを移動可能になっている。そして、X線パノラマ画像XPに対して所望の位置に撮影対象領域表示CSBを移動させた状態で、操作部114を介して位置決定指令を入力すると、小照射野のX線CT撮影モードにおける撮影範囲を指定することができる。
図21は、中照射野のX線CT撮影モードで撮影を行う場合の位置設定用画面を示している。この場合、中照射野のX線CT撮影モードに応じた撮影対象領域表示CSCが予め記憶部14bに記憶されている。中照射野のX線CT撮影モードに応じた撮影対象領域表示CSCは、上記撮影対象領域表示CSAよりも小さくかつ撮影対象領域表示CSBよりも大きく設定されている。ここでは、撮影対象領域表示CSCは、上記歯列の1/2〜1/3程度の特定の歯を含み得る略方形ラインに中心及び直交する座標軸を示す略十字状のラインを含んでいる。
そして、中照射野の撮影モードが選択されると、画像処理部14dは、当該モードに応じた撮影対象領域表示CSCを決定し、上記X線パノラマ画像XPに撮影対象領域表示CSCを重畳した画像を生成し、これを表示部112に表示する。また、この状態で、操作部114の指令に応じて、X線パノラマ画像XPに対して相対的に前記撮影対象領域表示CSCを移動させることができるようになっている。そして、X線パノラマ画像XPに対して所望の位置に撮影対象領域表示CSCを移動させた状態で、操作部114を介して位置決定指令を入力すると、小照射野のX線CT撮影モードにおける撮影範囲を指定することができる。
上記のようにX線パノラマ画像XPに対して、撮影対象領域表示CSA,CSB,CSCの位置が設定されると、これによって指定された範囲で大照射野のX線CT撮影、第1又は中照射野のX線CT撮影を行うべく、X線発生器74やX線イメージセンサ80の軌道決定等、当該モード及び位置に応じた処理が実行される。
もちろん、ここにおいても、X線パノラマ画像XP及び撮影対象領域表示CSA,CSB,CSCを縮小又は拡大して表示するようにしてもよい。
撮影対象領域表示CSA、CSB、CSCは、それぞれX線パノラマ画像XPに対して相対的に移動可能であればよいので、固定したX線パノラマ画像XPの上で撮影対象領域表示CSA、CSB、CSCをそれぞれ移動操作するようにしてもよいし、固定した撮影対象領域表示CSA、CSB、CSCのそれぞれの上でX線パノラマ画像XPを移動操作するようにしてもよい。また、X線パノラマ画像XPと撮影対象領域表示CSA、CSB、CSCのそれぞれとの双方を移動操作可能としてもよい。
なお、上記表示は、表示部12,40のいずれでなされてもよいし、また、操作の受付は、操作部16,42のどちらでなされてもよい。
設定画面として、歯列を実際の撮影画像で表示したタイプは、X線パノラマ画像を用いる例には限られない。例えば、予め前述の大照射野のX線CT撮影モードによるCT撮影が行われていて、頭頂から見下ろした方向に歯列弓を平面視した断層面画像が得られているとすれば、その断層面画像を位置設定用画像として用いることができる。すなわち、この歯列弓を平面視した断層面画像は、図15〜18の歯列弓を模式化した歯列弓画像DAIの実写版ともいえる位置設定用画像としても利用できる。
断層面画像は、頭頂から見下ろした方向に歯列弓を平面視した断層面画像に限らず、任意の方向から見た断層面画像を適宜用いることができる。
また、前述の大照射野のX線CT撮影モードまたは中照射野のX線CT撮影モードによるCT撮影が行われている場合には、被写体の硬組織を立体的な3次元画像で表示するボリュームレンダリング像を画像再構成で生成して、位置設定用画像として用いてもよいし、パノラマ断層に該当する箇所を抽出した立体的な馬蹄形状の3次元画像を位置設定用画像として用いてもよい。
歯列を実際の撮影画像で表示するタイプの位置設定用画像においては、演算の負担を軽減するために位置設定用画像の解像度を本撮影のX線CT画像やパノラマ画像等に比べて低く設定して生成してもよい。
<動作>
本X線CT撮影装置の動作について特に位置設定動作に重点をおいて説明する。図22及び図23は、本X線CT撮影装置の動作を示すフローチャートである。
まず、ステップS1において、パノラマ撮影を選択するか否かが決定される。操作部114に対する設定指令または装着されたカセット82の情報処理部83からの種類識別情報に基づいてパノラマを選択しないと判別された場合には、ステップS2に進む。
ステップS2では、大照射野のX線CT撮影を選択するか否かが選択される。操作部114に対する設定指令または装着されたカセット82の情報処理部83からの種類識別情報に基づいて大照射野のX線CT撮影を選択すると判別された場合には、ステップS3に進む(大照射野のX線CT撮影モード)。
ステップS3では、歯列弓を平面視した模式図である歯列弓画像DAIに、大サイズの円を含む撮影対象領域表示RAを重畳して表示部112に表示する(図15参照)。続いて、ステップS4に進み、大照射野のX線CT撮影(大照射野による撮影)を実行する。次に、ステップS5に進み、撮影された大照射野のX線CT画像を表示部112に表示して処理を終了する。
ステップS2において、大照射野のX線CT撮影を選択しないと判別された場合、ステップS9に進む。ステップS9では、操作部114に対する設定指令または装着されたカセット82の情報処理部83からの種類識別情報に基づいて小照射野を選択するか否か、即ち、小照射野のX線CT撮影モードを選択するか否かが判別される。小照射野を選択しないと判別された場合、ステップS10に進む(中照射野のX線CT撮影モード選択)。
ステップS10では、歯列弓を平面視した模式図である歯列弓画像DAIに、中サイズの円を含む撮影対象領域表示RBを重畳して表示部112に表示する(図17参照)。続いて、ステップS11に進み、操作部114を介して、歯列弓画像DAIに対する撮影対象領域表示RCの位置設定指令を受付ける。
次ステップS12では、ステップS11における撮影対象領域表示の位置に応じて移動機構部60を駆動して、旋回アーム部72の旋回軸の位置等を被写体に対して相対的に位置付けする。この状態で、次ステップS13で、移動機構部60やX線発生器74.X線イメージセンサ80を駆動して、中照射野のX線CT撮影(中視野照射野による撮影)を実行する。
次に、ステップS5に進み、撮影された中照射野のX線CT画像を表示部112に表示して処理を終了する。
ステップS9で小照射野を選択すると判別された場合、ステップS14に進む(小照射野のX線CT撮影モードの選択)。
ステップS14では、歯列弓を平面視した模式図である歯列弓画像DAIに、小サイズの円を含む撮影対象領域表示RBを重畳して表示部112に表示する(図16参照)。続いて、ステップS15に進み、操作部114を介して、歯列弓画像DAIに対する撮影対象領域表示RBの位置設定指令を受付ける。
次ステップS16では、ステップS15における撮影対象領域表示の位置に応じて移動機構部60を駆動して、旋回アーム部72の旋回軸の位置等を被写体に対して相対的に位置付けする。そして、次ステップS17で、移動機構部60やX線発生器74.X線イメージセンサ80を駆動して、小照射野のX線CT撮影(小照射野による撮影)を実行する。
次に、ステップS5に進み、撮影された小照射野のX線CT画像を表示部112に表示して処理を終了する。
ステップS1において、パノラマ撮影を選択すると判別された場合には、ステップS6に進む。そして、ステップS6において、パノラマ撮影が実行される。これにより、歯列全体のX線パノラマ画像が得られる。
次ステップS7において、操作部114への指令に基づいて、X線パノラマ画像をスカウトビュー画像として用いるか否かが判別される。スカウトビュー画像として用いられないと判別された場合(X線パノラマ画像の撮影だけで終了する場合等)、ステップS8に進む。
ステップS8では、上記X線パノラマ画像をデータとして記憶したり、又は、表示部112に表示する等の出力処理を行って処理を終了する。
ステップS7で、X線パノラマ画像XPがスカウトビュー画像として用いられると判別されると、ステップS18に進む。ステップS18では、X線パノラマ画像XPをスカウトビュー画像として表示し、次ステップS19に進む。
ステップS19では、操作部114への指令または装着されたカセット82の情報処理部83からの種類識別情報に基づいて小照射野を選択するか否かが判断される。小照射野を選択しないと判断された場合、ステップS20に進む(中照射野のX線CT撮影モードの選択)。
ステップS20では、上記スカウトビュー画像であるX線パノラマ画像XPに、撮影対象領域指定用の中照視射野用の枠である撮影対象領域表示CSCを選択して重畳して表示し(図21参照)、ステップS21に進む。
ステップS21では、操作部114を介して、X線パノラマ画像XP(パノラマビュー画像)に対する撮影対象領域表示CSCの位置設定指令を受付ける。そして、次ステップS22で、X線パノラマ画像XP(パノラマビュー画像)に対する撮影対象領域表示CSCの相対的位置関係から、指定された位置に応じた旋回アーム部72の旋回軸の位置等を座標計算処理により求め、ステップS23及びS24を実行する。ステップS23及びステップS24は、上記ステップS10及びステップS11と同様の処理であり、ステップS21で指定された位置を歯列弓画像DAIに表示する。これらの処理は確認用等に供されるものであり、確認結果、位置を変更する場合には、ステップS24で受付けられて変更処理が実行され、そのままで変更無き場合には次ステップS25に進む。このステップS23及びステップS24は省略してもよい。
そして、ステップS25に進む。ステップS25では、ステップS21またはステップS24における撮影対象領域表示の位置に応じて移動機構部60を駆動して、旋回アーム部72の旋回軸の位置を被写体に対して相対的に位置付けする。この後、次ステップS26で、移動機構部60やX線発生器74.X線イメージセンサ80を駆動して、中照射野のX線CT撮影(中照射野による撮影)を実行する。
次に、ステップS27に進み、撮影された中照射野のX線CT画像を表示部112に表示して処理を終了する。
ステップS19で小照射野を選択すると判別された場合、ステップS28に進む(小照射野のX線CT撮影モードの選択)。
ステップS28では、上記スカウトビュー画像であるX線パノラマ画像XPに、撮影対象領域指定用の小照射野用の枠である撮影対象領域表示CSBを選択して重畳して表示し(図20参照)、ステップS29に進む。
ステップS29では、操作部114を介してX線パノラマ画像XP(パノラマビュー画像)に対する撮影対象領域表示CSBの位置設定指令を受付ける。そして、次ステップS30で、X線パノラマ画像XP(パノラマビュー画像)に対する撮影対象領域表示CSCの相対的位置関係から、指定された位置に応じた旋回アーム部72の旋回軸の位置等を座標計算処理により求め、ステップS31及びS32を実行する。ステップS31及びステップS32は、上記ステップS14及びステップS15と同様の処理であり、ステップS29で指定された位置を歯列弓画像DAIに表示する。これらの処理は確認用等に供され、確認結果、位置を変更する場合には、ステップS32で受付けられて変更処理が実行され、そのままで変更無き場合には次ステップS33に進む。このステップS31及びステップS32は省略してもよい。
そして、ステップS33に進む。ステップS33では、ステップS29またはステップS32における撮影対象領域表示の位置に応じて移動機構部60を駆動して、旋回アーム部72の旋回軸の位置を被写体に対して相対的に位置付けする。この後、ステップS34で、移動機構部60やX線発生器74.X線イメージセンサ80を駆動して、小照射野のX線CT撮影(小照射野による撮影)を実行する。
次に、ステップS27に進み、撮影された中照射野のX線CT画像を表示部112に表示して処理を終了する。
ステップS5、S27は、選択されたX線CTモードに応じたX線CT画像を生成するステップである。
以上のように構成されたX線CT撮像装置によると、座標計算部14e及び画像処理部14dを含む画像生成部が、カセット82の装着に基づき選択される撮影モード又は操作部114を介した操作指令に基づく選択される撮影モードに応じて、撮影対象領域表示RA,RB,RC,CSA,CSB,CSCを変更する。このため、位置づけ等のために供される撮影対象領域表示RA,RB,RC,CSA,CSB,CSCを、撮影モードに応じて容易に変更でき、便利である。
特に、X線イメージセンサ80を含むカセット82の交換に基づき選択される撮影モードに応じて、撮影対象領域表示RA,RB,RC,CSA,CSB,CSCを変更することで、カセット82を交換すれば自動的に撮影対象領域表示RA,RB,RC,CSA,CSB,CSCが変更されるので、より便利である。
また、操作者による操作部114への設定指令に応じて、撮影対象領域表示RA,RB,RC,CSA,CSB,CSCを変更すれば、個別の指令に応じて撮影対象領域表示RA,RB,RC,CSA,CSB,CSCを変更でき、便利である。
これは特に次のような場合に有効である。すなわち、図24に示すように、カセット82Eとして、各CT撮影モード(大照射野のX線CT撮影モード、小照射野のX線CT撮影モード、中照射野のX線CT撮影モード)で共通に使用できるものが考えられる。つまり、カセット82Eに設けられるX線イメージセンサ80Eが、各CT撮影モードによるX線を検出可能な広がりを持つ検出面を有していれば、当該カセット82Eを各CT撮影モードで共通して用いることができる。つまり、図24に示すように、X線イメージセンサ80Eの検出面は、大照射野のX線CT撮影モードによるX線の照射領域50EA、小照射野のX線CT撮影モードによるX線の照射領域50EBで、中照射野のX線CT撮影モードによるX線の照射領域50ECよりも広い広がりを有している。また、このカセット82Eは、そのような各CT撮影モードで共用されるカセットである旨を出力する情報処理部83Eを有している。このようなカセット82Eを装着した場合、操作部114を介して、個別に撮影しようとするCT撮影モード(大照射野のX線CT撮影モード、小照射野のX線CT撮影モード、中照射野のX線CT撮影モードのうちのいずれかの指定)を入力することで、撮影対象領域表示RA,RB,RC,CSA,CSB,CSCを変更して表示できるようにすることができる。
また、位置設定用画像として、上記X線パノラマ画像のように、被写体を実際に撮影した画像を用いることで、比較的正確に撮影対象領域表示を指定することできる。
図27は、図24に示すカセット82Eにより小照射野のX線CT撮影モードによるX線CT撮影を行う場合の例である。
図11に示す状態では、小照射野のX線CT撮影用の3つの開口76bのうち、最も低い位置にある開口76bがX線発生器本体部75の照射方向前方に位置している。そして、小照射野のX線CT撮影用のX線コーンビームCTBを被写体、例えば、特定の歯Dbに向けて照射し、その透過X線をカセット82EのX線イメージセンサ80Eで検出する。
この構成では、遮蔽部材76を変位させて小照射野のX線CT撮影用の3つの開口76bを適宜選択することにより、X線コーンビームCTBの照射方向を図示の上下に変更することができる。例えば、下顎の歯を撮影する場合は3つの開口76bのうち、最も低い位置にある開口76bを選択して上向きのX線コーンビームCTBで照射し、上顎の歯を撮影する場合は3つの開口76bのうち、最も高い位置にある開口76bを選択して下向きのX線コーンビームCTBで照射するという使い分けができる。
図28は、図27に示すカセット82Eを変形されたカセット82E´の例である。
カセット82Eと異なるのは、カセット82E´のX線イメージセンサ80Eの検出面の横幅が図6に示すカセット82BのX線イメージセンサ80Bの横幅と同じに設定してある点である。この構成によっても、図27の構成と同様、遮蔽部材76を変位させて小照射野のX線CT撮影用の3つの開口76bを適宜選択することにより、X線コーンビームCTBの照射方向を図示の上下に変更することができる。
{変形例}
上記実施形態では、複数の撮影モードとして、大照射野のX線CT撮影モード、小照射野のX線CT撮影モードに及び中照射野のX線CT撮影モードを想定しているが、当該例に限定されず、X線CT撮影領域の形状が異なるX線CT撮影モードを備える構成に適用可能である。
また、上記実施形態では、位置設定用画像として、一般的な歯列をイメージ化した歯列弓画像及び事前に被写体をX線パノラマ撮影して得られるX線パノラマ画像を用いた例で説明したが、その例に限られない。
例えば、図25に示すように、被写体を異なる角度からX線撮影した複数のX線透過画像であってもよい。図25では、被写体としての歯列を正面側から撮影したX線透過画像XI1及び側方から撮影したX線透過画像XI2を位置設定用画像として用い、これに撮影モード(ここでは小照射野の撮影モード)に応じた撮影対象領域表示CSFを重畳して表示している。また、撮影対象領域表示CSFに合わせて、撮影対象領域表示CSFの中央を中心とするX軸、Y軸及びZ軸を表示している。
その他、位置設定用画像は、歯列全体を示す立体画像であってもよい。要するに、位置設定用画像としては、実際の撮影の有無、撮影方式に拘らず、目標となる撮影対象の全体又は一部を操作者に提示できるような画像であればよい。
また、撮影対象領域表示として、上記では略円形の表示又は略方形の表示例を示したが、それらの形状に限られない。例えば、撮影対象領域表示として、略円形の一部や略方形の一部(例えば、略方形枠のうち各頂点を示す4箇所の略L字状の表示や対向する一対の辺だけの表示等)、略十字形状の表示や「*」字のように放射状の表示を行ってもよく、これらを点線や破線等で表示してもよい。位置設定用画像として立体画像等を用いる場合には、略円柱状の表示を行ってもよい。要するに、位置設定用画像に対して、撮影モードに応じて撮影対象領域を示し得る表示であればよい。
また、上記位置設定用画像に対して撮影対象領域の位置を設定する場合、固定された位置設定用画像に対して撮影対象領域を移動させるように表示してもよく、また、撮影対象領域を固定して位置設定用画像を移動させるように表示してもよい。
また、上記実施形態では、X線イメージセンサ80及びX線発生器74を移動機構部60で移動させる構成について説明したが、これらのX線イメージセンサ80及びX線発生器74は、被写体に対して相対移動できればよい。例えば、図26に示すように、撮影対象となる患者が椅子120に座った状態で、当該椅子120を昇降移動機構部124及び水平移動機構部122で移動させるようにしてもよい。
椅子120は被写体を保持するものであり、保持部62を構成する。頭部の固定のためには、図示のようにヘッドレスト120´を備えていることが望ましい。水平移動機構部122、昇降移動機構部124は、図1に関して述べた保持部側の移動機構部60を構成する。水平移動機構部122はX−Y移動機構部であり、前述のX軸モータ60xやY軸モータ60yより構成される。昇降移動機構部124はZ移動機構部であり、前述のZ軸モータ62zより構成される。なお、図26において、上記実施形態で説明したものと同様構成については同一符号を付してある。
また、上記実施形態では、撮影対象が人の歯である場合で説明したが、撮影対象は当該例に限られない。例えば、撮影対象は頭部全体や耳部分、鼻部分、目部分等であってもよい。また、人の部分である場合に限られず、撮影対象は、犬、猫等の小動物等、より大きな動物の部分等であってもよい。
したがって、撮影対象は歯列弓の歯牙に限らず、上顎洞部分であっても、耳鼻科において重要な診療箇所であるアブミ骨周辺の組織でも、眼科において重要な診療箇所である眼球周辺の組織であってもよい。さらに、工業用CTにおいて、製品や部品の部分ごとに詳細な構造を調べる場合にも応用できる。
上記実施例においては、組織を模式化した位置設定用画像としては、歯列弓を模式化した歯列弓画像を用いる例を説明しているが、上顎洞部分およぴその周辺の組織を模式化した画像であっても、耳およぴその周辺の組織を模式化した画像であっても、眼球およぴその周辺の組織を模式化した画像であってもよい。
また、上記実施形態では、被写体である患者を立位で撮影するタイプを示したが、これに限定されず、例えば前記撮影本体部の旋回軸が水平方向に向き、横臥した患者を撮影するタイプに適用しても良い。
また、上記実施形態では、撮影モードに応じてカセット82が交換される例で説明したが、着脱自在に交換される構成に限られない。例えば、複数のカセット82がX線発生器74に対向する位置に対して移動自在に配設され、複数のカセット82のうちの1つを撮影モードに応じてX線発生器74に対向する位置に配設するように切換えできる構成であってもよい。そして、X線発生器74に対向する位置に配設されたカセット82が、自己の撮影モードに応じた信号を出力する構成であってもよい。
また、カセット82の撮影モードを検出する構成としては、上記のように、情報処理部83が自己の種別を示す信号を出力する構成に限られない。例えば、各カセット82に自己の種別を示す信号を出力する専用のIC(Integrated Circuit)チップが搭載されていてもよい。また、各カセット82に付された光学的情報(バーコード等)や磁気的情報(磁気ストライプ等)を、カセットホルダ72aに設けられたリーダで読込んで、その種類に応じた撮影モードを選択する構成であってもよい。さらには、各カセット82毎に異なる凹凸形状を形成しておき、カセットホルダ72aに設けられたマイクロスイッチや光センサ等で当該凹凸形状に応じた信号を、撮影モードを示す信号として出力してもよい。
また、被写体に対する撮影本体部70の移動は相対的であればよいので、移動機構部60については、上記の例を含め、様々な態様が考えられる。例えば、次のような組み合わせである。
態様A:保持部62が、保持部62をX軸方向、Y軸方向に移動させるX−Y移動機構部(保持部側の移動機構部60の部分)を有し、撮影本体部70はX−Y移動機構部(撮影本体部側の移動機構部60の部分)を有さない。撮影本体部70はX軸方向、Y軸方向には移動せず、保持部62がX軸方向、Y軸方向に2次元的に移動する。好ましくは撮影本体部70、保持部62の少なくともいずれかがZ軸方向に移動する。
態様B:撮影本体部70が、撮影本体部70をX軸方向、Y軸方向に移動させるX−Y移動機構部(撮影本体部側の移動機構部60の部分)を有し、保持部70はX−Y移動機構部(保持部側の移動機構部60の部分)を有さない。撮影本体部70がX軸方向、Y軸方向に2次元的に移動し、保持部62はX軸方向、Y軸方向には移動しない。好ましくは撮影本体部70、保持部62の少なくともいずれかがZ軸方向に移動する。
態様C:保持部62が、保持部62をX軸方向に移動させる移動機構部(保持部側の移動機構部60の部分)を有し、撮影本体部70は撮影本体部70をY軸方向に移動させる移動機構部(撮影本体部側の移動機構部60の部分)を有する。保持部62がX軸方向に移動し、撮影本体部70がY軸方向に移動する。保持部62と撮影本体部70の総合運動で水平面域での被写体に対する撮影本体部70の2次元的移動が可能である。好ましくは撮影本体部70、保持部62の少なくともいずれかがZ軸方向に移動する。
態様D:保持部62が、保持部62をY軸方向に移動させる移動機構部(保持部側の移動機構部60の部分)を有し、撮影本体部70は撮影本体部70をX軸方向に移動させる移動機構部(撮影本体部側の移動機構部60の部分)を有する。保持部62がY軸方向に移動し、撮影本体部70がX軸方向に移動する。保持部62と撮影本体部70の総合運動で水平面域での被写体に対する撮影本体部70の2次元的移動が可能である。好ましくは撮影本体部70、保持部62の少なくともいずれかがZ軸方向に移動する。
上記の態様A〜Dの例では、X軸方向、Y軸方向への移動機構を中心に考えているが、水平面域での被写体に対する撮影本体部70の2次元的移動が可能であればよく、例えば円盤状の旋回部材に、旋回中心を外れた箇所に上記の撮影本体部70の旋回軸を設けて旋回軸を水平面域で2次元移動させる構成や、回動する関節で連結した複数のアーム部材の先端に撮影本体部70の旋回軸を設けて旋回軸を水平面域で2次元移動させる構成を採用してもよい。
また、移動機構は備えているが、あえて移動制御においてその一部しか駆動しないことも可能である。例えば、保持部側の移動機構部60の部分、撮影本体部側の移動機構部60の部分が共にX−Y移動機構とZ移動機構からなっているが、保持部側の移動機構部60の部分ではX軸方向への移動のみ行い、撮影本体部側の移動機構部60の部分ではY軸方向への移動のみ行うという場合である。
撮影本体部70が被写体に対して相対的に移動することで、X線発生器74とX線イメージセンサ80が被写体に対して相対的に移動するのであるが、本願において、撮影本体部70が被写体に対して相対的に移動するとは、撮影本体部70が静止していて、被写体の方を移動させること、被写体が静止していて、撮影本体部70の方を移動させること、撮影本体部70と、被写体とを同時にまたは交互に移動させることいずれをも含む。
実施形態に係るX線CT撮影装置の全体構成を示す概略図である。 同上のX線CT撮影装置における撮影装置本体側制御部を示す図である。 撮影本体部を示す説明図である。 撮影本体部の一端部を示す図である。 図5(a)は大照射野のX線CT撮影モード用に準備されたカセットの側面図であり、図5(b)は同カセットの正面図である。 図6(a)は小照射野のX線CT撮影モード用に準備されたカセットの側面図であり、図6(b)は同カセットの正面図である。 図7(a)は中照射野のX線CT撮影モード用に準備されたカセットの側面図であり、図7(b)は同カセットの正面図である。 図8(a)はパノラマ撮影モード用に準備されたカセットの側面図であり、図8(b)は同カセットの正面図である。 大照射野のCT撮影を行う状態を示す説明図である。 大照射野のCT撮影を行う際の移動状態を示す説明図である。 小照射野のX線CT撮影を行う状態を示す説明図である。 小照射野のX線CT撮影を行う際の移動状態を示す説明図である。 パノラマ撮影を行う状態を示す説明図である。 X線CT撮影装置を示すブロック図である。 大照射野のX線CT撮影モードで撮影を行う場合の位置設定用画面例を示す図である。 小照射野の局所X線CT撮影モードで撮影を行う場合の位置設定画面例を示す図である。 中照射野の局所X線CT撮影モードで撮影を行う場合の位置設定画面例を示す図である。 小照射野の局所X線CT撮影モードで撮影を行う場合の位置設定用画面の他の例である。 大照射野のX線CT撮影モードで撮影を行う場合の位置設定用画面例を示す図である。 小照射野の局所X線CT撮影モードで撮影を行う場合の位置設定画面例を示す図である。 中照射野の局所X線CT撮影モードで撮影を行う場合の位置設定画面例を示す図である。 X線CT撮影装置の動作を示すフローチャートである。 X線CT撮影装置の動作を示すフローチャートである。 1つのカセットを複数の撮影モードに共通使用する例を示す図である。 位置設定用画像として被写体を異なる角度からX線撮影した複数のX線透過画像を用いた位置設定用画面例である。 被写体側を移動させる変形例を示す図である。 図24に示すカセットにより小照射野のX線CT撮影モードによるX線CT撮影を行う場合の例を示す図である。 図27に示すカセットの変形例に係るカセットの例を示す図である。
符号の説明
12 表示部
14 コンピュータ側制御部
14a 記憶部
14d 画像処理部
14e 座標計算部
16 操作部
30 撮影装置本体側制御部
40 表示部
42 操作部
50 X線撮影部
60 移動機構部
70 撮影本体部
72 旋回アーム部
72a カセットホルダ
74 X線発生器
80 X線イメージセンサ
80,80A,80B,80C,80D X線イメージセンサ
82,82A,82B,82C,82D カセット
83,83A,83B,83C,83D 情報処理部
110 制御部
112 表示部
114 操作部
DA 歯列
DAI 歯列弓画像
M1 X線CT撮影装置本体
M2 X線画像表示装置
RA,RB,RC,CSA,CSB,CSC,CSF 撮影対象領域表示
XP X線パノラマ画像

Claims (5)

  1. 被写体にX線コーンビームを照射し、この被写体を透過した透過X線に基づいてX線CT画像を生成するX線CT装置であって、
    X線発生器と、
    前記被写体を挟んで前記X線発生器に対向する位置に配設され、前記被写体を透過した透過X線に応じたX線投影データを出力するX線イメージセンサと、
    X線CT撮影領域の形状が異なる複数のX線CT撮影モードからモード選択をする撮影モード選択部と、
    前記X線イメージセンサから出力されるX線投影データに基づいて前記撮影モード選択部で選択されたX線CT撮影モードに応じたX線CT画像を生成可能で、かつ、前記被写体を表す位置設定用画像に撮影対象領域表示を重畳した画像を生成可能な画像生成部と、
    前記位置設定用画像に対して相対的に前記撮影対象領域表示を移動させる操作を受付ける操作部と、
    前記撮影対象領域表示の位置に応じて前記X線発生器と前記X線イメージセンサとを前記被写体に対して相対的に位置づけする移動機構部と、
    前記画像生成部で生成された画像を表示する表示部と、
    を備え、
    前記画像生成部は、前記撮影モード選択部で選択されたX線CT撮影モードに応じて前記撮影対象領域表示を変更する、X線CT撮影装置。
  2. 被写体にX線コーンビームを照射し、この被写体を透過した透過X線に基づいてX線CT画像を生成するX線CT装置であって、
    X線発生器と、
    前記被写体を挟んで前記X線発生器に対向する位置に交換又は切換え可能に配設され、前記被写体を透過した透過X線に応じたX線投影データを出力するX線イメージセンサと、
    前記イメージセンサの交換又は切換えに応じてX線CT撮影領域の形状が異なる複数のX線CT撮影モード別の撮影モード信号を出力するモード信号出力部を備え、
    前記X線イメージセンサから出力されるX線投影データに基づいて前記撮影モード信号により選択されたX線CT撮影モードに応じたX線CT画像を生成可能で、かつ、前記被写体を表す位置設定用画像に撮影対象領域表示を重畳した画像を生成可能な画像生成部と、
    前記位置設定用画像に対して相対的に前記撮影対象領域表示を移動させる操作を受付ける操作部と、
    前記撮影対象領域表示の位置に応じて前記X線発生器と前記X線イメージセンサとを前記被写体に対して相対的に位置づけする移動機構部と、
    前記画像生成部で生成された画像を表示する表示部と、
    を備え、
    前記画像生成部は、前記撮影モード信号により選択されたX線CT撮影モードに応じて前記撮影対象領域表示を変更する、X線CT撮影装置。
  3. 請求項1記載のX線CT撮影装置であって、
    前記撮影モード選択部は、操作者による前記X線CT撮影モードの設定指令を受付けて前記X線CT撮影モードを選択する、X線CT撮影装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載のX線CT撮影装置であって、
    前記複数のX線CT撮影モードには、局所X線CT撮影モードを含む、X線CT撮影装置。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載のX線CT撮影装置であって、
    前記位置設定用画像は、歯列弓を模式化した歯列弓画像、被写体をX線パノラマ撮影して得られるX線パノラマ画像、前記被写体を異なる角度からX線撮影した複数のX線透過画像の少なくともいずれかである、X線CT撮影装置。
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